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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024023287
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】ドーピング技術
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/225 20060101AFI20240214BHJP
   H01L 21/20 20060101ALI20240214BHJP
   H01L 21/22 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
H01L21/225 Q
H01L21/20
H01L21/22 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193004
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2021506769の分割
【原出願日】2019-08-09
(31)【優先権主張番号】62/717,827
(32)【優先日】2018-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アダーホールド, ウルフギャング
(72)【発明者】
【氏名】フアン, イー-チャウ
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】コロンボー, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】マユール, アブヒラッシュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体材料に共形的にドーピングする方法、特に半導体材料表面に対して選択的な方法を提供する。
【解決手段】半導体材料に選択的にかつ共形的にドーピングして電子デバイスを形成する方法であって、結晶性の半導体材料220を含む基盤210を準備することと、結晶性の半導体材料220上にアモルファスホウ素層230を形成することと、アモルファスホウ素層230上に、実質的にアモルファスである追加の半導体材料240を堆積させることと、基板210をアニーリングして、追加の半導体材料240を結晶化させ、アモルファスホウ素層230を溶融させ、ホウ素がドープされた結晶性の半導体材料250を形成することと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを形成する方法であって、
実質的に共形的であるドーパント膜を、酸化物材料を含む第2の表面に対して、半導体材料を含む第1の表面上に選択的に堆積させることと、
前記電子デバイスをアニーリングして、ドーパント原子を前記ドーパント膜から前記半導体材料内に駆動させ、前記酸化物材料内に駆動されたドーパント原子が実質的にない状態で、共形的にドープされた半導体材料を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ドーパント膜を選択的に堆積させることが、非視線堆積プロセスを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドーパント膜を選択的に堆積させることが、熱分解プロセスを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱分解プロセスが、前記第1の表面及び前記第2の表面を、約600℃から約900℃の範囲の温度でホウ素前駆体に曝露することを含み、前記ドーパント膜がホウ素を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ホウ素前駆体が、ボラン、ジボラン、トリボラン、テトラボラン又はペンタボランのうちの1つ又は複数を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
アニーリングが、約1000℃から約1300℃の範囲の温度で行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ドーパント膜が、約2から約10単層の範囲の厚さを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記ドーパント原子が、約1nm以上の深さまで前記半導体材料内に駆動される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記共形的にドープされた半導体材料が、前記半導体材料の前記第1の表面において約220原子B/cm以上のドーパント濃度を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記共形的にドープされた半導体材料が、前記第1の表面において約520原子B/cm以上のドーパント濃度を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
電子デバイスを形成する方法であって、
半導体材料を含む第1の表面と酸化物材料を含む第2の表面とを有する基板を提供することと、
前記第1の表面及び前記第2の表面を、約700℃から約800℃の範囲の温度でホウ素前駆体に曝露して、非視線熱分解プロセスによって共形的なドーパント膜を選択的に堆積させることであって、前記共形的なドーパント膜が、前記第1の表面上に前記第2の表面を上回るように堆積され、かつ前記共形的なドーパント膜がホウ素を含む、共形的なドーパント膜を選択的に堆積させることと、
