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特開2024-31062医療用の手技シミュレーター及び手技訓練方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031062
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】医療用の手技シミュレーター及び手技訓練方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 9/00 20060101AFI20240229BHJP
   G09B 23/30 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G09B9/00 Z
G09B23/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134363
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】東嶋 宏泰
(72)【発明者】
【氏名】村上 壮一
(72)【発明者】
【氏名】倉島 庸
(72)【発明者】
【氏名】野路 武寛
【テーマコード(参考)】
2C032
【Fターム(参考)】
2C032CA03
2C032CA06
(57)【要約】
【課題】腹腔内の複数の臓器に関与する手技の訓練に適している。
【解決手段】 医療用の手技シミュレーター1は、肝臓、脾臓、胃、小腸及び大腸にそれぞれ対応する臓器モデルである肝臓モデル110、脾臓モデル120、胃モデル130、小腸モデル140及び大腸モデル150を有している。これらのモデルは容器200に収容されている。容器200は、側壁が透明又は半透明であり、前方に向かって開口した開口部210を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肝臓、脾臓、小腸及び大腸にそれぞれ対応する臓器モデルである肝臓モデル、脾臓モデル、小腸モデル及び大腸モデルと、
少なくとも側壁の一部が透明又は半透明であり、前方に向かって開口した開口部を有し、前記臓器モデルを収容する容器とを備えていることを特徴とする医療用の手技シミュレーター。
【請求項2】
少なくともいずれか1つの前記臓器モデルに弾性材料が用いられていることを特徴とする請求項1に記載の手技シミュレーター。
【請求項3】
少なくともいずれか1つの前記臓器モデルが部分的に前記容器に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の手技シミュレーター。
【請求項4】
少なくともいずれか1つの前記臓器モデルにおいて前記容器に固定された領域が、実際の人体において腹腔内の他の器官に固定された部位に対応する第1領域と、実際の人体において腹腔内の他の器官に固定されていない部位に対応する第2領域とを含んでいることを特徴とする請求項3に記載の手技シミュレーター。
【請求項5】
胃に対応する前記臓器モデルである胃モデルを備えており、
前記胃モデルの背面に対応する領域が前記第2領域に含まれており、
前記胃モデルと隣接した前記脾臓モデルが前記胃モデルによって支持されていることを特徴とする請求項4に記載の手技シミュレーター。
【請求項6】
間膜が再現された間膜モデルが配置されており、
前記間膜モデルを取り外し可能に前記臓器モデルに固定する固定部材によって前記間膜モデルが前記臓器モデルに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の手技シミュレーター。
【請求項7】
前記開口部を部分的に覆う皮膚モデルが、取り外し可能に前記容器に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の手技シミュレーター。
【請求項8】
請求項7に記載の手技シミュレーターに対して、前記開口部の開口領域における前記皮膚モデルに覆われていない部分を通じて模擬的に手技を施す手技工程と、
前記容器の側壁を通じて前記手技の状況及びその結果の少なくともいずれかを観察する観察工程とを備えていることを特徴とする医療用の手技訓練方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の手技シミュレーターに対してガーゼパッキングを模擬的に施すことを特徴とする医療用の手技訓練方法。
【請求項10】
前記ガーゼパッキングが施された手技シミュレーターにおいて、前記開口部を通じて前方から内部のガーゼが視覚により認識可能であると共に、前記容器の側壁を通じて側方から内部のガーゼが視覚により認識可能であることを特徴とする請求項9に記載の手技訓練方法。
【請求項11】
