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特開2024-23014指標値算出システム、指標値算出方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023014
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】指標値算出システム、指標値算出方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20240214BHJP
【FI】
G06Q10/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126536
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】黒田 清徳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智博
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】再生プラスチック製品のライフサイクルに渡る温室効果ガスの排出量を定量化すること。
【解決手段】工場端末装置130aは、第1取得部901と、第2取得部902と、算出部903と、出力部904とを備える。第1取得部901は、再生プラスチック製品に含まれる成形原料の生成プロセス別の配合比率を取得する。第2取得部902は、前記生成プロセスに応じた環境負荷の指標値を示すプロセス指標値をそれぞれ取得する。算出部903は、前記配合比率と前記プロセス指標値とに基づいて、前記再生プラスチック製品の製造に係る環境負荷の指標値を示す生成指標値を算出する。出力部904は、前記生成指標値と、前記再生プラスチック製品を示す製品情報とに基づく製品指標値情報を出力する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生プラスチック製品に含まれる成形原料の生成プロセス別の配合比率を取得する第1取得部と、
前記生成プロセスに応じた環境負荷の指標値を示すプロセス指標値をそれぞれ取得する第2取得部と、
前記配合比率と前記プロセス指標値とに基づいて、前記再生プラスチック製品の製造に係る環境負荷の指標値を示す生成指標値を算出する算出部と、
前記生成指標値と、前記再生プラスチック製品を示す製品情報とに基づく製品指標値情報を出力する出力部と、
を備える指標値算出システム。
【請求項2】
前記生成プロセスは、
回収品の機能層を除去する第1生成プロセスと、
回収品の機能層を除去しない第2生成プロセスと、
製造段階における端材を用いる第3生成プロセスと、
バージン原料を用いる第4生成プロセスと、
のうち、少なくとも1つ含む、
請求項1に記載の指標値算出システム。
【請求項3】
前記第1生成プロセスは、機能層の除去の態様に応じた異なる除去プロセスを含み、
前記プロセス指標値は、前記除去プロセスに応じた値である、
請求項2に記載の指標値算出システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記製品指標値情報を、ブロックチェーンによって情報を管理する他の装置に出力する、
請求項1または2に記載の指標値算出システム。
【請求項5】
情報処理装置のコンピュータが、
再生プラスチック製品に含まれる成形原料の生成プロセス別の配合比率を取得する第1取得ステップと、
前記生成プロセスに応じた環境負荷の指標値を示すプロセス指標値をそれぞれ取得する第2取得ステップと、
前記配合比率と前記プロセス指標値とに基づいて、前記再生プラスチック製品の製造に係る環境負荷の指標値を示す生成指標値を算出する算出ステップと、
前記生成指標値と、前記再生プラスチック製品を示す製品情報とに基づく製品指標値情報を出力する出力ステップと、
を含む処理を実行する指標値算出方法。
【請求項6】
コンピュータを指標値算出システムとして機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
再生プラスチック製品に含まれる成形原料の生成プロセス別の配合比率を取得する第1取得部、
前記生成プロセスに応じた環境負荷の指標値を示すプロセス指標値をそれぞれ取得する第2取得部、
前記配合比率と前記プロセス指標値とに基づいて、前記再生プラスチック製品の製造に係る環境負荷の指標値を示す生成指標値を算出する算出部、
前記生成指標値と、前記再生プラスチック製品を示す製品情報とに基づく製品指標値情報を出力する出力部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指標値算出システム、指標値算出方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、廃プラスチックのリサイクル(再利用)の必要性が高まっている。廃プラスチックフィルムをリサイクルするにあたっては、回収したプラスチックフィルムを素材ごとに分けることが行われる。例えば、基材フィルムに積層された機能層を基材フィルムから除去することが行われる。関連する技術として、使用済みフィルムに含有する不純物の量を測定し、マテリアルリサイクルを行う再利用方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、近年では、温室効果ガスの削減を目的として、商品やサービスの原材料調達から廃棄やリサイクルに至るまでの全工程(ライフサイクル)を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO(二酸化炭素)に換算して、商品やサービスに表示する取り組み(CFP:Carbon Footprint of Products)が行われている。CFPでは、LCA(Life Cycle Assessment)手法が用いられ、環境負荷が定量的に算定される。LCAは、製品の資源採取から原材料製造、加工、組立、製品使用、さらに廃棄にいたるまでの全工程(ライフサイクル)における環境負荷を総合して、科学的、定量的、客観的に評価する手法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-115862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、再生プラスチック製品に係る環境負荷(LCA)を定量化することができず、さらには、再生プラスチック製品のライフサイクルに渡る温室効果ガスの排出量を定量化することができない、といった問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、再生プラスチック製品に係る環境負荷を定量化し、さらには、再生プラスチック製品のライフサイクルに渡る温室効果ガスの排出量を定量化することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である指標値算出システムは、再生プラスチック製品に含まれる成形原料の生成プロセス別の配合比率を取得する第1取得部と、前記生成プロセスに応じた環境負荷の指標値を示すプロセス指標値をそれぞれ取得する第2取得部と、前記配合比率と前記プロセス指標値とに基づいて、前記再生プラスチック製品の製造に係る環境負荷の指標値を示す生成指標値を算出する算出部と、前記生成指標値と、前記再生プラスチック製品を示す製品情報とに基づく製品指標値情報を出力する出力部と、を備える指標値算出システムである。