約1150℃から約1200℃の範囲の温度においてミリ秒アニールで前記電子デバイスをアニーリングして、前記共形的なドーパント膜から前記半導体材料内にホウ素原子を駆動させ、前記酸化物材料内に駆動されたドーパント原子が実質的にない状態で、前記半導体材料に共形的にドープすることと
を含む、方法。
【請求項12】
前記ホウ素前駆体が、ボラン(BH)、ジボラン(B)、クロロボラン(BHCl)、トリメチルボラン(B(CH)又はトリエチルボラン(B(C)のうちの1つ又は複数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
電子デバイスを形成する方法であって、
結晶性の半導体材料上にアモルファスドーパント層を形成することと、
実質的にアモルファスである付加的な半導体材料を前記アモルファスドーパント層上に堆積させることと、
前記電子デバイスをアニーリングして、前記付加的な半導体材料を結晶化させ、ドープされた結晶性の半導体材料を形成することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記結晶性の半導体材料がケイ素を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記結晶性の半導体材料がゲルマニウムを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体材料にドーピングする方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、酸化物材料に対して、半導体材料に選択的にドーピングする方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、半導体材料に共形的にドーピングするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ホウ素ドーピングを制御することは、p型コンタクト応用にとって重要である。プロセスの制御には、層の厚さ、表面特性、熱収支及びエッチング選択性の管理が必要である。
【0003】
[0003]加えて、ホウ素ドーピングの既存の方法は、3次元構造(例えば、FINFET)に共形的にドーピングする方法を提供することはない。これらの方法(例えば、注入)は、視線に限定されるか、又は十分な共形性を示さないことが多い。
【0004】
[0004]更に、ホウ素ドーピングの既存の方法は、半導体材料のみにドーピングする方法を提供することはない。現在の技術では、半導体材料と隣接する酸化物材料の両方にドープされることが多い。
【0005】
[0005]したがって、半導体材料に共形的にドーピングする方法、特に半導体材料表面に対して選択的な方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の1つ又は複数の実施形態は、電子デバイスを形成する方法を対象とする。この方法は、実質的に共形的なドーパント膜を、酸化物材料を含む第2の表面に対して、半導体材料を含む第1の表面上に選択的に堆積させることを含む。半導体材料に共形的にドープされ、酸化物材料内に駆動されるドーパント原子が実質的に存在しないように、電子デバイスは、ドーパント原子をドーパント膜から半導体材料内に駆動するようにアニールされる。
【0007】
[0007]本開示の更なる実施形態は、電子デバイスを形成する方法を対象とする。この方法は、半導体材料を含む第1の表面と、酸化物材料を含む第2の表面とを有する基板を提供することを含む。第1の表面及び第2の表面は、視線外の熱分解プロセスによって共形的なドーパント膜を選択的に堆積させるために、約700℃から約800℃の範囲の温度でホウ素前駆体に曝露される。ドーパント膜は、第1の表面の上に、第2の表面を上回るように堆積される。ドーパント膜は、ホウ素を含む。半導体材料に共形的にドープされ、酸化物材料内に駆動されるドーパント原子が実質的に存在しないように、電子デバイスは、約1150℃から約1200℃の範囲の温度でミリ秒のアニールによってアニールされ、ドーパント膜から半導体材料内にホウ素原子を駆動させる。
【0008】
[0008]本開示の更なる実施形態は、電子デバイスを形成する方法を対象とする。この方法は、結晶性の半導体材料上にアモルファスホウ素層を形成することを含む。更なる半導体材料が、アモルファスホウ素層上に堆積される。追加の半導体材料は、実質的にアモルファスである。電子デバイスをアニールして付加的な半導体材料を結晶化させ、ホウ素ドープされた結晶性の半導体材料を形成する。
【0009】
[0009]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、そのいくつかを添付図面に示す。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容しうることから、添付図面が本開示の典型的な実施形態を例示しているにすぎず、よって本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]本開示の1つ又は複数の実施形態による、処理中の例示的な基板を図解する。
図2】[0011]本開示の1つ又は複数の実施形態による、処理中の例示的な基板を図解する。
