(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026325
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】亀裂検出装置及び亀裂検出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20240220BHJP
G01B 11/30 20060101ALI20240220BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H01L21/78 B
H01L21/78 C
G01B11/30 A
G01N21/956 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023207686
(22)【出願日】2023-12-08
(62)【分割の表示】P 2019225769の分割
【原出願日】2019-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(72)【発明者】
【氏名】一廼穂 直聡
(57)【要約】
【課題】亀裂位置を精度よく検出可能な検出位置を自動で決定することができる亀裂検出装置及び亀裂検出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】ウェーハ(W)に検出光(L1)を照射し且つウェーハにて反射された検出光の反射光(L2)を検出した検出信号(sg1、sg2)に基づきウェーハのストリートに沿ってウェーハの内部に形成された亀裂を検出する亀裂検出装置(20)において、1又は複数のパターンが形成されたストリートを撮影する撮影部(46)と、撮影部により撮影された撮影画像(47)に基づき、反射光の反射率から亀裂の検出を行う検出位置を決定する検出位置決定部(56)と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハに検出光を照射し且つ前記ウェーハにて反射された前記検出光の反射光を検出した検出信号に基づき前記ウェーハのストリートに沿って前記ウェーハの内部に形成された亀裂を検出する亀裂検出装置において、
1又は複数のパターンが形成された前記ストリートを撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された撮影画像に基づき、前記反射光の反射率から前記亀裂の検出を行う検出位置を決定する検出位置決定部と、
を備える亀裂検出装置。
【請求項2】
前記ウェーハに対し前記撮影部を前記ストリートに沿って相対移動させながら、前記撮影部により前記ストリートに沿った複数の撮影エリアを個別に撮影させる撮影制御部を備え、
前記検出位置決定部が、前記撮影部により前記撮影エリアごとに撮影された撮影画像に基づき、前記検出位置を決定する請求項1に記載の亀裂検出装置。
【請求項3】
前記ウェーハに前記検出光を照射するレンズと、
前記反射光を検出して検出信号を出力する検出光学系と、
前記ウェーハに対し前記レンズを前記ストリートに沿って相対移動させながら、前記レンズから前記ストリートに対する前記検出光の照射と、前記検出光学系による前記反射光の検出と、を連続して行う走査制御部と、
前記レンズの相対移動の間に前記検出光学系から出力される前記検出信号に基づき、前記撮影エリアを決定する撮影エリア決定部と、
を備え、
前記撮影制御部が、前記撮影エリア決定部により決定された前記撮影エリアの撮影を前記撮影部に実行させる請求項2に記載の亀裂検出装置。
【請求項4】
前記ウェーハに前記検出光を照射するレンズと、
前記検出位置決定部が前記検出位置を決定した場合に、前記ウェーハに対して前記レンズを相対移動させて、前記レンズと前記検出位置との位置合わせを行う位置合わせ制御部と、
を備え、
前記レンズが前記検出位置に位置合わせされた場合に、前記亀裂の検出を行う請求項1から3のいずれか1項に記載の亀裂検出装置。
【請求項5】
前記検出位置決定部が前記検出位置を決定した場合に、前記ストリートに繰り返し形成されている特定パターンに対する前記検出位置の相対位置を示す検出位置情報を記憶する位置情報記憶部を備え、
前記位置合わせ制御部が、既知の前記特定パターンの位置と、前記位置情報記憶部に記憶されている前記検出位置情報と、に基づき、前記レンズと前記検出位置との位置合わせを行う請求項4に記載の亀裂検出装置。
【請求項6】
前記ウェーハに前記検出光を照射するレンズを備え、
前記撮影部が、前記レンズを通して前記ストリートを撮影する請求項1から5のいずれか1項に記載の亀裂検出装置。
【請求項7】
前記検出光と同一の波長域の照明光を用いて前記ストリートの照明を行う照明光源を備え、
前記撮影部が、前記照明光により照明されている前記ストリートの撮影を行う請求項1から6のいずれか1項に記載の亀裂検出装置。
【請求項8】
ウェーハに検出光を照射し且つ前記ウェーハにて反射された前記検出光の反射光を検出した検出信号に基づき前記ウェーハのストリートに沿って前記ウェーハの内部に形成された亀裂を検出する亀裂検出装置の制御方法において、
1又は複数のパターンが形成された前記ストリートを撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップで撮影された撮影画像に基づき、前記反射光の反射率から前記亀裂の検出を行う検出位置を決定する検出位置決定ステップと、
を有する亀裂検出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの内部に形成された亀裂を検出する亀裂検出装置及び亀裂検出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコン等のウェーハの内部に集光点を合わせてレーザ光をストリート(切断予定ライン、分割予定ラインともいう)に沿って照射し、ストリートに沿ってウェーハの内部に切断の起点となるレーザ加工領域を形成するレーザ加工装置が知られている。レーザ加工領域が形成されたウェーハは、その後、エキスパンド又はブレーキングといった割断プロセスによってストリートで割断されて個々のチップに分断される。
【0003】
