(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021183
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】四脚消波ブロックの配置方法、増殖礁、及び、増殖礁の製造方法
(51)【国際特許分類】
A01K 61/77 20170101AFI20240208BHJP
A01G 33/02 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A01K61/77
A01G33/02 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123842
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】594018267
【氏名又は名称】株式会社中研コンサルタント
(71)【出願人】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕明
【テーマコード(参考)】
2B003
【Fターム(参考)】
2B003AA01
2B003BB01
2B003DD01
2B003EE04
(57)【要約】
【課題】海底に安定して配置することができるとともに、比較的多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を形成するための四脚消波ブロックの配置方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法は、複数の四脚消波ブロックを配置する方法であって、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の四脚消波ブロックを配置する方法であって、
第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、
前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備える、四脚消波ブロックの配置方法。
【請求項2】
前記環状配置工程後に、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックにおける隣り合う2つの第1の四脚消波ブロックの間に、第3の四脚消波ブロックを配置する段積配置工程をさらに備え、
前記段積配置工程は、前記第3の四脚消波ブロックにおける1つの脚部が海底に接触し、かつ、2つの脚部が隣り合う第1の四脚消波ブロックの脚部に重なるように第3の四脚消波ブロックを配置する、請求項1に記載の四脚消波ブロックの配置方法。
【請求項3】
前記四脚消波ブロックが、胴部と、該胴部の先端から外向きに延びる第1~第4の脚部と、を備える、請求項1又は2に記載の四脚消波ブロックの配置方法。
【請求項4】
複数の四脚消波ブロックを用いて形成される増殖礁であって、
複数の第1の四脚消波ブロックが環状に配置されてなる第1のブロック群と、
前記第1のブロック群の内側に、複数の第2の四脚消波ブロックが乱積的に積み上げられてなる第2のブロック群と、を備え、
前記第1のブロック群は、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置され、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部が、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置されて環状に形成される、増殖礁。
【請求項5】
複数の四脚消波ブロックを用いて増殖礁を製造する方法であって、
第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、
前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備える、増殖礁の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四脚消波ブロックの配置方法、増殖礁、及び、増殖礁の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磯焼け等により消失した藻場をより効率よく回復すること等を目的として、藻場造成用の基質を海底に配置することがある。藻場造成用の基質としては、例えば、コンクリートブロック等が広く用いられている。
【0003】
藻場の造成においては、一般的に、海藻が付着しやすいエッジ部の多い基質が好適に用いられる。しかし、コンクリートブロックに多くのエッジ構造を作ることは難しく、エッジ部を多くしようとすると型枠構造が複雑になり、コンクリートの流し込みが困難になる。そのため、海藻が付着しやすいプレート等をコンクリートブロックに固定して藻場造成用の基質として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、水産生物を成育し、増殖させる目的で、コンクリートブロック等を海底に配置することもある。例えば、特許文献2には、藻場を形成するとともに、水産生物を成育し、増殖させることができる増殖礁が開示されており、該増殖礁は、アワビ、トコブシ、サザエ、ウニ、イセエビ等の磯根資源を稚体から成体まで生育する磯根資源増殖ブロック、藻類増殖部材、並びに、磯根資源増殖ブロック及び藻類増殖部材を支持するコンクリートベースを備える。前記コンクリートベースに配置される複数の磯根資源増殖ブロックは、隣り合う磯根資源増殖ブロックの間に、水産生物が生息するのに好適な寸法の隙間空間が形成されるように配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-072925号公報
