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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029003
(43)【公開日】2024-03-05
(54)【発明の名称】エッジエクスクルージョン制御
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20240227BHJP
   C23C 16/04 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/04
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023212595
(22)【出願日】2023-12-18
(62)【分割の表示】P 2020557974の分割
【原出願日】2019-04-19
(31)【優先権主張番号】62/660,872
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラシェカー・アナンダ
(72)【発明者】
【氏名】レンズ・エリック・エイッチ.
(72)【発明者】
【氏名】ホ・レオナルド・ワイ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】クレベンガー・ジェフリー・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ハ・イン・ス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体ウエハのエッジ領域における処理の均一性を制御するための装置および方法を提供する。
【解決手段】公称径Dの半導体ウエハの処理において用いるように構成された排除リングアセンブリ900であって、Dより小さい内径、および外径を有する上部環状リングと、Dより小さい内径、および外径を有する下部環状リングと、を備え、前記上部環状リングは、前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間に環状ガス流路を規定するように前記下部環状リングの上に配置される、排除リングアセンブリ900を備える、装置とする。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
公称径Dの半導体ウエハの処理において用いるように構成された排除リングアセンブリであって、
Dより小さい内径、および外径を有する上部環状リングと、
Dより小さい内径、および外径を有する下部環状リングと、を備え、
前記上部環状リングは、前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間に環状ガス流路を規定するように前記下部環状リングの上に配置される、排除リングアセンブリ
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記環状ガス流路は、内径、外径、および、前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間の隙間によって規定された幅を有し、前記環状ガス流路の前記内半径における幅は、環状流路の前記外半径における幅より小さい、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
下部環状リングの前記内径における前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間の隙間は、前記下部環状リングの前記外径における前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間の前記隙間より小さい、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
下部環状リングの前記内径における前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間の隙間は、0.1インチ(0.254センチ)未満である、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、
前記上部環状リングの前記内径は、前記下部環状リングの前記内径より小さい、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記上部環状リングは、前記上部環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行な上面を備える、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記上部環状リングは、さらに、内側エッジと、前記内側エッジから前記上面に延びる傾斜面とを備える、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記下部環状リングは、前記下部環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行な上面を備える、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記上部環状リングは、さらに、内側エッジと、前記内側エッジから前記上面に延びる傾斜面とを備える、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、
前記上部環状リングの前記傾斜面の傾斜は、前記下部環状リングの前記傾斜面の傾斜より大きい、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記半導体ウエハを支持するように構成された台座を備え、
前記台座は、前記半導体ウエハのエッジ領域でガスを注入するように構成されたガス注入器を備える、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記排除リングアセンブリを支持する台座を備え、
前記台座は、上面と、前記上面にガス流路を規定する凹部とを備える、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記凹部は、前記台座の中心から距離Yにあり、前記距離Yは、前記下部環状リングの前記内径より大きい、装置。
【請求項14】
堆積チャンバであって、
上面と、前記上面において裏面ガス源に流体的に接続されるように構成された環状凹部とを備える台座と、
前記台座に取り付けられた排除リングアセンブリであって、前記排除リングアセンブリは、内径および外径を有する上部環状リングと、内径および外径を有する下部環状リングとを備え、前記上部環状リングは、前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間に下部環状ガス流路を規定するように前記下部環状リングの上に配置される、排除リングアセンブリと、
前記台座および前記排除リングアセンブリの上に配置されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドと前記上部環状リングとの間に上部環状ガス流路が規定される、シャワーヘッドと、
を備える、堆積チャンバ。
【請求項15】
方法であって、
請求項14により前記堆積チャンバの前記台座上に円形ウエハを提供することであって、前記円形ウエハは、公称径Dを有し、Dは、前記上部環状リングおよび前記下部環状リングの前記内径より大きく、前記排除リングアセンブリは、前記円形ウエハの前記外側エッジの上に配置されることと、
前記シャワーヘッドを通じて前記円形ウエハの上に径方向の流れのプロセスガスを提供することと、
前記台座の前記環状凹部を通じて前記円形ウエハの前記外側エッジに裏面ガスを提供することと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、さらに、
前記円形ウエハの中心から、前記円形ウエハの前記エッジから少なくとも2mmまでに、前記プロセスガスによる均一膜を堆積させることを含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記均一膜は、前記円形ウエハの前記エッジから少なくとも1mmまでに堆積される、方法。
【請求項18】
方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することと、
堆積ガスに前記ウエハの前記上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に膜を堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記エッジ領域における堆積は、前記膜が前記上面に選択的に堆積されるように抑制される、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
前記膜は、前記ウエハの前記エッジから2mmの範囲まで均一である、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法であって、
前記膜は、前記ウエハの前記エッジから1mmの範囲まで均一である、方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法であって、
前記堆積防止剤への前記選択的曝露および前記堆積ガスへの前記曝露は、同時に実施される、方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法であって、
前記堆積防止剤への前記選択的曝露は、前記堆積ガスへの前記曝露の前に実施される、方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
堆積防止剤を含む前記ガスに前記ウエハの前記エッジ領域を選択的に曝露する前に、前記上面および前記エッジ領域に第1の膜を堆積させることを含む、方法。
【請求項25】
請求項18に記載の方法であって、
前記膜はタングステン含有膜であり、前記堆積防止剤は窒素含有化合物である、方法。
【請求項26】
請求項18に記載の方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することは、前記ガスに窒化チタン(TiN)を曝露することを含む、方法。
【請求項27】
請求項18に記載の方法であって、
前記ウエハは、台座の上に配置され、前記エッジ領域は、前記台座に取り付けられたエッジ排除リングの下に配置される、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することは、前記台座を通じて前記エッジ領域までガスを引き込むことを含む、方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法であって、
堆積防止剤を含む前記ガスに前記ウエハの前記エッジ領域を選択的に曝露することから、前記堆積ガスに前記ウエハの前記上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に前記膜を堆積させることに移行することは、前記エッジ排除リングと前記ウエハとの間の距離を増加させることを含む、方法。
【請求項30】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することを繰り返すことと、
堆積ガスに前記ウエハの前記上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に膜を堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項31】
方法であって
ウエハの上面およびベベル部の少なくとも一部に核形成層を堆積させることと、
前記ウエハの前記ベベル部を選択的に処理することと、
前記ウエハ全体にバルク層を堆積させ、前記ベベル部には堆積させないことと、
を含む、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、
前記ベベル部を選択的に処理することは、前記ベベル部への核形成を選択的に抑制することを含む、方法。
【請求項33】
請求項31に記載の方法であって、
前記ベベル部を選択的に処理することは、前記ベベル部上の前記核形成層を選択的にエッチングすることを含む、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、
前記核形成層および前記バルク層は、タングステン含有膜である、方法。
【請求項35】
方法であって、
堆積ガスを含むプロセスガスをウエハの上面の上および前記ウエハのエッジを越えて流すことと、
処理ガスを前記ウエハのエッジを越えて流すことと、
堆積ガスを含むプロセスガスをウエハの上面の上および前記ウエハのエッジを越えて流して、前記上面に膜を堆積させ前記ウエハのエッジには堆積させないことと、
を含む、方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、
プロセスガスを流すことは、前記ウエハの裏面の真空を引くことを含む、方法。
【請求項37】
請求項35に記載の方法であって、
前記プロセスガスは、上昇位置で前記ウエハのエッジを遮蔽するエッジ排除リングによって流される、方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、
前記処理ガスは、下降位置の前記エッジ排除リングによって流される、方法。
【請求項39】
方法であって、
堆積ガスに前記ウエハの前記上面およびエッジリングを曝露して前記上面に均一膜を堆積させることと、
エッチング剤を含むガスにウエハのエッジ領域を曝露することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[参照による援用]
本願の一部として、本明細書と同時にPCT申請書が提出される。同時に提出されたPCT申請書において確認された、本願が利益または優先権を主張する各出願は、その全文が全ての目的のために本明細書に参照として援用される。
【背景技術】
【0002】
半導体処理における課題は、可能な限り大きい被処理ウエハの広がりにおいてプロセスの均一性を実現することである。半導体ウエハのエッジ領域における半導体処理環境の管理は、特定の課題を提示している。特に、エッジ領域の不連続性は、均一な処理を難しくしうる。さらに、エッジ領域は、半導体の裏面への流体流路を提供する。これにより、半導体ウエハの裏面へのプロセスガスのアクセスが可能になり、不必要な処理が生じる可能性がある。
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、公称径Dの半導体ウエハの処理において用いられるように構成された排除リングアセンブリを備える装置で実施されてよい。排除リングアセンブリは、Dより小さい内径、および外径を有する上部環状リングと、Dより小さい内径、および外径を有する下部環状リングとを備え、上部環状リングは、上部環状リングと下部環状リングとの間に環状ガス流路を規定するように下部環状リングの上に配置される。
【0005】
いくつかの実施形態では、環状ガス流路は、内径、外径、および、上部環状リングと下部環状リングとの間の隙間に規定された幅を有し、環状ガス流路の内半径における幅は、環状流路の外半径における幅より小さい。
【0006】
いくつかの実施形態では、下部環状リングの内径における上部環状リングと下部環状リングとの間の隙間は、下部リングの外径における上部環状リングと下部環状リングとの間の隙間より小さい。
【0007】
いくつかの実施形態では、下部環状リングの内径における上部環状リングと下部環状リングとの間の隙間は、0.1インチ(0.254センチ)以下である。
【0008】
いくつかの実施形態では、上部環状リングの内径は、下部環状リングの内径より小さい。
【0009】
いくつかの実施形態では、上部環状リングは、上部環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行な上面を備える。いくつかのかかる実施形態では、上部環状リングは、さらに、内側エッジと、内側エッジから上面に延びる傾斜面とを備える。いくつかのかかる実施形態では、下部環状リングは、下部環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行な上面を備える。いくつかのかかる実施形態では、上部環状リングは、さらに、内側エッジと、内側エッジから上面に延びる傾斜面とを備える。いくつかのかかる実施形態では、上部環状リングの傾斜面の傾斜は、下部環状リングの傾斜面の傾斜より大きい。
【0010】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、半導体ウエハを支持するように構成された台座を備え、台座は、ウエハのエッジ領域でガスを注入するように構成されたガス注入器を備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、排除リング構造を支持する台座を備え、台座は、上面と、上面においてガス流路を規定する凹部とを備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、凹部は、台座の中心から距離Yにあり、距離Yは、下部環状リングの内径より大きい。
【0013】
本開示の態様は、堆積チャンバを実装してよく、堆積チャンバは、上面、および、裏面ガス源に流体的に接続されるように構成された上面の環状凹部を備える台座と、台座上に設置された排除リングアセンブリであって、排除リングアセンブリは、内径および外径を有する上部環状リングを備え、上部環状リングは、上部環状リングと下部環状リングとの間に下部環状ガス流路を規定するように下部環状リングの上に配置される、排除リングアセンブリと、台座および排除リングアセンブリの上に配置されたシャワーヘッドであって、シャワーヘッドと上部環状リングとの間に上部環状ガス流路が規定される、シャワーヘッドとを備える。
【0014】
本開示の態様は、本明細書に記載の排除リングアセンブリを備える堆積チャンバ内の台座上に円形ウエハを設置することであって、円形ウエハは公称径Dを有し、Dは、上部環状リングおよび下部環状リングの内径より大きく、排除リングアセンブリは、円形ウエハの外側エッジの上に配置されていることと、シャワーヘッドを通じて円形ウエハの上に径方向のプロセスガスの流れを提供することと、台座の環状凹部を通じて円形ウエハのエッジに裏面ガスを提供することと、を含む方法において実施されてよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、円形ウエハの中心から、円形ウエハのエッジから少なくとも2mmまたは少なくとも1mmまで、プロセスガスによる均一な膜を堆積させることを含む。
【0016】
本開示の別の態様は、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することと、堆積ガスにウエハの上面およびエッジ領域を曝露して上面に膜を堆積させることと、を含む方法において実施されてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、エッジ領域への堆積は、膜が上面上に選択的に堆積されるように抑制される。いくつかの実施形態では、膜は、ウエハエッジから2mmの範囲まで均一である。いくつかの実施形態では、膜は、ウエハエッジから1mmの範囲まで均一である。
【0018】
いくつかの実施形態では、堆積防止剤への選択的曝露および堆積ガスへの曝露は、同時に実施される。いくつかの実施形態では、堆積防止剤への選択的曝露は、堆積ガスへの曝露より前に実施される。
【0019】
いくつかの実施形態は、この方法は、さらに、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露する前に、上面およびエッジ領域に第1の膜を堆積させることを含む。いくつかの実施形態では、膜はタングステン含有膜であり、堆積防止剤は窒素含有化合物である。
【0020】
いくつかの実施形態では、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することは、そのガスに窒化チタン(TiN)を曝露することを含む。いくつかの実施形態では、ウエハは台座上に配置され、エッジ領域は、台座上に取り付けられたエッジ排除リングの下に配置される。いくつかの実施形態では、この方法は、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することと、台座を通じてエッジ領域にガスを注入することとを含む。
【0021】
いくつかのかかる実施形態では、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することから、堆積ガスにウエハの上面およびエッジ領域を曝露して上面に成膜することへの移行は、排除リングとウエハとの間の距離を増加させることを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することを繰り返すことと、堆積ガスにウエハの上面およびエッジ領域を曝露して上面に成膜することと、を含む。
【0023】
本開示の別の態様は、ウエハの上面および少なくともベベル部の一部に核形成層を堆積させることと、ウエハのベベル部を選択的に処理することと、ウエハ全体にバルク層を堆積させるがベベル部には堆積させないことと、を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、ベベル部を選択的に処理することは、ベベル部上の核形成を選択的に抑制することを含む。いくつかのかかる実施形態では、ベベル部を選択的に処理することは、ベベル部上の核形成層を選択的にエッチングすることを含む。いくつかの実施形態では、核形成層およびバルク層は、タングステン含有膜である。
【0025】