ところで、レーザ加工装置によりウェーハにレーザ加工領域を形成すると、そのレーザ加工領域からウェーハの厚さ方向に亀裂(クラック)が伸展する。そして、ウェーハの内部に形成された亀裂の亀裂位置(亀裂深さ)を検出することで、ウェーハを分断する際の起点となるレーザ加工領域が適正に形成されたか否か、すなわち、チップへの分断の良否を正確に予測することができる(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、集光レンズとウェーハのストリートとを位置合わせした状態で、この集光レンズを通してウェーハの内部に検出光を集光し且つウェーハにて反射された検出光の反射光を検出し、この反射光の検出結果に基づきウェーハの内部に形成された亀裂の亀裂位置を検出する亀裂検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ウェーハのストリート上には様々なパターンが形成されている。このため、特許文献1に記載の亀裂検出装置を用いてストリートからウェーハの内部に検出光を集光させた場合に、ストリート上でパターンが形成されている領域とパターンが形成されていない領域では反射光の反射率が異なる。また、パターンの種類によっても反射光の反射率が異なる。このため、反射光の反射率が異なる複数の領域に跨ってウェーハの内部に検出光を集光させると、反射光の検出結果に反射率の差が重畳されてしまうので、亀裂位置の検出精度が低下してしまう。このため、従来では、オペレータが目視で亀裂位置の検出を行う検出位置を決定したり、あるいは複数個所での亀裂位置の検出結果を比較することでその検出結果から反射率の差の影響を間引いたりしていた。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、亀裂位置を精度よく検出可能な検出位置を自動で決定することができる亀裂検出装置及び亀裂検出装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するための亀裂検出装置は、集光レンズを通してウェーハの内部に検出光を集光し且つウェーハにて反射された検出光の反射光を検出した検出信号に基づきウェーハのストリートに沿ってウェーハの内部に形成された亀裂を検出する亀裂検出装置において、1又は複数のパターンが形成されたストリートを撮影する撮影部と、撮影部により撮影された撮影画像に基づき、反射光の反射率から亀裂の検出を行う検出位置を決定する検出位置決定部と、を備える。
【0009】
この亀裂検出装置によれば、亀裂の検出に適した検出位置を自動で決定することができる。
【0010】
本発明の他の態様に係る亀裂検出装置において、ウェーハに対し撮影部をストリートに沿って相対移動させながら、撮影部によりストリートに沿った複数の撮影エリアを個別に撮影させる撮影制御部を備え、検出位置決定部が、撮影部により撮影エリアごとに撮影された撮影画像に基づき、検出位置を決定する。これにより、ストリートを分割撮影して得られた撮影画像に基づき、亀裂の検出に適した検出位置を自動で決定することができる。
【0011】
本発明の他の態様に係る亀裂検出装置において、集光レンズを通して反射光を検出して検出信号を出力する検出光学系と、ウェーハに対し集光レンズをストリートに沿って相対移動させながら、集光レンズからストリートに対する検出光の照射と、検出光学系による反射光の検出と、を連続して行う走査制御部と、集光レンズの相対移動の間に検出光学系から出力される検出信号に基づき、撮影エリアを決定する撮影エリア決定部と、を備え、撮影制御部が、撮影エリア決定部により決定された撮影エリアの撮影を撮影部に実行させる。これにより、検出位置が含まれる可能性が高い撮影エリアを撮影した撮影画像のみに基づき検出位置を決定するので、短時間で且つ効率的に検出位置の決定を行うことができる。
【0012】
本発明の他の態様に係る亀裂検出装置において、検出位置決定部が検出位置を決定した場合に、ウェーハに対して集光レンズを相対移動させて、集光レンズと検出位置との位置合わせを行う位置合わせ制御部を備え、集光レンズが検出位置に位置合わせされた場合に、亀裂の検出を行う。これにより、亀裂位置を精度よく検出することができる。
【0013】
本発明の他の態様に係る亀裂検出装置において、検出位置決定部が検出位置を決定した場合に、ストリートに繰り返し形成されている特定パターンに対する検出位置の相対位置を示す検出位置情報を記憶する位置情報記憶部を備え、位置合わせ制御部が、既知の特定パターンの位置と、位置情報記憶部に記憶されている検出位置情報と、に基づき、集光レンズと検出位置との位置合わせを行う。これにより、既知の特定パターンの位置に基づき検出位置を判別することができるので、検出位置が複数ある場合でも検出位置の決定は1回で済ませることができる。
【0014】
本発明の他の態様に係る亀裂検出装置において、撮影部が、集光レンズを通してストリートを撮影する。これにより、検出光を出射する集光レンズを通して撮影画像を取得することができるので、亀裂の検出に適した検出位置を決定することができる。
【0015】
本発明の他の態様に係る亀裂検出装置において、検出光と同一の波長域の照明光を用いてストリートの照明を行う照明光源を備え、撮影部が、照明光により照明されているストリートの撮影を行う。これにより、撮影エリアでの照明光の反射と検出光の反射とに相関を持たせることができるので、亀裂の検出に適した検出位置を決定することができる。
【0016】
本発明の目的を達成するための亀裂検出装置の制御方法は、集光レンズを通してウェーハの内部に検出光を集光し且つウェーハにて反射された検出光の反射光を検出した検出信号に基づきウェーハのストリートに沿ってウェーハの内部に形成された亀裂を検出する亀裂検出装置の制御方法において、1又は複数のパターンが形成されたストリートを撮影する撮影ステップと、撮影ステップで撮影された撮影画像に基づき、反射光の反射率から亀裂の検出を行う検出位置を決定する検出位置決定ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、亀裂位置を精度よく検出可能な検出位置を自動で決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態の亀裂検出装置の概略を示した構成図である。
【
図2】亀裂検出装置による亀裂の亀裂位置の検出対象となるウェーハのストリートの拡大図である。
【
図3】亀裂検出光学系の各部の動作を説明するための説明図である。
【
図4】亀裂検出光学系の各部の動作を説明するための説明図である。
【
図5】ウェーハ観察光学系の各部の動作を説明するための説明図である。
【
図6】撮影画像取得処理のフローを説明するための説明図である。
【
図7】検出位置決定処理のフローを説明するための説明図である。
【
図8】検出位置決定部による検出位置の決定を説明するための説明図である。
【
図9】検出位置ごとの亀裂検出処理のフローを説明するための説明図である。
【
図10】第1実施形態の亀裂検出装置による撮影画像取得処理及び検出位置決定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】第1実施形態の亀裂検出装置による亀裂検出処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態の亀裂検出装置による撮影エリア検出処理を説明するための説明図である。
【
図13】撮影エリア決定処理のフローを説明するための説明図である。
【
図14】第2実施形態の亀裂検出装置による撮影エリア決定処理及び撮影画像取得処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態の亀裂検出装置の全体構成]
図1は、第1実施形態の亀裂検出装置10の概略を示した構成図である。
