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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026532
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】検査システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/51 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
G01N21/51
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219602
(22)【出願日】2023-12-26
(62)【分割の表示】P 2021547729の分割
【原出願日】2020-02-10
(31)【優先権主張番号】16/279,395
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー フランク
(72)【発明者】
【氏名】リー チン
(72)【発明者】
【氏名】スー チーウェイ
(57)【要約】
【課題】現在の散乱基準は、汚染の、可能性のある源を持ち込み、追加的なアライメントステップを要し、費用を増大し、電磁放射および環境にさらされることに起因して経時的に劣化する。
【解決手段】空気散乱基準を利用する検査システム100は、照明104のビームを生成するための1つ以上の照明源102と、照明104のビームを、検査室110の室の中に内包される空気の体積部分108内へと集束させるように構成される照明光学部品106と、空気の体積部分108から散乱された照明の一部分を収集するように構成される収集光学部品118と、収集光学部品118からの照明の収集された一部分を受けるように構成される検出器120と、照明104のビームの状態を決定する制御器122を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明のビームを生成するように構成される1つ以上の照明源と、
照明の前記ビームを、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させるように構成される1つ以上の照明光学部品と、
空気の前記体積部分から散乱された照明の一部分を収集するように構成される1つ以上の収集光学部品と、
前記1つ以上の収集光学部品からの照明の前記収集された一部分を受けるように構成される検出器と、
制御器であって、前記検出器に通信可能に結合される1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶されるプログラム命令の一式を実行するように構成され、プログラム命令の前記一式は、前記1つ以上のプロセッサに、
空気の前記体積部分から散乱された前記照明の強度を指し示す、前記検出器からの1つ以上の信号を受信することと、
照明の前記ビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の前記強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定することと
を行わせるように構成される、制御器と
を含み、
前記制御器は、前記検出器からの前記1つ以上の信号に基づきP偏光、および、S偏光の総合的な空気散乱の比率を算出し、前記総合的な空気散乱の比率に基づいて前記照明の前記ビームの偏光状態を決定する
ことを特徴とする検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、照明の前記ビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の前記強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて前記決定することが、
照明の前記ビームの強度を、選択される時間において決定すること
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、照明の前記ビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の前記強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて前記決定することが、
照明の前記ビームの強度を、複数の時間において監視すること
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、照明の前記ビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の前記強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて前記決定することが、
照明の前記ビームの偏光を、複数の時間において監視すること
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記1つ以上の収集光学部品が、対物レンズを含むことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、空気の前記体積部分が、暗視野検査器具の検査室の中に内包されることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、空気の前記体積部分が、試料載物台の上方に位置することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、前記検出器が、電荷結合デバイス(CCD)検出器を含むことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、
前記1つ以上の照明源、前記1つ以上の照明光学部品、または、前記1つ以上の収集光学部品のうちの少なくとも1つの状態を、照明の前記ビームの前記決定された状態に基づいて調整すること
をさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、
前記1つ以上の照明源のパワー、または、前記1つ以上の照明源のアライメントのうちの少なくとも1つを、照明の前記ビームの前記決定された状態に基づいて調整すること
をさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
照明のビームを生成するステップと、
照明の前記ビームを、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させるステップと、
空気の前記体積部分から散乱された照明の一部分を収集するステップと、
検出器によって、1つ以上の収集光学部品からの照明の前記収集された一部分を検出するステップと、
照明の前記ビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定するステップであり、前記検出器で検出された1つ以上の信号に基づきP偏光、および、S偏光の総合的な空気散乱の比率を算出し、前記総合的な空気散乱の比率に基づいて前記照明の前記ビームの偏光状態を決定するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、照明の前記ビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定する前記ステップが、
照明の前記ビームの強度を、選択される時間において決定するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、照明の前記ビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定する前記ステップが、