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である指標値算出方法は、情報処理装置のコンピュータが、再生プラスチック製品に含まれる成形原料の生成プロセス別の配合比率を取得する第1取得ステップと、前記生成プロセスに応じた環境負荷の指標値を示すプロセス指標値をそれぞれ取得する第2取得ステップと、前記配合比率と前記プロセス指標値とに基づいて、前記再生プラスチック製品の製造に係る環境負荷の指標値を示す生成指標値を算出する算出ステップと、前記生成指標値と、前記再生プラスチック製品を示す製品情報とに基づく製品指標値情報を出力する出力ステップと、を含む処理を実行する指標値算出方法である。
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるプログラムは、コンピュータを指標値算出システムとして機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、再生プラスチック製品に含まれる成形原料の生成プロセス別の配合比率を取得する第1取得部、前記生成プロセスに応じた環境負荷の指標値を示すプロセス指標値をそれぞれ取得する第2取得部、前記配合比率と前記プロセス指標値とに基づいて、前記再生プラスチック製品の製造に係る環境負荷の指標値を示す生成指標値を算出する算出部、前記生成指標値と、前記再生プラスチック製品を示す製品情報とに基づく製品指標値情報を出力する出力部、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、再生プラスチック製品に係る環境負荷を定量化し、さらには、再生プラスチック製品のライフサイクルに渡る温室効果ガスの排出量を定量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るリサイクルシステム1の各工程の一例を示す説明図である。
図2】ブロックチェーンのシステム構成の一例を示すブロック図である。
図3】工場端末装置130のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】リサイクルシステム1で行われる各工程の一例を示すフローチャートである。
図5】環境指標値DB121の一例を示す説明図である。
図6】リサイクル原料工程18において回収したフィルムのスキームを示す説明図である。
図7】素材メーカー151における各工程の詳細を示す説明図である。
図8】再生ポリエステルフィルムの生成プロセス別のプロセスLCAを示すプロセスLCAテーブル800の一例を示す図である。
図9】素材メーカー151の工場端末装置130aの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図10】再生ポリエステルフィルムのプロセス別の配合比率を示す配合比率テーブル1000の一例を示す図である。
図11】素材メーカー151の工場端末装置130aが行う製造LCAの算出処理の一例を示すフローチャートである。
図12】再生ポリエステルフィルムの生成LCAテーブル1200の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態の指標値算出システム、指標値算出方法、およびプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
【0013】
まず、本実施形態に用いるプラスチックについて説明する。
<プラスチック>
本実施形態で用いるプラスチック製品、および再生プラスチック製品の原料となる樹脂の種類を以下に例示する。
ポリエステル、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂(アラミド系樹脂を含む)、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、および、フッ素系樹脂等。
これらの樹脂は、1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0014】
これらのうち、ポリエステルを含むことが好ましい。また、ポリエステルの種類は、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合した種類である。
【0015】
ジカルボン酸成分は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-カリウムスルホテレフタル酸、5-スルホイソフタル酸ナトリウム、アジピン酸、ダイマー酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、およびコハク酸等である。
ジカルボン酸成分には、トリメリット酸およびトリメシン酸等のトリカルボン酸、並びにピロメリット酸等のテトラカルボン酸を用いることができる。
さらに、ジカルボン酸成分には、ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、例えば、無水フタル酸および無水トリメリット酸等の酸無水物、並びにトリメリット酸モノカリウム等のカルボン酸塩等も用いることができる。
【0016】
ジオール成分は、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオ-ル、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオ-ル、2-メチル-1,5-ペンタンジオ-ル、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノ-ル、p-キシリレングリコール、ビスフェノールA-エチレングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ-ル、ポリプロピレングリコ-ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、スピログリコール、イソソルバイド、およびジメチロールプロピオン酸、並びにジメチロールプロピオン酸カリウム等である。ジオール成分には、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールを用いることもできる。
上記化合物の中から、それぞれ適宜1種以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステルを合成すればよい。
【0017】
また、ポリエステルは、植物由来の原料から得られたバイオマスポリエステル、例えばバイオマス由来のエチレングリコールを、ジオール成分として用いたポリエステルを含んでもよい。
