(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025430
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】化合物又はその塩、タンパク質間相互作用阻害剤、医薬組成物、及び抗腫瘍剤
(51)【国際特許分類】
C07D 413/06 20060101AFI20240216BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240216BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20240216BHJP
A61K 31/537 20060101ALI20240216BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240216BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
C07D413/06
A61P35/00
C07D413/14 CSP
A61K31/537
A61K31/506
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128865
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】津村 享佑
(72)【発明者】
【氏名】中林 淳
(72)【発明者】
【氏名】土井 一生
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB03
4C063CC51
4C063CC58
4C063DD12
4C063DD29
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC71
4C086BC73
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医薬として有望なタンパク質間相互作用を阻害する化合物を提供すること、および上記化合物を含有する、タンパク質間相互作用阻害剤、医薬組成物及び抗腫瘍剤を提供すること。
【解決手段】式(1)で表される化合物又はその塩。
式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、水素原子、又は、C
1-10アルキル基を示し、Aは、環基を示し、Bは、水素原子、アミノ基、C
1-10アルキルアミノ基、ジ(C
1-10アルキル)アミノ基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、又はC
2-10アルキニル基を示す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表される化合物又はその塩。
【化1】
式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、水素原子、又は、C
1-10アルキル基を示し、
Aは、環基を示し、
Bは、水素原子、アミノ基、C
1-10アルキルアミノ基、ジ(C
1-10アルキル)アミノ基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、またはC
2-10アルキニル基を示す。
【請求項2】
Aが5員環のヘテロアリール基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
Aが下記式(2)で示されるヘテロアリール基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【化2】
式中、X
1、X
2及びX
3は、それぞれ独立にN、O、CH又はCH
2を示し、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
1-10アルコキシ基、アシル基、炭化水素環基、または複素環基を示す。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の化合物又はその塩を含有する、タンパク質間相互作用阻害剤。
【請求項5】
請求項1から3の何れか一項に記載の化合物又はその塩を含有する、医薬組成物。
【請求項6】
請求項1から3の何れか一項に記載の化合物又はその塩を含有する、抗腫瘍剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含窒素複素環化合物又はその塩、タンパク質間相互作用阻害剤、医薬組成物、及び抗腫瘍剤に関する。
【背景技術】
【0002】
がん細胞やがんの微小環境には、がんに対する免疫応答を妨げる種々の免疫チェックポイント分子が存在する。免疫チェックポイント阻害剤は、タンパク質間相互作用を阻害し、免疫抑制機構を解除し、がんに対する免疫反応を活性化する。免疫チェックポイント阻害剤としては、抗CTLA-4(cytotoxic T lymphocyte-associated antigen-4)抗体であるイピリムマブ(ipilimumab)、並びに抗PD-1(programmed cell death-1)抗体であるニボルマブ(nivolumab)およびペンブロリズマブ(pembrolizumab)が、がん治療において使用されている。
【0003】
しかし、抗体には、製造コストが高い、経口投与できないといった課題がある。そのため、他のモダリティでタンパク質間相互作用を阻害する試みがなされている(特許文献1、非特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2014/151634号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Angew.Chem.Int.Ed.2017,56,13732-13735
【非特許文献2】Angew.Chem.Int.Ed.2018,57,4840-4848
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、医薬として有望なタンパク質間相互作用を阻害する化合物を提供することを解決すべき課題とする。本発明はさらに、上記化合物を含有する、タンパク質間相互作用阻害剤、医薬組成物及び抗腫瘍剤を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する含窒素複素環化合物又はその塩が、タンパク質間相互作用を阻害することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
【0008】
<1> 式(1)で表される化合物又はその塩。
【化1】
式中、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、水素原子、又は、C
1-10アルキル基を示し、
Aは、環基を示し、
Bは、水素原子、アミノ基、C
1-10アルキルアミノ基、ジ(C
1-10アルキル)アミノ基、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、またはC
