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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029667
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02255 20210101AFI20240228BHJP
   H01S 5/02325 20210101ALI20240228BHJP
   H01S 5/0233 20210101ALI20240228BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20240228BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20240228BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20240228BHJP
【FI】
H01S5/02255
H01S5/02325
H01S5/0233
H01L33/50
H01L33/58
H01L33/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132045
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 利章
【テーマコード(参考)】
5F142
5F173
【Fターム(参考)】
5F142AA56
5F142BA34
5F142CB13
5F142CB22
5F142CB23
5F142CE04
5F142CE22
5F142CE32
5F142DA13
5F142DA73
5F142DB03
5F142DB20
5F142GA21
5F142GA29
5F173MC01
5F173MD64
5F173ME22
5F173ME32
5F173ME44
5F173MF03
5F173MF10
5F173MF18
5F173MF27
5F173MF28
5F173MF40
(57)【要約】
【課題】コンパクトな発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置100は、第一発光色の第一出射光を出射する第一光出射面11を有する第一発光素子10と、第一発光色の光を受けて波長変換した波長変換光を発する波長変換部材40と、第二発光色の第二出射光を出射する第二光出射面21を有する第二発光素子20と、光の波長に応じて反射率及び透過率が異なる光学作用層37を有する光学部材30とを備える。光学作用層37において、第一出射光は透過せずに反射され、波長変換部材40は、光学作用層37によって反射された第一出射光を受けて波長変換光を発し、光学作用層37において、波長変換光は透過され、かつ、第二出射光は透過せずに反射され、光学作用層の上方を向く面から、波長変換光及び第二出射光が出射される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一発光色の第一出射光を出射する第一光出射面を有する第一発光素子と、
前記第一発光色の光を受けて波長変換した波長変換光を発する波長変換部材と、
第二発光色の第二出射光を出射する第二光出射面を有する第二発光素子と、
光の波長に応じて反射率及び透過率が異なる光学作用層を有する光学部材と、
を備える発光装置であって、
前記光学作用層において、前記第一出射光は透過せずに反射され、
前記波長変換部材は、前記光学作用層によって反射された前記第一出射光を受けて前記波長変換光を発し、
前記光学作用層において、前記波長変換光は透過され、かつ、前記第二出射光は透過せずに反射され、
前記光学作用層の上方を向く面から、前記波長変換光及び前記第二出射光が出射される、発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記光学部材は、さらに光取り出し面を有し、前記光取り出し面から前記波長変換光及び前記第二出射光が出射される、発光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の発光装置であって、
前記第一発光素子と第二発光素子が、前記光学部材を挟んで前記第一光出射面と前記第二光出射面が対向するように配置されており、
前記光学部材は、第一面と、前記第一面の反対側にある第二面と、第三面と、前記第三面の反対側にある第四面とを備え、
前記波長変換部材は、前記第一面の下方に配置され、
前記第一発光素子は、前記第一光出射面が前記第三面と対向し、かつ、前記第一出射光が前記第三面に入射し、
前記第二発光素子は、前記第二光出射面が前記第四面と対向し、かつ、前記第二出射光が前記第四面に入射し、
前記第二面は、前記光取り出し面であり、
前記光学作用層は、前記光学部材の内部で、前記第一面と第三面に対して斜めに配置されている、発光装置。
【請求項4】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記光学部材は、青色光の波長域の光を反射させ、該青色光の波長域よりも長い波長域の光を透過させる前記光学作用層を有している、発光装置。
【請求項5】
請求項4に記載の発光装置であって、
前記光学部材は、少なくとも430nm~480nmの波長域の光を反射させ、少なくとも500nm以上の波長域の光を透過させる前記光学作用層を有している、発光装置。
【請求項6】
請求項3に記載の発光装置であって、さらに、
