(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030995
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20240229BHJP
H04N 5/63 20060101ALI20240229BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H02J1/00 304D
H02J1/00 306G
H04N5/63
G09F9/00 352
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134268
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】飯島 秀晃
【テーマコード(参考)】
5G165
5G435
【Fターム(参考)】
5G165AA01
5G165EA02
5G165GA04
5G165HA09
5G165PA01
5G435AA16
5G435BB05
5G435BB12
5G435DD11
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】第2の外部機器へ供給される電力の不足を改善できるようにすること。
【解決手段】表示装置は、複数の接続手段と、接続手段に外部機器が接続されたことを検知する接続検知部と、接続手段に接続された外部機器との間で、電力に関するネゴシエーションを行うネゴシエーション部と、ネゴシエーション部によるネゴシエーション結果に基づいて、接続手段に接続された外部機器が要する電力を、外部機器が接続された接続手段から出力する電力出力部と、第1の外部機器が接続された第1の接続手段から入力された電力を、第2の外部機器が接続された第2の接続手段から出力するパススルー制御部とを備え、パススルー制御部は、第2の接続手段から出力可能な電力が、第2の外部機器が要する電力に満たない場合、表示装置の消費電力を低減することにより、第2の外部機器が要する電力を、第2の接続手段から出力できるように制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の接続手段と、
前記接続手段に外部機器が接続されたことを検知する接続検知部と、
前記接続手段に接続された前記外部機器との間で、電力に関するネゴシエーションを行うネゴシエーション部と、
前記ネゴシエーション部によるネゴシエーション結果に基づいて、前記接続手段に接続された前記外部機器が要する電力を、前記外部機器が接続された前記接続手段から出力する電力出力部と、
第1の前記外部機器が接続された第1の前記接続手段から入力された電力を、第2の前記外部機器が接続された第2の前記接続手段から出力するパススルー制御部と
を備えた表示装置であって、
前記パススルー制御部は、
前記第2の接続手段から出力可能な電力が、前記第2の外部機器が要する電力に満たない場合、前記表示装置の消費電力を低減することにより、前記第2の外部機器が要する電力を、前記第2の接続手段から出力できるように制御する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記パススルー制御部は、
前記表示装置が備える表示パネルの輝度の上限値を低下させることにより、前記表示装置の消費電力を低減し、前記第2の外部機器が要する電力を、前記第2の接続手段から出力できるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記パススルー制御部は、
前記第2の外部機器が要する電力の不足量に応じて、前記表示パネルの輝度の上限値の低下量を決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記パススルー制御部は、
前記表示パネルの輝度の上限値を低下させた場合、前記表示パネルの輝度を前記上限値よりも高めようとする操作を無効化する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記パススルー制御部は、
前記表示装置が備える無線通信機能をオフにすることにより、前記第2の外部機器が要する電力を、前記第2の接続手段から出力できるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示装置の駆動用の電力を供給するバッテリを備え、
前記パススルー制御部は、
前記バッテリのバッテリ残量が所定の閾値以上の場合、前記表示装置をバッテリ駆動し、且つ、前記表示装置の消費電力を低減せず、前記第1の接続手段から入力された電力を、前記第2の接続手段から出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記パススルー制御部は、
前記第2の外部機器が映像出力機能を有しない場合、前記第2の接続手段から出力可能な電力が、前記第2の外部機器が要する電力に満たない場合であっても、前記表示装置の消費電力を低減せず、且つ、前記第2の接続手段から電力を出力しない
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ネゴシエーション部は、
前記第2の接続手段に前記第2の外部機器が接続されたときに、前記第1の接続手段に、前記第1の外部機器が既に接続されている場合、前記第2の接続手段に前記第2の外部機器が接続されたタイミングで、前記第1の外部機器とのネゴシエーションを行い、前記第2の外部機器が要する電圧値の電力を、前記第1の外部機器に出力させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2の接続手段に前記第2の外部機器が接続されたときに、前記第2の外部機器が電力供給先の外部機器であると判断された場合、
前記ネゴシエーション部は、前記第2の接続手段とのネゴシエーションを行わず、
パススルー制御部は、前記第2の接続手段から前記第2の外部機器を駆動可能な所定の電力を出力させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記接続手段は、
当該接続手段に接続された前記外部機器に対し、電力の入出力と、データの送受信とが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記接続手段は、
USBポートである
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
表示パネルと、
前記表示装置の消費電力を低減することをユーザに通知するためのメッセージを、前記表示パネルに表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、USB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介して、外部機器から電力を受電したり、外部機器へ電力を供給したりする技術が考案されている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【0003】
また、従来、このような技術を利用して、一のインタフェースに接続された第1の外部機器から供給された電力を、他のインタフェースに接続された第2の外部機器へ供給する、いわゆる電源パススルー技術が考案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電源パススルー技術は、第1の外部機器から供給された電力を自装置でも消費するため、特に第1の外部機器から供給される電力量が少ない場合において、他のインタフェースから出力可能な電力に不足が生じ、第2の外部機器に必要な電力を供給できなくなる(すなわち、第2の外部機器を駆動できなくなる)虞がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、第1の外部機器から供給された電力を、第2の外部機器へ供給する際の、第2の外部機器に供給される電力の不足を改善できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る表示装置は、複数の接続手段と、接続手段に外部機器が接続されたことを検知する接続検知部と、接続手段に接続された外部機器との間で、電力に関するネゴシエーションを行うネゴシエーション部と、ネゴシエーション部によるネゴシエーション結果に基づいて、接続手段に接続された外部機器が要する電力を、外部機器が接続された接続手段から出力する電力出力部と、第1の外部機器が接続された第1の接続手段から入力された電力を、第2の外部機器が接続された第2の接続手段から出力するパススルー制御部とを備えた表示装置であって、パススルー制御部は、第2の接続手段から出力可能な電力が、第2の外部機器が要する電力に満たない場合、表示装置の消費電力を低減することにより、第2の外部機器が要する電力を、第2の接続手段から出力できるように制御する。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態に係る表示装置によれば、第1の外部機器から供給された電力を、第2の外部機器へ供給する際の、第2の外部機器に供給される電力の不足を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る表示装置のハードウェア構成を示すブロック図
【
図2】一実施形態に係る映像信号変換ケーブルのハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】一実施形態に係る表示装置の機能構成を示すブロック図
【
図4】一実施形態に係る表示装置による電源パススルー制御の概要を示す図
【
図5】一実施形態に係る表示装置による処理の手順の一例(第1例)を示すフローチャート
【
図6】一実施形態に係る表示装置によるメッセージの表示例を示す図
【
図7】一実施形態に係る表示装置による輝度設定画面の表示例を示す図
【
図8】一実施形態に係る表示装置による輝度設定画面の表示例を示す図
【
図9】一実施形態に係る表示装置によるメッセージの表示例を示す図
【
図10】一実施形態に係る表示装置が備える表示パネルの輝度設定値と消費電力との関係を示すグラフ
【
図11】一実施形態に係る表示装置による処理の手順の一例(第2例)を示すフローチャート
【
図12】一実施形態に係る表示装置による処理の手順の一例(第3例)を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0010】
(表示装置100のハードウェア構成)
図1は、一実施形態に係る表示装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示す表示装置100は、筐体(図示省略)の前面に表示パネル102を有し、映像信号変換ケーブル20を介して外部機器10(例えば、ノートパソコン、スマートフォン等)に接続され、外部機器10から映像信号変換ケーブル20を介して映像信号を受信することにより、当該映像信号に応じた映像を表示パネル102によって表示することが可能な装置である。なお、表示装置100は、バッテリ108を内蔵し、且つ、可搬性を有する薄型の表示装置である。このため、表示装置100は、外部機器10とともに持ち運ばれて、使用時に外部機器10と接続されることにより、外部機器10の拡張ディスプレイとして利用可能である。
【0012】
例えば、表示装置100は、営業担当者によって、営業先でのプレゼンテーション用の拡張ディスプレイとして利用可能である。また、例えば、表示装置100は、PC等の外部機器10とともに、オフィスワーク用のダブルディスプレイとしてとして利用可能である。また、例えば、表示装置100は、個人がオフィス外で使用するスマートフォンと接続されることにより、動画観賞用あるいは在宅ワーク用の拡張ディスプレイとして利用可能である。
【0013】
図1に示すように、表示装置100は、制御部101、表示パネル102、通信I/F103(Interface)、UI(User Interface)104、USB I/F(Interface)105、電源部107、およびバッテリ108を備える。
【0014】
制御部101は、表示装置100の全体の動作を制御する。例えば、制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたIC(Integrated Circuit)等の制御回路によって実現される。
【0015】
表示パネル102は、制御部101から供給される映像信号に応じた各種画像(動画、静止画等)を表示する。表示パネル102としては、例えば、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等が用いられる。
【0016】
通信I/F103は、外部機器10との無線通信接続および無線通信を制御するインタフェースである。通信I/F103は、外部機器10(例えば、ノートパソコン、スマートフォン等)と無線通信接続され、外部機器10との間で、制御信号、映像信号等の送受信(無線通信)を行う。通信I/F103が使用する無線通信規格としては、例えば、Wi-Fi等が用いられる。
【0017】
UI104は、ユーザによって操作されることにより、ユーザからの入力を受け付けるインタフェースである。例えば、表示装置100は、UI104として、筐体の側面、筐体の前面等に設けられた複数のボタンを備える。これらのボタンは、例えば、電源ボタン、選択ボタン、確定ボタン、戻るボタン等である。但し、これに限らず、表示装置100は、UI104として、その他の入力デバイス(例えば、表示パネル102の前面に重ねて設けられるタッチセンサ等)を備えてもよい。例えば、表示装置100は、ユーザ操作によってUI104が操作されることにより、電源のオンおよびオフ、輝度およびコントラスト等の各種設定を行うことができる。
【0018】
USB I/F105は、外部機器10を接続するためのインタフェースである。USB I/F105は、USB規格に準拠したUSBポート105A(「接続手段」の一例)を有しており、当該USBポート105Aに対し、映像信号変換ケーブル20等のUSBケーブルが接続される。これにより、USB I/F105は、USBケーブルを介して、外部機器10と接続される。例えば、USB I/F105は、外部機器10として端末(例えば、ノートパソコン、スマートフォン等)が接続された場合、当該端末との間で、制御信号、映像信号、電力等の送受信を行うことができる。また、例えば、USB I/F105は、外部機器10として外部電源が接続された場合、当該外部電源から供給される電力を受電することができる。
【0019】
なお、表示装置100は、複数のUSB I/F105を備えており、複数のUSB I/F105の各々に対し、外部機器10を接続することができる。
図1に示す例では、表示装置100は、2つのUSB I/F105を備えている。但し、これに限らず、表示装置100は、3つ以上のUSB I/F105を備えてもよい。
【0020】
電源部107は、表示装置100の各部に対する駆動用の電力の供給を制御する。例えば、電源部107は、外部機器10(外部電源、端末等)から電力が供給されない場合、または、外部機器10(外部電源、端末等)から供給される電力が不足している場合、バッテリ108に蓄電されている電力を、表示装置100の各部に供給することができる。また、例えば、電源部107は、外部機器10(外部電源、端末等)から電力が供給される場合、外部機器10から供給される電力を、表示装置100の各部に供給することができる。また、例えば、電源部107は、一のUSB I/F105に接続された外部機器10(外部電源、端末等)から供給される電力をパススルーして、他のUSB I/F105に接続された外部機器10(端末等)に供給することができる。
【0021】
バッテリ108は、表示装置100の駆動用の電力を蓄電する。バッテリ108には、充電可能な各種二次電池(例えば、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等)が用いられる。なお、表示装置100(例えば、電源部107)は、USB I/F105に接続された外部機器10(外部電源、端末等)から供給される電力により、バッテリ108を充電することができる。
【0022】
(映像信号変換ケーブル20のハードウェア構成)
図2は、一実施形態に係る映像信号変換ケーブル20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0023】
図2に示すように、映像信号変換ケーブル20は、HDMI(登録商標) I/F21、信号変換部22、USB I/F23、および電源部24を備える。
【0024】
HDMI I/F21は、映像信号変換ケーブル20を外部機器10(端末)に接続するためのインタフェースである。例えば、HDMI I/F21は、外部機器10が備えるHDMI端子に接続され、外部機器10(端末)との間で、制御信号、映像信号、電力等の送受信を行うことができる。
【0025】
信号変換部22は、HDMI I/F21によって外部機器10から受信された映像信号を、表示装置100が表示可能な映像信号に変換する。
【0026】
USB I/F23は、映像信号変換ケーブル20を表示装置100に接続するためのインタフェースである。例えば、USB I/F23は、表示装置100が備えるUSBポート105Aに接続され、表示装置100との間で、制御信号、映像信号、電力等の送受信を行うことができる。
【0027】
電源部24は、映像信号変換ケーブル20の各部に対する駆動用の電力の供給を制御する。例えば、電源部107は、USB I/F23によって表示装置100から受電された電力を、映像信号変換ケーブル20の各部に供給することができる。
【0028】
例えば、映像信号変換ケーブル20は、外部機器10から送信された映像信号を、HDMI I/F21によって受信し、信号変換部22によって表示装置100が表示可能な映像信号に変換することができる。そして、映像信号変換ケーブル20は、信号変換部22による変換後の映像信号(すなわち、表示装置100が表示可能な映像信号)を、USB I/F23によって表示装置100へ出力することができる。
【0029】
また、例えば、映像信号変換ケーブル20は、表示装置100が電源パススルー制御を行う場合、表示装置100から供給された電力を、USB I/F23によって受電し、映像信号変換ケーブル20の各部に供給することができる。
【0030】
(表示装置100の機能構成)
図3は、一実施形態に係る表示装置100の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、表示装置100は、接続検知部111、ネゴシエーション部112、電力出力部113、パススルー制御部114、および表示制御部115を備える。
【0031】
接続検知部111は、USB I/F105が備えるUSBポート105Aに外部機器10が接続されたことを検知する。例えば、接続検知部111は、USB規格の仕様に従い、USBポート105Aが備える特定の端子(例えば、CCピン)の抵抗値に基づいて、USBポート105Aに外部機器10が接続されたことを検知する。
【0032】
ネゴシエーション部112は、USBポート105Aに接続された外部機器10との間で、電力に関するネゴシエーションを行う。例えば、ネゴシエーション部112は、外部機器10との間でネゴシエーションを行うことによって、外部機器10が要する電力(電圧および電流)、外部機器10から出力可能な電力(電圧および電流)等の情報を得ることができる。なお、USBポート105Aに映像信号変換ケーブル20が接続された場合、ネゴシエーション部112は、映像信号変換ケーブル20との間で、ネゴシエーションを行うことができる。
【0033】
電力出力部113は、ネゴシエーション部112によるネゴシエーション結果に基づいて、USBポート105Aに接続された外部機器10が要する電力を、外部機器10が接続されたUSBポート105Aから出力する。
【0034】
パススルー制御部114は、USB-PD(USB Power Delivery)規格の仕様に従い、第1の外部機器10が接続された第1のUSBポート105Aから入力された電力を、第2の外部機器10が接続された第2のUSBポート105Aから出力する。これにより、パススルー制御部114は、第2のUSBポート105Aに接続された第2の外部機器10へ電力を供給し、当該第2の外部機器10を駆動することができる。
【0035】
この際、パススルー制御部114は、第2のUSBポート105Aから出力可能な電力が、第2の外部機器10が要する電力(ネゴシエーション部112によって第2の外部機器10から取得された電力に関する情報によって特定される)に満たない場合、表示装置100の消費電力を低減することにより、第2の外部機器10が要する電力を、第2のUSBポート105Aから出力できるように制御する。
【0036】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、第1のUSBポート105Aから入力される電力が比較的小さく、第2のUSBポート105Aから出力可能な電力が、第2の外部機器10が要する電力に満たない場合であっても、第2の外部機器10が要する電力を、第2のUSBポート105Aから出力可能となり、よって、第2の外部機器10を駆動可能となる。
【0037】
例えば、パススルー制御部114は、表示装置100が備える表示パネル102の輝度の上限値を低下させることにより、表示装置100の消費電力を低減し、映像信号変換ケーブル20が要する電力を、映像信号変換ケーブル20へ供給できるように制御する。
【0038】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、第2のUSBポート105Aから出力可能な電力が、第2の外部機器10が要する電力に満たない場合であっても、表示装置100が備える表示パネル102の輝度の上限値を低下させることで、第2の外部機器10が要する電力を、第2のUSBポート105Aから出力でき、よって、第2の外部機器10を駆動できる。
【0039】
この場合、パススルー制御部114は、映像信号変換ケーブル20が要する電力の不足量に応じて、表示パネル102の輝度の上限値の低下量を決定してもよい。例えば、パススルー制御部114は、映像信号変換ケーブル20が要する電力の不足量がW1である場合、表示パネル102の輝度の上限値の低下量をW1、または、W1+αに決定してもよい。但し、αは、所定の余裕値である。
【0040】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、表示パネル102の輝度の上限値を大幅に低下させることなく、第2の外部機器10が要する電力を、第2のUSBポート105Aから出力できる。
【0041】
また、例えば、パススルー制御部114は、表示装置100が備える無線通信機能(例えば、通信I/F103)をオフにすることにより、表示装置100の消費電力を低減し、映像信号変換ケーブル20が要する電力を、映像信号変換ケーブル20へ供給できるように制御してもよい。
【0042】
これにより、一実施形態に係る表示装置100は、第2のUSBポート105Aから出力可能な電力が、第2の外部機器10が要する電力に満たない場合であっても、表示装置100が備える無線通信機能をオフにすることで、第2の外部機器10が要する電力を、第2のUSBポート105Aから出力でき、よって、第2の外部機器10を駆動できる。
【0043】
なお、USB-PD(USB Power Delivery)規格は、下記の特徴を持つ。
・最大100W(20V・5A)の電力供給が可能。そのために出力電圧を複数(4または5)段階で可変できる。
・複数のUSB-PD規格対応端子(USB Type-C端子)を持つ機器では、1つの端子で受電し、もう1つの端子から給電することで、下流の機器へ数珠繋ぎの様に電力供給が可能。
・接続する機器は給電側にも受電側にもなることができ、電力供給が双方向で可能。
【0044】
表示制御部115は、表示パネル102に各種情報を表示させることができる。
【0045】
例えば、表示制御部115は、表示パネル102に各種設定画面(例えば、輝度設定画面等)を表示させることができる。
【0046】
また、例えば、表示制御部115は、表示制御部115は、表示装置100を低輝度モードに切り替える際に、表示装置100を低輝度モードに切り替えることをユーザに通知するためのメッセージを、表示パネル102に表示させることができる。
【0047】
また、例えば、表示制御部115は、表示装置100が備える無線通信機能をオフにする際に、表示装置100が備える無線通信機能をオフにすることをユーザに通知するためのメッセージを、表示パネル102に表示させることができる。
【0048】
(表示装置100による電源パススルー制御の概要)
図4は、一実施形態に係る表示装置100による電源パススルー制御の概要を示す図である。
【0049】
図4に示す例では、表示装置100の第1のUSBポート105A1に対し、映像信号変換ケーブル20を介して、スマートフォン12が接続されている。これにより、表示装置100は、スマートフォン12から映像信号変換ケーブル20を介して供給される映像信号によって、表示パネル102に映像を表示可能である。
【0050】
また、
図4に示す例では、表示装置100の第2のUSBポート105A2に対し、ACアダプタ11が接続されている。これにより、表示装置100は、ACアダプタ11から供給される電力によって駆動されるとともに、ACアダプタ11から供給される電力の一部を、映像信号変換ケーブル20へ電源パススルーすることで、映像信号変換ケーブル20を駆動可能である。
【0051】
なお、ACアダプタ11は、「電力供給元の外部機器」の一例である。また、映像信号変換ケーブル20は、「電力供給先の外部機器」の一例である。
【0052】
ここで、表示装置100は、第1のUSBポート105A1から出力可能な電力が、映像信号変換ケーブル20が要する電力に満たない場合、表示装置100の消費電力を低減することにより、映像信号変換ケーブル20が要する電力を、第1のUSBポート105A1から出力できるように制御することができる。
【0053】
例えば、
図4(a)に示す例では、ACアダプタ11から供給される電力が「15W」であり、表示装置100の消費電力が「12W」である。この場合、第1のUSBポート105A1から出力可能な電力は「3W」である。ここで、映像信号変換ケーブル20が要する電力が「4.5W」である場合、表示装置100は、映像信号変換ケーブル20が要する電力「4.5W」を、第1のUSBポート105A1から出力できない。したがって、映像信号変換ケーブル20は、動作することができず、スマートフォン12から供給される映像信号を、変換することができず、且つ、表示装置100へ送信することができない。
【0054】
この場合、表示装置100は、例えば、表示装置100が備える表示パネル102の輝度の上限値を低下させることにより、または、表示装置100が備える無線通信機能をオフにすることにより、
図4(b)に示すように、表示装置100の消費電力を低減する。
【0055】
例えば、
図4(b)に示す例では、表示装置100は、表示装置100の消費電力を「10W」に低減する。これにより、第1のUSBポート105A1から出力可能な電力は「5W」に増加する。よって、表示装置100は、映像信号変換ケーブル20が要する電力「4.5W」を、第1のUSBポート105A1から出力できる。したがって、映像信号変換ケーブル20は、動作可能となり、スマートフォン12から供給される映像信号を、変換することができ、且つ、表示装置100へ送信することができる。
【0056】
(表示装置100による処理の手順の一例(第1例))
図5は、一実施形態に係る表示装置100による処理の手順の一例(第1例)を示すフローチャートである。
【0057】
なお、以下の説明において、「USBポート1」は、表示装置100が備える第1のUSBポート105A(第1の接続手段)を意味し、「USBポート2」は、表示装置100が備える第2のUSBポート105A(第2の接続手段)を意味する。
【0058】
また、以下の説明では、USBポート1に接続される外部機器10として、電力供給先の第2の外部機器10(映像信号変換ケーブル20等)を想定しており、USBポート2に接続される外部機器10として、電力供給元の第1の外部機器10(ACアダプタ等)を想定している。
【0059】
また、前提として
図5に示す一連の処理を開始する前に、USBポート2に外部機器10(ACアダプタ等)が既に接続されているものとする。
【0060】
まず、接続検知部111が、USBポート1に外部機器10が接続されたか否かを判断する(ステップS501)。例えば、接続検知部111は、USB規格の仕様に従い、USBポート1が備える特定の端子(例えば、CCピン)の抵抗値に基づいて、USBポート1に外部機器10が接続されたか否かを判断する。
【0061】
ステップS501において、USBポート1に外部機器10が接続されていないと判断された場合(ステップS501:NO)、接続検知部111が、ステップS501を再度実行する。
【0062】
一方、ステップS501において、USBポート1に外部機器10が接続されたと判断された場合(ステップS501:YES)、接続検知部111が、USBポート1に接続された外部機器10がシンク(電力供給先の外部機器10)であるか否かを判断する(ステップS502)。例えば、接続検知部111は、USB規格の仕様に従い、USBポート1が備える特定の端子(例えば、CCピン)の抵抗値に基づいて、USBポート1に接続された外部機器10がシンクであるか否かを判断する。なお、USBポート1に外部機器10として映像信号変換ケーブル20が接続された場合、接続検知部111は、USBポート1に接続された外部機器10がシンクであると判断する。
【0063】
ステップS502において、USBポート1に接続された外部機器10がシンクではないと判断された場合(ステップS502:NO)、ネゴシエーション部112が、USB-PD規格の仕様に従い、USBポート1に接続されている外部機器10とネゴシエーションを行う(ステップS510)。
【0064】
そして、電力出力部113が、ステップS510でのネゴシエーション結果に基づいて、USBポート1に接続された外部機器10へ電力を出力、または、USBポート1に接続された外部機器10から電力を入力する(ステップS511)。その後、表示装置100は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0065】
一方、ステップS502において、USBポート1に接続された外部機器10がシンクであると判断された場合(ステップS502:NO)、接続検知部111が、USBポート2に外部機器10が接続されている否かを判断する(ステップS503)。例えば、接続検知部111は、USB規格の仕様に従い、USBポート2が備える特定の端子(例えば、CCピン)の抵抗値に基づいて、USBポート2に外部機器10が接続されているか否かを判断する。
【0066】
ステップS503において、USBポート2に外部機器10が接続されていないと判断された場合(ステップS503:NO)、表示装置100は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0067】
一方、ステップS503において、USBポート2に外部機器10が接続されていると判断された場合(ステップS503:YES)、ネゴシエーション部112が、USB-PD規格の仕様に従い、USBポート2に接続されている外部機器10とネゴシエーションを行うことにより、USBポート2に接続されている外部機器10が5Vの電力(すなわち、USBポート1に接続された外部機器10が要する電圧)を出力可能であるか否かを判断する(ステップS504)。
【0068】
なお、ここでは、ネゴシエーション部112は、USBポート1に接続された外部機器10とのネゴシエーションを行うことなく、USBポート1に接続された外部機器10が要する電圧(5V)として、予めメモリ等に記憶されている、USBポート1に接続された外部機器10を駆動可能な所定の電力を用いている。
【0069】
ステップS504において、USBポート2に接続されている外部機器10が5Vの電力を出力可能ではないと判断された場合(ステップS504:NO)、表示装置100は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0070】
一方、ステップS504において、USBポート2に接続されている外部機器10が5Vの電力を出力可能であると判断された場合(ステップS504:YES)、パススルー制御部114が、表示装置100の消費電力を低減する必要があるか否かを判断する(ステップS505)。
【0071】
ステップS505では、パススルー制御部114は、下記式(1)が成立する場合、表示装置100の消費電力を低減する必要があると判断する。
【0072】
USBポート2に接続されている外部機器10から供給される電力-表示装置100の消費電力<USBポート1に接続された外部機器10が要する電力・・・(1)
【0073】
すなわち、パススルー制御部114は、USBポート2に接続されている外部機器10から供給される電力値から、表示装置100の消費電力を引いた電力値が、USBポート1に接続された外部機器10が要する電力値よりも小さいこと、を条件として、表示装置100の消費電力を低減する。
【0074】
ステップS505において、表示装置100の消費電力を低減する必要があると判断された場合(ステップS505:YES)、パススルー制御部114は、表示装置100を消費電力低減モードに切り替えることにより、表示装置100の消費電力を低減させる(ステップS506)。その後、表示装置100は、ステップS507へ処理を進める。
【0075】
一方、ステップS505において、表示装置100の消費電力を低減する必要がないと判断された場合(ステップS505:NO)、表示装置100は、ステップS507へ処理を進める。
【0076】
ステップS507では、ネゴシエーション部112が、USBポート2に接続されている外部機器10とネゴシエーションを行うことにより、USBポート2に接続されている外部機器10の出力を5Vに変更する(ステップS507)。
【0077】
具体的には、ネゴシエーション部112は、ソース(USBポート2に接続されている外部機器10)が出力可能な複数の電圧値を、シンク(USBポート1に接続されている外部機器10)に通知する。そして、ネゴシエーション部112は、複数の電圧値のうちの、シンクが必要とする電圧値(ここでは、5V)の通知を、シンクから受信する。さらに、ネゴシエーション部112は、シンクが必要とする電圧値(ここでは、5V)をソースが出力するように、ソースに通知する。これにより、ソースは、シンクが必要とする電圧値を有する電力の供給を開始する。
【0078】
そして、パススルー制御部114が、USBポート2からUSBポート1への電源パススルーをONに切り替える(ステップS508)。
【0079】
その結果、USBポート2から入力された5Vの電力の一部が、USBポート1に接続された外部機器10が要する電力として、USBポート1から出力され、USBポート1に接続された外部機器10の電源がONに切り替わる(ステップS509)。
【0080】
例えば、USBポート1に接続された外部機器10が、映像信号変換ケーブル20である場合、映像信号変換ケーブル20は、電源がONに切り替わることにより、スマートフォン等の端末から供給される映像信号の変換、および、変換後の映像信号の表示装置100への送信を、開始することができる。
【0081】
その後、表示装置100は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0082】
(表示装置100によるメッセージおよび輝度設定画面の表示例)
図6および
図9は、一実施形態に係る表示装置100によるメッセージの表示例を示す図である。
図7および
図8は、一実施形態に係る表示装置100による輝度設定画面の表示例を示す図である。
【0083】
既に説明したとおり、一実施形態に係る表示装置100は、第2のUSBポート105Aから出力可能な電力が、第2の外部機器10が要する電力に満たない場合、表示装置100を、通常モードから低輝度モードに切り替えることができる。これにより、一実施形態に係る表示装置100は、表示装置100の消費電力を低減して、第2の外部機器10が要する電力を、第2のUSBポート105Aから出力することができる。
【0084】
この場合、
図6に示すように、表示制御部115が、表示装置100を低輝度モードに切り替えることをユーザに通知するためのメッセージ601を、表示パネル102に表示させることができる。
【0085】
また、
図7および
図8に示すように、表示制御部115は、ユーザによるUI104の操作により、表示パネル102の輝度の設定値をバーグラフにて表示する輝度設定画面701を、表示パネル102に表示させることができる。
【0086】
図7では、表示装置100が通常モードにあるときの輝度設定画面701を示す。また、
図8では、表示装置100が低輝度モードにあるときの輝度設定画面701を示す。
図8に示す輝度設定画面701では、表示パネル102の輝度の上限値が低減されていることが示されている。
【0087】
なお、
図8に示すように、表示パネル102の輝度の上限値が低減されている場合において、ユーザによって表示パネル102の輝度を上限値よりも高めようとする操作が行われた場合、パススルー制御部114は、当該操作を無効化する。
【0088】
また、他の例として、一実施形態に係る表示装置100は、第2のUSBポート105Aから出力可能な電力が、第2の外部機器10が要する電力に満たない場合、表示装置100が備える無線通信機能(例えば、通信I/F103)をオフにすることができる。これにより、一実施形態に係る表示装置100は、表示装置100の消費電力を低減して、第2の外部機器10が要する電力を、第2のUSBポート105Aから出力することができる。
【0089】
この場合、
図9に示すように、表示制御部115が、表示装置100が備える無線通信機能をオフにすることをユーザに通知するためのメッセージ602を、表示パネル102に表示させることができる。
【0090】
(表示パネル102の輝度設定と消費電力との関係)
図10は、一実施形態に係る表示装置100が備える表示パネル102の輝度設定と消費電力との関係を示すグラフである。
【0091】
図10に示すグラフにおいて、縦軸は、表示パネル102の消費電力[W]を示し、横軸は、表示パネル102の輝度設定値を示す。
【0092】
図10に示すように、表示パネル102は、輝度設定値を「0」から「100」の範囲内で設定可能である。
【0093】
そして、表示パネル102は、輝度設定値に比例して、消費電力が増加する。したがって、一実施形態に係る表示装置100は、表示パネル102の輝度設定値の上限値を低減することにより、表示装置100の消費電力を低減できる。
【0094】
例えば、
図10に示す例では、表示パネル102の消費電力は、下記式(2)によって求められる。
【0095】
消費電力[W]=1/2×輝度設定値+5・・・(2)
【0096】
(表示装置100による処理の手順の一例(第2例))
図11は、一実施形態に係る表示装置100による処理の手順の一例(第2例)を示すフローチャートである。
【0097】
図11に示すフローチャートは、ステップS504とステップS505との間に、ステップS521が設けられている点で、
図5に示すフローチャートと異なる。
【0098】
ステップS521では、パススルー制御部114が、表示装置100が備えるバッテリ108のバッテリ残量が所定の閾値未満であるか否かを判断する(ステップS521)。なお、所定の閾値は、少なくとも表示装置100をバッテリ駆動するのに十分なバッテリ残量の値が用いられる。
【0099】
ステップS521において、バッテリ残量が所定の閾値未満であると判断された場合(ステップS521:YES)、表示装置100は、ステップS505へ処理を進める。
【0100】
一方、ステップS521において、バッテリ残量が所定の閾値未満ではないと判断された場合(ステップS521:NO)、表示装置100は、ステップS507へ処理を進める。
【0101】
図11に示すフローチャートによれば、バッテリ108のバッテリ残量が、表示装置100をバッテリ駆動するのに十分である場合(所定の閾値以上の場合)、USBポート1から出力可能な電力が、USBポート1に接続されている外部機器10が要する電力に満たない場合であっても、表示装置100をバッテリ駆動することで、USBポート2から入力された電力を、表示装置100が消費することなく、USBポート1から出力することができ、よって、USBポート1に接続されている外部機器10が要する電力を、USBポート1から出力することができる。したがって、
図11に示すフローチャートによれば、表示装置100の消費電力の低減の頻度を抑制することができ、よって、ユーザビリティの低下を抑制することができる。
【0102】
なお、表示装置100をバッテリ駆動している途中で、バッテリ108のバッテリ残量が、所定の閾値を下回った場合、表示装置100は、バッテリ駆動を終了するとともに、当該表示装置100を消費電力低減モードに切り替えることにより、当該表示装置100の消費電力を低減させるようにしてもよい。これにより、表示装置100は、USBポート1に接続されている外部機器10に対して、継続して電力を供給することができる。
【0103】
(表示装置100による処理の手順の一例(第3例))
図12は、一実施形態に係る表示装置100による処理の手順の一例(第3例)を示すフローチャートである。
【0104】
図12に示すフローチャートは、ステップS509に続けて、ステップS531~S535が設けられている点で、
図5に示すフローチャートと異なる。
【0105】
ステップS531では、パススルー制御部114が、USBポート1に接続された外部機器10に映像出力機能があるか否かを判断する(ステップS531)。
【0106】
ステップS531において、USBポート1に接続された外部機器10に映像出力機能があると判断された場合(ステップS531:YES)、表示装置100は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0107】
一方、ステップS531において、USBポート1に接続された外部機器10に映像出力機能がないと判断された場合(ステップS531:NO)、パススルー制御部114が、表示装置100が消費電力低減モードにあるか否かを判断する(ステップS532)。
【0108】
ステップS532において、表示装置100が消費電力低減モードにないと判断された場合(ステップS532:NO)、表示装置100は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0109】
一方、ステップS532において、表示装置100が消費電力低減モードにあると判断された場合(ステップS532:YES)、パススルー制御部114が、USBポート2からUSBポート1への電源パススルーをOFFに切り替える(ステップS533)。
【0110】
そして、ネゴシエーション部112が、USBポート2に接続されている外部機器10とネゴシエーションを行うことにより、USBポート2に接続されている外部機器10の出力を5Vに変更する前の電圧に変更する(ステップS534)。
【0111】
さらに、パススルー制御部114が、表示装置100を消費電力低減モードから通常モードに切り替える(ステップS535)。その後、表示装置100は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0112】
図12に示すフローチャートによれば、USBポート1に接続された外部機器10が映像出力機能を有しない場合、USBポート1から出力可能な電力が、USBポート1に接続されている外部機器10が要する電力に満たない場合であっても、表示装置100が消費電力低減モードに切り替えず、USBポート1から電力を出力しない。したがって、
図12に示すフローチャートによれば、表示装置100の消費電力の低減の頻度を抑制することができ、よって、ユーザビリティの低下を抑制することができる。
【0113】
また、上記の実施形態によって、さらに、多様な環境で表示装置100に端末と映像信号変換ケーブルとを使用して画面表示を行うことが可能となる。例えば、表示装置100を持ったユーザの場所の移動や、画面表示させたい端末(ノートパソコン、スマートフォンやタブレット等)の変更、接続して用いる映像信号変換ケーブルやACアダプタの変更など、環境が随時変化するシーンで、表示装置100を用いたい場合がある。このような場合でもより多くの場面で端末装置の画面を表示することが可能な、表示装置100を提供することができる。
【0114】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0115】
例えば、「接続手段」は、少なくとも電源パススルーが可能であれば、USBポートに限らない。
【0116】
また、例えば、「表示装置の消費電力を低減させる」方法は、少なくとも表示装置の消費電力を低減させることが可能であれば、表示パネルの輝度の上限値を低下させる方法、および、表示装置が備える無線通信機能をオフにする方法に限らない。
【符号の説明】
【0117】
10 外部機器
11 ACアダプタ(電力供給元の第1の外部機器)
12 スマートフォン
20 映像信号変換ケーブル(電力供給先の第2の外部機器)
21 HDMI I/F
22 信号変換部
23 USB I/F
24 電源部
100 表示装置
101 制御部
102 表示パネル
103 通信I/F
104 UI
105 USB I/F
105A USBポート(接続手段)
105A1 第1のUSBポート
105A2 第2のUSBポート
107 電源部
108 バッテリ
111 接続検知部
112 ネゴシエーション部
113 電力出力部
114 パススルー制御部
115 表示制御部
601,602 メッセージ
701 輝度設定画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】