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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025518
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】レベル変換回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0185 20060101AFI20240216BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H03K19/0185 240
H03K19/0175 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129025
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】森尻 敬治
【テーマコード(参考)】
5J056
【Fターム(参考)】
5J056CC21
5J056DD13
5J056DD28
5J056DD29
(57)【要約】
【課題】消費電力の低下を図ったレベル変換回路を提供する。
【解決手段】第2トランジスタ制御回路5が、入力電圧VINのLレベルからHレベルへの切り替えに応じて出力される第1ワンショットパルスの出力中にトランジスタMN3をオン制御し、第1ワンショットパルスの出力停止中にトランジスタMP5をオン制御する。第2トランジスタ制御回路6が、入力電圧VINのHレベルからLレベルへの切り替えに応じて出力される第2ワンショットパルスの出力中にトランジスタMN4をオン制御し、第2ワンショットパルスの出力停止中にトランジスタMP6をオン制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1高電圧と第1低電圧の振幅を有する入力電圧を、第2高電圧と第2低電圧の振幅を有する出力電圧に変換するレベル変換回路であって、
ゲート又はベースに第1ノードが接続され、ソース又はエミッタに前記第2高電圧を供給する第2電源の正極が接続された第1トランジスタと、
ゲート又はベースに第2ノードが接続され、ソース又はエミッタに前記第2電源の正極が接続された第2トランジスタと、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのオンオフ状態により出力をラッチして前記第2高電圧と前記第2低電圧の振幅を有する電圧を出力するラッチ回路と、
前記第1ノードと前記第1高電圧を供給する第1電源の負極の間に接続された第3トランジスタと、
前記第2ノードと前記第1電源の負極の間に接続された第4トランジスタと、
前記第2電源の正極と前記第1ノード及び前記第2ノードの間に設けられ、前記第3トランジスタがオンかつ前記第4トランジスタがオフの場合、前記第1トランジスタをオン、前記第2トランジスタをオフし、前記第3トランジスタがオフかつ前記第4トランジスタがオンの場合、前記第1トランジスタをオフ、前記第2トランジスタをオンする第1トランジスタ制御回路と、
前記第2電源の正極と前記第1ノードの間に接続された第5トランジスタと、
前記第2電源の正極と前記第2ノードの間に接続された第6トランジスタと、
前記入力電圧の前記第1低電圧から前記第1高電圧への立ち上がりに応じて第1ワンショットパルスを出力する第1ワンショットパルス出力回路と、
前記入力電圧の前記第1高電圧から前記第1低電圧への立ち下がりに応じて第2ワンショットパルスを出力する第2ワンショットパルス出力回路と、
前記第1ワンショットパルスの出力中に前記第3トランジスタをオンし、前記第1ワンショットパルスの出力停止中に前記第5トランジスタをオンすると共に、前記第2ワンショットパルスの出力中に前記第4トランジスタをオンし、前記第2ワンショットパルスの出力停止中に前記第6トランジスタをオンする第2トランジスタ制御回路を備えた
レベル変換回路。
【請求項2】
請求項1に記載のレベル変換回路において、
前記第2トランジスタ制御回路は、
前記第2電源の正極と前記第5トランジスタのゲート又はベースの間に接続された第7トランジスタと、
前記第7トランジスタと前記第2低電圧を供給するための第3電源の負極との間に接続された第1抵抗と、
前記第2電源の正極と前記第7トランジスタのゲート又はベースの間に接続された第2抵抗と、
前記第2抵抗と前記第1電源の負極との間に接続され、ゲート又はベースに前記第1ワンショットパルス出力回路が接続された第8トランジスタと、
前記第2電源の正極と前記第6トランジスタのゲート又はベースの間に接続された第9トランジスタと、
前記第9トランジスタと前記第3電源の負極との間に接続された第3抵抗と、
前記第2電源の正極と前記第9トランジスタのゲート又はベースの間に接続された第4抵抗と、
前記第4抵抗と前記第1電源の負極との間に接続され、ゲート又はベースに前記第2ワンショットパルス出力回路が接続された第10トランジスタを有している
