(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025864
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】マイクロ流体デバイス、マイクロ流体デバイス用観察装置、マイクロ流体デバイスの観察方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/05 20060101AFI20240220BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20240220BHJP
G01N 35/08 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G01N21/05
G01N37/00 101
G01N35/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129193
(22)【出願日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 桃太郎
(72)【発明者】
【氏名】松爲 久美子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 侑也
【テーマコード(参考)】
2G057
2G058
【Fターム(参考)】
2G057AA04
2G057AB01
2G057AB02
2G057AC01
2G057BA03
2G057BA05
2G057BB06
2G057CA01
2G057DA05
2G057DB01
2G057DB03
2G058DA07
2G058GA02
(57)【要約】
【課題】マイクロ流体デバイスが照明部材を備えることにより、マイクロ流体デバイスにおける観察領域を適切に照明する。
【解決手段】デバイス本体と、前記デバイス本体において観察の対象となる観察領域を照明する照明部材と、を備える、マイクロ流体デバイスを提供する。マイクロ流体デバイス用観察装置であって、前記マイクロ流体デバイスは、デバイス本体と、前記デバイス本体において観察の対象となる観察領域を照明する照明部材とを備え、前記観察装置は、前記照明部材を制御する制御部を備える、マイクロ流体デバイス用観察装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス本体と、
前記デバイス本体において観察の対象となる観察領域を照明する照明部材と、を備える、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
前記照明部材は、前記デバイス本体の内部に配置される、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
前記照明部材は、前記デバイス本体の外面に配置される、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項4】
前記照明部材は、前記デバイス本体において前記観察領域を観察する方向を上下方向としたときの側面に沿って配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項5】
前記照明部材は、前記デバイス本体において前記観察領域を観察する方向に平行に移動可能に構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項6】
前記照明部材は、前記観察領域の外側であって、前記観察領域を観察する方向から見て前記観察領域と重ならない位置に配置される、請求項1から5のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項7】
複数の前記照明部材を有し、前記複数の照明部材の各々は、オン、オフ切り替え可能に構成される、請求項1から6のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項8】
前記照明部材は、光導波路、または発光素子の少なくとも1つである、請求項1から7のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項9】
前記観察領域を目視するための目視用窓をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項10】
前記観察領域は多孔質膜を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項11】
マイクロ流体デバイス用観察装置であって、
前記マイクロ流体デバイスは、デバイス本体と、前記デバイス本体において観察の対象となる観察領域を照明する照明部材とを備え、
前記観察装置は、前記照明部材を制御する制御部を備える、マイクロ流体デバイス用観察装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記照明部材を制御することにより、照明光の強度、前記観察領域に対する前記照明光の発光位置、照明タイミングの少なくとも1つを制御可能である、請求項11に記載のマイクロ流体デバイス用観察装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記照明部材を制御して、暗視野照明または明視野照明を行う、請求項11または12に記載のマイクロ流体デバイス用観察装置。
【請求項14】
マイクロ流体デバイスの観察方法であって、
前記マイクロ流体デバイスは、デバイス本体と、前記デバイス本体において観察の対象となる観察領域を照明する照明部材とを備え、
