(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031643
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御装置の作動方法、および表示制御装置の作動プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20240229BHJP
G06F 3/04855 20220101ALI20240229BHJP
【FI】
G16H30/20
G06F3/04855
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135315
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】512052971
【氏名又は名称】富士フイルム医療ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木野 史織
(72)【発明者】
【氏名】茂木 雄大
(72)【発明者】
【氏名】鏑木 善誉
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 慎吾
【テーマコード(参考)】
5E555
5L099
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555BA02
5E555BA22
5E555BB02
5E555BB22
5E555BC17
5E555CB40
5E555CC03
5E555DB04
5E555DB22
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC02
5E555FA00
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】複数の項目を有し、かつ項目の表示量が変動するオーダー情報を、項目の内容に応じて見やすく表示することが可能な表示制御装置、表示制御装置の作動方法、および表示制御装置の作動プログラムを提供する。
【解決手段】RISのCPUの画面出力部は、患者に対応した1つの検査オーダーに関するオーダー情報を表示する1つの表示枠を含むオーダー表示画面を出力する。オーダー情報は、検査オーダーによって表示量が変動する複数の項目、具体的には撮影手技と、連絡メモと、備考とを有する。表示枠は、表示枠自体を横方向に沿って分割することで項目毎に設けられた第1分割領域、第2分割領域、および第3分割領域が並べられた構成である。画面出力部は、表示枠に表示量が収まらない項目があった場合、表示枠のサイズを拡張して項目全体を表示する第1表示制御と、分割領域にスクロールバーを設け、項目をスクロール表示する第2表示制御とを、項目の内容に応じて切り替える。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
対象者に対応した1つのオーダーに関するオーダー情報を表示する1つの表示枠であり、前記オーダーによって表示量が変動する複数の項目を有するオーダー情報を表示する表示枠であって、前記表示枠を一方向に沿って分割することで前記項目毎に設けられた複数の分割領域が並べられた表示枠を含むオーダー表示画面を出力し、
前記表示枠に前記表示量が収まらない前記項目があった場合、前記表示枠のサイズを拡張して前記項目全体を表示する第1表示制御と、前記分割領域にスクロールバーを設け、前記項目をスクロール表示する第2表示制御とを、前記項目の内容に応じて切り替える、
表示制御装置。
【請求項2】
前記対象者は診療の対象者であり、
前記オーダーは前記診療のオーダーである請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記項目は第1項目と第2項目とを含み、前記第1項目は前記第2項目よりも表示の重要度が高い項目であり、
前記プロセッサは、
前記第1項目の前記表示量が前記表示枠に収まらなかった場合に前記第1表示制御を行い、
前記第2項目の前記表示量が前記表示枠に収まらなかった場合に前記第2表示制御を行う請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記項目は必須項目と任意項目とを含み、
前記プロセッサは、
前記必須項目の前記表示量が前記表示枠に収まらなかった場合に前記第1表示制御を行い、
前記任意項目の前記表示量が前記表示枠に収まらなかった場合に前記第2表示制御を行う請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記任意項目は、前記オーダー表示画面においてユーザにより編集することが可能である請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記任意項目を表示する前記分割領域が前記ユーザにより選択された場合、前記任意項目を表示する前記分割領域の編集画面を表示し、前記ユーザが前記任意項目を編集可能な状態とする請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記対象者は診療の対象者であり、
前記オーダーは前記診療のオーダーであり、
前記診療は、前記対象者の医用画像を撮影する画像検査であり、
前記オーダー情報は、前記画像検査の検査オーダーに関する情報であり、
前記必須項目は、前記医用画像の撮影時の撮影手技を含み、
前記任意項目は、前記対象者に関する連絡メモ、および前記検査オーダーの依頼元が記した備考のうちの少なくとも1つを含む請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第1表示制御を行って拡張した前記表示枠を識別可能に表示する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第2表示制御を行って前記スクロール表示した前記分割領域を識別可能に表示する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
複数の前記オーダー情報毎の複数の前記表示枠が並べて配されている請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記第1表示制御により拡張される前記表示枠の最大サイズは、前記表示枠の表示領域のサイズよりも小さい請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記表示枠は横長の矩形状であり、
前記分割領域は、前記表示枠を横方向に沿って分割することで設けられる請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記分割領域は隙間なく並べられている請求項12に記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記第1表示制御により前記表示枠の縦幅を拡張し、
前記第2表示制御により前記項目を縦方向にスクロール表示する請求項12に記載の表示制御装置。
【請求項15】
対象者に対応した1つのオーダーに関するオーダー情報を表示する1つの表示枠であり、前記オーダーによって表示量が変動する複数の項目を有するオーダー情報を表示する表示枠であって、前記表示枠を一方向に沿って分割することで前記項目毎に設けられた複数の分割領域が並べられた表示枠を含むオーダー表示画面を出力すること、並びに、
前記表示枠に前記表示量が収まらない前記項目があった場合、前記表示枠のサイズを拡張して前記項目全体を表示する第1表示制御と、前記分割領域にスクロールバーを設け、前記項目をスクロール表示する第2表示制御とを、前記項目の内容に応じて切り替えること、
を含む表示制御装置の作動方法。
【請求項16】
対象者に対応した1つのオーダーに関するオーダー情報を表示する1つの表示枠であり、前記オーダーによって表示量が変動する複数の項目を有するオーダー情報を表示する表示枠であって、前記表示枠を一方向に沿って分割することで前記項目毎に設けられた複数の分割領域が並べられた表示枠を含むオーダー表示画面を出力すること、並びに、
前記表示枠に前記表示量が収まらない前記項目があった場合、前記表示枠のサイズを拡張して前記項目全体を表示する第1表示制御と、前記分割領域にスクロールバーを設け、前記項目をスクロール表示する第2表示制御とを、前記項目の内容に応じて切り替えること、
