(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031265
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像形成装置、媒体管理システム、媒体提供システムおよび画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20240229BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H04N1/387 110
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134715
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南原 康亮
(72)【発明者】
【氏名】橋本 歩
(72)【発明者】
【氏名】小山 忠明
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 隼人
【テーマコード(参考)】
5C062
5C076
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC24
5C062AC34
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C076AA12
5C076AA14
5C076AA26
5C076BA06
(57)【要約】
【課題】特別な検出装置を使うことなく容易に真贋判定を可能とする。
【解決手段】不可視光で読み取り可能な潜像を生成する潜像生成部と、可視光で読み取り可能な潜像マスク画像を、印刷媒体にかかる視認可能な関連情報に応じて生成する潜像マスク生成部と、前記潜像マスク画像に対して前記潜像を埋め込んで前記印刷媒体に対する印刷画像を生成する画像生成部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不可視光で読み取り可能な潜像を生成する潜像生成部と、
可視光で読み取り可能な潜像マスク画像を、印刷媒体にかかる視認可能な関連情報に応じて生成する潜像マスク生成部と、
前記潜像マスク画像に対して前記潜像を埋め込んで前記印刷媒体に対する印刷画像を生成する画像生成部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記潜像マスク生成部は、前記関連情報として前記印刷媒体に表示される情報を適用して、前記潜像マスク画像を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記潜像マスク生成部は、前記関連情報として前記印刷媒体に記載されていない情報を適用して、前記潜像マスク画像を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記潜像マスク生成部は、前記関連情報に応じて前記潜像マスク画像の色を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記潜像マスク生成部は、前記関連情報に応じて前記潜像マスク画像のデザインおよび色を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置により生成された印刷画像を、印刷媒体に印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置と、
印刷媒体にかかる視認可能な関連情報と、前記関連情報に応じて生成された潜像マスク画像の態様とを、前記画像形成装置に送信するサーバと、
を備えることを特徴とする媒体管理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の画像形成装置と、
印刷媒体にかかる視認可能な関連情報と、前記関連情報に応じて生成された潜像マスク画像の態様とを、前記画像形成装置に送信するサーバと、
前記サーバに対して、前記印刷媒体の印刷命令を送信する情報処理装置と、
を備え、
前記サーバは、前記印刷命令を受けて、前記印刷媒体に対する印刷画像の印刷命令を前記画像形成装置に対して送信する、
ことを特徴とする媒体提供システム。
【請求項9】
潜像生成部が、不可視光で読み取り可能な潜像を生成する潜像生成工程と、
潜像マスク生成部が、可視光で読み取り可能な潜像マスク画像を、印刷媒体にかかる視認可能な関連情報に応じて生成する潜像マスク生成工程と、
画像生成部が、前記潜像マスク画像に対して前記潜像を埋め込んで前記印刷媒体に対する印刷画像を生成する印刷画像生成工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、媒体管理システム、媒体提供システムおよび画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可視光では非可視であって不可視光による読取を行った場合にのみ検出可能な潜像を用いた偽造防止技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、画像中に使用されている指定色の部分のみに対して、特定の波長の光に対して吸収特性を有する特殊色材を潜像として含めるセキュリティ情報の付加技術が開示されている。こうすることで、通常の自然光下では視認されにくく、特定波長の光を照射した際にのみ読取可能となるセキュリティ情報を付加することができるものとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術によれば、セキュリティ情報が潜像として埋め込まれているので、セキュリティ情報の確認を行うためには潜像の読取を行うしかない。そのため、特定の波長の光を照射して潜像を検出する必要があり、特別な検出装置を必要としない容易な真贋判定を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特別な検出装置を使うことなく容易に真贋判定を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、不可視光で読み取り可能な潜像を生成する潜像生成部と、可視光で読み取り可能な潜像マスク画像を、印刷媒体にかかる視認可能な関連情報に応じて生成する潜像マスク生成部と、前記潜像マスク画像に対して前記潜像を埋め込んで前記印刷媒体に対する印刷画像を生成する画像生成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特別な検出装置を使うことなく容易に真贋判定を行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、画像処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、チケットの関連情報と潜像マスク画像との設定例を示す図である。
