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特開2024-22522複数の基板上に層を形成するためのウエハボートおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022522
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】複数の基板上に層を形成するためのウエハボートおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240208BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240208BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H01L21/31 F
H01L21/68 N
C23C16/458
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023124476
(22)【出願日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】63/370,281
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ディーター・ピエルー
(72)【発明者】
【氏名】ベルト・ヨングブルート
(72)【発明者】
【氏名】ディデム・エルヌーア
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030BA29
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA03
4K030EA11
4K030FA10
4K030GA13
4K030HA01
4K030JA09
4K030KA04
4K030KA41
4K030LA15
5F045AA06
5F045AA15
5F045AB32
5F045AD01
5F045AE01
5F045AF03
5F045BB02
5F045DP19
5F045DQ05
5F045EC02
5F045EE17
5F045EF03
5F045EK06
5F045EM08
5F131AA02
5F131AA22
5F131BA04
5F131CA06
5F131EC02
5F131EC12
(57)【要約】
【課題】ウエハボート、およびウエハボート内に提供される複数の基板上に層を形成するための方法が開示されている。
【解決手段】本開示のウエハボートの実施形態は、少なくとも二つのウエハボートロッドを備え、その各々が、複数の基板を保持するための少なくとも第一の組のスロットを備える。ウエハボートは、複数のプレートをさらに備え、それによって、スロットの少なくとも第一の組のスロットのうちの少なくとも一つのスロットが、二つの隣接するプレートの間に提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置で使用するためのウエハボートであって、前記ボートが、
少なくとも二つのウエハボートロッド(100)であって、各ウエハボートロッドが、少なくとも第一の組(101)のスロットを含み、前記第一の組のスロットが、複数の基板を受容するために構築され、配置され、
複数のプレート(110、111、112、113、115、116)が、前記ウエハボートに提供され、前記スロットの少なくとも第一の組(101)のスロットのうちの少なくとも一つのスロットが、二つの隣接するプレートの間に提供されている、ウエハボートロッドを備える、ウエハボート。
【請求項2】
前記複数のプレートが、前記少なくとも二つのウエハボートロッド(100)に実質的に垂直である前記ウエハボートに提供される、請求項1に記載のウエハボート。
【請求項3】
各ウエハボートロッド(100)が、第二の組(102)のスロットをさらに備え、前記複数のプレートの各プレート(110、111、112、113、115、116)が、前記第二の組(102)のスロット内に提供され、かつそれによって支持され、前記第二の組(102)のスロットの各スロットが、前記第一の組(101)のスロットの各スロットから交互にかつ繰り返し分離される、請求項1に記載のウエハボート。
【請求項4】
前記複数のプレートの各プレート(110、111、112、113、115、116)が、前記ウエハボートロッド(100)と一体化され、前記第一の組(101)のスロットのうちの各スロットと交互にかつ繰り返し位置付けられる、請求項1または2に記載のウエハボート。
【請求項5】
前記複数の基板(130)の各基板が、層を形成するために完全に露出した表面(131)を有し、前記複数のプレートの各プレートが、前記基板(130)の前記完全に露出した表面(131)に面する表面(105)を有し、前記表面の面積が、前記中心軸(600)から前記プレート(110)の周辺縁部(150)に向かってあらゆる位置で変化する、請求項1に記載のウエハボート。
【請求項6】
前記複数のプレートの各プレートが平面であり、前記基板(130)の前記完全に露出した表面(131)に面する前記プレート(110)の前記表面(115)が、穴(119)を含み、前記穴が前記プレート(105)の前記表面全体にわたって変化する穴密度を有する、請求項5に記載のウエハボート。
【請求項7】
前記プレート(110)の表面(105)の中央部分の周りの前記穴密度が、前記プレート(110)の周辺縁部(150)の中にある穴密度よりも高い、請求項6に記載のウエハボート。
【請求項8】
前記穴(119)が、ブラインドホールの形態である、請求項6または7に記載のウエハボート。
【請求項9】
前記複数の基板(130)の各基板が、層を形成するために完全に露出した表面(131)を有し、前記複数のプレートの各プレート(111、112、113、115、116)が、前記基板(130)の前記完全に露出した表面(131)に面する表面(117、118)を有し、前記プレート(117、118)の前記表面と、前記基板(130)の完全に露出した表面(131)との間の距離(d’)が、前記中心軸(600)から前記プレート(111、112、113、115、116)の周辺縁部(150)に向かってあらゆる位置で変化する、請求項1に記載のウエハボート。
【請求項10】
前記距離(d’)が、前記中心軸(600)から前記プレート(112、113、115、116)の前記周辺縁部(150)に向かってあらゆる位置で減少するように、前記複数のプレートの各プレート(112、113、115、116)が、凹形である、請求項9に記載のウエハボート。
【請求項11】
前記複数の基板(130)の各基板が前記凹形プレート(112、113、115、116)に受容可能であり、かつそれによって保持されるように、前記基板(130)の前記完全に露出した表面(131)に面するその表面(118)に対向する前記凹形プレートの表面(161)が、少なくとも部分的に平坦である、請求項10に記載のウエハボート。
【請求項12】
前記距離(d’)が前記中心軸(600)から前記プレート(111)の前記周辺縁部(150)に向かってあらゆる位置で増加するように、前記複数のプレートの各プレートが、凸形(111)である、請求項9に記載のウエハボート。
【請求項13】
前記基板が、前記凸形プレート(111)上に受容可能であり、かつそれによって保持される、請求項12に記載のウエハボート。
【請求項14】
前記複数のプレートの各プレート(110、111、112、113、115、116)が、シリコンを含み、各プレートが、前記基板(130)の前記完全に露出した表面(131)に面する少なくとも前記表面(105、117、118)上に酸化ケイ素の層をさらに含む、請求項1に記載のウエハボート。
【請求項15】
垂直炉(500)であって、
複数の基板(130)上に層を形成するように構成された反応チャンバ(520)と、
請求項1に記載の、中心軸(600)に沿って前記反応チャンバ(520)に装填可能である、ウエハボート(580)と、