を含む処理をコンピュータに実行させるための表示制御装置の作動プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、表示制御装置、表示制御装置の作動方法、および表示制御装置の作動プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報の表示枠のサイズを拡張し、表示枠における情報の表示量を増やす態様が記載されている。また、特許文献1には、情報の表示量が表示枠に収まらない場合に、表示枠にスクロールバーを設けて情報をスクロール表示する態様も記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば医療分野において、診療の対象者に実施される診療のオーダーに関するオーダー情報をディスプレイに表示することが行われている。オーダー情報は、例えば診療が対象者の医用画像を撮影する画像検査であった場合は、医用画像撮影時の撮影手技、対象者に関する連絡メモ、あるいはオーダーの依頼元が記した備考等、複数の項目を有する。そして、項目の表示量はオーダーによって変動する。こうした複数の項目を有し、かつ項目の表示量が変動するオーダー情報においては、表示の仕方によって項目の内容が確認しにくい場合があった。
【0005】
本開示の技術に係る1つの実施形態は、複数の項目を有し、かつ項目の表示量が変動するオーダー情報を、項目の内容に応じて見やすく表示することが可能な表示制御装置、表示制御装置の作動方法、および表示制御装置の作動プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示制御装置は、プロセッサを備え、プロセッサは、対象者に対応した1つのオーダーに関するオーダー情報を表示する1つの表示枠であり、オーダーによって表示量が変動する複数の項目を有するオーダー情報を表示する表示枠であって、表示枠を一方向に沿って分割することで項目毎に設けられた複数の分割領域が並べられた表示枠を含むオーダー表示画面を出力し、表示枠に表示量が収まらない項目があった場合、表示枠のサイズを拡張して項目全体を表示する第1表示制御と、分割領域にスクロールバーを設け、項目をスクロール表示する第2表示制御とを、項目の内容に応じて切り替える。
【0007】
対象者は診療の対象者であり、オーダーは診療のオーダーであることが好ましい。
【0008】
項目は第1項目と第2項目とを含み、第1項目は第2項目よりも表示の重要度が高い項目であり、プロセッサは、第1項目の表示量が表示枠に収まらなかった場合に第1表示制御を行い、第2項目の表示量が表示枠に収まらなかった場合に第2表示制御を行うことが好ましい。
【0009】
項目は必須項目と任意項目とを含み、プロセッサは、必須項目の表示量が表示枠に収まらなかった場合に第1表示制御を行い、任意項目の表示量が表示枠に収まらなかった場合に第2表示制御を行うことが好ましい。
【0010】
任意項目は、オーダー表示画面においてユーザにより編集することが可能であることが好ましい。
【0011】
プロセッサは、任意項目を表示する分割領域がユーザにより選択された場合、任意項目を表示する分割領域の編集画面を表示し、ユーザが任意項目を編集可能な状態とすることが好ましい。
【0012】
対象者は診療の対象者であり、オーダーは診療のオーダーであり、診療は、対象者の医用画像を撮影する画像検査であり、オーダー情報は、画像検査の検査オーダーに関する情報であり、必須項目は、医用画像の撮影時の撮影手技を含み、任意項目は、対象者に関する連絡メモ、および検査オーダーの依頼元が記した備考のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0013】
プロセッサは、第1表示制御を行って拡張した表示枠を識別可能に表示することが好ましい。
【0014】
プロセッサは、第2表示制御を行ってスクロール表示した分割領域を識別可能に表示することが好ましい。
【0015】
複数のオーダー情報毎の複数の表示枠が並べて配されていることが好ましい。
【0016】
第1表示制御により拡張される表示枠の最大サイズは、表示枠の表示領域のサイズよりも小さいことが好ましい。
【0017】
表示枠は横長の矩形状であり、分割領域は、表示枠を横方向に沿って分割することで設けられることが好ましい。
【0018】
分割領域は隙間なく並べられていることが好ましい。
【0019】
プロセッサは、第1表示制御により表示枠の縦幅を拡張し、第2表示制御により項目を縦方向にスクロール表示することが好ましい。
【0020】
本開示の表示制御装置の作動方法は、対象者に対応した1つのオーダーに関するオーダー情報を表示する1つの表示枠であり、オーダーによって表示量が変動する複数の項目を有するオーダー情報を表示する表示枠であって、表示枠を一方向に沿って分割することで項目毎に設けられた複数の分割領域が並べられた表示枠を含むオーダー表示画面を出力すること、並びに、表示枠に表示量が収まらない項目があった場合、表示枠のサイズを拡張して項目全体を表示する第1表示制御と、分割領域にスクロールバーを設け、項目をスクロール表示する第2表示制御とを、項目の内容に応じて切り替えること、を含む。
【0021】
本開示の表示制御装置の作動プログラムは、対象者に対応した1つのオーダーに関するオーダー情報を表示する1つの表示枠であり、オーダーによって表示量が変動する複数の項目を有するオーダー情報を表示する表示枠であって、表示枠を一方向に沿って分割することで項目毎に設けられた複数の分割領域が並べられた表示枠を含むオーダー表示画面を出力すること、並びに、表示枠に表示量が収まらない項目があった場合、表示枠のサイズを拡張して項目全体を表示する第1表示制御と、分割領域にスクロールバーを設け、項目をスクロール表示する第2表示制御とを、項目の内容に応じて切り替えること、を含む処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本開示の技術によれば、複数の項目を有し、かつ項目の表示量が変動するオーダー情報を、項目の内容に応じて見やすく表示することが可能な表示制御装置、表示制御装置の作動方法、および表示制御装置の作動プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】オーダー情報の入力から受け付け、撮影までの流れを示す図である。
【
図3】クライアント端末、RIS、およびHISで送受信される各種情報を示す図である。
【
図4】クライアント端末およびRISで送受信される各種情報を示す図である。
【
図5】RISを構成するコンピュータを示すブロック図である。
【
図6】RISのCPUの処理部を示すブロック図である。
【
図7】クライアント端末のCPUの処理部を示すブロック図である。
【
図10】第2分割領域が選択された場合、第2分割領域の編集画面を表示し、連絡メモを編集可能な状態としたことを示す図である。
【
図11】デフォルトサイズの表示枠に撮影手技の表示量が収まっている場合を示す図である。
【
図12】デフォルトサイズの表示枠に撮影手技の表示量が収まらない場合に、表示枠の縦幅を拡張して撮影手技全体を表示する第1表示制御を行った場合を示す図である。
【
図13】第1表示制御を行った場合のオーダー表示画面を示す図である。
【
図14】デフォルトサイズの表示枠に連絡メモの表示量が収まっている場合を示す図である。
【
図15】デフォルトサイズの表示枠に連絡メモの表示量が収まらない場合に、第2分割領域にスクロールバーを設け、連絡メモをスクロール表示する第2表示制御を行った場合を示す図である。
【
図16】デフォルトサイズの表示枠に備考の表示量が収まらない場合に、第3分割領域にスクロールバーを設け、備考をスクロール表示する第2表示制御を行った場合を示す図である。
【
図17】デフォルトサイズの表示枠に、連絡メモの表示量と備考の表示量とが収まらない場合に、第2分割領域および第3分割領域にスクロールバーを設け、連絡メモと備考をスクロール表示する第2表示制御を行った場合を示す図である。
【
図18】デフォルトサイズの表示枠に撮影手技の表示量が収まらない場合に、表示枠の縦幅を拡張して撮影手技全体を表示する第1表示制御を行い、かつ、拡張後の表示枠に連絡メモの表示量が収まらない場合に、第2分割領域にスクロールバーを設け、連絡メモをスクロール表示する第2表示制御を行った場合を示す図である。
【
図19】表示枠の表示領域にスクロールバーを設け、表示枠をスクロール表示する態様を示す図である。
【
図20】表示領域に1つの表示枠のみが表示された態様を示す図である。
【
図21】RISの処理手順を示すフローチャートである。
【
図22】
図21のオーダー表示画面出力の詳細な処理手順を示す図である。
【
図23】RISの処理手順を示すフローチャートである。
【
図24】
図23のオーダー表示画面出力の詳細な処理手順を示す図である。
【
図25】第1表示制御を行って拡張した表示枠を識別可能に表示する第2_1実施形態を示す図である。
【
図26】第2表示制御を行ってスクロール表示した分割領域を識別可能に表示する第2_2実施形態を示す図である。
【
図27】第1表示制御により拡張される表示枠の最大サイズを、表示枠の表示領域のサイズよりも小さくする第3実施形態を示す図である。
【
図28】第1分割領域に折り畳み表示ボタンを設けた態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
一例として
