(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025977
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】梱包体
(51)【国際特許分類】
G11B 33/02 20060101AFI20240220BHJP
G11B 23/107 20060101ALI20240220BHJP
G11B 23/023 20060101ALI20240220BHJP
G11B 15/68 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G11B33/02 502B
G11B23/107
G11B23/023 602B
G11B15/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129384
(22)【出願日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角屋 陽介
(57)【要約】
【課題】梱包体内の磁気テープカートリッジが損傷することを抑制することができる梱包体を提供する。
【解決手段】梱包体は、複数のホルダが出し入れ可能に収容された複数の収容領域と、複数の収容領域を区切っている仕切り構造と、を備える。各ホルダは、複数の磁気テープカートリッジを出し入れ可能に保持している。ホルダが収容領域に収容された状態で、仕切り構造の高さは、ホルダの高さよりも高い。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホルダが出し入れ可能に収容された複数の収容領域と、
前記複数の収容領域を区切っている仕切り構造と、を備え、
各前記ホルダは、複数の磁気テープカートリッジを出し入れ可能に保持しており、
前記ホルダが前記収容領域に収容された状態で、前記仕切り構造の高さは、前記ホルダの高さよりも高い
梱包体。
【請求項2】
前記仕切り構造は、前記複数の収容領域を一方向に区切っている
請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
前記仕切り構造は、前記複数の収容領域を格子状に区切っている
請求項1に記載の梱包体。
【請求項4】
前記磁気テープカートリッジには、磁気テープが収容されており、
前記ホルダは、前記磁気テープカートリッジを縦向きにする姿勢で前記収容領域に収容されており、
前記縦向きは、前記ホルダを前記収容領域に出し入れする方向に対して交差する方向に沿って前記磁気テープの幅方向の両端を位置させる向きである
請求項1に記載の梱包体。
【請求項5】
前記ホルダと前記ホルダが保持している前記複数の磁気テープカートリッジとで一個体が形成されており、
前記一個体の全体は、被覆材によって覆われている
請求項1に記載の梱包体。
【請求項6】
前記被覆材は、フィルムである
請求項5に記載の梱包体。
【請求項7】
前記ホルダは、外側に突出した突片を有しており、
前記一個体の全体は、前記フィルムから前記突片が突き出ない圧力で前記フィルムによって覆われている
請求項6に記載の梱包体。
【請求項8】
前記ホルダは、前記複数の磁気テープカートリッジが露出する露出領域を有し、
前記ホルダのうちの少なくとも前記露出領域が被覆材によって覆われている
請求項1に記載の梱包体。
【請求項9】
前記被覆材は、フィルムである
請求項8に記載の梱包体。
【請求項10】
前記ホルダは、磁気テープライブラリへ装填可能に形成された磁気テープカートリッジ用マガジンである
請求項1に記載の梱包体。
【請求項11】
前記磁気テープカートリッジの表面には識別子が表示されている
請求項1に記載の梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カートリッジ収納ケースが開示されている。特許文献1に記載のカートリッジ収納ケースは、磁気テープ巻回リールが内設される扁平体状のカートリッジを収納する。また、特許文献1に記載のカートリッジ収納ケースは、他のカートリッジ収納ケースと重ね合わされて使用され、カートリッジを内部に保持可能であり、1つずつのカートリッジ、及び複数のカートリッジからなるカートリッジ群の少なくともいずれかを並置させて収納可能な少なくとも1つの区画室を有する。また、特許文献1に記載のカートリッジ収納ケースは、区画室内に1つのカートリッジを独立して収納可能な分室を複数有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、梱包体内の磁気テープカートリッジが損傷することを抑制することができる梱包体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術に係る第1の態様は、複数のホルダが出し入れ可能に収容された複数の収容領域と、複数の収容領域を区切っている仕切り構造と、を備え、各ホルダが、複数の磁気テープカートリッジを出し入れ可能に保持しており、ホルダが収容領域に収容された状態で、仕切り構造の高さが、ホルダの高さよりも高い、梱包体である。
【0006】
本開示の技術に係る第2の態様は、仕切り構造が、複数の収容領域を一方向に区切っている、第1の態様に係る梱包体である。
【0007】
本開示の技術に係る第3の態様は、仕切り構造が、複数の収容領域を格子状に区切っている、第1の態様に係る梱包体である。
【0008】
本開示の技術に係る第4の態様は、磁気テープカートリッジには、磁気テープが収容されており、ホルダが、磁気テープカートリッジを縦向きにする姿勢で収容領域に収容されており、縦向きが、ホルダを収容領域に出し入れする方向に対して交差する方向に沿って磁気テープの幅方向の両端を位置させる向きである、第1の態様から第3の態様の何れか1つの態様に係る梱包体である。
【0009】
本開示の技術に係る第5の態様は、ホルダとホルダが保持している複数の磁気テープカートリッジとで一個体が形成されており、一個体の全体が、被覆材によって覆われている、第1の態様から第4の態様の何れか1つの態様に係る梱包体である。
【0010】
本開示の技術に係る第6の態様は、被覆材が、フィルムである、第5の態様に係る梱包体である。
【0011】
本開示の技術に係る第7の態様は、ホルダが、外側に突出した突片を有しており、一個体の全体が、フィルムから突片が突き出ない圧力でフィルムによって覆われている、第6の態様に係る梱包体である。
【0012】
本開示の技術に係る第8の態様は、ホルダが、複数の磁気テープカートリッジが露出する露出領域を有し、ホルダのうちの少なくとも露出領域が被覆材によって覆われている、第1の態様から第4の態様の何れか1つの態様に係る梱包体である。
【0013】
本開示の技術に係る第9の態様は、被覆材が、フィルムである、第8の態様に係る梱包体である。
【0014】
本開示の技術に係る第10の態様は、ホルダが、磁気テープライブラリへ装填可能に形成された磁気テープカートリッジ用マガジンである、第1の態様から第9の態様の何れか1つの態様に係る梱包体である。
【0015】
本開示の技術に係る第11の態様は、磁気テープカートリッジの表面には識別子が表示されている、第1の態様から第10の態様の何れか1つの態様に係る梱包体である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジの外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図2】第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジに表示された識別子の一例を示す概略斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係るホルダの外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係るカートリッジセットの外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係るカートリッジセットが被覆材によって覆われた外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係るカートリッジセットが磁気テープライブラリに装填される態様の一例を示す模式図である。