レベル変換回路。
【請求項3】
請求項2に記載のレベル変換回路において、
前記第2トランジスタ制御回路は、
前記第1電源から電源供給を受けて電流を供給する電流源を有し、前記電流源から供給される電流又は前記電流源から供給される電流に応じた電流を折り返して、前記第8トランジスタ及び前記第10トランジスタに供給するカレントミラー回路を有している
レベル変換回路。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載のレベル変換回路において、
前記第1トランジスタ制御回路は、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ドレイン又はコレクタが前記第1ノード及びゲート又はベースに接続された第11トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ゲート又はベースが前記第11トランジスタのゲート又はベースに接続され、ドレイン又はコレクタが前記第2ノードに接続された第12トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ドレイン又はコレクタが前記第2ノード及びゲート又はベースに接続された第13トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ゲート又はベースが前記第13トランジスタのゲート又はベースに接続され、ドレイン又はコレクタが前記第1ノードに接続された第14トランジスタを有する
レベル変換回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レベル変換回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に従来のレベル変換回路を示す(例えば、特許文献1の図1参照)。従来のレベル変換回路は、Hレベル(VDD1)とLレベル(GND)の振幅を有する入力電圧を入力端子INに入力すると、Hレベル(VDD2)とLレベル(VL2=VDD2-VDD3)の振幅を有する出力電圧を出力端子OUTから出力する回路である。図4に示す、MP21~MP29はPチャンネルの電界効果トランジスタ、MN21~MN28はNチャンネルの電界効果トランジスタ、R11~R17は抵抗、AND1,AND2はAND回路、INV1~INV7はインバータである。
【0003】
従来のレベル変換回路は、入力電圧、出力電圧がLレベルのときに、トランジスタMP24,MN21,MP29,MN27,MN28がオンして、矢印で示すように4つの抵抗R11,R15,R16,R17で電流が流れ続けるため、消費電力が高い、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-21978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力の低下を図ったレベル変換回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係るレベル変換回路は、下記[1]~[4]を特徴としている。
[1]
第1高電圧と第1低電圧の振幅を有する入力電圧を、第2高電圧と第2低電圧の振幅を有する出力電圧に変換するレベル変換回路であって、
ゲート又はベースに第1ノードが接続され、ソース又はエミッタに前記第2高電圧を供給する第2電源の正極が接続された第1トランジスタと、
ゲート又はベースに第2ノードが接続され、ソース又はエミッタに前記第2電源の正極が接続された第2トランジスタと、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのオンオフ状態により出力をラッチして前記第2高電圧と前記第2低電圧の振幅を有する電圧を出力するラッチ回路と、
前記第1ノードと前記第1高電圧を供給する第1電源の負極の間に接続された第3トランジスタと、
前記第2ノードと前記第1電源の負極の間に接続された第4トランジスタと、
前記第2電源の正極と前記第1ノード及び前記第2ノードの間に設けられ、前記第3トランジスタがオンかつ前記第4トランジスタがオフの場合、前記第1トランジスタをオン、前記第2トランジスタをオフし、前記第3トランジスタがオフかつ前記第4トランジスタがオンの場合、前記第1トランジスタをオフ、前記第2トランジスタをオンする第1トランジスタ制御回路と、
前記第2電源の正極と前記第1ノードの間に接続された第5トランジスタと、
前記第2電源の正極と前記第2ノードの間に接続された第6トランジスタと、
前記入力電圧の前記第1低電圧から前記第1高電圧への立ち上がりに応じて第1ワンショットパルスを出力する第1ワンショットパルス出力回路と、
前記入力電圧の前記第1高電圧から前記第1低電圧への立ち下がりに応じて第2ワンショットパルスを出力する第2ワンショットパルス出力回路と、