図1に示すように、医療情報管理システム2は、例えば1つの医療施設に設置され、医療施設で扱う各種情報を管理する。医療情報管理システム2は、病院情報システム(以下、HIS(Hospital Information System)と表記する)10、放射線科情報システム(以下、RIS(Radiology Information System)と表記する)11、撮影装置群12、画像保存通信システム(以下、PACS(Picture Archiving and Communication System)と表記する)13、およびクライアント端末14等を有する。これらHIS10、RIS11、撮影装置群12、PACS13、およびクライアント端末14は、院内LAN(Local Area Network)といったネットワーク15を介して相互通信可能に接続されている。なお、
図1においては1台のクライアント端末14しかネットワーク15に接続されていないが、実際には複数台のクライアント端末14がネットワーク15に接続されている。
【0025】
HIS10は、医療施設における様々な業務を援助する複数のシステムを含む。例えばHIS10は、診療受付システム、診療予約システム、診療オーダリングシステム、電子カルテシステム、医事会計管理システム、薬局管理システム、および入退院管理システム等を含む。
【0026】
RIS11は、主として放射線科の業務を援助する。RIS11は、撮影装置群12を用いた患者P(
図2参照)に対する画像検査の検査オーダーの管理、撮影装置群12に設定する撮影条件の管理、撮影装置群12により撮影された患者Pの医用画像の管理、および内視鏡検査科といった他科との連携等を行う。患者Pは、本開示の技術に係る「対象者」および「診療の対象者」の一例である。また、検査オーダーは、本開示の技術に係る「オーダー」および「診療のオーダー」の一例である。
【0027】
RIS11は、検査オーダーに関する情報であるオーダー情報25(
図2参照)を表示するオーダー表示画面27(
図2参照)を出力する。つまり、RIS11は、本開示の技術に係る「表示制御装置」の一例である。RIS11は、オーダー表示画面27をクライアント端末14に配信する。
【0028】
撮影装置群12は、単純X線撮影装置16、コンピュータ断層撮影(以下、CT(Computed Tomography)と表記する)装置17、および核磁気共鳴画像法(以下、MRI(Magnetic Resonance Imaging)と表記する)装置18等を有する。これら単純X線撮影装置16、CT装置17、およびMRI装置18は、例えば3台ずつ等、それぞれ複数台設置されている。
【0029】
単純X線撮影装置16は、X線源からX線を患者Pに照射し、患者Pを透過したX線をフラットパネルディテクタ等のX線検出器にて検出することで、患者Pの体内を写した二次元のX線画像を医用画像として得る。CT装置17は、患者Pが横たわる寝台と、X線源およびX線検出器が内蔵されたガントリとを有する。CT装置17は、ガントリを患者Pの周囲で回転させながら、所定角度毎にX線源からX線を患者Pに照射し、患者Pを透過したX線をX線検出器にて検出することで、患者Pの体内を写した複数枚の二次元のX線画像(投影画像と呼ばれる)を得る。CT装置17は、周知の画像再構成技術を用い、複数枚の投影画像から、三次元の断層画像を医用画像として得る。MRI装置18もCT装置17と同様に、患者Pが横たわる寝台と患者Pの周囲を回転するガントリとを有する。MRI装置18のガントリには、ラジオ波を患者Pに照射する装置、およびラジオ波による患者Pの体内の水分子の共鳴現象を画像化する装置が内蔵されている。MRI装置18は、これも周知の画像再構成技術を用いて、ラジオ波による患者Pの体内の水分子の共鳴現象を画像化したものから、三次元の断層画像を医用画像として得る。
【0030】
PACS13は、撮影装置群12から各種医用画像を受信し、受信した各種医用画像をデータベースに保存して管理する。PACS13は、クライアント端末14からの配信要求に応じた医用画像をデータベースから読み出し、読み出した医用画像を配信要求元のクライアント端末14に配信する。
【0031】
クライアント端末14は、医療施設の医療スタッフにより操作される。医療スタッフには、診療科の医師DR、放射線科の受付事務員MA、および診療放射線技師RT(いずれも
図2参照)等がいる。クライアント端末14は例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータであり、ディスプレイ19、およびキーボード、マウス、タッチパネル、および/または音声入力用のマイクといった入力デバイス20を有する。なお、クライアント端末14は、ノート型のパーソナルコンピュータでもよいし、タブレット型のパーソナルコンピュータでもよい。
【0032】
一例として
図2に示すように、診療科の医師DRは、患者Pを診察した結果、撮影装置群12による画像検査が必要であると判断した場合、クライアント端末14DRを通じて当該患者Pの画像検査の検査オーダーに関するオーダー情報25を入力する。医師DRは、1人の患者Pに対して、複数種の撮影装置による画像検査の検査オーダーを、同日に発行することが可能である。医師DRは、本開示の技術に係る「検査オーダーの依頼元」の一例である。
【0033】
オーダー情報25は、オーダー発行日時、画像検査を受ける患者Pの患者ID(Identification Data)、画像検査を実施する撮影装置の種別(装置種別)、撮影手技、造影剤の指示、検査オーダーに対する医師DRのコメント、臨床診断、検査目的、検査オーダーに対する医師DRの備考、およびオーダーを発行した医師の医師ID等を含む。コメントには、例えば、撮影時および/または医用画像生成時の診療放射線技師RTへの申し渡し事項(スライス厚を薄く等)が記される。備考には、例えば、撮影手技および/または検査目的の補足事項が記される。備考は、検査オーダーによっては記入がない場合もあれば、数十字~数百字の文章が記入される場合もある。つまり、備考は、検査オーダーによって表示量が変動する。備考は、本開示の技術に係る「項目」の一例である。
【0034】
撮影手技は、各撮影装置における患者Pの撮影の仕方を規定した情報である。撮影装置が単純X線撮影装置16の場合、撮影手技には、頭部、肩関節、胸部、腹部、脊椎、および膝等の撮影部位、正面、背面、および側面等の撮影方向、タウン法、コールドウェル法、およびローゼンバーグ法等の特殊な撮影方法といったものが含まれる。撮影装置がCT装置17およびMRI装置18の場合、撮影手技には、頭部、上肢、下肢、および全身等の撮影部位が含まれる。撮影手技は、1つの検査オーダーで複数種類を指定することが可能である。このため撮影手技も検査オーダーによって表示量が変動する。撮影手技も、本開示の技術に係る「項目」の一例である。
図2では単純X線撮影装置16の場合が例示されており、撮影手技として、頭部2Rおよびタウン法が例示されている。頭部2Rとは、頭部正面および頭部側面の略である。なお、立位、臥位、および座位といった撮影姿勢を撮影手技に加えてもよい。
【0035】
クライアント端末14DRは、入力されたオーダー情報25をHIS10に送信する。HIS10はオーダー情報25を受信し、受信したオーダー情報25を患者情報26と関連付けて記憶する。患者情報26は、患者ID、患者Pの氏名、年齢、生年月日、性別、身長/体重、血液型、および住所等を含む。患者Pが医療施設に入院している場合は、患者情報26は、病棟、階数、および室番号といった病室の情報も含む。
【0036】
HIS10は、互いに関連付けて記憶されたオーダー情報25および患者情報26をRIS11に送信する。RIS11は、オーダー情報25および患者情報26を受信し、これらオーダー情報25および患者情報26に基づいてオーダー表示画面27を出力する。
【0037】
RIS11は、放射線科の受付事務員MAが操作するクライアント端末14MAにオーダー表示画面27を配信する。オーダー表示画面27は、1人の患者Pに対するオーダー情報25を表示する画面である。受付事務員MAは、受付に訪れた患者Pが所持する患者カード等から、カードリーダ等を用いて患者IDを読み取る。そして、オーダー表示画面27を通じて、オーダー情報25の受け付け確定処理、撮影室の割り振りといった受け付け処理を済ませる。この際、受付事務員MAは、必要に応じて連絡メモを入力する。連絡メモには、例えば、診療放射線技師RTへの申し渡し事項(患者Pが難聴者である、車椅子である等)が記される。連絡メモは、備考と同じく、検査オーダーによっては記入がない場合もあれば、数十字~数百字の文章が記入される場合もある。つまり、連絡メモも検査オーダーによって表示量が変動する。このため連絡メモも、本開示の技術に係る「項目」の一例である。このように、オーダー情報25は、検査オーダーによって表示量が変動する複数の項目を有する。なお、受付事務員MAは、本開示の技術に係る「ユーザ」の一例である。
【0038】
