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特開2024-26870ユーザー端末、取得方法、ユーザーインターフェース、データベース及び制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024026870
(43)【公開日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ユーザー端末、取得方法、ユーザーインターフェース、データベース及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240220BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006423
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2022511415の分割
【原出願日】2020-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂垣 武文
(72)【発明者】
【氏名】永田 健悟
(72)【発明者】
【氏名】中辻 怜納
(72)【発明者】
【氏名】永井 洋介
(57)【要約】
【課題】薬品に関する個人差に応じてより適切な調剤を行うこと。
【解決手段】本発明の一態様は、他の装置とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザーに対して情報を出力する出力部と、ユーザーに対して処方された薬品のうち前記ユーザーにとって使用に注意が必要となる薬品に関する情報を取得し、前記使用に注意が必要となる薬品に関する情報を、前記出力部を介してユーザーに出力する制御部と、を備えるユーザー端末である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の装置とネットワークを介して通信する通信部と、
ユーザーに対して情報を出力する出力部と、
ユーザーに対して処方された薬品のうち前記ユーザーにとって使用に注意が必要となる薬品に関する情報を取得し、前記使用に注意が必要となる薬品に関する情報を、前記出力部を介してユーザーに出力する制御部と、
を備えるユーザー端末。
【請求項2】
ユーザーから情報の入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記ユーザーに対して処方された薬品に関して、使用後のユーザーの状態を示す情報を、前記入力部を介して取得し、前記通信部を介して他の装置に提供する、請求項1に記載のユーザー端末。
【請求項3】
ユーザーにより使用された複数の薬品の相互作用を推定するために、
ユーザーが使用した薬品と、当該薬品をユーザーが使用した後に奏した当該ユーザーの身体に係る効果と、時間と、を取得するステップと、
取得された前記薬品と前記効果と前記時間とを他の装置へ送信する処理と、記憶装置に蓄積する処理と、の少なくとも一方を行うステップと、
を有する取得方法。
【請求項4】
前記ユーザーの身体に係る効果は、副作用の有無と、症状回復傾向と、のうち少なくとも一方を含む
請求項3記載の取得方法。
【請求項5】
さらに前記ユーザーにより使用された薬品と前記ユーザーにより摂取された飲食物との相互作用を推定するために、
さらに前記ユーザーにより摂取された食品を示す情報を取得する
請求項3又は4に記載の取得方法。
【請求項6】
ユーザーが使用した薬品を示す情報の入力を受け付ける薬品入力欄と、
前記ユーザーが使用した後に奏した当該ユーザーの身体に係る効果を示す情報の入力を受け付ける効果入力欄と、
前記ユーザーにより入力された情報の送信の指示を受け付ける送信決定欄と、
を有するユーザーインターフェース。
【請求項7】
ユーザーにより使用された複数の薬品の相互作用を推定するために、
ユーザーが使用した薬品と、当該薬品をユーザーが使用した後に奏した当該ユーザーの身体に係る効果と、時間と、を対応付けて記憶する記憶部
を備えるデータベース。
【請求項8】
ユーザーに対して処方された薬品薬剤のうち前記ユーザーにとって使用服用に注意が必要となる薬品薬剤に関する情報を取得するステップと、
前記使用服用に注意が必要となる薬品薬剤に関する情報をユーザーに出力するステップと、を有する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー端末、取得方法、ユーザーインターフェース、データベース及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者に対して薬品が提供される際には、医師が発行した処方箋に従って、調剤施設に所属する薬剤師が調剤し患者に薬品を提供してきた。処方箋による調剤の利便性を高めるために、薬品に関するアプリケーションが提供されている。このようなアプリケーションでは、お薬手帳が電子的に実装されているものもある(例えば非特許文献1)。このようなアプリケーションを用いることによって、ユーザーは自身に処方された薬品に関する情報を容易に管理することが可能となる。また、薬剤師は、アプリケーションによって記録されたお薬手帳に係る情報に基づいて、より適切な調剤を行うことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“お薬手帳”、公益社団法人日本薬剤師会、[online]、[令和2年2月10日検索]、インターネット<URL:http://www-eokusuri.nichiyaku.or.jp/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同じ薬品であっても、薬品の効きやすさや副作用の生じやすさ等には個人差がある。従来は、このような個人差に応じた調剤を行うことは困難であった。
上記事情に鑑み、本発明は、薬品に関する個人差に応じてより適切な調剤を行うことを可能とする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、他の装置とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザーの遺伝子に関する情報に基づいて得られる、前記ユーザーにとって使用に注意が必要となる薬品を示す情報と、前記ユーザーに対して処方された薬品を示す情報と、に基づいて、前記ユーザーに対して処方された薬品のうち前記ユーザーにとって使用に注意が必要となる薬品を判定し、判定結果を示す情報を他の装置に提供する制御部と、を備える情報提供装置である。
【0006】
本発明の一態様は、他の装置とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザーの遺伝子に関する情報であるユーザー遺伝子情報と、前記ユーザー遺伝子情報に基づいて得られる、前記ユーザーにとって使用に注意が必要となる薬品を示す注意薬品情報と、を記憶する記憶部と、前記注意薬品情報を他の装置に提供する制御部と、を備える情報管理装置である。
【0007】
本発明の一態様は、他の装置とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザーに対して情報を出力する出力部と、ユーザーに対して処方された薬品のうち前記ユーザーにとって使用に注意が必要となる薬品に関する情報を取得し、前記使用に注意が必要となる薬品に関する情報を、前記出力部を介してユーザーに出力する制御部と、を備えるユーザー端末である。
【0008】