前記反応チャンバ(520)を加熱し、前記反応チャンバ内の反応温度を維持するように構成されたヒーターと、
前記反応チャンバ内の反応圧力を達成し維持するように構成された圧力コントローラと、
少なくとも一つの前駆体ストレージモジュールと、
非一時的コンピュータ可読媒体に含まれ、前記垂直炉に前記複数の基板上に前記層を形成させる命令を実行するように構成されるコントローラと、を備える、垂直炉。
【請求項16】
複数の基板上に層を形成するための方法であって、前記方法が、
複数の基板を反応チャンバに供給することであって、前記複数の基板が、請求項1に記載のウエハボート内に配置されている、供給すること、
前記複数の基板上に前記層を形成するための前駆体を前記反応チャンバ内に提供することを含む、堆積サイクルを実行することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記堆積サイクルが、複数回実行され、前記堆積サイクルが、
第一の前駆体を前記反応チャンバ内に供給することを含む第一の堆積パルスと、
前記第一の前駆体の一部分を前記反応チャンバから除去するための第一のパージパルスと、
第二の前駆体を前記反応チャンバ内に供給することを含む第二の堆積パルスと、
前記第二の前駆体の一部分を前記反応チャンバから除去するための第二のパージパルスと、を含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体処理に関する。より具体的には、半導体処理装置で使用するためのウエハボートに関し、またウエハボート内に配置された複数の基板上に層を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直炉は、複数の基板を処理するために半導体業界で使用されている。複数の基板は、ウエハを収容できるウエハボートの助けを借りて、垂直炉の反応チャンバ内に装填される。これらの炉は、堆積、酸化、アニーリングおよび拡散などのプロセスを実行するのに役立つ。そのため、適切な前駆体の選択、前駆体の提供、プロセス温度およびプロセス圧力を伴うプロセス条件は、プロセス収率に対する妥協なく、所望のプロセスを実行するように調整される必要がある。
【0003】
垂直炉内での処理に関連する課題の一つは、処理中に基板上に堆積される層の厚さの均一性を確保することを必然的に伴い得る。厚さの均一性の欠如は、例えば、パターン形成などの後続するプロセス工程で課題を提起する場合があり、さらなる堆積工程に継承される場合がある。
【0004】
垂直炉内で処理される基板上に形成された層の厚さの均一性を改善する必要性があり得る。
【発明の概要】
【0005】
この「発明の概要」は、選択された概念を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0006】
プロセス収率を改善するウエハボートを提供することは、本開示の目的であってもよい。より具体的には、処理中にウエハボート内に配置された複数の基板上に堆積した層の厚さの均一性の改善を提供し維持することが目的であってもよい。この目標を少なくとも部分的に達成するために、本開示は、独立請求項に定義されるように、ウエハボート、垂直炉および方法を提供し得る。さらなる実施形態は、従属請求項で提供される。
【0007】
第一の態様では、本開示は、半導体処理装置で使用するためのウエハボートに関する。ウエハボートは、少なくとも二つのウエハボートロッドを備えてもよく、各ウエハボートロッドは、少なくとも第一の組のスロットを含む。第一の組のスロットは、複数の基板を受けるように構築され、配置されてもよい。複数のプレートが、ウエハボートに提供されてもよく、少なくとも第一の組のスロットのうちの少なくとも一つのスロットが、隣接する二つのプレートの間に設けられてもよい。
【0008】
第一の態様による本発明のウエハボートは、複数の基板の各々にわたって形成された層について層の厚さが実質的に同一であることを可能にし得る。実質的に同じ層の厚さは、複数の基板の各々の表面に層を形成する際に、実質的に同じ成長速度を有することによって得られ得る。これは、複数の基板の各々の表面にわたり、ウエハ内不均一性(WIWNU)を低減する利点を提供し得る。
【0009】
例えば、リソグラフィー、エッチング、酸化、拡散、およびさらなる堆積プロセスなどの後続プロセスのプロセス収率は、低減されたWIWNUのおかげで改善され得る第一の態様の実施形態の利点であり得る。
【0010】
層の形成を含む処理を通して得られた装置の性能が、低減されたWIWNUのおかげで改善され得る第一の態様の実施形態の利点であり得る。
【0011】
第二の態様では、本開示は、複数の基板上に層を形成する方法に関する。本方法は、複数の基板を反応チャンバに供給することを含んでもよく、複数の基板は、本開示の第一の態様の実施形態によるウエハボート内に配置される。方法は、堆積サイクルを実行することをさらに含み得る。堆積サイクルは、反応チャンバ内に、複数の基板上に層を形成するための前駆体を提供することを含み得る。
【0012】
基板の各々のWIWNUが改善され得ることは、第二の態様の実施形態の利点であり得る。WIWNUの改善は、複数の基板の各基板の表面全体にわたって形成された層の厚さの不均一性の減少をもたらし得る。これは、プロセス収率の改善においてさらに有利であり得る。
【0013】
基板のWIWNUが、化学蒸着(CVD)によって形成される膜に対して改善され得ることが、第二の態様の実施形態の利点であり得る。
【0014】
基板のWIWNUが、原子層堆積(ALD)によって形成される膜に対して改善され得ることが、第二の態様の実施形態の利点であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示に開示された発明の概念の目的および利点は、添付図面の助けを借りて提示される。
【0016】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために例示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。同様の要素は、別段の記載がない限り、同様の参照番号で示される。
【0017】
図1図1a及び図1bは、複数の平面プレートおよび複数の基板が備わっているウエハボートの概略断面図である。
図2a図2aは、複数のプレートの各プレートの表面全体にわたる異なる穴密度の概略図である。
図2b図2bは、複数のプレートの各プレートの表面全体にわたるブラインドホールの変化する深さの概略図である。
図2c図2cは、複数のプレートの各プレートの表面全体にわたる異なる穴密度の概略図である。
図2d図2dは、複数のプレートの各プレートの表面全体にわたるブラインドホールの変化する深さの概略図である。
図3a図3aは、複数の基板と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凹形プレートが備わっているウエハボートの概略断面図を示す。
図3b図3bは、複数の基板と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凹形プレートが備わっているウエハボートの概略断面図を示す。
図3c図3cは、複数の基板と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凹形プレートが備わっているウエハボートの概略断面図を示す。
図3d図3dは、複数の基板と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凹形プレートが備わっているウエハボートの概略断面図を示す。
図3e図3eは、複数の基板と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凹形プレートが備わっているウエハボートの概略断面図を示す。