本開示の別の態様は、ウエハ上面の上にウエハエッジを越えて堆積ガスを含むプロセスガスを流すことと、ウエハエッジを越えて処理ガスを流すことと、ウエハ上面の上にウエハエッジを越えて堆積ガスを含むプロセスガスを流して、上面上に成膜させるがウエハエッジには成膜させないことと、を含む方法で実施されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロセスガスを流すことは、ウエハの裏面において真空に引くことを含む。いくつかの実施形態では、プロセスガスは、上昇位置においてウエハエッジを遮蔽するエッジ排除リングによって流される。いくつかのかかる実施形態では、処理ガスは、下降位置におけるエッジ排除リングによって流される。
【0027】
本開示の別の態様は、堆積ガスにウエハの上面およびエッジ領域を曝露して上面上に均一膜を堆積させることと、エッチング液を含むガスにウエハのエッジ領域を曝露することと、を含む方法に関する。
【0028】
本開示の別の態様は、公称径Dを有する半導体基板の処理に用いるための排除リングアセンブリを製造する方法に関する。この方法は、素地を形成することと、それを焼いてセラミック素地を形成することとを含んでよく、必要に応じて排除リングアセンブリを形成するために研磨されてよい。いくつかの実施形態では、排除リングアセンブリは、Dより小さい内径、および外径を有する上部環状リングと、Dより小さい内径、および外径を有する下部環状リングとを備えてよく、上部環状リングは、上部環状リングと下部環状リングとの間に環状ガス流路を規定するように下部環状リングの上に配置される。上部環状リングおよび下部環状リングは、取り付け可能な別々の構成要素として、または一体構造として形成されてよい。様々な実施形態により、排除リングアセンブリは、酸化アルミニウム(Al23)または窒化アルミニウム(AlN)から製造されてよい。排除リングアセンブリを備える台座を製造する方法も記載される。この方法は、排除リングセンブリを製造することと、台座面上に排除リングアセンブリを取り付けるまたは配置することと、を含んでよい。
【0029】
これらの態様および他の態様は、図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】本開示の実施形態で用いられうるウエハ支持体上に取り付けられた例示的排除リングの等角図。
【0031】
図1B】本開示の実施形態で用いられうる例示的排除リング、ウエハ、およびウエハ支持体の分解等角図。
【0032】
図1C】本開示の実施形態で用いられうる例示的排除リングの底面図。
図1D】本開示の実施形態で用いられうる例示的排除リングの上面図。
【0033】
図1E】本開示の実施形態で用いられうる排除リングおよびウエハの拡大断面詳細図。
【0034】
図2】本開示の実施形態で用いられうる裏面ガス注入および排除リングを備える台座の例示的配置を示す概略図。
【0035】
図3】裏面ガス注入および排除リングを備える台座の例示的配置を用いる堆積中のプロセスガスおよび裏面ガスの流線を示す概略図。
【0036】
図4A】本開示の実施形態によりウエハのエッジにおける堆積を調節する例示的方法の特定の動作を示すプロセスフロー図。
図4B】本開示の実施形態によりウエハのエッジにおける堆積を調節する例示的方法の特定の動作を示すプロセスフロー図。
【0037】
図5A】本開示の実施形態によりタングステン(W)膜またはW含有膜を堆積させる例示的方法の特定の動作を示すプロセスフロー図。
図5B】本開示の実施形態によりタングステン(W)膜またはW含有膜を堆積させる例示的方法の特定の動作を示すプロセスフロー図。
【0038】
図6A図5Aおよび図5Bに関して記載されたタングステンを堆積させる例示的方法による堆積プロセス中の排除リング600およびウエハの概略配置図。
図6B図5Aおよび図5Bに関して記載されたタングステンを堆積させる例示的方法による堆積プロセス中の排除リング600およびウエハの概略配置図。
【0039】
図7A】本開示の実施形態で用いられうる裏面ガス注入および排除リングを含む台座の配置を示す概略図。
図7B】本開示の実施形態で用いられうる裏面ガス注入および排除リングを含む台座の配置を示す概略図。
【0040】
図8】本開示の実施形態により基板支持体に取り付けられた2つのリングを有する例示的排除リングアセンブリ。
【0041】
図9A図8に示された排除リングアセンブリ、台座、およびウエハの等角断面図。
図9B図9Aにおける指定領域の詳細図。
【0042】
図9C】シャワーヘッドと上部リングとの間の異なる隙間に2つのリングを有する排除リングアセンブリのプロセスガスの流線を示す概略図。
図9D】シャワーヘッドと上部リングとの間の異なる隙間に2つのリングを有する排除リングアセンブリのプロセスガスの流線を示す概略図。
【0043】
図10A】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的下部リングの上面図。
図10B】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的下部リングの側面図。
図10C】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的下部リングの底面図。
【0044】
図11A】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的上部リングの上面図。
図11B】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的上部リングの側面図。
図11C】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的上部リングの底面図。
【0045】
図12】本開示の実施形態により上部リングおよび下部リングの内周に2つのリングを有する例示的リングアセンブリの一部の詳細図。
【0046】
図13】堆積厚さの関数としてタングステン(W)の例示的成長遅延時間を示す図。
【0047】
図14】本開示の実施形態による堆積プロセスおよび処理プロセスに適した例示的処理チャンバの概略図。
【0048】
図15】本開示の実施形態による堆積プロセスおよび処理プロセスに適した例示的処理装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
様々な実施形態の例は、添付の図面に示され、以下にさらに説明される。本明細書の議論は、特許請求の範囲を記載の特定の実施形態に限定する意図はないことが理解されるだろう。反対に、本明細書の議論は、本開示および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれうる代替物、修正物、ならびに同等物を含むことが意図される。以下の説明では、開示の主題への十分な理解を提供するために多くの特定の詳細が記載される。主題の様々な実施形態は、これらの特定の詳細の一部または全てなしで実行されてよい。他の例では、本明細書に記載の主題を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細には記載されていない。
【0050】
本明細書には、半導体ウエハのエッジ領域における処理の均一性を制御するための方法および装置が記載される。いくつかの実施形態では、この方法は、エッチングガスおよび/または抑制ガスなどの処理ガスにエッジ領域を曝露することを含む。本明細書には、ウエハエッジにおける処理環境を制御するために実装されうる複数のリングを備える排除リングアセンブリも記載される。
【0051】
本明細書の方法の実施形態は、半導体処理の間に排除リングを用いて実施される。ウエハ支持体上に取り付けられた排除リング(最小重複排除リングまたはMOERとも呼ばれる)は、ウエハエッジに沿ってガス流およびプロセス環境を管理するのに用いられうる。本明細書に記載の方法の実施形態で用いられうる例示的排除リングは、図1A図1Eを参照して以下に説明される。
【0052】
図1Aでは、ウエハ支持体に取り付けられた排除リングの等角図が示されている。排除リング100は、ウエハ支持体103によって支持されうるウエハ101のエッジに沿ってガス流およびプロセス環境を管理するために用いられてよい。図1Bは、排除リング100、ウエハ101、およびウエハ支持体103の分解等角図を示す。
【0053】
図1Cおよび図1Dは、排除リングの底面図および上面図をそれぞれ示す。排除リング100は、概して、内径120および外径122を有する薄環状リングとして説明されてよい。いくつかの実施形態では、排除リング100は、環状リング102の外周から径方向に突出する複数のタブ104を備えてよい。排除リング100の上面106および底面108(本明細書では、それぞれ第1の面および第2の面とも呼ばれてよい)は、環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行であってよい。排除リングに関して「上」および「底」という用語は、本願の文脈において、所定の瞬間における排除リングの配向によって定義された任意の上および底ではなく、排除リングが半導体処理環境で用いられるときに「上」および「底」とみなされる排除リングの面を意味する相対的な用語と認識される。また、基準面に平行でない上面106および底面108の部分があってよい。例えば、排除リング100の底面108は凹部を特徴としてよく、凹部の深さが半導体ウエハの公称厚さより大きくなりうるように、排除リング100が半導体上に置かれずに半導体ウエハの上を覆うことが可能になる。本明細書に記載の方法で用いられるときに、半導体ウエハと排除リング100との径方向の重なりがある程度(例えば0.05’’~0.5’’)あるように、排除リング100の内径122は、半導体ウエハの公称径より小さくてよい。凹部は、半導体ウエハの公称径より大きい中径内に含まれてよい。凹部への移行が起こる底面108の部分は傾斜してよく、よって、移行部分は、底面が基準面に平行でない限定領域を表してよい。しかし、全体として上面106および底面108は、表面のほとんどの径方向距離が基準面に平行になるように基準面に実質的に平行であってよい。上面106および底面108は、半導体ウエハの公称厚さより大きい距離で互いにオフセットされてよい。
【0054】
ウエハ103および排除リング100のエッジの例示的な拡大断面詳細図を示す図1Eに示されるように、排除リング100の上面106は、傾斜部分を含んでよい。図のように、上面106は、傾斜部分111を含む。ウエハ103は、ウエハのエッジ104が排除リング100の直下に配置されるように排除リング100の凹部109に配置される。ウエハ101のエッジ104は、ウエハの水平な上面から傾斜するベベルエッジである。ベベル部への材料の堆積は、水平な上面上の優れた均一性を維持しながら回避されうる。例えば、タングステンなどの比較的厚い(例えば、2000Å)膜の堆積に続いて、膜を平坦化するために化学機械研磨(CMP)プロセスが実施されてよい。ベベル部への堆積は平坦化によって除去されないため、ベベルエッジにおける堆積を回避することは有益である。
【0055】
タングステンなどの材料の堆積では、ウエハエッジにおける堆積を調節するために排除リングが用いられうる。図2は、裏面ガス注入および排除リングを備える台座(または、他のウエハ支持体)の概略図を示す。アルゴン(Ar)および/または水素(H2)などの裏面ガスは、堆積ガス(例えば、六フッ化タングステン/水素(WF6/H2)または塩化タングステン/水素(WClx/H2))がウエハ201のエッジに到達するのを防ぐために流されうる。排除リング200は、排除リング200、ウエハ支持体203、およびウエハ201によって形成された空間においてウエハ201のエッジにおける裏面ガスの流れを方向付けることによって、裏面の堆積を防ぐ。図2に示されるように、排除リング200は、ウエハ201の上面と排除リング200との間の隙間を伴ってウエハ201の上に延びる。張り出し部分、上記隙間、排除リング200とシャワーヘッド(図示せず)との間の隙間、ならびに裏面ガスの流量および種類のうちの1つ以上は、エッジにおける堆積プロファイルを制御するために調節されてよい。
【0056】
図3に示された一例では、タングステン(W)の堆積において、排除リング300の下の流線310によって示されたAr/H2の流れは、堆積ガス(例えば、WF6/H2またはWClx/H2)を押し戻し、堆積ガスがウエハ301のエッジに到達するのを防ぐことでエッジにおけるタングステンの堆積を防ぐ。排除リング300の形状により、ウエハ上方で径方向外向きに進んでリング周辺で上向きに屈曲する、シャワーヘッドからのガス流の流線312が生じる。この上向きの屈曲は、リング付近のウエハの表面に近接するWF6前駆体ガスまたは他のタングステン前駆体ガスの濃度を薄める。
【0057】
図3に示された技術は、エッジに最大3mmの均一な堆積を提供しながらウエハベベル部へのタングステンの堆積を排除するのに有効である。つまり、300mmウエハ(150mmの半径)に関して、図3に示された技術は、ベベルエッジへの堆積を防ぎながら、ウエハの中心から0~147mmに均一なW堆積を提供する。
【0058】
図4Aおよび図4Bは、ウエハエッジにおける堆積を調節する際の特定の動作を示すフロー図である。特定の実施形態では、エッジにおける堆積は、エッジから最大2mmまたはエッジから最大1mmを含む、エッジから特定の距離までの均一な堆積を提供しながら抑制される、および/または除去される。つまり、300mmウエハに対して、ベベルエッジへの堆積を防ぎながら、ウエハ中心から0~148nm(エッジから2mm)または0~149mm(エッジから1mm)に均一な堆積が提供されてよい。エッジから1mm~3mmの範囲内の他の数値は、本明細書に記載の方法および装置を用いて実現されてよい。様々な実施形態により、この方法は、特定の距離までのウエハ全体に1%未満の厚さの不均一性を提供するのに用いられてよい。不均一性は、100%×(厚さ(tmax~tmin)の最大偏差の半分/平均厚さ)で測定される。
【0059】
図4Aでは、まず、ベベルエッジにおける堆積を抑制するために方法400が用いられてよい。ウエハのエッジ領域は、堆積防止剤を含むガスに曝露される(401)。タングステン膜またはタングステン含有膜の堆積については、堆積防止剤は、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、またはヒドラジン(N24)などの窒素含有化合物であってよい。抑制は、プラズマプロセスまたは熱(非プラズマ)プロセスであってよい。アンモニアまたはヒドラジンは、熱プロセスに用いられてよい。いくつかの実施形態では、熱抑制プロセスは、250℃~450℃の温度で実施される。これらの温度では、先に形成されたタングステン核形成層のNH3への曝露は、抑制効果をもたらす。窒素(N2)または水素(H2)などの他の潜在的な抑制化学物質は、より高温(例えば、900℃)での熱抑制に用いられてよい。しかし、多くの用途については、これらの高温はサーマルバジェットを超える。アンモニアおよびヒドラジンなどの水素含有窒化剤は、配線工程(BEOL)用途に適したより低温で用いられてよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、抑制は、窒化シリコン(SiN)などの複合材料の薄膜を形成するために抑制剤種とフィーチャ面との間の化学反応を含みうる、または、複合材料の層を形成することなくSiまたは他の表面を不動態化する吸着などの表面効果を含みうる。いくつかの実施形態では、タングステン薄膜は、ベベル面に存在し、窒化タングステン層を形成してよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、抑制処理は、ウエハへの核形成層またはバルク層の堆積前または堆積後に施されてよい。例えば、抑制処理は、露出面、タングステン核形成層、またはタングステンバルク層の上にバリア層(例えば、窒化チタン(TiN)層または窒化タングステン(WN)層)を備えるウエハにおいて実施されてよい。
【0062】
ウエハの上面は、堆積ガスに曝露される(403)。堆積は、例えば、原子層堆積(ALD)法または化学気相堆積(CVD)法によって行われてよい。前者では、ウエハは、反応ガスの交互パルスに曝露される。タングステン堆積の例では、六フッ化タングステン(WF6)、六塩化タングステン(WCl6)、五塩化タングステン(WCl5)、タングステンヘキサカルボニル(W(CO)6)、またはタングステン含有有機金属化合物などのタングステン含有前駆体が用いられてよい。いくつかの実施形態では、タングステン含有有機金属化合物のパルスは、水素(H2)、ジボラン(B26)、シラン(SiH4)、またはゲルマン(GeH4)などの還元剤によってパルス化される。CVD法では、ウエハは、同時に反応ガスに曝露される。
【0063】
ベベルエッジは不動態化されているため、いくつかの実施形態では、いくらかの堆積ガスがベベルエッジに到達しても、膜はベベルエッジに堆積しない。いくつかの実施形態では、膜が堆積してもウエハの上面より小規模であってよい。ブロック403は、ブロック401の後に実施されてよい、または、ブロック401と部分的または全体的に重複してよい。
【0064】
図4Bでは、ベベルエッジに堆積された膜をエッチングするために方法410が用いられてよい。ブロック405は、反応ガスにウエハの上面を曝露して膜を堆積させることを含む。堆積は、例えば、ALD法またはCVD法であってよい。ウエハのエッジ領域は、エッチング剤に曝露される(407)。例えば、タングステン膜をエッチングするために、三フッ化窒素(NF3)またはフッ素分子(F2)が用いられてよい。ブロック407は、ブロック405の後に実施されてよい、または、ブロック405と部分的または全体的に重複してよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、方法は、エッジ抑制、均一な上面堆積、およびエッジエッチングを含んでよい。これらの動作のいずれかまたは全サイクルは、所望のプロファイルを実現するために1回以上繰り返されてよい。
【0066】
図5Aおよび図5Bは、タングステン(W)膜またはW含有膜の堆積方法を示す。まず、図5Aでは、方法500において、ウエハは反応ガスに曝露されて、ウエハ全体にW核形成層が堆積される(501)。W核形成層の堆積は、以下に説明され、パルス核形成層(PNL)プロセスまたは原子層堆積(ALD)プロセスを含んでよい。いくつかの実施形態では、この段階でウエハのベベルエッジ上に堆積がある。また、ウエハ全体に均一な堆積もある。様々な実施形態により、均一な堆積は、エッジから少なくとも閾値距離(例えば、ウエハ中心から端に向かってウエハエッジから少なくとも2mm(0.3mmのベベル部から1.7mm)、または、ウエハ中心から端に向かってウエハエッジから少なくとも1mm(0.3mmのベベル部から0.7mm))に及んでよい。
【0067】
核形成層は、ウエハの上面において、例えば、約10Å~100Åと薄い。堆積がある場合、ベベルエッジにおける堆積は、均一的または不連続的であってよい。ウエハのエッジ領域は、次に、抑制化学物質を含むガスに曝露される(503)。タングステン核形成の抑制については、以下にさらに説明される。抑制ガスの流れは、ウエハの上面が抑制化学物質に曝露されないように制御される。ガスを制御する技術については、図6A図6B図7A、および図7Bを参照して以下にさらに説明される。ブロック501およびブロック503は、それぞれ、図4Aによるプロセスにおけるブロック401およびブロック403の例である。
【0068】
ウエハは反応ガスに曝露されて、上面にバルクタングステン層が堆積される(505)。Wバルク層の堆積は、以下に説明され、ALDプロセスまたはCVDプロセスが含まれてよい。エッジベベル上の核形成は抑制されているため、大幅な核形成の遅延があり、タングステンが成長するのを妨げる。図13は、堆積厚さを関数とするW成長の遅延時間を示す。図のように、成長遅延は、核形成層などのタングステン薄膜において特に著しい。ウエハの上面は、少なくとも端に向かって所望の半径(例えば、ベベル部から0.7mmまたは1.7mm)まで抑制されず、その上に均一な堆積を有する。
【0069】
ブロック505は、ブロック503が終了した後に実施されてよい、または、ブロック503と完全にまたは部分的に重複してよいことに注意されたい。重複する場合、エッジ領域は、ウエハの上面が堆積ガスに曝露されている間に抑制ガスに曝露される。これは、抑制ガスが、堆積ガスに対して化学的に不活性、または堆積ガスと混合可能である場合に実施されうる。
【0070】
図5Bでは、図5Aを参照して上述されたように、動作501において、ウエハは反応ガスに曝露されてウエハ全体にW核形成層が堆積される。エッジ領域は、次に、Wエッチング剤を含むガスに曝露されて、堆積膜が除去される(502)。Wエッチング剤化学物質については、以下に説明される。エッチングガスの流れは、ウエハの上面がエッチング剤化学物質に曝露されないように制御される。ガスを制御する技術は、図6A図6B図7A、および図7Bを参照して以下にさらに説明される。ブロック501およびブロック502は、それぞれ、図4Bによるプロセスにおけるブロック405およびブロック407の例である。
【0071】
次に、図5Aを参照して上述されたように、動作505において、ウエハは反応ガスに曝露されて上面にバルクタングステン層が堆積される。エッジベベル上の核形成層は、下地面(例えば、窒化チタン(TiN))を露出させるために除去されているため、タングステンはそこでは成長しない。ウエハの上面は、少なくとも端に向かって所望の半径(例えば、ベベル部から0.7mmまたは1.7mm)でその上に均一な堆積を有する。
【0072】
ブロック505は、ブロック502が終了した後に実施されてよい、または、ブロック502と完全にもしくは部分的に重複してよい。重複する場合、エッジ領域は、ウエハの上面が堆積ガスに曝露されている間にエッチングガスに曝露される。
【0073】
図6Aは、図5Aおよび図5Bに関して上述された例による堆積プロセス中の排除リング600およびウエハの概略配置図を示す。上述のように、排除リング600の下およびエッジ周辺にプロセスガス流線をもたらすために真空が用いられるが、エッジを処理するために抑制ガス源および/またはエッチングガス源が用いられる。下向きの流線をもたらすために引かれたプロセスガスの量は、エッジ付近のウエハの均一性を制御し、処理ガスの量および/または処理ガスが空間に引かれる回数は、少なくとも部分的に、ベベル部および裏面への堆積を制御する。
【0074】