【特許文献2】特開2007-006796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の増殖礁のように、藻場増殖機能、磯根資源増殖機能等の複数の機能を備えた多機能型増殖礁は、その構造が複雑化する傾向がある。そのため、汎用性のある構造で、より多くの隙間空間、及び、海藻が付着するエッジ部を有する増殖礁が望まれている。また、海中は、絶えず潮流が変化する。そのため、複雑な潮流に対して増殖礁をより安定的に設置する方法が望まれている。
【0007】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、海底に安定して配置することができるとともに、比較的多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を形成するための四脚消波ブロックの配置方法を提供することを課題とする。また、海底に安定して設置することができるとともに、比較的多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を有する増殖礁、並びに、増殖礁の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法は、複数の四脚消波ブロックを配置する方法であって、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備える。
【0009】
前記四脚消波ブロックの配置方法は、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備えることにより、四脚消波ブロックを海底に安定して配置することができるとともに、比較的多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を形成することができる。
【0010】
本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法は、前記環状配置工程後に、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックにおける隣り合う2つの第1の四脚消波ブロックの間に、第3の四脚消波ブロックを配置する段積配置工程をさらに備え、前記段積配置工程は、前記第3の四脚消波ブロックにおける1つの脚部が海底に接触し、かつ、2つの脚部が隣り合う第1の四脚消波ブロックの脚部に重なるように第3の四脚消波ブロックを配置してもよい。
【0011】
前記四脚消波ブロックの配置方法は、斯かる構成により、四脚消波ブロックを海底により安定して配置することができるとともに、より多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を形成することができる。
【0012】
本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法は、前記四脚消波ブロックが、胴部と、該胴部の先端から外向きに延びる第1~第4の脚部と、を備えていてもよい。
【0013】
前記四脚消波ブロックの配置方法は、斯かる構成により、四脚消波ブロックを配置する際に、該四脚消波ブロックの脚部が互いに干渉しにくくなる。その結果、四脚消波ブロックをスムーズに配置することができる。
【0014】
本発明に係る増殖礁は、複数の四脚消波ブロックを用いて形成される増殖礁であって、複数の第1の四脚消波ブロックが環状に配置されてなる第1のブロック群と、前記第1のブロック群の内側に、複数の第2の四脚消波ブロックが乱積的に積み上げられてなる第2のブロック群と、を備え、前記第1のブロック群は、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置され、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部が、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置されて環状に形成される。
【0015】
前記増殖礁は、複数の第1の四脚消波ブロックが環状に配置されてなる第1のブロック群と、前記第1のブロック群の内側に、複数の第2の四脚消波ブロックが乱積的に積み上げられてなる第2のブロック群と、を備え、前記第1のブロック群は、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置され、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部が、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置されて環状に形成されることにより、海底に安定して設置することができるとともに、比較的多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を有する。
【0016】
本発明に係る増殖礁の製造方法は、複数の四脚消波ブロックを用いて増殖礁を製造する方法であって、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備える。
【0017】