本発明の一態様は、ユーザーにより使用された複数の薬品の相互作用を推定するために、ユーザーが使用した薬品と、当該薬品をユーザーが使用した後に奏した当該ユーザーの身体に係る効果と、時間と、を取得するステップと、取得された前記薬品と前記効果と前記時間とを他の装置へ送信する処理と、記憶装置に蓄積する処理と、の少なくとも一方を行うステップと、を有する取得方法である。
【0009】
本発明の一態様は、ユーザーが使用した薬品を示す情報の入力を受け付ける薬品入力欄と、前記ユーザーが使用した後に奏した当該ユーザーの身体に係る効果を示す情報の入力を受け付ける効果入力欄と、前記ユーザーにより入力された情報の送信の指示を受け付ける送信決定欄と、を有するユーザーインターフェースである。
【0010】
本発明の一態様は、ユーザーにより使用された複数の薬品の相互作用を推定するために、ユーザーが使用した薬品と、当該薬品をユーザーが使用した後に奏した当該ユーザーの身体に係る効果と、時間と、を対応付けて記憶する記憶部を備えるデータベースである。
【0011】
本発明の一態様は、ユーザーの遺伝子に関する情報に基づいて得られる、前記ユーザーにとって使用服用に注意が必要となる薬品薬剤を示す情報と、前記ユーザーに対して処方された薬品薬剤を示す情報と、に基づいて、前記ユーザーに対して処方された薬品薬剤のうち前記ユーザーにとって使用服用に注意が必要となる薬品薬剤を判定するステップと、判定結果を示す情報を他の装置に提供するステップと、を有する情報提供方法である。
【0012】
本発明の一態様は、ユーザーに対して処方された薬品薬剤のうち前記ユーザーにとって使用服用に注意が必要となる薬品薬剤に関する情報を取得するステップと、前記使用服用に注意が必要となる薬品薬剤に関する情報をユーザーに出力するステップと、を有する制御方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、薬品に関する個人差に応じてより適切な調剤を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】薬品情報データベース10の構成例を示す概略図である。
図3】薬品情報の具体例を示す図である。
図4】ユーザー遺伝子情報管理装置20の構成例を示す概略図である。
図5】注意薬品情報の具体例を示す図である。
図6】遺伝関連情報の具体例を示す図である。
図7】情報提供サーバー30の構成例を示す概略図である。
図8】フィードバック情報の具体例を示す図である。
図9】ユーザー端末40の構成例を示す概略図である。
図10】処方箋情報の出力態様の一例を示す図である。
図11】遺伝関連情報が表示された出力態様の一例を示す図である。
図12】遺伝関連情報が表示された出力態様の一例を示す図である。
図13】処方箋情報の出力態様の一例を示す図である。
図14】遺伝関連情報が表示された出力態様の一例を示す図である。
図15】処方箋情報の出力態様の一例を示す図である。
図16】遺伝関連情報が表示された出力態様の一例を示す図である。
図17】使用リマインドの画面例を示す図である。
図18】アンケート画面の具体例を示す図である。
図19】情報提供システム100の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図20】情報提供システム100の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図21】情報提供システム100の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図22】本発明の情報提供システム100の変形例のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図23】情報提供システム100の変形例の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本実施形態のポイントについて説明する。前述した薬品に関する個人差、すなわち所定の薬品の効きやすさや、所定の薬品により奏する副作用と人間の遺伝子多型には相関がある事が知られている。本実施形態では、この相関に基づき、ユーザーの遺伝子多型を利用することで薬品に関する個人差に応じた適切な調剤を行う。
【0016】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。情報提供システム100は、ユーザー又は薬品関係者に対して、薬品の効きやすさや副作用の生じやすさ等の個人差を鑑みた薬品に関する情報(以下「薬品関連情報」という。)を提供するためのシステムである。薬品関係者とは、ユーザーに対して使用される薬品の種類や量を決定する者である。ユーザーに対して使用されるという動作は、ユーザーに対して投薬されることであってもよいし、ユーザーが服用することであってもよいし、ユーザーの身体に貼ることであってもよいし、ユーザーの身体に塗ることであってもよいし、ユーザーに対して注射することであってもよい。薬品がユーザーの体に対して与えられる行為であれば、どのような行為であってもよい。使用される薬品は、服用されるような薬剤であってもよいし、塗布される薬品や注射される薬品であってもよいし、ユーザーに対して与えられるどのような薬品であってもよい。薬品関係者は、例えば医師、調剤施設の者(例えば薬剤師)である。薬品の効きやすさとは、所定の薬品を所定の単位量を与えたことによるユーザーの状態の変化の程度を示す。薬品の効きやすさは、常用量を使用したにも関わらず効果が表れにくい程度を示す情報として定義されてもよい。遺伝子多型により生成される代謝酵素により薬品が分解される速度が速い場合、投与した薬品が効くにくくなる。薬品関連情報は、具体的な薬品の一般名、商品名を示してもよいし、同じ機能を有する薬品の集合を示す情報(同じ成分を有する薬品の複数の商品名や、ジェネリック薬品の商品名など)を示してもよいし、成分名を示してもよい。
【0017】
情報提供システム100は、薬品情報データベース10、ユーザー遺伝子情報管理装置20、情報提供サーバー30、ユーザー端末40及び調剤端末50を含む。薬品情報データベース10、ユーザー遺伝子情報管理装置20、情報提供サーバー30、ユーザー端末40及び調剤端末50は、ネットワーク90を介して通信可能に接続される。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0018】
薬品情報データベース10は、各薬品と遺伝子との関係性を示す情報(以下「薬品情報」という。)を記憶する。ユーザー遺伝子情報管理装置20は、ユーザー毎に遺伝子に関する情報(以下「ユーザー遺伝子情報」という。)を記憶する。ユーザー遺伝子情報管理装置20は、薬品関連情報をユーザー毎に記憶する。薬品関連情報は、薬品情報とユーザー遺伝子情報とに基づいて得られる。薬品関連情報は、注意薬品情報と、遺伝関連情報とを含む。注意薬品情報は、ユーザー毎に、ユーザーにとって使用に注意が必要となる薬品を示す情報である。注意薬品情報は、例えば、使用に関して所定の基準を越えて副作用などの注意が必要となる薬品に関する情報を含んでもよいし、使用したとしても所定の基準を下回る効果しか奏さない可能性のある薬品に関する情報を含んでもよいし、使用した場合に生じる可能性のある副作用に関する情報を含んでもよい。遺伝関連情報は、注意薬品情報に加えてさらに、注意が必要な薬品の原因となっている遺伝子に関する情報を含む。注意の基準は、ユーザーと薬品との関係で定まる注意の度合いや社会の情勢等に応じて、情報提供システム100において適宜設定されてもよい。例えば、アレルギー反応の閾値や、使用したユーザーに対して所定の基準の眠さが生じた割合など、様々な基準に応じて注意の基準が定められてもよい。
