(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027179
(43)【公開日】2024-02-29
(54)【発明の名称】区画部材、面状光源、液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240221BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240221BHJP
【FI】
F21S2/00 484
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004102
(22)【出願日】2024-01-15
(62)【分割の表示】P 2021211382の分割
【原出願日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】P 2021099711
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】芝井 功喜
(72)【発明者】
【氏名】庄 功裕
(72)【発明者】
【氏名】山田 元量
(72)【発明者】
【氏名】柏木 直哉
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 慎平
(57)【要約】
【課題】区画部材を有する面状光源において、区画部材の熱収縮を抑制する。
【解決手段】本面状光源は、基板と、前記基板上に配置された複数の光源と、前記基板上に配置された少なくとも1つの区画部材と、を有し、前記区画部材は、第1方向に延在する第1稜線を有する複数の第1壁部と、前記第1方向と交差する第2方向に延在する第2稜線を有する複数の第2壁部と、対向する2つの前記第1壁部及び対向する2つの前記第2壁部を含み、平面視で前記第1稜線及び前記第2稜線に囲まれる区画領域と、を有し、前記区画領域は、前記第1方向及び前記第2方向に複数配置され、少なくとも1つの前記第1稜線上に、少なくとも1つの第1切り込み部が設けられ、前記光源は、前記区画領域内にそれぞれ配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された複数の光源と、
前記基板上に配置された少なくとも1つの区画部材と、を有し、
前記区画部材は、
第1方向に延在する第1稜線を有する複数の第1壁部と、
前記第1方向と交差する第2方向に延在する第2稜線を有する複数の第2壁部と、
対向する2つの前記第1壁部及び対向する2つの前記第2壁部を含み、平面視で前記第1稜線及び前記第2稜線に囲まれる区画領域と、を有し、
前記区画領域は、前記第1方向及び前記第2方向に複数配置され、
少なくとも1つの前記第1稜線上に、少なくとも1つの第1切り込み部が設けられ、
前記光源は、前記区画領域内にそれぞれ配置される、面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、区画部材、面状光源、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の発光素子が配列された基板と、基板上に設けられた反射部材とを備えた照明装置が知られている。この照明装置では、反射部材に設けられた各開口内に発光素子が配置されている。この照明装置では、高温環境下において反射部材が熱収縮し、輝度ムラが生じる場合があるため、反射部材の熱収縮の影響を低減する対策が施されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、区画部材を有する面状光源において、区画部材の熱収縮を抑制することを目的とする。また、この面状光源に用いる区画部材、及びこの面状光源を用いた液晶表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る面状光源は、基板と、前記基板上に配置された複数の光源と、前記基板上に配置された少なくとも1つの区画部材と、を有し、前記区画部材は、第1方向に延在する第1稜線を有する複数の第1壁部と、前記第1方向と交差する第2方向に延在する第2稜線を有する複数の第2壁部と、対向する2つの前記第1壁部及び対向する2つの前記第2壁部を含み、平面視で前記第1稜線及び前記第2稜線に囲まれる区画領域と、を有し、前記区画領域は、前記第1方向及び前記第2方向に複数配置され、少なくとも1つの前記第1稜線上に、少なくとも1つの第1切り込み部が設けられ、前記光源は、前記区画領域内にそれぞれ配置される。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、区画部材を有する面状光源において、区画部材の熱収縮を抑制できる。また、この面状光源に用いる区画部材、及びこの面状光源を用いた液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】連続切り込み部の他の例を示す断面図(その1)である。
【
図6】連続切り込み部の他の例を示す断面図(その2)である。
【
図7】比較例に係る区画部材1Xにおける熱負荷による収縮について説明する図である。
【
図8】区画部材1における熱負荷による収縮の抑制について説明する図である。
【
図10】区画部材1Bを例示する部分平面図である。
【
図11】区画部材1Cを例示する部分平面図である。
【
図12】区画部材1Dを例示する部分平面図である。
【
図13】区画部材1Eを例示する部分平面図である。
【
図14】区画部材1Fを例示する部分平面図である。
【
図15】第1実施形態に係る面状光源を例示する平面図である。
【
図17】区画部材2を例示する部分平面図(その1)である。
【
図18】区画部材2を例示する部分平面図(その2)である。
【
図19】区画部材2Aを例示する部分平面図(その1)である。
【
図20】区画部材2Aを例示する部分平面図(その2)である。
【
図21】第3実施形態に係る液晶ディスプレイ装置を例示する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる。しかし、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分または部材を示す。
【0009】
更に、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための面状光源等を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材料、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施形態において説明する内容は、他の実施形態や変形例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。さらに、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略した模式図を用いたり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。
【0010】
〈第1実施形態〉
第1実施形態では、まず区画部材について説明し、その後、基板上に区画部材及び光源を配置した面状光源について説明する。
【0011】
[区画部材1]
図1は、区画部材1を例示する平面図である。
図2は、
図1のII-II線における断面図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、区画部材1は、複数の第1壁部10と、複数の第2壁部20と、複数の区画領域30とを有する。複数の第1壁部10は、例えば、互いに平行に配置される。また、複数の第2壁部20は、例えば、互いに平行に配置される。区画部材1は、必要に応じて複数の底部40を有してもよい。以降は、区画部材1が複数の底部40を有する場合を例にして説明する。
【0013】
第1壁部10は、第1方向に延在する第1稜線11と、第1側壁12と、第2側壁13とを有する。第1側壁12と第2側壁13は、平面視で、第1稜線11を挟んで配置される。第1側壁12の上端と第2側壁13の上端とは連続する。第1側壁12と第2側壁13との間には空間がある。