前記増殖礁の製造方法は、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備えることにより、海底に安定して設置することができるとともに、比較的多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を有する増殖礁を製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、海底に安定して配置することができるとともに、比較的多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を形成するための四脚消波ブロックの配置方法を提供することができる。また、海底に安定して設置することができるとともに、比較的多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を有する増殖礁、並びに、増殖礁の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法、及び、増殖礁の製造方法の第1実施形態によって配置された四脚消波ブロック、及び、増殖礁を示した図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法、及び、増殖礁の製造方法の第2実施形態における段積配置工程後の四脚消波ブロックを示した図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法、及び、増殖礁の製造方法の第2実施形態によって配置された四脚消波ブロック、及び、増殖礁を示した図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法、増殖礁、及び、増殖礁の製造方法に用いることができる四脚消波ブロックの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
<四脚消波ブロックの配置方法>
以下、本発明の第1実施形態に係る四脚消波ブロックの配置方法について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一又は相当する部分には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法、及び、増殖礁の製造方法の第1実施形態によって配置された四脚消波ブロック、及び、増殖礁を示した図である。
図4は、本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法、増殖礁、及び、増殖礁の製造方法に用いることができる四脚消波ブロックの一例を示した図である。まず、該四脚消波ブロック1について説明する。
【0021】
四脚消波ブロック1としては、海岸線の護岸、水制等を目的に設置される汎用海洋土木製品である消波ブロックであって、4つの脚部を有する消波ブロックを用いることができる。このような汎用海洋土木製品を用いることで、全国どこでも実施可能である。四脚消波ブロック1は、
図4に示すように、胴部4と、該胴部4の先端から外向きに延びる第1~第4の脚部5と、を備える。
【0022】
胴部4は、柱状に形成されている。胴部4が延びる方向(
図4中のX方向)の一方の端部41aには、該一方の端部41aから外方向に延びる第1の脚部51及び第2の脚部52が形成されている。また、胴部4が延びる方向の他方の端部41bには、該他方の端部41bから外方向に延びる第3の脚部53及び第4の脚部54が形成されている。第1の脚部51、第2の脚部52、第3の脚部53、及び、第4の脚部54は、柱状に形成されており、同一の形状を有する。
【0023】
第1の脚部51及び第2の脚部52は、第1の脚部51の中心線C1と第2の脚部52の中心線C2が、共通の始端S1から所定の内角を形成するように配置されている。また、第3の脚部53及び第4の脚部54は、第3の脚部53の中心線C3と第4の脚部54の中心線C4が、共通の始端S2から所定の内角を形成するように配置されている。第1の脚部51の中心線C1と第2の脚部52の中心線C2によって形成される内角、及び、第3の脚部53の中心線C3と第4の脚部54の中心線C4によって形成される内角は、四脚消波ブロック1を海底に安定して配置する観点から、例えば、100°以上160°以下とすることができる。
【0024】
第1の脚部51及び第2の脚部52と第3の脚部53及び第4の脚部54は、始端S1から延びる第1の脚部51の中心線C1と第2の脚部52の中心線C2によって形成される一平面と、始端S2から延びる第3の脚部53の中心線C3と第4の脚部54の中心線C4によって形成される他平面が直交する位置に配置される。これにより、四脚消波ブロック1を海底に安定して配置することができる。
【0025】
本明細書において、第1の脚部51は、4つの脚部のうち、いずれの脚部であってもよい。第2の脚部52は、前記一平面に位置する脚部とすることができ、前記他平面に位置する脚部を第3の脚部53及び第4の脚部54とすることができる。
【0026】
第1の脚部51及び第2の脚部52は、内角を形成する第1の脚部51及び第2の脚部52における内角側の表面に一方の内角表面部6aを有する。また、第3の脚部53及び第4の脚部54は、内角を形成する第3の脚部53及び第4の脚部54における内角側の表面に他方の内角表面部6bを有する。一方の内角表面部6a及び他方の内角表面部6bには、例えば、
図4に示すように、水産生物が生息する隙間空間となる凹部7を複数形成してもよい。凹部7を形成することにより、より多くの隙間空間を形成することができる。
【0027】
第1実施形態に係る四脚消波ブロック1の配置方法は、環状配置工程と、積上工程と、を備える。
【0028】
環状配置工程は、複数の第1の四脚消波ブロック11を、該第1の四脚消波ブロック11の3つの脚部5が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する脚部と隣り合うように環状に配置する。より詳細には、
図1に示すように、まず、第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51、第2の脚部52、及び、第4の脚部54が海底に接触するように配置する。次に、第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51及び第2の脚部52が、それぞれ他の第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51又は第2の脚部52と隣り合うように配置して、6個の第1の四脚消波ブロック11を環状に配置する。なお、第1の四脚消波ブロック11は、環状に配置され、かつ、最も外側に位置するブロックである。