【
図7】第1及び第2実施形態に係る磁気テープライブラリのハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。
【
図8】第1実施形態に係る梱包体の外観の一例を示す分解斜視図である。
【
図9】第1実施形態に係る梱包体の断面視態様の一例を示す概略断面図である。
【
図10】第1実施形態に係る複数の梱包体が積み上げられた態様の一例を示す概略斜視図である。
【
図11】第1実施形態に係る複数の梱包体が積み上げられた状態での複数の梱包体の断面視態様の一例を示す概略断面図である。
【
図12】第2実施形態に係るカートリッジセットが被覆材によって覆われた外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図13】第2実施形態に係る梱包体の外観の一例を示す分解斜視図である。
【
図14】第2実施形態に係る梱包体の断面視態様の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
【0018】
本実施形態において、「平行」とは、完全な平行の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの平行を指す。本実施形態において、「等間隔」とは、完全な等間隔の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの等間隔を指す。本実施形態において、「垂直」とは、完全な垂直の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの垂直を指す。
【0019】
以下の説明では、説明の便宜上、
図1において、矢印A方向を磁気テープカートリッジ10の前方向とし、磁気テープカートリッジ10の前方向の側を磁気テープカートリッジ10の前側とする。以下の磁気テープカートリッジ10構造上の説明において、「前」とは、磁気テープカートリッジ10の前側を指す。
【0020】
また、以下の説明では、説明の便宜上、
図1において、矢印A方向と直交する矢印B方向を右方向とし、磁気テープカートリッジ10の右方向の側を磁気テープカートリッジ10の右側とする。以下の磁気テープカートリッジ10の構造上の説明において、「右」とは、磁気テープカートリッジ10の右側を指す
【0021】
また、以下の説明では、説明の便宜上、
図1において、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、矢印C方向を磁気テープカートリッジ10の上方向とし、磁気テープカートリッジ10の上方向の側を磁気テープカートリッジ10の上側とする。以下の磁気テープカートリッジ10の構造上の説明において、「上」とは、磁気テープカートリッジ10の上側を指す。
【0022】
また、以下の説明では、説明の便宜上、
図1において、磁気テープカートリッジ10の前方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ10の後方向とし、磁気テープカートリッジ10の後方向の側を、磁気テープカートリッジ10の後側とする。以下の磁気テープカートリッジ10の構造上の説明において、「後」とは、磁気テープカートリッジ10の後側を指す。
【0023】
また、以下の説明では、説明の便宜上、
図1において、磁気テープカートリッジ10の上方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ10の下方向とし、磁気テープカートリッジ10の下方向の側を磁気テープカートリッジ10の下側とする。以下の磁気テープカートリッジ10の構造上の説明において、「下」とは、磁気テープカートリッジ10の下側を指す。
【0024】
[第1実施形態]
一例として
図1に示すように、磁気テープカートリッジ10は、平面視略矩形であり、かつ、箱状のケース12を備えている。磁気テープカートリッジ10には、磁気テープMTが収容されている。磁気テープカートリッジ10は、本開示の技術に係る「磁気テープカートリッジ」の一例であり、磁気テープMTは、本開示の技術に係る「磁気テープ」の一例である。
【0025】
ケース12は、ポリカーボネート等の樹脂製であり、上ケース14及び下ケース16を備えている。上ケース14及び下ケース16は、上ケース14の下周縁面と下ケース16の上周縁面とを接触させた状態で、溶着(例えば、超音波溶着)及びビス止めによって接合されている。接合方法は、溶着及びビス止めに限らず、他の接合方法であってもよい。
【0026】
ケース12の内部には、カートリッジリール18が回転可能に収容されている。カートリッジリール18は、リールハブ18A、上フランジ18B1、及び下フランジ18B2を備えている。リールハブ18Aは、円筒状に形成されている。リールハブ18Aは、カートリッジリール18の軸心部であり、軸心方向がケース12の上下方向に沿っており、ケース12の中央部に配置されている。上フランジ18B1及び下フランジ18B2の各々は円環状に形成されている。リールハブ18Aの上端部には上フランジ18B1の平面視中央部が固定されており、リールハブ18Aの下端部には下フランジ18B2の平面視中央部が固定されている。リールハブ18Aの外周面には、磁気テープMTが巻き回されており、磁気テープMTの幅方向の端部は上フランジ18B1及び下フランジ18B2によって保持されている。なお、リールハブ18A及び下フランジ18B2は一体として成型されていてもよい。
【0027】
ケース12の右壁12Aの後側には、開口12Bが形成されている。磁気テープMTは、開口12Bから引き出されたり、開口12Bからケース12内に引き戻されたりする。
【0028】
一例として
図2に示すように、磁気テープカートリッジ10の表面には、識別子19が表示されている。磁気テープカートリッジ10の表面とは、ケース12の表面を指す。
図2に示す例では、ケース12の前壁12Cの表面に識別子19が表示されている。また、識別子19は、バーコード19Aを含んでいる。バーコード19Aは、磁気テープカートリッジ10を識別するための情報(例えば、ユーザによって付与された磁気テープカートリッジ10を管理するための通し番号等)を示す一次元画像である。識別子19は、本開示の技術に係る「識別子」の一例である。
【0029】
また、
図2に示す例では、識別子19は、文字列19Bを含んでいる。文字列19Bは、磁気テープカートリッジ10を識別するための情報を示す文字列(例えば、英数字の組み合わせを含む文字列等)である。文字列19Bが表示されることで、ユーザが目視で磁気テープカートリッジ10の識別を行うことができる。
【0030】
識別子19は、例えば、バーコード19A及び文字列19Bが印刷されたラベルがケース12の表面に貼り付けられることで、ケース12に表示されるが、これはあくまでも一例に過ぎない。識別子19は、ケース12の表面に直接印刷されてもよい。
【0031】
一例として
図3に示すように、磁気テープカートリッジ10は、ホルダ20に格納される。ホルダ20は、磁気テープカートリッジ10を詰め替えて反復使用可能なカートリッジマガジンである。ここで、ホルダ20は、本開示の技術に係る「ホルダ」の一例であり、カートリッジマガジンは、本開示の技術に係る「磁気テープカートリッジ用マガジン」の一例である。
【0032】
以下では、説明の便宜上、
図3に示すX軸の一方の方向である+X方向をホルダ20の前方向とし、ホルダ20の前方向の側をホルダ20の前側とする。以下のホルダ20の構造上の説明において、「前」とは、ホルダ20の前側を指す。