【
図4】
図4は、出力したチケットの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
【
図6】
図6は、第2の実施の形態にかかる画像処理装置の機能構成を示す機能ブロック図を示す図である。
【
図7】
図7は、座席番号末尾と潜像マスク画像との設定例を示す図である。
【
図8】
図8は、出力したチケットの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
【
図10】
図10は、第3の実施の形態にかかる画像処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図11】
図11は、チケット購入者の性別と潜像マスク画像との設定例を示す図である。
【
図13】
図13は、可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
【
図14】
図14は、第4の実施の形態にかかる画像処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図15】
図15は、チケット購入者の性別と潜像マスク画像の色との設定例を示す図である。
【
図17】
図17は、可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
【
図18】
図18は、第5の実施の形態にかかる画像処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図19-1】
図19-1は、座席番号末尾と潜像マスク画像との設定例を示す図である。
【
図19-2】
図19-2は、チケット購入者の性別と潜像マスク画像の色との設定例を示す図である。
【
図21】
図21は、可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
【
図22】
図22は、第6の実施の形態にかかる画像形成装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図23】
図23は、第7の実施の形態にかかるチケット管理システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図24】
図24は、第8の実施の形態にかかるチケット提供システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、画像処理装置、画像形成装置、媒体管理システム、媒体提供システムおよび画像処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理装置50は、例えばPC(Personal Computer)である。画像処理装置50は、例えば、印刷媒体の一例であるチケットの発券に用いられる。
【0011】
図1に示すように、画像処理装置50は、コンピュータによって構築されており、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disc Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0012】
これらのうち、CPU501は、画像処理装置50全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタなどの画像形成装置等である。ネットワークI/F509は、ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図1に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0013】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0014】
本実施形態の画像処理装置50で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0015】
また、本実施形態の画像処理装置50で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の画像処理装置50で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0016】
続いて、本実施形態の画像処理装置50の特徴的な機能について説明する。
【0017】
ここで、
図2は画像処理装置50の機能構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、画像処理装置50は、CPU501がROM502またはHD504からプログラムを読み出して実行することにより実現される、潜像生成部51と、潜像マスク生成部52と、画像生成部53と、を備える。
【0018】
潜像生成部51は、不可視光で読み取ることができる潜像を生成する。潜像は、例として、不可視光である赤外光のみに吸収特性を有するが可視光では吸収特性を有さないトナー等を用いる画像であって、可視光下では視認しにくい画像等を示す。
【0019】
潜像マスク生成部52は、可視光で読み取ることができる潜像マスク画像を、チケットにかかる視認可能な関連情報に応じて生成する。より詳細には、潜像マスク生成部52は、チケットにかかる視認可能な関連情報に応じて、生成する潜像マスク画像のデザインを変更する。