前記第1ワンショットパルスの出力中に前記第3トランジスタをオンし、前記第1ワンショットパルスの出力停止中に前記第5トランジスタをオンすると共に、前記第2ワンショットパルスの出力中に前記第4トランジスタをオンし、前記第2ワンショットパルスの出力停止中に前記第6トランジスタをオンする第2トランジスタ制御回路を備えた
レベル変換回路であること。
[2]
[1]に記載のレベル変換回路において、
前記第2トランジスタ制御回路は、
前記第2電源の正極と前記第5トランジスタのゲート又はベースの間に接続された第7トランジスタと、
前記第7トランジスタと前記第2低電圧を供給するための第3電源の負極との間に接続された第1抵抗と、
前記第2電源の正極と前記第7トランジスタのゲート又はベースの間に接続された第2抵抗と、
前記第2抵抗と前記第1電源の負極との間に接続され、ゲート又はベースに前記第1ワンショットパルス出力回路が接続された第8トランジスタと、
前記第2電源の正極と前記第6トランジスタのゲート又はベースの間に接続された第9トランジスタと、
前記第9トランジスタと前記第3電源の負極との間に接続された第3抵抗と、
前記第2電源の正極と前記第9トランジスタのゲート又はベースの間に接続された第4抵抗と、
前記第4抵抗と前記第1電源の負極との間に接続され、ゲート又はベースに前記第2ワンショットパルス出力回路が接続された第10トランジスタを有している
レベル変換回路であること。
[3]
[2]に記載のレベル変換回路において、
前記第2トランジスタ制御回路は、
前記第1電源から電源供給を受けて電流を供給する電流源を有し、前記電流源から供給される電流又は前記電流源から供給される電流に応じた電流を折り返して、前記第8トランジスタ及び前記第10トランジスタに供給するカレントミラー回路を有している
レベル変換回路であること。
[4]
[1]~[3]の何れか1項に記載のレベル変換回路において、
前記第1トランジスタ制御回路は、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ドレイン又はコレクタが前記第1ノード及びゲート又はベースに接続された第11トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ゲート又はベースが前記第11トランジスタのゲート又はベースに接続され、ドレイン又はコレクタが前記第2ノードに接続された第12トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ドレイン又はコレクタが前記第2ノード及びゲート又はベースに接続された第13トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ゲート又はベースが前記第13トランジスタのゲート又はベースに接続され、ドレイン又はコレクタが前記第1ノードに接続された第14トランジスタを有する
レベル変換回路であること。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、消費電力の低下を図ったレベル変換回路を提供することができる。
【0008】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のレベル変換回路の一実施形態を示す回路図である。
図2図2は、図1に示す第1、第2ワンショットパルス出力回路の詳細を示す回路図である。
図3図3は、図1に示すレベル変換回路の各電圧、電流のタイムチャートである。
図4図4は、従来のレベル変換回路の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0011】
図1は、本発明のレベル変換回路1の一実施形態を示す回路図である。レベル変換回路1は、入力端子INに入力するHレベル(VDD1)とLレベル(GND)の振幅を有する入力電圧VINを、Hレベル(VDD2)とLレベル(VL2=VDD2-VDD3)の振幅を有する出力電圧VOUTに変換して出力端子OUTから出力する回路である。VDD1は、第1電源21から供給される電源電圧である。VDD2は、第2電源22から供給される電源電圧である。VDD3は、第3電源23から供給される電源電圧であり、VL2を供給するために設けられている。例えば、GND=0V、VDD1=5V、VDD2=30V、VDD3=3Vである。本実施形態では、VDD1が第1高電圧に相当し、GNDが第1低電圧に相当し、VDD2が第2高電圧に相当し、VL2が第2低電圧に相当する。
【0012】
レベル変換回路1は、トランジスタMP1,MP2と、ラッチ回路3と、インバータ回路4と、トランジスタMN3,MN4と、第1トランジスタ制御回路5と、トランジスタMP5,MP6と、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72と、第2トランジスタ制御回路8を備えている。
【0013】
