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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020913
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/06 20060101AFI20240207BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240207BHJP
   B65H 9/00 20060101ALI20240207BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B65H7/06
B41J2/01 451
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B65H9/00 J
B41J29/38 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123466
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 元春
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
3F048
3F102
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB36
2C056EC12
2C056EC26
2C056FA13
2C056FA14
2C056HA29
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ02
2C061HV09
2C061HV44
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA08
3F048BA11
3F048BA20
3F048BB02
3F048BB09
3F048CA03
3F048CC05
3F048DA06
3F048DB02
3F048DC12
3F048EB22
3F102AA01
3F102AB01
3F102BA02
3F102BB04
3F102CA03
3F102CB02
3F102EA03
3F102FA08
(57)【要約】
【課題】スキュー及び角折れ部の検出精度の向上を図ること。
【解決手段】搬送装置は、搬送方向に記録媒体を搬送する搬送部と、搬送部の動作を制御する制御部と、記録媒体の姿勢に関するスキュー量及びシフト量を検出可能な検出部と、を備え、検出部は、記録媒体の幅方向における一方の端部に対して、互いに異なる少なくとも3点について、幅方向における記録媒体の端部位置を平行して検出可能であり、制御部は、少なくとも3点の、幅方向における記録媒体の端部位置に基づいて、記録媒体の角折れ部を検出する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部の動作を制御する制御部と、
前記搬送部に送り込まれる前記記録媒体の姿勢に関するスキュー量及びシフト量を検出可能な検出部と、を備え、
前記検出部は、
前記搬送方向に交差する前記記録媒体の幅方向における一方の端部に対して、前記搬送方向において互いに異なる少なくとも3点について、前記幅方向における前記記録媒体の端部位置を並行して検出可能であり、
前記制御部は、
前記少なくとも3点の、前記幅方向における前記記録媒体の端部位置に基づいて、前記記録媒体の角折れ部を検出することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記搬送方向において異なる位置に配置された第1検出部及び第2検出部を有し、
前記第1検出部は、前記3点のうちの1点である第1端部位置を検出し、
前記第2検出部は、前記3点のうちの1点である第2端部位置を検出し、
前記第1検出部及び前記第2検出部は、同時に前記第1端部位置及び前記第2端部位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記幅方向に対向して配置された複数の検出部を含み、
前記制御部は、
前記検出部による検出結果に基づく前記端部位置が直線上に存在しない場合に、前記角折れ部を検出し、検出した前記角折れ部に応じて、前記搬送部の動作を制御可能であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記幅方向に対向してそれぞれ配置され、
前記制御部は、
前記搬送方向において異なる2箇所において、前記幅方向に対向する前記端部位置に基づいて、前記幅方向における前記記録媒体の長さを算出し、
算出した前記2箇所の前記幅方向における前記記録媒体の長さに基づいて、前記記録媒体の姿勢及び前記角折れ部を検出可能であり、
前記記録媒体の姿勢及び前記角折れ部に応じて、前記搬送部の動作を制御可能であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の搬送装置と、
前記搬送装置によって搬送される記録媒体に液体を吐出する吐出ヘッドと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、搬送装置により搬送される記録媒体に印刷する画像形成装置が知られている。画像形成装置において、記録媒体の状態を示す信号を出力するセンサ部と、センサ部の出力信号に基づいて複数のエラー条件の成立の有無を判定する判定部と、記録媒体におけるエラーの発生要因を推定する推定部と、を備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の画像形成装置では、記録媒体におけるエラー発生要因を推定する目的で、コンタクトイメージセンサ(CIS)の出力信号に応じて、記録媒体の幅、センター位置、及びサイド位置に関するエラーを検出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、記録媒体のスキューと、角折れ部と、を正確に判別できず、角折れ部をスキューと誤って判定したり、補正可能なスキューを角折れ部と誤って判定してエラーで止めてしまったりする場合がある。
【0004】
本発明は、スキュー及び角折れ部の検出精度の向上を図ることが可能な搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る搬送装置は、搬送方向に記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部の動作を制御する制御部と、前記搬送部に送り込まれる前記記録媒体の姿勢に関するスキュー量及びシフト量を検出可能な検出部と、を備え、前記検出部は、前記記録媒体の幅方向における一方の端部に対して、前記搬送方向において互いに異なる少なくとも3点について、前記幅方向における前記記録媒体の端部位置を同時に検出可能であり、前記制御部は、前記少なくとも3点の、前記幅方向における前記記録媒体の端部位置に基づいて、前記記録媒体の角折れ部を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、スキュー及び角折れ部の検出精度の向上を図ることが可能な搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図2】印刷部及び搬送部を示す側面図である。
図3】ヘッドモジュールのノズル面を示す底面図である。
図4】搬送装置を示す概略平面図である。
図5】搬送装置及び記録媒体の姿勢を示す概略平面図である。
図6】スキューが生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。
図7】搬送方向に交差する方向に位置ずれが生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。
図8】角折れ部が生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。
図9】比較例に係る搬送装置において、角折れ部が生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。
図10】比較例に係る搬送装置において、スキューが生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。
図11】スキューが生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。
図12】角折れ部が生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。
図13】一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図14】一実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
