IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社荏原製作所の特許一覧

<>
  • 特開-泥水処理システム 図1
  • 特開-泥水処理システム 図2
  • 特開-泥水処理システム 図3
  • 特開-泥水処理システム 図4
  • 特開-泥水処理システム 図5
  • 特開-泥水処理システム 図6
  • 特開-泥水処理システム 図7
  • 特開-泥水処理システム 図8
  • 特開-泥水処理システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029732
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】泥水処理システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/00 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
C02F11/00 A ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184724
(22)【出願日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2022131936
(32)【優先日】2022-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】中塩 雄二
(72)【発明者】
【氏名】清水 修
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 登子
【テーマコード(参考)】
4D059
【Fターム(参考)】
4D059AA09
4D059AA30
4D059BE04
4D059BE14
4D059CB01
4D059EA08
(57)【要約】
【課題】泥水を吸引するための泥水処理システムにおいて、泥土の過剰な吸い込みを抑制する。
【解決手段】泥水を吸引するための泥水処理システムが提案され、前記泥水処理システムは、泥水に含まれる泥土を回収するための回収容器を内部に取付可能であり、負圧源による負圧を用いて泥水を吸引する回収タンクと、前記回収タンクの上部に接続された吸い込み管と、前記吸い込み管に接続されると共に前記回収タンク内に延在し、前記回収タンクに前記回収容器が取り付けられているときに当該回収容器の内部に位置する開口を有する検知管と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
泥水を吸引するための泥水処理システムであって、
泥水に含まれる泥土を回収するための回収容器を内部に取付可能であり、負圧源による負圧を用いて泥水を吸引する回収タンクと、
前記回収タンクの上部に接続された吸い込み管と、
前記吸い込み管に接続されると共に前記回収タンク内に延在し、前記回収タンクに前記回収容器が取り付けられているときに当該回収容器の内部に位置する開口を有する検知管と、
を備える泥水処理システム。
【請求項2】
前記検知管または前記吸い込み管内の圧力を検出するための圧力センサを備える、請求項1に記載の泥水処理システム。
【請求項3】
前記検知管と前記吸い込み管との少なくとも一方は、圧縮流体を供給可能な供給口を有する、請求項1に記載の泥水処理システム。
【請求項4】
前記負圧源としての真空発生モジュールを備え、
前記真空発生モジュールは、前記供給口に圧縮流体を供給可能である、
請求項3に記載の泥水処理システム。
【請求項5】
前記回収タンクを支持するための支持台と、
前記回収タンク前記支持台との間に設けられ、前記回収タンクの重量に応じて変形するように構成される弾性体と、
を備える請求項1に記載の泥水処理システム。
【請求項6】
前記弾性体は、前記回収タンクの重量が第1重量以上であることを示すための第1の弾性体と、前記回収タンクの重量が前記第1重量より大きい第2重量以上であることを示すための第2の弾性体と、を備える、請求項5に記載の泥水処理システム。
【請求項7】
前記弾性体は、第1の弾性率を有する第1の弾性体と、前記第1の弾性体と鉛直方向に並んで配置されて前記第1の弾性率より大きい第2の弾性率を有する第2の弾性体と、を備える、請求項5に記載の泥水処理システム。
【請求項8】
前記検知管と前記吸い込み管と前記回収タンク内に負圧を供給するために接続される連結管との少なくとも1つの管に設けられ、前記弾性体の変形量が所定量に至ったときに前記少なくとも1つの管を閉じるように構成された弁を備える、請求項5に記載の泥水処理システム。
【請求項9】
前記回収タンクと前記支持台との一方に設けられる磁石と、
前記回収タンクと前記支持台との他方に設けられて前記磁石と吸着する磁性体と、
を備える請求項8に記載の泥水処理システム。
【請求項10】
前記負圧源としての真空発生モジュールを備え、
前記真空発生モジュールは、圧縮された流体をノズルから供給するコンプレッサーと、前記圧縮された流体が流れるディフューザーと、を有する、
請求項1に記載の泥水処理システム。
【請求項11】
前記負圧源としての真空発生モジュールと、
前記真空発生モジュールに接続された真空タンクと、
前記真空タンクと前記回収タンクとを接続する連結管と、
を備え、
