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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021375
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02208 20210101AFI20240208BHJP
   H01S 5/02253 20210101ALI20240208BHJP
【FI】
H01S5/02208
H01S5/02253
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124163
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】三浦 創一郎
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC01
5F173MD64
5F173ME02
5F173ME22
5F173ME33
5F173ME44
5F173ME88
5F173MF03
5F173MF18
5F173MF27
5F173MF28
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】パッケージを小型化することが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、発光素子と、発光素子を支持する基板と、基板に接合され、発光素子を囲む1又は複数の側壁部とを備える。1又は複数の側壁部は、発光素子から出射され、第1方向に進行する光が入射する光入射面及び光が出射する光出射面を有する第1側壁部を含む。基板は、第1側壁部と接合する接合面、及び、接合面に交わり、接合面の垂直方向から見る上面視において、光入射面と光出射面との間に位置する側面を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子を支持する基板と、
前記基板に接合され、前記発光素子を囲む1又は複数の側壁部と、
を備え、
前記1又は複数の側壁部は、前記発光素子から出射され、第1方向に進行する光が入射する光入射面及び前記光が出射する光出射面を有する第1側壁部を含み、
前記基板は、前記第1側壁部に接合する接合面、及び、前記接合面に交わり、前記接合面の垂直方向から見る上面視において、前記光入射面と前記光出射面との間に位置する側面を有する、発光装置。
【請求項2】
前記第1側壁部は、前記接合面に接合する下面を有し、
前記光入射面は、前記下面に交わる、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記光の光軸と、前記側面を含み、前記側面と平行な仮想面とは交わり、
前記上面視において、前記光の光軸と前記仮想面との交点は、前記光入射面と前記光出射面との間に位置する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1方向において、前記側面から前記光入射面までの距離は、前記側面から前記光出射面までの距離よりも大きい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記1又は複数の側壁部に接続される上部をさらに備え、
前記発光素子は、前記基板、前記1又は複数の側壁部、及び前記上部によって形成される封止空間内に配置され、
前記接合面に垂直な方向において、前記光の光軸と前記光入射面との交点の前記接合面からの高さは、前記上部の下面の前記接合面からの高さの1/2よりも大きい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記封止空間内に配置される受光素子をさらに備え、
前記受光素子は、前記光の一部を受光する受光面を有し、
前記接合面に垂直な方向において、前記受光面は前記交点よりも下方に位置する、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記基板は、前記側面に交わり、前記側面に対し前記発光素子と反対側に延伸する実装面をさらに有し、
前記接合面に垂直な方向において、前記実装面は、前記接合面よりも下方に位置する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記接合面に垂直な方向において、前記接合面と前記実装面との間の間隔は、100μm以上500μm以下である、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記実装面に配置され、前記光が入射し、前記側面と対向するレンズ入射面を有するレンズ部材を備え、
前記第1方向において、前記レンズ入射面と前記側面との間隔は、前記側面と前記光入射面との間隔よりも小さい、請求項7に記載の発光装置。
【請求項10】
前記レンズ入射面と前記光出射面との間に、隙間が存在する、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1方向において、前記レンズ入射面と前記光出射面との間隔は1000μm以下である、請求項9に記載の発光装置。
【請求項12】
前記レンズ部材は、第1接合部材を介して前記実装面に接合され、
前記第1方向において、前記第1接合部材の一部は、前記光出射面よりも前記側面側にまで達する、請求項9に記載の発光装置。
【請求項13】
前記基板に接合され、前記発光素子、前記1又は複数の側壁部、並びに、前記レンズ部材の上方及び側方を覆うように設けられる包囲体をさらに備え、
前記レンズ部材は上面及び下面を有し、
前記レンズ部材の上面は、第2接合部材を介して前記包囲体の下面に接合され、
前記第1方向において、前記第2接合部材は、前記光出射面よりも前記光入射面側にまで達する、請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記レンズ入射面と前記光出射面とは、第1接合部材を介して、前記レンズ部材の光軸よりも上方に位置する第1接合箇所において接合され、第2接合部材を介して、前記レンズ部材の光軸よりも下方に位置する第2接合箇所において接合される、請求項9に記載の発光装置。
【請求項15】
前記第2接合部材は、前記実装面には接しない、請求項14に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を封止するパッケージが開発されている。特許文献1は、第1の基板と、第1の基板に実装される発光素子と、発光素子を封止する空間を形成する第2の基板とを備える発光装置を開示している。第2の基板には、発光素子から出射される光が通過する導光孔が設けられている。光取り出し窓が、第2の基板の外側から当該導光孔を覆うことで、当該空間を封止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-289775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光素子からの光の光路長を抑えて他の構成要素を配置したい場合がある。発光素子からの距離を短くして他の構成要素を実装できるような構造の発光装置を提供できれば、他の構成要素を実装するときの自由度が向上する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の発光装置は、例示的で非限定的な実施形態において、発光素子と、前記発光素子を支持する基板と、前記基板に接合され、前記発光素子を囲む1又は複数の側壁部と、を備え、前記1又は複数の側壁部は、前記発光素子から出射され、第1方向に進行する光が入射する光入射面及び前記光が出射する光出射面を有する第1側壁部を含み、前記基板は、前記第1側壁部に接合する接合面、及び、前記接合面に交わり、前記接合面の垂直方向から見る上面視において、前記光入射面と前記光出射面との間に位置する側面を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、発光素子からの距離を短くして他の構成要素を実装することが可能な発光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係る発光装置の上面図である。