図3f図3fは、複数の基板と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凹形プレートが備わっているウエハボートの概略断面図を示す。
図4a図4aは、複数の基板と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凸形プレートが備わっているウエハボートの概略断面図を示す。
図4b図4bは、複数の基板と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凸形プレートが備わっているウエハボートの概略断面図を示す。
図5a図5aは、測定点の関数としての基板上の膜厚である。
図5b図5bは、基板上の膜の厚さを測定するための49点の極性マップ測定である。
図6図6は、本開示の第一の態様の実施形態による垂直炉の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ある特定の実施形態および実施例を下記に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0019】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、構造またはデバイスの実際の様子であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用される単に理想化された表現にすぎない。
【0020】
示され、かつ記述された特定の実装は、本発明およびその最良の形態の例示であり、態様および実施の範囲をいかなるやり方でも、別の方法で限定することを意図しない。実際、簡潔のために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細に記述していない場合がある。さらに、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことを意図する。多くの代替的もしくは追加的な機能的関係、または物理的接続が実際のシステムにおいて存在してもよく、また/または一部の実施形態では存在しなくてもよい。
【0021】
本明細書に記述される構成および/または取り組みは本質的に例示的であり、またこれらの特定の実施形態または実施例は、数多くの変形が可能であるため、限定的な意味と考えられるべきではないことが理解されるべきである。本明細書に記述される具体的なルーチンまたは方法は、任意の数のプロセッシング方策のうちの1つ以上を代表する場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示される順序で実施されてもよく、他の順序で実施されてもよく、または一部の事例では省略されてもよい。
【0022】
本開示の主題は、本明細書に開示の様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性のすべての新規かつ自明でない組み合わせおよび部分的組み合わせだけでなく、そのありとあらゆる均等物も含む。
【0023】
説明および特許請求の範囲に現れる第一、第二、第三および類似の用語は、特定の順序または任意の配列を指すものではない。これらは、類似の特徴または類似の要素を区別するために使用される。このような用語は、適切な条件下で互換性があり得、したがって、記載される本開示の実施形態は、記載されるもの以外の他の配列で使用できることが理解されるべきである。
【0024】
本明細書で使用される場合、「備える(comprising)」という用語は、その後に列挙される手段に制限されるものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。これは、記載された特徴、工程または構成要素の存在を指定するものとして解釈されるべきであり、したがって、他の要素または工程を除外せず、一つ以上の他の工程、構成要素、または特徴が存在するか、または追加されることを妨げない。
【0025】
本明細書全体を通して、本明細書中の様々な場所における「実施形態」への参照は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すとは限らないが、そのように指す場合もある。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、本開示から当業者には明らかであることになるように、1つ以上の実施形態では、任意の好適な様態で組み合わされてもよい。
【0026】
本明細書全体を通して、「一部の実施形態(some embodiments)」への言及は、これらの実施形態に関連して記述される特定の構造、特徴工程が、本発明の実施形態の一部の中に含まれることを意味する。それ故に、本明細書全体を通して様々な場所で出現する「一部の実施形態では」などの句は、必ずしもすべてが同じ実施形態の収集を指すとは限らないが、そのように指す場合もある。
【0027】
以下の用語は、本開示の理解を助けるためにのみ提供される。
【0028】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「実質的に同じ層の厚さ」という用語は、形成される膜の厚さに応じて、1%~30%の範囲内、または1%未満である、基板の表面上に形成される膜の縁から中心までの厚さを指し得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「ウエハ内不均一性(WIWNU)」という用語は、次式に従って基板の表面上に形成される層の厚さの変化の割合を指し得る:
【0030】
【数1】
【0031】
本明細書で使用される場合、別段の定めがない限り、「平面または平坦」という用語は、基板が安定性の問題なしにその表面上に配置され得るように、くぼみまたは隆起領域のない表面を指し得る。
【0032】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「完全に露出した表面」という用語は、その表面上のあらゆる地点で環境に対して露出され、層を形成するのに適している基板の表面を指し得る。層が基板上に形成されるか、または層が基板上に存在する場合には、環境に対して露出される層の上面は、基板の完全に露出した表面と呼ばれてもよい。
【0033】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「穴密度」という用語は、穴によって占有される表面の面積と、穴を有しない表面の面積との比を指し得て、面積は、プレートの表面上の特定の領域に対して画定される。
【0034】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「ブラインドホール」という用語は、特定の深さおよびプレートの厚さ以内の閉じた端部を有する開口部を指し得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「天然酸化物」という用語は、空気中での自然酸化の結果として表面上に存在する酸化物層を指し得る。
【0036】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「エッジ効果」という用語は、基板の表面の他の部分と比較して、基板の周縁に対応する基板の表面上の層が変化する厚さを有することを指し得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「反応温度」という用語は、複数の基板上の層の形成中の反応チャンバ内の温度を指し得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、および別段の定めがない限り、「反応圧力」という用語は、複数の基板上の層の形成中の反応チャンバ内の圧力を指し得る。
【0039】
ここで、本開示の一部の実施形態の詳細な記述によって本開示を記述する。本開示の他の実施形態を、本開示の技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成することができることは明らかである。本開示は、本明細書に含まれる特許請求の範囲の条件によってのみ制限される。