まず、エッジを含むウエハ全体にW核形成層が堆積される。プロセスガス流線312のうちの少なくともいくつかが排除リング600の周辺で屈曲する図3に示された配置とは異なり、この実施形態では、少なくともいくつかのプロセスガスが真空によってリングの下に引かれる。真空は、例えば、径方向の真空能力を有する台座を通じて引かれてよい。その結果、ベベルを含むウエハ全体に広がる核形成層620が形成される。次に、ウエハエッジ処理が施される。この動作は、核形成層堆積と同じまたは異なるステーションまたはチャンバで実施されてよい。ここで、エッジを処理するために、エッジリングの下に抑制ガス(例えば、NH3)またはエッチングガス(例えば、NF3)(処理ガスとも呼ばれる)が追加される。ガスは、必要に応じて、裏面ガスマニホルドを通じて追加されうる。不活性ガス(例えば、Ar)は、抑制ガスまたはエッチングガスの拡散を防ぐために用いられてよい。いくつかの実施形態では、処理ガスは希釈されてよい。真空、処理ガスの流量および濃度、排除リングとウエハとの間の隙間距離を適切に制御することによって、処理ガスに曝露されるウエハの領域が制御される。(処理ガスは、裏面に沿った位置またはリングを通る位置を含む、エッジに近接する適切な位置で追加されてよい。)
【0075】
その結果、エッジ領域622は、残りの膜の上面を抑制またはエッチングすることなく抑制される、および/またはエッチングされる。その後、バルク層624の完全な堆積のために真空が再び施される。真空はウエハのエッジ周辺のプロセスガスを引き下ろす(ことで、少なくとも閾値半径までの上面の均一な堆積を確保する)が、上述のように、タングステン膜は、抑制面またはエッチング面では成長しない。
【0076】
図6Bは、図5Aおよび図5Bに関して上述された例による、堆積プロセス中の排除リング600およびウエハの概略配置の別の例を示す。この例は、図6Aのものに類似するが、台座を通じて引かれた真空ではなく共通真空によって実施されうる。図6Aのように、真空は、排除リング600の下およびウエハのエッジ周辺にプロセスガス流線をもたらすために用いられ、抑制ガス源および/またはエッチングガス源は、エッジを処理するために用いられる。下向きの流線をもたらすように引かれたプロセスガスの量は、エッジ近くのウエハの均一性を制御し、処理ガスの量および/またはガスが空間に引かれる回数は、少なくとも部分的に、ベベル部堆積および裏面堆積を制御する。
【0077】
図6Aのように、W核形成層は、エッジを含むウエハ全体に堆積される。ここで、堆積は、排除リング600がウエハから持ち上げられた状態で実施される。これにより、共通真空が排除リング600の上下のプロセスガスを引くことが可能になる。排除リングの上の引かれたプロセスガスは、排除リング600とシャワーヘッド(図示せず)との間の隙間を通って引かれる。よって、排除リング600の下を流れるガスの量およびエッジ上の堆積は、排除リングとシャワーヘッドとの間の隙間の大きさに対するウエハと排除リング600との間の隙間の大きさによって制御されうる。図6Bの例では、ベベル部を含むウエハ全体に広がる核形成層620が結果として生じる。次に、ウエハエッジ処理が施される。この動作は、核形成層堆積と同じまたは異なるステーションまたはチャンバで実施されてよい。ここで、エッジを処理するために排除リング600の下に抑制ガス(例えば、HN3)またはエッチングガス(例えば、NF3)(処理ガスとも呼ばれる)が追加される。ガスは、必要に応じて、裏面ガスマニホルドを通じて追加されうる。不活性ガス(例えば、Ar)は、抑制ガスまたはエッチングガスの拡散を防ぐために用いられてよい。いくつかの実施形態では、処理ガスは希釈されてよい。ここで、排除リング600は、図6Aの上昇位置に対して下降される。つまり、排除リング600は、完全に下降されてよい、または中間レベルまで下降されてよい。これは、ウエハの残りの部分への処理ガスの流れを防ぐためである。様々な実施形態により、ガスは、共通真空によってウエハの下に引かれてよい、または引かれなくてもよい。共通真空、処理ガスの流量および濃度、排除リング600とウエハとの間の隙間距離を適切に制御することによって、処理ガスに曝露されるウエハの領域が制御される。処理ガスは、裏面に沿った位置またはリングを通る位置を含む、エッジに近接する適切な位置で追加されてよい。
【0078】
その結果、エッジ領域622は、残りの膜の上面を抑制またはエッチングすることなく抑制される、および/またはエッチングされる。その後、バルク層624の完全な堆積のために排除リング600が持ち上げられる。共通真空は、ウエハのエッジ周辺にプロセスガスを引き下ろす(ことで、少なくとも閾値半径までの上面の均一な堆積を確保する)が、上述のように、タングステン膜は、抑制面またはエッチング面では成長しない。
【0079】
図7Aおよび図7Bは、様々な実施形態によりエッジ処理を実現するための追加の配置の概略図である。図7Aでは、処理ガス(例えば、NH3またはNF3)は、図6Aまたは図6Bのように台座703を通って裏面から追加される。ここで、排除リング700は、裏面処理ガスに対して物理的バリア715を提供し、ウエハ701のベベル部(例えば、エッジから0~1mmまたは0~2mm)付近に排除区域を形成する。排除区域の外側の処理ガスの拡散を防ぐために、Arまたは他の不活性ガスが他の領域に流されてよい。図7Bでは、処理ガスは、処理ガスの拡散を防ぐAr流と共に、裏面に代わってまたは裏面に加えて上側から流されてよい。シャワーヘッド705が延びた仕切り壁707は、ウエハの中心に向かう処理ガスの拡散に対して物理的バリアを提供してよい。
【0080】
本明細書では、プロセスガス流を方向付けるために複数の平面を含む排除リングおよび関連装置も記載される。図8は、基板支持体803に取り付けられた2つのリングを有する排除リングアセンブリ800を示す。基板支持体803は、この例ではウエハ803である基板を支持することが示されている。基板支持体803は、裏面ガス源と流体連通し、裏面ガスが流されうる環状凹部844を備える。
【0081】
排除リングアセンブリ800は、下部リングおよび上部リングを備える。下部リングは、裏面ガスの流れを方向付けて裏面堆積または裏面およびエッジ堆積を防き、上部リングは、エッジにおける基板付近のプロセスガスを方向付けてエッジへの堆積を制御する。このように、裏面およびエッジの堆積を防ぐことは、均一な堆積が望まれる閾値距離までの均一な堆積とは分離される。様々な実施形態により、下部リングおよび上部リングは、互いに対して固定されてよい、または移動可能であってよい。閾値のエッジに向けられたガスの量は、シャワーヘッド805と上部リングとの間の隙間によって制御されうる。シャワーヘッド805のより近くに上部リングを移動することによって、下部リングと上部リングとの隙間により多くの流れが進み、エッジにおける堆積を増加させる。エッジリングアセンブリの例示的実施形態は、以下にさらに説明される。
【0082】
図9Aは、図8に示された排除リングアセンブリ、台座、およびウエハの等角断面図であり、図9Bは、図9Aの指定領域の詳細図である。リングアセンブリ900は、上部リング930および下部リング932を備え、台座903の上に取り付けられている。上部リング930は、下部環状ガス流路934を規定するように下部リング932からオフセットされている。下部環状ガス流路934には、上部リング930と下部リング932との間に接続部(図示せず)があってよく、無視できるほどのわずかなガス流の遮断があってよいことに注意されたい。下部環状ガス流路934を通じてだけでなく、シャワーヘッド(図示せず)と上部リング930との間でプロセスガスを引き抜くために、真空が引かれてよい。閾値のエッジに向けられたガスの量は、下部環状ガス流路934、および上部リング930とシャワーヘッドとの間のガス流領域の相対的な大きさによって制御されうる。上部リング930が下部リング932に対して固定されている実施形態では、ガスの量は、シャワーヘッドと下部リング930との間の隙間によって制御されうる。シャワーヘッド805のより近くに上部リング930を移動することによって、下部リングと上部リングとの間により多くの流れが進み、エッジにおける堆積(または、他の処理)を増加させる。このことは、以下の図9Cおよび図9Dに関連してさらに説明される。
【0083】
図9Cおよび図9Cは、シャワーヘッドと上部リングとの間の異なる隙間における排除リングアセンブリ900のプロセスガス流線912の概略図を示す。リングアセンブリ900は、互いに固定されうる上部リング930および下部リング932を備える。上部リング930とシャワーヘッド905との間の環状隙間は、環状ガス流路936を規定する。図9Cでは、上部リング930は、図9Dよりシャワーヘッド905から遠くにあり、プロセスガス流線912によって表されるように、図9Cでは図9Dより多くのプロセスガスが環状ガス流路936を通じて引かれる。プロセスガス流線912によって表されるように、図9Cのように上部リング930からより遠いシャワーヘッド905より図9Dのように上部リング930により近接したシャワーヘッド905を有する下部環状ガス流路934を通じて、より多くのプロセスガスが引かれる。よって図9Dでは、プロセスガスの濃度は、エッジから閾値距離でより大きい。閾値距離は、図9Cおよび図9Dの地点905で表されるように、均一な処理が望まれる距離であってよく、地点905は、ベベル部と円周との間の除外領域の境界となる円周上の地点である。ガスは、台座903の環状凹部944を通る流れを提供するように注入されてよく、これにより、上述のようにベベル部および裏面への堆積を防ぐことができる。特定の実施形態では、上述のように除外領域内の堆積を防ぐように制御されてよい。このようにして、上部環状ガス流路936および下部環状ガス流路934の相対的な大きさは、裏面およびエッジの処理を防ぐことから少なくとも部分的に分離された、排除リング境界における処理ガス濃度に対する(それにより、堆積または他の処理に対する)制御を提供する。図9Cおよび図9Dの例では、台座-シャワーヘッド間の距離は、例えば、台座を昇降させることによって変更されてよい。
【0084】
様々な実施形態により、図8A図8B、および図9A図9Dに記載された上部リングおよび下部リングを備えるリングアセンブリは、抑制ガスまたはエッチングガスにエッジ領域が曝露される上述の方法のいずれかで用いられてよい。他の実施形態では、かかるリングアセンブリは、エッジ領域の選択的な抑制またはエッチングのない方法で用いられてよい。つまり、リングアセンブリ自体が、エッジ堆積を防いで均一な堆積および排除領域におけるわずかな堆積を提供する裏面ガスにより、除外領域の境界における処理ガスの濃度に対して十分な制御を提供してよい。様々な実施形態により、1%未満の不均一性を提供するために堆積プロセスにおいて排除リングアセンブリが用いられてよく、不均一性は、ウエハのエッジから少なくとも2mmまたは1mmまで100%(厚さ(tmax~tmin)の最大偏差の半分/平均厚さ)で測定される。
【0085】
リングアセンブリの上部リングおよび下部リングのフィーチャは、図10および図11に関連して説明される。まず、図10A図10B、および図10Cは、内径1020aおよび外径1022aを有する例示的な下部リング1032の上面図、側面図、および底面図をそれぞれ示す。3つの凹部1070は、図10Aの上面に示されており、それらの収容支柱が上部リングに示されている。上述の排除リング100に関連して説明されたタブ、または他のフィーチャなどの他のフィーチャは、下部リングに存在してよい。
【0086】
図11A図11B、および図11Cは、例示的な上部リング1030の上面図、側面図、および底面図をそれぞれ示す。底面から突出する3つの支柱1172が示されており、支柱1172は、下部リング1032の凹部1070の中に収まる。排除リング100に関して上述されたものなどの他のフィーチャは、上部リングに存在してよい。凹部は、下部リングに支柱を備えて上部リングにあってよい、または、リングは、任意の適切な接合によって物理的に接合されてよいことが理解されるだろう。
【0087】
いくつかの実施形態では、上部リングが下部リングの上で内向きに延びるように、上部リングの内径1122は、下部リングの内径1022より小さい。いくつかの他の実施形態では、下部リングの内径1022は、上部リングの内径1122より小さくてよい。上部リングの内径(IDupper)が下部リングの内径(IDlower)に対して大きすぎる場合は、上部リングは、プロセスガスを効率的に方向付けることができない。IDupperが小さすぎる場合は、エッジから所望の距離より遠くでガスを集める。300mmウエハ用のリングアセンブリについて、いくつかの実施形態では、上部リングは、0.12まで下部リングより小さく、下部リングから0.04インチ(0.1016センチ)延びてよい:
[IDlower-0.12インチ(0.3048センチ)]
≦ IDupper
≦ [IDlower+0.04インチ(0.1016センチ)]
これらのパラメータは、ウエハの大きさ、リング間のオフセットなどを含む要素に応じて変化してよい。
【0088】
図12は、上部リングおよび下部リングの内周におけるリングアセンブリ1200の一部の詳細図を示す。図1A図1Eの排除リング100に関して上述されたように、上部リング1230および下部1232の各々は、実質的に平行な上面および底面(または、第1の面および第2の面)を有する。図12では、上部リング1230は、互いに、また環状リングの中心軸に垂直な基準面にも実質的に平行な、上面1206aおよび底面1208aを有する。下部リング1232は、互いに、また環状リングの中心軸に垂直な基準面にも実質的に平行な、底面1206bおよび底面1208bを有する。図12の例では、下部リング1232は、リングアセンブリ1200がウエハの上に設置されることを可能にする凹部1209も備える。
【0089】
上部リング1230および下部リング1232の各々は、それぞれの上面に隣接する傾斜面を有する。上部リング1230は傾斜上面1211aを備え、下部リングは傾斜上面1211bを備える。上面1206aおよび傾斜上面1211aは、エッジで分割されているように示されているが、いくつかの実施形態では、それらの間には図1Eに示されたような曲面があってよい。そのため、傾斜上面1211aは、上面1206aまたは分割面の傾斜部分であってよい。同様に、傾斜上面1211bは、上面1206bまたは分割面の傾斜部分であってよい。上部リング1230の傾斜上面1211aの傾斜角度は、下部リング1230の傾斜上面1211bの傾斜角度より大きい。上部リング1230の傾斜上面1211aの例示的な傾斜角度は、水平から15度~80度である。下部リング1232の傾斜上面1211bの例示的な傾斜角度は、水平から1度~45度である。
【0090】
図12の例では、上部リング1230は、底面1208aまたはエッジで分割された分割面の傾斜部分であってよい傾斜底面1213も有する。環状ガス流路1234は、傾斜底面1213、底面1208a、傾斜上面1211b、および上面1206bによって規定されてよい。傾斜上面1211bおよび傾斜底面1213の傾斜は、環状ガス流路1234の内開口部における上部リングおよび下部リングのオフセット(D1)が環状ガス流路の流出口におけるオフセット(D2)より小さくなるように傾斜してよい。図12の例では、オフセットD2は、底面1208aに平行な上面1206bを備える流出口と同じである。これは、環状ガス流路自体における流れ制限を低減しながら、上部リングの内側先端部をウエハ面に近づけることによって、上部リングの内側先端部における微調整を提供するためである。一例では、距離D1は0.062インチ(0.15748センチ)であってよく、距離D2は0.125インチ(0.3175センチ)であってよい。
【0091】
図12の例では、上部リング1230は内側面1214aを備え、下部リングは内側面1214bを備える。いくつかの実施形態では、これらは省略されてよい。各々の例示的な寸法は、0(存在しない場合)~0.08インチ(0.2032センチ)であってよい。
【0092】
上記の排除リングアセンブリは、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムを含むセラミック材料であってよい。排除リングアセンブリを製造する方法も提供され、セラミック粉末から素地を形成することと、素地を焼くことと、次に研磨して上記の排除リングアセンブリのいずれかを形成することとを含んでよい。上部リングおよび下部リングは、別々の構成要素として、または単一の構成要素として製造されてよい。排除リングアセンブリは、台座に取り付けられてよい、または、取り付けられずに台座上に配置されてよい。いくつかの実施形態では、排除リングを所定位置に保持するために台座上のガイド部が用いられてよい。いくつかの実施形態では、台座は、鋳造または溶接、ろう接、および機械加工されてよい。台座は、適切なガイド部を伴って形成されてよい。
【0093】
上記の記載は、タングステン堆積との関連における排除リングの使用について主に説明しているが、排除リングは、エッジにおける処理のない、またはエッチングを適切に処理することなく、ウエハエッジから閾値距離までの関連する全ての半導体処理動作を用いる均一処理のために実装されてよい。関連するプロセス動作は、プロセスガスがチャンバ内のシャワーヘッドから径方向に分配される動作を含む。基板のエッジまたは裏面への堆積なしで基板のエッジに非常に近くへの均一性が望まれる連続流様式におけるプロセスが役立ってよい。それらは、窒化タングステン(WN)および炭化タングステン(WC)、チタン含有材料(例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、ケイ化チタン(TiSi)、炭化チタン(TiC)、およびチタンアルミナイド(TiAl))、タンタル含有材料、ニッケル含有材料、ルテニウム含有材料、コバルト含有材料、モリブデン含有材料などを含むがこれらに限定されない導電材料もしくは誘電材料の堆積を含む、CVD動作またはALD動作を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、バルク層の堆積より前の核形成層の堆積を含む。上記のように、核形成層は、ウエハのベベル部を含むウエハ全体に堆積される。核形成層は、通常、後続の、その上へのバルク層の堆積を容易にする薄共形膜である。例えば、核形成層は、フィーチャの充填より前に、および/または、ウエハ面上のフィーチャ(例えば、ビア配線)の充填中の連続する時点において堆積されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、核形成層は、フィーチャにおけるタングステンのエッチングに続いて、および、初期のタングステン堆積より前に堆積されてよい。
【0095】
特定の実施形態では、核形成層は、パルス核形成層(PNL)技術を用いて堆積される。タングステン核形成層を堆積させるためのPNL技術では、還元剤、任意のパージガス、およびタングステン含有前駆体のパルスは、連続して反応チャンバに注入され、反応チャンバからパージされる。このプロセスは、所望の厚さが達成されるまで周期的に繰り返される。PNLは、原子層堆積(ALD)技術を含む、半導体基板上の反応のために連続して反応剤を追加する周期的プロセスを広く具現化する。タングステン核形成層を堆積させるためのPNL技術は、米国特許第6,635,965号、第7,005,372号、第7,141,494号、第7,589,017号、第7,772,114号、第7,955,972号、および第8,058,170号、ならびに、米国特許公報第2010-0267235号に記載され、それらの全ては、全文が本明細書において参照として援用される。核形成層の厚さは、核形成層堆積方法だけでなくバルク堆積の所望の品質に依存しうる。一般に、核形成層の厚さは、高品質の均一なバルク層の堆積を支援するのに十分である。その例は、10Å~100Åであってよい。
【0096】
PNL堆積の例が上記されているが、本明細書に記載の方法は、タングステン核形成層堆積の特定の方法に限定されず、PNL、ALD、CVD、および物理気相堆積(PVD)を含むあらゆる方法によって形成されたタングステン核形成層上のバルクタングステン膜の堆積を含む。また、特定の実施形態では、バルクタングステンは、核形成層を用いることなくフィーチャに直接堆積されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、フィーチャ面および/または堆積済みの下地層は、バルクタングステンの堆積を支援する。いくつかの実施形態では、核形成層を用いないバルクタングステン堆積プロセスが実施されてよい。例えば、本明細書に参照として援用される、2012年7月27日出願の米国特許出願第13/560,688号は、核形成層なしのタングステンバルク層の堆積について記載している。
【0097】
様々な実施形態では、タングステン核形成層の堆積は、タングステン含有前駆体(六フッ化タングステン(WF6)、六塩化タングステン(WCl6)、およびタングステンヘキサカルボニル(W(CO)6など)への曝露を含みうる。特定の実施形態では、タングステン含有前駆体は、WF6などのハロゲン含有化合物である。有機金属前駆体、ならびに、MDNOW(メチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)およびEDNOW(エチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)などのフッ素非含有前駆体が用いられてもよい。
【0098】
還元剤の例は、ジボラン(B26)および他のボランを含むホウ素含有還元剤、シラン(SiH4)および他のシランを含むシリコン含有還元剤、ヒドラジン、ならびにゲルマンを含みうる。いくつかの実施形態では、タングステン含有前駆体のパルスは、1つ以上の還元剤(例えば、S/W/S/W/B/W(Wはタングステン含有前駆体、Sはシリコン含有前駆体、Bはボロン含有前駆体))のパルスと交換されうる。いくつかの実施形態では、別の還元剤は用いられない(例えば、タングステン含有前駆体は、熱分解またはプラズマ支援分解が施されてよい)。
【0099】