第1,第2トランジスタとしてのトランジスタMP1,MP2は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMP1は、ゲートに第1ノードとしてのノードAが接続され、ソースに第2電源22の正極が接続され、VDD2が供給されている。トランジスタMP2は、ゲートに第2ノードとしてのノードBが接続され、ソースに第2電源22の正極が接続され、VDD2が供給されている。
【0014】
ラッチ回路3は、VDD2-VL2間の電圧が印加される回路である。ラッチ回路3は、トランジスタMP1,MP2のオンオフ状態により出力をラッチして、Hレベル(VDD2)とLレベル(VL2)の振幅を有する電圧を出力する(詳細は後述)。ラッチ回路3は、トランジスタMP15,MP16,MN15,MN16を有している。トランジスタMP15,MP16は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成され、トランジスタMN15,MN16は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。
【0015】
トランジスタMP15,MP16は、ソースに第2電源22の正極が接続され、VDD2が供給されている。トランジスタMN15,MN16は、ソースに第3電源23の負極が接続され、VL2が供給されている。また、トランジスタMP15,MN15は、ドレイン同士、ゲート同士が接続されている。トランジスタMP16,MN16は、ドレイン同士、ゲート同士が接続されている。また、トランジスタMP15,MN15のドレインが、トランジスタMP16,MN16のゲートに接続されている。トランジスタMP16,MN16のドレインが、トランジスタMP15,MN15のゲートに接続されている。
【0016】
トランジスタMP1のドレインが、トランジスタMP15,MN15のゲート及びトランジスタMP16,MN16のドレインに接続されている。トランジスタMP2のドレインが、トランジスタMP15,MN15のドレイン及びトランジスタMP16,MN16のゲートに接続されている。トランジスタMP16,MN16のドレインがラッチ回路3の出力となる。
【0017】
以上の構成によれば、下記の表1に示すように、ラッチ回路3は、トランジスタMP1がオン、トランジスタMP2がオフのときに、トランジスタMP15,MN16がオフ、トランジスタMN15,MP16がオンとなり、Hレベル(VDD2)が出力される。この状態からトランジスタMP1,MP2がオフに切り替わると、トランジスタMP15,MN16のオフ、トランジスタMN15,MP16のオンが保持され、Hレベル(VDD2)の出力が保持される。
【0018】
【表1】
【0019】
また、ラッチ回路3は、トランジスタMP1がオフ、トランジスタMP2がオンのときに、トランジスタMP15,MN16がオン、トランジスタMN15,MP16がオフとなり、Lレベル(VL2)が出力される。この状態からトランジスタMP1,MP2がオフに切り替わると、トランジスタMP15,MN16のオン、トランジスタMN15,MP16のオフが保持され、Lレベル(VL2)の出力が保持される。
【0020】
インバータ回路4は、ラッチ回路3の出力を2回反転して出力電圧VOUTとして出力する。インバータ回路4は、2つのインバータ41,42を有している。インバータ41は、入力がラッチ回路3の出力に接続されている。インバータ42は、入力がインバータ41の出力に接続され、出力が出力端子OUTに接続されている。
【0021】
第3,第4トランジスタとしてのトランジスタMN3,MN4は、高耐圧のNチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMN3は、ノードAと第1電源21の負極の間に接続されている。トランジスタMN4は、ノードBと第1電源21の負極の間に接続されている。詳しく説明すると、トランジスタMN3は、ソースに第1電源21の負極、ドレインにノードAが接続されている。トランジスタMN4は、ソースに第1電源21の負極、ドレインにノードBが接続されている。
【0022】
第1トランジスタ制御回路5は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成された第11トランジスタ~第14トランジスタとしてトランジスタMP11~MP14を有している。トランジスタMP11,MP12はカレントミラー接続されている。トランジスタMP11は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ゲート及びドレインが接続されている。トランジスタMP11のドレインは、ノードAに接続されている。トランジスタMP12は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ゲートがトランジスタMP11のゲート及びドレインに接続されている。トランジスタMP12のドレインがノードBに接続されている。
【0023】