図2図2は、図1のII-II断面線における発光装置の断面図である。
図3図3は、本開示の第1実施形態に係る発光装置から第1キャップを除いた状態の上面図である。
図4図4は、基板の側面の位置をさらに詳細に説明するための、図2の断面図に対応する断面図である。
図5図5は、図2の断面図の部分Xを拡大した拡大断面図である。
図6図6は、本開示の第2実施形態に係る発光装置の上面図である。
図7図7は、図6のVII-VII断面線における発光装置の断面図である。
図8図8は、本開示の第2実施形態に係る発光装置から第1キャップを除いた状態の上面図である。
図9図9は、本開示の第3実施形態に係る発光装置の断面図である。
図10A図10Aは、本開示の第4実施形態に係る発光装置の断面図である。
図10B図10Bは、本開示の第4実施形態に係る発光装置における、第1接合部材及び第2接合部材と、レンズ部材のレンズ入射面におけるレーザ光のFFPとの位置関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書又は特許請求の範囲において、三角形、四角形などの多角形は、数学的に厳密な意味の多角形に限定されず、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含むものとする。また、多角形の隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本明細書及び特許請求の範囲で記載される“多角形”に含まれる。
【0009】
多角形に限らず、台形や円形や凹凸など、特定の形状を表す言葉についても同様である。その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、“辺”には加工された部分も含まれる。部分的な加工のない“多角形”や“辺”を、加工された形状と区別する場合は“厳密な”を付して、例えば、“厳密な四角形”などと記載するものとする。
【0010】
本明細書又は特許請求の範囲において、ある名称によって特定される要素が複数あり、それぞれの要素を区別して表現する場合に、要素のそれぞれの頭に“第1”、“第2”などの序数詞を付記することがある。例えば、請求項では「発光素子が基板上に配されている」と記載されている場合、明細書中において「第1発光素子と第2発光素子とが基板上に配列されている」と記載されることがある。“第1”及び“第2”の序数詞は、2個の発光素子を区別するために使用されている。同一の序数詞が付された要素名が、明細書と特許請求の範囲との間で、同一の要素を指さない場合がある。例えば、明細書において“第1発光素子”、“第2発光素子”、“第3発光素子”の用語で特定される要素が記載されている場合、特許請求の範囲における“第1発光素子”及び“第2発光素子”が、明細書における“第1発光素子”及び“第3発光素子”に相当することがある。また、特許請求の範囲に記載された請求項1において、“第1発光素子”の用語が使用され、“第2発光素子”の用語が使用されていない場合、請求項1に係る発明は、1個の発光素子を備えていればよく、その発光素子は、明細書中の“第1発光素子”に限定されず、“第2発光素子”又は“第3発光素子”であり得る。
【0011】
本明細書又は特許請求の範囲において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」)を用いる場合がある。それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置のわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。
【0012】
図面に示される要素又は部材の寸法、寸法比率、形状、配置間隔等は、わかり易さのために誇張されている場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0013】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。実施形態は、本発明の技術思想が具体化されたものではあるが、本発明を限定するものではない。実施形態の説明で示される数値、形状、材料、などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下の説明において、同一の名称、符号によって特定される要素は、同一又は同種の要素であり、それらの要素について重複した説明を省略することがある。
【0014】
本開示の実施形態に係る発光装置は、1又は複数の発光素子と、1又は複数の発光素子を支持する基板と、基板に接合され、1又は複数の発光素子を囲む1又は複数の側壁部と、1又は複数の側壁部と接続する上部と、1又は複数のサブマウントと、光学部材と、受光素子と、レンズ部材と、ビームコンバイナと、ツェナーダイオードに代表される保護素子と、サーミスタなどの内部温度を測定するための温度測定素子とを備え得る。
【0015】
本開示の実施形態に係る発光装置において、基板に配置された1又は複数の発光素子から側方に出射された光は、第1側壁部の光入射面に入射し、第1側壁部の光出射面から外部に出射される。第1側壁部は、1又は複数の側壁部に含まれる。
【0016】
<第1実施形態>
図1から図5を参照して、本開示の第1実施形態に係る発光装置100を説明する。図1は、発光装置100の上面図である。図2は、図1のII-II断面線における発光装置100の断面図である。なお、図2では、説明の便宜上、図3に示す保護素子61、温度測定素子62、配線63を省略している。図3は、発光装置100から第1キャップ14を除いた状態の上面図である。図3には、説明を容易にするために、第1キャップ14の外縁を点線で示している。図4は、基板11の側面の位置をさらに詳細に説明するための図2の断面図に対応する断面図である。図2と同様に、図4では、図3に示す保護素子61、温度測定素子62、配線63を省略している。また、図4では、発光素子20から出射される光の光軸Lを点線の矢印で示している。図5は、図2の断面図の部分Xを拡大した拡大断面図である。
【0017】
図1から図5では、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。なお、図1から図5以外の他の図面においても、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。以降、X軸、Y軸、及びZ軸の方向を、それぞれ、X方向、Y方向及びZ方向と記載する。それぞれの図面において、X方向、Y方向及びZ方向は共通している。
【0018】
発光装置100は、基板11と、1又は複数の発光素子20と、1又は複数の側壁部12と、を備える。図示する例では、発光装置100は、上部13、サブマウント30、光学部材40、受光素子50、保護素子61、温度測定素子62、及び配線63をさらに備える。また、図示する例では、発光装置100は、1又は複数の側壁部12と上部13と有する第1キャップ14を備える。
【0019】
先ず、各構成要素を説明する。
【0020】
(基板11)
基板11は、例えば平板形状である。基板11は、上面11M、上面11Mと反対側に位置する下面、及び、複数の側面を有し得る。図示する例における基板11は、上面11M、下面、及び、上面11Mの外縁の4辺にそれぞれ接する4つの側面を有する。上面11Mは平面であり得る。上面11Mは、1以上の構成要素が配置される配置面11Maを含む。基板11はセラミックを主材料として形成することができる。セラミックの例には、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び炭化ケイ素が挙げられる。図示する例における基板11のX方向のサイズは、例えば0.5mm以上20mm以下であり、Z方向のサイズは、例えば0.5mm以上20mm以下であり得る。Y方向のサイズ(厚さ)は、例えば0.1mm以上5mm以下であり得る。