前記光学部材の前記第四面に設けられ、前記第二出射光を透過し、かつ、前記光学作用層を透過した前記波長変換光を反射する反射透過膜を備えている、発光装置。
【請求項7】
請求項3に記載の発光装置であって、さらに、
前記第一出射光、前記第二出射光、及び、前記波長変換光を反射する第一反射膜と、
前記第一出射光、前記第二出射光、及び、前記波長変換光を反射する第二反射膜と、
を備え、
前記光学部材は、前記第一面、第二面、第三面、第四面と交差する第五面と、前記第一面、第二面、第三面、第四面と交差し、前記第五面と対向する第六面と、を備え、
前記第一反射膜は、前記第五面に設けられ、
前記第二反射膜は、前記第六面に設けられる、発光装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第一発光色と第二発光色が、同じ発光色である、発光装置。
【請求項9】
請求項2に記載の発光装置であって、
前記第一発光色と第二発光色が、青色光であり、
前記光取り出し面から、白色の光が出射される、発光装置。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第一発光素子の主発光ピーク波長と、前記第二発光素子の主発光ピーク波長の差が、20nm以下である、発光装置。
【請求項11】
請求項3に記載の発光装置であって、
前記光学部材の第二面には、粗面である領域が設けられ、
前記第二出射光は、前記領域を通過して前記第二面から出射される、発光装置。
【請求項12】
請求項1~6のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第一発光素子及び第二発光素子が、半導体レーザである、発光装置。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか一項に記載の発光装置であって、さらに、
前記第一発光素子及び第二発光素子を、それぞれ独立して点灯駆動可能な駆動部を備えている、発光装置。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか一項に記載の発光装置であって、さらに、
前記第一発光素子、光学部材、第二発光素子を収納するパッケージを備えている、発光装置。
【請求項15】
請求項3に記載の発光装置であって、
前記光学作用層の上端は、前記第二面とは交わらず、前記第三面の上端よりも下方で前記第三面と交わる、発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のヘッドライトや、照明用の光源として、半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子が利用されている。例えば特許文献1には、半導体レーザと、反射部材と、蛍光体とを備え、半導体レーザ素子による光と蛍光体による蛍光との混色光を出射する発光装置が開示される。また、半導体レーザと、反射部材と、蛍光体とからなる発光ユニットを対向させて配置した発光装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-103734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の一つは、コンパクトな発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る発光装置は、第一発光色の第一出射光を出射する第一光出射面を有する第一発光素子と、前記第一発光色の光を受けて波長変換した波長変換光を発する波長変換部材と、第二発光色の第二出射光を出射する第二光出射面を有する第二発光素子と、光の波長に応じて反射率及び透過率が異なる光学作用層と、光取り出し面とを有する光学部材とを備える発光装置であって、前記光学作用層において、前記第一出射光は透過せずに反射され、前記波長変換部材は、前記光学作用層によって反射された前記第一出射光を受けて前記波長変換光を発し、前記光学作用層において、前記波長変換光は透過され、かつ、前記第二出射光は透過せずに反射され、前記光取り出し面から、前記波長変換光及び前記第二出射光が出射される。
【発明の効果】
【0006】
上記形態に係る発光装置によれば、発光素子を波長変換光用の第一発光素子と、第二出射光用の第二発光素子に分け、これらの発光素子から出射される光を一の光学部材で制御するため、コンパクトな発光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態1に係る発光装置を示す模式断面図である。
図2図1の発光装置のブロック図である。
図3図1の光学部材の模式断面図である。
図4図1の光学部材の模式断面図である。
図5図1の発光装置の平面図である。
図6】本発明の実施形態2に係る発光装置を示す平面図である。
図7】本発明の実施形態3に係る発光装置を示す平面図である。
図8】本発明の実施形態4に係る発光装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書または特許請求の範囲において、三角形や四角形などの多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本明細書及び特許請求の範囲で記載される“多角形”の解釈に含まれるものとする。
【0009】
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸など、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、“辺”の解釈には加工された部分も含まれる。なお、部分的な加工のない“多角形”や“辺”を、加工された形状と区別する場合は“厳密な”を付して、例えば、“厳密な四角形”などと記載するものとする。