【0014】
第1稜線11は、第1壁部10の最も高い位置を繋いだ線である。第1稜線11の近傍は、第1稜線11と直交する方向で切った断面視で、尖がった形状であってもよいし、丸みを帯びた形状であってもよい。また、第1稜線11は、ごく狭い幅の平坦部が線状に伸びた形状であってもよい。ここでの平坦部は、ネジ止めに使用できるような広い幅ではなく、ネジ穴より狭い幅である。この平坦部の幅は、例えば1mm以下である。また、第1稜線11は、ネジ止めに使用できるような拡幅する部分を有していなく、実質的に一定幅である。
【0015】
第2壁部20は、第1方向と交差する第2方向に延在する第2稜線21と、第3側壁22と、第4側壁23とを有する。第3側壁22と第4側壁23は、平面視で、第2稜線21を挟んで配置される。第3側壁22の上端と第4側壁23の上端とは連続する。第3側壁22と第4側壁23との間には空間がある。
【0016】
第2稜線21は、第2壁部20の最も高い位置を繋いだ線である。第2稜線21の近傍は、第2稜線21と直交する方向で切った断面視で、尖がった形状であってもよいし、丸みを帯びた形状であってもよい。また、第2稜線21は、ごく狭い幅の平坦部が線状に伸びた形状であってもよい。ここでの平坦部は、ネジ止めに使用できるような広い幅ではなく、ネジ穴より狭い幅である。この平坦部の幅は、例えば1mm以下である。また、第2稜線21は、ネジ止めに使用できるような拡幅する部分を有していなく、実質的に一定幅である。
【0017】
図1では、互いに直交するX方向及びY方向を規定し、X方向及びY方向に垂直な方向をZ方向としている。区画部材1において、2つの稜線が延在する方向のうち、どちらを第1方向としてもよい。ここでは、
図1における直交するX方向及びY方向のうち、X方向を第1方向X、Y方向を第2方向Yとして以下の説明を行う。ただし、区画部材1において、第1方向と第2方向とは直交しなくてもよい。なお、以降の説明において、対象部の-X方向をX-側、+X方向をX+側、-Y方向をY-側、+Y方向をY+側と称する場合がある。
【0018】
区画領域30は、平面視で、第1稜線11及び第2稜線21に囲まれる領域である。区画領域30は、第1方向及び第2方向に複数配置される。
図1の例では、複数の区画領域30が第1方向Xを行方向、第2方向Yを列方向として行列状に配置されている。各行方向に配置される区画領域30の個数は、同じでもよいし、異なってもよい。また、各列方向に配置される区画領域30の個数は、同じでもよいし、異なってもよい。
図1の例では、平面視で、複数の矩形の区画領域30が4行8列に配置されている。
【0019】
各区画領域30は、対向する2つの第1壁部10、対向する2つの第2壁部20、及び底部40を含む。底部40は、例えば、平面視で矩形である。各区画領域30において、対向する2つの第1壁部10は、底部40のY-側の外縁に位置する第1側壁12と、底部40のY+側の外縁に位置する第2側壁13である。また、各区画領域30において、対向する2つの第2壁部20は、底部40のX-側の外縁に位置する第3側壁22と、底部40のX+側の外縁に位置する第4側壁23である。
【0020】
底部40の外縁は、第1側壁12、第2側壁13、第3側壁22、及び第4側壁23の下端と繋がっている。つまり、第1側壁12、第2側壁13、第3側壁22、及び第4側壁23は、平面視で底部40を取り囲んで枠状に配置されている。第1側壁12、第2側壁13、第3側壁22、及び第4側壁23は、底部40に対して傾斜している。各区画領域30において、対向する第1側壁12と第2側壁13で挟まれた領域の間の第2方向Yの距離は、底部40側ほど狭く、上部に向かうほど広くなる。また、各区画領域30において、対向する第3側壁22と第4側壁23で挟まれた領域の間の第1方向Xの距離は、底部40側ほど狭く、上部に向かうほど広くなる。
【0021】
底部40に、開口部40xを有する。開口部40xは、区画部材1を面状光源に使用する場合に、光源を配置可能な領域である。開口部40xは、例えば、底部40の中央部に配置され、第1側壁12、第2側壁13、第3側壁22、及び第4側壁23の下端に達しない。平面視で、開口部40xの面積は底部40の面積より小さい。開口部40xは、例えば、平面視で円形である。
【0022】
底部40の中央部を通り第2方向Yに平行に切った縦断面視で、第1稜線11、第1側壁12、及び第2側壁13を含む第1壁部10の形状は、下方に開口するV字状が好ましい。また、底部40の中央部を通り第1方向Xに平行に切った縦断面視で(例えば、
図2)、第2稜線21、第3側壁22、及び第4側壁23を含む第2壁部20の形状は、下方に開口するV字状が好ましい。
【0023】
なお、区画部材1全体のY-側の外縁に位置する第1壁部10は、第2側壁13を有していなくてもよい。この場合、区画部材1全体のY-側の外縁に位置する第1稜線11は、第1側壁12の上端である。区画部材1全体のY-側の外縁に位置する第2壁部20に、第2切り込み52が設けられてもよいし、設けられていなくてもよい。また、区画部材1全体のY+側の外縁に位置する第1壁部10は、第1側壁12を有していなくてもよい。この場合、区画部材1全体のY+側の外縁に位置する第1稜線11は、第2側壁13の上端である。区画部材1全体のY+側の外縁に位置する第2壁部20に、第2切り込み52が設けられてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0024】
また、区画部材1全体のX-側の外縁に位置する第2壁部20は、第4側壁23を有していなくてもよい。この場合、区画部材1全体のX-側の外縁に位置する第2稜線21は、第3側壁22の上端である。区画部材1全体のX-側の外縁に位置する第1壁部10に、第1切り込み51が設けられてもよいし、設けられていなくてもよい。また、区画部材1全体のX+側の外縁に位置する第2壁部20は、第3側壁22を有していなくてもよい。この場合、区画部材1全体のX+側の外縁に位置する第2稜線21は、第4側壁23の上端である。区画部材1全体のX+側の外縁に位置する第1壁部10に、第1切り込み51が設けられてもよいし、設けられていなくてもよい。
【0025】
図3は、
図1の領域Aの部分平面図である。区画部材1は、第1稜線11上に設けられた第1切り込み部51と、第2稜線21上に設けられた第2切り込み部52とを有する。
図3では、第1切り込み部51と第2切り込み部52とが連続した連続切り込み部50を例示する。区画部材1及び後述する区画部材1Aでは、第1切り込み部51及び第2切り込み部52の説明を連続切り込み部50で説明する場合がある。第1切り込み部51は、例えば、第1方向Xに伸びる直線状であり、第2切り込み部52は、例えば、第2方向Yに伸びる直線状である。第1切り込み部51と第2切り込み部52の長さは、例えば同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
図4は、
図3のIV-IVにおける断面図である。
図4に示すように、連続切り込み部50は第1壁部10又は第2壁部20を貫通してもよい。
図5は、連続切り込み部の他の例を示す断面図(その1)である。
図6は、連続切り込み部の他の例を示す断面図(その2)である。
図5及び
図6は、
図4に対応する断面を示している。
図5及び
図6に示すように、連続切り込み部50は第1壁部10又は第2壁部20を貫通していなくてもよい。
【0027】
すなわち、第1切り込み部51は第1壁部10を貫通してもよいし、貫通していなくてもよい。例えば、第1切り込み部51は、有底の凹部でもよい。第1切り込み部51が第1壁部10を貫通しない場合、第1切り込み部51の深さは第1壁部10の厚みの半分以上であることが好ましい。第1切り込み部51が第1壁部10を貫通しない場合、第1切り込み部51は第1稜線11上に配置されてもよいし、第1稜線11の直下に位置する第1壁部10の下面に配置されてもよい。区画部材1を後述する面状光源に用いる場合、第1切り込み部51が第1壁部10の下面に配置されると、輝度ムラ等の光学的影響が生じることを抑制できる。
【0028】
