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特開2024-25524放射線画像撮影システム及びその作動方法並びに放射線画像撮影制御装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025524
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】放射線画像撮影システム及びその作動方法並びに放射線画像撮影制御装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20240216BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A61B6/00 330Z
A61B6/04 309B
A61B6/00 320Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129033
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 立樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 知己
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA07
4C093CA36
4C093CA50
4C093DA06
4C093EC23
4C093ED21
4C093EE16
4C093EE30
4C093FA36
4C093FA53
4C093FA55
4C093FB09
4C093FB12
(57)【要約】
【課題】被検者の心理的負担を軽減しつつ、放射線画像の撮影を支援することができる放射線画像撮影システム及びその作動方法並びに放射線画像撮影制御装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影システム(10)は、放射線画像撮影装置(13)、測距装置(11)及びプロセッサを備える。プロセッサは、測距装置(11)が生成する測距情報に基づき、被検者(31)の姿勢を示す被検者姿勢情報を生成し、被検者姿勢情報及び放射線画像撮影装置の姿勢を示す装置姿勢情報を用い、放射線画像撮影装置に対する被検者の位置、姿勢及び/又は向きを示す位置関係推定情報を生成し、位置関係推定情報に基づき、放射線画像の撮影に関する報知を行う報知制御及び/又は放射線画像撮影装置に対する撮影装置制御を行う。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者を撮影することにより、放射線画像を生成する放射線画像撮影装置と、
前記被検者を含む検知対象物に関する測距情報を生成する測距装置と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記測距情報を取得し、
前記測距情報に基づき、前記被検者の姿勢を示す被検者姿勢情報を生成し、
前記被検者姿勢情報と、前記放射線画像撮影装置の姿勢を示す装置姿勢情報とを用いて、前記放射線画像撮影装置に対する前記被検者の位置、姿勢、及び/または向きを示す位置関係推定情報を生成し、
前記位置関係推定情報に基づき、前記放射線画像の撮影に関する報知を行う報知制御、及び/又は前記放射線画像撮影装置に対する撮影装置制御を行う放射線画像撮影システム。
【請求項2】
前記測距装置は、前記放射線画像撮影装置に関する測距情報を生成し、
前記プロセッサは、
前記測距情報に基づき、前記装置姿勢情報を生成する請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
予め入力された、前記測距装置と前記放射線画像撮影装置との位置関係を用い、前記装置姿勢情報を取得する請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項4】
前記被検者姿勢情報は、前記被検者の頭尾方向の体軸の位置を示す体軸情報を含み、
前記プロセッサは、
前記体軸情報及び前記装置姿勢情報を用い、前記被検者の頭尾方向の前記体軸が、前記被検者の右乳房を撮影する位置である右乳房撮影位置であるか、又は前記被検者の左乳房を撮影する位置である左乳房撮影位置であるかを判定した結果である撮影位置情報を、前記位置関係推定情報として生成する請求項2又は3に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記撮影位置情報に基づき、前記放射線画像撮影装置が、前記被検者の左乳房又は前記被検者の右乳房の前記放射線画像を撮影することを報知する前記報知制御を行う請求項4に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記撮影位置情報と、予め入力される、前記被検者の左乳房又は右乳房の撮影を指示する撮影準備情報とを比較した結果である撮影準備比較情報を生成し、
前記撮影準備比較情報に基づき、前記報知制御又は前記撮影装置制御を行う請求項4に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項7】
前記放射線画像撮影装置は、前記被検者である乳房を配置する撮影台と、放射線を発生する放射線源との相対的な位置を保って鉛直方向に移動し、又は回転する可動部を備え、
前記装置姿勢情報は、前記可動部の位置を示す可動部位置情報を含む請求項2又は3に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項8】
前記被検者姿勢情報は、前記被検者の左乳房及び/又は右乳房の位置を示す乳房位置情報を含み、
前記プロセッサは、
前記乳房位置情報及び前記可動部位置情報に基づき、前記可動部に対する前記被検者の左乳房又は右乳房の位置を示す前記位置関係推定情報を生成し、
前記位置関係推定情報に基づき、前記乳房の位置と前記可動部の位置が特定撮影距離以上であることを報知する前記報知制御を行う請求項7に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項9】
前記被検者姿勢情報は、前記被検者の左乳房及び/又は右乳房との位置を示す乳房位置情報を含み、
前記プロセッサは、
前記乳房位置情報及び前記可動部位置情報に基づき、前記可動部に対する前記被検者の左乳房又は右乳房の位置を示す前記位置関係推定情報を生成し、
前記位置関係推定情報に基づき、前記可動部を移動又は回転させる前記撮影装置制御を行う請求項7に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項10】
前記測距装置は、前記被検者とは異なる検査者に関する前記測距情報を生成し、
前記プロセッサは、
前記測距情報に基づき、前記検査者の姿勢を示す検査者姿勢情報を生成し、
前記検査者姿勢情報及び前記可動部位置情報に基づき、前記可動部に対する前記検査者の位置、姿勢及び/又は向きを示す検査者位置関係推定情報を生成し、
前記検査者位置関係推定情報に基づき、前記検査者に対する報知を行う前記報知制御、及び/又は前記可動部を停止させる前記撮影装置制御を行う請求項7に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記位置関係推定情報に基づき、前記放射線画像撮影装置のスリープモードを解除する前記撮影装置制御を行う請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項12】
前記測距装置は、前記被検者の背面又は側面に向けて前記検知信号を発する請求項2に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記測距情報を学習済みモデルに入力し、前記被検者姿勢情報を出力する請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項14】
被検者を含む検知対象物に関する測距情報を生成するステップと、
前記測距情報を取得するステップと、
前記測距情報に基づき、前記被検者の姿勢を示す被検者姿勢情報を生成するステップと、
前記被検者姿勢情報と、前記被検者を撮影することにより、放射線画像を生成する放射線画像撮影装置の姿勢を示す装置姿勢情報とを用いて、前記放射線画像撮影装置に対する前記被検者の位置、姿勢、及び/または向きを示す位置関係推定情報を生成するステップと、
前記位置関係推定情報に基づき、前記放射線画像の撮影に関する報知を行う報知制御、及び/又は前記放射線画像撮影装置に対する撮影装置制御を行うステップと、を有する放射線画像撮影システムの作動方法。
【請求項15】
測距装置からの測距情報から得られる、被検者姿勢情報及び放射線画像撮影装置の位置関係を示す装置姿勢情報から得られた、前記放射線画像撮影装置に対する前記被検者の位置、姿勢及び/又は向きを示す位置関係推定情報に基づいて、前記放射線画像の撮影に関する報知を行う報知制御、及び/又は前記放射線画像撮影装置に対する撮影装置制御を行う放射線画像撮影制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の姿勢情報を用いて放射線画像の撮影を支援する放射線画像撮影システム及びその作動方法並びに放射線画像撮影制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マンモグラフィにおいて、適切な放射線画像を撮影するため、カメラ画像を用いて検出器の位置を調整する技術が知られている。例えば、特許文献1には、「視覚システムからのユーザのカメラ画像に基づいて、コントローラは、ユーザの高さを評価し、QCおよび/または洗浄のために、ユーザの高さに基づいて圧迫パドルおよび/または検出器の位置を自動的に調整することができる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-164641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、被検者を撮影したカメラ画像を用いて検出器の位置調節を行っている。しかしながら、マンモグラフィの主な被検者は女性であるため、検査前又は検査中に被検者のカメラ画像を得ることは、被検者に心理的負担を負わせてしまう場合がある。心理的負担を負わずに済むレベルまでカメラ画像の解像度を下げてしまうと、画像から被検者を適切に抽出できない、また、抽出結果の正確性が担保できない虞がある。