また、RIS11は、診療放射線技師RTが操作するクライアント端末14RTにもオーダー表示画面27を配信する。診療放射線技師RTは、オーダー表示画面27を通じてオーダー情報25の内容を確認する。そして、オーダー情報25の内容に応じた撮影条件を撮影装置に設定する。診療放射線技師RTは、撮影手技にしたがって患者Pを位置決めした後、撮影装置を用いた医用画像の撮影を行う。
【0039】
一例として
図3に示すように、クライアント端末14(クライアント端末14MAまたはクライアント端末14RT)は、オーダー表示画面27の配信要求35をRIS11に送信する。配信要求35は、受付に訪れた患者Pが所持する患者カード等から受付事務員MAが読み取った患者IDを含む。また、図示は省略したが、配信要求35は、クライアント端末14を一意に識別するための端末IDを含む。
【0040】
クライアント端末14から配信要求35を受信した場合、RIS11は、オーダー情報25および患者情報26の取得要求36をHIS10に送信する。取得要求36は配信要求35をそのままコピーしたもので、受付に訪れた患者Pが所持する患者カード等から受付事務員MAが読み取った患者IDを含む。
【0041】
RIS11から取得要求36を受信した場合、HIS10は、取得要求36の患者IDに一致する患者IDを有するオーダー情報25および患者情報26をデータベースから読み出す。そして、読み出したオーダー情報25および患者情報26をRIS11に送信する。
【0042】
RIS11は、HIS10からのオーダー情報25および患者情報26を受信する。そして、受信したオーダー情報25および患者情報26に基づいてオーダー表示画面27を出力する。RIS11は、オーダー表示画面27を配信要求35の要求元のクライアント端末14に配信する。
【0043】
また、一例として
図4に示すように、クライアント端末14MAは、オーダー表示画面27の更新要求38をRIS11に送信する。更新要求38は、撮影室の変更情報、および/または、連絡メモの修正情報、追加情報、あるいは削除情報を含む。修正情報は、それまで登録されていた連絡メモの内容を修正した場合に生成される情報であり、当該修正の内容を示す情報である。追加情報は、それまで登録されていた連絡メモとは別に、新たに連絡メモを追加した場合に生成される情報であり、追加した連絡メモを示す情報である。削除情報は、それまで登録されていた連絡メモを削除した場合に生成される情報であり、削除した連絡メモを示す情報である。図示は省略したが、更新要求38は、配信要求35と同じく、クライアント端末14を一意に識別するための端末IDを含む。
【0044】
クライアント端末14から更新要求38を受信した場合、RIS11は、更新要求38にしたがってオーダー表示画面27の表示を更新する。そして、表示を更新したオーダー表示画面27を更新要求38の要求元のクライアント端末14に配信する。
【0045】
一例として
図5に示すように、RIS11を構成するコンピュータは、ストレージ40、メモリ41、CPU(Central Processing Unit)42、および通信部43を備えている。これらはバスライン44を介して相互接続されている。
【0046】
ストレージ40は、RIS11を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブル、ネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブである。もしくはストレージ40は、ハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージ40には、オペレーティングシステム等の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム(以下、AP(Application Program)と表記する)、およびこれらのプログラムに付随する各種データ等が記憶されている。なお、ハードディスクドライブに代えてソリッドステートドライブを用いてもよい。
【0047】
メモリ41は、CPU42が処理を実行するためのワークメモリである。CPU42は、ストレージ40に記憶されたプログラムをメモリ41へロードして、プログラムにしたがった処理を実行する。これによりCPU42は、コンピュータの各部を統括的に制御する。CPU42は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。なお、メモリ41は、CPU42に内蔵されていてもよい。通信部43は、HIS10あるいはクライアント端末14といった外部装置との各種情報の伝送制御を行う。
【0048】
一例として
図6に示すように、RIS11のストレージ40には、作動プログラム50が記憶されている。作動プログラム50は、RIS11を構成するコンピュータを表示制御装置として機能させるためのアプリケーションプログラムである。すなわち、作動プログラム50は、本開示の技術に係る「表示制御装置の作動プログラム」の一例である。図示は省略するが、ストレージ40には、オーダー表示画面27の画面データ等も記憶されている。
【0049】
作動プログラム50が起動されると、RIS11を構成するコンピュータのCPU42は、メモリ41等と協働して、要求受付部55、情報取得部56、画面出力部57、および配信制御部58として機能する。
【0050】
要求受付部55は、クライアント端末14からの各種要求を受け付ける。各種要求には、前述の配信要求35および更新要求38がある。要求受付部55は、配信要求35を情報取得部56に出力する。また、要求受付部55は、更新要求38を画面出力部57に出力する。さらに、要求受付部55は、配信要求35および更新要求38に含まれる端末IDを配信制御部58に出力する。
【0051】
情報取得部56は、配信要求35をそのままコピーした取得要求36をHIS10に送信する。そして、取得要求36に応じてHIS10から送信されたオーダー情報25および患者情報26を受信することで取得する。情報取得部56は、取得したオーダー情報25および患者情報26を画面出力部57に出力する。
【0052】
画面出力部57は各種画面を生成する。例えば、画面出力部57は、情報取得部56からのオーダー情報25および患者情報26に基づいてオーダー表示画面27を生成する。また、画面出力部57は、要求受付部55からの更新要求38にしたがってオーダー表示画面27の表示を更新する。画面出力部57は、生成したオーダー表示画面27、または表示を更新したオーダー表示画面27を、配信制御部58に出力する。
【0053】
画面出力部57は、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語によって作成されるウェブ配信用の画面データの形式で、オーダー表示画面27等の各種画面を出力する。これにより、クライアント端末14では、各種画面をウェブブラウザ上で閲覧することが可能となる。なお、XMLに代えて、JSON(Javascript(登録商標) Object Notation)等の他のデータ記述言語を利用してもよい。
【0054】
配信制御部58は、配信要求35および更新要求38の要求元のクライアント端末14にオーダー表示画面27を配信する制御を行う。この際、配信制御部58は、要求受付部55からの端末IDに基づいて、配信要求35および更新要求38の要求元のクライアント端末14を特定する。
【0055】
一例として
図7に示すように、クライアント端末14を構成するコンピュータは、前述のディスプレイ19および入力デバイス20に加えて、ストレージ60、CPU61、および図示省略したメモリ等を有する。ストレージ60にはオーダー管理AP62が記憶されている。オーダー管理AP62が実行されてウェブブラウザが起動されると、CPU61は、メモリ等と協働して、ブラウザ制御部65として機能する。ブラウザ制御部65は、ウェブブラウザの動作を制御する。ブラウザ制御部65は、RIS11からの各種画面の画面データを受け取る。ブラウザ制御部65は、画面データに基づきウェブブラウザ上に表示する各種画面を再現し、これをディスプレイ19に表示する。
【0056】
また、ブラウザ制御部65は、各種画面を通じて、受付事務員MA等によって入力デバイス20から入力される様々な操作指示を受け付ける。操作指示には、RIS11へのアクセス許可の認証指示、オーダー表示画面27の配信指示、およびオーダー表示画面27の更新指示等がある。ブラウザ制御部65は、操作指示に応じた要求をRIS11に送信する。例えば、ブラウザ制御部65は、オーダー表示画面27の配信指示に応じて、オーダー表示画面27の配信要求35をRIS11に送信する。また、ブラウザ制御部65は、オーダー表示画面27の更新指示に応じて、オーダー表示画面27の更新要求38をRIS11に送信する。
【0057】
一例として