図2は、亀裂検出装置10による亀裂の亀裂位置の検出対象となるウェーハWのストリートCの拡大図である。なお、図中のXYZ方向は互いに直交し、このうちX方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は上下方向である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、亀裂検出装置10は、ストリートCに沿って公知のレーザ加工領域及び亀裂が内部に形成されているウェーハWに対して検出光L1を照射し、且つウェーハWからの反射光L2を検出することで、ウェーハWの内部に形成された亀裂の亀裂位置(亀裂深さ)の検出を行う。
【0021】
なお、亀裂検出装置10は、ウェーハWの内部にレーザ加工領域を形成するレーザ加工装置(不図示)と組み合わされたものであるが、ここでは図面の複雑化を避けるため亀裂検出装置10のみを図示している。また、本実施形態における亀裂の亀裂位置(亀裂深さ)とは、ウェーハWの裏面から亀裂の下端位置もしくは上端位置までの距離を示すものとして説明するが、ウェーハWのおもて面(検出光照射面)からの距離としてもよい。
【0022】
亀裂検出装置10による亀裂位置の検出は、ウェーハWの予め定められた複数の検出エリアARごとに実行される。各検出エリアARは、ストリートC上に設定されている。
【0023】
ストリートC上には、公知の各種形状のパターン群が形成されている(
図2参照)。亀裂検出装置10は、各検出エリアARでの亀裂位置の検出を行う前に、任意の検出エリアAR内のストリートCに沿った複数の撮影エリアBRを個別(順番)に撮影して、この検出エリアAR内において亀裂位置の検出に適した検出位置Q、すなわち亀裂位置を精度よく検出可能な検出位置Qを1又は複数決定する(
図2参照)。
【0024】
本実施形態の検出エリアARは、例えば、ストリートC上で同一形状のパターン群が繰り返し形成されている領域であって且つ特徴的な特定パターンPからその次の特定パターンPまでの間の領域である。なお、本実施形態では特定パターンPとして十字パターンを例に挙げて説明しているが、特定パターンPの形状は特に限定はされない。また、本実施形態では検出エリアAR内のストリートCがX方向に平行であるが、Y方向に平行であってもよい。
【0025】
亀裂検出装置10は、ウェーハWを保持する可動ステージ12と、装置本体14(測定ヘッドともいう)と、制御装置16と、を備える。
【0026】
可動ステージ12は、ウェーハWに対して装置本体14(集光レンズ24及びカメラ46等)を相対移動させる相対移動機構を構成するものであり、ウェーハWをその裏面側から吸着保持する。この可動ステージ12は、後述の制御装置16(ステージ制御部50)の制御の下、可動ステージ12をXY方向(本発明の垂直方向に相当)に移動させる。これにより、ウェーハWに対して装置本体14の各部(集光レンズ24及びカメラ46等)をXY方向にそれぞれ相対移動させることができる。
【0027】
[装置本体]
装置本体14は、亀裂の亀裂位置の検出に用いられる亀裂検出光学系20と、亀裂位置の検出を行う検出位置Qの決定に用いられるウェーハ観察光学系40と、を備える。
【0028】
<亀裂検出光学系>
図3及び
図4は、亀裂検出光学系20の各部の動作を説明するための説明図である。
図3及び
図4と既述の
図1とに示すように、亀裂検出光学系20は、光源部21と第1照明光学系22とハーフミラー23と集光レンズ24とアライメント機構25と検出光学系26とを備える。
【0029】
光源部21は、光源28とレンズ29と制限部材30とを備える。光源28は、亀裂位置の検出時に作動し、亀裂位置の検出に用いられる検出光L1(
図3及び
図4参照)を出射する。レンズ29は、光源28から出射された検出光L1を、集光レンズ24のレンズ光軸OP1と同軸である主光軸OP2に平行な平行光束にする。
【0030】
制限部材30は、主光軸OP2から一方向に偏心した位置(
図3参照)と他方向に偏心した位置(
図4参照)とにそれぞれ開閉自在な開口部30a,30bを有する遮光板である。この制限部材30は、亀裂位置の検出時には制御装置16(装置本体制御部52)の制御の下で開口部30a,30bを選択的に開放(閉塞)する。これにより、主光軸OP2から偏心した2つの開口部30a,30bから選択的に主光軸OP2に沿って検出光L1が出射される(
図3及び
図4参照)。すなわち、主光軸OP2に対して一方向に偏心した位置(
図3参照)からの主光軸OP2に沿った検出光L1の出射と、主光軸OP2に対して他方向に偏心した位置(
図4参照)からの主光軸OP2に沿った検出光L1の出射と、が選択的に実行される。
【0031】
第1照明光学系22は、リレーレンズ32とハーフミラー33,34とリレーレンズ35とを備える。
【0032】
ハーフミラー33は、主光軸OP2と後述の第2照明光学系41の照明軸OP4との交点に配置されている。このハーフミラー33は、亀裂位置の検出時にはリレーレンズ32から入射した検出光L1の一部を透過してハーフミラー34に向けて出射し、検出位置Qの決定時には第2照明光学系41から入射した照明光L3(
図5参照)の一部をハーフミラー34に向けて反射する。
【0033】
ハーフミラー34は、レンズ光軸OP1と主光軸OP2との交点に配置されている。ハーフミラー34は、亀裂位置の検出時にはハーフミラー33から入射した検出光L1の一部をリレーレンズ35へ反射し、検出位置Qの決定時にはハーフミラー33から入射した照明光L3の一部をリレーレンズ35へ反射する。また、ハーフミラー34は、後述のハーフミラー23から入射した照明光L3の反射光L4(
図5参照)の一部を透過して撮影光学系42に向けて出射する。
【0034】
ハーフミラー23は、リレーレンズ35と集光レンズ24との間であって且つレンズ光軸OP1と検出光学系26の主光軸OP3との交点に配置されている。このハーフミラー23は、リレーレンズ35から入射した検出光L1の一部を透過して集光レンズ24に向けて出射し、且つ集光レンズ24から入射した検出光L1の反射光L2の一部を検出光学系26に向けて反射する。また、ハーフミラー23は、後述の
図5に示すように、リレーレンズ35から入射した照明光L3の一部を透過して集光レンズ24に向けて出射し、且つ集光レンズ24から入射した反射光L4の一部を透過して撮影光学系42に向けて出射する。
【0035】
集光レンズ24は、ウェーハWに対向する位置に設けられている。集光レンズ24は、亀裂位置の検出時にはハーフミラー23から入射した検出光L1をウェーハWの内部に集光すると共にウェーハWからの検出光L1の反射光L2をハーフミラー23に向けて出射する。また、集光レンズ24は、検出位置Qの決定時にはハーフミラー23から入射した照明光L3をウェーハWのストリートC上に集光すると共にウェーハWからの照明光L3の反射光L4をハーフミラー23に向けて出射する。
【0036】
アライメント機構25は、集光レンズ24のZ方向の位置(高さ位置)を調整する公知のアクチュエータである。アライメント機構25は、亀裂位置の検出時には集光レンズ24をZ方向に走査することでウェーハWの内部に集光する検出光L1の集光点をZ方向に走査する。また、アライメント機構25は、検出位置Qの決定時には照明光L3がストリートC上に集光(結像)するように集光レンズ24のZ方向の位置を調整する。
【0037】