なお、本実施形態において、ジカルボン酸成分を100モル%としたときに、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸を50%以上含有するポリエステルを使用することが好ましい。
【0018】
ポリエステルは、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルの場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。中でも、芳香族ジカルボン酸には、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸がより好ましく、脂肪族グリコールには、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノ-ルがより好ましい。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を例示することができ、汎用性の観点からはPETがより好ましい。
【0019】
一方、ポリエステルが共重合ポリエステルの場合は、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分の主成分となる化合物、および、ジオール成分の主成分となる化合物以外の第3成分を共重合成分として含む。例えば、第3成分とは、PETでは、テレフタル酸およびエチレングリコール以外の成分である。主成分および第3成分であるジカルボン酸およびジオールの具体例は上述したとおりである。
【0020】
プラスチック製品および再生プラスチック製品は、例えば、フィルムやボトルである。再生プラスチック製品は、ボトル トゥ フィルムのように、異なる形態へのリサイクル(再生)であってもよい。具体的には、プラスチック製品および再生プラスチック製品は、元のプラスチック製品の形態をボトルとし、再生プラスチック製品の形態をフィルムとしたリサイクルであってもよい。本実施形態において、プラスチック製品および再生プラスチック製品は、例えば、フィルムであり、より具体的には、ポリエステルフィルムとする。
【0021】
なお、原料となる樹脂からフィルムなどの所定の形へ成形する加工方法については、一般的な方法を用いればよい。
【0022】
<本実施形態に係るリサイクルシステム1の各工程>
図1は、本実施形態に係るリサイクルシステム1の各工程の一例を示す説明図である。リサイクルシステム1は、指標値算出システムの一例である。図1に示すように、リサイクルシステム1は、工程11~18を含む。
【0023】
原料工程11は、新しい原料を合成して素材(成形原料、バージン原料)を製造する工程である。
成形工程12は、原料工程11で製造された素材を用いて、フィルム状の成形体を成形する工程である。成形工程12は、成形時に機能層を設ける工程(1次加工工程)も含む。また、成形工程12では、機能層を設けない場合もある。なお、成形工程12において、素材を組み合わせることも可能である。
【0024】
部材工程13は、成形体を部材へと加工する工程である。部材は、例えば、ポリエステルフィルムと他のフィルムとを重ね合わせて製造される。部材工程13は、製造した成形体に、さらに機能層を設ける工程(2次加工工程)も含む。
最終製品工程14は、部材を用いて最終消費者に提供される製品を製造する工程である。例えば、最終製品工程14では、部材工程13において製造された部材が最終製品に取り付けられたり組み込まれたりする。
なお、部材工程13から最終製品工程14の段階で、破棄されるフィルム(例えば離型フィルム等)を回収して、後述するリサイクル原料工程18に直接移ってもよい。
【0025】
消費工程15は、最終製品が消費者によって消費される工程である。
ゴミ回収工程16は、消費された最終製品がゴミとして回収される工程である。
分別工程17は、回収した最終製品を分解して得られたプラスチックを分別する工程である。
リサイクル原料工程18は、分別工程17において分別されたプラスチックをリサイクル原料に加工して、廃プラスチックの成形原料(リサイクル原料)を生成する工程である。リサイクル原料工程18を終えると、成形工程12に移り、以降、リサイクルシステム1では、成形工程12~リサイクル原料工程18を繰り返すことが可能である。なお、成形工程12では、バージン原料とリサイクル原料との両方の成形原料を用いて、成形体を製造することが可能である。
【0026】
(ブロックチェーンのシステム構成)
図2は、ブロックチェーンのシステム構成の一例を示すブロック図である。図2において、ブロックチェーン100は、再生プラスチック製品の全工程(ライフサイクル)における環境指標値(LCA:Life Cycle Assessment)を管理する。近年では、温室効果ガスの削減を目的として、商品やサービスの原材料調達から廃棄やリサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO(二酸化炭素)に換算して、商品やサービスに表示する取り組み(CFP:Carbon Footprint of Products)が行われている。また、CFPでは、LCA手法が用いられ、環境負荷が定量的に算定される。LCAは、製品の資源採取から原材料製造、加工、組立、製品使用、さらに廃棄にいたるまでの全工程(ライフサイクル)における環境負荷を総合して、科学的、定量的、客観的に評価する手法である。
【0027】
ブロックチェーン100は、ネットワーク110と、ノードサーバ120(120a~120d)と、工場端末装置130(130a~130d)と、ネットワーク140とを備える。ネットワーク110は、複数のコンピュータ間で通信をおこなうP2P(Peer to Peer)ネットワークである。なお、図示においてノードサーバ120は、説明の便宜上4台を示しているが、実際にはこれよりも多くの台数である。
【0028】
ネットワーク110は、例えば、Peerとよばれる端末(ノードサーバ120)によって構成される。このブロックチェーン100では、クライアント・サーバ型でいうサーバに相当する存在がないため、特定のPeerが切断しても、サービスの提供は止まらない。このように、ブロックチェーン100は、参加者それぞれが平等な立場であることから、「非中央集権的な」システムであるといえる。
【0029】
ノードサーバ120は、ブロックチェーン100のコンセンサスアルゴリズムで、取引について検証・合意の形成をおこなうことができる。ブロックチェーン100では、ネットワーク110内で発生した一定の時間、一定の量の取引データ(トランザクション)をブロックに格納する。そして、生成したブロックを、その時点で存在する最も新しいブロックの後ろにつなげて蓄積していく。その結果、ブロック同士が時系列順にチェーン(鎖)のように連結していく。
【0030】
具体的に説明すると、ブロックチェーン100の各ブロックには、取引データ(例えば、環境指標値)のほかに、ハッシュ値と、ナンス値とが含まれている。ハッシュ値は、一方向にしか変換できない不規則な文字列であり、ハッシュ関数を用いたアルゴリズムによって元のデータから求められる。ある取引データからは同じハッシュ値のみが得られる。そして、新しいブロックには必ず前のブロックの取引データがハッシュ値として記録されていく。ナンス値は一度だけ使われる数字である。ナンス値は、後続するブロックで使用されるハッシュ値を変化させる。