前記照明部材を制御する制御段階を備える、マイクロ流体デバイスの観察方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ流体デバイス、マイクロ流体デバイス用観察装置、マイクロ流体デバイスの観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1または複数の流路が配設されたマイクロ流体デバイスについて、それら流路の内部に存在する被検物を観察するためのマイクロ流体デバイス観察装置及びマイクロ流体デバイス観察方法が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 国際公開2020/021604号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、デバイス本体と、前記デバイス本体において観察の対象となる観察領域を照明する照明部材と、を備える、マイクロ流体デバイスを提供する。
【0004】
本発明の第2の態様においては、マイクロ流体デバイス用観察装置であって、前記マイクロ流体デバイスは、デバイス本体と、前記デバイス本体において観察の対象となる観察領域を照明する照明部材とを備え、前記観察装置は、前記照明部材を制御する制御部を備える、マイクロ流体デバイス用観察装置を提供する。
【0005】
本発明の第3の態様においては、マイクロ流体デバイスの観察方法であって、前記マイクロ流体デバイスは、デバイス本体と、前記デバイス本体において観察の対象となる観察領域を照明する照明部材とを備え、前記照明部材による照明を制御する制御段階を備えるマイクロ流体デバイスの観察方法を提供する。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図2】第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図3】第2の実施形態におけるマイクロ流体デバイス110の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図4】第2の実施形態におけるマイクロ流体デバイス110の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図5】第3の実施形態におけるマイクロ流体デバイス120の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図6】第3の実施形態におけるマイクロ流体デバイス120の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図7】第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図8】第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図9】第5の実施形態におけるマイクロ流体デバイス140の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図10】第5の実施形態におけるマイクロ流体デバイス140の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図11】第6の実施形態におけるマイクロ流体デバイス150の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図12】第6の実施形態におけるマイクロ流体デバイス150の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図13】第7の実施形態におけるマイクロ流体デバイス160の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図14】第7の実施形態におけるマイクロ流体デバイス160の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図15】第8の実施形態におけるマイクロ流体デバイス170の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図16】第8の実施形態におけるマイクロ流体デバイス170の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図17】第9の実施形態におけるマイクロ流体デバイス180の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図18】第9の実施形態における各区画に配置された小マイクロ流体デバイス181の概略構成の一例を示す側面図である。
【
図19】第9の実施形態における各区画に配置された小マイクロ流体デバイス181の概略構成の一例を示す上面図である。
【
図20】第10の実施形態におけるマイクロ流体デバイスの観察装置300の概略構成の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100の概略構成の一例を示す上面図である。
図2は、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100の概略構成の一例を示す側面図である。以下、図には、XYZ座標系が示される。
図1および
図2に示すように、マイクロ流体デバイス(microfluidic devices)100は、略直方体形状を有する。なお、他の立体形状を有するマイクロ流体デバイスに対しても本発明は適用可能である。
【0010】
