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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029414
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】バスバー保持部材及び電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20240228BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240228BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240228BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240228BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20240228BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240228BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/209
H01M50/505
H01M50/503
H01M50/298
H01M50/569
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131651
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 信
(72)【発明者】
【氏名】森下 慎也
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040AA19
5H040AS07
5H040AT02
5H040DD03
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA01
5H043AA03
5H043AA13
5H043CA04
5H043CA22
5H043FA02
5H043FA04
5H043LA02F
5H043LA21F
5H043LA22F
(57)【要約】
【課題】複数の電池が並列方向に膨張してもバスバーと電池との良好な接続状態を維持すること。
【解決手段】電池20と電気的に接続するバスバー3を保持するバスバー保持部52および、バスバー3と電気的に接続され、並列方向Lに延出するハーネス4を収容するハーネス収容部51を備える複数の保持部材本体50と、並列方向Lに沿って並んで配置された複数の保持部材本体50同士を連結する連結部80とが備えられ、連結部80は、並列方向Lに伸縮するように構成された。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池が並列方向に沿って配置された電池ユニットに取り付けられるバスバーを保持するバスバー保持部材であって、
前記電池と電気的に接続する前記バスバーを保持するバスバー保持部および、前記バスバーと電気的に接続されるハーネスを収容するハーネス収容部を備えた複数の保持部材本体と、
前記並列方向に沿って配置された複数の前記保持部材本体同士を連結する連結部とが備えられ、
前記連結部は、前記並列方向に伸縮するように構成された
バスバー保持部材。
【請求項2】
前記連結部は、前記並列方向に並んだ前記ハーネス収容部同士を連結する
請求項1に記載のバスバー保持部材。
【請求項3】
前記ハーネス収容部は、
前記並列方向に向けて延設する底部を有し、
前記連結部は、前記並列方向に隣接する前記底部同士を連結する
請求項2に記載のバスバー保持部材。
【請求項4】
前記ハーネス収容部は、
前記並列方向に向けて延設する底部と、前記底部の幅方向の両端部分から立設する一対の側壁部とを有し、
前記連結部は、前記並列方向に隣接する前記側壁部同士を連結する
請求項2に記載のバスバー保持部材。
【請求項5】
前記ハーネス収容部は、
前記並列方向に向けて延設する底部と、前記底部の幅方向の両端部分から立設する一対の側壁部とを有し、
前記連結部は、
前記並列方向に隣接する前記側壁部同士を連結する第1連結部と、
前記並列方向に隣接する前記底部同士を連結する第2連結部とで構成された
請求項2に記載のバスバー保持部材。
【請求項6】
前記連結部が、連結方向に沿って波型となる波形状に形成された
請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のバスバー保持部材。
【請求項7】
前記連結部は、前記連結部が連結された前記ハーネス収容部の板厚よりも薄い
請求項6に記載のバスバー保持部材。
【請求項8】
前記連結部は、前記ハーネス収容部において前記ハーネスを収容する収容空間に向けて突出する波形状に形成された
請求項6に記載のバスバー保持部材。
【請求項9】
前記連結部における波形状部分は、前記収容空間と反対方向に向けて突出する
請求項8に記載のバスバー保持部材。
【請求項10】
前記ハーネス収容部における前記底部と対面するカバーを有し、
前記並列方向に沿って隣接する前記カバー同士を連結するカバー連結部が設けられ、
前記カバー連結部が、前記並列方向に伸縮する