2-10アルキニル基を示す。
<2> Aが5員環のヘテロアリール基である、<1>に記載の化合物又はその塩。
<3> Aが下記式(2)で示されるヘテロアリール基である、<1>に記載の化合物又はその塩。
【化2】
式中、X
1、X
2及びX
3は、それぞれ独立にN、O、CH又はCH
2を示し、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、C
1-10アルキル基、C
2-10アルケニル基、C
2-10アルキニル基、C
1-10アルコキシ基、アシル基、炭化水素環基、または複素環基を示す。
<4> <1>から<3>の何れか一に記載の化合物又はその塩を含有する、タンパク質間相互作用阻害剤。
<5> <1>から<3>の何れか一に記載の化合物又はその塩を含有する、医薬組成物。
<6> <1>から<3>の何れか一に記載の化合物又はその塩を含有する、抗腫瘍剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タンパク質間相互作用を阻害する含窒素複素環化合物又はその塩を提供できる。また、本発明によれば、上記含窒素複素環化合物又はその塩を含有するタンパク質間相互作用阻害剤、医薬組成物、及び抗腫瘍剤を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の内容について詳細に説明する。以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0011】
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
【0012】
本発明において、「Cx-y」は、炭素数(「炭素原子数」ともいう。)がx~yであることを表し、例えば、C1-6アルキル基は、炭素数1~6のアルキル基を表す。
本発明における「アルキル基」は、特に言及していない場合、直鎖状のアルキル基であっても、分枝鎖状のアルキル基であってもよい。また、アルケニル基、及び、アルキニル基についても、アルキル基と同様である。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0013】
C1-6アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、2-ペンチル、3-ペンチル及びヘキシル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-6アルキル基を意味する。
C1-8アルキル基とは、上記C1-6アルキル基、ヘプチル、2-メチルヘプチル、2-メチル-4-ヘプチル及びオクチル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-8アルキル基を意味する。
C1-10アルキル基とは、上記C1-8アルキル基、2-エチルヘキシル、ノニル及びデシル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-10アルキル基を意味する。
【0014】
C2-6アルケニル基とは、ビニル、アリル、1-プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、1,3-ブタジエニル、ペンテニル及びヘキセニル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-6アルケニル基を意味する。
C2-10アルケニル基とは、上記C2-6アルケニル基、ペプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-10アルケニル基を意味する。
【0015】
C2-6アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-6アルキニル基を意味する。
C2-10アルキニル基とは、上記C2-6アルキニル基、ペンチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-10アルキニル基を意味する。
【0016】
C3-8シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル基などのC3-8シクロアルキル基を意味する。
C3-8シクロアルケニル基とは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル及びシクロオクテニル基などのC3-8シクロアルケニル基を意味する。
【0017】
アリール基とは、芳香族炭化水素基を意味し、また、縮環した芳香族炭化水素基であってもよく、フェニル基又はナフチル基であることが好ましい。炭素数は、好ましくは6~20であり、より好ましくは6~10である。
また、芳香族炭化水素環は、縮環した芳香族炭化水素環であってもよく、ベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましい。
炭化水素環基とは、C3-8シクロアルキル基、C3-8シクロアルケニル基又はアリール基を意味する。炭素数は、好ましくは3~20であり、より好ましくは3~10である。
【0018】
アリールC1-6アルキル基とは、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、フェネチル、2-フェニルプロピル、3-フェニルプロピル及びナフチルメチル基などのアリールC1-6アルキル基を意味する。
アリールC1-10アルキル基とは、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、フェネチル、2-フェニルプロピル、3-フェニルプロピル、6-フェニルヘキシル、10フェニルデシル及びナフチルメチル基などのアリールC1-6アルキル基を意味する。
【0019】
C1-6アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、シクロブトキシ、ペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘキシルオキシ及びシクロヘキシルオキシ基などの直鎖状、環状又は分枝鎖状のC1-6アルキルオキシ基を意味する。
C1-10アルコキシ基とは、上記C1-6アルコキシ基、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ及びデシルオキシ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-10アルコキシ基を意味する。
C1-6アルコキシC1-10アルキル基とは、メトキシメチル及び1-エトキシエチル基などのC1-6アルキルオキシC1-10アルキル基を意味する。
【0020】
アシル基は、ホルミル基、スクシニル基、グルタリル基、マレオイル基、フタロイル基、C2-6アルカノイル基、アロイル基、複素環式カルボニル基又は(α-置換)アミノアセチル基であることが好ましい。
C2-6アルカノイル基とは、アセチル、プロピオニル、バレリル、イソバレリル及びピバロイル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC2-6アルカノイル基を意味する。