照明の前記ビームの強度を、複数の時間において監視するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、照明の前記ビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定する前記ステップが、
照明の前記ビームの偏光を、複数の時間において監視するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、空気の前記体積部分から散乱された照明の一部分を収集する前記ステップが、
対物レンズを利用することを含む、空気の前記体積部分から散乱された照明の一部分を収集するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、照明の前記ビームを、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させる前記ステップが、
照明の前記ビームを、暗視野検査器具の検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させるステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、照明の前記ビームを、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させる前記ステップが、
照明の前記ビームを、検査室の中に内包されて位置する空気の体積部分内へと集束させるステップであって、空気の前記体積部分が、試料載物台の上方に位置する、集束させるステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、検出器によって、前記1つ以上の収集光学部品からの照明の前記収集された一部分を検出する前記ステップが、
電荷結合デバイス(CCD)検出器によって、前記1つ以上の収集光学部品からの照明の前記収集された一部分を検出するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であって、
1つ以上の照明源、1つ以上の照明光学部品、または、前記1つ以上の収集光学部品のうちの少なくとも1つの状態を、照明の前記ビームの前記決定された状態に基づいて調整するステップ
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法であって、
1つ以上の照明源のパワー、または、前記1つ以上の照明源のアライメントのうちの少なくとも1つを、照明の前記ビームの前記決定された状態に基づいて調整するステップ
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
照明のビームを生成するように構成される1つ以上の照明源と、
照明の前記ビームを、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させるように構成される1つ以上の照明光学部品と、
空気の前記体積部分から散乱された照明の一部分を収集するように構成される1つ以上の収集光学部品と、
前記1つ以上の収集光学部品からの照明の前記収集された一部分を受けるように構成される検出器と、
制御器であって、前記検出器に通信可能に結合される1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶されるプログラム命令の一式を実行するように構成され、プログラム命令の前記一式は、前記1つ以上のプロセッサに、
空気の前記体積部分から散乱された前記照明の強度を指し示す、前記検出器からの1つ以上の信号を受信することと、
照明の前記ビームの強度を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の前記強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定することと
を行わせるように構成される、制御器と
を含み、
前記制御器は、前記検出器からの前記1つ以上の信号に基づきP偏光、および、S偏光の総合的な空気散乱の比率を算出し、前記総合的な空気散乱の比率に基づいて前記照明の前記ビームの偏光状態を決定する
ことを特徴とする検査システム。
【請求項22】
照明のビームを生成するように構成される1つ以上の照明源と、
照明の前記ビームを、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させるように構成される1つ以上の照明光学部品と、
空気の前記体積部分から散乱された照明の一部分を収集するように構成される1つ以上の収集光学部品と、
前記1つ以上の収集光学部品からの照明の前記収集された一部分を受けるように構成される検出器と、
制御器であって、前記検出器に通信可能に結合される1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶されるプログラム命令の一式を実行するように構成され、プログラム命令の前記一式は、前記1つ以上のプロセッサに、
空気の前記体積部分から散乱された前記照明の強度を指し示す、前記検出器からの1つ以上の信号を受信することと、
照明の前記ビームの偏光を、1つ以上の時間において、空気の前記体積部分から散乱された前記照明の前記強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定することと
を行わせるように構成される、制御器と
を含み、前記制御器は、前記検出器からの前記1つ以上の信号に基づきP偏光、および、S偏光の総合的な空気散乱の比率を算出し、前記総合的な空気散乱の比率に基づいて前記照明の前記ビームの偏光状態を決定することを特徴とする検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、光学器械および器具に関し、より詳しくは、光散乱に対する基準に関する。
【背景技術】
【0002】
システム校正およびアライメントが、光学システムが適正に機能するために必要である。光学システムは、しばしば、散乱基準を利用して、器具を校正し、器具の安定性および健全性を監視し、光学アライメントを支援する。spectralonタイルおよびシリコンウェハ基準などの現在の散乱基準は、汚染の、可能性のある源を持ち込み、追加的なアライメントステップを要し、費用を増大し、電磁放射および環境にさらされることに起因して経時的に劣化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6326608号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、上記で確認された不足分に対処する、改善されたシステム校正を提供する、システムおよび方法を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