図15】制御装置における動作の手順を示すフローチャートである。
図16】第2実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、角折れ部が生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。
図17】第2実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、角折れ部が生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。
図18】第2実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、スキューが生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。
図19】第2実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、スキューが生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。
図20】第2実施形態に係る画像形成装置の制御装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図21】第3実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、スキュー及び角折れ部が生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。
図22】第4実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、スキュー及び角折れ部が生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。
図23】第4実施形態に係る搬送装置の制御装置における動作の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る搬送装置を備える画像形成装置について説明する。なお、各図において、直交する3方向として、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を示す矢印を記載する場合がある。Y軸方向は、記録媒体PPの搬送方向Aに沿う。X軸方向は、記録媒体PPの幅方向Bに沿う方向である。記録媒体PPの幅方向Bは、記録媒体PPの搬送方向Aに交差する方向である。実施形態では、一例として、記録媒体PPの幅方向Bは記録媒体PPの搬送方向Aと直交する。Z軸方向は、記録媒体PPの厚さ方向の一例である。また、各図において、記録媒体PPの搬送方向Aを示す矢印、及び記録媒体PPの幅方向Bを示す矢印を記載する場合がある。
【0009】
<第1実施形態に係る画像形成装置200の全体構成>
図1は、一実施形態に係る画像形成装置200を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置200は、オンデマンド方式のライン走査型インクジェット記録装置である。図1に示すように、一実施形態に係る画像形成装置200は、搬入部210、前処理部220、印刷部230、第1乾燥部240、第2乾燥部250、記録媒体反転部260、及び搬出部270を備える。画像形成装置200に記録媒体PPにインクを吐出して画像形成する。インクは、液体の一例である。
【0010】
搬入部210は、複数の記録媒体PPを収容する搬入トレイ211A,211Bと、搬入トレイ211の記録媒体PPを1枚ずつ分離して送り出す給送装置212A,212Bとを備える。搬入部210は、前処理部220に対して記録媒体PPを供給する。
【0011】
前処理部220は、搬入部210から供給された記録媒体PPに対して、必要に応じて塗布液としての前処理液を塗布する。前処理部220は、処理液を記録媒体PPの印刷面に付与する処理液付与部221を含む。処理液は、インクを凝集させ、裏写りを防止する。
【0012】
図2は、印刷部及び搬送部を示す側面図である。印刷部230は、記録媒体PPに対してインクを付与して所要の印刷を行う。印刷部230は、ドラム10、ヘッドモジュール20、入口シリンダ234、及び出口シリンダ235を備える。入口シリンダ234は、前処理部220から搬送された記録媒体PPを受け取り、ドラム10に渡す。出口シリンダ235は、ドラム10によって搬送された記録媒体PPを受け取り、第1乾燥部240に渡す。図2に示される搬送装置40については後述する。
【0013】
図1及び図2に示されるように、ヘッドモジュール20は、ヘッドモジュール20A,20B,20C,20D,20Eを含む。なお、ヘッドモジュール20A,20B,20C,20D,20Eを区別しない場合には、ヘッドモジュール20と記載する。
【0014】
ヘッドモジュール20Aは、シアン(C)のインクを吐出する。ヘッドモジュール20Bは、マゼンタ(M)のインクを吐出する。ヘッドモジュール20Cは、イエロー(Y)のインクを吐出する。ヘッドモジュール20Dは、ブラック(K)のインクを吐出する。ヘッドモジュール20Eは、その他の特殊なインクを吐出してもよい。特殊なインクとしては、例えば、白色のインク、金色のインク、銀色のインクなどが挙げられる。
【0015】
複数のヘッドモジュール20は、ドラム10の外周面10aに沿って配置されている。ヘッドモジュール20は、ドラム10の径方向において、外周面10aと隙間を空けて配置されている。記録媒体PPは、ドラム10の外周面10a上に配置され、ドラム10の回転に伴ってドラム10の周方向に搬送される。
【0016】
ドラム10の外周面10aには、記録媒体PPを保持する記録媒体グリッパが設けられている。ドラム10の外周面10aには、複数の吸引穴が分散して形成されている。ドラム10は、吸引穴からドラム10の内部に向かう吸い込み気流を発生されることにより、記録媒体PPをドラム10の外周面10aに保持する。ドラム10は、記録媒体PPを保持した状態で、回転することにより、記録媒体PPをヘッドモジュール20に対向する位置へ搬送する。記録媒体PPは、ドラム10の外周面10aとヘッドモジュール20との間に配置される。
【0017】
ヘッドモジュール20の各々は、記録媒体PPに対してインクを吐出することにより、記録媒体PPの表面に画像を形成する。印刷部230は、画像が形成された後の記録媒体PPを、図1に示される第1乾燥部240へ送出する。
【0018】
第1乾燥部240は、記録媒体PPを乾燥するヒーター241を備える。第1乾燥部240は、記録媒体PPを搬送する搬送部242を含む。第1乾燥部240は、搬送部242により記録媒体PPを搬送しながら、ヒーター241により加熱する。ヒーター241は、例えば、赤外線を記録媒体PPに照射することにより、記録媒体PPに付着するインクを加熱乾燥する。
【0019】
第2乾燥部250は、記録媒体PPを乾燥するヒーター251を備える。第2乾燥部250は、記録媒体PPを搬送する搬送部252を含む。第2乾燥部250は、搬送部252により記録媒体PPを搬送しながら、ヒーター251により加熱する。ヒーター251は、例えば、紫外線を記録媒体PPに照射することにより、記録媒体PPに付着するインクを加熱する。例えば、第2乾燥部250は、記録媒体PPを冷却する冷却部を含んでもよい。冷却部は、例えば、記録媒体PPに送風するファンを有する。
【0020】
第2乾燥部250は、乾燥した後の記録媒体PPを搬出部270へ送出する。両面印刷を行う場合には、第2乾燥部250は、記録媒体PPを記録媒体反転部260へ送出する。
【0021】
記録媒体反転部260は、記録媒体PPを反転させる記録媒体反転機構261、及び反転された記録媒体PPを搬送する反転搬送部262を備える。記録媒体反転部260は、第2乾燥部250から送出された記録媒体PPを、記録媒体反転機構261によって反転し、反転搬送部262によって、印刷部230へ送出する。印刷部230は、記録媒体反転部260から送出された記録媒体PPの傾きを補正し、ドラム10へ搬送する。
【0022】
搬出部270は、印刷後の記録媒体PPが積載される複数のトレイ271を備える。搬出部270は、第2乾燥部250から送出された複数の記録媒体PPを、互いに揃えられた状態で積載する。
【0023】
なお、記録媒体PPは、紙の媒体でもよく、その他の媒体でもよい。記録媒体PPは、シート材でもよく、シート材はカットシート材でもよい。シート材は例えば壁紙などの大判のシート材でもよい。
【0024】
<記録ヘッド>
図3は、ヘッドモジュールのノズル面を示す底面図である。図3に示されるヘッドモジュール20は、ベース部材21に保持された複数の記録ヘッド(吐出ヘッド)23を有する。ヘッドモジュール20は、X軸方向に並べられている。ヘッドモジュール20のノズル面には、複数のノズルNが形成されている。複数のノズルNは、X軸方向に並ぶノズル列を形成する。
