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特開2024-22567試験測定装置及び出力電荷量を求める方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022567
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】試験測定装置及び出力電荷量を求める方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20240208BHJP
【FI】
G01R31/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023127200
(22)【出願日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】202221044476
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】18/361,672
(32)【優先日】2023-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェック・シヴァラム
(72)【発明者】
【氏名】ニランジャン・アール・ヘグデ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ・エヌ・エイチ・スリ
(72)【発明者】
【氏名】アビシェック・ナイク
(72)【発明者】
【氏名】シュバ・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ヨゲシュ・エム・パイ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカトラジ・メリーナメイン
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AA01
2G003AB07
2G003AB09
2G003AE06
2G003AF03
2G003AH01
2G003AH04
(57)【要約】
【課題】被試験デバイス(DUT)の出力電荷量Qossを正確に求める。
【解決手段】試験測定装置80は、ディスプレイ/ユーザ・インタフェース72、ユーザ入力部74、DUT68に接続される1つ以上のプローブ69、1つ以上のプロセッサ66を有し、DUT68へのダブル・パルス試験の適用中に測定を行って測定データを作成し、測定開始点を特定し、測定停止点を求め、測定開始点と測定停止点の間の測定データを用いてDUT68の出力電荷量Qossを求め、ユーザに対して出力電荷量をディスプレイ72上で表示する。ドレイン電流の最初のトラフが特定され、測定開始点がドレイン電流の第1ゼロ交差点の時間に設定される。ドレイン電流の第2ゼロ交差点を検出し、第2ゼロ交差点の時間を測定停止点として設定する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ・インタフェースと、
被試験デバイス(DUT)に接続するように構成された1つ以上のプローブと、
1つ以上のプロセッサと
を具え、
該1つ以上のプロセッサが、
上記DUTにダブル・パルス試験を適用中に上記DUTから測定値を取得して測定データを作成する処理と、
上記測定データ内の測定開始点を特定する処理と、
上記測定データ内の測定停止点を見つける処理と、
上記測定開始点と上記測定停止点の間の上記測定データを使用して、上記DUTの出力電荷量Qossを求める処理と、
上記出力電荷量を上記ユーザ・インタフェースに表示する処理と
を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう構成される試験測定装置。
【請求項2】
上記DUTから測定値を取得する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、ドレイン電流の測定値及びロー・サイドのドレイン・ソース間電圧の測定値の中の少なくとも1つを取得する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項1の試験測定装置。
【請求項3】
上記測定データ内の上記測定開始点を特定する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ドレイン電流中の第1トラフを特定する処理と、上記測定開始点を上記ドレイン電流の第1ゼロ交差点の時間に設定する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項2の試験測定装置。
【請求項4】
上記測定データ内の上記測定停止点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ドレイン電流中の第2ゼロ交差点を見つける処理と、該第2ゼロ交差点の時間を上記測定停止点に設定する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項3の試験測定装置。
【請求項5】