【0005】
本発明は、被検者の心理的負担を軽減しつつ、放射線画像の撮影を支援することができる放射線画像撮影システム及びその作動方法並びに放射線画像撮影制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の放射線画像撮影システムは、放射線画像撮影装置と、測距装置と、プロセッサと、を備える。放射線画像撮影装置は、被検者を撮影することによって放射線画像を生成する。測距装置は、被検者を含む検知対象物に関する測距情報を生成する。プロセッサは、測距情報を取得し、測距情報に基づき、測距装置と、被検者との姿勢を示す被検者姿勢情報を生成し、被検者姿勢情報と、放射線画像撮影装置の姿勢を示す装置姿勢情報とを用いて、放射線画像撮影装置に対する被検者の位置、姿勢、及び/または向きを示す位置関係推定情報を生成し、位置関係推定情報に基づき、放射線画像の撮影に関する報知を行う報知制御、及び/又は放射線画像撮影装置に対する撮影装置制御を行う。
【0007】
測距装置は、放射線画像撮影装置に関する測距情報を生成し、プロセッサは、測距情報に基づき、装置姿勢情報を生成することが好ましい。
【0008】
プロセッサは、予め入力された、測距装置と放射線画像撮影装置との位置関係を用い、装置姿勢情報を取得することが好ましい。
【0009】
被検者姿勢情報は、被検者の頭尾方向の体軸の位置を示す体軸情報を含み、プロセッサは、体軸情報及び装置姿勢情報を用い、被検者の頭尾方向の体軸が、被検者の右乳房を撮影する位置である右乳房撮影位置であるか、又は被検者の左乳房を撮影する位置である左乳房撮影位置であるかを判定した結果である撮影位置情報を、位置関係推定情報として生成することが好ましい。
【0010】
プロセッサは、撮影位置情報に基づき、放射線画像撮影装置が、被検者の左乳房又は被検者の右乳房の放射線画像を撮影することを報知する報知制御を行うことが好ましい。
【0011】
プロセッサは、撮影位置情報と、予め入力される、被検者の左乳房又は右乳房の撮影を指示する撮影準備情報とを比較した結果である撮影準備比較情報を生成し、撮影準備情報比較情報に基づき、報知制御又は撮影装置制御を行うことが好ましい。
【0012】
放射線画像撮影装置は、被検者である乳房を配置する撮影台と、放射線を発生する放射線源との相対的な位置を保って鉛直方向に移動し、又は回転する可動部を備え、装置姿勢情報は、可動部の位置を示す可動部位置情報を含むことが好ましい。
【0013】
被検者姿勢情報は、被検者の左乳房及び/又は右乳房の位置を示す乳房位置情報を含み、
プロセッサは、乳房位置情報及び可動部位置情報に基づき、可動部に対する被検者の左乳房又は右乳房の位置を示す位置関係推定情報を生成し、位置関係推定情報に基づき、乳房の位置と可動部の位置が特定撮影距離以上であることを報知する報知制御を行うことが好ましい。
【0014】
被検者姿勢情報は、被検者の左乳房及び/又は右乳房の位置を示す乳房位置情報を含み、
プロセッサは、乳房位置情報及び可動部位置情報に基づき、可動部に対する被検者の左乳房又は右乳房の位置を示す位置関係推定情報を生成し、位置関係推定情報に基づき、可動部を移動又は回転させる撮影装置制御を行うことが好ましい。
【0015】
測距装置は、被検者とは異なる検査者に関する測距情報を生成し、プロセッサは、測距情報に基づき、検査者の姿勢を示す検査者姿勢情報を生成し、検査者姿勢情報及び可動部位置情報に基づき、可動部に対する検査者の位置、姿勢及び/又は向きを示す検査者位置関係推定情報を生成し、検査者位置関係推定情報に基づき、検査者に対する報知を行う報知制御及び/又は可動部を停止させる撮影装置制御を行うことが好ましい。
【0016】
プロセッサは、位置関係推定情報に基づき、放射線画像撮影装置のスリープモードを解除する撮影装置制御を指示する撮影支援情報を生成することが好ましい。
【0017】
測距装置は、被検者の背面又は側面に向けて検知信号を発することが好ましい。
【0018】
プロセッサは、測距情報を学習済みモデルに入力することにより、被検者姿勢情報を出力することが好ましい。
【0019】
本発明の放射線画像撮影システムの作動方法は、被検者を含む検知対象物に関する測距情報を生成するステップと、測距情報を取得するステップと、測距情報に基づき、被検者の姿勢を示す被検者姿勢情報を生成するステップと、被検者姿勢情報と、被検者を撮影することにより、放射線画像を生成する放射線画像撮影装置の位姿勢を示す装置姿勢情報とを用いて、放射線画像撮影装置に対する被検者の位置、姿勢、及び/または向きを示す位置関係推定情報を生成するステップと、位置関係推定情報に基づき、放射線画像の撮影に関する報知を行う報知制御、及び/又は放射線画像撮影装置に対する撮影装置制御を行うステップと、を有する。
【0020】
本発明の放射線画像撮影制御装置は、測距装置からの測距情報から得られる、被検者姿勢情報及び放射線画像撮影装置の位置関係を示す装置姿勢情報から得られた、放射線画像撮影装置に対する被検者の位置、姿勢及び/又は向きを示す位置関係推定情報に基づいて、放射線画像の撮影に関する報知を行う報知制御、及び/又は放射線画像撮影装置に対する撮影装置制御を行う。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、被検者の心理的負担を軽減しつつ、放射線画像の撮影を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】放射線画像撮影システムの機能を示すブロック図である。
図2】マンモグラフィ装置の外観図である。
図3】可動部を回転させる態様を示す外観図である。
図4】可動部を鉛直方向に移動させる態様を示す外観図である。
図5】測距装置が被検者の背面に検知信号を発する位置に配置される例を示す説明図である。
図6】測距装置が被検者の側面に検知信号を発する位置に配置される例を示す説明図である。
図7】測距装置が被検者の背面に検知信号を発する位置に配置され、被検者が右乳房撮影位置に立っている場合に生成される測距情報の例を示す説明図である。
図8】被検者の体軸情報の例を示す説明図である。
図9】位置関係推定情報生成部の機能を示すブロック図である。
図10】被検者の位置が右乳房撮影位置であることを報知するための撮影支援画像の例を示す画像図である。
図11】測距装置が被検者の背面に検知信号を発する位置に配置され、被検者が左乳房撮影位置に立っている場合に生成される測距情報の例を示す説明図である。
図12】被検者の位置が左乳房撮影位置であることを報知するための撮影支援画像の例を示す画像図である。
図13】測距装置が被検者の側面に検知信号を発する位置に配置され、被検者の位置が右乳房撮影位置である場合に生成される測距情報の例を示す説明図である。
図14】測距装置が被検者の側面に検知信号を発する位置に配置され、被検者の位置が左乳房撮影位置である場合に生成される測距情報の例を説明図である。
図15】撮影位置情報生成部の機能を示すブロック図である。
図16】撮影位置情報の生成方法の例を示す説明図である。
図17】撮影準備比較情報生成部の機能を示すブロック図である。
図18】放射線画像の撮影対象として予め設定されている乳房と、被検者が放射線画像の撮影対象としている乳房とが一致していないことを報知するための撮影支援画像の例を示す画像図である。
図19】被検者の乳房の位置と、可動部の位置とが特定撮影距離以上であることを報知するための撮影支援画像の例を示す画像図である。
図20】被検者姿勢情報生成部の機能を示すブロック図である。
図21】検査者姿勢情報の生成方法の例を示す説明図である。
図22】放射線画像撮影システムによる撮影装置制御又は報知制御を行う流れを説明するフロー図である。
図23】第2実施形態における測距装置の位置を示す説明図である。
図24】測距装置がマンモグラフィ装置に内蔵又は外付けされる場合に生成される測距情報の例を説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
図1に示すように、放射線画像撮影システム10は、測距装置11、コンソール12及び放射線画像撮影装置13を備える。測距装置11は、検知信号を送信することによって得られる反射信号を用いて測距情報を取得する。コンソール12は、放射線画像撮影システム10を統括的に制御する。また、コンソール12は、放射線画像撮影装置13を制御する。また、コンソール12は、測距装置11から測距情報を取得し、測距情報を用いることにより、コンソール12の出力部100及び/又は放射線画像撮影装置13に対する撮影支援制御を行う。撮影支援制御には、報知制御と撮影装置制御とが含まれる。放射線画像撮影システム10は、報知制御及び/又は撮影装置制御を行うことにより、放射線画像の撮影を支援する。
【0024】
測距装置11、コンソール12及び放射線画像撮影装置13は、有線又は無線によるネットワークにより、相互に通信可能に接続されている。無線によるネットワークは、例えば、インターネット又はLAN(Local Area Network)である。
【0025】
図1に示すように、測距装置11は、測距情報生成部30を有する。コンソール12は、測距情報取得部40、被検者姿勢情報生成部50、装置姿勢情報生成部60、位置関係推定情報生成部70、報知制御部80、装置位置制御部90、出力部100及び操作入力部110を有する。
【0026】
コンソール12は、プロセッサを備えるコンピュータとして構成されている。プロセッサによって構成される制御部(図示しない)が、コンソール12に備えられるプログラム格納メモリ(図示しない)に組み込まれた各種処理又は制御に関するプログラムを動作することによって、測距情報取得部40、被検者姿勢情報生成部50、装置姿勢情報生成部60、位置関係推定情報生成部70、報知制御部80及び装置位置制御部90並びに後述する撮影支援情報生成部71、撮影位置情報生成部120、撮影準備比較情報生成部130及び検査者姿勢情報生成部140の機能が実現する。また、コンソール12の制御部は、測距装置11及び放射線画像撮影装置13に対する制御を行うことで、放射線画像撮影システム10の統括的な制御を行うようにしてもよい。