【0025】
記録ヘッド23は、インクが流れるインク流路、インクを吐出するための駆動素子、インクに圧力を付与する圧力室、インクを吐出するノズルが形成されたノズルプレート等を含む。駆動素子は、例えば圧電素子である。圧力室内のインクは、駆動素子が駆動することにより、圧力が上昇し、ノズルNから吐出される。ノズルNから吐出されたインク滴は、記録媒体上に着弾する。
【0026】
なお、本実施形態の画像形成装置200は、オンデマンド方式のライン走査型インクジェット記録装置でもよい。そのため、ヘッドモジュール20の複数の記録ヘッド23は、記録媒体PPの搬送方向と直交する方向に並べられて設けられている。画像形成装置200は、ライン走査型インクジェット記録装置への適用に限らず、その他の方式を用いた記録装置にも適用可能である。その他の方式の記録装置として、例えば、記録ヘッドが、主走査方向に移動しながら、記録媒体の表面に画像を形成するシリアル走査型プリンタがある。主走査方向は、例えばX軸方向に沿う。
【0027】
<搬送部>
次に、搬送装置40について説明する。図4は、搬送装置40を示す概略平面図である。図5は、搬送装置40を示す概略平面図であり、位置ずれが生じている状態の記録媒体PPを示す図である。図2図4及び図5に示されるように、搬送装置40は、搬送部41を備える。搬送部41は、記録媒体PPを印刷部230に搬送する。搬送部41は、シフトローラ42,43を有する。シフトローラ42,43は、搬送方向Aにおいて、印刷部230の上流に配置されている。具体的には、図2に示されるように、入口シリンダ234の上流に配置されている。シフトローラ42,43は、記録媒体PPの厚さ方向に対向して配置されたローラ対を形成する。
【0028】
シフトローラ42は、記録媒体PPより上方に配置され、シフトローラ43は、記録媒体PPより下方に配置される。記録媒体PPは、シフトローラ42,43間のすき間に挿入されて、搬送される。
【0029】
シフトローラ42,43は、記録媒体PPの位置ずれを補正可能である。具体的には、シフトローラ42,43は、記録媒体PPの傾き及び幅方向Bにおける位置ずれを補正可能である。図5では、姿勢が異なる記録媒体PP(PP1~PP3)が図示されている。記録媒体PP1は、傾き及び幅方向Bにおける位置ずれが生じていない状態の記録媒体PPである。記録媒体PP2は、傾きは生じていないが、幅方向Bにおける位置ずれが生じている状態の記録媒体PPである。記録媒体PP3は、傾き及び幅方向Bにおける位置ずれが生じている場合の記録媒体PPである。
【0030】
<スキュー量>
図6は、搬送方向に対して傾いた状態の記録媒体PPを示す平面図である。図6では、エッジ規定位置E0を示す直線LE0が破線で示されている。直線LE0は、Y軸方向に沿って延在する。搬送装置40では、記録媒体PPの幅方向の端部PE1が、直線LE0に沿って搬送されることが好ましい。
【0031】
記録媒体PPの傾きとは、記録媒体PPの厚さ方向に見た場合に、記録媒体PPの搬送方向に対して傾いていることをいう。記録媒体PPが傾いた状態で、記録媒体PPが搬送されることを斜行と記載する場合がある。記録媒体PPが傾いている場合には、記録媒体PPの幅方向の端部PE1は、直線LE0に対して傾いている。記録媒体PPの傾きの程度を表す量を「スキュー量」と記載する場合がある。「スキュー量」は、記録媒体PPの搬送方向に対する記録媒体PPの長辺の角度θでもよい。また、「スキュー量」は、例えばtanθなど、角度θに関する三角関数を含んでもよい。
【0032】
<シフト量>
図7は、搬送方向に交差する方向に位置ずれを生じている状態の記録媒体PPを示す平面図である。搬送方向Aに交差する方向における記録媒体PPの位置ずれとは、記録媒体PPの幅方向Bの端部PE1が、X軸方向において、直線LE0に対してずれていることをいう。搬送方向Aに交差する方向における記録媒体PPの位置ずれの程度を表す量を「シフト量」と記載する場合がある。「シフト量」は、X軸方向におけるエッジ規定位置E0と記録媒体PPの幅方向Bの端部PE1との距離である。
【0033】
<角折れ部>
次に記録媒体PPに生じた角折れ部PDについて説明する。図8は、角折れ部が生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。例えば、記録媒体PPの前側の角部において角折れ部PDが生じる場合がある。角折れ部PDとは、記録媒体PPの角部が記録媒体PPの中央に近い方へ折れ曲がっていることをいう。
【0034】
<シフトローラの動作>
図5に示されるシフトローラ42は、軸受によって軸回りに回転可能に支持されている。シフトローラ42は、X軸方向に移動可能であり、且つ、Z軸方向に延在する軸回りに回動可能に支持されている。例えば軸受は、X軸方向に移動可能である。これにより、シフトローラ42は、X軸に移動することができる。例えば、シフトローラ42の軸線方向の一端側の軸受は、Z軸方向に延在する軸回りに回動可能である。これにより、シフトローラ42及び他端側の軸受は、一端側の軸受を回動中心としてZ軸方向に延在する軸回りに回動可能である。シフトローラ43は、シフトローラ43と同様に、X軸方向に移動可能であり、且つ、Z軸方向に延在する軸回りに回動可能に支持されている。
【0035】
このように、シフトローラ42,43を、X軸方向に移動させることにより、記録媒体PPの搬送方向Aと交差する方向における位置ずれを補正できる。また、シフトローラ42,43を、Z軸方向に延在する軸回りに回動させることにより、記録媒体PPの傾きを補正できる。
【0036】
<第1検出部>
図2図4及び図5に示される搬送装置40は、記録媒体PPの位置を検出可能な検出部45を備える。検出部45は、第1検出部46及び第2検出部47を有する。第1検出部46は、記録媒体PPの搬送方向Aにおいて、シフトローラ42,43よりも上流に配置されている。第1検出部46は、スキュー量β及びシフト量αを検出することができる。スキュー量は、記録媒体PPの搬送方向に対する記録媒体PPの傾きに関する値を含む。シフト量は、記録媒体PPの搬送方向A及び記録媒体PPの厚さ方向に交差する方向における位置ずれに関する値を含む。シフト量は、例えばX軸方向における位置ずれの程度を示す。
【0037】
第1検出部46は、第1検出部46a,46bを含む。第1検出部46aは、記録媒体PPの搬送方向Aにおいて、第1検出部46bよりも上流側に配置されている。第1検出部46a,46bは同じ構成である。第1検出部46a,46bを区別しない場合には、第1検出部46と記載する。
【0038】
第1検出部46は、例えば、CIS(コンタクト・イメージ・センサ)でもよい。第1検出部46は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子とフォトダイオード等の受光素子を含んでもよい。第1検出部46は、幅方向Bにおける記録媒体PPの端部位置を検出することができる。第1検出部46は、記録媒体PPの幅方向Bの端部PE1に対して、搬送方向Aにおいて互いに異なる少なくとも3点について、記録媒体PPの幅方向Bの端部位置を検出して、スキュー量及びシフト量αを検出することができる。
【0039】
<第2検出部>
第2検出部47は、記録媒体PPの搬送方向Aにおいて、第1検出部46よりも下流に配置されている。第2検出部47は、記録媒体PPの搬送方向Aにおいて、シフトローラ42,43よりも下流に配置されている。第2検出部47は、スキュー量及びシフト量αを検出することができる。
【0040】
第2検出部47は、第2検出部47a,47bを含む。第2検出部47aは、記録媒体PPの搬送方向Aにおいて、第2検出部47bよりも上流側に配置されている。第2検出部47a,47bは同じ構成である。第2検出部47a,47bを区別しない場合には、第2検出部47と記載する。
【0041】
第2検出部47は、例えば、CISでもよい。第2検出部47は、例えば、LED等の発光素子とフォトダイオード等の受光素子を含んでもよい。第2検出部47は、幅方向Bにおける記録媒体PPの端部位置を検出することができる。第2検出部47は、幅方向Bにおける記録媒体PPの端部PE1に対して、搬送方向Aにおいて互いに異なる少なくとも3点について、幅方向Bにおける記録媒体PPの端部位置を検出して、スキュー量及びシフト量αを検出することができる。第1検出部46及び第2検出部47は、合計で少なくとも3点について、幅方向Bにおける記録媒体PPの端部位置を検出可能であればよい。
【0042】
<比較例>