【0029】
積上工程は、環状に配置した第1の四脚消波ブロック11の内側に、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げる。より詳細には、
図1に示すように、第2の四脚消波ブロック21の凹凸が互いにかみ合わさるように、8個の第2の四脚消波ブロック21をランダムに積み上げる。なお、第2の四脚消波ブロック21は、第1の四脚消波ブロック11の内側に配置されるブロックである。
【0030】
第1実施形態に係る四脚消波ブロックの配置方法は、第1の四脚消波ブロック11の3つの脚部5が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する2つの脚部5を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する脚部5と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロック11を環状に配置する環状配置工程を備えることにより、海底に接触しない第3の脚部53が海面方向(
図4中のY方向)に延びるように配置され、かつ、他の四脚消波ブロック1と重なり合わないため、海藻が付着するエッジ部として機能する第3の脚部53の先端部分は日光があたりやすい。その結果、第3の脚部53の先端部分は、海藻が付着しやすくなり、藻場造成を確実に行うことができる。また、複数の第1の四脚消波ブロック11を環状に配置することにより、海藻が付着するエッジ部を多数形成することができる。さらに、第1の四脚消波ブロック11を環状に配置することにより、ブロック群の外周が、3つの脚部が接地して安定したブロックで形成されることから、海中の複雑な潮流の影響を受けにくくすることができる。
【0031】
また、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロック11の内側に、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げる積上工程を備えることにより、第2の四脚消波ブロック21の一部が第1の四脚消波ブロック11に重なり合い、第1の四脚消波ブロック11を固定することができる。その結果、海中の複雑な潮流の影響をより受けにくくし、四脚消波ブロック1を海底に安定して配置することができる。また、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げることにより、積み上げられた第2の四脚消波ブロック21の間には、複雑な隙間空間が多数形成される。該隙間空間は、イセエビ、アワビ、魚類等の水産生物の住処となることから、該隙間空間を用いて、水産生物を成育し、増殖させることができる。
【0032】
第1実施形態に係る四脚消波ブロックの配置方法は、四脚消波ブロック1が、胴部4を備えることにより、四脚消波ブロック1を配置する際に、脚部5が互いに干渉しにくくなる。その結果、四脚消波ブロック1をスムーズに配置することができる。
【0033】
<増殖礁>
以下、本発明の第1実施形態に係る増殖礁10について図面を参照しつつ説明する。第1実施形態に係る増殖礁10は、複数の第1の四脚消波ブロック11が環状に配置されてなる第1のブロック群と、第1のブロック群の内側に、複数の第2の四脚消波ブロック21が乱積的に積み上げられてなる第2のブロック群と、を備える。
【0034】
前記第1のブロック群は、
図1に示すように、6個の第1の四脚消波ブロック11を備える。6個の第1の四脚消波ブロック11は、各第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51、第2の脚部52、及び、第4の脚部54が海底に接触するように配置され、かつ、第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51及び第2の脚部52が、それぞれ他の第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51又は第2の脚部52と隣り合うように配置される。すなわち、6個の第1の四脚消波ブロック11は、各第1の四脚消波ブロック11の一方の内角表面部6aが周方向に沿うように並列して配置される。
【0035】
前記第2のブロック群は、
図1に示すように、8個の第2の四脚消波ブロック21を備える。8個の第2の四脚消波ブロック21は、前記第1のブロック群の内側に第2の四脚消波ブロック21の凹凸が互いにかみ合わさるように、ランダムに積み上げられる。
【0036】
第1実施形態に係る増殖礁10は、6個の第1の四脚消波ブロック11が環状に配置されてなる第1のブロック群と、前記第1のブロック群の内側に、8個の第2の四脚消波ブロック21が乱積的に積み上げられてなる第2のブロック群と、を備え、第1のブロック群は、第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51、第2の脚部52、及び、第4の脚部54が海底に接触するように配置され、かつ、第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する第1の脚部51及び第2の脚部52が、それぞれ他の第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する第1の脚部51又は第2の脚部52と隣り合うように配置されて環状に形成されることにより、第1のブロック群における第1の四脚消波ブロックの海底に接触しない第3の脚部53が海面方向に延びるように配置され、かつ、他の四脚消波ブロック1と重なり合わないため、海藻が付着するエッジ部として機能する第3の脚部53の先端部分は日光があたりやすい。その結果、第3の脚部53の先端部分は海藻が付着しやすくなり、藻場造成を確実に行うことができる。また、複数の第1の四脚消波ブロック11が環状に配置されることにより、海藻が付着するエッジ部を多数形成することができる。さらに、第1の四脚消波ブロック11が環状に配置されることにより、ブロック群の外周が、3つの脚部が接地して安定したブロックで形成されることから、海中の複雑な潮流の影響を受けにくくすることができる。