また、第2切り込み部52は第2壁部20を貫通してもよいし、貫通していなくてもよい。例えば、第2切り込み部52は、有底の凹部でもよい。第2切り込み部52が第2壁部20を貫通しない場合、第2切り込み部52の深さは第2壁部20の厚みの半分以上であることが好ましい。第2切り込み部52が第2壁部20を貫通しない場合、第2切り込み部52は第2稜線21上に配置されてもよいし、第2稜線21の直下に位置する第2壁部20の下面に配置されてもよい。区画部材1を後述する面状光源に用いる場合、第2切り込み部52が第2壁部20の下面に配置されると、輝度ムラ等の光学的影響が生じることを抑制できる。
【0029】
平面視で、連続切り込み部50は十字状である。例えば、第1切り込み部51は第2切り込み部52の中点を通り、第2切り込み部52は第1切り込み部51の中点を通る。連続切り込み部50において、第1切り込み部51と第2切り込み部52の交点は、交点Iと一致する。連続切り込み部50は、少なくとも1つ設ければよい。
図3の例では、すべての交点Iに連続切り込み部50が配置されている。なお、平面視で、交点Iに設けられる連続切り込み部50の形状は、十字状に限らず、L字状、I字状、T字状等でもよい。
【0030】
一つの交点Iに配置された第1切り込み部51と第2切り込み部52は、その交点Iに隣接する他の交点Iから離れて配置される。隣接する交点Iにも連続切り込み部50が設けられている場合、隣接する連続切り込み部50は離隔しており、互いに非接触である。連続切り込み部50を構成する第1切り込み部51と第2切り込み部52の各々の長さは、例えば、区画領域30の一辺の長さより短い。第1切り込み部51と第2切り込み部52の各々の長さは、例えば、1つの区画領域30の一辺の長さの3分の1の長さとすることができる。
【0031】
なお、
図3では、連続切り込み部50の位置を明確に示すため、便宜上、連続切り込み部50を誇張した太線で描いている。しかし、実際には、連続切り込み部50を構成する第1切り込み部51及び第2切り込み部52は、例えば、第1稜線11及び第2稜線21に第1切り込み部51及び第2切り込み部52が設けられていない区画部材中間体を準備してカッター等の刃物を用いて切り込みを入れる方法により例えば数百μm程度の幅に形成される。
【0032】
また、区画部材1は、射出成形等で成形する方法でもよい。射出成形等で行う成形する場合、第1切り込み部51及び第2切り込み部52に相当する部分に金型を配置して、第1切り込み部51及び第2切り込み部52に相当する部分に部材が形成されないように行う。このように、「切り込む」という工程を経ずに得られたものについても、切り込み部に含むものとする。
【0033】
また、第1切り込み部51及び第2切り込み部52は、例えば、第1稜線11及び第2稜線21に第1切り込み部51及び第2切り込み部52が設けられていない区画部材中間体を準備して刃型を用いた打ち抜き加工で形成してもよい。具体的には、例えば、刃型を区画部材中間体の下面側に設置し、区画部材中間体の上面側から当て板を用いてプレスすることで、区画部材中間体に第1切り込み部51及び第2切り込み部52を形成することができる。この方法は、第1切り込み部51及び第2切り込み部52を形成する際にバリが生じにくい点で好ましい。この場合、一度の打ち抜きで区画部材中間体の全体に第1切り込み部51及び第2切り込み部52を形成してもよいし、複数回に分けて打ち抜いてもよいし、一か所ずつ打ち抜いてもよい。
【0034】
第1切り込み部51を挟んで第1側壁12と第2側壁13との少なくとも一部が接する場合がある。また、第2切り込み部52を挟んで第3側壁22と第4側壁23との少なくとも一部が接する場合がある。このように、第1切り込み部51及び/又は第2切り込み部52の少なくとも一部が接することによって、区画部材1が光反射性を有し、後述する面状光源に用いる場合に、光源から第1切り込み部51及び/又は第2切り込み部52に直接入射する光や、光学シート等から戻ってきた光が第1切り込み部51及び/又は第2切り込み部52内に進行することを抑制できる。これにより、面状光源からの光取り出し量の低下を抑制できる。
【0035】
区画部材1は、基板上に配置されて基板と接合され、面状光源を構成することが可能である。区画部材1が光反射性を有する場合、第1壁部10の第1側壁12と第2側壁13、第2壁部20の第3側壁22と第4側壁23、及び底部40は、光源からの光を反射する反射部材として機能する。つまり、区画部材1は、面状光源のリフレクタとして用いることができる。
【0036】
なお、『基板上に配置される』とは、区画部材等が基板の上面に直接配置される場合と、後述の被覆部材等を挟んで間接的に配置される場合の両方を含むものとする。また、『基板と接合される』とは、区画部材等が基板の上面に直接接合される場合と、後述の被覆部材等を挟んで間接的に基板と接合される場合の両方を含むものとする。
【0037】
区画部材1が基板上に配置され、各開口部40x内に露出された基板上に光源が配置された面状光源では、高温環境下での保管や光源駆動時等、区画部材1に熱負荷がかかると、区画部材1に収縮が生じる場合がある。なお、高温環境下で保管すると、区画部材1の単体でも熱収縮が生じる場合がある。
【0038】
例えば、
図7に示す比較例に係る区画部材1Xでは、切り込み部が全く設けられていないとする。区画部材1Xに熱負荷がかかると、区画部材1Xは矢印に示すように中央部に向かって収縮しようとする。区画部材1Xの大きさが平面視で大きいほど、区画部材1Xの収縮は大きい。熱負荷により区画部材1Xが収縮すると、各区画領域30において光源から第1側壁12、第2側壁13、第3側壁22、及び第4側壁23までの距離が変わる場合がある。
【0039】
これに対して、連続切り込み部50が設けられた区画部材1では、第1稜線11及び第2稜線21が連続切り込み部50で分断される。このため、熱負荷がかかると区画部材1を連続切り込み部50で分断された第1稜線11及び第2稜線21毎に収縮させることができる。第1稜線11及び第2稜線21毎に収縮させることで、各第1稜線11及び各第2稜線21は第1稜線及び第2稜線自身が収縮する方向(
図8で示す矢印方向)に収縮するため、区画部材1が
図7に示したような中央部に収縮することが抑制できる。これにより、各区画領域30において光源から第1側壁12、第2側壁13、第3側壁22、及び第4側壁23までの距離の変化が抑制される。その結果、区画部材1において光の反射方向が変わることを抑制できるため、面状光源において輝度ムラや色度ムラを抑制できる。
【0040】
区画部材1は、例えば、厚さが0.2~0.3mm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)等のシートを金型でプレスすることにより、第1壁部10、第2壁部20及び底部40を有する形状に成形される。成形の際、交点Iの部分が最も伸ばされるため、熱負荷による応力は交点Iで最大になる。そのため、交点Iに連続切り込み部50を設けて応力を緩和することは、熱負荷による区画部材1の収縮の抑制に特に有効である。また、連続切り込み部50を十字状とすることは、区画部材1の第1方向X及び第2方向Yの両方向の収縮を抑制できる点で有効である。また、区画部材1のすべての交点Iに、連続切り込み部50を配置することは、区画部材1全体での収縮を抑制できる点で有効である。
【0041】
また、第1切り込み部51や第2切り込み部52を交点Iに配置することは、交点I以外に配置するよりも以下のメリットがある。すなわち、区画領域30が矩形の場合、交点Iは交点I以外より光源からの距離が遠い。このため、区画部材を面状光源に用いる場合、光源から遠い位置に第1切り込み部51や第2切り込み部52を設けることで、光源からの光が第1切り込み部51や第2切り込み部52に当たりにくくすることができ、輝度ムラ等の光学的影響を抑制できる。
【0042】
また、区画部材1では、各区画領域30は平面視で矩形であり、各区画領域30は同じ形状であるため、輝度ムラ等の光学的影響が生じることを抑制できる。
【0043】
[区画部材1A]
区画部材1Aは、区画部材の他の例である。
図9は、区画部材1Aを例示する部分平面図である。区画部材1Aは、連続切り込み部50が千鳥状に配置された点が区画部材1(