前記吸い込み管を介して前記回収タンクに泥水が吸引され、前記回収タンクと前記連結管とを介して前記真空タンクに前記泥水の少なくとも一部が吸引される、
請求項1から10の何れか1項に記載の泥水処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、水害時の泥水処理などに好適に使用される泥水を吸引するための泥水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲリラ豪雨などの突発的な豪雨または大型台風による河川氾濫によって生じる浸水被害が増加している。河川氾濫では、大量の泥水が住宅地に押し寄せ、その泥水処理が社会問題となっている。河川水位が下がって水が引いた後も、浸水箇所には、大量の水分を含んだ泥水が残る。特に住宅地域の浸水箇所では、水が引いた後の泥水の除去作業を、まず地域住民とボランティアなどがスコップなどを用いて手作業で行う場合が多い。水害直後の水分を多く含んだ泥水を、スコップなどですくい取ることは難しい。従って、泥水を土のう袋などに集める作業の作業性は悪く、効率が低い。また、泥水が集められた土のう袋は重いので、その扱いには重労働を要する。
【0003】
このように、人力での泥水除去作業は、長時間にわたる重労働となるので被災者の負担が大きい。
【0004】
また、泥水は、時間が経つと水分が抜けて、ある程度乾燥した状態になる。しかし、スコップ作業の際、乾燥した泥が飛散する。これは、乾燥した泥に、水道水などの水を散布することによって軽減できる。しかし、被災地では、断水および/または停電している場合が多い。一般的に停電の復旧は早いが、上下水の断水は、復旧にかなりの時間を要する。断水が復旧するまで水道水を使用することはできないので、作業者は、スコップ作業を作業性の悪い状態で長時間行わざるを得ない。
【0005】
また、住宅の床上浸水または床下浸水の復旧には、床下に溜まった泥水を除去する必要がある。現状では、床下の泥水を除去する作業は、作業者が床下に潜りこんで手作業することにより行われているので、大変な重労働となっている。床下の泥水が乾燥すると、作業はさらに困難になる。
【0006】
一方、泥水の除去作業に、吸引装置などの機械的な手段を使用することも考えられるが、大掛かりな設備は、機動性が問題となる。例えば、大型の作業車両で泥水除去作業を行う場合、被災地へのアクセスが困難な場合がある。災害後は、幹線道路が泥やゴミでおおわれているので、大型の作業車両は、住宅地まで入ってくることができない。大型の作業車両で住宅地の泥水除去を行うためには、まず、大型車両が住宅地まで移動できるように、幹線道路や住宅周辺道路の泥水除去作業を行う必要がある。
【0007】
既存の吸引装置の構成は、浸水被害に対応するのに、作業性、作業効率及び機動性などの面において不十分である。例えば、特許文献1は、圧縮空気を利用して、固体と液体を吸引する回収装置を記載している。この装置では、回収後の液体と固体は金網を通して互いに分離され、分離後の液体は、自然流下により装置から排出される。特許文献1は、切粉を含む加工用切削液の回収を企図している。分離後の固体を装置から取り出す具体的な方法は、特許文献1に記載されていない。
【0008】
特許文献2は、土木工事または建築工事で発生する汚泥などの汚泥物質を、脱水する装置を記載する。具体的には、特許文献2は、筒内の網袋と濾布上に投入された泥状物質から、真空吸引によって水を分離する装置を記載している。分離された水は、下水へ放流される。分離後の泥は、筒ごと吊り上げられるか、または網袋および濾布と共に筒から吊り
上げられる。
【0009】
また、特許文献3は、工事現場用の掃除機を記載している。具体的には、特許文献3は、メッシュ袋内に泥水を吸引した後、泥水を泥土と水に分離する装置を記載している。この装置は、分離後の水を排出するための専用の水中ポンプと真空ブロアを必要としている。分離後の泥土は、メッシュ袋ごと装置から取り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004-357767号公報
【特許文献2】特開平10-15598号公報
【特許文献3】実用新案登録第3211893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記した泥水除去作業では、多量の泥水の除去が必要とされる。しかしながら、既存の吸引装置の構成は、泥水除去作業において泥水を連続的に吸引するために改良の余地がある。例えば、既存の吸引装置では、メインタンクに泥土が溜まっているか判断することができず、容器の容量を超えて泥土が吸引されるおそれがある。ポンプタンク内の水位検知器と同様にメインタンク内に泥土量検知器を設けることが考えられるが、泥土の重さは一定でないと共に、泥土は容器側面および検知手段に付着するため、フロート式またはセンサ式などの水位検知器では泥土量を適切に判定することは難しい。
【0012】