【0037】
また、前記第1のブロック群の内側に、8個の第2の四脚消波ブロック21が乱積的に積み上げられてなる第2のブロック群を備えることにより、第2の四脚消波ブロック21の一部が第1の四脚消波ブロック11に重なり合い、第1の四脚消波ブロック11を固定することができる。その結果、海中の複雑な潮流の影響をより受けにくくし、増殖礁を海底に安定して設置することができる。また、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げることにより、積み上げられた第2の四脚消波ブロック21の間には、複雑な隙間空間が多数形成される。該隙間空間は、イセエビ、アワビ、魚類等の水産生物の住処となることから、該隙間空間を用いて、水産生物を成育し、増殖させることができる。
【0038】
<増殖礁の製造方法>
以下、本発明の第1実施形態に係る増殖礁の製造方法について図面を参照しつつ説明する。第1実施形態に係る増殖礁の製造方法は、環状配置工程と、積上工程と、を備える。
【0039】
環状配置工程は、複数の第1の四脚消波ブロック11を、該第1の四脚消波ブロック11の3つの脚部5が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する脚部と隣り合うように環状に配置する。より詳細には、
図1に示すように、まず、第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51、第2の脚部52、及び、第4の脚部54が海底に接触するように配置する。次に、第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51及び第2の脚部52が、それぞれ他の第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51又は第2の脚部52と隣り合うように配置して、6個の第1の四脚消波ブロック11を環状に配置する。
【0040】
積上工程は、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロック11の内側に、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げる。より詳細には、
図1に示すように、第2の四脚消波ブロック21の凹凸が互いにかみ合わさるように、8個の第2の四脚消波ブロック21をランダムに積み上げる。
【0041】
第1実施形態に係る増殖礁の製造方法は、第1の四脚消波ブロック11の3つの脚部5が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する2つの脚部5を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロック11の海底に接触する脚部5と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロック11を環状に配置する環状配置工程を備えることにより、海底に接触しない第3の脚部53が海面方向に延びるように配置され、かつ、他の四脚消波ブロック1と重なり合わないため、海藻が付着するエッジ部として機能する第3の脚部53の先端部分は日光があたりやすい。その結果、第3の脚部53の先端部分は海藻が付着しやすくなり、藻場造成を確実に行うことができる。また、複数の第1の四脚消波ブロック11を環状に配置することにより、海藻が付着するエッジ部を多数形成することができる。さらに、第1の四脚消波ブロック11を環状に配置することにより、ブロック群の外周が、3つの脚部が接地して安定したブロックで形成されることから、海中の複雑な潮流の影響を受けにくくすることができる。
【0042】
また、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロック11の内側に、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げる積上工程を備えることにより、第2の四脚消波ブロック21の一部が第1の四脚消波ブロック11に重なり合い、第1の四脚消波ブロックを固定することができる。その結果、海中の複雑な潮流の影響をより受けにくくし、四脚消波ブロック1を海底に安定して設置することができる。また、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げることにより、積み上げられた第2の四脚消波ブロック21の間には、複雑な隙間空間が多数形成される。該隙間空間は、イセエビ、アワビ、魚類等の水産生物の住処となることから、該隙間空間を用いて、水産生物を成育し、増殖させることができる。
【0043】
[第2実施形態]
<四脚消波ブロックの配置方法>
以下、本発明の第2実施形態に係る四脚消波ブロックの配置方法について、第1実施形態と異なる部分を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0044】
図2は、本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法、及び、増殖礁の製造方法の第2実施形態における段積配置工程後の四脚消波ブロックを示した図である。
