(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025519
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】レベル変換回路
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0185 20060101AFI20240216BHJP
H03K 19/0175 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H03K19/0185 240
H03K19/0175 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129026
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】森尻 敬治
【テーマコード(参考)】
5J056
【Fターム(参考)】
5J056CC21
5J056DD13
5J056DD28
5J056DD29
5J056DD51
(57)【要約】
【課題】高耐圧のトランジスタを少なくし、消費電力の低下を図ったレベル変換回路を提供する。
【解決手段】第1ワンショットパルス出力回路71が、入力電圧VINの立ち上がりに応じて第1ワンショットパルスを出力する。トランジスタMN5は、第1ワンショットパルスが出力されている間、オンしてノードAに流れる電流を増大させる。第2ワンショットパルス出力回路72が、入力電圧VINの立ち下がりに応じて第2ワンショットパルスを出力する。トランジスタMN6は、ワンショットパルスが出力されている間、オンしてノードBに流れる電流を増大させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1高電圧と第1低電圧の振幅を有する入力電圧を、第2高電圧と第2低電圧の振幅を有する出力電圧に変換するレベル変換回路であって、
ゲート又はベースに第1ノードが接続され、ソース又はエミッタに前記第2高電圧を供給する第2電源の正極が接続された第1トランジスタと、
ゲート又はベースに第2ノードが接続され、ソース又はエミッタに前記第2電源の正極が接続された第2トランジスタと、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのオンオフ状態により出力をラッチして前記第2高電圧と前記第2低電圧の振幅を有する電圧を出力するラッチ回路と、
ゲート又はベースに前記入力電圧が供給され、前記第1ノードと前記第1高電圧を供給する第1電源の負極の間に接続された第3トランジスタと、
ゲート又はベースに反転された前記入力電圧が供給され、前記第2ノードと前記第1電源の負極の間に接続された第4トランジスタと、
前記第2電源の正極と前記第1ノード及び前記第2ノードの間に設けられ、前記第3トランジスタがオンかつ前記第4トランジスタがオフの場合、前記第1トランジスタをオン、前記第2トランジスタをオフし、前記第3トランジスタがオフかつ前記第4トランジスタがオンの場合、前記第1トランジスタをオフ、前記第2トランジスタをオンするトランジスタ制御回路と、
前記第1電源から電源供給を受ける電流源を有し、前記電流源からの電流又は前記電流源からの電流に応じた電流を折り返して前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタにそれぞれ供給するカレントミラー回路と、
前記入力電圧の前記第1低電圧から前記第1高電圧への立ち上がり及び前記第1高電圧から前記第1低電圧への立ち下がりの一方に応じて第1ワンショットパルスを出力する第1ワンショットパルス出力回路と、
前記第1ワンショットパルスがゲート又はベースに入力され、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタの一方のソース又はエミッタと前記第1電源の負極との間に接続される第5トランジスタを備えた
レベル変換回路。
【請求項2】
請求項1に記載のレベル変換回路において、
前記入力電圧の前記第1低電圧から前記第1高電圧への立ち上がり及び前記第1高電圧から前記第1低電圧への立ち下がりの他方に応じて第2ワンショットパルスを出力する第2ワンショットパルス出力回路と、
前記第2ワンショットパルスがゲート又はベースに入力され、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタの他方のソース又はエミッタと前記第1電源の負極との間に接続される第6トランジスタを備えた
レベル変換回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレベル変換回路において、