空気散乱基準とともに使用するための検査システムが、本開示の1つ以上の例示的実施形態によって開示される。1つの実施形態において、検査システムは、照明のビームを生成するように構成される1つ以上の照明源を含む。別の実施形態において、検査システムは、照明のビームを、検査室(inspection chamber)の室の中に内包される空気の体積部分(volume)内へと集束させるように構成される1つ以上の照明光学部品を含む。別の実施形態において、検査システムは、空気の体積部分から散乱された照明の一部分を収集するように構成される1つ以上の収集光学部品を含む。別の実施形態において、検査システムは、1つ以上の収集光学部品からの照明の収集された一部分を受けるように構成される検出器を含む。別の実施形態において、検査システムは、検出器に通信可能に結合される1つ以上のプロセッサを含む制御器を含む。別の実施形態において、1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶されるプログラム命令の一式を実行するように構成される。別の実施形態において、プログラム命令の一式は、1つ以上のプロセッサに、空気の体積部分から散乱された照明の強度を指し示す、検出器からの1つ以上の信号を受信させるように構成される。別の実施形態において、プログラム命令の一式は、1つ以上のプロセッサに、照明のビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の体積部分から散乱された照明の強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定させるように構成される。
【0006】
空気散乱基準を利用する方法が、本開示の1つ以上の例示的実施形態によって開示される。1つの実施形態において、方法は、照明のビームを生成するステップを含む。別の実施形態において、方法は、照明のビームを、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させるステップを含む。別の実施形態において、方法は、空気の体積部分から散乱された照明の一部分を収集するステップを含む。別の実施形態において、方法は、検出器によって、1つ以上の収集光学部品からの照明の収集された一部分を検出するステップを含む。別の実施形態において、方法は、ビーム強度および/または偏光などの、照明のビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の体積部分から散乱された照明の強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定するステップを含む。
【0007】
上述の全体的な説明、および、後に続く詳細な説明の両方は、特許請求される本発明について、単に例示的および解説的であり、必ずしも限定的ではないということが理解されるべきである。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を組成する、添付図面は、本発明の実施形態を例示し、全体的な説明とともに、本発明の原理を解説する役目をする。
【0008】
本開示の数多くの利点が、添付図への参照により、当業者により、より良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、検査システムのブロック線図を例示する図である。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、空気散乱強度の線図を例示する図である。
図3A】本開示の1つ以上の実施形態による、センサの二乗平均平方根雑音を例示する図である。
図3B】本開示の1つ以上の実施形態による、入射のP偏光される光による空気散乱を例示する図である。
図3C】本開示の1つ以上の実施形態による、入射のS偏光される光による空気散乱を例示する図である。
図4A】本開示の1つ以上の実施形態による、偏光を測定するための空気散乱の例を例示する図である。
図4B】本開示の1つ以上の実施形態による、偏光を測定するための空気散乱の例を例示する図である。
図5】本開示の1つの実施形態による、検査システムにおいて照明のビームの状態を決定するための方法において実施されるステップを例示する流れ線図である。
図6】本開示の1つの実施形態による、検査システムにおいて照明のビームの強度を決定するための方法において実施されるステップを例示する流れ線図である。
図7】本開示の1つの実施形態による、検査システムにおいて照明のビームの偏光を決定するための方法において実施されるステップを例示する流れ線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
今から、添付図面において例示される、開示される主題に詳細に言及する。
【0011】
図1ないし5、本開示による、空気散乱基準を利用して、散乱を監視および測定する、システムおよび方法を全体的に参照する。
【0012】
本開示の実施形態は、空気散乱を、光学システムおよび器具に対する散乱基準として利用する。本開示の実施形態は、空気の体積部分からのビームの散乱に基づいて、照明のビームの強度および/または偏光を測定することを対象とする。本開示の実施形態は、光学システムをアライメント、校正、および/または監視するために使用され得る。例えば、検査室内に内包される空気の体積部分から散乱された照明が収集され得る。さらに、収集される、散乱された照明は、空気散乱基準(例えば、既知のビーム特性によって取得される散乱データ)と比較され得る。さらに、この比較に基づいて、ビームの1つ以上の状態(例えば、強度または偏光)が、時間の段階において決定され、または、時間の区域にわたって監視され得る。空気基準は、挿入可能な物理的物体がシステム内に取り付けられるということを要さないということが、本明細書において指摘される。
【0013】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、検査システム100の概念的ブロック線図の視図を例示する。検査システム100は、1つ以上の照明源102と、1つ以上の照明光学部品106と、1つ以上の収集光学部品118と、検出器120とを含み得る。
【0014】
検査システム100は、試料検査の技術において既知の、任意の検査構成で構成され得る。例えば、検査システム100は、暗視野検査器具として構成され得るが、そのように構成されるように求められはしない。
【0015】
1つ以上の照明源102は、試料検査の技術において既知の、任意の照明源を含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の照明源102は、照明104の1つ以上のビームを生成するように構成される。例えば、1つ以上の照明源102は、赤外、可視、および/または紫外放射を生成するように構成され得る。1つの実施形態において、1つ以上の照明源102は、狭帯域光源を含む。例えば、1つ以上の照明源102は、レーザ源を含み得るが、それに制限されない。別の実施形態において、1つ以上の照明源102は、広帯域光源を含む。例えば、1つ以上の照明源102は、放電灯またはレーザ維持プラズマ(LSP)光源を含むが、それらに制限されない。
【0016】
1つ以上の照明光学部品106は、1つ以上の照明源102からの光を集束させる、方向設定する、フィルタ処理する、または他の形で調節するために使用される、試料検査の技術において既知の、任意の光学要素を含み得る。例えば、1つ以上の照明光学部品106は、後に続くもの:1つ以上のレンズ、1つ以上の鏡、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光器、1つ以上のプリズム、1つ以上の回折要素、1つ以上のビーム分割器、および類するものの任意の組合せを含み得るが、それらに制限されない。
【0017】
別の実施形態において、1つ以上の照明源102および照明光学部品106は、P偏光される照明、および/または、S偏光される照明を生み出すように構成される。別の実施形態において、照明104は、空気の体積部分108に方向設定される。空気の体積部分108は、検査室110の室の中に内包され得る。
【0018】