請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のバスバー保持部材。
【請求項11】
前記カバーは、隣接する前記ハーネス収容部の間部分を跨いで配置された
請求項10に記載のバスバー保持部材。
【請求項12】
前記保持部材本体は、前記並列方向に沿った軸を対称軸として対となって配置され、
前記連結部が、対となって配置された一対の前記保持部材本体の相互間で前記並列方向の異なる位置に配置された
請求項1又は請求項2に記載のバスバー保持部材。
【請求項13】
並列配置された複数の電池と、
前記電池と電気的に接続するバスバーと、
前記バスバーを保持するバスバー保持部材と、
前記バスバーと電気的に接続されるハーネスとを備え、
前記バスバー保持部材は、
前記バスバーを保持するバスバー保持部および、前記ハーネスを収容するハーネス収容部を有するとともに、前記電池の配列された並列方向に沿って複数の前記バスバー保持部が配置された複数の保持部材本体と、
前記並列方向に隣接する前記保持部材本体を前記並列方向に連結する連結部とが備えられ、
前記連結部は、前記並列方向に向けて伸縮するように構成された
電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気車両やハイブリッド車両に搭載される電池モジュールは、特許文献1に例示するように、複数の電池を並列方向に沿って配置した電池ユニットと、電池と電気的に接続されるバスバーと、バスバーを保持するバスバー保持部材と、バスバーと電気的に接続されるハーネスを備えている。これにより、ハーネスは、先端部がバスバーを介して電池と接続され、電池の電圧を電池モジュールの外部に出力する。
【0002】
しかし、特許文献1に例示されるように、電池ユニットは、上述したように、複数の電池が並列方向に沿って配置されているため、これら電池が発熱により膨張すると、バスバー保持部材に保持されたバスバーと、電池との間に並列方向の位置ずれが生じる。これにより、バスバーと電池との良好な接続状態を維持できないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-534540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数の電池が並列方向に膨張してもバスバーと電池との良好な接続状態を維持できるバスバー保持部材及び電池モジュールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、複数の電池が並列方向に沿って配置された電池ユニットに取り付けられるバスバーを保持するバスバー保持部材であって、前記電池と電気的に接続する前記バスバーを保持するバスバー保持部および、前記バスバーと電気的に接続されるハーネスを収容するハーネス収容部を備えた複数の保持部材本体と、前記並列方向に沿って配置された複数の前記保持部材本体同士を連結する連結部とが備えられ、前記連結部は、前記並列方向に伸縮するように構成されたことを特徴とする。
【0006】
この発明は、並列配置された複数の電池と、前記電池と電気的に接続するバスバーと、前記バスバーを保持するバスバー保持部材と、前記バスバーと電気的に接続されるハーネスとを備えた電池モジュールであって、前記バスバー保持部材は、前記バスバーを保持するバスバー保持部および、前記ハーネスを収容するハーネス収容部を有するとともに、前記電池の配列された並列方向に沿って複数の前記バスバー保持部が配置された複数の保持部材本体と、前記並列方向に隣接する前記保持部材本体を前記並列方向に連結する連結部とが備えられ、前記連結部は、前記並列方向に向けて伸縮するように構成されたことを特徴とする。
【0007】
この発明により、複数の前記保持部材本体同士は、前記並列方向に伸縮する前記連結部を介して互いに連結されるため、バスバー保持部に保持された前記バスバーは、電池の熱膨張による並列方向の位置ずれに追従して並列方向に移動できる。従って、複数の電池が並列方向に熱膨張してもバスバーと電池との良好な接続状態を維持できる。
【0008】
この発明の態様として、前記連結部は、前記並列方向に並んだ前記ハーネス収容部同士を連結してもよい。
この発明により、ハーネスの配索方向(長手方向)と一致する並列方向に沿って配置される、複数の前記ハーネス収容部を前記連結部によって連結できる。このため、バスバー保持部に保持された前記バスバーは、電池の熱膨張による並列方向の位置ずれに追従して連結部およびハーネス収容部を介して並列方向に沿って安定して移動することができる。
【0009】
またこの発明の態様として、前記ハーネス収容部は、前記並列方向に向けて延設する底部を有し、前記連結部は、前記並列方向に隣接する前記底部同士を連結してもよい。
【0010】
この発明により、底部同士を連結部を介して連結する構成を成形により得る場合には、成形型による加圧方向を底部と連結部とで一致させ易くなるため、良好に成形することができる。
【0011】
また、隣接する底部の夫々に対して連結部を接続することで、作業者が並列方向および幅方向に直交する直交方向から底部と連結部との双方を目視したり、アクセスし易いため、接続作業を良好に行うことができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記ハーネス収容部は、前記並列方向に向けて延設する底部と、前記底部の幅方向の両端部分から立設する一対の側壁部とを有し、前記連結部は、前記並列方向に隣接する前記側壁部同士を連結してもよい。