図8に示すように、オーダー表示画面27は、第1表示領域70および第2表示領域71を有する。第1表示領域70は、オーダー表示画面27の中央から右側部分を占める。第2表示領域71は、オーダー表示画面27の左側部分を占める。第1表示領域70はオーダー情報25が表示される領域である。第2表示領域71は患者情報26が表示される領域である。オーダー表示画面27の配信指示がなされていない場合、第1表示領域70および第2表示領域71には何も表示されない。
【0058】
第2表示領域71の上部には、患者IDの入力ボックス72、検査日を指定するための入力ボックス73、および検索ボタン74が設けられている。受付事務員MAまたは診療放射線技師RTは、入力ボックス72に所望の患者IDを、入力ボックス73に所望の検査日を、それぞれ入力し、検索ボタン74を選択する。これによりオーダー表示画面27の配信指示がブラウザ制御部65に入力される。ブラウザ制御部65はRIS11にオーダー表示画面27の配信要求35を送信する。結果として、入力ボックス72に入力された患者IDの患者Pの、入力ボックス73に入力された検査日におけるオーダー情報25を含むオーダー表示画面27が表示される。なお、受付に訪れた患者Pが所持する患者カード等から読み取った患者IDを、入力ボックス72に自動的に入力してもよい。
【0059】
第1表示領域70には表示枠80が表示される。表示枠80は、患者Pに対応した1つの検査オーダーに関するオーダー情報25を表示する。1つの検査オーダーとは、単純X線撮影装置16、CT装置17、およびMRI装置18といった複数種の撮影装置のうちの1つの撮影装置に対する検査オーダーである。
図8においては、単純X線撮影装置16を用いた画像検査に係るオーダー情報25の表示枠80、CT装置17を用いた画像検査に係るオーダー情報25の表示枠80、およびMRI装置18を用いた画像検査に係るオーダー情報25の表示枠80の計3つの表示枠80が、縦方向(垂直方向)VDに沿ってこの順に上から並べて配された例を示している。表示枠80は、検査の時間が早いものほど上に表示される。
【0060】
表示枠80は横方向(水平方向)HDに長い矩形状である。表示枠80は、左から順に、第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83を有する。第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83は、表示枠80を横方向HDに沿って分割することで設けられる。第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83は隙間なく並べられている。横方向HDは、本開示の技術に係る「一方向」の一例である。
【0061】
第1分割領域81には、検査の日付と時間、装置種別、および撮影手技が横書きで表示される。撮影手技は、複数種類指定された場合には縦方向VDに沿って上から下に並べて表示される。第1分割領域81は、主として撮影手技を表示するための領域である。第1分割領域81には、装置種別を表すイラストも表示される。第2分割領域82には、撮影室、および連絡メモが横書きで表示される。1行以上の文字数の場合、連絡メモは折り返して表示される。撮影室および連絡メモは、受付事務員MAが入力した場合に表示される。第2分割領域82は、主として連絡メモを表示するための領域である。第3分割領域83には、コメント、臨床診断、検査目的、および備考が横書きで表示される。1行以上の文字数の場合、備考は折り返して表示される。第3分割領域83は、主として備考を表示するための領域である。
【0062】
一例として
図9に示すように、第1分割領域81に表示される撮影手技は、画像検査の根幹に関わる項目であるため、必ず表示されなければならない。対して、第2分割領域82に表示される連絡メモと、第3分割領域83に表示される備考は、表示がなくとも画像検査に大きな支障は生じない項目であるため、表示は任意でよい。このため、連絡メモと備考よりも、撮影手技のほうが表示の重要度が高い。つまり、撮影手技は、本開示の技術に係る「第1項目」および「必須項目」の一例である。また、連絡メモと備考は、本開示の技術に係る「第2項目」および「任意項目」の一例である。
【0063】
一例として
図10に示すように、クライアント端末14MAにおいて、第2分割領域82が受付事務員MAにより選択された場合、選択された第2分割領域82上に、選択された第2分割領域82の編集画面82Aが表示(ポップアップ表示)される。編集画面82Aは、撮影室を割り振るためのプルダウンメニュー84、連絡メモの入力ボックス85、連絡メモの追加ボタン86、および確定ボタン87を有する。プルダウンメニュー84には、装置種別に応じた撮影室が選択肢として用意されている。入力ボックス85には、連絡メモを自由に入力可能である。追加ボタン86が選択された場合、入力ボックス85が新たに追加される。確定ボタン87が選択された場合、編集画面82Aの表示が解除されるとともに、オーダー表示画面27の更新指示がブラウザ制御部65に入力される。ブラウザ制御部65は、そのときプルダウンメニュー84で選択されていた撮影室の情報、および、そのとき入力ボックス85に入力されていた連絡メモの情報を含む更新要求38を、RIS11に送信する。これにより表示が更新されたオーダー表示画面27が表示される。第2分割領域82は、本開示の技術に係る「任意項目を表示する分割領域」の一例である。このように、連絡メモは、オーダー表示画面27において受付事務員MAにより編集することが可能である。なお、クライアント端末14RTに表示されるオーダー表示画面27には、第2分割領域82の選択に応じて編集画面82Aを表示し、連絡メモを編集可能な状態とする機能は備えられていない。
【0064】
一例として
図11、
図12、および
図14~
図18に示すように、表示枠80の縦幅には、デフォルトサイズDVWが予め定められている。ここで、一例として
図11に示すように、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、撮影手技の表示量が収まっている場合、画面出力部57は何もしない。対して、一例として
図12に示すように、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、撮影手技の表示量が収まらない場合、画面出力部57は、表示枠80の縦幅をデフォルトサイズDVWから拡張して撮影手技全体を表示する第1表示制御を行う。この場合、オーダー表示画面27においては、一例として
図13に示すように、縦幅をデフォルトサイズDVWから拡張した表示枠80の分、他の表示枠80の表示位置が下がる。
【0065】
一例として
図14に示すように、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、連絡メモの表示量が収まっている場合、画面出力部57は何もしない。対して、一例として
図15に示すように、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、連絡メモの表示量が収まらない場合、画面出力部57は、表示枠80の縦幅はそのままで、第2分割領域82にスクロールバー90を設け、連絡メモを縦方向VDにスクロール表示する第2表示制御を行う。なお、第2分割領域82の下に破線で示すのは、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に収まらない連絡メモである。
図17においても同様である。
【0066】
同様に、一例として
図16に示すように、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、備考の表示量が収まらない場合、画面出力部57は、表示枠80の縦幅はそのままで、第3分割領域83にスクロールバー92を設け、備考を縦方向VDにスクロール表示する第2表示制御を行う。なお、第3分割領域83の下に破線で示すのは、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に収まらない備考である。
図17においても同様である。
【0067】
また、一例として
図17に示すように、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、連絡メモおよび備考の表示量が収まらない場合、画面出力部57は、第2分割領域82および第3分割領域83の両方に対して第2表示制御を行う。
【0068】
さらに、一例として
図18に示すように、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、撮影手技の表示量が収まらない場合、画面出力部57は、表示枠80に対して第1表示制御を行う。そして、第1表示制御により拡張後の表示枠80に連絡メモの表示量が収まらない場合、画面出力部57は、第2分割領域82に対して第2表示制御を行う。なお、図示は省略したが、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、撮影手技の表示量が収まらず、かつ、拡張後の表示枠80に、備考の表示量が収まらない場合は、画面出力部57は、表示枠80に対して第1表示制御を行い、第3分割領域83に対して第2表示制御を行う。これも図示は省略したが、第1表示制御により拡張後の表示枠80に連絡メモまたは備考の表示量が収まっている場合、画面出力部57は、当然ながら第2表示制御を行わない。
