IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧

特開2024-22349情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022349
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125861
(22)【出願日】2022-08-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 健次
(72)【発明者】
【氏名】大庭 徹
(72)【発明者】
【氏名】松尾 淳
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 郁太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA01
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握する。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、消費財の生産に用いる素材に関する素材情報と、当該消費財の生産に関する生産情報(例えば、消費財を生産する環境に関する環境情報や、消費財のサイズ、消費財がリサイクル可能か否か、消費財の在庫に関する在庫情報、消費財の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷などを示す情報)とを取得する取得部と、取得部による取得された素材情報及び生産情報に基づいて、消費財による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成部と、生成部による生成された環境負荷情報を出力する出力部とを有することを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費財の生産に用いる素材に関する素材情報と、当該消費財の生産に関する生産情報とを取得する取得部と、
前記取得部による取得された素材情報及び生産情報に基づいて、前記消費財による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成部と、
前記生成部による生成された環境負荷情報を出力する出力部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
所定の単位での前記消費財の数を示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
一の前記消費財による自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報、並びに、前記所定の単位での前記消費財による自然環境への負荷の総計を示す前記環境負荷情報のうち少なくともいずれかを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記消費財を生産する環境に関する環境情報を前記生産情報として取得し、
前記生成部は、
前記環境情報が示す環境において前記消費財を生産するために用いられる電力に基づいて、前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記消費財を生産する工場内の温度と、外気温とを示す前記環境情報を取得し、
前記生成部は、
前記消費財を生産する工場内の温度と、外気温との差異に基づいて、前記消費財を生産するために用いられる電力を推定し、当該電力に基づいて前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記消費財を生産する工場内の湿度と、当該工場の外の湿度とを示す前記環境情報を取得し、
前記生成部は、
前記消費財を生産する工場内の湿度と、当該工場の外の湿度との差異に基づいて、前記消費財を生産するために用いられる電力を推定し、当該電力に基づいて前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記消費財の生産に用いられる設備の生産による自然環境への負荷を示す前記環境情報を取得し、
前記生成部は、
前記設備の生産による自然環境への負荷に基づいて、前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記消費財に対応付けられるロット番号、前記消費財を生産する工場に関する情報、前記消費財の生産に用いられる設備に関する情報、並びに、前記消費財の歩留まりに関する情報のうち少なくともいずれかを示す前記環境情報を取得する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記消費財のサイズを示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記消費財のサイズに基づいて前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、
前記消費財がリサイクル可能か否かを示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記消費財がリサイクル可能である場合、前記消費財をリサイクルした場合に削減できる自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、
前記消費財の在庫に関する在庫情報を示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記在庫情報に基づいて前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、
前記消費財の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記エネルギーによる自然環境への負荷に基づいて、前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記取得部は、
前記素材による自然環境への負荷を示す前記素材情報を取得し、
前記生成部は、
前記素材による自然環境への負荷に基づいて、前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取得部は、
前記素材の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す前記素材情報を取得する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記取得部は、
前記素材を輸送する際の自然環境への負荷を示す前記素材情報を取得する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記取得部は、
前記素材の原料が自然環境に配慮されているか否かを示す前記素材情報を取得する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記取得部は、
前記素材の輸出国を示す前記素材情報を取得し、
前記生成部は、
前記輸出国に基づいて、前記素材に課される所定の税金に関する税金情報をさらに生成し、
前記出力部は、
前記税金情報をさらに出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記取得部は、
前記消費財の輸送に関する輸送情報を示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記輸送情報に基づいて、前記消費財を輸送する際の自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記出力部は、
前記環境負荷情報と、過去の素材情報及び生産情報に基づく環境負荷情報との比較結果を示す情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記出力部は、
前記環境負荷情報が示す自然環境への負荷に関する値と、所定の目標値との差分を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記生成部は、
前記消費財の輸送先ごとの前記環境負荷情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記環境負荷情報に基づいて、前記消費財を購入する購入者に対し、所定のインセンティブを付与する付与部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記取得部は、
ブロックチェーンにより管理される前記素材情報及び前記生産情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項23】
前記出力部は、
前記消費財の包装材に印刷される前記環境負荷情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記出力部は、
前記消費財の前記環境負荷情報に紐付けられる情報であって、前記消費財を購入する購入者が利用する端末装置により読み取られる情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項25】
前記取得部は、
不織布製品である前記消費財の生産に用いる素材に関する前記素材情報と、前記消費財の生産に関する前記生産情報とを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項26】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
消費財の生産に用いる素材に関する素材情報と、当該消費財の生産に関する生産情報とを取得する取得工程と、
前記取得工程による取得された素材情報及び生産情報に基づいて、前記消費財による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成工程と、
前記生成工程による生成された環境負荷情報を出力する出力工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項27】
消費財の生産に用いる素材に関する素材情報と、当該消費財の生産に関する生産情報とを取得する取得手順と、
前記取得手順による取得された素材情報及び生産情報に基づいて、前記消費財による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成手順と、