【0033】
また、以下では、説明の便宜上、
図3に示すX軸の他方の方向(すなわち、+X方向の逆方向)である-X方向をホルダ20の後方向とし、ホルダ20の後方向の側をホルダ20の後側とする。以下のホルダ20の構造上の説明において、「後」とは、ホルダ20の後側を指す。
【0034】
また、以下では、説明の便宜上、
図3に示すY軸(すなわち、X軸と直交する軸)の一方の方向である+Y方向をホルダ20の右方向とし、ホルダ20の右方向の側をホルダ20の右側とする。以下のホルダ20の構造上の説明において、「右」とは、ホルダ20の右側を指す。
【0035】
また、以下では、説明の便宜上、
図3に示すY軸の他方の方向(すなわち、+Y方向の逆方向)である-Y方向をホルダ20の左方向とし、ホルダ20の左方向の側をホルダ20の左側とする。以下のホルダ20の構造上の説明において、「左」とは、ホルダ20の左側を指す。
【0036】
また、以下では、説明の便宜上、
図3に示すZ軸(すなわち、X軸及びY軸と直交する軸)の一方の方向である+Z方向をホルダ20の上方向とし、ホルダ20の上方向の側をホルダ20の上側とする。以下の説明において、以下のホルダ20の構造上の説明において、「上」とは、ホルダ20の上側を指す。
【0037】
また、以下では、説明の便宜上、
図3に示すZ軸の他方の方向(すなわち、+X方向の逆方向)である-Z方向をホルダ20の下方向とし、ホルダ20の下方向の側をホルダ20の下側とする。以下のホルダ20の構造上の説明において、「下」とは、ホルダ20の下側を指す。
【0038】
ホルダ20は、複数の磁気テープカートリッジ10を内部に収容可能に構成された筐体構造22を有する。筐体構造22には、開口部23が形成されている。ホルダ20は、複数の磁気テープカートリッジ10を、開口部23を介して出し入れ可能に保持する。開口部23は、本開示の技術に係る「露出領域」の一例である。
【0039】
開口部23は、ホルダ20の筐体構造22の内の一の面が外部に対して開放されることにより形成される。
図3に示す例では、ホルダ20の前面、すなわち、筐体構造22の内の前面22Aに、開口部23が形成されている。磁気テープカートリッジ10は、開口部23を介してホルダ20に対して出し入れされる。筐体構造22は、例えば、樹脂製であるが、これはあくまでも一例に過ぎず、例えば、金属製であってもよいし、樹脂と金属とが組み合わされて形成されていてもよい。
【0040】
磁気テープカートリッジ10は、識別子19が読み取り可能な状態でホルダ20に格納される。識別子19は、ケース12における開口部23側の面に表示されている。ここで、ケース12における開口部23側の面とは、開口部23を通じてホルダ20の外部に対して露出される面を指す。
【0041】
図3に示す例では、磁気テープカートリッジ10は、識別子19が表示された前壁12Cをホルダ20の外部に対して露出させた状態で格納されている。より具体的に説明すると、識別子19は、ケース12において、開口部23側の面である前壁12Cの表面に表示されている。磁気テープカートリッジ10は、前壁12Cを開口部23側に向けてホルダ20に格納されている。
【0042】
ホルダ20は、複数の格納部24(すなわち、キャビティ)を有する。複数の格納部24は、ホルダ20内が一方向(
図3に示す例では、Z方向)に沿って複数に仕切られることで形成される。
図3に示す例では、直方体形状のホルダ20が長手方向(
図3に示す例では、Z方向)に沿って9段に仕切られることにより、9つの格納部24が形成されている。
【0043】
本第1実施形態では、一例として
図4に示すように、カートリッジセット62が用いられる。カートリッジセット62は、ホルダ20と、ホルダ20が保持している複数の磁気テープカートリッジ10とで形成されている。すなわち、カートリッジセット62は、ホルダ20に複数の磁気テープカートリッジ10が格納されることによって形成された一個体である。
図4に示す例では、9つの格納部24に対して9つの磁気テープカートリッジ10が格納されている。各格納部24には、開口部23から前壁12Cが露出するように、磁気テープカートリッジ10が1つずつ格納されている。これにより、複数の磁気テープカートリッジ10が開口部23から露出する。具体的には、複数の磁気テープカートリッジ10の各前壁12Cが開口部23から露出する。前壁12Cの表面には、識別子19が表示されているので、開口部23からは、各磁気テープカートリッジ10の識別子19が視認可能な状態で露出される。
【0044】
ところで、磁気テープカートリッジ10を搬送する場合には、磁気テープカートリッジ10を衝撃、及び汚れ等から保護する必要がある。このため、磁気テープカートリッジ10を一つ一つ梱包することが行われていた。この場合において、ホルダ20を用いて、複数の磁気テープカートリッジ10を一度に磁気テープライブラリ26(
図6参照)へ装填する場合、先ず、複数の磁気テープカートリッジ10の梱包材を除去する作業が必要となる。そして、梱包材を除去した磁気テープカートリッジ10をホルダ20に格納する。このように、複数の磁気テープカートリッジ10を一つ一つ梱包する場合、梱包作業及び梱包材の除去作業が煩瑣になる。
【0045】
そこで、このような事情に鑑み、本第1実施形態では、一例として
図5に示すように、ホルダ20の少なくとも開口部23が被覆材61によって覆われている。
図5に示す例では、カートリッジセット62の全体が被覆材61によって覆われている。被覆材61は、本開示の技術に係る「被覆材」の一例であり、カートリッジセット62は、本開示の技術に係る「一個体」の一例である。
【0046】
被覆材61は、カートリッジセット62の全体を覆うことにより、磁気テープカートリッジ10を外部からの粉塵等の汚れから保護したり、外部からの衝撃を吸収したり、磁気テープカートリッジ10の脱落を抑制したりする。被覆材61は、フィルムであり、カートリッジセット62の全体を覆った状態で収縮される。これにより、被覆材61が、カートリッジセット62に密着する。この結果、磁気テープカートリッジ10が、ホルダ20から脱落することが抑制される。被覆材61をホルダ20に密着させる態様は、例えば、熱収縮が挙げられるがこれはあくまでも一例に過ぎない。例えば、被覆材61をカートリッジセット62に対して巻き付けることによって、密着させてもよい。
【0047】
また、被覆材61は、識別子19が読み取り可能な状態でカートリッジセット62を覆っている。被覆材61は、可視光を透過する材料で形成されている。例えば、被覆材61は、ポリエチレン製のフィルムである。被覆材61の厚み及び物性(例えば、延伸性)は、本開示の技術の目的を逸脱しない範囲で適宜設定されればよく、特に限定されない。
【0048】
図5に示す例では、被覆材61は、カートリッジセット62の全体を覆っているが、これはあくまでも一例に過ぎない。被覆材61は、少なくとも開口部23を覆っていればよく、例えば、被覆材61が、ホルダ20の前面22A(
図3参照)のみを覆っている態様であってもよい。
【0049】
一例として
図6に示すように、カートリッジセット62は、磁気テープライブラリ26に装填される。すなわち、ホルダ20は、磁気テープライブラリ26に装填可能に形成された磁気テープカートリッジ用マガジンであり、複数の磁気テープカートリッジ10を保持した状態で磁気テープライブラリ26に装填される。
【0050】
カートリッジセット62が磁気テープライブラリ26に装填される場合、先ず、カートリッジセット62に含まれる磁気テープカートリッジ10の識別が行われる。磁気テープカートリッジ10は、識別子19が読み取り可能な状態でホルダ20に格納されている。また、被覆材61は、識別子19を読み取り可能な状態で、ホルダ20を覆っている。これにより、被覆材61を除去する前であっても、磁気テープカートリッジ10を識別可能となる。
【0051】
