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特開2024-21670ゼリー飲料、及びゼリー飲料の酸味を抑制する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021670
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ゼリー飲料、及びゼリー飲料の酸味を抑制する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20240208BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240208BHJP
   A23L 29/281 20160101ALI20240208BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20240208BHJP
【FI】
A23L2/00 A
A23L2/00 B
A23L2/52
A23L29/281
A23L29/256
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124669
(22)【出願日】2022-08-04
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000006116
【氏名又は名称】森永製菓株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】今村 優見
(72)【発明者】
【氏名】片岡 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】金田 泰佳
【テーマコード(参考)】
4B041
4B117
【Fターム(参考)】
4B041LC01
4B041LD01
4B041LH10
4B041LK02
4B041LK07
4B041LK13
4B117LE05
4B117LK01
4B117LK15
4B117LK18
(57)【要約】
【課題】酸味料とミネラルを含有していても、酸味の刺激感が強くないゼリー飲料を提供する。
【解決手段】タンパク質及びミネラルを含むゼリー飲料が、100~500gの質量のこのゼリー飲料当たり、タンパク質を10~100g、ミネラルを50~5000mg含有し、酸味料が添加されてpH3.0~4.6に調整されており、ミネラルが、100~500gの質量のこのゼリー飲料当たり50~2000mgの強酸強塩基の塩を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質及びミネラルを含むゼリー飲料であって、
100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり、
前記タンパク質を10~100g、
前記ミネラルを50~5000mg含有し、
酸味料が添加されてpH3.0~4.6に調整されており、
前記ミネラルが、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり50~2000mgの強酸強塩基の塩を含むことを特徴とするゼリー飲料。
【請求項2】
前記強酸強塩基の塩は、塩化塩、及び硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1に記載のゼリー飲料。
【請求項3】
前記強酸強塩基の塩は、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1に記載のゼリー飲料。
【請求項4】
100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり前記ミネラルを50~2000mg含有することを特徴とする、請求項3に記載のゼリー飲料。
【請求項5】
前記ミネラルが、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、モリブデン、クロム、セレン、及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1に記載のゼリー飲料。
【請求項6】
前記タンパク質が、乳清タンパク質、乳清タンパク分解物、及び大豆タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のゼリー飲料。
【請求項7】
ゼリー飲料の酸味を抑制する方法であって、
100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり、
前記タンパク質を10~100g、
前記ミネラルを50~5000mg、及び酸味料を含有するゼリー飲料を調製する調整工程を含み、
前記ゼリー飲料のpHは3.0~4.6に調整されており、
前記ミネラルが、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり50~2000mgの強酸強塩基の塩を含むことを特徴とするゼリー飲料の酸味を抑制する方法。
【請求項8】
前記強酸強塩基の塩は、塩化塩、及び硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項7に記載のゼリー飲料の酸味を抑制する方法。
【請求項9】
前記強酸強塩基の塩は、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項7に記載のゼリー飲料の酸味を抑制する方法。
【請求項10】
100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり前記ミネラルを50~2000mg含有することを特徴とする、請求項7に記載のゼリー飲料の酸味を抑制する方法。
【請求項11】