【0031】
このため、仮に、過去のある時点に生成したブロック内の取引データを改ざんしたとすると、そのブロックから求められるハッシュ値が正規のものとは異なることになる。改ざんを行うには、全ブロックのハッシュ値を変更しなければならない。このようなハッシュ値の変更を行うことは、事実上不可能に近い。このため、ブロックチェーン100は、改ざんの耐性に優れた構造を有する。
【0032】
各ノードサーバ120は、それぞれ環境指標値を記憶する環境指標値DB(データベース)121を記憶する。環境指標値DB121は、再生ポリエステルフィルムの製造から廃棄に至るまでの各工程11~18(図1)で発生するLCAや、全工程11~18のLCAの合計を環境指標値として記憶する。
【0033】
ノードサーバ120のうち、いずれかのノードサーバ120(例えば、図2においては、ノードサーバ120c)の下には、インターネットなどのネットワーク140を介して、工場端末装置130が、ぶら下がる形で接続されている。
【0034】
工場端末装置130は、各工程(例えば、図1の工程11~14、18)において作業スタッフが操作する情報処理装置である。工場端末装置130は、所定のアプリケーションプログラム(指標値算出プログラム)がインストールされている。工場端末装置130は、所定のアプリケーションを用いて、作業スタッフから環境指標値などの登録操作を受け付ける。工場端末装置130は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末など、ネットワーク140に有線または無線で接続可能な情報処理装置である。
【0035】
工場端末装置130aは、素材メーカー151に配置される。具体的には、工場端末装置130aは、例えば、素材メーカー151における各工程(原料工程11、成形工程12、およびリサイクル原料工程18)が行われる製造現場に配置される。
工場端末装置130bは、部材メーカー152に配置される。具体的には、工場端末装置130bは、例えば、部材メーカー152における部材工程13が行われる製造現場に配置される。
工場端末装置130cは、最終製品メーカー153に配置される。具体的には、工場端末装置130cは、例えば、最終製品メーカー153における最終製品工程14が行われる製造現場に配置される。
工場端末装置130dは、分別会社154に配置される。具体的には、工場端末装置130dは、例えば、分別会社154における分別工程17が行われる作業現場に配置される。
【0036】
(工場端末装置130のハードウェア構成)
図3は、工場端末装置130のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3において、工場端末装置130(130a~130d)は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、入力デバイス303と、通信I/F(インタフェース)304と、記憶媒体I/F305と、ディスプレイ306とを備える。また、各構成部301~306は、バス320によってそれぞれ接続される。
【0037】
CPU301は、工場端末装置130の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどを含む。メモリ302は、各種プログラムを記憶する。各種プログラムは、本実施形態に係る指標値算出プログラムを含む。RAMは、CPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0038】
入力デバイス303は、タッチパネル、キーボード、マウス、マイクなどを含む。
通信I/F304は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置に接続される。通信I/F304は、ネットワーク140と自装置内部とのインタフェースを司り、他の装置(例えば、ノードサーバ120や、他の工場端末装置130など)からのデータの入出力を制御する。通信I/F304には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0039】
記憶媒体I/F305は、CPU301の制御にしたがって、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスクなど不図示の記憶媒体に対するデータのリード、ライトを制御する。
ディスプレイ306は、画像を表示する出力デバイスである。なお、工場端末装置130は、ディスプレイ306のほかにも、出力デバイスとして、マイクやプリンタを備えてもよい。
【0040】
(リサイクルシステム1で行われる各工程の一例)
図4は、リサイクルシステム1で行われる各工程の一例を示すフローチャートである。図4に示すように、リサイクルシステム1において、まず、プラスチック製品(ポリエステルフィルム)を製造する製造工程が行われる(ステップS401)。製造工程における成形原料は、バージン原料とリサイクル原料とを含む。また、製造工程は、原料工程11と、成形工程12と、部材工程13と、最終製品工程14と、リサイクル原料工程18とを含む。
【0041】
最終製品まで完成すると、商品が流通し、消費工程15が行われる(ステップS402)。そして、製品がユーザに使用されて使用済みになると、ゴミ回収工程16が行われる(ステップS403)。回収された製品は、廃プラスチック品(廃ポリエステルフィルム)に分解され、さらにこれらを分別する分別工程17が行われる(ステップS404)。そして、分別された廃ポリエステルフィルムは、再度、ステップS401の製造工程に用いられる。このように、リサイクルシステム1では、ステップS401~S404の各工程が繰り返され、ポリエステルフィルムを再利用することが可能になっている。
【0042】
(ノードサーバ120に記憶される環境指標値DB121の一例)
図5は、環境指標値DB121の一例を示す説明図である。図5に示すように、環境指標値DB121は、「製品情報」と、「工程」と、「LCA」との項目を含む。
「製品情報」は、再生ポリエステルフィルムを特定することが可能な情報であり、例えば、製品名を示す情報や、製品を識別する識別情報である。
「工程」は、図1に示した8つの各工程11~18を示す。
「LCA」は、各工程11~18のLCAと、「全工程」に対応する合計のLCAとを示す。各工程におけるLCAは、再生ポリエステルフィルムの製造時に生じる電力や蒸気等のユーティリティに起因するLCAや、輸送に起因するLCAを含む。各工程11~18におけるLCAは、それぞれの工場端末装置130a~130dに入力されて、ブロックチェーン100によって管理される。「全工程」に対応する合計のLCAは、ノードサーバ120または工場端末装置130によって算出される。
【0043】