例えば、ユーザは、バーコードリーダを用いて、識別子19に含まれるバーコード19Aを読み取ることで、カートリッジセット62に含まれる各磁気テープカートリッジ10を識別する。また、例えば、ユーザは、識別子19に含まれる文字列19Bに基づいて、カートリッジセット62に含まれる各磁気テープカートリッジ10を目視で識別する。磁気テープカートリッジ10が識別された後、カートリッジセット62を覆っている被覆材61が除去される。
【0052】
磁気テープライブラリ26には、スロット28が形成されている。被覆材61が除去されたカートリッジセット62は、スロット28を介して磁気テープライブラリ26に装填される。
【0053】
一例として
図7に示すように、磁気テープライブラリ26内には、複数の磁気テープドライブ30が設けられている。磁気テープカートリッジ10は、ロボットアーム(図示省略)等によってホルダ20から取り出されて、指定された磁気テープドライブ30へ装填される。そして、磁気テープカートリッジ10の識別子19が読取装置(図示省略)によって読み取られることで、磁気テープドライブ30への装填される磁気テープカートリッジ10が識別される。
【0054】
磁気テープドライブ30は、磁気テープカートリッジ10から磁気テープMTを引き出し、引き出した磁気テープMTから読み書きヘッド(図示省略)を用いて記録情報をリニアサーペンタイン方式で読み書きする装置である。なお、本第1実施形態において、記録情報の読み書きとは、換言すると、情報の記録及び再生を指す。
【0055】
ところで、複数の磁気テープカートリッジ10を纏めて保管したり搬送したりする場合、複数の磁気テープカートリッジ10は入れ物(例えば、プラスチック製の入れ物)に収容される。そして、複数の磁気テープカートリッジ10が各々収容された複数の入れ物は、鉛直方向に沿って何段にも積み上げられる。このとき、下段に位置する入れ物は、上段に位置する入れ物の荷重を受けることになる。また、搬送時には、上下方向に生じる振動によって、下段に位置する入れ物は、より大きな荷重を受けることになる。このように、下段に位置する入れ物に対して上方から大きな荷重がかかると、下段に位置する入れ物内の磁気テープカートリッジ10のケース12が損傷してしまったり、識別子19が損傷してしまったりする虞がある。また、下段に位置する入れ物に対して上方から大きな荷重がかかると、ケース12及び識別子19が損傷するだけでなく、磁気テープカートリッジ10内の磁気テープMTも損傷してしまう虞がある。特に、近年では、磁気テープMTの幅方向においてデータバンドが高密度化しているため、磁気テープMTの幅方向の両端部が損傷すると、磁気テープMTに対してデータの正常な読み書きができなくなる虞がある。
【0056】
そこで、このような事情に鑑み、本第1実施形態では、複数のカートリッジセット62が個別に被覆材61で覆われた状態で段ボール64によって梱包される(
図8参照)。段ボール64の種類としては、例えば、片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボール、又は複々両面段ボール等が挙げられる。なお、ここでは、段ボール64を例示しているが、これはあくまでも一例に過ぎず、段ボール64に代えて、発砲スチロール等の他の梱包材を用いてもよい。
【0057】
図8には、梱包体100の構成の一例が示されている。梱包体100は、複数のカートリッジセット62及び段ボール64を備えている。梱包体100は、本開示の技術に係る「梱包体」の一例である。
【0058】
段ボール64は、段ボール箱66、第1段ボール板68、第2段ボール板70、及び仕切り構造72を備えている。
【0059】
段ボール箱66は、0201形の段ボール箱である。段ボール箱66は、段ボール箱本体66Aを有する。段ボール箱本体66Aは、直方体状に形成されており、長手方向(
図8に示す例では、X方向)の側面である長さ面66A1と、短手方向(
図8に示す例ではZ方向)の側面である幅面66A2と、を有する。また、段ボール箱本体66Aは、平板状の底66A3を有する。また、段ボール箱本体66Aの鉛直方向上側には開口66A4が形成されている。
【0060】
段ボール箱本体66Aには、内フラップ66B及び66C、並びに、外フラップ66D及び66Eが設けられている。開口66A4を画定する四辺のうちの段ボール箱本体66Aの長手方向(
図8に示す例では、X方向)側で対向する2辺の一方の辺に内フラップ66Bが設けられており、他方の辺に内フラップ66Cが設けられている。また、開口66A4を形成する四辺のうちの段ボール箱本体66Aの短手方向(
図8に示す例ではZ方向)側で対向する2辺の一方の辺に外フラップ66Dが設けられており、他方の辺に外フラップ66Eが設けられている。
【0061】
第1段ボール板68は、底66A3と同形状に形成されている。また、第1段ボール板68のサイズは、底66A3よりも僅かに小さなサイズである。第1段ボール板68は、開口66A4から段ボール箱本体66A内に入れられ、底66A3上に敷かれる。
【0062】
仕切り構造72は、第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bを有する。第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bは、長板状に形成されている。第1仕切り部材72Aは、幅広の面72A1を有し、第2仕切り部材72Bは、幅広の面72B1を有する。
【0063】
第1仕切り部材72Aには、複数のスリット72A2が形成されている。スリット72A2は、鉛直方向下側に開口されている。複数のスリット72A2は、第1仕切り部材72Aの長手方向(
図8に示す例では、X方向)に沿って等間隔で形成されている。スリット72A2の個数は、段ボール箱66に収容されるカートリッジセット62の個数+1である。
図8に示す例では、第1仕切り部材72Aの長手方向に沿って6個のスリット72A2が等間隔に形成されている。
【0064】
第2仕切り部材72Bには、複数のスリット72B2が形成されている。スリット72B2は、鉛直方向下側に開口されている。複数のスリット72B2は、第2仕切り部材72Bの長手方向(
図8に示す例では、X方向)に沿って一定間隔で形成されている。スリット72B2の個数は、段ボール箱66に収容されるカートリッジセット62の個数+1である。
図8に示す例では、第2仕切り部材72Bの長手方向に沿って6個のスリット72B2が等間隔に形成されている。
【0065】
仕切り構造72は、複数の第3仕切り部材72Cを有する。第3仕切り部材72Cは、長板状に形成されている。第3仕切り部材72Cは、幅広の面72C1を有する。第3仕切り部材72Cには、スリット72C2及び72C3が形成されている。スリット72C2及び72C3は、第3仕切り部材72Cの長手方向(
図8に示す例では、Z方向)に沿って間隔を空けて形成されている。第1仕切り部材72Aと第2仕切り部材72Bは、
図8に示すZ方向で面72A1と面72B1とが重なり合う向きに配置されている。この状態で、第1仕切り部材72Aと第2仕切り部材72Bとの間で対向する位置関係にあるスリット72A2及び72B2のうち、スリット72A2はスリット72C2に挿入され、スリット72B2はスリット72C3に挿入される。これにより、第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bに対して第3仕切り部材72Cが嵌合される。同様の要領で、第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bに対して残りの第3仕切り部材72Cも嵌合される。これにより、第1仕切り部材72A、第2仕切り部材72B、及び複数の第3仕切り部材72Cによって仕切り構造72が形成される。
【0066】