以上の実情の少なくとも一部に鑑みて、本願は、泥水を吸引するための泥水処理システムにおいて、泥土の過剰な吸い込みを抑制することを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態によれば、泥水を吸引するための泥水処理システムが提案され、かかる泥水処理システムは、泥水に含まれる泥土を回収するための回収容器を内部に取付可能であり、負圧源による負圧を用いて泥水を吸引する回収タンクと、前記回収タンクの上部に接続された吸い込み管と、前記吸い込み管に接続されると共に前記回収タンク内に延在し、前記回収タンクに前記回収容器が取り付けられているときに当該回収容器の内部に位置する開口を有する検知管と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態を適用可能な泥水処理システムの全体概要を示す図である。
図2図1に示す泥水処理システムの回収タンクをより詳細に示す模式図である。
図3図1に示す泥水処理システムの回収タンクをより詳細に示す模式図である。
図4】変形例の回収タンクの構成を示す図である。
図5】第2実施形態における回収タンクの一例を示す模式図である
図6】第2実施形態における回収タンクの一例を示す模式図である
図7】第2実施形態における回収タンクの一例を示す模式図である
図8】第3実施形態における回収タンクの一例を示す模式図である
図9】第3実施形態における回収タンクの一例を示す模式図である
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明はあくまでも一例を示すものであって、本願発明の技術的範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。また、図面では、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複し
た説明を省略する。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態における泥水処理システム(以下、システム)100の全体概要を示す図である。システム100は、液体処理システムの一実施形態に当たる。システム100は、浸水被害を受けた被災地に、泥水除去作業を行うために利用することができる。図1に示すように、システム100は、負圧源としての真空発生モジュール50、真空タンク40、回収タンク20、排水タンク70、および、噴射装置80を備えている。
【0017】
真空発生モジュール50は、真空タンク40内に負圧を発生させられるように構成されている。本実施形態では、真空発生モジュール50は、コンプレッサー106とディフューザー54とを備え、コンプレッサー106からの圧縮流体(例えば空気)をノズルからディフューザー54に放出することで真空タンク40内に負圧を発生させるエジェクター方式が採用される。ただし、真空発生モジュール50としては、エジェクター方式に限定されず、真空ポンプなどが用いられてもよい。
【0018】
真空タンク40は、真空発生モジュール50に連結されて内部に負圧が発生させられる。真空タンク40には、連結管104を介して回収タンク20が接続されており、連結管104を介して回収タンク20の内部に真空タンク40内の負圧を作用させることができる。回収タンク20には、吸い込み管102が連結されており、吸い込み管102の吸い込み口を通して泥水が吸引される。回収タンク20は、吸引された泥水に含まれる泥土(固体物)を回収するように構成されている。泥土が取り除かれた泥水は、回収タンク20から連結管104を介して真空タンク40内に吸引される。連結管104は一例として回収タンク20の下方(下面または下方の側面)と真空タンク40の上方(上面または上方の側面)とに接続されることが好ましい。
【0019】
真空タンク40の内部には、吸気吸水管60が設けられている。吸気吸水管60は真空発生モジュール50の吸い込み口に連結されて、真空タンク40内に延在する。本実施形態では、吸気吸水管60は、上端がディフューザー54と真空タンク40の上面とに連結され、下端が真空タンク40内に位置する。ただし、吸気吸水管60は、ディフューザー54と一体に形成されるなど、真空発生モジュール50と一体に構成されてもよい。または、吸気吸水管60は、真空タンク40と一体に構成されてもよい。吸気吸水管60は、真空タンク40内に開口する吸水口(第1開口)62および吸気口(第2開口)64を有する。吸水口62は、真空タンク40内における比較的低い第1位置(一例として真空タンク40の中央より下方)に形成されており、吸気口64は、真空タンク40内における比較的高い第2位置(一例として真空タンク40の中央より上方)に形成されている。吸気口64は、吸水口62よりも小さい寸法とされることが好ましい。ここで、吸気口64および吸水口62は、一例として円形の開口であるが、多角形など任意の形状であってもよい。本実施形態では、「寸法」は、開口が円形である場合には、直径または半径を意味する。また、「寸法」は、開口が多角形である場合には、一辺の長さ、または中心を通る開口幅において最小となる開口幅を意味する。あるいは、開口の寸法は、開口面積と等価な面積を有する円の直径で定義することもできる。また、限定するものではないが、吸水口62は、水平方向、または水平方向よりも鉛直下方に開口することが好ましく、吸気口64は、水平方向、または水平方向よりも鉛直上方に開口することが好ましい。
【0020】
真空発生モジュール50の吐き出し口は、排気排水管108を介して排水タンク70に接続されている。なお、本実施形態では、真空発生モジュール50によって負圧が発生されると、真空タンク40および回収タンク20の内部は負圧となる。一方、排水タンク70は、外部に開放されており、真空発生モジュール50の作動にかかわらず内部は約外気