検出光学系26は、ハーフミラー23によりレンズ光軸OP1から分岐された主光軸OP3上に配置されており、一対のリレーレンズ37A,37Bとハーフミラー38と一対の光検出器39A,39BとピンホールHA,HBとを備える。
【0038】
ハーフミラー38は、リレーレンズ37A,37Bから入射した反射光L2の一部を透過し且つ反射光L2の残りを反射する。具体的にはハーフミラー38は、主光軸OP3に対して一方向側(図中の下方側)に偏心した経路を辿って入射した反射光L2の一部を透過して光検出器39Aに向けて出射する(
図3参照)。また、ハーフミラー38は、主光軸OP3に対して他方向側(図中の上方側)に偏心した経路を辿って入射した反射光L2の一部を光検出器39Bに向けて反射する(
図4参照)。
【0039】
光検出器39A,39B(フォトディテクタ)は、ハーフミラー38から入射した反射光L2を、主光軸OP2からずれた位置に配置されたピンホールHA,HBを通して受光する。具体的には光検出器39A,39Bは、ピンホールHA,HBを通して集光レンズ24のレンズ瞳領域内の互いに異なる領域(特許文献1参照)を通過した反射光L2を受光する。そして、光検出器39A,39Bは、受光した反射光L2の光量に応じた検出信号sg1,sg2を制御装置16へ出力する。光検出器39A,39Bの各々から出力される検出信号sg1,sg2の大きさ(各々に入射する反射光L2の光量)は、既述の特許文献1に記載されているように、検出光L1の主光軸OP2からの偏心方向及び集光レンズ24により集光された検出光L1の集光点における亀裂の有無に応じて変化する。
【0040】
なお、亀裂検出光学系20の各部の構成については
図1に示したものに特に限定はされず、例えば特許文献1に開示されている各構成を適宜用いてもよい。
【0041】
<ウェーハ観察光学系>
図5は、ウェーハ観察光学系40の各部の動作を説明するための説明図である。
図5及び既述の
図1に示すように、ウェーハ観察光学系40は、第2照明光学系41と撮影光学系42とを備える。
【0042】
第2照明光学系41は、主光軸OP2に対して垂直で且つハーフミラー33により主光軸OP2と合成される照明軸OP4を有している。この第2照明光学系41は、ハーフミラー33を第1照明光学系22と共用すると共に、照明光源44とレンズ45とを備える。
【0043】
照明光源44は、レンズ45を通してハーフミラー33に向けて照明光L3を出射する。この照明光L3は、亀裂位置の検出時における検出光L1(反射光L2)の反射率を評価するために、検出光L1と同一(略同一を含む)の波長域の光が選択されている。
【0044】
撮影光学系42は、リレーレンズ35及びハーフミラー34を第1照明光学系22と共用すると共に、カメラ46を備える。
【0045】
リレーレンズ35は、ハーフミラー23から入射した反射光L4をハーフミラー34に向けて出射する。ハーフミラー34は、リレーレンズ35から入射した反射光L4の一部を透過してカメラ46に向けて出射する。カメラ46は、本発明の撮影部に相当する公知の電子カメラであり、検出位置Qの決定時に反射光L4の撮像、すなわち各撮影エリアBRの撮影を行い、撮影エリアBRごとの撮影画像47(画像データ)を制御装置16の画像記憶部54へ出力する。
【0046】
[制御装置]
図1と
図3から
図5とに示すように、制御装置16は、例えばパーソナルコンピュータのような演算装置により構成され、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置16の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0047】
制御装置16は、不図示の制御プログラムを実行することで、ステージ制御部50、装置本体制御部52、画像記憶部54、検出位置決定部56、位置情報記憶部58、及びメイン制御部60として機能する。なお、制御装置16の「~部」として説明するものは「~回路」、「~装置」、又は「~機器」であってもよい。すなわち、「~部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、及びハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで構成されていてもよい。
【0048】
ステージ制御部50は、メイン制御部60の制御の下、可動ステージ12のXY方向(レンズ光軸OP1に対して垂直方向)の移動を制御する。これにより、ウェーハWに対して装置本体14(集光レンズ24及びカメラ46等)をXY方向に相対移動させることができる。
【0049】
装置本体制御部52は、メイン制御部60の制御の下、装置本体14の各部の動作を制御する。例えば装置本体制御部52は、検出位置Qの決定時には、アライメント機構25、照明光源44、及びカメラ46の動作を制御する。また、装置本体制御部52は、亀裂位置の検出時には、アライメント機構25、光源28、レンズ29、制限部材30、及び光検出器39A,39Bの動作を制御する。
【0050】
画像記憶部54は、メイン制御部60の制御の下、検出位置Qの決定時においてカメラ46から出力された撮影画像47を記憶する。検出位置決定部56は、メイン制御部60の制御の下、詳しくは後述するが検出位置Qの決定を行い、その検出位置Qを示す検出位置情報62を位置情報記憶部58へ出力する。位置情報記憶部58は、検出位置決定部56から入力された検出位置情報62を記憶する。
【0051】
メイン制御部60は、亀裂検出装置10の各部の動作を統括的に制御して、撮影画像取得処理、検出位置決定処理、及び亀裂検出処理を実行する。撮影画像取得処理は、カメラ46により任意の検出エリアAR内のストリートCに沿った複数の撮影エリアBRの撮影を個別に行って撮影画像47を取得する。検出位置決定処理は、各撮影エリアBRの撮影画像47に基づき各検出エリアAR内の検出位置Qを決定する。亀裂検出処理は、検出エリアARごとに、検出位置決定処理で決定された検出位置Qで亀裂位置(亀裂の下端の深さ位置等)の検出を行う。
【0052】
[撮影画像取得処理]
図6は、撮影画像取得処理のフローを説明するための説明図である。なお、撮影画像取得処理の前に公知のアライメント検出処理が実行され、カメラ46(レンズ光軸OP1)とウェーハWの各部(検出エリアAR及び特定パターンP)との位置関係は既知であるとする。また、撮影画像取得処理中は、照明光源44が常時点灯するものとする(後述の撮影画像取得指示C(4)に合わせて点灯させてもよい)。さらに、集光レンズ24の焦点位置はウェーハWのおもて面(ストリートC)上に調整されているものとする。
【0053】
図6及び既述の
図5に示すように、メイン制御部60は、ステージ制御部50に対して任意の検出エリアAR内の最初の撮影エリアBRを指示する撮影エリア指定指示C(1)をステージ制御部50へ出力する。
【0054】
ここで、ウェーハW上での各検出エリアARの位置情報、及び各検出エリアAR内の特定パターンPの位置座標等は既知である。また、個々の撮影エリアBRの大きさはカメラ46の画角によって定まるので、ウェーハW上の各検出エリアARに含まれる撮影エリアBRの数及び位置も既知である。このため、メイン制御部60は、撮影エリア指定指示C(1)として、任意の検出エリアAR内の最初の撮影エリアBRの位置情報(位置座標等)をステージ制御部50へ出力する。