請求項6に記載の手技シミュレーターに対してPringle法を模擬的に施す手技工程を含んでおり、
前記手技シミュレーターが肝臓への流入血管が再現された血管モデルを含んでおり、
前記間膜モデルが前記固定部材により前記血管モデルに固定されており、
前記手技工程において、前記間膜モデルに貫通孔を形成することを特徴とする医療用の手技訓練方法。
【請求項12】
前記手技工程において、前記開口領域を通じて臓器保護シートの留置を模擬的に施すことを特徴とする請求項8に記載の手技訓練方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の手技シミュレーター及び手技訓練方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外科的処置の訓練を目的とした医療用の手技シミュレーターが開発されている。特許文献1のシミュレーターはその1つであり、結腸に対する腹腔鏡下手技の訓練を想定した臓器モデルを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-120760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1を含む従来のシミュレーターは臓器モデルを目的に応じて限定的に備えている。このため、従来のシミュレーターは、例えば、外傷手術の訓練等、腹腔内の複数の臓器に関与する手技を伴う処置の訓練には適していない。
【0005】
本発明の目的は、腹腔内の複数の臓器に関与する手技の訓練に適した医療用の手技シミュレーター及びこれを用いた医療用の手技訓練方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の医療用の手技シミュレーターは、肝臓、脾臓、小腸及び大腸にそれぞれ対応する臓器モデルである肝臓モデル、脾臓モデル、小腸モデル及び大腸モデルと、少なくとも側壁の一部が透明又は半透明であり、前方に向かって開口した開口部を有し、前記臓器モデルを収容する容器とを備えている。
【0007】
肝臓、脾臓、小腸及び大腸という腹腔内の主な臓器に跨って臓器モデルを備えている。このため、本発明は、腹腔内の複数の臓器に関与するさまざまな手技の訓練に適している。また、臓器モデルを収容する容器の側壁の少なくとも一部が透明または半透明である。このため、容器の側壁を通じて訓練の結果を外部から確認しやすい。したがって、手技の評価にも適したシミュレーターが実現する。
【0008】
また、本発明においては、少なくともいずれか1つの前記臓器モデルに弾性材料が用いられていることが好ましい。これによると、弾性材料が用いられていることから、実際の臓器における柔軟な触感が再現されやすい。
【0009】
また、本発明においては、少なくともいずれか1つの前記臓器モデルが部分的に前記容器に固定されていることが好ましい。これによると、部分的な固定に留められていることで、実際の人体内における臓器の可動性が再現されやすい。
【0010】
また、本発明においては、少なくともいずれか1つの前記臓器モデルにおいて前記容器に固定された領域が、実際の人体において腹腔内の他の器官に固定された部位に対応する第1領域と、実際の人体において腹腔内の他の器官に固定されていない部位に対応する第2領域とを含んでいることが好ましい。これによると、第1領域における固定により人体内の状況が再現されやすくなっていると共に、第2領域における固定により製造上の事情や訓練上の使い勝手等を考慮した固定がなされやすい。
【0011】
また、本発明においては、胃に対応する前記臓器モデルである胃モデルを備えており、前記胃モデルの背面に対応する領域が前記第2領域に含まれており、前記胃モデルと隣接した前記脾臓モデルが前記胃モデルによって支持されていることが好ましい。これによると、実際の人体において固定されていない部位である胃モデルの背面が容器に固定されている。したがって、胃モデルの可動性が制限されることで、胃モデルと隣接した脾臓モデルが胃モデルによって適切に支持され、もって、脾臓モデルが定位置に維持される。また、胃モデルが無駄に移動することが防止されるので、胃モデルが関与しない訓練に本シミュレーターを用いるに当たって胃モデルが訓練の円滑な実施を阻害しにくくなり、使い勝手が向上する。
【0012】
また、本発明においては、間膜が再現された間膜モデルが配置されており、前記間膜モデルを取り外し可能に前記臓器モデルに固定する固定部材によって前記間膜モデルが前記臓器モデルに固定されていることが好ましい。これによると、訓練において、間膜モデルに対して不可逆的な処理を施す場合等、間膜モデルを交換する必要性が生じる場合がある。このような場合に、間膜モデルが固定部材によって取り外し可能であるので、間膜モデルを交換しやすい。
【0013】