【0021】
上面11Mは、接合面11Mbをさらに含む。図示する例における接合面11Mbは、配置面11Maと同一の平面上に位置し、かつ、上面11Mにおいて配置面11Maの周囲に位置する。ただし、配置面11Maと接合面11Mbとは、異なる平面上に位置してもよい。接合面11Mbに、後述する1又は複数の側壁部12が接合される。接合面11Mbには接合のための金属膜が形成され得る。この金属膜を形成する材料の例として、ニッケル、金、チタン、プラチナ、銅、アルミニウム、鉄、銅モリブデン、銅タングステン、タングステン等が挙げられる。これらの材料から形成した金属膜の表面に、さらに、Ni/Au(Ni、Auの順で積層した金属膜)またはTi/Pt/Au(Ti、Pt、Auの順で積層した金属膜)等でメッキをしてもよい。また、基板11において、接合面11Mbと交わる側面を側面11sとする。図示する例において、側面11sは、XY平面と平行である。
【0022】
基板11には、その上面11Mに、1又は複数の金属層が設けられ得る。具体的には、1又は複数の金属層は、上面11Mの配置面11Maに設けられる。1又は複数の金属層は、例えば金属などの導電体から形成され、パターニングされ、上面11M上に設けられる。1又は複数の金属層は、例えば基板11の配置面11Maに配置される電子部品と、金属ワイヤを介して電気的に接続される。図示する例では、配置面11Maに設けられる配線領域16及び金属領域17のそれぞれに、1又は複数の金属層が配置されている。配線領域16は、配置面11Maの外縁のうち、Z方向に延伸する2辺に沿って設けられる。言い換えると、配線領域16は、接合面11Mbの内縁のうち、Z方向に延伸する2辺に沿って設けられる。配線領域16は、Z方向に延伸する2辺の全辺に亘っては設けられない。図示する例で、2つの配線領域16は、上面視で、X方向において離隔して設けられる。それぞれの配線領域16に、複数の金属層が配置される。なお、配線領域16に、1つの金属層のみが配置されてもよい。
【0023】
金属領域17は、配置面11Ma上の配線領域16を除く領域全体に設けられる。図示する例で、金属領域17はT字形状を有する。金属領域17には、1つの金属層が配置される。配置面11Ma上の金属層は、例えばビアホールを介して、基板11の下面に設けられた1又は複数の金属層に電気的に接続される。配置面11Maに設けられる金属層の材料としては、接合面11Mbに設けられる金属膜と同じ材料を用いることができる。なお、接合面11Mbに設けられる金属膜とは異なる材料を用いて金属層を形成してもよい。
【0024】
(側壁部12)
発光装置100は、基板11の上面11Mから上方に延びる1又は複数の側壁部12を有する。1又は複数の側壁部12は、基板11の接合面11Mbに接合される。さらに詳細には、1又は複数の側壁部12は、接合面11Mbに設けられる金属膜を介して基板11に接合される。1又は複数の側壁部12は、基板11の配置面11Maとは接合しない。言い換えると、上面11Mのうち、1又は複数の側壁部12が接合される領域を接合面11Mb、接合面11Mbよりも内側に位置する領域を配置面11Maと呼ぶ。1又は複数の側壁部12は、基板11の配置面11Maを囲い、基板11の上面11Mよりも上方に延びる。1又は複数の側壁部12は、例えば、配置面11Maに配置される1以上の構成要素を囲む。
【0025】
1又は複数の側壁部12は、1又は複数の内側面と、1又は複数の外側面とを有する。1又は複数の側壁部12は、第1側壁部12-1を含む。第1側壁部12-1は、光が入射する光入射面12aを少なくとも一部に含む内側面と、光が出射する光出射面12bを少なくとも一部に含む外側面と、を有する。図示する例における第1側壁部12-1では、内側面の全面が光入射面12aであり、外側面の全面が光出射面12bである。光入射面12aおよび/または光出射面12bには、反射防止膜が設けられ得る。
【0026】
ここで、「透光性を有する」とは、その領域に入射する任意の波長を有する光の透過率が80%以上であるという性質を満たすことを意味する。第1側壁部12-1は、光入射面12aと光出射面12bとの間に透光性を有する領域を含む。第1側壁部12-1が有する透光性の領域は、ガラス、プラスチック、サファイア、石英等の透光性を有する材料から形成される。つまり、図示する例において、光入射面12aと光出射面12bとの間には、透光性を有する材料が存在する。図示する例において、第1側壁部12-1は、その全体が透光性を有する領域である。また、光入射面12aと光出射面12bとは、互いに平行であってよく、XY平面に平行であってよい。ここでの平行は、±5°以内の誤差を含む。また、光入射面12a及び光出射面12bのそれぞれは、基板11の上面11Mに対して垂直であってよい。ここでの垂直は、±5°以内の誤差を含む。なお、光入射面12a及び光出射面12bは、上面11Mに対して傾斜していてもよい。
【0027】
1又は複数の側壁部12は、第1側壁部12-1と、基板11の上面11Mを挟んで第1側壁部12-1と反対側に位置する第2側壁部12-2を有する。第2側壁部12-2は、内側面と外側面を有する。第2側壁部12-2の内側面は、光入射面12aに対向する。第2側壁部12-2の外側面は、第2側壁部12-2の内側面の反対側に位置する。より詳細には、この外側面は、内側面に対して、光入射面12aの反対側に位置する。図示する例において、第2側壁部12-2の内側面及び外側面は、例えばXY平面に平行である。第2側壁部12-2は、第1側壁部12-1からZ方向に離隔している。
【0028】
1又は複数の側壁部12は、さらに、第3側壁部12-3、及び、基板11の上面11Mを挟んで第3側壁部12-3と反対側に位置する第4側壁部12-4を有する。第3側壁部12-3及び第4側壁部12-4のそれぞれは、内側面及び外側面を有する。第3側壁部12-3の内側面と第4側壁部12-4の内側面は、互いに対向する。第4側壁部12-4は、第3側壁部12-3からX方向に離隔している。第1側壁部12-1は、第3側壁部12-3及び第4側壁部12-4に接続する。同様に、第2側壁部12-2は、第3側壁部12-3及び第4側壁部12-4に接続する。図示する例では、第1~第4側壁部12-1~12-4のそれぞれが透光性を有する。ただし、4個の側壁部のうちの少なくとも第1側壁部12-1が透光性を有していればよい。
【0029】
1又は複数の側壁部12は、それぞれ下面を有する。第1側壁部12-1は、光入射面12aを含む内側面と交わる下面12cを有する。下面12cは、さらに光出射面12bを含む外側面と交わる。第1側壁部12-1は、下面12cにおいて、基板11の接合面11Mbと接合する。第1側壁部12-1以外の1又は複数の側壁部12も、その下面において基板11の接合面11Mbと接合する。
【0030】
図2又は図3に示すように、上面視において、第1側壁部12-1の一部は、接合面11Mbで基板11に重なり、残りの部分は接合面11Mbから基板11の外側に突出している。さらに詳細には、第1側壁部12-1の一部は、接合面11Mbから、配置面11Maとは反対側に突出している。第1側壁部12-1の下面12cのうち、接合面11Mbと接合する下面12cの面積は、接合面11Mbから突出した下面12cの面積よりも大きい。
【0031】
第1側壁部12-1は、外側面に垂直な方向において基板11から突出する。言い換えると、第1側壁部12-1の外側面が、側面11sよりも上面視で外側に位置する。より具体的には、第1側壁部12-1の光入射面12a(または光出射面12b)に垂直な方向において、側面11sよりも光出射面12bが、上面視で、配置面11Maから離れて位置する。
【0032】
下面12cは、金属接着剤、金属バンプ、又は金属を含む接合部材を介して接合面11Mbに接合され得る。金属接着剤や金属バンプには、例えばAu粒子、AuSn等の金属を含むはんだが用いられる。下面12cには、例えば接合のための金属膜が形成される。