前記ミネラルが、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、モリブデン、クロム、セレン、及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項7に記載のゼリー飲料の酸味を抑制する方法。
【請求項12】
前記タンパク質が、乳清タンパク質、乳清タンパク分解物、及び大豆タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項7~11のいずれか1項に記載のゼリー飲料の酸味を抑制する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼリー飲料、及びゼリー飲料の酸味を抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の栄養成分を含有するゼリー飲料が市販されており、このようなゼリー飲料は、比較的穏やかな殺菌条件でも保存性を得られるようにするため、例えばクエン酸、レモン果汁等の酸味料を添加して酸性に調製されている。しかし、酸味料が多くなりすぎると、酸味の強い刺激感を有し、飲用しにくくなるという問題がある。
【0003】
前記課題に対して、一定以上の粘度を有し、ほどよい酸味を有するゼリー飲料の開発が試みられている。例えば、特許文献1には、700mPa・s以上の粘度を有し、pHが3~4.6であるスパウト付きパウチ容器入りゼリー飲料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-39093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなゼリー飲料において、必須の栄養素であるミネラルを添加したものが開発されつつある。しかしながら、ミネラルの含有量を高めると、ミネラルの緩衝作用により、ゼリー飲料のpHを低くするために酸味料の添加量を多くしなければならず、酸味の刺激感が強くなるという問題があった。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、酸味料とミネラルを含有していても、酸味の刺激感が強くないゼリー飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、特定のミネラルを特定の範囲の添加量で含むゼリー飲料は、酸味の刺激感を抑制できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明の1つは、タンパク質及びミネラルを含むゼリー飲料であって、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり、前記タンパク質を10~100g、前記ミネラルを50~5000mg含有し、酸味料が添加されてpH3.0~4.6に調整されており、前記ミネラルが、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり50~2000mgの強酸強塩基の塩を含むゼリー飲料を提供するものである。
本発明のゼリー飲料の好ましい態様において、前記強酸強塩基の塩は、塩化塩、及び硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
また、前記強酸強塩基の塩は、より好ましくは、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
また、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり、好ましくは、前記ミネラルを50~2000mg含有する。
また、前記ミネラルは、好ましくは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、モリブデン、クロム、セレン、及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
さらに、前記タンパク質は、好ましくは、乳清タンパク質、乳清タンパク分解物、及び大豆タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
【0009】
本発明の別の1つは、ゼリー飲料の酸味を抑制する方法であって、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり、前記タンパク質を10~100g、前記ミネラルを50~5000mg、及び酸味料を含有するゼリー飲料を調製する調整工程を含み、前記ゼリー飲料のpHは3.0~4.6に調整されており、前記ミネラルが、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり50~2000mgの強酸強塩基の塩を含む、ゼリー飲料の酸味を抑制する方法を提供するものである。
本発明のゼリー飲料の酸味を抑制する方法において、前記強酸強塩基の塩は、好ましくは、塩化塩、及び硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
また、前記強酸強塩基の塩は、より好ましくは、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
また、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり、好ましくは、前記ミネラルを50~2000mg含有する。
また、前記ミネラルは、好ましくは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、モリブデン、クロム、セレン、及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
さらに、前記タンパク質は、好ましくは、乳清タンパク質、乳清タンパク分解物、及び大豆タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、豊富なミネラルと酸味料とを含有していても、酸味の刺激感が強くないゼリー飲料を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について更に詳細に説明する。