圧となる。なお、システム100は、排水タンク70を備えなくてもよく、排気排水管108は下水などに接続されてもよい。
【0021】
噴射装置80は、排水タンク70に溜められた液体を噴射口80aから噴射できるように構成されている。噴射装置80は、システム100の使用者によって噴射/停止できるように構成されることが好ましい。これにより、使用者は、例えば泥水除去作業を行う場所に噴射口80aを向けて液体を噴射し、固まった泥土を除去したり泥水を集めたりして泥水除去の作業効率の向上を図ることができる。噴射装置80は、一例として、真空発生モジュール50による動力を用いて液体を噴射するように構成される。本実施形態では、噴射装置80は、コンプレッサー106による圧縮流体を利用して液体を噴射口80aから噴射できるように構成される。ただし、こうした例に限定されず、システム100は、噴射装置80のための動力源を更に備えてもよい。また、システム100は、噴射装置80を備えなくてもよい。
【0022】
こうしたシステム100では、真空発生モジュール50によって発生される負圧を利用して、吸い込み管102の吸い込み口から回収タンク20に泥水が吸引される。回収タンク20では泥水に含まれる泥土が分離されて回収され、水分および細かい泥土が連結管104を通って真空タンク40内に吸引される。真空タンク40内に溜められた液体は、吸気吸水管60、真空発生モジュール50、及び、排気排水管108を通じて排水タンク70に排出される。こうしたシステム100により、泥水除去作業を省力化することができる。また、泥水除去作業を長時間にわたって連続的に行うことができる。
【0023】
また、システム100は、機動性に優れる。例えば、回収タンク20、真空タンク40、及び排水タンク70は、比較的コンパクトな構成とすることができ、被災地まで比較的容易に搬送し、現場に設置することができる。また、回収タンク20、真空タンク40、及び排水タンク70は、必要に応じて、それぞれ、別々の小型車両で搬送されてもよい。これにより、比較的迅速に被災地にアクセスすることができる。
【0024】
図2および図3は、図1に示す泥水処理システムの回収タンク20をより詳細に示す模式図である。ここで、図2は、回収タンク20内に泥土Mdが比較的少ない量溜められている状態を示しており、図3は、回収タンク20内に泥土Mdが満杯に溜められている状態を示している。図示するように、回収タンク20は、泥水に含まれる泥土(固体物)を回収するための回収容器22を内部に取り付けることができるように構成されている。回収容器22は、泥水から泥土を分離して回収できるように構成されており、例えば複数の孔があけられている。回収容器22は、一例として、底が網状である金属製または樹脂製などの容器であってもよいし、土のう袋など液体を通過させる袋体などであってもよい。
【0025】
図2および図3に示す例では、回収タンク20には、回収容器22の縁部を把持するように構成された支持部24が設けられている。ただし、回収タンク20における回収容器22の取り付けは、回収容器22が回収タンク20内に単に配置されることによって行われてもよく、任意の方法で行われればよい。また、図2には示していないが、回収タンク20は、回収容器22の底部を支持するための支持機構を備えてもよい。泥水に含まれる泥土は重いため、特に図3に示すように回収タンク20に満杯の泥土Mdが溜められているときには、回収容器22に大きな重量がかかる。こうした状況においても支持機構が設けられることにより、回収容器22によって連結管104が塞がれてしまうことを抑制できる。支持機構は、回収容器22を連結管104との接続口から離間させるように回収容器22を支持するものであればよく、一例として、回収容器22の底部を支持する支持台であってもよいし、回収タンク20の底面に形成されたリブなどであってもよい。
【0026】
回収タンク20の上部には吸い込み管102が接続されており、回収タンク20の下部
には連結管104が接続されている。ここで、回収タンク20の「上部」は、回収タンク20の上面または上側の側面であり得、回収タンク20の「下部」は、回収タンク20の底面または下側の側面であり得る。また、回収タンク20の「上部」、「下部」は、回収タンク20に取り付けられる回収容器22よりも上方、下方の位置と言い換えることもできる。
【0027】
吸い込み管102には、回収タンク20内に延在する検知管110が接続されている。検知管110は、回収容器22の内部に位置する開口である検知口110aを有する。ここで、検知管110は、一例として、金属または樹脂などの剛性の高い材料で形成される。本実施形態では、検知管110は、上端が吸い込み管102と回収タンク20の上面とに連結され、下端である検知口110aが回収容器22の内部に位置する。ここで、回収容器22の内部は、回収容器22における泥土を溜めるための領域を意味し、図3図5では、破線で囲まれた領域が回収容器22の内部に当たる。つまり、検知口110aは、回収タンク20内に取り付けられた回収容器22の上端よりも下方に位置する。なお、検知管110は、吸い込み管102と一体に構成されてもよいし、1つの管により吸い込み管102と検知管110とが構成されてもよい。また、検知管110は、真空タンク40と一体に構成されてもよい。検知管110は、一例として、吸い込み管102との接続口(図2および図3中、上端)と検知口110aとを除いて開口を有しない。