【0055】
ステージ制御部50は、撮影エリア指定指示C(1)を受けると可動ステージ12に対して駆動指令C(2)を出力する。この駆動指令C(2)を受けて可動ステージ12がXY方向に移動することで、最初の撮影エリアBRとカメラ46(レンズ光軸OP1)との位置合わせが行われる。そして、ステージ制御部50は、上述の位置合わせ完了後、メイン制御部60に対して移動完了通知C(3)を出力する。
【0056】
メイン制御部60は、移動完了通知C(3)を受けるとカメラ46及び画像記憶部54に対して撮影画像取得指示C(4)を出力する。
【0057】
カメラ46は、撮影画像取得指示C(4)を受けると、集光レンズ24を通してストリートC上の最初の撮影エリアBRを撮影してその撮影画像47を出力する。また、画像記憶部54は、撮影画像取得指示C(4)を受けると、カメラ46から撮影画像47を取得する撮影画像取得動作C(5)を実行した後、取得した撮影画像47を記憶する。そして、画像記憶部54は、撮影画像47の記憶が完了すると、メイン制御部60に対して画像記憶完了通知C(6)を出力する。
【0058】
メイン制御部60は、画像記憶完了通知C(6)を受けると、検出エリアAR内の次の撮影エリアBRを指示する撮影エリア指定指示C(7)をステージ制御部50へ出力する。この次の撮影エリアBRは、直前に撮影された撮影エリアBRと隣接している(
図2参照)。なお、検出エリアAR内で互いに隣接する撮影エリアBR同士が一部重複していてもよい。
【0059】
撮影エリア指定指示C(7)の出力に応じて、既述の駆動指令C(2)の出力、移動完了通知C(3)の出力、撮影画像取得指示C(4)の出力、撮影画像取得動作C(5)、及び画像記憶完了通知C(6)の出力が実行される。これにより、次の撮影エリアBRに対するカメラ46の位置合わせ、カメラ46による次の撮影エリアBRの撮影、及び画像記憶部54への撮影画像47の記憶が繰り返し実行される。この場合、ステージ制御部50、装置本体制御部52、及びメイン制御部60は本発明の撮影制御部として機能する。
【0060】
以下、検出エリアAR内の残りの撮影エリアBRごとに、上述の一連の処理が繰り返し実行される。これにより、検出エリアAR内の各撮影エリアBRの撮影が実行、すなわち検出エリアAR内がストリートCに沿って分割撮影される。以上で撮影画像取得処理が完了する。
【0061】
[検出位置決定処理]
図7は、検出位置決定処理のフローを説明するための説明図である。
図7に示すように、メイン制御部60は、撮影画像取得処理が完了すると、画像記憶部54及び検出位置決定部56とに対して検出位置決定指示C(11)を出力する。
【0062】
画像記憶部54は、検出位置決定指示C(11)を受けると撮影エリアBRごとの撮影画像47を検出位置決定部56へ出力する画像出力処理C(12)を実行する。そして、検出位置決定部56が、検出位置決定指示C(11)を受けて、画像記憶部54から入力された各撮影画像47に基づき、検出エリアAR内の検出位置Qを1又は複数決定する。
【0063】
図8は、検出位置決定部56による検出位置Qの決定を説明するための説明図である。なお、図中の符号ΔdはストリートCの幅を示す。
【0064】
図8に示すように、検出位置決定部56は、撮影エリアBRごとの撮影画像47を画像解析する。具体的には検出位置決定部56は、撮影画像47をストリートC(X方向)に沿って複数の小領域SRに分割する処理と、小領域SRごとにストリートCの幅方向(Y方向)に沿った照明光L3(反射光L4)の反射率の分布を検出する処理と、を撮影画像47ごとに繰り返し実行する。
【0065】
照明光L3の反射率は、撮影画像47の画素値(モノクロ画像のグレースケールの画素値)に比例する。照明光L3の照射位置にパターンが存在していれば照明光L3の反射率が高くなるので画素値が高くなり、逆にパターンが存在していなければ照明光L3の反射率が低くなるので画素値が低くなる。また、既述の通り、照明光L3は検出光L1と同一の波長域の光であるため、照明光L3の反射率の分布は実質的には検出光L1の反射率の分布を示す。
【0066】
図8中の符号VIIIAに示すように、小領域SR内にパターンが形成されている領域とパターンが形成されていない領域とが混在している場合には、ストリートCの幅方向に沿った反射率の変化(凹凸)及びその勾配が大きくなる。また逆に、
図8中の符号VIIIBに示すように、小領域SRがパターンの形成されていない領域のみで構成或いは同一種類のパターンの形成領域のみで構成されている場合には、ストリートCの幅方向に沿った反射率の変化(凹凸)及びその勾配が小さくなる。既述の通り、検出光L1の反射率が異なる領域が混在している小領域SRに検出光L1を照射すると、これら複数の領域に跨ってウェーハWの内部に検出光L1を集光させることなり、亀裂位置の検出精度が低下してしまう。
【0067】
そこで、検出位置決定部56は、各撮影画像47(各撮影エリアBR)内の小領域SRごとの反射率の分布に基づき、ストリートCの幅方向に沿った反射率の変化及びその勾配が小さくなる小領域SR、すなわち反射率の分布が略フラットになる小領域SRを検出位置Qとして決定する。例えば検出位置決定部56は、各小領域SRの中でストリートCの幅方向に沿った反射率の変化(幅方向の両端部は除く)が所定の基準値(例えば10%)以下となる1又は複数の小領域SRを検出位置Qとして決定する。或いは検出位置決定部56は、各小領域SRの中でストリートCの幅方向に沿った反射率の変化が最も小さくなる小領域SRを検出位置Qとして決定する。
【0068】
図7に戻って、検出位置決定部56は、検出エリアAR内での特定パターンPの位置を示す情報として、特定パターンPに対する検出位置Qの相対位置を示す検出位置情報62を求め、この検出位置情報62を位置情報記憶部58へ出力する位置情報出力処理C(13)を実行する。これにより、位置情報記憶部58が検出位置情報62を記憶する。そして、検出位置決定部56は、メイン制御部60に対して検出位置Qの決定完了通知C(14)を出力する。
【0069】
本実施形態の各検出エリアARには、特定パターンPを含む同一形状のパターン群が形成されている。このため、各検出エリアAR内において特定パターンPと検出位置Qとの位置関係は共通であるので、検出エリアARごとの亀裂検出処理では共通の検出位置情報62を使用することができる。従って、撮影画像取得処理及び検出位置決定処理についてはそれぞれ1回行うだけよい。
【0070】
なお、検出エリアARごとに互いに異なるパターン群が形成されている場合には、検出エリアARごとに撮影画像取得処理及び検出位置決定処理を繰り返し実行して、検出エリアARごとの検出位置Qの位置(ウェーハW内での位置座標等)を示す検出位置情報62の決定及び記憶を行う。
【0071】
[亀裂検出処理]
図9は、検出位置Qごとの亀裂検出処理のフローを説明するための説明図である。