図3等参照)と相違する。
【0044】
ここで、千鳥状とは、第1方向Xに隣接する連続切り込み部50の間に、連続切り込み部50が設けられていない交点Iが存在し、かつ第2方向Yに隣接する連続切り込み部50の間に、連続切り込み部50が設けられていない交点Iが存在することである。つまり、区画部材1Aでは、連続切り込み部50は、第1方向Xに隣接する交点Iを挟んで配置される。また、連続切り込み部50は、第2方向Yに隣接する交点Iを挟んで配置される。連続切り込み部50が配置される交点Iと第1方向Xに隣接する交点I、及び第2方向Yに隣接する交点Iには連続切り込み部50は配置されない。
【0045】
区画部材1Aは、区画部材1と同様に、面状光源のリフレクタとして用いることができる。区画部材1Aは連続切り込み部50を有するため、区画部材1と同様の効果が得られる。
【0046】
[区画部材1B]
区画部材1Bは、区画部材の他の例である。
図10は、区画部材1Bを例示する部分平面図である。区画部材1Bは、連続切り込み部50のように第1切り込み部51及び第2切り込み部52を連続させず、互いに離隔した点が区画部材1(
図3等参照)と相違する。
【0047】
区画部材1Bでは、第1稜線11上における第2稜線21と交差する複数の交点Iにおいて、第1切り込み部51と第2切り込み部52は交互に配置される。また、第2稜線21上における第1稜線11と交差する複数の交点Iにおいて、第1切り込み部51と第2切り込み部52は交互に配置される。第1稜線11上における第2稜線21と交差する複数の交点I、及び第2稜線21上における第1稜線11と交差する複数の交点Iのいずれか一方のみにおいて、第1切り込み部51と第2切り込み部52が交互に配置されてもよい。
【0048】
一つの交点Iに配置された第1切り込み部51は、その交点Iに隣接する他の交点Iから離れて配置される。つまり、一つの交点Iに配置された第1切り込み部51は、その交点Iに隣接する他の交点Iには達しない。なお、第2切り込み部52についても同様である。
【0049】
区画部材1Bは、区画部材1と同様に、面状光源のリフレクタとして用いることができる。区画部材1Bは第1切り込み部51と第2切り込み部52を有するため、収縮の抑制に関して区画部材1と同様の効果が得られる。また、連続切り込み部50において第1切り込み部51と第2切り込み部52との交点付近では切り込み部の開き具合が比較的大きくなるのに対し、第1切り込み部51と第2切り込み部52とを互いに離隔して配置する場合は切り込み部の開き具合を小さくできる。そのため、区画部材1Bを面状光源に用いる場合に、光源の発する光や光学シート等から戻ってきた光の第1切り込み部51及び第2切り込み部52への進行が低減され、面状光源からの光取り出し量の低下を抑制できる。
【0050】
[区画部材の他のバリエーション]
区画部材において、第1切り込み部51と第2切り込み部52を交点Iに配置せず、交点Iと接しないように隣接する交点Iの間に配置してもよい。この場合、第1切り込み部51のみを配置してもよいし、第2切り込み部52のみを配置してもよいし、第1切り込み部51と第2切り込み部52の両方を配置してもよい。また、第1切り込み部51、及び第2切り込み部52は、複数の点の配列により構成されもよい。
【0051】
また、区画部材において、各区画領域の形状は平面視で矩形には限定されない。例えば、
図11に示す区画部材1Cや
図12に示す区画部材1Dのように、各区画領域30の形状は平面視で六角形でもよい。
【0052】
区画部材1C及び1Dは、複数の第1壁部10及び複数の第2壁部20に加え、複数の第3壁部70を有している。複数の第3壁部70は、例えば、互いに平行に配置される。区画部材1C及び1Dは、必要に応じて複数の底部40を有してもよい。
【0053】
第3壁部70は、第1方向及び第2方向とは異なる第3方向に延在する第3稜線71と、第5側壁72と、第6側壁73とを有する。第5側壁72と第6側壁73は、平面視で、第3稜線71を挟んで配置される。第5側壁72の上端と第6側壁73の上端とは連続する。第5側壁72と第6側壁73との間には空間がある。
【0054】
第3稜線71は、第3壁部70の最も高い位置を繋いだ線である。第3稜線71の近傍は、第3稜線71と直交する方向で切った断面視で、尖がった形状であってもよいし、丸みを帯びた形状であってもよい。また、第3稜線71は、第1稜線11で説明した通り、ごく狭い幅の平坦部が線状に伸びた形状であってもよい。
【0055】
区画部材1C及び1Dは、第1稜線11上に設けられた第1切り込み部51と、第2稜線21上に設けられた第2切り込み部52と、第3稜線71上に設けられた第3切り込み部53とを有する。第1切り込み部51と第2切り込み部52と第3切り込み部53とが連続し、連続切り込み部50Cを構成している。連続切り込み部50Cにおいて、第1切り込み部51と第2切り込み部52と第3切り込み部53は、第1稜線11と第2稜線21と第3稜線71の交点Iで連続している。区画部材1Cでは、すべての交点Iに連続切り込み部50Cが配置されている。これに対して、区画部材1Dでは、連続切り込み部50Cが千鳥状に配置されている。
【0056】
このように、区画部材1C及び1Dは、第1稜線11を有する複数の第1壁部10と、第2稜線21を有する複数の第2壁部20と、第1稜線11及び第2稜線21とは異なる方向に延在する第3稜線71を有する複数の第3壁部70とを有し、第1稜線11と第2稜線21と第3稜線71の端部が繋がって区画領域30を規定する。例えば、区画領域30が平面視で六角形であれば、各区画領域30は平面視でハニカム状に配置される。区画領域30は、平面視で正六角形であってもよい。
【0057】
図13は、区画部材1Eを例示する部分平面図であり、区画部材1Eの左下の隅部を示している。
図13の破線で囲む部分のように、区画部材1Eの外周には、第1切り込み部51及び第2切り込み部52とは異なる外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eを配置してもよい。外周第1切り込み部51Eは、第1稜線11上に設けられ、かつ区画部材1Eの外周に位置する切り込み部である。外周第2切り込み部52Eは、第2稜線21上に設けられ、かつ区画部材1Eの外周に位置する切り込み部である。外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eは、それぞれ区画部材1Eの外周の辺に直交して配置され得る。
【0058】
区画部材1Eでは、一例として、第1稜線11上における第2稜線21と交差する複数の交点Iにおいて、第1切り込み部51と第2切り込み部52は交互に配置される。また、一例として、第2稜線21上における第1稜線11と交差する複数の交点Iにおいて、第1切り込み部51と第2切り込み部52は交互に配置される。外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eは、これらの規則性に従って配置されてもよいし、規則性に従うことなく配置されてもよい。
図13に示す例では、すべての外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eは、外周の辺に直交して配置される。外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eの長さは、
図13に示す例では、第1切り込み部51及び第2切り込み部52の長さより短い。外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eの長さは、例えば、第1切り込み部51及び第2切り込み部52の長さの半分程度にし得る。なお、外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eは、第1切り込み部51及び第2切り込み部52と同時に形成してもよいし、第1切り込み部51及び第2切り込み部52とは別工程で形成してもよい。外周第1切り込み部51E、外周第2切り込み部52E、第1切り込み部51及び第2切り込み部52を同時に形成することにより生産性を向上することができる。