【0028】
また、本実施形態では、吸い込み管102内の圧力を検出するための圧力センサ112が設けられている。圧力センサ112による検出情報は、システム100の使用者が認識できるようにされることが好ましく、図示しないシステム100のコントローラに送られるものとしてもよい。さらに、吸い込み管102には、吸い込み管102を開閉するための開閉弁114が設けられている。開閉弁114は、公知の任意の開閉弁を採用することができ、手動の開閉弁であってもよいし、電動の開閉弁などであってもよい。また、吸い込み管102には、圧縮流体を供給可能な供給口116が形成されている。図2および図3に示す例では、供給口116は、開閉弁114よりも下流側(回収タンク20側)に設けられている。供給口116から圧縮流体を供給することにより、吸い込み管102および検知管110内で固まった泥土などの残留物を除去する、いわゆるフラッシングを行うことができる。なお、供給口116には、真空発生モジュール50から圧縮流体を供給できるものとしてもよい。こうすれば、新たに圧縮流体源を用意しなくても、吸い込み管102および検知管110内のフラッシングを行うことができる。なお、圧力センサ112と、開閉弁114と、供給口116との少なくとも1つは、吸い込み管102に代えて、または加えて、検知管110に設けられてもよい。また、システム100は、圧力センサ112と、開閉弁114と、供給口116との少なくとも1つを備えなくてもよい。
【0029】
上記したように、本実施形態の回収タンク20には、吸い込み管102に検知管110が接続されて、検知管110の検知口110aが回収容器22の内部に位置している。これにより、図3に示すように、システム100による泥水除去作業に伴って回収容器22に溜められる泥土Mdが所定量を超えると、泥土Mdによって検知口110aが塞がれる。これにより、吸い込み管102を通じた泥水の吸い込みが阻害されるため、使用者は、回収容器22に所定量の泥土Mdが溜められたことを認識することができ、回収タンク20に過剰な泥土が吸い込まれることを抑制することができる。使用者は、吸い込み管102を通じた泥水の吸い込みが低下または停止して回収容器22に所定量の泥土Mdが溜められたことを認識すると、例えば真空発生モジュール50の作動を停止させて、回収容器22を交換することができる。そして、回収容器22を交換したら、真空発生モジュール50を再び作動させて、再び泥水除去作業を行うことができる。
【0030】
しかも、本実施形態の回収タンク20には、吸い込み管102および検知管110内の圧力を検知する圧力センサ112が設けられている。図2に示すように真空発生モジュー
ル50が作動して吸い込み管102を通じて泥水を吸い込んでいるときには、圧力センサ112によって負圧が検知される。一方、図3に示すように回収容器22に所定量の泥土Mdが溜められて検知管110が塞がれると、圧力センサ112によって、検知管110が塞がれていないときよりも大気圧に近い圧力が検知される。このため、使用者は、圧力センサ112による検出情報を見て、回収容器22に所定量の泥土Mdが溜められたことを認識することができる。また、システム100は、真空発生モジュール50が作動しているときに圧力センサ112による検出圧力が予め定めた圧力範囲内にあるときには、検知管110が泥土Mdによって塞がれていると判断して表示パネルへの表示またはブザーの吹鳴などによって使用者に報知するものとしてもよい。これにより、使用者は、回収容器22に所定量の泥土Mdが溜められたことを容易に認識することができ、システム100による泥水除去作業を好適に行うことができる。
【0031】
<変形例>
図4は、変形例の回収タンクの構成を示す図である。変形例の回収タンク20Aは、回収容器22の取付方法と検知管110Aとを除いて、図2および図3に示す回収タンク20と同一の構成である。変形例の回収タンク20Aでは、回収容器22は土のう袋などの袋体であり、上端が外側に折り曲げられて袋止め26に被せられている。袋止め26は、回収容器22を挟んで固定するように構成されてもよい。こうした取付方法によっても、回収容器22に泥土Mdが溜められたときに回収容器22を容易に取り扱うことができる。また、変形例の検知管110Aは、検知口110Aaの位置を調節できるように構成されている。図4に示す例では、検知管110Aは、手動で伸縮できるように構成されており、検知管110Aの伸縮に伴って検知口110Aaの位置が変更される。ただし、検知管110の検知口110Aaの位置を調節する方法は、図4に示す例に限定されず、任意の方法を採用することができる。検知口110Aaの位置を調節することにより、回収容器22に溜められる泥土Mdの量を調節することができる。
【0032】
なお、上記した実施形態および変形例において、回収タンク20(20A)には、回収タンク20の内部と外部とを連通する排気弁(図示せず)が設けられてもよい。そして、一例として、真空タンク40または回収タンク20内の泥水または泥土Mdを排出するときには、回収タンク20の排気弁を開くものとしてもよい。
【0033】
<第2実施形態>