上記測定データ内の上記測定停止点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を見つける処理と、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が上記閾値に達する時点を上記測定停止点に設定する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項3の試験測定装置。
【請求項6】
上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ドレイン・ソース間電圧のセトリングの発生を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項5の試験測定装置。
【請求項7】
上記ドレイン・ソース間電圧のセトリングの発生を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、どのセトリングの発生を使用するかを特定する入力をユーザ・インタフェースから受ける処理、又は、最初に発生するセトリングを使用する処理のいずれかを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項6の試験測定装置。
【請求項8】
上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧がピーク・ドレイン・ソース間電圧の所定パーセンテージに達する点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項5の試験測定装置。
【請求項9】
上記1つ以上のプロセッサが、上記測定停止点を選択する入力と、もし上記所定パーセンテージが使用されるなら上記所定パーセンテージを設定する入力とを上記ユーザ・インタフェースを介して受ける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう更に構成される請求項8の試験測定装置。
【請求項10】
上記第1測定開始点と上記第2測定停止点との間の上記測定データを使用する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ドレイン電流を時間について積分してQossを求める処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項1の試験測定装置。
【請求項11】
被試験デバイス(DUT)の出力電荷量を求める方法であって、
上記DUTにダブル・パルス試験を適用中に上記DUTから測定値を取得して測定データを作成する処理と、
上記測定データ内の測定開始点を特定する処理と、
上記測定データ内の測定停止点を見つける処理と、
上記測定開始点と上記測定停止点との間の上記測定データを使用して、上記DUTの出力電荷量Qossを求める処理と、
上記出力電荷量を上記ユーザ・インタフェースに表示する処理と
を具える出力電荷量を求める方法。
【請求項12】
測定値を取得する処理が、ドレイン電流の測定値及びロー・サイドのドレイン・ソース間電圧の測定値の中の少なくとも1つを取得する処理を有する請求項11の出力電荷量を求める方法。
【請求項13】
上記測定データ内の上記測定開始点を特定する処理が、上記ドレイン電流における第1トラフを特定する処理と、上記測定開始点を上記ドレイン電流における第1ゼロ交差点の時間に設定する処理とを有する請求項12の出力電荷量を求める方法。
【請求項14】
上記測定データ内の上記測定停止点を見つける処理が、上記ドレイン電流における第2ゼロ交差点を見つける処理と、上記第2ゼロ交差点の時間を上記測定停止点として設定する処理とを有する請求項13の出力電荷量を求める方法。
【請求項15】
上記測定データ内の上記測定停止点を見つける処理が、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を求める処理と、上記ローサイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する時間を上記測定停止点として設定する処理とを有する請求項12の出力電荷量を求める方法。
【請求項16】
上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を求める処理が、上記ドレイン・ソース間電圧のセトリングの発生を見つける処理、又は、上記ドレイン・ソース間電圧のセトリングのユーザ指定の発生を利用する処理のいずれかを有する請求項15の出力電荷量を求める方法。
【請求項17】
上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を見つける処理が、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧がピーク・ドレイン・ソース間電圧の所定パーセンテージに達した点を見つける処理を有する請求項15の出力電荷量を求める方法。
【請求項18】
少なくとも上記測定停止点の選択を設定する入力と、ユーザが上記ディスプレイ上の関心領域に注釈を付けることを可能にする入力と、もし上記所定パーセンテージが使用される場合には上記所定パーセンテージを設定する入力とをユーザ・インタフェースを介して受ける処理を更に具える請求項17の出力電荷量を求める方法。
【請求項19】