【0033】
側面11sは、上面視において、光入射面12aと光出射面12bとの間に位置する。側面11sは、光入射面12aを含む第1側壁部12-1の内側面と、光出射面12bを含む第1側壁部12-1の外側面との間に位置する。
【0034】
図4に例示するように、光入射面12a(または光出射面12b)に垂直な方向において、側面11sから光入射面12aまでの間隔d1は、側面11sから光出射面12bまでの間隔d2よりも大きい。間隔d2は、例えば数十μm程度である。間隔d1は、間隔d2よりも例えば2倍以上5倍以下である。また、間隔d1は、例えば100μm以上500μm以下である。
【0035】
1又は複数の側壁部12は、透光性を有する材料から形成され得る。透光性を有する材料として、ガラス、プラスチック、石英、サファイア等が挙げられる。図示する例では、全ての側壁部12が、透光性を有する材料から形成される。なお、第1側壁部12-1のみを透光性を有する材料から形成し、その他の側壁部12を例えばセラミックやシリコンなどの非透光性材料から形成してもよい。また、第1側壁部12-1の一部のみを透光性を有する材料から形成して透光性領域としてもよい。
【0036】
(上部13)
上部13は、上面、及び下面13bを有する。図示する例において、上部13は、基板11の上面11Mよりも上方に位置し、1又は複数の側壁部12に接続される。上部13は、基板11の上面11Mに対向する下面13bを有する。
【0037】
基板11、1又は複数の側壁部12、及び上部によって閉空間Vが形成される。図示する例で、閉空間Vは、封止空間であり、気密された状態になり得る。
【0038】
上部13は、例えば1又は複数の側壁部12と同じ材料から形成することができる。例えば、1又は複数の側壁部12と上部13を一体に形成してもよい。図示する例における発光装置100は、1又は複数の側壁部12及び上部13が一体に形成された第1キャップ14を備える。なお、1又は複数の側壁部12と上部13とを個別に形成して、接着剤等で接合してもよい。その場合、上部13は非透光性材料から形成され得る。非透光性材料の例として、シリコンまたはセラミックが挙げられる。
【0039】
図示する例における第1キャップ14は、例えば、ガラス、プラスチック、石英、サファイアなどの透光性材料から形成され、例えばエッチングのような加工技術を利用して作製することが可能である。第1キャップ14は、基板11の接合面11Mbに接合される。例えば、基板11、1又は複数の側壁部12、及び上部13によって閉空間Vが確定されており、これらを合わせて「パッケージ」と呼ぶ場合がある。図示する例では、基板11及び基板11に接合される第1キャップ14によって、「パッケージ」が規定される。
【0040】
図示する例における第1キャップ14は、概ね箱型形状を有する。第1キャップ14の外形は、上面視で矩形である。ただし、第1キャップ14の外形は矩形である必要はなく、例えば、上面視で、四角形以外の多角形又は円形であってもよい。第1キャップ14のX方向のサイズは、例えば0.5mm以上20mm以下であり、Z方向のサイズは、例えば0.5mm以上20mm以下であり得る。Y方向のサイズは、例えば0.2mm以上5mm以下であり得る。
【0041】
(発光素子20)
発光素子20の例は、半導体レーザ素子(又はレーザダイオード)である。発光素子20は、上面視で長方形の外形を有し得る。発光素子20が端面発光型の半導体レーザ素子である場合、この長方形の2つの短辺のうちの一辺に交わる側面が、出射端面20Eである。発光素子20の上面及び下面は、出射端面20Eよりも面積が大きい。発光素子20は、端面発光型の半導体レーザ素子に限定されず、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)のような面発光型の半導体レーザ素子、又は発光ダイオード(LED)であってもよい。
【0042】
本開示の実施形態における発光素子20は、1以上の発光点を出射端面20Eに有し得る。発光素子20は、1つの発光点を出射端面20Eに有するシングルエミッタでもよく、2つ以上の発光点を出射端面20Eに有するマルチエミッタであってもよい。図示する発光素子20の例はシングルエミッタである。
【0043】
ここで、発光素子20が端面発光型の半導体レーザ素子である場合について説明を補足しておく。半導体レーザ素子の出射端面から出射される光(レーザ光)は、広がりを有する発散光である。レーザ光は、出射端面に平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下、「FFP」という。)を形成する。FFPとは、出射端面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布である。
【0044】
レーザ光のFFPの形状の中心を通る光線を、レーザ光の光軸と呼ぶ。光軸上を進む光は、FFPの光強度分布においてピーク強度を示す。本開示の実施形態では、FFPの光強度分布において、ピーク強度値に対して1/e以上の強度を有する光を、「主要部分」の光と呼び、ピーク強度値に対して1/e未満の強度を有する光を、「周辺部分」の光と呼んで、「主要部分」の光と「周辺部分」の光を区別する。ただし、「半値全幅」と呼ばれる、FFPの光強度分布において強度がピーク強度値の半分となるビーム径によって、「主要部分」の光と「周辺部分」の光とを区別してもよい。
【0045】
半導体レーザ素子である発光素子20から出射される光のFFPの楕円形状において、楕円の短径方向を遅軸方向、長径方向を速軸方向と呼ぶ。半導体レーザ素子を構成する、活性層を含んだ複数の層は、速軸方向に積層され得る。
【0046】
FFPの光強度分布に基づき、光強度分布の1/eに相当する角度を、その半導体レーザ素子の光の拡がり角とする。速軸方向における光の拡がり角を速軸方向の拡がり角、遅軸方向における光の拡がり角を遅軸方向の拡がり角という。遅軸方向における拡がり角は、速軸方向における拡がり角よりも小さい。
【0047】
発光素子20として、例えば、青色の光を出射する半導体レーザ素子、緑色の光を出射する半導体レーザ素子、又は、赤色の光を出射する半導体レーザ素子などを採用することができる。また、これら以外の光を出射する半導体レーザ素子を採用してもよい。
【0048】
ここで、青色の光は、その発光ピーク波長が420nm~494nmの範囲内にある光をいうものとする。緑色の光は、その発光ピーク波長が495nm~570nmの範囲内にある光をいうものとする。赤色の光は、その発光ピーク波長が605nm~750nmの範囲内にある光をいうものとする。
【0049】
青色の光を発する半導体レーザ素子、又は、緑色の光を発する半導体レーザ素子として、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。赤色の光を発する半導体レーザ素子として、InAlGaP系やGaInP系、GaAs系やAlGaAs系の半導体を含むものが挙げられる。
【0050】
(サブマウント30)
図示する例におけるサブマウント30は、上面、及び上面と反対側に位置する下面を有し、直方体の形状を有する。ただし、サブマウント30の形状は直方体に限られない。サブマウント30の上面及び下面が、それぞれ、2つの接合面として機能し得る。サブマウント30は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素から形成することができる。サブマウント30の上面及び下面のそれぞれには、接合のための金属膜が設けられ得る。上面には、さらに、他の構成要素に電気的に接続される複数の配線領域が設けられ得る。
【0051】
(光学部材40)