【0010】
また、本明細書または特許請求の範囲において、上下(上方/下方)、左右、表裏、前後(前方/後方)、手前と奥などの記載は、相対的な位置、向き、方向などの関係を述べるに過ぎず、使用時における関係と一致していなくてもよい。
【0011】
また、本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素が複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に“第1”、“第2”と付記して区別することがある。また、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象が異なる場合があり得る。そのため、特許請求の範囲において本明細書と同一の付記がされた構成要素が記載されていても、この構成要素によって特定される対象が、本明細書と特許請求の範囲との間で一致しないことがあり得る。
【0012】
例えば、本開示において“第1”、“第2”、“第3”と付記されて区別される構成要素があり、本開示において“第1”及び“第3”が付記された構成要素を特許請求の範囲に記載する場合に、見易さの観点から特許請求の範囲においては“第1”、“第2”と付記して構成要素を区別することがある。この場合、特許請求の範囲において“第1”、“第2”と付記された構成要素はそれぞれ、本開示において“第1”“第3”と付記された構成要素を指すことになる。なお、このルールの適用対象は構成要素に限らず、その他の対象に対しても、合理的かつ柔軟に適用される。
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。またさらに、図面を参照しながら、本発明を実施するための具体的な形態を説明する。なお、本発明を実施するための形態は、この具体的な形態に限定されない。つまり、図示される実施形態は、本発明が実現される唯一の形態ではない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、理解の便宜を図るために誇張していることがある。
[実施形態1]
【0014】
実施形態1に係る発光装置の模式断面図を、図1に示す。この図に示す発光装置100は、第一発光素子10と、波長変換部材40と、第二発光素子20と、光学部材30を備える。これらの第一発光素子10、波長変換部材40、第二発光素子20、光学部材30は、パッケージ50に収納される。
(パッケージ50)
【0015】
パッケージ50は、基部52と蓋部51を備える。基部52は上面を開口した箱状に形成している。また基部52には、第一発光素子10等、発光装置100が備える1以上の構成要素を収納するキャビティが形成されている。基部52は、放熱性に優れたセラミックスや金属などを材料に用いて形成されることが好ましい。また基部52の上面の開口端は、蓋部51により閉塞される。蓋部51は、サファイアやガラス等の透光性を有する部材とする。ここでは、蓋部51で基部52を封止している。基部52と蓋部51とが接合されることで、パッケージ50が構成される。パッケージ50の内部に形成される閉空間は、封止された空間である。また、この内部空間は、所定の雰囲気で気密された状態で封止された空間である。
【0016】
基部52は、上面及び下面を有している。基部52の外形は、上面視で矩形である。この矩形は、長辺と短辺を有する矩形であってよい。なお、上面視でみた基部52の外形は、矩形でなくてもよい。特に正方形を除外するような言及がされていない限り、矩形には正方形も含まれてよいものとする。
【0017】
基部52は、実装面を有する。例えば、基部52の上面が、実装面となり得る。実装面には、他の構成要素が実装される。
【0018】
蓋部51は、上面と、下面とを有している。蓋部51の下面は、基部52の上面と対向する。蓋部51は、所定波長の光を透過させる。蓋部51は、下面から上面に亘って透光性を有している。ここで、所定波長の光に対して透光性を有するとは、所定波長の光に対する透過率が80%以上であることを意味するものとする。
【0019】
基部52は、実装基板53と枠部材54で構成される。実装基板53の上面は、基部52のキャビティの底面をなす。実装基板53の上面に第一発光素子10、波長変換部材40を接合した光学部材30、第二発光素子20が実装される。実装基板53の上面は、実装面として機能する。また枠部材54は、キャビティの周壁を構成する。
【0020】
実装基板53の主材料は金属、または、金属を含む複合物である。例えば、実装基板53の主材料は銅である。枠部材54の主材料はセラミックスである。例えば、枠部材54の主材料は、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、または、酸化アルミニウムのいずれかである。蓋部51の主材料は、例えば、石英、炭化ケイ素、サファイア、又は、ガラスのいずれかである。
【0021】
ここで、主材料とは、対象となる形成物において、重量または体積が最も多くの割合を占める材料をいうものとする。なお、1つの材料から対象となる形成物が形成される場合には、その材料が主材料である。つまり、ある材料が主材料であるとは、その材料の占める割合が100%となり得ることを含む。
【0022】
実装基板53と枠部材54とを、同じ材料で一体的に形成した基部52であってもよい。実装基板53を金属とすることで、放熱性に優れた基部52となるが、このような基部に限らなくてよい。