前記生成手順による生成された環境負荷情報を出力する出力手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消費財の生産における自然環境への負荷を出力するための技術が知られている。このような技術の一例として、発電方式の異なる複数種類の電力のうち使用された電力に関する電力情報に基づき、製品又は部品の製造により排出された二酸化炭素排出量を算出し、二酸化炭素排出量に関する情報を出力する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-189566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握できるとは限らない。
【0005】
例えば、上述の従来技術では、電力情報に基づき、製品又は部品の製造により排出された二酸化炭素排出量を算出しているに過ぎず、消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握できるとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、消費財の生産に用いる素材に関する素材情報と、当該消費財の生産に関する生産情報とを取得する取得部と、前記取得部による取得された素材情報及び生産情報に基づいて、前記消費財による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成部と、前記生成部による生成された環境負荷情報を出力する出力部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る素材情報データベース31の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る生産情報データベース32の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置10が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
態様1は、消費財の生産に用いる素材に関する素材情報と、当該消費財の生産に関する生産情報とを取得する取得部と、前記取得部による取得された素材情報及び生産情報に基づいて、前記消費財による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成部と、前記生成部による生成された環境負荷情報を出力する出力部とを有することを特徴とする。
【0012】
ここで、従来、消費財の生産における自然環境への負荷を出力するための技術の一例として、発電方式の異なる複数種類の電力のうち使用された電力に関する電力情報に基づき、製品又は部品の製造により排出された二酸化炭素排出量を算出し、二酸化炭素排出量に関する情報を出力する技術が知られている。しかしながら、このような技術では、消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握することができないといった問題点があった。
【0013】
そこで、このような態様1によれば、例えば、メーカーの工場において消費財を生産する際の直接な自然環境への負荷(例えば、GHG(温室効果ガス)の排出)や、メーカーにおける電力消費に伴う間接な負荷に留まらず、メーカーが調達する素材を提供するサプライヤーまで含めた負荷を把握することができるため、サプライヤー企業と協働でカーボンニュートラルに貢献するための取り組みを実施することができる。
【0014】
また、態様2は、態様1において、所定の単位での前記消費財の数を示す前記生産情報を取得し、一の前記消費財による自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報、並びに、前記所定の単位での前記消費財による自然環境への負荷の総計を示す前記環境負荷情報のうち少なくともいずれかを生成する。
【0015】
このような態様2によれば、例えば、消費財の1ピース、1パッケージ、1段ボール、1パレット、工場の1勤務(1シフト)で生産される消費財あたりの自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、所定の単位の消費財の生産によりどの程度の自然環境への負荷があるのかを把握することができる。
【0016】
また、態様3は、態様1または2において、前記消費財を生産する環境に関する環境情報を前記生産情報として取得し、前記環境情報が示す環境において前記消費財を生産するために用いられる電力に基づいて、前記環境負荷情報を生成する。
【0017】
このような態様3によれば、例えば、消費財を生産する工場や、生産に用いられる設備、気温、湿度などといった環境における電力消費に基づき、自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、メーカーにおける電力消費に伴う間接な自然環境への負荷を把握することができる。
【0018】
また、態様4は、態様3において、前記消費財を生産する工場内の温度と、外気温とを示す前記環境情報を取得し、前記消費財を生産する工場内の温度と、外気温との差異に基づいて、前記消費財を生産するために用いられる電力を推定し、当該電力に基づいて前記環境負荷情報を生成する。
【0019】
ここで、消費財を生産する工場においては、温度が素材や設備などに与える影響により、生産過程における不具合を避けるため、工場内の温度を一定に保つ必要がある場合がある。そこで、このような態様4によれば、例えば、工場内の温度と、外気温との差異に基づいて、工場内の温度を一定に保つためにどれほどの電力が必要か推定し、当該電力に基づいて自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、メーカーにおける電力消費に伴う間接な自然環境への負荷を把握することができる。
【0020】
また、態様5は、態様3または4において、前記消費財を生産する工場内の湿度と、当該工場の外の湿度とを示す前記環境情報を取得し、前記消費財を生産する工場内の湿度と、当該工場の外の湿度との差異に基づいて、前記消費財を生産するために用いられる電力を推定し、当該電力に基づいて前記環境負荷情報を生成する。
【0021】
ここで、消費財を生産する工場においては、湿度が素材や設備などに与える影響により、生産過程における不具合を避けるため、工場内の湿度を一定に保つ必要がある場合がある。そこで、このような態様5によれば、工場内の湿度と、工場の外の湿度との差異に基づいて、工場内の湿度を一定に保つためにどれほどの電力が必要か推定し、当該電力に基づいて自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、メーカーにおける電力消費に伴う間接な自然環境への負荷を把握することができる。
【0022】
また、態様6は、態様3から5において、前記消費財の生産に用いられる設備の生産による自然環境への負荷を示す前記環境情報を取得し、前記設備の生産による自然環境への負荷に基づいて、前記環境負荷情報を生成する。
【0023】
このような態様6によれば、例えば、消費財の生産に用いられる設備の生産による自然環境への負荷を把握することができるため、設備を生産する際に排出されたGHGを補うために、どの程度GHG削減に取り組めばよいかを把握することができる。
【0024】
また、態様7は、態様3から6において、前記消費財に対応付けられるロット番号、前記消費財を生産する工場に関する情報、前記消費財の生産に用いられる設備に関する情報、並びに、前記消費財の歩留まりに関する情報のうち少なくともいずれかを示す前記環境情報を取得する。
【0025】
このような態様7によれば、例えば、消費財を生産する環境に関する各種の情報に基づいて自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、メーカーにおける電力消費に伴う間接な自然環境への負荷を精度よく把握することができる。
【0026】
また、態様8は、態様1から7において、前記消費財のサイズを示す前記生産情報を取得し、前記消費財のサイズに基づいて前記環境負荷情報を生成する。
【0027】
このような態様8によれば、例えば、消費財のサイズに応じて変化する消費電力や素材の量に基づいて自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、消費財の生産による自然環境への負荷を把握することができる。
【0028】
また、態様9は、態様1から8において、前記消費財がリサイクル可能か否かを示す前記生産情報を取得し、前記消費財がリサイクル可能である場合、前記消費財をリサイクルした場合に削減できる自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報を生成する。
【0029】
このような態様9によれば、例えば、消費財がリサイクル可能である場合に、削減できる自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、消費財の生産による自然環境への負荷を把握することができる。
【0030】
また、態様10は、態様1から9において、前記消費財の在庫に関する在庫情報を示す前記生産情報を取得し、前記在庫情報に基づいて前記環境負荷情報を生成する。
【0031】
このような態様10によれば、例えば、メーカーにおいてストックされている在庫の消費財による自然環境への負荷がどの程度であるかを把握することができるため、メーカーがサステナビリティレポート等を出力する際に有用な情報を提供することができる。
【0032】
また、態様11は、態様1から10において、前記消費財の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す前記生産情報を取得し、前記エネルギーによる自然環境への負荷に基づいて、前記環境負荷情報を生成する。
【0033】
このような態様11によれば、例えば、消費財の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す情報を出力することができるため、メーカーにおける電力消費に伴う間接な自然環境への負荷を把握することができる。
【0034】
また、態様12は、態様1から11において、前記素材による自然環境への負荷を示す前記素材情報を取得し、前記素材による自然環境への負荷に基づいて、前記環境負荷情報を生成する。
【0035】
このような態様12によれば、例えば、メーカーが調達する素材による自然環境への負荷を示す情報を生成ことができるため、消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握することができる。
【0036】
また、態様13は、態様12において、前記素材の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す前記素材情報を取得する。
【0037】
このような態様13によれば、例えば、素材の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す情報を出力することができるため、消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握することができる。