アロイル基とは、芳香族アシル基を意味し、ベンゾイル基又はナフトイル基であることが好ましい。
複素環式カルボニル基とは、フロイル、テノイル、ピロリジニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、モルホリニルカルボニル又はピリジニルカルボニル基などを意味する。
【0021】
(α-置換)アミノアセチル基とは、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン及びヒドロキシプロリンなどのアミノ酸が挙げられる。)から誘導されるN末端が保護されてもよい(α-置換)アミノアセチル基を意味する。
【0022】
アシルC1-6アルキル基とは、アセチルメチル、ベンゾイルメチル及び1-ベンゾイルエチル基などのアシルC1-6アルキル基を意味する。
アシルオキシC1-6アルキル基とは、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ベンゾイルオキシメチル及び1-(ベンゾイルオキシ)エチル基などのアシルオキシC1-6アルキル基を意味する。
C1-6アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル及び1,1-ジメチルプロポキシカルボニル基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-6アルキルオキシカルボニル基を意味する。
アリールC1-6アルコキシカルボニル基とは、ベンジルオキシカルボニル及びフェネチルオキシカルボニル基などのアリールC1-6アルキルオキシカルボニル基を意味する。
アリールオキシカルボニル基は、フェニルオキシカルボニル基又はナフチルオキシカルボニル基であることが好ましい。
【0023】
C1-6アルキルアミノ基とは、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、ブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、シクロブチルアミノ、ペンチルアミノ、シクロペンチルアミノ、ヘキシルアミノ及びシクロヘキシルアミノ基などの直鎖状、分枝鎖状又は環状のC1-6アルキルアミノ基を意味する。
C1-10アルキルアミノ基とは、上記C1-6アルキルアミノ基、ヘプチルアミノ、オクチルアミノ基などの直鎖状、分枝鎖状又は環状のC1-10アルキルアミノ基を意味する。
【0024】
ジ(C1-6アルキル)アミノ基とは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ(tert-ブチル)アミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、(エチル)(メチル)アミノ、(メチル)(プロピル)アミノ、(シクロプロピル)(メチル)アミノ、(シクロブチル)(メチル)アミノ及び(シクロヘキシル)(メチル)アミノ基などの直鎖状、分枝鎖状又は環状のジ(C1-6アルキル)アミノ基を意味する。
ジ(C1-10アルキル)アミノ基とは、上記ジ(C1-6アルキル)アミノ基などの直鎖状、分枝鎖状又は環状のジ(C1-10アルキル)アミノ基を意味する。
【0025】
ヘテロアリール基とは、芳香族ヘテロ環基を意味し、芳香族ヘテロ環、芳香族炭化水素環、ヘテロ脂肪族環又は脂肪族炭化水素環が縮環した芳香族ヘテロ環基であってもよく、単環の含窒素ヘテロアリール基、単環の含酸素ヘテロアリール基、単環の含硫黄ヘテロアリール基、単環の含窒素含酸素ヘテロアリール基、単環の含窒素含硫黄ヘテロアリール基、二環式の含窒素ヘテロアリール基、二環式の含酸素ヘテロアリール基、二環式の含硫黄ヘテロアリール基、二環式の含窒素含酸素ヘテロアリール基又は二環式の含窒素含硫黄ヘテロアリール基であることが好ましい。5員環のヘテロアリール基とは、単環のヘテロアリール基であって、環を構成する原子の数が5個のものである。
【0026】
また、芳香族ヘテロ環とは、環員にヘテロ原子を有する芳香環を意味し、芳香族ヘテロ環、芳香族炭化水素環、ヘテロ脂肪族環又は脂肪族炭化水素環が縮環していてもよく、単環の含窒素芳香族ヘテロ環、単環の含酸素芳香族ヘテロ環、単環の含硫黄芳香族ヘテロ環、単環の含窒素含酸素芳香族ヘテロ環、単環の含窒素含硫黄芳香族ヘテロ環、二環式の含窒素芳香族ヘテロ環、二環式の含酸素芳香族ヘテロ環、二環式の含硫黄芳香族ヘテロ環、二環式の含窒素含酸素芳香族ヘテロ環又は二環式の含窒素含硫黄芳香族ヘテロ環であることが好ましい。
【0027】
単環の含窒素ヘテロアリール基とは、ピロリニル、ピロリル、テトラヒドロピリジル、ピリジル、イミダゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアゾリル及びテトラゾリル基などの少なくとも1つの窒素原子を含む環が芳香族性を有するヘテロアリール基(このヘテロアリール基は、一部飽和されていてもよい。)を意味する。このヘテロアリール基は、更に他の芳香族環又は脂肪族環と縮合していてもよい。
単環の含酸素ヘテロアリール基とは、フラニル又はピラニル基などの少なくとも1つの酸素原子を含む環が芳香族性を有するヘテロアリール基(このヘテロアリール基は、一部飽和されていてもよい。)を意味する。このヘテロアリール基は、更に他の芳香族環又は脂肪族環と縮合していてもよい。
単環の含窒素含酸素ヘテロアリール基とは、オキサゾリル、イソオキサゾリル又はオキサジアゾリル基などを意味する。このヘテロアリール基は、更に他の芳香族環又は脂肪族環と縮合していてもよい。
単環の含窒素含硫黄ヘテロアリール基とは、チアゾリル、イソチアゾリル又はチアジアゾリル基などを意味する。このヘテロアリール基は、更に他の芳香族環又は脂肪族環と縮合していてもよい。
【0028】
二環式の含窒素ヘテロアリール基とは、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、キノリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、ピラゾロピリジル、ピリドピラジル、プリニル、プテリジニル、5,6,7,8-テトラヒドロフタラジニル、5,6,7,8-テトラヒドロシンノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリダジニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリダジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,2-c]ピリダジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-c]ピリダジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリダジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[c]ピリダジニル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-d]ピリダジニル、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-d]ピリダジニル、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,2-c]ピリダジニル、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-c]ピリダジニル及び6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,3-c]ピリダジニル基などの少なくとも1つの窒素原子を含む環が芳香族性を有する二環式のヘテロアリール基(このヘテロアリール基は、一部飽和されていてもよい。)を意味する。