マイクロ流体デバイス100とは、小型基板上にDNA、タンパク質、細胞、細胞塊(スフェロイド、オルガノイド等)、組織などの生物学的微細物質に該当する試料を配置して、遺伝子欠陥、タンパク質分布、反応様相などを分析するチップをいう。本実施形態におけるマイクロ流体デバイス100は、臓器チップ(organ on a chip)、生体機能チップ(organ on a chip)、MPS(micro physiological systems)、バイオチップ(bio chip)、マイクロ流体チップ(microfluidic chip)、マイクロチップ(micro chip)、細胞培養チップ、またはマイクロ流路チップ等とも称される。
【0011】
マイクロ流体デバイス100は、一例として、細胞や細胞塊、組織の培養及び分析に用いられる。さらに、化学物質(薬剤)を添加して培養細胞との反応評価又は分析等に使用される。マイクロ流体デバイス100には、臓器細胞が培養されて生体機能を発現しているものと、まだ臓器細胞が培養されていない「空の」デバイス本体との両方が含まれてよい。
【0012】
マイクロ流体デバイス100は、例えばステレオリソグラフィー3次元プリンティング技術と、溶液キャストモールディングプロセスとを用いることにより製造することができる。マイクロ流体デバイス100は、上記技術以外にも、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)のような他の微細加工技術により製造することができる。
【0013】
図1および
図2に示すように、マイクロ流体デバイス100は複数の層を有しており、マイクロ流体デバイス100の各層には、マイクロ流路等の構造物101が複数配置されている。例えば、小腸モデルを構築する場合、マイクロ流路には、上部チャネル、粘液、吸引チャネル、小腸上皮細胞、多孔質膜、内皮細胞、下部チャネルの順に積層されて小腸モデルが構築される。
【0014】
マイクロ流体デバイス100の各層は、一例として、基板により構成されている。基板は、例えば、ガラスにより構成されていてもよい。基板は、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン(PS)、シリコン等の樹脂材料で構成されていてもよい。マイクロ流体デバイス100は中空であってもよく、中実であってもよい。マイクロ流体デバイス100は、マイクロ流体デバイス100全体を覆うカバーを有していてもよい。マイクロ流体デバイス100は照射光、観察光に対して透明であることが望ましい。
【0015】
図1および
図2に示すように、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100は、照明部材200を有する。以下、マイクロ流体デバイス100における照明部材200以外の部分をデバイス本体という場合がある。照明部材200は、マイクロ流体デバイス100のY方向側の両側面に沿って配置され、X方向(長手方向)に延伸された形状を有する。
図2に示すように、照明部材200は、マイクロ流体デバイス100のZ方向の中央付近に配置される。照明部材200は、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400を照射する。
【0016】
照明部材200は、光ファイバ等を含む光導波路、または発光素子(LED)のうちの1または複数で形成される。第1の実施形態において、照明部材200は、例えば、光ファイバで形成される。照明部材200は、マイクロ流体デバイス100の内部に配置される。マイクロ流体デバイス100のY方向側の両側面には、照明部材200挿入用の穴が形成され、照明部材200は、マイクロ流体デバイス100の上記穴に挿入され固定される。
【0017】
照明部材200は、マイクロ流体デバイス100の観察領域400の外側であって、観察領域400を観察する方向から見て観察領域400と重ならない位置に配置される。観察領域400は、マイクロ流体デバイス100においてユーザが観察したい領域であって、例えば、培養細胞が配置されている領域である。観察領域400には、例えば、培養細胞の他にマイクロ流路等の構造物101(例えば多孔質膜等)が配置されている場合もある。観察領域400は、マイクロ流体デバイス100の多孔質膜の一部の領域であってもよい。第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100は、上面(または下面)に対物レンズを配置してZ方向に観察を行う。以下、観察領域を観察する方向を上下方向する。したがって、照明部材200は、Z方向から見て観察領域400と重ならない位置である、マイクロ流体デバイス100の側面に沿って配置される。
【0018】
照明部材200を構成する光ファイバのいずれか一方の端部には光ファイバを発光させるための光源が接続される。光源の強度は自由に変更可能である。本実施形態において照明部材200を構成する光ファイバは、端面発光タイプではなく側面発光タイプが使用される。したがって、照明部材200によってマイクロ流体デバイス100をX方向に沿って全体的に照明することができる。本実施形態において照明部材200は、マイクロ流体デバイス100のZ方向の中央付近に配置されるため、マイクロ流体デバイス100のZ方向の中央付近の観察領域400の照明に適している。照射光は、例えば、蛍光観察の場合は可視域又は赤外域の励起光となり、明視野観察及び暗視野観察の場合は可視域の照明光となる。
【0019】
第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100によれば、観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材200を有する。これにより、観察領域400を適切に照明して精度よく観察することができる。