別の実施形態において、検査システム100は、1つ以上の試料114を支持および固定するように構成される載物台112を含む。別の実施形態において、検査システム100は、検出器120が、試料載物台112の上方に位置する空気の体積部分108から散乱された照明を収集するように、試料載物台112が配置構成されるように構成され得る。
【0019】
1つ以上の収集光学部品118は、照明を収集する、集束させる、および方向設定するために使用される、照明収集の技術において既知の、任意の光学要素を含み得る。例えば、1つ以上の収集光学部品118は、後に続くもの:1つ以上のレンズ、または1つ以上の鏡、および類するものの任意の組合せを含み得るが、それらに制限されない。実例として、収集光学部品118は、対物レンズを含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の収集光学部品118は、空気散乱された照明116を収集するように構成される。例えば、収集光学部品118は、赤外、可視、および/または紫外放射の、空気散乱された照明116を収集するように構成され得る。別の実施形態において、収集光学部品118は、照明を検出器120に方向設定する。例えば、対物レンズが、照明を検出器120に方向設定し得る。
【0020】
検出器120は、照明を検出、検知、記録、または増幅するために使用される、照明検出の技術において既知の、任意の検出器を含み得る。例えば、検出器は、電荷結合デバイス(CCD)検出器、光電子増倍管(PMT)検出器、および類するものを含み得るが、それらに制限されない。
【0021】
検査システム100は、1つ以上のプロセッサ126と、メモリ128とを含む制御器122を含み得る。1つの実施形態において、制御器122は、検出器120に通信可能に結合される1つ以上のプロセッサ126と、メモリ128とを含む。1つ以上のプロセッサ126は、メモリ128内に保持されるプログラム命令130の一式を実行するように構成され得る。
【0022】
制御器122の1つ以上のプロセッサ126は、下記で説明されるようなアライメントまたは校正手順の、1つ以上のステップを履行するようにプログラムされ得る。図1において例示される検査システム100の実施形態は、本明細書において説明されるように、さらに構成され得る。加えて、検査システム100は、本明細書において説明される方法実施形態の任意のものの、任意の他のステップを実施するように構成され得る。
【0023】
1つ以上のプロセッサ126は、空気の体積部分108から散乱された照明ビーム104の状態を指し示す1つ以上の信号を検出器120から受信し得る。例えば、1つ以上のプロセッサ126は、空気の体積部分108から散乱された照明の強度および/または偏光を指し示す1つ以上の信号を受信し得る。1つ以上のプロセッサ126は、さらには、散乱された照明116の強度および/または偏光を、所定の強度および/または偏光基準と比較し得る。1つの実施形態において、散乱された照明116のデータは、メモリ128内に記憶され、散乱基準として利用され得る。別の実施形態において、1つ以上のプロセッサ126は、照明104のビームの状態を、1つ以上の時間において、空気の体積部分108から散乱された照明の強度および/または偏光と、所定の強度および/または偏光基準との間の比較に基づいて決定する。
【0024】
メモリ128は、検出器120からの、制御器122により受信されるデータの分析を実施するための、プログラム命令130の一式を含み得る。例えば、メモリ128は、検出器により生成されるデータを散乱基準と比較するための、プログラム命令130の一式を含み得る。
【0025】
プログラム命令130の一式は、1つ以上のプロセッサ126に、照明のビームの強度および/または偏光を、1つ以上の選択される時間において決定させ得る。例えば、プログラム命令130の一式は、1つ以上のプロセッサ126に、照明104のビームの強度および/または偏光を、1つ以上の時間において監視させ得る。
【0026】
1つの実施形態において、空気散乱基準は、既知の特性を有する照明のビームから散乱された照明から取得されるデータを含む。例えば、散乱基準は、既知の強度特性を有する照明104のビームからの、検出される散乱された照明のデータを含み得る。別の例として、散乱基準は、既知の偏光特性を有する照明104のビームからの、検出される散乱された照明のデータを含み得る。
【0027】
1つの実施形態において、照明ビーム104の強度または偏光のうちの少なくとも1つの決定に応答して、1つ以上の照明源102、1つ以上の照明光学部品106、および/または、収集光学部品118のうちの1つ以上が調整される。例えば、ユーザは、1つ以上の照明源102のパワーを、照明104のビームの決定された状態に基づいて調整し得る。別の例として、1つ以上のプロセッサ126が、1つ以上の照明源102のパワーを、照明のビームの決定された状態に基づいて調整し得る。別の例として、1つ以上の照明源102、1つ以上の照明光学部品106、および/または、1つ以上の収集光学部品118は、照明104のビームの決定された状態に基づいて、ユーザまたは1つ以上のプロセッサ126によりアライメントされ得る。
【0028】
1つの実施形態において、1つ以上の照明源102、1つ以上の照明光学部品106、または収集光学部品118のうちの1つ以上は、収集される散乱された照明から散乱基準までの間の差が、選択されるしきい値以内になるまで調整される。実例として、1つ以上のプロセッサ126は、収集される散乱された照明から散乱基準までの間の差が、選択されるしきい値以内になるまで、1つ以上の照明源102のパワーおよび/もしくはアライメント、ならびに/または、1つ以上の照明光学部品106および/もしくは収集光学部品118のアライメントを、繰り返し、または同時的に調整し得る。
【0029】
制御器122は、有線および/またはワイヤレスの一部分を含み得る伝送媒体により、他のシステムからのデータまたは情報(例えば、検出器からの強度、照明および/または収集光学部品からの光学要素向き)を受信および/または獲得するように構成され得る。別の実施形態において、制御器122は、有線および/またはワイヤレスの一部分を含み得る伝送媒体により、1つ以上のシステムまたはサブシステム(例えば、照明光学部品または収集光学部品)に、データまたは情報(例えば、本明細書において開示される1つ以上の工程の出力)を送信するように構成され得る。このようにして、伝送媒体は、制御器122と、検査システム100の他のサブシステムとの間のデータリンクの役目をし得る。その上、制御器122は、伝送媒体(例えば、ネットワーク接続)を介して、外部システムにデータを送出し得る。
【0030】
検出器120および制御器122は、制御器122が検出器120から情報を受信するように、任意の適した様式で(例えば、図1において示される線により指示される、1つ以上の有線またはワイヤレス伝送媒体により)通信可能に結合され得る。1つの実施形態において、検出器120は、制御器122に1つ以上の画像124または強度データを送信する。別の実施形態において、1つ以上の画像124は、メモリ128内に記憶される。
【0031】
制御器122の1つ以上のプロセッサ126は、当技術において既知の、任意の1つ以上の処理要素を含み得る。この意味において、1つ以上のプロセッサ126は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成される任意のマイクロプロセッサデバイスを含み得る。1つの実施形態において、1つ以上のプロセッサ126は、本開示の全体を通して説明されるような、検査システム100のすべてまたは一部を動作させるように構成されるプログラムを実行するように構成される、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、または、他のコンピュータシステム(例えば、ネットワーク化されたコンピュータ)からなる。本開示の全体を通して説明されるステップは、単一のコンピュータシステム、または代替案として、複数個のコンピュータシステムにより履行され得るということが認識されるべきである。一般的に、用語「プロセッサ」は、非一時的メモリ媒体(例えば、メモリ128)からのプログラム命令を実行する、1つ以上の処理要素を有する任意のデバイスを包含するように、幅広く定義され得る。それゆえに、上記の説明は、本発明に関する制限ではなく、ただ単に例示として解釈されるべきである。