【0020】
潜像生成部51が生成する潜像は、可視光に対して完全な不可視ではないため、潜像を隠すための潜像マスク画像が必要となる。本実施形態においては、潜像マスク生成部52で生成する潜像マスク画像に対して後述する効果を持たせることで、追加のスペースを必要とせずに偽造に対する容易な確認を実現する。
【0021】
画像生成部53は、潜像マスク生成部52が生成する潜像マスク画像に対して潜像生成部51が生成する潜像を埋め込み、チケットに印刷する印刷画像を生成する。
【0022】
図2に示すように、本実施形態においては、チケット管理者は、事前に、チケットの関連情報と潜像マスク画像のデザインとの組み合わせ情報を、画像処理装置50に設定するものとする。
【0023】
図3は、チケットの関連情報と潜像マスク画像との設定例を示す図である。
図3に示すように、チケットの関連情報に応じた潜像マスク画像のデザインが、画像処理装置50のRAM503に設定される。なお、潜像マスク画像のデザインは、文字情報を含んだ画像、発行元を示す企業のロゴ画像など、画像そのものに意味を持たせる画像であっても良い。
【0024】
図3に示す設定に従い、チケット発券時には、画像生成部53に対して、潜像生成部51は潜像を送信し、潜像マスク生成部52は潜像マスク画像を送信する。具体的には、潜像マスク画像のデザインは、対象のチケットにかかる視認可能な関連情報に応じて、
図3に示す設定に従い生成される。画像生成部53は、潜像マスク生成部52が生成する潜像マスク画像に対して潜像生成部51が生成する潜像を埋め込み、チケットに印刷する印刷画像を生成して、プリンタなどの画像形成装置に送信する。なお、画像形成装置は、赤外光又は紫外光などの不可視光下で読み取り可能なトナー、インクなどで画像形成可能である。
【0025】
次に、プリンタなどの画像形成装置において出力されるチケットの例について説明する。
【0026】
図4は、出力したチケットの一例を示す図である。
図4(a)に示すチケットAおよび
図4(b)に示すチケットBは、それぞれ同一イベントのチケットである。ただし、チケットAおよびチケットBは、それぞれ異なるチケットの関連情報(関連情報a、関連情報b)を持つものとする。チケットの関連情報は、例えば、イベント名、座席番号、イベントの会場、イベントの開催日などである。
【0027】
また、チケットの潜像マスク画像は、
図4に示すように、
図3に示す設定に従ってチケットの関連情報に応じたデザインとなる。
【0028】
続いて、出力されたチケットに対する可視光による読取や肉眼での確認について説明する。
【0029】
ここで、
図5は可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
図5(a)は
図4(a)に示すチケットAを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図5(b)は
図4(b)に示すチケットBを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図5(c)は偽造チケットCを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例である。
【0030】
図5に示すように、チケットA、Bに対して可視光による読取や肉眼での確認を行った時、その画像には潜像以外の各チケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)と各チケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)に応じた潜像マスク画像とが表示される。
【0031】
一方、チケットAを元にチケットBの関連情報(情報b)を持つチケットを偽造した場合、
図5(c)に示す偽造チケットCとなる。この時、チケットが正規のものである場合、潜像マスク画像は、前述の
図3の関係性を満たすものであり、そのチケットの関連情報に応じたデザインとなるべきである。しかし、
図5(c)に示すように、偽造チケットCは、チケットBの関連情報(情報b)を持つにも関わらず、その潜像マスク画像が
図3での関連情報(情報a)に紐づいたデザインとなってしまい、
図3の潜像マスク画像のデザインとチケットの関連情報との関係性に不一致が生じている。
【0032】
以上の構成により、チケットの照合を行う際に、チケット照合者は、確認対象のチケットの潜像マスク画像のデザインを確認し、そのチケットが
図3に示すチケットの関連情報と潜像マスク画像との関係性を満たすかで視認による真贋を判断できるようになるため、肉眼でその整合性の確認を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、従来技術のように特別な装置を用いることなく容易に真贋判定を行うことができる。
【0033】
なお、可視光を用いたコピーによるチケットの複製を行った場合には、潜像マスク画像が複製される。しかしながら、このような場合には潜像は複製されないため、このような偽造に対しては潜像の有無により、真贋判定を行うことができる。
【0034】
このように本実施形態によれば、潜像マスクは印刷するチケットにかかる視認可能な関連情報に応じてデザインを変更することにより、可視で視認可能な潜像マスク画像のデザインと当該潜像マスク画像に紐づくチケットにかかる視認可能な関連情報との整合性を元に視認による真贋判定を行うことができ、特別な検出装置を使うことなく容易に真贋判定が可能となる。
【0035】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0036】
第2の実施の形態は、チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報に応じて、潜像マスク画像のデザインを決定する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0037】
図6は、第2の実施の形態にかかる画像処理装置50の機能構成を示す機能ブロック図を示す図である。