【0020】
第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100によれば、観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材200を有する。これにより、外部から照明する必要がなくなり、外部に照明光学系を設けずにマイクロ流体デバイス100を観察することができる。
【0021】
第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100によれば、照明部材200は、マイクロ流体デバイス100の構造物101が配置されている領域の外側であって、観察方向から見て構造物101と重ならない位置に配置される。これにより、観察領域400を精度よく観察することができる。
【0022】
第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100によれば、照明部材200は、マイクロ流体デバイス100のY方向側の両側面に沿って配置される。これにより、観察領域400を側面側から照明することができ、例えば、マイクロ流体デバイス100の上面(または下面)から照明する形態と比べて観察領域400に対する光の漏れ込みを低減することができ、例えば、多孔膜を観察する場合に精度よく観察することができる。
【0023】
図3は、第2の実施形態におけるマイクロ流体デバイス110の概略構成の一例を示す上面図である。
図4は、第2の実施形態におけるマイクロ流体デバイス110の概略構成の一例を示す側面図である。以下、第2の実施形態のマイクロ流体デバイス110の説明に際して、第1の実施形態のマイクロ流体デバイス100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】
図3および
図4に示すように、第2の実施形態におけるマイクロ流体デバイス110は、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材210を有する。
図4に示すように、第2の実施形態における照明部材210は、マイクロ流体デバイス110のZ方向の上部付近に配置される。第2の実施形態における照明部材210は、例えば、光ファイバで形成される。
【0025】
照明部材210によってマイクロ流体デバイス100のX方向(長手方向)に沿って全体的に照明することができる。本実施形態において照明部材210は、マイクロ流体デバイス110のZ方向の上部に配置されるため、マイクロ流体デバイス110のZ方向の上部の観察領域400(例えば、上部層など)の照明に適している。
【0026】
第2の実施形態におけるマイクロ流体デバイス110によれば、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0027】
第2の実施形態におけるマイクロ流体デバイス110によれば、照明部材210は、マイクロ流体デバイス110のZ方向の上部に配置されるため、マイクロ流体デバイス110のZ方向の上部の観察領域400(例えば、上部層など)を精度よく観察することができる。
【0028】
図5は、第3の実施形態におけるマイクロ流体デバイス120の概略構成の一例を示す上面図である。
図6は、第3の実施形態におけるマイクロ流体デバイス120の概略構成の一例を示す側面図である。以下、第3の実施形態のマイクロ流体デバイス120の説明に際して、第1の実施形態のマイクロ流体デバイス100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
図5および
図6に示すように、第3の実施形態におけるマイクロ流体デバイス120は、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材220を有する。照明部材220は、マイクロ流体デバイス120のY方向側の両側面に沿って配置され、X方向(長手方向)に延伸された形状を有する。照明部材220は、例えば、光ファイバで形成される。
図6に示すように、マイクロ流体デバイス120のY方向側の両側面には、照明部材220をZ方向に移動可能に収容する孔部221が形成される。照明部材220は孔部221の内部に配置され、また、図示しない動力源と接続されてZ方向に平行移動可能に構成される。Z方向は、マイクロ流体デバイス120の観察領域400を観察する方向である。照明部材220は手動で移動してもよい。
【0030】
第3の実施形態におけるマイクロ流体デバイス120によれば、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0031】
第3の実施形態におけるマイクロ流体デバイス120によれば、照明部材220は、Z方向に移動可能に構成されるため、マイクロ流体デバイス120の観察領域400に応じて照明部材220を移動させて適切な照明を行いながら観察することができる。
【0032】
図7は、第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130の概略構成の一例を示す上面図である。
図8は、第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130の概略構成の一例を示す側面図である。以下、第4の実施形態のマイクロ流体デバイス130の説明に際して、第1の実施形態のマイクロ流体デバイス100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
図7および