【0019】
ユーザー遺伝子情報管理装置20は、通常時は、情報提供サーバー30に対し、注意薬品情報を提供する。情報提供サーバー30は、注意薬品情報に基づいて、ユーザー端末40や調剤端末50に対して、ユーザー個別に注意が必要な薬品に関する情報を提供する。例えば、ユーザーに出された処方箋に、そのユーザーにとって注意が必要な薬品が含まれている場合には、アラートが出されても良い。このような注意薬品情報には、個人の遺伝子に関する情報は含まれない。そのため、個人の遺伝子情報を秘匿しつつ、薬品に関する個人差に応じた情報を提供することが可能となる。
【0020】
さらに、ユーザーの許可が得られたことを示す所定の条件(以下「許可条件」という。)が満たされた場合には、ユーザー遺伝子情報管理装置20は、他の装置(例えばユーザー端末40や調剤端末50)に対して遺伝関連情報の一部又は全部を提供する。遺伝関連情報は、注意薬品情報よりもさらに詳細な情報として、ユーザーの遺伝子に関する情報を含んでいる。提供される遺伝関連情報は、ユーザーによって部分的又は全体的に許可される。例えば、特定の疾病に関する遺伝関連情報のみが提供されるようにユーザーによって許可されてもよい。例えば、特定の薬品に関する遺伝関連情報のみが提供されるようにユーザーによって許可されてもよい。このような遺伝子に関する情報は、許可条件が満たされた場合にのみ提供されるため、ユーザーの個人情報として秘匿する取扱が実現される。また、許可条件が満たされた場合には、他の装置に提供されるため、薬剤師が遺伝関連情報を取得してより適切な調剤を行うことが可能となる。以下、情報提供システム100の詳細について説明する。
【0021】
図2は、薬品情報データベース10の構成例を示す概略図である。薬品情報データベース10は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。薬品情報データベース10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を備える。
【0022】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部13の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0023】
記憶部12は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部12は、制御部13によって使用されるデータを記憶する。記憶部12は、例えば薬品情報を記憶する。図3は、薬品情報の具体例を示す図である。薬品情報は、ある遺伝子情報と、その遺伝子情報を有している場合に代謝に影響が生じうる薬品に関する情報を含む。薬品や影響と対応付けられる遺伝子情報は、遺伝子多型を示す情報であってもよいし、遺伝子型(遺伝子のセット)を示す情報であってもよいし、発現している遺伝子に関する情報であってもよい。薬品情報は、例えばある遺伝子に対して欠損等の変異が生じている場合に代謝に影響が生じうる薬品に関する情報を含む。遺伝子多型は、遺伝子を構成しているDNAの配列の個体差であり、当該個体差により薬品の代謝に影響が生じる。
【0024】
例えば、フェニトインという薬品は、脳損傷患者に症候性てんかん発作予防を目的として用いられることがある。フェニトインは、血中濃度が高くなりすぎると、副作用としてめまいや昏睡などを生じうる。そのため、フェニトインの血中濃度が高くなりすぎることは防止しなければならない。一方で、フェニトインの代謝には、CYPの分子種であるCYP2C9が関与しており、CYP2C9において変異が生じている個体ではフェニトインの代謝がうまく行われない可能性がある。すなわち、CYP2C9において変異が生じている個体では、血中濃度時間曲線下面積の上昇や、半減期の延長が認められる可能性が高い。したがって、このような個体(ユーザー)には、フェニトインの処方において注意が必要となる。薬品情報は、このように遺伝子多型に応じて生じる薬品代謝に関する情報を含む。このような薬品情報は、例えば薬品と遺伝子とに関する論文や、実験結果等に基づいて得られる。薬品情報は、新たな論文や新たな実験結果等に応じて適宜更新される。
【0025】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部13は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、通信制御部131及びデータベース制御部132として機能する。なお、制御部13の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0026】
通信制御部131は、通信部11を介して他の装置との間で行われる通信を制御する。データベース制御部132は、記憶部12に記憶される薬品情報の更新を行う。例えば、他の装置から新たな薬品情報が得られた場合には、データベース制御部132は、得られた情報に基づいて薬品情報を更新する。データベース制御部132は、他の装置から薬品情報の提供が求められた場合には、記憶部12に記憶される薬品情報の一部又は全部を提供する。データベース制御部132は、特定の認証を受けた装置に対してのみ、記憶部12に記憶される薬品情報の一部又は全部を提供するように構成されてもよい。
【0027】
図4は、ユーザー遺伝子情報管理装置20の構成例を示す概略図である。ユーザー遺伝子情報管理装置20は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。ユーザー遺伝子情報管理装置20は、ユーザーによって遺伝子の情報の解析を依頼される組織や、遺伝子の情報の管理を認められた組織によって管理される装置であることが望ましい。ユーザー遺伝子情報管理装置20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。
【0028】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部23の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0029】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23によって使用されるデータを記憶する。記憶部22は、例えばユーザー遺伝子情報及び薬品関連情報を記憶する。記憶部22は、さらにフィードバック情報を記憶してもよい。
【0030】
ユーザー遺伝子情報は、ユーザー毎の遺伝子情報を有する。ユーザーが病院等で採血を受け、採取された血液を解析することによって、ユーザー毎の遺伝子情報が取得されてもよい。例えば、主にSNP(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)と呼ばれる、DNA配列が1塩基だけ異なるタイプの差異をマイクロアレイ等によって検出する解析が行われても良い。このような解析は、ユーザーの全ゲノムについて行われても良いし、特定領域のゲノムについて行われても良い。このような解析は、例えばジェノタイピング業者によって行われてもよい。ユーザー遺伝子情報は、各ユーザーが有する遺伝子多型に関する情報を含む。ユーザー遺伝子情報は、遺伝子型(遺伝子のセット)や、発現している遺伝子に関する情報を含んでもよい。ユーザー遺伝子情報は、各ユーザーに割り当てられたユーザーIDに対応付けて登録されてもよい。ユーザー遺伝子情報管理装置20において用いられるユーザーIDと、情報提供サーバー30において用いられるユーザーIDとは、それぞれ異なるユーザーIDであってもよい。この場合には、記憶部22において、同一ユーザーに割り当てられている各ユーザーIDを対応付けるテーブルが登録されていてもよい。また、同一ユーザーに割り当てられている各ユーザーIDは、例えばユーザーに対して割り当てられている他の識別情報(例えば保険証書の番号)を用いることによって対応付けられてもよい。