また、本発明においては、前記開口部を部分的に覆う皮膚モデルが、取り外し可能に前記容器に取り付けられていることが好ましい。これによると、皮膚モデルを容器から取り外してシミュレーターの内部を観察したりメンテナンスしたりしやすい。
【0014】
本発明の医療用の手技訓練方法は、前記手技シミュレーターに対して、前記開口部の開口領域における前記皮膚モデルに覆われていない部分を通じて模擬的に手技を施す手技工程と、前記容器の側壁を通じて前記手技の状況及びその結果の少なくともいずれかを観察する観察工程とを備えている。これによると、手技工程においては実臨床に即して、皮膚モデルが開口領域を制限した開口部を通じて訓練を行い、観察工程においては容器の側壁を通じて訓練の状況及びその結果を観察しやすい。
【0015】
本発明の医療用の手技訓練方法は、ガーゼパッキングを模擬的に施す。これによると、パッキングの訓練を適切に行える。
【0016】
また、本発明においては、前記ガーゼパッキングが施された手技シミュレーターにおいて、前記開口部を通じて前方から内部のガーゼが視覚により認識可能であると共に、前記容器の側壁を通じて側方から内部のガーゼが視覚により認識可能であることが好ましい。これによると、前方と側方の両方からシミュレーターの内部を観察することで訓練の結果を適切に評価可能である。
【0017】
本発明の医療用の手技訓練方法は、手技シミュレーターに対してPringle法を模擬的に施す手技工程を含んでおり、前記手技シミュレーターが肝臓への流入血管が再現された血管モデルを含んでおり、前記間膜モデルが前記固定部材により前記血管モデルに固定されており、前記手技工程において、前記間膜モデルに貫通孔を形成する。これによると、間膜モデルが取り外し可能であるので、訓練によって貫通孔が形成された間膜モデルを訓練後に交換してシミュレーターを次の訓練に用いることができる。
【0018】
また、本発明においては、前記開口領域を通じて臓器保護シートの留置を模擬的に施すことが好ましい。これによると、臓器保護シートの留置による一時的閉腹法の訓練を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る医療用の手技シミュレーターを前方から見た図である。
図2図1の手技シミュレーターから、骨格モデル及び腹腔モデル以外のモデルを取り外した図である。
図3図1における肝臓モデル及び小網モデル付近を拡大した図である。
図4図1の手技シミュレーターに腹腔5点パッキングを施した図である。
図5】(a)図4を下方から見た図である。(b)図4を上方から見た図である。
図6図1の手技シミュレーターに肝周囲パッキングを施した図である。
図7図1の手技シミュレーターにPringle法を施した図である。
図8図1の手技シミュレーターに一時的閉腹法を施した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係る医療用の手技シミュレーター1について、図面を参照しつつ説明する。手技シミュレーター1は、人体の腹腔内の各臓器を模したモデル体100及び腹腔全体を模した部分を含む容器200を有している。手技シミュレーター1は、主に外傷手術の訓練のために使用される。手技シミュレーター1は、図1に示すように、解剖学的正位に基づいて、上及び下、左及び右、前及び後(又は、背)とする。
【0021】
モデル体100は、図1図2及び図7に示すように、肝臓モデル110、脾臓モデル120、胃モデル130、小腸モデル140、大腸モデル150(以上、それぞれ、本発明でいう臓器モデル)、小網モデル160、肝鎌状間膜モデル170、骨格モデル180、皮膚モデル190等のモデルを有している。モデル体100は、手技の訓練予定の成人、小児、幼児又は乳児の大きさで適宜作製されている。また、モデル体100は、必要に応じて女性又は男性の特徴を有したモデルとしてもよい。
【0022】
肝臓モデル110はウレタン樹脂で形成されている。肝臓モデル110に使用されている材料は、実際の肝臓の柔軟な触感を再現できるその他の弾性材料であってもよい。肝臓モデル110は、シリコン樹脂等で作製された型にウレタン樹脂を流し込み、ウレタン樹脂を硬化させることで成形されている。肝臓モデル110は、ウレタン樹脂に着色剤を混合するか、ウレタン樹脂の表面に着色するかして、実際の肝臓同様の色に着色されている。肝臓モデル110の外表面には、透明シリコン等が塗布されて、肝被膜が形成されている。肝臓モデル110は実際の肝臓の触感に近いため、肝用手圧迫の手技の訓練に適している。
【0023】
脾臓モデル120はウレタン樹脂で形成されている。脾臓モデル120に使用されている材料は、実際の脾臓の柔軟な触感を再現できるその他の弾性材料であってもよい。脾臓モデル120は、シリコン樹脂等で作製された型にウレタン樹脂を流し込み、ウレタン樹脂を硬化させることで成形されている。ウレタン樹脂に着色剤を混合するか、硬化したウレタン樹脂の表面に着色するかして、実際の脾臓同様の色に着色されている。