【0013】
この発明により、底部の幅方向の両側に有する連結部の夫々が並列方向に伸縮するため、複数の前記保持部材本体は、並列方向に移動する際における幅方向の位置ずれを抑制できる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記ハーネス収容部は、前記並列方向に向けて延設する底部と、前記底部の幅方向の両端部分から立設する一対の側壁部とを有し、前記連結部は、前記並列方向に隣接する前記側壁部同士を連結する第1連結部と、前記並列方向に隣接する前記底部同士を連結する第2連結部とで構成してもよい。
【0015】
この発明により、複数の前記保持部材本体は、底部に沿って配置される第2連結部と、底部に対して立設された側壁部に沿って配置される第1連結部を介して連結されるため、幅方向および直交方向の位置ずれを抑制しながら並列方向に移動できる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記連結部が、連結方向に沿って波型となる波形状に形成されてもよい。
この発明により、波形状の連結部は、電池の熱膨張による並列方向の位置ずれに追従して伸長することができる。これに対して電池が熱膨張後に冷却することで、伸長した連結部は、収縮時に、熱膨張により位置ずれした位置から波形状に収縮するため、コンパクト化が図れる。
【0017】
ここで、前記連結方向に沿って波型とは、連結方向に対して直交方向に振幅する波型を示す。
また、前記波形状の連結部は、周期、振幅および波長は特に限定せず、例えば、波の山部分のみからなる半波長の波等波の一部であってもよい。また、波形状の連結部は、単一の波形状に限らず、周期、振幅および波長のうち少なくとも一つが異なる複数の波が連結方向において直列に連結された波形状であってもよい。さらに、前記波形状の連結部は、滑らかな形状に限らず、例えば、M字形状、V字形状等のジグザグ形状、凹凸形状、V字形状等の角部(変曲点)を有する形状であってもよい。
【0018】
またこの発明の態様として、前記連結部は、該連結部が連結された前記ハーネス収容部の板厚よりも薄くなるように形成されてもよい。
【0019】
この発明により、連結部が撓み変形し易くなるため、伸縮性を高めることができる。これにより、複数の前記保持部材本体は、並列方向に移動し易くなる。すなわち、電池の熱膨張による位置ずれに対する、複数の前記保持部材本体の追従性を高めることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記連結部は、前記ハーネス収容部において前記ハーネスを収容する収容空間に向けて突出する波形状に形成されてもよい。
この発明により、連結部とハーネス収容部の周辺部材との干渉を抑制できる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記連結部における波形状部分は、前記収容空間と反対方向に向けて突出してもよい。
この発明により、収容空間への連結部の侵入を抑制できる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記ハーネス収容部における前記底部と対面するカバーを有し、前記並列方向に沿って隣接する前記カバー同士を連結するカバー連結部が設けられ、前記カバー連結部が、前記並列方向に伸縮してもよい。
【0023】
この発明により、前記並列方向に隣接するカバーは、前記並列方向に伸縮する前記カバー連結部を介して互いに連結されるため、保持部材本体は、カバーと共に並列方向に移動できる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記カバーは、隣接する前記ハーネス収容部の間部分を跨いで配置されてもよい。
この発明により、カバーよりも剛性(曲げ剛性)が低いカバー連結部と、前記保持部材本体よりも剛性(曲げ剛性)が低い連結部とを並列方向において異なる位置に配置することで、並列方向において極端に低剛性となる部分が形成されることを回避でき、全体として必要な剛性を確保することができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記保持部材本体は、前記並列方向に沿った軸を対称軸として対となって配置され、前記連結部が、対となって配置された一対の前記保持部材本体の相互間で前記並列方向の異なる位置に配置されてもよい。
【0026】
この発明により、並列方向に配置された複数の保持部材本体において剛性が低い連結部を、対となって配置された一対の前記保持部材本体の相互間で異なる位置に配置することで、全体としての曲げ剛性を確保することができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、複数の電池が並列方向に膨張してもバスバーと電池との良好な接続状態を維持できるバスバー保持部材及び電池モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態の電池モジュールを上方から視た概略斜視図
図2】本実施形態の電池モジュールの分解斜視図