上記測定開始点と上記測定停止点との間の上記測定データを使用する処理が、上記測定開始点と上記測定停止点との間の時間について上記ドレイン電流を積分して上記Qossを求める処理を有する請求項11の出力電荷量を求める方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、試験測定装置及び方法に関するものであり、より詳細には、ワイド・バンド・ギャップ半導体の試験に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー・エレクトロニクスに使用される半導体材料は、シリコンから炭化ケイ素(SiC:シリコン・カーバイド)や窒化ガリウム(GaN)などのワイド・バンド・ギャップ(WBG)半導体に移行している。WBG半導体は、車載用及び産業用アプリケーションにおいて、より高い電力レベルで優れた性能を発揮する。MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)又はIGBT(絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)の試験手順では、通常、ダブル・パルス試験(DPT)法を使用する。DPT試験では、通常、試験対象のパワー・スイッチ・デバイス(DUT)を様々な電流レベルでオン/オフして、あらゆる動作条件で、このデバイスを制御及び測定する。
【0003】
WBGの電力損失を測定するには、デバイスのオン抵抗、静電容量及びゲート電荷パラメータの特性評価を行う必要がある。半導体データ・シートの特性セクションには、通常、デバイスの動的(ダイナミック)特性が記載されている。Qossと呼ばれる出力電荷量は、ボディ・ダイオードを備えたデバイスにとって、重要なパラメータである。
【0004】
出力電荷量の正確な測定は、WBGデバイスのスイッチング速度と、ターン・オン時のSiC MOSFETのボディ・ダイオードの容量性に直接影響するため、最も重要である。逆回復電荷量(Qrr)は、パワー・デバイスの特性の1つであり、ターン・オフ・プロセス中に一掃される蓄積されたバイポーラ電荷量と、出力容量Cossの充電からDCリンク電圧までを制限する容量性寄与分とで構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第11,190,181号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2022/0209650号明細書
【特許文献3】特開2023-67867号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「ドライバーソース端子の効果:ダブルパルス試験による比較」、Tech Web by ローム株式会社、[online]、[2023年8月2日検索]、インターネット<https://techweb.rohm.co.jp/product/power-device/sic/sic-application/10992/>
【非特許文献2】「ダブルパルス試験によるPrestoMOSと通常のSJ MOSFETの損失比較(実測定結果)」、Tech Web by ローム株式会社、[online]、[2023年8月2日検索]、インターネット<https://techweb.rohm.co.jp/product/power-device/si/si-evaluation/16063/>
【非特許文献3】「SiC-MOSFETとは-ボディダイオード特性」、Tech Web by ローム株式会社、[online]、[2023年8月2日検索]、インターネット<https://techweb.rohm.co.jp/product/power-device/sic/sic-basic/6147/>
【非特許文献4】「ソース・メジャー・ユニット」、テクトロニクス/ケースレー、[オンライン]、[2023年8月2日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/keithley/source-measure-units>
【非特許文献5】「AFG31000シリーズ任意波形/ファンクション・ジェネレータ」、テクトロニクス、[オンライン]、[2023年8月2日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/signal-generators/arbitrary-function-generator/afg31000>
【非特許文献6】「オシロスコープ」の紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2023年8月2日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/oscilloscopes>
【非特許文献7】「MOSFET 電気的特性(電荷容量特性)について」、東芝デバイス&スレージ株式会社、[online]、[2023年8月2日検索]、インターネット<https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/faq/mosfet/electrical-characteristics-of-mosfetscharge-characteristic-qg-qg.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、エンジニアは、WBGデバイスの出力電荷量(Qoss)と逆回復電荷量(Qrr)を区別するのが難しいことを理解している。WBGのソリューションは、様々な温度条件で利用されるため、様々な接合部温度でQossを測定する必要性が高まっている。逆電流パルスは、バイポーラ電荷の発振と重畳されるため、回復領域でのセトリング時間が長くなる。図2は、これらのエラーを生じ得るパルスの領域のグラフィカルな表現を示す。