光学部材40は、部分反射面を有する。部分反射面は、入射した光のうちの一部の光を反射し、残りの光を透過させる。部分反射面は、ビームスプリッタの機能を果たす。部分反射面に入射した光は、それぞれ異なる方向に進む2つの光に分けられる。分けられた2つの光は、それぞれ、同じ波長の光を含む。光学部材40は、入射した光の同じ波長成分を、所定の割合で2つに分ける。例えば、光学部材40によって分けられた2つの光の一方は、主な光(以下、「メイン光」と呼ぶ)として利用され、他方はこのメイン光を制御するためのモニタ用の光(以下、「モニタ光」と呼ぶ)として利用され得る。本開示の実施形態における光学部材40は、図2又は図3に例示するように、直方体であり得る。
【0052】
入射した光をメイン光とモニタ光とに分ける場合、モニタ光の強度は、メイン光の強度よりも小さい。部分反射面は、例えば、入射した光の80%以上99.5%以下を透過し、入射した光の0.5%以上20.0%以下を反射する。
【0053】
(受光素子50)
受光素子50は、接合面と、受光面51と、複数の側面とを有する。受光面51は、接合面の反対側に位置する。受光素子50の外形は直方体である。なお、直方体とは異なる外形であってもよい。
【0054】
受光面51は、矩形の外形を有し、受光面のX方向の長さは、受光面のZ方向の長さよりも大きい。受光面51には、それぞれが光を受光する複数の受光領域52が設けられ得る。受光素子50の例は、入射光の強度又は光量に応じた電気信号を出力する光電変換素子(フォトダイオード)である。
【0055】
受光素子50は、複数の配線領域53を有する。図3に示す複数の配線領域53に同一のハッチングを施している。複数の配線領域53は、受光面51に設けられ得る。なお、複数の配線領域53は、受光面51以外の面、例えば側面に設けられ得る。配線領域53は受光領域52に電気的に接続される。受光面51に、配線領域53と、受光領域52とを電気的に接続する配線が設けられ得る。
【0056】
(保護素子61)
保護素子61は、特定の素子(例えば発光素子20)に過剰な電流が流れて破壊されてしまうことを防ぐための回路要素である。保護素子61の典型例は、ツェナーダイオードのような定電圧ダイオードである。ツェナーダイオードとしては、Siダイオードを採用できる。
【0057】
(温度測定素子62)
温度測定素子62は、周辺の温度を測定するための温度センサとして利用される素子である。温度測定素子62としては、例えば、サーミスタを用いることができる。
【0058】
(配線63)
配線63は、両端を接合部とする線状の形状を有する導電体から構成される。言い換えると、配線63は、線状部分の両端に、他の構成要素に接合する接合部を有する。配線63は、例えば金属ワイヤである。金属の例は、金、アルミニウム、銀、銅などを含む。
【0059】
(発光装置100)
次に、発光装置100の構成例を説明する。
【0060】
第1実施形態に係る発光装置100は、基板11と、1又は複数の側壁部12及び上部13を含む第1キャップ14と、1又は複数の発光素子20とを備える。図示する例における発光装置100は、3個の発光素子20を備える。ただし、発光素子20の数は3個に限定されず、1個、2個又は4個以上であり得る。1又は複数の発光素子20は、基板11の配置面11Maに配置される。より詳細には、1又は複数の発光素子20は、配置面11Maの金属領域17に配置される。図示する例で、各発光素子20は、端面発光型の半導体レーザ素子である。1又は複数の発光素子20は、例えば第1方向に光を出射する。ここで、第1方向は、1又は複数の発光素子20が出射する光の光軸と平行な方向である。第1方向は、光入射面12aに垂直な方向である。図示する例で、第1方向はZ方向と一致する。3個の発光素子20は、例えば、赤色の光、緑色の光、及び青色の光から選択される互いに異なる色の光をそれぞれ出射する。なお、発光素子20は、可視光以外の光、例えば赤外光を出射し得る。
【0061】
発光装置100は、サブマウント30をさらに備え得る。サブマウント30は、サブマウント30の下面において基板11の配置面11Maに接合される。さらに詳しくは、サブマウント30は、配置面11Maの金属領域17に配置される。サブマウント30は、例えばAu粒子などを含む金属接着剤、金錫、はんだなどの金属を含む金属バンプ、又ははんだ合金などの金属から形成された接合部材を介して配置面11Maに接合され得る。
【0062】
1又は複数の発光素子20は、基板11によって直接又は間接的に支持される。図示する例における発光装置100では、1又は複数の発光素子20は、サブマウント30を介して基板11の配置面11Maに配置される。1又は複数の発光素子20は、サブマウント30の上面において第2方向に並んで配置されている。ここで、第2方向とは、第1方向に垂直な方向であり、基板11の上面11Mに平行な方向である。図示する例では、第2方向はX方向に一致する。発光素子20は、例えばAu粒子などを含む金属接着剤、金錫、はんだなどの金属を含む金属バンプ、又ははんだ合金などの金属から形成された接合部材を介してサブマウント30の上面に接合され得る。
【0063】
発光装置100は、1又は複数の保護素子61、及び、温度測定素子62をさらに備え得る。1又は複数の保護素子61は、基板11の配置面11Maに配置され得る。さらに詳しくは、保護素子61は、サブマウント30の側方に位置する配線領域16に配置される。図示する例において、2つの配線領域16に、それぞれ保護素子61は配置される。図3に示す2つの配線領域16に設けられる複数の金属層に同一のハッチングを施している。図3に例示する発光装置100は、3個の保護素子61を備える。3個の保護素子61のそれぞれは、2つの金属層に亘って配置される。1個の保護素子が配置される2つの金属層には、1つの発光素子20と接続する2本の配線がそれぞれ接合する。
【0064】
温度測定素子62は、保護素子61と同様に、配置面11Ma上の側方領域に配置され得る。温度測定素子62は、一方の配線領域16に設けられた金属層に配置される。保護素子61が配置される金属層に隣接する金属層に、温度測定素子62と接続する配線63が接合される。
【0065】
図示する例における発光装置100は、さらに、光学部材40及び受光素子50を備える。受光素子50は、基板11の配置面11Maの金属領域17に配置される。受光素子50が配置される部分の金属領域17の第2方向の長さは、サブマウント30が配置される部分の金属領域17の第2方向の長さよりも長い。光学部材40は、受光素子50の受光面51上に配置される。光学部材40及び受光素子50は、1又は複数の発光素子20と第1キャップ14との間の、発光素子20から出射された光を横切る位置に配置される。言い換えると、光学部材40及び受光素子50は、1又は複数の発光素子20と、第1側壁部12-1との間に配置される。
【0066】
受光素子50は、接合面において配置面11Maに接合される。受光素子50は、例えばAu粒子などを含む金属接着剤、金錫、はんだなどの金属を含む金属バンプ、又ははんだ合金などの金属から形成された接合部材を介して配置面11Maに接合され得る。また、受光素子50の複数の配線領域53と、配線領域16に配置される金属層は、配線63を介して接続する。
【0067】
図3に示すように、3個の発光素子20に対応する3つの受光領域52が受光面51に設けられている。3つの受光領域52は、3個の発光素子20と同様に、X方向に沿って受光面51上に並んでいる。これにより、発光素子20ごとにモニタ光を利用するメイン光の制御が可能となる。
【0068】
図4に示すように、発光素子20から出射された光は、光学部材40に入射する。光学部材40に入射した光の一部は、部分反射面で反射され、受光素子50の受光面51における受光領域52に向けられる。受光領域52に入射する光はモニタ光として利用される。光学部材40に入射した光の一部は、部分反射面を透過して第1キャップ14の第1側壁部12-1に向けて出射する。
【0069】