【0027】
コンソール12の出力部100は、ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、スピーカー等である。出力部100は、後述する撮影支援情報に従い、放射線技師、医師等のユーザーに対する撮影支援を行う出力機能を実現する。出力部100は、報知制御の対象となる報知部であり、ユーザーに対する報知を行う。操作入力部110は、キーボード、マウス、マイク、フットスイッチ、タッチパッド、タブレット、タッチペン等であり、ユーザーからの機能設定の入力操作を受け付ける。
【0028】
本実施形態において、放射線画像撮影装置13はマンモグラフィ装置20である。マンモグラフィ装置20は、X線、ガンマ線等の放射線を用いて、被検者の乳房を撮影する放射線撮影装置である。図2に示すように、マンモグラフィ装置20は、スタンド部21及び可動部22を備える。可動部22は、放射線発生部23、撮影台24、圧迫板25及び昇降部26を備える。可動部22は、放射線発生部23及び放射線撮影部を内蔵する撮影台24を一体化し、さらに、放射線を用いて被検者を撮影する場合に撮影位置を調整するため、放射線発生部23及び撮影台24の相対的な位置を保ったまま、鉛直方向に移動自在であり、また、所定の角度範囲内で回転自在である。スタンド部21は、可動部22を支持する支柱である。
【0029】
放射線発生部23は、放射線を放射線撮影部に向けて照射する放射線源を備える。放射線源がX線を発生する場合、放射線発生部23は、X線管あるいはX線管とその他回路等を一体化したモノタンクである。放射線撮影部は、被検者を透過した放射線を用いて、被検者を撮影する放射線検出器である。放射線撮影部は、例えば、FPD(Flat Panel Detector)である。
【0030】
撮影台24は被検者の乳房を配置するステージであり、撮影時には圧迫板25を用いて被検者の乳房を挟持する。また、撮影台24には、被検者が右手で把持する把持部27aと、被検者が左手で把持する把持部27bとが取り付けられている。把持部27a及び把持部27bはいわゆるアームレストである。圧迫板25は、撮影台24に載せた被検者の乳房を圧迫し、扁平にする。乳房の圧迫が適切に行われることで、放射線画像における乳腺の重なりが減り、医師による放射線画像の読影をより適切なものとすることができる。読影は、放射線画像から病変の有無を判別し、また病変の鑑別を行うために行われる。
【0031】
マンモグラフィ装置20によって放射線画像の撮影を行う場合、読影に適した放射線画像を得るために、放射線技師が被検者の乳房のポジショニングを行った上で乳房を圧迫する。昇降部26は、圧迫板25を撮影台24に対して昇降する。これにより、昇降部26は、圧迫板25を、撮影台24に対してほぼ平行に支持する。
【0032】
図3に示すように、可動部22は、放射線発生部23及び撮影台24の相対的な位置及び向きを保ったまま、所定の角度範囲内で回転自在である。このため、マンモグラフィ装置20は、撮影台24を水平に配置し、又は撮影台24を水平から傾斜した配置にして撮影を行うことができる。具体的には、図3(A)に示すように、マンモグラフィ装置20は、撮影台24を水平に配置し、乳房を頭尾方向から撮影するCC撮影(頭尾方向(Cranio-Caudal)撮影)を行うことができる。さらに、図3(B)に示すように、マンモグラフィ装置20は、撮影台24を傾斜して配置し、乳房を内外斜位方向から撮影するMLO撮影(内外斜位方向(Medio-Lateral oblique)撮影)をすることができる。なお、図は省略するが、マンモグラフィ装置20は、撮影台24等を、紙面に向かって左側の方向に回転することができる。
【0033】
図4に示すように、可動部22は、放射線発生部23及び撮影台24の相対的な位置及び向きを保ったまま、鉛直方向に移動自在である。このため、マンモグラフィ装置20は、被検者の身長に合わせて可動部22を移動又は回転させることにより、撮影台24の高さを調整し、無理のない姿勢で撮影を行うことができる。撮影台24の高さとは、床面28(スタンド部21の接地面)を基準とした撮影台24の高さであり、CC撮影においては、図4(A)に示す最小高さH1と図4(B)に示す最大高さH2の範囲内で任意に調整できる。可動部22の移動によって撮影台24の位置を調節する撮影支援制御については後述する。
【0034】
放射線発生部23から照射された放射線が被検者の乳房を透過して放射線撮影部に入射し、検出されることによって放射線画像が撮影される。マンモグラフィでは、通常、被検者の右側の乳房を撮影した放射線画像、及び、被検者の左側の乳房を撮影した放射線画像の両方を得る。放射線画像は、コンソール12に送信される。また、放射線画像は、コンソール12と有線又は無線で接続されるデータベース(図示しない)に送信される。
【0035】
データベースは、放射線画像を保存するストレージ、ファイルサーバ、又は、クラウドストレージなどである。データベースは、放射線科情報システム(いわゆるRIS(Radiology Information Systems))、病院情報システム(いわゆるHIS(Hospital Information Systems))、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)等の放射線画像撮影システム10と直接的にまたは間接的に連携するシステムの一部であってもよい。
【0036】
測距装置11は、検知対象物に向けて検知信号を発し、かつ、検知対象物からの反射信号を受信して測距情報を生成する。測距装置11がマンモグラフィ検査を行う検査室に設置されている場合、検知対象物は、例えば、被検者、マンモグラフィ装置、被検者の放射線画像を撮影する検査者、検査室の壁、検査室に設置されている放射線画像撮影システム10以外の装置等である。また、検知対象物は、検査信号を受信することによって反射信号を発する端末、RFID(Radio Frequency IDentification)のために用いられるRF(Radio Frequency)タグのような、検査信号を受信することによって反射信号を発するIC(Integrated Circuit)タグ等であってもよい。
【0037】
第1実施形態では、測距装置11は、マンモグラフィ装置20から離れた位置に設置される。図5及び図6は、検査室Rを鉛直上方から見た場合の、測距装置11、被検者31及びマンモグラフィ装置20の位置関係の例を示す図である。図5及び図6に示すように、検査室Rに設置された測距装置11は、検知信号32を発することにより、被検者31、マンモグラフィ装置20、検査室Rの壁33等の、検査室R自体及び検査室Rに存在する検知対象物から反射される反射信号を受信することができる。なお、本明細書において、被検者とは、放射線画像を撮影する対象となる人を意味する。また、検査者は、放射線画像撮影システム10を操作することによって被検者の放射線画像を撮影する、放射線技師、医師等であるユーザーのことを意味する。
【0038】
図5及び図6では、被検者31が、マンモグラフィ装置20の可動部22がある面に対して向き合うように直立する、通常のマンモグラフィ検診を行う場合における被検者31とマンモグラフィ装置20との位置関係と、測距装置11が配置される位置について示している。なお、図中では、スタンド部21に相当する箇所に「マンモグラフィ装置20」と付している。また、測距装置11が発する検知信号32は、代表としてその一部に符号を付している。検知信号32が発せられる方向は、図示した方向に限られない。
【0039】
測距装置11は、図5に示すように、被検者31の背面に検知信号32を発する位置に配置されていてもよい。また、図6に示すように、被検者31の側面に検知信号32を発する位置に配置されていてもよい。測距装置11がマンモグラフィ装置20とは独立した場所に設けられる場合は、被検者31及びマンモグラフィ装置20から離れた位置、例えば、検査室Rの壁面に配置されることが好ましい。被検者31及びマンモグラフィ装置20の全体から反射信号を得て、被検者31及びマンモグラフィ装置20の全体像が得られる測距情報を生成するためである。また、測距装置11とマンモグラフィ装置20との電波的干渉を低減するためでもある。なお、測距装置11はユーザーの任意の位置に配置されてよいが、被検者から明確に認識されにくい場所が好ましい。
【0040】
検知信号32は、測距装置11が備える送信部(図示しない)から送信される電波、ミリ波、レーザー光等の電磁波である。送信部は、いわゆる電磁波の無線送信機である。送信部には、電磁波を送信するアンテナ、発振回路等の信号源、信号を変調する変調回路及び信号を増幅する増幅器を含んでもよい。また、測距装置11は、反射信号を受信する受信部(図示しない)を備える。受信部は、反射信号を受信するアンテナ、受信した反射信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(A/D(Analog/Digital)コンバータ)等を含む。測距装置11の送信部と受信部は、1つの装置に具備されるものであってもよく、送信部と受信部とがそれぞれ離れて検査室Rに設置されるものであってもよい。
【0041】
測距装置11としては、例えば、2.4GHz又は5GHzの中心周波数の電波を検知信号32として送信する送信部と、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz等の複数の帯域幅の受信チャンネルを有する受信部とを備える、いわゆるWi-Fi(登録商標)規格の電磁波を送受信する通信機を適用することができる。Wi-Fi(登録商標)を適用した測距装置11は、設置コストを低く抑えることができ、遮蔽物の有無にかかわらずに設置することができる。測距装置11にWi-Fi(登録商標)を適用する場合、検知対象物は、検知信号を受けることにより、反射信号を発する端末である。