【0069】
このように、画面出力部57は、表示枠80に表示量が収まらない項目があった場合、表示枠80のサイズを拡張して項目全体を表示する第1表示制御と、分割領域(第2分割領域82または第3分割領域83)にスクロールバー(スクロールバー90または92)を設け、項目をスクロール表示する第2表示制御とを、項目の内容に応じて切り替える。より詳しくは、画面出力部57は、表示の重要度が相対的に高く必ず表示されなければならない項目である撮影手技の表示量が表示枠80に収まらなかった場合に第1表示制御を行う。一方、画面出力部57は、表示の重要度が相対的に低く表示が任意の項目である連絡メモと備考の表示量が表示枠80に収まらなかった場合に第2表示制御を行う。
【0070】
なお、
図8においては、3つの表示枠80が第1表示領域70に並べられた例を示したが、表示枠80の数はこれに限らない。一例として
図19に示すように、3つ以上の表示枠80が並べられてもよい。あるいは、一例として
図20に示すように、表示枠80は1つのみであってもよい。ここで、第1表示領域70に一度に表示可能な表示枠80の数は、本例においては3つである。このため、
図19のように3つ以上の表示枠80を表示する場合は、画面出力部57は、第1表示領域70にスクロールバー95を設け、表示枠80を縦方向VDにスクロール表示する。
【0071】
次に、上記構成による作用について、一例として
図21~
図24に示すフローチャートを参照して説明する。まず、RIS11において作動プログラム50が起動されると、
図6で示したように、RIS11のCPU42は、要求受付部55、情報取得部56、画面出力部57、および配信制御部58として機能される。
【0072】
受付事務員MAまたは診療放射線技師RTは、クライアント端末14MAまたは14RTにおいてオーダー管理AP62を起動し、RIS11へのアクセス許可の認証指示を行う。RIS11へのアクセス許可の認証後、受付事務員MAまたは診療放射線技師RTは、入力ボックス72に所望の患者Pの患者IDを入力し、入力ボックス73に所望の検査日を入力した後、検索ボタン74を選択する。これによりオーダー表示画面27の配信要求35がクライアント端末14MAまたは14RTからRIS11に送信される。
【0073】
一例として
図21に示すように、RIS11においては、クライアント端末14MAまたは14RTからの配信要求35が要求受付部55にて受け付けられる(ステップST100)。配信要求35は要求受付部55から情報取得部56に出力される。次いで、情報取得部56によって、HIS10に取得要求36が送信される(ステップST110)。そして、取得要求36に応じてHIS10から送信されたオーダー情報25および患者情報26が、情報取得部56において取得される(ステップST120)。オーダー情報25および患者情報26は、情報取得部56から画面出力部57に出力される。
【0074】
画面出力部57において、オーダー情報25および患者情報26に基づいてオーダー表示画面27が生成される。オーダー表示画面27は、画面出力部57から配信制御部58に出力される(ステップST130)。オーダー表示画面27は、配信制御部58の制御の下、配信要求35の要求元のクライアント端末14MAまたは14RTに配信される(ステップST140)。
【0075】
図21のステップST130のオーダー表示画面27の出力に際しては、一例として
図22に示す処理が行われる。すなわち、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、撮影手技の表示量が収まらない場合(ステップST1301でYES)、画面出力部57により、表示枠80の縦幅をデフォルトサイズDVWから拡張して撮影手技全体を表示する第1表示制御が行われる(ステップST1302)。そして、拡張後の表示枠80に、連絡メモの表示量が収まらない場合(ステップST1303でYES)は、画面出力部57により、第2分割領域82にスクロールバー90を設け、連絡メモをスクロール表示する第2表示制御が行われる(ステップST1304)。拡張後の表示枠80に、備考の表示量が収まらない場合(ステップST1303でYES)も同様に、画面出力部57により、第3分割領域83にスクロールバー92を設け、備考をスクロール表示する第2表示制御が行われる(ステップST1304)。
【0076】
縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、撮影手技の表示量は収まっているが(ステップST1301でNO)、縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、連絡メモの表示量が収まらない場合(ステップST1305でYES)は、画面出力部57により、第2分割領域82にスクロールバー90を設け、連絡メモをスクロール表示する第2表示制御が行われる(ステップST1304)。縦幅がデフォルトサイズDVWの表示枠80に、備考の表示量が収まらない場合(ステップST1305でYES)も同様に、画面出力部57により、第3分割領域83にスクロールバー92を設け、備考をスクロール表示する第2表示制御が行われる(ステップST1304)。
【0077】
受付事務員MAは、クライアント端末14MAにおいて、第2分割領域82を選択して、
図10で示したように編集画面82Aを表示させる。そして、入力ボックス85に連絡メモを入力する等して連絡メモを編集した後、確定ボタン87を選択する。これによりオーダー表示画面27の更新要求38がクライアント端末14MAからRIS11に送信される。
【0078】
一例として
図23に示すように、RIS11においては、クライアント端末14MAからの更新要求38が要求受付部55にて受け付けられる(ステップST200)。更新要求38は要求受付部55から画面出力部57に出力される。そして、画面出力部57において、更新要求38にしたがってオーダー表示画面27の表示が更新される。表示が更新されたオーダー表示画面27は、画面出力部57から配信制御部58に出力される(ステップST210)。表示が更新されたオーダー表示画面27は、配信制御部58の制御の下、更新要求38の要求元のクライアント端末14MAに配信される(ステップST220)。
【0079】
図23のステップST210のオーダー表示画面27の出力に際しては、一例として
図24に示す処理が行われる。すなわち、表示枠80に、編集後の連絡メモの表示量が収まらない場合(ステップST2101でYES)は、画面出力部57により、第2分割領域82にスクロールバー90を設け、連絡メモをスクロール表示する第2表示制御が行われる(ステップST2102)。
【0080】
以上説明したように、RIS11のCPU42の画面出力部57は、患者Pに対応した1つの検査オーダーに関するオーダー情報25を表示する1つの表示枠80を含むオーダー表示画面27を出力する。オーダー情報25は、検査オーダーによって表示量が変動する複数の項目、具体的には撮影手技と、連絡メモと、備考とを有する。表示枠80は、表示枠80自体を横方向HDに沿って分割することで項目毎に設けられた第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83が並べられた構成である。画面出力部57は、表示枠80に表示量が収まらない項目があった場合、表示枠80のサイズを拡張して項目全体を表示する第1表示制御と、分割領域(第2分割領域82または第3分割領域83)にスクロールバー(スクロールバー90または92)を設け、項目をスクロール表示する第2表示制御とを、項目の内容に応じて切り替える。こうして項目の内容に応じて第1表示制御と第2表示制御とを切り替えることで、複数の項目を有し、かつ項目の表示量が変動するオーダー情報25を、項目の内容に応じて見やすく表示することが可能となる。
【0081】
検査オーダーといった診療のオーダーを扱う医療スタッフからは、診療のオーダーを見やすく表示してほしいという要望がある。このため、対象者を診療の対象者である患者Pとし、オーダーを診療のオーダーである検査オーダーとした本例は、医療スタッフの要望に応えた態様であるといえる。
【0082】
図9で示したように、項目は、表示の重要度が相対的に高い第1項目であって、必須項目である撮影手技と、表示の重要度が相対的に低い第2項目であって、任意項目である連絡メモと備考を含む。画面出力部57は、
図12および
図18で示したように、撮影手技の表示量が表示枠80に収まらなかった場合に第1表示制御を行う。一方、画面出力部57は、
図15~
図18で示したように、連絡メモと備考の表示量が表示枠80に収まらなかった場合に第2表示制御を行う。
【0083】