次に図9及び図10を参照して、比較例について説明する。図9は、比較例に係る搬送装置において、角折れ部が生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。図10は、従来技術に係る搬送装置1において、スキューが生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。従来技術に係る搬送装置1は、X軸方向に延在する検出部2を備える。検出部2は、記録媒体PPのX軸方向に沿う幅よりも長い。比較例に係る搬送装置1では、記録媒体PPの先端位置P1,P2を検出することにより、記録媒体PPの状態として、角折れ部PD及びスキューを認識することができる。
【0043】
比較例に係る搬送装置1は、記録媒体PPの先端位置P1,P2を検出する。搬送装置1の制御部は、先端位置P1,P2の中間位置P3を算出する。搬送装置1の制御部は、中間位置P3と、検出部2のX軸方向における中心位置P4とが一致している否かを判定する。搬送装置1の制御部は、中間位置P3と中心位置P4とが一致する場合に、記録媒体PPに角折れ部が生じていると判定する。
【0044】
比較例に係る搬送装置1は、図9及び図10に示される記録媒体PPについて、角折れ部PDが生じていると判定する。図9に示される記録媒体PPには、角折れ部PDが生じているので、搬送装置1は、正しく角折れ部PDを検出する。図10に示される記録媒体PPには、スキューが生じているが、角折れ部が生じていないので、搬送装置1は、角折れ部を誤検出する。
【0045】
比較例に係る搬送装置1は、図10に示される場合を、角折れ部PDが生じていると誤検出することにより、エラーと判定し、記録媒体PPの搬送を停止する。このように、記録媒体PPに角折れ部PDが発生していない場合であり、印刷することができる場合であっても、エラーと判定し、記録媒体PPの搬送を停止させる場合がある。
【0046】
また、比較例に係る搬送装置1は、記録媒体PPに角折れ部PDが生じている場合において、スキューが生じていると誤検出した場合には、記録媒体PPの姿勢を補正することにより、そのまま記録媒体PPを搬送することなる。このように、記録媒体PPに角折れ部PDが発生している場合において、エラーと判定せずに、記録媒体PPの搬送を停止させないという問題がある。比較例に係る搬送装置1は、角折れ部PD及びスキューを正しく判定できない場合がある。
【0047】
<スキューの検出方法>
次に、図11を参照して、搬送装置40におけるスキューの検出方法について説明する。図11は、スキューが生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。検出部45は、搬送中の記録媒体PPの複数の端部位置P11~P13を同時に検出する。端部位置P11~P13は、幅方向Bにおける記録媒体PPの端部PE1上に存在する。
【0048】
第1検出部46bは、端部位置P11を検出する。第2検出部47aは、端部位置P12を検出する。第2検出部47bは、端部位置P13を検出する。第1検出部46b及び第2検出部47a,47bは、検出結果に関する信号を図4に示される制御装置500に出力する。
【0049】
制御装置500は、端部位置P11~P13がX軸方向において異なる位置に存在し、且つ、端部位置P11~P13を結ぶ線が線形(直線)である場合に、スキューが生じていると判定する。
【0050】
<角折れ部の検出方法>
次に、図12を参照して、搬送装置40における角折れ部の検出方法について説明する。図12は、角折れ部が生じている場合の記録媒体PPを示す平面図である。検出部45は、搬送中の記録媒体PPの複数の端部位置P21~P23を同時に検出する。端部位置P21~P23は、幅方向Bにおける記録媒体PPの端部PE1上に存在する。幅方向Bにおける端部PE1は、記録媒体PPの長手方向に延在する端部と、角折れ部PDによって形成された端部とを含む。角折れ部PDによって形成された端部は、角部が折り曲げられて形成された折れ線でもよい。
【0051】
第1検出部46bは、端部位置P21を検出する。第2検出部47aは、端部位置P22を検出する。第2検出部47bは、端部位置P23を検出する。第1検出部46b及び第2検出部47a,47bは、検出結果に関する信号を図4に示される制御装置500に出力する。
【0052】
制御装置500は、端部位置P21~P23を結ぶ線が直線でない場合に、角折れ部PDが生じていると判定する。制御装置500は、端部位置P21~P23が同一直線上に存在しない場合に、角折れ部PDが生じていると判定する。
【0053】
<画像形成装置のハードウェア構成>
次に図13を参照して、画像形成装置200のハードウェア構成について説明する。図13は、一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図13に示すハードウェア構成は、必要に応じて追加の構成要素を含むことができる。ハードウェアは、必要に応じて図13に示される構成要素を備えていなくてもよい。
【0054】
画像形成装置200は、制御装置500を備える。制御装置500は、CPU(Center Processing Unit)501、及び記憶部502を備える。記憶部502は、ROM(Read Only Memory)503、RAM(Random Access Memory)504、バスライン505、及びI/Oポート507を有する。
【0055】
CPU501は、ROM503に記憶されたプログラムを実行することにより、順次・分岐・反復処理等を実行する演算装置である。CPU501は、画像形成装置200全体の制御を司る。
【0056】
ROM503は、CPU501で実行されるプログラム等が記憶された不揮発性記憶装置である。RAM504は、CPU501の動作のワークエリア(作業領域)として機能するメモリである。バスライン505は、CPU5011等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。CPU501、ROM503、RAM504、及びI/Oポート507は、バスライン505を介して電気的に接続されている。
【0057】
I/Oポート507は、センサ類から出力された検知信号を取り込むための入出力部である。センサ類は、第1検出部46及び第2検出部47を含む。第1検出部46及び第2検出部47は、I/Oポート507に接続されている。第1検出部46及び第2検出部47の出力信号は、I/Oポート507に入力される。
【0058】
また、画像形成装置200は、読み取り基準センサ48を備える。読み取り基準センサ48は、I/Oポート507に接続されている。読み取り基準センサ48の出力信号は、I/Oポート507に入力される。読み取り基準センサ48は、第1検出部46及び第2検出部47による検出のタイミングを決定するためのセンサである。読み取り基準センサ48は、例えば搬送方向における記録媒体PPの位置を検出する。読み取り基準センサ48は、例えば、記録媒体PPの搬送方向において、第2検出部47bの下流に配置されていてもよい。
【0059】
I/Oポート507は、各種制御信号を出力するインタフェースである。I/Oポート507には、ヘッドモジュール20、及びモータ15,16が接続されている。I/Oポート507は、ヘッドモジュール20による液体吐出を制御するための制御信号をヘッドモジュール20に出力する。
【0060】
モータ15は、ドラム10を駆動するためのモータである。I/Oポート507は、モータ15の動作を制御するための制御信号をモータ15に出力する。
【0061】
モータ16は、シフトローラ42,43を駆動するためのモータを含む。モータ16は、シフトローラ42,43を回転駆動するためのモータを含む。モータ16は、シフトローラ42,43をZ軸回りに回動させるためのモータ、及びシフトローラ42,43をX軸方向に移動させるためのモータを含む。
【0062】
制御装置500は、外部機器であるホストとの間でデータ等の送受信を行うことが可能な外部インタフェース(外部I/F)を備えていてもよい。ホストは、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読み取り装置、デジタルカメラ等の撮像装置を含む。制御装置500は、ホストから送信されたデータを受信する。ホストは、プリンタドライバを有していてもよい。
【0063】
画像形成装置200は、操作パネルを備えていてもよい。制御装置500には、操作パネルが電気的に接続されている。操作パネルは、各種情報を表示する表示部を含む。ユーザ(操作者)は、操作パネルを用いて入力操作を実行できる。制御装置500は、操作パネルからユーザの操作入力に基づく情報を入力する。制御装置500は、操作パネルに各種信号を出力し、操作パネルに情報を表示できる。ユーザは、操作パネルに表示された情報を参照しながら、入力操作を実行してもよい。
【0064】
<機能構成>