【0031】
薬品関連情報は、上述したように、注意薬品情報及び遺伝関連情報を含む。図5は、注意薬品情報の具体例を示す図である。注意薬品情報は、ユーザー毎に、取扱に関して所定の基準を越えて注意が必要となる薬品を示す情報を有する。図5におけるユーザーIDは、各ユーザーを一意に示す識別情報である。例えば、図5の例は、ユーザーID“A1”のユーザーは、フェニトイン及びワルファリンに対して注意が必要であることを示している。
【0032】
図6は、遺伝関連情報の具体例を示す図である。遺伝関連情報は、ユーザー毎に、取扱に関して所定の基準を越えて注意が必要となる薬品を示す情報と、その薬品に注意が必要となる原因となっている遺伝子多型を示す情報と、を有する。図6におけるユーザーIDは、各ユーザーを一意に示す識別情報である。例えば、図6の例は、ユーザーID“A1”のユーザーは、フェニトインに対して注意が必要であり、その原因は遺伝子CYP2C9の遺伝子多型のうち、フェニトインの代謝活性に関与する変異型を有していることに起因することを示している。
【0033】
制御部23は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、通信制御部231、データベース制御部232及び情報提供部233として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0034】
通信制御部231は、通信部21を介して他の装置との間で行われる通信を制御する。データベース制御部232は、記憶部22に記憶される薬品関連情報の更新を行う。例えば、新たにユーザーの遺伝子情報が得られた場合には、データベース制御部232は、得られた遺伝子情報を記憶部32に記録する。データベース制御部232は、新たにユーザーの遺伝子情報が得られると、得られた遺伝子情報と、薬品情報データベース10に記録されている薬品情報と、に基づいて薬品関連情報(注意薬品情報及び遺伝関連情報)を生成する。例えば、データベース制御部232は、新たに得られたユーザーの遺伝子情報と、薬品情報の遺伝子多型の情報とを、一つ一つ一致するか否か照合し、一致する遺伝子多型の情報があった場合には、薬品情報からその遺伝子多型に対応付けられた薬品の情報と影響の情報とを取得して、薬品関連情報を生成してもよい。データベース制御部232は、生成された薬品関連情報を記憶部22に記録する。
【0035】
情報提供部233は、事前に一次同意が得られたユーザーに関してのみ、注意薬品情報を情報提供サーバー30に提供する。さらに、事前に一次同意が得られており、且つ、その後に二次同意が得られたユーザーに関しては、情報提供部233は、遺伝関連情報を所定の他の装置に対して提供する。この場合、一次同意及び二次同意が得られていることが許可条件となる。一次同意は、例えばユーザー端末40に所定のアプリケーションをインストールする際に電子的に得られてもよいし、所定の書面で得られてもよい。一次同意は、一度得られてしまえば、ユーザーから明示的に撤回の申請がなされるまでは、得られたものとして維持されてもよい。各ユーザーについて一次同意が得られているか否かを示す情報が記憶部22に記録されていてもよい。
【0036】
二次同意は、ユーザーから遺伝関連情報の提供の要求が行われる毎に必要となってもよい。すなわち、二次同意が一度得られたとしても、再び遺伝関連情報の提供の要求がなされた場合には、情報提供部233はその都度二次同意をユーザーに求めてもよい。このように構成されることにより、ユーザーの遺伝子に関する情報を適切に保護することが可能となる。
【0037】
図7は、情報提供サーバー30の構成例を示す概略図である。情報提供サーバー30は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。情報提供サーバー30は、ユーザーによって遺伝子の情報の解析を依頼される組織や、遺伝子の情報の管理を認められた組織によって管理される必要はない。情報提供サーバー30は、ユーザーに対して処方された薬品に関する情報を提供するサービスを行う組織によって管理される装置であってもよい。情報提供サーバー30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を備える。
【0038】
通信部31は、通信機器である。通信部31は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部31は、制御部33の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部31は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0039】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部32は、制御部33によって使用されるデータを記憶する。記憶部32は、例えばユーザー遺伝子情報管理装置20から提供された注意薬品情報を記憶する。記憶部32は、例えばユーザー毎に、過去に処方された薬品に関する情報(薬品の処方履歴の情報:例えばお薬手帳に記録される情報)を記憶してもよい。このような薬品に関する情報は、例えば薬品の種別、製品名、数量、使用方法などを含む。
【0040】
制御部33は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部33は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、通信制御部331、データベース制御部332、薬品情報提供部333及びフィードバック情報提供部334として機能する。なお、制御部33の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0041】
通信制御部331は、通信部31を介して他の装置との間で行われる通信を制御する。データベース制御部332は、記憶部32に記憶される注意薬品情報の更新を行う。例えば、データベース制御部332は、所定のタイミングでユーザー遺伝子情報管理装置20に更新情報の有無を問い合わせ、更新情報がある場合には注意薬品情報の更新情報を取得して記憶部32に記録してもよい。
【0042】
薬品情報提供部333は、ユーザー毎に記録される薬品の処方履歴の情報を管理する。薬品情報提供部333は、ユーザー端末40から新たに処方された薬品に関する情報を取得すると、取得された情報を、記憶部32の薬品の処方履歴の情報に登録する。薬品情報提供部333は、新たに処方された薬品の中に、そのユーザーに関する注意薬品情報に含まれた薬品がないか判定する。注意薬品情報に含まれた薬品が処方されている場合、薬品情報提供部333は、その薬品について警告(アラート)を示す情報をユーザー端末40や調剤端末50に送信する。薬品情報提供部333は、ユーザーIDを含む処方履歴要求をユーザー端末40から受信すると、受信されたユーザーIDに対応付けて記憶部32に登録されている処方履歴の情報を読み出し、ユーザー端末40に送信する。