図示では、合計のLCAは、全工程11~18におけるLCAの合計を示している。ただし、再生プラスチック製品について着目すると、原材料の調達がリサイクル原料工程18となり、すなわち、合計のLCAの算出起点がリサイクル原料工程18となる。以下において、再生プラスチック製品の製造に関しては、リサイクル原料工程18をLCAの算出起点として説明する。なお、リサイクルされずに廃棄される物品は、分別工程17の後に、そのまま廃棄される。この場合、廃棄に係るLCAが合計のLCAに加えられることになる。
【0044】
(回収したフィルムのスキームについて)
図6は、リサイクル原料工程18において回収したフィルムのスキームを示す説明図である。図6に示す回収過程600および機能層除去過程620は、リサイクル原料工程18に含まれる。回収過程600は、分別工程17において分別された回収フィルム601(ポリエステルフィルム)を取得する過程である。
【0045】
(自社品611と他社品612との分類)
回収フィルム601は、自社品611と他社品612とに分類される。自社品611と他社品612とは、例えば、元素分析によって分類される。元素分析とは、ポリエステルフィルムに用いられる重合触媒(種類や含有量)の分析や、ポリエステルフィルムの製膜時に含有される表層の粒子の分析や、コート層の分析などである。本実施形態において、他社品612は、トレーサビリティや含有化学物質の保証が困難であることから、リサイクル原料に用いられないこととする。
【0046】
(プレーン品621とコート品622との分類)
自社品611は、プレーン品621とコート品622とに分類される。プレーン品621は、機能層(コート層)を含まないフィルムである。コート品622は、機能層を含む機能層付きフィルムである。機能層付きフィルムは、そのままリサイクル原料に用いたとすると、機能層の組成によっては、機能層に含まれる化合物による異臭や異物化の懸念がある。また、品質の高い用途へ適用するためには、機能層の組成によっては、機能層を除去することが必要になる。
【0047】
そこで、機能層除去過程620では、コート品622の機能層を適宜除去するようにしている。機能層は、例えば、IR(Infrared absorption spectrometry:赤外吸収分光法)によって分析可能である。当該分析の結果に基づいて、機能層除去過程620における除去態様を判別することが可能である。機能層除去過程620は、機能層の除去の態様に応じた異なる除去過程(除去プロセス)を含む。機能層の除去の態様は、物理的除去や洗浄除去の各態様を含む。物理的除去は、例えば、擦過や研磨により機能層を剥がすことによって機能層を除去する態様である。洗浄除去は、例えば、洗浄剤を用いることにより、フィルム界面を膨潤剥離させることによって機能層を除去する態様である。
【0048】
(ホモPET631と共重合PET632との分類)
プレーン品621と、コート品622のうち機能層が除去された基材とは、ホモPET631と共重合PET632とに分類される。ホモPET631と共重合PET632とは、例えば、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)による有機構造解析の解析結果に基づいて分類される。
【0049】
(光学用と工業用との分類)
ホモPET631は、光学用641と工業用642とに分類される。共重合PET632は、光学用643と工業用644とに分類される。光学用641、643は、透明性が求められる。工業用642、644は、表面の平滑性が求められる。光学用641と工業用642との分類、および、光学用643と工業用644との分類は、いずれも、ヘーズ(光の散乱度合い)や、表面の粗さに基づいて分類される。
【0050】
(素材メーカー151における各工程の詳細)
図7は、素材メーカー151における各工程(工程11、12、18)の詳細を示す説明図である。図7に示す各工程では、それぞれLCAが発生する。これについて、具体的に説明する。
【0051】
(原料工程11について)
図7において、原料工程11は、PET原料過程701を含む。PET原料過程701は、不図示の原料製造過程とチップ製造過程とを含む。
原料製造過程では、テレフタル酸の製造や、エチレングリコールの製造が行われる。原料製造過程では、これらの製造に係る電気や蒸気等のユーティリティに応じたLCAが発生する。
チップ製造過程は、原料製造過程において製造された原料の輸送と、PETチップの製造とを含む。チップ製造過程では、原料の輸送に応じたLCAや、PETチップの製造に係る電気や蒸気等のユーティリティに応じたLCAが発生する。
【0052】
(成形工程12について)
成形工程12は、PETフィルム過程711と、機能層付きPETフィルム過程712とを含む。
PETフィルム過程711は、プレーンフィルムを成形する過程であり、例えば、ペットチップの投入、PETチップの配合、押出、縦延伸、横延伸などの各成形過程を含む。
PETフィルム過程711では、各成形過程に係る電気や蒸気等のユーティリティに応じたLCA(成形LCA)が発生する。
機能層付きPETフィルム過程712は、機能層付きフィルムを成形する過程であり、例えば、プレーンフィルムに機能層を積層するために、離型剤の付与などの各成形過程を含む。
機能層付きPETフィルム過程712では、各成形過程に係る電気や蒸気等のユーティリティに応じたLCA(成形LCA)が発生する。
機能層付きフィルムを成形する場合には、機能層付きPETフィルム過程712を経るため、プレーンフィルムを成形する場合に比べて高い成形LCAが発生する。
【0053】
(リサイクル原料工程18について)
リサイクル原料工程18は、回収過程600(図6)と、機能層除去過程620(図6)と、再生PET原料過程721とを含む。
回収過程600では、回収フィルム601を取得するための輸送に応じたLCAが発生する。
機能層除去過程620では、物理的除去や洗浄除去といった除去過程に応じたLCAが発生する。
再生PET原料過程721では、回収したフィルムまたは回収して機能層を除去したフィルムを粉砕して、リサイクル原料(フレークおよび/またはチップ)の生成が行われる。再生PET原料過程721では、リサイクル原料の生成に係る電気や蒸気等のユーティリティに応じたLCAが発生する。
【0054】
なお、図7に示したように、本実施形態では、リサイクル原料工程18においてLCAの算出対象とする工程を、回収過程600と、機能層除去過程620と、再生PET原料過程721とするが、これに限らない。例えば、図6に示した自社品611と他社品612とに分類する工程において使用される電気や蒸気等のユーティリティが発生する場合には、当該ユーティリティに応じたLCAを含めるようにしてもよい。同様に、プレーン品621とコート品622との分類や、ホモPET631と共重合PET632との分類や、光学用641、643と工業用642、644との分類についても、各分類においてユーティリティが発生する場合には、当該ユーティリティに応じたLCAを含めるようにしてもよい。
【0055】
(再生ポリエステルフィルムの生成プロセス別のプロセスLCAについて)
図8は、再生ポリエステルフィルムの生成プロセス別のプロセスLCAを示すプロセスLCAテーブル800の一例を示す図である。プロセスLCAテーブル800は、例えば、素材メーカー151の工場端末装置130aに記憶される。
【0056】