(第一発光素子10)
【0023】
第一発光素子10は、第一発光色の光(以下、第一出射光と呼ぶ。)を出射する第一光出射面11を有する。第一発光色の光は、波長変換部材40を励起する光である。第一発光素子10は、いわば、波長変換部材40を励起する励起光源となる。このような第一発光素子10には、半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子を採用することができる。例えば、半導体発光素子をサブマウント15上に予め実装したCoS(Chip on Submount)で構成し、これをパッケージ50の実装面に実装する。
【0024】
波長変換部材40は、第一発光素子10からの第一出射光を受けて、第一出射光とは異なる波長に変換した第三発光色の光(以下、波長変換光と呼ぶ。)を発する。このような波長変換部材40には、蛍光体等を好適に利用できる(詳細は後述)。
(第二発光素子20)
【0025】
第二発光素子20は、第二発光色の第二出射光を出射する。この第二発光素子20は、第二出射光を出射する第二光出射面21を有する。第二出射光は、波長変換部材40で波長変換されることなく外部に出射される。このとき、第二出射光と波長変換光とが混色された光が出射される。このような第二発光素子20も、半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子を好適に利用できる。好ましくは、第二発光素子20を構成する半導体発光素子をサブマウント15上に予め実装したCoSで構成し、第一発光素子10と同時にパッケージ50に実装する。この際、熱による劣化を防止するため、光学部材30をパッケージ50に実装した後に、CoSを実装することが好ましい。
【0026】
第一発光素子10の第一発光色と、第二発光素子20の第二発光色とは、同系統の発光色とすることが好ましい。同系統の発光色とする方が、光学作用層37の光学設計が複雑化しにくいため、光学部材30の製造が容易になる。複雑ではない光学設計の例として、ある一つの特定波長を境界に透過させたい波長範囲と反射させたい波長範囲が分かれればよく、さらに別の特定波長に境界を設けなくてもよいような光学設計を挙げることができる。例えば、第一発光色と第二発光色をいずれも青色とする。また、第三発光色を黄色とすることで、混色によって白色光を得ることができ、照明やヘッドライト等の用途に利用できる。
【0027】
また第一発光素子10の主発光ピーク波長と、第二発光素子20の主発光ピーク波長の差を、20nm以下とすることが好ましい。以下、第一発光素子10と第二発光素子20をまとめて説明する場合、発光素子と称して説明する。
【0028】
発光素子から出射される光は、青色でなくてもよい。発光装置100から出射させる混色光も白色に限らなくてよい。例えば、緑色の光を出射する発光素子や、赤色の光を出射する発光素子を採用してもよい。また、その他の色の光を出射する発光素子を採用してもよい。
【0029】
ここで、青色の光は、その発光ピーク波長が420nm~494nmの範囲内にある光をいうものとする。緑色の光は、その発光ピーク波長が495nm~570nmの範囲内にある光をいうものとする。赤色の光は、その発光ピーク波長が605nm~750nmの範囲内にある光をいうものとする。例えば、発光素子から、発光ピーク波長が430nm~480nmの範囲にある光が出射される。
【0030】
ここで、発光素子の一例である半導体レーザ素子について説明する。半導体レーザ素子は、上面視で、一方の対辺を長辺、他方の対辺を短辺とする矩形の外形を有する。半導体レーザ素子から出射される光(レーザ光)は拡がりを有する。また、半導体レーザ素子の出射端面から発散光が出射される。半導体レーザ素子の出射端面は、発光素子の光出射面ということができる。
【0031】
半導体レーザ素子から出射される光は、光の出射端面と平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。FFPとは、出射端面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布である。
【0032】
ここで、FFPの楕円形状の中心を通る光、言い換えると、FFPの光強度分布においてピーク強度の光を、光軸を進む光、あるいは、光軸を通る光と呼ぶものとする。また、FFPの光強度分布において、ピーク強度値に対して1/e2以上の強度を有する光を、主要部分の光と呼ぶものとする。
【0033】
半導体レーザ素子から出射される光のFFPの形状は、光の出射端面と平行な面において、積層方向の方が、積層方向に垂直な方向よりも長い楕円形状である。積層方向とは、半導体レーザ素子において活性層を含む複数の半導体層が積層される方向のことである。積層方向に垂直な方向は、半導体層の面方向ということもできる。また、FFPの楕円形状の長径方向を半導体レーザ素子の速軸方向、短径方向を半導体レーザ素子の遅軸方向ということもできる。
【0034】
FFPの光強度分布に基づきピーク光強度の1/e2の光強度の光が拡がる角度を、半導体レーザ素子の光の拡がり角とする。拡がり角は、ピーク光強度の1/e2の光強度の他に、例えば、ピーク光強度の半値の光強度から求められることもある。本明細書の説明において、単に「拡がり角」というときは、ピーク光強度の1/e2の光強度における光の拡がり角を指すものとする。なお、速軸方向の拡がり角の方が、遅軸方向の拡がり角よりも大きいといえる。
【0035】
発光素子には、例えば、遅軸方向の拡がり角が2度から30度の範囲にある半導体レーザ素子を採用することができる。発光素子には、例えば、速軸方向の拡がり角が5度から120度の範囲にある半導体レーザ素子を採用することができる。