【0038】
また、態様14は、態様12または13において、前記素材を輸送する際の自然環境への負荷を示す前記素材情報を取得する。
【0039】
このような態様14によれば、例えば、素材を輸送する際の自然環境への負荷を示す情報を出力することができるため、消費財の生産に用いる素材に基づく自然環境への負荷を把握することができる。
【0040】
また、態様15は、態様12から14において、前記素材の原料が自然環境に配慮されているか否かを示す前記素材情報を取得する。
【0041】
このような態様15によれば、例えば、素材がリサイクル可能なのか、バイオマス由来なのか、生分解性素材なのか、再生可能エネルギーを使って生産されたのかといった情報に基づき、自然環境への負荷が削減可能か否かを示す情報を生成することができるため、素材の生産による自然環境への負荷を把握することができる。
【0042】
また、態様16は、態様1から15において、前記素材の輸出国を示す前記素材情報を取得し、前記輸出国に基づいて、前記素材に課される所定の税金に関する税金情報をさらに生成し、前記税金情報をさらに出力する。
【0043】
このような態様16によれば、例えば、将来、炭素税等が課されるようになった場合、素材の生産に関して排出される二酸化炭素に応じて課される炭素税等に関する情報を出力することができるため、利便性を向上させることができる。
【0044】
また、態様17は、態様1から16において、前記消費財の輸送に関する輸送情報を示す前記生産情報を取得し、前記輸送情報に基づいて、前記消費財を輸送する際の自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報を生成する。
【0045】
このような態様17によれば、例えば、消費財を輸送する際の自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、ロジスティックにおける消費財に関する自然環境への負荷を把握することができる。
【0046】
また、態様18は、態様1から17において、前記環境負荷情報と、過去の素材情報及び生産情報に基づく環境負荷情報との比較結果を示す情報を出力する。
【0047】
このような態様18によれば、例えば、消費財による自然環境への負荷に関する現在の情報と、過去の情報と比較する情報を出力することができるため、カーボンニュートラルに貢献するための取り組みがどの程度推し進められているかを把握することができる。
【0048】
また、態様19は、態様1から18において、前記環境負荷情報が示す自然環境への負荷に関する値と、所定の目標値との差分を出力する。
【0049】
このような態様19によれば、例えば、現状での消費財による自然環境への負荷と、カーボンニュートラルやカーボンネガティブなどといった目標値との差分を出力することができるため、目標を達成るために取り組みがどの程度推し進めればよいかを把握することができる。
【0050】
また、態様20は、態様1から19において、前記消費財の輸送先ごとの前記環境負荷情報を出力する。
【0051】
このような態様20によれば、例えば、消費財の輸送先(例えば、卸店や、小売店、施設など)がGHG等の排出に関するサステナビリティレポートを開示する必要がある場合、輸送した消費財による自然環境への負荷に関する情報を輸送先に対し出力することにより、輸送先におけるサステナビリティレポートの作成の手間を軽減することができるため、消費財を提供するメーカーを利用する動機付けを輸送先に対し行うことができる。
【0052】
また、態様21は、態様1から20において、前記環境負荷情報に基づいて、前記消費財を購入する購入者に対し、所定のインセンティブを付与する。
【0053】
このような態様21によれば、例えば、自然環境への負荷を考慮した消費財が、自然環境への負荷を考慮しない消費財よりも高額である場合であっても、自然環境への負荷の考慮の度合いに応じたインセンティブを購入者に付与することができるため、自然環境への負荷を考慮した消費財を購入する動機付けを購入者に対し行うことができる。
【0054】
また、態様22は、態様1から21において、ブロックチェーンにより管理される前記素材情報及び前記生産情報を取得する。
【0055】
このような態様22によれば、例えば、サプライヤー等から取得する情報の改ざんを防ぐことができるため、消費財による自然環境への負荷に関して正確な情報を出力することができる。
【0056】
また、態様23は、態様1から22において、前記消費財の包装材に印刷される前記環境負荷情報を出力する。
【0057】
このような態様23によれば、例えば、消費財の包装材(パッケージ等)に対し、自然環境への負荷に関する情報を印刷することができるため、自然環境への負荷を配慮した消費財を購入したい購入者に対し有用な情報を提供することができる。
【0058】
また、態様24は、態様1から23において、前記消費財の前記環境負荷情報に紐付けられる情報であって、前記消費財を購入する購入者が利用する端末装置により読み取られる情報を出力する。
【0059】
このような態様23によれば、例えば、消費財の包装材を生産した後に生じる自然環境への負荷(例えば、小売店への輸送により生じる自然環境への負荷)に関する情報を購入者に対し提供することができるため、自然環境への負荷を配慮した消費財を購入したい購入者に対し有用な情報を提供することができる。
【0060】
また、態様25は、態様1から24において、不織布製品である前記消費財の生産に用いる素材に関する前記素材情報と、前記消費財の生産に関する前記生産情報とを取得する。
【0061】
このような態様25によれば、例えば、不織布製品の生産による自然環境への負荷を示す情報を生成することができるため、不織布製品を生産するメーカー、並びに、当該メーカーが調達する素材を提供するサプライヤーまで含めた負荷を把握することができる。
【0062】
以下に、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0063】
[実施形態]
〔1.情報処理の一例について〕
図1を用いて、本実施形態の情報処理装置等により実現される情報処理を説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1に示す情報処理システム1は、本願に係る情報処理装置の一例である情報処理装置10と、サプライヤー端末100と、メーカー端末200と、購入者端末300とを含む。情報処理装置10、サプライヤー端末100、メーカー端末200及び購入者端末300は、ネットワークN(例えば、図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ここで、ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した情報処理システム1には、複数台の情報処理装置10、複数台のサプライヤー端末100、複数台のメーカー端末200及び複数台の購入者端末300が含まれていてもよい。
【0064】
情報処理装置10は、後述する情報処理を制御する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。図1の例において、情報処理装置10は、サプライヤー端末100や、メーカー端末200から取得した情報をブロックチェーンにより管理し、取得した情報に基づき生成した情報をメーカー端末200に出力する。
【0065】
サプライヤー端末100は、消費財を生産するメーカーに対し、消費財の素材を提供するサプライヤーにおける担当者によって利用される情報処理装置である。サプライヤー端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、サプライヤー端末100は、情報処理装置10等によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例において、サプライヤー端末100は、担当者によって利用されるノート型PCである場合を示す。
【0066】
メーカー端末200は、消費財を生産するメーカー#1における担当者によって利用される情報処理装置である。メーカー端末200は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。また、メーカー端末200は、情報処理装置10等によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例において、メーカー端末200は、担当者によって利用されるノート型PCである場合を示す。
【0067】
購入者端末300は、メーカー#1から提供される消費財を購入する購入者によって利用される情報処理装置である。購入者端末300は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。また、購入者端末300は、情報処理装置10等によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例において、購入者端末300は、購入者によって利用されるスマートフォンである場合を示す。
【0068】
以下、図1を用いて、情報処理装置10により実現される情報処理について説明する。
なお、以下の説明では、サプライヤー端末100を利用する担当者に応じて、サプライヤー端末100-1~100-N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、サプライヤー端末100-1は、サプライヤーID「AID#1」により識別されるサプライヤー#1における担当者(担当者A1)により使用されるサプライヤー端末100である。また、以下では、サプライヤー端末100-1~100-Nについて、特に区別なく説明する場合には、サプライヤー端末100と記載する。また、以下の説明では、サプライヤー端末100を、サプライヤーにおける担当者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、サプライヤーにおける担当者をサプライヤー端末100と読み替えることもできる。
【0069】
また、以下の説明では、メーカー端末200が、メーカーID「MID#1」により識別されるメーカー#1における担当者(担当者M1)により利用されるものとする。また、以下の説明では、メーカー端末200を担当者M1と同一視する場合がある。すなわち、以下では、担当者M1をメーカー端末200と読み替えることもできる。
【0070】
また、以下の説明では、購入者端末300が、購入者ID「UID#1」により識別される購入者(購入者U1)により利用されるものとする。また、以下の説明では、購入者端末300を購入者U1と同一視する場合がある。すなわち、以下では、購入者U1を購入者端末300と読み替えることもできる。
【0071】