【0008】
従来のソリューションでは、容量性のオーバー・シュートを低減するために、ハイ・サイド・デバイスにゲート抵抗器(Rg)を配置する回路侵襲的な(circuit-invasive:回路に手を加える)方法を採用していた。単純な特性パラメータを決定するために、DUTには、不要な回路要素が追加されることがあり、これは、接合部の不適切なはんだ付けなどのハードウェア・エラーにつながる。
【0009】
その他の推奨事項には、逆回復電流の2番目のパルスでQossを決定することが含まれる。しかし、Qossは、図2に示すように、傾きに基づいて、Qrrから独立させる必要がある。この方法では、WBGデバイスに関する誤ったQossが生じる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の実施形態は、ワイド・バンド・ギャップ半導体デバイスにダブル・パルス試験を適用し、得られた波形を捕捉し、その波形について分析を実行して、デバイスの出力電荷量Qossを決定する。本願の実施形態は、現在のアプローチとは異なり、回路の追加の侵襲なしに、かつ、はるかに正確にこの分析を実行する。
【0011】
ダブル・パルス試験では、試験測定装置がデバイスにターン・オン・パルスを印加するが、これは、必要に応じて調整して、所望のドレイン電流に達するようにできる。次いで、この試験測定装置は、負荷電流に影響を与えないように、第1パルスを短時間でオフにする。次に、試験測定装置は、通常、測定を行うのに十分な長さの第2パルスをデバイスに印可し、次いで、第2パルスをオフにする。
【0012】
被試験デバイス(DUT:device under test)に接続された試験測定装置は、試験中に、DUT特性の測定値を取得する。DUTは、最も正確な測定を可能にするために、この試験を様々な温度で複数回受けても良い。
【0013】
実施形態は、概して、測定データの第1点、即ち、測定開始点と、測定データの第2点、即ち、測定停止点を特定するために、測定データを使用する処理を含む。第2点の決定は、実施形態によって異なるが、第1点は、測定データにおいて第1トラフ(trough:くぼみ、谷)を見出すことでから生じる。一実施形態では、測定データは、ドレイン電流Idである。別の実施形態では、測定データは、ドレイン電流とロー・サイドのドレイン・ソース間電圧Vdsの両方を含む。
【0014】
本願の実施形態は、ダブル・パルス試験の第1パルスで見出される測定値を使用する。ゲート電圧が上昇すると、電流Idが低下し、トラフ(くぼみ、谷)を形成する。試験セットアップのいくつかの実施形態では、電流の第1トラフのサイズは、接合部温度に依存する。蓄積されたバイポーラ電荷による発振は、抵抗、ブロッキング・コンデンサ及び寄生に依存する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、パルス領域を変化させたときの逆電流曲線を示す。
図2図2は、現在のQoss計算に用いる領域をグラフ化したものである。
図3図3は、DPT電源回路における寄生要素の回路図を示す。
図4図4は、第1ドレイン電流逆パルスで計算されたQossの実施形態を示す。
図5図5は、別の試験セットアップを使用してドレイン電流逆パルスで求めたQossを示している。
図6図6は、Vds-thが、Vdspeakの閾値レベルにある場合に、第1ドレイン電流逆パルスで求めたQossを示す。
図7図7は、600VにおけるVdsの接合部温度とピーク逆電流IRRを変化させたIdを用いたQossのプロットである。
図8図8は、800VにおけるVdsの接合部温度とピーク逆電流IRRを変化させたIdを用いたQossプロットを示す
図9図9は、Vds又は600Vの接合部温度とピーク逆電流IRRを変化させるVdsとIdを用いたQossプロットを示している。
図10図10は、800VにおけるVdsの接合部温度とピーク逆電流IRRを変化させるVdsとIdを用いたQossプロットを示す。
図11図11は、オシロスコープにおけるWBG DPTソリューションにおけるQoss設定ページ用のユーザ・インタフェースの実施形態を示す。
図12図12は、試験測定装置の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、パルス領域を変化させたときの逆電流曲線の例を示す。逆電流曲線は、ダブル・パルス試験中にDUTから取得したドレイン電流測定の結果である。曲線10、12、14及び16のそれぞれは、DUTで実行される別々の試験を表している。全ての曲線には、ゼロ交差点20があり、これは、時間におけるパルス関心領域の始まりを定める。ライン22は、曲線10の第2のゼロ交差を示し、ライン24は、曲線14の第2のゼロ交差を表し、ライン26は、曲線16の第2のゼロ交差を表す。
【0017】