様々な実施形態により、水素は、裏面に流されてよい、または流されなくてよい。さらに、いくつかの実施形態では、タングステンバルク堆積より前に、1つ以上の処理動作がタングステン核形成層の堆積に続いてよい。堆積したタングステン核形成層をより低い抵抗性に処理することは、例えば、本明細書に参照として援用される、米国特許第7,772,114号および第8,058,170号、ならびに、米国特許公報第2010-0267235号に記載されている。
【0100】
さらに、本明細書に記載の方法は、タングステンの堆積に限定されず、以下に記載されるように核形成層が堆積されうる他の材料を堆積させるために実施されてよい。
【0101】
バルク堆積
上記のように、タングステンのバルク堆積は、ウエハ全体に実施されてよい。多くの実施形態では、タングステンバルク堆積は、フィーチャにバルク充填層を堆積させるために還元剤およびタングステン含有前駆体が堆積チャンバに流されるCVDプロセスによって生じうる。不活性キャリアガスは、予混合されてよい、または予混合されなくてよい1または複数の反応剤流を送達するのに用いられてよい。この動作は、PNLプロセスまたはALDプロセスとは異なり、一般に、所望量が堆積されるまで連続的に反応剤を流すことを含む。特定の実施形態では、CVD動作は、複数段階で実施されてよく、反応剤の連続的な流れおよび同時の流れの複数期間は、迂回された1つ以上の反応剤の流れの複数期間によって分断される。
【0102】
WF6、WCl6、およびW(CO)6を含むがそれらに限定されない様々なタングステン含有ガスは、タングステン含有前駆体として用いられうる。特定の実施形態では、タングステン含有前駆体は、WF6などのハロゲン含有化合物である。特定の実施形態では、還元剤は水素ガスであるが、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、ヒドラジン(N24)、ジボラン(B26)、およびゲルマン(GeH4)を含む他の還元剤が用いられてよい。多くの実施形態では、水素ガスは、CVDプロセスにおいて還元剤として用いられる。いくつかの他の実施形態では、バルクタングステン層を形成するために分解しうるタングステン前駆体が用いられうる。バルク堆積は、ALDプロセスを含む他の種類のプロセスを用いて生じてもよい。
【0103】
温度の例は、200℃~500℃であってよい。様々な実施形態により、本明細書に記載のCVDによるWの動作は、低温(例えば、約250℃~350℃または約300℃での)CVDによるW充填を採用しうる。
【0104】
様々な実施形態により、堆積は、特定のフィーチャプロファイルが実現するまで、特定のウエハエッジプロファイルが実現するまで、および/または、特定量のタングステンが堆積するまで継続されてよい。いくつかの実施形態では、堆積時間および他の関連パラメータは、モデリングによって、および/または試行錯誤によって決定されてよい。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、堆積動作の終点検出のためのin-situ計測測定を実施するために様々なセンサが備えられてよい。in-situ計測の例は、堆積膜の厚さを決定するための光学顕微鏡検査および蛍光X線分析(XRF)を含む。
【0105】
本明細書に記載のタングステン膜は、用いられる特定の前駆体およびプロセスに応じて、いくらかの他の化合物、ドーパント、および/または不純物(窒素、炭素、酸素、ホウ素、亜リン酸、硫黄、シリコン、ゲルマニウムなど)を含んでよいことを理解されたい。膜におけるタングステン含有量は、20~100(原子)%のタングステンであってよい。多くの実施形態では、膜は、少なくとも50(原子)%のタングステン、または、少なくとも約60、75、90、もしくは99(原子)%のタングステンすら有する、タングステン含有量の多い膜である。いくつかの実施形態では、膜は、タングステン(W)金属またはタングステン元素と、炭化タングステン(WC)、窒化タングステン(WN)などの他のタングステン含有化合物との混合物であってよい。
【0106】
これらの材料のCVD堆積およびALD堆積は、任意の適した前駆体を用いることを含みうる。例えば、窒化タングステンのCVD堆積およびALD堆積は、以下にさらに説明されるように、ハロゲン含有化合物、ハロゲン非含有タングステン含有化合物、および窒素含有化合物を用いることを含みうる。チタン含有層のCVD堆積およびALD堆積は、チタン含有前駆体(例えば、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)および塩化チタン(TiCl4))、ならびに、可能であれば1つ以上の共反応剤を用いることを含みうる。タンタル含有層のCVD堆積およびALD堆積は、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル(PDMAT)、およびTaF5などの前駆体、ならびに、可能であれば1つ以上の共反応剤を用いることを含みうる。コバルト含有層のCVD堆積およびALD堆積は、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)コバルト、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト、およびジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレンなどの前駆体、ならびに1つ以上の共反応剤を用いることを含みうる。ニッケル含有層のCVD堆積およびALD堆積は、シクロペンタジエニルアリルニッケル(CpAllylNi)およびMeCp2Niなどの前駆体を用いることを含みうる。モリブデンのCVD堆積およびALD堆積は、六フッ化モリブデン(MoF6)、五塩化モリブデン(MoCl5)、二塩化二酸化モリブデン(MoO2Cl2)、四塩化酸化モリブデン(MoOCl4)、およびモリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO)6)などの前駆体を用いることを含みうる。共反応剤の例は、N2、NH3、N24、N26、SiH4、Si36、B26、H2、およびAlCl3を含みうる。
【0107】
タングステンエッチング
タングステンのエッチングは、タングステンと反応しうる1つ以上のエッチング種にタングステンを曝露することによって実施されうる。エッチング種の例は、ハロゲン種およびハロゲン含有種を含む。タングステン含有材料の除去に用いられうる初期エッチング材料の例は、三フッ化窒素(NF3)、テトラフルオロメタン(CF4)、テトラフルオロエチレン(C24)、ヘキサフルオロエチレン(C26)、オクタフルオロプロパン(C38)、トリフルオロメタン(CHF3)、クロロトリフルオロメタン(CF3Cl)、六フッ化硫黄(SF6)、およびフッ素分子(F2)を含む。いくつかの実施形態では、この種は、活性化されることができ、ラジカルおよび/またはイオンを含みうる。例えば、初期エッチング材料は、リモートプラズマ発生器を通じて流されてよい、および/または、in-situプラズマに曝されてよい。しかし、図5B図6図7A、および図7Bに関して上述された実施形態については、タングステンは、一般に、非プラズマエッチング蒸気に曝露される。
【0108】
上記の例に加えて、タングステン含有膜だけでなくタングステン非含有膜をエッチングするために、あらゆる周知のエッチング化学物質が用いられてよい。例えば、NF3などのフッ素含有化合物は、TiNおよびTiCなどのチタン含有化合物のために用いられてよい。Cl2およびBCl3などの塩素含有化合物は、いくつかの実施形態では、例えば、TiAl、TiAlN、ニッケル含有化合物、およびコバルト含有化合物をエッチングするために用いられてよい。
【0109】
様々な実施形態により、一部または全てのエッチング動作は、堆積動作および/もしくは処理動作を含む他の動作が実施される同一のチャンバで実施されうる、または、専用のエッチングチャンバで実施されうる。様々な実施形態では、エッチングは、堆積したタングステンの特定の特性が除去されるまで、または、特定のプロファイルが実現されるまで実施される。例えば、エッチングは、ベベル部におけるタングステン核形成層が除去されるまで実施されてよい。いくつかの実施形態では、特定のエッチングプロセスパラメータのエッチング終点は、特定のエッジ形状、ならびに、エッチングされる堆積したタングステンのプロファイルおよび量についてのモデリングならびに/または試行錯誤によって決定されてよい。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、in-situ計測測定を実施して除去の範囲を確認するために様々なセンサが備えられてよい。in-situ計測の例は、膜厚を決定するための光学顕微鏡検査およびXRFを含む。さらに、エッチング中に生成されたフッ化タングステン(WFx)または他の副生成物の量を検出するために赤外線(IR)分光法が用いられてよい。いくつかの実施形態では、下地層は、エッチング停止層として用いられてよい。エッチングを監視するために光学発光分光法(OES)が用いられてもよい。様々な実施形態により、タングステンのエッチングは、下地層に対して多少優先的(または、非優先的)であってよい。例えば、エッチングは、エッチング停止部として機能するTi下地層またはTiN下地層などを含むWに優先的でありうる。いくつかの実施形態では、エッチングは、エッチング停止部として機能する下地誘電体を含むWおよびTiまたはTiNをエッチングしうる。
【0110】
タングステン核形成の抑制
米国特許公報第20170365513号に記載されるように、抑制は、フィーチャ面を不動態化する活性種への曝露を含むことができ、熱抑制プロセスが提供される。熱抑制プロセスは、一般に、アンモニア(NH3)またはヒドラジン(N24)などの窒素含有化合物にフィーチャを曝露して、フィーチャ開口部付近のフィーチャを非共形に抑制することを含む。いくつかの実施形態では、熱抑制プロセスは、250℃~450℃の温度で実施される。これらの温度では、既に形成されたタングステン核形成層のNH3への曝露は、抑制効果をもたらす。窒素(N2)または水素(H2)などの他の潜在的な抑制化学物質は、より高温(例えば、900℃)での熱抑制に用いられてよい。しかし、多くの適用では、これらの高温は、サーマルバジェットを超える。アンモニアに加えて、ヒドラジンなどの他の水素含有窒化剤は、配線工程(BEOL)用途に適したより低温で用いられてよい。
【0111】
表面の窒化は、表面を不動態化しうる。続く窒化面へのタングステンの堆積は、通常のバルクタングステン膜と比べて大幅に遅延される。NF3に加えて、CF4またはC28などのフルオロカーボンが用いられてよい。しかし、特定の実施形態では、抑制種は、選択的抑制の間のエッチングを防ぐためにフッ素非含有である。
【0112】
核形成は、タングステン面に加えて、TiN面および/またはWN面などのライナ層面/バリア層面上でも抑制されてよい。これらの表面を不動態化する任意の化学物質が用いられてよい。抑制化学物質は、用いられる異なる比率の活性抑制種で抑制プロファイルを調節するのに用いられることもできる。例えば、W面の抑制について、窒素は、水素より強力な抑制効果を有してよく、形成ガスにおけるN2ガスとH2ガスとの比率を調節することは、プロファイルを調節するために用いられうる。
【0113】
特定の実施形態では、基板は、抑制の前に加熱または冷却されうる。基板の既定温度は、フィーチャ面と抑制種との間の化学反応を誘発する、および/または、抑制種の吸着を促すだけでなく、反応または吸着の速度を制御するようにも選択されうる。例えば、温度は、ガス源付近でより多くの抑制が起こるように、高反応速度を有するように選択されてよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、抑制は、WN複合材料の薄層を形成するために熱抑制種とフィーチャ面との間の化学反応を含みうる。いくつかの実施形態では、抑制は、複合材料の層を形成することなく表面を不動態化する吸着などの表面効果を含みうる。
【0115】
タングステン核形成層が存在する場合は、タングステン核形成層は、ウエハをそのエッジにおいて選択的に抑制するためにNH3または他の抑制蒸気に曝露されてよい。いくつかの実施形態では、バルクタングステン層またはタングステン含有層が存在する場合は、バルク層上にWNを形成するために、還元剤/タングステン含有前駆体/窒素含有抑制化学物質が用いられてよい。これらの反応剤は、順に(例えば、B26/WF6/NH3パルス)または同時に導入されてよい。任意の適した還元剤(例えば、ジボランまたはシラン)および任意の適したタングステン含有前駆体(例えば、六フッ化タングステンまたはタングステンヘキサカルボニル)が用いられてよい。
【0116】
上記の説明は、タングステンの堆積が中心であるが、本開示の態様は、他の材料の堆積において実施されてもよい。例えば、他のタングステン含有材料(例えば、窒化タングステン(WN)および炭化タングステン(WC))、チタン含有材料(例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、ケイ化チタン(TiSi)、炭化チタン(TiC)、およびチタンアルミ合金(TiAl))、タンタル含有材料(例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN))、ならびにニッケル含有材料(例えば、ニッケル(Ni)およびケイ化ニッケル(NiSi))を含む、他の材料を用いるエッジエクスクルージョン制御が実施されてよい。例えば、コバルト材料の抑制は、窒素含有ガスを用いて実施されてよい。
【0117】
装置
本明細書に提示の方法は、様々な供給業者から入手可能な様々な種類の堆積装置で実行されてよい。適した装置の例は、Novellus Concept-1 ALTUS(商標)、Concept 2 ALTUS(商標)、Concept-2 ALTUS-S(商標)、Concept 3 ALTUS(商標)堆積システム、およびALTUS Max、または様々な他の市販化学気相堆積(CVD)ツールを含む。上記の方法を実施するために、シングルステーション堆積装置およびマルチステーション堆積装置の両方におけるステーションが用いられうる。
【0118】
図14は、前述の様々な方法に従って用いられてよい装置1460を示す。堆積ステーション1400は、堆積中にウエハを支持する基板支持体1403を有する。排除リング1400およびシャワーヘッド1405が示されている。上記のように、プロセスガスは、シャワーヘッド1405を通じて供給されてよく、基板支持体は、いくつかの実施形態では、上記のように真空および処理ガス源が備えられている。
【0119】
ガスセンサ、圧力センサ、温度センサなどは、様々な実施形態の間のステーション条件に関する情報を提供するために用いられてよい。様々な実施形態の間に監視されうるステーションセンサの例は、マスフローコントローラ、圧力計などの圧力センサ、台座に設置された熱電対、および、ステーション内のガスの有無を監視するための赤外線検出器を含む。特定の実施形態では、コントローラ1474は、ステーションのプロセス条件を制御するために用いられる。コントローラの種類についての詳細は、図15を参照して以下にさらに説明され、この図に関する説明は、ステーションだけでなくチャンバにも当てはまる。1476などのセンサは、コントローラ1474に情報を提供するために用いられてよい。
【0120】
図15は、特定の実施形態で用いられてよいマルチステーション装置の例を示す。装置1500は、複数のステーションを収容する処理チャンバ1501を備える。処理チャンバは、少なくとも2つのステーション、または少なくとも3つのステーション、または少なくとも4つのステーション、またはそれ以上のステーションを収容できる。図15は、4つのステーション、ステーション1531、ステーション1532、ステーション1533、およびステーション1534を備える装置1500を示す。いくつかの実施形態では、処理チャンバ1501を備えるマルチステーション装置1500の全てのステーションは、システムコントローラ1574によって制御された同一圧力環境に曝されてよい。センサ(図示せず)は、チャンバ圧測定値を提供するための圧力センサを含んでもよい。しかし、各ステーションは、個々の温度条件または他の条件を有してよい。
【0121】
堆積プロセスでは、通常、被処理ウエハは、ロードロックを通じてステーション1531に搬送される。このステーションでは、タングステン核形成層堆積プロセスが実施されてよい。次に、ウエハは、上記のように、エッジ処理のためにステーション1532に移されてよい。次に、ステーション1533およびステーション1534においてCVD堆積が実施されてよい。あるいは、エッジエッチングのために1つのステーションが確保されてよい。
【0122】
システムコントローラ1574は、チャンバ圧などの、移送、ステーション、および処理チャンバの条件を制御できる。システムコントローラ1574(1または複数の物理的コントローラまたはロジックコントローラを含んでよい)は、プロセスチャンバ1500の一部または全ての動作を制御する。システムコントローラ1574は、1または複数のメモリデバイスおよび1または複数のプロセッサを備えてよい。いくつかの実施形態では、システムコントローラ1574は、上記の例の一部であってよいシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてよい。電子機器は、システムの様々な部品または副部品を制御しうるシステムコントローラと統合されてよい。システムコントローラは、処理パラメータおよび/またはシステムの種類に応じて、プロセスガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツール、および/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出など、本明細書に開示されたプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0123】
概して、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなど、様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/もしくは、ウエハダイの製造中または除去中における1または複数の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、システムコントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする、「クラウド」内にあってよい、または、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、システムコントローラは、1または複数の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のように、システムコントローラは、例えば、互いにネットワーク接続される1または複数の個別のコントローラを含むことや、本明細書に記載のプロセスおよび制御などの共通の目的に向かって協働することによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1または複数の集積回路と連通する、チャンバ上の1または複数の集積回路だろう。
【0125】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、クリーンチャンバまたはクリーンモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、ALDチャンバまたはALDモジュール、ALEチャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連付けられうる、もしくは使用されうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0126】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはツールモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1または複数と連通しうる。
【0127】
パターニング方法/パターニング装置
【0128】
本明細書で上述された装置/プロセスは、例えば、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、太陽光発電パネルなどの製作もしくは製造のためのリソグラフィパターニングツールまたはリソグラフィパターニングプロセスと併せて用いられてよい。通常、必ずというわけではないが、かかるツール/プロセスは、共通の製作施設で一緒に用いられる、または実施されるだろう。膜のリソグラフィパターニングは、通常、(1)スピンオンツールまたはスプレーオンツールを用いるワークピース(すなわち、基板)へのフォトレジストの塗布、(2)熱板または炉またはUV硬化ツールを用いるフォトレジストの硬化、(3)ウエハステッパなどのツールによる可視光、またはUV光、またはX線光へのフォトレジストの露光、(4)ウェットベンチなどのツールを用いる、レジストを選択的に除去してパターニングするためのレジストの現像、(5)ドライエッチングツールまたはプラズマ支援エッチングツールを用いる、下地膜またはワークピースへのレジストパターンの転写、(6)RFプラズマレジスト剥離剤またはマイクロ波レジスト剥離剤などのツールを用いるレジストの除去、の一部または全ての工程を含み、各工程は、複数の可能なツールによって実施可能である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハを処理するための方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することと、
前記ウエハの前記エッジ領域の上に、排除リングアセンブリの上部環状リングおよび下部環状リングを配置することと、