図6に示すように、本実施形態においては、潜像マスク生成部52は、チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報に応じて、潜像マスク画像を生成する。潜像マスク生成部52は、例えば、チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報を、そのチケットに記載された座席番号の末尾とする。
【0038】
図7は、座席番号末尾と潜像マスク画像との設定例を示す図である。
図7に示すように、チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報の一例である座席番号の末尾に応じた潜像マスク画像のデザインが、画像処理装置50のRAM503に設定される。
【0039】
次に、プリンタなどの画像形成装置において出力されるチケットの例について説明する。
【0040】
図8は、出力したチケットの一例を示す図である。
図8(a)に示すチケットAおよび
図8(b)に示すチケットBは、それぞれ同一イベントのチケットである。ただし、チケットAおよびチケットBは、それぞれ異なるチケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)を持つものとする。より詳細には、チケットAおよびチケットBは、チケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)に含まれる座席番号が異なるものである。
【0041】
また、チケットの潜像マスク画像は、
図8に示すように、
図7に示す設定に従ってチケットの関連情報(情報a、情報b)に含まれる座席番号の末尾に応じたデザインとなる。
【0042】
続いて、出力されたチケットに対する可視光による読取や肉眼での確認について説明する。
【0043】
ここで、
図9は可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
図9(a)は
図8(a)に示すチケットAを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図9(b)は
図8(b)に示すチケットBを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図9(c)は偽造チケットCを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例である。
【0044】
図9に示すように、チケットA、Bに対して可視光による読取や肉眼での確認を行った時、その画像には潜像以外の各チケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)と各チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報に応じた潜像マスク画像とが表示される。チケットA、B上の関連情報としては、座席番号が挙げられる。
【0045】
一方、チケットAを元にチケットBの関連情報(情報b)(例えば、座席番号末尾が2番)を持つチケットを偽造した場合、
図9(c)に示す偽造チケットCとなる。この時、チケットが正規のものである場合、潜像マスク画像は、前述の
図7の関係性を満たすものであり、そのチケットの関連情報に応じたデザインとなるべきである。しかし、
図9(c)に示すように、偽造チケットCは、チケットBの関連情報(情報b)(例えば、座席番号末尾が2番)を持つにも関わらず、その潜像マスク画像が
図7での関連情報a(例えば、座席番号末尾が1番)に紐づいたデザインとなってしまい、
図7の潜像マスク画像のデザインとチケットの関連情報との関係性に不一致が生じている。
【0046】
以上の構成により、チケットの照合を行う際に、チケット照合者は、確認対象のチケットの潜像マスク画像のデザインを確認し、そのチケットが
図7に示すチケットにかかる視認可能な関連情報(例えば、座席番号末尾)と潜像マスク画像との関係性を満たすかで真贋を判断できるようになるため、肉眼でその整合性の確認を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、従来技術のように特別な装置を用いることなく容易に真贋判定を行うことができる。
【0047】
さらに、真贋判定に必要な潜像マスク画像のデザインに紐づくチケットにかかる視認可能な関連情報(例えば、座席番号末尾)および潜像マスク画像の両方が確認対象のチケット上に記載されているため、チケットのみで真贋の判定を実現できる。
【0048】
このように本実施形態によれば、チケットにかかる視認可能な関連情報は、チケットに記載されている情報であることにより、チケットに潜像マスク画像と当該潜像マスク画像に紐づくチケットにかかる視認可能な関連情報の記載があるので、チケットのみで真贋の判定が可能となる。
【0049】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0050】
第3の実施の形態は、チケットに記載されていないチケットの関連情報に応じて、潜像マスク画像のデザインを決定する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0051】
図10は、第3の実施の形態にかかる画像処理装置50の機能構成を示す機能ブロック図である。
図10に示すように、本実施形態においては、潜像マスク生成部52は、チケットに記載されていないチケットにかかる視認可能な関連情報に応じて、潜像マスク画像を生成する。チケットに記載されていないチケットにかかる視認可能な関連情報としては、チケットに記載されていないが、チケット照合者が照合時に容易に確認できる情報が望ましい。潜像マスク生成部52は、例えば、チケットに記載されていないチケットにかかる視認可能な関連情報を、チケット購入者の性別とする。
【0052】
例えば、チケット購入時、チケット購入者は、チケットサイト等に購入者の性別を含む購入者情報を入力する。チケット印刷時、その購入者情報は、チケットの関連情報としてチケットサイト等から画像処理装置に送信される。
【0053】
図11は、チケット購入者の性別と潜像マスク画像との設定例を示す図である。
図11に示すように、チケットに記載されていないチケットにかかる視認可能な関連情報の一例であるチケット購入者の性別に応じた潜像マスク画像のデザインが、画像処理装置50のRAM503に設定される。
【0054】
次に、プリンタなどの画像形成装置において出力されるチケットの例について説明する。チケット印刷時、購入者情報は、チケットにかかる視認可能な関連情報として画像処理装置50に送信される。潜像マスク生成部52は、チケット購入者の性別を元に、潜像マスク画像のデザインを生成する。
【0055】
図12は、出力したチケットの一例を示す図である。
図12(a)に示すチケットAおよび
図12(b)に示すチケットBは、それぞれ同一イベントのチケットである。ただし、チケットAおよびチケットBは、それぞれ異なるチケットの関連情報(情報a、情報b)を持つものとする。また、チケットAおよびチケットBは、チケット購入者の性別が異なるものである。例えば、
図12(a)に示すチケットAは購入者が男性であり、
図12(b)に示すチケットBは購入者が女性である。
【0056】
また、チケットの潜像マスク画像は、
図12に示すように、
図11に示す設定に従ってチケット購入者の性別に応じたデザインとなる。
【0057】
続いて、出力されたチケットに対する可視光による読取や肉眼での確認について説明する。
【0058】
ここで、
図13は可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
図13(a)は
図12(a)に示すチケットAを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図13(b)は
図12(b)に示すチケットBを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図13(c)は偽造チケットCを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例である。
【0059】
図13に示すように、チケットA、Bに対して可視光による読取や肉眼での確認を行った時、その画像には潜像以外の各チケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)と各チケット購入者の性別に応じた潜像マスク画像とが表示される。
【0060】
一方、購入者が男性であるチケットAを元に購入者が女性であるチケットBを偽造した場合、
図13(c)に示す偽造チケットCとなる。この時、チケットが正規のものである場合、潜像マスク画像は、前述の
図11の関係性を満たすものであり、そのチケットの関連情報に応じたデザインとなるべきである。しかし、
図13(c)に示すように、チケット偽造者(チケット使用者)が女性である場合、偽造チケットCは、チケット偽造者(チケット使用者)が女性にも関わらず、その潜像マスク画像が
図11での購入者が男性であることに紐づいたデザインとなってしまい、
図11の潜像マスク画像のデザインとチケットの関連情報との関係性に不一致が生じている。
【0061】
以上の構成により、チケットの照合を行う際に、チケット照合者は、確認対象のチケットの潜像マスク画像のデザインを確認し、そのチケットとチケット使用者とが
図11に示すチケット購入者の性別と潜像マスク画像との関係性を満たすかで真贋を判断できるようになるため、肉眼でその整合性の確認を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、従来技術のように特別な装置を用いることなく容易に真贋判定を行うことができる。
【0062】
さらに、本実施形態では、チケットの潜像マスクのデザインを決定するチケット関連情報がチケットの記載に含まれないため、チケットの複製防止が可能となる。
【0063】
このように本実施形態によれば、チケットにかかる視認可能な関連情報は、チケットに記載されていない情報であることにより、真贋判定の照合情報である、チケットにかかる視認可能な関連情報がチケットに記載されていないため、複製防止が可能となる。
【0064】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0065】
第4の実施の形態は、チケットの関連情報に応じて印字の色を変化させる点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第4の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0066】
図14は、第4の実施の形態にかかるにかかる画像処理装置50の機能構成を示す機能ブロック図である。
図14に示すように、本実施形態においては、潜像マスク生成部52は、チケットにかかる視認可能な関連情報に応じて、潜像マスク画像を生成する。潜像マスク生成部52は、例えば、チケットにかかる視認可能な関連情報を、チケット購入者の性別とする。
【0067】
例えば、チケット購入時、チケット購入者は、チケットサイト等に購入者の性別を含む購入者情報を入力する。チケット印刷時、その購入者情報はチケットにかかる視認可能な関連情報としてチケットサイト等から画像処理装置50に送信される。
【0068】
図15は、チケット購入者の性別と潜像マスク画像の色との設定例を示す図である。
図15に示すように、チケットにかかる視認可能な関連情報の一例であるチケット購入者の性別に応じた潜像マスク画像の色が、画像処理装置50のRAM503に設定される。
【0069】
次に、プリンタなどの画像形成装置において出力されるチケットの例について説明する。チケット印刷時、購入者情報は、チケットにかかる視認可能な関連情報として画像処理装置50に送信される。潜像マスク生成部52は、チケット購入者の性別を元に、潜像マスク画像の色を設定する。
【0070】
図16は、出力したチケットの一例を示す図である。
図16(a)に示すチケットAおよび