図5図7は、第2実施形態における回収タンクの一例を示す模式図である。第2実施形態における回収タンク120は、一例として、上記した泥水処理システム100において回収タンク20に代えて使用することができる。第2実施形態の回収タンク120は、上記した回収タンク20と概ね同一であり、同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、図5図7では、見易さを考慮して、回収タンク120に負圧を作用させるための連結管104の図示を省略している。
【0034】
第2実施形態では、回収タンク120を支持するための支持台122が設けられている。図5図7に示す例では、支持台122は、鉛直方向に延在する複数のガイド体124を有しており、回収タンク120は、ガイド体124を挿通させるためのガイド孔121aが形成されたフランジ部121を有している。そして、ガイド体124がガイド孔121aを挿通するように回収タンク120が配置されることで、回収タンク120は、ガイド体124に沿って支持台122に対して上下方向に移動可能に構成される。また、回収タンク120と支持台122との間には、回収タンク120の重量に応じて変形するように構成された弾性体128が設けられている。具体的な一例として、弾性体128は、回収タンク120のフランジ部121と支持台122との間に設けられたバネ部材によって構成される。図5図7に示す例では、弾性体128は、第1の弾性率を有する第1の弾性体128aと、第1の弾性率よりも大きい第2の弾性率を有する第2の弾性体128b
とを有している。一例として、第1および第2の弾性体128a,128bは、コイルばねである。第1および第2の弾性体128a,128bは、それぞれの内部にガイド体124が挿入されてガイド体124に沿って鉛直方向に並んで配置されており、つまり互いに直列に接続されており、回収タンク120の重量に応じて変形する。なお、弾性体128は、コイルバネに限定されず、板バネ、ゴムなど、種々の弾性体を採用することができる。また、本実施形態では、回収タンク120の周りの4か所に、ガイド孔121a、ガイド体124、および弾性体128が設けられるものとしたが、こうした例には限定されない。
【0035】
第2実施形態の回収タンク120を用いたシステム100の動作について説明する。図5に示すように、回収タンク120内に泥土Mdが溜められていない、または回収タンク120内に比較的少ない量の泥土Mdが溜められているときには、第1および第2の弾性体128a,128bは、伸びた状態となる。システム100による泥水除去作業に伴って回収タンク120の重量が第1重量以上に至ると、図6に示すように、第1の弾性体128aが完全に縮んだ状態となる。ここで、本実施形態において、「完全に縮んだ状態」とは、弾性体がそれ以上縮むことがほとんどない状態をいう。なお、弾性体128(128a,128b)には、所定量より大きい変形を制限するためのスペーサなどの変形制限部材が設けられてもよい。また、図6に示す例では、第2の弾性体128bは、第1の弾性体128aよりも大きい弾性率を有し、まだ縮むことが可能な状態となっている。そして、さらに回収タンク120内に泥土Mdが収集されて回収タンク120の重量が第1重量より大きい第2重量以上に至ると、図7に示すように、第1の弾性体128aと共に第2の弾性体128bが完全に縮んだ状態となる。
【0036】
このように、第2実施形態の回収タンク120では、回収タンク120の重量に応じて弾性体128が変形する。これにより、第2実施形態の回収タンク120を備えるシステム100の使用者は、弾性体128を視認することで、回収タンク120に一定重量の泥土Mdが溜められたことを知覚することができる。しかも、図5に示す例では、弾性率が異なる第1の弾性体128aと第2の弾性体128bとが設けられており、使用者は、第1の弾性体128aに基づいて回収タンク120の重量が第1重量に至ったことを知覚することができ、第2の弾性体128bに基づいて回収タンク120の重量が第2重量に至ったことを知覚することができる。よって、使用者は、検知管110が接続された吸い込み管102の吸い込み状態に合わせて弾性体128を視認することで、回収タンク120(回収容器22)に所定量または所定重量の泥土Mdが溜められたことを容易に認識することができ、システム100による泥水除去作業を好適に行うことができる。
【0037】
なお、図5図7に示す例では、第1および第2の弾性体128a,128bが直列に接続されるものとしたが、こうした例に限定されず、回収タンク120の重量が第1重量以上であることを示すための第1の弾性体と、回収タンク120の重量が第1重量より大きい第2重量以上であることを示すための第2の弾性体と、が備えられてもよい。一例として、回収タンク120と支持台122との間には、第1長さを有する第1の弾性体と、第1長さよりも短い第2長さを有する第2の弾性体とが並列に設けられてよい。そして、回収タンク120の重量が第1重量以下のときには第1の弾性体のみが変形し、回収タンク120の重量が第1重量以上に至ると第1の弾性体が第2長さ以下まで収縮して第1および第2の弾性体が変形するように構成されてもよい。そして、回収タンク120の重量が第1重量より大きい第2重量以上に至ると、第1および第2の弾性体が完全に縮んだ状態となるように構成されてもよい。こうした例においても、図5図7に示す構成と同様の効果を奏することができる。また、回収タンク120には、互いに特性が異なる2つの弾性体が設けられるものに限定されず、単一の特性の弾性体が設けられもよいし、互いに特性が異なる3つ以上の弾性体が設けられてもよい。