前記トランジスタ制御回路は、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ドレイン又はコレクタが前記第1ノード及びゲート又はベースに接続された第7トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ゲート又はベースが前記第7トランジスタのゲート又はベースに接続され、ドレイン又はコレクタが前記第2ノードに接続された第8トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ドレイン又はコレクタが前記第2ノード及びゲート又はベースに接続された第9トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ゲート又はベースが前記第9トランジスタのゲート又はベースに接続され、ドレイン又はコレクタが前記第1ノードに接続された第10トランジスタを有する
レベル変換回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レベル変換回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に従来のレベル変換回路を示す(例えば、特許文献1の
図1参照)。従来のレベル変換回路は、Hレベル(VDD1)とLレベル(GND)の振幅を有する入力電圧を入力端子INに入力すると、Hレベル(VDD2)とLレベル(VL2=VDD2-VDD3)の振幅を有する出力電圧を出力端子OUTから出力する回路である。
図4に示す、MP21~MP29はPチャンネルの電界効果トランジスタ、MN21~MN28はNチャンネルの電界効果トランジスタ、R1~R7は抵抗、AND1,AND2はAND回路、INV1~INV7はインバータである。
【0003】
従来のレベル変換回路は、トランジスタMN25,MN26、MN27,MP29を高耐圧のトランジスタから構成する必要があり、回路規模が大きくなる、という問題があった。また、従来のレベル変換回路は、入力電圧、出力電圧がLレベルのときに、トランジスタMP24,MN21,MP29,MN27,MN28がオンして、矢印で示すように4つの抵抗R1,R5,R6,R7で電流が流れ続けるため、消費電力が高い、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路規模の縮小を図るとともに、消費電力の低下を図ったレベル変換回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係るレベル変換回路は、下記[1]~[3]を特徴としている。
[1]
第1高電圧と第1低電圧の振幅を有する入力電圧を、第2高電圧と第2低電圧の振幅を有する出力電圧に変換するレベル変換回路であって、
ゲート又はベースに第1ノードが接続され、ソース又はエミッタに前記第2高電圧を供給する第2電源の正極が接続された第1トランジスタと、
ゲート又はベースに第2ノードが接続され、ソース又はエミッタに前記第2電源の正極が接続された第2トランジスタと、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのオンオフ状態により出力をラッチして前記第2高電圧と前記第2低電圧の振幅を有する電圧を出力するラッチ回路と、
ゲート又はベースに前記入力電圧が供給され、前記第1ノードと前記第1高電圧を供給する第1電源の負極の間に接続された第3トランジスタと、
ゲート又はベースに反転された前記入力電圧が供給され、前記第2ノードと前記第1電源の負極の間に接続された第4トランジスタと、
前記第2電源の正極と前記第1ノード及び前記第2ノードの間に設けられ、前記第3トランジスタがオンかつ前記第4トランジスタがオフの場合、前記第1トランジスタをオン、前記第2トランジスタをオフし、前記第3トランジスタがオフかつ前記第4トランジスタがオンの場合、前記第1トランジスタをオフ、前記第2トランジスタをオンするトランジスタ制御回路と、
前記第1電源から電源供給を受ける電流源を有し、前記電流源からの電流又は前記電流源からの電流に応じた電流を折り返して前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタにそれぞれ供給するカレントミラー回路と、
前記入力電圧の前記第1低電圧から前記第1高電圧への立ち上がり及び前記第1高電圧から前記第1低電圧への立ち下がりの一方に応じて第1ワンショットパルスを出力する第1ワンショットパルス出力回路と、
前記第1ワンショットパルスがゲート又はベースに入力され、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタの一方のソース又はエミッタと前記第1電源の負極との間に接続される第5トランジスタを備えた
レベル変換回路であること。
[2]
[1]に記載のレベル変換回路において、
前記入力電圧の前記第1低電圧から前記第1高電圧への立ち上がり及び前記第1高電圧から前記第1低電圧への立ち下がりの他方に応じて第2ワンショットパルスを出力する第2ワンショットパルス出力回路と、
前記第2ワンショットパルスがゲート又はベースに入力され、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタの他方のソース又はエミッタと前記第1電源の負極との間に接続される第6トランジスタを備えた