堆積ガスに前記ウエハの上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に膜を堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記エッジ領域における堆積は、前記膜が前記上面に選択的に堆積されるように抑制される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記膜は、前記ウエハのエッジから2mmの範囲まで均一である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記膜は、前記ウエハのエッジから1mmの範囲まで均一である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記堆積防止剤への前記選択的曝露および前記堆積ガスへの前記曝露は、同時に実施される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記堆積防止剤への前記選択的曝露は、前記堆積ガスへの前記曝露の前に実施される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
堆積防止剤を含む前記ガスに前記ウエハの前記エッジ領域を選択的に曝露する前に、前記上面および前記エッジ領域に第1の膜を堆積させることを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記膜はタングステン含有膜であり、前記堆積防止剤は窒素含有化合物である、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することは、前記ガスに窒化チタン(TiN)を曝露することを含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記ウエハは、台座の上に配置され、前記エッジ領域は、前記台座に取り付けられたエッジ排除リングの下に配置される、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することは、前記台座を通じて前記エッジ領域までガスを引き込むことを含む、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、
堆積防止剤を含む前記ガスに前記ウエハの前記エッジ領域を選択的に曝露することから、前記堆積ガスに前記ウエハの前記上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に前記膜を堆積させることに移行することは、前記エッジ排除リングと前記ウエハとの間の距離を増加させることを含む、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することを繰り返すことと、
堆積ガスに前記ウエハの前記上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に膜を堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項14】
半導体ウエハを処理するための方法であって
ウエハの上面およびベベル部の少なくとも一部に核形成層を堆積させることと、
前記ウエハの前記ベベル部を選択的に処理することと、
前記ウエハの外側エッジの上に、排除リングアセンブリの上部環状リングおよび下部環状リングを配置することと、
前記ウエハ全体にバルク層を堆積させ、前記ベベル部には堆積させないことと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記ベベル部を選択的に処理することは、前記ベベル部への核形成を選択的に抑制することを含む、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記ベベル部を選択的に処理することは、前記ベベル部上の前記核形成層を選択的にエッチングすることを含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記核形成層および前記バルク層は、タングステン含有膜である、方法。
【請求項18】
半導体ウエハを処理するための方法であって、
堆積ガスを含むプロセスガスをウエハの上面の上および前記ウエハのエッジを越えて流すことと、
処理ガスを前記ウエハのエッジを越えて流すことと、
堆積ガスを含むプロセスガスをウエハの上面の上および前記ウエハのエッジを越えて流して、前記上面に膜を堆積させ前記ウエハのエッジには堆積させないことと、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
プロセスガスを流すことは、前記ウエハの裏面の真空を引くことを含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
前記プロセスガスは、上昇位置で前記ウエハのエッジを遮蔽するエッジ排除リングによって流される、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
前記処理ガスは、下降位置の前記エッジ排除リングによって流される、方法。
【請求項22】
半導体ウエハを処理するための方法であって、
堆積ガスにウエハ上面およびエッジ領域を曝露して前記上面に均一膜を堆積させることと、
エッチング剤を含むガスに前記ウエハの前記エッジ領域を曝露することと、
を含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[参照による援用]
本願の一部として、本明細書と同時にPCT申請書が提出される。同時に提出されたPCT申請書において確認された、本願が利益または優先権を主張する各出願は、その全文が全ての目的のために本明細書に参照として援用される。
【背景技術】
【0002】
半導体処理における課題は、可能な限り大きい被処理ウエハの広がりにおいてプロセスの均一性を実現することである。半導体ウエハのエッジ領域における半導体処理環境の管理は、特定の課題を提示している。特に、エッジ領域の不連続性は、均一な処理を難しくしうる。さらに、エッジ領域は、半導体の裏面への流体流路を提供する。これにより、半導体ウエハの裏面へのプロセスガスのアクセスが可能になり、不必要な処理が生じる可能性がある。
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、公称径Dの半導体ウエハの処理において用いられるように構成された排除リングアセンブリを備える装置で実施されてよい。排除リングアセンブリは、Dより小さい内径、および外径を有する上部環状リングと、Dより小さい内径、および外径を有する下部環状リングとを備え、上部環状リングは、上部環状リングと下部環状リングとの間に環状ガス流路を規定するように下部環状リングの上に配置される。
【0005】
いくつかの実施形態では、環状ガス流路は、内径、外径、および、上部環状リングと下部環状リングとの間の隙間に規定された幅を有し、環状ガス流路の内半径における幅は、環状流路の外半径における幅より小さい。
【0006】
いくつかの実施形態では、下部環状リングの内径における上部環状リングと下部環状リングとの間の隙間は、下部環状リングの外径における上部環状リングと下部環状リングとの間の隙間より小さい。
【0007】
いくつかの実施形態では、下部環状リングの内径における上部環状リングと下部環状リングとの間の隙間は、0.1インチ(0.254センチ)以下である。
【0008】
いくつかの実施形態では、上部環状リングの内径は、下部環状リングの内径より小さい。
【0009】
いくつかの実施形態では、上部環状リングは、上部環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行な上面を備える。いくつかのかかる実施形態では、上部環状リングは、さらに、内側エッジと、内側エッジから上面に延びる傾斜面とを備える。いくつかのかかる実施形態では、下部環状リングは、下部環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行な上面を備える。いくつかのかかる実施形態では、上部環状リングは、さらに、内側エッジと、内側エッジから上面に延びる傾斜面とを備える。いくつかのかかる実施形態では、上部環状リングの傾斜面の傾斜は、下部環状リングの傾斜面の傾斜より大きい。
【0010】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、半導体ウエハを支持するように構成された台座を備え、台座は、ウエハのエッジ領域でガスを注入するように構成されたガス注入器を備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに、排除リング構造を支持する台座を備え、台座は、上面と、上面においてガス流路を規定する凹部とを備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、凹部は、台座の中心から距離Yにあり、距離Yは、下部環状リングの内径より大きい。
【0013】
本開示の態様は、堆積チャンバを実装してよく、堆積チャンバは、上面、および、裏面ガス源に流体的に接続されるように構成された上面の環状凹部を備える台座と、台座上に設置された排除リングアセンブリであって、排除リングアセンブリは、内径および外径を有する上部環状リングを備え、上部環状リングは、上部環状リングと下部環状リングとの間に下部環状ガス流路を規定するように下部環状リングの上に配置される、排除リングアセンブリと、台座および排除リングアセンブリの上に配置されたシャワーヘッドであって、シャワーヘッドと上部環状リングとの間に上部環状ガス流路が規定される、シャワーヘッドとを備える。
【0014】
本開示の態様は、本明細書に記載の排除リングアセンブリを備える堆積チャンバ内の台座上に円形ウエハを設置することであって、円形ウエハは公称径Dを有し、Dは、上部環状リングおよび下部環状リングの内径より大きく、排除リングアセンブリは、円形ウエハの外側エッジの上に配置されていることと、シャワーヘッドを通じて円形ウエハの上に径方向のプロセスガスの流れを提供することと、台座の環状凹部を通じて円形ウエハのエッジに裏面ガスを提供することと、を含む方法において実施されてよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、円形ウエハの中心から、円形ウエハのエッジから少なくとも2mmまたは少なくとも1mmまで、プロセスガスによる均一な膜を堆積させることを含む。
【0016】
本開示の別の態様は、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することと、堆積ガスにウエハの上面およびエッジ領域を曝露して上面に膜を堆積させることと、を含む方法において実施されてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、エッジ領域への堆積は、膜が上面上に選択的に堆積されるように抑制される。いくつかの実施形態では、膜は、ウエハエッジから2mmの範囲まで均一である。いくつかの実施形態では、膜は、ウエハエッジから1mmの範囲まで均一である。
【0018】
いくつかの実施形態では、堆積防止剤への選択的曝露および堆積ガスへの曝露は、同時に実施される。いくつかの実施形態では、堆積防止剤への選択的曝露は、堆積ガスへの曝露より前に実施される。
【0019】
いくつかの実施形態は、この方法は、さらに、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露する前に、上面およびエッジ領域に第1の膜を堆積させることを含む。いくつかの実施形態では、膜はタングステン含有膜であり、堆積防止剤は窒素含有化合物である。
【0020】
いくつかの実施形態では、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することは、そのガスに窒化チタン(TiN)を曝露することを含む。いくつかの実施形態では、ウエハは台座上に配置され、エッジ領域は、台座上に取り付けられたエッジ排除リングの下に配置される。いくつかの実施形態では、この方法は、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することと、台座を通じてエッジ領域にガスを注入することとを含む。
【0021】
いくつかのかかる実施形態では、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することから、堆積ガスにウエハの上面およびエッジ領域を曝露して上面に成膜することへの移行は、排除リングとウエハとの間の距離を増加させることを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することを繰り返すことと、堆積ガスにウエハの上面およびエッジ領域を曝露して上面に成膜することと、を含む。
【0023】
本開示の別の態様は、ウエハの上面および少なくともベベル部の一部に核形成層を堆積させることと、ウエハのベベル部を選択的に処理することと、ウエハ全体にバルク層を堆積させるがベベル部には堆積させないことと、を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、ベベル部を選択的に処理することは、ベベル部上の核形成を選択的に抑制することを含む。いくつかのかかる実施形態では、ベベル部を選択的に処理することは、ベベル部上の核形成層を選択的にエッチングすることを含む。いくつかの実施形態では、核形成層およびバルク層は、タングステン含有膜である。
【0025】
本開示の別の態様は、ウエハ上面の上にウエハエッジを越えて堆積ガスを含むプロセスガスを流すことと、ウエハエッジを越えて処理ガスを流すことと、ウエハ上面の上にウエハエッジを越えて堆積ガスを含むプロセスガスを流して、上面上に成膜させるがウエハエッジには成膜させないことと、を含む方法で実施されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロセスガスを流すことは、ウエハの裏面において真空に引くことを含む。いくつかの実施形態では、プロセスガスは、上昇位置においてウエハエッジを遮蔽するエッジ排除リングによって流される。いくつかのかかる実施形態では、処理ガスは、下降位置におけるエッジ排除リングによって流される。
【0027】
本開示の別の態様は、堆積ガスにウエハの上面およびエッジ領域を曝露して上面上に均一膜を堆積させることと、エッチング液を含むガスにウエハのエッジ領域を曝露することと、を含む方法に関する。
【0028】
本開示の別の態様は、公称径Dを有する半導体基板の処理に用いるための排除リングアセンブリを製造する方法に関する。この方法は、素地を形成することと、それを焼いてセラミック素地を形成することとを含んでよく、必要に応じて排除リングアセンブリを形成するために研磨されてよい。いくつかの実施形態では、排除リングアセンブリは、Dより小さい内径、および外径を有する上部環状リングと、Dより小さい内径、および外径を有する下部環状リングとを備えてよく、上部環状リングは、上部環状リングと下部環状リングとの間に環状ガス流路を規定するように下部環状リングの上に配置される。上部環状リングおよび下部環状リングは、取り付け可能な別々の構成要素として、または一体構造として形成されてよい。様々な実施形態により、排除リングアセンブリは、酸化アルミニウム(Al23)または窒化アルミニウム(AlN)から製造されてよい。排除リングアセンブリを備える台座を製造する方法も記載される。この方法は、排除リングセンブリを製造することと、台座面上に排除リングアセンブリを取り付けるまたは配置することと、を含んでよい。
【0029】
これらの態様および他の態様は、図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】本開示の実施形態で用いられうるウエハ支持体上に取り付けられた例示的排除リングの等角図。
【0031】
図1B】本開示の実施形態で用いられうる例示的排除リング、ウエハ、およびウエハ支持体の分解等角図。
【0032】
図1C】本開示の実施形態で用いられうる例示的排除リングの底面図。
図1D】本開示の実施形態で用いられうる例示的排除リングの上面図。
【0033】
図1E】本開示の実施形態で用いられうる排除リングおよびウエハの拡大断面詳細図。
【0034】
図2】本開示の実施形態で用いられうる裏面ガス注入および排除リングを備える台座の例示的配置を示す概略図。
【0035】
図3】裏面ガス注入および排除リングを備える台座の例示的配置を用いる堆積中のプロセスガスおよび裏面ガスの流線を示す概略図。
【0036】
図4A】本開示の実施形態によりウエハのエッジにおける堆積を調節する例示的方法の特定の動作を示すプロセスフロー図。
図4B】本開示の実施形態によりウエハのエッジにおける堆積を調節する例示的方法の特定の動作を示すプロセスフロー図。
【0037】
図5A】本開示の実施形態によりタングステン(W)膜またはW含有膜を堆積させる例示的方法の特定の動作を示すプロセスフロー図。
図5B】本開示の実施形態によりタングステン(W)膜またはW含有膜を堆積させる例示的方法の特定の動作を示すプロセスフロー図。
【0038】
図6A図5Aおよび図5Bに関して記載されたタングステンを堆積させる例示的方法による堆積プロセス中の排除リング600およびウエハの概略配置図。
図6B図5Aおよび図5Bに関して記載されたタングステンを堆積させる例示的方法による堆積プロセス中の排除リング600およびウエハの概略配置図。
【0039】
図7A】本開示の実施形態で用いられうる裏面ガス注入および排除リングを含む台座の配置を示す概略図。
図7B】本開示の実施形態で用いられうる裏面ガス注入および排除リングを含む台座の配置を示す概略図。
【0040】
図8】本開示の実施形態により基板支持体に取り付けられた2つのリングを有する例示的排除リングアセンブリ。
【0041】
図9A図8に示された排除リングアセンブリ、台座、およびウエハの等角断面図。
図9B図9Aにおける指定領域の詳細図。
【0042】
図9C】シャワーヘッドと上部リングとの間の異なる隙間に2つのリングを有する排除リングアセンブリのプロセスガスの流線を示す概略図。
図9D】シャワーヘッドと上部リングとの間の異なる隙間に2つのリングを有する排除リングアセンブリのプロセスガスの流線を示す概略図。
【0043】
図10A】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的下部リングの上面図。
図10B】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的下部リングの側面図。
図10C】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的下部リングの底面図。
【0044】
図11A】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的上部リングの上面図。
図11B】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的上部リングの側面図。
図11C】本開示の実施形態により2つのリングを有する排除リングアセンブリの例示的上部リングの底面図。
【0045】
図12】本開示の実施形態により上部リングおよび下部リングの内周に2つのリングを有する例示的リングアセンブリの一部の詳細図。
【0046】
図13】堆積厚さの関数としてタングステン(W)の例示的成長遅延時間を示す図。
【0047】
図14】本開示の実施形態による堆積プロセスおよび処理プロセスに適した例示的処理チャンバの概略図。
【0048】
図15】本開示の実施形態による堆積プロセスおよび処理プロセスに適した例示的処理装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
様々な実施形態の例は、添付の図面に示され、以下にさらに説明される。本明細書の議論は、特許請求の範囲を記載の特定の実施形態に限定する意図はないことが理解されるだろう。反対に、本明細書の議論は、本開示および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれうる代替物、修正物、ならびに同等物を含むことが意図される。以下の説明では、開示の主題への十分な理解を提供するために多くの特定の詳細が記載される。主題の様々な実施形態は、これらの特定の詳細の一部または全てなしで実行されてよい。他の例では、本明細書に記載の主題を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細には記載されていない。
【0050】
本明細書には、半導体ウエハのエッジ領域における処理の均一性を制御するための方法および装置が記載される。いくつかの実施形態では、この方法は、エッチングガスおよび/または抑制ガスなどの処理ガスにエッジ領域を曝露することを含む。本明細書には、ウエハエッジにおける処理環境を制御するために実装されうる複数のリングを備える排除リングアセンブリも記載される。
【0051】
本明細書の方法の実施形態は、半導体処理の間に排除リングを用いて実施される。ウエハ支持体上に取り付けられた排除リング(最小重複排除リングまたはMOERとも呼ばれる)は、ウエハエッジに沿ってガス流およびプロセス環境を管理するのに用いられうる。本明細書に記載の方法の実施形態で用いられうる例示的排除リングは、図1A図1Eを参照して以下に説明される。
【0052】
図1Aでは、ウエハ支持体に取り付けられた排除リングの等角図が示されている。排除リング100は、ウエハ支持体103によって支持されうるウエハ101のエッジに沿ってガス流およびプロセス環境を管理するために用いられてよい。図1Bは、排除リング100、ウエハ101、およびウエハ支持体103の分解等角図を示す。
【0053】