【0036】
青色の光を発する半導体レーザ素子、または、緑色の光を発する半導体レーザ素子として、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNを用いることができる。赤色の光を発する半導体レーザ素子として、InAlGaP系やGaInP系、GaAs系やAlGaAs系の半導体を含むものが挙げられる。
(サブマウント15)
【0037】
発光素子を上面に実装するサブマウント15は、上面、及び、下面を有する。サブマウント15は、直方体の形状で構成される。サブマウント15は、上面視で、長辺及び短辺を有する矩形の外形を有する。サブマウント15は、上下方向の幅が最も小さい。サブマウント15の上下方向の幅は、50μm以上1000μm以下とすることができる。なお、サブマウント15の形状は直方体に限らなくてよい。サブマウント15は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いて形成することができる。また、接合面には、接合のための金属膜が設けられている。
(光学部材30)
【0038】
光学部材30は、波長に応じて選択的に反射する波長選択反射部材である。光学部材30は、その内部に光学作用層37を有する。光学作用層37は、光の波長に応じて反射率及び透過率が異なる。この光学作用層37は、第一発光素子10の第一光出射面11及び波長変換部材40と対向する姿勢となるよう、光学素子の内部において斜めに配置される。
【0039】
光学部材30は、外形を箱形に形成される。箱形の光学部材30は、図1に示すように断面視において、第一面31と、第一面31の反対側にある第二面32と、第三面33と、第三面33の反対側にある第四面34とを備える。図において、光学部材30の下面が第一面31、上面が第二面32、左面が第三面33、右面が第四面34に相当する。第一面31の下方には、波長変換部材40が配置される。光学部材30の第一面31は、波長変換部材40に接合されている。なお、波長変換部材40と光学部材30の第一面31との接合は、接着材を用いる他、接着材を用いずに直接接合してもよい。例えば、波長変換部材40の一形態である反射型蛍光体を、SAB(界面活性化接合)や、ADB(原子拡散接合)などで、光学部材30の一形態であるダイクロイックミラーの第一面31に接合する。このようにして波長変換部材40を一体化した光学部材30を、パッケージ50に実装する。
【0040】
第三面33は、第一発光素子10の第一光出射面11と対向している。第一発光素子10から出射された第一出射光は、第三面33に入射する。また第四面34は、第二発光素子20の第二光出射面21と対向する。第二発光素子20から出射された第二出射光は第四面34に入射する。このように、図1においては第一発光素子10と第二発光素子20が、光学部材30を挟んで第一光出射面11と第二光出射面21が対向するように配置されている。
(光学作用層37)
【0041】
光学作用層37は、光学部材30を構成する一部分である。光学作用層37は、実装面に対して斜めに配置されている。なお、光学作用層37が、光学部材30の全部を構成してもよい。光学作用層37は、光学部材30の内部で、第一面31と第三面33に面するように斜めに配置されている。また光学作用層37は、光学部材30の内部で、第二面32と第四面34に対しても面するよう斜めに配置されている。光学作用層37の内、光学部材30の第一面31と第三面33に対して対向する面を第一光学作用面38(図1において左下面)、その裏面側で、光学部材30の第二面32と第四面34に対して対向する面を第二光学作用面39(図1において右上面)と呼ぶ。
【0042】
好ましくは、光学素子の内部で光学作用層37が、第一面31と第四面34の接点から、第一面31(図1における水平面)に対し45°の角度に傾斜される。これにより、光学作用層37の第一光学作用面38は、第一発光素子10と波長変換部材40の両方と対向する姿勢となり、光学部材30の第三面33から光学部材30に入射された第一出射光を、第一光学作用面38側で第一面31に配置された波長変換部材40に向かって反射させることができる。ここで光学作用層37においては、第一出射光は透過せずに反射される。あるいは、光学作用層37は、第一出射光の少なくとも90%以上を反射する。またあるいは、光学作用層37は、第一出射光の少なくとも95%以上を反射する。またあるいは、光学作用層37は、第一出射光の少なくとも99%以上の光を反射する。
【0043】
なお、本開示において「透過せずに反射される」とは、なるべく全ての光を反射させることが望ましい状態を指すことと捉えることができる。具体的には、発光装置100から出射される光の出射効率をなるべく高くしようとすると光学作用層37が100%の反射率を有していることが望ましいといえる配置や構造であるか、そのような配置や構造であるかが不明であったとしても、なるべく全ての光を反射させようとしても他の構成の存在意義を失わせることのないような配置や構造の下で光学作用層37が設けられていることを指す。このような捉え方に当てはまる場合、具体的な反射率の値はそれほど重要ではなく、例えば反射率が80%であるからといって「透過せずに反射される」ことに該当しないというわけではない。
【0044】