図8に示すように、プロセスLCAテーブル800は、「製品情報」と、「原料種別」と、「生成プロセス」と、「プロセスLCA」との項目を含む。
「製品情報」は、「A001」を示す。なお、図示では、再生ポリエステルフィルムの一例として、「A001」を示すが、「A002」など他の再生ポリエステルフィルムについても、プロセスLCAテーブル800と同様の項目を備えるプロセスLCAテーブルが用意されている。
「原料種別」は、成形原料の種別を示し、具体的には、バージン原料と、リサイクル原料(プレーンフィルムと、機能層付きフィルムとの各種別)を含む。バージン原料の原料種別は、再生ポリエステルフィルムの生成において、バージン原料が用いられることを示す。リサイクル原料(プレーンフィルム)の原料種別は、再生ポリエステルフィルムの生成において、プレーンフィルムがリサイクル原料に用いられることを示す。リサイクル原料(機能層付きフィルム)の原料種別は、再生ポリエステルフィルムの生成において、機能層付きフィルムがリサイクル原料に用いられることを示す。
「生成プロセス」は、成形する再生ポリエステルフィルムに用いられる原料の生成に係る過程を示す。
「プロセスLCA」は、「生成プロセス」に応じた環境負荷の指標値であり、具体的には、再生ポリエステルフィルムの原料の生成において発生したLCAを示す。
以下に、本実施形態に係る生成プロセス1~7について具体的に説明する。
【0057】
(生成プロセス1)
生成プロセス1は、「バージン原料」の原料種別に含まれる。生成プロセス1は、PET原料過程701(図7)においてPET原料(バージン原料)を生成するプロセスを示す。生成プロセス1には、プロセスLCAが対応付けられている。以下に、説明する生成プロセス2~7についても、それぞれ、プロセスLCAが対応付けられている。生成プロセス1では、再生PET原料過程721(原料製造過程およびチップ製造過程)が含まれため、他の生成プロセス2~7と比較すると、最も高いLCAが発生する。なお、生成プロセス1は、第4生成プロセスの一例である。
【0058】
(生成プロセス2)
生成プロセス2は、「プレーンフィルム」の原料種別に含まれる。生成プロセス2は、プレーンフィルムの系内再利用を示しており、具体的には、先のPETフィルム過程711(図7)において成形したものの、端材などの製品化できないPETフィルム(プレーンフィルム)を、再度、PETフィルム過程711に用いるプロセスを示す。なお、生成プロセス2は、第3生成プロセスの一例である。
【0059】
(生成プロセス3)
生成プロセス3は、「プレーンフィルム」の原料種別に含まれる。生成プロセス3は、回収過程600(図7)において回収されたプレーンフィルムを用いて、再生PET原料過程721(図7)においてリサイクル原料として生成するプロセスを示す。生成プロセス3では、再生PET原料過程721が含まれるため、生成プロセス2と比較すると、高いLCAが発生する。なお、生成プロセス3は、第2生成プロセスの一例である。
【0060】
(生成プロセス4)
生成プロセス4は、「機能層付きフィルム」の原料種別に含まれる。生成プロセス4は、機能層付きフィルムの系内再利用を示しており、具体的には、先の再生PET原料過程721(図7)において成形したものの、端材など製品化できない機能層付きPETフィルム(端材等)を、再度、PETフィルム過程711や再生PET原料過程721に用いるプロセスを示す。なお、生成プロセス4は、第3生成プロセスの一例である。
【0061】
(生成プロセス5)
生成プロセス5は、「機能層付きフィルム」の原料種別に含まれる。生成プロセス5は、回収過程600(図7)において回収された機能層付きフィルムを用いて、再生PET原料過程721(図7)においてリサイクル原料として生成するプロセスを示す。生成プロセス5では、再生PET原料過程721が含まれるため、生成プロセス4と比較すると、高いLCAが発生する。なお、生成プロセス4は、第2生成プロセスの一例である。
【0062】
(生成プロセス6)
生成プロセス6は、「機能層付きフィルム」の原料種別に含まれる。生成プロセス6は、回収過程600(図7)において回収された機能層付きフィルムを用いて、機能層除去過程620(図7)において機能層を物理的除去によって除去して、再生PET原料過程721(図7)においてリサイクル原料として生成するプロセスである。生成プロセス6では、機能層除去過程620が含まれるため、生成プロセス5と比較すると、高いLCAが発生する。なお、生成プロセス6は、第1生成プロセスの一例である。
【0063】
(生成プロセス7)
生成プロセス7は、「機能層付きフィルム」の原料種別に含まれる。生成プロセス7は、回収過程600(図7)において回収された機能層付きフィルムを用いて、機能層除去過程620(図7)において機能層を洗浄除去によって除去して、再生PET原料過程721(図7)においてリサイクル原料を生成するプロセスである。生成プロセス7では、機能層除去過程620が含まれるため、生成プロセス5と比較すると、高いLCAが発生する。なお、生成プロセス7は、第1生成プロセスの一例である。
【0064】
なお、本実施形態では、機能層の除去態様は、物理的除去と洗浄除去とを示すが、これらに限らない。機能層の除去態様は、例えば、物理的除去および洗浄除去の両方の除去態様を含んでもよいし、物理的除去および洗浄除去以外の他の除去態様を含んでもよい。
【0065】
(素材メーカー151の工場端末装置130aの機能的構成の一例)
図9は、素材メーカー151の工場端末装置130aの機能的構成の一例を示すブロック図である。工場端末装置130aは、第1取得部901と、第2取得部902と、算出部903と、出力部904とを含む。各機能部は、CPU301によって実現される。すなわち、メモリ302に記憶される指標値算出プログラムをCPU301が実行することにより、各機能部の機能を実現する。
【0066】
本実施形態に係る工場端末装置130a(算出部903)は、ポリエステルフィルムの製造に係る全体のLCA(製造LCA)を算出する。製造LCAは、成形工程12において発生する成形LCAと、原料の生成プロセスにおいて発生する生成LCAとを含む。なお、生成LCAは、図7の原料工程11のLCAとリサイクル原料工程18のLCAとの合計に対応するLCAである。
【0067】
成形LCAは、同一の製品であれば、原料種別や成形原料の配合比率にかかわらず、ほぼ同じ値である。成形LCAは、既知の値であるものとする。一方で、生成LCAは、原料の配合比率に応じて異なる値となる。
【0068】
生成LCAの算出にあたり、第1取得部901は、配合比率テーブル1000(図10)を参照し、上記の生成プロセス別の配合比率を取得する。なお、第1取得部901は、配合比率テーブル1000から配合比率を取得することに限らず、例えば、製造する製品ごとに作業スタッフから配合比率を受け付けるようにし、受け付けた配合比率を取得してもよい。ここで、図10に示す生成プロセス別の配合比率について説明する。
【0069】
(再生ポリエステルフィルムの生成プロセス別の配合比率について)