【0040】
半導体処理装置で使用するためのウエハボート(580)は、少なくとも二つのウエハボートロッド(100)を備え得る。各ウエハボートロッド(100)は、少なくとも第一の組のスロット(101)を含み得る。第一の組のスロット(101)は、複数の基板(130)を受けるように構築され、配置されてもよい。複数のプレート(110、111、112、113、115、116)は、ウエハボート(580)に提供されてもよく、少なくとも第一の組のスロット(101)の少なくとも一つのスロットが、隣接する二つのプレートの間に設けられてもよい。
【0041】
言い換えれば、複数のプレート(110、111、112、113、115、116)は、ウエハボート(580)内に、複数のプレートの各プレートが、それらの間に第一の組のスロット(101)の少なくとも一つのスロットと、隣接プレートから交互に位置付けられ得るように、位置付けられ得るものと記載され得る。
【0042】
実施形態では、複数の基板(130)は、半導体層を含んでもよい。この半導体層(10)は、一部の実施形態では、ケイ素層であってもよい。ケイ素層は、実施形態では、Si{100}層、Si{110}層またはSi{111}層であってもよい。一部の実施形態では、複数の基板(130)は、半導体基板であってもよい。一部の実施形態では、半導体基板は、Si{111}基板、Si{110}基板またはSi{100}基板であってもよい。一部の実施形態では、半導体基板は、窒化ケイ素基板であってもよい。一部の実施形態では、半導体基板は、第III‐N族基板であってもよい。第III‐N族基板は、一部の実施形態では、窒化アルミニウムまたは窒化ガリウム基板であってもよい。実施形態では、一つ以上の表面層が存在してもよく、または複数の基板(130)上に形成されてもよい。
【0043】
一部の実施形態では、半導体処理装置は、垂直炉であってもよく、それによって縦方向に垂直方向に延在する。
【0044】
実施形態では、複数の基板(130)の各基板は、層を形成するために完全に露出した表面(131)を有してもよい。
【0045】
本開示の第一の態様の実施形態によるウエハボート(580)は、基板の完全に露出した表面(131)全体にわたって層の成長を調整するのに有利であり得る。これは、基板の完全に露出した表面(131)全体にわたって層の成長に不均一性が存在し得る場合に有利であり得る。
【0046】
実施形態では、複数のプレートは、少なくとも二つのウエハボートロッド(100)に実質的に垂直であるウエハボート(580)に提供されてもよい。したがって、これは、基板の完全に露出した表面全体にわたる層の均一な成長速度を得ることを可能にし得る。均一な成長速度は、複数の基板(130)の各基板の完全に露出した表面(131)上に形成された層の厚さの不均一性を低減するのに役立ち得る。厚さの不均一性の低減は、基板(130)の完全に露出した表面(131)全体にわたって均一な層の厚さを提供し得る。均一な層の厚さは、基板(130)の完全に露出した表面(131)全体にわたって実質的に同一である層の厚さを指し得ることが理解されるべきである。これは有利なことに、基板(130)の完全に露出した表面(131)全体にわたって、その形成中の層の成長速度が実質的に同じであってもよいという事実による場合がある。均一な層の厚さを有することにより、複数の基板(130)の各々の完全に露出した表面(131)全体にわたって、ウエハ内不均一性(WIWNU)を改善することが可能になり得る。これは、結果的に、例えば、リソグラフィー、エッチング、およびさらなる堆積プロセスなどの層の形成後のプロセスのプロセス収率の改善に有利であり得る。次に、これは、複数の基板(130)の表面全体にわたって望ましくないトポグラフィーを低減し、それによって、デバイス性能およびデバイスの完全性に対するリスクを低減するのに役立つ。
【0047】
一部の実施形態では、複数のプレート(110、111、112、113、115、116)の各プレートは、ウエハボート(580)内で、複数の基板(130)の各基板と交互にかつ繰り返し配置されてもよい。したがって、複数の基板(130)の各基板の完全に露出した表面(131)は、複数のプレート(110)の各プレートから所定の距離(d)だけ分離されてもよい。所定の距離(d)は、露出した表面(131)全体にわたって、層の均一な成長速度を得ることを可能にし得る。理論に拘束されることを意図するものではないが、所定の距離は、複数の基板の各基板の完全に露出した表面(131)と、複数の基板の各プレート(110)との間の体積対表面積比(V/S)を最適化することを可能にし得ると言うことができる。体積は、複数の基板の各基板の完全に露出した表面(131)と、複数の基板(110)の各プレートとの間に存在する体積によって表され得る。表面積は、膜を形成するための基板(130)の完全に露出した表面(131)上で利用可能な面積によって表されてもよい。中心と比較して基板(130)の縁部でより高い層の厚さについて、中心よりも縁部での体積対表面積比を減少させることが、有利なことに基板の端での成長速度を低下させるのに役立ち得る。これは、例えば、所定の距離(d)の値を減少させることによって、所定の距離(d)の関数として調整されてもよい。
【0048】
反対に、中心と比較して基板の縁部がより低い層の厚さ(130)については、中心よりも縁部の体積対表面積比の増加が、有利なことに、基板の縁部の成長速度を増加させるのに役立つ場合がある。したがって、基板(130)の完全に露出した表面(131)上に形成された層の成長速度のバランスをとることは、有利なことに、基板の表面全体にわたって形成される層の厚さの均一性を達成するのに役立ち得る。これは、例えば、所定の距離(d)の値を増加させることによってなど、所定の距離(d)の関数として調整されてもよい。
【0049】
したがって、所定の距離(d)の値の変動は、したがって、体積対表面積比を調節することによって、基板の表面全体にわたって形成される層の厚さの均一性を達成するのに役立ち得るとも言える。当然のことながら、所定の距離は、実施されるプロセス、使用される前駆体のタイプ、プロセス温度、前駆体の分圧、およびプロセス圧力のうち少なくとも一つの関数であり得る。
【0050】
一部の実施形態では、所定の距離は、3mm~30mmの範囲内であってもよい。
【0051】
実施形態では、所定の距離(d)は、複数の基板(130)の各々の完全に露出した表面(131)全体にわたる層の層厚さが実質的に同一であり得るように構成されてもよい。これは、WIWNUを低減するのに有利であり得る。したがって、距離(d)の構成は、複数の基板(130)の各々の完全に露出した表面(131)全体にわたって改善された厚さの均一性を有することができるウエハボート(580)を設計することを可能にし得る。
【0052】
完全に露出した表面(131)と対向する基板(130)の下面(132)と、プレート(106)の上面との間の距離は、完全に露出した表面(131)全体にわたって形成される層の厚さの均一性の改善を獲得する役割は果たさないと言える。したがって、所定の厚さ(d)が固定されると、単に調整可能であり得る。
【0053】
一部の実施形態では、各ウエハボートロッド(100)は、第二の組の複数のスロット(102)をさらに含み得る。複数のプレート(110)の各プレートは、第二の組の複数のスロット(102)で収容可能であり、かつ第二の組の複数のスロット(102)の各スロットは、第一の組の複数のスロット(101)の各スロットから交互にかつ繰り返し分離されていてもよい(図2a)。したがって、第一の組の複数のスロット(101)および第二の組の複数のスロット(102)のこの存在は、複数のプレート(110)のそれぞれに対して、複数の基板(130)のそれぞれを交互にかつ繰り返し配置することを可能にし得る。基板(130)およびプレート(110)のウエハボート(580)内への配置のこの構成は、有利なことに、基板(130)の各々の完全に露出した表面(131)がプレート(110)の各々に面することを可能にし得る。第二の組の複数のスロット(102)内に受容される複数のプレートは、必要に応じて容易にクリーニングすることができるようにしてもよい。垂直炉(500)内での処理中、プレート(110)上でも堆積が起こり得ることが理解されるべきである。したがって、プレートがウエハボート(580)で収容可能である場合(図2a)、プレートは容易に除去され、クリーニングステーションでクリーニングされ得る。また、堆積された膜を、プレート(110)上で特定の厚さまで成長させてから、プレートを新しいものと置き換えることも可能であり得る。