図8に示すように、第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130は、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材であるLEDチップ230を有する。LEDチップ230は、マイクロ流体デバイス130の上面および下面に沿って配置され、Y方向(短手方向)に延伸された形状を有する。第4の実施形態においてLEDチップ230は、マイクロ流体デバイス130の上面に2箇所、下面に2箇所の計4箇所配置される。
【0034】
図7および
図8に示すように、第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130には、観察領域400を目視するための目視用窓231が形成される。目視用窓231は、マイクロ流体デバイス130をくり抜いて形成される中空部分である。本実施形態において、目視用窓231は、マイクロ流体デバイス130の観察領域400の上部に形成される。マイクロ流体デバイス130に目視用窓231が形成されることにより、観察領域400を直接目視することができるため、マイクロ流体デバイス130の観察領域400を簡易的に観察することができる。
【0035】
図7および
図8に示すように、第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130には、照明部材としての光導波路232が形成される。光導波路232は、LEDチップ230からの照明光を観察領域400に導くための部材である。光導波路232は、観察窓231のXY方向の周囲を囲むように形成される。光導波路232は、光屈折率の高い素材により形成される。これにより、光導波路232によって照明光をマイクロ流体デバイス130の外部に流出させることなく、マイクロ流体デバイス130の観察領域400に導く。光導波路232は、例えば、石英ガラス、シリコン、高純度ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂などにより構成される。光導波路232は、照明光の透過性・屈折率・波長特性・分散性などを考慮して選択されてよい。なお、照明部材としてのLEDチップ230および光導波路232に代えて、複数の測面発光タイプの光ファイバを光導波路232が配置されている領域に所定間隔で配置してもよい。
【0036】
第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130によれば、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0037】
第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130によれば、LEDチップ230は、マイクロ流体デバイス130の上面に2箇所、下面に2箇所の計4箇所配置される。これにより、マイクロ流体デバイス130の上面および下面から適切な照明を行って観察することができる。
【0038】
第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130によれば、マイクロ流体デバイス130には、観察領域400を目視するための目視用窓231が形成される。これにより、マイクロ流体デバイス130の観察領域400を簡易的に観察することができる。
【0039】
第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130によれば、LEDチップ230からの照明光を観察領域400に導く光導波路232が形成される。これにより、マイクロ流体デバイス130の観察領域400を適切に照明して精度よく観察することができる。
【0040】
図9は、第5の実施形態におけるマイクロ流体デバイス140の概略構成の一例を示す上面図である。
図10は、第5の実施形態におけるマイクロ流体デバイス140の概略構成の一例を示す側面図である。以下、第5の実施形態のマイクロ流体デバイス140の説明に際して、第1の実施形態のマイクロ流体デバイス100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
図9および
図10に示すように、第5の実施形態におけるマイクロ流体デバイス140は、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材240を有する。照明部材240は、マイクロ流体デバイス140のY方向側の両側面に沿って配置される。照明部材240は、複数のμLEDチップ(マイクロLEDチップ)241を有する。複数のμLEDチップ241の各々は、マイクロ流体デバイス140のY方向側の両側面に沿ってX方向の並べて配置され、Z方向に延伸された形状を有する。照明部材240には、複数のμLEDチップ241を発光させるための電源が接続される。
【0042】
複数のμLEDチップ241の各々は、オン、オフ切り替え可能に構成される。
図9および
図10に示す一例において、ハッチングで示すμLEDチップ241はオンであり、白抜きで示すμLEDチップ241はオフである。なお、他のオンオフの切り替えパターンも適用可能である。例えば、観察領域400に近いμLEDチップ241のみオンとして、観察領域400から遠いμLEDチップ241をオフとする制御も可能である。本実施形態において、μLEDチップ241は細長い形状を有するが、円形状のμLEDチップを用いてもよい。本実施形態において、μLEDチップ241の代わりに光ファイバを用いてもよい。
【0043】