図1Cおよび図1Dは、排除リングの底面図および上面図をそれぞれ示す。排除リング100は、概して、内径120および外径122を有する薄環状リングとして説明されてよい。いくつかの実施形態では、排除リング100は、環状リング102の外周から径方向に突出する複数のタブ104を備えてよい。排除リング100の上面106および底面108(本明細書では、それぞれ第1の面および第2の面とも呼ばれてよい)は、環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行であってよい。排除リングに関して「上」および「底」という用語は、本願の文脈において、所定の瞬間における排除リングの配向によって定義された任意の上および底ではなく、排除リングが半導体処理環境で用いられるときに「上」および「底」とみなされる排除リングの面を意味する相対的な用語と認識される。また、基準面に平行でない上面106および底面108の部分があってよい。例えば、排除リング100の底面108は凹部を特徴としてよく、凹部の深さが半導体ウエハの公称厚さより大きくなりうるように、排除リング100が半導体上に置かれずに半導体ウエハの上を覆うことが可能になる。本明細書に記載の方法で用いられるときに、半導体ウエハと排除リング100との径方向の重なりがある程度(例えば0.05’’~0.5’’)あるように、排除リング100の内径120は、半導体ウエハの公称径より小さくてよい。凹部は、半導体ウエハの公称径より大きい中径内に含まれてよい。凹部への移行が起こる底面108の部分は傾斜してよく、よって、移行部分は、底面が基準面に平行でない限定領域を表してよい。しかし、全体として上面106および底面108は、表面のほとんどの径方向距離が基準面に平行になるように基準面に実質的に平行であってよい。上面106および底面108は、半導体ウエハの公称厚さより大きい距離で互いにオフセットされてよい。
【0054】
ウエハ101および排除リング100のエッジの例示的な拡大断面詳細図を示す図1Eに示されるように、排除リング100の上面106は、傾斜部分を含んでよい。図のように、上面106は、傾斜部分111を含む。ウエハ103は、ウエハのエッジ104が排除リング100の直下に配置されるように排除リング100の凹部109に配置される。ウエハ101のエッジ104は、ウエハの水平な上面から傾斜するベベルエッジである。ベベル部への材料の堆積は、水平な上面上の優れた均一性を維持しながら回避されうる。例えば、タングステンなどの比較的厚い(例えば、2000Å)膜の堆積に続いて、膜を平坦化するために化学機械研磨(CMP)プロセスが実施されてよい。ベベル部への堆積は平坦化によって除去されないため、ベベルエッジにおける堆積を回避することは有益である。
【0055】
タングステンなどの材料の堆積では、ウエハエッジにおける堆積を調節するために排除リングが用いられうる。図2は、裏面ガス注入および排除リングを備える台座(または、他のウエハ支持体)の概略図を示す。アルゴン(Ar)および/または水素(H2)などの裏面ガスは、堆積ガス(例えば、六フッ化タングステン/水素(WF6/H2)または塩化タングステン/水素(WClx/H2))がウエハ201のエッジに到達するのを防ぐために流されうる。排除リング200は、排除リング200、ウエハ支持体203、およびウエハ201によって形成された空間においてウエハ201のエッジにおける裏面ガスの流れを方向付けることによって、裏面の堆積を防ぐ。図2に示されるように、排除リング200は、ウエハ201の上面と排除リング200との間の隙間を伴ってウエハ201の上に延びる。張り出し部分、上記隙間、排除リング200とシャワーヘッド(図示せず)との間の隙間、ならびに裏面ガスの流量および種類のうちの1つ以上は、エッジにおける堆積プロファイルを制御するために調節されてよい。
【0056】
図3に示された一例では、タングステン(W)の堆積において、排除リング300の下の流線310によって示されたAr/H2の流れは、堆積ガス(例えば、WF6/H2またはWClx/H2)を押し戻し、堆積ガスがウエハ301のエッジに到達するのを防ぐことでエッジにおけるタングステンの堆積を防ぐ。排除リング300の形状により、ウエハ上方で径方向外向きに進んでリング周辺で上向きに屈曲する、シャワーヘッドからのガス流の流線312が生じる。この上向きの屈曲は、リング付近のウエハの表面に近接するWF6前駆体ガスまたは他のタングステン前駆体ガスの濃度を薄める。
【0057】
図3に示された技術は、エッジから最大3mmの均一な堆積を提供しながらウエハベベル部へのタングステンの堆積を排除するのに有効である。つまり、300mmウエハ(150mmの半径)に関して、図3に示された技術は、ベベルエッジへの堆積を防ぎながら、ウエハの中心から0~147mmに均一なW堆積を提供する。
【0058】
図4Aおよび図4Bは、ウエハエッジにおける堆積を調節する際の特定の動作を示すフロー図である。特定の実施形態では、エッジにおける堆積は、エッジから最大2mmまたはエッジから最大1mmを含む、エッジから特定の距離までの均一な堆積を提供しながら抑制される、および/または除去される。つまり、300mmウエハに対して、ベベルエッジへの堆積を防ぎながら、ウエハ中心から0~148mm(エッジから2mm)または0~149mm(エッジから1mm)に均一な堆積が提供されてよい。エッジから1mm~3mmの範囲内の他の数値は、本明細書に記載の方法および装置を用いて実現されてよい。様々な実施形態により、この方法は、特定の距離までのウエハ全体に1%未満の厚さの不均一性を提供するのに用いられてよい。不均一性は、100%×(厚さ(tmax~tmin)の最大偏差の半分/平均厚さ)で測定される。
【0059】
図4Aでは、まず、ベベルエッジにおける堆積を抑制するために方法400が用いられてよい。ウエハのエッジ領域は、堆積防止剤を含むガスに曝露される(401)。タングステン膜またはタングステン含有膜の堆積については、堆積防止剤は、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、またはヒドラジン(N24)などの窒素含有化合物であってよい。抑制は、プラズマプロセスまたは熱(非プラズマ)プロセスであってよい。アンモニアまたはヒドラジンは、熱プロセスに用いられてよい。いくつかの実施形態では、熱抑制プロセスは、250℃~450℃の温度で実施される。これらの温度では、先に形成されたタングステン核形成層のNH3への曝露は、抑制効果をもたらす。窒素(N2)または水素(H2)などの他の潜在的な抑制化学物質は、より高温(例えば、900℃)での熱抑制に用いられてよい。しかし、多くの用途については、これらの高温はサーマルバジェットを超える。アンモニアおよびヒドラジンなどの水素含有窒化剤は、配線工程(BEOL)用途に適したより低温で用いられてよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、抑制は、窒化シリコン(SiN)などの複合材料の薄膜を形成するために抑制剤種とフィーチャ面との間の化学反応を含みうる、または、複合材料の層を形成することなくSiまたは他の表面を不動態化する吸着などの表面効果を含みうる。いくつかの実施形態では、タングステン薄膜は、ベベル面に存在し、窒化タングステン層を形成してよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、抑制処理は、ウエハへの核形成層またはバルク層の堆積前または堆積後に施されてよい。例えば、抑制処理は、露出面、タングステン核形成層、またはタングステンバルク層の上にバリア層(例えば、窒化チタン(TiN)層または窒化タングステン(WN)層)を備えるウエハにおいて実施されてよい。
【0062】
ウエハの上面は、堆積ガスに曝露される(403)。堆積は、例えば、原子層堆積(ALD)法または化学気相堆積(CVD)法によって行われてよい。前者では、ウエハは、反応ガスの交互パルスに曝露される。タングステン堆積の例では、六フッ化タングステン(WF6)、六塩化タングステン(WCl6)、五塩化タングステン(WCl5)、タングステンヘキサカルボニル(W(CO)6)、またはタングステン含有有機金属化合物などのタングステン含有前駆体が用いられてよい。いくつかの実施形態では、タングステン含有有機金属化合物のパルスは、水素(H2)、ジボラン(B26)、シラン(SiH4)、またはゲルマン(GeH4)などの還元剤によってパルス化される。CVD法では、ウエハは、同時に反応ガスに曝露される。
【0063】
ベベルエッジは不動態化されているため、いくつかの実施形態では、いくらかの堆積ガスがベベルエッジに到達しても、膜はベベルエッジに堆積しない。いくつかの実施形態では、膜が堆積してもウエハの上面より小規模であってよい。ブロック403は、ブロック401の後に実施されてよい、または、ブロック401と部分的または全体的に重複してよい。
【0064】
図4Bでは、ベベルエッジに堆積された膜をエッチングするために方法410が用いられてよい。ブロック405は、反応ガスにウエハの上面を曝露して膜を堆積させることを含む。堆積は、例えば、ALD法またはCVD法であってよい。ウエハのエッジ領域は、エッチング剤に曝露される(407)。例えば、タングステン膜をエッチングするために、三フッ化窒素(NF3)またはフッ素分子(F2)が用いられてよい。ブロック407は、ブロック405の後に実施されてよい、または、ブロック405と部分的または全体的に重複してよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、方法は、エッジ抑制、均一な上面堆積、およびエッジエッチングを含んでよい。これらの動作のいずれかまたは全サイクルは、所望のプロファイルを実現するために1回以上繰り返されてよい。
【0066】
図5Aおよび図5Bは、タングステン(W)膜またはW含有膜の堆積方法を示す。まず、図5Aでは、方法500において、ウエハは反応ガスに曝露されて、ウエハ全体にW核形成層が堆積される(501)。W核形成層の堆積は、以下に説明され、パルス核形成層(PNL)プロセスまたは原子層堆積(ALD)プロセスを含んでよい。いくつかの実施形態では、この段階でウエハのベベルエッジ上に堆積がある。また、ウエハ全体に均一な堆積もある。様々な実施形態により、均一な堆積は、エッジから少なくとも閾値距離(例えば、ウエハ中心から端に向かってウエハエッジから少なくとも2mm(0.3mmのベベル部から1.7mm)、または、ウエハ中心から端に向かってウエハエッジから少なくとも1mm(0.3mmのベベル部から0.7mm))に及んでよい。
【0067】
核形成層は、ウエハの上面において、例えば、約10Å~100Åと薄い。堆積がある場合、ベベルエッジにおける堆積は、均一的または不連続的であってよい。ウエハのエッジ領域は、次に、抑制化学物質を含むガスに曝露される(503)。タングステン核形成の抑制については、以下にさらに説明される。抑制ガスの流れは、ウエハの上面が抑制化学物質に曝露されないように制御される。ガスを制御する技術については、図6A図6B図7A、および図7Bを参照して以下にさらに説明される。ブロック501およびブロック503は、それぞれ、図4Aによるプロセスにおけるブロック401およびブロック403の例である。
【0068】
ウエハは反応ガスに曝露されて、上面にバルクタングステン層が堆積される(505)。Wバルク層の堆積は、以下に説明され、ALDプロセスまたはCVDプロセスが含まれてよい。エッジベベル上の核形成は抑制されているため、大幅な核形成の遅延があり、タングステンが成長するのを妨げる。図13は、堆積厚さを関数とするW成長の遅延時間を示す。図のように、成長遅延は、核形成層などのタングステン薄膜において特に著しい。ウエハの上面は、少なくとも端に向かって所望の半径(例えば、ベベル部から0.7mmまたは1.7mm)まで抑制されず、その上に均一な堆積を有する。
【0069】
ブロック505は、ブロック503が終了した後に実施されてよい、または、ブロック503と完全にまたは部分的に重複してよいことに注意されたい。重複する場合、エッジ領域は、ウエハの上面が堆積ガスに曝露されている間に抑制ガスに曝露される。これは、抑制ガスが、堆積ガスに対して化学的に不活性、または堆積ガスと混合可能である場合に実施されうる。
【0070】
図5Bでは、図5Aを参照して上述されたように、動作501において、ウエハは反応ガスに曝露されてウエハ全体にW核形成層が堆積される。エッジ領域は、次に、Wエッチング剤を含むガスに曝露されて、堆積膜が除去される(502)。Wエッチング剤化学物質については、以下に説明される。エッチングガスの流れは、ウエハの上面がエッチング剤化学物質に曝露されないように制御される。ガスを制御する技術は、図6A図6B図7A、および図7Bを参照して以下にさらに説明される。ブロック501およびブロック502は、それぞれ、図4Bによるプロセスにおけるブロック405およびブロック407の例である。
【0071】
次に、図5Aを参照して上述されたように、動作505において、ウエハは反応ガスに曝露されて上面にバルクタングステン層が堆積される。エッジベベル上の核形成層は、下地面(例えば、窒化チタン(TiN))を露出させるために除去されているため、タングステンはそこでは成長しない。ウエハの上面は、少なくとも端に向かって所望の半径(例えば、ベベル部から0.7mmまたは1.7mm)でその上に均一な堆積を有する。
【0072】
ブロック505は、ブロック502が終了した後に実施されてよい、または、ブロック502と完全にもしくは部分的に重複してよい。重複する場合、エッジ領域は、ウエハの上面が堆積ガスに曝露されている間にエッチングガスに曝露される。
【0073】
図6Aは、図5Aおよび図5Bに関して上述された例による堆積プロセス中の排除リング600およびウエハの概略配置図を示す。上述のように、排除リング600の下およびエッジ周辺にプロセスガス流線をもたらすために真空が用いられるが、エッジを処理するために抑制ガス源および/またはエッチングガス源が用いられる。下向きの流線をもたらすために引かれたプロセスガスの量は、エッジ付近のウエハの均一性を制御し、処理ガスの量および/または処理ガスが空間に引かれる回数は、少なくとも部分的に、ベベル部および裏面への堆積を制御する。
【0074】
まず、エッジを含むウエハ全体にW核形成層が堆積される。プロセスガス流線312のうちの少なくともいくつかが排除リング600の周辺で屈曲する図3に示された配置とは異なり、この実施形態では、少なくともいくつかのプロセスガスが真空によってリングの下に引かれる。真空は、例えば、径方向の真空能力を有する台座を通じて引かれてよい。その結果、ベベルを含むウエハ全体に広がる核形成層620が形成される。次に、ウエハエッジ処理が施される。この動作は、核形成層堆積と同じまたは異なるステーションまたはチャンバで実施されてよい。ここで、エッジを処理するために、エッジリングの下に抑制ガス(例えば、NH3)またはエッチングガス(例えば、NF3)(処理ガスとも呼ばれる)が追加される。ガスは、必要に応じて、裏面ガスマニホルドを通じて追加されうる。不活性ガス(例えば、Ar)は、抑制ガスまたはエッチングガスの拡散を防ぐために用いられてよい。いくつかの実施形態では、処理ガスは希釈されてよい。真空、処理ガスの流量および濃度、排除リングとウエハとの間の隙間距離を適切に制御することによって、処理ガスに曝露されるウエハの領域が制御される。(処理ガスは、裏面に沿った位置またはリングを通る位置を含む、エッジに近接する適切な位置で追加されてよい。)
【0075】
その結果、エッジ領域622は、残りの膜の上面を抑制またはエッチングすることなく抑制される、および/またはエッチングされる。その後、バルク層624の完全な堆積のために真空が再び施される。真空はウエハのエッジ周辺のプロセスガスを引き下ろす(ことで、少なくとも閾値半径までの上面の均一な堆積を確保する)が、上述のように、タングステン膜は、抑制面またはエッチング面では成長しない。
【0076】
図6Bは、図5Aおよび図5Bに関して上述された例による、堆積プロセス中の排除リング600およびウエハの概略配置の別の例を示す。この例は、図6Aのものに類似するが、台座を通じて引かれた真空ではなく共通真空によって実施されうる。図6Aのように、真空は、排除リング600の下およびウエハのエッジ周辺にプロセスガス流線をもたらすために用いられ、抑制ガス源および/またはエッチングガス源は、エッジを処理するために用いられる。下向きの流線をもたらすように引かれたプロセスガスの量は、エッジ近くのウエハの均一性を制御し、処理ガスの量および/またはガスが空間に引かれる回数は、少なくとも部分的に、ベベル部堆積および裏面堆積を制御する。
【0077】
図6Aのように、W核形成層は、エッジを含むウエハ全体に堆積される。ここで、堆積は、排除リング600がウエハから持ち上げられた状態で実施される。これにより、共通真空が排除リング600の上下のプロセスガスを引くことが可能になる。排除リングの上の引かれたプロセスガスは、排除リング600とシャワーヘッド(図示せず)との間の隙間を通って引かれる。よって、排除リング600の下を流れるガスの量およびエッジ上の堆積は、排除リングとシャワーヘッドとの間の隙間の大きさに対するウエハと排除リング600との間の隙間の大きさによって制御されうる。図6Bの例では、ベベル部を含むウエハ全体に広がる核形成層620が結果として生じる。次に、ウエハエッジ処理が施される。この動作は、核形成層堆積と同じまたは異なるステーションまたはチャンバで実施されてよい。ここで、エッジを処理するために排除リング600の下に抑制ガス(例えば、HN3)またはエッチングガス(例えば、NF3)(処理ガスとも呼ばれる)が追加される。ガスは、必要に応じて、裏面ガスマニホルドを通じて追加されうる。不活性ガス(例えば、Ar)は、抑制ガスまたはエッチングガスの拡散を防ぐために用いられてよい。いくつかの実施形態では、処理ガスは希釈されてよい。ここで、排除リング600は、図6Aの上昇位置に対して下降される。つまり、排除リング600は、完全に下降されてよい、または中間レベルまで下降されてよい。これは、ウエハの残りの部分への処理ガスの流れを防ぐためである。様々な実施形態により、ガスは、共通真空によってウエハの下に引かれてよい、または引かれなくてもよい。共通真空、処理ガスの流量および濃度、排除リング600とウエハとの間の隙間距離を適切に制御することによって、処理ガスに曝露されるウエハの領域が制御される。処理ガスは、裏面に沿った位置またはリングを通る位置を含む、エッジに近接する適切な位置で追加されてよい。
【0078】
その結果、エッジ領域622は、残りの膜の上面を抑制またはエッチングすることなく抑制される、および/またはエッチングされる。その後、バルク層624の完全な堆積のために排除リング600が持ち上げられる。共通真空は、ウエハのエッジ周辺にプロセスガスを引き下ろす(ことで、少なくとも閾値半径までの上面の均一な堆積を確保する)が、上述のように、タングステン膜は、抑制面またはエッチング面では成長しない。
【0079】
図7Aおよび図7Bは、様々な実施形態によりエッジ処理を実現するための追加の配置の概略図である。図7Aでは、処理ガス(例えば、NH3またはNF3)は、図6Aまたは図6Bのように台座703を通って裏面から追加される。ここで、排除リング700は、裏面処理ガスに対して物理的バリア715を提供し、ウエハ701のベベル部(例えば、エッジから0~1mmまたは0~2mm)付近に排除区域を形成する。排除区域の外側の処理ガスの拡散を防ぐために、Arまたは他の不活性ガスが他の領域に流されてよい。図7Bでは、処理ガスは、処理ガスの拡散を防ぐAr流と共に、裏面に代わってまたは裏面に加えて上側から流されてよい。シャワーヘッド705が延びた仕切り壁707は、ウエハの中心に向かう処理ガスの拡散に対して物理的バリアを提供してよい。
【0080】
本明細書では、プロセスガス流を方向付けるために複数の平面を含む排除リングおよび関連装置も記載される。図8は、基板支持体803に取り付けられた2つのリングを有する排除リングアセンブリ800を示す。基板支持体803は、この例ではウエハ801である基板を支持することが示されている。基板支持体803は、裏面ガス源と流体連通し、裏面ガスが流されうる環状凹部844を備える。
【0081】
排除リングアセンブリ800は、下部リングおよび上部リングを備える。下部リングは、裏面ガスの流れを方向付けて裏面堆積または裏面およびエッジ堆積を防き、上部リングは、エッジにおける基板付近のプロセスガスを方向付けてエッジへの堆積を制御する。このように、裏面およびエッジの堆積を防ぐことは、均一な堆積が望まれる閾値距離までの均一な堆積とは分離される。様々な実施形態により、下部リングおよび上部リングは、互いに対して固定されてよい、または移動可能であってよい。閾値のエッジに向けられたガスの量は、シャワーヘッド805と上部リングとの間の隙間によって制御されうる。シャワーヘッド805のより近くに上部リングを移動することによって、下部リングと上部リングとの隙間により多くの流れが進み、エッジにおける堆積を増加させる。エッジリングアセンブリの例示的実施形態は、以下にさらに説明される。
【0082】
図9Aは、図8に示された排除リングアセンブリ、台座、およびウエハの等角断面図であり、図9Bは、図9Aの指定領域の詳細図である。リングアセンブリ900は、上部リング930および下部リング932を備え、台座903の上に取り付けられている。上部リング930は、下部環状ガス流路934を規定するように下部リング932からオフセットされている。下部環状ガス流路934には、上部リング930と下部リング932との間に接続部(図示せず)があってよく、無視できるほどのわずかなガス流の遮断があってよいことに注意されたい。下部環状ガス流路934を通じてだけでなく、シャワーヘッド(図示せず)と上部リング930との間でプロセスガスを引き抜くために、真空が引かれてよい。閾値のエッジに向けられたガスの量は、下部環状ガス流路934、および上部リング930とシャワーヘッドとの間のガス流領域の相対的な大きさによって制御されうる。上部リング930が下部リング932に対して固定されている実施形態では、ガスの量は、シャワーヘッドと下部リング930との間の隙間によって制御されうる。シャワーヘッド805のより近くに上部リング930を移動することによって、下部リングと上部リングとの間により多くの流れが進み、エッジにおける堆積(または、他の処理)を増加させる。このことは、以下の図9Cおよび図9Dに関連してさらに説明される。
【0083】