図10は、再生ポリエステルフィルムの生成プロセス別の配合比率を示す配合比率テーブル1000の一例を示す図である。配合比率テーブル1000は、例えば、素材メーカー151の工場端末装置130aに記憶される。図10に示すように、配合比率テーブル1000は、「製品情報」と、「生成プロセス別の配合比率」との項目を含む。
【0070】
「製品情報」は、「A001」を示す。なお、図示では、再生ポリエステルフィルムの一例として、「A001」を示すが、「A002」など他の再生ポリエステルフィルムについても、配合比率テーブル1000と同様の項目を備える配合比率テーブルが用意されている。
「生成プロセス別の配合比率」は、図8に示した生成プロセス1~7において生成された成形原料の配合比率を示す。図示では、「A001」の製品について、以下のような成形原料の配合比率を示す。
・生成プロセス1(バージン原料):30%。
・生成プロセス2(プレーンフィルムの系内再生):5%。
・生成プロセス3(プレーンフィルムのリサイクル原料):20%。
・生成プロセス4(機能層付きフィルムの系内再生):5%。
・生成プロセス5(機能層付きフィルムのリサイクル原料):20%。
・生成プロセス6(機能層を物理的除去したリサイクル原料):10%。
・生成プロセス7(機能層を洗浄除去したリサイクル原料):10%。
【0071】
(プロセスLCAの取得について)
第2取得部902は、プロセスLCAテーブル800を参照し、生成プロセスに応じたプロセスLCAをそれぞれ取得する。なお、第2取得部902は、プロセスLCAテーブル800からプロセスLCAを取得することに限らず、例えば、製造する製品ごとに作業スタッフからプロセスLCAを受け付けるようにし、受け付けたプロセスLCAを取得してもよい。
【0072】
(生成LCAの算出について)
算出部903は、第1取得部901によって取得された配合比率と、第2取得部902によって取得されたプロセスLCAとに基づいて、再生ポリエステルフィルムの製造に係る生成LCAを算出する。算出部903によるLCA(生成LCAおよび製造LCA)の算出は、例えば、製造対象の製品(例えば「A001」)が製造される際に1回だけ行われてもよいし、当該製品のロット単位で行われてもよい。以下、生成LCAの算出について、一例を挙げて説明する。
【0073】
生成LCAは、各生成プロセスに対応するプロセスLCA(図8)を案分した値の合計となる。ここで、一例として、生成プロセス1~7のプロセスLCA(図8)を以下のような値としたとする。
・生成プロセス1のプロセスLCA:「300」。
・生成プロセス2のプロセスLCA:「20」。
・生成プロセス3のプロセスLCA:「120」。
・生成プロセス4のプロセスLCA:「20」。
・生成プロセス5のプロセスLCA:「150」。
・生成プロセス6のプロセスLCA:「200」。
・生成プロセス7のプロセスLCA:「250」。
【0074】
上記のプロセスLCAの値において、図10に示した配合割合に応じて案分したLCAの一例を以下に示す。
・生成プロセス1分のLCA:「300」×30%=90。
・生成プロセス2分のLCA:「20」×5%=1。
・生成プロセス3分のLCA:「120」×20%=24。
・生成プロセス4分のLCA:「20」×5%=1。
・生成プロセス5分のLCA:「150」×20%=30。
・生成プロセス6分のLCA:「200」×10%=20。
・生成プロセス7分のLCA:「200」×10%=20。
【0075】
算出部903が算出する生成LCAは、上記の案分したLCAの累計である。また、算出部903は、算出した生成LCAに、成形工程12において発生する成形LCAを加えることにより、製造LCAを算出する。
【0076】
(生成LCAに基づく製品指標値情報の出力について)
出力部904は、生成LCAと、再生ポリエステルフィルムを示す製品情報(「A001」)とに基づく製品指標値情報を生成して出力する。製品指標値情報は、具体的には、生成LCAに成形LCAを加えた製造LCAと、製品情報とを対応付けた情報である。具体的には、製品指標値情報は、図7の原料工程11のLCAと、成形工程12のLCAと、リサイクル原料工程18のLCAとを含む情報である。なお、製品指標値情報は、生成LCAを示す値や、成形LCAを示す値を、それぞれ別々に含んでもよい。
【0077】
製品指標値情報を生成するタイミングは、製造対象の製品の製造開始のタイミングとしてもよいし、当該製品の製造中や製造終了後のタイミングとしてもよい。また、製品指標値情報の生成は、予め定めたタイミングで(自動で)行われてもよいし、作業スタッフから所定の操作を受け付けたタイミングで行われてもよい。
【0078】
出力部904は、ブロックチェーン100によって情報を管理する他の装置(例えば、ノードサーバ120)へ製品指標値情報を出力(送信)する。なお、出力部904は、製品指標値情報を、ディスプレイ306に出力することによって表示させてもよいし、不図示のプリンタに出力することによって製品に付すラベル等の媒体に印刷してもよい。
【0079】
(工場端末装置130aが行う製品指標値情報の出力処理)
図11は、素材メーカー151の工場端末装置130aが行う製品指標値情報の出力処理の一例を示すフローチャートである。図11において、工場端末装置130aは、製品指標値情報の生成を開始するか否かを判断する(ステップS1101)。工場端末装置130aは、製品指標値情報の生成開始となるまで待機し(ステップS1101:NO)、製品指標値情報の生成開始になると(ステップS1101:YES)、製品指標値情報の対象となる製品を特定する(ステップS1102)。対象となる製品は、例えば、作業スタッフから受け付けた製品情報の指定に基づいて特定されてもよいし、製品の製造スケジュール等に基づいて特定されてもよい。
【0080】
そして、工場端末装置130aは、配合比率テーブル1000(図10)を参照し、成形原料の生成プロセス別の配合比率を取得する(ステップS1103)。次に、工場端末装置130aは、プロセスLCAテーブル800(図8)を参照し、製造する製品の生成プロセスに応じた各プロセスLCAを取得する(ステップS1104)。そして、工場端末装置130aは、生成プロセス別の配合比率と、プロセスLCAとに基づいて、生成LCAを算出する(ステップS1105)。
【0081】
次に、工場端末装置130aは、算出した生成LCAに、成形LCAを加算することにより、製造LCAを算出する(ステップS1106)。そして、工場端末装置130aは、算出した製造LCAと、製品情報(「A001」)とを対応付けた製品指標値情報をブロックチェーン100に送信し(ステップS1107)、一連の処理を終了する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態に係る工場端末装置130aは、再生ポリエステルフィルムに含まれる成形原料の生成プロセス別の配合比率(図10)と、生成プロセスに応じた各プロセスLCA(図8)とに基づいて、再生ポリエステルフィルムの生成LCAを算出して、生成LCAと製品情報とに基づく製品指標値情報を出力する。これにより、再生ポリエステルフィルムに係る環境負荷(製造LCA)を定量化することができる。したがって、再生ポリエステルフィルムについて、資源採取から原材料製造、加工、組立、製品使用、さらに廃棄にいたるまでのライフサイクル(図1の工程11~18)における環境負荷を総合して、科学的、定量的、客観的に評価することができる。よって、本実施形態によれば、再生ポリエステルフィルムのライフサイクルに渡る温室効果ガスの排出量を定量化することができる。