次に、図14を参照して、画像形成装置200の機能構成について説明する。図14は、画像形成装置200の機能ブロック図である。図13に示すCPU501は、ROM503等の記憶部502に記憶されているプログラムを実行することで、図14に示すシステム制御部121、メモリ制御部122、通信制御部123、印刷制御部124、搬送制御部125、スキューシフト量算出部131、データ比較部132、状態判定部133、決定部134、及び補正動作制御部135の各機能を実現する。なお、制御装置500と接続された外部機器及びセンサは、これらの各機能の一部を実行してもよい。
【0065】
画像形成装置200は、外部機器から印刷画像を含んだ印刷情報(印刷ジョブ)を受け取ることができる。画像形成装置200は、例えば外部機器から印刷ジョブの実行の指示を受け、印刷ジョブの内容に従って印刷を行う。画像形成装置200は、画像形成装置200の記憶部502に格納されている印刷ジョブの内容に従って印刷することができる。
【0066】
システム制御部121は、画像形成装置200の全体の動作を制御する。メモリ制御部122は、ROM503及びRAM504等の記憶部502の動作を制御する。記憶部502は、第1検出部46、第2検出部47、及び読み取り基準センサ48から入力したデータを保存する。通信制御部123は、制御装置500に接続されている外部機器との通信制御を行う。
【0067】
印刷制御部124は、ヘッドモジュール20によるインクの吐出を制御する。印刷制御部124は、印刷ジョブの開始、一時停止、再開、完了の動作を実行する。
【0068】
搬送制御部125は、搬送部による記録媒体PPの搬送を制御する。搬送部は、記録媒体PPを搬送するためのドラム10、モータ15、シフトローラ42,43、及びモータ16を含む。搬送制御部125は、搬送部の駆動及び停止を制御できる。
【0069】
スキューシフト量算出部131は、記録媒体PPのスキュー量及びシフト量を算出することができる。スキューシフト量算出部131は、第1検出部46及び第2検出部47から入力した検知信号に基づいて、スキュー量及びシフト量を算出することができる。スキューシフト量算出部131は、第1検出部46及び第2検出部47からスキュー量及びシフト量に関するデータを取得できる。スキューシフト量算出部131は、第1検出部46及び第2検出部47から入力した検知信号に基づいて、スキュー量及びシフト量以外の値を算出してもよい。
【0070】
データ比較部132は、各種データを比較することができる。データ比較部132は、第1検出部46及び第2検出部47から入力したデータを比較することができる。データ比較部132は、スキューシフト量算出部131によって算出されたデータを比較することができる。データ比較部132は、記憶部502に保存されているデータを比較することができる。
【0071】
状態判定部133は、記録媒体PPの状態として、スキューが生じているか否かを判定することができる。状態判定部133は、データ比較部132による比較結果に基づいて、スキューが生じているか否かを判定する。状態判定部133は、同時に測定された端部位置P11~P13を結ぶ線が線形である場合には、スキューが生じていると判定することができる。
【0072】
状態判定部133は、記録媒体PPの状態として、角折れ部PDが生じているか否かを判定することができる。状態判定部133は、データ比較部132による比較結果に基づいて、角折れ部PDが生じているか否かを判定する。状態判定部133は、同時に検出された端部位置P21~P23を結ぶ線が非線形である場合には、角折れ部PDが生じていると判定することができる。
【0073】
決定部134は、状態判定部133による判定結果に基づいて、記録媒体PPの姿勢を補正する動作を実行するか否かを決定することができる。決定部134は、スキューが生じていると判定された場合には、スキュー量を減らすように記録媒体PPの姿勢を補正する動作を実行することを決定できる。また、決定部134は、シフト量を減らすように記録媒体PPの位置を補正する動作を実行することを決定できる。
【0074】
決定部134は、状態判定部133による判定結果に基づいて、記録媒体PPの搬送を停止するか否かを決定することができる。決定部134は、角折れ部PDが生じていると判定された場合には、搬送部による記録媒体PPの搬送を停止することを決定できる。
【0075】
補正動作制御部135は、記録媒体PPの姿勢を補正する動作を制御することができる。補正動作制御部135は、スキュー量及びシフト量に基づいて、記録媒体PPの姿勢を調整するように、搬送部41の動作を制御することができる。
【0076】
補正動作制御部135は、シフトローラ42,43を、Z軸回りに回動させるように、シフトローラ42,43の動作を制御することにより、記録媒体PPのスキューを補正することができる。これにより、搬送装置40は、スキュー量を低減するように、記録媒体PPの姿勢を補正することができる。
【0077】
補正動作制御部135は、シフトローラ42,43を、X軸方向に移動させるように、シフトローラ42,43の動作を制御することにより、記録媒体PPのX軸方向における位置ずれを補正することができる。これにより、搬送装置40は、シフト量を低減するように、記録媒体PPのX軸方向における位置ずれを補正することができる。
【0078】
なお、システム制御部121、メモリ制御部122、通信制御部123、印刷制御部124、搬送制御部125、スキューシフト量算出部131、データ比較部132、状態判定部133、決定部134、及び補正動作制御部135は、記憶部502に記憶されているプログラムにより、ソフトウェアで実現できる。これらのシステム制御部121、メモリ制御部122、通信制御部123、印刷制御部124、搬送制御部125、スキューシフト量算出部131、データ比較部132、状態判定部133、決定部134、及び補正動作制御部135のうち全部又は一部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよい。
【0079】
また、プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイル情報でCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録され、このような記録媒体を介して、画像形成装置200に提供され得る。また、プログラムは、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、半導体メモリ等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録され、このような記録媒体を介して、画像形成装置200に提供され得る。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由でインストールする態様で画像形成装置200に提供されるものでもよい。また、プログラムは、画像形成装置200内のROM等に予め組み込まれていてもよい。
【0080】
また、制御装置500は、制御装置500に接続されたコンピュータが実行する機能を実行してもよい。同様に制御装置500に接続されたコンピュータは、制御装置500が実行する機能を実行してもよい。
【0081】
<制御装置における動作>
次に、図15を参照して、制御装置500における動作の手順について説明する。図15は、制御装置における動作の手順を示すフローチャートである。まず、制御装置500は、第1検出部46及び第2検出部47による検出開始タイミングか否かを判定する(ステップS11)。制御装置500は、読み取り基準センサ48から入力した信号に基づいて、第1検出部46及び第2検出部47による検出開始タイミングか否かを判定する。例えば、制御装置500は、全ての第1検出部46及び第2検出部47によって記録媒体PPの端部位置を検出可能な位置に、記録媒体PPが存在する場合に、検出開始タイミングであると判定することができる。検出開始タイミングであると判定された場合(ステップS11;YES)には、制御装置500は、ステップS12に進む。検出開始タイミングであると判定されなかった場合(ステップS11;NO)には、検出開始タイミングと判定されるまで、ステップS11の処理を繰り返す。
【0082】
次に、第1検出部46及び第2検出部47は、同時に記録媒体PPの端部位置P11~P13,P21~P23を検出する(ステップS12)。制御装置500は、第1検出部46及び第2検出部47から、同時に検知信号を読み取る。搬送装置40は、第1検出部46及び第2検出部47により、同じタイミングで検出した少なくとも3点について、記録媒体PPの端部位置を検出する。
【0083】
次に、制御装置500のスキューシフト量算出部131は、第1検出部46及び第2検出部47から入力した端部位置P11~P13,P21~P23に関するデータを演算する(ステップS13)。スキューシフト量算出部131は、同時に検出した3点を結ぶ線の位置を示す数式を演算する。スキューシフト量算出部131は、例えば、端部位置P11,P12を通る線の位置を示す数式、及び端部位置P12,P13を通る線の位置を示す数式を演算する。