【0059】
区画部材は、
図1の例で示すような平面視で矩形形状でもよいし、平面視で異形形状でもよい。
図14は、平面視で異形形状である区画部材1Fを例示する部分平面図であり、区画部材1Fの左下の隅部を示している。ここで、異形形状とは、平面視で矩形以外の形状を指し、例えば、特定の製品形状に合わせるために、完全な矩形に部分的な変形や全体的な変形を加えた形状である。区画部材の外周は
図14の例で示すように複数の直線のみで構成されてもよいし、曲線を含んで構成されてもよい。区画部材1Fでは、左下の隅部に区画領域が配置されていない領域が存在する。
【0060】
区画部材1Fでは、一例として、第1稜線11上における第2稜線21と交差する複数の交点Iにおいて、第1切り込み部51と第2切り込み部52は交互に配置される。また、一例として、第2稜線21上における第1稜線11と交差する複数の交点Iにおいて、第1切り込み部51と第2切り込み部52は交互に配置される。区画部材1Eと同様に、外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eは、これらの規則性に従って配置されてもよいし、規則性に従うことなく配置されてもよい。
図14に示す例では、すべての外周第1切り込み部51E及び外周第2切り込み部52Eは、外周の辺に直交して配置される。
【0061】
また、区画部材の第1稜線11と第2稜線21の交点を通過する連続切込み部は、第1稜線11及び第2稜線21に沿って配置されてもよいし、第1稜線11及び第2稜線21に沿って配置されなくてもよい。連続切込み部が、第1稜線11及び第2稜線21に沿って配置されない場合、連続切り込みの第1切り込み部51及び第2切り込み部52は、側壁上に配置される。
【0062】
また、第1切り込み部51が第1稜線11と第2稜線21の交点に配置される場合、平面視で、第1切り込み部51は、第3側壁22の下端を通りY方向に平行な線の位置から、第4側壁23の下端を通りY方向に平行な線の位置まで延在してよい。同様に、第2切り込み部52が第1稜線11と第2稜線21の交点に配置される場合、平面視で、第2切り込み部52は、第1側壁12の下端を通りX方向に平行な線の位置から、第2側壁13の下端を通りX方向に平行な線の位置まで延在してよい。
【0063】
また、第1稜線11上に複数の第1切り込み部51が配置される場合、各第1切り込み部51の長さは同じでもよいし、外周側に位置する第1切り込み部51ほど切り込み部の長さを長くしてもよい。区画部材の収縮は外周側が大きいため、外周側に位置する第1切り込み部51ほど切り込み部の長さを長くすることにより、外周側の収縮を抑制することができる。第2稜線21上に複数の第2切り込み部52が配置される場合も同様である。すなわち、第2稜線21上に複数の第2切り込み部52が配置される場合、各第2切り込み部52の長さは同じでもよいし、外周側に位置する第2切り込み部52ほど切り込み部の長さを長くしてもよい。また、第1稜線11上に複数の第1切り込み部51が配置され、かつ第2稜線21上に複数の第2切り込み部52が配置される場合、区画部材の隅部に近い第1切り込み部51及び第2切り込み部52ほど切り込み部の長さを長くしてもよい。これにより、外周側の収縮を抑制することができる。
【0064】
また、区画部材において、少なくとも1つの第1稜線上に、少なくとも1つの第1切り込み部が設けられればよく、第2稜線上に第2切り込み部が設けられなくてもよい。また、区画部材において、少なくとも1つの第1稜線上に、少なくとも1つの第1切り込み部が設けられ、少なくとも1つの第2稜線上に、少なくとも1つの第2切り込み部が設けられてもよい。
【0065】
[面状光源60]
上記の区画部材は、基板上に配置されて基板と接合され、面状光源を構成することが可能である。ここでは、区画部材1を例にして面状光源について説明するが、区画部材1に代えて上述の区画部材1A、1B等の他の区画部材を用いてもよい。また、1つの基板上に、複数の区画部材を並べて配置してもよい。
【0066】
図15は、第1実施形態に係る面状光源を例示する平面図である。
図16は、
図15のXVI-XVI線における断面図である。
図15及び
図16に示すように、面状光源60は、基板61と、被覆部材62と、区画部材1と、複数の光源63とを有する面発光型の発光装置である。区画部材1は、基板61上に配置されている。被覆部材62は、基板61の上面の少なくとも一部を被覆する。被覆部材62は、必要に応じて設けられる。
【0067】
面状光源60において、区画部材1の底部40の下面は、基板61上に配置された被覆部材62と接合されている。つまり、区画部材1の底部40の下面は、被覆部材62を介して基板61と間接的に接合されている。また、面状光源60において、光源63は、底部40の開口部40x内に露出された基板61上に配置されている。以下、面状光源60に含まれる部材について詳説する。
【0068】
(基板61)
基板61は、複数の光源63を載置するための部材である。基板61の上面61mには、光源63に電力を供給するための導体配線68A及び68Bが配置されている。導体配線68A及び68Bのうち、発光素子と電気的な接続を行わない領域の一部に、被覆部材62が被覆されていることが好ましい。
【0069】
基板61の材料としては、少なくとも一対の導体配線68A及び68Bを絶縁分離できるものであればよく、例えば、セラミックス、樹脂、複合材料等が挙げられる。樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。複合材料としては、上述した樹脂に、ガラス繊維、SiO2、TiO2、Al2O3等の無機フィラーを混合したもの、ガラス繊維強化樹脂(ガラスエポキシ樹脂)、金属部材に絶縁層を被覆した金属基板等が挙げられる。
【0070】
基板61の厚さは適宜選択できる。基板61は、ロール・ツー・ロール方式で製造可能なフレキシブル基板またはリジット基板の何れであってもよい。リジット基板は湾曲可能な薄型リジット基板であってもよい。導体配線68A及び68Bは、導電性部材であれば材料は特に限定されず、回路基板等の配線層として通常に使用される材料を用いることができる。導体配線68A及び68Bの表面には、光反射膜等が配置されてもよい。
【0071】
被覆部材62は、絶縁性の材料によって構成されていることが好ましい。被覆部材62の材料としては、基板61の材料として例示したものと同様のものが挙げられる。被覆部材62として、上述した樹脂に白色系の光反射性フィラー又は多数の気泡を含有させたものを用いることにより、光源63から放出された光が反射されて、面状光源60の光取り出し効率を向上させることができる。
【0072】
(光源63)
光源63は、光を発する部材であり、例えば、自ら光を発する発光素子そのもの、発光素子を透光性樹脂等で封止したもの、発光素子がパッケージングされた表面実装型の発光装置(LEDともいう)等を包含する。例えば、光源63としては、
図16に示すように、発光素子63aを、封止部材63bで被覆したものが挙げられる。光源63は1つの発光素子63aを用いたものであってもよく、複数個の発光素子を用いて1つの光源63としてもよい。発光素子は、例えば、青色光を出射するものを用いることができる。また、光源63として、発光素子の側面を囲う光反射性材料を含む樹脂と、発光素子の上面及び光反射性材料を含む樹脂の上面を覆う透光性部材とを含む構成でもよい。発光素子の上面を覆う透光性部材と、発光素子の側面及び透光性部材の側面を囲う光反射性材料を含む樹脂と、を含む構成でもよい。ここでの透光性部材は、蛍光体を含んでもよい。発光素子と透光性部材との間には、発光素子と透光性部材とを接着する透光性の接着部材が設けられてもよい。
【0073】
光源63は、区画部材1の各区画領域30において輝度ムラを少なく光らせるために、広配光であることが好ましい。特に、光源63の各々がバットウイング配光特性を有していることが好ましい。これにより光源63の真上方向に出射される光量を抑制して、各々の光源63の配光を広げ、広げた光を第1側壁12、第2側壁13、第3側壁22、第4側壁23、及び底部40に照射することによって、各区画領域30における輝度ムラを抑制できる。