【0043】
フィードバック情報提供部334は、フィードバック情報を取得すると、取得されたフィードバック情報を他の装置に提供する。フィードバック情報提供部334は、例えばユーザー遺伝子情報管理装置20に対してフィードバック情報を提供してもよい。フィードバック情報は、処方された薬品を使用したユーザーによって提供される情報である。フィードバック情報は、ユーザーにより使用された複数の薬品の相互作用を推定するために取得されてもよい。フィードバック情報は、ユーザーが薬品使用後に感じたことや、体調の変化などに関する情報である。フィードバック情報は、定量的な情報(例えば心拍数、ECG(心電図)、脈拍のようなセンサで取得できる情報、血液の所定の成分の変化)であってもよい。フィードバック情報は、薬品を使用したことにより奏するユーザーの体における変化を示す情報であれば、どのような情報であってもよい。フィードバック情報は、さらに以下のような情報を含んでもよい。使用された薬品と、薬品を使用したタイミング(例えば日時)と、を示す情報。薬品の使用から、ユーザーの体調の変化までに要した時間。ユーザーの体調に変化が生じていた時間(効果の持続時間)。副作用の有無を示す情報。症状回復傾向の有無を示す情報。ユーザーが薬品の摂取の前後所定時間内に摂取した食品や飲料を示す情報。ユーザーが摂取した食品や飲料を示す情報と、摂取したタイミング(例えば日時)と、を示す情報。例えば、ユーザーによって摂取された食品や飲料を示す情報が取得されることによって、ユーザーによって使用された薬品と摂取された飲食物との相互作用を推定することが可能となる。フィードバック情報は、例えばユーザー端末40に対してユーザーによって入力され、ユーザー端末40からネットワーク90を介して情報提供サーバー30に送信されてもよい。フィードバック情報の各値は、ユーザー端末40において、ユーザーによって直接入力されてもよいし、予め定義されている選択肢の中からユーザーによって選択されることで入力されてもよい。フィードバック情報提供部334は、取得されたフィードバック情報を記憶部32に記録してもよい。
【0044】
図8は、フィードバック情報の具体例を示す図である。フィードバック情報は、例えばフィードバックを行うユーザーの関連する遺伝子多型、使用した薬品、使用量、使用日時、使用時のユーザーの感想(使用メモ)を含む。
ここで、フィードバック情報を取得する目的の一つについて説明する。単体の薬品に関する副作用や効果、効き方については、製薬会社の実験や医師・薬剤師等のノウハウとして蓄積されることが多い。しかしながら、複数の薬品を同時、若しくは相互に作用を及ぼしうる時間内に投薬した際に奏する副作用や効果、効き方については、単体の薬品と比較すると極めて少数しか蓄積されていないと想定される。複数の薬品の製薬会社が異なる場合はことさらである。そこで、このようなフィードバック情報を蓄積、管理することで、遺伝子型毎に奏する薬品の相互作用を蓄積することができる。遺伝子型を考慮せずに相互作用として蓄積されてもよい。
【0045】
図9は、ユーザー端末40の構成例を示す概略図である。ユーザー端末40は、パーソナルコンピューター、スマートフォン、携帯電話機、携帯ゲーム機、ウェアラブルコンピューター等の情報処理装置を用いて構成される。ユーザー端末40は、通信部41、入力部42、出力部43、記憶部44及び制御部45を備える。
【0046】
通信部41は、通信機器である。通信部41は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部41は、制御部45の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部41は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0047】
入力部42は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部42は、ユーザーの指示をユーザー端末40に入力する際にユーザーによって操作される。入力部42は、入力装置をユーザー端末40に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部42は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号をユーザー端末40に入力する。入力部42は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部42はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報をユーザー端末40に入力する。入力部42は、ユーザーの指示をユーザー端末40に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0048】
出力部43は、出力装置を用いて構成され、ユーザー端末40のユーザーに対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されてもよい。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されてもよい。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。出力部43は、出力装置をユーザー端末40に接続するためのインターフェースであってもよい。
【0049】
記憶部44は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部44は、制御部45によって使用されるデータを記憶する。記憶部44は、例えばユーザー端末40にインストールされた所定のアプリケーションのデータを記憶してもよい。
【0050】
制御部45は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部45は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、通信制御部451、処方箋情報制御部452、遺伝関連情報制御部453及びフィードバック情報制御部454として機能する。なお、制御部45の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0051】
通信制御部451は、通信部41を介して他の装置との間で行われる通信を制御する。
処方箋情報制御部452は、ユーザーに対して新たに処方された薬品に関する情報や、過去に処方された薬品に関する情報を管理する。以下、ユーザーに対して新たに処方された薬品に関する情報の取得処理と、ユーザーに対して過去に処方された薬品に関する情報の取得処理についてそれぞれ説明する。
【0052】
処方箋情報制御部452は、例えば新たにユーザーに対して処方された薬品に関する情報(種別、製品名、数量、使用方法など)を取得し、情報提供サーバー30にユーザーIDとともに送信する。処方された薬品に関する情報は、例えばユーザーが入力部42を操作することによって入力されてもよいし、処方箋等に印刷されたバーコード等の符号化情報が取得されることによって入力されてもよい。この場合、バーコード等の符号化情報は、処方された薬品に関する情報そのものが符号化された情報であってもよいし、処方された薬品に関する情報を蓄積しているサーバー等にアクセスして情報を取得するための情報(例えばURL)が符号化された情報であってもよい。バーコード等の符号化情報は、例えばユーザー端末40に備えられたバーコードリーダーや撮像装置等の装置によって取得される。処方箋情報制御部452は、バーコード等の符号化情報に基づいて、ユーザーに対して新たに処方された薬品に関する情報を取得する。