【0029】
二環式の含酸素ヘテロアリール基とは、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル及びクロメニル基などの少なくとも1つの酸素原子を含む環が芳香族性を有する二環式のヘテロアリール基(このヘテロアリール基は、一部飽和されていてもよい。)を意味する。
【0030】
二環式の含窒素含酸素ヘテロアリール基とは、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ジヒドロピラノピリジル、ジヒドロジオキシノピリジル、ジヒドロピリドオキサジエニル、3,4-ジヒドロ-2H-ピラノ[2,3-d]ピリダジニル、7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[3,4-d]ピリダジニル、7,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,2-c]ピリダジニル、7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-c]ピリダジニル、2,3-ジヒドロフロ[2,3-d]ピリダジニル、5,7-ジヒドロフロ[3,4-d]ピリダジニル、6,7-ジヒドロフロ[3,2-c]ピリダジニル、5,7-ジヒドロフロ[3,4-c]ピリダジニル及び5,6-ジヒドロフロ[2,3-c]ピリダジニル基などの少なくとも1つの窒素原子と少なくとも1つの酸素原子とを含む環が芳香族性を有する二環式のヘテロアリール基(このヘテロアリール基は、一部飽和されていてもよい。)を意味する。
【0031】
ヘテロ脂肪族環基とは、含窒素ヘテロ脂肪族環基、含酸素ヘテロ脂肪族環基、含硫黄ヘテロ脂肪族環基、含窒素含酸素ヘテロ脂肪族環基、含窒素含硫黄ヘテロ脂肪族環基、ヘテロ架橋環基又はヘテロスピロ環基を意味する。
また、ヘテロ脂肪族環とは、環員にヘテロ原子を有する脂肪族環を意味し、含窒素ヘテロ脂肪族環、含酸素ヘテロ脂肪族環、含硫黄ヘテロ脂肪族環、含窒素含酸素ヘテロ脂肪族環、含窒素含硫黄ヘテロ脂肪族環、ヘテロ架橋環、及び、ヘテロスピロ環が好ましいものとして挙げられる。
【0032】
含窒素ヘテロ脂肪族環基とは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、オクタヒドロアゾシニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル及びホモピペラジニル基などの少なくとも1つの窒素原子を含む環が芳香族性を有さないヘテロ脂肪族環基を意味する。この含窒素ヘテロ脂肪族環基は、更に他の芳香族環又は脂肪族環と縮合していてもよい。
含酸素ヘテロ脂肪族環基とは、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセタニル又は1,3-ジオキサニル基などを意味する。この含酸素ヘテロ脂肪族環基は、更に他の芳香族環又は脂肪族環と縮合していてもよい。
含窒素含酸素ヘテロ脂肪族環基とは、モルホリニル又は1,4-オキサゼパニル基などを意味する。この含窒素含酸素ヘテロ脂肪族環基は、更に他の芳香族環又は脂肪族環と縮合していてもよい。
【0033】
ヘテロ脂肪族環C1-8アルキル基とは、ピロリジニルメチル基、ピロリジニルエチル基、ピロリジニルプロピル基、ピロリジニルオクチル基、ピペリジニルメチル基、テトラヒドロフラニルメチル基などのヘテロ脂肪族環基が結合した直鎖状、分枝鎖状又は環状のC1-8アルキル基を意味する。
複素環基とは、ヘテロアリール基又はヘテロ脂肪族環基を意味する。
環基とは、炭化水素環基又は複素環基を意味する。
【0034】
本発明におけるヒドロキシ基、および一置換又は無置換アミノ基は、保護されていてもよい。
ヒドロキシ基の保護基としては、通常のヒドロキシ基の保護基として使用し得るすべての基が挙げられ、例えば、T.W.グリーン(T. W. Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第16~299頁、2007年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(JohnWiley & Sons,INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には例えば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、アリールC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、アリールC1-6アルコキシC1-6アルキル基、アシル基、C1-6アルコキシカルボニル基、アリールC1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シリル基、テトラヒドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基が挙げられる。
【0035】
一置換又は無置換アミノ基の保護基としては、通常のアミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、T.W.グリーン(T. W. Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第696~926頁、2007年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には例えば、アリールC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、アシル基、C1-6アルコキシカルボニル基、アリールC1-6アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はシリル基が挙げられる。
【0036】
「対象」とは、その予防または治療を必要とするヒト、マウス、サル、家畜等の哺乳動物であり、好ましくは、その予防または治療を必要とするヒトである。
「予防」とは、発症の阻害、発症リスクの低減または発症の遅延などを意味する。
「治療」とは、対象となる疾患または状態の改善または進行の抑制(維持または遅延)などを意味する。