図3】[0012]本開示の1つ又は複数の実施形態による、基板を処理するために使用できるシステムを図解する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0013]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行可能である。
【0012】
[0014]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「基板」という用語は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を指す。また、基板への言及は、文脈が特に明確に示さない限り、基板の一部のみを指すこともありうると当業者には理解されよう。加えて、基板上に堆積することへの言及は、露出した基板と、その上に堆積又は形成された1つ又は複数の膜又はフィーチャを有する基板との両方を意味する可能性がある。
【0013】
[0015]本明細書で使用される「基板表面」は、製造プロセス中に膜処理が実行される基板上に形成される任意の基板又は材料表面を指す。例えば、処理が実行されうる基板表面は、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料などの任意の他の材料を含む。基板は、限定しないが、半導体ウエハを含む。基板は、基板表面を研磨し、エッチングし、還元し、酸化し、ヒドロキシル化し、アニールし、UV硬化し、電子ビーム硬化し、及び/又はベークするために、前処理プロセスに曝露されうる。基板自体の表面上に直接膜処理することに加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれもが、以下により詳細に開示されるように、基板上に形成される下層上で実行されてもよく、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことが意図される。したがって、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合に、新たに堆積された膜/層の露出した表面が基板表面になる。
【0014】
[0016]本開示の実施形態は、共形的及び選択的ドーピングプロセスを含む方法を用いて電子デバイスを形成する方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、有利には、半導体材料に共形的にドーピングする方法を提供する。本開示のいくつかの実施形態は、有利には、酸化物材料よりも半導体材料に優先的にドーピングするための方法を提供する。本開示のいくつかの実施形態は、有利には、非視線表面をドーピングする方法を提供する。
【0015】
[0017]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「膜を、1つの表面の上にもう1つの表面を上回るように選択的に堆積させる(selectively depositing a film on one surface over another surface)」などの表現は、第1の量の膜が第1の表面の上に堆積され、第2の量の膜が第2の表面の上に堆積され、この場合、第2の量の膜が、第1の量の膜よりも少ないか、又は第2の表面の上に膜が堆積されないことを意味する。この点で使用される「~を上回るように(over)」という用語は、1つの表面の、もう1つの表面の上面に対する物理的配向を意味するのではなく、むしろ、もう1つの表面に対する、1つの表面との化学反応の熱力学的又は動力学的特性の関係を意味している。例えば、コバルト膜を、銅表面の上に誘電体表面を上回るように選択的に堆積させることは、コバルト膜が銅表面の上に堆積し、誘電体表面の上にはコバルト膜がそれを下回るほどしか若しくは全く堆積しないこと、又は銅表面の上でのコバルト膜の形成が、誘電体表面の上のコバルト膜の形成に比べ、熱力学的又は動力学的に好ましいことを意味する。
【0016】
[0018]図1を参照すると、いくつかの実施形態は、電子デバイスを形成する方法100に関する。図1は、方法100による処理のための例示的な基板の断面図を示す。基板10は、半導体材料25を含む第1の表面20と、酸化物材料35を含む第2の表面30とを含む。いくつかの実施形態では、半導体材料25は、ケイ素を含むか、又は本質的にシリコンからなる。
【0017】
[0019]いくつかの実施形態では、半導体材料25は、トランジスタのソース/ドレイン拡張領域である。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、複数の交互の第1の表面10及び第2の表面20を備える3D NANDデバイスを備える。
【0018】
[0020]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される際に、「本質的に~からなる」などの表現は、対象となる膜又は組成物が、記載された活性材料の約95%、98%、99%又は99.5%以上であることを意味する。気体組成物(例えば、反応性ガス)について、「本質的に~からなる」という表現は、希釈剤、キャリア又は不活性ガスを含まない組成物の活性成分を指す。
【0019】
[0021]いくつかの実施形態では、方法100は、実質的に共形的なドーパント膜40を、第1の表面20の上に第2の表面30を上回るように選択的に堆積させることによって開始する。本明細書で使用される場合、「実質的に共形的な」膜は、厚さが全体にわたって(例えば、側壁の上部、中央、及び底部の上、並びに間隙の底部の上で)ほぼ同じである膜を指す。実質的に共形的な膜は、約10%、5%、2%、1%又は0.5%以下、厚さが変化する。