【0084】
次に、制御装置500の状態判定部133は、端部位置P11~P13,P21~P23を結ぶ線が線形であるか否かを判定する(ステップS14)。図11に示されるように、端部位置P11~P13を結ぶ線が線形である場合には、制御装置500は、線形であると判定し(ステップS14;YES)、ステップS15に進む。図12に示されるように、端部位置P21~P23を結ぶ線が、同一直線上に存在しない場合には、制御装置500は、非線形であると判定し(ステップS14;NO)、ステップS16に進む。状態判定部133は、端部位置を結ぶ線が線形である場合(ステップS14;YES)には、記録媒体PPにスキューが発生していると判定することができる。状態判定部133は、端部位置を結ぶ線が非線形である場合(ステップS14;NO)には、記録媒体PPに角折れ部PDが発生していると判定することができる。
【0085】
ステップS15では、制御装置500は、スキュー判定処理(蛇行補正)を行う。制御装置500の補正動作制御部135は、スキュー判定処理として、シフトローラ42,43の動作を制御して、記録媒体PPの姿勢を補正する。スキュー判定処理とは、記録媒体PPにスキューが生じている場合に行われる処理であり、記録媒体PPの姿勢を補正するための処理をいう。
【0086】
ステップS16では、制御装置500は、角折れ部判定処理(エラー停止)を行う。制御装置500の搬送制御部125は、角折れ部判定処理として、搬送部41の動作を制御して、記録媒体PPの搬送を停止する。搬送制御部125は、ドラム10及び搬送ローラを駆動するためのモータ15,16の動作を停止させる制御を行う。角折れ部判定処理とは、記録媒体PPに角折れ部PDが生じている場合に行われる処理であり、記録媒体PPの搬送を停止させる処理をいう。使用者は、搬送の停止後、角折れ部PDが生じている記録媒体PPを取り除くことができる。これにより、角折れ部PDが生じている記録媒体PPに印刷が実行されないようにすることができる。
【0087】
制御装置500は、ステップS15,S16による処理の終了後、ここでの処理を終了する。
【0088】
<画像形成装置の作用効果>
このような画像形成装置200によれば、第1検出部46及び第2検出部47は、合計で少なくとも3点について、並行して端部位置P11~P13,P21~P23を検出可能である。これにより、画像形成装置200は、端部位置P11~P13,P21~P23に基づいて、スキュー量を算出することができると共に、角折れ部PDの有無を判定可能である。従来技術では、スキューの発生と、角折れ部PDの発生とを誤って判定することがあったが、画像形成装置200では、同時に検出した少なくとも3点の端部位置に基づいて、スキューの発生及び角折れ部PDの発生の有無を精度良く検出できる。
【0089】
画像形成装置200では、同時に検出した少なくとも3点の端部位置P11~P13を結ぶ線が、線形である場合には、スキューが発生していると判定することができる。画像形成装置200では、同時に検出した少なくとも3点の端部位置P21~P23を結ぶ線が、非線形である場合には、角折れ部PDが発生していると判定することができる。このように、判定することにより、スキューの発生及び角折れ部PDの発生の有無を精度良く検出できる。
【0090】
画像形成装置200では、スキューが発生している場合には、記録媒体PPの姿勢を補正して、印刷を継続することができる。画像形成装置200では、角折れ部PDが発生している場合には、画像形成装置200の動作を停止して、印刷を停止できる。
【0091】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る画像形成装置200について説明する。第2実施形態に係る画像形成装置200が、第1実施形態に係る画像形成装置200と違う点は、第1実施形態とは異なる方法により、角折れ部PD及びスキューを検出可能である点である。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の説明は省略する。
【0092】
第2実施形態に係る画像形成装置200の装置構成は、第1実施形態に係る画像形成装置200と同様である。第2実施形態に係る画像形成装置200は、第1実施形態と同様の手順により、角折れ部PD及びスキューを検出可能であり、さらに、第1実施形態とは異なる手順により、角折れ部PD及びスキューを検出することができる。
【0093】
<角折れ部の検出>
図16及び図17は、第2実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、角折れ部が生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。第2実施形態に係る画像形成装置200の搬送装置40では、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、角折れ部PDを検出することができる。なお、2つの検出部の組み合わせは、第1検出部46bと第2検出部47bとに限定されず、第1検出部46a,46b及び第2検出部47a,47bのうち、どの組み合わせでもよい。
【0094】
図16は、時刻t21における記録媒体PPの状態を示し、図17は、時刻t22における記録媒体PPの状態を示す。時刻t22は、時刻t21よりも後の時間である。図16に示されるように、第1検出部46bは、時刻t21において、端部位置P21を検出する。第2検出部47bは、時刻t21において、端部位置P23を検出する。
【0095】
制御装置500は、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、端部位置P21と端部位置P23とを結ぶ線を算出することができる。制御装置500は、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、端部位置P21と端部位置P23とを結ぶ線のY軸方向に対する傾きθを算出することができる。制御装置500は、tanθを算出してもよい。
【0096】
図17に示されるように、第1検出部46bは、時刻t22において、端部位置P24を検出する。第2検出部47bは、時刻t22において、端部位置P25を検出する。端部位置P24は、端部位置P21よりも、記録媒体PPの搬送方向Aにおいて、後側の位置である。端部位置P25は、端部位置P23よりも、記録媒体PPの搬送方向Aにおいて、後側の位置である。
【0097】
制御装置500は、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、端部位置P24と端部位置P25とを結ぶ線を算出することができる。制御装置500は、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、端部位置P24と端部位置P25とを結ぶ線のY軸方向に対する傾きθを算出することができる。制御装置500は、tanθを算出してもよい。なお、図17では、端部位置P24,P25を結ぶ線は、Y軸方向に平行であるので、θは図示していない。
【0098】
制御装置500は、時刻t21における端部位置P21,P23を結ぶ線の傾きと、時刻t22における端部位置P24,25を結ぶ線の傾きとを比較することにより、角折れ部PDの発生の有無を判定できる。制御装置500は、時刻t21における傾きと、時刻t22における傾きとが異なる場合に、角折れ部PDが発生していると判定することができる。例えば、傾きが小さくなるように変化している場合には、記録媒体PPの前側に角折れ部PDが生じていると判定してもよい。
【0099】
<スキューの検出>
図18及び図19は、第2実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、スキューが生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。第2実施形態に係る画像形成装置200の搬送装置40では、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、スキューを検出することができる。
【0100】
図18は、時刻t23における記録媒体PPの状態を示し、図19は、時刻t24における記録媒体PPの状態を示す。時刻t23は、時刻t24よりも後の時間である。図18に示されるように、第1検出部46bは、時刻t23において、端部位置P11を検出する。第2検出部47bは、時刻t23において、端部位置P13を検出する。
【0101】