図3図1の領域X1におけるバスバー保持部材の拡大図
図4図3においてカバーを仮想線で示した拡大図
図5】(a)はバスバー保持部材の図4の領域X3における右側面図、(b)は同じく平面図
図6】(a)はバスバー保持部材の図1の領域X2における右側面図、(b)は同じく平面図
図7】(a)は図5において連結部が伸長した状態の右側面図、(b)は同じく平面図
図8】(a)は図6においてカバー連結部が伸長した状態の右側面図、(b)は同じく平面図
図9】(a)は変形例の連結部を図5(a)に対応して示す右側面図、(b)は同じく平面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明の一実施形態を以下図面とともに説明する。
図1は電池モジュール1を上方から視た概略斜視図を示し、図2は電池モジュール1の略分解斜視図を示す。図3図1の領域X1におけるバスバー保持部材5の拡大図を示し、図4図3においてカバー60を仮想線で示した拡大図を示す。
【0030】
ここで、図1における上下方向を高さ方向Hとし、図1において、複数の電池セル20が並列配置されている方向を並列方向Lとする。ここで、高さ方向Hと並列方向Lとは互いに直交する。また、並列方向L及び高さ方向Hと直交する方向を幅方向Wとする。そして、図1において、並列方向Lに沿って左方を先端側LFとし、図1における右方を基端側LBとし、幅方向Wに沿って左方を左側WLとし、右方を右側WRとする。また、高さ方向Hに沿って上方を上側HUとし、下方を下側HDとする。
【0031】
電池モジュール1は、図1及び図2に示すように、複数の電池セル20を並列方向Lに沿って並列配置された電池ユニット2と、電池セル20と電気的に接続される複数の導通部材3と、導通部材3と電気的に接続されたワイヤーハーネス4と、導通部材3を保持するバスバー保持部材5で構成されている。
【0032】
電池ユニット2は、並列方向Lに沿って並列配置された複数の電池セル20で構成されている。換言すると、電池セル20は並列方向Lに沿って積層されている。
電池セル20は、扁平な略箱状に形成された電池本体21と、電池本体21の上面から上側HUに突出するボルト形状の正極端子22と負極端子23とを備えている。なお、正極端子22と負極端子23とは、電池本体21の幅方向Wの両端部分からそれぞれ突出している。
【0033】
このように構成された電池セル20は、上述のように並列方向Lに沿って積層されている。詳述すると、複数の電池セル20は、電池本体21の上面が同一平面状となるとともに、隣接する電池本体21同士の正極端子22と負極端子23とが互いに隣り合うように並列方向Lに沿って並んで配置している。換言すると、電池セル20は、正極端子22と負極端子23とが交互に逆向きとなるように、電池本体21が並列方向Lに沿って並んで配置されている。
【0034】
導通部材3は、図1及び図2に示すように、バスバー保持部材5の幅方向Wの両側のそれぞれにおいて並列方向Lに沿って複数配置されている。導通部材3は、並列配置された電池セル20の正極端子22及び負極端子23のそれぞれと接続されている。
なお、図2に示すように、導通部材3は、連結バスバー30aと、並列方向Lの両端に配置された2つの単一バスバー30bとで構成されている。
【0035】
ワイヤーハーネス4は、図2に示すように、複数の被覆電線を束ねて構成された幹線4aと、幹線4aから分岐する各被覆電線で構成され複数の枝線4bが設けられている。
被覆電線は、中心に配置された導体と、導体の外側を覆う絶縁被覆とで構成されている。被覆電線の先端は絶縁被覆の一部を剥がしているため、導体が露出している。このように露出された導体は、導通部材3に溶接されている。
なお、導通部材3に対して導体を溶接する溶接方法としては、超音波溶接、振動溶接、あるいはレーザ溶接などの適宜の溶接方法で溶接すればよい。
【0036】
図1図4に示すように、バスバー保持部材5は、導通部材3を配置する複数の保持部材本体50と、保持部材本体50の上方を蓋う複数のカバー60を備えている。
図3及び図4に示すように、保持部材本体50は、並列方向Lに沿ってワイヤーハーネス4を収容するハーネス収容部51と、電池セル20と電気的に接続する導通部材3を保持する複数のバスバー保持部52とを備えている。
【0037】
図4に示すように、ハーネス収容部51は、並列方向Lに沿って延出する平板状の底部511と、底部511の幅方向Wの両端から上側HUに向けて立設する側壁部512とで構成されている。すなわち、ハーネス収容部51は、上側HUに開口する開口Dを有する断面凹状に形成されており、被覆電線を束ねたワイヤーハーネス4の幹線4aを収納する収容空間Sが形成されている。
なお、一対の側壁部512のうち、右側の側壁部512を右側側壁部512Rとするとともに、左側の側壁部512を左側側壁部512Lとする。
【0038】
図2に示すように、このように構成された保持部材本体50、すなわちハーネス収容部51は、並列方向Lに沿って3つが並んで配置されている。
バスバー保持部材5は、並列方向Lに沿って配置された3つのハーネス収容部51によって、並列方向Lに沿って延びる連結収容部55が構成されている。連結収容部55は、並列方向Lに沿った軸を対称軸として対となって配置されている。一対の連結収容部55は、夫々細長い直線形状で樹脂成形により形成され、幅方向Wに所定間隔を隔てて互いに平行に配置されている。