【0020】
[0022]いくつかの実施形態では、ドーパント膜40は、約2から約10単層の範囲の厚さを有する。
【0021】
[0023]いくつかの実施形態では、共形的な膜40を選択的に堆積させることは、非視線堆積プロセスを使用して実行される。したがって、いくつかの実施形態では、ドーパント膜40は、それらの「可視性」にかかわらず、すべての露出した第1の表面上に共形的に堆積する。図1に示すように、ダイヤモンドフィンの下側は、これらの表面が視線プロセスに対して「可視性」がないので、通常ドープするのが困難だろう。
【0022】
[0024]いくつかの実施形態では、ドーパント膜40を選択的に堆積させることは、熱分解プロセスを含む。いくつかの実施形態では、熱分解プロセスは、第1の表面及び第2の表面を、約600℃から約900℃の範囲の温度又は約700℃から約800℃の範囲の温度でドーパント前駆体に曝露することを含む。
【0023】
[0025]いくつかの実施形態では、ドーパント前駆体はホウ素前駆体であり、ドーパント膜はホウ素を含む。いくつかの実施形態では、ホウ素前駆体は、ボラン(BH)、ジボラン(B)、トリボラン(B、B)、テトラボラン(B、B10)、ペンタボラン(B、B11)又は環状トリボラン(B)若しくは環状テトラボラン(B)のうちの1つ又は複数を含むか、又は本質的にそれらからなる。適切なホウ素前駆体の更なる例は、BClなどのハロゲン化ホウ素、又は式BHxR3-xを有するアルキル置換ホウ素化合物を含み、ここで、各Rは独立して選択されたC1からC6アルキル基であり、xは0、1又は2である。アルキル置換ホウ素化合物の特定の例は、トリメチルホウ素及びトリエチルホウ素を含む。
【0024】
[0026]いくつかの実施態様において、ドーパント前駆体はリン前駆体であり、ドーパント膜はリンを含む。いくつかの実施形態において、リン前駆体は、ホスフィン(PH)を含むか、又は本質的にPHからなる。いくつかの実施形態では、ドーパント前駆体はヒ素前駆体であり、ドーパント膜はヒ素を含む。いくつかの実施形態では、ヒ素前駆体は、アルシン(AsH)を含むか、又は本質的にAsHからなる。
【0025】
[0027]いくつかの実施形態では、方法100は、ドーパント原子をドーパント膜40から半導体材料25内に駆動するために電子デバイスをアニーリングすることによって継続し、半導体材料25が共形的にドープされ、酸化物材料35内に駆動されるドーパント原子が実質的にないようにする。図1に示すように、半導体材料25の共形的ドーピングは、ドープされた表面上に太線で示されている。本明細書で使用される際に、「ドーパント原子が実質的にない」とは、対象とする材料表面が5%、2%、1%、又は0.5%未満のドーパント原子を含むことを意味する。
【0026】
[0028]いくつかの実施形態では、電子デバイスをアニールすることは、スパイクアニール、レーザアニール、急速熱アニール、ミリ秒アニール、又はそれらの組合せのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、アニーリングは、約1000℃から約1300℃の範囲、又は約1150℃から約1200℃の範囲の温度で行われる。
【0027】
[0029]いくつかの実施形態では、ドーパント原子は、約1nm以上、約2nm以上、又は約5nm以上の深さまで半導体材料25内に駆動される。いくつかの実施形態では、共形的にドープされた半導体材料は、半導体材料の表面において、約120原子B/cm以上、約220原子B/cm以上、又は約520原子B/cm以上のドーパント濃度を有する。
【0028】
[0030]図2を参照すると、いくつかの実施形態は、電子デバイスを形成する方法200に関する。図2は、方法200による処理のための例示的な基板の断面図を示す。基板210は、結晶性の半導体材料220を含む。
【0029】
[0031]いくつかの実施形態では、方法200は、結晶性の半導体材料220上にアモルファスホウ素層230を形成することによって開始する。アモルファスホウ素層の形成は、ドーパント膜40を堆積するための上記に概説したプロセスを含むがこれに限定されない、任意の適切なプロセスによって実行されうる。
【0030】
[0032]いくつかの実施形態では、方法200は、アモルファスホウ素層230上に追加の半導体材料240を堆積させることによって継続する。いくつかの実施形態では、追加の半導体材料240は、実質的にアモルファスである。
【0031】
[0033]いくつかの実施形態では、方法200は、基板210をアニーリングして、追加の半導体材料240を結晶化させ、アモルファスホウ素層230を溶融させ、ホウ素がドープされた結晶性の半導体材料250を形成することによって継続する。いくつかの実施形態では、アニールプロセスは、レーザアニールを含む。いくつかの実施形態では、ホウ素がドープされた結晶性の半導体材料250は、結晶性の半導体材料220と同じストイキオメトリ(stoichiometry)を有する。図示されていないいくつかの実施態様において、本方法は、ホウ素がドープされた結晶性の半導体材料250からケイ素化合物を形成することによって継続する。
【0032】
[0034]いくつかの実施形態では、結晶性の半導体材料220及び追加の半導体材料は、同じ材料から構成される。いくつかの実施態様において、半導体材料はケイ素を含む。いくつかの実施形態では、半導体材料は、ケイ素及びゲルマニウムを含む。
【0033】