レベル変換回路であること。
[3]
[1]又は[2]に記載のレベル変換回路において、
前記トランジスタ制御回路は、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ドレイン又はコレクタが前記第1ノード及びゲート又はベースに接続された第7トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ゲート又はベースが前記第7トランジスタのゲート又はベースに接続され、ドレイン又はコレクタが前記第2ノードに接続された第8トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ドレイン又はコレクタが前記第2ノード及びゲート又はベースに接続された第9トランジスタと、
ソース又はエミッタが前記第2電源の正極に接続され、ゲート又はベースが前記第9トランジスタのゲート又はベースに接続され、ドレイン又はコレクタが前記第1ノードに接続された第10トランジスタを有する
レベル変換回路であること。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回路規模の縮小を図るとともに、消費電力の低下を図ったレベル変換回路を提供することができる。
【0008】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明のレベル変換回路の一実施形態を示す回路図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す第1、第2ワンショットパルス出力回路の詳細を示す回路図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すレベル変換回路の各電圧、電流のタイムチャートである。
【
図4】
図4は、従来のレベル変換回路の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0011】
図1は、本発明のレベル変換回路1の一実施形態を示す回路図である。レベル変換回路1は、入力端子INに入力するHレベル(VDD1)とLレベル(GND)の振幅を有する入力電圧VINを、Hレベル(VDD2)とLレベル(VL2=VDD2-VDD3)の振幅を有する出力電圧VOUTに変換して出力端子OUTから出力する回路である。VDD1は、第1電源21から供給される電源電圧である。VDD2は、第2電源22から供給される電源電圧である。VDD3は、第3電源23から供給される電源電圧であり、VL2を供給するために設けられている。例えば、GND=0V、VDD1=5V、VDD2=30V、VDD3=3Vである。本実施形態では、VDD1が第1高電圧に相当し、GNDが第1低電圧に相当し、VDD2が第2高電圧に相当し、VL2が第2低電圧に相当する。
【0012】
レベル変換回路1は、トランジスタMP1,MP2と、ラッチ回路3と、インバータ回路4と、トランジスタMN3,MN4と、トランジスタ制御回路5と、カレントミラー回路6と、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72と、トランジスタMN5,MN6を備えている。
【0013】
第1,第2トランジスタとしてのトランジスタMP1,MP2は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMP1は、ゲートに第1ノードとしてのノードAが接続され、ソースに第2電源22の正極が接続され、VDD2が供給されている。トランジスタMP2は、ゲートに第2ノードとしてのノードBが接続され、ソースに第2電源22の正極が接続され、VDD2が供給されている。
【0014】
ラッチ回路3は、VDD2-VL2間の電圧が印加される回路である。ラッチ回路3は、トランジスタMP1,MP2のオンオフ状態により出力をラッチして、Hレベル(VDD2)とLレベル(VL2)の振幅を有する電圧を出力する(詳細は後述)。ラッチ回路3は、トランジスタMP11,MP12,MN11,MN12を有している。トランジスタMP11,MP12は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成され、トランジスタMN11,MN12は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。
【0015】
トランジスタMP11,MP12は、ソースに第2電源22の正極が接続され、VDD2が供給されている。トランジスタMN11,MN12は、ソースに第3電源23の負極が接続され、VL2が供給されている。また、トランジスタMP11,MN11は、ドレイン同士、ゲート同士が接続されている。トランジスタMP12,MN12は、ドレイン同士、ゲート同士が接続されている。また、トランジスタMP11,MN11のドレインが、トランジスタMP12,MN12のゲートに接続されている。トランジスタMP12,MN12のドレインが、トランジスタMP11,MN11のゲートに接続されている。