光学作用層37は、光学部材30の内面に、好ましくは平坦かつ平滑な表面を有する板状に、形成され得る。例えば、可視光を透過するガラスまたはプラスチックなどの透明材料から形成される光学部材30の透明な本体を、斜めに形成した表面(主面)に、例えばスパッタリングなどの薄膜堆積技術によって誘電体多層膜を堆積して形成され得る。このような光学部材30は、例えば、ダイクロイックミラーやプリズムによって構成され得る。
(波長変換部材40)
【0045】
波長変換部材40は、光学作用層37によって反射された第一出射光を受けて、第一発光色を波長変換した第三発光色の波長変換光を発する。さらに光学作用層37において、波長変換光は透過される。波長変換光は、光学作用層37の下方を向いている面から入射し、光学作用層37を透過して、光学作用層37の上方を向いている面から出射される。光学作用層37の上方を向いている面から、波長変換光及び第二出射光が出射される。例えば、光学作用層37は、波長変換光の80%以上を透過する。また、波長変換光は、光学作用層37において、反射されずに透過されることが好ましい。なお「反射されずに透過される」とは、上述の「透過されずに反射される」ことについての説明を、「反射」を「透過」に、かつ、「透過」を「反射」に置き換えた内容で理解されればよい。
【0046】
波長変換部材40は、蛍光体を含むことができる。蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)2SiO4)、αサイアロン蛍光体、βサイアロン蛍光体等が挙げられる。なかでも、YAG蛍光体は、耐熱性が良好で、混色による白色光を出射させる場合に広く利用される蛍光体である。
【0047】
光学部材30は、波長変換光及び第二出射光が出射される光取り出し面を有する。光学部材30の第二面32は、光取り出し面となる。第二面32は、蓋部51と対向するよう配置される。波長変換部材40から光学作用層37を透過してきた波長変換光は、第二面32から外部に出射される。一方で光学作用層37は、第四面34から光学部材30に入射された第二出射光を、第二光学作用面39側で第二面32に向かって反射させる。ここでも光学作用層37は、第二出射光を透過せずに反射させる。このように第二出射光を直接、光取り出し面側に反射させることで、第二出射光の一部を波長変換部材40の励起光に割り当てる必要がなく、第二出射光をロスなく発光装置100の出射光に利用することができる。
【0048】
光取り出し面からの出射光は、第二発光色の第二出射光と、第三発光色の波長変換光との混色光として観察される。例えば、第一発光色及び第二発光色として青色光を、第三発光色として黄色光を、それぞれ選択することにより、これらの混色光として白色光を発する発光装置を実現できる。このように、発光装置の光源となる発光素子を、波長変換光用の第一発光素子10と、第二出射光用の第二発光素子20とに分けたことで、色調整がし易くなる利点が得られる。
(駆動部60)
【0049】
また発光装置100は、図2のブロック図に示すように、第一発光素子10と第二発光素子20を、それぞれ独立して点灯駆動可能な駆動部60を備えている。駆動部60は、第一発光素子10と第二発光素子20をそれぞれ駆動させる第一駆動電流、第二駆動電流を独立して制御可能としている。例えば、上述した第一発光色及び第二発光色を青色光、第三発光色を黄色光とした例において、第一発光素子10や第二発光素子20の出力をそれぞれ強めたり弱めたりすることで、青色光と黄色光の光量バランスを変えられる結果、色度の調整がし易くなる。
【0050】
また光学部材30の光取り出し面となる第二面32に、粗面とした領域を設けてもよい。そして第二出射光を、粗面とした領域を通過して第二面32から出射させるように構成する。これにより、光学部材30の出射面側で出力光を拡散させることができる。
【0051】
また図3の断面図に示すように、光学部材30の光学作用層37の上端は、第二面32とは交わらず、第三面33の上端よりも下方で第三面33と交わるよう構成することが好ましい。これにより、光学部材30の光路長を長くして出力光のスポット径を拡げて出射させることができる。
【0052】
さらに光学部材30の光学作用層37は、青色光の波長域の光を反射させ、この青色光の波長域よりも長い波長域の光を透過させることが好ましい。具体的には、光学作用層37が少なくとも430nm~480nmの波長域の光を反射させ、少なくとも500nm以上の波長域の光を透過させることが好ましい。
(反射透過膜70)
【0053】
また光学部材30は、反射透過膜70を備えることが好ましい。反射透過膜70は、第一出射光や第二出射光を透過させる一方で、波長変換光を反射させる波長選択性を有している。このように反射透過膜70は、光学作用層37と逆の光学特性を有する。
【0054】
図3の断面図に示す例では、反射透過膜70は、光学部材30の第三面33や第四面34に設けられる。第三面33に設けられる第一反射透過膜71は、第一出射光を透過させる。また第一反射透過膜71は、波長変換光を反射する。一方、第四面34に設けられる第二反射透過膜72は、第二出射光を透過させる。また第二反射透過膜72は、光学作用層37を透過した波長変換光を反射させる。このような第一反射透過膜71や第二反射透過膜72は、誘電体多層膜(DBR)などで構成できる。
(反射膜80)
【0055】
さらに光学部材30は、その側面の一部に反射膜80を設けてもよい。これにより、光学部材30に入射された光を有効に利用できる。図5の平面図に示す例では、光学部材30は第一面31、第二面32、第三面33、第四面34と交差する第五面35(図において下側)と、第一面31、第二面32、第三面33、第四面34と交差し、第五面35と対向する第六面36(図において上側)を有している。第五面35には、第一反射膜81が設けられる。また第六面36には、第二反射膜82が設けられる。これら第一反射膜81や第二反射膜82は、第一出射光、第二出射光、及び波長変換光を反射する。このような第一反射膜81や第二反射膜82は、波長選択性を有さない反射性を有する素材、例えば金属膜とすることができる。