トランジスタMP13,MP14はカレントミラー接続されている。トランジスタMP13は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ゲート及びドレインが接続されている。トランジスタMP13のドレインは、ノードBに接続されている。トランジスタMP14は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ゲートにトランジスタMP13のゲート及びドレインが接続されている。トランジスタMP14のドレインは、ノードAに接続されている。
【0024】
第1トランジスタ制御回路5は、トランジスタMN3がオン、かつ、トランジスタMN4がオフの場合、トランジスタMP11,M12がオンし、トランジスタMP13,MP14がオフする。この結果、第1トランジスタ制御回路5は、ノードAからLレベル(VDD2-VGSMP11)、ノードBからHレベル(VDD2)を出力し、トランジスタMP1をオン制御すると共にトランジスタMP2をオフ制御する。VGSMP11は、トランジスタMP11のゲート・ソース間電圧であり、トランジスタMP1の閾値電圧以上の電圧となる。
【0025】
また、第1トランジスタ制御回路5は、トランジスタMN3がオフ、かつ、トランジスタMN4がオンの場合、トランジスタMP11,M12がオフし、トランジスタMP13,MP14がオンする。この結果、第1トランジスタ制御回路5は、ノードAからHレベル(VDD2)、ノードBからLレベル(VDD2-VGSMP13)を出力し、トランジスタMP1をオフ制御すると共にトランジスタMP2をオン制御する。VGSMP13は、トランジスタMP13のゲート・ソース間電圧であり、トランジスタMP2の閾値電圧以上の電圧となる。
【0026】
第5,第6トランジスタとしてのトランジスタMP5,MP6は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMP5は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ドレインにノードAが接続されている。トランジスタMP6は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ドレインにノードBが接続されている。トランジスタMN3,MN4がオフのときにトランジスタMP5,MP6がオンすると、ノードA,Bから強制的にHレベル(VDD2)が出力される。
【0027】
第1ワンショットパルス出力回路71には、入力に入力端子INが接続され、入力電圧VINが入力される。第1ワンショットパルス出力回路71は、入力電圧VINのLレベルからHレベルへの立ち上がりに応じて第1ワンショットパルスを出力する回路である。第1ワンショットパルス出力回路71の出力は、トランジスタMN3、後述するトランジスタMN8のゲートに接続される。
【0028】
第2ワンショットパルス出力回路72には、入力にインバータ9の出力が接続されている。インバータ9の入力には、入力端子INが接続され、第2ワンショットパルス出力回路72の入力には、反転された入力電圧VINが入力される。第2ワンショットパルス出力回路72は、入力電圧VINのHレベルからLレベルへの立ち下がりに応じて第2ワンショットパルスを出力する回路である。第2ワンショットパルス出力回路72の出力は、トランジスタMN4、後述するトランジスタMN10のゲートに接続される。
【0029】
次に、上述した第1、第2ワンショットパルス出力回路71,72の一例について図2を参照して説明する。同図に示すように、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72は各々、インバータ701と、電流源702と、トランジスタMP20,MN20と、コンデンサCと、インバータ703と、AND回路704を有している。インバータ701の入力が、第1、第2ワンショットパルス出力回路71,72の入力となり、入力電圧VIN又は反転した入力電圧VINが供給される。電流源702は、電流Iref2を供給する。トランジスタMP20は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMN20は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。
【0030】
トランジスタMP20,MN20は、ゲート同士、ドレイン同士が接続されている。トランジスタMP20,MN20のゲートは、インバータ701の出力に接続されている。トランジスタMP20のソースが電流源702に接続され、トランジスタMN20のソースがGNDに接続されている。コンデンサCは、トランジスタMP20,MN20のドレインとGNDとの間に接続されている。インバータ703は、入力がコンデンサC及びトランジスタMP20,MN20のドレインに接続されている。AND回路704は、入力に第1、第2ワンショットパルス出力回路71,72の入力とインバータ703の出力が接続されている。AND回路704の出力が、第1、第2ワンショットパルス出力回路71,72の出力となる。