第5の実施形態におけるマイクロ流体デバイス140によれば、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0044】
第5の実施形態におけるマイクロ流体デバイス140によれば、複数のμLEDチップ241は、いずれをオンまたはオフさせるかを切り替え可能に構成される。これにより、マイクロ流体デバイス140の所望の位置の観察領域400に対して適切な照明を行って観察することができる。
【0045】
図11は、第6の実施形態におけるマイクロ流体デバイス150の概略構成の一例を示す上面図である。
図12は、第6の実施形態におけるマイクロ流体デバイス150の概略構成の一例を示す側面図である。以下、第6の実施形態のマイクロ流体デバイス150の説明に際して、第1の実施形態のマイクロ流体デバイス100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
図11および
図12に示すように、第6の実施形態におけるマイクロ流体デバイス150は、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材250を有する。照明部材250は、マイクロ流体デバイス150のY方向側の両側面に沿って配置される。照明部材250は、複数のμLEDチップ251を有する。複数のμLEDチップ251の各々は、マイクロ流体デバイス150のY方向側の両側面に沿って、Z方向に並べて配置され、X方向に延伸された形状を有する。照明部材250には、複数のμLEDチップ251を発光させるための電源が接続される。
【0047】
複数のμLEDチップ251の各々は、オン、オフ切り替え可能に構成される。
図11および
図12に示す一例において、ハッチングで示すμLEDチップ251はオンであり、白抜きで示すμLEDチップ251はオフである。なお、他のオンオフの切り替えパターンも適用可能である。例えば、観察領域400に近いμLEDチップ251のみオンとして、観察領域400から遠いμLEDチップ251をオフとする制御も可能である。本実施形態において、μLEDチップ251は細長い形状を有するが、円形状のμLEDチップを用いてもよい。本実施形態において、μLEDチップ251の代わりに光ファイバを用いてもよい。
【0048】
第6の実施形態におけるマイクロ流体デバイス150によれば、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0049】
第6の実施形態におけるマイクロ流体デバイス150によれば、複数のμLEDチップ251の各々は、オン、オフ切り替え可能に構成される。これにより、マイクロ流体デバイス150の所望の位置の観察領域400に対して適切な照明を行って観察することができる。
【0050】
図13は、第7の実施形態におけるマイクロ流体デバイス160の概略構成の一例を示す上面図である。
図14は、第7の実施形態におけるマイクロ流体デバイス160の概略構成の一例を示す側面図である。以下、第7の実施形態のマイクロ流体デバイス160の説明に際して、第1の実施形態のマイクロ流体デバイス100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
図13および
図14に示すように、第7の実施形態におけるマイクロ流体デバイス160は、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材260を有する。照明部材260は、マイクロ流体デバイス160のY方向側の両側面に沿って、外面に配置され、X方向に延伸された形状を有する。照明部材260は、例えば、マイクロ流体デバイス160の側面に接着剤等で貼り付けられて固定される。したがって、本実施形態において照明部材260は、マイクロ流体デバイス160の内部には形成されない。本実施形態において照明部材260は、マイクロ流体デバイス160の+Y方向側の側面に3箇所、-Y方向側の側面に3箇所の計6箇所配置される。照明部材260は、例えば、光ファイバで形成される。
【0052】
第7の実施形態におけるマイクロ流体デバイス160によれば、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0053】
第7の実施形態におけるマイクロ流体デバイス160によれば、照明部材260は、マイクロ流体デバイス160の外面に形成される。したがって、マイクロ流体デバイス160に照明部材260を挿入するための孔を形成する必要がなくなり、マイクロ流体デバイス160の製造コストを低減することができる。
【0054】
図15は、第8の実施形態におけるマイクロ流体デバイス170の概略構成の一例を示す上面図である。
図16は、第8の実施形態におけるマイクロ流体デバイス170の概略構成の一例を示す側面図である。以下、第8の実施形態のマイクロ流体デバイス170の説明に際して、第1の実施形態のマイクロ流体デバイス100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
図15および
図16に示すように、第8の実施形態におけるマイクロ流体デバイス170は、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400を照明する照明部材270を有する。照明部材270は、マイクロ流体デバイス170のY方向側の両側面の外面に配置され、Z方向に延伸された形状を有する。照明部材270は、例えば、マイクロ流体デバイス170の側面に接着剤等で貼り付けられて固定される。したがって、本実施形態において照明部材270は、マイクロ流体デバイス170の内部には形成されない。本実施形態において照明部材270は、マイクロ流体デバイス170の+Y方向側の側面に3箇所、-Y方向側の側面に3箇所の計6箇所配置される。照明部材270は、例えば、光ファイバで形成される。