図9に示すように、メイン制御部60は、検出位置決定処理が完了すると、ステージ制御部50に対して、集光レンズ24のレンズ光軸OP1を検出エリアAR内の検出位置Qに位置合わせする位置合わせ指示C(21)を出力する。なお、位置合わせ指示C(21)には、検出対象の検出エリアAR内の特定パターンPの既知の位置座標が含まれている。
【0072】
ステージ制御部50は、位置合わせ指示C(21)を受けると、位置情報記憶部58に対して検出位置情報配信要求C(22)を出力し、この検出位置情報配信要求C(22)に応じて位置情報記憶部58から出力された検出位置情報62を取得する検出位置情報取得処理C(23)を実行する。
【0073】
次いで、ステージ制御部50は、位置情報記憶部58から取得した検出位置情報62と、検出エリアAR内の特定パターンPの位置とに基づき、可動ステージ12に対して駆動指令C(24)を出力する。この駆動指令C(24)を受けて可動ステージ12がXY方向に移動することで、集光レンズ24のレンズ光軸OP1と検出位置Qとの位置合わせが行われる。そして、ステージ制御部50は、メイン制御部60に対して移動完了通知C(25)を出力する。なお、この場合にステージ制御部50及びメイン制御部60は本発明の位置合わせ制御部として機能する。
【0074】
メイン制御部60は、移動完了通知C(25)を受けると装置本体制御部52に対して亀裂位置検出指示C(26)を出力する。この亀裂位置検出指示C(26)を受けて、装置本体制御部52は、装置本体14の各部を駆動して亀裂位置の検出作業C(27)を開始する。この場合に、装置本体制御部52及びメイン制御部60は、検出作業C(27)を実行させる実行制御部として機能する。
【0075】
装置本体制御部52は、光源28を点灯させると共に制限部材30の開口部30aを開放し且つ開口部30bを閉塞する。また、装置本体制御部52は、光検出器39A,39Bを作動させる。これにより、既述の
図3に示したように、光源28から出射された検出光L1が、主光軸OP2に対して一方向に偏心した位置から主光軸OP2に沿って出射され、第1照明光学系22等を経て集光レンズ24によりウェーハWの検出位置Qの内部に集光される。そして、ウェーハWからの反射光L2が、集光レンズ24及びハーフミラー23を介して検出光学系26に入射して、光検出器39A,39Bで検出される。
【0076】
次いで、装置本体制御部52は、アライメント機構25を駆動して、集光レンズ24をZ方向に走査することで、ウェーハWの内部に集光する検出光L1の集光点をZ方向に走査する。これにより、検出光L1の集光点の走査位置ごとに光検出器39A,39Bによる反射光L2の検出が実行され、光検出器39A,39Bから装置本体制御部52に対して検出信号sg1,sg2が出力される。
【0077】
検出光L1の集光点のZ方向の走査が完了すると、装置本体制御部52は、制限部材30の開口部30aを閉塞し且つ開口部30bを開放する。これにより、既述の
図4に示したように、光源28から出射された検出光L1が、主光軸OP2に対して他方向に偏心した位置から主光軸OP2に沿って出射され、第1照明光学系22等を経て集光レンズ24によりウェーハWの検出位置Qの内部に集光される。そして、ウェーハWからの反射光L2が、集光レンズ24及びハーフミラー23を介して検出光学系26に入射して、光検出器39A,39Bで検出される。
【0078】
そして、装置本体制御部52は、アライメント機構25を駆動して、集光レンズ24をZ方向に走査することで、ウェーハWの内部に集光する検出光L1の集光点をZ方向に走査する。これにより、検出光L1の集光点の走査位置ごとに光検出器39A,39Bによる反射光L2の検出が実行され、光検出器39A,39Bから装置本体制御部52に対して検出信号sg1,sg2が出力される。以上で検出作業C(27)が完了する。
【0079】
装置本体制御部52は、検出作業C(27)が完了すると、亀裂検出処理C(27)の完了通知C(28A)をメイン制御部60に出力すると共に、メイン制御部60に対して検出作業C(27)での検出データである検出信号sg1,sg2を出力する検出信号出力処理C(28B)を実行する。
【0080】
メイン制御部60は、装置本体制御部52からの完了通知C(28A)及び検出信号sg1,sg2を受けて、これら検出信号sg1,sg2に基づき亀裂位置の検出を実行する。この亀裂位置の具体的な方法については公知技術(特許文献1参照)であるので、ここでは具体的な説明は省略する。以上で1つの検出位置Qでの亀裂検出処理が完了する。
【0081】
次いで、メイン制御部60は、集光レンズ24のレンズ光軸OP1を同一の検出エリアAR内の他の検出位置Q、或いは次の検出エリアAR内の検出位置Qに位置合わせする位置合わせ指示C(29)を出力する。この位置合わせ指示C(29)の出力に応じて上述の一連の処理が繰り返し実行されることで、同一の検出エリアAR内の他の検出位置Q或いは次の検出エリアARの検出位置Qにおける亀裂位置の検出が行われる。以下、検出位置Qごとに亀裂位置の検出が繰り返し実行される。
【0082】
[第1実施形態の亀裂検出装置の作用]
図10は、第1実施形態の亀裂検出装置10による撮影画像取得処理及び検出位置決定処理の流れを示すフローチャートである(本発明の亀裂検出装置の制御方法に相当)。
【0083】
図10に示すように、可動ステージ12上へのウェーハWの保持及び公知のアライメント検出等が完了すると、メイン制御部60は撮影画像取得処理を開始する(ステップS1)。これにより、既述の
図6で説明したように、検出エリアAR内での撮影エリアBRの指示(ステップS2)と、撮影エリアBRに対するカメラ46の位置合わせ(ステップS3)と、カメラ46による撮影エリアBRの撮影(ステップS4)と、画像記憶部54による撮影画像47の記憶(ステップS5)と、が繰り返し実行される(ステップS6)。その結果、検出エリアAR内の各撮影エリアBRの撮影画像47が画像記憶部54に記憶されて、撮影画像取得処理が完了する。なお、ステップS4は本発明の撮影ステップに相当する。
【0084】
撮影画像取得処理が完了すると、メイン制御部60は検出位置決定処理を開始する(ステップS7)。これにより、既述の
図7及び
図8で説明したように、検出位置決定部56が撮影エリアBRごとの撮影画像47に基づき検出位置Q(検出位置情報62)の決定を行い、位置情報記憶部58が検出位置情報62を記憶する(ステップS8、本発明の検出位置決定ステップに相当)。以上で検出位置決定処理が完了する。
【0085】
図11は、第1実施形態の亀裂検出装置10による亀裂検出処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、メイン制御部60は検出位置決定処理が完了すると、亀裂検出処理を開始する(ステップS11)。これにより、既述の
図9で説明したように、検出位置Qの指示(ステップS12)と、検出位置情報62の取得(ステップS13)と、検出位置Qに対するレンズ光軸OP1の位置合わせ(ステップS14)と、亀裂位置の検出作業(ステップS15)と、が繰り返し実行される(ステップS16)。その結果、検出エリアARごとに1又は複数の検出位置Qで亀裂位置が検出される。以上で亀裂検出処理が完了する。