【0016】
トランジスタMP1のドレインが、トランジスタMP11,MN11のゲート及びトランジスタMP12,MN12のドレインに接続されている。トランジスタMP2のドレインが、トランジスタMP11,MN11のドレイン及びトランジスタMP12,MN12のゲートに接続されている。トランジスタMP12,MN12のドレインがラッチ回路3の出力となる。
【0017】
以上の構成によれば、ラッチ回路3は、トランジスタMP1がオン、トランジスタMP2がオフのときに、トランジスタMP11,MN12がオフ、トランジスタMN11,MP12がオンとなり、Hレベル(VDD2)が出力される。この状態からトランジスタMP1,MP2がオフに切り替わると、トランジスタMP11,MN12のオフ、トランジスタMN11,MP12のオンが保持され、Hレベル(VDD2)の出力が保持される。また、ラッチ回路3は、トランジスタMP1がオフ、トランジスタMP2がオンのときに、トランジスタMP11,MN12がオン、トランジスタMN11,MP12がオフとなり、Lレベル(VL2)が出力される。この状態からトランジスタMP1,MP2がオフに切り替わると、トランジスタMP11,MN12のオン、トランジスタMN11,MP12のオフが保持され、Lレベル(VL2)の出力が保持される。
【0018】
インバータ回路4は、ラッチ回路3の出力を2回反転して出力電圧VOUTとして出力する。インバータ回路4は、2つのインバータ41,42を有している。インバータ41は、入力がラッチ回路3の出力に接続されている。インバータ42は、入力がインバータ41の出力に接続され、出力が出力端子OUTに接続されている。
【0019】
第3,第4トランジスタとしてのトランジスタMN3,MN4は、高耐圧のNチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMN3は、ノードAと第1電源21の負極の間に接続されている。トランジスタMN4は、ノードBと第1電源21の負極の間に接続されている。詳しく説明すると、トランジスタMN3は、ソースに後述するトランジスタMN14を介して第1電源21の負極が接続され、ドレインにノードAが接続されている。トランジスタMN4は、ソースに後述するトランジスタMN15を介して第1電源21の負極が接続され、ドレインにノードBが接続されている。
【0020】
トランジスタ制御回路5は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成された第7トランジスタ~第10トランジスタとしてトランジスタMP7~MP10を有している。トランジスタMP7,MP8はカレントミラー接続されている。トランジスタMP7は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ゲート及びドレインが接続されている。トランジスタMP7のドレインは、ノードAに接続されている。トランジスタMP8は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ゲートがトランジスタMP7のゲート及びドレインに接続されている。トランジスタMP8のドレインがノードBに接続されている。
【0021】
トランジスタMP9,MP10はカレントミラー接続されている。トランジスタMP9は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ゲート及びドレインが接続されている。トランジスタMP9のドレインは、ノードBに接続されている。トランジスタMP10は、ソースに第2電源22の正極が接続され、ゲートにトランジスタMP9のゲート及びドレインが接続されている。トランジスタMP10のドレインは、ノードAに接続されている。
【0022】
トランジスタ制御回路5は、トランジスタMN3がオン、かつ、トランジスタMN4がオフの場合、トランジスタMP7,MP8がオンし、トランジスタMP9,MP10がオフする。この結果、トランジスタ制御回路5は、ノードAからLレベル(VDD2-VGSMP7)、ノードBからHレベル(VDD2)を出力し、トランジスタMP1をオン制御すると共にトランジスタMP2をオフ制御する。VGSMP7は、トランジスタMP7のゲート・ソース間電圧であり、トランジスタMP1の閾値電圧以上の電圧となる。
【0023】
また、トランジスタ制御回路5は、トランジスタMN3がオフ、かつ、トランジスタMN4がオンの場合、トランジスタMP7,M8がオフし、トランジスタMP9,MP10がオンする。この結果、トランジスタ制御回路5は、ノードAからHレベル(VDD2)、ノードBからLレベル(VDD2-VGSMP9)を出力し、トランジスタMP1をオフ制御すると共にトランジスタMP2をオン制御する。VGSMP9は、トランジスタMP9のゲート・ソース間電圧であり、トランジスタMP2の閾値電圧以上の電圧となる。
【0024】
カレントミラー回路6は、VDD1-GND間の電圧が印加される回路である。カレントミラー回路6は、電流源61からの電流Irefを2つに折り返してトランジスタMN3,MN4にそれぞれ供給する。カレントミラー回路6は、電流源61と、トランジスタMN13~MN15を有している。