【0024】
胃モデル130、小腸モデル140及び大腸モデル150は、それぞれウレタン樹脂で形成されている。各モデルに用いられる材料は、実際の各臓器の柔軟な触感を再現できるその他の弾性材料であってもよい。各モデルに用いられる材料は同じであってもよいし異なっていてもよい。各モデルは、紙粘土等で作製された型にウレタン樹脂を流し込み、ウレタン樹脂を硬化させることで成形されている。各モデルは、ウレタン樹脂に着色剤を混合するか、硬化したウレタン樹脂の表面に着色するかして、実際の各臓器同様の色に着色されている。
【0025】
小網モデル160は、肌色に着色された透明シリコン樹脂のシートで形成されている。小網モデル160は透明な柔軟性のあるものであれば、その他の材料のシートで形成されていてもよい。小網モデル160の内側には血管モデル161が設置されている。血管モデル161は、小網モデル160における肝十二指腸間膜部位の門脈等を模したものである。血管モデル161は管状や棒状の部材から構成されている。例えば、ストロー等の管状部材とその中に挿入された竹串等の棒状部材とから構成されてもよい。小網モデル160は血管モデル161を覆っている。
【0026】
肝鎌状間膜モデル170は、橙色に着色された透明シリコン樹脂のシートで形成されている。肝鎌状間膜モデル170は、透明な柔軟性のあるものであれば、その他の材料のシートで形成されていてもよい。なお、本発明でいう間膜モデルは、小網モデル160及び肝鎌状間膜モデル170に相当する。
【0027】
骨格モデル180は、図2に示すように、肋骨モデル181、骨盤モデル182及び脊椎モデル183を有している。骨格モデル180は、それぞれ紙粘土が成形されることで作製されている。
【0028】
皮膚モデル190は、肌色に着色された透明シリコン樹脂のシートで形成されている。図7に示すように、皮膚モデル190は上下方向に長尺な楕円形の開口195を有している。皮膚モデル190は、後述の開口部210の開口領域を跨ぎ、且つ開口195が開口部210の開口領域と重なるように容器200に掛けられている。訓練者は、開口195から手を容器200内に差し入れることができる。開口195の大きさは訓練する手技によって適宜調整される。皮膚モデル190は容器200に対して着脱可能である。
【0029】
容器200は、図1及び図2に示すように開口部210を有した直方体の箱状の容器である。開口部210には、前方に向かって開口した開口領域が形成されている。容器200内は、開口部210の開口領域を通じて外部から観察可能である。容器200は、上壁201、左壁202、右壁203、下壁204及び背壁205を有しており、各壁は透明である。各壁の透明度は、手技の訓練の様子及び結果が外部から確認できる程度であればいずれでもよく、例えば半透明程度であってもよい。容器200の大きさはモデル体100が入る程度の大きさである。容器200は、一例として、成人の人体用に上下方向の大きさが53cm、左右方向の大きさが39cm、前後方向の大きさが24.3cmであってもよい。容器200に皮膚モデル190が取り付けられている際には、開口部210の開口領域の一部が皮膚モデル190の開口195を通じて外部に開放され、残りの部分が皮膚モデル190によって覆われる。これにより、開口領域の一部が制限される。
【0030】
容器200は内側に腹腔モデル300を有している。腹腔モデル300は腹腔の表面形状を再現した型を用いて、容器200内に開口部210まで透明シリコン樹脂を注入し、透明シリコン樹脂を硬化させることで成形された窪みである。これにより、例えば、右傍結腸溝、左傍結腸溝、骨盤腔等が腹腔モデル300に再現される。図2に示すように、腹腔モデル300は、透明シリコン樹脂が硬化する前に、骨格モデル180が埋め込まれて形成されている。骨格モデル180は、実際の人体に対応する位置となるよう配置されている。
【0031】
容器200は、図5(b)に示すように、上壁201及び下壁204にそれぞれ把持部220を有している。把持部220はコの字型であり、それぞれを左右の手で掴むことで、容器200を持ち運ぶことができる。
【0032】
容器200内には、出血を模擬的に再現するカテーテルチューブあるいは類似したチューブ類(図示なし)が骨盤モデル182から腹腔モデル300の背側まで通っていてもよい。このカテーテルチューブの一端を腹腔モデル300に、その他端を外部に配置させて、他端からカテーテルチューブ内に赤い液体を流すと腹腔モデル300内の各臓器モデルからの出血を表現できる。カテーテルチューブの腹腔モデル300内の先端の位置を変えることにより、各臓器モデルの様々な部位からの出血モデルを形成することができる。
【0033】