【0039】
ここで、図2に示すように、一対の連結収容部55のうち、右側の連結収容部55を右側連結収容部55Rとするとともに、左側の連結収容部55を左側連結収容部55Lとする。さらに、右側連結収容部55Rにおいて、並列方向Lに沿って並んだ3つのハーネス収容部51を、先端側LFから基端側LBに向けて、それぞれ先端側ハーネス収容部51Ra、中間ハーネス収容部51Rb、基端側ハーネス収容部51Rcとする。
【0040】
同様に、左側連結収容部55Lにおいて、並列方向Lに沿って並んだ3つのハーネス収容部51を、先端側LFから基端側LBに向けて、それぞれ先端側ハーネス収容部51La、中間ハーネス収容部51Lb、基端側ハーネス収容部51Lcとする。
【0041】
また、図2に示すように、一対の連結収容部55は、並列方向Lの長さが互いに同じであるとともに、並列方向Lの位置が互いに一致するように形成されている。但し、先端側ハーネス収容部51Laは、先端側ハーネス収容部51Raよりも並列方向Lの長さが長くなるように形成され、基端側ハーネス収容部51Lcは、基端側ハーネス収容部51Rcよりも並列方向Lの長さが短くなるように形成され、中間ハーネス収容部51Rbと中間ハーネス収容部51Lbとは、並列方向Lの長さが互いに同じ長さとなるように形成されている。
【0042】
これにより、図2図4に示すように、並列方向Lに配置された複数のハーネス収容部51は、左側連結収容部55Lと右側連結収容部55Rとの相互間で、夫々の間部分(50A)の位置が並列方向Lにおいて異なる位置としている。
【0043】
例えば、図4に示すように、右側連結収容部55Rにおける、先端側ハーネス収容部51Raと中間ハーネス収容部51Rbの間部分(50A)は、左側連結収容部55Lにおける、先端側ハーネス収容部51Laと中間ハーネス収容部51Lbの間部分(50A)よりも先端側LFに位置する。
【0044】
同様に、図2に示すように、右側連結収容部55Rにおける、中間ハーネス収容部51Rbと基端側ハーネス収容部51Rcの間部分(50A)は、左側連結収容部55Lにおける、中間ハーネス収容部51Rbと基端側ハーネス収容部51Rcの間部分(50A)よりも先端側LFに位置する。
【0045】
図2に示すように、一対の連結収容部55は、端部連結部56および中央連結部57を介して一体に連結されている。
端部連結部56は、一対の連結収容部55の並列方向Lの両端部に設けられている。端部連結部56は、幅方向Wに沿って底部511同士を連結する連結底部561と、連結底部561の並列方向L両端から立設する一対の連結壁部562とで構成されている。
【0046】
連結底部561は、底部511と一体に構成されるとともに、連結壁部562は、側壁部512と一体に構成されている。これら連結底部561と一対の連結壁部562で構成される空間は、収容空間Sと同様にワイヤーハーネス4を収容可能に形成されている。
中央連結部57は、一対の連結収容部55の並列方向Lの両端部の間部分に複数が設けられている。中央連結部57は、左側WLの端部が左側連結収容部55Lの端部に連結されるとともに、右側WRの端部が右側連結収容部55Rの端部に連結されている。
【0047】
バスバー保持部52は、図2に示すように、幅方向Wに対となって配置される一対の連結収容部55の幅方向Wの両外側に複数が備えられている。具体的には、複数のバスバー保持部52は、並列方向Lに沿って所定間隔を隔てて配設され、夫々が左右夫々のハーネス収容部51の底部511の幅方向Wの外縁から幅方向Wの外側に向けて延出している。
【0048】
複数のバスバー保持部52の夫々には、導通部材3が搭載されている。バスバー保持部52は、複数の導通部材3を個別に保持している。
【0049】
また、図4に示すように、上述した左側のハーネス収容部51の左側側壁部512Lおよび右側のハーネス収容部51の右側側壁部512Rには、幹線4aから分岐する枝線4bを形成する被覆電線が挿通される挿通口53が並列方向Lに所定の間隔を隔てて複数設けられている。
【0050】
挿通口53は、側壁部512の並列方向Lにおける所定の位置において、側壁部512の上端から下端までを板厚方向(幅方向W)に貫通するとともに、上側HUが開口する断面凹状に形成されている。
なお、並列方向Lに隣接する挿通口53同士の間隔は、電池セル20における電池本体21と隣接する負極端子23との間隔の二倍に等しい。
【0051】
そして、幹線4aから分岐する枝線4bは、挿通口53を通じて収容空間Sから幅方向Wの外側へと導出され、上述したように、枝線4bを形成する被覆電線の先端が導通部材3に電気的に接続されている。
【0052】
図3に示すように、カバー60は、保持部材本体50における一対のハーネス収容部51の開口D(図4参照)を閉塞可能に幅方向Wおよび並列方向Lに延びる平板状の天面部61を備えている。天面部61は、ハーネス収容部51における底部511に対して収容空間S(図4参照)を隔てて対向する。
【0053】
このように構成されたカバー60は、バスバー保持部材5の左右各側において図1及び図2に示すように、並列方向Lに沿って3つが並んで配置されている。
【0054】