第1表示制御を行うことで、撮影手技は常に全体が表示される。このため、表示の重要度が相対的に高い撮影手技の見落しを防ぐことができる。また、第2表示制御を行うことで、連絡メモと備考はスクロール表示される。このため、表示の重要度が相対的に低い連絡メモと備考を、表示枠80のサイズを変更することなく表示することができる。
【0084】
図10で示したように、連絡メモは、オーダー表示画面27において受付事務員MAにより編集することが可能である。このため、受付事務員MAは連絡メモを手軽に修正、追加、あるいは削除することができる。
【0085】
また、
図10で示したように、画面出力部57は、連絡メモを表示する第2分割領域82が受付事務員MAにより選択された場合、第2分割領域82の編集画面82Aを表示し、受付事務員MAが連絡メモを編集可能な状態とする。このため、受付事務員MAは連絡メモの編集がしやすくなる。
【0086】
本例において、オーダー情報25は、患者Pの画像検査の検査オーダーに関する情報である。そして、必須項目は、医用画像の撮影時の撮影手技を含み、任意項目は、患者Pに関する連絡メモ、および検査オーダーの依頼元である医師DRが記した備考を含む。このため、検査オーダーを見やすく表示してほしいという、医療スタッフの要望に応えることができる。
【0087】
図8等で示したように、第1表示領域70には、複数のオーダー情報25毎の複数の表示枠80が並べて配されている。このため、受付事務員MAまたは診療放射線技師RTは、複数のオーダー情報25の内容を一目で確認することができる。
【0088】
表示枠80は横長の矩形状であり、第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83は、表示枠80を横方向HDに沿って分割することで設けられる。このため、表示枠80を一般的な横長のディスプレイ19に合わせた表示とすることができ、オーダー情報25の視認性を高めることができる。
【0089】
第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83は隙間なく並べられている。このため、第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83の間に隙間があって、第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83が離れて表示される場合と比べて、オーダー情報25の視認性を高めることができる。
【0090】
画面出力部57は、第1表示制御により表示枠80の縦幅を拡張し、第2表示制御により項目を縦方向にスクロール表示する。本例のように横長の矩形状の表示枠80の場合、第1表示制御で縦幅でなく横幅を拡張した場合は、第1表示領域70の表示が圧迫されたりするが、表示枠80の縦幅を拡張すればそうした不都合は発生しない。また、第2表示制御で項目を横方向にスクロール表示した場合は、項目の内容が把握しにくくなるが、項目を縦方向にスクロール表示すればそうした不都合は発生しない。
【0091】
[第2_1実施形態]
一例として
図25に示すように、第2_1実施形態では、画面出力部57は、第1表示制御を行って拡張した表示枠80を、他の表示枠80と識別可能に表示する。より詳しくは、画面出力部57は、第1表示制御を行って拡張した表示枠80の縁を、例えば赤色の太枠100で囲って強調表示する。こうして太枠100により強調表示することで、第1表示制御を行って表示枠80を拡張したことを、受付事務員MAまたは診療放射線技師RTに報せることができる。第1表示制御を行って拡張した表示枠80に、受付事務員MAまたは診療放射線技師RTの注意を向けることができる。結果として、表示の重要度が相対的に高い撮影手技の見落しを防止することができる。
【0092】
なお、第1表示制御を行って拡張した表示枠80を識別可能に表示する方法としては、例示の太枠100に限らない。表示枠80全体を点滅表示する、太枠100を点滅表示する、あるいは撮影手技の文字を太字にする、等でもよい。また、第1表示制御を行って表示枠80を拡張したことを音声アナウンスで報せてもよい。
【0093】
第1表示制御を行って拡張した表示枠80を識別可能に表示することを、オーダー表示画面27の表示を開始してから一定時間、例えば1分間続けた後、止めてもよい。また、第1表示制御を行って拡張した表示枠80を識別可能に表示することを、第1表示制御を行って拡張した表示枠80が選択された場合に止めてもよい。
【0094】
[第2_2実施形態]
一例として
図26に示すように、第2_2実施形態では、画面出力部57は、第2表示制御を行って項目をスクロール表示した分割領域を、他の分割領域と識別可能に表示する。より詳しくは、画面出力部57は、第2表示制御を行って項目をスクロール表示した分割領域、ここでは第2分割領域82の縁を、例えば黄色の太枠102で囲って強調表示する。こうして太枠102により強調表示することで、第2表示制御を行って項目をスクロール表示したことを、受付事務員MAまたは診療放射線技師RTに報せることができる。第2表示制御を行って項目をスクロール表示した分割領域に、受付事務員MAまたは診療放射線技師RTの注意を向けることができる。結果として、スクロール表示した項目の見落しを防止することができる。
【0095】
なお、第2_1実施形態の場合と同様に、第2表示制御を行って項目をスクロール表示した分割領域を識別可能に表示する方法としては、例示の太枠102に限らない。分割領域全体を点滅表示する、スクロールバー90または92を点滅表示する、太枠102を点滅表示する、あるいは項目の文字を太字にする、等でもよい。また、第2表示制御を行って項目をスクロール表示したことを音声アナウンスで報せてもよい。
【0096】
第2表示制御を行って項目をスクロール表示した分割領域を識別可能に表示することを、オーダー表示画面27の表示を開始してから一定時間、例えば1分間続けた後、止めてもよい。また、第2表示制御を行って項目をスクロール表示した分割領域を識別可能に表示することを、第2表示制御を行って項目をスクロール表示した分割領域を含む表示枠80が選択された場合に止めてもよい。
【0097】
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、第1表示制御により拡張される表示枠80の最大サイズについて特に規定していない。対して第3実施形態では、一例として
図27に示すように、第1表示制御により拡張される表示枠80の最大サイズを以下のように規定する。すなわち、第1表示制御により拡張される表示枠80の縦幅の最大サイズを、第1表示領域70の縦幅のサイズよりも小さくする。言い換えれば、表示枠80の縦幅の拡張を、第1表示領域70の縦幅一杯まで許容する。こうすることで、1つの表示枠80が第1表示領域70に収まらなくなることがなくなり、1つの表示枠80の良好な視認性を確保することができる。
【0098】
なお、撮影手技の表示量が非常に多く、表示枠80の縦幅を第1表示領域70の縦幅以上としないと撮影手技の表示が収まらない場合は、一例として
図28に示すような対処を施してもよい。すなわち、表示枠80の縦幅を第1表示領域70の縦幅一杯まで拡張し、複数種類の撮影手技のうちで表示可能な撮影手技を第1分割領域81に表示したうえで、第1分割領域81の下部に折り畳み表示ボタン105を設ける。そして、折り畳み表示ボタン105が選択された場合に、表示しきれない撮影手技をポップアップ表示する。もちろん、撮影手技の表示量が非常に多く、表示枠80の縦幅を第1表示領域70の縦幅以上としないと撮影手技の表示が収まらない場合は、第1表示領域70の縦幅以上に表示枠80の縦幅を拡張することを許容してもよい。
【0099】
表示枠80を縦長の矩形状としてもよい。そして、表示枠80を縦方向VDに沿って分割することで、第1分割領域81、第2分割領域82、および第3分割領域83を設けてもよい。また、分割領域の数は、例示の3つに限らない。第1表示制御を施す1つの分割領域と、第2表示制御を施す1つの分割領域の計2つでもよいし、4つ以上でもよい。
【0100】
画像検査は、例示の単純X線撮影装置16を用いた画像検査、CT装置17を用いた画像検査、およびMRI装置18を用いた画像検査に限らない。内視鏡撮影装置を用いた画像検査、あるいは超音波撮影装置を用いた画像検査でもよい。また、陽電子放出断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)装置を用いた画像検査、あるいは単一光子放射断層撮影(SPECT:Single Photon Emission Computed Tomography)装置を用いた画像検査でもよい。
【0101】
対象者は患者Pに限らない。例えば開発中の医薬の治験の被験者等でもよい。また、診療のオーダーは画像検査の検査オーダーに限らない。例えばリハビリテーションのオーダー、点滴といった投薬のオーダー等でもよい。投薬のオーダーの場合、第1項目および必須項目は、例えば薬剤の名称、禁忌事項等であり、第2項目および任意項目は、例えば薬剤の主成分、使用期限等である。