また、以下の説明では、メーカー#1が生産する消費財が、おむつ等の不織布製品であるものとする。
【0072】
まず、情報処理装置10は、メーカー#1が不織布製品の生産に用いる素材に関する素材情報を、サプライヤー端末100から取得する(ステップS1)。例えば、情報処理装置10は、不織布、高分子吸収剤(SAP)、接着剤(ホットメルト)、弾性部材(ゴム)、吸収体の中に使われるパルプ、防漏フィルム、不織布製品のパッケージの素材、不織布製品を梱包する段ボールなどといった素材による自然環境への負荷を示す素材情報を、これらの素材を提供するサプライヤー#1、#2、#3、・・・における各担当者が利用するサプライヤー端末100から取得する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、素材を生産する過程、素材を輸送する過程などにおける、二酸化炭素や、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄、三フッ化窒素などといったGHG(温室効果ガス)の排出量を示す素材情報を取得する。
【0073】
より具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、所定の量(例えば、1トン)の素材を生産する過程における、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。また、情報処理装置10は、所定の量の素材を生産する過程において消費される電力を発電する際の、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。また、情報処理装置10は、所定の量の素材を輸送する過程における、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。また、情報処理装置10は、素材が、自然環境に配慮されているか否か(例えば、リサイクル可能な素材であるか否かや、バイオマス由来であるか否か、生分解性の素材であるか否か)を示す素材情報を取得する。
【0074】
また、情報処理装置10は、所定の量の素材の生産に用いられる原料を生産する過程における、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。また、情報処理装置10は、所定の量の素材の生産に用いられる原料を生産する過程において消費される電力を発電する際の、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。また、情報処理装置10は、所定の量の素材の生産に用いられる原料を輸送する過程における、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。
【0075】
続いて、情報処理装置10は、メーカー#1による不織布製品の生産に関する生産情報をメーカー端末200から取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置10は、所定の単位での不織布製品の数(入り数等)を示す生産情報を取得する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、パッケージ化された不織布製品の入り数(言い換えると、1ボールにおけるピースの入り数)、1ケースにおける不織布製品の入り数、輸送の際に1台の移動体(トラック等)に積載される不織布製品の入り数(言い換えると、1パレットにおけるピースの入り数)、1ロットの不織布製品の数、工場において所定の時間(例えば、工場の1シフト)ごとに生産される不織布製品の数などを示す生産情報を取得する。
【0076】
また、情報処理装置10は、不織布製品のロット番号に対応付けられる情報であって、当該不織布製品を生産する環境に関する情報である環境情報を、生産情報として取得する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、不織布製品を生産した工場を識別する識別情報(工場ID)、不織布製品の製造年月日における当該工場内の温度及び当該工場の周辺の外気温、不織布製品の製造年月日における当該工場内の湿度及び当該工場の周辺の湿度、不織布製品の生産に用いられた設備に関する設備情報(例えば、生産号機を識別する識別情報や、当該生産号機を用いて1ロットの不織布製品を生産する際に消費する電力、当該生産号機を生産する際のGHGの排出量など)、ロットごとの不織布製品の歩留まりに関する歩留まり情報、並びに、1ロット分の不織布製品を生産する場合の当該工場でのGHGの排出量を示す排出情報などを含む環境情報を取得する。
【0077】
また、情報処理装置10は、ロットごとに、不織布製品の生産に使用された素材に関する使用素材情報を取得する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、ステップS1において取得した素材情報のうち、不織布製品が属するロットに使用された素材に関する素材情報を示す情報や、当該ロットに使用された各素材の量を示す情報などを示す使用素材情報を、当該ロットに対応付けて取得する。
【0078】
また、情報処理装置10は、不織布製品を生産する工場において用いられた電力に関する電力情報を生産情報として取得する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、ロットごとに、不織布製品を生産した工場において用いられた電力が再生可能エネルギーである否かや、当該ロットの不織布製品を生産するにあたり用いられた電力のうち、GHGを排出しない再生可能エネルギーが含まれる割合などを示す電力情報を取得する。より具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、不織布製品を生産した際、天候が曇り若しくは雨であった場合、太陽光発電による電力が使えず、GHGを排出する火力発電による電力の割合が通常よりも大きかったことを示す電力情報を取得する。
【0079】
続いて、情報処理装置10は、素材情報及び生産情報に基づいて、不織布製品による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する(ステップS3)。ここで、図1の例において、ロット#1に属する不織布製品を対象として環境負荷情報を生成するものとする。このような場合、情報処理装置10は、ロット#1に属する不織布製品全体のGHGの排出量を算出し、算出した排出量をロットに含まれる不織布製品の数で除算した数値(すなわち、ロット#1に属する不織布製品1ピースあたりのGHGの排出量)を示す情報を、環境負荷情報として生成する。
【0080】
具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、ロット#1に対応する使用素材情報に基づいて、ロット#1に使用された素材によるGHGの排出量#1を算出する。そして、情報処理装置10は、ロット#1のロット番号に対応付けられる環境情報に基づいて、ロット#1を生産するために消費された電力#1を推定し、推定した電力#1と、ロット#1に対応する電力情報と基づいて、ロット#1の生産過程におけるGHGの排出量#2を算出する。そして、情報処理装置10は、排出量#1、排出量#2、並びに、ロット#1を生産した工場における排出情報が示す排出量を合算し、合算した排出量を、ロット#1に対応する歩留まり情報が示す生産数により除算した数値(以下、「総排出量」と記載する場合がある)を示す情報を、環境負荷情報として生成する。
【0081】
より具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、ロット#1を生産した工場内の温度と、当該工場の周辺の外気温との差異に基づいて、当該工場内の温度を維持するために消費された電力を含む電力#1を推定する。また、情報処理装置10は、ロット#1を生産した工場内の湿度と、当該工場の周辺の湿度との差異に基づいて、当該工場内の湿度を維持するために消費された電力を含む電力#1を推定する。
【0082】
続いて、情報処理装置10は、メーカー端末200に対し、環境負荷情報を出力する(ステップS4)。例えば、情報処理装置10は、総排出量と、ロット#1を識別するための識別情報(例えば、QRコード(登録商標))とを示す環境負荷情報を、ロット#1に属する不織布製品のパッケージに印刷可能な態様で出力する。
【0083】
続いて、メーカー#1は、環境負荷情報を購入者に提供する(ステップS5)。例えば、メーカー#1は、ロット#1に属する不織布製品のパッケージに対し、環境負荷情報を印刷したものを、小売店等を介して購入者U1に提供する。
【0084】
続いて、情報処理装置10は、環境負荷情報に基づいて、不織布製品を購入した購入者U1に対し、所定のインセンティブを付与する(ステップS6)。例えば、情報処理装置10は、所定のアプリケーション(例えば、情報処理装置10や、メーカー#1が提供するサービスに関するアプリケーション)を介して購入者端末300により撮像された、パッケージのロット#1の識別情報を受け付ける。そして、ロット#1に属する不織布製品のGHGの排出量が所定の閾値以下(例えば、カーボンニュートラル、カーボンネガティブ)である場合、情報処理装置10は、購入者U1に対しインセンティブを付与する。具体的な例を挙げると、メーカー#1の不織布製品を提供する電子商取引サービス等において利用可能なポイントを、ロット#1に属する不織布製品のGHGの排出量が低いほど多く付与する。なお、情報処理装置10は、さらに、購入者U1が購入した不織布製品によるカーボンニュートラル若しくはカーボンネガティブへの貢献度に応じて、購入者U1に対しランク付けを行い、ランクに応じたインセンティブの付与や、購入者間のランクの序列を示す情報を提供してもよい。
【0085】
以上のように、実施形態に係る情報処理装置10は、消費財の生産過程により自然環境への負荷だけではなく、サプライヤーから提供される、消費財の素材による自然環境への負荷まで含めて把握することができるため、サプライヤー企業と協働でカーボンニュートラルに貢献するための取り組みを実施することができる。
【0086】
〔2.その他の処理例〕
なお、上述した処理は一例に過ぎず、情報処理装置10は、様々な情報を用いて様々な処理を行ってもよい。この点について、以下例示を列挙する。
【0087】
〔2-1.総排出量について〕
上述した処理において、不織布製品1ピースあたりのGHGを総排出量とする例を示したが、情報処理装置10による処理は、このような例に限定されない。例えば、情報処理装置10は、1ボールあたりの総排出量や、1ケースあたりの総排出量、1パレットあたりの総排出量を示す環境負荷情報を生成し、出力してもよい。
【0088】
〔2-2.不織布製品のサイズについて〕