【0031】
以上によれば、入力電圧VIN又は反転した入力電圧VINがLレベル(GND)からHレベル(VDD1)に切り替わると、トランジスタMP20,MN20のゲートがLレベルとなり、トランジスタMP20がオン、トランジスタMN20がオフする。これにより、電流Iref2によりコンデンサCの充電が開始される。コンデンサCが充電されておらず、その両端電圧がインバータ電圧を越えていない間は、インバータ703からはHレベルが出力され、AND回路704からはHレベルの第1、第2ワンショットパルスが出力される。一方、コンデンサCが充電され、その両端電圧がインバータ電圧を越えると、インバータ703の出力がLレベルに切り替わり、AND回路704からはLレベルが出力され、第1、第2ワンショットパルスの出力が停止される。
【0032】
その後、入力電圧VIN又は反転した入力電圧VINがHレベルからLレベルに切り替わると、トランジスタMP20,MN20のゲートがHレベルとなり、トランジスタMP20がオフ、トランジスタMN20がオンする。これにより、コンデンサCは放電される。以上の構成によれば、第1、第2ワンショットパルス出力回路71,72は、電流Iref2とコンデンサCの容量に応じた一定時間だけHレベルとなる第1、第2ワンショットパルスを出力することができる。なお、一定時間は、入力電圧VINがHレベルからLレベル、LレベルからHレベルに切り替わったタイミングから出力電圧VOUTがHレベルからLレベル、LレベルからHレベルに切り替わるまでの時間以上に設定されている。
【0033】
図1に戻り、第2トランジスタ制御回路8について説明する。第2トランジスタ制御回路8は、第1ワンショットパルスの出力中にトランジスタMN3をオン制御し、第1ワンショットパルスの出力停止中にトランジスタMP5をオン制御する。また、第2トランジスタ制御回路8は、第2ワンショットパルスの出力中にトランジスタMN4をオン制御し、第2ワンショットパルスの出力停止中にトランジスタMP6をオン制御する。
【0034】
第2トランジスタ制御回路8は、トランジスタMP7と、抵抗R1,R2と、高耐圧のトランジスタMN8と、トランジスタMP9と、抵抗R3,R4と、高耐圧のトランジスタMN10と、カレントミラー回路81を有している。トランジスタMP7,MP9は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMN8,MN10は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。
【0035】
第7トランジスタとしてのトランジスタMP7は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ドレインがトランジスタMP5のゲートに接続されている。第1抵抗としての抵抗R1は、トランジスタMP7のドレインと第3電源23の負極との間に接続されている。第2抵抗としての抵抗R2は、第2電源22の正極とトランジスタMP7のゲートとの間に接続されている。第8トランジスタとしてのトランジスタMN8は、抵抗R2と第1電源21の負極との間に接続され、ゲートに第1ワンショットパルス出力回路71の出力が接続されている。
【0036】
第9トランジスタとしてのトランジスタMP9は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ドレインがトランジスタMP6のゲートに接続されている。第3抵抗としての抵抗R3は、トランジスタMP9のドレインと第3電源23の負極との間に接続されている。第4抵抗としての抵抗R4は、第2電源22の正極とトランジスタMP9のゲートとの間に接続されている。第10トランジスタとしてのトランジスタMN10は、抵抗R4と第1電源21の負極との間に接続され、ゲートに第2ワンショットパルス出力回路72の出力が接続されている。
【0037】
カレントミラー回路81は、電流源82からの電流Irefを2つに折り返してトランジスタMN8,MN10にそれぞれ供給する。カレントミラー回路81は、電流源82と、トランジスタMN17~MN19と、を有している。
【0038】
電流源82は、一端に第1電源21の正極が接続され、電流Irefを供給する。トランジスタMN17~MN19は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMN17は、ドレインに電流源82が接続され、ソースに第1電源21の負極が接続され、ゲート及びドレインが接続されている。トランジスタMN18,MN19は、ゲートにトランジスタMN17のゲート及びドレインが接続され、ソースに第1電源21の負極が接続されている。トランジスタMN18のドレインは、トランジスタMN8のソースに接続されている。トランジスタMN19のドレインは、トランジスタMN10のソースに接続されている。