【0083】
また、本実施形態において、生成プロセスは、回収品の機能層を除去する生成プロセス(図8の生成プロセス6、7)と、回収品の機能層を除去しない第2生成プロセス(図8の生成プロセス3、5)と、製造段階における端材を用いる第3生成プロセス(図8の生成プロセス2、4)と、バージン原料を用いる第4生成プロセス(図8の生成プロセス1)と、のうち、少なくとも1つ含む。これにより、再生ポリエステルフィルムの原料の生成に係る各生成プロセスを考慮した、より適切な生成LCAを算出することができる。
【0084】
また、本実施形態において、第1生成プロセス(図8の生成プロセス6、7)が、機能層の除去の態様に応じた異なる除去プロセスを含み、プロセスLCAが除去プロセスに応じた値とする。これにより、再生ポリエステルフィルムの原料の生成に係る除去プロセスを考慮した、より適切な生成LCAを算出することができる。
【0085】
また、本実施形態において、工場端末装置130aは、製品指標値情報(図5の原料工程11のLCAと、成形工程12のLCAと、リサイクル原料工程18のLCAとを含む情報)を、ブロックチェーン100によって情報を管理するノードサーバ120に出力する。これにより、環境指標値DB121に記憶される製品指標値情報の改ざんを困難にすることができるため、セキュリティ性を高めることができる。また、各工程11~18において各作業スタッフは、製品指標値情報を容易に確認することができるため、製品指標値情報の透明性を高めることができる。
【0086】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、以下の変形例と、上述した実施形態とを組み合わせることも可能である。
【0087】
上述した実施形態では、算出した生成LCAに基づいて製品指標値情報を生成する例について説明した。以下の変形例では、予め製品情報に対応付けられた生成LCAに基づいて製品指標値情報を生成する例について説明する。
【0088】
(再生ポリエステルフィルムの生成LCAテーブルについて)
図12は、再生ポリエステルフィルムの生成LCAテーブル1200の一例を示す図である。生成LCAテーブル1200は、例えば、素材メーカー151の工場端末装置130aに記憶される。図12に示すように、生成LCAテーブル1200は、図10の配合比率テーブル1000の含まれる項目に加えて、「生成LCA」の項目を含む。
【0089】
「生成LCA」は、予め製品情報に対応付けられて記憶されている。素材メーカー151において製造される再生プラスチック製品によっては、同じ製品であれば、その都度、生成プロセス別の配合比率が同じ配合比率で製造される場合がある。この場合、過去に算出した生成LCAを生成LCAテーブル1200に記憶しておくことにより、次回以降の製品指標値情報の生成において、製造LCAを算出しなくても、生成LCAテーブル1200から生成LCAを得ることが可能である。
【0090】
なお、生成LCAテーブル1200に記憶される生成LCAは、随時更新されてもよい。例えば、工場端末装置130aは、実施形態に示したように、生成LCAを適宜算出して、蓄積するようにし、所定回数分の生成LCAの平均値を生成LCAテーブル1200に記憶するようにしてもよい。
【0091】
変形例に係る製品指標値情報の生成(出力)について具体的に説明する。工場端末装置130aは、例えば、製品指標値情報の生成対象となる製品情報の指定を作業スタッフから受け付ける。そして、工場端末装置130aは、生成LCAテーブル1200に記憶される生成LCAの中から、作業スタッフによって指定された製品情報に対応する生成LCAを抽出する。これにより、出力部904は、指定された製品情報と、抽出した生成LCAに成形LCAを加えた製造LCAとに基づく製品指標値情報を出力する。
【0092】
変形例のようにしても、工場端末装置130aは、再生ポリエステルフィルムに係る環境負荷(製造LCA)を定量化することができ、さらには、再生ポリエステルフィルムのライフサイクルに渡る温室効果ガスの排出量を定量化することができる。
【0093】
なお、上述した工場端末装置130aにおける各機能(入出力、記憶、処理)の全部または一部を、工場端末装置130aとは異なる他の装置において実現してもよい。具体的には、上述した説明において図9に示した各機能部は、工場端末装置130aに具備される例について説明したが、これに限らない。各機能部は、他のコンピュータ装置(例えば、ノードサーバ)に具備されていてもよい。また、上述した説明では、図9に示した各機能部の全てが、工場端末装置130aに具備される例について説明したが、これに限らない。各機能部のうち一部が工場端末装置130aに具備され、各機能部のうち他の一部が他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。すなわち、各機能部が具備されるコンピュータ装置は、1台でもよいし、複数台であってもよい。
【0094】
上記に関連し、工場端末装置130aは、各種表示等に関しては、入出力のインタフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、工場端末装置130aは、各種の入力(操作者の操作やデバイスの検出)を受け付け、入力情報(操作情報や検出情報等)を他の装置に送信し、当該入力情報に基づく他の装置の処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0095】
また、上述した各テーブル800、1000、1200は、素材メーカー151の工場端末装置130aに記憶されることとしたが、これに限らない。各テーブル800、1000、1200は、工場端末装置130aとは異なる外部の装置に記憶されてもよい。この場合、工場端末装置130aは、外部の装置から各種情報を取得するようにすればよい。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0097】
なお、以上に説明したリサイクルシステム1(工場端末装置130a)を実現するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…リサイクルシステム、11…原料工程、12…成形工程、18…リサイクル原料工程、100…ブロックチェーン、120…ノードサーバ、121…環境指標値DB、130…工場端末装置、301…CPU、302…メモリ、303…入力デバイス、304…通信I/F、306…ディスプレイ、600…回収過程、620…機能層除去過程、701…PET原料過程、711…PETフィルム過程、712…機能層付きPETフィルム過程、721…再生PET原料過程、901…第1取得部、902…第2取得部、903…算出部、904…出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12