【0074】
ここでバットウイング配光特性とは、光軸OAを0度として、0度よりも配光角の絶対値が大きい角度において0度よりも発光強度が強い発光強度分布を有するものと定義される。なお、光軸OAとは、
図16に示すように、光源63の中心を通り、基板61の上面61mと垂直に交わる線で定義されるものとする。
【0075】
特に、バットウイング配光特性を有する光源63としては、例えば、
図16に示すように、上面に光反射膜63cを有する発光素子63aを用いたものが挙げられる。発光素子63aの上面に光反射膜63cを設けることで、発光素子63aの上方向への光のほとんどが光反射膜63cで反射されて発光素子63aの直上の光量が抑制され、バットウイング配光特性を得られる。バットウイング配光とするためにレンズを別途組み合わせてもよい。
【0076】
光反射膜63cは、銀、銅等の金属膜、樹脂に白色系のフィラー等を含有させたもの、これらの組み合わせ等の何れでもよい。また、光反射膜63cは、誘電体多層膜(DBR膜)とし、発光素子63aの発光波長に対して、入射角に対する反射率角度依存性を有していてもよい。具体的には、光反射膜63cの反射率は、垂直入射よりも斜め入射の方が低くなるように設定することが好ましい。これにより、発光素子63aの直上における輝度の変化が緩やかになり、発光素子63aの直上が暗点になる等、極端に暗くなることを抑制できる。
【0077】
光源63としては、例えば、基板61に直接実装された発光素子63aの高さが、100μm~500μmのものが挙げられる。光反射膜63cの厚みは、0.1μm~3.0μmのものが挙げられる。封止部材63bを含めても、光源63の厚みは、0.5mm~2.0mm程度とすることができる。
【0078】
複数の光源63は、互いに独立して駆動可能であり、光源63ごとの調光制御(例えば、ローカルディミングまたはハイダイナミックレンジ)が可能となるように、基板61上で配線されていることが好ましい。
【0079】
(発光素子63a)
発光素子63aとしては、公知のものを利用できる。例えば、発光素子63aとして発光ダイオードを用いることが好ましい。発光素子63aは、任意の波長のものを選択できる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN等の窒化物系半導体を用いたものを用いることができる。また、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。更に、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いてもよい。用いる発光素子の組成及び発光色、大きさ、個数等は目的に応じて適宜選択できる。
【0080】
発光素子63aは、
図16に示すように、基板61の上面61mに設けられた正負一対の導体配線68A及び68Bに跨るように、接合部材69を介してフリップチップ実装されたものが挙げられる。但し、発光素子63aはフリップチップ実装のみならず、フェイスアップ実装されたものでもよい。
【0081】
接合部材69は、発光素子63aを基板または導体配線に接合するための部材であり、絶縁性の樹脂または導電性の部材等が挙げられる。
図16に示すようなフリップチップ実装の場合は導電性の部材が用いられる。具体的にはAu含有合金、Ag含有合金、Pd含有合金、In含有合金、Pb-Pd含有合金、Au-Ga含有合金、Au-Sn含有合金、Sn含有合金、Sn-Cu含有合金、Sn-Cu-Ag含有合金、Au-Ge含有合金、Au-Si含有合金、Al含有合金、Cu-In含有合金、金属とフラックスの混合物等が挙げられる。
【0082】
(封止部材63b)
封止部材63bは、発光素子63aを外部環境から保護するとともに、発光素子63aから出射される光を光学的に制御する(例えば、バッドウィング配光特性を得る)等の目的で、発光素子63aを被覆する。封止部材63bは透光性の材料で構成されている。封止部材63bの材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはそれらを混合した樹脂等の透光性樹脂、ガラス等を用いることができる。これらのうち、耐光性及び成形のしやすさを考慮して、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。封止部材63bには、発光素子63aからの光を拡散させるための拡散剤、発光素子63aの発光色に対応した着色剤等を含んでもよい。拡散剤及び着色剤等は、当該分野で公知のものを使用できる。
【0083】
封止部材63bは、基板61と直接接触することができる。封止部材63bは、印刷、ディスペンサ塗布等が可能である粘度に調整され、加熱処理、光照射によって硬化させることができる。封止部材63bの形状としては、例えば、略半球形状、断面視において縦長の凸形状、断面視において偏平な凸形状、平面視で円形状または楕円形状等が挙げられるが、これに限定されない。ここで、縦長の凸形状とは、断面視において、基板61の上面61mに平行な方向の最大長さよりも、基板61の上面61mに垂直な方向の最大長さが長い形状である。また、偏平な凸形状とは、断面視において、基板61の上面61mに垂直な方向の最大長さよりも、基板61の上面61mに平行な方向の最大長さが長い形状である。封止部材63bは、発光素子63aの下面と基板61の上面61mとの間に、アンダーフィル63dとして配置されてもよい。
【0084】
(区画部材1)
区画部材1は、基板61上に配置されている。第1側壁12の下面及び第2側壁13の下面と基板61の上面又は被覆部材62の上面との間には、空間が設けられる。また、第3側壁22の下面及び第4側壁23の下面と基板61の上面又は被覆部材62の上面との間には、空間が設けられる。
【0085】
区画部材1において、各開口部40xは、各区画領域30の中央部に配置されている。各開口部40xの形状及び大きさは、光源63の全部が露出される形状及び大きさであればよく、各開口部40xの外縁が、光源63の近傍のみに位置するように設定することが好ましい。これによって、区画部材1が光反射性を有する場合に、光源63からの光を各底部40でも反射させること可能となり、光の取り出し効率を向上できる。なお、区画部材1において、各開口部40xは、第1切り込み部51及び第2切り込み部52の形成前に形成してもよいし、第1切り込み部51及び第2切り込み部52の形成後に形成してもよいし、第1切り込み部51及び第2切り込み部52と同時に形成してもよい。
【0086】
図16において、隣接する第3側壁22と第4側壁23により形成される角度αは、例えば、60度~90度とすることが好ましい。角度αをこのような範囲とすることにより、区画部材1が占める空間及び領域を低減させ、区画部材1の高さを低減でき、面状光源60の薄型化を実現できる。隣接する第1側壁12と第2側壁13により形成される角度についても同様である。
【0087】
隣接する第1稜線11間のピッチ及び隣接する第2稜線21間のピッチは、用いる光源の大きさ、意図する面状光源の大きさ等によって適宜調整できる。隣接する第1稜線11間のピッチ及び隣接する第2稜線21間のピッチとしては、例えば、1mm~50mmが挙げられ、5mm~20mmが好ましく、6mm~15mmがより好ましい。
【0088】
また、区画部材1自体の高さH、つまり、区画部材1の各底部40の下面から第1稜線11又は第2稜線21までのZ方向の長さは、8mm以下が好ましく、より薄型の面状光源とする場合は1mm~4mm程度であることが好ましい。
【0089】
区画部材1は、接着部材を用いて基板61と接合することが好ましい。これにより、区画部材1が熱によって収縮しようとしても、区画部材1が接着部材を介して基板61と接合しているため、区画部材1の収縮を抑制できる。区画部材1は、光源63からの出射光が、基板61と区画部材1との間に入射しないように、各開口部40xの周囲を、光反射性の接着部材を用いて接合することができる。例えば、各開口部40xの外縁に沿ってリング状に光反射性の接着部材を配置することがより好ましい。接着部材は、例えばPET基材の両面にアクリル樹脂系粘着剤を配した両面テープであってもよいし、ホットメルト型の接着シートであってもよいし、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂系の接着剤であってもよい。これらの接着部材は、高い難燃性を有することが好ましい。