肝臓モデル110、脾臓モデル120、胃モデル130、小腸モデル140、大腸モデル150、小網モデル160、肝鎌状間膜モデル170及び皮膚モデル190は、容器200に以下のように固定されている。
【0034】
肝臓モデル110は、透明シリコンを介して腹腔モデル300に固定されている。透明シリコンは、実際の肝臓において横隔膜の腰椎部の結合組織、下大静脈靭帯、肝冠状間膜及び肝三角間膜(本発明でいう他の器官)、並びに肝鎌状間膜によって固定されている状態が再現されるように、肝臓モデル110の背面や上面における特定の部位(本発明でいう第1領域)に塗布されている。これにより、肝臓モデル110が、腹腔5点パッキングや肝周囲パッキングが通常行われる状況に近い可動性に調整されている。
【0035】
脾臓モデル120は、透明シリコンを介して胃モデル130に固定されている。実際の脾臓は胃脾間膜、脾結腸間膜、膵脾間膜及び横隔脾ヒダによって左横隔膜下に配置されている。これに対し、脾臓モデル120は、腹腔5点パッキングが通常行われる状況となるべく近い状況が再現されるように、脾臓モデル120と胃モデル130の間の透明シリコンを介して、胃モデル130と固定されている。
【0036】
胃モデル130は、透明シリコンを介して腹腔モデル300に固定されている。透明シリコンは、胃モデル130の背面における特定の部位(本発明でいう第2領域)に塗布されている。実際の胃は後腹膜によって固定されている臓器ではない。これに対し、本実施形態では、胃モデル130が直接関与しない肝外傷手術シミュレーションの訓練の実施に当たって胃モデル130が円滑な訓練を阻害しにくいように上記の通り固定されている。また、このように胃モデル130が固定されていることにより、胃モデル130と固定された脾臓モデル120が胃モデル130によって支持されている。
【0037】
小腸モデル140は、透明シリコンを介して腹腔モデル300に固定されている。透明シリコンは、小腸モデル140の背面における特定の部位(本発明でいう第1領域)に塗布されている。この部位は、小腸モデル140における十二指腸に対応する部位である。これにより、実際の小腸の十二指腸が後腹膜(本発明でいう他の器官)によって背側の腹壁に固定されている状況が再現されている。
【0038】
大腸モデル150は、透明シリコンを介して腹腔モデル300に固定されている。透明シリコンは、大腸モデル150の背面における特定の部位に塗布されている。この部位の一部(本発明でいう第1領域)は、大腸モデル150における上行結腸及び下行結腸に対応する部位である。これにより、実際の大腸の上行結腸及び下行結腸の各部位が後腹膜(本発明でいう他の器官)によって背側の腹壁に固定されている状況が再現されている。また、上記特定の部位のうちの他の一部(本発明でいう第2領域)はS状結腸に対応する部位である。この部分は、円滑な訓練を阻害しにくいようにするために腹腔モデル300に固定されている。
【0039】
血管モデル161は肝臓モデル110に固定されている。これにより、血管モデル161が肝臓モデル110への流入血管であることが再現されている。
【0040】
小網モデル160は、クリップ(本発明でいう固定部材、図示なし)によって血管モデル161に固定されている。これにより、小網モデル160が血管モデル161から取り外して交換可能となっている。
【0041】
肝鎌状間膜モデル170は、図4及び図7に示すように、2本の金属製等のワイヤー175a及び175b(本発明でいう固定部材)を介して肝臓モデル110及び皮膚モデル190に固定されている。具体的には、ワイヤー175a及び175bのそれぞれの一端部が肝鎌状間膜モデル170に取り付けられている。ワイヤー175aの他端部は折れ曲がっており、皮膚モデル190に引っ掛けられている。ワイヤー175bの他端部は折れ曲がっており、肝臓モデル110に引っ掛けられている。このようにして、肝鎌状間膜モデル170は、皮膚モデル190及び肝臓モデル110の間に垂れ幕状に固定されている。肝鎌状間膜モデル170は、ワイヤー175a及び175bを肝臓モデル110及び皮膚モデル190から取り外すことで交換可能となっている。
【0042】
皮膚モデル190は、クリップ(図示なし)で開口部210に取り外し可能に固定されている。
【0043】