1又は複数の発光素子20、サブマウント30、光学部材40及び受光素子50は、基板11の配置面11Maに配置される。これらの部材を囲むように、第1キャップ14は基板11の上面11Mに実装される。第1キャップ14は、基板11の配置面11Maの周辺に設けられた接合面11Mbに接合される。これにより、1又は複数の側壁部12は、配置面11Maに配置された1又は複数の発光素子20を囲む。1又は複数の発光素子20は、基板11、1又は複数の側壁部12、及び上部13によって形成される封止空間内に配置される。光学部材40及び受光素子50も、封止空間内に配置される。第1キャップ14は、配置面11Maに配置された、発光素子20を含む1又は複数の部材を気密封止する。発光素子20が配置される空間を気密封止することにより、集塵による品質劣化を抑制することができる。
【0070】
1又は複数の側壁部12は、各発光素子20から出射され、第1方向に進行する光が入射する光入射面12a及び当該光が出射する光出射面12bを有する第1側壁部12-1を含む。光学部材40から出射した光は、第1側壁部12-1の光入射面12aに入射し、第1側壁部12-1の内部を透過して光出射面12bから第1キャップ14の外部に出射する。
【0071】
ここで、図4を参照して、仮想面P、点Q1及び点Q2を定義する。図4には、発光素子20から出射される光の光軸Lを点線の矢印で示し、仮想面Pを二点鎖線で示している。基板11の側面11sを含み、側面11sと平行な平面を「仮想面P」と呼ぶ。光の光軸Lと仮想面Pとの交点を点Q1、光の光軸Lと光入射面12aとの交点を点Q2と呼ぶ。図4に例示する発光装置100において、第1側壁部12-1の光入射面12aと、光出射面12bと、基板11の側面11sとは、平行である。言い換えると、光入射面12aと、光出射面12bと、仮想面Pとは、平行である。ここでの平行は、±5°以内の誤差を含む。
【0072】
発光素子20から出射される光の光軸Lと、仮想面Pとは交わる。上面視において、点Q1は、第1側壁部12-1の光入射面12aと光出射面12bとの間に位置する。図4に例示する発光装置100において、接合面11Mbに垂直な方向において、接合面11Mbからの点Q2の高さh1は、第1キャップ14に含まれる上部13の下面13bの接合面11Mbからの高さh2の1/2よりも大きい。また、接合面11Mbに垂直な方向において、受光素子50の受光面51は点Q2よりも下方に位置する。これにより、発光素子20から出射され、光学部材40の部分反射面で下方に反射された光を受光面51に向けることができる。
【0073】
図5を参照して、基板11と第1キャップ14との接合の様子を説明する。基板11の側面11sには、金属膜98が設けられる。前述したように、側壁部12の下面12cと、基板11の接合面11Mbとは、例えばはんだ99を介して接合される。この場合、はんだ99の一部が、下面12cと接合面11Mbとの間に留まらず、パッケージの外側(図示する例のZ方向の正方向側)にはみ出し、例えば球状のはんだボールを形成する可能性がある。はんだ99が基板11の材料であり得るセラミックの表面では濡れ広がらず、その結果、側面11sまたは下面12cにはんだボールが形成される可能性がある。形成されたはんだボールの脱落などによって、発光装置の故障を引き起こす可能性がある。これに対し、側面11sに金属膜98を設けることで、基板11の外縁よりも外側に流れ出たはんだは、金属膜98上を濡れ広がる。これにより、球形状のはんだボールが形成されることを抑制することができる。また、はんだボールが形成された場合においても、はんだボールと基板11との接触面積が大きくなるので、はんだボールの脱落を抑制することができる。このように、側面11sに金属膜98を設けることにより、発光装置の製造に際して不具合の発生を低減することができる。
【0074】
<第2実施形態>
次に、図6から図8を参照して、第2実施形態に係る発光装置を説明する。
【0075】
第2実施形態に係る発光装置200は、1又は複数のレンズ部材を備える点で、第1実施形態に係る発光装置100と相違し、さらに、基板11が実装面11Mcを有する点で、第1実施形態に係る発光装置100と相違する。図6は、第2実施形態に係る発光装置200の上面図である。図7は、図6のVII-VII断面線における発光装置200の断面図である。図7に、発光素子20から出射される光の光軸Lを点線の矢印で示し、前述した仮想面Pを二点鎖線で示している。図8は、発光装置200から第1キャップ14を除いた状態の平面図である。図8には、わかり易さのために、第1キャップ14の外縁を点線で示している。
【0076】
第2実施形態に係る発光装置200において、基板11が実装面11Mcを有し、実装面11Mc上に1又は複数のレンズ部材が配置される。図示する例では、発光装置200は、実装面11Mc上にビームコンバイナ80をさらに備える。以降、第1実施形態との相違点に係る構成を中心に説明し、共通する構成については説明を適宜省略する。
【0077】
(レンズ部材70)
レンズ部材70は、上面70a、下面70b、光が入射するレンズ入射面71及び光が出射するレンズ出射面72を有する。レンズ出射面72は、球面又は非球面のレンズ形状を有し得る。レンズ部材70は、例えばレンズ入射面71に入射した光をコリメートする。なお、レンズ部材70はコリメートレンズでなく、集光レンズであってもよい。レンズ部材70は、透光性を有する材料、例えばガラス、プラスチック又は樹脂から形成され得る。
【0078】
(ビームコンバイナ80)
ビームコンバイナ80は、入射する複数の発光素子から出射されるそれぞれの光を同軸に合わせることにより、合波した光を出射する。ビームコンバイナ80は複数の光学素子81を接合した構造を有し得る。光学素子81は、可視光を透過するガラス又はプラスチックなどの透明材料から形成され得る。光学素子81は、例えばダイクロイックミラーによって実現される。ダイクロイックミラーは、所定の波長選択性を有する誘電体多層膜を有し得る。誘電体多層膜は、Ta/SiO、TiO/SiO、Nb/SiOなどから形成され得る。
【0079】
(基板11)
発光装置200が備える基板11の上面11Mは、配置面11Ma、接合面11Mbを有し、さらに、実装面11Mcを有する。以降、配置面11Ma及び接合面11Mbを纏めて「第1面」と呼び、実装面11Mcを「第2面」と呼ぶ場合がある。
【0080】
基板11は、側面11sに交わり、側面11sに対し発光素子20と反対側に延びる実装面11Mcをさらに有する。実装面11Mcは、側面11sからXZ平面に沿って広がる。接合面11Mbに垂直な方向において、実装面11Mcは、接合面11Mbよりも下方に位置する。言い換えると、第2面は、第1面よりも下方に位置する。第1面と第2面との間には段差が存在する。段差は、側面11sと実装面11Mcとによって規定される。接合面11Mbに垂直な方向において、第1面と第2面との間の高さh3、つまり、接合面11Mbと実装面11Mcとの間の高さh3は、例えば100μm以上500μm以下である。
【0081】
上面視において、第1側壁部12-1のうちの、接合面11Mbから突出した突出部分は実装面11Mcに重なる。実装面11Mcから接合面11Mbまでの高さh3が、基板11の下面11bから実装面11Mcまでの高さh4よりも小さい。高さh4は、例えば200μm以上1mm以下であり、好ましくは、例えば400μm以上500μm以下である。
【0082】
(発光装置200)
発光装置200において、1又は複数のレンズ部材70は、基板11の実装面11Mcに配置され、第1キャップ14の外側に位置する。同様に、ビームコンバイナ80は、実装面11Mcに配置され、第1キャップ14の外側に位置する。発光素子20から出射される光の光路上において、発光素子20、光学部材40、第1側壁部12-1、レンズ部材70及びビームコンバイナ80は、Z軸の矢印の方向(+Z方向)にこの順番で配置されている。レンズ部材70は、発光素子20から出射され、第1側壁部12-1を透過した光を受ける。ビームコンバイナ80は、実装面11Mcに配置され、レンズ部材70から出射される光を受ける。
【0083】