図16(b)に示すチケットBは、それぞれ同一イベントのチケットである。ただし、チケットAおよびチケットBは、それぞれ異なるチケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)を持つものとする。また、チケットAおよびチケットBは、チケット購入者の性別が異なるものである。例えば、
図16(a)に示すチケットAは購入者が男性であり、
図16(b)に示すチケットBは購入者が女性である。
【0071】
また、チケットの潜像マスク画像は、
図16に示すように、
図15に示す設定に従ってチケット購入者の性別に応じた色となる。
【0072】
続いて、出力されたチケットに対する可視光による読取や肉眼での確認について説明する。
【0073】
ここで、
図17は可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
図17(a)は
図16(a)に示すチケットAを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図17(b)は
図16(b)に示すチケットBを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図17(c)は偽造チケットCを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例である。
【0074】
図17に示すように、チケットA、Bに対して可視光による読取や肉眼での確認を行った時、その画像には潜像以外の各チケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)と各チケット購入者の性別に応じた色の潜像マスク画像とが表示される。
【0075】
一方、購入者が男性であるチケットAを元に購入者が女性であるチケットBを偽造した場合、
図17(c)に示す偽造チケットCとなる。この時、チケットが正規のものである場合、潜像マスク画像の色は、前述の
図15の関係性を満たすものであり、そのチケットの関連情報に応じた色となるべきである。しかし、
図17(c)に示すように、チケット偽造者(チケット使用者)が女性である場合、偽造チケットCは、チケット偽造者(チケット使用者)が女性にも関わらず、その潜像マスク画像の色が
図15での購入者が男性であることに紐づいた色(青色)となってしまい、
図15の潜像マスク画像の色とチケットにかかる視認可能な関連情報との関係性に不一致が生じている。
【0076】
以上の構成により、チケットの照合を行う際に、チケット照合者は、確認対象のチケットの潜像マスク画像の色を確認し、そのチケットとチケット使用者とが
図15に示すチケット購入者の性別と潜像マスク画像の色との関係性を満たすかで真贋を判断できるようになるため、肉眼でその整合性の確認を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、従来技術のように特別な装置を用いることなく容易に真贋判定を行うことができる。
【0077】
さらに、本実施形態では、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態の潜像マスク画像のデザインによる変更だけでなく、色による変更でも対応できるようになるため、潜像マスク画像の変更パターンが増え、さらなるセキュリティの向上が可能となる。
【0078】
このように本実施形態によれば、潜像マスク画像は、チケットにかかる視認可能な関連情報に応じて印字の色を変化させることにより、潜像マスク画像の変更パターンを増やすことができるため、さらなるセキュリティの向上が可能となる。
【0079】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0080】
第5の実施の形態は、複数のチケット関連情報に応じて潜像マスク画像のデザインや色を変化させる点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第5の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0081】
図18は、第5の実施の形態にかかる画像処理装置50の機能構成を示す機能ブロック図である。
図18に示すように、本実施形態においては、潜像マスク生成部52は、チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報に応じて、潜像マスク画像を生成する。潜像マスク生成部52は、例えば、チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報を、そのチケットに記載された座席番号の末尾とする。
【0082】
図19-1は、座席番号末尾と潜像マスク画像との設定例を示す図である。
図19-1に示すように、チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報の一例である座席番号の末尾に応じた潜像マスク画像のデザインが、画像処理装置50のRAM503に設定される。
【0083】
加えて、
図18に示すように、本実施形態においては、潜像マスク生成部52は、チケットに記載されていないチケットにかかる視認可能な関連情報に応じて、潜像マスク画像を生成する。チケットに記載されていないチケットにかかる視認可能な関連情報としては、チケットに記載されていないが、チケット照合者が照合時に容易に確認できる情報が望ましい。潜像マスク生成部52は、例えば、チケットに記載されていないチケットにかかる視認可能な関連情報を、チケット購入者の性別とする。
【0084】
例えば、チケット購入時、チケット購入者は、チケットサイト等に購入者の性別を含む購入者情報を入力する。チケット印刷時、その購入者情報は、チケットにかかる視認可能な関連情報としてチケットサイト等から画像処理装置に送信される。
【0085】
図19-2は、チケット購入者の性別と潜像マスク画像の色との設定例を示す図である。
図19-2に示すように、チケットに記載されていないチケットにかかる視認可能な関連情報の一例であるチケット購入者の性別に応じた潜像マスク画像の色が、画像処理装置50のRAM503に設定される。