【0053】
処方箋情報制御部452は、情報提供サーバー30にアクセスすることによって、ユーザーに過去に処方された薬品に関する情報(薬品の処方履歴の情報)を取得する。例えば、処方箋情報制御部452は、ユーザーIDを含む処方履歴要求を情報提供サーバー30に送信する。情報提供サーバー30は、処方履歴要求を受信すると、ユーザーIDに対応付けて登録されている所定期間分の処方の履歴を示す情報をユーザー端末40に送信する。処方箋情報制御部452は、取得された情報を出力部43から出力する。
【0054】
遺伝関連情報制御部453は、ユーザーの操作に応じて、遺伝関連情報をユーザー遺伝子情報管理装置20に要求する。遺伝関連情報制御部453は、ユーザー遺伝子情報管理装置20から遺伝関連情報を受信すると、受信された遺伝関連情報を出力部43から出力する。
【0055】
フィードバック情報制御部454は、ユーザーに対しフィードバック情報の入力を要求する。このような要求は、例えば出力部43から所定の情報を出力することによって行われてもよい。例えば、フィードバック情報の入力が可能な画面を画像表示装置(出力部43)に表示することによって、フィードバック情報の入力の要求が行われてもよい。例えば、フィードバック情報の入力が可能な画面を画像表示装置(出力部43)に表示するとともに、スピーカー(出力部43)からフィードバック情報の入力を促す音声を出力することによって、フィードバック情報の入力の要求が行われてもよい。要求はどのような態様で行われてもよい。フィードバック情報制御部454は、フィードバック情報がユーザーによって入力されると、入力されたフィードバック情報を他の装置に送信する。
【0056】
フィードバック情報にユーザーの遺伝子に関する情報が含まれない場合には、フィードバック情報は、情報提供サーバー30に送信されてもよい。この場合、ユーザーを示すユーザーIDとともにフィードバック情報が送信されてもよい。情報提供サーバー30を経由してフィードバック情報を取得した装置(例えばユーザー遺伝子情報管理装置20)は、ユーザーIDに基づいて、そのユーザーの遺伝子情報とフィードバック情報とを対応付けて記録してもよい。このような処理が行われることによって、情報提供サーバー30に対しては個人情報である遺伝子情報を秘匿しつつ、ユーザー遺伝子情報管理装置20においては遺伝子情報とフィードバック情報とを紐づけて管理することが可能となる。
【0057】
フィードバック情報にユーザーの遺伝子に関する情報が含まれる場合には、フィードバック情報は、情報提供サーバー30には送信されず、ユーザー遺伝子情報管理装置20等の遺伝子情報を管理する特定の装置に送信されてもよい。
【0058】
図10図18は、ユーザー端末40の出力部43の出力例を示す図である。
図10は、処方箋情報の出力態様の一例を示す図である。図10に示されるように、ユーザー端末40の薬品情報提供部333は、取得された処方箋に関する情報に基づいて、処方された各薬品の名称(薬品名)と、その薬品に関するアラートの有無を示す情報と、アラートが出ている場合にはその根拠となっている遺伝子に関連する情報を出力するための操作対象と、がディスプレイに表示されてもよい。操作対象が操作されることは、ユーザーによって二次同意が得られたことを示す。図10において、操作対象は“表示する”という文字列である。この文字列にはハイパーリンクが付与されており、ユーザーによって操作されることによって、予め定められたハイパーリンクのリンク先に遺伝関連情報の要求が送信されてもよい。この場合、ハイパーリンクのリンク先として、ユーザー遺伝子情報管理装置20が設定されていることが望ましい。
【0059】
ユーザーが“表示する”という文字列をクリックすると、ユーザー端末40は、ユーザーIDとアラートが出ている薬品の名称又は識別子を含むリクエストをユーザー遺伝子情報管理装置20に送信する。ユーザー遺伝子情報管理装置20は、当該リクエストを受信すると、遺伝関連情報を含む応答を送信する。当該応答は、ユーザー遺伝子情報管理装置20のユーザーインターフェースをブラウザ上に表示するための情報を含んでもよい。図11は、ユーザー端末40のブラウザ上に表示されるユーザーインターフェースの具体例を示す図である。図11に示されるように、ユーザー端末40のブラウザがユーザー遺伝子情報管理装置20のユーザーインターフェースとして機能することにより、以降のユーザーの操作をユーザー遺伝子情報管理装置20上で処理することができる。ユーザー端末40のブラウザ上に表示されるユーザーインターフェースには、例えば関連する遺伝子多型、薬品及び影響のそれぞれを示す値が対応付けて表示されてもよい。このような表示は、例えば図3に示す薬品情報のテーブルを示す表示であってもよい。
【0060】
図12は、遺伝関連情報が表示された出力態様の他の一例を示す図である。図12では、図10において“表示する”という文字列が操作された後の他の画面例を示す。図12の例では、“表示する”という文字列(操作対象)が表示されていた場所に、遺伝関連情報が表示されている。
【0061】
図13は、処方箋情報の出力態様の一例を示す図である。図13では、図10に示される処方箋情報に加えてさらに、遺伝関連情報を表示するための表示枠が表示されている。
【0062】
図14は、遺伝関連情報が表示された出力態様の一例を示す図である。図14では、図13において“表示する”という文字列が操作された後の画面例を示す。“表示する”という文字列(操作対象)が表示されていた場所ではなく、予め設けられていた遺伝関連情報の表示枠の内側に、遺伝関連情報が表示されている。また、図14では、図13において“表示する”という文字列(操作対象)が表示されていた場所には、“表示しない”という文字列の操作対象が表示されている。この操作対象が操作された場合には、遺伝関連情報制御部453は、遺伝関連情報の表示枠内に表示されている遺伝関連情報を表示しないように制御する。例えば、再び図13のような画面に遷移するような制御が行われてもよい。
【0063】
図15は、処方箋情報の出力態様の一例を示す図である。図15に示されるように、ユーザー端末40の薬品情報提供部333は、取得された処方箋に関する情報に基づいて、処方された各薬品の名称(薬品名)と、その薬品に関するアラートの有無を示す情報と、を処方箋情報の表示枠内に表示してもよい。また、アラートが出ている場合にはその根拠となっている遺伝子に関連する情報を出力するための操作対象は、予め設けられた遺伝関連情報の表示枠内に表示されてもよい。図15の例では、操作対象は“表示する”という文字列を含むボタンである。このボタンがユーザーによって操作されることに応じて、遺伝関連情報制御部453は、ユーザー遺伝子情報管理装置20に対して遺伝関連情報の送信を要求する。
【0064】
図16は、遺伝関連情報が表示された出力態様の一例を示す図である。図16では、図15において“表示する”というボタンが操作された後の画面例を示す。“表示する”というボタン(操作対象)が表示されていた場所に、遺伝関連情報として、遺伝関連情報の符号化情報が表示されている。図16では、符号化情報の具体例として二次元コードが表示されている。例えば、調剤施設501において使用されている調剤端末50が操作されてこの二次元コードが復号されると、調剤端末50においてユーザーの遺伝子情報が出力される。符号化情報が、遺伝子関連情報そのものを符号化することによって得られた情報であれば、調剤端末50は、符号化情報を復号することによってすぐに遺伝子情報をディスプレイに表示することができる。符号化情報は、遺伝子関連情報を蓄積しているサーバー等(例えばユーザー遺伝子情報管理装置20)にアクセスして情報を取得するための情報(例えばURL)が符号化された情報であってもよい。この場合、調剤端末50は、復号によって得られた情報に基づいて他の装置にアクセスすることによって、ユーザーの遺伝子情報を取得しディスプレイに表示してもよい。