【0025】
電流源61は、一端に第1電源21の正極が接続され、電流Irefを供給する。トランジスタMN13~MN15は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMN13は、ドレインに電流源61が接続され、ソースに第1電源21の負極が接続され、ゲート及びドレインが接続されている。トランジスタMN14,MN15は、ゲートにトランジスタMN13のゲート及びドレインが接続され、ソースに第1電源21の負極が接続されている。トランジスタMN14のドレインは、トランジスタMN3のソースに接続されている。トランジスタMN15のドレインは、トランジスタMN4のソースに接続されている。
【0026】
以上の構成によれば、電流Irefが、トランジスタMN14のドレイン電流に折り返され、トランジスタMN3に供給される。また、電流Irefが、トランジスタMN15のドレイン電流に折り返され、トランジスタMN4に供給される。
【0027】
第1ワンショットパルス出力回路71には、入力に入力端子INが接続され、入力電圧VINが入力される。第1ワンショットパルス出力回路71は、入力電圧VINのLレベルからHレベルへの立ち上がりに応じて第1ワンショットパルスを出力する回路である。第1ワンショットパルス出力回路71の出力は、後述するトランジスタMN5のゲートに接続される。
【0028】
第2ワンショットパルス出力回路72には、入力にインバータ8の出力が接続されている。インバータ8の入力には、入力端子INが接続され、第2ワンショットパルス出力回路72の入力には、反転された入力電圧VINが入力される。第2ワンショットパルス出力回路72は、入力電圧VINのHレベルからLレベルへの立ち下がりに応じて第2ワンショットパルスを出力する回路である。第2ワンショットパルス出力回路72の出力は、後述するトランジスタMN6のゲートに接続される。
【0029】
次に、上述した第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72の一例について
図2を参照して説明する。同図に示すように、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72は各々、インバータ701と、電流源702と、トランジスタMP16,MN16と、コンデンサCと、インバータ703と、AND回路704を有している。インバータ701の入力が、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72の入力となり、入力電圧VIN又は反転した入力電圧VINが供給される。電流源702は、電流Iref2を供給する。トランジスタMP16は、Pチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。トランジスタMN16は、Nチャンネルの電界効果トランジスタから構成されている。
【0030】
トランジスタMP16,MN16は、ゲート同士、ドレイン同士が接続されている。トランジスタMP16,MN16のゲートは、インバータ701の出力に接続されている。トランジスタMP16のソースが電流源702に接続され、トランジスタMN16のソースがGNDに接続されている。コンデンサCは、トランジスタMP16,MN16のドレインとGNDとの間に接続されている。インバータ703は、入力がコンデンサC及びトランジスタMP16,MN16のドレインに接続されている。AND回路704は、入力に第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72の入力とインバータ703の出力が接続されている。AND回路704の出力が、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72の出力となる。
【0031】
以上によれば、入力電圧VIN又は反転した入力電圧VINがLレベル(GND)からHレベル(VDD1)に切り替わると、トランジスタMP16,MN16のゲートがLレベルとなり、トランジスタMP16がオン、トランジスタMN16がオフする。これにより、電流Iref2によりコンデンサCの充電が開始される。コンデンサCが充電されておらず、その両端電圧がインバータ電圧を越えていない間は、インバータ703からはHレベルが出力され、AND回路704からはHレベルの第1,第2ワンショットパルスが出力される。一方、コンデンサCが充電され、その両端電圧がインバータ電圧を越えると、インバータ703の出力がLレベルに切り替わり、AND回路704からはLレベルが出力され、第1,第2ワンショットパルスの出力が停止される。
【0032】