図9Cおよび図9Dは、シャワーヘッドと上部リングとの間の異なる隙間における排除リングアセンブリ900のプロセスガス流線912の概略図を示す。リングアセンブリ900は、互いに固定されうる上部リング930および下部リング932を備える。上部リング930とシャワーヘッド905との間の環状隙間は、環状ガス流路936を規定する。図9Cでは、上部リング930は、図9Dよりシャワーヘッド905から遠くにあり、プロセスガス流線912によって表されるように、図9Cでは図9Dより多くのプロセスガスが環状ガス流路936を通じて引かれる。プロセスガス流線912によって表されるように、図9Cのように上部リング930からより遠いシャワーヘッド905より図9Dのように上部リング930により近接したシャワーヘッド905を有する下部環状ガス流路934を通じて、より多くのプロセスガスが引かれる。よって図9Dでは、プロセスガスの濃度は、エッジから閾値距離でより大きい。閾値距離は、図9Cおよび図9Dの地点905で表されるように、均一な処理が望まれる距離であってよく、地点905は、ベベル部と円周との間の除外領域の境界となる円周上の地点である。ガスは、台座903の環状凹部944を通る流れを提供するように注入されてよく、これにより、上述のようにベベル部および裏面への堆積を防ぐことができる。特定の実施形態では、上述のように除外領域内の堆積を防ぐように制御されてよい。このようにして、上部環状ガス流路936および下部環状ガス流路934の相対的な大きさは、裏面およびエッジの処理を防ぐことから少なくとも部分的に分離された、排除リング境界における処理ガス濃度に対する(それにより、堆積または他の処理に対する)制御を提供する。図9Cおよび図9Dの例では、台座-シャワーヘッド間の距離は、例えば、台座を昇降させることによって変更されてよい。
【0084】
様々な実施形態により、図8A図8B、および図9A図9Dに記載された上部リングおよび下部リングを備えるリングアセンブリは、抑制ガスまたはエッチングガスにエッジ領域が曝露される上述の方法のいずれかで用いられてよい。他の実施形態では、かかるリングアセンブリは、エッジ領域の選択的な抑制またはエッチングのない方法で用いられてよい。つまり、リングアセンブリ自体が、エッジ堆積を防いで均一な堆積および排除領域におけるわずかな堆積を提供する裏面ガスにより、除外領域の境界における処理ガスの濃度に対して十分な制御を提供してよい。様々な実施形態により、1%未満の不均一性を提供するために堆積プロセスにおいて排除リングアセンブリが用いられてよく、不均一性は、ウエハのエッジから少なくとも2mmまたは1mmまで100%(厚さ(tmax~tmin)の最大偏差の半分/平均厚さ)で測定される。
【0085】
リングアセンブリの上部リングおよび下部リングのフィーチャは、図10および図11に関連して説明される。まず、図10A図10B、および図10Cは、内径1020aおよび外径1022aを有する例示的な下部リング1032の上面図、側面図、および底面図をそれぞれ示す。3つの凹部1070は、図10Aの上面に示されており、それらの収容支柱が上部リングに示されている。上述の排除リング100に関連して説明されたタブ、または他のフィーチャなどの他のフィーチャは、下部リングに存在してよい。
【0086】
図11A図11B、および図11Cは、例示的な上部リング1030の上面図、側面図、および底面図をそれぞれ示す。底面から突出する3つの支柱1172が示されており、支柱1172は、下部リング1032の凹部1070の中に収まる。排除リング100に関して上述されたものなどの他のフィーチャは、上部リングに存在してよい。凹部は、下部リングに支柱を備えて上部リングにあってよい、または、リングは、任意の適切な接合によって物理的に接合されてよいことが理解されるだろう。
【0087】
いくつかの実施形態では、上部リングが下部リングの上で内向きに延びるように、上部リングの内径1122は、下部リングの内径1022より小さい。いくつかの他の実施形態では、下部リングの内径1022は、上部リングの内径1122より小さくてよい。上部リングの内径(IDupper)が下部リングの内径(IDlower)に対して大きすぎる場合は、上部リングは、プロセスガスを効率的に方向付けることができない。IDupperが小さすぎる場合は、エッジから所望の距離より遠くでガスを集める。300mmウエハ用のリングアセンブリについて、いくつかの実施形態では、上部リングは、0.12まで下部リングより小さく、下部リングから0.04インチ(0.1016センチ)延びてよい:
[IDlower-0.12インチ(0.3048センチ)]
≦ IDupper
≦ [IDlower+0.04インチ(0.1016センチ)]
これらのパラメータは、ウエハの大きさ、リング間のオフセットなどを含む要素に応じて変化してよい。
【0088】
図12は、上部リングおよび下部リングの内周におけるリングアセンブリ1200の一部の詳細図を示す。図1A図1Eの排除リング100に関して上述されたように、上部リング1230および下部1232の各々は、実質的に平行な上面および底面(または、第1の面および第2の面)を有する。図12では、上部リング1230は、互いに、また環状リングの中心軸に垂直な基準面にも実質的に平行な、上面1206aおよび底面1208aを有する。下部リング1232は、互いに、また環状リングの中心軸に垂直な基準面にも実質的に平行な、底面1206bおよび底面1208bを有する。図12の例では、下部リング1232は、リングアセンブリ1200がウエハの上に設置されることを可能にする凹部1209も備える。
【0089】
上部リング1230および下部リング1232の各々は、それぞれの上面に隣接する傾斜面を有する。上部リング1230は傾斜上面1211aを備え、下部リングは傾斜上面1211bを備える。上面1206aおよび傾斜上面1211aは、エッジで分割されているように示されているが、いくつかの実施形態では、それらの間には図1Eに示されたような曲面があってよい。そのため、傾斜上面1211aは、上面1206aまたは分割面の傾斜部分であってよい。同様に、傾斜上面1211bは、上面1206bまたは分割面の傾斜部分であってよい。上部リング1230の傾斜上面1211aの傾斜角度は、下部リング1230の傾斜上面1211bの傾斜角度より大きい。上部リング1230の傾斜上面1211aの例示的な傾斜角度は、水平から15度~80度である。下部リング1232の傾斜上面1211bの例示的な傾斜角度は、水平から1度~45度である。
【0090】
図12の例では、上部リング1230は、底面1208aまたはエッジで分割された分割面の傾斜部分であってよい傾斜底面1213も有する。環状ガス流路1234は、傾斜底面1213、底面1208a、傾斜上面1211b、および上面1206bによって規定されてよい。傾斜上面1211bおよび傾斜底面1213の傾斜は、環状ガス流路1234の内開口部における上部リングおよび下部リングのオフセット(D1)が環状ガス流路の流出口におけるオフセット(D2)より小さくなるように傾斜してよい。図12の例では、オフセットD2は、底面1208aに平行な上面1206bを備える流出口と同じである。これは、環状ガス流路自体における流れ制限を低減しながら、上部リングの内側先端部をウエハ面に近づけることによって、上部リングの内側先端部における微調整を提供するためである。一例では、距離D1は0.062インチ(0.15748センチ)であってよく、距離D2は0.125インチ(0.3175センチ)であってよい。
【0091】
図12の例では、上部リング1230は内側面1214aを備え、下部リングは内側面1214bを備える。いくつかの実施形態では、これらは省略されてよい。各々の例示的な寸法は、0(存在しない場合)~0.08インチ(0.2032センチ)であってよい。
【0092】
上記の排除リングアセンブリは、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムを含むセラミック材料であってよい。排除リングアセンブリを製造する方法も提供され、セラミック粉末から素地を形成することと、素地を焼くことと、次に研磨して上記の排除リングアセンブリのいずれかを形成することとを含んでよい。上部リングおよび下部リングは、別々の構成要素として、または単一の構成要素として製造されてよい。排除リングアセンブリは、台座に取り付けられてよい、または、取り付けられずに台座上に配置されてよい。いくつかの実施形態では、排除リングを所定位置に保持するために台座上のガイド部が用いられてよい。いくつかの実施形態では、台座は、鋳造または溶接、ろう接、および機械加工されてよい。台座は、適切なガイド部を伴って形成されてよい。
【0093】
上記の記載は、タングステン堆積との関連における排除リングの使用について主に説明しているが、排除リングは、エッジにおける処理のない、またはエッジを適切に処理することなく、ウエハエッジから閾値距離までの関連する全ての半導体処理動作を用いる均一処理のために実装されてよい。関連するプロセス動作は、プロセスガスがチャンバ内のシャワーヘッドから径方向に分配される動作を含む。基板のエッジまたは裏面への堆積なしで基板のエッジに非常に近くへの均一性が望まれる連続流様式におけるプロセスが役立ってよい。それらは、窒化タングステン(WN)および炭化タングステン(WC)、チタン含有材料(例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、ケイ化チタン(TiSi)、炭化チタン(TiC)、およびチタンアルミナイド(TiAl))、タンタル含有材料、ニッケル含有材料、ルテニウム含有材料、コバルト含有材料、モリブデン含有材料などを含むがこれらに限定されない導電材料もしくは誘電材料の堆積を含む、CVD動作またはALD動作を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、バルク層の堆積より前の核形成層の堆積を含む。上記のように、核形成層は、ウエハのベベル部を含むウエハ全体に堆積される。核形成層は、通常、後続の、その上へのバルク層の堆積を容易にする薄共形膜である。例えば、核形成層は、フィーチャの充填より前に、および/または、ウエハ面上のフィーチャ(例えば、ビア配線)の充填中の連続する時点において堆積されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、核形成層は、フィーチャにおけるタングステンのエッチングに続いて、および、初期のタングステン堆積より前に堆積されてよい。
【0095】
特定の実施形態では、核形成層は、パルス核形成層(PNL)技術を用いて堆積される。タングステン核形成層を堆積させるためのPNL技術では、還元剤、任意のパージガス、およびタングステン含有前駆体のパルスは、連続して反応チャンバに注入され、反応チャンバからパージされる。このプロセスは、所望の厚さが達成されるまで周期的に繰り返される。PNLは、原子層堆積(ALD)技術を含む、半導体基板上の反応のために連続して反応剤を追加する周期的プロセスを広く具現化する。タングステン核形成層を堆積させるためのPNL技術は、米国特許第6,635,965号、第7,005,372号、第7,141,494号、第7,589,017号、第7,772,114号、第7,955,972号、および第8,058,170号、ならびに、米国特許公報第2010-0267235号に記載され、それらの全ては、全文が本明細書において参照として援用される。核形成層の厚さは、核形成層堆積方法だけでなくバルク堆積の所望の品質に依存しうる。一般に、核形成層の厚さは、高品質の均一なバルク層の堆積を支援するのに十分である。その例は、10Å~100Åであってよい。
【0096】
PNL堆積の例が上記されているが、本明細書に記載の方法は、タングステン核形成層堆積の特定の方法に限定されず、PNL、ALD、CVD、および物理気相堆積(PVD)を含むあらゆる方法によって形成されたタングステン核形成層上のバルクタングステン膜の堆積を含む。また、特定の実施形態では、バルクタングステンは、核形成層を用いることなくフィーチャに直接堆積されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、フィーチャ面および/または堆積済みの下地層は、バルクタングステンの堆積を支援する。いくつかの実施形態では、核形成層を用いないバルクタングステン堆積プロセスが実施されてよい。例えば、本明細書に参照として援用される、2012年7月27日出願の米国特許出願第13/560,688号は、核形成層なしのタングステンバルク層の堆積について記載している。
【0097】
様々な実施形態では、タングステン核形成層の堆積は、タングステン含有前駆体(六フッ化タングステン(WF6)、六塩化タングステン(WCl6)、およびタングステンヘキサカルボニル(W(CO)6など)への曝露を含みうる。特定の実施形態では、タングステン含有前駆体は、WF6などのハロゲン含有化合物である。有機金属前駆体、ならびに、MDNOW(メチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)およびEDNOW(エチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)などのフッ素非含有前駆体が用いられてもよい。
【0098】
還元剤の例は、ジボラン(B26)および他のボランを含むホウ素含有還元剤、シラン(SiH4)および他のシランを含むシリコン含有還元剤、ヒドラジン、ならびにゲルマンを含みうる。いくつかの実施形態では、タングステン含有前駆体のパルスは、1つ以上の還元剤(例えば、S/W/S/W/B/W(Wはタングステン含有前駆体、Sはシリコン含有前駆体、Bはボロン含有前駆体))のパルスと交換されうる。いくつかの実施形態では、別の還元剤は用いられない(例えば、タングステン含有前駆体は、熱分解またはプラズマ支援分解が施されてよい)。
【0099】
様々な実施形態により、水素は、裏面に流されてよい、または流されなくてよい。さらに、いくつかの実施形態では、タングステンバルク堆積より前に、1つ以上の処理動作がタングステン核形成層の堆積に続いてよい。堆積したタングステン核形成層をより低い抵抗性に処理することは、例えば、本明細書に参照として援用される、米国特許第7,772,114号および第8,058,170号、ならびに、米国特許公報第2010-0267235号に記載されている。
【0100】
さらに、本明細書に記載の方法は、タングステンの堆積に限定されず、以下に記載されるように核形成層が堆積されうる他の材料を堆積させるために実施されてよい。
【0101】
バルク堆積
上記のように、タングステンのバルク堆積は、ウエハ全体に実施されてよい。多くの実施形態では、タングステンバルク堆積は、フィーチャにバルク充填層を堆積させるために還元剤およびタングステン含有前駆体が堆積チャンバに流されるCVDプロセスによって生じうる。不活性キャリアガスは、予混合されてよい、または予混合されなくてよい1または複数の反応剤流を送達するのに用いられてよい。この動作は、PNLプロセスまたはALDプロセスとは異なり、一般に、所望量が堆積されるまで連続的に反応剤を流すことを含む。特定の実施形態では、CVD動作は、複数段階で実施されてよく、反応剤の連続的な流れおよび同時の流れの複数期間は、迂回された1つ以上の反応剤の流れの複数期間によって分断される。
【0102】
WF6、WCl6、およびW(CO)6を含むがそれらに限定されない様々なタングステン含有ガスは、タングステン含有前駆体として用いられうる。特定の実施形態では、タングステン含有前駆体は、WF6などのハロゲン含有化合物である。特定の実施形態では、還元剤は水素ガスであるが、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、ヒドラジン(N24)、ジボラン(B26)、およびゲルマン(GeH4)を含む他の還元剤が用いられてよい。多くの実施形態では、水素ガスは、CVDプロセスにおいて還元剤として用いられる。いくつかの他の実施形態では、バルクタングステン層を形成するために分解しうるタングステン前駆体が用いられうる。バルク堆積は、ALDプロセスを含む他の種類のプロセスを用いて生じてもよい。
【0103】
温度の例は、200℃~500℃であってよい。様々な実施形態により、本明細書に記載のCVDによるWの動作は、低温(例えば、約250℃~350℃または約300℃での)CVDによるW充填を採用しうる。
【0104】
様々な実施形態により、堆積は、特定のフィーチャプロファイルが実現するまで、特定のウエハエッジプロファイルが実現するまで、および/または、特定量のタングステンが堆積するまで継続されてよい。いくつかの実施形態では、堆積時間および他の関連パラメータは、モデリングによって、および/または試行錯誤によって決定されてよい。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、堆積動作の終点検出のためのin-situ計測測定を実施するために様々なセンサが備えられてよい。in-situ計測の例は、堆積膜の厚さを決定するための光学顕微鏡検査および蛍光X線分析(XRF)を含む。
【0105】
本明細書に記載のタングステン膜は、用いられる特定の前駆体およびプロセスに応じて、いくらかの他の化合物、ドーパント、および/または不純物(窒素、炭素、酸素、ホウ素、亜リン酸、硫黄、シリコン、ゲルマニウムなど)を含んでよいことを理解されたい。膜におけるタングステン含有量は、20~100(原子)%のタングステンであってよい。多くの実施形態では、膜は、少なくとも50(原子)%のタングステン、または、少なくとも約60、75、90、もしくは99(原子)%のタングステンすら有する、タングステン含有量の多い膜である。いくつかの実施形態では、膜は、タングステン(W)金属またはタングステン元素と、炭化タングステン(WC)、窒化タングステン(WN)などの他のタングステン含有化合物との混合物であってよい。
【0106】
これらの材料のCVD堆積およびALD堆積は、任意の適した前駆体を用いることを含みうる。例えば、窒化タングステンのCVD堆積およびALD堆積は、以下にさらに説明されるように、ハロゲン含有化合物、ハロゲン非含有タングステン含有化合物、および窒素含有化合物を用いることを含みうる。チタン含有層のCVD堆積およびALD堆積は、チタン含有前駆体(例えば、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)および塩化チタン(TiCl4))、ならびに、可能であれば1つ以上の共反応剤を用いることを含みうる。タンタル含有層のCVD堆積およびALD堆積は、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル(PDMAT)、およびTaF5などの前駆体、ならびに、可能であれば1つ以上の共反応剤を用いることを含みうる。コバルト含有層のCVD堆積およびALD堆積は、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)コバルト、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト、およびジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレンなどの前駆体、ならびに1つ以上の共反応剤を用いることを含みうる。ニッケル含有層のCVD堆積およびALD堆積は、シクロペンタジエニルアリルニッケル(CpAllylNi)およびMeCp2Niなどの前駆体を用いることを含みうる。モリブデンのCVD堆積およびALD堆積は、六フッ化モリブデン(MoF )、五塩化モリブデン(MoCl )、二塩化二酸化モリブデン(MoO Cl )、四塩化酸化モリブデン(MoOCl )、およびモリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO) )などの前駆体を用いることを含みうる。共反応剤の例は、N2、NH3、N24、N26、SiH4、Si36、B26、H2、およびAlCl3を含みうる。
【0107】
タングステンエッチング
タングステンのエッチングは、タングステンと反応しうる1つ以上のエッチング種にタングステンを曝露することによって実施されうる。エッチング種の例は、ハロゲン種およびハロゲン含有種を含む。タングステン含有材料の除去に用いられうる初期エッチング材料の例は、三フッ化窒素(NF3)、テトラフルオロメタン(CF4)、テトラフルオロエチレン(C24)、ヘキサフルオロエチレン(C26)、オクタフルオロプロパン(C38)、トリフルオロメタン(CHF3)、クロロトリフルオロメタン(CF3Cl)、六フッ化硫黄(SF6)、およびフッ素分子(F2)を含む。いくつかの実施形態では、この種は、活性化されることができ、ラジカルおよび/またはイオンを含みうる。例えば、初期エッチング材料は、リモートプラズマ発生器を通じて流されてよい、および/または、in-situプラズマに曝されてよい。しかし、図5B図6図7A、および図7Bに関して上述された実施形態については、タングステンは、一般に、非プラズマエッチング蒸気に曝露される。
【0108】
上記の例に加えて、タングステン含有膜だけでなくタングステン非含有膜をエッチングするために、あらゆる周知のエッチング化学物質が用いられてよい。例えば、NF3などのフッ素含有化合物は、TiNおよびTiCなどのチタン含有化合物のために用いられてよい。Cl2およびBCl3などの塩素含有化合物は、いくつかの実施形態では、例えば、TiAl、TiAlN、ニッケル含有化合物、およびコバルト含有化合物をエッチングするために用いられてよい。
【0109】
様々な実施形態により、一部または全てのエッチング動作は、堆積動作および/もしくは処理動作を含む他の動作が実施される同一のチャンバで実施されうる、または、専用のエッチングチャンバで実施されうる。様々な実施形態では、エッチングは、堆積したタングステンの特定の特性が除去されるまで、または、特定のプロファイルが実現されるまで実施される。例えば、エッチングは、ベベル部におけるタングステン核形成層が除去されるまで実施されてよい。いくつかの実施形態では、特定のエッチングプロセスパラメータのエッチング終点は、特定のエッジ形状、ならびに、エッチングされる堆積したタングステンのプロファイルおよび量についてのモデリングならびに/または試行錯誤によって決定されてよい。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、in-situ計測測定を実施して除去の範囲を確認するために様々なセンサが備えられてよい。in-situ計測の例は、膜厚を決定するための光学顕微鏡検査およびXRFを含む。さらに、エッチング中に生成されたフッ化タングステン(WFx)または他の副生成物の量を検出するために赤外線(IR)分光法が用いられてよい。いくつかの実施形態では、下地層は、エッチング停止層として用いられてよい。エッチングを監視するために光学発光分光法(OES)が用いられてもよい。様々な実施形態により、タングステンのエッチングは、下地層に対して多少優先的(または、非優先的)であってよい。例えば、エッチングは、エッチング停止部として機能するTi下地層またはTiN下地層などを含むWに優先的でありうる。いくつかの実施形態では、エッチングは、エッチング停止部として機能する下地誘電体を含むWおよびTiまたはTiNをエッチングしうる。