【0042】
また、測距装置11として、1.78GHzの中心周波数を有する広帯域の電波を検知信号32として送信する送信部と、T型のアンテナアレイ等を有する受信部とを備えるレーダーを適用することができる。レーダーを適用した測距装置11は、低電力であり、遮蔽物の有無にかかわらずに設置することができる。
【0043】
また、測距装置11として、測距装置11は、紫外線、可視光線、赤外線、近赤外線等のレーザー光を検知信号32として送信する、LIDAR(Light Detection and Ranging又はLaser Imaging Detection and Ranging)を適用することができる。LIDARを適用した測距装置11は、空間分解能が高く、反射信号を反射する検知対象物までの距離、検知対象物の形状及び位置等を高精度に検出することができる。
【0044】
測距情報生成部30は、受信部が受信した反射信号を用いて測距情報を生成する。測距情報には、検知対象物から測距装置11までの距離の情報、検知対象物の形状の情報、複数の検知対象物の位置関係の情報が含まれる。生成された測距情報は、コンソール12の測距情報取得部40に送信される。コンソール12は、測距情報取得部40が受信した測距情報を、被検者姿勢情報生成部50及び装置姿勢情報生成部60に送信する。
【0045】
被検者姿勢情報生成部50は、測距情報に対する解析処理を行うことにより、被検者姿勢情報を生成する。被検者姿勢情報とは、3次元空間における、被検者の姿勢を示す情報である。測距情報から被検者姿勢情報を生成する解析処理には、全ての検知対象物からの反射信号に基づく測距情報から、被検者の体全体又は被検者の体の一部分の測距情報を抽出する処理が含まれる。生成された被検者姿勢情報は、位置関係推定情報生成部70に送信される。
【0046】
被検者姿勢情報には、後述する、被検者の頭尾方向の体軸の、空間における位置を示す体軸情報、及び被検者の左乳房及び/又は右乳房の、空間における位置を示す乳房位置情報が含まれる。体軸情報及び乳房位置情報は、被検者姿勢情報生成部50が生成する。
【0047】
第1実施形態において、装置姿勢情報生成部60は、測距情報に対する解析処理を行うことにより、装置姿勢情報を生成する。装置姿勢情報とは、3次元空間における、放射線画像撮影装置13の姿勢を示す情報である。第1実施形態では、図5及び図6のように、測距装置11と放射線画像撮影装置13(マンモグラフィ装置20)とが離れており、検知対象物に放射線画像撮影装置13が含まれる。装置姿勢情報生成部60が、測距情報に対する解析処理を行う場合、測距情報から装置姿勢情報を生成する解析処理には、全ての検知対象物の測距情報から、放射線画像撮影装置の測距情報を抽出する処理が含まれる。生成された装置姿勢情報は、位置関係推定情報生成部70に送信される。
【0048】
なお、測距装置11と放射線画像撮影装置13とが離れている場合には、測距装置11に対する放射線画像撮影装置13の離間距離等の、測距装置11と放射線画像撮影装置13と位置関係に関する情報をユーザーが予め入力し、装置姿勢情報生成部60が、その情報を読み出すことによって、装置姿勢情報を生成し、又は生成の補助をしてもよい。
【0049】
装置姿勢情報には、後述する、可動部22の、空間における位置を示す可動部位置情報が含まれる。可動部位置情報は、全ての検知対象物の測距情報から、可動部22の測距情報を抽出する処理を含む解析処理を行うことによって生成されてもよく、予め設定された測距装置11に対する可動部22離間距離等の、測距装置11と可動部22との位置関係に関する情報から生成されてもよい。
【0050】
測距情報、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報の具体例を示す。測距装置11が、図5に示すように、被検者31の背面に検知信号を送信する位置に配置されている場合、図7に示すような、被検者31、マンモグラフィ装置20及び検査室Rの壁33が含まれる測距情報30aを生成する。図7に示す測距情報30aの例では、斜線で示す被検者31は、ドット模様で示すマンモグラフィ装置20よりも測距装置11側に位置する。なお、図7では、検査室Rの壁33の一部分に符号を付している。
【0051】
被検者姿勢情報生成部50は、図7に示すような測距情報30aから、被検者31を抽出することによって、被検者姿勢情報を生成することができる。例えば、被検者31と、人体が持つ形状の特徴とを照らし合わせることによって、被検者31を抽出することができる。また、装置姿勢情報生成部60は、図7に示すような測距情報30aから、マンモグラフィ装置20を抽出することによって、装置姿勢情報を生成することができる。
【0052】
図7では、被検者31、マンモグラフィ装置20、検査室Rの壁33を模式的に表している。測距情報30aには、マンモグラフィ装置20の表面の凹凸の情報が得られるため、それを解析することによって、例えば、スタンド部21、可動部22、撮影台24、放射線発生部23等を抽出することができる。また、測距情報30aには、被検者31の頭、両耳、首、両肩、両肘、両手首、腰、骨盤、両臀部、両膝、両足首、乳房等の解剖学的部位に関する情報が含まれる。このような、被検者の体の一部分である解剖学的部位は、関節点又はキーポイントとも呼ばれる。
【0053】
被検者姿勢情報は、被検者の体全体の、空間における位置として抽出されてもよく、被検者の体の一部分の、空間における位置として抽出されてもよい。また、被検者のそれぞれの関節点を特定し、それぞれの関節点を結合することによって生成される、詳細な被検者の姿勢情報として抽出されてもよい。
【0054】
また、被検者姿勢情報生成部50は、機械学習が適用された学習済みモデルであってもよい。機械学習には、決定木、サポートベクトルマシン、ランダムフォレスト、回帰分析、教師あり学習、半教師あり学習、教師なし学習、強化学習、深層学習、深層強化学習、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、敵対的生成ネットワーク等を用いることができる。学習済みモデルは、機械学習が適用された学習モデルを学習することによって生成される。学習済みモデルである被検者姿勢情報生成部50は、測距情報を入力されることにより、被検者姿勢情報を出力する。被検者姿勢情報生成部50は、教師データを用いて学習された被検者姿勢情報生成部50以外の学習済みモデルと、測距情報とを用いることにより、転移学習を適用して生成された学習済みモデルであってもよい。このような学習済みモデルは、測距情報を入力されることにより、被検者の姿勢を推定する人物姿勢推定(Human Pose Estimation)を行う姿勢推定モデルである。
【0055】
被検者姿勢情報生成部50を学習済みモデルとした場合、例えば、図7に示すような測距情報30aを被検者姿勢情報生成部50に入力することにより、図8に示すような、測距装置11から被検者31の関節点を結合した、被検者の体軸情報52が、被検者姿勢情報51として出力される。体軸情報52は、例えば、被検者の頭の位置から腰の位置までを結合した体軸の位置を示す情報である。
【0056】
被検者姿勢情報生成部50を学習済みモデルとして被検者姿勢情報を生成する方法は、これに限られない。例えば、「ZHAO, Mingmin, et al. Through-wall human pose estimation using radio signals. In: Proceedings of the IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition. 2018. p. 7356-7365.」「VASILEIADIS,Manolis; BOUGANIS, Christos-Savvas; TZOVARAS, Dimitrios. Multi-person 3D pose estimation from 3D cloud data using 3D convolutional neural networks. Computer Vision and Image Understanding, 2019, 185: 12-23.」「JIANG, Wenjun, et al. Towards 3D human pose construction using WiFi. In: Proceedings of the 26th Annual International Conference on Mobile Computing and Networking. 2020. p. 1-14.」又は「WANG, Fei, et al. Person-in-WiFi: Fine-grained person perception using WiFi. In: Proceedings of the IEEE/CVF International Conference on Computer Vision. 2019. p. 5452-5461.」に記載されている方法を用いて被検者姿勢情報を生成できる。
【0057】
また、装置姿勢情報は、マンモグラフィ装置の全体の、空間における位置として抽出されてもよく、マンモグラフィ装置の一部分の、空間における位置として抽出されてもよい。また、マンモグラフィ装置を構成するスタンド部21、可動部22、撮影台24、放射線発生部23等の構成要素をキーポイントとして特定し、複数のキーポイントを結合することによって生成される詳細なマンモグラフィ装置全体の姿勢情報として抽出されてもよい。
【0058】
位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報に基づき、位置関係推定情報を生成する。位置関係推定情報は、放射線画像撮影装置13に対する被検者の位置、姿勢及び/又は向きを示す情報であり、被検者が放射線画像撮影装置13に対してどのような位置で、どのような姿勢又は向きであるかを示す情報である。また、図9に示すように、位置関係推定情報生成部70に備えられる撮影支援情報生成部71は、撮影支援情報を生成する。撮影支援情報は、放射線画像の撮影に関する報知を行う報知制御を出力部100に指示するための報知制御情報と、放射線画像撮影装置13に対する撮影装置制御を指示するための撮影装置制御情報とを含む。