図2及び図3に示すように、並列方向Lに沿って配置された3つのカバー60によって、並列方向Lに沿って延びる連結カバー部65が構成されている。図2に示すように、連結カバー部65は、並列方向Lに沿った軸を対称軸として対となって配置されている。
【0055】
詳しくは、一対の連結カバー部65は、夫々細長い直線形状で樹脂成形により形成され、幅方向Wに所定間隔を隔てて互いに平行に配置されるとともに、端部カバー連結部63を介して幅方向Wにおいて互いに連結されている。端部カバー連結部63は、一対の連結カバー部65の並列方向Lの両端部に設けられている。
【0056】
ここで、図1及び図2に示すように、一対の連結カバー部65のうち、右側の連結カバー部65を右側連結カバー部65Rとするとともに、左側の連結カバー部65を左側連結カバー部65Lとする。さらに、図2に示すように、右側連結カバー部65Rにおいて、並列方向Lに沿って並んだ3つのカバー60を、先端側LFから基端側LBに向けて、それぞれ先端側カバー60Ra、中間カバー60Rb、基端側カバー60Rcとする。
【0057】
同様に、左側連結カバー部65Lにおいて、並列方向Lに沿って並んだ3つのカバー60を、先端側LFから基端側LBに向けて、それぞれ先端側カバー60La、中間カバー60Lb、基端側カバー60Lcとする。
【0058】
また、図2に示すように、一対の連結カバー部65は、並列方向Lの長さが互いに同じであるとともに、並列方向Lの位置が互いに一致するように形成されている。但し、先端側カバー60Laは、先端側カバー60Raよりも並列方向Lの長さが長くなるように形成され、基端側カバー60Lcは、基端側カバー60Rcよりも並列方向Lの長さが短くなるように形成され、中間カバー60Rbと中間カバー60Lbとは、並列方向Lの長さが互いに同じ長さとなるように形成されている。
【0059】
これにより、並列方向Lに配置された複数のカバー60は、左側連結カバー部65Lと右側連結カバー部65Rとの相互間で、夫々の間部分60Aの位置が並列方向Lにおいて異なる位置としている。
【0060】
例えば、右側連結カバー部65Rにおける、先端側カバー60Raと中間カバー60Rbの間部分60Aは、左側連結カバー部65Lにおける、先端側カバー60Laと中間カバー60Lbの間部分60Aよりも先端側LFに位置する。
【0061】
同様に、右側連結カバー部65Rにおける、中間カバー60Rbと基端側カバー60Rcの間部分60Aは、左側連結カバー部65Lにおける、中間カバー60Rbと基端側カバー60Rcの間部分60Aよりも先端側LFに位置する。
【0062】
また、カバー60は、図2に示すように、並列方向Lに隣接するハーネス収容部51の間部分(50A)に跨って配置されている。
本実施形態においては、左側連結カバー部65Lにおいて、中間カバー60Lbは、先端側ハーネス収容部51Laと中間ハーネス収容部51Lbの間部分(50A)に跨って配置されるとともに、中間ハーネス収容部51Lbと基端側カバー60Lcの間部分(50A)に跨って配置される。
【0063】
同様に右側連結カバー部65Rにおいて、中間カバー60Rbは、先端側ハーネス収容部51Raと中間ハーネス収容部51Rbの間部分(50A)に跨って配置されるとともに、中間ハーネス収容部51Rbと基端側カバー60Rcの間部分(50A)に跨って配置される。
【0064】
また、図3に示すように、バスバー保持部材5には、ハーネス収容部51とカバー60とを互いに取り付ける取付部70が並列方向Lに沿って複数設けられている。取付部70によって、並列方向Lに隣接するハーネス収容部51は、カバー60を介して並列方向Lに沿って相対移動可能に設けられている。
【0065】
具体的に、取付部70は、側壁部512に設けられた係止凸部71と、カバー60に設けられ、係止凸部71に対して係脱可能に係止する係止枠部75とで構成されている。
【0066】
係止枠部75における、係止凸部71が係止される被係止部77は、係止凸部71の並列方向Lの長さよりも長い棒状で並列方向Lに沿って構成されているため、被係止部77は、係合した係止凸部71の並列方向Lに沿った移動をガイドすることができる。すなわち、係止凸部71は、被係止部77に係止された状態で並列方向Lに沿って移動できる。
【0067】
すなわち、係止凸部71を被係止部77に係止した状態としても、これらの間には遊びが存在するため、隣接するハーネス収容部51の一方と他方は、カバー60を介して並列方向Lに相対移動可能に構成される。
【0068】
図5(a)は、バスバー保持部材5の図4の領域X3における右側面図を示し、図5(b)は同じく平面図を示す。
図5(a)(b)に示すように、連結部80は、並列方向Lに沿って配置された複数の保持部材本体50同士の間部分(50A)に備えられ、並列方向Lに隣接する保持部材本体50同士を互いに連結する。
【0069】
図4図5(a)(b)に示すように、連結部80は、並列方向Lに隣接するハーネス収容部51の側壁部512同士を連結する第1連結部81と、並列方向Lに隣接するハーネス収容部51の底部511同士を連結する第2連結部82とで構成されている。第1連結部81は、ハーネス収容部51の幅方向Wの両側の側壁部512において形成されている。
【0070】