「処置」とは、各種疾患に対する予防または治療などを意味する。
「腫瘍」とは、良性腫瘍または悪性腫瘍を意味する。
「良性腫瘍」とは、腫瘍細胞およびその配列がその由来する正常細胞に近い形態をとり、浸潤性または転移性のない腫瘍を意味する。
「悪性腫瘍」とは、腫瘍細胞の形態やその配列がその由来する正常細胞と異なっており、浸潤性または転移性を示す腫瘍を意味する。
【0037】
本明細書において、「がん」とは、特に限定されないが、血液がん、固形がんなどのあらゆるがんを含む。
本明細書において、「タンパク質間相互作用阻害剤(PPI阻害剤)」とは、生体内のタンパク質分子間に起こる相互作用を阻害する物質であり、免疫チェックポイント阻害剤が挙げられる。
【0038】
本明細書において、「免疫チェックポイント阻害剤」とは、免疫チェックポイント分子を阻害し、抑制性共シグナルを伝達することで免疫抑制機能を発揮する薬剤を意味する。免疫チェックポイント分子としては、CTLA-4、PD-1、PD-L1(programmed cell death-ligand 1)、PD-L2(programmed cell death-ligand 2)、LAG-3(Lymphocyte activation gene 3)、TIM3(T cell immunoglobulin and mucin-3)、BTLA(B and T lympho-cyte attenuator)、B7H3、B7H4、2B4、CD160、A2aR(adenosine A2a receptor)、KIR(killer inhibitory receptor)、VISTA(V-domain Ig-containing suppressor of T cell activation)、IDO1(Indoleamine 2,3-dioxygenase)、ArginaseI、TIGIT(T cell immunoglobulin and ITIM domain)、CD115等が知られているが(Nature Reviews Cancer、12、252-264ページ、2012年、Cancer Cell、27、450-461ページ、2015年を参照)、定義に一致する働きを有する分子であれば特に限定されない。
【0039】
本発明において、免疫チェックポイント阻害剤としては、免疫チェックポイント分子の機能(シグナル)を抑制しうる物質であれば特に限定されない。免疫チェックポイント阻害剤として好ましくは、ヒト免疫チェックポイント分子の阻害剤であり、PD-L1の阻害剤である。
【0040】
本発明において、免疫チェックポイント阻害剤に対する応答が良好であると判定された対象に用いられ得る免疫チェックポイント阻害剤の投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、最適な所望の効果をもたらすように調整される。
【0041】
(含窒素複素環化合物又はその塩)
本発明は、式(1)で表される含窒素複素環化合物又はその塩(以下、化合物Aということがある)である。
【化3】
【0042】
式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、又は、C1-10アルキル基を示し、好ましくは水素原子であり、
Aは、環基を示し、
Bは、水素原子、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、またはC2-10アルキニル基を示す。
【0043】
Aは、好ましくは5員環のヘテロアリール基であり、より好ましくは下記式(2)で示されるヘテロアリール基である。
【化4】
【0044】
式中、X1、X2及びX3は、それぞれ独立にN、O、CH又はCH2を示し、好ましくはN又はOである。X1は好ましくはOである。X2は好ましくはNである。X3は好ましくはNである。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C1-10アルコキシ基、アシル基、炭化水素環基、または複素環基を示す。好ましくは、置換基を有してもよい複素環基である。複素環基としては、ヘテロアリール基が好ましく、単環の含窒素ヘテロアリール基がより好ましく、ピリジル基がさらに好ましい。
【0045】
Xにおいて、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C1-10アルコキシ基、アシル基、炭化水素環基、または複素環基が置換基を有する場合における上記置換基(例えば、置換基を有する複素環基における置換基)としては、アシル基、炭化水素環基又は複素環基が好ましく、アシル基、又は複素環基がより好ましく、アシル基がさらに好ましい。アシル基としては、複素環式カルボニル基が好ましい。複素環式カルボニル基の複素環としては、ヘテロ脂肪族環が好ましく、含窒素ヘテロ脂肪族環基、含酸素ヘテロ脂肪族環基、又は含窒素含酸素ヘテロ脂肪族環基がより好ましく、又は含窒素含酸素ヘテロ脂肪族環基がさらに好ましく、モルホリニルが特に好ましい。
【0046】
Aは、複素環式カルボニルを有する複素環基が好ましく、モルホリニルカルボニルを有するピリジルが特に好ましい。
【0047】
(化合物Aの合成方法)
まず、置換基Bを有してもよいシクロヘキシルアミンと、アミノ基が保護され、5位にハロゲン原子を有するウラシルとを溶媒中で反応させる。反応はアルコール溶媒中、70~120℃で、5~15時間行う。そして、得られた化合物の一方のアミノ基を保護して中間体化合物1を準備する。
【化5】
【0048】
式中、R1、R2及びBは、上記と同様であり、
R11はハロゲン原子を、Proはアミノ保護基を示す。
【0049】
次に、中間体化合物2としてA-CH2-R22(R22はハロゲン原子を示し、Aは上記と同様である。)を準備し、中間体化合物1と反応させる。反応は溶媒中、0~90℃で、2~10時間行う。
【0050】
(タンパク質間相互作用阻害剤、医薬組成物および抗腫瘍剤)
本発明は、化合物Aを含有するタンパク質間相互作用阻害剤であり、PD-L1阻害剤であることが好ましい。
本発明は、化合物Aを含有する医薬組成物である。
本発明は、化合物Aを含有する抗腫瘍剤である。
本発明の医薬組成物および抗腫瘍剤は、乳化剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤または吸収促進剤などの添加剤を含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物および抗腫瘍剤の投与経路としては、静脈内、動脈内、直腸内、腹腔内、筋肉内、腫瘍内または膀胱内注射する方法が挙げられる。投与方法としては、シリンジまたは点滴による投与が挙げられる。
【0051】
本発明はさらに、
(A) 腫瘍を処置するための医薬組成物の製造のための化合物Aの使用;
(B) 抗腫瘍剤の製造のための、化合物Aの使用;
(C) 腫瘍の処置において使用するための化合物A;並びに
(D) 腫瘍を抑制する処置において使用するための化合物A;
を提供する。
【0052】
本発明はさらに、
(E) 化合物Aの有効投与量を対象に投与することを含む、腫瘍の処置方法;