図3は、本発明に係る四脚消波ブロックの配置方法、及び、増殖礁の製造方法の第2実施形態によって配置された四脚消波ブロック、及び、増殖礁を示した図である。第2実施形態に係る四脚消波ブロックの配置方法は、前記環状配置工程と、段積配置工程と、積上工程と、を備える。
【0045】
段積配置工程は、上記環状配置工程後に、環状に配置した第1の四脚消波ブロック11における隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11の間に、第3の四脚消波ブロック31を配置する。より詳細には、
図2に示すように、各第3の四脚消波ブロック31の第4の脚部54が海底に接触し、かつ、第3の四脚消波ブロック31の第1の脚部51及び第2の脚部52が、隣り合う第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51又は第2の脚部52に重なるように、6個の第3の四脚消波ブロック31を環状に配置する。第3の四脚消波ブロック31は、隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11のすべての間に配置することにより、四脚消波ブロック1を海底により安定して配置することができるとともに、より多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を形成することができる。なお、第3の四脚消波ブロック31は、2つの脚部が第1の四脚消波ブロック11の脚部と重なるように配置され、かつ、海底に接触する脚部が、環状に配置された第1の四脚消波ブロック11の外側に位置するブロックである。
【0046】
積上工程は、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロック11、及び、第3の四脚消波ブロック31の内側に、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げる。より詳細には、
図3に示すように、第2の四脚消波ブロック21の凹凸が互いにかみ合わさるように、8個の第2の四脚消波ブロック21をランダムに積み上げる。
【0047】
第2実施形態に係る四脚消波ブロックの配置方法は、前記環状配置工程後に、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロック11における隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11の間に、第3の四脚消波ブロック31を配置する段積配置工程をさらに備え、前記段積配置工程は、第3の四脚消波ブロック31における第4の脚部54が海底に接触し、かつ、第3の四脚消波ブロック31の第1の脚部51及び第2の脚部52が隣り合う第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51又は第2の脚部52に重なるように第3の四脚消波ブロック31を配置することにより、第1の四脚消波ブロック11を第3の四脚消波ブロック31で固定することができる。また、第2の四脚消波ブロック21が、環状に配置した第1の四脚消波ブロック11及び第3の四脚消波ブロック31の外側に飛び出すことを防止することができる。その結果、海中の複雑な潮流の影響をより受けにくくし、四脚消波ブロック1を海底により安定して配置することができる。
【0048】
また、段積配置工程をさらに備えることにより、第3の四脚消波ブロック31の第3の脚部53が、海面方向に延びるように配置され、かつ、他の四脚消波ブロック1と重なり合わないため、海藻が付着するエッジ部として機能する第3の脚部53の先端部分は日光があたりやすい。その結果、第3の四脚消波ブロック31の第3の脚部53の先端部分においても、海藻が付着しやすくなり、藻場造成を確実に行うことができる。したがって、より多くの海藻が付着するエッジ部を形成することができる。また、段積配置工程をさらに備えることにより、重なり合う第1の四脚消波ブロック11と第3の四脚消波ブロック31の間にも隙間空間が形成される。そのため、より多くの隙間空間を形成することができる。
【0049】
<増殖礁>
以下、本発明の第2実施形態に係る増殖礁10について、第1実施形態と異なる部分を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0050】
第2実施形態に係る増殖礁10は、前記第1のブロック群と、第2のブロック群と、第3のブロック群と、を備える。前記第3のブロック群は、6個の第3の四脚消波ブロック31を備える。前記第3のブロック群は、環状に配置された第1の四脚消波ブロック11における隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11の間に、第3の四脚消波ブロック31が配置されてなる。6個の第3の四脚消波ブロック31は、
図2に示すように、各第3の四脚消波ブロック31の第4の脚部54が海底に接触し、かつ、第3の四脚消波ブロック31の第1の脚部51及び第2の脚部52が、隣り合う第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51又は第2の脚部52に重なるように環状に配置される。第3の四脚消波ブロック31が、隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11のすべての間に配置されることにより、増殖礁10を海底により安定して設置することができるとともに、より多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を形成することができる
【0051】