【0110】
タングステン核形成の抑制
米国特許公報第20170365513号に記載されるように、抑制は、フィーチャ面を不動態化する活性種への曝露を含むことができ、熱抑制プロセスが提供される。熱抑制プロセスは、一般に、アンモニア(NH3)またはヒドラジン(N24)などの窒素含有化合物にフィーチャを曝露して、フィーチャ開口部付近のフィーチャを非共形に抑制することを含む。いくつかの実施形態では、熱抑制プロセスは、250℃~450℃の温度で実施される。これらの温度では、既に形成されたタングステン核形成層のNH3への曝露は、抑制効果をもたらす。窒素(N2)または水素(H2)などの他の潜在的な抑制化学物質は、より高温(例えば、900℃)での熱抑制に用いられてよい。しかし、多くの適用では、これらの高温は、サーマルバジェットを超える。アンモニアに加えて、ヒドラジンなどの他の水素含有窒化剤は、配線工程(BEOL)用途に適したより低温で用いられてよい。
【0111】
表面の窒化は、表面を不動態化しうる。続く窒化面へのタングステンの堆積は、通常のバルクタングステン膜と比べて大幅に遅延される。NF3に加えて、CF4またはC28などのフルオロカーボンが用いられてよい。しかし、特定の実施形態では、抑制種は、選択的抑制の間のエッチングを防ぐためにフッ素非含有である。
【0112】
核形成は、タングステン面に加えて、TiN面および/またはWN面などのライナ層面/バリア層面上でも抑制されてよい。これらの表面を不動態化する任意の化学物質が用いられてよい。抑制化学物質は、用いられる異なる比率の活性抑制種で抑制プロファイルを調節するのに用いられることもできる。例えば、W面の抑制について、窒素は、水素より強力な抑制効果を有してよく、形成ガスにおけるN2ガスとH2ガスとの比率を調節することは、プロファイルを調節するために用いられうる。
【0113】
特定の実施形態では、基板は、抑制の前に加熱または冷却されうる。基板の既定温度は、フィーチャ面と抑制種との間の化学反応を誘発する、および/または、抑制種の吸着を促すだけでなく、反応または吸着の速度を制御するようにも選択されうる。例えば、温度は、ガス源付近でより多くの抑制が起こるように、高反応速度を有するように選択されてよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、抑制は、WN複合材料の薄層を形成するために熱抑制種とフィーチャ面との間の化学反応を含みうる。いくつかの実施形態では、抑制は、複合材料の層を形成することなく表面を不動態化する吸着などの表面効果を含みうる。
【0115】
タングステン核形成層が存在する場合は、タングステン核形成層は、ウエハをそのエッジにおいて選択的に抑制するためにNH3または他の抑制蒸気に曝露されてよい。いくつかの実施形態では、バルクタングステン層またはタングステン含有層が存在する場合は、バルク層上にWNを形成するために、還元剤/タングステン含有前駆体/窒素含有抑制化学物質が用いられてよい。これらの反応剤は、順に(例えば、B26/WF6/NH3パルス)または同時に導入されてよい。任意の適した還元剤(例えば、ジボランまたはシラン)および任意の適したタングステン含有前駆体(例えば、六フッ化タングステンまたはタングステンヘキサカルボニル)が用いられてよい。
【0116】
上記の説明は、タングステンの堆積が中心であるが、本開示の態様は、他の材料の堆積において実施されてもよい。例えば、他のタングステン含有材料(例えば、窒化タングステン(WN)および炭化タングステン(WC))、チタン含有材料(例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、ケイ化チタン(TiSi)、炭化チタン(TiC)、およびチタンアルミ合金(TiAl))、タンタル含有材料(例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN))、ならびにニッケル含有材料(例えば、ニッケル(Ni)およびケイ化ニッケル(NiSi))を含む、他の材料を用いるエッジエクスクルージョン制御が実施されてよい。例えば、コバルト材料の抑制は、窒素含有ガスを用いて実施されてよい。
【0117】
装置
本明細書に提示の方法は、様々な供給業者から入手可能な様々な種類の堆積装置で実行されてよい。適した装置の例は、Novellus Concept-1 ALTUS(商標)、Concept 2 ALTUS(商標)、Concept-2 ALTUS-S(商標)、Concept 3 ALTUS(商標)堆積システム、およびALTUS Max、または様々な他の市販化学気相堆積(CVD)ツールを含む。上記の方法を実施するために、シングルステーション堆積装置およびマルチステーション堆積装置の両方におけるステーションが用いられうる。
【0118】
図14は、前述の様々な方法に従って用いられてよい装置1460を示す。堆積ステーション1400は、堆積中にウエハを支持する基板支持体1403を有する。排除リング1200およびシャワーヘッド1405が示されている。上記のように、プロセスガスは、シャワーヘッド1405を通じて供給されてよく、基板支持体は、いくつかの実施形態では、上記のように真空および処理ガス源が備えられている。
【0119】
ガスセンサ、圧力センサ、温度センサなどは、様々な実施形態の間のステーション条件に関する情報を提供するために用いられてよい。様々な実施形態の間に監視されうるステーションセンサの例は、マスフローコントローラ、圧力計などの圧力センサ、台座に設置された熱電対、および、ステーション内のガスの有無を監視するための赤外線検出器を含む。特定の実施形態では、コントローラ1474は、ステーションのプロセス条件を制御するために用いられる。コントローラの種類についての詳細は、図15を参照して以下にさらに説明され、この図に関する説明は、ステーションだけでなくチャンバにも当てはまる。1476などのセンサは、コントローラ1474に情報を提供するために用いられてよい。
【0120】
図15は、特定の実施形態で用いられてよいマルチステーション装置の例を示す。装置1500は、複数のステーションを収容する処理チャンバ1501を備える。処理チャンバは、少なくとも2つのステーション、または少なくとも3つのステーション、または少なくとも4つのステーション、またはそれ以上のステーションを収容できる。図15は、4つのステーション、ステーション1531、ステーション1532、ステーション1533、およびステーション1534を備える装置1500を示す。いくつかの実施形態では、処理チャンバ1501を備えるマルチステーション装置1500の全てのステーションは、システムコントローラ1574によって制御された同一圧力環境に曝されてよい。センサ(図示せず)は、チャンバ圧測定値を提供するための圧力センサを含んでもよい。しかし、各ステーションは、個々の温度条件または他の条件を有してよい。
【0121】
堆積プロセスでは、通常、被処理ウエハは、ロードロックを通じてステーション1531に搬送される。このステーションでは、タングステン核形成層堆積プロセスが実施されてよい。次に、ウエハは、上記のように、エッジ処理のためにステーション1532に移されてよい。次に、ステーション1533およびステーション1534においてCVD堆積が実施されてよい。あるいは、エッジエッチングのために1つのステーションが確保されてよい。
【0122】
システムコントローラ1574は、チャンバ圧などの、移送、ステーション、および処理チャンバの条件を制御できる。システムコントローラ1574(1または複数の物理的コントローラまたはロジックコントローラを含んでよい)は、プロセスチャンバ1500の一部または全ての動作を制御する。システムコントローラ1574は、1または複数のメモリデバイスおよび1または複数のプロセッサを備えてよい。いくつかの実施形態では、システムコントローラ1574は、上記の例の一部であってよいシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてよい。電子機器は、システムの様々な部品または副部品を制御しうるシステムコントローラと統合されてよい。システムコントローラは、処理パラメータおよび/またはシステムの種類に応じて、プロセスガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツール、および/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出など、本明細書に開示されたプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0123】
概して、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなど、様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/もしくは、ウエハダイの製造中または除去中における1または複数の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、システムコントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする、「クラウド」内にあってよい、または、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、システムコントローラは、1または複数の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のように、システムコントローラは、例えば、互いにネットワーク接続される1または複数の個別のコントローラを含むことや、本明細書に記載のプロセスおよび制御などの共通の目的に向かって協働することによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1または複数の集積回路と連通する、チャンバ上の1または複数の集積回路だろう。
【0125】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、クリーンチャンバまたはクリーンモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、ALDチャンバまたはALDモジュール、ALEチャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連付けられうる、もしくは使用されうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0126】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはツールモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1または複数と連通しうる。
【0127】
パターニング方法/パターニング装置
【0128】
本明細書で上述された装置/プロセスは、例えば、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、太陽光発電パネルなどの製作もしくは製造のためのリソグラフィパターニングツールまたはリソグラフィパターニングプロセスと併せて用いられてよい。通常、必ずというわけではないが、かかるツール/プロセスは、共通の製作施設で一緒に用いられる、または実施されるだろう。膜のリソグラフィパターニングは、通常、(1)スピンオンツールまたはスプレーオンツールを用いるワークピース(すなわち、基板)へのフォトレジストの塗布、(2)熱板または炉またはUV硬化ツールを用いるフォトレジストの硬化、(3)ウエハステッパなどのツールによる可視光、またはUV光、またはX線光へのフォトレジストの露光、(4)ウェットベンチなどのツールを用いる、レジストを選択的に除去してパターニングするためのレジストの現像、(5)ドライエッチングツールまたはプラズマ支援エッチングツールを用いる、下地膜またはワークピースへのレジストパターンの転写、(6)RFプラズマレジスト剥離剤またはマイクロ波レジスト剥離剤などのツールを用いるレジストの除去、の一部または全ての工程を含み、各工程は、複数の可能なツールによって実施可能である。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
装置であって、
公称径Dの半導体ウエハの処理において用いるように構成された排除リングアセンブリであって、
Dより小さい内径、および外径を有する上部環状リングと、
Dより小さい内径、および外径を有する下部環状リングと、を備え、
前記上部環状リングは、前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間に環状ガス流路を規定するように前記下部環状リングの上に配置される、排除リングアセンブリ
を備える、装置。
適用例2:
適用例1の装置であって、
前記環状ガス流路は、内径、外径、および、前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間の隙間によって規定された幅を有し、前記環状ガス流路の前記内半径における幅は、環状流路の前記外半径における幅より小さい、装置。
適用例3:
適用例1の装置であって、
下部環状リングの前記内径における前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間の隙間は、前記下部環状リングの前記外径における前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間の前記隙間より小さい、装置。
適用例4:
適用例1の装置であって、
下部環状リングの前記内径における前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間の隙間は、0.1インチ(0.254センチ)未満である、装置。
適用例5:
適用例1の装置であって、
前記上部環状リングの前記内径は、前記下部環状リングの前記内径より小さい、装置。
適用例6:
適用例1の装置であって、
前記上部環状リングは、前記上部環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行な上面を備える、装置。
適用例7:
適用例6の装置であって、
前記上部環状リングは、さらに、内側エッジと、前記内側エッジから前記上面に延びる傾斜面とを備える、装置。
適用例8:
適用例7の装置であって、
前記下部環状リングは、前記下部環状リングの中心軸に垂直な基準面に実質的に平行な上面を備える、装置。
適用例9:
適用例8の装置であって、
前記上部環状リングは、さらに、内側エッジと、前記内側エッジから前記上面に延びる傾斜面とを備える、装置。
適用例10:
適用例9の装置であって、
前記上部環状リングの前記傾斜面の傾斜は、前記下部環状リングの前記傾斜面の傾斜より大きい、装置。
適用例11:
適用例1の装置であって、さらに、
前記半導体ウエハを支持するように構成された台座を備え、
前記台座は、前記半導体基板のエッジ領域でガスを注入するように構成されたガス注入器を備える、装置。
適用例12:
適用例1の装置であって、さらに、
前記排除リングアセンブリを支持する台座を備え、
前記台座は、上面と、前記上面にガス流路を規定する凹部とを備える、装置。
適用例13:
適用例12の装置であって、
前記凹部は、前記台座の中心から距離Yにあり、前記距離Yは、前記下部環状リングの前記内径より大きい、装置。
適用例14:
堆積チャンバであって、
上面と、前記上面において裏面ガス源に流体的に接続されるように構成された環状凹部とを備える台座と、
前記台座に取り付けられた排除リングアセンブリであって、前記排除リングアセンブリは、内径および外径を有する上部環状リングと、内径および外径を有する下部環状リングとを備え、前記上部環状リングは、前記上部環状リングと前記下部環状リングとの間に下部環状ガス流路を規定するように前記下部環状リングの上に配置される、排除リングアセンブリと、
前記台座および前記排除リングアセンブリの上に配置されたシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッドと前記上部環状リングとの間に上部環状ガス流路が規定される、シャワーヘッドと、
を備える、堆積チャンバ。
適用例15:
方法であって、
適用例14により前記堆積チャンバの前記台座上に円形ウエハを提供することであって、前記円形ウエハは、公称径Dを有し、Dは、前記上部環状リングおよび前記下部環状リングの前記内径より大きく、前記排除リングアセンブリは、前記円形ウエハの前記外側エッジの上に配置されることと、
前記シャワーヘッドを通じて前記円形ウエハの上に径方向の流れのプロセスガスを提供することと、
前記台座の前記環状凹部を通じて前記円形ウエハの前記外側エッジに裏面ガスを提供することと、
を含む、方法。
適用例16:
適用例15の方法であって、さらに、
前記円形ウエハの中心から、前記円形ウエハの前記エッジから少なくとも2mmまでに、前記プロセスガスによる均一膜を堆積させることを含む、方法。
適用例17:
適用例16の方法であって、
前記均一膜は、前記円形ウエハの前記エッジから少なくとも1mmまでに堆積される、方法。
適用例18:
方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することと、
堆積ガスに前記ウエハの前記上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に膜を堆積させることと、
を含む、方法。
適用例19:
適用例18の方法であって、
前記エッジ領域における堆積は、前記膜が前記上面に選択的に堆積されるように抑制される、方法。
適用例20:
適用例18の方法であって、
前記膜は、前記ウエハの前記エッジから2mmの範囲まで均一である、方法。
適用例21:
適用例18の方法であって、
前記膜は、前記ウエハの前記エッジから1mmの範囲まで均一である、方法。
適用例22:
適用例18の方法であって、
前記堆積防止剤への前記選択的曝露および前記堆積ガスへの前記曝露は、同時に実施される、方法。
適用例23:
適用例18の方法であって、
前記堆積防止剤への前記選択的曝露は、前記堆積ガスへの前記曝露の前に実施される、方法。
適用例24:
適用例18の方法であって、さらに、
堆積防止剤を含む前記ガスに前記ウエハの前記エッジ領域を選択的に曝露する前に、前記上面および前記エッジ領域に第1の膜を堆積させることを含む、方法。
適用例25:
適用例18の方法であって、
前記膜はタングステン含有膜であり、前記堆積防止剤は窒素含有化合物である、方法。
適用例26:
適用例18の方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することは、前記ガスに窒化チタン(TiN)を曝露することを含む、方法。
適用例27:
適用例18の方法であって、
前記ウエハは、台座の上に配置され、前記エッジ領域は、前記台座に取り付けられたエッジ排除リングの下に配置される、方法。
適用例28:
適用例27の方法であって、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することは、前記台座を通じて前記エッジ領域までガスを引き込むことを含む、方法。
適用例29:
適用例27の方法であって、
堆積防止剤を含む前記ガスに前記ウエハの前記エッジ領域を選択的に曝露することから、前記堆積ガスに前記ウエハの前記上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に前記膜を堆積させることに移行することは、前記エッジ排除リングと前記ウエハとの間の距離を増加させることを含む、方法。
適用例30:
適用例18の方法であって、さらに、
堆積防止剤を含むガスにウエハのエッジ領域を選択的に曝露することを繰り返すことと、
堆積ガスに前記ウエハの前記上面および前記エッジ領域を曝露して前記上面に膜を堆積させることと、
を含む、方法。
適用例31:
方法であって
ウエハの上面およびベベル部の少なくとも一部に核形成層を堆積させることと、
前記ウエハの前記ベベル部を選択的に処理することと、
前記ウエハ全体にバルク層を堆積させ、前記ベベル部には堆積させないことと、
を含む、方法。
適用例32:
適用例31の方法であって、
前記ベベル部を選択的に処理することは、前記ベベル部への核形成を選択的に抑制することを含む、方法。
適用例33:
適用例31の方法であって、
前記ベベル部を選択的に処理することは、前記ベベル部上の前記核形成層を選択的にエッチングすることを含む、方法。
適用例34:
適用例33の方法であって、
前記核形成層および前記バルク層は、タングステン含有膜である、方法。
適用例35:
方法であって、
堆積ガスを含むプロセスガスをウエハの上面の上および前記ウエハのエッジを越えて流すことと、
処理ガスを前記ウエハのエッジを越えて流すことと、
堆積ガスを含むプロセスガスをウエハの上面の上および前記ウエハのエッジを越えて流して、前記上面に膜を堆積させ前記ウエハのエッジには堆積させないことと、
を含む、方法。
適用例36:
適用例35の方法であって、
プロセスガスを流すことは、前記ウエハの裏面の真空を引くことを含む、方法。
適用例37:
適用例35の方法であって、
前記プロセスガスは、上昇位置で前記ウエハエッジを遮蔽するエッジ排除リングによって流される、方法。
適用例38:
適用例37の方法であって、
前記処理ガスは、下降位置の前記エッジ排除リングによって流される、方法。
適用例39:
方法であって、
堆積ガスに前記ウエハの前記上面およびエッジリングを曝露して前記上面に均一膜を堆積させることと、
エッチング剤を含むガスにウエハのエッジ領域を曝露することと、
を含む、方法。
【外国語明細書】