【0056】
第8の実施形態におけるマイクロ流体デバイス170によれば、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0057】
第8の実施形態におけるマイクロ流体デバイス170によれば、照明部材270は、マイクロ流体デバイス170の外面に形成される。したがって、マイクロ流体デバイス170に照明部材270を挿入するための孔を形成する必要がなくなり、マイクロ流体デバイス170の製造コストを低減することができる。
【0058】
図17は、第9の実施形態におけるマイクロ流体デバイス180の概略構成の一例を示す上面図である。
図18は、第9の実施形態における各区画に配置された小マイクロ流体デバイス181の概略構成の一例を示す側面図である。
図19は、第9の実施形態における各区画に配置された小マイクロ流体デバイス181の概略構成の一例を示す上面図である。以下、第9の実施形態のマイクロ流体デバイス180の説明に際して、第1の実施形態のマイクロ流体デバイス100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
図17から
図19に示すように、第9の実施形態におけるマイクロ流体デバイス180は、複数の区画に分かれており、各区画に小マイクロ流体デバイス181が配置されている。小マイクロ流体デバイス181のそれぞれは、デバイス本体において観察の対象となる観察領域400と、それを照明する照明部材280を有する。照明部材280は、小マイクロ流体デバイス181の上面にそれぞれ形成される。照明部材280は、μLEDチップ282であり、各々の小マイクロ流体デバイス181において、μLEDチップ282は目視用窓281の周囲を囲むように形成されている。目視用窓281は、小マイクロ流体デバイス181をくり抜いて形成される中空部分である。小マイクロ流体デバイス181に目視用窓281が形成されることにより、観察領域400を直接目視することができるため、マイクロ流体デバイス180に形成された複数の少マイクロ流体デバイス181観察領域400それぞれを簡易的に観察することができる。
【0060】
各々の小マイクロ流体デバイス181において、μLEDチップ282の周囲には、光が伝搬しない材料283が形成される。光が伝搬しない材料283は、μLEDチップ282からの照明光が隣の区画に導かないための部材である。光が伝搬しない材料283は、ベンタブラック(光吸収率が極めて高いという特性を有する)等が利用される。光が伝搬しない材料283によってμLEDチップ282からの照明光を隣の少マイクロ流体デバイス180に流出させることなく、各々の小マイクロ流体デバイス181の観察領域400に導く。
【0061】
第9の実施形態におけるマイクロ流体デバイス180によれば、第1の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100および第4の実施形態におけるマイクロ流体デバイス130が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0062】
第9の実施形態におけるマイクロ流体デバイス180によれば、複数の区画に分かれており、各区画に小マイクロ流体デバイス181が配置され、各々の小マイクロ流体デバイス181に目視用窓281が形成される。これにより、マイクロ流体デバイス180に形成された複数の少マイクロ流体デバイス181のうち、所望の少マイクロ流体デバイス181の観察領域400の上部にある目視用窓281から目視を行うことができ、その観察領域400がマイクロ流体デバイス180のいずれの場所にあっても簡易的に観察することができる。
【0063】
図20は、第10の実施形態におけるマイクロ流体デバイスの観察装置300の概略構成の一例を示す。本実施形態における観察装置300は、一例として倒立顕微鏡であってもよい。
図20に示すように、観察装置300は観察光学系310と、PC320と、ステージ330とを有する。観察装置300のステージ330上には、一例として、第6の実施形態におけるマイクロ流体デバイス150が配置されており、ステージ330を移動することによってマイクロ流体デバイス150を移動可能である。なお、観察装置300は他の実施形態におけるマイクロ流体デバイスの観察に対して適用可能である。ステージ330に観察用の穴が設けられている。
【0064】
観察光学系310は、対物レンズ311と、不図示の第2対物レンズ(結像レンズ)と、2次元検出器312とを有する。2次元検出器312は、観察領域400からの観察光を検出する。2次元検出器312は、一例としてCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、sCMOS(scientific Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等のイメージセンサである。観察光学系310における対物レンズ311以外に、コンデンサレンズや、ダイクロイックミラーなどの光学部材をさらに有していてもよい。
【0065】
PC(制御装置)320は、CPUを有する制御部321とメモリ322を有しており、制御部321がメモリ322に格納されている制御プログラムを読み出し実行することにより、観察装置300の動作を制御する。PC320は、ユーザからの各種の指示や設定等を受信してPC320の制御部321に送信する入力部323と、制御部321からの指令を受信してユーザに対して各種のダイアログ等を表示する表示部324とを有している。