【0038】
<第3実施形態>
図8図9は、第3実施形態における回収タンクの一例を示す模式図である。第3実施形態における回収タンク220は、一例として、上記した泥水処理システム100において回収タンク20に代えて使用することができる。第3実施形態の回収タンク220は、第2実施形態の回収タンク120と概ね同一であり、同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、図8図9では、見易さを考慮して、回収タンク220に負圧を作用させるための連結管104の図示を省略している。
【0039】
第3実施形態では、弾性体128に加えて、回収タンク220と支持台122との間に磁石226および磁性体228が設けられている。磁石226は、回収タンク220と支持台122との一方に設けられ、磁性体228は、回収タンク220と支持台122との他方に設けられている。磁石226と磁性体228とは、互いに磁力で吸着されるように、一例として鉛直方向で対向するように配置される。磁石226と磁性体228との吸着力は、互いの距離に反比例する。なお、図8,9に示す例では、支持台122の上面に磁石226が取り付けられ、回収タンク220(フランジ部121)の下面に磁性体228が取り付けられるものとしている。しかしながら、こうした例に限定されず、支持台122の上面に磁性体228が取り付けられ、回収タンク220の下面に磁石226が取り付けられてもよい。また、支持台122の上面が磁石226または磁性体228で構成されてもよいし、回収タンク220の下面が磁性体228または磁石226で構成されてもよい。また、磁石226と磁性体228とは、弾性体128が完全に縮んだ状態となるときに、互いに接触するように構成されてもよい。言い換えれば、磁石226と磁性体228とは、弾性体128が完全に縮んだ状態を規定してもよい。なお、磁石226と磁性体228とは必須の構成ではなく、回収タンク220と支持台122とには、磁石226と磁性体228とが設けられなくてもよい。
【0040】
また、第3実施形態では、弾性体128の変形量が所定量に至ったときに、検知管110と吸い込み管102と連結管104(図8図9では不図示)との少なくとも1つの管(以下、「流路管」ともいう)を閉じるように構成された弁224が設けられている。弁224は、一例として、回収タンク220と支持台122との間に配置されて、回収タンク220と支持台122との距離が一定以下に至ったときに(弾性体128の変形量が所定量に至ったときに)、物理的に押されることによって作動して流路管を閉じる。また、弁224は、流路管を閉じている状態で、回収タンク220と支持台122との距離が一定以上に至ることで、再び流路管を開くように構成されているとよい。一例として、弁224は、弾性体128が完全に縮んだ状態となるときに、または、弾性体128が完全に縮んだ状態の長さから所定範囲以内の長さとなるときに、流路管を閉じるように構成される。なお、弁224は、回収タンク220と支持台122との距離が一定以下に至ったときに物理的に押されることによって作動するものに限定されず、例えば弾性体128の変形量に応じて電気的に作動するものなどでもよい。
【0041】
こうした第3実施形態の回収タンク220を用いたシステム100の動作について説明する。図8に示すように、回収タンク220内に泥土Mdが溜められていない、または回収タンク220内に比較的少ない量の泥土Mdが溜められているときには、弾性体128が伸びた状態となる。また、このときには、磁石226と磁性体228との距離が長く、磁石226と磁性体228とに作用する吸着力は小さい。システム100による泥水除去作業に伴って、回収タンク220の重量が大きくなると弾性体128が縮み、磁石226と磁性体228との距離が短くなって互いに作用する吸着力が大きくなる。そして、回収タンク220の重量が所定重量G1を超えると、図9に示すように、弾性体128が完全に縮んだ状態となる。このときには磁石226と磁性体228との距離が短く、または磁石226と磁性体226とが接触する。磁石226と磁性体228との吸着力は互いの距離に反比例するため、弾性体128が完全に縮んだ状態となるときには磁石226と磁性
体228とに作用する吸着力が大きくなる。また、弾性体128の変形量が所定量に至ることで、弁224が流路管を閉じる。流路管が閉じられることにより、吸い込み管102を通じた泥水の吸い込みが停止されるので、使用者は、回収タンク220内に所定量または所定重量の泥土Mdが溜められたことを容易に認識することができ、泥土の過剰な吸い込みを抑制することができる。
【0042】
さらに、第3実施形態の回収タンク220では、磁石226と磁性体228とが設けられており、弾性体128が完全に縮んだ状態では、磁石226と磁性体228とに大きな吸着力が生じている。この状態では、回収タンク220の重量が多少変化しても、磁石226と磁性体228との吸着力によって弾性体128が完全に縮んだ状態が維持される。したがって、例えばシステム100の作動および移動に伴って回収タンク220から弾性体128に作用する力が変化しても弾性体128の変形状態が維持されるので、弁224が流路管を閉じたり開いたりを繰り返すハンチングを防止することができる。