【0059】
位置関係推定情報及び撮影支援情報の具体例について説明する。例えば、図7に示す測距情報30aをコンソール12が取得した場合、位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報に基づいて、被検者31がマンモグラフィ装置20の可動部22がある方向に向いていること、加えて、測距装置11から見て、被検者31がマンモグラフィ装置20の左側、すなわち被検者の右乳房を撮影する位置(右乳房撮影位置)に、直立している姿勢であることを示す位置関係推定情報を生成する。この場合、撮影支援情報生成部71は、位置関係推定情報を用いて、被検者が右乳房撮影位置に立っていることの報知を指示するための報知制御情報を生成する。
【0060】
「被検者31が、マンモグラフィ装置20の可動部22がある方向に向いている」ことを示す、放射線画像撮影装置13に対する被検者31の向きに関する位置関係推定情報は、被検者31の目、鼻等の顔の一部分の位置を示す被検者姿勢情報と、装置姿勢情報とから生成されてもよく、被検者が着用している検査着に付されたICタグを示す測距情報に基づいて生成される被検者姿勢情報と、装置姿勢情報とから生成されてもよい。
【0061】
「被検者31が、右乳房撮影位置又は被検者の左乳房を撮影する位置(左乳房撮影位置)である」ことを示す、放射線画像撮影装置13に対する被検者31の位置に関する位置関係推定情報は、被検者31の頭の位置を示す被検者姿勢情報と、装置姿勢情報とから生成されてもよい。また、被検者が着用している検査着に付されたICタグを示す測距情報に基づいて生成される被検者姿勢情報と、装置姿勢情報とから生成されてもよい。
【0062】
なお、位置関係推定情報として、被検者が、通常のマンモグラフィ検診において、検査者の補助によって放射線画像を撮影できる位置であるかどうか、すなわち、被検者が、乳房を圧迫板25で圧迫できる程度にマンモグラフィ装置20に近い位置であること、又は被検者が、乳房を圧迫板25で圧迫できない、マンモグラフィ装置20に遠い位置であることを示す位置関係推定情報を生成してもよい。また、位置関係推定情報生成部70は、被検者とマンモグラフィ装置20の位置が遠い場合に、被検者が、右乳房撮影位置又は左乳房撮影位置である位置関係推定情報を生成しないように、予め設定されていてもよい。
【0063】
「被検者が直立している姿勢である」ことを示す、放射線画像撮影装置13に対する被検者31の姿勢に関する位置関係推定情報は、被検者31の関節点を結合することによって生成される被検者姿勢情報から生成されてもよい。また、被検者が着用している検査着の首回り部分及び腰回り部分に付された複数のICタグを示す測距情報に基づいて生成される被検者姿勢情報と、装置姿勢情報とから生成されてもよい。
【0064】
位置関係推定情報生成部70は、放射線画像撮影装置13に対する被検者31の向きに関する位置関係推定情報、放射線画像撮影装置13に対する被検者31の位置に関する位置関係推定情報、放射線画像撮影装置13に対する被検者31の姿勢に関する位置関係推定情報のいずれか1つを生成してもよく、いずれか複数を生成してもよく、すべてを生成してもよい。撮影支援情報生成部71は、いずれかの位置関係推定情報を用いて、撮影支援情報を生成する。
【0065】
撮影支援情報生成部71が生成した報知制御情報は、報知制御部80に送信される。報知制御部80は、被検者がいずれの乳房を撮影する位置に立っているかを報知する、図10に示すような撮影支援画像81を生成し、出力部100であるディスプレイに表示する報知制御を行う。ユーザーは、ディスプレイに表示される撮影支援画像81aを確認することによって、これから撮影する放射線画像を確認することができる。結果として、ユーザーによる乳房の左右の重複撮影等のミスを防ぎ、被検者の被曝を抑えることができる。
【0066】
図10に示す撮影支援画像81aの例では、撮影支援情報表示欄82が設けられている。図10に示す例では、撮影支援情報表示欄82に、被検者が右乳房撮影位置に立っていることを報知するために「右乳房撮影位置」と表示されている。撮影支援画像81には、これから撮影する放射線画像を表示する、放射線画像表示欄83を設けてもよい。また、撮影支援画像81には、日付、患者氏名等の検査に関する情報を表示してもよい。
【0067】
また、報知制御部80は、受信した報知制御情報に応じて、CC撮影又はMLO撮影の撮影を指示するGUI(Graphical User Interface)を撮影支援画像に表示してもよい。すなわち、撮影支援画像に表示されるGUIの操作により、放射線画像撮影装置13に対する撮影装置制御を行うことができる。
【0068】
図10に示す撮影支援画像81aの例では、被検者が右乳房撮影位置に立っていることを報知する報知制御情報を受信した場合において、「R-CC」と表示されている、右乳房のCC撮影を行うことをマンモグラフィ装置20に指示する撮影指示制御ボタン84aと、「R-MLO」と表示されている、右乳房のMLO撮影を行うことをマンモグラフィ装置20に指示する撮影指示制御ボタン84bがGUIとして表示されている。この場合、例えば、ユーザーが、右乳房のCC撮影を行うことをマンモグラフィ装置20に指示する撮影指示制御ボタン84aを操作することによって、可動部22が鉛直方向に移動する。また、ユーザーが、右乳房のMLO撮影を行うことをマンモグラフィ装置20に指示する撮影指示制御ボタン84bを操作することによって、可動部22が回転する。
【0069】
このような制御を行うことで、マンモグラフィ装置に対する被検者の位置に合わせて、右乳房又は左乳房に対するCC撮影又はMLO撮影の実行の選択をユーザーに促すことができる。結果として、スムーズな放射線画像の撮影を支援することができる。なお、この場合、被検者姿勢情報に含まれる乳房位置情報を用いることによって、乳房位置情報が示す被検者の乳房の位置に合わせて、可動部22を移動又は回転する撮影装置制御を行うようにしてもよい。
【0070】
なお、位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報と、装置姿勢情報に含まれる、可動部22の位置又は形状の情報とから、被検者に対する可動部22の回転角度を示す位置関係推定情報を生成してもよい。この場合、撮影支援情報生成部71は、被検者に対する可動部22の回転角度を示す位置関係推定情報用いて、CC撮影又はMLO撮影を行うことを判定し、その結果を撮影支援情報として生成し、報知制御部80又は装置位置制御部90に送信するようにしてもよい。報知制御部80は、CC撮影又はMLO撮影を行うことを、撮影支援画像81aの撮影支援情報表示欄82に表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、被検者が右乳房のCC撮影を行う位置に立っている場合、撮影支援情報表示欄82に「R-CC」と表示する報知制御を行ってもよい。
【0071】
位置関係推定情報及び撮影支援情報の他の具体例について説明する。例えば、コンソール12が、図11に示すような測距情報30bを取得する。この場合、位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報に基づき、被検者31がマンモグラフィ装置20の可動部22がある方向に向いていること、加えて、測距装置11から見て、被検者31がマンモグラフィ装置20の右側、すなわち左乳房撮影位置に、直立している姿勢であることを示す位置関係推定情報を生成する。この場合、撮影支援情報生成部71は、位置関係推定情報を用いて、被検者が左乳房撮影位置に立っていることの報知を指示するための報知制御情報を生成し、報知制御部80に送信する。
【0072】
この場合、報知制御部80は、被検者が左乳房撮影位置に立っていることを報知する、図12に示すような撮影支援画像81bを生成し、出力部100であるディスプレイに表示する制御を行う。図12に示す撮影支援画像81の例では、撮影支援情報表示欄82に、「左乳房撮影位置」と表示されている。また、図12では、「L-CC」と表示されている、左乳房のCC撮影を行うことをマンモグラフィ装置20に指示する撮影指示制御ボタン84cと、「L-MLO」と表示されている、左乳房のMLO撮影を行うことをマンモグラフィ装置20に指示する撮影指示制御ボタン84dをGUIとして表示してもよい。
【0073】
また、図6に示すような、測距装置11が被検者31の側面に検知信号32を発する位置に配置される場合、コンソール12は、例えば、図13又は図14に示す測距情報を取得する。図13に示すような測距情報30cをコンソール12が取得した場合、位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報に基づき、被検者31がマンモグラフィ装置20の可動部22がある方向に向いていること、加えて、測距装置11から見て、被検者31が、マンモグラフィ装置20に対して手前側であって、右乳房撮影位置に立っていることを判定する。この場合、被検者が右乳房をCC撮影で撮影する位置に、直立している姿勢であることを示す位置関係推定情報を生成する。この場合、撮影支援情報生成部71は、位置関係推定情報を用いて、報知制御情報を生成し、例えば、図10に示すような、撮影支援情報表示欄82に「右乳房撮影位置」と表示されている撮影支援画像81aをディスプレイに表示する報知制御を行う。
【0074】
図14に示すような測距情報30dをコンソール12が取得した場合、位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報に基づき、被検者31がマンモグラフィ装置20の可動部22がある方向に向いていること、加えて、測距装置11から見て、被検者31がマンモグラフィ装置20に対して奥側であって、左乳房撮影位置に、直立している姿勢であることを示す位置関係推定情報を生成する。この場合、撮影支援情報生成部71は、位置関係推定情報を用いて、報知制御情報を生成する。この場合、被検者が左乳房をCC撮影で撮影する位置に立っていることを報知するため、例えば、図12に示すような、撮影支援情報表示欄82に「左乳房撮影位置」と表示されている撮影支援画像81bをディスプレイに表示する報知制御を行う。なお、図13又は図14には、被検者31が、測距装置11から見て奥側と手前側のどちらに立っているかを分かりやすくするための補助線34を描写している。補助線34は、測距情報30c、30dには含まれない。