【0090】
上述したように、区画部材1は、光反射性を有していることが好ましい。これにより、光源63から出射される光を第1側壁12、第2側壁13、第3側壁22、第4側壁23、及び底部40によって効率よく上方向に反射させることができる。
【0091】
区画部材1は、酸化チタン、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素等の粒子からなる反射材を含有する樹脂等を用いて成形してもよいし、反射材を含有しない樹脂を用いて成形した後、表面に反射材を設けてもよい。或いは、微細な気泡を複数含んだ樹脂を用いてもよい。この場合、気泡と樹脂との界面で光が反射する。また、区画部材1に用いる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、または、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。区画部材1は、光源63からの出射光に対する反射率が70%以上となるように設定されることが好ましい。
【0092】
区画部材1は、金型を用いた成形方法、光造形による成形方法等によって形成してもよいし、各第1壁部10と各第2壁部20と各底部40とを有する区画部材1を購入により準備してもよい。金型を用いた成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形、プレス成形等の成形方法を適用できる。例えば、PET等で構成された反射シートを用いて真空成形することにより、各第1壁部10と各第2壁部20と各底部40とが一体的に成形された区画部材1を得ることができる。
【0093】
なお、面状光源60は、区画部材1を挟んで光源63の上方に配置された、光学部材として、拡散シートを備えることができる。面状光源60が拡散シートを有することで、面状光源60から外部に取り出される光の均一性を向上できる。又、面状光源60は、拡散シートの上方に、波長変換シート、第1プリズムシート、第2プリズムシート、偏光シートからなる群から選択される少なくとも一種を更に備えることができる。面状光源60がこれらの光学部材の一種以上を有することで、光の均一性を更に向上できる。なお、波長変換シートは、例えば、光源からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射することができる。波長変換シートは、光源63の発光素子63aから離間しているため、発光素子63aの近傍では使用することが困難な、熱又は光強度に耐性の劣る蛍光体等を使用できる。これにより、面状光源60のバックライトとしての性能を向上できる。波長変換シートに含まれる蛍光体は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si0.99,Al0.01)F65.99:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS2又はAgInSe2)等を用いることができる。なお、封止部材63bに蛍光体を含有させる場合、この蛍光体は、上述した材料を用いることができる。
【0094】
面状光源60は、X-Y平面に対して平行な形状でもよいし、X-Y平面に対して、Z+側又はZ-側に湾曲した形状でもよい。例えば、X方向において、面状光源60の中央がZ-側に窪むような湾曲形状でもよい。
【0095】
〈実施例〉
まず、
図15に示した面状光源60と同じ構造の面状光源Aを作製した。面状光源Aには、外形が
図1に示した区画部材1と同じ矩形であり、
図10に示した区画部材1Bと同じ切り込み部を形成した区画部材を用いた。つまり、第1稜線上における第2稜線と交差する複数の交点において第1切り込み部と第2切り込み部を交互に配置し、第2稜線上における第1稜線と交差する複数の交点において第1切り込み部と第2切り込み部を交互に配置した区画部材を用いた。ただし、区画部材の外周には、外周の辺に直交する外周第1切り込み部と外周第2切り込み部を配置した。なお、第1切り込み部及び第2切り込み部の長さは約3mmとし、外周第1切り込み部及び外周第2切り込み部の長さは約1.5mmとした。
【0096】
また、比較例として、区画部材に切り込み部を設けなかった以外は面状光源Aと同じ構造の面状光源Bを作製した。面状光源A及び面状光源Bにおいて、区画部材は同一材料から形成した。区画部材の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。
【0097】
面状光源A及び面状光源Bについて、初期データとして区画部材の長手方向(X方向)と短手方向(Y方向)の寸法を測定したところ、いずれもX=225mm、Y=127mmであった。
【0098】
次に、面状光源A及び面状光源Bを100℃の環境下に保管し、1000時間経過後の区画部材のX方向及びY方向の寸法を測定し、収縮の程度を調べた。結果を表1に示す。
【0099】
【0100】
表1に示すように、区画部材に切り込み部を設けている面状光源Aでは、区画部材のX方向の寸法が0.16mm収縮し、Y方向の寸法が0.12mm収縮した。これを収縮率で示すと、X方向が0.07%、Y方向が0.26%となる。これに対して、区画部材に切り込み部を設けていない面状光源Bでは、区画部材のX方向の寸法が0.63mm収縮し、Y方向の寸法が0.42mm収縮した。これを収縮率で示すと、X方向が0.28%、Y方向が0.92%となる。
【0101】
このように、区画部材に切り込み部を設けることで、区画部材に切り込み部を設けない場合と比べて、高温環境下における区画部材のX方向及びY方向の収縮を1/3~1/4程度に抑制できることが確認できた。
【0102】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、2つの部材を重ねた構造の区画部材の例を示す。
【0103】
[区画部材2]
図17は、区画部材2を例示する部分平面図(その1)である。
図18は、区画部材2を例示する部分平面図(その2)であり、2つの部材を重ねる前の状態を示している。
図17に示す区画部材2は、
図18に示す区画部材1Aの下側に下側部材1Gが配置されたものである。
【0104】
つまり、区画部材2は、区画部材1Aと、区画部材1Aの下側に配置される下側部材1Gとを有している。区画部材2において、区画部材1Aは、下側部材1Gの上に重なって配置されている。区画部材1Aの全体の形状は
図1等に示す区画部材1と同じであり、切り込み部の位置や形状は
図9を参照して説明した通りである。
【0105】
下側部材1Gは、複数の第4壁部110と、複数の第5壁部120とを有する。
図18の例では、下側部材1Gは、複数の底部140を有しており、各底部140には開口部140xが設けられている。なお、底部及び開口部は、区画部材1Aと下側部材1Gの何れか一方のみが有してもよいし、両方が有してもよい。区画部材1Aと下側部材1Gの両方が底部及び開口部を有する場合、下側部材1Gの上に区画部材1Aが重なったときに、底部140の上側に底部40が配置され、開口部40xと開口部140xが連通する。
【0106】
第4壁部110は、第1方向に延在する第4稜線111と、第7側壁112と、第8側壁113とを有する。第7側壁112の上端と第8側壁113の上端とは連続する。第7側壁112と第8側壁113との間には空間がある。
【0107】
第4稜線111は、第4壁部110の最も高い位置を繋いだ線である。第4稜線111の近傍は、第4稜線111と直交する方向で切った断面視で、尖がった形状であってもよいし、丸みを帯びた形状であってもよい。また、第4稜線111は、第1稜線11で説明した通り、ごく狭い幅の平坦部が線状に伸びた形状であってもよい。
【0108】
それぞれの第4壁部110は、区画部材1Aのそれぞれの第1壁部10の下側に配置される。
【0109】