図1の例において、情報処理装置10は、不織布製品のサイズ(例えば、SサイズやMサイズなど)を示すサイズ情報を生産情報として取得し、サイズに応じた環境負荷情報を生成してもよい。ここで、ロット#1に属する不織布製品のサイズがMサイズであるものとする。このような場合、情報処理装置10は、Mサイズの不織布製品を生産する際に生産号機が消費する電力や、Mサイズの不織布製品を生産する際の工場でのGHGの排出量を示す排出情報などの情報をさらに取得し、取得した情報と、使用された各素材の量などに基づいて、環境負荷情報を生成する。
【0089】
〔2-3.不織布製品のリサイクルについて〕
図1の例において、情報処理装置10は、不織布製品がリサイクル可能か否かを示すリサイクル情報を生産情報として取得し、環境負荷情報を生成してもよい。ここで、ロット#1に属する不織布製品がリサイクル可能であるものとする。このような場合、情報処理装置10は、ロット#1に属する不織布製品をリサイクルした場合に、削減可能なGHGの排出量を示す環境負荷情報を生成する。
【0090】
例えば、情報処理装置10は、ロット#1に属する不織布製品をリサイクルした場合、言い換えると、当該不織布製品に使用される素材を再利用した場合に、削減可能なGHGの排出量(例えば、新たに素材を生産し、輸送する場合のGHGの排出量)を示す環境負荷情報を生成する。また、情報処理装置10は、ロット#1に属する不織布製品を廃棄する場合のGHGの排出量を、当該不織布製品をリサイクルした場合に削減可能なGHGの排出量として示す環境負荷情報を生成する。
【0091】
なお、情報処理装置10は、不織布製品に使用される素材が、自然環境に配慮されているか否か(例えば、リサイクル可能な素材であるか否かや、バイオマス由来であるか否か、生分解性の素材であるか否か)に応じた環境負荷情報を生成してもよい。例えば、情報処理装置10は、不織布製品に使用される素材のうち、自然環境に配慮されている素材の割合に応じて、GHGの総排出量から所定の割合(例えば、素材のうち、自然環境に配慮されている素材が用いられている割合)を減算してもよい。
【0092】
また、情報処理装置10は、不織布製品に使用される素材を再利用した場合に、保全可能な自然環境に関する情報(例えば、素材の原料として用いられる樹木の伐採量に関する情報)を示す環境負荷情報を生成してもよい。
【0093】
〔2-4.不織布製品の在庫に関する環境負荷情報について〕
図1の例において、情報処理装置10は、不織布製品を生産した工場等における不織布製品在庫に関する在庫情報を示す生産情報を取得し、在庫情報に基づく環境負荷情報(サステナビリティレポート等)を生成し、出力してもよい。例えば、情報処理装置10は、工場に在庫としてストックされている不織布製品に対応する素材情報及び生産情報に基づいて、在庫の不織布製品全体のGHGの排出量を示す環境負荷情報を生成し、メーカー端末200に出力する。
【0094】
〔2-5.設備の生産による自然環境への負荷について〕
図1の例において、情報処理装置10は、生産号機を生産する際のGHGの排出量に基づいて、生産号機の生産によるGHGの排出量に関してカーボンオフセットを実現するために、不織布製品の生産によるカーボンネガティブをどの程度実現すればよいかを示す環境負荷情報を生成してもよい。例えば、情報処理装置10は、生産号機を生産する際のGHGの排出量と、当該生産号機による生産された不織布製品の総排出量とに基づいて、生産号機の生産によるGHGの排出量に関するカーボンオフセットがどの程度実現されているかを示す環境負荷情報を生成する。
【0095】
なお、情報処理装置10は、生産号機のみならず、不織布製品を生産する工場における各種の設備や、工場自体などに関して、カーボンオフセットがどの程度実現されているかを示す環境負荷情報を生成してもよい。
【0096】
〔2-6.素材の輸出に応じて課される税について〕
図1の例において、情報処理装置10は、不織布製品の生産に用いる素材の輸出国を示す素材情報を取得し、当該素材に課される税金に関する税金情報を生成し、出力してもよい。例えば、情報処理装置10は、輸出国から素材を輸出する際に課される税金(例えば、素材の生産の際に排出される二酸化炭素の量に応じて課される税)に関する税金情報を生成し、メーカー端末200に出力する。
【0097】
〔2-7.不織布製品の輸送による環境への負荷について〕
図1の例において、情報処理装置10は、不織布製品の輸送に関する輸送情報を取得し、輸送情報に基づいて環境負荷情報を生成し、出力してもよい。例えば、情報処理装置10は、不織布製品が利用者の元に届くまでの輸送情報を取得し、輸送に用いられた移動体により排出されたと推定されるGHGの量を示す環境負荷情報を生成する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、不織布製品のパッケージに印刷された識別情報(QRコード)に対応付けて、当該不織布製品の小売店までの輸送に関する輸送情報(例えば、輸送経路や、輸送に用いられた移動体など)や、電子商取引サービスにおいて購入された当該不織布製品の購入者への輸送に関する輸送情報などを取得する。そして、情報処理装置10は、輸送情報に基づいて環境負荷情報を生成し、不織布製品のパッケージに印刷されたQRコードを、購入者端末300を用いて購入者が読み取った場合に、輸送情報に基づく環境負荷情報(言い換えると、不織布製品の輸送におけるGHGの排出量)を購入者端末300に出力する。なお、輸送情報に基づく環境負荷情報の出力は、メーカー#1が管理層サーバ装置等により行われてもよい。
【0098】
すなわち、情報処理装置10は、不織布製品の生産過程におけるGHGの排出量を示す環境負荷情報を、不織布製品のパッケージに印刷可能な態様で出力し、不織布製品の生産後に発生した、不織布製品に関するGHGの排出量を示す環境負荷情報を、QRコードを介して購入者に対し出力する。なお、情報処理装置10は、QRコードを介して、不織布製品の生産過程におけるGHGの排出量や、不織布製品に使用された素材に関する素材情報、不織布製品の生産に関する生産情報などを購入者端末300に対し出力してもよい。
【0099】
〔2-8.過去の環境負荷情報との比較について〕
図1の例において、情報処理装置10は、蓄積した環境負荷情報に基づいて、メーカー#1における所定の期間(例えば、1年)ごとのGHGの排出量の総計の比較結果を示す情報をさらにメーカー端末200に出力してもよい。
【0100】
〔2-9.GHGの排出量の目標値との差分について〕
図1の例において、情報処理装置10は、蓄積した環境負荷情報に基づいて、所定の期間におけるメーカー#1のGHGの排出量と、メーカー#1等が設定した目標値(例えば、カーボンニュートラル、カーボンネガティブ)との差分を示す情報をさらに出力してもよい。
【0101】
〔2-10.輸送先ごとのGHGの排出量について〕
図1の例において、情報処理装置10は、不織布製品の輸送先(例えば、卸店や、小売店、各種施設(例えば、子育て支援センターや、託児所、保育園など))ごとに、輸送された不織布製品を生産する際のGHGの排出量の総計を示す環境負荷情報を、輸送先が利用する端末装置等に出力してもよい。また、情報処理装置10は、不織布製品の輸送先ごとに、不織布製品の輸送に関する輸送情報に基づく環境負荷情報(言い換えると、不織布製品の輸送におけるGHGの排出量)を生成し、購入者端末300に出力してもよい。
【0102】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図2を用いて、情報処理装置10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0103】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、サプライヤー端末100、メーカー端末200、購入者端末300等との間で情報の送受信を行う。
【0104】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部30は、素材情報データベース31と、生産情報データベース32とを有する。
【0105】
(素材情報データベース31について)
素材情報データベース31は、サプライヤーから提供される素材に関する情報を記憶する。ここで、図3を用いて、素材情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係る素材情報データベース31の一例を示す図である。図3の例において、素材情報データベース31は、「サプライヤーID」、「素材ID」、「生産過程情報」、「原料情報」、「素材輸送情報」、「輸出国情報」といった項目を有する。
【0106】
「サプライヤーID」は、サプライヤーを識別するため識別情報を示す。「素材ID」は、素材を識別するため識別情報を示す。「生産過程情報」は、素材を生産する過程に関する情報を示し、例えば、素材を生産する過程におけるGHGの排出量や、素材を生産する過程において消費される電力を発電する際のGHGの排出量などを示す情報が格納される。
【0107】
「原料情報」は、素材の生産に用いられる原料を生産する過程におけるGHGの排出量や、原料を生産する過程において消費される電力を発電する際のGHGの排出量、原料を輸送する過程におけるGHGの排出量などを示す情報が格納される。「素材輸送情報」は、素材を輸送する過程におけるGHGの排出量を示す情報が格納される。「輸出国情報」は、素材の輸出国に関する情報を示す。
【0108】
すなわち、図3では、サプライヤーID「AID#1」により識別されるサプライヤーが、素材ID「BID#1」により識別される素材を提供し、当該素材の生産過程情報が「生産過程情報#1」、原料情報が「原料情報#1」、素材輸送情報が「素材輸送情報#1」、輸出国情報が「輸出国情報#1」である例を示す。
【0109】
なお、素材情報データベース31は、素材が、自然環境に配慮されているか否かを示す情報をさらに記憶してもよい。
【0110】
(生産情報データベース32について)
生産情報データベース32は、消費財の生産に関する情報を記憶する。ここで、図4を用いて、生産情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る生産情報データベース32の一例を示す図である。図4の例において、生産情報データベース32は、「消費財ID」、「製造年月日」、「使用素材情報」、「サイズ情報」、「リサイクル情報」、「入り数」、「消費財輸送情報」、「在庫情報」、「電力情報」、「環境情報」といった項目を有する。
【0111】
「消費財ID」は、消費財を識別する識別情報を示す。「製造年月日」は、消費財が生産(製造)された日付を示す。「使用素材情報」は、消費財の生産に使用された素材に関する情報を示し、例えば、素材ID等の情報が格納される。「サイズ情報」は、消費財のサイズを示す。「リサイクル情報」は、消費財がリサイクル可能か否かを示す情報が格納される。「入り数」は、パッケージ化された消費財の入り数を示す情報が格納される。