【0086】
[第1実施形態の効果]
以上のように第1実施形態の亀裂検出装置10では、検出エリアAR内を撮影エリアBRごとに撮影した撮影画像47に基づき、検出エリアAR内において照明光L3(検出光L1)の反射率の変化が少ない領域、すなわち亀裂位置を精度良く検出可能な領域を検出位置Qとして自動で決定することができる。また、照明光L3を検出光L1と同一の波長域の光とすることで、撮影画像取得処理時の照明光L3の反射と亀裂検出処理時の検出光L1の反射とに相関を持たせることができるので、亀裂検出処理により適した検出位置Qを決定することができる。
【0087】
[第2実施形態]
図12は、第2実施形態の亀裂検出装置10による撮影エリア検出処理を説明するための説明図である。上記第1実施形態の撮影画像取得処理では検出エリアAR内の全ての撮影エリアBRをカメラ46で撮影している。これに対して、第2実施形態の亀裂検出装置10では、検出エリアAR内で検出位置Qが含まれる可能性が高い撮影エリアBRを事前に決定する撮影エリア決定処理を実行し、この撮影エリア決定処理で決定した撮影エリアBRのみで撮影画像取得処理を実行する。
【0088】
第2実施形態の亀裂検出装置10は、撮影画像取得処理の前に撮影エリア決定処理を実行し且つ制御装置16が撮影エリア記憶部70(
図13参照)としても機能する点を除けば上記第1実施形態の亀裂検出装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0089】
図12に示すように、撮影エリア決定処理では、メイン制御部60の制御の下、集光レンズ24から出射される検出光L1により検出エリアAR内をストリートCに平行な走査線SLに沿って走査しながら、検出光学系26(光検出器39A,39B)で反射光L2を検出する。これにより、走査線SLに沿った反射光L2の信号強度分布が求められる。
【0090】
次いで、メイン制御部60は、反射光L2の信号強度分布に基づき、検出位置Qが含まれる可能性が高い撮影エリアBRを決定する。例えば、メイン制御部60は、反射光L2の信号強度分布の中で信号強度が低く且つその信号強度の勾配が小さい領域(信号強度が略フラットな領域)を撮影エリアBRとして決定する。この場合に、メイン制御部60は本発明の撮影エリア決定部として機能する。なお、信号強度の勾配が小さい領域であれば信号強度が高い領域を撮影エリアBRとして決定してもよい。これにより、検出エリアARの中で検出光L1の反射率が異なる複数の領域が混在している混在領域を避けると共に、検出光L1の反射率の変化が小さい領域、すなわち検出位置Qが含まれる可能性が高い領域を撮影エリアBRとして決定することができる。
【0091】
そして、メイン制御部60は、後述の
図13に示すように、決定した撮影エリアBRの位置を示す撮影エリア情報72(集光レンズ24の走査位置情報等)を撮影エリア記憶部70に記憶させる。
【0092】
図13は、撮影エリア決定処理のフローを説明するための説明図である。なお、撮影エリア決定処理の前に公知のアライメント検出処理が実行され、集光レンズ24(レンズ光軸OP1)とウェーハWの各部(検出エリアAR)との位置関係は既知であるとする。また、撮影エリア決定処理中は、集光レンズ24の焦点位置はウェーハWのおもて面(ストリートC)上に調整されているものとする。
【0093】
図13に示すように、メイン制御部60は、撮影画像取得処理前に、検出エリアAR内の検出光L1の走査開始位置(位置座標等)を指示する走査開始位置指示C(31)をステージ制御部50へ出力する。
【0094】
ステージ制御部50は、走査開始位置指示C(31)を受けると、可動ステージ12に対して駆動指令C(32)を出力する。この駆動指令C(32)を受けて可動ステージ12がXY方向に移動することで、検出エリアAR内の走査開始位置と集光レンズ24のレンズ光軸OP1との位置合わせが行われる。そして、ステージ制御部50は、メイン制御部60に対して移動完了通知C(33)を出力する。
【0095】
メイン制御部60は、移動完了通知C(33)を受けると、装置本体制御部52に対して走査準備指示C(34)を出力する。走査準備指示C(34)を受けた装置本体制御部52は、光源28の点灯と、制限部材30の開口部30a,30bのいずれか一方の開放と、光検出器39A,39Bの作動と、を実行させる。これにより、光源28から出射された検出光L1が第1照明光学系22等を経て集光レンズ24により検出エリアAR内の走査開始位置に集光される。また、走査開始位置で反射された反射光L2が、集光レンズ24及びハーフミラー23を介して検出光学系26に入射して、光検出器39A,39Bで検出される。そして、光検出器39A,39Bは、装置本体制御部52に対して検出信号sg1,sg2を出力する信号出力処理C(35)を実行する。
【0096】
次いで、装置本体制御部52は、メイン制御部60に対して、走査準備完了通知C(36)と、検出信号sg1,sg2に基づく反射光L2の信号強度値を出力する信号強度値出力処理C(37)と、を実行する。
【0097】
メイン制御部60は、走査準備完了通知C(36)を受けると、検出エリアAR内での検出光L1の走査終了位置(位置座標等)を指示する走査終了位置指示C(38)をステージ制御部50へ出力する。
【0098】
ステージ制御部50は、走査終了位置指示C(38)を受けると、可動ステージ12に対して駆動指令C(39)を出力する。この駆動指令C(39)を受けて可動ステージ12がX方向に移動することで、集光レンズ24により走査開始位置に集光されている検出光L1の集光点がストリートC(走査線SL)に沿って走査終了位置に向けて移動する。これにより、検出エリアAR内のストリートCに沿って検出光L1を走査しながら、光検出器39A,39Bによる反射光L2の検出及び信号出力処理C(35)と、装置本体制御部52による信号強度値出力処理C(37)と、が連続して実行される。この場合に、ステージ制御部50、装置本体制御部52、及びメイン制御部60は、本発明の走査制御部として機能する。
【0099】
そして、ステージ制御部50は、検出光L1の集光点が走査終了位置に到達すると、メイン制御部60に対して移動完了通知C(40)を出力する。この移動完了通知C(40)を受けてメイン制御部60は、装置本体制御部52に対して走査終了指示C(41)を出力する。
【0100】
装置本体制御部52は、走査終了指示C(41)を受けて光源28を消灯させると共に光検出器39A,39Bの作動を停止させる。その後、装置本体制御部52は、メイン制御部60に対して走査終了通知C(42)を出力する。
【0101】
メイン制御部60は、走査終了通知C(42)を受けると、検出光L1の走査中に装置本体制御部52から連続的に入力された反射光L2の信号強度値に基づき、既述の
図12に示したように反射光L2の信号強度分布を演算する。次いで、メイン制御部60は、反射光L2の信号強度分布に基づき1又は複数の撮影エリアBRを決定し、撮影エリアBRの位置を示す撮影エリア情報72を生成する。そして、メイン制御部60は、撮影エリア記憶部70に対して撮影エリア情報72を出力する撮影エリア情報出力処理C(43)を実行する。これにより、撮影エリア記憶部70に撮影エリア情報72が記憶される。