[実施形態2]
【0056】
図5の例では、一のパッケージ内に第一発光素子10、波長変換部材40を接合した光学部材30、第二発光素子20をそれぞれ一ずつ、一直線上に配置する例を説明した。ただ本発明はこの構成に限られず、各部材を複数個配置してもよい。例えば図6の平面図に示す実施形態2に係る発光装置200は、第一発光素子10、波長変換部材40を接合した光学部材30、第二発光素子20を一直線状に配置した組を、平行に2組配置した例を示している。この図において、上述した実施形態1と同じ部材については、同じ符号を付して詳細説明を省略する。このように複数の第一発光素子10A、10B、波長変換部材40を接合した光学部材30A、30B、第二発光素子20A、20Bを用いることで、光量を高めることができる。また、第一発光素子10A、10B、波長変換部材を接合した光学部材30A、30B、第二発光素子20A、20Bで構成される各組で混色される出力光の発光色を、同じとする他、組毎に異なる発光色としてもよい。これにより、組毎に点灯を切り替えて、異なる発光色に発光させることの可能な発光装置を構成できる。
【0057】
さらに、複数の部材を組み合わせる例において、第一発光素子、波長変換部材を接合した光学部材、第二発光素子の使用数を等しくする必要はなく、任意の数としてもよい。例えば波長変換部材の変換効率に応じて、励起用の第一発光素子の数を、第二発光素子よりも増やすことができる。
[実施形態3]
【0058】
一例として、図7の平面図に示す実施形態3に係る発光装置300では、第一発光素子10A、10Bを2つ平行に配置し、波長変換部材を接合した光学部材30Cは、これら2つの第一発光素子10A、10Bの第一出射面をカバーする大きさ以上に大型化したものを使用し、一方で第二発光素子20は実施形態1等と同じ大きさとした例を示している。この図においても、上述した実施形態1等と同じ部材については、同じ符号を付して詳細説明を省略する。例えば、波長変換部材40として赤味成分の多いYAG蛍光体等を使用する場合には、蛍光体の変換効率が低いため、励起用の第一出射光を多くするため、第一発光素子の数を増やす。また赤味成分の少ない短波のYAG蛍光体を使用する場合も、出射側に蛍光体の短波側成分をカットするDBRを設置して色調を調整するため、蛍光体の総出力が低くなるので、同様の励起用の第一発光素子10の数を増やす必要がある。
[実施形態4]
【0059】
また逆に、第二発光素子20の数を、第一発光素子10よりも増やすことができる。このような例を、実施形態4に係る発光装置400として図8の平面図に示す。この図においても、上述した実施形態1等と同じ部材については、同じ符号を付して詳細説明を省略する。図8の実施形態4に係る発光装置400では、第一発光素子10は図7と同様、2つの第一発光素子10A、10Bを平行に配置する一方、第二発光素子20は、3つの第二発光素子20A、20B、20Cを平行に配置している。また波長変換部材40を接合した光学部材30Dは、これら3つの第二発光素子20の第二出射面をカバーする大きさ以上に大型化したものを使用している。例えば、車載用のヘッドライト等の用途に用いる発光装置のような、青味成分の強い光が必要な場合には、第二発光素子の数を増やすことで、色味を調整することができる。このように、第一発光素子や第二発光素子の数は、求められる色調や出力等に応じて設計できる。また、第一発光素子や第二発光素子の数を変更する他、第一発光素子や第二発光素子の出力を異ならせてもよい。例えば定格電流の大きい発光素子を用いることで高出力化を図ることができる。さらに、使用する第一発光素子や第二発光素子は、同じ定格の発光素子を使用する他、異なる定格の発光素子を用いてもよい。ただ、同じ定格の発光素子を複数使用する方が、駆動部60の制御を簡素化できるため好ましい。
【0060】
本発明は、以下のような態様で実施することもできる。
【0061】
[項1]
第一発光色の第一出射光を出射する第一光出射面を有する第一発光素子と、
前記第一発光色の光を受けて波長変換した波長変換光を発する波長変換部材と、
第二発光色の第二出射光を出射する第二光出射面を有する第二発光素子と、
光の波長に応じて反射率及び透過率が異なる光学作用層を有する光学部材と、
を備える発光装置であって、
前記光学作用層において、前記第一出射光は透過せずに反射され、
前記波長変換部材は、前記光学作用層によって反射された前記第一出射光を受けて前記波長変換光を発し、
前記光学作用層において、前記波長変換光は透過され、かつ、前記第二出射光は透過せずに反射され、
前記光学作用層の上方を向く面から、前記波長変換光及び前記第二出射光が出射される、発光装置。
【0062】
[項2]
項1に記載の発光装置であって、
前記光学部材は、さらに光取り出し面を有し、前記光取り出し面から前記波長変換光及び前記第二出射光が出射される、発光装置。
【0063】
[項3]
項2に記載の発光装置であって、
前記第一発光素子と第二発光素子が、前記光学部材を挟んで前記第一光出射面と前記第二光出射面が対向するように配置されており、
前記光学部材は、第一面と、前記第一面の反対側にある第二面と、第三面と、前記第三面の反対側にある第四面とを備え、
前記波長変換部材は、前記第一面の下方に配置され、
前記第一発光素子は、前記第一光出射面が前記第三面と対向し、かつ、前記第一出射光が前記第三面に入射し、