【0102】
対象者およびオーダーは医療関連に限らない。例えば、対象者をフードデリバリーの顧客、オーダーを食べ物の注文オーダーとしてもよい。この場合の表示制御装置は、例えば、食べ物の注文オーダーを一括管理するフードデリバリーのサービス会社のサーバである。そして、当該サーバから、各顧客および/または各配達人が所有するスマートフォン等の携帯端末に、オーダー表示画面27を配信する。この場合の第1項目および必須項目は、例えば、注文した食べ物の名称であり、第2項目および任意項目は、例えば支払い方法、イートインおよび/またはテイクアウトの情報等である。
【0103】
上記各実施形態では、RIS11のCPU42の画面出力部57がオーダー表示画面27を出力する態様を示したが、これに限らない。クライアント端末14のCPU61がオーダー表示画面27を出力する機能を担ってもよい。この場合、RIS11からクライアント端末14には、オーダー表示画面27に代えて、オーダー表示画面27の生成の元となるオーダー情報25および患者情報26が配信される。このように、クライアント端末14のCPU61が、RIS11のCPU42の各処理部55~58の一部または全部の機能を担ってもよい。つまり、クライアント端末14を本開示の表示制御装置として機能させてもよい。
【0104】
上記各実施形態において、例えば、要求受付部55、情報取得部56、画面出力部57、および配信制御部58といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(作動プログラム50)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU42に加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0105】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、および/または、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0106】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0107】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0108】
以上の記載から、下記の付記項に記載の技術を把握することができる。
【0109】
[付記項1]
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
対象者に対応した1つのオーダーに関するオーダー情報を表示する1つの表示枠であり、前記オーダーによって表示量が変動する複数の項目を有するオーダー情報を表示する表示枠であって、前記表示枠を一方向に沿って分割することで前記項目毎に設けられた複数の分割領域が並べられた表示枠を含むオーダー表示画面を出力し、
前記表示枠に前記表示量が収まらない前記項目があった場合、前記表示枠のサイズを拡張して前記項目全体を表示する第1表示制御と、前記分割領域にスクロールバーを設け、前記項目をスクロール表示する第2表示制御とを、前記項目の内容に応じて切り替える、
表示制御装置。
[付記項2]
前記対象者は診療の対象者であり、
前記オーダーは前記診療のオーダーである付記項1に記載の表示制御装置。
[付記項3]
前記項目は第1項目と第2項目とを含み、前記第1項目は前記第2項目よりも表示の重要度が高い項目であり、
前記プロセッサは、
前記第1項目の前記表示量が前記表示枠に収まらなかった場合に前記第1表示制御を行い、
前記第2項目の前記表示量が前記表示枠に収まらなかった場合に前記第2表示制御を行う付記項1または付記項2に記載の表示制御装置。
[付記項4]
前記項目は必須項目と任意項目とを含み、
前記プロセッサは、
前記必須項目の前記表示量が前記表示枠に収まらなかった場合に前記第1表示制御を行い、
前記任意項目の前記表示量が前記表示枠に収まらなかった場合に前記第2表示制御を行う付記項3に記載の表示制御装置。
[付記項5]
前記任意項目は、前記オーダー表示画面においてユーザにより編集することが可能である付記項4に記載の表示制御装置。
[付記項6]
前記プロセッサは、
前記任意項目を表示する前記分割領域が前記ユーザにより選択された場合、前記任意項目を表示する前記分割領域の編集画面を表示し、前記ユーザが前記任意項目を編集可能な状態とする付記項5に記載の表示制御装置。
[付記項7]
前記対象者は診療の対象者であり、
前記オーダーは前記診療のオーダーであり、
前記診療は、前記対象者の医用画像を撮影する画像検査であり、
前記オーダー情報は、前記画像検査の検査オーダーに関する情報であり、
前記必須項目は、前記医用画像の撮影時の撮影手技を含み、
前記任意項目は、前記対象者に関する連絡メモ、および前記検査オーダーの依頼元が記した備考のうちの少なくとも1つを含む付記項4から付記項6のいずれか1項に記載の表示制御装置。
[付記項8]
前記プロセッサは、
前記第1表示制御を行って拡張した前記表示枠を識別可能に表示する付記項1から付記項7のいずれか1項に記載の表示制御装置。
[付記項9]
前記プロセッサは、
前記第2表示制御を行って前記スクロール表示した前記分割領域を識別可能に表示する付記項1から付記項8のいずれか1項に記載の表示制御装置。
[付記項10]
複数の前記オーダー情報毎の複数の前記表示枠が並べて配されている付記項1から付記項9のいずれか1項に記載の表示制御装置。
[付記項11]
前記第1表示制御により拡張される前記表示枠の最大サイズは、前記表示枠の表示領域のサイズよりも小さい付記項1から付記項10のいずれか1項に記載の表示制御装置。
[付記項12]
前記表示枠は横長の矩形状であり、
前記分割領域は、前記表示枠を横方向に沿って分割することで設けられる付記項1から付記項11のいずれか1項に記載の表示制御装置。
[付記項13]
前記分割領域は隙間なく並べられている付記項12に記載の表示制御装置。
[付記項14]
前記プロセッサは、
前記第1表示制御により前記表示枠の縦幅を拡張し、
前記第2表示制御により前記項目を縦方向にスクロール表示する付記項12または付記項13に記載の表示制御装置。
【0110】
本開示の技術は、上述の種々の実施形態および/または種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
【0111】
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0112】
本明細書において、「Aおよび/またはB」は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「Aおよび/またはB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、AおよびBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「および/または」で結び付けて表現する場合も、「Aおよび/またはB」と同様の考え方が適用される。
【0113】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0114】
2 医療情報管理システム
10 病院情報システム(HIS)
11 放射線科情報システム(RIS)
12 撮影装置群
13 画像保存通信システム(PACS)
14、14DR、14MA、14RT クライアント端末
15 ネットワーク
16 単純X線撮影装置
17 コンピュータ断層撮影装置(CT装置)
18 核磁気共鳴画像法装置(MRI装置)
19 ディスプレイ
20 入力デバイス
25 オーダー情報
26 患者情報
27 オーダー表示画面
35 配信要求
36 取得要求
38 更新要求
40、60 ストレージ
41 メモリ
42、61 CPU
43 通信部
44 バスライン
50 作動プログラム
55 要求受付部
56 情報取得部
57 画面出力部
58 配信制御部
62 オーダー管理アプリケーションプログラム(オーダー管理AP)
65 ブラウザ制御部
70 第1表示領域
71 第2表示領域
72、73、85 入力ボックス
74 検索ボタン
80 表示枠
81 第1分割領域
82 第2分割領域
82A 編集画面
83 第3分割領域
84 プルダウンメニュー
86 追加ボタン
87 確定ボタン
90、92、95 スクロールバー
100、102 太枠
105 折り畳み表示ボタン
DR 医師
DVW デフォルトサイズ
HD 横方向
MA 受付事務員
P 患者
RT 診療放射線技師
ST100、ST110、ST120、ST130、ST140、ST200、ST210、ST220、ST1301、ST1302、ST1303、ST1304、ST1305、ST2101、ST2102 ステップ
VD 縦方向