(F) 化合物Aの有効投与量を対象に投与することを含む、腫瘍を抑制する方法;並びに
(G) 腫瘍患者に抗腫瘍剤を投与する方法であって、抗腫瘍剤が化合物Aを含む方法
を提供する。
本発明はさらに、化合物Aを腫瘍の処置に用いるための方法であって、治療有効用量をそのような処置が必要な対象に投与する工程を含む方法を提供する。
対象としては、ヒトが好ましく、腫瘍患者がより好ましい。
【実施例0053】
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0054】
特に記載のない場合、カラムクロマトグラフィーによる精製は、中圧液体クロマトグラフ(山善株式会社)を使用した。
特に記載のない場合、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおける担体は、Q-PACK SI50(Fuji Silysia社)、を使用した。NHシリカは、Q-PACK NH60(Fuji Silysia社)を使用した。溶離液における混合比は、容量比である。
たとえば、「クロロホルム:メタノール=9:1→5:5」は、「クロロホルム:メタノール=9:1」の溶離液を「クロロホルム:メタノール=5:5」の溶離液へ変化させたことを意味する。
【0055】
参考例と実施例において各略号は、以下の意味を有する。
Boc:tert-ブトキシカルボニル
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMTMM:4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
【0056】
【0057】
シクロヘキシルアミン(10g、東京化成工業) 、5-ブロモウラシル(4g、東京化成工業) にエタノール(150ml) を加え、105℃で10時間撹拌した後、エタノール(100mL)を留去した。残留物にメタノール(70mL)を加えて室温で濾過し、白色結晶の5-(シクロヘキシルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(3.95g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:11.13(1H,s),10.14(1H,d,J=4.1Hz),6.37(1H,d,J=5.6Hz),3.78(1H,d,J=8.4Hz),2.89(1H,m),1.84-1.09(10H,m).
MS(ESIm/z):210.1[M+H]+
【0058】
【0059】
5-(シクロヘキシルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(1.05g) 、DMAP(0.03g、富士フイルム和光純薬)にTHF(150mL)を加え、室温下で攪拌しながら二炭酸ジ-tert-ブチル(1.31g、東京化成工業)を滴下し、室温で4時間30分間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル =100:0→51:49) で精製し、 (ヘキサン:酢酸エチル =10:1) の混合溶媒から再結晶し、白色結晶のtert-ブチル5-(シクロヘキシルアミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラート(0.82g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:11.57(1H,s),6.74(1H,s),4.29(1H,d,J=8.1Hz),2.92(1H,m),1.88-1.16(10H,m),1.51(9H,s).
MS(ESIm/z):310.2[M+H]+
【0060】
【0061】
メチル4-シアノピコリナート(0.223g、ENAMINE)のTHF(4mL)および水(2mL)混合溶液に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.64mL)を加え、室温で15分間撹拌した後、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.36mL)を加え、20分間撹拌した後、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.2mL)を加え、さらに15分間撹拌した。反応混合物に、DMTMM(0.764g)、モルホリン(0.24mL)およびメタノール(4mL)を加え、室温で1時間50分間撹拌した後、室温にて終夜放置した。室温にて、1時間30分間撹拌した後、DMTMM(0.38g)を加え、さらに1時間30分間撹拌した。反応混合物に、水を加え、有機相を酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル =67:33→20:80)で精製し、白色固体の2-(モルホリン-4-カルボニル)イソニコチノニトリル(0.13g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:8.76(1H,d,J=5.0Hz),7.97(1H,brs),7.58(1H,dd,J=5.0,1.4Hz),3.85-3.79(4H,m),3.74-3.65(4H,m).
MS(ESIm/z):218[M+H]+
【0062】
【0063】
窒素雰囲気下、2-(モルホリン-4-カルボニル)イソニコチノニトリル(0.246g)のエタノール(30mL)溶液に、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(0.15mL、ALDRICH)を加え、70℃で2時間15分間撹拌した。室温まで冷却した後、飽和食塩水および水を加え、クロロホルムおよびエタノールで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られた白色固体に、アセトン(20mL)を加え、クロロアセチルクロリド(0.072mL、東京化成工業)のアセトン(2mL)溶液を5分間かけて滴下した。室温で1時間15分間撹拌した後、クロロアセチルクロリド(0.009mL)のアセトン(0.5mL)溶液を加え、室温で1時間40分間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、トルエン(20mL)およびモルキュラーシーブス4A(activated)を加え、130℃で16時間30分間撹拌した。室温まで冷却した後、沈殿物を濾過で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル =30:70→10:90)で精製し、無色油状の(4-(5-(クロロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(0.153g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:8.76(1H,d,J=5.1Hz),8.35(1H,brs),8.01(1H,dd,J=5.1,1.4Hz),4.78(2H,s),3.89-3.80(4H,m),3.74-3.63(4H,m).