【0112】
「消費財輸送情報」は、消費財の輸送に関する情報を示し、例えば、輸送経路や、輸送に用いられた移動体などを示す情報が格納される。「在庫情報」は、工場等における消費財の在庫を示す。「電力情報」は、消費財の生産に用いられた電力に関する情報を示し、例えば、消費財を生産した工場において用いられた電力が再生可能エネルギーである否かや、消費財を生産するにあたり用いられた電力のうち、GHGを排出しない再生可能エネルギーが含まれる割合などを示す情報が格納される。
【0113】
「環境情報」は、消費財を生産する環境に関する情報を示し、「ロット番号」、「工場ID」、「温度情報」、「湿度情報」、「設備情報」、「歩留まり情報」などといった項目を有する。「ロット番号」は、消費財のロット番号を示す。「工場ID」は、消費財が生産された工場を識別する識別情報を示す。「温度情報」は、消費財の製造年月日における工場内の温度及び工場の周辺の外気温を示す。「湿度情報」は、不織布製品の製造年月日における工場内の湿度及び工場の周辺の湿度を示す。「設備情報」は、消費財の生産に用いられた設備に関する情報を示し、例えば、設備を識別する識別情報や、当該設備を用いて1ロットの不織布製品を生産する際に消費する電力、当該設備を生産する際のGHGの排出量などといった情報が格納される。「歩留まり情報」は、消費財の歩留まりに関する情報を示す。
【0114】
すなわち、図4では、消費財ID「CID#1」により識別される消費財の製造年月日が「製造年月日#1」、使用素材情報が「使用素材情報#1」、サイズ情報が「サイズ情報#1」、リサイクル情報が「リサイクル情報#1」、入り数が「入り数#1」、消費財輸送情報が「消費財輸送情報#1」、在庫情報が「在庫情報#1」、電力情報が「電力情報#1」、ロット番号が「ロット番号#1」、生産された工場が工場ID「FID#1」により識別され、温度情報が「温度情報#1」、湿度情報が「湿度情報#1」、設備情報が「設備情報#1」、歩留まり情報が「歩留まり情報#1」である例を示す。
【0115】
なお、生産情報データベース32は、所定の単位での消費財の数を示す情報をさらに記憶してもよい。例えば、生産情報データベース32は、1ケースにおける消費財の入り数、輸送の際に1台の移動体に積載される消費財の入り数、1ロットの消費財の数、工場において所定の時間ごとに生産される消費財の数などを示す情報を記憶してもよい。
【0116】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図2に示すように、取得部41と、生成部42と、出力部43と、付与部44とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0117】
(取得部41について)
取得部41は、消費財の生産に用いる素材に関する素材情報と、当該消費財の生産に関する生産情報とを取得する。例えば、図1の例において、取得部41は、メーカー#1が不織布製品の生産に用いる素材に関する素材情報を、サプライヤー端末100から取得し、素材情報データベース31に格納する。また、取得部41は、メーカー#1による不織布製品の生産に関する生産情報をメーカー端末200から取得し、生産情報データベース32に格納する。
【0118】
また、取得部41は、所定の単位での消費財の数を示す生産情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、パッケージ化された不織布製品の入り数)、1ケースにおける不織布製品の入り数、輸送の際に1台の移動体に積載される不織布製品の入り数、1ロットの不織布製品の数、工場において所定の時間ごとに生産される不織布製品の数などを示す生産情報を取得する。
【0119】
また、取得部41は、消費財を生産する環境に関する環境情報を生産情報として取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品のロット番号に対応付けられる情報であって、当該不織布製品を生産する環境に関する情報である環境情報を、生産情報として取得する。
【0120】
また、取得部41は、消費財を生産する工場内の温度と、外気温とを示す環境情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品の製造年月日における工場内の温度及び当該工場の周辺の外気温を示す情報を取得する。
【0121】
また、取得部41は、消費財を生産する工場内の湿度と、当該工場の外の湿度とを示す環境情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品の製造年月日における工場内の湿度及び当該工場の周辺の湿度を示す情報を取得する。
【0122】
また、取得部41は、消費財の生産に用いられる設備の生産による自然環境への負荷を示す環境情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品の生産に用いられた設備を生産する際のGHGの排出量を示す情報を取得する。
【0123】
また、取得部41は、消費財に対応付けられるロット番号、消費財を生産する工場に関する情報、消費財の生産に用いられる設備に関する情報、並びに、消費財の歩留まりに関する情報のうち少なくともいずれかを示す環境情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品のロット番号や、1ロット分の不織布製品を生産する場合の当該工場でのGHGの排出量を示す排出情報、不織布製品の生産に用いられた設備に関する設備情報、ロットごとの不織布製品の歩留まりに関する歩留まり情報などを含む環境情報を取得する。
【0124】
また、取得部41は、消費財のサイズを示す生産情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品のサイズ(例えば、SサイズやMサイズなど)を示すサイズ情報や、サイズ情報が示すサイズの不織布製品を生産する際に生産号機が消費する電力、当該サイズの不織布製品を生産する際の工場でのGHGの排出量を示す排出情報などの情報を取得する。
【0125】
また、取得部41は、消費財がリサイクル可能か否かを示す生産情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品がリサイクル可能か否かを示すリサイクル情報を取得する。
【0126】
また、取得部41は、消費財の在庫に関する在庫情報を示す生産情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品を生産した工場等における不織布製品在庫に関する在庫情報を示す生産情報を取得する。
【0127】
また、取得部41は、消費財の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す生産情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品を生産する工場において用いられた電力に関する電力情報を生産情報として取得する。具体的な例を挙げると、取得部41は、不織布製品を生産した工場において用いられた電力が再生可能エネルギーである否かや、不織布製品を生産するにあたり用いられた電力のうち、GHGを排出しない再生可能エネルギーが含まれる割合などを示す電力情報を取得する。
【0128】
また、取得部41は、素材による自然環境への負荷を示す素材情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、の素材を生産する過程における、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。
【0129】
また、取得部41は、素材の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す素材情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、素材を生産する過程において消費される電力を発電する際の、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。
【0130】
また、取得部41は、素材を輸送する際の自然環境への負荷を示す素材情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、素材を輸送する過程における、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。
【0131】
また、取得部41は、素材の原料が自然環境に配慮されているか否かを示す素材情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、素材が、リサイクル可能な素材であるか否かや、バイオマス由来であるか否か、生分解性の素材であるか否かを示す素材情報を取得する。
【0132】
また、取得部41は、素材の輸出国を示す素材情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品の生産に用いる素材の輸出国を示す素材情報を取得する。
【0133】
なお、取得部41は、素材の生産に用いられる原料による自然環境への負荷を示す情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、素材の生産に用いられる原料を生産する過程における、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。また、取得部41は、素材の生産に用いられる原料を生産する過程において消費される電力を発電する際の、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。また、取得部41は、素材の生産に用いられる原料を輸送する過程における、GHGの排出量を示す素材情報を取得する。
【0134】
また、取得部41は、消費財の輸送に関する輸送情報を示す生産情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品が利用者の元に届くまでの輸送情報を取得する。
【0135】
また、取得部41は、ブロックチェーンにより管理される素材情報及び生産情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、ブロックチェーンにより管理される情報をサプライヤー端末100や、メーカー端末200から取得する。
【0136】
また、取得部41は、不織布製品である消費財の生産に用いる素材に関する素材情報と、消費財の生産に関する生産情報とを取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、不織布製品の生産に用いる素材に関する素材情報、並びに、不織布製品の生産に関する生産情報を取得する。