【0065】
図17は、使用リマインドの画面例を示す図である。処方箋情報制御部452は、現在処方されている薬品に関する情報(特に使用方法)に基づいて、ユーザーが薬品を使用すべきタイミングを判定する。例えば、使用方法として、朝・晩それぞれ食後と定義されていた場合には、処方箋情報制御部452は、予めデフォルト又はユーザー個別に設定された朝食の時刻と夕飯の時刻から所定の時間経過後のタイミングで、使用リマインドの画面を表示する。図17に示されるように、使用リマインドの画面には、薬品を使用するタイミングであることを示す文字や画像(例えば“薬の時間です”という文字列)が表示されてもよい。さらに、ユーザーが使用することをユーザー端末40に示すためのボタンとして、操作対象が表示されてもよい。図17の例では、操作対象として“使用する”という文字を含むボタンが表示されている。ユーザーが操作対象を操作すると、処方箋情報制御部452は、ユーザーによってそのタイミングで使用が行われたことを記録する。
【0066】
フィードバック情報制御部454は、使用リマインドの画面が表示された後、アンケート画面(フィードバック情報入力画面)を表示してもよい。図18は、アンケート画面の具体例を示す図である。アンケート画面には、少なくとも所定のフィードバック情報の入力を促す文字や画像が含まれる。図18の例では、フィードバック情報として、使用後のユーザーの状態の選択肢が3つ表示されている。各選択肢には、チェックボックス等の入力のための画像などが対応付けて表示されてもよい。ユーザーは、アンケート画面において、フィードバック情報を入力する。フィードバック情報制御部454は、アンケート画面を介してユーザーによって入力されたフィードバック情報を取得する。なお、図18では、ユーザーによって使用された薬品を示す情報(薬品名)と、使用された薬品の量を示す情報(使用量)と、は予め画面に表示されている。しかしながら、これらの情報もユーザーによる操作に応じて入力されてもよい。また、図18では、使用メモとしてユーザーによって薬品が使用された日時が記載されているが、このような日時はユーザーによって直接入力されてもよいし、ユーザーによって図18の画面が表示された日時としてフィードバック情報提供部454によって取得されてもよいし、図17の“使用する”ボタンが操作された日時として取得されてもよい。
【0067】
図19は、情報提供システム100の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。ユーザー遺伝子情報管理装置20は、ユーザーの新たな遺伝子情報を取得すると(ステップS101)、遺伝子情報が取得された対象のユーザーについて一次同意がなされているか否か判定する。一次同意がなされていない場合には(ステップS102-NO)、ユーザー遺伝子情報管理装置20の処理は終了し、その後に情報提供サーバー30及びユーザー端末40によってステップS105以降の処理が行われる。
【0068】
一方、一次同意がなされている場合(ステップS102-YES)、ユーザー遺伝子情報管理装置20は、対象のユーザーについて、注意薬品情報を生成する(ステップS103)。そして、ユーザー遺伝子情報管理装置20は、対象のユーザーに関する注意薬品情報を情報提供サーバー30に送信する(ステップS104)。
【0069】
情報提供サーバー30は、注意薬品情報を受信すると、記憶部32に注意薬品情報を記録する。その後、処方箋情報が取得されると(ステップS105)、情報提供サーバー30は、処方箋情報に含まれる薬品の中に、注意薬品情報に定義されている薬品が含まれていないか否か判定する(ステップS106)。処方箋情報に含まれる薬品の中に、注意薬品情報に定義されている薬品が含まれている場合(ステップS106-YES)、情報提供サーバー30は、その薬品に対してアラート情報が付加された処方箋情報を生成する(ステップS107及びS108)。一方、処方箋情報に含まれる薬品の中に、注意薬品情報に定義されている薬品が含まれていない場合(ステップS106-NO)、情報提供サーバー30は、アラート情報が付加されていない処方箋情報を生成する(ステップS108)。その後、情報提供サーバー30は、生成された処方箋情報をユーザー端末40に送信する(ステップS109)。
【0070】
ユーザー端末40は、処方箋情報を情報提供サーバー30から受信すると、受信された処方箋情報を出力する。例えば、ユーザー端末40は、出力部43の一態様であるディスプレイに、処方箋情報を表示する(ステップS110)。
【0071】
図20は、情報提供システム100の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。図20は、特に図19のステップS110の後の処理の流れを示す。ユーザー端末40において、二次同意を示す操作が行われるまでは(ステップS201-NO)、処方箋情報が表示されている。なお、図示していないが、処方箋情報の表示を終えることを示す操作がなされた場合には、処方箋情報の表示が終了されてもよい。ユーザー端末40において、二次同意を示す操作が行われると(ステップS201-YES)、ユーザー端末40は遺伝関連情報をユーザー遺伝子情報管理装置20に要求する。
【0072】
ユーザー遺伝子情報管理装置20は、ユーザー端末40から二次同意がなされたことを示す遺伝関連情報要求を受信すると、そのユーザーの遺伝関連情報を生成する。そして、ユーザー遺伝子情報管理装置20は、生成された遺伝関連情報をユーザー端末40に送信する(ステップS203)。ユーザー端末40は、遺伝関連情報を受信すると、受信された遺伝関連情報を出力する。例えば、ユーザー端末40は、出力部43の一態様であるディスプレイに、遺伝関連情報を表示する(ステップS204)。
【0073】
図21は、情報提供システム100の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。図21は、特にフィードバック情報に関する処理の流れを示す。ユーザー端末40において、フィードバック情報の入力を示す操作が行われると(ステップS301)、フィードバック情報提供部454は、ユーザー端末40においてフィードバック情報入力画面を表示する(ステップ302)。フィードバック情報入力画面に設けられた各入力欄に対し値の入力が行われると、フィードバック情報制御部454は、入力された値を受け付ける。値の入力は、値の直接入力で行われてもよいし、予め設けられた選択肢の中から選択する形でおこなわれてもよいし、他の態様での入力が行われてもよい。その後に、ユーザーによってフィードバック情報の送信指示が行われると(ステップS304-YES)、フィードバック情報制御部454は、それまでにユーザーによって入力された情報を含むフィードバック情報を生成し、所定の他の装置に送信する(ステップS305)。図21の例では、フィードバック情報制御部454は、ユーザー遺伝子情報管理装置20に対してフィードバック情報を送信する。
【0074】