以下、手技シミュレーター1を外傷手術の訓練に使用した場合における使用方法の一例について説明する。本使用例において、手技シミュレーター1を用いて模擬的に行われる手技は、腹腔5点パッキング、肝用手圧迫、肝周囲パッキング、Pringle法及び一時的閉腹法である。これらのいずれにおいても、訓練者が手技シミュレーター1に対して各種の手技を模擬的に施す手技工程と、手技工程中又は工程後に評価者が訓練の状況及びその結果を観察する観察工程とが実施される。手技工程においては、皮膚モデル190の開口195を通じて、つまり、開口部210の開口領域における皮膚モデル190に覆われていない部分を通じて訓練者が容器200内に手を差し入れ、モデル体100に対して模擬的な手技を行う。観察工程においては、透明の上壁201、左壁202、右壁203、下壁204、背壁205を通じて外側から訓練の状況及びその結果を観察する。また、必要に応じ、皮膚モデル190と容器200のクリップによる固定を外して開口部210を開放させる。そして、開口部210から訓練の状況又はその結果を観察する。これによると、手技の訓練を行うのみならず、透明の各壁を通じ、また、必要に応じて皮膚モデル190が取り外されて開放された開口部210を通じて訓練中の状況及びその結果を一目瞭然に評価できる。
【0044】
手技シミュレーター1は、各手技の訓練にて以下のように使用される。
【0045】
(腹腔5点パッキング:図4
腹腔5点パッキングは、左右横隔膜下、左右傍結腸溝及び骨盤腔の5点にガーゼを留置する手技である。この手技は、外傷による腹腔内出血検索を目的とすると共に、一時的な止血及び状態の安定化を図るために行われる。
【0046】
手技工程においては、まず、腹腔モデル300に留置したカテーテルチューブから模擬的に出血させた状態を形成する。次に、訓練者が模擬的に、皮膚モデル190の開口195を通じて、容器200内の右上方の右横隔膜下に対応する位置にガーゼ400を留置する。次に、容器200内の左上方の左横隔膜下に対応する位置にガーゼ400を留置する。このとき、図5(b)に示すように、肝臓モデル及び脾臓モデルの背側までガーゼ400を留置する。次に、腹腔モデル300の上下方向の中間程度の位置である右傍結腸溝に対応する位置にガーゼ400を留置する。次に、腹腔モデル300の上下方向の中間程度の位置である左傍結腸溝に対応する位置にガーゼ400を留置する。手技シミュレーター1では、上記の通り、大腸モデル150と腹腔モデル300の固定により、実際の結腸と後腹膜との癒合部が再現されている。このため、右傍結腸溝及び左傍結腸溝にガーゼを留置する訓練を実臨床と同様に行うことができる。次に、図5(b)に示すように、下方の骨盤腔にガーゼ400を留置する。
【0047】
観察工程においては、評価者が訓練の状況及びその結果を観察し、ガーゼ400の留置が適切な箇所になされているかを評価する。なお、観察工程においてガーゼ400の留置の状況が評価された後に、訓練者に、ガーゼ400の着色の有無を確認することで出血点を検索させながら、手技シミュレーター1からガーゼ400を除去させてもよい。
【0048】
(肝用手圧迫)
肝用手圧迫は、肝損傷による出血に対して用手的に肝臓を圧迫する手技である。これにより一時的な止血が行われた後で、他の出血検索や必要な処置が行われる。
【0049】
手技工程において、訓練者は、皮膚モデル190の開口195から手を挿入して、肝臓モデル110を手で圧迫する。肝臓モデル110は実際の肝臓の硬さに近い素材としてウレタン樹脂で形成され、肝被膜を透明シリコンで再現している。このため、実臨床と同様に訓練を行うことができる。
【0050】
(肝周囲パッキング:図6
肝周囲パッキングは、肝臓の周囲にガーゼを留置して、肝用手圧迫と同様に肝外傷出血の止血を試みる手技である。
【0051】
手技工程において、訓練者は、皮膚モデル190の開口195から手を挿入して、肝臓モデル110の深部を含む肝臓モデル110の周囲にガーゼ400を留置する。その際に、肝損傷部位を適切に圧迫する方向に沿ったベクトルの圧迫力がかかるように、手技シミュレーター1にガーゼ400を挿入する。手技シミュレーター1では、肝損傷部位に応じて、損傷が広がる方向に対して垂直方向のベクトルの圧迫力が適切に掛かるようにガーゼ400を留置する訓練を実臨床と同様に行うことができる。
【0052】
観察工程においては、腹腔5点パッキングと同様に、評価者が訓練の状況及びその結果を観察し、ガーゼ400の留置が適切な箇所になされているかを評価する。
【0053】
(Pringle法:図7
Pringle法は、肝損傷による止血が十分でない状況で、肝十二指腸間膜をクランプする、つまり肝動脈および門脈系の血流を一時的に遮断することにより肝損傷部位の止血を行う手技である。
【0054】
手技工程においては、訓練者が、皮膚モデル190の開口195を通じて、小網モデル160における肝十二指腸間膜に対応する部位の背側に位置する血管モデル161を肝十二指腸間膜に対応する部位と共に触知する。次に、訓練者が血管モデル161を触知し位置を確認したまま、血管モデル161付近の小網モデル160を剪刃で穿通させ、小網モデル160に貫通孔を開ける。次に、図7に示すように、訓練者が鉗子450を貫通孔に通し、鉗子450で血管モデル161を挟んで、模擬的に止血を行う。手技シミュレーター1では、肝十二指腸間膜及びその周囲の膜構造を再現することで実臨床と同様に訓練を行うことができる。
【0055】