図3は、DUTについてダブル・パルス試験(DPT)を実行するための典型的な試験セットアップを示す。ハーフ・ブリッジ構成には、「ハイ・サイド」デバイスと「ロー・サイド」デバイスの2つのスイッチング・デバイスがある。1つのスイッチング・デバイス(通常、ロー・サイド・デバイス)が、被試験デバイス(DUT)であり、2番目のデバイスは、通常、DUTと同じタイプのデバイスである。「ハイ」サイド(上側)のデバイスの誘導性負荷(inductive load)に注意されたい。このインダクタは、通常のデバイス動作に存在する可能性のある回路状態を再現するために使用される。電源又はSMUが、電圧VDDを供給し、任意関数発生器(AFG)又はその他の信号発生器が、パルスを出力してDUTのゲートをトリガし、DUTをオンにして電流の伝導を開始することができる。オシロスコープと適切な電流及び電圧プローブを使用して、DUTから得られる波形を測定できる。
【0018】
ダブル・パルス試験を適用し、測定データを取得するためのプロセスは、以下を含んでもよい。最初に、回路の能動素子に残っている全ての残留電荷を放電する必要がある。一実施形態は、TIVP型などの高い同相除去比(CMRR:common mode rejection ratio)のプローブを用いて、ゲート電圧Vgsを測定する。一実施形態は、校正された差動プローブを用いてドレイン・ソース間電圧Vds及び電流表示抵抗を用いてドレイン電流Idを測定する。
【0019】
一実施形態では、ダブル・パルス試験は、電圧伝搬経路のためにリンギングが発生しないように、正しくソース接続されたゲート電圧を使用してDUTをオンにする。この試験では、ゲート駆動信号のパルス幅を制御してダブル・パルスを生成し、測定値を捕捉する。
【0020】
捕捉した後、オシロスコープのソフトウェアは、ゲート波形を使用して、ダブル・パルス試験の第1パルスの領域を自動的に検出する。Qossアルゴリズムを決定する方法の第1実施形態は、ドレイン電流を使用する。この方法では、電流測定値を信号源(ソース)として使用し、エッジ検出アルゴリズムを使用して最初のトラフ(trough:くぼみ、谷)を見つける。この実施形態では、この方法は、数式1を使用して、データの曲線の下の絶対値の面積を求める。
【数1】
【0021】
数式1において、t1は、電流の第1ゼロ交差時点の時間(立ち下がりゼロ交差時間)、t2は、電流の第2ゼロ交差時点の時間(立ち上がりゼロ交差時間)を表す。この実施形態で求められるQoss値は、複数の電流の大きさ及び接合部温度に関して、最小の分散を有することになる。以下でより詳細に説明する試験及び計測方法には、各電流サンプルについての絶対値演算による計算を有効にするか又は無効にするかを選択できるユーザ・インタフェースがある。
【0022】
図4は、DUTから取られたドレイン電流の測定データを表す曲線30を示す。立ち下がりゼロ交差点は、パルス領域の始まりを定める。本願の方法は、ドレイン電流におけるトラフ(trough:くぼみ、谷)の始まりを特定するエッジ検出プロセスを用いて、この点を特定する。上記の実施形態では、第2点は、第2ゼロ交差点であり、出力電荷量は、ドレイン電流を、これら2点間の時間について積分することで得られる。図5は、2つの異なる曲線32及び34についてのドレイン電流を示す。これらの曲線は、両方とも36においてゼロ交差しており、曲線32は、38において第2ゼロ交差点があり、曲線34は、39において第2ゼロ交差点がある。
【0023】
第2実施形態では、試験測定装置は、第1ゼロ交差点(立ち下がりゼロ交差点)で始まる第1パルス領域を検出する。この実施形態は、ロー・サイドのVdsとIdの両方を使用する。この方法は、第1点を電流の第1ゼロ交差時間が生じる時間に設定する。この方法は、第2点を、Vdsが閾値の大きさVds-thに達する時間として設定する。これらは、数式2に示すように、データの曲線が積分される1番目と2番目の時点になる。
【数2】
【0024】
上述したように、tIdは電流の第1ゼロ交差点の時間であり、tVdsはロー・サイドのVdsが閾値Vds-thに達した時間である。Qossを決定するVdsの閾値は、第1パルス領域において左からVdsのセトリングの最初の発生であっても良い。これに代えて、第1パルス領域におけるVdsのピークのある一定割合としても良い。図6は、Id曲線42及びVds曲線40と、ドレイン電流のゼロ交差点44と、ドレイン・ソース間電圧がそのピークの80%にある点46とを示す。ユーザは、これら2つの点を第1及び第2点に指定するよう構成し、これによって関心領域を指定できる。この試験測定装置は、Vds-thの設定が、高速及び低速スイッチングの試験と、WBG基準設計とに適合できるようにする。実施形態の方法によれば、第1パルス領域の左又は右からVds-thレベルを検出する構成が可能になり、ピークの百分率(パーセンテージ)が使用される場合、閾値として使用されるピーク値の百分率の設定を可能にしても良い。ユーザは、発生するVdsのセトリングのどれを使用するか(最初の発生、最後の発生など)を設定できる。ユーザは、ユーザ・インタフェースを介して入力を行うことになろう。あるいは、システムが、最初の発生を使用する、などのデフォルト設定を有していても良い。
【0025】
上記の実施形態は、2つの時点に依存している。第1時点(測定開始点)と第2時点(測定停止点)は、Qossの決定に使用されるパルス領域を定義する。実施形態は、ゼロ交差時間を第1時点として用いる。通常、これは、立ち下がりゼロ交差点から構成されるが、逆にすることもできる。一実施形態では、第2点は、立ち上がりゼロ交差点から構成される。別の実施形態では、第2点が、Vdsがセトリングする時点、又は、ピーク値の閾値のあるパーセンテージ(百分率)に達する時点のいずれかから構成される。これら点の定義の他の変形例は、特許請求の範囲に含まれる。なお、測定開始時点と測定停止時点は、時間順に発生しても良いし、逆であっても良い。