なお、数値範囲の「~」は、断りがなければ、以上から以下を表し、両端の数値をいずれも含む。また、数値範囲を示したときは、上限値および下限値を適宜組み合わせることができ、それにより得られた数値範囲も開示したものとする。なお、本発明において、「100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり」という言葉は、消費者向けの1個の商品中のゼリー飲料が100~500gの質量を有していて、その1個の商品中のゼリー飲料に含まれる量として規定していることを意味する。
【0012】
<タンパク質>
本発明のゼリー飲料はタンパク質を含有する。前記タンパク質としては、例えば、乳清タンパク質、牛由来タンパク質、豚由来タンパク質、魚由来タンパク質等の動物由来タンパク質;豆科植物由来タンパク質、穀類由来タンパク質、野菜由来タンパク質等の植物由来タンパク質、乳清タンパク分解物等のタンパク質分解物などが挙げられる。本発明のゼリー飲料は、これらのタンパク質の1種又は2種以上を含有してよい。前記タンパク質は、好ましくは乳清タンパク質、乳清タンパク分解物、及び大豆タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
【0013】
本発明のゼリー飲料は、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり10~100gの前記タンパク質を含有する。前記タンパク質の含有量が少なすぎる場合、ゼリー飲料の栄養価が小さくなる。前記タンパク質の含有量が多すぎる場合、タンパク質特有の風味が強くなり、ゼリー飲料の風味が悪くなる。
【0014】
<ミネラル>
本発明のゼリー飲料はミネラルを含有する。前記ミネラルとしては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、それらの無機酸塩、及びそれらの有機酸塩が挙げられる。前記ミネラルは、好ましくはカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、モリブデン、クロム、セレン、及びヨウ素からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
100~500gの質量のゼリー飲料当たりの個々のミネラルの含有量に関し、カリウムの含有量は1000mg以下、カルシウムの含有量は100~250mg、マグネシウムの含有量は120mg以下、鉄の含有量は1.0~3.0mg、亜鉛の含有量は1.0~4.0mg、銅の含有量は0.1~0.4mg、マンガンの含有量は0.5~2.0mg、モリブデンの含有量は3~20μg、クロムの含有量は1.0~5.0μg、セレンの含有量は3~15μg、ヨウ素の含有量は10~60μgが好ましい。
【0015】
本発明のゼリー飲料は、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり、50~5000mgの前記ミネラルを含有する。前記ミネラルの含有量が少なすぎる場合、ゼリー飲料の栄養価が小さくなる。前記ミネラルの含有量が多すぎる場合、ゼリー飲料のpHを低くするために酸味料の添加量が多くなり、ゼリー飲料の酸味の刺激感が強くなるおそれがある。また、1個の商品に含まれるゼリー飲料中のミネラルの含有量が上記の範囲であれば、2個のゼリー飲料を摂取することにより、1/3日当たりに必要とされるミネラルを補給することができる。
【0016】
本発明のゼリー飲料は、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり、好ましくは50~2000mg、より好ましくは100~1600mg、更に好ましくは150~1500mg、特に好ましくは200~1300mgの前記ミネラルを含有する。前記ミネラルの含有量が前記範囲であると、本発明のゼリー飲料の酸味の刺激感がより弱くなる。
【0017】
前記ミネラルは、100~500gの質量の前記ゼリー飲料当たり50~2000mg、好ましくは100~1900mg、より好ましくは30~1800mg、更に好ましくは150~1800mgの強酸強塩基の塩を含む。前記強酸強塩基の塩は、水に溶解した時の電離度がほぼ1となる酸及び塩基の反応により生成する塩である。前記強酸は、好ましくは塩酸、硫酸、及び硝酸からなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、より好ましくは塩酸及び硫酸からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。前記強塩基は、好ましくはアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属の水酸化物を含む。前記アルカリ金属は、好ましくはリチウム、ナトリウム、及びカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、より好ましくはカリウムを含む。前記アルカリ土類金属は、好ましくはマグネシウム、カルシウム、及びバリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、より好ましくはマグネシウム及びカルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
【0018】
前記強酸強塩基の塩は、典型的には塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。前記強酸強塩基の塩として、塩化カルシウムを含有することがより好ましい。
【0019】
また、前記強酸強塩基の塩以外の塩としては、乳酸カルシウム、炭酸マグネシウム、乳酸カリウム等が挙げられる。更に本発明のゼリー飲料は、前記強酸強塩基の塩以外の塩を含む成分としてパン酵母粉末を含んでいてもよい。