【0032】
メモリ128のメモリ媒体は、関連付けられる1つ以上のプロセッサ126により実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術において既知の、任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ128は、非一時的メモリ媒体を含み得る。実例として、メモリ128は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光学メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ、および類するものを含み得るが、それらに制限されない。別の実施形態において、メモリ128は、検査システム100からの1つ以上の結果、および/または、本明細書において説明される様々なステップの出力を記憶するように構成されるということが、本明細書において指摘される。メモリ128は、1つ以上のプロセッサ126とともに、共通の制御器収容部内に収容され得るということが、さらに指摘される。代替的実施形態において、メモリ128は、プロセッサ126および制御器122の物理的位置に関して遠隔に位置し得る。実例として、制御器122の1つ以上のプロセッサ126は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネット、および類するもの)を通してアクセス可能な遠隔のメモリ(例えば、サーバ)にアクセスし得る。別の実施形態において、メモリ128は、1つ以上のプロセッサ126に、本開示によって説明される様々なステップを履行させるためのプログラム命令130を記憶する。
【0033】
簡潔さの目的のために、検査システム100は、単純化されたブロック線図において描写されているということが指摘される。構成要素および幾何学的構成を含む、この描写は、制限的でなく、単に例示的目的のために提供される。検査システム100は、空気散乱基準との照明ビーム状態の比較を履行するための、任意の数の光学要素(例えば、レンズ、鏡、フィルタビーム分割器、および類するもの)、エネルギー源(例えば、照明源)、および検出器(例えば、照明検出器)を含み得るということが、本明細書において認識される。
【0034】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、空気散乱強度200の線図を例示する。より具体的には、空気散乱強度200は、単一の波長の偏光される電磁放射による、単一の散乱体の空気散乱強度の線図を例示する。図2は、Z方向において進行している、E方向において偏光される放射の空気散乱強度200を例示するということが、本明細書において指摘される。1つの実施形態において、単一の波長および偏光の放射による空気散乱は、次式により説明される。
【数1】
ここで、空気散乱強度は、r、散乱体からの距離、および、角度θ、E軸から始まる方位角の関数として算出される。μは、自由空間の透磁率であり、pは、最大双極子モーメントであり、ωは、放射の周波数であり、θは、高さの角度であり、rは、双極子中心からの半径方向距離であるということが、本明細書において指摘される。
【0035】
図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、SurfScan(登録商標)センサの二乗平均平方根(RMS)雑音310を例示する。より具体的には、図3Aは、PおよびS入射偏光に対する、SurfScan(登録商標)検査器具上で測定されるような空気散乱に対するRMS雑音310を例示する。入射の平面に平行な電場を含む照明の一部分が、P偏光される照明であるということが、その図において指摘される。入射の平面に垂直な電場を含む照明の一部分が、S偏光される照明であるということが、本明細書においてさらに指摘される。
【0036】
図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、入射のP偏光される光による空気散乱320を例示する。より具体的には、図3Bは、PおよびS入射偏光からの、SurfScan(登録商標)検査器具上で測定されるような、空気散乱されたP入射320を例示する。
【0037】
図3Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、入射のS偏光される照明による空気散乱330を例示する。より具体的には、図3Cは、PおよびS入射偏光からの、SurfScan(登録商標)検査器具上で測定されるような、空気散乱されたS偏光される入射330を例示する。
【0038】
空気散乱320および330は、SurfScan(登録商標)センサのRMS雑音310を超えて測定されるということが、本明細書において指摘される。測定される空気散乱320および330は、入射偏光に敏感であるということが、さらに指摘される。空気散乱は、光学システムおよび器具において散乱基準として利用され得るということが、本明細書においてさらに指摘される。
【0039】
図4Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、偏光を測定するための空気散乱の例を例示する。より具体的には、図4Aは、斜めモードにおいて、対物レンズの開口数(NA)が75°である場合の、照明の偏光を測定するための、P偏光される照明の空気散乱410、および、S偏光される照明の空気散乱420の例を例示する。1つの実施形態において、対物レンズにより収集される領域にわたって積分して、P偏光される、および、S偏光される入射光において収集される、総合的な空気散乱の百分率が算出され得る。例えば、後に続く式が、P偏光される、および、S偏光される入射光において収集される、総合的な空気散乱の百分率を算出するために利用され得る。
【数2】
図4Aにおいて例示される具体的な例に対して、P偏光される入射光の百分率は32.1%であり、S偏光される入射光の百分率は41.6%であるということが、本明細書において指摘される。
【0040】
図4Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、偏光を測定するための空気散乱の例を例示する。より具体的には、図4Bは、ビーム偏光が進行の軸の周りで回転する際の、Surfscan(登録商標)SP7対物レンズにより収集される、標準化された空気散乱パワーを例示する。図4Bにおいて、0度が、P偏光される入射光であり、90度が、S偏光される入射光であるということが、本明細書において指摘される。図4Bにおいて示される空気散乱パターンは、P偏光される、および、S偏光される入射照明に対して異なり、空気散乱が入射ビーム偏光に敏感であるということを指示するということが、本明細書においてさらに指摘される。対物レンズにより捕捉される、P偏光される、および、S偏光される入射照明強度の数量が異なるとき、PおよびS入射照明の強度比率が、入射ビームの偏光の品質について情報価値のあるものであり得るということが、本明細書において加えて指摘される。
【0041】