[0035]図3を参照すると、本開示の更なる実施形態は、本明細書に記載の方法を実行するための処理ツール900を対象とする。図3は、本開示の1つ又は複数の実施形態による基板を処理するために使用できるシステム900を示す。システム900は、クラスタツールと呼ばれうる。システム900は、ロボット912を内部に備えた中央移送ステーション910を含む。ロボット912は、単一のブレードのロボットとして図示されているが、他のロボット912の構成が開示の範囲内にあることを当業者は認識するだろう。ロボット912は、中央移送ステーション910に連結されたチャンバ間で1つ又は複数の基板を移動させるように構成される。
【0034】
[0036]少なくとも1つの前洗浄/バッファチャンバ920は、中央移送ステーション910に連結される。前洗浄/バッファチャンバ920は、ヒータ、ラジカル源、又はプラズマ源のうちの1つ又は複数を含みうる。前洗浄/バッファチャンバ920は、個々の半導体基板の保持領域として、又は処理のためのウエハのカセットに使用されうる。前洗浄/バッファチャンバ920は、前洗浄プロセスを実行し、又は処理のために基板を予熱し、又は単にプロセスシーケンスのためのステージング領域とすることができる。いくつかの実施形態では、中央移送ステーション910に連結された2つの前洗浄/バッファチャンバ920が存在する。
【0035】
[0037]図9に示す実施形態では、前洗浄チャンバ920は、ファクトリインターフェース905と中央移送ステーション910との間の通過チャンバとして機能しうる。ファクトリインターフェース905は、基板をカセットから前洗浄/バッファチャンバ920に移動させるための1つ又は複数のロボット906を含みうる。次いで、ロボット912は、前洗浄/バッファチャンバ920からシステム900内の他のチャンバまで、基板を移動させうる。
【0036】
[0038]第1の処理チャンバ930は、中央移送ステーション910に連結されうる。第1の処理チャンバ930は、異方性エッチングチャンバとして構成することができ、1つ又は複数の反応性ガス源と流体連結して、反応性ガスの1つ又は複数の流れを第1の処理チャンバ930に供給しうる。基板は、分離バルブ914を通過するロボット912によって、堆積チャンバ930へ、及び堆積チャンバ930から移動することができる。
【0037】
[0039]処理チャンバ940はまた、中央移送ステーション910に連結されうる。いくつかの実施形態では、処理チャンバ940は、等方性エッチングチャンバを備え、1つ又は複数の反応性ガス源と流体連結して、処理チャンバ940に反応性ガスの流れを供給し、等方性エッチングプロセスを実行する。基板は、分離バルブ914を通過するロボット912によって、堆積チャンバ940へ、及び堆積チャンバ940から移動することができる。
【0038】
[0040]処理チャンバ945はまた、中央移送ステーション910に連結されうる。いくつかの実施形態では、処理チャンバ945は、処理チャンバ940と同じプロセスを実行するように構成された同じタイプの処理チャンバ940である。この構成は、処理チャンバ940内で行うプロセスが処理チャンバ930内のプロセスよりもはるかに長い時間を要する場合に有用でありうる。
【0039】
[0041]いくつかの実施形態では、処理チャンバ960は、中央移送ステーション910に連結され、選択的エピタキシャル成長チャンバとして機能するように構成される。処理チャンバ960は、1つ又は複数の異なるエピタキシャル成長プロセスを実行するように構成されうる。
【0040】
[0042]いくつかの実施形態では、異方性エッチングプロセスは、等方性エッチングプロセスと同じ処理チャンバ内で行われる。この種の実施形態では、処理チャンバ930及び処理チャンバ960は、2つの基板上で同時にエッチングプロセスを実行するように構成され、処理チャンバ940及び処理チャンバ945は、選択的エピタキシャル成長プロセスを実行するように構成されうる。
【0041】
[0043]いくつかの実施形態では、処理チャンバ930、940、945、及び960の各々は、処理方法の異なる部分を実行するように構成される。例えば、処理チャンバ930は、異方性エッチングプロセスを実行するように構成され、処理チャンバ940は、等方性エッチングプロセスを実行するように構成され、処理チャンバ945は、計測ステーションとして又は第1の選択的エピタキシャル成長プロセスを実行するように構成され、処理チャンバ960は、第2のエピタキシャル成長プロセスを実行するように構成されうる。当業者であれば、ツール上の個々の処理チャンバの数及び配置は変更可能であり、図9に示す実施形態が1つの可能な構成を表しているにすぎないことを理解するだろう。
【0042】
[0044]いくつかの実施形態では、処理システム900は、1つ又は複数の計測ステーションを含む。例えば、計測ステーションは、前洗浄/バッファチャンバ920内、中央移送ステーション910内、又は個々の処理チャンバのいずれかの内部に位置しうる。計測ステーションは、基板を酸化環境に曝露することなく凹部の距離を測定可能にする、システム900内の任意の位置にありうる。
【0043】
[0045]少なくとも1つのコントローラ950が、中央移送ステーション910、前洗浄/バッファチャンバ920、処理チャンバ930、940、945、又は960のうちの1つ又は複数に連結される。いくつかの実施形態では、個々のチャンバ又はステーションに連結された2つ以上のコントローラ950が存在し、システム900を制御するために、主制御プロセッサが別個のプロセッサの各々に連結される。コントローラ950は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するために産業環境で使用できる、任意の形態の汎用コンピュータプロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどのうちの1つでありうる。