前記第二発光素子は、前記第二光出射面が前記第四面と対向し、かつ、前記第二出射光が前記第四面に入射し、
前記第二面は、前記光取り出し面であり、
前記光学作用層は、前記光学部材の内部で、前記第一面と第三面に対して斜めに配置されている、発光装置。
上記構成により、第二出射光を直接、光取り出し面側に反射させることで、波長変換部材に送られる成分を低減し、ロスなく発光効率を高めることができる。
【0064】
[項4]
項1~3のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記光学部材は、青色光の波長域の光を反射させ、該青色光の波長域よりも長い波長域の光を透過させる前記光学作用層を有している、発光装置。
【0065】
[項5]
項1~4のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記光学部材は、少なくとも430nm~480nmの波長域の光を反射させ、少なくとも500nm以上の波長域の光を透過させる前記光学作用層を有している、発光装置。
【0066】
[項6]
項3~項5(但し、項3に従属しないものを除く。)のいずれか一項に記載の発光装置であって、さらに、
前記光学部材の前記第四面に設けられ、前記第二出射光を透過し、かつ、前記光学作用層を透過した前記波長変換光を反射する反射透過膜を備えている、発光装置。
【0067】
[項7]
項3~項6(但し、項3に従属しないものを除く。)のいずれか一項に記載の発光装置であって、さらに、
前記第一出射光、前記第二出射光、及び、前記波長変換光を反射する第一反射膜と、
前記第一出射光、前記第二出射光、及び、前記波長変換光を反射する第二反射膜と、
を備え、
前記光学部材は、前記第一面、第二面、第三面、第四面と交差する第五面と、前記第一面、第二面、第三面、第四面と交差し、前記第五面と対向する第六面と、を備え、
前記第一反射膜は、前記第五面に設けられ、
前記第二反射膜は、前記第六面に設けられる、発光装置。
【0068】
[項8]
項1~7のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第一発光色と第二発光色が、同じ発光色である、発光装置。
【0069】
[項9]
項2~8(但し、項2に従属しないものを除く。)のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第一発光色と第二発光色が、青色光であり、
前記光取り出し面から、白色の光が出射される、発光装置。
【0070】
[項10]
項1~9のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第一発光素子の主発光ピーク波長と、前記第二発光素子の主発光ピーク波長の差が、20nm以下である、発光装置。
【0071】
[項11]
項3~10(但し、項3に従属しないものを除く。)、のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記光学部材の第二面には、粗面である領域が設けられ、
前記第二出射光は、前記領域を通過して前記第二面から出射される、発光装置。
上記構成により、光学部材の出射面側で出力光を拡散させることができる。
【0072】
[項12]
項1~11のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記第一発光素子及び第二発光素子が、半導体レーザである、発光装置。
【0073】
[項13]
項1~12のいずれか一項に記載の発光装置であって、さらに、
前記第一発光素子及び第二発光素子を、それぞれ独立して点灯駆動可能な駆動部を備えている、発光装置。
【0074】
[項14]
項1~13のいずれか一項に記載の発光装置であって、さらに、
前記第一発光素子、光学部材、第二発光素子を収納するパッケージを備えている、発光装置。
【0075】
[項15]
項3~項14(但し、項3に従属しないものを除く。)のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記光学作用層の上端は、前記第二面とは交わらず、前記第三面の上端よりも下方で前記第三面と交わる、発光装置。
上記構成により、光学部材の光路長を長くして出力光のスポット径を拡げて出射させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
各実施形態に記載の発光装置は、スマートライトや間接照明などの照明器具、車載ヘッドライト、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクタ、ディスプレイ等に使用することができる。
【符号の説明】
【0077】
100、200、300、400…発光装置
10、10A、10B…第一発光素子
11…第一光出射面
15…サブマウント
20、20A、20B、20C…第二発光素子
21…第二光出射面
30、30A、30B、30C、30D…光学部材
31…第一面
32…第二面
33…第三面
34…第四面
35…第五面
36…第六面
37…光学作用層
38…第一光学作用面
39…第二光学作用面
40…波長変換部材
50…パッケージ
51…蓋部
52…基部
53…実装基板
54…枠部材
60…駆動部
70…反射透過膜
71…第一反射透過膜
72…第二反射透過膜
80…反射膜
81…第一反射膜
82…第二反射膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8