図20に一点鎖線で示すように、PC320は、顕微鏡のステージ330と接続されており、顕微鏡全体の動作を制御可能である。また、
図20に一点鎖線で示すように、PC320は、2次元検出器312と接続されており、観察された画像が入力される。
【0066】
PC320は、照明部材の照明強度、照明位置、照明タイミングの内の1または複数を制御可能である。
図20に一点鎖線で示すように、PC320は、マイクロ流体デバイス150の照明部材250における複数のμLEDチップ251と接続されており、複数のμLEDチップ251のオンオフおよび照明強度を制御可能である。
図20に示す一例では、PC320は、複数のμLEDチップ251のうちの、Z方向の中央部分に配置された2個のμLEDチップ251aをオンに制御し、他のμLEDチップ251bをオフに制御している。これにより、Z方向の中央部分の観察領域400に対して適切な照明を施すことができる。これに対して、例えば、観察領域400がマイクロ流体デバイス150のZ方向の上部にある場合には、PC320は、Z方向の上部のμLEDチップ251のみをオンに制御すればよい。他にも、PC320は、複数のμLEDチップ251を所定のタイミングで点滅制御するなどの制御が可能である。
【0067】
なお、2次元検出器312で検出される観察光は、明視野観察の場合には照射部材250から出射して観察領域400を透過した光であり、暗視野観察の場合には照射部材250から出射して観察領域400で反射・散乱した光である。明視野観察か暗視野観察かは、対物レンズ311のNAなどの観察光学系310の光学特性と、照明部材250から観察領域400への照明光の方向(角度)などにより設定することができる。したがって、同じ観察装置300で、同じ観察領域400に対してZ位置の異なるμLEDチップ251で照射することにより、明視野観察と暗視野観察とを切り替えられるようにすることも可能である。
【0068】
第10の実施形態におけるマイクロ流体デバイスの観察装置300によれば、上記第1から第9の実施形態におけるマイクロ流体デバイス100~180と同様の効果を奏することができる。
【0069】
第10の実施形態におけるマイクロ流体デバイスの観察装置300によれば、PC320は、照明部材の照明強度、照明位置、照明タイミングの内の1または複数を制御可能である。これにより、所望の位置の観察領域400に対して適切な照明を施すことができる。
【0070】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0071】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0072】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0073】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0074】
図21は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0075】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0076】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0077】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0078】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0079】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0080】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0081】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0082】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0083】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0085】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0086】
100 マイクロ流体デバイス、101 構造物、200 照明部材、110 マイクロ流体デバイス、210 照明部材、120 マイクロ流体デバイス、220 照明部材、221 孔部、130 マイクロ流体デバイス、230 LEDチップ、231 観察窓、232 光導波路、140 マイクロ流体デバイス、240 照明部材、241 μLEDチップ、150 マイクロ流体デバイス、250 照明部材、251 μLEDチップ、251a μLEDチップ、251b μLEDチップ、160 マイクロ流体デバイス、260 照明部材、170 マイクロ流体デバイス、270 照明部材、180 マイクロ流体デバイス、181 小マイクロ流体デバイス、280 照明部材、281 目視用窓、282 μLEDチップ、283 光が伝搬しない材料、300 観察装置、310 観察光学系、311 対物レンズ、312 2次元検出器、321 制御部、322 メモリ、323 入力部、324 表示部、330 ステージ、400 観察領域、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インタフェース、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード