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特開2024-29848プログラム、情報処理装置、方法、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029848
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240229BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132269
(22)【出願日】2022-08-23
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】522335343
【氏名又は名称】株式会社LearnWiz
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中條 麟太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 塁
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】ユーザに多様な他者の意見に接して自らの考えを深める機会を与えることを促す技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、コメントの投稿を受け付ける手段、投稿済みコメントのうちの一部のコメントをユーザに閲覧させる手段、ユーザに閲覧させるコメントを、当該ユーザによる選択に依存しない要素に基づいて、ユーザ毎に個別に選択する手段、として機能させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
コメントの投稿を受け付ける手段、
投稿済みコメントのうちの一部のコメントをユーザに閲覧させる手段、
前記ユーザに閲覧させるコメントを、当該ユーザによる選択に依存しない要素に基づいて、ユーザ毎に個別に選択する手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記選択する手段は、前記投稿済みコメント毎の選択回数に基づいて、前記ユーザに閲覧させるコメントをユーザ毎に個別に選択する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記選択する手段は、前記投稿済みコメント間の選択回数のばらつきが小さくなるように、前記ユーザに閲覧させるコメントをユーザ毎に個別に選択する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記選択する手段は、前記ユーザに閲覧させるコメントをランダムにユーザ毎に個別に選択する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記選択する手段は、閲覧させるコメントを選択済みであるユーザからの要求に応じて、前記投稿済みコメントのうち当該ユーザに対して未選択のコメントから、当該ユーザに新たに閲覧させるコメントを選択する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記ユーザが閲覧したコメントに対する当該ユーザのリアクションの投稿を受け付ける手段、
前記コメントを閲覧可能なユーザに当該コメントに対して投稿されたリアクションを閲覧させる手段、
としてさらに機能させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記コメントの閲覧、もしくは投稿、または前記リアクションの投稿の少なくとも1つに関する履歴を取得する手段、
前記履歴に基づいて、前記ユーザまたはコメントを評価する手段、
としてさらに機能させる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記評価する手段は、前記ユーザが投稿したコメントに対して他のユーザによって投稿された特定のリアクションの履歴に基づいて、当該ユーザまたは当該コメントを評価する、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記評価する手段は、他のユーザによって投稿されたコメントに対して前記ユーザが特定のリアクションを投稿した履歴に基づいて、当該ユーザを評価する、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記評価する手段は、前記ユーザが前記特定のリアクションを投稿したコメントに対する評価を行い、当該コメントに対する評価の統計量に基づいて当該ユーザを評価する、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記評価する手段は、前記ユーザがコメントまたはリアクションを投稿した時間または回数の履歴に基づいて、当該ユーザまたはコメントを評価する、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項12】
前記評価する手段は、前記ユーザが閲覧したコメントの数に基づいて、当該ユーザを評価する、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項13】
前記評価する手段は、前記ユーザが投稿したコメントの内容に基づいて、当該ユーザまたは当該コメントを評価する、
請求項7に記載のプログラム。
【請求項14】
前記リアクションは、投稿済みのコメントに対するコメントを含む、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項15】
コンピュータが、
コメントの投稿を受け付けるステップと、
投稿済みコメントのうちの一部のコメントをユーザに閲覧させるステップと、
前記ユーザに閲覧させるコメントを、当該ユーザによる選択に依存しない要素に基づいて、ユーザ毎に個別に選択するステップと、
を実行する、方法。
【請求項16】
コメントの投稿を受け付ける手段と、
投稿済みコメントのうちの一部のコメントをユーザに閲覧させる手段と、
前記ユーザに閲覧させるコメントを、当該ユーザによる選択に依存しない要素に基づいて、ユーザ毎に個別に選択する手段と
を具備する情報処理装置。
として機能させるプログラム。
【請求項17】
クライアント装置と、サーバとを具備するシステムであって、
前記サーバは、
前記クライアント装置からコメントの投稿を受け付ける手段と、
投稿済みコメントのうちの一部のコメントを前記クライアント装置のユーザに閲覧させる手段と、
前記ユーザに閲覧させるコメントを、当該ユーザによる選択に依存しない要素に基づいて、ユーザ毎に個別に選択する手段を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンラインセミナー(いわゆるウェビナー)が盛んに開催されている。ウェビナーでは、講師によるプレゼンテーションに加えて、コメント投稿を介した質疑応答、ディスカッションなどが行われる場合がある。参加者は、他の参加者によるコメントを読んで考えを深めることで、学習効果を高めることができる。しかしながら、非常に活発にコメント投稿が行われると、参加者の認知機能または参加者がコメントの閲覧に割ける時間に対してコメントの量が過多になり、参加者は投稿されたコメントの一部しか読めなくなる事態が生じ得る。
【0003】
特許文献1には、表示する共有コメントの量(文字数、件数)を制御する技術について開示されている。本技術では、各学生に共有されるコメントに優先順位付けがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-56119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、各学生に共有されるコメントの優先順位は、学生本人の選択に依存する。このため、学生に共有されるコメントが本人の嗜好に左右され、閲覧する意見の傾向に偏りが生じるおそれがある。
【0006】
本開示の目的は、ユーザに多様な他者の意見に接して自らの考えを深める機会を与えることを促す技術を提供するである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、コメントの投稿を受け付ける手段、投稿済みコメントのうちの一部のコメントをユーザに閲覧させる手段、ユーザに閲覧させるコメントを、当該ユーザによる選択に依存しない要素に基づいて、ユーザ毎に個別に選択する手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態の一態様の説明図である。
図5】本実施形態のコメントデータベースのデータ構造を示す図である。
図6】本実施形態の閲覧履歴データベースのデータ構造を示す図である。
図7】本実施形態のリアクションデータベースのデータ構造を示す図である。
図8】本実施形態の表示処理のフローチャートである。
図9】本実施形態の表示処理において表示される画面例を示す図である。
図10】本実施形態の評価処理のフローチャートである。
図11】本実施形態の評価処理において表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
以降の説明において、複数の同種の要素について共通の説明を述べる場合に、例えば「99」のような共通の符号を用いることがある。他方、これらの要素について個別に説明を述べる場合に、「99-1」、または「99-2」のように共通の符号に添え字を付した符号を用いることがある。
【0011】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30とを備える。
クライアント装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0013】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。クライアント装置10のユーザは、例えば、ウェビナーの参加者、ウェビナーの講師、または当該参加者に対する評価の提供を受ける者(例えば、人事担当者、採用担当者、上司、教員、等)であるが、これらに限られない。
【0014】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。
【0015】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置の構成について説明する。図2は、本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。クライアント装置10は、ディスプレイ21に接続される。
【0017】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0018】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0019】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0020】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0021】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報(例えば画像信号)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、マイクロホン、カメラ、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ21、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0022】
通信インタフェース14は、クライアント装置10と外部装置(例えばサーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0023】
ディスプレイ21は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0024】
(1-2)サーバの構成
サーバの構成について説明する。図3は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0026】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0027】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0028】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0029】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0030】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報(例えば画像信号)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0031】
通信インタフェース34は、サーバ30と外部装置(例えばクライアント装置10)との間の通信を制御するように構成される。
【0032】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。図4は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0033】
図4に示すように、N人(Nは任意の自然数)のユーザU10-1,U10-2,・・・,U10-Nは、ユーザU10-Zが講師を務めるウェビナーに参加している。ユーザU10-1,U10-2,・・・,U10-Nは、それぞれのクライアント装置10-1,10-2,・・・,10-Nを介して、ウェビナーを視聴する。配信用のサーバS11は、各クライアント装置10から各ユーザ(つまり、講師および参加者)の音声および動画を受信し、受信した音声および動画を各クライアント装置10へ配信する。
【0034】
ユーザU10-1,U10-2,・・・,U10-N(つまり、ウェビナーの参加者)は、クライアント装置10を用いて、ユーザU10-Z(つまり講師)が設定したテーマに対してコメントを作成し、投稿できる。コメントの投稿指示に応じて、クライアント装置10は、コメントをサーバ30へ送信する。サーバ30は、コメントを受け付け、記憶装置31に保存する。
【0035】
ユーザU10-1,U10-2,・・・,U10-Nはそれぞれ、クライアント装置10を用いて、他のユーザが投稿したコメントを閲覧できる。ユーザU10が他のユーザが投稿したコメントの表示をクライアント装置10に指示すると、クライアント装置10は閲覧要求をサーバ30へ送信する。
【0036】
サーバ30は、閲覧要求を受信すると、投稿済みコメントのうちの一部を、閲覧を要求したユーザに閲覧させるコメントとして選択する。サーバ30は、かかる選択を閲覧要求毎に個別に行う。つまり、別々のユーザU10が同時に閲覧を要求したとしても、これらのユーザU10が閲覧するコメントは異なり得る。また、ユーザU10は、どのような特徴を持つコメントを閲覧するかを予め選択することはできない。言い換えると、サーバ30は、ユーザの選択に依存しない要素に基づいて(例えば、コメント毎の被選択回数に基づいて、またはランダムに)、コメントを選択する。
【0037】
サーバ30は、選択したコメントを特定可能な情報を含む閲覧応答を閲覧要求の送信元であるクライアント装置10へ送信する。クライアント装置10は、サーバ30によって選択されたコメントをディスプレイ21に表示する。これにより、サーバ30は、閲覧を要求したユーザに、選択したコメントを閲覧させることができる。
【0038】
本実施形態のサーバ30によれば、ユーザU10は、閲覧するコメントを自分でコントロールできないので、閲覧するコメントが偏りにくくなる。これにより、各ユーザU10は多様な他者の意見に接して自らの考えを深めることができるとともに、投稿された各コメントが人の目に触れる機会を確保することができる。
【0039】
(3)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0040】
(3-1)コメントデータベース
本実施形態のコメントデータベースについて説明する。図5は、本実施形態のコメントデータベースのデータ構造を示す図である。
【0041】
コメントデータベースには、コメント情報を表すレコードが格納されている。コメント情報は、ユーザによって投稿されたコメントに関する情報である。コメントデータベースは、例えばコメントを募集する対象となるテーマごとに作成され得る。
【0042】
図5に示すように、コメントデータベースは、「コメントID」フィールドと、「ユーザID」フィールドと、「日時」フィールドと、「選択回数」フィールドと、「内容」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0043】
「コメントID」フィールドには、コメントIDが格納される。コメントIDは、レコードによって表されるコメント情報に対応するコメントを識別する情報である。
【0044】
「ユーザID」フィールドには、ユーザIDが格納される。ユーザIDは、レコードによって表されるコメント情報に対応するコメントを投稿したユーザを識別する情報である。
【0045】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、レコードによって表されるコメント情報に対応するコメントが投稿された日時に関する情報である。日時情報は、コメントの投稿日時を示す日付および時刻の情報であってもよいし、コメントの受付開始からコメントの投稿までの経過時間の情報であってもよい。
【0046】
「選択回数」フィールドには、選択回数情報が格納される。選択回数情報は、レコードによって表されるコメント情報に対応するコメントが他のユーザによる閲覧対象として選択された回数(つまり、他のユーザによって閲覧された回数)に関する情報である。
【0047】
「内容」フィールドには、内容情報が格納される。内容情報は、レコードによって表されるコメント情報に対応するコメントの内容に関する情報である。内容情報は、例えばコメントに対応するテキストの内容を示す情報(つまりテキストデータ)、当該テキストを表示するためのフォントの情報、などを含み得る。なお、コメントは、テキストに限られず種々のコンテンツを含むことができる。例えば、コメントは、テキスト、画像(静止画、動画、またはそれらの組み合わせ)、音声、またはそれらの組み合わせであってよい。後述する追加コメントも同様である。
【0048】
(3-2)閲覧履歴データベース
本実施形態の閲覧履歴データベースについて説明する。図6は、本実施形態の閲覧履歴データベースのデータ構造を示す図である。
【0049】
閲覧履歴データベースには、閲覧履歴情報を表すレコードが格納されている。閲覧履歴情報は、いずれかのユーザによるいずれかの投稿済みコメントに対する閲覧の履歴に関する情報である。閲覧履歴データベースは、例えばコメントを募集する対象となるテーマごとに作成され得る。
【0050】
図6に示すように、閲覧履歴データベースは、「コメントID」フィールドと、「ユーザID」フィールドと、「日時フィールド」とを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0051】
「コメントID」フィールドには、コメントIDが格納される。コメントIDは、レコードによって表される閲覧履歴情報に対応する閲覧行為の客体となるコメントを識別する情報である。
【0052】
「ユーザID」フィールドには、ユーザIDが格納される。ユーザIDは、レコードによって表される閲覧履歴情報に対応する閲覧行為の主体となるユーザを識別する情報である。
【0053】
「日時フィールド」には、日時情報が格納される。日時情報は、レコードによって表される閲覧履歴情報に対応する閲覧行為が実施された日時を識別する情報である。一例として、日時情報は、サーバ30が、ユーザIDによって特定されるユーザに閲覧させるコメントとしてコメントIDによって特定されるコメントを選択した日時の情報であってよい。
【0054】
(3-3)リアクションデータベース
本実施形態のリアクションデータベースについて説明する。図7は、本実施形態のリアクションデータベースのデータ構造を示す図である。
【0055】
リアクションデータベースには、リアクション情報を表すレコードが格納されている。リアクション情報は、投稿済みコメントに対して投稿されたリアクションに関する情報である。リアクションデータベースは、例えばコメントを募集する対象となるテーマごとに作成され得る。
【0056】
図7に示すように、リアクションデータベースは、「リアクションID」フィールドと、「ユーザID」フィールドと、「コメントID」フィールドと、「日時」フィールドと、「内容」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0057】
「リアクションID」フィールドには、リアクションIDが格納される。リアクションIDは、レコードによって表されるリアクション情報に対応するリアクションを識別する情報である。
【0058】
「ユーザID」フィールドには、ユーザIDが格納される。ユーザIDは、レコードによって表されるリアクション情報に対応するリアクションを投稿したユーザを識別する情報である。
【0059】
「コメントID」フィールドには、コメントIDが格納される。コメントIDは、レコードによって表されるリアクション情報に対応するリアクションが投稿されたコメントを識別する情報である。
【0060】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、レコードによって表されるリアクション情報に対応するリアクションが投稿された日時に関する情報である。日時情報は、リアクションの投稿日時を示す時刻の情報であってもよいし、リアクションの受付開始(すなわち、コメントIDによって特定されるコメントの受け付け)からリアクションの投稿までの経過時間の情報であってもよい。
【0061】
「内容」フィールドには、内容情報が格納される。内容情報は、レコードによって表されるリアクション情報に対応するリアクションの内容に関する情報である。内容情報は、例えば以下の要素に関する情報を含むことができる。ここで、リアクションは、例えば賛同(Good)、反対(Bad)、スコア、などの一次元的な評価、喜怒哀楽などの投稿者の感情の表明、投稿者からの追加コメント(補足意見、投稿コメントに対する質問、等)、またはそれらの組み合わせを含み得る。
・リアクションの種別(例えば、Good、Bad等)
・リアクションの強度(例えば、レベル「3」のGood等)
・リアクションとしての追加コメントの内容
【0062】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
【0063】
(4-1)表示処理
本実施形態の表示処理について説明する。図8は、本実施形態の表示処理のフローチャートである。図9は、本実施形態の表示処理において表示される画面例を示す図である。
【0064】
本実施形態の表示処理は、例えば、ウェビナーの主催者側のユーザによってコメントを募集する対象となるテーマが設定された後に、いずれかのユーザのクライアント装置10が他者コメントの閲覧要求を送信したことに応じて、開始し得る。
【0065】
図8に示すように、サーバ30は、閲覧要求の取得(S130)を実行する。
具体的には、サーバ30は、いずれかのユーザのクライアント装置10から他者コメントの閲覧要求を受信する。他者コメントの閲覧要求には、当該要求を行ったユーザを特定可能な情報(例えばユーザID)が含まれる。
【0066】
ステップS130の後に、サーバ30は、閲覧対象コメントの選択(S131)を実行する。
具体的には、サーバ30は、コメントデータベースに登録されているコメントのうち所定数を閲覧対象コメントとして選択する。サーバ30は、閲覧要求を行ったユーザによる投稿コメントは、閲覧対象コメントとして選択しない。また、サーバ30は、閲覧要求を行ったユーザに対して過去に選択したコメントは、閲覧対象コメントとして再選択しない。閲覧要求を行ったユーザに対して過去に選択したコメントは、例えば閲覧履歴データベース(図6)を参照することで特定可能である。所定数は、クライアント装置10のユーザによって指定されてもよいし、予め定められてもよいし、クライアント装置10またはディスプレイ21の特性に応じて可変であってもよい。
【0067】
ステップS131の第1例として、サーバ30は、投稿済みコメントの選択回数に基づいて、閲覧対象コメントを選択する。具体的には、サーバ30は、投稿済みコメント間の選択回数のばらつきが小さくなるように、閲覧対象コメントを選択する。
【0068】
一例として、サーバ30は、選択回数の昇順に所定数の投稿済みコメントを閲覧対象コメントとして選択する。ここで、選択回数が同一である複数の投稿済みコメントが存在する場合に、サーバ30は当該複数の投稿済みコメントの一部をランダムに、または所定のルールで選択することで、閲覧対象コメントの数を所定数に一致させてよい。或いは、サーバ30は、投稿済みコメント毎に選択回数に応じた確率(例えば選択回数が小さいほど高い確率)を割り当て、抽選を行うことで閲覧対象コメントを選択してもよい。
【0069】
ステップS131の第2例として、サーバ30は、投稿済みコメントからランダムに閲覧対象コメントを選択する。さらなる例として、サーバ30は、投稿済みコメントから選択回数が閾値を超えるコメントを除外し、それからランダムに閲覧対象コメントを選択してもよい。
【0070】
ステップS131の後に、サーバ30は、閲覧応答(S132)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS131において選択した閲覧対象コメントと、当該閲覧対象コメントに対して投稿されたリアクションとを特定可能な情報を含む閲覧応答を生成する。閲覧対象コメントに対して投稿されたリアクションは、閲覧対象コメントに対応するコメントIDを用いて、リアクションデータベース(図7)から抽出可能である。サーバ30は、閲覧応答を、ステップS130における閲覧要求の送信元となるクライアント装置10へ送信する。クライアント装置10は、閲覧応答に基づく画面をディスプレイ21に表示する。一例として、クライアント装置10は、図9に示す画面をディスプレイ21に表示する。
【0071】
図9の画面は、オブジェクトJ20~27を含む。
オブジェクトJ20は、コメントを募集する対象となるテーマを表示する。オブジェクトJ20の表示内容は、例えばウェビナーの主催者側のユーザによって指定される。
【0072】
オブジェクトJ21は、ユーザ自身の投稿済みコメントを表示させるためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ21が選択されると、クライアント装置10は、領域A28内に、例えば、ユーザの投稿済みコメントを表示するオブジェクトと、当該投稿済みコメントに対する他のユーザによる投稿済みリアクションを表示するオブジェクトと、新規コメントを投稿するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトとのうち少なくとも1つを表示し得る。また、オブジェクトJ21の選択に応じて、クライアント装置10は、ユーザ自身の投稿済みコメントに対する閲覧要求をサーバ30へ送信してもよい。
【0073】
オブジェクトJ22は、他ユーザの投稿済みコメントを表示させるためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ22が選択されると、クライアント装置10は、図9に示すように、領域A28内に、所定数のオブジェクトJ24と、所定数のオブジェクトJ25とを表示する。
【0074】
オブジェクトJ23は、全ユーザに亘る投稿済みコメントを人気順に表示させるためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ23が選択されると、クライアント装置10は、全ユーザに亘る投稿済みコメントを人気度の降順に配列した結果(コメントランキング)を特定可能な情報を、サーバ30から取得する。クライアント装置10は、領域A28内にコメントランキングを表示する。ここで、コメントの人気度は、当該コメントに対して投稿されたリアクションの履歴に基づいて決定され得る。一例として、コメントの人気度は、特定のリアクション(例えばGood)の総投稿数、リアクションに対応する数値(例えばスコア)の合計、リアクションの投稿者に割り当てられているスコア(一例として、投稿者の評価の信頼度)の統計量(例えば、最小値、最大値、平均値、中央値、最頻値、など)、またはそれらの組み合わせに基づいて算出される。
【0075】
オブジェクトJ24は、ステップS131において選択された閲覧対象コメントの1つを表示する。
【0076】
オブジェクトJ25は、対応するオブジェクトJ24に表示される閲覧対象コメントに対して投稿されたリアクションを表示する。オブジェクトJ25は、クライアント装置10のユーザからリアクションの投稿を受け付けることもできる。この場合に、クライアント装置10は、後述するリアクション投稿要求をサーバ30へ送信する。
【0077】
なお、前述のとおり、リアクションには、追加コメントが含まれることがある。この場合に、オブジェクトJ25もしくは他のオブジェクトに追加コメントの内容が表示されてもよいし、追加コメントを表示するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトが画面に表示されてもよい。
【0078】
オブジェクトJ26は、領域A28に前回表示した閲覧対象コメントを再表示するためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ26が選択されると、クライアント装置10は、領域A28に前回表示した閲覧対象コメントを再表示する。
【0079】
オブジェクトJ27は、領域A28に新たな閲覧対象コメントを再表示するためのユーザ指示を受け付ける。オブジェクトJ27が選択されると、クライアント装置10は、新たな閲覧要求をサーバ30へ送信する。これにより、本実施形態の表示処理が再度実行され、クライアント装置10は新たに選択された閲覧対象コメントを領域A28に配置する。このように、閲覧させるコメントを選択済みであるユーザから新たな閲覧要求があった場合には、サーバ30は、投稿済みコメントのうち当該ユーザに対して未選択のコメントから、当該ユーザに新たに閲覧させるコメントを選択する。換言すれば、サーバ30は、投稿済みコメントからユーザに対して選択済みのコメントを除外し、残りのコメントから当該ユーザに新たに閲覧させるコメントを選択する。
【0080】
ステップS132の完了を以て、サーバ30は、本実施形態の表示処理を終了する。
【0081】
(4-2)評価処理
本実施形態の評価処理について説明する。図10は、本実施形態の評価処理のフローチャートである。図11は、本実施形態の評価処理において表示される画面例を示す図である。
【0082】
本実施形態の評価処理は、例えば、ウェビナーの終了後、または設定済みのテーマに対するコメントもしくはリアクションの受付終了後に、特定のユーザのクライアント装置10が評価要求を送信したことに応じて、開始し得る。なお、設定済みのテーマに対するコメントまたはリアクションの受付中に、本実施形態の評価処理を行うことで途中経過の評価結果を表示することも可能である。
【0083】
図10に示すように、サーバ30は、評価要求の取得(S230)を実行する。
具体的には、サーバ30は、特定のユーザのクライアント装置10から評価要求を受信する。評価要求には、例えば以下の情報が含まれ得る。
・評価対象(例えば、指定されたユーザ、全ユーザ、指定されたコメント、または全コメント)を特定可能な情報(例えば、ユーザIDまたはコメントID)
・後述する評価要素
・評価を要求した者を特定可能な情報(例えばユーザID)
【0084】
なお、サーバ30は、例えばユーザ認証を行うことで、評価を要求した者が適切な権限を有するか否かを確認してもよい。サーバ30は、評価を要求した者が適切な権限を有することを確認できなかった場合に、評価要求を拒否してもよい。
【0085】
ステップS230の後に、サーバ30は、コメントの評価(S231)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS230において取得した評価要求に基づいて、評価対象に含まれるコメントを特定する。サーバ30は、特定したコメントの各々を評価する。評価対象に含まれるコメントがない場合に、サーバ30は、本ステップを省略可能である。
【0086】
一例として、サーバ30は、以下の少なくとも1つの項目について評価結果を特定する。なお、評価要求において項目が指定されている場合には、サーバ30は指定された項目についてのみ評価結果を特定すればよい。サーバ30は、コメントの評価のために、例えばコメントデータベース(図5)、閲覧履歴データベース(図6)、またはリアクションデータベース(図7)の少なくとも1つを参照可能である。
・コメントが投稿されたタイミング(例えば、コメントの受付開始から投稿されるまでの経過時間)
・コメントが閲覧された回数(つまり選択回数)
・コメントに対して投稿された特定のリアクションの総投稿数
・コメントに対して投稿されたリアクションに対応する数値の統計量(例えば合計、平均、中央値、最頻値、最大値、または最小値)
・ウェビナーの講師による評価結果
・コメントの内容の分析結果(例えば、自然言語処理による分析)
・上記要素の少なくとも1つに基づくコメントの総合評価
【0087】
上記コメントの内容の分析では、例えば以下の少なくとも1つが計算されてよい。
・テーマに対して特定のキーワードまたはその類義語がコメント中に出現する数
・コメントの文意または観点と、特定の文意または観点との一致度
ここで、特定のキーワード、文意、または観点は、例えばウェビナーの講師によって予め定められてもよいし、投稿された全コメントまたは一部のコメントから抽出されてもよい。
【0088】
ステップS231の後に、サーバ30は、ユーザの評価(S232)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS230において取得した評価要求に基づいて、評価対象に含まれるユーザを特定する。サーバ30は、特定したユーザの各々を評価する。評価対象に含まれるユーザがない場合に、サーバ30は、本ステップを省略可能である。
【0089】
一例として、サーバ30は、以下の少なくとも1つの項目について評価結果を特定する。なお、評価要求において項目が指定されている場合には、サーバ30は指定された項目についてのみ評価結果を特定すればよい。サーバ30は、ユーザの評価のために、例えばコメントデータベース(図5)、閲覧履歴データベース(図6)、またはリアクションデータベース(図7)の少なくとも1つを参照可能である。
・ユーザがコメントを投稿したタイミングの統計量(例えば、平均、中央値、最頻値、最大値、または最小値)
・ユーザが投稿したコメントの総数
・ユーザが閲覧したコメントの総数
・ユーザが投稿したリアクションの総数
・ユーザが投稿したコメントのうち、ステップS132において特定の評価結果が得られたコメントの数、または比率
・ユーザのコメントが閲覧された回数(つまり選択回数)の統計量(例えば、平均、中央値、最頻値、最大値、または最小値)
・ユーザが投稿したコメントに対して他のユーザが投稿したリアクションの総数
・ユーザが投稿したコメントに対して他のユーザが投稿したリアクションに対応する数値の統計量(例えば合計、平均、中央値、最頻値、最大値、または最小値)
・ユーザが投稿したリアクションの種類毎の累計数
・ユーザが投稿したリアクションのタイミングの統計量(例えば、平均、中央値、最頻値、最大値、または最小値)
・ユーザのコメントの目利き力
・ウェビナーの講師による評価結果
・ユーザによって投稿されたコメントの評価(つまり、ステップS231の実行結果)
・上記要素の少なくとも1つに基づくユーザの総合評価
【0090】
ユーザのコメントの目利き力は、例えばユーザがリアクションを投稿したコメントに対する評価(例えばステップS231の処理を実行した結果)の統計量(例えば、平均、中央値、最頻値、最大値、または最小値)に基づいて決定することができる。
第1例として、ユーザが賛同のリアクションを投稿したコメントに対する評価の統計量が高いほど、ユーザのコメントの目利き力は高く評価され得る。第2例として、ユーザが反対のリアクションを投稿したコメントに対する評価の統計量が低いほど、ユーザのコメントの目利き力は高く評価され得る。第3例として、ユーザがコメントに対して投稿したスコアと、当該コメントに対する評価の統計量との間の相関係数が大きいほど、ユーザのコメントの目利き力は高く評価され得る。
なお、ユーザが投稿するリアクションが、他のユーザによる投稿済みのリアクションに影響されるのを防ぐために、ユーザがコメントに対してリアクションを投稿するまで他のユーザが当該コメントに対して投稿したリアクションを隠蔽してもよい。一例として、図9の画面例において、ユーザがコメントに対してリアクションを投稿していない場合に、当該コメントに対応するオブジェクトJ25cは非表示、または内容が視認できないように構成されてよい。
【0091】
なお、ユーザのコメントの目利き力は上記例に限られず様々な基準により評価され得る。例えば、ユーザのコメントの目利き力は、以下の指標のいずれかまたは組み合わせにより評価され得る。具体的には、以下の指標のいずれかが小さいほど、ユーザのコメントの目利き力は高いと評価され得る。或いは、以下の複数の指標を引数とする演算(例えば、重み付き加算)により導出される指標が小さいほど、ユーザのコメントの目利き力は高いと評価され得る。
・ステップS132において特定の評価結果が得られたコメントについて、ユーザが当該コメントを閲覧してから特定のリアクションを投稿するまでの時間
・ステップS132において特定の評価結果が得られたコメントについて、ユーザが当該コメントに対して特定のリアクションを投稿した時点で当該コメントに対して既に投稿されていた当該リアクションの総数、またはこの数値を当該コメントに対して最終的に投稿された当該リアクションの総数で除算した値
ここで、ステップS132において特定の評価結果が得られたコメントは、例えば上記特定のリアクションの獲得数が閾値を超えたコメントであり得る。
【0092】
さらなる別の例として、ユーザがコメントに対して投稿したリアクションの種別と、他のユーザが同一のコメントに対して投稿したリアクションの種別との一致率が高いほど、ユーザのコメントの目利き力は高く評価され得る。
【0093】
ステップS232の後に、サーバ30は、評価応答(S233)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS231~ステップS232における評価結果を特定可能な情報を含む評価応答を生成する。サーバ30は、評価応答を、ステップS230における評価要求の送信元となるクライアント装置10へ送信する。クライアント装置10は、評価応答に基づく画面をディスプレイ21に表示する。一例として、クライアント装置10は、図11に示す画面をディスプレイ21に表示する。
【0094】
図11の画面は、オブジェクトJ30~J34を含む。
オブジェクトJ30は、評価の対象となるユーザに関する情報(例えばユーザ名)を表す。
【0095】
オブジェクトJ31,J32は、評価の対象となるユーザを切り替えるための指示を受け付ける。オブジェクトJ31またはオブジェクトJ32が選択されると、クライアント装置10は別のユーザに対する評価結果に対応する画面をディスプレイ21に表示する。
【0096】
オブジェクトJ33は、ユーザの項目別評価に関する情報を表示する。表示対象となる項目は、例えば評価要求を介して選択可能であってもよい。
オブジェクトJ34は、ユーザが投稿し、かつ高評価されたコメントに関する情報を表示する。
【0097】
ステップS233の完了を以て、サーバ30は、本実施形態の表示処理を終了する。
【0098】
(4-3)その他の処理
本実施形態の情報処理について説明する。
【0099】
例えば、いずれかのユーザのクライアント装置10からコメント投稿要求を送信すると、サーバ30は、以下に説明するようにコメント受付処理を実行し得る。
具体的には、サーバ30は、いずれかのユーザのクライアント装置10からコメント投稿要求を受信する。コメント投稿要求は、例えば以下の情報を含むことができる。
・コメントの投稿を要求したユーザを特定可能な情報(例えばユーザID)
・コメントの内容を特定可能な情報(例えばコメントの内容情報)
【0100】
サーバ30は、取得したコメント投稿要求に基づいて、コメントデータベース(図5)を更新する。一例として、サーバ30は、新規に発行したコメントIDと、コメント投稿要求の受信日時に基づく日時情報と、コメント投稿要求に基づいて特定したユーザIDおよび内容情報とを含む新規レコードをコメントデータベースに追加する。
【0101】
例えば、いずれかのユーザのクライアント装置10からリアクション投稿要求を送信すると、サーバ30は、以下に説明するようにリアクション受付処理を実行し得る。
具体的には、サーバ30は、いずれかのユーザのクライアント装置10からリアクション投稿要求を受信する。リアクション投稿要求は、例えば以下の情報を含むことができる。
・リアクションの投稿を要求したユーザを特定可能な情報(例えばユーザID)
・リアクションの内容を特定可能な情報(例えばリアクションの内容情報)
・リアクションが投稿されたコメントを特定可能な情報(例えばコメントID)
【0102】
サーバ30は、取得したリアクション投稿要求に基づいて、リアクションデータベース(図7)を更新する。一例として、サーバ30は、新規に発行したリアクションIDと、リアクション投稿要求の受信日時に基づく日時情報と、リアクション投稿要求に基づいて特定したユーザIDおよび内容情報とを含む新規レコードをリアクションデータベースに追加する。
【0103】
(5)小括
以上説明したように、本実施形態のサーバ30は、コメントの投稿を受け付け、投稿済みコメントのうち一部のコメントをユーザに閲覧させ、ユーザに閲覧させるコメントを当該ユーザによる選択に依存しない要素に基づいてユーザ毎に個別に選択する。これにより、ユーザは、閲覧するコメントを自分でコントロールできないので、閲覧するコメントが偏りにくくなる。これにより、各ユーザは多様な他者の意見に接して自らの考えを深めることができるとともに、投稿された各コメントが人の目に触れる機会を確保することができる。
【0104】
サーバ30は、投稿済みコメント毎の選択回数に基づいてユーザに閲覧させるコメントをユーザ毎に個別に選択してもよい。これにより、各ユーザに閲覧させるコメントを、各投稿済みコメントの選択回数を考慮して都度選択することができる。
【0105】
サーバ30は、投稿済みコメント間の選択回数のばらつきが小さくなるようにユーザに閲覧させるコメントをユーザ毎に個別に選択してもよい。これにより、投稿されたコメント間で人の目に触れる機会のばらつきを生じにくくすることができる。
【0106】
サーバ30は、ユーザに閲覧させるコメントをランダムにユーザごとに個別に選択してもよい。これにより、各ユーザに閲覧させるコメントをランダム化することができる。
【0107】
サーバ30は、閲覧させるコメントを選択済みであるユーザからの要求に応じて、投稿済みコメントのうち当該ユーザに対して未選択のコメントから、当該ユーザに新たに閲覧させるコメントを選択してもよい。これにより、ユーザが同じコメントを繰り返し閲覧する事態を防止することができる。
【0108】
サーバ30は、ユーザが閲覧したコメントに対する当該ユーザのリアクションの投稿を受け付け、当該コメントを閲覧可能なユーザに当該コメントに対して投稿されたリアクションを閲覧させてもよい。これにより、ユーザは、他のユーザのコメントに加えて、さらなる他のユーザからの当該コメントに対するリアクションに接し、自らの考えをいっそう深めることができる。
【0109】
サーバ30は、コメントの閲覧、もしくは投稿、またはリアクションの投稿の少なくとも1つに関する履歴を取得し、当該履歴に基づいてユーザまたはコメントを評価してもよい。これにより、ウェビナー参加者の能力、行動、性質などの特性に対する評価、または評価の補助(例えば判断材料の提供)を行うことができる。
【0110】
サーバ30は、ユーザが投稿したコメントに対して他のユーザによって投稿された特定のリアクションの履歴に基づいて、当該ユーザまたは当該コメントを評価してもよい。これにより、例えばユーザの投稿したコメントが他の多くのユーザの共感を集めたか、コメントが賛否の分かれる視点の提示であったか、などを評価することができる。
【0111】
サーバ30は、他のユーザによって投稿されたコメントに対してユーザが特定のリアクションを投稿した履歴に基づいて、当該ユーザを評価してもよい。これにより、例えばユーザが、他のユーザのコメントに対して適切なリアクションをしているかを評価することができる。
【0112】
サーバ30は、ユーザが特定のリアクションを投稿したコメントに対する評価を行い、当該評価の統計量に基づいて当該ユーザを評価してもよい。これにより、例えば、ユーザが、多くのユーザの共感を集めることになるコメントや賛否の分かれる視点を提示しているコメントを的確に見出したか否か(つまり、コメントの目利き力が高いか否か)を評価することができる。
【0113】
サーバ30は、ユーザがコメントまたはリアクションを投稿した時間または回数の履歴に基づいて、当該ユーザまたはコメントを評価してもよい。これにより、ユーザのコメントまたはリアクションの投稿行動の特性を定量的に評価することができる。
【0114】
サーバ30は、ユーザが閲覧したコメントの数に基づいて当該ユーザを評価してもよい。これにより、ユーザのコメントの閲覧行動の特性を定量的に評価することができる。
【0115】
サーバ30は、ユーザが投稿したコメントの内容に基づいて、当該ユーザまたは当該コメントを評価してもよい。これにより、コメントの質に基づいて、当該コメントまたは投稿者であるユーザを評価することができる。
【0116】
リアクションは、投稿済みのコメントに対するコメントを含んでもよい。これにより、ユーザは、他のユーザに対して単なる賛否の表明に留まらず補足意見や反証の提示などを行うことができる。また、かかるリアクションを閲覧することで、ユーザは、自らの考えをいっそう深めることができる。
【0117】
(6)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。ディスプレイ21は、クライアント装置10に内蔵されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0118】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10及びサーバ30の何れでも実行可能である。例えば、いずれかの装置によって行われるとして説明された処理が別の装置によって行われたり、複数の装置のやり取りによって行われるとして説明された処理が単一の装置によって行われたりしてもよい
【0119】
上記説明では、サーバ30は、クライアント装置10のユーザからの閲覧要求に応じて、閲覧対象コメントを選択し、選択結果を提示する例を示した。しかしながら、サーバ30は、上記閲覧要求とは異なるトリガによって、閲覧対象コメントを選択し、選択結果を提示してもよい。一例として、サーバ30は、一定時間ごとに、各ユーザに対して個別に閲覧対象コメントを選択し、当該閲覧対象コメントを特定可能な情報を各クライアント装置10へ送信してもよい。これにより、ユーザは、能動的な操作を行わなくても、他者のコメントに接することができる。
【0120】
上記説明では、サーバ30は、クライアント装置10の特定のユーザ(例えば、ウェビナー参加者に対する評価の提供を受ける者)からの評価要求に応じて、コメントまたはリアクションの投稿者となるユーザ(例えば、特定または不特定のウェビナー参加者)を評価し、評価結果を提示する例を示した。しかしながら、サーバ30は、上記評価要求とは異なるトリガによって、閲覧対象コメントを選択し、選択結果を提示してもよい。一例として、サーバ30は、ウェビナーの終了後、または設定済みのテーマに対するコメントもしくはリアクションの受付終了後に、コメントまたはリアクションの投稿者となるユーザを評価し、評価結果を特定可能な情報を上記特定のユーザのクライアント装置10へ送信してもよい。これにより、特定のユーザは、能動的な操作を行わなくても、コメントまたはリアクションの投稿者となるユーザの評価を確認することができる。
【0121】
上記説明では、ステップS233において、特定のユーザに対する項目別評価と、当該ユーザの投稿したコメントに対する評価との結果を含む画面(図11)をディスプレイ21に表示する例を示した。しかしながら、本例に限られず、評価応答に基づいて様々な画面がディスプレイ21に表示され得る。例えば、評価対象となるユーザ(全ユーザであってもよいし、一部のユーザであってもよい)に亘る項目別評価または総合評価のランキングを含む画面がディスプレイ21に表示されてもよい。或いは、評価対象となるコメント(全コメントであってもよいし、一部のコメントであってもよい)に亘る項目別評価または総合評価のランキングを含む画面がディスプレイ21に表示されてもよい。
【0122】
上記説明では、ウェビナー中にコメントまたはリアクションの投稿を受け付け、投稿されたコメントまたはリアクションを共有することを前提に説明した。しかしながら、本実施形態は、ウェビナーに限らず、例えばオフラインでのセミナーまたは両者を組み合わせたハイブリッド型のセミナーと、オンラインでのコメントの投稿および閲覧サービスとの組み合わせにも適用可能である。
【0123】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
21 :ディスプレイ
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
図1
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