【0086】
次に、プリンタなどの画像形成装置において出力されるチケットの例について説明する。チケット印刷時、購入者情報は、チケットにかかる視認可能な関連情報として画像処理装置50に送信される。潜像マスク生成部52は、チケット購入者の性別を元に、潜像マスク画像の色を設定する。潜像マスク生成部52は、座席番号の末尾に応じて、潜像マスク画像のデザインを設定する。
【0087】
図20は、出力したチケットの一例を示す図である。
図20(a)に示すチケットAおよび
図20(b)に示すチケットBは、それぞれ同一イベントのチケットである。ただし、チケットAおよびチケットBは、それぞれ異なるチケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)を持つものとする。より詳細には、チケットAおよびチケットBは、チケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)に含まれる座席番号が異なるものである。
【0088】
また、チケットの潜像マスク画像は、
図20に示すように、
図19-1に示す設定に従ってチケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)に含まれる座席番号の末尾に応じたデザインとなる。
【0089】
さらに、チケットAおよびチケットBは、チケット購入者の性別が異なるものである。例えば、
図20(a)に示すチケットAは購入者が男性であり、
図20(b)に示すチケットBは購入者が女性である。
【0090】
チケットの潜像マスク画像は、
図20に示すように、
図19-2に示す設定に従ってチケット購入者の性別に応じた色となる。
【0091】
続いて、出力されたチケットに対する可視光による読取や肉眼での確認について説明する。
【0092】
ここで、
図21は可視光および不可視光によるチケットの読取例を示す図である。
図21(a)は
図20(a)に示すチケットAを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図21(b)は
図20(b)に示すチケットBを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例、
図21(c)は偽造チケットCを可視光および不可視光によってそれぞれ読み取った例である。
【0093】
図21に示すように、チケットA、Bに対して可視光による読取や肉眼での確認を行った時、その画像には潜像以外の各チケットにかかる視認可能な関連情報(情報a、情報b)と各チケットにかかる視認可能な関連情報に含まれる所定の情報に応じた潜像マスク画像とが表示される。チケットA、B上の関連情報としては、座席番号が挙げられる。また、潜像マスク画像は、チケット購入者の性別に応じた色で表示される。
【0094】
一方、購入者が男性であるチケットAを元に購入者が女性であるチケットBにかかる視認可能な関連(情報b)(例えば、座席番号末尾が2番)を持つチケットを偽造した場合、
図21(c)に示す偽造チケットCとなる。この時、チケットが正規のものである場合、潜像マスク画像は、前述の
図19-1および
図19-2の関係性を満たすものであり、そのチケットにかかる視認可能な関連情報に応じたデザインおよび色となるべきである。しかし、
図21(c)に示すように、偽造チケットCは、チケットBにかかる視認可能な関連情報(情報b)(例えば、座席番号末尾が2番)を持つにも関わらず、その潜像マスク画像が
図19-1での関連情報(情報a)(例えば、座席番号末尾が1番)に紐づいたデザインとなってしまい、
図19-1の潜像マスク画像のデザインとチケットにかかる視認可能な関連情報との関係性に不一致が生じている。また、
図21(c)に示すように、チケット偽造者(チケット使用者)が女性である場合、偽造チケットCは、チケット偽造者(チケット使用者)が女性にも関わらず、その潜像マスク画像の色が
図19-2での購入者が男性であることに紐づいた色(青色)となってしまい、
図19-2の潜像マスク画像の色とチケットにかかる視認可能な関連情報との関係性に不一致が生じている。
【0095】
以上の構成により、チケットの照合を行う際に、チケット照合者は、確認対象のチケットの潜像マスク画像のデザインおよび潜像マスク画像の色を確認し、そのチケットとチケット使用者とが
図19-1および
図19-2に示す関係性を満たすかで真贋を判断できるようになるため、肉眼でその整合性の確認を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、従来技術のように特別な装置を用いることなく容易に真贋判定を行うことができる。
【0096】
さらに、本実施形態では、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態の単一の情報に応じて潜像マスク画像のデザインや色を変更する場合に対して、複数のチケットの関連情報に応じて潜像マスク画像のデザインや色を変化させるため、さらなる真贋判定材料の複雑化が可能となり、さらなるセキュリティの向上が可能となる。
【0097】
このように本実施形態によれば、潜像マスク画像は、複数のチケットにかかる視認可能な関連情報に応じてデザインや色を変化させることにより、さらなる真贋判定材料の複雑化が可能となり、セキュリティを向上させることができる。
【0098】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について説明する。
【0099】
第6の実施の形態は、画像処理装置50として画像形成装置を適用した点が、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と異なる。以下、第6の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0100】