制御装置500は、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、端部位置P11と端部位置P13とを結ぶ線を算出することができる。制御装置500は、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、端部位置P11と端部位置P13とを結ぶ線のY軸方向に対する傾きθを算出することができる。制御装置500は、tanθを算出してもよい。
【0102】
図19に示されるように、第1検出部46bは、時刻t24において、端部位置P14を検出する。第2検出部47bは、時刻t24において、端部位置P15を検出する。端部位置P14は、端部位置P11よりも、記録媒体PPの搬送方向において、後側の位置である。端部位置P15は、端部位置P13よりも、記録媒体PPの搬送方向において、後側の位置である。
【0103】
制御装置500は、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、端部位置P14と端部位置P15とを結ぶ線を算出することができる。制御装置500は、第1検出部46b及び第2検出部47bによる検出結果に基づいて、端部位置P14と端部位置P15とを結ぶ線のY軸方向に対する傾きθを算出することができる。制御装置500は、tanθを算出してもよい。
【0104】
制御装置500は、時刻t23における端部位置P11,P13を結ぶ線の傾きと、時刻t24における端部位置P14,P15を結ぶ線の傾きとを比較することにより、角折れ部PDの発生の有無を判定できる。制御装置500は、時刻t23における傾きと、時刻t24における傾きとが同じである場合に、角折れ部PDが発生していないと判定することができる。制御装置500は、時刻t23における傾きと、時刻t24における傾きとが同じである場合に、角折れ部PDではなく、スキューが発生していると判定することができる。
【0105】
<第2実施形態;制御装置における動作>
次に図20を参照して、第2実施形態に係る画像形成装置200の制御装置の動作について説明する。図20は、第2実施形態に係る画像形成装置200の制御装置の動作の手順を示すフローチャートである。図15に示すフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付し、説明を省略する場合がある。図20に示されるフローチャートのうち、ステップS11~S13,S15,S16は、図15に示すフローチャートと同じ処理を行う。
【0106】
まず、制御装置500は、第1検出部46及び第2検出部47による検出開始タイミングか否かを判定する(ステップS11)。次に、第1検出部46及び第2検出部47は、同時に記録媒体PPの端部位置P11,P13,P21,P23を検出する(ステップS12)。次に、スキューシフト量算出部131は、第1検出部46及び第2検出部47から入力した端部位置P11,P13,P21,P23に関するデータを演算する(ステップS13)。
【0107】
ステップS13の実行後、制御装置500は、一定時間の経過を待って、ステップS22に進む。この一定時間の経過中に、記録媒体PPは、搬送方向Aに移動する。
【0108】
次に、第1検出部46及び第2検出部47は、同時に記録媒体PPの端部位置P14,P15,P24,P25を検出する(ステップS22)。次に、スキューシフト量算出部131は、第1検出部46及び第2検出部47から入力した端部位置P14,P15,P24,P25に関するデータを演算する(ステップS23)。
【0109】
次に、制御装置500は、傾き差分が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS24)。例えば、図16及び図17に示されるように、端部位置P23,P21を結ぶ直線の傾きと、端部位置P25,P24を結ぶ直線の傾きとの差分が閾値以上である場合には、制御装置500は、ステップS16に進む。ステップS16では、制御装置500は、角折れ部判定処理(エラー停止)を行う。
【0110】
例えば、図18及び図19に示されるように、端部位置P13,P11を結ぶ直線の傾きと、端部位置P14,P15を結ぶ直線の傾きとの差分が閾値未満である場合には、制御装置500は、ステップS15に進む。ステップS15では、制御装置500は、スキュー判定処理(蛇行補正)を行う。
【0111】
<第2実施形態;画像形成装置の作用効果>
このような第2実施形態に係る画像形成装置200では、検出部45は、搬送方向Aにおいて異なる位置に配置された第1検出部46b及び第2検出部47bを有し、第1検出部46bは、端部位置(第1端部位置)P11,P14,P21,P24を検出し、第2検出部47bは、端部位置(第2端部位置)P13,P15,P23,P25を検出し、第1検出部46b及び第2検出部47bは、同時に第1端部位置及び第2端部位置を検出する。
【0112】
具体的には、第1検出部46b及び第2検出部47bは、同時に端部位置P21,P23を検出する(図16参照)。第1検出部46b及び第2検出部47bは、同時に端部位置P24,P25を検出する(図17参照)。
【0113】
第1検出部46b及び第2検出部47bは、同時に端部位置P11,P13を検出する(図18参照)。第1検出部46b及び第2検出部47bは、同時に端部位置P14,P15を検出する(図18参照)。
【0114】
このような画像形成装置200によれば、第1検出部46b及び第2検出部47bを用いて、スキュー及び角折れ部PDを検出可能である。画像形成装置200では、第1検出部46b及び第2検出部47bを用いて、同時に端部位置を検出することを、複数回行うことにより、異なる時刻に連続して検出された端部位置のデータを用いて、スキュー及び角折れ部PDを検出可能である。これにより、検出部45の構成の簡素化を図ることができ、低コスト化を図ることができる。
【0115】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る搬送装置40Cについて説明する。図21は、第3実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、スキュー及び角折れ部が生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。図21に示される第3実施形態に係る搬送装置40Cが、図11に示される第1実施形態に係る搬送装置40と違う点は、幅方向Bにおいて、検出部45に対向して配置された検出部55を備える点である。なお、第3実施形態の説明において、上記の第1及び第2実施形態と同様の説明は省略する場合がある。
【0116】
搬送装置40Cは、X軸方向に対向する検出部45,55を備える。検出部55は、検出部45と配置が異なるだけであり、同様の構成である。検出部55は、第1検出部56及び第2検出部57を有する。第1検出部56は、搬送方向Aにおいて、シフトローラ42よりも上流に配置されている。第2検出部57は、搬送方向Aにおいて、シフトローラ42よりも下流に配置されている。
【0117】
第1検出部56は、第1検出部56bを含む。第1検出部56bは、X軸方向において、第1検出部46bと対向して配置されている。第1検出部56bは、端部位置P51を検出可能である。端部位置P51は、幅方向Bにおける端部PE2上に存在する。端部PE2は、幅方向Bにおいて、端部PE1と対向する。
【0118】
第2検出部57は、第2検出部57a,57bを含む。第2検出部57aは、搬送方向Aにおいて、第2検出部57bの上流に配置されている。第2検出部57aは、X軸方向において、第2検出部47aと対向して配置されている。第2検出部57aは、端部位置P52を検出可能である。端部位置P52は、幅方向Bにおける端部PE2上に存在する。
【0119】
第2検出部57bは、X軸方向において、第2検出部47bと対向して配置されている。第2検出部57bは、端部位置P53を検出可能である。端部位置P53は、幅方向Bにおける端部PE2上に存在する。検出部45,55は、同時に、端部位置P21~P23,P51~P53を検出する。
【0120】
例えば、図21に示す記録媒体PPの端部PE1には、角折れ部PDが形成され、反対側の端部PE2には、角折れ部PDが形成されていない。また、記録媒体PPには、スキューが生じている。このような場合、搬送装置40Cは、検出部45による検出結果に基づいて、角折れ部PDを検出することができる。搬送装置40Cは、検出部55による検出結果に基づいて、スキューを検出することができる。
【0121】
このような第3実施形態に係る搬送装置40Cによれば、幅方向Bに対向して配置された検出部45,55を備えることにより、幅方向Bに対向する両側の端部PE1,PE2の状態を同時に検出することができる。搬送装置40Cは、検出結果に基づいて、搬送部41の動作を制御することができる。