このように形成された仕切り構造72では、第1仕切り部材72Aの各スリット72A2から、第1仕切り部材72Aに対して嵌合された第3仕切り部材72Cの長手方向(
図8に示す例では、Z方向)の一端部が張り出している。また、第2仕切り部材72Bの各スリット72B2からは、第2仕切り部材72Bに対して嵌合された第3仕切り部材72Cの長手方向の他端部が張り出している。また、第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bの長手方向(
図8に示す例では、X方向)に沿って並べられた複数の第3仕切り部材72Cのうちの一端に位置する第3仕切り部材72Cのスリット72C2からは、複数の第3仕切り部材72Cに対して嵌合された第1仕切り部材72Aの長手方向(
図8に示す例では、X方向)の一端部が張り出している。また、第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bの長手方向に沿って並べられた複数の第3仕切り部材72Cのうちの他端に位置する第3仕切り部材72Cのスリット72C2からは、複数の第3仕切り部材72Cに対して嵌合された第1仕切り部材72Aの長手方向の他端部が張り出している。また、第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bの長手方向に沿って並べられた複数の第3仕切り部材72Cのうちの一端に位置する第3仕切り部材72Cのスリット72C3からは、複数の第3仕切り部材72Cに対して嵌合された第2仕切り部材72Bの長手方向の一端部が張り出している。更に、第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bの長手方向に沿って並べられた複数の第3仕切り部材72Cのうちの他端に位置する第3仕切り部材72Cのスリット72C3からは、複数の第3仕切り部材72Cに対して嵌合された第2仕切り部材72Bの長手方向の他端部が張り出している。仕切り構造72において、このように張り出した部分については、以下、「第1張出部分」と称する。
【0067】
仕切り構造72は、面72A1及び72B1を長さ面66A1に対して平行にした状態で、かつ、面72C1を幅面66A2に対して平行にした状態で、第1張出部分を段ボール箱本体66Aの内面に接触させながら段ボール箱本体66Aに圧入される。段ボール箱本体66Aに圧入された仕切り構造72の第1張出部分は、段ボール箱本体66Aの側方からの衝撃を吸収する緩衝材として機能する。
【0068】
このように、仕切り構造72が段ボール箱本体66Aに圧入されると、段ボール箱本体66A内において、第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bは、面72A1及び72B1が平行な状態で配置される。また、段ボール箱本体66A内において、複数の第3仕切り部材72Cは、面72C1が面72A1及び72B1と交差した状態(ここでは、一例として垂直な状態)で配置される。この結果、仕切り構造72によって複数の収容領域74が形成される。複数の収容領域74は、仕切り構造72によって一方向に区切られている。ここで、一方向とは、段ボール箱本体66Aの長手方向(
図8に示す例では、X方向)を指す。
図8に示す例では、一方向に沿って5個の収容領域74が形成されている。ここでは、収容領域74の個数として5個を例示しているが、収容領域74の個数は、5個未満であってもよいし、6個以上であってもよい。
【0069】
複数の収容領域74の各々は、仕切り構造72によって区切られた領域(例えば、直方体状の空間)である。複数の収容領域74には、複数のカートリッジセット62(すなわち、複数の磁気テープカートリッジ10を各々保持した状態の複数のホルダ20)が出し入れ可能に収容される。仕切り構造72は、本開示の技術に係る「仕切り構造」の一例であり、複数の収容領域74は、本開示の技術に係る「複数の収容領域」の一例である。
【0070】
収容領域74には、被覆材61で覆われた状態のカートリッジセット62が、ホルダ20の右側(すなわち、+Y方向の側)を段ボール箱本体66A内の第1段ボール板68に向けた状態で収容される。換言すると、複数の磁気テープカートリッジ10が格納されたホルダ20は、磁気テープカートリッジ10を縦向きにする姿勢で収容領域74に収容される。ここで、縦向きとは、ホルダ20を収容領域74に出し入れする方向に対して交差する方向(ここでは、一例として、垂直な方向)に沿って磁気テープMTの幅方向(すなわち、Z方向)の両端を位置させる向きを指す。
【0071】
複数の磁気テープカートリッジ10を縦向きにした姿勢でカートリッジセット62が収容領域74に収容されると、+Y方向からカートリッジセット62にかかる圧力に対して、磁気テープカートリッジ10内の磁気テープMTが幅方向に沿って潰れ難くなる。また、カートリッジセット62が、ホルダ20の右側を段ボール箱本体66A内の第1段ボール板68に向けた状態で収容領域74に収容されるので、ホルダ20によって保持されている磁気テープカートリッジ10の前壁12Cが収容領域74内で第3仕切り部材72Cと向かい合う。これにより、前壁12Cの表面に表示されている識別子19が第3仕切り部材72Cによって保護される。
【0072】
このように、段ボール箱本体66A内で仕切り構造72によって区画された各収容領域74に、複数の磁気テープカートリッジ10を縦向きにした姿勢でカートリッジセット62が収容された後、カートリッジセット62が収容された仕切り構造72は、鉛直方向上側(
図8に示す例では、-Y方向の側)から第2段ボール板70によって覆われる。そして、内フラップ66B及び66C、並びに、外フラップ66D及び66Eが閉じられ、粘着テープ等によって外フラップ66D及び66E間の隙間が塞がれる。
【0073】
図9には、上述した要領で段ボール箱66に複数のカートリッジセット62が収容された断面視の態様の一例が示されている。なお、
図9に示す例では、本開示の技術の理解を容易にするために、第2段ボール板70の図示が省略されている。
【0074】
一例として
図9に示すように、段ボール箱66内において、上述した要領でカートリッジセット62が収容領域74に収容された状態で、仕切り構造72の高さ(すなわち、仕切り構造72の鉛直方向の長さ)は、ホルダ20の高さ(すなわち、ホルダ20のY方向の長さ)よりも高い。具体的には、例えば、上述した要領でカートリッジセット62が収容領域74に収容された状態で、第1仕切り部材72Aの高さ、第2仕切り部材72Bの高さ、及び全ての第3仕切り部材72Cの高さが、ホルダ20の高さよりも高い。また、仕切り構造72は、鉛直方向上側(
図9に示す例では、-Y方向の側)からの一定レベルの荷重(例えば、数十キログラム~数百キログラムの荷重)に耐えられる強度を有する。すなわち、仕切り構造72は、仕切り構造72の高さとホルダ20の高さとの差αを維持可能な一定レベルの耐荷重性を有する。
【0075】
次に、梱包体100の作用について説明する。
【0076】
段ボール箱本体66Aの底66A3上には、第1段ボール板68が敷かれる。段ボール箱本体66A内において、第1段ボール板68上には、仕切り構造72が置かれる。仕切り構造72は、一方向に区切られた複数の収容領域74を有し、各収容領域74には、カートリッジセット62が収容される。カートリッジセット62は、複数の磁気テープカートリッジ10を縦向きにした姿勢で収容領域74に収容される。各収容領域74にカートリッジセット62が収容された後、カートリッジセット62が収容された仕切り構造72は、鉛直方向上側から第2段ボール板70によって覆われる。そして、内フラップ66B及び66C、並びに、外フラップ66D及び66Eが閉じられ、粘着テープ等によって外フラップ66D及び66E間の隙間が塞がれる。このようにして構成された梱包体100は、保管時及び/又は搬送時等に、一例として