1つの実施形態において、検査システム100は、散乱された照明116からの信号を利用して、照明104の入射ビームの強度を監視する。例えば、散乱された照明116からの信号は、経時的に検査システム100の照明104の入射ビームを監視するための散乱基準として利用され得る。別の実施形態において、散乱された照明116からの信号は、複数個の器具にわたる空気散乱強度の標準化校正に対して利用される。散乱された照明116からの信号が安定的および一様であることが、システム監視および校正を改善すると考えられるということが、本明細書において指摘される。
【0042】
1つの実施形態において、検査システム100は、散乱された照明116からの信号を利用して、照明104の入射ビームの偏光を測定する。別の実施形態において、検査システム100は、散乱された照明116からの信号を利用して、照明104の入射ビームの偏光を監視する。例えば、散乱された照明116からの1つ以上の信号は、経時的に、照明104の偏光を測定し、照明104の偏光を監視するために利用され得る。
【0043】
1つの実施形態において、検査システム100は、散乱された照明116からの信号を利用して、収集経路内の、偏光に敏感な光学部品およびマスクをアライメントする。別の実施形態において、散乱された照明116は、光学マスクおよび偏光器を適格にし、監視するために利用され得る。空気散乱は、偏光される一様な散乱をもたらすということが、本明細書において指摘される。空気がシステムの作業環境内にあり、システムが、空気散乱強度を測定するのに十分に敏感であるということであれば、散乱基準を要する光学システムにおいてのいかなる工程も、空気散乱によって実施され得るということが、本明細書においてさらに指摘される。挿入される物理的散乱基準に頼るシステムは、挿入可能な物理的散乱基準に起因する、潜在的可能性としての汚染を持ち込まない、および、空間制約を消失させる、散乱基準から利益を得ることになるということが考えられるということが、本明細書において加えて指摘される。挿入可能な物理的基準により生出される制約に起因して実現可能でない、光学校正および/またはアライメントを要するシステムが、今や、アライメントおよび/または校正に対して空気散乱基準を利用して現実化可能であるということが、本明細書においてなおもさらに指摘される。
【0044】
図5は、本開示の1つの実施形態による、検査システム100において照明のビームの状態を決定するための方法500において実施されるステップを例示する流れ線図である。方法500のステップは、検査システム100により、すべてまたは一部において実装され得るということが、本明細書において指摘される。しかしながら、追加的または代替的なシステムレベルの実施形態が、方法500のステップのすべてまたは一部を履行し得るという点において、方法500は検査システム100に制限されないということが、さらに認識される。
【0045】
ステップ502において、1つ以上の照明源102が、照明104のビームを生成するための照明を提供する。1つの実施形態においての、偏光されない様態の照明104のビーム。別の実施形態において、照明104のビームは偏光される。例えば、照明104のビームは、直線偏光される、楕円偏光される、円状に偏光器である、または、ランダム偏光されることのうちの1つ以上であり得る。別の実施形態において、照明104は、P偏光される照明、および、S偏光される照明を含む。
【0046】
ステップ504において、照明のビームが、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させられる。1つの実施形態において、照明光学部品106が、照明104を空気の体積部分108に集束させる。例えば、照明光学部品106は、照明104が、空気の体積部分108に向けて方向設定され、空気の体積部分108内へと集束させられるように、アライメントおよび構成され得る。別の例として、照明光学部品106は、照明104が、暗視野検査器具の検査室110の中に内包される空気の体積部分108内へと集束させられるように、アライメントおよび構成され得る。
【0047】
ステップ506において、空気の体積部分から散乱された照明の一部分が収集される。1つの実施形態において、散乱された照明116が、収集光学部品118により収集される。例えば、散乱された照明116は、対物レンズにより収集される。別の実施形態において、収集光学部品118は、検出器120に向けて、散乱された照明を方向設定するように構成される。例えば、対物レンズが、検出器120に向けての、方向設定、収集される散乱された照明116に対して構成され得る。
【0048】
ステップ508において、1つ以上の収集光学部品からの照明の収集された一部分が検出される。1つの実施形態において、空気の体積部分108からの散乱された照明116の収集された一部分が、検出器120により検出される。例えば、検出器120は、対物レンズにより収集され、検出器120に向けて方向設定される、散乱された照明116を検出し得る。
【0049】
ステップ510において、照明104のビームの状態が、1つ以上の時間において、空気の体積部分108から散乱された照明の状態と、所定の散乱基準との間の比較に基づいて決定される。ステップ510は、検出器120が、1つ以上の画像124を獲得し、1つ以上の画像124を制御器122に送信するステップを含む。検出器120により生成され、制御器122に送信される1つ以上の画像124は、1つ以上のプロセッサ126により、所定の散乱基準と比較される。1つの実施形態において、1つ以上の画像124は、メモリ128内に記憶され、後での分析のために使用される。別の実施形態において、空気の体積部分108から散乱された照明の状態と、所定の散乱基準との間の比較からの1つ以上の結果が、後での使用のためにメモリ128内に記憶される。
【0050】
ステップ512において、照明源102、照明光学部品106のうちの1つ以上、または、収集光学部品118のうちの1つ以上のうちの1つ以上を、照明のビームの決定された状態に基づいて調整する。例えば、1つ以上のプロセッサ126は、1つ以上の照明源102、照明光学部品106、または収集光学部品118のうちの1つ以上を、照明のビームの決定された状態に基づいて調整し得る。別の例として、1つ以上のプロセッサ126は、1つ以上の照明源のパワー、または、1つ以上の照明源のアライメントのうちの少なくとも1つを、照明のビームの決定された状態に基づいて調整し得る。
【0051】
図6は、本開示の1つの実施形態による、検査システム100において照明のビームの強度を決定するための方法600において実施されるステップを例示する流れ線図である。方法600のステップは、検査システム100により、すべてまたは一部において実装され得るということが、本明細書において指摘される。しかしながら、追加的または代替的なシステムレベルの実施形態が、方法600のステップのすべてまたは一部を履行し得るという点において、方法600は検査システム100に制限されないということが、さらに認識される。
【0052】
ステップ602において、1つ以上の照明源102が、照明104のビームを生成するための照明を提供する。1つの実施形態においての、偏光されない様態の照明104のビーム。別の実施形態において、照明104のビームは偏光される。例えば、照明104のビームは、直線偏光される、楕円偏光される、円状に偏光器である、または、ランダム偏光されることのうちの1つ以上であり得る。別の実施形態において、照明104は、P偏光される照明、および、S偏光される照明を含む。
【0053】