【0026】
電流Idのみを使用してQossを求める方法の実施形態は、Vdsが様々にセトリングする場合について、図7及び図8に示されるように、変化する電流及び接合部温度に関して、小さな標準偏差内にある複数のQoss値を提供する。図7及び図8に見られるように、Qossは、初期電荷摂取量が多いため、セトリングするVdsが高いほど増加すると予想され、デバイスの物理的特性で確認される。なお、図7図10では、各温度は、同じ参照番号を有する。参照番号50は25°C(図7には示さず)、52は50°C、54は75°C、56は100°C、58は125°C、60は150°C、62は175°Cを示す。
【0027】
別の実施形態では、Vds及びIdを使用してQossを計算する。Vds-thレベルのパラメータは、Vdsのセトリングが最初に発生したときに設定しても良い。また、第1パルス領域におけるVds-thレベルの最初の発生は、数式2に見られるように、積分の停止点を与えるとしても良い。図9及び図10に示すように、計算されたQossの大きさは、分散が小さく、平均付近にある。
【0028】
試験測定の実施形態により、ユーザは、ドレイン電流又はドレイン・ソース間電圧のいずれか、どの信号源を第2点のために使用したいかを設定できると共に、必要に応じてピーク値のパーセンテージ(百分率)を設定できる。図11は、ユーザ・インタフェースの実施形態を示す。このユーザ・インタフェースにより、ユーザは、装置内の1つ以上のプロセッサが実行するプログラムに影響を与えることができ、これにより実施形態の方法を実行できる。図12は、試験測定装置の実施形態を示す。
【0029】
図12は、実施形態の方法を実施するための試験測定装置80の一例のブロック図を示す。試験測定装置80には、プローブ又は接続部69を通してDUT68からの信号を受信できる1つ以上の入力ポート63と、任意の電気信号伝達媒体であっても良い1つ以上の出力ポート64とがある。ポート63、64は、レシーバ、トランスミッタやトランシーバを有していても良い。入力ポート63は、試験されるDUT、MOSFET、パワーMOSFET、WBGデバイス又はその他の物体などの接続されたデバイスから信号を受信するために使用される。出力ポート64は、装置又はDUTに印加される、試験測定装置80から生成された信号を搬送するために使用される。出力信号の例には、波形、定電流及び定電圧が含まれ、被試験デバイスに印可されても良い。各入力ポート63は、試験測定装置80の1つのチャンネルから構成されても良い。入力ポート63は、1つ以上の被試験デバイスからポート63で受信された信号や波形を処理するために、1つ以上のプロセッサ66と結合される。出力ポート64は、プロセッサ66又は適切な出力信号を生成する試験測定装置80内の他のコンポーネントに結合されても良い。図12は、説明を簡潔にするため、1つのプロセッサ66のみを示しているが、当業者であれば理解できるように、単一のプロセッサ66ではなく、様々なタイプの複数のプロセッサ66を組み合わせて使用しても良い。
【0030】
入力ポート63は、試験測定装置80内の測定ユニットにも接続されて良いが、説明を簡潔にするため、ここには描かれていない。このような測定ユニットとしては、入力ポート63を介して受信される信号の電圧、アンペア数、振幅などの特性を測定できる任意のコンポーネントが含まれても良い。出力ポート64は、電圧源、電流源又は波形発生器など、試験測定装置80の様々なコンポーネントにも接続できるが、これらは、説明を簡潔にするため描かれていない。試験測定装置80は、更なる分析のために受信信号を波形に変換するためのコンディショニング回路、アナログ・デジタル・コンバータや他の回路などの追加のハードウェアやプロセッサを含んでもよい。得られた波形は、次いで、メモリ70に記憶することができ、また、ディスプレイ72に表示できる。
【0031】
1つ以上のプロセッサ66は、メモリ70からの命令を実行するように構成されてもよく、本開示技術の実施形態に従って、結合されたデバイスに測定された値を表示するなど、そのような命令によって示される任意の方法や関連するステップを実行しても良い。メモリ70は、プロセッサ・キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ディスク・ドライブ又は他の任意のメモリ形式として実装されても良い。メモリ70は、データ、コンピュータ・プログラム・プロダクト及び他の命令を記憶するための媒体として機能する。
【0032】
ユーザ入力部74は、プロセッサ66に結合されてもよく、また、ユーザが利用可能なキーボード、マウス、トラックボールや他の任意の操作装置を含み、ユーザからの入力を受信するためにディスプレイ72上のグラフィカル・ユーザ・インタフェースと協働する。試験測定装置80のこれらコンポーネントは、試験測定装置80内に統合されているものとして描かれているが、当業者であれば、これらのコンポーネントのいずれもが、試験測定装置80の外部にあっても良く、従来の任意の方法で試験測定装置80に結合できることが理解できよう。