【0075】
なお、報知制御の例はこれに限られない。例えば、被検者の右乳房及び/又は左乳房を撮影することを音声メッセージによって報知してもよい。また、右乳房を撮影する報知と、左乳房を撮影する報知によって、異なる色の光を発するランプを出力部100に設け、ランプの発する光の色によって報知を行うようにしてもよい。
【0076】
また、被検者姿勢情報として、被検者の右乳房及び/又は左乳房の位置を示す乳房位置情報を生成してもよい。このとき、可動部22の位置を示す可動部位置情報が、装置姿勢情報として生成されているとする。この場合、位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報に基づき、被検者の右乳房及び/又は左乳房並びに可動部22の位置関係から、被検者の右乳房又は左乳房の位置に合わせて可動部22を移動又は回転させる撮影装置制御を指示する撮影装置制御情報を生成してもよい。撮影装置制御情報は、装置位置制御部90に送信される。
【0077】
装置位置制御部90は、撮影装置制御情報に基づき、マンモグラフィ装置20に対し、可動部22を移動又は回転させる制御を行う。例えば、CC撮影のために、撮影台24が被検者の乳房の下縁に合う位置に可動部22を鉛直方向に移動させる撮影装置制御を行う。また、MLO撮影のために、被検者の乳房の位置に合わせて可動部22を回転させる撮影装置制御を行ってもよい。
【0078】
被検者の右乳房又は左乳房の位置に合わせて可動部22を移動又は回転させる撮影装置制御を行う例は、図13又は図14に示すような測距情報を生成可能な、被検者の側面に検査信号を発する位置に測距装置11を配置する場合において特に好適である。
【0079】
乳房位置情報と可動部位置情報とを用いて可動部22の位置を決定し、自動的に可動部22を移動させる撮影装置制御を行うことによって、ユーザーの設定によって可動部22を移動させる手間を省き、放射線画像の撮影の支援を行うことができる。
【0080】
電磁波を送受信する測距装置11は、画像を撮影するカメラと異なり、被検者の特定が可能な程度の解像度を有さないため、被検者のプライバシーを保護することができる。マンモグラフィ検診は乳房を撮影する検診であるため、被検者の位置を特定する目的であっても、検査室にカメラが設置されていることで被検者に心理的負担を与え、放射線画像の撮影がスムーズに行えなくなってしまう可能性がある。このため、測距装置11を用いることによって、カメラを検査室に設置することなく、正確な被検者の位置を取得し、撮影支援を行うことができる。
【0081】
また、測距装置11が取得する測距情報は、カメラが撮影する画像のような解像度は有さない一方で、検知対象物から測距装置11までの距離、検知対象物の形状、複数の検知対象物のそれぞれの位置等についての高精度な情報を得ることができる。このため、測距情報を用いることで、高度な画像処理を行うことなく、高精度な放射線画像撮影装置13の制御を行うことができる。また、被検者と放射線画像撮影装置の位置関係に関する高精度な情報を用い、放射線画像の撮影に関する報知を行うことができる。
【0082】
さらに、測距装置11を用いて測距情報を得ることによって、検査室が暗い状況、検査室に配置される物が多い状況等の、カメラ画像からは被検者、放射線画像撮影装置等の位置情報を得ることが難しい場合においても、正確な被検者、放射線画像撮影装置等の位置情報を得ることができる。
【0083】
なお、コンソール12が取得する測距情報は、時系列の情報と対応付けされることが好ましい。この場合、被検者姿勢情報生成部50は、被検者の関節点と、関節点を特定した時間の情報とを対応付けた被検者姿勢情報を生成する。被検者姿勢情報生成部50は、被検者の関節点と、時間の情報とを対応付けた被検者姿勢情報を位置関係推定情報生成部70に送信する。位置関係推定情報生成部70は、複数時点における被検者姿勢情報を用い、被検者の関節点の経時的変化に基づき、放射線画像撮影装置13に対する被検者の姿勢及び/又は向きを示す位置関係推定情報を生成してもよい。また、放射線画像撮影装置13に対する被検者の現在時点における位置を示す位置関係推定情報を生成してもよい。上記構成により、カメラ画像を時系列的に連続させた動画を得ることなく、測距情報に基づく被検者の関節点の経時的変化から、被検者が、放射線画像撮影装置13に対してどのような位置で、どのような姿勢又は向きであるかを示す情報を得ることができる。
【0084】
被検者が右乳房撮影位置又は左乳房撮影位置であることを示す、位置関係推定情報を生成する場合、被検者姿勢情報として、体軸情報を用いることにより、被検者の頭尾方向の体軸の位置が、右乳房撮影位置であるか、又は左乳房撮影位置であるかを判定してもよい。
【0085】
この場合、図15に示すように、撮影支援情報生成部71に、撮影位置情報生成部120を設け、撮影位置情報生成部120は、体軸情報及び装置姿勢情報を用い、被検者の頭尾方向の体軸の位置が、右乳房撮影位置であるか、又は左乳房撮影位置であるかを判定した結果である撮影位置情報を生成する。位置関係推定情報生成部70は、撮影位置情報を、位置関係推定情報として生成する。この場合、撮影位置情報は、マンモグラフィ装置に対する被検体の位置を示す位置関係推定情報とされる。この場合、撮影支援情報生成部71は、撮影位置情報に基づき、報知制御情報及び/又は撮影装置制御情報を生成する。以降、「乳房撮影位置」を、右乳房撮影位置及び左乳房撮影位置をまとめて表す用語として用いる。
【0086】
撮影位置情報の生成の具体例について、図16を用いて説明する。図16は、コンソール12が図7に示すような測距情報30aを取得した場合の、撮影位置情報生成部120において撮影位置情報の生成のために用いられる情報121の例について示す図である。撮影位置情報生成部120は、被検者姿勢情報として、図16に示すような、被検者の頭尾方向の体軸(鉛直方向の体軸)の位置を示す体軸情報52を受信する。また、図16に示すような、マンモグラフィ装置20の位置を示す装置姿勢情報を受信する。
【0087】
撮影位置情報生成部120は、体軸情報52に含まれる、被検者の体幹の軸53の位置と、装置姿勢情報に含まれるマンモグラフィ装置20の鉛直方向の中心軸61の位置との位置関係を比較する。図16では、測距装置11から見て、被検者の体幹の軸53の位置が、マンモグラフィ装置20の鉛直方向の中心軸61の左側に位置するため、撮影位置情報生成部120は、乳房撮影位置が右乳房撮影位置であると判定し、判定結果を撮影位置情報として生成する。なお、装置姿勢情報が予め入力される情報である場合、マンモグラフィ装置20の鉛直方向の中心軸61の位置は、装置姿勢情報を用いて算出される情報であることが好ましい。
【0088】
なお、体軸の比較以外によって撮影位置情報を生成してもよい。例えば、コンソール12が、図7に示すような測距情報30aを取得した場合、被検者31の左端の位置と、マンモグラフィ装置20の左端の位置を特定して差分を算出し、その差分の大きさによって乳房撮影位置の判定を行い、撮影位置情報を生成してもよい。しかし、この場合は、被検者の体型によっては、正しい撮影位置情報を生成できない可能性がある。このため、被検者の体幹の軸53の位置が含まれる体軸情報を用いることで、被検者の体型にかかわらず、正確な被検者の立ち位置を判定することができる。
【0089】
撮影位置情報が生成されると、撮影支援情報生成部71は、撮影位置情報に基づいて、被検者が右乳房撮影位置又は左乳房撮影位置に位置していることを報知する報知制御情報を生成し、報知制御部80に送信する。報知制御部80は、図10又は図12に示すような撮影支援画像81a、81bを生成し、ディスプレイに表示する制御を行う。なお、報知の方法は撮影支援画像の表示に限られない。例えば、出力部100としてのスピーカーから音声メッセージによって報知を行ってもよく、出力部100としてのランプの発光色又は発光パターンによって報知を行ってもよい。
【0090】
また、撮影支援情報生成部71は、撮影位置情報と、予めコンソール12に入力された撮影準備情報と、を比較した結果として、撮影準備比較情報を生成し、撮影準備比較情報に基づき、報知制御情報又は撮影装置制御情報を生成するようにしてもよい。撮影準備情報は、被検者の右乳房又は左乳房の放射線画像を撮影するかを指示する情報である。撮影位置情報は、ユーザーにより、操作入力部110を介してコンソール12に入力される。また、撮影位置情報は、撮影オーダーを受け付け、かつ、送信する機能を有する装置からコンソール12に送信されてもよい。
【0091】
この場合、図17に示すように、位置関係推定情報生成部70には、撮影位置情報生成部120に加えて、撮影準備比較情報生成部130が設けられる。撮影準備比較情報生成部130は、撮影位置情報生成部120で生成された撮影位置情報と、コンソール12に入力された撮影準備情報とを比較し、その比較結果として撮影準備比較情報を生成する。つまり、撮影準備比較情報生成部130は、撮影準備情報として示される、放射線画像の撮影対象として予め設定されている乳房と、撮影位置情報として示される、被検者が放射線画像の撮影対象としている乳房とが一致するか否かを比較する。
【0092】
例えば、右乳房の放射線画像を撮影する指示が撮影準備情報として予め入力されている状態で、乳房撮影位置が左乳房撮影位置であることを示す撮影位置情報が生成されたとする。この場合、撮影準備比較情報生成部130は、放射線画像の撮影対象として予め設定されている乳房(右乳房)と、被検者が放射線画像の撮影対象としている乳房(左乳房)とが一致していないことを示す撮影準備比較情報を生成する。
【0093】