連結部80は、並列方向Lに延びる帯状に形成され、該連結部80の厚さ方向に撓み変形可能にハーネス収容部51の側壁部512および底部511の各板厚よりも薄い厚さを有している。連結部80は、撓み変形することで並列方向Lに伸縮するように並列方向Lに沿った波形状、すなわち、並列方向Lに対して直交する方向に振幅する波形状に形成されている。本実施形態において、連結部80は、一波長から成る波形状で形成され、連結部80の波形状部分80aは、並列方向Lの両端に対して中間が収容空間Sと反対側、すなわち、ハーネス収容部51の外側に向けて突出する。
【0071】
詳しくは、図5(b)に示すように、右側側壁部512R同士を連結する右側第1連結部81Rは、右側WRに向けて突出し、左側側壁部512L同士を連結する左側第1連結部81Lは、左側WLに向けて突出し、図5(a)に示すように、第2連結部82は、下側HDに向けて突出する。
これにより、図7(a)(b)に示すように、連結部80は、並列方向Lと一致する方向に伸長する。
【0072】
なお、連結部80は、第1連結部81と第2連結部82とのうち、何れか一方のみで形成されてもよい。また、第1連結部81は、幅方向Wの両側において形成されるに限らず、幅方向Wの何れか一方のみに形成されてもよい。すなわち、連結部80は、右側第1連結部81Rと左側第1連結部81Lとのうち、何れか一方のみで形成されてもよい。
【0073】
図2図3図6(a)(b)に示すように、カバー連結部66は、並列方向Lに伸縮するとともに並列方向Lに並んで配置された複数のカバー60同士を連結可能に設けられている。
【0074】
具体的に複数のカバー60は、夫々が対向する端部同士の間に隙間を確保して並列方向Lに沿って隣接して配置されている。カバー連結部66は、並列方向Lに沿って配置された複数のカバー60同士の間部分に備えられ、これら隣接するカバー60同士を互いに連結する。
【0075】
カバー連結部66は、並列方向Lに隣接するカバー60の天面部61同士を連結する構成としている。カバー連結部66は、並列方向Lに延びる帯状に形成され、該カバー連結部66の厚さ方向に撓み変形可能にカバー60の天面部61の板厚よりも薄い厚さを有している。カバー連結部66は、撓み変形することで並列方向Lに伸縮するように並列方向Lに沿った波形状、すなわち、高さ方向Hに振幅する波形状に形成されている。本実施形態において、カバー連結部66は、一波長から成る波形状で形成され、カバー連結部66の波形状部分66aは、連結方向の両端に対して中間が収容空間Sと反対側、すなわち、ハーネス収容部51の外側に向けて突出する。本実施形態において、カバー連結部66は、上側HUに向けて突出する。
これにより、図8(a)(b)に示すように、カバー連結部66は、並列方向Lと一致する方向に伸長する。
【0076】
上述した本実施形態のバスバー保持部材5は、以下の作用効果を奏することができる。
図1図5(a)(b)に示すように、複数の保持部材本体50同士は、並列方向Lに伸縮する連結部80を介して互いに連結されるため、バスバー保持部52に保持された導通部材3は、電池セル20の熱膨張による並列方向Lの位置ずれに追従して並列方向Lに移動できる。従って、複数の電池セル20が並列方向Lに熱膨張しても導通部材3と電池セル20との良好な接続状態を維持できる。
【0077】
本実施形態のバスバー保持部材5は、上述した効果に加えて以下の作用効果を奏することができる。
図2図4に示すように、本実施形態のハーネス収容部51は、ワイヤーハーネス4を収容可能に並列方向Lに沿って複数が配置されるため、ワイヤーハーネス4と幅方向Wに一致する状態でワイヤーハーネス4の長手方向に沿って配置される。本実施形態のバスバー保持部材5は、保持部材本体50の中でも、このようなハーネス収容部51を並列方向Lに伸縮する連結部80で互いに連結することで、バスバー保持部52に保持された導通部材3は、電池セル20の熱膨張による並列方向Lの位置ずれに追従して連結部80およびハーネス収容部51を介して並列方向Lに沿って安定して移動することができる。
【0078】
図4図5(a)(b)に示すように、本実施形態の連結部80は、並列方向Lに隣接する底部511同士を連結する構成としたため、例えば、底部511同士を連結部80を介して連結する構成を成形により得る場合には、成形型による加圧方向を底部511と連結部80とで一致させ易くなるため、良好に成形することができる。
【0079】
また、隣接する底部511の夫々に対して連結部80を接続することで、底部511同士を連結部80を介して連結する場合には、ハーネス収容部51に対して上側HUから底部511と連結部80との双方を作業者が目視したり、アクセスし易いため、互いの接続作業を良好に行うことができる。
【0080】
図4図5(b)に示すように、本実施形態のバスバー保持部材5は、底部511の幅方向Wの両側において、並列方向Lに隣接する側壁部512同士を第1連結部81によって連結することで、底部511の幅方向Wの両側に有する連結部80の夫々が並列方向Lに伸縮するため、複数の保持部材本体50は、並列方向Lに移動する際における幅方向Wの位置ずれを抑制できる。
【0081】
図4図5(a)(b)に示すように、本実施形態のバスバー保持部材5は、複数の保持部材本体50が、底部511に沿って配置される第2連結部82と、底部511に対して立設された側壁部512に沿って配置される第1連結部81を介して連結されるため、幅方向Wおよび高さ方向Hの位置ずれを抑制しながら並列方向Lに移動できる。
【0082】