【0039】
以上の構成によれば、第1ワンショットパルスの出力中は、トランジスタMN3,MN8がオンする。トランジスタMN8がオンすると、抵抗R2にカレントミラー回路81からの電流Irefが流れる。抵抗R2に電流Irefが流れると、トランジスタMP7がオンして、トランジスタMP5をオフにすることができる。第1ワンショットパルスの出力停止中は、トランジスタMN3,MN8がオフする。トランジスタMN8がオフすると、抵抗R2に対する電流が遮断される。抵抗R2への電流が遮断されると、トランジスタMP7がオフして、トランジスタMP5をオンにすることができる。
【0040】
また、第2ワンショットパルスの出力中は、トランジスタMN4,MN10がオンする。トランジスタMN10がオンすると、抵抗R4にカレントミラー回路81からの電流Irefが流れる。抵抗R4に電流Irefが流れると、トランジスタMP9がオンして、トランジスタMP6をオフにすることができる。第2ワンショットパルスの出力停止中は、トランジスタMN4,MN10がオフする。トランジスタMN10がオフすると、抵抗R4に対する電流が遮断される。抵抗R4への電流が遮断されると、トランジスタMP9がオフして、トランジスタMP6をオンにすることができる。
【0041】
次に、上述した構成のレベル変換回路1の動作について図3のタイムチャートを参照して説明する。まず、入力電圧VINがLレベル(GND)からHレベル(VDD1)に切り替わった場合について説明する。入力電圧VINがLレベルからHレベルに切り替わると、第1ワンショットパルス出力回路71からトランジスタMN3,MN8のゲートに第1ワンショットパルスが出力される。第1ワンショットパルスが出力されると、トランジスタMN3がオン、トランジスタMP5がオフする。このとき、トランジスタMN4はオフ、トランジスタMP6はオンしている。
【0042】
上述したようにトランジスタMN3がオン、トランジスタMN4がオフになると、トランジスタMP11,MP12がオン、トランジスタMP13,MP14がオフとなる。よって、ノードAから(VDD2-VGSMP11)、ノードBからVDD2が出力され、トランジスタMP1がオン、トランジスタMP2がオフする。トランジスタMP1がオン、トランジスタMP2がオフすると、表1に示すように、ラッチ回路3からHレベル(VDD2)が出力され、出力電圧VOUTがHレベル(VDD2)となる。
【0043】
次に、入力電圧VINがLレベルからHレベルに切り替わってから一定時間経過すると、第1ワンショットパルス出力回路71からトランジスタMN3,MN8のゲートに出力される第1ワンショットパルスの出力が停止される。第1ワンショットパルスの出力が停止されると、トランジスタMN3がオフ、トランジスタMP5がオンする。このとき、トランジスタMN4はオフ、トランジスタMP6はオンしたままである。
【0044】
上述したようにトランジスタMN3,MN4がオフになると、トランジスタMP11~MP14はオフとなるが、トランジスタMP5,MP6がオンとなっているため、ノードA,BからはVDD2が出力される。これにより、トランジスタMP1,MP2がオフし、表1に示すように、ラッチ回路3からHレベルの出力が保持され、出力電圧VOUTのHレベルが保持される。
【0045】
次に、入力電圧VINがHレベル(VDD1)からにLレベル(GND)切り替わった場合について説明する。入力電圧VINがHレベルからLレベルに切り替わると、第2ワンショットパルス出力回路72からトランジスタMN4,MN10のゲートに第2ワンショットパルスが出力される。第2ワンショットパルスが出力されると、トランジスタMN4がオン、トランジスタMP6がオフする。このとき、トランジスタMN3はオフ、トランジスタMP5はオンしている。
【0046】
上述したようにトランジスタMN4がオン、トランジスタMN3がオフになると、トランジスタMP13,MP14がオン、トランジスタMP11,MP12がオフとなる。よって、ノードAからVDD2、ノードBから(VDD2-VGSMP13)が出力され、トランジスタMP1がオフ、トランジスタMP2がオンする。トランジスタMP1がオフ、トランジスタMP2がオンすると、表1に示すように、ラッチ回路3からLレベル(VL2)が出力され、出力電圧VOUTがLレベル(VL2)となる。
【0047】
次に、入力電圧VINがHレベルからLレベルに切り替わってから一定時間経過すると、第2ワンショットパルス出力回路72からトランジスタMN4,MN10のゲートに出力される第2ワンショットパルスの出力が停止される。第2ワンショットパルスの出力が停止されると、トランジスタMN4がオフ、トランジスタMP6がオンする。このとき、トランジスタMN3はオフ、トランジスタMP5はオンしたままである。
【0048】