前記第2のブロック群は、8個の第2の四脚消波ブロック21を備える。8個の第2の四脚消波ブロック21は、
図3に示すように、前記第1のブロック群、及び、前記第3のブロック群の内側に第2の四脚消波ブロック21の凹凸が互いにかみ合わさるように、ランダムに積み上げられる。
【0052】
第2実施形態に係る増殖礁10は、環状に配置された第1の四脚消波ブロック11における隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11の間に、第3の四脚消波ブロック31が配置されてなる第3のブロック群を備えることにより、第1の四脚消波ブロック11を第3の四脚消波ブロック31で固定することができる。また、前記第2のブロック群が、環状に配置された前記第1のブロック群及び前記第3のブロック群の外側に飛び出すことを防止することができる。その結果、海中の複雑な潮流の影響をより受けにくくし、増殖礁10を海底により安定して設置することができる。
【0053】
また、増殖礁10が第3のブロック群を備えることにより、第3の四脚消波ブロック31の第3の脚部53が、海面方向に延びるように配置され、かつ、他の四脚消波ブロック1と重なり合わないため、海藻が付着するエッジ部として機能する第3の脚部53の先端部分に日光があたりやすい。その結果、第3の四脚消波ブロック31の第3の脚部53の先端部分においても、海藻が付着しやすくなり、藻場造成を確実に行うことができる。したがって、より多くの海藻が付着するエッジ部を形成することができる。また、増殖礁10が第3のブロック群を備えることにより、重なり合う第1の四脚消波ブロック11と第3の四脚消波ブロック31の間にも隙間空間が形成される。そのため、より多くの隙間空間を形成することができる。
【0054】
<増殖礁の製造方法>
以下、本発明の第2実施形態に係る増殖礁10の製造方法について、第1実施形態と異なる部分を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。第2実施形態に係る増殖礁10の製造方法は、前記環状配置工程と、段積配置工程と、前記積上工程と、を備える。
【0055】
段積配置工程は、上記環状配置工程後に、環状に配置した第1の四脚消波ブロック11における隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11の間に、第3の四脚消波ブロック31を配置する。より詳細には、
図2に示すように、各第3の四脚消波ブロック31の第4の脚部54が海底に接触し、かつ、第3の四脚消波ブロック31の第1の脚部51及び第2の脚部52が、隣り合う第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51又は第2の脚部52に重なるように、6個の第3の四脚消波ブロック31を環状に配置する。第3の四脚消波ブロック31は、隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11のすべての間に配置することにより、増殖礁10を海底により安定して設置することができるとともに、より多くの隙間空間と海藻が付着するエッジ部を形成することができる。
【0056】
積上工程は、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロック11、及び、第3の四脚消波ブロック31の内側に、複数の第2の四脚消波ブロック21を乱積的に積み上げる。より詳細には、
図3に示すように、第2の四脚消波ブロック21の凹凸が互いにかみ合わさるように、8個の第2の四脚消波ブロック21をランダムに積み上げる。
【0057】
第2実施形態に係る増殖礁10の製造方法は、前記環状配置工程後に、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロック11における隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11の間に、第3の四脚消波ブロック31を配置する段積配置工程をさらに備え、前記段積配置工程は、第3の四脚消波ブロック31における第4の脚部54が海底に接触し、かつ、第3の四脚消波ブロック31の第1の脚部51及び第2の脚部52が隣り合う第1の四脚消波ブロック11の第1の脚部51又は第2の脚部52に重なるように第3の四脚消波ブロック31を配置することにより、第1の四脚消波ブロック11を第3の四脚消波ブロック31で固定することができる。また、第2の四脚消波ブロック21が、環状に配置した第1の四脚消波ブロック11及び第3の四脚消波ブロック31の外側に飛び出すことを防止することができる。その結果、海中の複雑な潮流の影響をより受けにくくし、増殖礁10を海底により安定して設置することができる。
【0058】
また、段積配置工程をさらに備えることにより、第3の四脚消波ブロック31の第3の脚部53が、海面方向に延びるように配置され、かつ、他の四脚消波ブロック1と重なり合わないため、海藻が付着するエッジ部として機能する第3の脚部53の先端部分に日光があたりやすい。その結果、第3の四脚消波ブロック31の第3の脚部53の先端部分においても、海藻が付着しやすくなり、藻場造成を確実に行うことができる。したがって、より多くの海藻が付着するエッジ部を形成することができる。また、段積配置工程をさらに備えることにより、重なり合う第1の四脚消波ブロック11と第3の四脚消波ブロック31の間にも隙間空間が形成される。そのため、より多くの隙間空間を形成することができる。
【0059】
[その他の実施形態]
以上、本発明の第1実施形態、及び、第2実施形態(以下、これらの実施形態を合わせて本実施形態ともいう)について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。また、上記及び下記の複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよい(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよい)ことは勿論である。