【0137】
(生成部42について)
生成部42は、取得部41による取得された素材情報及び生産情報に基づいて、消費財による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する。例えば、図1の例において、生成部42は、素材情報データベース31及び生産情報データベース32を参照し、不織布製品による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する。
【0138】
また、生成部42は、一の消費財による自然環境への負荷を示す環境負荷情報、並びに、所定の単位での消費財による自然環境への負荷の総計を示す環境負荷情報のうち少なくともいずれかを生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、ロット#1に属する不織布製品全体のGHGの排出量を算出し、算出した排出量をロットに含まれる不織布製品の数で除算した数値(総排出量)を示す情報を、環境負荷情報として生成する。また、生成部42は、1ボールあたりの総排出量や、1ケースあたりの総排出量、1パレットあたりの総排出量を示す環境負荷情報を生成する。
【0139】
また、生成部42は、環境情報が示す環境において消費財を生産するために用いられる電力に基づいて、環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、ロット#1のロット番号に対応付けられる環境情報と、ロット#1を生産した工場において用いられた電力に関する電力情報とに基づいて、ロット#1を生産するために消費された電力#1を推定し、推定した電力#1と、ロット#1に対応する電力情報と基づいて、環境負荷情報を生成する。
【0140】
また、生成部42は、消費財を生産する工場内の温度と、外気温との差異に基づいて、消費財を生産するために用いられる電力を推定し、当該電力に基づいて環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、ロット#1を生産した工場内の温度と、当該工場の周辺の外気温との差異に基づいて、当該工場内の温度を維持するために消費された電力を含む電力#1を推定し、電力#1基づいて、環境負荷情報を生成する。
【0141】
また、生成部42は、消費財を生産する工場内の湿度と、当該工場の外の湿度との差異に基づいて、消費財を生産するために用いられる電力を推定し、当該電力に基づいて環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、ロット#1を生産した工場内の湿度と、当該工場の周辺の湿度との差異に基づいて、当該工場内の湿度を維持するために消費された電力を含む電力#1を推定し、電力#1基づいて、環境負荷情報を生成する。
【0142】
また、生成部42は、設備の生産による自然環境への負荷に基づいて、環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、生産号機を生産する際のGHGの排出量と、当該生産号機による生産された不織布製品の総排出量とに基づいて、生産号機の生産によるGHGの排出量に関するカーボンオフセットがどの程度実現されているかを示す環境負荷情報を生成する。
【0143】
また、生成部42は、消費財のサイズに基づいて環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、Mサイズの不織布製品を生産する際に生産号機が消費する電力や、Mサイズの不織布製品を生産する際の工場でのGHGの排出量を示す排出情報などの情報をさらに取得し、取得した情報と、使用された各素材の量などに基づいて、環境負荷情報を生成する。
【0144】
また、生成部42は、消費財がリサイクル可能である場合、消費財をリサイクルした場合に削減できる自然環境への負荷を示す環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、ロット#1に属する不織布製品がリサイクル可能である場合、ロット#1に属する不織布製品をリサイクルした場合に、削減可能なGHGの排出量を示す環境負荷情報を生成する。
【0145】
また、生成部42は、在庫情報に基づいて環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、工場に在庫としてストックされている不織布製品に対応する素材情報及び生産情報に基づいて、在庫の不織布製品全体のGHGの排出量を示す環境負荷情報を生成する。
【0146】
また、生成部42は、エネルギーによる自然環境への負荷に基づいて、環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、不織布製品を生産した工場において用いられた電力が再生可能エネルギーである否かや、当該ロットの不織布製品を生産するにあたり用いられた電力のうち、GHGを排出しない再生可能エネルギーが含まれる割合などを示す電力情報に基づいて、環境負荷情報を生成する。
【0147】
また、生成部42は、素材による自然環境への負荷に基づいて、環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、ロット#1に対応する使用素材情報に基づいて、ロット#1に使用された素材によるGHGの排出量#1を算出し、排出量#1に基づいて、環境負荷情報を生成する。
【0148】
また、生成部42は、輸出国に基づいて、素材に課される所定の税金に関する税金情報をさらに生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、不織布製品の生産に用いる素材の輸出国を示す素材情報に基づいて、輸出国から素材を輸出する際に課される税金に関する税金情報を生成する。
【0149】
また、生成部42は、輸送情報に基づいて、消費財を輸送する際の自然環境への負荷を示す環境負荷情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、不織布製品が利用者の元に届くまでの輸送情報に基づいて、輸送に用いられた移動体により排出されたと推定されるGHGの量を示す環境負荷情報を生成する。
【0150】
(出力部43について)
出力部43は、生成部42による生成された環境負荷情報を出力する。例えば、図1の例において、出力部43は、総排出量と、ロット#1を識別するための識別情報とを示す環境負荷情報をメーカー端末200に出力する。
【0151】
また、出力部43は、税金情報をさらに出力してもよい。例えば、図1の例において、出力部43は、輸出国から素材を輸出する際に課される税金に関する税金情報を出力する。
【0152】
また、出力部43は、環境負荷情報と、過去の素材情報及び生産情報に基づく環境負荷情報との比較結果を示す情報を出力してもよい。例えば、図1の例において、出力部43は、蓄積した環境負荷情報に基づいて、メーカー#1における所定の期間(例えば、1年)ごとのGHGの排出量の総計の比較結果を示す情報を出力する。
【0153】
また、出力部43は、環境負荷情報が示す自然環境への負荷に関する値と、所定の目標値との差分を出力してもよい。例えば、図1の例において、出力部43は、蓄積した環境負荷情報に基づいて、所定の期間におけるメーカー#1のGHGの排出量と、メーカー#1等が設定した目標値(例えば、カーボンニュートラル、カーボンネガティブ)との差分を示す情報を出力する。
【0154】
また、出力部43は、消費財の輸送先ごとの環境負荷情報を出力してもよい。例えば、図1の例において、出力部43は、卸店や、小売店、各種施設(例えば、子育て支援センターや、託児所、保育園など))ごとに、輸送した不織布製品を生産する際のGHGの排出量の総計を示す環境負荷情報を、輸送先が利用する端末装置等に出力する。また、出力部43は、不織布製品の輸送先ごとに、不織布製品の輸送におけるGHGの排出量の総計を示す環境負荷情報を出力する。
【0155】
また、出力部43は、消費財の包装材に印刷される環境負荷情報を出力してもよい。例えば、図1の例において、出力部43は、総排出量と、ロット#1を識別するための識別情報とを示す環境負荷情報を、ロット#1に属する不織布製品のパッケージに印刷可能な態様でメーカー端末200に出力する。
【0156】
また、出力部43は、消費財の環境負荷情報に紐付けられる情報であって、消費財を購入する購入者が利用する端末装置により読み取られる情報を出力してもよい。例えば、図1の例において、出力部43は、所定のアプリケーションを介して購入者端末300により読み取られる識別情報を出力する。
【0157】
(付与部44について)
付与部44は、環境負荷情報に基づいて、消費財を購入する購入者に対し、所定のインセンティブを付与する。例えば、図1の例において、付与部44は、購入者端末300により撮像された、パッケージのロット#1の識別情報を受け付け、ロット#1に属する不織布製品のGHGの排出量が所定の閾値以下である場合、購入者U1に対しインセンティブを付与する。
【0158】
〔4.情報処理手順〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置10が実行する情報処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置10が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0159】
図5に示すように、情報処理装置10は、素材情報及び生産情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。素材情報及び生産情報を取得していない場合(ステップS101;No)、情報処理装置10は、素材情報及び生産情報を取得するまで待機する。
【0160】
一方、素材情報及び生産情報を取得した場合(ステップS101;Yes)、情報処理装置10は、素材情報及び生産情報に基づいて、消費財による自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する(ステップS102)。続いて、情報処理装置10は、環境負荷情報を出力し(ステップS103)、処理を終了する。
【0161】
〔5.変形例〕
上述した情報処理装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0162】
〔5-1.消費財による自然環境への負荷について〕
上述の実施形態において、消費財による自然環境への負荷が、GHGの排出である例を示したが、自然環境への負荷はこのような例に限定されず、自然環境へ悪影響を及ぼすものであれば、どのようなものであってもよい。
【0163】
〔5-2.消費財について〕
上述の実施形態において、消費財が不織布製品である例を示したが、消費財はこのような例に限定されず、任意のものであってよい。