第1側壁部12-1の光出射面12bから出射した光は、レンズ部材70のレンズ入射面71に入射する。さらに、レンズ部材70によってコリメートされた複数の光は、ビームコンバイナ80に入射する。複数の光は同軸上に結合され、合波された光がビームコンバイナ80から出射される。
【0084】
レンズ部材70は、基板11の側面11sと対向するレンズ入射面71を有する。第1方向(つまりZ方向)において、レンズ入射面71と側面11s(又は仮想面P)との間隔d3は、側面11s(又は仮想面P)と光入射面12aとの間隔d1よりも小さい。第1方向において、間隔d3は、例えば100μm以上500μm以下である。間隔d3を間隔d1よりも小さくすることは、レーザ光の光路長を短くできる点で有利である。また、間隔d1を相対的に大きくすることで、接合面11Mbと下面12cとの接合面積を確保できるために、接合強度が向上し得る。
【0085】
レンズ部材70のレンズ入射面71と、第1側壁部12-1の光出射面12bとの間に、隙間Gが存在する。第1方向において、レンズ入射面71と光出射面12bとの間隔d4は例えば1000μm以下であり得る。隙間Gによって、レンズ部材70の調芯のための自由度を確保できる。
【0086】
レンズ部材70の下面70bは、接合部材90を介して実装面11Mcに接合される。接合部材90は、例えば紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂などの接着剤から形成され得る。紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂又はアクリレート系樹脂の接着剤を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂の接着剤を用いることができる。第1方向において、接合部材90の一部が、光出射面12bよりも側面11sの側にまで達する。図7に示す例における接合部材90の全体のZ方向の幅は、例えば200μm~2000μm程度である。また、Z方向において、接合部材90のうち光出射面12bよりも側面11s側に位置する部分の幅は、例えば50~100μm程度であり得る。Y方向における接合部材90の厚さは、例えば30μm~300μmである。
【0087】
第2実施形態に係る発光装置によれば、上面視において、レンズ部材70のレンズ入射面71よりも側面11s側にはみ出た接合部材90の一部を、基板11の側面11sと第1側壁部12-1の光出射面12bとの間の空間に逃がすことができる。これにより、接合部材90と第1キャップ14の第1側壁部12-1とを干渉しづらくすることができる。これにより、レンズ部材70のレンズ入射面71と第1側壁部12-1の光出射面12bとを近づけて、間隔d4を短くするように配置することが可能となる。したがって、発光素子20から出射される光がレンズ部材70のレンズ入射面71に入射するまでの光路長を短くすることができる。言い換えると、発光素子20から出射される広がりを有する光がレンズ入射面71に入射させるまでの距離が小さくなることは、レンズ入射面71の面積の縮小を可能にし、発光装置の小型化に有利である。
【0088】
基板11のうちの、第1キャップ14の内側に位置する第1面の下部はビア配線を有し、第1キャップ14の外側に位置する第2面の下部はビア配線を有していなくてもよい。
【0089】
<第3実施形態>
図9を参照して、第3実施形態に係る発光装置を説明する。
【0090】
第3実施形態に係る発光装置は、包囲体15をさらに備える点において、第2実施形態に係る発光装置200と相違し、さらに、レンズ部材70の上面70aと、包囲体15の下面15bが接合部材を介して接合する点において、第2実施形態に係る発光装置200と相違する。以下、第2実施形態に係る発光装置200との相違点を主に説明する。
【0091】
図9は、発光装置300の断面図である。図9に示す発光装置300の断面は、図7に示す発光装置200の断面に相当する。
【0092】
発光装置300は、包囲体15をさらに備える。図示する例では、包囲体15は、第2キャップ15である。以降、第2キャップ15を備える発光装置400を説明する。第2キャップ15は、第1キャップ14と同じ材料から形成され得、例えば、ガラス、プラスチック、石英、サファイア等が挙げられる。なお、包囲体15は、その内部を包囲する構造を有していれば良く、例えば構成要素の全体を覆うパッケージ形状の部材であってよい。
【0093】
図示する例における第2キャップ15は、第1キャップ14と同様に、概ね箱型形状を有する。第2キャップ15は、基板11の上面11Mに接合される。第2キャップ15は、複数の発光素子20、1又は複数の側壁部12、並びに、レンズ部材70の上方及び側方を覆うように設けられる。図示する例では、さらに、ビームコンバイナ80、第1キャップ14の上方及び側方を覆うように設けられる。
【0094】
発光装置300においても、第2実施形態の発光装置200と同様に、レンズ部材70の下面70bは、第1接合部材91を介して基板11の実装面11Mcに接合される。発光装置300においては、さらに、レンズ部材70の上面70aが、第2接合部材92を介して第2キャップ15の下面15bに接合される。第1方向において、第2接合部材92は、光出射面12bよりも光入射面12a側にまで達する。第2接合部材92の一部が、第1キャップ14と第2キャップ15との隙間に位置している。
【0095】
第1接合部材91及び第2接合部材92は、同じ材料から形成されてもよく、異なる材料から形成されてもよい。第1接合部材91及び第2接合部材92のそれぞれは、例えば紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂などの接着剤から形成され得る。第1接合部材91及び第2接合部材92のそれぞれは、紫外線硬化性樹脂から形成されてもよく、熱硬化性樹脂から形成されてもよい。または、第1接合部材91は、紫外線硬化性樹脂から形成され、第2接合部材92は、熱硬化性樹脂から形成され得る。あるいはこれと逆であってもよい。
【0096】
第3実施形態に係る発光装置300によれば、レンズ部材70の上面70a及び下面70bの両面においてレンズ部材70を固定する。これにより、第1接合部材91及び第2接合部材92の膨張または収縮による、レンズ部材70の下面70bに垂直な方向(Y方向)における移動を小さくすることができる。
【0097】
<第4実施形態>
図10A及び図10Bを参照して、第4実施形態に係る発光装置を説明する。
【0098】
第4実施形態に係る発光装置は、第1接合部材91及び第2接合部材92が第1側壁部12-1の光出射面12bに設けられる点で、第2実施形態に係る発光装置200と相違する。以下、第2実施形態に係る発光装置200との相違点を主に説明する。
【0099】
図10Aは、発光装置400の断面図である。図10Aに示す発光装置400の断面位置は、図7に示す発光装置200又は図9に示す発光装置300の断面位置に相当する。図10Bは、第1接合部材91又は第2接合部材92と、レンズ部材70のレンズ入射面71におけるレーザ光のFFPとの位置関係を説明するための図である。図10Bには、レンズ入射面71を破線で示し、レンズ入射面71に照射されるレーザ光のFFPを点線で示している。
【0100】
点線で示すFFPの外形は、発光素子20から出射される光のうちの主要部分の光のビーム径の形状を示す。図10Bに示すレンズ部材70のレンズ光軸L2は、発光素子20から出射される光の光軸L1に概ね一致し、レーザ光のFFPの中心を通る。
【0101】
図示する例における発光装置400では、レンズ部材70のレンズ入射面71と、第1側壁部12-1の光出射面12bとが、第1接合部材91を介して、第1接合箇所12sにおいて接合され、さらに、第2接合部材92を介して、第2接合箇所12tにおいて接合される。図示する例において、第2接合部材92は、実装面11Mcには接しない。
【0102】