【0033】
このようにして、試験測定装置は、MOSFET、WBG MOSFETなどの被試験デバイスの出力電荷量Qossを正確かつ精密に決定できる。
【0034】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0035】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0036】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0037】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。

実施例
【0038】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0039】
実施例1は、試験測定装置であって、ユーザ・インタフェースと、被試験デバイス(DUT)に接続するように構成された1つ以上のプローブと、1つ以上のプロセッサとを具え、該1つ以上のプロセッサが、上記DUTにダブル・パルス試験を適用中に上記DUTから測定値を取得して測定データを作成する処理と、上記測定データ内の測定開始点を特定する処理と、上記測定データ内の測定停止点を見つける処理と、上記測定開始点と上記測定停止点の間の上記測定データを使用して、上記DUTの出力電荷量Qossを求める処理と、上記出力電荷量を上記ユーザ・インタフェースに表示する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう構成される。
【0040】
実施例2は、実施例1の試験測定装置であって、上記DUTから測定値を取得する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、ドレイン電流の測定値及びロー・サイドのドレイン・ソース間電圧の測定値の中の少なくとも1つを取得する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0041】
実施例3は、実施例2の試験測定装置であって、上記測定データ内の上記測定開始点を特定する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ドレイン電流中の第1トラフ(trough:くぼみ、谷)を特定する処理と、上記測定開始点を上記ドレイン電流の第1ゼロ交差点の時間に設定する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0042】
実施例4は、実施例3の試験測定装置であって、上記測定データ内の上記測定停止点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ドレイン電流中の第2ゼロ交差点を見つける処理と、該第2ゼロ交差点の時間を上記測定停止点に設定する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0043】
実施例5は、実施例3の試験測定装置であって、上記測定データ内の上記測定停止点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を見つける処理と、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が上記閾値に達する時点を上記測定停止点に設定する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0044】
実施例6は、実施例5の試験測定装置であって、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ドレイン・ソース間電圧のセトリングの発生を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0045】
実施例7は、実施例6の試験測定装置であって、上記ドレイン・ソース間電圧のセトリングの発生を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、どのセトリングの発生を使用するかを特定する入力をユーザ・インタフェースから受ける処理、又は、最初に発生するセトリングを使用する処理のいずれかを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0046】
実施例8は、実施例6の試験測定装置であって、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧がピーク・ドレイン・ソース間電圧の所定パーセンテージに達する点を見つける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0047】
実施例9は、実施例8の試験測定装置であって、上記1つ以上のプロセッサが、上記測定停止点を選択する入力と、もし上記所定パーセンテージが使用されるなら上記所定パーセンテージを設定する入力とを上記ユーザ・インタフェースを介して受ける処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう更に構成される。
【0048】