【0043】
本発明は、以下の形態としても記載することができる。
[形態1]形態1によれば、泥水を吸引するための泥水処理システムが提案される。かかる泥水処理システムは、泥水に含まれる泥土を回収するための回収容器を内部に取付可能であり、負圧源による負圧を用いて泥水を吸引する回収タンクと、前記回収タンクの上部に接続された吸い込み管と、前記吸い込み管に接続されると共に前記回収タンク内に延在し、前記回収タンクに前記回収容器が取り付けられているときに当該回収容器の内部に位置する開口を有する検知管と、を備える。形態1によれば、回収容器に所定量を超えて泥土が溜められると、泥土が検知管を塞ぎ、泥土の過剰な吸い込みを抑制することができる。
【0044】
[形態2]形態2によれば、形態1において、前記検知管または前記吸い込み管内の圧力を検出するための圧力センサを備える。形態2によれば、検知管が泥土によって塞がれたことを圧力センサによって検出することができる。
【0045】
[形態3]形態3によれば、形態1または2において、前記検知管と前記吸い込み管との少なくとも一方は、圧縮流体を供給可能な供給口を有する。形態3によれば、供給口から圧縮流体を供給して、検知管または吸い込み管内の泥土を移動させることができる。
【0046】
[形態4]形態4によれば、形態3において、前記負圧源としての真空発生モジュールを備え、前記真空発生モジュールは、前記供給口に圧縮流体を供給可能である。形態4によれば、真空発生モジュールから供給口に圧縮流体を供給することができる。
【0047】
[形態5]形態5によれば、形態1から4において、前記回収タンクを支持するための支持台と、前記回収タンク前記支持台との間に設けられ、前記回収タンクの重量に応じて変形するように構成される弾性体と、を備える。形態5によれば、弾性体の変形によって回収タンクの重量を認識することができる。
【0048】
[形態6]形態6によれば、形態5において、前記弾性体は、前記回収タンクの重量が第1重量以上であることを示すための第1の弾性体と、前記回収タンクの重量が前記第1重量より大きい第2重量以上であることを示すための第2の弾性体と、を備える。形態6によれば、第1の弾性体によって回収タンクの重量が第1重量以上であることを認識することができ、第2の弾性体によって回収タンクの重量が第2重量以上であることを認識することができる。
【0049】
[形態7]形態7によれば、形態5または6において、前記弾性体は、第1の弾性率を有する第1の弾性体と、前記第1の弾性体と鉛直方向に並んで配置されて前記第1の弾性
率より大きい第2の弾性率を有する第2の弾性体と、を備える。形態7によれば、第1の弾性体と第2の弾性体との変形によって回収タンクの重量を認識することができる。
【0050】
[形態8]形態8によれば、形態5から7において、前記検知管と前記吸い込み管と前記回収タンク内に負圧を供給するために接続される連結管との少なくとも1つの管に設けられ、前記弾性体の変形量が所定量に至ったときに前記少なくとも1つの管を閉じるように構成された弁を備える。形態8によれば、弾性体の変形量が所定量に至ったときに管が閉じられるので、泥土の過剰な吸い込みを抑制することができる。
【0051】
[形態9]形態9によれば、形態8において、前記回収タンクと前記支持台との一方に設けられる磁石と、前記回収タンクと前記支持台との他方に設けられて前記磁石と吸着する磁性体と、を備える。形態9によれば、弁によって管の開閉がハンチングすることを抑制できる。
【0052】
[形態10]形態10によれば、形態1から9において、前記負圧源としての真空発生モジュールを備え、前記真空発生モジュールは、圧縮された流体をノズルから供給するコンプレッサーと、前記圧縮された流体が流れるディフューザーと、を有する。
【0053】
[形態11]形態11によれば、形態1から10において、前記負圧源としての真空発生モジュールと、前記真空発生モジュールに接続された真空タンクと、前記真空タンクと前記回収タンクとを接続する連結管と、を備え、前記吸い込み管を介して前記回収タンクに泥水が吸引され、前記回収タンクと前記連結管とを介して前記真空タンクに前記泥水の少なくとも一部が吸引される。形態11に
よれば、泥土が分離された泥水を真空タンクに吸引することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態および変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0055】
20,20A,120,220…回収タンク
22…回収容器
40…真空タンク
50…真空発生モジュール
54…ディフューザー
60…吸気吸水管
62…吸水口
64…吸気口
70…排水タンク
80…噴射装置
80a…噴射口
100…泥水処理システム
102…吸い込み管
104…連結管
106…コンプレッサー
108…排気排水管
110,110A…検知管
110a,110Aa…検知口
112…圧力センサ
114…開閉弁
116…供給口
121…フランジ部
121a…ガイド孔
122…支持台
124…ガイド体
128…弾性体
128a…第1の弾性体
128b…第2の弾性体
224…弁
226…磁石
228…磁性体
Md…泥土
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9