観察工程においては、評価者が訓練の状況及びその結果を観察し、どのように肝臓への流入血管(血管モデル161)を適切に遮断できているかを評価する。
【0056】
(一時的閉腹法:図8
一時的閉腹法は、臓器保護シートを用いつつ一時的に腹部を閉じる手技である。これにより、止血及び汚染回避のための必要最低限の手術をすみやかに終了し、次の集中治療へ移行することができる。
【0057】
手技工程においては、訓練者が、皮膚モデル190の開口195に、開口195より大きい臓器保護シート500を被せる。臓器保護シート500には、Vacuum Assisted Closureの実臨床で使用されるポリウレタン製の臓器保護シートが用いられてもよいし、そのほかの代替物が用いられてもよい。次に、訓練者が、開口195よりやや大きい大きさに臓器保護シート500を剪刃で切断する。次に、訓練者が、手で臓器保護シート500を開口195から腹腔モデル300へと手で押し込む。その際に、肝鎌状間膜モデル170が手技を遮る場合は、剪刃で肝鎌状間膜モデル170を切離する。手技シミュレーター1では、小腸モデル140及び大腸モデル150があることから、訓練者は腸管保護を意識した訓練を行うことができる。
【0058】
観察工程においては、評価者が訓練の状況及びその結果を観察し、臓器保護シート500が臓器全体を覆うように留置できているかどうかを評価する。
【0059】
以上のような医療用の手技シミュレーター1によると、肝臓、脾臓、胃、小腸及び大腸という腹腔内の主な臓器の各臓器モデルを備えている。このため、手技シミュレーター1は、腹腔内の複数の臓器に関与するさまざまな手技の訓練に適している。また、各臓器モデルを収容する容器200の上壁201、左壁202、右壁203、下壁204及び背壁205が透明である。このため、容器200の各側壁を通じて訓練の結果を外部から確認しやすい。したがって、手技の評価にも適したシミュレーターが実現する。
【0060】
また、臓器モデルにウレタン樹脂等の弾性材料が用いられていることから、実際の臓器における柔軟な触感が再現されやすい。
【0061】
また、肝臓モデル110、脾臓モデル120、胃モデル130、小腸モデル140及び大腸モデル150の背面が部分的に腹腔モデル300に固定されている。部分的な固定に留められていることで、実際の人体内における臓器の可動性が再現されやすい。
【0062】
また、肝臓モデル110、小腸モデル140及び大腸モデル150(上行結腸及び下行結腸の部位)の背面において、透明シリコンによって腹腔モデル300に固定された領域が、実際の人体において後腹膜等の他の器官に固定された部位に対応する領域である。これによると、固定により人体内の状況が再現されやすくなっている。
【0063】
一方、脾臓モデル120、胃モデル130及び大腸モデル150(S状結腸の部位)の背面において、透明シリコンによって腹腔モデル300に固定された領域が、実際の人体において後腹膜等の他の器官に固定されていない部位に対応する領域である。これによると、実際の人体において固定されていない部位である胃モデル130等の背面が腹腔モデル300に固定されている。このような固定により製造上の事情や訓練上の使い勝手等を考慮した固定がなされやすい。また、胃モデル130と隣接した脾臓モデル120が胃モデル130によって支持されている。胃モデル130の可動性が制限されることで、胃モデル130と隣接した脾臓モデル120が胃モデル130によって適切に支持され、もって、脾臓モデル120が定位置に維持される。また、胃モデル130が無駄に移動することが防止されるので、胃モデル130が関与しない訓練に手技シミュレーター1を用いるに当たって胃モデル130が訓練の円滑な実施を阻害しにくくなり、使い勝手が向上する。
【0064】
また、肝臓モデル110、胃モデル130及び小腸モデル140の間に、間膜が再現された小網モデル160がクリップによって固定されて取り外し可能に配置されている。肝臓モデル110及び皮膚モデル190の間に、間膜が再現された肝鎌状間膜モデル170がワイヤー175a及び175bに固定されて取り外し可能に配置されている。これらによると、訓練において、小網モデル160及び肝鎌状間膜モデル170に対して不可逆的な処理を施す場合等、各間膜モデルを交換する必要性が生じる場合がある。このような場合に、各間膜モデルがクリップ、ワイヤー等の固定部材によって取り外し可能であるので、各間膜モデルを交換しやすい。
【0065】
また、開口部210を部分的に覆う皮膚モデル190が、取り外し可能に容器200に取り付けられているため、皮膚モデル190を容器200から取り外して手技シミュレーター1の内部を観察したりメンテナンスしたりしやすい。
【0066】