第5壁部120は、第1方向と交差する第2方向に延在する第5稜線121と、第9側壁122と、第10側壁123とを有する。第9側壁122の上端と第10側壁123の上端とは連続する。第9側壁122と第10側壁123との間には空間がある。
【0110】
第5稜線121は、第5壁部120の最も高い位置を繋いだ線である。第5稜線121の近傍は、第5稜線121と直交する方向で切った断面視で、尖がった形状であってもよいし、丸みを帯びた形状であってもよい。また、第5稜線121は、第1稜線11で説明した通り、ごく狭い幅の平坦部が線状に伸びた形状であってもよい。
【0111】
それぞれの第5壁部120は、区画部材1Aのそれぞれの第2壁部20の下側に配置される。
【0112】
下側部材1Gは、平面視で、第5稜線121上に設けられた第1下側切り込み部151と、第4稜線111上に設けられた第2下側切り込み部152とが連続した下側連続切り込み部150を有している。第1下側切り込み部151は、例えば、第2方向Yに伸びる直線状であり、第2下側切り込み部152は、例えば、第1方向Xに伸びる直線状である。第1下側切り込み部151と第2下側切り込み部152の長さは、例えば同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0113】
平面視で、下側連続切り込み部150は十字状である。
【0114】
区画部材1Aにおいて、連続切り込み部50は千鳥状に配置されている。下側部材1Gにおいて、下側連続切り込み部150は千鳥状であって、かつ下側部材1Gの上に区画部材1Aが重なったときに、平面視で、区画部材1Aの連続切り込み部50と重ならない位置に配置されている。
【0115】
区画部材1Aは、下側部材1Gに接着してもよいし、接着していなくてもよい。区画部材1Aを下側部材1Gに接着する場合は、接着剤や両面テープ等を用いることができる。例えば、区画部材1Aと下側部材1Gの両方が底部を有する場合、区画部材1Aの底部40と下側部材1Gの底部140とを接着してもよい。あるいは、区画部材1Aと下側部材1Gの底部同士を接着せずに、壁部同士を接着してもよい。あるいは、区画部材1Aと下側部材1Gの底部同士を接着し、さらに壁部同士を接着してもよい。
【0116】
下側部材1Gは、区画部材1Aと同じ大きさであってもよいし、異なる大きさでもよい。例えば、下側部材1Gは、下側部材1Gの壁部と区画部材1Aの壁部が接し、下側部材1Gの底部と区画部材1Aの底部が接するような大きさとすることができる。なお、後述する下側部材1Hについても同様に、区画部材1Bと同じ大きさであってもよいし、異なる大きさでもよい。
【0117】
このように、区画部材2では、平面視で、互いに重ならない位置に連続切り込み部50と下側連続切り込み部150が配置される。そのため、区画部材2を面状光源に用いる場合に、区画部材2の収縮の抑制に関して区画部材1と同様の効果が得られる。
【0118】
また、区画部材2を面状光源に用いる場合に、光源の発する光や光学シート等から戻ってきた光のうち区画部材1Aの切り込み部を通過した光は、下側部材1Gで反射される。そのため、
図3に示す区画部材1の全ての交点Iに連続切り込み部50を設ける場合と比べて、面状光源からの光取り出し量の低下を抑制できる。
【0119】
[区画部材2A]
図19は、区画部材2Aを例示する部分平面図(その1)である。
図20は、区画部材2Aを例示する部分平面図(その2)であり、2つの部材を重ねる前の状態を示している。
図19に示す区画部材2Aは、
図20に示す区画部材1Bの下側に下側部材1Hが配置されたものである。
図19の例で示す区画部材2Aは、切り込み部の位置関係が
図17で示す区画部材2と異なっている。
【0120】
区画部材2Aでは、下側部材1Hの上に区画部材1Bが重なり、平面視で、第1切り込み部51は第1下側切り込み部151と交差し、第2切り込み部52は第2下側切り込み部152と交差する。例えば、平面視で、第1切り込み部51は第1下側切り込み部151と十字状に交差し、第2切り込み部52は第2下側切り込み部152と十字状に交差する。
【0121】
このように、区画部材2Aでは、平面視で、全ての交点Iにおいて、第1切り込み部51と第1下側切り込み部151とが交差するか、又は第2切り込み52と第2下側切り込み部152とが交差する。そのため、区画部材2Aを面状光源に用いる場合に、区画部材2Aの収縮の抑制に関して区画部材1と同様の効果が得られる。
【0122】
また、区画部材2Aを面状光源に用いる場合に、光源の発する光や光学シート等から戻ってきた光のうち区画部材1Bの切り込み部を通過した光の一部は、下側部材1Hで反射される。そのため、
図3に示す区画部材1の全ての交点Iに連続切り込み部50を設ける場合と比べて、面状光源からの光取り出し量の低下を抑制できる。なお、光取り出し量の低下を抑制する効果は、連続切り込み部50が下側部材1Gで完全に塞がれる区画部材2の方が区画部材2Aより大きい。
【0123】
[第2実施形態のバリエーション]
区画部材2において、区画部材1Aに少なくとも1つの連続切り込み部50が設けられ、下側部材1Gの平面視で連続切り込み部50と重ならない位置に少なくとも1つの下側連続切り込み部150が設けられてもよい。
【0124】
〈第3実施形態〉
第3実施形態では、面状光源60をバックライト光源に用いた液晶ディスプレイ装置(液晶表示装置)の例を示す。
【0125】
図21は、第3実施形態に係る液晶ディスプレイ装置を例示する構成図である。
図21に示すように、液晶ディスプレイ装置1000は、上側から順に、液晶パネル720と、光学シート710と、面状光源60とを備える。なお、面状光源60は、光源63の上方に光学部材として、DBEF(反射型偏光シート)やBEF(輝度上昇シート)、カラーフィルタ等を備えてもよい。
【0126】
液晶ディスプレイ装置1000は、液晶パネル720の下方に面状光源60を積層する、いわゆる直下型の液晶ディスプレイ装置である。液晶ディスプレイ装置1000は、面状光源60から照射される光を、液晶パネル720に照射する。
【0127】
面状光源の薄型化の観点から、面状光源の厚みを15mm以下とすることができる。これにより、面状光源が薄くなり、液晶ディスプレイ装置1000を薄型化することができる。
【0128】
面状光源60は、液晶ディスプレイ装置1000のバックライトとして用いることに限定されない。面状光源60は、テレビやタブレット、スマートフォン、スマートウォッチ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルサイネージ、掲示板等のバックライトとしても利用できる。又、面状光源60は、照明用の光源としても利用でき、非常灯やライン照明、或いは、各種のイルミネーションや車載用のインストール等にも利用できる。
【0129】
以上、好ましい実施形態等について詳説した。但し、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0130】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,2,2A 区画部材
1G,1H 下側部材
10 第1壁部
11 第1稜線
12 第1側壁
13 第2側壁
20 第2壁部
21 第2稜線
22 第3側壁
23 第4側壁
30 区画領域
40,140 底部
40x,140x 開口部
50,50C 連続切り込み部
51 第1切り込み部
51E 外周第1切り込み部
52 第2切り込み部
52E 外周第2切り込み部
53 第3切り込み部
60 面状光源
61 基板
61m 上面
62 被覆部材
63 光源
63a 発光素子
63b 封止部材
63c 光反射膜
63d アンダーフィル
68A、68B 導体配線
69 接合部材
70 第3壁部
71 第3稜線
72 第5側壁
73 第6側壁
110 第4壁部
111 第4稜線
112 第7側壁
113 第8側壁
120 第5壁部
121 第5稜線
122 第9側壁
123 第10側壁
150 下側連続切り込み部
151 第1下側切り込み部
152 第2下側切り込み部
710 光学シート
720 液晶パネル
1000 液晶ディスプレイ装置