図4図5(a)(b)に示すように、本実施形態の連結部80は、連結方向に沿って波型となる波形状に形成されたため、電池セル20の熱膨張による並列方向Lの位置ずれに追従して伸長することができる。これに対して電池セル20が熱膨張後に冷却することで、熱膨張により伸長した連結部80は、収縮時には、位置ずれした位置から波形状に収縮するため、コンパクト化が図れる。
【0083】
図5(a)(b)に示すように、本実施形態の連結部80は、該連結部80が連結されたハーネス収容部51の板厚よりも薄く形成されたため、撓み変形し易くなり、伸縮性を高めることができる。これにより、複数の保持部材本体50は、並列方向Lに移動し易くなる。すなわち、電池セル20の熱膨張による位置ずれに対する、複数の保持部材本体50の追従性を高めることができる。
【0084】
図5(a)(b)に示すように、本実施形態の連結部80における波形状部分80aは、収容空間Sと反対方向に向けて突出するため、収容空間Sへの連結部80の侵入を抑制できる。
【0085】
図6(a)(b)に示すように、本実施形態のカバー連結部66は、並列方向Lに伸縮可能にカバー60同士を連結するため、保持部材本体50は、カバー60と共に並列方向Lに移動できる。
【0086】
図2及び図4に示すように、本実施形態のカバー60は、隣接するハーネス収容部51を跨いで配置されたため、カバー60よりも剛性(曲げ剛性)が低いカバー連結部66と、保持部材本体50よりも剛性(曲げ剛性)が低い連結部80とを並列方向Lにおいて異なる位置に配置することができる。これにより、並列方向Lにおいて極端に低剛性となる部分が形成されることを回避でき、バスバー保持部材5全体として必要な剛性を確保することができる。
【0087】
図2及び図4に示すように、本実施形態のバスバー保持部材5は、保持部材本体50よりも剛性(曲げ剛性)が低い連結部80の並列方向Lの位置が、対となって配置され左右一対の連結収容部55の相互間で互いに異なるように配置されたため、並列方向Lにおいて極端に低剛性となる部分が形成されることを回避でき、全体として必要な剛性を確保することができる。
【0088】
また、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
例えば、本発明のバスバー保持部材は、上述した実施形態のバスバー保持部材5に備えた連結部80に限らず、他の連結部80Aを備えた構成としてもよい。以下、変形例に係る連結部80Aを備えたバスバー保持部材5Aについて説明するが、上述したバスバー保持部材5と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
例えば、図9(a)(b)示すように、連結部80Aは、ハーネス収容部51において収容空間Sに向けて突出する波形状に形成されてもよい。
【0089】
具体的には、変形例のバスバー保持部材5Aは、右側第1連結部81ARと左側第1連結部81ALと第2連結部82Aの何れもが、収容空間Sに向けて突出する波形状に形成されている。
【0090】
詳しくは、図9(b)示すように、右側第1連結部81ARの波形状部分80Aaは、左側WLに向けて突出し、左側第1連結部81ALは、右側WRに向けて突出し、図9(a)示すように、第2連結部82は、上側HUに向けて突出する。
【0091】
このように、連結部80Aを、ハーネス収容部51において収容空間Sに向けて突出する波形状に形成し、収容空間Sの外側へ突出しない波形状で形成することで、連結部80Aと、ハーネス収容部51の外側に有する周辺部材との干渉を抑制できる。
【0092】
また、本発明の連結部は、収容空間Sと反対側に向けて突出する波形状と収容空間Sに向けて突出する波形状とを組み合わせて形成してもよい。
【0093】
カバー連結部66についても、上述した実施形態のように、収容空間Sと反対側に向けて突出する波形状に形成するに限らず、収容空間Sに向けて突出する波形状で形成してもよい。
【0094】
また、本発明の連結部を波形状で形成する場合には、周期、振幅および波長は特に限定せず、例えば、波の山部分のみからなる半波長の波であってもよい。また、波形状の連結部は、単一の波形状に限らず、周期、振幅および波長のうち少なくとも一つが異なる複数の波が連結方向において直列に連結された波形状であってもよい。
【0095】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、バスバーは、導通部材3に対応し、以下同様に
ハーネスは、ワイヤーハーネス4に対応し、
電池は、電池セル20に対応し、
隣接するハーネス収容部の間部分は、隣接する保持部材本体の間部分50A
に対応する。
【符号の説明】
【0096】
1…電池モジュール
2…電池ユニット
3…導通部材
4…ワイヤーハーネス
5…バスバー保持部材
20…電池セル
50…保持部材本体
50A…並列方向に隣接する保持部材本体の間部分
52…バスバー保持部
51…ハーネス収容部
60…カバー
66…カバー連結部
80,80A…連結部
80a,80Aa…連結部における波形状部分
81R,81AR…第1連結部
81L,81AL…第2連結部
511…底部
512…側壁部
S…収容空間
L…並列方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9