第1の実施の形態ないし第5の実施の形態で説明した画像処理装置50は、通信機能を備えた装置であれば、PCに限られない。画像処理装置50は、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であってもよい。
【0101】
図22は、第6の実施の形態にかかる画像形成装置60の機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態においては、画像形成装置60として、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明する。なお、画像形成装置60は、赤外光又は紫外光などの不可視光下で読み取り可能なトナー、インクなどで画像形成可能である。
【0102】
図22に示すように、画像形成装置60は、プリンタ機構などの印刷手段61を備える。画像形成装置60の画像生成部53は、チケット発券時には、印刷手段61に対して、潜像マスク画像に対して潜像を埋め込んだ印刷画像を出力する。
【0103】
これにより、特別な検出装置を使うことなく容易に真贋判定が可能な特徴を持つ画像形成装置の提供が可能となる。
【0104】
このように本実施形態によれば、チケットの潜像マスク画像のデザインに紐づくチケットにかかる視認可能な関連情報との整合性を元に視認による真贋判定を行うことができ、特別な検出装置を使うことなく容易に判定可能な画像形成装置の提供が可能となる。
【0105】
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態について説明する。
【0106】
第7の実施の形態は、チケットにかかる関連情報を保持するサーバを備える点が、第6の実施の形態と異なる。以下、第7の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第6の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第6の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0107】
図23は、第7の実施の形態にかかるチケット管理システム70の機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態の媒体管理システムであるチケット管理システム70においては、第6の実施の形態で説明した画像形成装置60に加え、サーバ71を備える。
【0108】
サーバ71は、チケット販売元により設定されるチケットにかかる視認可能な関連情報を保持する。前述したように、チケットにかかる視認可能な関連情報は、チケットの関連情報に応じた潜像マスク画像のデザインおよび色の設定、チケット販売システム80から送信される座席番号等のチケット情報、また、チケット購入者の性別等のチケット購入者情報などの情報である。
【0109】
このように本実施形態によれば、画像形成装置60の個別にチケットにかかる視認可能な関連情報や潜像マスクのデザインおよび色の設定を行うことが不要となり、チケット情報の管理が容易となる。
【0110】
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態について説明する。
【0111】
第8の実施の形態は、チケットにかかる関連情報を保持するとともに、チケット発券命令を受けて画像形成装置に対して印刷命令を出力するサーバを備える点が、第6の実施の形態と異なる。以下、第8の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第6の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第6の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0112】
図24は、第8の実施の形態にかかるチケット提供システム90の機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態の媒体提供システムであるチケット提供システム90においては、第6の実施の形態で説明した画像形成装置60に加え、サーバ91を備える。
【0113】
サーバ91は、チケット販売元により設定されるチケットにかかる視認可能な関連情報を保持する。前述したように、チケットにかかる視認可能な関連情報は、チケットにかかる視認可能な関連情報に応じた潜像マスク画像のデザインおよび色の設定、チケット販売システム80から送信される座席番号等のチケット情報、また、チケット購入者の性別等のチケット購入者情報などの情報である。
【0114】
加えて、サーバ91は、チケット販売者が使用するPCなどの情報処理装置からのチケット発券命令(印刷命令)を受け、画像形成装置60に対して印刷命令を送信する。
【0115】
より詳細には、サーバ91は、チケット販売者が使用する情報処理装置からのチケット発券命令(印刷命令)に基づいて、画像形成装置60に対して、チケットにかかる視認可能な関連情報、チケットにかかる視認可能な関連情報と潜像マスク画像のデザインおよび色の組み合わせ情報の設定、印刷命令を送信する。
【0116】
このように本実施形態によれば、チケットの潜像マスク画像のデザインに紐づくチケットにかかる視認可能な関連情報との整合性を元に、視認による真贋判定を行うことができ、特別な検出装置を使うことなく容易に判定可能なチケットのユーザへの提供が可能となる。
【0117】
なお、画像処理装置50は、通信機能を備えた装置であれば、PCや画像形成装置に限られない。画像処理装置50は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC等であってもよい。
【0118】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0119】
50 画像処理装置
51 潜像生成部
52 潜像マスク生成部
53 画像生成部
60 画像形成装置
61 印刷手段
70 媒体管理システム
71 サーバ
90 媒体提供システム
91 サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】