撮影支援情報生成部71は、撮影準備比較情報に基づき、放射線画像の撮影対象として予め設定されている乳房と、被検者が放射線画像の撮影対象としている乳房とが一致していること、又は一致していないことを報知するための報知制御情報を生成し、報知制御部80に送信する。
【0094】
放射線画像の撮影対象として予め設定されている乳房と、被検者が放射線画像の撮影対象としている乳房とが一致していないことを報知するための報知制御情報が生成される場合の報知制御及び撮影装置制御の例について、以下、説明する。
【0095】
放射線画像の撮影対象として予め設定されている乳房(撮影準備情報として示される乳房)が右乳房であって、被検者が放射線画像の撮影対象としている乳房(撮影位置情報として示される乳房)が左乳房であるとする。この場合、報知制御部80は、例えば、図18に示すような撮影支援画像81cを生成し、ディスプレイに表示する報知制御を行う。図18に示す撮影支援画像81cの例では、撮影支援情報表示欄82に「左乳房撮影位置」と表示され、被検者が左乳房撮影位置に立っていることが示されている。さらに、図18に示す撮影支援画像81cの例では、撮影支援情報表示欄82において報知の対象となっている乳房と、撮影準備情報として示される乳房とが一致しないことを報知する警告表示マーク85が表示されている。報知の方法はこれに限られず、「撮影準備情報と一致しません」「被検者を右乳房撮影位置に移動させてください」等の、撮影支援画像における文字メッセージ又はスピーカーから発する音声メッセージによって報知してもよい。
【0096】
また、撮影支援画像には、撮影位置情報に合うように、撮影準備情報として示される放射線画像の撮影対象として予め設定されている乳房とは反対側の乳房の撮影を行うことをマンモグラフィ装置20に指示する撮影指示制御ボタン84eをGUIとして表示してもよい。図18に示す撮影支援画像81cの例では、右乳房をCC撮影する指示が予めされていることが、撮影準備情報表示欄86において「現在設定:R-CC」の表示で示されている。また、図18に示す例における撮影指示制御ボタン84eには、撮影支援情報表示欄82における「左乳房撮影位置」の表示に合わせて、左乳房のCC撮影をマンモグラフィ装置20に指示する撮影指示制御ボタン84eが表示されている。
【0097】
このような報知制御を行うことで、予めユーザーが入力した、又は撮影オーダーとして入力された撮影準備比較情報と、実際の被検者の位置とが異なる場合に、ユーザーは、被検者の立っている位置に合わせて、放射線画像を撮影する乳房を変更することができる。
【0098】
また、放射線画像の撮影が指示されている乳房と、被検者が放射線画像の撮影をされようとしている乳房とが一致していないことを示す撮影準備比較情報が生成された場合、撮影支援情報生成部71は、可動部22を移動又は回転させる撮影装置制御情報を生成してもよい。この場合、装置位置制御部90は、例えば、可動部22の回転方向を反対向きにする撮影装置制御を行うことができる。このような撮影装置制御を行うことで、例えば、右乳房のMLO撮影を行う指示が撮影準備情報として予め入力されていた場合に、左乳房のMLO撮影を行うことができる。
【0099】
なお、放射線画像の撮影対象として予め設定されている乳房と、被検者が放射線画像の撮影対象としている乳房とが一致していることを示す撮影準備比較情報が生成された場合は、図18に示すような撮影支援画像81cにおいて、警告表示マーク85を非表示にする報知制御を行うようにしてもよい。さらに、放射線画像の撮影が指示されている乳房と、被検者が放射線画像の撮影をされようとしている乳房とが一致していることを示すマークを、撮影支援画像に表示するようにしてもよい。さらに、予め設定されているとおりに撮影を実行することを指示するGUIを撮影支援画像に表示してもよい。上記構成により、予め入力された撮影準備情報にしたがって撮影を行えることをユーザーに報知し、または撮影を実行することができる。
【0100】
位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報に含まれる乳房位置情報と、装置姿勢情報に含まれる可動部位置情報に基づき、可動部に対する被検者の左乳房又は右乳房の位置を示す位置関係推定情報を生成してもよい。この場合、撮影支援情報生成部71は、位置関係推定情報に基づき、被検者の乳房の位置と、可動部22の位置との距離が、ある特定の距離以上離れている場合は、その旨を報知するための報知制御情報を生成してもよい。この場合、報知制御情報は、乳房位置情報が示す被検者の乳房の位置と、可動部位置情報が示す可動部22の位置との距離について、予め特定撮影距離を定め、被検者の乳房の位置と、可動部22の位置との距離が、特定撮影距離以上である場合に生成される。なお、可動部位置情報によって示される「可動部22の位置」は、「撮影台24の位置」であってもよい。
【0101】
このような報知制御情報を受信した報知制御部80は、被検者の乳房の位置と、可動部22の位置とが特定撮影距離以上であることを報知する、図19に示すような撮影支援画像81dを生成し、ディスプレイに表示する報知制御を行う。図19に示す撮影支援画像81dの例では、「乳房と撮影台が離れています」の文字メッセージ87が表示されている。また、文字メッセージに代えて、又は文字メッセージと共に、音声メッセージにより、被検者の乳房の位置と、可動部22の位置とが特定撮影距離以上であること報知する報知制御を行ってもよい。上記構成により、被検者の乳房の位置を検出し、可動部22、特に撮影台24の高さが極端に外れていないかの確認をユーザーに促すことができる。
【0102】
なお、特定撮影距離は、ユーザーによって任意に定められ、コンソール12に入力される値でもよく、自動的に設定される値であってもよい。被検者の乳房の位置と、可動部22の位置との距離が、特定撮影距離以上離れている場合に報知を行う例は、図13又は図14に示すような測距情報を生成可能な位置に、測距装置11を配置する場合において好適である。
【0103】
また、位置関係推定情報生成部70が、可動部に対する被検者の左乳房又は右乳房の位置を示す位置関係推定情報を生成する場合、撮影支援情報生成部71は、位置関係推定情報に基づき、可動部22を移動又は回転させる制御を行うための装置制御情報を生成してもよい。この場合、装置制御情報を受信した装置位置制御部90は、撮影装置制御情報に基づき、マンモグラフィ装置20に対し、可動部22を移動又は回転させる制御を行う。例えば、CC撮影のために、撮影台24が被検者の乳房の下縁に合う位置に可動部22を鉛直方向に移動させる撮影装置制御を行う。また、MLO撮影のために、被検者の乳房の位置に合わせて可動部22を回転させる撮影装置制御を行ってもよい。
【0104】
コンソール12は、被検者姿勢情報に加えて、検査者の姿勢を示す検査者姿勢情報を生成してもよい。さらに、検査者姿勢情報及び可動部位置情報に基づいて生成された検査者位置関係推定情報を用いて、検査者に対する報知及び/又は可動部22の停止を行う制御を行ってもよい。この場合、図20に示すように、被検者姿勢情報生成部50に、検査者姿勢情報生成部140をさらに設ける。検査者姿勢情報生成部140は、測距情報に対する解析処理を行うことによって、検査者を抽出し、検査者の関節点を結合することにより、詳細な検査者全体の姿勢情報である被検者姿勢情報を生成することが好ましい。
【0105】
測距情報から検査者姿勢情報を生成する解析処理には、全ての検知対象物の測距情報から、検査者の測距情報を抽出する処理が含まれる。例えば、検知対象物に複数の人物が含まれる場合、被検者と検査者とは、分けて抽出される。この場合、全ての検知対象物の測距情報から、複数の人物及び放射線画像撮影装置を抽出し、複数のそれぞれの人物と、放射線画像撮影装置との位置関係、時間的な変化(動き)等を用いて、複数人のそれぞれの人物に、被検者又は検査者の識別情報を付与するようにしてもよい。
【0106】
被検者姿勢情報の生成の具体例について、図21を用いて説明する。図21は、被検者姿勢情報の生成のために用いられる情報141の例について示す図である。例えば、被検者姿勢情報生成部50が、複数の人物の体軸を示す体軸情報52a、52bを生成し、装置姿勢情報生成部60が、マンモグラフィ装置20を示す装置姿勢情報を生成したとする。この場合、検査者姿勢情報生成部140は、被検者の体軸情報52aと、被検者の体軸情報52a以外の体軸情報である検査者の体軸情報52bとを識別し、検査者の体軸情報52bを検査者姿勢情報として生成するようにしてもよい。生成された検査者姿勢情報は、位置関係推定情報生成部70に送信される。
【0107】
位置関係推定情報生成部70は、検査者姿勢情報生成部140から検査者姿勢情報を受信し、加えて、装置姿勢情報生成部60から可動部位置情報を受信する。位置関係推定情報生成部70は、検査者姿勢情報が示す検査者の位置と、可動部位置情報が示す可動部22の位置を用いて、可動部22に対する検査者の位置、姿勢及び/又は向きを示す検査者位置関係推定情報を生成する。この場合、撮影支援情報生成部71は、検査者位置関係推定情報に基づき、可動部22と検査者との距離について判定する。可動部22と検査者との距離が近すぎると判定した場合、検査者に報知を行うための報知制御情報を生成し、又は可動部22を停止する撮影装置制御情報を生成する。
【0108】
可動部22と検査者との距離の判定は、例えば、可動部22と検査者との距離について、任意の値である可動部検査者間特定距離を予め設定し、可動部22と検査者との距離が可動部検査者間特定距離未満の場合に、可動部22と検査者との距離が近すぎると判定する。また、可動部22と検査者との距離が可動部検査者間特定距離以上の場合に、可動部22と検査者との距離が適切であると判定する。
【0109】
この場合、検査者に報知を行うための報知制御として、報知制御部80は、警告音、音声メッセージ等を発する。また、装置位置制御部90は、可動部22の鉛直方向の移動又は回転を停止する撮影装置制御を行う。上記構成により、可動部22が検査者にぶつかることを防ぐことができる。
【0110】