その後、入力電圧VIN又は反転した入力電圧VINがHレベルからLレベルに切り替わると、トランジスタMP16,MN16のゲートがHレベルとなり、トランジスタMP16がオフ、トランジスタMN16がオンする。これにより、コンデンサCは放電される。以上の構成によれば、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72は、電流Iref2とコンデンサCの容量に応じた一定時間だけHレベルとなる第1,第2ワンショットパルスを出力することができる。なお、一定時間は、入力電圧VINがHレベルからLレベル、LレベルからHレベルに切り替わったタイミングから出力電圧VOUTがHレベルからLレベル、LレベルからHレベルに切り替わるまでの時間以上に設定されていることが好ましい。
【0033】
図1に戻り、レベル変換回路1についての説明を続ける。トランジスタMN5は、ソースが第1電源21の負極に接続され、ドレインがトランジスタMN14のドレイン及びトランジスタMN3のソースに接続される。トランジスタMN5のゲートには、第1ワンショットパルス出力回路71が出力する第1ワンショットパルスが入力される。
【0034】
トランジスタMN6は、ソースが第1電源21の負極に接続され、ドレインがトランジスタMN15のドレイン及びトランジスタMN4のソースに接続される。トランジスタMN6のゲートには、第2ワンショットパルス出力回路72が出力する第2ワンショットパルスが入力される。
【0035】
以上の構成によれば、第1ワンショットパルス出力回路71,72からワンショットパルスが出力されている間、トランジスタMN5,MN6がオンして、ノードA,Bに流れる電流を増大させる。
【0036】
次に、上述した構成のレベル変換回路1の動作について
図3のタイムチャートを参照して説明する。まず、入力電圧VINがLレベル(GND)からHレベル(VDD1)に切り替わった場合について説明する。入力電圧VINがLレベルからHレベルに切り替わると、トランジスタMN3がオフからオンに切り替わり、トランジスタMN4がオンからオフに切り替わる。また、トランジスタMN5のゲートに対して第1ワンショットパルスが出力され、トランジスタMN5がオンする。トランジスタMN6はオフのままである。
【0037】
トランジスタMN3,MN5がオンすると、ノードAに流れる電流IAは、I1+Irefとなる。I1は、トランジスタMN5のドレイン電流である。この電流IAによりノードAの電位がVDD1から(VDD2-VGSMP7)まで下がる。一方、トランジスタMN4,MN6がオフすると、ノードBに流れる電流IBは、遮断され、0となる。電流IBが遮断されると、ノードBの電位がVDD2に引き上げられる。
【0038】
ノードAが(VDD2-VGSMP7)に下がると、トランジスタMP1がオンする。また、ノードBがVDD2に上がると、トランジスタMP2がオフする。トランジスタMP1がオン、トランジスタMP2がオフすると、トランジスタMP12,MN11がオン、トランジスタMP11,MN12がオフする。これにより、トランジスタMP12,MN12のドレイン(ラッチ回路3の出力)がHレベル(VDD2)となり、トランジスタMP11,MN11のドレインがLレベル(VL2)となる。ラッチ回路3の出力がHレベルとなり、インバータ41の閾値電圧を上回ると、出力電圧VOUTがLレベル(VL2)からHレベル(VDD2)に切り替わる。
【0039】
入力電圧VINがLレベルからHレベルに切り替わってから一定時間が経過すると、第1ワンショットパルスの出力が停止して、トランジスタMN5がオフとなる。トランジスタMN5がオフすると、ノードAに流れる電流IAは、Irefに下がるが、電流が流れ続けるため、トランジスタMN3のオンが保持され、出力電圧VOUTはHレベルを維持する。
【0040】
次に、入力電圧VINがHレベル(VDD1)からLレベル(GND)に切り替わった場合について説明する。入力電圧VINがHレベルからLレベルに切り替わると、トランジスタMN3がオンからオフに切り替わり、トランジスタMN4がオフからオンに切り替わる。また、トランジスタMN6のゲートに対して第2ワンショットパルスが出力され、トランジスタMN6がオンする。トランジスタMN5はオフのままである。
【0041】
トランジスタMN4,MN6がオンすると、ノードBに流れる電流IBは、I1+Irefとなる。I1は、トランジスタMN6のドレイン電流である。この電流IBによりノードBの電位がVDD2から(VDD2-VGSMP9)まで下がる。一方、トランジスタMN3,MN5がオフすると、ノードAに流れる電流IAは、遮断され、0となる。電流IAが遮断されると、ノードAの電位がVDD2に引き上げられる。
【0042】
ノードBが(VDD2-VGSMP9)に下がると、トランジスタMP2がオンする。また、ノードAがVDD2に上がると、トランジスタMP1がオフする。トランジスタMP1がオフ、トランジスタMP2がオンすると、トランジスタMP12,MN11がオフ、トランジスタMP11,MN12がオンする。これにより、トランジスタMP12,MN12のドレイン(ラッチ回路3の出力)がLレベル(VL2)となり、トランジスタMP11,MN11のドレインがHレベル(VDD2)となる。ラッチ回路3の出力がLレベルとなり、インバータ41の閾値電圧を下回ると、出力電圧VOUTがHレベル(VDD2)からLレベル(VL2)に切り替わる。