上述したようにトランジスタMN3,MN4がオフになると、トランジスタMP11~MP14はオフとなるが、トランジスタMP5,MP6がオンとなっているため、ノードA,BからはVDD2が出力される。これにより、トランジスタMP1,MP2がオフし、表1に示すように、ラッチ回路3からLレベルの出力が保持され、出力電圧VOUTのLレベルが保持される。
【0049】
上述した実施形態によれば、入力電圧VINがHレベルからLレベル、LレベルからHレベルに切り替わり、第1ワンショットパルス、第2ワンショットパルスが出力されている一定時間のみ、ノードA,Bを通じて電流I1が流れ、トランジスタMN8,MN10を通じて電流Irefが流れ、第1ワンショットパルス、第2ワンショットパルスの出力が停止されると、ノードA,Bを通じて流れる電流、トランジスタMN8,MN10を通じて流れる電流が遮断される。これにより、省電力化を図ることができる。
【0050】
また、VDD3の最低動作電圧は、下記の式(1)となり、従来のレベル変換回路と同様に低電圧動作が可能となる。
VDD3>VGSMP16+VGSMN16 …(1)
VGSMP16:トランジスタMP16のゲート・ソース間電圧
VGSMN16:トランジスタMN16のゲート・ソース間電圧
【0051】
また、上述した実施形態によれば、第2トランジスタ制御回路8が、トランジスタMP7,MN8、MP9,MP10,抵抗R1~R4を有している。これにより、簡単な構成でかつ省電力化を図りつつトランジスタMN3,MN4、MP5,MP6のオンオフを制御することができる。
【0052】
上述した実施形態によれば、第2トランジスタ制御回路8が、カレントミラー回路81を有している。これにより、トランジスタMN8,MN10に流れる電流を電流I1よりも低い電流Irefに抑えることができ、省電力化を図ることができる。
【0053】
また、上述した実施形態によれば、第1トランジスタ制御回路5がトランジスタMP11~MP14から構成されている。これにより、簡単な構成でトランジスタMP1,MP2のオンオフを制御することができる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0055】
上述した実施形態によれば、カレントミラー回路81においては電流Irefを折り返していた。折り返される電流は、電流Irefに応じた電流であればよく、電流Irefと等しくなくてもよい。
【0056】
上述した実施形態によれば、第1トランジスタ制御回路5は、トランジスタMP11~MP14から構成されていたが、これに限ったものではない。例えば、第2電源22の正極と、ノードA,Bと、の間にそれぞれ設けられた抵抗及びツェナーダイオードから構成されていてもよい。抵抗及びツェナーダイオードは並列接続される。この場合、ノードA,Bへの電流の供給、遮断に応じてノードA,Bの出力は、VDD2と、VDD2-VDZと、の間で切り替わる。VDZはツェナーダイオードのツェナー電圧である。
【0057】
上述した実施形態によれば、トランジスタMP1,MP2,MN3,MN4,MP5~MP7,MN8,MP9,MN10,MP11~MP16,MN15~MN19,MP20,MN20は、電界効果トランジスタから構成されていたが、これに限ったものではない。トランジスタMP1,MP2,MN3,MN4,MP5~MP7,MN8,MP9,MN10,MP11~MP16,MN15~MN19,MP20,MN20は、バイポーラトランジスタから構成されていてもよい。この場合、トランジスタの「ゲート」を「ベース」、「ソース」を「エミッタ」、「ドレイン」を「コレクタ」に読み替えて説明することができる。
【0058】
上述した実施形態によれば、カレントミラー回路81を設けていたが、これに限ったものではない。カレントミラー回路81は必須ではなく、なくてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 レベル変換回路
3 ラッチ回路
5 第1トランジスタ制御回路
8 第2トランジスタ制御回路
21 第1電源
22 第2電源
23 第3電源
71 第1ワンショットパルス出力回路
72 第2ワンショットパルス出力回路
81 カレントミラー回路
82 電流源
A ノード(第1ノード)
B ノード(第2ノード)
MP1 トランジスタ(第1トランジスタ)
MP2 トランジスタ(第2トランジスタ)
MN3 トランジスタ(第3トランジスタ)
MN4 トランジスタ(第4トランジスタ)
MP5 トランジスタ(第5トランジスタ)
MP6 トランジスタ(第6トランジスタ)
MP7 トランジスタ(第7トランジスタ)
MN8 トランジスタ(第8トランジスタ)
MP9 トランジスタ(第9トランジスタ)
MN10 トランジスタ(第10トランジスタ)
MP11 トランジスタ(第11トランジスタ)
MP12 トランジスタ(第12トランジスタ)
MP13 トランジスタ(第13トランジスタ)
MP14 トランジスタ(第14トランジスタ)
R1 抵抗(第1抵抗)
R2 抵抗(第2抵抗)
R3 抵抗(第3抵抗)
R4 抵抗(第4抵抗)
VIN 入力電圧
VOUT 出力電圧
図1
図2
図3
図4