コンソール12は、位置関係推定情報に基づき、放射線画像撮影装置13のモードを切り替える撮影装置制御を行うようにしてもよい。この場合、放射線画像撮影装置13は、検査モードとスリープモードとのモード切り替えを行うことができる。検査モードは、放射線源、可動部22等を動作させることができる状態であり、放射線画像の撮影を行うことができるモードである。スリープモードは、放射線画像の撮影に関する動作又は動作に関する機能を停止し、省電力状態を維持することを優先するモードである。
【0111】
位置関係推定情報を受信した撮影支援情報生成部71は、マンモグラフィ装置20に対する被検者の位置から、被検者とマンモグラフィ装置20の距離について判定する。撮影支援情報生成部71は、被検者とマンモグラフィ装置20の距離が十分近づいていると判定した場合に、スリープモードを解除し、検査モードに切り替えることを指示する撮影装置制御情報を生成する。
【0112】
被検者とマンモグラフィ装置20の距離についての判定は、例えば、被検者とマンモグラフィ装置20との距離について、任意の値であるモード切替用特定距離を予め設定することで行う。例えば、被検者とマンモグラフィ装置20との距離がモード切替用特定距離以上の場合に、被検者とマンモグラフィ装置20との距離が十分近づいていると判断する。一方、被検者とマンモグラフィ装置20との距離がモード切替用特定距離未満の場合に、被検者とマンモグラフィ装置20との距離は十分近づいていないと判断する。上記構成により、検査者がマンモグラフィ装置20の近くに移動した際にスムーズに放射線画像の撮影を行うことができる。また、被検者がマンモグラフィ装置20の近くにいない場合に、消費電力を節約することができる。
【0113】
測距装置11が測距情報を生成し、測距情報を取得したコンソール12が、撮影支援制御を行うまでの流れについて、図22のフローチャートを用いて説明する。まず、測距装置11が検知信号を発することによって検知対象物からの反射信号を受信し、反射信号に基づいて測距情報を生成する(ステップST101)。次に、コンソール12の測距情報取得部40が、測距情報を取得する(ステップST102)。次に、被検者姿勢情報生成部50が、測距情報に基づき、被検者姿勢情報を生成する(ステップST103)。次に、装置姿勢情報生成部60が、測距情報に基づき、装置姿勢情報を生成する(ステップST104)。なお、被検者姿勢情報を生成するステップと、装置姿勢情報を生成するステップは、この逆の順番であってもよい。次に、位置関係推定情報生成部70が、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報に基づき、位置関係推定情報を生成する(ステップST105)。次に、撮影支援情報生成部71が、報知制御情報を生成し、報知制御部80に送信し、又は装置位置制御情報を生成し、装置位置制御部90に送信する。最終的に、報知制御部80が報知制御を行い、又は装置位置制御部90が、撮影装置制御を行う撮影支援制御を実行する(ステップST106)。
【0114】
[第2実施形態]
第1実施形態では、図5及び図6に示すように、測距装置11を放射線画像撮影装置13(図5及び図6ではマンモグラフィ装置20)から離れた位置に設置するため、放射線画像撮影装置13が検知対象物に含まれる。第2実施形態では、測距装置11を放射線画像撮影装置13に内蔵又は外付けする。第2実施形態では、測距装置11を放射線画像撮影装置13に内蔵又は外付けすることにより、放射線画像撮影装置13は、検知対象物に含まれない。このような、放射線画像撮影装置13が検知対象物に含まれない場合、装置姿勢情報は、測距装置11と放射線画像撮影装置13との位置関係を示す固定の値又は固定の値からの移動量から算出される値として取得される。
【0115】
第2実施形態において、測距装置11は、例えば、図23に示すような放射線画像撮影装置13(図23ではマンモグラフィ装置20)の設置位置201、202、203に内蔵又は外付けされる。設置位置201は、スタンド部21であり、見通しがよく、測距装置11の位置を固定できる位置である。設置位置202は、可動部22に含まれる昇降部26である。設置位置203は、可動部22に含まれる放射線発生部23付近の位置である。測距装置11の設置位置は、図23に示した位置に限られず、被検体、検査者、検査室等の検知対象物に関する測距情報を適切に生成し、取得できる位置であればよい。可動部22に測距装置11を内蔵又は外付けする例は、可動部22と、被検者又は検査者との衝突回避の観点から好適である。
【0116】
測距装置11が、スタンド部21のような固定の設置位置に内蔵又は外付けされる場合、装置姿勢情報は、予めコンソール12に入力される固定の値となる。この場合、装置姿勢情報生成部60は、予めコンソール12に入力される固定の値としての、測距装置11と放射線画像撮影装置13との位置関係としての装置姿勢情報を取得し、位置関係推定情報生成部70に送信する。また、測距装置11と放射線画像撮影装置13との位置関係は、放射線画像撮影装置13の明確な位置に関する情報がない場合においても、位置関係推定情報生成部70に送信される。例えば、測距装置11と放射線画像撮影装置13とがほぼ同位置にあるために、実質的に装置姿勢情報が不要とされる場合が想定されるが、その場合であっても、測距装置11と放射線画像撮影装置13とがほぼ同位置にあるという測距装置11と放射線画像撮影装置13との位置関係を、装置姿勢情報の一例として含んでもよい。
【0117】
測距装置11が、鉛直方向に移動し、又は回転する可動部22に内蔵又は外付けされる場合、装置姿勢情報は、予めコンソール12に入力される固定の値からの移動量から算出される値としてもよい。固定の値からの移動量から算出される値として装置姿勢情報を算出する場合、例えば、スリープモードにおいて静止している状態における測距装置11の位置を基準位置とし、鉛直方向の移動後又は回転による移動後における測距装置11の位置を移動後位置とし、基準位置と移動後位置との差分を移動量として固定の値に加算することにより、装置姿勢情報を算出する。この場合、装置姿勢情報生成部60に、装置姿勢情報算出部(図示しない)を設け、装置姿勢情報算出部が、装置姿勢情報を算出する。算出された装置姿勢情報は、位置関係推定情報生成部70に送信される。
【0118】
また、可動部位置情報も同様に、予めコンソール12に入力される固定の値、又は固定の値からの移動量から算出される値として、装置姿勢情報生成部60から位置関係推定情報生成部70に送信される。
【0119】
第2実施形態において、測距装置11が、設置位置202に内蔵又は外付けされる場合、コンソール12は、例えば、図24に示すような測距情報30eを取得する。図24では、被検者の腹側がマンモグラフィ装置20に向いている場合の測距情報30eを例示している。被検者姿勢情報生成部50は、測距情報30eに基づき、被検者姿勢情報を生成する。
【0120】
位置関係推定情報生成部70は、被検者姿勢情報及び装置姿勢情報を用い、位置関係推定情報を生成する。以降の、位置関係推定情報に基づいて報知制御又は装置位置制御を行う流れは、第1実施形態と同様であるため、記載を省略する。また、第2実施形態において、測距装置11及び測距情報生成部30並びにコンソール12の測距情報取得部40、被検者姿勢情報生成部50、位置関係推定情報生成部70、報知制御部80、装置位置制御部90、撮影位置情報生成部120、撮影準備比較情報生成部130及び検査者姿勢情報生成部140の機能については、第1実施形態と同様であるため、記載は省略する。
【0121】
測距装置11を放射線画像撮影装置13に内蔵又は外付けする第2実施形態では、測距装置11と、放射線画像撮影装置13との位置関係(又は測距装置11の基準位置)が既知の固定の値であるため、測距情報に基づいて装置姿勢情報を生成する処理を省略でき、その結果として、コンソール12の内部処理を単純にすることができる。また、コンソール12の内部処理を高速化することができる。
【0122】
上記実施形態において、測距情報取得部40、被検者姿勢情報生成部50、装置姿勢情報生成部60、位置関係推定情報生成部70、報知制御部80、装置位置制御部90、撮影位置情報生成部120、撮影準備比較情報生成部130及び検査者姿勢情報生成部140といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0123】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよく、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0124】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。また、記憶部のハードウェア的な構造はHDD(hard disc drive)やSSD(solid state drive)等の記憶装置である。
【符号の説明】
【0125】
10 放射線画像撮影システム
11 測距装置
12 コンソール
13 放射線画像撮影装置
20 マンモグラフィ装置
21 スタンド部
22 可動部
23 放射線発生部
24 撮影台
25 圧迫板
26 昇降部
27a、27b 把持部
28 床面
30 測距情報生成部
30a、30b、30c、30d、30e 測距情報
31 被検者
32 検知信号
33 壁
34 補助線
40 測距情報取得部
50 被検者姿勢情報生成部
51 被検者姿勢情報
52、52a、52b 体軸情報
53 体幹の軸
60 装置姿勢情報生成部
61 中心軸
70 位置関係推定情報生成部
71 撮影支援情報生成部
80 報知制御部
81a、81b、81c、81d 撮影支援画像
82 撮影支援情報表示欄
83 放射線画像表示欄
84a、84b、84c、84d、84e 撮影指示制御ボタン
85 警告表示マーク
86 撮影準備情報表示欄
87 文字メッセージ
90 装置位置制御部
100 出力部
110 操作入力部
120 撮影位置情報生成部
121 撮影位置情報生成用の情報
130 撮影準備比較情報生成部
140 検査者姿勢情報生成部
141 被検者姿勢情報生成用の情報
201、202、203 設置位置
R 検査室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24