【0043】
入力電圧VINがHレベルからLレベルに切り替わってから一定時間が経過すると、第2ワンショットパルスの出力が停止して、トランジスタMN6がオフとなる。トランジスタMN6がオフすると、ノードBに流れる電流IBは、Irefに下がるが、電流が流れ続けるため、トランジスタMN4のオンが保持され、出力電圧VOUTはLレベルを維持する。
【0044】
上述した実施形態によれば、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72、トランジスタMN5,MN6を設けることにより、入力電圧VINがHレベルからLレベル、LレベルからHレベルに切り替わった際にノードA,Bに流れる電流を増大させて、ノードA,Bの電位のHレベルからLレベル、LレベルからHレベルの遷移時間を短縮して、出力電圧のHレベルからLレベル、LレベルからHレベルの遷移時間を短縮することができる。
【0045】
また、第1,第2ワンショットパルスの出力が停止した後は、ノードA又はノードBに流れる電流を、電流I1+Irefから電流Irefに抑えることができる。さらに、電流が流れる経路を、電流源61とノードA又はノードBの2箇所にすることができ、省電力化を図ることができる。しかも、素子サイズの大きい高耐圧のトランジスタMN3,MN4を2つにして少なくして、回路サイズを小さくすることができる。
【0046】
また、VDD3の最低動作電圧は、下記の式(1)となり、従来のレベル変換回路と同様に低電圧動作が可能となる。
VDD3>VGSMP12+VGSMN12 …(1)
VGSMP12:トランジスタMP12のゲート・ソース間電圧
VGSMN12:トランジスタMN12のゲート・ソース間電圧
【0047】
また、上述した実施形態によれば、トランジスタ制御回路5がトランジスタMP7~MP10から構成されている。これにより、簡単な構成でトランジスタMP1,MP2のオンオフを制御することができる。
【0048】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0049】
上述した実施形態によれば、カレントミラー回路6においては電流Irefを折り返していた。折り返される電流は、電流Irefに応じた電流であればよく、電流Irefと等しくなくてもよい。
【0050】
上述した実施形態によれば、レベル変換回路1は、2つの第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72を設けていたが、これに限ったものではない。2つの第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72の何れか一方のみ設けてもよい。この場合、トランジスタMN5,MN6は、第1,第2ワンショットパルス出力回路71,72一方の出力がゲートに供給される一方のみが設けられる。
【0051】
上述した実施形態によれば、トランジスタ制御回路5は、トランジスタMP7~MP10から構成されていたが、これに限ったものではない。例えば、第2電源22の正極と、ノードA,Bと、の間にそれぞれ設けられた抵抗及びツェナーダイオードから構成されていてもよい。抵抗及びツェナーダイオードは並列接続される。この場合、トランジスタMN3,MN4のオンオフに応じてノードA,Bの出力は、VDD2と、VDD2-VDZと、の間で切り替わる。VDZはツェナーダイオードのツェナー電圧である。
【0052】
上述した実施形態によれば、トランジスタMP1,MP2,MN3~MN6,MP7~MP10,MP11,MP12,MN11,MN12,MN13~MN15は、電界効果トランジスタから構成されていたが、これに限ったものではない。トランジスタMP1,MP2,MN3~MN6,MP7~MP10,MP11,MP12,MN11,MN12,MN13~MN15は、バイポーラトランジスタから構成されていてもよい。この場合、トランジスタの「ゲート」を「ベース」、「ソース」を「エミッタ」、「ドレイン」を「コレクタ」を読み替えて説明することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 レベル変換回路
3 ラッチ回路
5 トランジスタ制御回路
6 カレントミラー回路
21 第1電源
22 第2電源
61 電流源
71 第1ワンショットパルス出力回路
72 第2ワンショットパルス出力回路
A ノード(第1ノード)
B ノード(第2ノード)
Iref 電流
MP1 トランジスタ(第1トランジスタ)
MP2 トランジスタ(第2トランジスタ)
MN3 トランジスタ(第3トランジスタ)
MN4 トランジスタ(第4トランジスタ)
MN5 トランジスタ(第5トランジスタ)
MN6 トランジスタ(第6トランジスタ)
MP7 トランジスタ(第7トランジスタ)
MP8 トランジスタ(第8トランジスタ)
MP9 トランジスタ(第9トランジスタ)
MP10 トランジスタ(第10トランジスタ)
VIN 入力電圧
VOUT 出力電圧