図10に示すように、複数段にわたって積み上げられる。このように、複数の梱包体100が層状に積み上げられることによって得られた梱包体100の集合体は、例えば、フィルムでシュリンク包装されて、一個体として保管されたり、搬送されたりする。
【0077】
収容領域74にカートリッジセット62が収容された状態で、仕切り構造72の高さは、ホルダ20の高さ(すなわち、ホルダ20のY方向の長さ)よりも高く、仕切り構造72は、一定レベルの耐荷重性を有する。従って、梱包体100が複数段にわたって積み上げられた場合であっても、一例として
図11に示すように、下段に位置する梱包体100(
図11に示す例では、最下段の梱包体100)内の仕切り構造72は、上段に位置する1つ以上の梱包体100(
図11に示す例では、最下段の梱包体100よりも上段に位置する全ての梱包体100)の荷重を受け止めて、潰れずに、差αを維持する。つまり、下段に位置する梱包体100内の仕切り構造72に鉛直方向上側(
図11に示す例では、-Y方向の側)からの荷重がかかるので、仕切り構造72に収容されているカートリッジセット62は、鉛直方向上側からの荷重を受けずに済む。よって、鉛直方向上側からの荷重が原因で梱包体100内の磁気テープカートリッジ10が損傷することを抑制することができる。
【0078】
また、一方向に区切られている複数の収容領域74に収容されている複数のカートリッジセット62内の複数の磁気テープカートリッジ10についても、鉛直方向上側からの荷重が原因で損傷することを抑制することができる。
【0079】
また、カートリッジセット62は、複数の磁気テープカートリッジ10を縦向きにした姿勢で収容領域74に収容されているので、下段に位置する梱包体100内に収容されているカートリッジセット62内の磁気テープMTは、上段に位置する梱包体100から、磁気テープMTの幅方向への荷重を受けずに済む。つまり、梱包体100内に収容されているカートリッジセット62内の磁気テープMTは、鉛直方向上側からの荷重を受けずに済む。よって、鉛直方向上側からの荷重が原因で磁気テープMTの幅方向の両端部が損傷することを抑制することができる。
【0080】
また、被覆材61は、ホルダ20のうちの少なくとも開口部23を覆っている。従って、本構成によれば、磁気テープカートリッジ10の梱包作業又は被覆材61の除去作業が容易になる。例えば、複数の磁気テープカートリッジ10が別々に梱包される場合と比較して、磁気テープカートリッジ10の梱包作業又は被覆材61の除去作業が容易になる。
【0081】
また、カートリッジセット62の全体は、被覆材61によって覆われている。従って、本構成によれば、磁気テープカートリッジ10の梱包作業又は被覆材61の除去作業が容易になる。例えば、複数の磁気テープカートリッジ10が別々に梱包される場合と比較して、磁気テープカートリッジ10の梱包作業又は被覆材61の除去作業が容易になる。
【0082】
また、被覆材61はフィルムである。従って、本構成によれば、形状及びサイズが一定の容器でカートリッジセット62を覆う場合に比べ、様々な形状及びサイズのカートリッジセット62を被覆材61で覆うことができる。
【0083】
また、被覆材61は、識別子19が読み取り可能な状態でホルダ20を覆っている。従って、本構成によれば、被覆材61により覆われた状態でも磁気テープカートリッジ10の識別が容易になる。例えば、被覆材61を介して識別子19が読み取れない場合と比較して、被覆材61により覆われた状態でも磁気テープカートリッジ10の識別が容易になる。
【0084】
また、被覆材61は、可視光を透過する材料で形成されている。従って、本構成によれば、磁気テープカートリッジ10の識別を目視により行うことができる。
【0085】
また、本実施形態に係る梱包体60では、ホルダ20は、カートリッジマガジンである。従って、本構成によれば、複数の磁気テープカートリッジ10を纏めて磁気テープライブラリ26に装填することができる。また、ホルダ20は、磁気テープカートリッジ10の詰め替えが可能であり、反復して使用することができる。
【0086】
また、識別子19は、磁気テープカートリッジ10のケース12において、ホルダ20における開口部23の側の面に表示されている。従って、本構成によれば、ホルダ20に格納された磁気テープカートリッジ10を識別することが容易になる。例えば、ホルダ20において開口部23以外に識別子19を露出させる開口を設ける場合と比較して、ホルダ20に格納された磁気テープカートリッジ10を識別することが容易になる。
【0087】
また、本実施形態に係る梱包体60では、識別子19は、バーコード19Aを含んでいる。従って、本構成によれば、磁気テープカートリッジ10を識別することが容易になる。例えば、識別子19が文字列のみから成る場合と比較して、磁気テープカートリッジ10を識別することが容易になる。
【0088】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、9つの磁気テープカートリッジ10がホルダ20によって保持されている場合の梱包例を挙げて説明したが、本第2実施形態では、一例として
図12に示すように、4つの磁気テープカートリッジ10がホルダ76によって保持されている場合の梱包例について説明する。本第2実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を付して説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0089】
本第2実施形態では、一例として
図12に示すように、ホルダ76は、上記第1実施形態で説明したホルダ20に比べ、筐体構造22に代えて筐体構造80を有する点が異なる。筐体構造22は、9つの磁気テープカートリッジ10が出し入れ可能に収容される構造であるのに対し、筐体構造80は、4つの磁気テープカートリッジが出し入れ可能に収容される構造である。なお、ホルダ76の向きは、上記第1実施形態と同様の要領でX軸、Y軸、及びZ軸によって定義されている。
【0090】
筐体構造80には、開口部81が形成されている。開口部81は、上記第1実施形態で説明した開口部23と同様の要領で筐体構造80に形成される。ホルダ76は、4つの磁気テープカートリッジ10を、開口部81を介して出し入れ可能に保持する。ホルダ76によって保持される磁気テープカートリッジ10の向きは、ホルダ20によって保持される磁気テープカートリッジ10の向きと同じである。
【0091】
ホルダ76は、4つの格納部84を有する。格納部84の構成は、上記第1実施形態で説明した格納部24の構成と同じである。4つの格納部84は、ホルダ76内が一方向(
図12に示す例では、Z方向)に沿って複数に仕切られることで形成される。
図12に示す例では、直方体形状のホルダ76が長手方向(すなわち、Z方向)に沿って4段に仕切られることにより、4つの格納部84が形成されている。
【0092】
本第2実施形態では、カートリッジセット82が用いられる。カートリッジセット82は、本開示の技術に係る「一個体」の一例である。カートリッジセット82は、ホルダ80と、ホルダ80が保持している4つの磁気テープカートリッジ10とで形成されている。すなわち、カートリッジセット82は、ホルダ80に4つの磁気テープカートリッジ10が格納されることによって形成された一個体である。ホルダ80には、上記第1実施形態で説明したホルダ20と同様の要領で、4つの磁気テープカートリッジ10が格納される。カートリッジセット82は、上記第1実施形態で説明したカートリッジセット62と同様の要領で、磁気テープライブラリ26に装填されて用いられる。
【0093】
ホルダ80は、突片86を有する。突片86は、ホルダ80の外側に突出した平板状の片である。
図12に示す例において、突片86は、筐体構造80の右側壁80Aからホルダ80の右方向(すなわち、+Y方向の側)に突出している。なお、ここでは、突片86の一例として、平板状の片を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、突片86は、屈曲した片であってもよいし、湾曲した片であってもよい。