【0044】
[0046]少なくとも1つのコントローラ950は、プロセッサ952と、プロセッサ952に連結されたメモリ954と、プロセッサ952に連結された入力/出力デバイス956と、異なる電子部品間の通信のためのサポート回路958とを有しうる。メモリ954は、一時的メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)及び非一時的メモリ(例えば、ストレージ)のうちの1つ又は複数を含みうる。
【0045】
[0047]プロセッサのメモリ954又はコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は任意の他の形態のデジタルストレージ、ローカル又はリモートといった容易に利用可能なメモリの1つ又は複数でありうる。メモリ954は、システム900のパラメータ及び構成要素を制御するためにプロセッサ952によって動作可能な命令セットを保持しうる。サポート回路958は、従来の方法でプロセッサをサポートするためプロセッサ952に連結される。回路は、例えば、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステムなどを含みうる。
【0046】
[0048]プロセスは、概して、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとしてメモリに格納されうる。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されているハードウェアから遠隔に位置する第2のプロセッサ(図示せず)によって記憶及び/又は実行されうる。本開示の方法の一部又は全部すべてがまた、ハードウェアで実行されてもよい。したがって、プロセスは、ソフトウェアで実施され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路又は他のタイプのハードウェア実装としてのハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアの組合せとして実行されうる。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する特定の目的のコンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0047】
[0049]いくつかの実施形態では、コントローラ950は、方法を実行するために個々のプロセス又はサブプロセスを実行するための1つ又は複数の構成を有する。コントローラ950は、方法の機能を実行するために中間構成要素に連結され、中間構成要素を動作させるように構成されうる。例えば、コントローラ950は、ガスバルブ、アクチュエータ、モータ、スリットバルブ、真空制御などの1つ又は複数に接続され、これらを制御するように構成されうる。
【0048】
[0050]いくつかの実施形態のコントローラ950は、ロボット上の基板を複数の処理チャンバと計測ステーションとの間で移動させる構成と、基板をシステムに搬入し及び/又はシステムから搬出する構成と、ドーパント膜を堆積させる構成と、基板をアニールする構成と、半導体材料を堆積させる構成とから選択された1つ又は複数の構成を有する。
【0049】
[0051]本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ又は複数の実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所における「1つ又は複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「1つの実施形態において」、又は「実施形態において」などの表現の出現は、必ずしも本開示の同一の実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせてもよい。
【0050】
[0052]本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されてきたが、当業者は、説明された実施形態が、本開示の原理及び用途の単なる例示にすぎないことを理解するだろう。本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正及び変形を行うことができることが、当業者には明らかだろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある修正及び変形を含みうる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを形成する方法であって、
実質的に共形的であるドーパント膜を、酸化物材料を含む第2の表面に対して、半導体材料を含む第1の表面上に選択的に堆積させることと、
前記電子デバイスをアニーリングして、ドーパント原子を前記ドーパント膜から前記半導体材料内に駆動させ、前記酸化物材料内に駆動されたドーパント原子が実質的にない状態で、共形的にドープされた半導体材料を形成することと
を含む、方法。
【外国語明細書】