【0054】
一部の実施形態では、複数のプレート(110)の各プレートは、ウエハボートロッド(100)と一体化されてもよい。複数のプレート(110)の各プレートは、第一の組の複数のスロット(101)(図2b)の各スロットと交互にかつ繰り返し、さらに位置付けられてもよい。複数の基板(130)の各基板は、第一の組の複数のスロット(101)の各スロットに位置付けられ得るため、各プレートとの各基板の交互かつ繰り返しの構成は、ウエハボート(580)でも取得され得る。これは有利なことに、ウエハボート(580)に機械的安定性を提供し得る。処理の結果としてプレート上に生じ得る応力により、プレートはスロットから移動し得る。したがって、プレートをウエハボートロッド(100)と一体化させることは、この問題を克服するのに役立ち得る。
【0055】
実施形態では、複数のプレート(110)の各プレートは、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面する表面を有してもよく、表面の面積は、プレート(110)の周辺縁部(150)に向かって、中心軸(600)からあらゆる位置で変化し得る。
【0056】
表面積の変動は、基板の露出した表面(131)と基板(130)の露出した表面(131)に面するプレート(110)の表面(105)との間の体積の変化をもたらし得る。この体積は、基板の露出した表面(131)と、所定の距離(d)にわたって延在する基板(130)の露出した表面(131)に面するプレート(110)の表面(105)との間に画定され得る。
【0057】
実施形態では、複数のプレートの各プレートは、平面であってもよく、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面するプレート(110)の表面(105)は、穴を含んでもよい。穴は、プレート(110)の表面(105)全体にわたって変化する穴密度を有してもよい。これは、複数の基板の各基板(130)の完全に露出した表面(131)に面する複数のプレートの各プレートの表面の表面積を局所的に変化させるのに有利であり得る。
【0058】
したがって、言い換えれば、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面するプレート(110)の表面(105)の面積は、中心軸(600)からプレート(110)の周辺縁部(150)に向かって円周方向に移動するプレート(105)の表面全体のあらゆる地点で変化し得る。変化する穴密度は、基板の露出した表面(131)と、所定の距離(d)にわたって延在する基板(130)の露出した表面(131)に面するプレート(110)の表面(105)との間に画定される、あらゆる地点で、変化する体積を提供し得る。したがって、これは、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面したプレート(110)の表面(105)と、基板(130)自体の完全に露出した表面(131)との間に画定される領域において、中心軸(600)から円周方向にプレート(110)の周辺縁部(150)に向けた体積対表面積比の変化をもたらし得る。
【0059】
したがって、これは、基板の露出した表面(131)全体にわたる層の成長速度の変化を補正してもよく、それによって、基板の露出した表面(131)全体にわたって成長速度を実質的に同じにする。次いで、これは有利なことに、基板の露出した表面(131)全体にわたって形成された層の均一な層の厚さおよび厚さの不均一性の低減につながり得る。
【0060】
実施形態では、図1a、図1bおよび図2に例示されるように、プレート(110)は、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面するプレート(110)の表面(105)と、その表面(105)に対向するプレート(110)の上面(106)が互いに平行になるように、平面であってもよい。
【0061】
ここで、図2aおよび図2cを参照して、複数のプレートの各プレートの表面全体にわたる異なる穴密度の概略図を示す。
【0062】
図2aは、穴密度がプレートの中心でより高く、中心からプレート(110)の縁部(150)に向かって円周方向から離れるときに、あらゆる地点で減少する、プレート(110)を概略的に示す。一部の実施形態では、プレート(110)の表面(105)の中央部分の周りの穴密度は、プレート(110)の周辺縁部(150)の穴密度よりも高い場合がある(図2a)。これにより、基板(130)の露出した表面(131)と、基板(130)の露出した表面(131)に面するプレート(110)の表面(105)との間に画定される体積の周辺領域と比較して、中央領域の周りに対応するより多くの体積を生成することが可能になり得る。中央部分の周りにこのようにして得られるより多くの体積は、有利なことに、基板(130)の完全に露出した表面(131)の中央領域の成長速度を増加させるのに役立ち、それゆえ、周辺領域と比較して層の成長速度のバランスを取るのに役立ち得る。次に、これは、基板(130)の露出した表面(131)全体にわたって形成された層の均一な層の厚さおよび厚さの不均一性の減少をもたらし得る。したがって、これは、基板(130)の周辺領域の周りに、その中央領域と比較して、より高い層の厚さの膜が形成される場合に有利であり得る。
【0063】
例えば、ジシラン、トリシラン、TEOSなどのシリコン含有前駆体を使用して行われる堆積は、基板(130)の完全に露出した表面(131)の中央領域の周りにより多くの体積を生成し、それによって基板(130)の周辺縁部上へのより高い膜の厚さの形成の可能性のバランスを取る必要があり得る。
【0064】
図2cは、穴密度がプレート(110)の中心で低くてもよく、プレート(110)の縁部(150)に向かって中心から円周方向に離れるときに、あらゆる地点で増加する、プレート(110)を概略的に示す。したがって、一部の実施形態では、プレート(110)の表面(105)の中央部分の周りの穴密度は、プレート(110)の周辺縁部(150)の穴密度よりも低くてもよい(図2c)。これにより、基板(130)の露出した表面(131)と基板(130)の露出した表面(131)に面するプレート(110)の表面(105)との間に画定される体積の周辺領域と比較して、中央領域の周りに対応するより少ない体積を生成することが可能になり得る。中央部分の周りにこのように得られる体積が少ないことは、有利なことに、基板(130)の完全に露出した表面(131)の中央領域の成長速度を減少させるのに役立ち得る。したがって、基板(130)の中央領域の周りに、その周辺領域と比較して、より高い層の厚さの膜が形成される場合に有利であり得る。これにより、層の成長速度のバランスを取ることができ、それによって、基板(130)の露出した表面(131)全体にわたって形成された層の均一な層の厚さおよび厚さの不均一性の減少を有するのに役立つ。
【0065】
実施形態では、穴密度が、図2aおよび図2cで構成されるように、プレート(110)の表面(105)にわたって変化し得る場合、穴の各々のサイズは同じであってもよい。サイズは、穴の幅および深さを指し得る。言い換えれば、サイズは、それぞれの穴の体積およびそれぞれの穴を画定する開口部の表面積を指し得る。
【0066】