【0094】
カートリッジセット82の全体は、被覆材88によって覆われている。被覆材88は、上記第1実施形態で説明した被覆材61と同様の材料で構成されている。カートリッジセット82の全体は、被覆材88から突片86が突き出ない圧力で被覆材88によって覆われている。また、被覆材88は、袋状に形成されており、カートリッジセット82の全体を内包している。
【0095】
一例として
図13に示すように、複数のカートリッジセット82は個別に被覆材88で覆われた状態で段ボール90によって梱包される。
【0096】
図13には、梱包体200の構成の一例が示されている。梱包体200は、複数のカートリッジセット82及び段ボール90を備えている。梱包体200は、本開示の技術に係る「梱包体」の一例である。
【0097】
段ボール90は、段ボール箱66、第1段ボール板68、第2段ボール板70、及び仕切り構造92を備えている。
【0098】
仕切り構造92は、複数の第1仕切り部材92A及び複数の第2仕切り部材92Bを有する。第1仕切り部材92A及び第2仕切り部材92Bは、長板状に形成されている。第1仕切り部材92Aは、幅広の面92A1を有し、第2仕切り部材92Bは、幅広の面92B1を有する。
【0099】
第1仕切り部材92Aの個数は、段ボール箱66に収容される全てのカートリッジセット82のうちの段ボール箱本体66Aの短手方向(
図13に示す例では、Z方向)に沿って並べて収容されるカートリッジセット82の個数+1である。
図13に示す例において、第1仕切り部材92Aの個数は4個である。
【0100】
第1仕切り部材92Aには、複数のスリット92A2が形成されている。スリット92A2は、鉛直方向下側(
図13に示す例では、-Y方向の側)に開口されている。複数のスリット92A2は、第1仕切り部材92Aの長手方向(
図13に示す例では、X方向)に沿って等間隔で形成されている。スリット92A2の個数は、段ボール箱66に収容される全てのカートリッジセット82のうちの段ボール箱本体66Aの長手方向(
図13に示す例では、X方向)に沿って並べて収容されるカートリッジセット82の個数+1である。
図13に示す例では、第1仕切り部材92Aの長手方向に沿って5個のスリット92A2が等間隔に形成されている。
【0101】
第2仕切り部材92Bの個数は、段ボール箱66に収容される全てのカートリッジセット82のうちの段ボール箱本体66Aの長手方向に沿って並べて収容されるカートリッジセット82の個数+1である。
図13に示す例において、第2仕切り部材92Aの個数は5個である。
【0102】
第2仕切り部材92Bには、複数のスリット92B2が形成されている。スリット92B2は、鉛直方向上側(
図13に示す例では、+Y方向の側)に開口されている。複数のスリット92B2は、第2仕切り部材92Bの長手方向(
図13に示す例では、Z方向)に沿って等間隔で形成されている。スリット92B2の個数は、段ボール箱66に収容される全てのカートリッジセット82のうちの段ボール箱本体66Aの短手方向(
図13に示す例では、Z方向)に沿って並べて収容されるカートリッジセット82の個数+1である。
図13に示す例では、第2仕切り部材92Bの長手方向に沿って4個のスリット92B2が等間隔に形成されている。
【0103】
複数の第1仕切り部材92Aは、
図8に示すZ方向で互いの面92A1が重なり合う向きに配置されており、複数の第2仕切り部材92Bは、
図8に示すX方向で面92B1と面72B1とが重なり合う向きに配置されている。この状態で、各スリット92A2が対応する位置関係にあるスリット92B2に挿入されることによって複数の第1仕切り部材92Aに対して複数の第2仕切り部材92Bが嵌合される。すなわち、上記第1実施形態で説明した第1仕切り部材72A及び第2仕切り部材72Bに対して複数の第3仕切り部材72Cが嵌合されるのと同じ要領で、複数の第1仕切り部材92Aに対して複数の第2仕切り部材92Bが嵌合され、これにより、複数の第1仕切り部材92A及び複数の第2仕切り部材92Bによって仕切り構造92が形成される。
【0104】
このように形成された仕切り構造92では、第1方向(
図13に示す例では、Z方向)に沿って並べられた複数の第1仕切り部材92Aのうちの一端に位置する第1仕切り部材92Aの各スリット92A2から、複数の第1仕切り部材92Aに対して嵌合された複数の第2仕切り部材92Bの長手方向(
図13に示す例では、Z方向)の一端部が張り出している。また、第1方向に沿って並べられた複数の第1仕切り部材92Aのうちの他端に位置する第1仕切り部材92Aの各スリット92A2からは、複数の第1仕切り部材92Aに対して嵌合された複数の第2仕切り部材92Bの長手方向の他端部が張り出している。また、第2方向(
図13に示す例では、X方向)に沿って並べられた複数の第2仕切り部材92Bのうちの一端に位置する第2仕切り部材92Bの各スリット92B2からは、複数の第2仕切り部材92Bに対して嵌合された複数の第1仕切り部材92Aの長手方向(
図13に示す例では、X方向)の一端部が張り出している。また、第2方向に沿って並べられた複数の第2仕切り部材92Bのうちの他端に位置する第2仕切り部材92Bの各スリット92B2からは、複数の第2仕切り部材92Bに対して嵌合された複数の第1仕切り部材92Aの長手方向の他端部が張り出している。仕切り構造92において、このように張り出した部分については、以下、「第2張出部分」と称する。
【0105】
仕切り構造92は、各第1仕切り部材92Aの面92A1を長さ面66A1に対して平行にした状態で、かつ、各第2仕切り部材92Bの面92B1を幅面66A2に対して平行にした状態で、第2張出部分を段ボール箱本体66Aの内面に接触させながら段ボール箱本体66Aに圧入される。段ボール箱本体66Aに圧入された仕切り構造92の第2張出部分は、段ボール箱本体66Aの側方からの衝撃を吸収する緩衝材として機能する。
【0106】
このように、仕切り構造92が段ボール箱本体66Aに圧入されると、段ボール箱本体66A内において、複数の第1仕切り部材92Aは、互いの面92A1が平行な状態で配置される。また、段ボール箱本体66A内において、複数の第2仕切り部材92Bは、互いの面92B1が平行な状態で、かつ、各面92B1が複数の面92A1と交差した状態(ここでは、一例として垂直な状態)で配置される。この結果、仕切り構造92によって複数の収容領域94が形成される。複数の収容領域94は、仕切り構造92によって格子状に区切られている。本第2実施形態において、収容領域94の個数は、12個(=3×4)である。但し、これは、あくまでも一例に過ぎず、N及びMを2以上の自然数とした場合、収容領域94の個数は、N×Mの個数であればよい。
【0107】
複数の収容領域94の各々は、仕切り構造92によって区切られた領域(例えば、直方体状の空間)である。複数の収容領域94には、複数のカートリッジセット82(すなわち、複数の磁気テープカートリッジ10を各々保持した状態の複数のホルダ76)が出し入れ可能に収容される。仕切り構造92は、本開示の技術に係る「仕切り構造」の一例であり、複数の収容領域94は、本開示の技術に係る「複数の収容領域」の一例である。
【0108】
収容領域94には、被覆材88で覆われた状態のカートリッジセット82が、ホルダ76の左側(すなわち、-Y方向の側)を段ボール箱本体66A内の第1段ボール板68に向けた状態で収容される。換言すると、複数の磁気テープカートリッジ10が格納されたホルダ76は、磁気テープカートリッジ10を縦向きにする姿勢で収容領域94に収容される。ここで、縦向きとは、ホルダ76を収容領域94に出し入れする方向に対して交差する方向(ここでは、一例として、垂直な方向)に沿って磁気テープMTの幅方向(すなわち、Z方向)の両端を位置させる向きを指す。