MS(ESIm/z):309[M+H]+
【0064】
【0065】
tert-ブチル5-(シクロヘキシルアミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラート(0.082g) 、(4-(5-(クロロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(0.074g)、炭酸カリウム(0.1g)、ヨウ化ナトリウム(0.048g)にアセトン5mLを加え、60℃で4時間50分間攪拌した。室温まで冷却後、メタノール(5mL)を加えて30分攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール =100:0→95:5) で精製し、5-(シクロヘキシルアミノ)-3-((3-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(0.005g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:10.80(1H,d,J=5.5Hz),8.79(1H,d,J=5.0Hz),8.04(1H,s),7.99(1H,d,J=5.0Hz),6.58(1H,d,J=5.5Hz),5.41(2H,s),4.00(1H,d,J=8.5Hz),3.67(4H,m),3.55(2H,m),3.46(2H,m),2.96(1H,m),1.87-1.13(10H,m).
MS(ESIm/z):482.2[M+H]+
【0066】
【0067】
cis-1,2-シクロヘキサンジアミン(1.5mL、東京化成工業) 、5-ブロモウラシル(0.5g、東京化成工業) の混合物にエタノール(12mL)を加え、105℃で8時間30分間撹拌した後、室温まで冷却した。エタノールを加え、生じた固体を濾取、乾燥し、黄色固体の5-(((1R,2S)-2-アミノシクロヘキシル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン及び5-(((1S,2R)-2-アミノシクロヘキシル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの混合物(0.25g) を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:6.40(1H,s),4.17-4.06(1H,m),3.05-2.87(2H,m),1.57-1.15(8H,m).
【0068】
【0069】
5-(((1R,2S)-2-アミノシクロヘキシル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン及び5-(((1S,2R)-2-アミノシクロヘキシル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの混合物(0.332g)のTHF(20mL)溶液に、DMAP(0.018g)を加えた。続いて、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.323g、東京化成工業)のTHF(3mL)溶液を滴下し、室温で1時間20分間撹拌した。二炭酸ジ-tert-ブチル(0.323g、東京化成工業)のTHF(3mL)溶液を滴下し、室温でさらに55分間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル =80:20→50:50)で精製し、黄色固体のtert-ブチル-5-(((1R,2S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラートおよびtert-ブチル-5-(((1S,2R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラートの混合物(0.165g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:11.59(1H,s),6.83-6.77(2H,m),4.33-4.25(1H,m),3.82-3.71(1H,m),3.34-3.23(1H,m),1.72-1.23(8H,m),1.51(9H,s),1.36(9H,s).
MS(ESIm/z):425[M+H]+
【0070】
【0071】
氷冷下、tert-ブチル-5-(((1R,2S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラートおよびtert-ブチル-5-(((1S,2R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラートの混合物(0.148g)のDMF(3mL)溶液に、カリウムtert-ブトキシド (0.039g)を加え、25分間撹拌した。(4-(5-(クロロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(0.08g)のDMF(1mL)溶液を滴下した後、2時間撹拌した。反応混合物に、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル =30:70→0:100)で精製し、淡黄色のtert-ブチル5-(((1R,2S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-3-((3-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラートおよびtert-ブチル5-(((1S,2R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-3-((3-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラートの混合物(0.13g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:8.71(1H,d,J=5.1Hz),8.30(1H,brs),7.98(1H,dd,J=5.1,1.5Hz),7.10(1H,s),5.46(2H,s),4.83-4.71(1H,m),3.97-3.87(1H,m),3.86-3.78(4H,m),3.73-3.61(4H,m),3.45-3.38(1H,m),1.78-1.37(8H,m),1.60(9H,s),1.42(9H,s).
MS(ESIm/z):697[M+H]+
【0072】
【0073】
tert-ブチル5-(((1R,2S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-3-((3-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラートおよびtert-ブチル5-(((1S,2R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-3-((3-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラートの混合物(0.065g)のジクロロメタン(5mL)溶液に、TFA(1mL)を加え、室温で1時間撹拌した。TFA(1mL)を加え、2時間30分間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカ、クロロホルム:メタノール =100:0→95:5)で精製し、黄色固体の5-(((1R,2S)-2-アミノシクロヘキシル)アミノ)-3-((3-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンおよび5-(((1S,2R)-2-アミノシクロヘキシル)アミノ)-3-((3-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの混合物(0.04g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:8.71(1H,d,J=5.1Hz),8.30(1H,brs),8.00-7.96(1H,m),6.46(1H,s),5.47(2H,s),4.22-4.14(1H,m),3.87-3.78(4H,m),3.73-3.61(4H,m),3.18-3.11(1H,m),3.10-3.04(1H,m),1.74-1.30(8H,m).