【0164】
〔5-3.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0165】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0166】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0167】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に情報処理装置10や、サプライヤー端末100、メーカー端末200、購入者端末300は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0168】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0169】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0170】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0171】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0172】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現することとなる。
【0173】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0174】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 通信部
30 記憶部
31 素材情報データベース
32 生産情報データベース
40 制御部
41 取得部
42 生成部
43 出力部
44 付与部
100 サプライヤー端末
200 メーカー端末
300 購入者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつの生産に用いる素材である不織布、高分子吸収剤、接着剤、弾性部材、防漏フィルム及び吸収体の中に使われるパルプによる自然環境への負荷を示す素材情報の登録を、当該素材を提供するサプライヤーが利用するサプライヤー端末から受け付けしさらに、当該おむつの生産に関する生産情報であって、当該おむつのサイズを示す生産情報を取得する取得部と、
前記取得部によ取得された素材情報及び生産情報が示す前記おむつのサイズに基づいて、前記おむつによる自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成部と、
前記生成部によ生成された環境負荷情報を出力する出力部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
所定の単位での前記おむつの数を示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
一の前記おむつによる自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報、並びに、前記所定の単位での前記おむつによる自然環境への負荷の総計を示す前記環境負荷情報のうち少なくともいずれかを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記おむつを生産する環境に関する環境情報を前記生産情報として取得し、
前記生成部は、
前記環境情報が示す環境において前記おむつを生産するために用いられる電力に基づいて、前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記おむつを生産する工場内の温度と、外気温とを示す前記環境情報を取得し、
前記生成部は、
前記おむつを生産する工場内の温度と、外気温との差異に基づいて、前記おむつを生産するために用いられる電力を推定し、当該電力に基づいて前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記おむつを生産する工場内の湿度と、当該工場の外の湿度とを示す前記環境情報を取得し、
前記生成部は、
前記おむつを生産する工場内の湿度と、当該工場の外の湿度との差異に基づいて、前記おむつを生産するために用いられる電力を推定し、当該電力に基づいて前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記おむつの生産に用いられる設備の生産による自然環境への負荷を示す前記環境情報を取得し、
前記生成部は、
前記設備の生産による自然環境への負荷に基づいて、前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記おむつに対応付けられるロット番号、前記おむつを生産する工場に関する情報、前記おむつの生産に用いられる設備に関する情報、並びに、前記おむつの歩留まりに関する情報のうち少なくともいずれかを示す前記環境情報を取得する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記おむつがリサイクル可能か否かを示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記おむつがリサイクル可能である場合、前記おむつをリサイクルした場合に削減できる自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、
前記おむつの在庫に関する在庫情報を示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記在庫情報に基づいて前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、
前記おむつの生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記エネルギーによる自然環境への負荷に基づいて、前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、
前記素材の生産に用いられるエネルギーによる自然環境への負荷を示す前記素材情報を受け付け
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記取得部は、
前記素材を輸送する際の自然環境への負荷を示す前記素材情報の登録受け付けする
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取得部は、
前記素材の原料が自然環境に配慮されているか否かを示す前記素材情報の登録受け付けする
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記取得部は、
前記素材の輸出国を示す前記素材情報の登録受け付け
前記生成部は、
前記輸出国に基づいて、前記素材に課される所定の税金に関する税金情報をさらに生成し、
前記出力部は、
前記税金情報をさらに出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記取得部は、
前記おむつの輸送に関する輸送情報を示す前記生産情報を取得し、
前記生成部は、
前記輸送情報に基づいて、前記おむつを輸送する際の自然環境への負荷を示す前記環境負荷情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記出力部は、
前記環境負荷情報と、過去の素材情報及び生産情報に基づく環境負荷情報との比較結果を示す情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記出力部は、
前記環境負荷情報が示す自然環境への負荷に関する値と、所定の目標値との差分を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記生成部は、
前記おむつの輸送先ごとの前記環境負荷情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記環境負荷情報に基づいて、前記おむつを購入する購入者に対し、所定のインセンティブを付与する付与部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記取得部は、
ブロックチェーンにより管理される前記素材情報の登録を受け付け、さらにブロックチェーンにより管理される前記生産情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記出力部は、
前記おむつの包装材に印刷される前記環境負荷情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記出力部は、
前記おむつの前記環境負荷情報に紐付けられる情報であって、前記おむつを購入する購入者が利用する端末装置により読み取られる情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項23】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
おむつの生産に用いる素材である不織布、高分子吸収剤、接着剤、弾性部材、防漏フィルム及び吸収体の中に使われるパルプによる自然環境への負荷を示す素材情報の登録を、当該素材を提供するサプライヤーが利用するサプライヤー端末から受け付けしさらに、当該おむつの生産に関する生産情報であって、当該おむつのサイズを示す生産情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によ取得された素材情報及び生産情報が示す前記おむつのサイズに基づいて、前記おむつによる自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成工程と、
前記生成工程によ生成された環境負荷情報を出力する出力工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項24】
おむつの生産に用いる素材である不織布、高分子吸収剤、接着剤、弾性部材、防漏フィルム及び吸収体の中に使われるパルプによる自然環境への負荷を示す素材情報の登録を、当該素材を提供するサプライヤーが利用するサプライヤー端末から受け付けしさらに、当該おむつの生産に関する生産情報であって、当該おむつのサイズを示す生産情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によ取得された素材情報及び生産情報が示す前記おむつのサイズに基づいて、前記おむつによる自然環境への負荷に関する環境負荷情報を生成する生成手順と、
前記生成手順によ生成された環境負荷情報を出力する出力手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。