【0109】
図14には、上記第1実施形態と同様の要領で段ボール箱66に複数のカートリッジセット82が収容された断面視の態様の一例が示されている。なお、
図14に示す例では、本開示の技術の理解を容易にするために、第2段ボール板70の図示が省略されている。
【0110】
一例として
図14に示すように、段ボール箱66内において、上述した要領でカートリッジセット82が収容領域94に収容された状態で、仕切り構造92の高さ(すなわち、仕切り構造92の鉛直方向の長さ)は、ホルダ76の高さ(すなわち、ホルダ76のY方向の長さ)よりも高い。具体的には、例えば、上述した要領でカートリッジセット82が収容領域94に収容された状態で、全ての第1仕切り部材92Aの高さ及び全ての第2仕切り部材92Bの高さが、ホルダ76の高さよりも高い。これにより、上述した要領でカートリッジセット82が収容領域94に収容された状態で、ホルダ76の突片86の先端面86Aと仕切り構造92の鉛直方向上側(
図14に示す例では、+Y方向の側)の端面96との間に長さβ(>0)の間隔が生じる。
【0111】
仕切り構造92は、上記第1実施形態で説明した仕切り構造72と同程度の強度、又は、仕切り構造72よりも高い強度を有する。つまり、上記第1実施形態で説明した仕切り構造72が差αを維持可能な一定レベルの耐荷重性を有するのと同様に、仕切り構造92も、長さβを維持可能な一定レベルの耐荷重性を有する。
【0112】
以上説明したように、梱包体200では、段ボール箱66内において、仕切り構造92によって区切られた各収容領域94に、被覆材88で覆われたカートリッジセット82が収容される。そして、仕切り構造92の高さが、ホルダ76の高さよりも高い。つまり、仕切り構造92は、梱包体200内で上記第1実施形態と同様に作用する。従って、梱包体200でも、上記第1実施形態で説明した梱包体100と同様の効果が得られる。
【0113】
また、梱包体200では、仕切り構造92によって格子状に区切られた各収容領域94にカートリッジセット82が収容されるので、梱包体200が複数段にわたって積み重ねられたとしても、下段に位置する梱包体200内の仕切り構造92は、鉛直方向上側(
図13及び
図14に示す、+Y方向の側)からの荷重を受け止める。そのため、下段に位置する梱包体200内の各収容領域94に収容されているカートリッジセット82に対しては鉛直方向上側からの荷重が伝わらない。よって、格子状に区切られている複数の収容領域94に収容されている複数のカートリッジセット82内の複数の磁気テープカートリッジ10が、鉛直方向上側からの荷重が原因で損傷することを抑制することができる。また、複数のカートリッジセット82内の各ホルダ76に形成されている突片86についても、鉛直方向上側からの荷重が原因で損傷することを抑制することができる。
【0114】
更に、梱包体200では、カートリッジセット82の全体が、被覆材88から突片86が突き出ない圧力で被覆材88によって覆われている。よって、突片86によって被覆材88が裂かれて被覆材88から突片86が突き出てしまうことを抑制することができる。
【0115】
[その他の変形例]
上記各実施形態では、識別子19としてバーコード19Aが表示される態様を例挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、識別子19として、バーコード19Aに代えて、2次元マトリクス画像が表示されるようにしてもよい。
【0116】
上記各実施形態では、ホルダ20及び76がカートリッジマガジンである形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、ホルダ20及び/又は76は、複数の磁気テープカートリッジ10を搬送するための専用筐体であってもよい。
【0117】
上記第1実施形態では、収容領域74にカートリッジセット62が収容された場合の仕切り構造72の全体の高さがホルダ20の高さよりも高い場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、仕切り構造72の一部の高さがホルダ20の高さよりも高くてもよい。仕切り構造72の一部の高さをホルダ20の高さよりも高くする場合、例えば、第1仕切り部材72Aの高さ及び第2仕切り部材72Bの高さをホルダ20の高さよりも高くしたり、複数の第3仕切り部材72Cの高さをホルダ20の高さよりも高くしたりすればよい。なお、この場合も、上記第1実施形態と同様に、仕切り構造72は、差α(
図9参照)を維持可能な耐荷重性を有する。
【0118】
上記第2実施形態では、収容領域94にカートリッジセット82が収容された場合の仕切り構造92の全体の高さがホルダ76の高さよりも高い場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、仕切り構造92の一部の高さがホルダ76の高さよりも高くてもよい。仕切り構造92の一部の高さをホルダ76の高さよりも高くする場合、例えば、複数の第1仕切り部材92A(例えば、全ての第1仕切り部材92A)の高さをホルダ76の高さよりも高くしたり、複数の第2仕切り部材92B(例えば、全ての第2仕切り部材92B)の高さをホルダ76の高さよりも高くしたりすればよい。なお、この場合も、上記第2実施形態と同様に、仕切り構造92は、長さβ(
図14参照)を維持可能な耐荷重性を有する。
【0119】
上記第1実施形態では、ホルダ20に9個の磁気テープカートリッジ10が格納されている形態例を挙げ、上記第2実施形態では、ホルダ76に4個の磁気テープカートリッジ10が格納されている形態例を挙げたが、これはあくまでも一例に過ぎず、ホルダ20及び76に格納される磁気テープカートリッジ10の個数は幾つであってもよい。
【0120】
上記各実施形態では、段ボール箱66として、0201形の段ボール箱を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。段ボール箱66は、0201形以外の段ボール箱であってもよい。0201形以外の段ボール箱としては、0203形又は0210形等の段ボール箱(すなわち、02形の段ボール箱)、03形の段ボール箱、04形の段ボール箱、05形の段ボール箱、06形の段ボール箱、又は07形の段ボール箱等が挙げられる。
【0121】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0122】
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0123】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0124】
10 磁気テープカートリッジ
12 ケース
12A 右壁
12B 開口
12C 前壁
14 上ケース
16 下ケース
18 カートリッジリール
18A リールハブ
18B1 上フランジ
18B2 下フランジ
19 識別子
19A バーコード
19B 文字列
20,76 ホルダ
22,80 筐体構造
22A 前面
23,81 開口部
24,84 格納部
26 磁気テープライブラリ
28 スロット
30 磁気テープドライブ
61,88 被覆材
62,82 カートリッジセット
64,90 段ボール
66 段ボール箱
66A 段ボール箱本体
66A1 長さ面
66A2 幅面
66A3 底
66B,66C 内フラップ
66D,66E 外フラップ
68 第1段ボール板
70 第2段ボール板
72,92 仕切り構造
72A,92A 第1仕切り部材
72A1,72B1,72C1,92A1,92B1 面
72A2,72B2,72C2,92A2,92B2 スリット
72B,92B 第2仕切り部材
72C 第3仕切り部材
74,94 収容領域
80A 右側壁
86 突片
86A 先端面
96 端面
100,200 梱包体
A,B,C 矢印
MT 磁気テープ
α 差
β 長さ