【0074】
【0075】
氷冷下、tert-ブチル5-(シクロヘキシルアミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラート(0.5g) のDMF(8mL)溶液に、カリウムtert-ブトキシド(0.17g)を加えた後、3-ブロモ-5-(ブロモメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(0.28g、ENAMINE)を滴下し、30分間攪拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチル(40mL)、ヘキサン(10mL)で抽出した。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル =95:5→74:26) で精製し、tert-ブチル3-((3-ブロモ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-5-(シクロヘキシルアミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラート(0.18g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:6.93(1H,s),5.40(2H,s),3.91(1H,s),2.99(1H,m),2.01-1.19(10H,m),1.60(9H,s).
【0076】
【0077】
tert-ブチル3-((3-ブロモ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-5-(シクロヘキシルアミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラート(0.094g) 、炭酸カリウム(0.15g)にメタノール(10mL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物にクロロホルム(5mL)を加えて濾過し、濾液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール =100:0→95:5) で精製し、(ヘキサン:酢酸エチル =4:3) の混合溶媒から再結晶し、3-((3-ブロモ-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-5-(シクロヘキシルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(0.018g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:10.82(1H,s),6.57(1H,s),5.33(2H,s),4.00(1H,m),2.95(1H,s),1.87-1.12(10H,m).
MS(ESIm/z):370.06[M+H]+
【0078】
【0079】
氷冷下、tert-ブチル5-(シクロヘキシルアミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラート(0.61g) のDMF(8mL)溶液に、カリウムtert-ブトキシド(0.21g)を加えた後、3-ブロモ-5-(クロロメチル)イソキサゾール(0.13g、ENAMINE)を滴下し、そのまま30分間攪拌した。反応混合液に塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチル(40mL) 、ヘキサン(5mL)で抽出した。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル =95:5→74:26) で精製し、tert-ブチル3-((3-ブロモイソキサゾール-5-イル)メチル)-5-(シクロヘキシルアミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラート(0.10g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:6.86(1H,s),6.82(1H,s),5.16(2H,s),4.47(1H,d,J=7.8Hz),2.97(1H,d,J=7.8Hz),1.99-1.15(10H,m),1.53(9H,s).
【0080】
【0081】
tert-ブチル3-((3-ブロモイソキサゾール-5-イル)メチル)-5-(シクロヘキシルアミノ)-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシラート(0.065g) 、炭酸カリウム(0.10g)にメタノール(10mL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物にクロロホルム(5mL)を加えて濾過し、濾液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール =100:0→95:5) で精製し、 (ヘキサン:酢酸エチル =2:1) の混合溶媒から再結晶し、3-((3-ブロモイソキサゾール-5-イル)メチル)-5-(シクロヘキシルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(0.015g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:10.71(1H,s),6.72(1H,s),6.51(1H,s),5.14(2H,s),3.94(1H,d,J=8.3Hz),2.93(1H,d,J=8.3Hz),1.86-1.12(10H,m).
MS(ESIm/z):369.05[M+H]+
【0082】
<PD-1/PD-L1結合阻害試験>
PD-L1のPD-1への結合阻害能を、以下の2ステップで試験した。
(1)ステップ1「50%阻害濃度IC50の測定」:
50%阻害濃度IC50を求めるため、AlphaLISA PD-1 and PDL-1 Binding Kit (PerkinElmer社、商品コード:AL356HV) 及びEnSightマルチプレートリーダー (Perkin Elmer社)を測定に用いた。試薬等はキット付属のものを使用した。段階希釈した実施例の化合物又はDMSOを含むアッセイバッファー(PerkinElmer社、商品コード:AL356HV付属)を、12.5 μL/ウェルで96ウェルプレート(PerkinElmer社、OptiPlate96)に添加した。ビオチン化ヒトPD-L1 (PerkinElmer社、商品コード:AL356HV付属) をアッセイバッファーで20 nMに希釈し、12.5 μL/ウェルで添加した。Hisタグ修飾ヒトPD-1 (PerkinElmer社、商品コード:AL356HV付属) をアッセイバッファーで10 nMに希釈し、12.5 μL/ウェルで添加した。遮光下で40 μg/mL Anti-6X His AlphaLISAアクセプタービーズ (PerkinElmer社、商品コード:AL356HV付属) および80 μg/mLストレプトアビジンドナービーズ(PerkinElmer社、商品コード:AL356HV付属)を含むアッセイバッファーを12.5 μL/ウェルで添加した後、25℃で90分暗室に静置し、EnSightマルチモードプレートリーダー (PerkinElmer社) にて、Alpha LISA設定 (励起光波長 (Ex) 680 nm、及び、発光波長 (Em) 615 nm) を用いて、実施例の化合物の結合阻害率を、下記式(1)に従い算出した。各化合物濃度における結合阻害率を、シグモイド用量反応式による非線形回帰でフィッティングし、IC50を算出した。