ステップ604において、照明のビームが、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させられる。1つの実施形態において、照明光学部品106が、照明104を空気の体積部分108に集束させる。例えば、照明光学部品106は、照明104が、空気の体積部分108に向けて方向設定され、空気の体積部分108内へと集束させられるように、アライメントおよび構成され得る。別の例として、照明光学部品106は、照明104が、暗視野検査器具の検査室110の中に内包される空気の体積部分108内へと集束させられるように、アライメントおよび構成され得る。
【0054】
ステップ606において、空気の体積部分から散乱された照明の一部分が収集される。1つの実施形態において、散乱された照明116が、収集光学部品118により収集される。例えば、散乱された照明116は、対物レンズにより収集される。別の実施形態において、収集光学部品118は、検出器120に向けて、散乱された照明を方向設定するように構成される。例えば、対物レンズが、検出器120に向けての、方向設定、収集される散乱された照明116に対して構成され得る。
【0055】
ステップ608において、1つ以上の収集光学部品からの照明の収集された一部分の強度が検出される。1つの実施形態において、空気の体積部分108からの散乱された照明116の収集された一部分の強度が、検出器120により検出される。例えば、検出器120は、対物レンズにより収集され、検出器120に向けて方向設定される、散乱された照明116の強度を検出し得る。
【0056】
ステップ610において、照明104のビームの強度が、1つ以上の時間において、空気の体積部分108から散乱された照明の強度と、所定の強度基準との間の比較に基づいて決定される。ステップ610は、検出器120が、1つ以上の画像124を獲得し、1つ以上の画像124を制御器122に送信するステップを含む。検出器120により生成され、制御器122に送信される1つ以上の画像124は、1つ以上のプロセッサ126により、所定の強度基準と比較される。1つの実施形態において、1つ以上の画像124は、メモリ128内に記憶され、後での分析のために使用される。別の実施形態において、空気の体積部分108から散乱された照明の強度と、所定の強度との間の比較からの1つ以上の結果が、後での使用のためにメモリ128内に記憶される。
【0057】
ステップ612において、照明源102、照明光学部品106のうちの1つ以上、または、収集光学部品118のうちの1つ以上のうちの1つ以上を、照明のビームの決定される強度に基づいて調整する。例えば、1つ以上のプロセッサ126は、1つ以上の照明源102、照明光学部品106、または収集光学部品118のうちの1つ以上を、照明のビームの決定される強度に基づいて調整し得る。別の例として、1つ以上のプロセッサ126は、1つ以上の照明源のパワー、または、1つ以上の照明源のアライメントのうちの少なくとも1つを、照明のビームの決定される強度に基づいて調整し得る。
【0058】
図7は、本開示の1つの実施形態による、検査システム100において照明のビームの偏光を決定するための方法700において実施されるステップを例示する流れ線図である。方法700のステップは、検査システム100により、すべてまたは一部において実装され得るということが、本明細書において指摘される。しかしながら、追加的または代替的なシステムレベルの実施形態が、方法700のステップのすべてまたは一部を履行し得るという点において、方法700は検査システム100に制限されないということが、さらに認識される。
【0059】
ステップ702において、1つ以上の照明源102が、照明104のビームを生成するための照明を提供する。1つの実施形態においての、偏光されない様態の照明104のビーム。別の実施形態において、照明104のビームは偏光される。例えば、照明104のビームは、直線偏光される、楕円偏光される、円状に偏光器である、または、ランダム偏光されることのうちの1つ以上であり得る。別の実施形態において、照明104は、P偏光される照明、および、S偏光される照明を含む。
【0060】
ステップ704において、照明のビームが、検査室の中に内包される空気の体積部分内へと集束させられる。1つの実施形態において、照明光学部品106が、照明104を空気の体積部分108に集束させる。例えば、照明光学部品106は、照明104が、空気の体積部分108に向けて方向設定され、空気の体積部分108内へと集束させられるように、アライメントおよび構成され得る。別の例として、照明光学部品106は、照明104が、暗視野検査器具の検査室110の中に内包される空気の体積部分108内へと集束させられるように、アライメントおよび構成され得る。
【0061】
ステップ706において、空気の体積部分から散乱された照明の一部分が収集される。1つの実施形態において、散乱された照明116が、収集光学部品118により収集される。例えば、散乱された照明116は、対物レンズにより収集される。別の実施形態において、収集光学部品118は、検出器120に向けて、散乱された照明を方向設定するように構成される。例えば、対物レンズが、検出器120に向けての、方向設定、収集される散乱された照明116に対して構成され得る。
【0062】
ステップ708において、1つ以上の収集光学部品からの照明の収集された一部分の偏光が検出される。1つの実施形態において、空気の体積部分108からの散乱された照明116の収集された一部分の偏光が、検出器120により検出される。例えば、検出器120は、対物レンズにより収集され、検出器120に向けて方向設定される、散乱された照明116の偏光を検出し得る。
【0063】
ステップ710において、照明104のビームの偏光が、1つ以上の時間において、空気の体積部分108から散乱された照明の偏光と、所定の偏光基準との間の比較に基づいて決定される。ステップ710は、検出器120が、1つ以上の画像124を獲得し、1つ以上の画像124を制御器122に送信するステップを含む。検出器120により生成され、制御器122に送信される1つ以上の画像124は、1つ以上のプロセッサ126により、所定の偏光基準と比較される。1つの実施形態において、1つ以上の画像124は、メモリ128内に記憶され、後での分析のために使用される。別の実施形態において、空気の体積部分108から散乱された照明の偏光と、所定の偏光との間の比較からの1つ以上の結果が、後での使用のためにメモリ128内に記憶される。
【0064】
ステップ712において、照明源102、照明光学部品106のうちの1つ以上、または、収集光学部品118のうちの1つ以上のうちの1つ以上を、照明のビームの決定される偏光に基づいて調整する。例えば、1つ以上のプロセッサ126は、1つ以上の照明源102、照明光学部品106、または収集光学部品118のうちの1つ以上を、照明のビームの決定される偏光に基づいて調整し得る。別の例として、1つ以上のプロセッサ126は、1つ以上の照明源のパワー、または、1つ以上の照明源のアライメントのうちの少なくとも1つを、照明のビームの決定される偏光に基づいて調整し得る。
【0065】
本明細書において説明される方法のすべては、方法実施形態の1つ以上のステップの結果を記憶媒体内に記憶することを含み得る。結果は、本明細書において説明される結果の任意のものを含み得るものであり、当技術において既知の、任意の様式で記憶され得る。記憶媒体は、本明細書において説明される任意の記憶媒体、または、当技術において既知の、任意の他の適した記憶媒体を含み得る。結果が記憶された後、結果は、記憶媒体においてアクセスされ、本明細書において説明される方法またはシステム実施形態の任意のものにより使用され、ユーザに対する表示のために体裁を整えられ、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステム、その他により使用され得る。さらにまた、結果は、「永久的に」、「半永久的に」、一時的に、または、時間の、ある程度の期間の間、記憶され得る。例えば、記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)であり得るものであり、結果は、必ずしも記憶媒体内で無期限に存続するのではないことがある。