【0020】
<酸味料>
本発明のゼリー飲料は酸味料を含有する。前記酸味料としては、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イタコン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、フィチン酸、アスコルビン酸(ビタミンC)、リン酸等が挙げられる。これらの酸味料の1種又は2種以上が使用される。前記酸味料は、好ましくはクエン酸を含有する。前記酸味料が添加されている本発明のゼリー飲料のpHは3.0~4.6に調整される。
【0021】
前記酸味料として、レモン果汁等の柑橘類の果汁を用いてもよい。前記果汁は透明果汁、混濁果汁の何れであってもよい。
【0022】
前記酸味料としてクエン酸を使用する場合、本発明のゼリー飲料中のクエン酸の含有量は、0.5~3.0質量%が好ましく、0.7~2.5質量%がより好ましく、1.5~2.5質量%が更に好ましい。
前記酸味料としてアスコルビン酸を使用する場合、本発明のゼリー飲料中のアスコルビン酸の含有量は、1.0~9.0質量%が好ましく、1.5~5.0質量%がより好ましく、3.0~4.5質量%が更に好ましい。
前記酸味料の含有量を前記範囲とすることで、本発明のゼリー飲料に前記酸味料に由来するより好適な清涼感及び刺激感を付与できる。
【0023】
<ゲル化剤>
本発明のゼリー飲料は、ゲル化剤を含んでいてよい。
前記ゲル化剤として、グルコマンナン、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ネイティブジェランガム、タマリンドガム、グアガム、寒天、脱アシルジェランガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、及びペクチンが挙げられる。これらのゲル化剤から選ばれる1種又は2種以上を使用できる。
【0024】
前記ゲル化剤は、好ましくは寒天、カラギナン、脱アシルジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、ペクチン、及びゼラチンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有し、より好ましくは寒天、カラギナン、及び脱アシルジェランガムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。前記カラギナンは、好ましくはカッパカラギナン(k-カラギナン)を含有する。
【0025】
前記ゲル化剤の本発明のゼリー飲料中の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上である。さらに前記ゲル化剤の本発明のゼリー飲料中の含有量は、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。前記ゲル化剤の本発明のゼリー飲料中の含有量が前記範囲内であると、本発明のゼリー飲料の食感がより好適になる。
【0026】
<副成分>
本発明のゼリー飲料は、副成分を含有していてよい。前記副成分として、ゼリー飲料添加物、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、有機アミン、pH調整剤、各種ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、乳原料、食物繊維、安定剤等が挙げられる。
【0027】
<ゼリー飲料の製造方法>
本発明のゼリー飲料の製造方法は、本発明のゼリー飲料を調製する調製工程を含む。前記調整工程において、本発明のゼリー飲料の原料であるタンパク質、ミネラル、酸味料、及び必要に応じてゲル化剤、副成分が混合される。
【0028】
本発明のゼリー飲料の製造方法は、前記調整工程で調製された本発明のゼリー飲料をスパウト付きパウチ容器に充填する充填工程を含んでいてよい。前記充填工程における充填操作は、例えば特許第3527019号公報、特開平11-157502号公報等に記載された方法により実施される。前記充填工程後順次加熱、冷却が実施されても、前記調製工程後に本発明のゼリー飲料を加熱した後、スパウト付きパウチ容器に充填して冷却を実施してもよい。
【実施例0029】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
実施例及び比較例において、各種物性は以下のとおりに測定ないし評価された。
<ゼリー飲料のpH>
各ゼリー飲料のpHを株式会社堀場製作所製pHメーターで測定した。
【0031】
<ゼリー飲料の酸味の評価>
3名の専門パネルが各ゼリー飲料を喫食し、下記基準に従って各ゼリー飲料の酸味を評価し、平均点を算出した。
-酸味の評価基準-
4:酸味が弱い。
3:酸味がやや弱い。
2:酸味がやや強い。
1:酸味が強い。
【0032】
実施例1~12及び比較例1~12
ゼリー飲料の原材料となる各成分を表1~4に示す含有量で配合し、常法により各ゼリー飲料を調製し、スパウト付きパウチ容器に充填した。その後、ゼリー飲料が品温20℃となるように、一晩以上静置した。各ゼリー飲料の酸味を評価し、結果を表1~4に示す。
【0033】
本試験例で用いたスパウト付きパウチ容器の品名、規格は以下の通りである。
(品名)CP07ストロー
(規格)パウチ(ゼリー飲料を充填前の折りたたまれた状態):80.0(幅)×54.0(折込)×135.00mm(高さ)
ストローの全長:94.5mm
ストローの経口部の外径:12.5mm
(メーカー)株式会社細川洋行
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
強酸強塩基の塩を含まない比較例1~3、7及び8のゼリー飲料、ならびに強酸強塩基の塩の含有量が多すぎる比較例4~6のゼリー飲料の酸味は強い、ないしやや強かった。一方、実施例1~12のゼリー飲料の酸味は弱い、ないしやや弱かった。