【0122】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る搬送装置40Dについて説明する。図22は、第4実施形態に係る搬送装置を示す平面図であり、スキュー及び角折れ部が生じている記録媒体を搬送している状態を示す図である。図23は、第4実施形態に係る搬送装置の制御装置における動作の手順を示すフローチャートである。図22に示される第4実施形態に係る搬送装置40Dが、図21に示される第3実施形態に係る搬送装置40Cと違う点は、検出部45,55の数量が異なる点、並びに、スキュー及び角折れ部の検出方法が異なる点である。なお、第3実施形態の説明において、上記の第1及び第2実施形態と同様の説明は省略する場合がある。
【0123】
図21に示されるように、搬送装置40Dは、検出部45,55を備える。検出部45は、第1検出部46b及び第2検出部47bを含む。検出部55は、第1検出部56b及び第2検出部57bを含む。検出部45,55は、同時に、端部位置P21,P23,P51,53を検出可能である。
【0124】
例えば、図22に示す記録媒体PPの端部PE1には、角折れ部PDが形成され、反対側の端部PE2には、角折れ部PDが形成されていない。また、記録媒体PPには、スキューが生じている。
【0125】
搬送装置40Dは、検出部45,55による検出結果に基づいて、複数個所において、X軸方向における記録媒体PPの長さL51,L52を検出して、スキュー及び角折れ部PDを検出可能である。搬送装置40Dの制御装置500は、X軸方向における端部位置P21,P51間の長さL51を演算する。制御装置500は、X軸方向における端部位置P23,P53間の長さL52を演算する。X軸方向は、主走査方向の一例である。主走査方向は、搬送方向A及び記録媒体PPの厚さ方向に交差する方向である。図3に示されるように、ヘッドモジュール20は、主走査方向に延びる。
【0126】
制御装置500は、X軸方向における記録媒体PPの長さL51,L52の差分を演算し、長さL51,52の差分が閾値以上である場合に、角折れ部PDを検出する。
【0127】
次に、図23のフローチャートを参照して、第4実施形態に係る搬送装置40Dの制御装置500における動作の手順について説明する。図23は、第4実施形態に係る搬送装置の制御装置における動作の手順を示すフローチャートである。図15に示すフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付し、説明を省略する場合がある。図23に示されるフローチャートのうち、ステップS11~S13,S15,S16は、図15に示すフローチャートと同じ処理を行う。
【0128】
第4実施形態では、制御装置500は、ステップS13の処理の後に、ステップS34をステップS34の処理を実行する。ステップS34では、制御装置500は、主走査方向(X軸方向)における記録媒体PPの長さL51,L52の差分を算出し、長さL51,L52の差分が閾値以上であるか否かを判定する。
【0129】
主走査方向における記録媒体PPの長さL51,L52の差分が、閾値以上である場合(ステップS34;YES)には、制御装置500は、ステップS16に進む。ステップS16では、制御装置500は、角折れ部判定処理(エラー停止)を行う。
【0130】
主走査方向における記録媒体PPの長さL51,52の差分が、閾値未満である場合(ステップS34;NO)には、制御装置500は、ステップS15に進む。ステップS15では、制御装置500は、スキュー判定処理(蛇行補正)を行う。
【0131】
<第4実施形態;搬送装置の作用効果>
このような第4実施形態に係る搬送装置40Dでは、制御装置500は、搬送方向Aにおいて異なる2箇所において、幅方向Bに対向する端部位置に基づいて、幅方向Bにおける記録媒体PPの長さL51,L52を算出し、算出した2箇所の長さL51,L52に基づいて、記録媒体PPのスキュー及び角折れ部PDを検出することができる。このような搬送装置40Dによれば、検出部45,55による1回の検出により、スキュー及び角折れ部PDを検出することができる。そのため、搬送装置40Dでは、制御装置500における処理の簡素化を図り、制御装置500における負荷を軽減することができる。
【0132】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0133】
上記の実施形態に係る画像形成装置200は、少なくとも3点について、端部位置を同時に検出可能であればよく、4点以上の端部位置を同時に検出してもよい。また、画像形成装置200は、少なくとも3点について、端部位置を同時に検出可能な構成において、検出した、3点の端部位置のうち、2点を用いて、記録媒体PPのスキュー及び角折れ部PDを検出してもよい。
【0134】
また、記録媒体PPの幅方向Bは、記録媒体PPの搬送方向Aに対して直交していなくてもよい。例えば、記録媒体PPが搬送方向Aに対して傾いている場合には、幅方向Bは、搬送方向Aに対して傾いている。また、記録媒体PPが傾いている場合において、幅方向Bにおける記録媒体PPの長さは、搬送方向A(Y軸方向)に対して、直交する方向(X軸方向)の長さでもよい。
【0135】
上記で説明した実施形態の制御装置500で実行される各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるCPUのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0136】
本発明の一態様は、以下のとおりでもよい。
【0137】
<1>
搬送方向に記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部の動作を制御する制御部と、
前記搬送部に送り込まれる前記記録媒体の姿勢に関するスキュー量及びシフト量を検出可能な検出部と、を備え、
前記検出部は、
前記搬送方向に交差する前記記録媒体の幅方向における一方の端部に対して、前記搬送方向において互いに異なる少なくとも3点について、前記幅方向における前記記録媒体の端部位置を並行して検出可能であり、
前記制御部は、
前記少なくとも3点の、前記幅方向における前記記録媒体の端部位置に基づいて、前記記録媒体の角折れ部を検出し、
前記スキュー量、前記シフト量、及び前記角折れ部に応じて、前記搬送部の動作を制御可能であることを特徴とする搬送装置。
<2>
前記検出部は、前記搬送方向において異なる位置に配置された第1検出部及び第2検出部を有し、
前記第1検出部は、前記3点のうちの1点である第1端部位置を検出し、
前記第2検出部は、前記3点のうちの1点である第2端部位置を検出し、
前記第1検出部及び前記第2検出部は、同時に前記第1端部位置及び前記第2端部位置を検出することを特徴とする上記の<1>に記載の搬送装置。
<3>
前記検出部は、前記幅方向に対向して配置された複数の検出部を含み、
前記制御部は、
前記検出部による検出結果に基づく前記端部位置が直線上に存在しない場合に、前記角折れ部を検出し、検出した前記角折れ部に応じて、前記搬送部の動作を制御可能であることを特徴とする上記の<1>又は<2>に記載の搬送装置。
<4>
前記検出部は、前記幅方向に対向してそれぞれ配置され、
前記制御部は、
前記搬送方向において異なる2箇所において、前記幅方向に対向する前記端部位置に基づいて、前記幅方向における前記記録媒体の長さを算出し、
算出した前記2箇所の前記幅方向における記録媒体の長さに基づいて、前記記録媒体の姿勢及び前記角折れ部を検出可能であり、
前記記録媒体の姿勢及び前記角折れ部に応じて、前記搬送部の動作を制御可能であることを特徴とする上記の<1>~<3>の何れか一つに記載の搬送装置。
<5>
上記の<1>~<4>の何れか一つに記載の搬送装置と、
液体を吐出する吐出ヘッドを有し、前記搬送装置によって搬送された前記記録媒体に液体を吐出して、前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0138】
200 画像形成装置
40,40C,40D 搬送装置
41 搬送部
46,46a,46b 第1検出部(検出部)
47,47a,47b 第2検出部(検出部)
500 制御装置(制御部)
A 記録媒体の搬送方向
B 記録媒体の幅方向
L51,L52 幅方向における記録媒体の長さ
P11~P15,P21~P25,P51~P53 端部位置
PD 角折れ部
PE1 幅方向における記録媒体の端部
PE2 幅方向における記録媒体の端部
PP 記録媒体
X X軸方向(幅方向)
Y Y軸方向(搬送方向)
Z Z軸方向(記録媒体の厚さ方向)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0139】
【特許文献1】特開2020-82393号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15
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図20
図21
図22
図23