【0066】
現況技術は、システムの態様のハードウェア実装形態とソフトウェア実装形態との間に残された差異がほとんど存在しない局面に進展しており、ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般的には(ただし、ある決まった背景状況において、ハードウェアとソフトウェアとの間での選定が有意になり得るという点において、常にではないが)、費用対効率の兼ね合いを表す設計選定であるということを、当業者は認識することになる。様々な表現方式であって、それらにより、本明細書において説明される工程および/またはシステムおよび/または他の技術が達成され得る、表現方式(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)が存在するということ、ならびに、好まれる表現方式は、工程および/またはシステムおよび/または他の技術が展開される背景状況によって変動することになるということを、当業者は察知することになる。例えば、実装者が、速度および正確度が最重要であると決定するならば、実装者は、主としてハードウェアおよび/もしくはファームウェア表現方式を選び得るものであり、代替案として、柔軟性が最重要であるならば、実装者は、主としてソフトウェア実装形態を選び得るものであり、または、なおも再び代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/もしくはファームウェアの何らかの組合せを選び得る。ゆえに、いくつかの可能な表現方式であって、それらにより、本明細書において説明される工程および/またはデバイスおよび/または他の技術が達成され得る、表現方式が存在し、利用されることになるいかなる表現方式も、表現方式が展開されることになる背景状況、および、実装者の特定の関心事(例えば、速度、柔軟性、または予測可能性)に依存的な選定物であり、それらの背景状況および関心事のいずれも変動し得るという点において、それらの可能な表現方式のどれも、本質的には、他のものにまさるものではない。実装形態の光学態様は、典型的には、光学指向のハードウェア、ソフトウェア、およびまたはファームウェアを用いることになるということを、当業者は認識することになる。
【0067】
本明細書において説明される本発明の主題の個別の態様が示され説明されたが、本明細書においての教示に基づいて、変更および変形が、本明細書において説明される主題、および、その主題のより幅広い態様から逸脱することなくなされ得るものであり、それゆえに、添付される請求項は、それらの請求項の範囲内に、本明細書において説明される主題の真の趣旨および範囲の中にあるような、すべての変更および変形を包含することになるということが、当業者には明らかであることになる。
【0068】
さらにまた、本発明は、添付される請求項により定義されるということが理解されるべきである。一般的に、本明細書において、およびとりわけ、添付される請求項(例えば、添付される請求項の本体部)において使用される用語は、一般的には「オープンな」用語として意図される(例えば、用語「含む(現在分詞)」は、「含むが、それに制限されない」と解釈されるべきである、用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきである、用語「含む(三人称単数現在形)」は、「含むが、それに制限されない」と解釈されるべきである、その他)ということが、当業者により理解されることになる。導入される請求項記載物(claim recitation)の特定の数が意図されるならば、そのような意図は、請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないということが、当業者によりさらに理解されることになる。例えば、理解の一助として、後に続く添付される請求項は、請求項記載物を導入するための導入句「少なくとも1つの」および「1つ以上の」の使用を内包することがある。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項記載物の導入が、そのような導入される請求項記載物を内包するいかなる個別の請求項をも、ただ1つのそのような記載物を内包する発明に制限するということを示唆すると解されるべきではなく、そのことは、同じ請求項が、導入句「1つ以上の」または「少なくとも1つの」、および、「a」または「an」などの不定冠詞を含むときでさえであり(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)、同じことが、請求項記載物を導入するために使用される定冠詞の使用に当てはまる。加えて、導入される請求項記載物の特定の数が明示的に記載される場合でさえ、そのような記載は、典型的には、少なくとも記載される数を意味すると解釈されるべきである(例えば、他の修飾語を伴わない、「2つの記載物」の単なる記載は、典型的には、少なくとも2つの記載物、または、2つ以上の記載物を意味する)ということを、当業者は認識することになる。さらにまた、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、その他」に類似した慣用表現が使用される実例において、一般的に、そのような構文は、当業者がその慣用表現を理解することになる意味において意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、AおよびBを合わせて、AおよびCを合わせて、BおよびCを合わせて、ならびに/または、A、B、およびCを合わせて有するシステムを含むが、それらに制限されないことになる、などとなる)。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ、その他」に類似した慣用表現が使用される実例において、一般的に、そのような構文は、当業者がその慣用表現を理解することになる意味において意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、AおよびBを合わせて、AおよびCを合わせて、BおよびCを合わせて、ならびに/または、A、B、およびCを合わせて有するシステムを含むが、それらに制限されないことになる、などとなる)。説明においてであれ、特許請求の範囲においてであれ、図面においてであれ、2つ以上の代替的用語を提示する、事実上いかなる離接的単語および/または語句も、用語のうちの1つ、用語のうちのいずれか、または、両方の用語を含むことの可能性を企図すると理解されるべきであるということが、当業者によりさらに理解されることになる。例えば、語句「AまたはB」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されることになる。
【0069】
本開示、および、本開示の付帯する利点の多くが、上述の説明により理解されることになるということが確信され、様々な変更が、開示される主題から逸脱することなく、または、その主題の欠かせない利点のすべてを犠牲にすることなく、構成要素の形式、構築、および配置構成においてなされ得るということが明らかであることになる。説明される形式は、ただ単に解説的なものであり、そのような変更を包含し含むことが、後に続く特許請求の範囲の意図である。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7