また、手技シミュレーター1を使用した訓練に当たって、手技工程においては実臨床に即して、皮膚モデル190が開口領域を制限した開口部210を通じて訓練を行い、観察工程においては皮膚モデル190が容器200から取り外されて大きく開放された開口部210及び容器200の各側壁を通じて訓練の結果を観察しやすい。
【0067】
また、手技シミュレーター1を使用した訓練に当たって、腹腔5点パッキングや肝周囲パッキングの際に、図4図6に示すようにガーゼ400によるパッキングを模擬的に施す。これによると、パッキングの訓練を適切に行える。また、パッキングが施された手技シミュレーター1において、開口部210を通じて前方から内部のガーゼ400が人の視覚により認識可能であると共に、容器200の各側壁を通じて側方から内部のガーゼ400が人の視覚により認識可能であるため、前方と側方の両方から手技シミュレーター1の内部を観察することで訓練の結果を適切に評価可能である。
【0068】
また、手技シミュレーター1を使用した訓練に当たって、Pringle法を行った際に、小網モデル160が取り外し可能であるので、訓練によって貫通孔が形成された小網モデル160を訓練後に交換して手技シミュレーター1を次の訓練に用いることができる。
【0069】
また、手技シミュレーター1を使用した訓練に当たって、臓器保護シート500の留置による一時的閉腹法の訓練を適切に行うことができる。
【0070】
<その他の変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0071】
上述の実施形態は、人体の手技シミュレーター及び手技訓練方法に関するものである。しかし、他の動物に対する手技シミュレーター及び手技訓練方法であってもよい。
【0072】
上述の実施形態では、各モデルは実際の人体を模して作製されている。しかし、訓練する手技に直接的な関わりの少ないモデルについては、実物に近接させる必要性が小さい。例えば、そのようなモデルが球状や楕円形状、箱状等の簡易な構造を有する物体であってもよい。例えば、肝外傷手術手技の訓練で使用される手技シミュレーターとしては、胃モデル130が簡易な構造の物体であってもよい。あるいは、訓練する手技に直接的な関わりの少ない上記のようなモデルについては手技シミュレーターに設置されていなくてもよい。
【0073】
上述の実施形態では、皮膚モデル190は開口195を有している。しかし、皮膚モデルは開閉可能な開口部を有していてもよい。また、皮膚モデルが開口を有していなくともよく、訓練者が手技の訓練の中で適宜開口を形成してもよい。
【0074】
上述の実施形態では、手技シミュレーター1は肝臓モデル110、脾臓モデル120、胃モデル130、小腸モデル140、大腸モデル150、小網モデル160、肝鎌状間膜モデル170及び皮膚モデル190を有している。しかし、手技シミュレーターは実施予定の手技訓練に必要な器官のモデルのみを有していてもよい。例えば、間膜モデルとして、小網モデル160及び肝鎌状間膜モデル170のどちらか一方のみが設置されていてもよいし、間膜モデルが設置されていなくともよい。また、他の間膜モデルが設置されていてもよい。
【0075】
上述の実施形態では、肝臓モデル110、脾臓モデル120、胃モデル130、小腸モデル140、大腸モデル150、小網モデル160、肝鎌状間膜モデル170及び皮膚モデル190は人体において対応する器官同様の色に着色されているが、着色されていなくともよい。また、必要に応じて、色を変更してもよい。
【0076】
上述の実施形態では、容器200の各側壁はすべて透明であるが、一部の側壁のみが透明であってもよいし、側壁の一部分のみが透明であってもよい。
【0077】
上述の実施形態では、肝臓モデル110、脾臓モデル120、胃モデル130、小腸モデル140及び大腸モデル150のうちの2つが互いに固定されたり、腹腔モデル300や皮膚モデル190と固定されている。しかし、訓練予定の手技によって、固定を外したり、別の箇所を固定してもよい。
【0078】
肝臓モデル110、脾臓モデル120、胃モデル130、小腸モデル140、大腸モデル150の固定には透明シリコンを使用している。しかし、両面テープ、面ファスナー、接着剤等であってもよい。
【0079】
上述の実施形態では、容器200は把持部220を有しているがなくともよい。
【符号の説明】
【0080】
1 手技シミュレーター
110 モデル体
110 肝臓モデル
120 脾臓モデル
130 胃モデル
140 小腸モデル
150 大腸モデル
160 小網モデル
161 血管モデル
170 肝鎌状間膜モデル
175a及び175b ワイヤー
190 皮膚モデル
195 開口
200 容器
201 上壁
202 左壁
203 右壁
204 下壁
205 背壁
210 開口部
300 腹腔モデル
400 ガーゼ
500 臓器保護シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8