実施形態では、穴(119)は、ブラインドホールの形態であってもよい。したがって、ブラインドホールの深さは、プレート(110)の厚さ以内で延在し得る。これは、基板(130)の露出した表面(131)の中央領域、またはより厚い膜が成長する領域に応じて周辺縁部の周りの領域のいずれかにおいて、層の厚さを抑制する予防策を講じるのに有利であり得る。
【0067】
実施形態では、ブラインドホールは、中心軸(600)から複数のプレート(110)の各プレートの周辺縁部(150)に向かって、あらゆる地点で、変化する深さを有するように構築され、配置され得る。これらの実施形態では、ブラインドホールは、プレート(110)の表面(105)全体に均等に分布されてもよく、それによって、プレート(110)の表面(105)にわたって同一の穴密度を有する。ブラインドホールの幅は、同じに維持されてもよく、言い換えれば、表面(105)上のブラインドホールのそれぞれを画定する開口部の表面積は、同じに維持されてもよい。
【0068】
一部の実施形態では、プレート(110)の中央領域の周りの第一の組のブラインドホールの深さが、プレート(110)の周辺縁部(150)の周りの第二の組のブラインドホールの深さよりも高くなり、その結果、プレート(110)の周辺領域と比較して中央領域の周りでより大きな体積が得られるように、ブラインドホールの深さを構成し得る。これらの実施形態では、ブラインドホールの深さは、図2bで概略化されるように、中心軸(600)から円周辺縁部(150)に向かって、あらゆる地点で徐々に減少し得る。したがって、プレートの中央領域周辺のブラインドホールの深さがより高いことは、プレート(110)と基板(130)の完全に露出した表面(131)との間に、増加した体積を提供し得る。これは、基板(130)の完全に露出した表面(131)上の層の成長速度の増加をもたらし、それによって基板(130)の完全に露出した表面(131)の中央領域の周りの厚さの増加をもたらし得る。これは、基板(130)の完全に露出した表面(131)の周辺縁部の周りが最終的により厚い層となるプロセスについて、その中央領域と比較して厚さのバランスを取り、厚さの均一性を改善するのに役立ち得る。
【0069】
一部の実施形態では、プレート(110)の中央領域の周りの第一の組のブラインドホールの深さが、プレート(110)の周辺縁部(150)の周りの第二の組のブラインドホールの深さよりも小さくなり、プレート(110)の周辺領域と比較して中央領域の周りの体積が小さくなるように、ブラインドホールの深さは構成されてもよい。これらの実施形態では、ブラインドホールの深さは、図2dで概略化されるように、中心軸(600)から周辺縁部(150)に向かって、あらゆる地点で徐々に増加し得る。したがって、プレートの中央領域周辺のブラインドホールの深さがより小さいことは、プレート(110)と基板(130)の完全に露出した表面(131)との間に減少した体積を提供し得る。これは、基板(130)の完全に露出した表面(131)上の層の成長速度の減少をもたらし、それによって基板(130)の完全に露出した表面(131)の中央領域の周りの厚さの減少をもたらし得る。これは、基板(130)の完全に露出した表面(131)の中央領域の周りの層が、その周辺縁部の周りの層よりも厚いプロセスについて、厚さのバランスを取り、厚さの均一性を改善するのに役立ち得る。
【0070】
実施形態では、複数のプレートの各プレートは、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面する表面(117、118)を有してもよく、プレート(117、118)の表面と、基板(130)の完全に露出した表面(131)との間の距離(d’)は、中心軸(600)からプレート(111、112、113、115、116)の周辺縁部(150)に向かって、あらゆる位置で変化し得る。したがって、変化する距離(d’)は、有利なことに、基板(110)の露出した表面(131)と、基板(130)の露出した表面(131)に面するプレート(111、112)の表面(117、118)との間の体積の変化を提供し得る。
【0071】
これは有利なことに、層の成長速度を基板の表面全体にわたって実質的に同じにすることを可能にし得る。これにより、基板(131)の露出した表面全体にわたって形成された層の均一な層の厚さおよび減少された層の厚さの不均一性を得ることが可能になり得る。
【0072】
使用される前駆体の関数としての気相成分の生成または枯渇の必要性を伴う反応については、プレート(117、118)の表面と基板(130)の完全に露出した表面(131)との間の距離(d’)の変動が、このような成分の生成または枯渇を促進するために、それぞれ体積の増加または減少を引き起こすのに役立ち得る。言い換えれば、プレート(117、118)の表面と基板(130)の完全に露出した表面(131)との間の距離(d’)の変動は、基板(130)の完全に露出した表面(131)の中央領域および周辺領域の周りに実質的に同じであるように、層の成長速度を一致させるのに役立ち得る。
【0073】
ここで、図3a~図3dに戻ると、複数の基板(130)と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凹形プレート(112)を備えたウエハボートの概略断面図を示す。
【0074】
実施形態では、複数のプレートの各プレートは、距離(d’)が、中心軸(600)から凹形プレート(112)の周辺縁部(150)に向かってあらゆる位置で減少するように、凹形(112)であってもよい。完全に露出した表面(131)と対向する基板(130)の下面(132)と、凹形プレート(112)の上面(161)との間の距離は、完全に露出した表面(131)全体にわたって形成される層の厚さの均一性の改善を獲得する役割は果たさないと言える。したがって、この距離は、基板(130)の上面(131)と凹形状(112)プレートの下面(118)との間の距離(d’)が、改善された厚さの均一性を得るために決定されると、調整可能であり得る。完全に露出した表面(131)と対向する基板(130)の下面(132)と凹形プレート(112)の上面(161)との間の距離は、それゆえ、ウエハボート(580)の設計によって最小化され得るが、距離は、なおも、ウエハボート(580)内での基板(130)の装填および取り外しを可能にすべきであることが理解される。
【0075】
当然のことながら、図3aに概略的に示すようなプレートでは、プレートの基板(130)の完全に露出した表面(131)と下面(117)との間の空間体積は、凹形プレート(112)の周辺縁部(150)に向かって中心軸(600)から減少し得る。これは、有利なことに、基板(130)の中央領域の周りの成長速度が基板(130)の周辺領域の成長速度よりも低い場合、基板(130)の完全に露出した表面(131)上の層の成長を補い得る。基板の中央領域の周りの成長速度を増強し、周辺領域の周りの成長速度を抑制することによって、層の厚さのバランスを取り得る。これは、基板(130)の完全に露出した表面(131)全体にわたって形成される層の厚さの均一性をもたらし得る。
【0076】
一部の実施形態では、複数の凹形プレートの各プレート(112)は、第二の組の複数のスロットの各スロット(102)に受容可能であり、かつそれらによって支持されてもよく、第二の組の複数のスロットの各スロット(102)は、第一の組の複数のスロットの各スロット(101)から交互にかつ繰り返し分離され、ここで、複数の基板の各基板(130)は、第一の組の複数のスロットの各スロット(101)に受容可能であり、かつ支持されてもよい(図3a)。
【0077】
一部の実施形態では、複数の凹形プレートの各プレート(112)は、ウエハボートロッド(100)と一体化され、第一の組の複数のスロット(図には示されない)の各スロット(101)と交互にかつ繰り返し位置付けられてもよい。
【0078】
ここで、図3bおよび図3cに戻ると、少なくとも部分的に平坦な表面を有し、各基板(複数の基板1300)と交互にかつ繰り返し配置されている、複数の凹形プレート(115、116)を有するウエハボートの概略断面図を示す。