【0060】
例えば、前記実施形態において、第1の四脚消波ブロック11、第2の四脚消波ブロック21、及び、第3の四脚消波ブロック31が、同一の構造を有する場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、例えば、第1の四脚消波ブロック11及び第3の四脚消波ブロック31が同一の構造を有し、第2の四脚消波ブロック21が第1の四脚消波ブロック11及び第3の四脚消波ブロック31と異なる構造を有していてもよい。
【0061】
また、前記実施形態において、四脚消波ブロック1が、胴部4を有する場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、四脚消波ブロック1が、胴部を有さない構成(すなわち、始端S1と始端S2が同じ位置に配置される構成)としてもよい。
【0062】
また、前記実施形態において、第1の四脚消波ブロック11を6個、第2の四脚消波ブロック21を6個、及び、第3の四脚消波ブロック31を8個用いる場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、例えば、第1の四脚消波ブロックを8個、第2の四脚消波ブロックを8個、及び、第3の四脚消波ブロックを9個用いてもよい。
【0063】
また、前記実施形態において、第3の四脚消波ブロック31を、隣り合う2つの第1の四脚消波ブロック11のすべての間に配置する場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、第3の四脚消波ブロック31を配置しない箇所があってもよい。例えば、第3の四脚消波ブロック31を、一つ置きに配置してもよい。
【0064】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]複数の四脚消波ブロックを配置する方法であって、
第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、
前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備える、四脚消波ブロックの配置方法。
[2]前記環状配置工程後に、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックにおける隣り合う2つの第1の四脚消波ブロックの間に、第3の四脚消波ブロックを配置する段積配置工程をさらに備え、
前記段積配置工程は、前記第3の四脚消波ブロックにおける1つの脚部が海底に接触し、かつ、2つの脚部が隣り合う第1の四脚消波ブロックの脚部に重なるように第3の四脚消波ブロックを配置する、[1]に記載の四脚消波ブロックの配置方法。
[3]前記四脚消波ブロックが、胴部と、該胴部の先端から外向きに延びる第1~第4の脚部と、を備える、[1]又は[2]に記載の四脚消波ブロックの配置方法。
[4]複数の四脚消波ブロックを用いて形成される増殖礁であって、
複数の第1の四脚消波ブロックが環状に配置されてなる第1のブロック群と、
前記第1のブロック群の内側に、複数の第2の四脚消波ブロックが乱積的に積み上げられてなる第2のブロック群と、を備え、
前記第1のブロック群は、第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置され、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部が、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置されて環状に形成される、増殖礁。
[5]環状に配置された前記第1の四脚消波ブロックにおける隣り合う2つの第1の四脚消波ブロックの間に、第3の四脚消波ブロックが配置されてなる第3のブロック群を備え、
前記第3の四脚消波ブロックが、該第3の四脚消波ブロックにおける1つの脚部が海底に接触し、かつ、2つの脚部が隣り合う第1の四脚消波ブロックの脚部に重なるように配置される、[4]に記載の増殖礁。
[6]前記四脚消波ブロックが、胴部と、該胴部の先端から外向きに延びる第1~第4の脚部と、を備える、[4]又は[5]に記載の増殖礁。
[7]複数の四脚消波ブロックを用いて増殖礁を製造する方法であって、
第1の四脚消波ブロックの3つの脚部が海底に接触するように配置し、かつ、該第1の四脚消波ブロックの海底に接触する2つの脚部を、それぞれ他の第1の四脚消波ブロックの海底に接触する脚部と隣り合うように配置して、複数の第1の四脚消波ブロックを環状に配置する環状配置工程と、
前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックの内側に、複数の第2の四脚消波ブロックを乱積的に積み上げる積上工程と、を備える、増殖礁の製造方法。
[8]前記環状配置工程後に、前記環状に配置した第1の四脚消波ブロックにおける隣り合う2つの第1の四脚消波ブロックの間に、第3の四脚消波ブロックを配置する段積配置工程をさらに備え、
前記段積配置工程は、前記第3の四脚消波ブロックにおける1つの脚部が海底に接触し、かつ、2つの脚部が隣り合う第1の四脚消波ブロックの脚部に重なるように第3の四脚消波ブロックを配置する、[7]に記載の増殖礁の製造方法。
[9]前記四脚消波ブロックが、胴部と、該胴部の先端から外向きに延びる第1~第4の脚部と、を備える、[7]又は[8]に記載の増殖礁の製造方法。
【符号の説明】
【0065】
1 四脚消波ブロック
4 胴部
5 脚部
10 増殖礁
11 第1の四脚消波ブロック
21 第2の四脚消波ブロック
31 第3の四脚消波ブロック