実施例10は、実施例1から9のいずれかの試験測定装置であって、上記第1測定開始点と上記第2測定停止点との間の上記測定データを使用する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記ドレイン電流を時間について積分してQossを求める処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0049】
実施例11は、実施例1から10のいずれかの試験測定装置であって、上記1つ以上のプロセッサが、ユーザがディスプレイ上の関心のある領域に注釈を付けることを可能とする処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するよう更に構成される。
【0050】
実施例12は、被試験デバイス(DUT)の出力電荷量を求める方法であって、上記DUTにダブル・パルス試験を適用中に上記DUTから測定値を取得して測定データを作成する処理と、上記測定データ内の測定開始点を特定する処理と、上記測定データ内の測定停止点を見つける処理と、上記測定開始点と上記測定停止点との間の上記測定データを使用して、上記DUTの出力電荷量Qossを求める処理と、上記出力電荷量を上記ユーザ・インタフェースに表示する処理とを具える。
【0051】
実施例13は、実施例12の方法であって、測定値を取得する処理が、ドレイン電流の測定値及びロー・サイドのドレイン・ソース間電圧の測定値の中の少なくとも1つを取得する処理を有する。
【0052】
実施例14は、実施例13の方法であって、上記測定データ内の上記測定開始点を特定する処理が、上記ドレイン電流における第1トラフ(trough:くぼみ、谷)を特定する処理と、上記測定開始点を上記ドレイン電流における第1ゼロ交差点の時間に設定する処理とを有する。
【0053】
実施例15は、実施例14の方法であって、上記測定データ内の上記測定停止点を見つける処理が、上記ドレイン電流における第2ゼロ交差点を見つける処理と、上記第2ゼロ交差点の時間を上記測定停止点として設定する処理とを有する。
【0054】
実施例16は、実施例13の方法であって、上記測定データ内の上記測定停止点を見つける処理が、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を求める処理と、上記ローサイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する時間を上記測定停止点として設定する処理とを有する。
【0055】
実施例17は、実施例16の方法であって、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を求める処理が、上記ドレイン・ソース間電圧のセトリングの発生を見つける処理、又は、上記ドレイン・ソース間電圧のセトリングのユーザ指定の発生を利用する処理のいずれかを有する。
【0056】
実施例18は、実施例16の方法であって、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧が閾値に達する点を見つける処理が、上記ロー・サイドのドレイン・ソース間電圧がピーク・ドレイン・ソース間電圧の所定パーセンテージに達した点を見つける処理を有する。
【0057】
実施例19は、実施例18の方法であって、少なくとも上記測定停止点の選択を設定する入力と、ユーザが上記ディスプレイ上の関心領域に注釈を付けることを可能にする入力と、もし上記所定パーセンテージが使用される場合には上記所定パーセンテージを設定する入力とをユーザ・インタフェースを介して受ける処理を更に具える。
【0058】
実施例20は、実施例11から19のいずれかの方法であって、上記測定開始点と上記測定停止点との間の上記測定データを使用する処理が、上記測定開始点と上記測定停止点との間の時間について上記ドレイン電流を積分してQossを求める処理を有する。
【0059】
開示された本件の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0060】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0061】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0062】
明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面に開示される全ての機能、並びに開示される任意の方法又はプロセスにおける全てのステップは、そのような機能やステップの少なくとも一部が相互に排他的な組み合わせである場合を除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。明細書、要約書、特許請求の範囲及び図面に開示される機能の夫々は、特に明記されない限り、同じ、等価、又は類似の目的を果たす代替の機能によって置き換えることができる。
【0063】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0064】
63 入力ポート
64 出力ポート
66 プロセッサ
68 被試験デバイス(DUT)
69 プローブ又は接続
70 メモリ
72 ディスプレイ/ユーザ・インタフェース
74 ユーザ入力
80 試験測定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】