このように構成された情報提供システム100では、薬品に関する個人差に応じてより適切な調剤を行うことが可能となる。具体的には以下のとおりである。情報提供システム100では、個人の遺伝子情報に基づいて、個人毎に注意が必要となる薬品を判断し、注意薬品情報として情報提供サーバー30に提供される。情報提供サーバー30では、新たにユーザーに出された処方箋に含まれる薬品について、個人毎に注意が必要となる薬品が含まれていないか判定される。そして、そのような薬品が含まれている場合には、ユーザーに対してその薬品に関してアラートが出される。そのため、ユーザーは、一般的な人であれば特に注意が必要のない薬品に関しても、遺伝子に基づく個人差で注意すべき薬品について注意を払って使用方法などを薬剤師や医師に相談することが可能となる。
【0075】
また、情報提供システム100では、情報提供サーバー30に提供される注意薬品情報には、個人の遺伝子に関する情報は含まれない。そのため、上述した効果を奏しつつも、個人情報としての遺伝子情報を秘匿することができる。
【0076】
また、情報提供システム100では、より詳細な遺伝子情報に基づいて調剤が行われることをユーザーが希望する場合には、二次同意にかかる操作を行うことによって、個人情報としての遺伝子情報(遺伝関連情報)を取得することができる。この場合、ユーザーは、自身の遺伝子に基づいてより詳細な注意を払って処方や使用方法などを薬剤師や医師に相談することが可能となる。また、上述した処理では、ユーザー遺伝子情報管理装置20から情報提供サーバー30を介することなく遺伝子情報を取得できる。そのため、上述した効果を奏しつつも、個人情報としての遺伝子情報を秘匿することができる。
【0077】
また、情報提供システム100では、処方された薬品を使用したユーザーは、薬品使用後に感じたことや、体調の変化などに関する情報をフィードバック情報としてユーザー端末40に入力できる。フィードバック情報は、ユーザー遺伝子情報管理装置20等の他の装置に提供される。そのため、実際に各薬品を使用したユーザーの体調の変化などに基づいて、よりよい薬品を開発することが可能となる。このような用途に鑑みると、フィードバック情報に、ユーザーの遺伝子情報が含まれていることはより好ましい。なお、ユーザーが複数の薬品を使用している場合は、それぞれの薬品について、使用した薬品、使用量、使用日時をフィードバックできるようにしてもよい。また、併せてユーザーの自覚症状とそれが表れた日時をフィードバックできるようにしてもよい。複数の薬品を使用する場合、いずれかの薬品による副作用であるか、組合せによる副作用であるかをユーザーが判別することは難しいが、各薬品の使用日時と自覚症状が表れた日時を取得することにより専門家等により分析することができるようになる。
【0078】
(変形例)
各装置に実装された機能は、複数の装置にまたがって実装されてもよい。例えば、ユーザー遺伝子情報管理装置は、複数の情報処理装置を用いて実現されてもよい。例えば、データベース制御部232の処理を行う情報処理装置と、情報提供部233の処理を行う情報処理装置と、に分けてユーザー遺伝子情報管理装置20が実現されてもよい。
【0079】
図22は、本発明の情報提供システム100の変形例のシステム構成を示す概略ブロック図である。情報提供システム100の変形例では、情報提供システム100に医師端末60が備えられる。医師端末60は、医療施設601に設置される。医師端末60は、ユーザーに対して薬品を処方する医師によって使用される情報処理装置である。医師は、医師端末60に対して、患者であるユーザーのユーザーIDを入力する。ユーザーIDは、例えば医療施設601において使用されているユーザーIDであってもよい。この場合、情報提供サーバー30等のいずれかの装置において、医療施設601において使用されているユーザーIDと、情報提供サーバー30において使用されているユーザーIDとを対応付ける情報が登録されていることが好ましい。医師は、医師端末60に対して、患者であるユーザーに処方する予定の薬品に関する情報(以下「処方候補情報」という。)を入力する。医師端末60は、入力された処方候補情報に、入力されたユーザーIDが示すユーザーの注意薬品情報に含まれる薬品が含まれている場合には、その薬品の情報を出力する。なお、薬品に関する情報として、薬品そのものの名前のみが使用されてもよい。
【0080】
図23は、情報提供システム100の変形例の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。医師は、医師端末60に対し、患者であるユーザーのユーザーIDと、処方候補情報とを入力する(ステップS301)。医師端末60は、入力された処方候補情報を情報提供サーバー30に送信する(ステップs302)。
【0081】
情報提供サーバー30は、処方候補情報に含まれる薬品の中に、注意薬品情報に定義されている薬品が含まれていないか否か判定する(ステップS303)。処方候補情報に含まれる薬品の中に、注意薬品情報に定義されている薬品が含まれている場合は、情報提供サーバー30は、その薬品に注意が必要であることを示す情報(アラート情報)を判定結果として生成する。一方、処方候補情報に含まれる薬品の中に、注意薬品情報に定義されている薬品が含まれていない場合は、情報提供サーバー30は、そのことを示す情報を判定結果として生成する。その後、情報提供サーバー30は、生成された判定結果を医師端末60に送信する(ステップS304)。
【0082】
医師端末60は、判定結果を情報提供サーバー30から受信すると、受信された判定結果を出力する。例えば、医師端末60は、ディスプレイに判定結果を表示する(ステップS305)。
【0083】
他の変形例として、情報提供サーバー30は、薬品毎に、同種の薬効を有する他の薬品を示すリストを記憶してもよい。例えば、薬品毎に、その薬品の代替薬品として使用可能な他の薬品を示すリストが記憶されてもよい。情報提供サーバー30の薬品情報提供部333は、新たに処方された薬品や処方候補情報の薬品に、そのユーザーの注意薬品情報の薬品が含まれている場合、そのユーザーの注意薬品情報に含まれていない薬品であって且つその薬品の代替薬品として使用可能な他の薬品を検索する。そして、情報提供サーバー30の薬品情報提供部333は、検索結果を示す情報(検索された他の薬品を示す情報)を、他の装置(ユーザー端末40、調剤端末50又は医師端末60)に送信してもよい。
【0084】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、薬品の調剤を行う技術に適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
100…情報提供システム, 10…薬品情報データベース, 20…ユーザー遺伝子情報管理装置, 30…情報提供サーバー, 40…ユーザー端末, 50…調剤端末, 90…ネットワーク, 11…通信部, 12…記憶部, 13…制御部, 131…通信制御部, 132…データベース制御部, 21…通信部, 22…記憶部, 23…制御部, 231…通信制御部, 232…データベース制御部, 233…情報提供部, 31…通信部, 32…記憶部, 33…制御部, 331…通信制御部, 332…データベース制御部, 333…薬品情報提供部, 334…フィードバック情報提供部, 41…通信部, 42…入力部, 43…出力部, 44…記憶部, 45…制御部, 451…通信制御部, 452…処方箋情報制御部, 453…遺伝関連情報制御部, 454…フィードバック情報制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図19
図20
図21
図22
図23