【0102】
第2実施形態の撮影画像取得処理は、既述の
図6に示した第1実施形態の撮影画像取得処理と基本的に同じである。ただし、第2実施形態の撮影画像取得処理では、メイン制御部60が、撮影エリア記憶部70から取得した撮影エリア情報72に基づき、撮影エリア指定指示C(1),C(7)を行う。これにより、第2実施形態の撮影画像取得処理では、撮影エリア決定処理で決定された撮影エリアBRのみがカメラ46により撮影される。
【0103】
なお、第2実施形態の検出位置決定処理及び亀裂検出処理については、第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
【0104】
[第2実施形態の亀裂検出装置の作用]
図14は、第2実施形態の亀裂検出装置10による撮影エリア決定処理及び撮影画像取得処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
図14に示すように、可動ステージ12上へのウェーハWの保持及び公知のアライメント検出等が完了すると、メイン制御部60は撮影エリア決定処理を開始する(ステップS21)。これにより、既述の
図13で説明したように、検出エリアAR内の走査開始位置に対する集光レンズ24の位置合わせ(ステップS22)と、集光レンズ24から走査開始位置に対する検出光L1の出射及び光検出器39A,39Bによる反射光L2の検出(ステップS23)とが開始される。次いで、検出エリアAR内のストリートCに沿った検出光L1の走査が開始される(ステップS24、ステップS25でNO)。
【0106】
検出光L1の走査が完了すると(ステップS25でYES)、メイン制御部60による撮影エリアBRの決定と、撮影エリア記憶部70による撮影エリア情報72の記憶とが実行される(ステップS26)。以上で撮影エリア決定処理が完了する。
【0107】
撮影エリア決定処理が完了すると、メイン制御部60は撮影画像取得処理を開始する(ステップS27)。メイン制御部60は、撮影エリア記憶部70から撮影エリア情報72を取得して撮影画像取得処理を行う撮影エリアBRを判別する(ステップS28)。
【0108】
以下、撮影エリア情報72に基づく撮影エリアBRの指示(ステップS29)と、撮影エリアBRに対するカメラ46の位置合わせ(ステップS30)と、カメラ46による撮影エリアBRの撮影(ステップS31)と、画像記憶部54による撮影画像47の記憶(ステップS32)と、が繰り返し実行される(ステップS33)。これにより、撮影エリア決定処理で決定された撮影エリアBRの撮影画像47のみが画像記憶部54に記憶される。これにより、第1実施形態よりも撮影エリアBRの数を減らすことができる。その結果、撮影画像取得処理においてカメラ46の相対移動、停止、及び撮影からなる一連の撮影処理のサイクル数を減らすことができるので、撮影画像取得処理に要する時間を短縮することができる。
【0109】
図示は省略するが、撮影画像取得処理が完了すると、第1実施形態と同様に検出位置決定処理及び亀裂検出処理が実行される。ここで第2実施形態の検出位置決定処理では、検出位置Qが含まれる可能性が高い撮影エリアBRを撮影した撮影画像47のみに基づき検出位置Qを決定するので、第1実施形態よりも短時間で且つ効率的に検出位置Qの決定を行うことができる。
【0110】
以上のように第2実施形態では、撮影画像取得処理の前に撮影エリア決定処理を実行して、検出位置Qが含まれる可能性が高い撮影エリアBRを予め絞り込むことにより、第1実施形態よりも短時間で且つ効率的に検出位置Qの決定を行うことができる。
【0111】
[その他]
上記各実施形態では、ストリートC上の同一形状のパターン群が繰り返し形成されている領域であって且つ2個の特定パターンPの間の領域を検出エリアARとして設定しているが、レーザ加工領域が形成されているストリートC上であれば検出エリアARの位置及び範囲は特に限定されない。また、ストリートC上に同一形状のパターン群が繰り返し形成されていない場合にも本発明を適用することができる。この場合には、検出エリアARごとに撮影画像取得処理(撮影エリア決定処理)及び検出位置決定処理を繰り返し実行して、検出エリアARごとに検出位置Qを決定する。
【0112】
上記各実施形態では、カメラ46(ウェーハ観察光学系40)が集光レンズ24を通して撮影エリアBRの撮影を行っているが、ウェーハ観察光学系40が装置本体14の外側に固定されていたり或いは装置本体14とは別個に設けられたりしていてもよい。
【0113】
上記各実施形態では、可動ステージ12をXY方向に移動させることでウェーハWに対して集光レンズ24及びカメラ46等をXY方向に相対移動させているが、可動ステージ12をXY方向に移動させる代わりに装置本体14をXY方向に移動させてもよい。
【0114】
上記各実施形態では、ウェーハ観察光学系40に第2照明光学系41を設けているが、検出光L1及び照明光L3が同一波長域の光である場合には、制限部材30を主光軸OP2上から退避させる機構を設けたり或いは制限部材30の中央部に開閉自在な照明用開口部を設けたりすることで、光源28を用いて撮影エリアBRの照明を行ってもよい。この場合には、第2照明光学系41を省略することができる。
【0115】
上記各実施形態では、検出エリアARを分割撮影しているがこの検出エリアARの全体を1回で撮影するようにしてもよい。すなわち、撮影エリアBRの数が単数であってもよい。この場合には、広画角且つ高解像度のカメラ46を用いることが好ましい。また、この場合にはストリートCの全体が検出エリアARに設定されていてもよい。
【0116】
上記各実施形態では、照明光L3として検出光L1と同一の波長域の光が選択されているが、検出光L1と異なる波長域の光であってもよい。この場合においても、照明光L3の波長域が検出光L1と同じ傾向の反射率とみなし得る範囲内(亀裂検出処理に影響を与えない程度の範囲内)であることが好ましい。
【符号の説明】
【0117】
10…亀裂検出装置、12…可動ステージ、14…装置本体、16…制御装置、20…亀裂検出光学系、21…光源部、22…第1照明光学系、23…ハーフミラー、24…集光レンズ、25…アライメント機構、26…検出光学系、28…光源、29…レンズ、30…制限部材、32…リレーレンズ、33,34…ハーフミラー、35…リレーレンズ、37A,37B…リレーレンズ、38…ハーフミラー、39A…光検出器、39B…光検出器、40…ウェーハ観察光学系、41…第2照明光学系、42…撮影光学系、44…照明光源、45…レンズ、46…カメラ、47…撮影画像、50…ステージ制御部、52…装置本体制御部、54…画像記憶部、56…検出位置決定部、58…位置情報記憶部、60…メイン制御部、62…検出位置情報、70…撮影エリア記憶部、72…撮影エリア情報、AR…検出エリア、BR…撮影エリア、HA,HB…ピンホール、L1…検出光、L2…反射光、L3…照明光、L4…反射光、OP1…レンズ光軸、OP2,OP3…主光軸、OP4…照明軸、P…特定パターン、Q…検出位置、SL…走査線、SR…小領域、W…ウェーハ、sg1,sg2…検出信号