【0079】
実施形態では、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面するその表面(118)に対向する凹形プレート(112)の表面(161)は、複数の基板の各基板(130)が凹形プレート(112)上に受容され、かつそれらによって保持され得るように、少なくとも部分的に平坦であってもよい。これにより、プレート(115、116)を別々に位置付けるために第二の組のスロットを割り当てる必要なく、ウエハボートロッド(100)内に含まれるスロットを最適に使用することができる。さらに、この構成では、複数の基板の各基板(130)は、なおも有利なことに、少なくとも部分的に平坦な表面を有する複数の凹形プレートの各プレート(115、116)と、交互にかつ繰り返し配置されてもよい。
【0080】
一部の実施形態では、凹形プレート(115)は、プレートの少なくとも部分的に平坦な表面がプレートの中央領域の周りに存在し得るように構築されてもよい。したがって、プレートが凹形であることと、その上面(161)が中央領域の周りに部分的に平坦であることとの組み合わせのおかげで、プレート(115)の周辺縁部(150)、ウエハボートロッド(100)、および基板の周辺縁部によって囲まれた空隙(140)の生成を可能にし得る(図3b)。これは、ウエハ取り扱いロボットを介して、それぞれの凹形プレートに基板を装填したり、取り外したりする利点を提供し、それによって、同じスロット(102)の使用を可能にする。これらの実施形態では、有利なことに、基板(130)のウエハボート(580)への装填および取り外しのために、フォーク形状のウエハ取り扱いロボットが使用され得る。
【0081】
一部の実施形態では、凹形プレート(116)は、凹形プレートの上面が平坦であってもよく、不連続部(141)を備えてもよく、それによって少なくとも部分的に平坦な表面を形成するように構築されてもよい。図3cに概略的に表されるように、例示的な実施形態として、不連続部(141)は、ウエハ取り扱いロボットを介して、それぞれの凹形プレートに基板を装填したり、取り外したりする利点を提供し、それによって、同じスロット(102)の使用を可能にする。
【0082】
一部の実施形態では、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面する、その表面(118)に対向する凹形プレート(113)の表面は、完全に平坦であってもよい(162)。これらの実施形態では、複数のプレートの各プレートは、第二の組のスロット(102)(図3f)に受容可能であり、保持されてもよく、またはウエハボート(580)のボートロッド(100)(図には示さず)に組み込まれてもよい。
【0083】
ここで、図3dおよび図3eに戻ると、図3bおよび図3cに概略的に示されるように、少なくとも部分的に平坦な表面を有する複数の凹形プレート(115、116)が設けられたウエハボート(580)の概略断面図を示し、それによって、ボートロッド(100)と基板(130)の縁部との間にd”の分離距離を有するギャップが存在し得る。ギャップ(d”)の存在は、基板(130)の表面(131)全体にわたる成長速度のバランスを取るための均等化、または言い換えれば、利点をさらに提供し、それによって基板の周辺縁部の周りの層の厚さを減少させるのに役立ち得る。これにより、基板(130)の表面(1310)全体にわたって層の厚さの均一性を得ることができる。したがって、一部の実施形態では、ウエハボート(580)は、ギャップ(d)がウエハボートスロット(102)の縁部(102a)と基板(130)の縁部との間に生成され得、それによってエッジ効果を低減するように、ボートロッド(100)を互いからさらに離して配置させるように構築され、配置され得る。
【0084】
ここで、複数の基板(130)と交互にかつ繰り返し位置付けられた複数の凸形プレート(111)を有するウエハボート(580)の概略断面図を示す図4aに戻る。
【0085】
実施形態では、複数のプレートの各プレートは、距離(d’)が、中心軸(600)からプレート(150)の周辺縁部に向かってあらゆる位置で増加するように、凸形(111)であってもよい。完全に露出した表面(131)と対向する基板(130)の下面(132)と凸形プレート(111)の上面(160)との間の距離は、完全に露出した表面(131)全体にわたって形成される層の厚さの均一性の改善を獲得する役割は果たさないと言える。したがって、この距離は、基板(130)の上面(131)と凸形(111)プレートの下面(117)との間の距離(d’)が、改善された厚さの均一性を得るために決定されると、調整可能であり得る。完全に露出した表面(131)と対向する基板(130)の下面(132)と、凸形プレート(111)の上面(160)との間の距離は、それゆえ、ウエハボート(580)の設計によって最小化され得るが、その距離は依然として、ウエハボート(580)内での基板(130)の装填および取り外しを許容すべきであることが理解される。
【0086】
複数の凸形プレート(111)の各々は、第二の組のスロット(102)に受容され、それによって保持されてもよい。これらのスロットにおける凸形プレートの位置決めを容易にするために、プレートは、スロット(102)でそれらを受容可能および保持可能にするためのフック(151)を備えてもよい。
【0087】
凸形プレートの使用は、プレート(115、116)を別々に位置付けるために第二の組のスロットを割り当てる必要なく、ウエハボートロッド(100)内に含まれるスロット(102)の最適な使用の利点も提供し得、その結果、複数のプレートおよび複数の基板の各プレート(111)および各基板(130)はそれぞれ、受容可能であり、かつ同じスロット内に保持され得る。これは図4bに概略的に示される。
【0088】
したがって、実施形態では、基板(130)は、凸形プレート(111)上に受容され、かつそれらによって保持されてもよい。基板(130)は、フック(151)の表面積によって画定される接触領域を通して凸形プレート(111)と接触してもよい。図4bで概略化されるような構成では、複数の基板の各基板(130)は、複数の基板の各凸形プレート(111)と交互にかつ繰り返し位置付けられてもよい。各スロットの基板(130)と凸形プレート(111)との間にギャップ(143)を生じさせ、それによって基板(130)をウエハボート(580)に装填したり、取り外したりすることを可能にし得る。
【0089】
複数の基板(130)の完全に露出した表面(131)上に層を形成するとき、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面するプレート(110、111、112、113、115、116)の表面(105、117、118)、およびそれらの表面(110、111、112、113、115、116)に対向する表面(106、160、161、162)にも、いくらかの堆積が発生し得る。堆積層は、基板(130)の完全に露出した表面(131)全体にわたって層の厚さの均一性から得られる利益を維持するために、一定の数のプロセス実行後に除去される必要があり得る。堆積層は、エッチングプロセスによってプレートから除去されてもよい。したがって、プレートにはエッチングに対する耐性があることが有利であり得る。これにより、プレートの再利用が可能になり、同時に、エッチングが完了した後のプレートの表面の完全性を保護することができる。
【0090】
実施形態では、複数のプレートの各プレート(110、111、112、113、115、116)は、シリコンを含んでもよく、各プレート(110、111、112、113、115、116)は、遠位端に酸化ケイ素の層をさらに含み得る。
【0091】
実施形態では、遠位端は、少なくとも、基板(130)の完全に露出した表面(131)に面するプレートの表面(105、117、118)を含み得る。これは有利なことに、基板(130)の完全に露出した表面(131)上に形成された層の厚さの均一性を得ることを可能にし得る。