光出射面12bにおける第1接合箇所12sは、レンズ部材70のレンズ光軸L2よりも上方に位置する。より詳細には、第1接合箇所12sは、レンズ入射面71においてレーザ光のFFPの上端を通る光Laが入射する上端光入射位置71aよりも上方に位置する。光出射面12bにおける第2接合箇所12tは、レンズ部材70のレンズ光軸L2よりも下方に位置する。より詳細には、第2接合箇所12tは、レンズ入射面71においてレーザ光のFFPの下端を通る光Lbが入射する下端光入射位置71bよりも下方に位置する。このような接合部材の配置によって、第1接合部材91、第2接合部材92と、レーザ光の主要部分との干渉を防止できる。レンズ部材70の下面70bには、接合部材は設けられず、レンズ部材70の下面70bは、実装面11Mcから離隔する。なお、第1接合部材91及び第2接合部材92に加えて、レンズ部材70の下面70b(図7を参照)と、基板11の実装面11Mcの間に接合部材を設けてもよい。
【0103】
第1接合部材91及び第2接合部材92の材料には、第3実施形態に係る発光装置300で用いる第1接合材料及び第2接合材料と同じ材料を用いることができる。また、第1接合部材91と第2接合部材92とを同じ材料から形成するか、異なる材料から形成するかについても、第3実施形態と同様に適宜に選択できる。
【0104】
発光装置400によれば、レンズ入射面71は第1接合部材91及び第2接合部材92を介して光出射面12bに接合される。このように接合することにより、接合部材の膨張または収縮による、レンズ部材70の光軸の位置ずれを低減することができる。第1接合部材91及び第2接合部材92の膨張または収縮は、レンズ部材70のレンズ入射面に垂直な方向(Z方向)における移動に主に影響し、レンズ部材70の下面70bに直交する方向(Y方向)における移動への影響は小さい。これにより、レンズ部材70のレンズ光軸L2の位置ずれに対する影響を低減できる。
【0105】
以上、本発明に係る実施形態を説明してきたが、本発明に係る発光装置は、実施形態の発光装置に厳密に限定されるものではない。つまり、本発明は、実施形態により開示された発光装置の外形や構造に限定されなければ実現できないものではない。例えば、保護素子を有しない発光装置であってもよい。また、全ての構成要素を必要十分に備えることを必須とせずに適用され得るものである。例えば、特許請求の範囲に、実施形態により開示された発光装置の構成要素の一部が記載されていなかった場合、その一部の構成要素については、代替、省略、形状の変形、材料の変更などの当業者による設計の自由度を認め、その上で特許請求の範囲に記載された発明が適用されることを特定するものである。
【0106】
本明細書は、以上の実施形態に加え、以下の付記に記載の発光装置を開示する。
【0107】
[付記1]
発光素子と、
前記発光素子を支持する基板と、
前記基板に接合され、前記発光素子を囲む1又は複数の側壁部と、
を備え、
前記1又は複数の側壁部は、前記発光素子から出射され、第1方向に進行する光が入射する光入射面及び前記光が出射する光出射面を有する第1側壁部を含み、
前記基板は、前記第1側壁部に接合する接合面、及び、前記接合面に交わり、前記接合面の垂直方向から見る上面視において、前記光入射面と前記光出射面との間に位置する側面を有する、発光装置。
【0108】
[付記2]
前記第1側壁部は、前記接合面に接合する下面を有し、
前記光入射面は、前記下面に交わる、付記1に記載の発光装置。
【0109】
[付記3]
前記光の光軸と、前記側面を含み、前記側面と平行な仮想面とは交わり、
前記上面視において、前記光の光軸と前記仮想面との交点は、前記光入射面と前記光出射面との間に位置する、付記1又は2に記載の発光装置。
【0110】
[付記4]
前記第1方向において、前記側面から前記光入射面までの距離は、前記側面から前記光出射面までの距離よりも大きい、付記1から3のいずれかに記載の発光装置。
【0111】
[付記5]
前記1又は複数の側壁部に接続される上部をさらに備え、
前記発光素子は、前記基板、前記1又は複数の側壁部、及び前記上部によって形成される封止空間内に配置され、
前記接合面に垂直な方向において、前記光の光軸と前記光入射面との交点の前記接合面からの高さは、前記上部の下面の前記接合面からの高さの1/2よりも大きい、付記1から4のいずれかに記載の発光装置。
【0112】
[付記6]
前記封止空間内に配置される受光素子をさらに備え、
前記受光素子は、前記光の一部を受光する受光面を有し、
前記接合面に垂直な方向において、前記受光面は前記交点よりも下方に位置する、付記5に記載の発光装置。
【0113】
[付記7]
前記基板は、前記側面に交わり、前記側面に対し前記発光素子と反対側に延伸する実装面をさらに有し、
前記接合面に垂直な方向において、前記実装面は、前記接合面よりも下方に位置する、付記1から6のいずれかに記載の発光装置。
【0114】
[付記8]
前記接合面に垂直な方向において、前記接合面と前記実装面との間の間隔は、100μm以上500μm以下である、付記7に記載の発光装置。
【0115】
[付記9]
前記実装面に配置され、前記光が入射し、前記側面と対向するレンズ入射面を有するレンズ部材を備え、
前記第1方向において、前記レンズ入射面と前記側面との間隔は、前記側面と前記光入射面との間隔よりも小さい、付記7又は8に記載の発光装置。
【0116】
[付記10]
前記レンズ入射面と前記光出射面との間に、隙間が存在する、付記9に記載の発光装置。
【0117】
[付記11]
前記第1方向において、前記レンズ入射面と前記光出射面との間隔は1000μm以下である、付記9又は10に記載の発光装置。
【0118】
[付記12]
前記レンズ部材は、第1接合部材を介して前記実装面に接合され、
前記第1方向において、前記第1接合部材の一部は、前記光出射面よりも前記側面側にまで達する、付記9から11のいずれかに記載の発光装置。
【0119】
[付記13]
前記基板に接合され、前記発光素子、前記1又は複数の側壁部、並びに、前記レンズ部材の上方及び側方を覆うように設けられる包囲体をさらに備え、
前記レンズ部材は上面及び下面を有し、
前記レンズ部材の上面は、第2接合部材を介して前記包囲体の下面に接合され、
前記第1方向において、前記第2接合部材は、前記光出射面よりも前記光入射面側にまで達する、付記12に記載の発光装置。
【0120】
[付記14]
前記レンズ入射面と前記光出射面とは、第1接合部材を介して、前記レンズ部材の光軸よりも上方に位置する第1接合箇所において接合され、第2接合部材を介して、前記レンズ部材の光軸よりも下方に位置する第2接合箇所において接合される、付記9から13のいずれかに記載の発光装置。
【0121】
[付記15]
前記第2接合部材は、前記実装面には接しない、付記14に記載の発光装置。
【産業上の利用可能性】
【0122】
実施形態に係る発光装置は、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクタ、照明、ディスプレイ等に使用することができる。
【符号の説明】
【0123】
11:基板、11M:上面、11Ma:配置面、11Mb:接合面、11Mc:実装面、11b:下面、11s:側面、12:側壁部、12-1:第1側壁部、12-2:第2側壁部、12-3:第3側壁部、12-4:第4側壁部、12a:光入射面、12b:光出射面、12c:下面、12s:第1接合箇所、12t:第2接合箇所、13:上部、13b:下面、14:第1キャップ、15:第2キャップ、15b:下面、16:配線領域、17:金属領域、20:発光素子、20E:出射端面、30:サブマウント、40:光学部材、50:受光素子、51:受光面、52:受光領域、53:配線領域、61:保護素子、62:温度測定素子、63:配線、70:レンズ部材、70a:上面、70b:下面、71:レンズ入射面、71a:上端光入射位置、71b:下端光入射位置、72:レンズ出射面、80:ビームコンバイナ、81:光学素子、90:接合部材、91:第1接合部材、92:第2接合部材、98:金属膜、99:はんだ、100~400:発光装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B