【0092】
一部の実施形態では、複数のプレートの各プレート(110、111、112、113、115、116)は、シリコンを含み得、各プレート(110、111、112、113、115、116)は、両方の遠位端に酸化ケイ素の層をさらに含み得る。言い換えれば、プレートは、基板の表面(105、117、118)上に完全に露出した表面(131)に面し、その表面(106、160、161、162)に対向する表面上に酸化ケイ素の層を含んでもよい。
【0093】
一部の実施形態では、酸化ケイ素の層は、天然酸化物の層であってもよい。
【0094】
一部の実施形態では、酸化ケイ素の層は、熱酸化物であってもよい。熱酸化物は、当業者に公知の熱処理を使用することによって、シリコンを含むプレートから成長させることができる。
【0095】
図5aは、膜形成が完了した後に、49点の極座標マップを使用して基板上で行った厚さ測定値を示す。堆積された膜は、シランを含む前駆体ガスを使用して形成されたSi層であった。基板は、ウエハボート内のシリコンを含むプレートと交互にかつ繰り返し配置される。このグラフは、シリコンを含むプレート(全円)、熱酸化物を有するプレートを含むシリコン(全三角形)、および天然酸化物を有するシリコンを含むプレート(全四角形)を使用して行われた厚さ測定値の比較を示す。シリコンを含むプレートは、両面に酸化物層を有した。グラフは、シリコンを含むプレート(全三角形、全正方形)上の酸化物層の存在が、酸化層を有さないシリコンを含むプレート(全円)を使用した時と比較して、基板の表面にわたる層の均一の厚さを有利なことに改善することを示す。
【0096】
図5bは、厚さ測定を実施するための49の点が基板上に位置する場所を示す。測定点P1は、基板(130)の中心に位置する。測定点P2~P9は、基板の中心(130)から49mmに位置する。測定点P10~P25は、基板(130)の中心から98mmに位置する。測定点P26~P49は、基板の中心(130)から148mmに位置する。
【0097】
本開示は垂直炉にも関する。本開示の実施形態による垂直炉の概略側面図が図6に示されている。
【0098】
垂直炉(500)は、反応チャンバ(520)を備えてもよい。反応チャンバは、複数の基板(130)上に層を形成するように構成されてもよい。垂直炉は、本開示の第一の態様の実施形態によるウエハボート(580)をさらに備えてもよく、複数の基板(130)を保持するように構成され、中心軸(600)に沿って反応チャンバ(520)内に装填可能であってもよい。
【0099】
実施形態では、外側管(510)が、炉を形成するための垂直炉(500)に含まれてもよい。
【0100】
垂直炉(500)は、反応チャンバ(520)内にプロセスガスを提供するために構成され、配置されるガスインジェクター(530)をさらに備えてもよい。ガス入口(590)は、プロセスガスをガスインジェクター(530)に供給するために垂直炉(500)内に含まれてもよい。コントローラ(550)をさらに備えてもよい。コントローラ(550)は、反応チャンバ(520)内の複数の基板(130)上の層の形成を可能にするように構成されてもよい。したがって、コントローラ(550)は、非一時的コンピュータ可読媒体に含まれ得る命令を実行するように構成されてもよく、垂直炉に複数の基板上に層を形成させてもよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、例えば、外付けハードドライブ、CDおよびDVDなどの任意のデータ記憶媒体を包含してもよい。さらに、垂直炉はヒーター(560)を含んでもよい。ヒーター(560)は、反応チャンバ(520)内の反応温度を加熱し維持するよう構成されてもよい。ヒーターは、反応チャンバ(520)を必要な温度にして、層の形成を実施するという利点を提供し得る。処理ガスを反応チャンバ(520)から除去するための排出ガス出口(570)が提供されてもよい。垂直炉(500)は、ウエハボート(580)を支持するための台座(540)をさらに備えてもよい。垂直炉(500)は、反応チャンバ(520)内の反応圧力を達成および維持するよう構成され得る圧力コントローラをさらに備えてもよい。垂直炉(500)は、少なくとも一つの前駆体ストレージモジュール(610)を含み得る。
【0101】
第二の態様では、本開示は、複数の基板上に層を形成する方法に関する。方法は複数の基板を反応チャンバ(520)内に提供することを含む。反応チャンバは、本開示の実施形態による垂直炉(500)に含まれてもよい。複数の基板は、本開示の第一の態様の実施形態によるウエハボート内に配置されてもよい。方法は、堆積サイクルを実行することをさらに含み得る。堆積サイクルの実行は、反応チャンバ(520)内に、複数の基板(130)上に層を形成するための前駆体を提供することを含み得る。
【0102】
方法は、改善された厚さの均一性を有する複数の基板(130)のそれぞれの上に層を形成するための利点を提供し得る。言い換えれば、これは、基板の表面(131)上に形成された膜を有し、膜は基板の表面全体にわたって実質的に同じ層の厚さを有することを意味する(130)。
【0103】
本開示の第一の態様の実施形態による垂直炉で実施されるプロセスの収率が改善され得ることが、方法の別の利点であってもよい。これは、垂直炉で得られる均一な厚さの変化のおかげで、さらなる堆積、リソグラフィー、およびエッチングなどの後続プロセスの収率の改善に有利なことに寄与し得る。
【0104】
一部の実施形態では、堆積サイクルは、化学蒸着(CVD)プロセスによる層の形成をもたらし得る。
【0105】
一部の実施形態では、堆積サイクルは、原子層堆積(ALD)プロセスによる層の形成をもたらし得る。
【0106】
したがって、一部の実施形態では、堆積サイクルは、複数回実行されてもよく、第一の堆積パルスを含んでもよい。第一の堆積パルスは、第一の前駆体を反応チャンバ(520)に提供することを含んでもよい。第一の堆積パルスに続いて第一のパージパルスが続き、第一のパージパルスが堆積サイクル内にさらに含まれてもよい。第一のパージパルスは、反応チャンバ(520)から第一の前駆体の一部分を除去するのに好適であり得る。第一の前駆体の部分は、反応チャンバ(520)内に残っている第一の前駆体の非反応部分を指してもよい。堆積サイクルは、第二の堆積パルスをさらに含み得る。第二の堆積パルスは、第二の前駆体を反応チャンバ(520)に提供することを含んでもよい。第二の堆積パルスに続いて第二のパージパルスが続き、第二のパージパルスは堆積サイクルでさらに構成される。第二のパージパルスは、反応チャンバ(520)から第二の前駆体の一部分を除去するのに適している場合がある。第二の前駆体の一部分は、反応チャンバ(520)内に残っている第二の前駆体の非反応部分を指し得る。
【0107】
実施形態では、形成される層は、半導体層、ドープ半導体層、誘電体層、または金属層のうちの一つであってもよい。
【0108】
一部の実施形態では、半導体層またはドープ半導体層は、第IV族半導体材料を含んでもよい。
【0109】
一部の実施形態では、半導体層またはドープ半導体層は、第III-N族材料を含んでもよい。
【0110】
一部の実施形態では、半導体層またはドープ半導体層は、第III-V族材料を含んでもよい。
【0111】
実施形態では、誘電体層は、金属酸化物、金属炭化物、または金属窒化物を含んでもよい。
【0112】
本開示の実施形態は、本明細書に添付の特許請求の範囲およびその法的均等物により定義されるため、これらの実施形態は本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内にあることが意図される。互いに異なる本開示の修正は、本明細書に開示されるものに加えて、当業者には明らかとなり得る。こうした修正およびそこから由来する実施形態も、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
【外国語明細書】