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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032371
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】発光素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/22 20100101AFI20240305BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20240305BHJP
【FI】
H01L33/22
H01L33/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135986
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 幸祐
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA03
5F241CA12
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA74
5F241CA77
5F241CA94
5F241CB15
5F241CB36
(57)【要約】
【課題】光取出効率を向上した発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態に係る発光素子の製造方法は、n側層に第1領域と第2領域とを有する半導体構造体を準備する工程と、上面視でn側層の前記第1領域上に複数の第1マスクを形成する工程と、前記複数の第1マスクを用いたドライエッチングにより、前記複数の第1マスクを除去しながら前記複数の第1マスクから露出する前記n側層を除去し、前記第1領域に複数の第1凸部を形成する工程と、その後、前記半導体構造体を複数の発光素子領域に分離する工程と、その後、前記n側層の前記第2領域を露出させる第2マスクを前記第1領域上に形成する工程と、その後、前記第2マスクを用いたエッチングにより、前記第2領域に複数の第2凸部を形成する工程と、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n側層と、p側層と、前記n側層と前記p側層との間に配置された活性層と、を有する半導体構造体であって、前記n側層は、上面視で、前記p側層及び前記活性層が配置されていない第1領域と、前記p側層及び前記活性層が配置された第2領域と、を有する前記半導体構造体を準備する工程と、
上面視で、前記n側層の前記第1領域上に、前記n側層を露出させる複数の第1マスクを形成する工程と、
前記複数の第1マスクを用いたドライエッチングにより、前記複数の第1マスクを除去しながら前記複数の第1マスクから露出する前記n側層を除去し、前記第1領域に複数の第1凸部を形成する工程と、
前記複数の第1凸部を形成する工程の後、前記半導体構造体を、前記第1領域及び前記第2領域を含む前記n側層と、前記活性層と、前記p側層と、をそれぞれ有する複数の発光素子領域に分離する工程と、
前記複数の発光素子領域に分離する工程の後、上面視で、前記複数の発光素子領域それぞれにおける前記第1領域上に前記n側層の前記第2領域を露出させる第2マスクを形成する工程と、
前記第2マスクを形成する工程の後、前記第2マスクを用いたエッチングにより、前記第2領域に複数の第2凸部を形成する工程と、
を備えた発光素子の製造方法。
【請求項2】
前記複数の第1マスクを形成する工程において、前記第2領域に複数の第2凸部を形成する工程で形成される前記複数の第2凸部の高さよりも厚い前記複数の第1マスクを形成し、
前記複数の第1凸部が形成された前記第1領域の算術平均粗さを、前記複数の第2凸部が形成された前記第2領域の算術平均粗さよりも大きくする請求項1記載の発光素子の製造方法。
【請求項3】
前記半導体構造体は、前記複数の第1凸部が形成される、前記第1領域の第1面の反対側の第2面で電気的に接続された第1導電部材をさらに有し、
前記複数の第2凸部を形成する工程の後において、前記第1領域における前記n側層の厚さは、前記第2領域における前記n側層の厚さよりも厚い請求項2記載の発光素子の製造方法。
【請求項4】
前記半導体構造体は、前記活性層側から順に、Alを含む第1半導体層と、前記第1半導体層よりもAl組成比が低い第2半導体層とを含む前記n側層を有し、
前記複数の第1凸部を形成する工程において前記第2半導体層から前記第1半導体層を露出させる請求項1記載の発光素子の製造方法。
【請求項5】
前記活性層からの光のピーク波長は、410nm以下である請求項4記載の発光素子の製造方法。
【請求項6】
前記第1マスクを形成する工程において、上面視で、前記第1領域の前記n側層において前記複数の第1凸部を形成する位置とそれぞれ重なる位置に前記第1マスクを形成する請求項1記載の発光素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1凸部が形成された前記第1領域の算術平均粗さは、1μm以上3μm以下であり、
前記第2凸部が形成された前記第2領域の算術平均粗さは、0.1μm以上1μm以下である請求項1~6のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、活性層を含む半導体積層体を有する発光素子において、活性層上に設けられた半導体層の厚さを部分的に薄くして、光取出効率を改善することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-084878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、光取出効率を向上した発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光素子の製造方法は、n側層と、p側層と、前記n側層と前記p側層との間に配置された活性層と、を有する半導体構造体であって、前記n側層は、上面視で、前記p側層及び前記活性層が配置されていない第1領域と、前記p側層及び前記活性層が配置された第2領域と、を有する前記半導体構造体を準備する工程と、上面視で、前記n側層の前記第1領域上に、前記n側層を露出させる複数の第1マスクを形成する工程と、前記複数の第1マスクを用いたドライエッチングにより、前記複数の第1マスクを除去しながら前記複数の第1マスクから露出する前記n側層を除去し、前記第1領域に複数の第1凸部を形成する工程と、前記複数の第1凸部を形成する工程の後、前記半導体構造体を、前記第1領域及び前記第2領域を含む前記n側層と、前記活性層と、前記p側層と、をそれぞれ有する複数の発光素子領域に分離する工程と、前記複数の発光素子領域に分離する工程の後、上面視で、前記複数の発光素子領域それぞれにおける前記第1領域上に前記n側層の前記第2領域を露出させる第2マスクを形成する工程と、前記第2マスクを形成する工程の後、前記第2マスクを用いたエッチングにより、前記第2領域に複数の第2凸部を形成する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、光取出効率を向上した発光素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る発光素子を例示する模式的な平面図である。
図2図1のII-II線における模式的な断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図8】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図9】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図10】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図11】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図12】本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的又は概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0009】
実施形態に係る発光素子の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る発光素子を例示する模式的な平面図である。
図2は、図1のII-II線における模式的な断面図である。
図1及び図2に示すように、発光素子1は、支持基板100と、半導体積層体20とを有する。半導体積層体20は、支持基板100上に配置されている。
【0010】
半導体積層体20は、n側層10と、p側層15と、活性層14とを有する。活性層14は、n側層10とp側層15との間に配置され、光を発する発光層である。例えば、活性層14からの光のピーク波長は410nm以下であり、具体的には210nm以上410nm以下であり、より具体的には300nm以上410nm以下である。例えば、活性層14は紫外光を発する。なお、活性層14の厚さは、n側層10及びp側層15の厚さに比べて薄いため、図2において線で示されている。また、図3から図12においても同様に、活性層14、1214は線で示されている。
【0011】
n側層10、p側層15及び活性層14は、窒化物半導体層からなる。窒化物半導体は、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)なる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含む。n側層10は、AlとGaを含む窒化物半導体層を含み、例えばAlGaN層を含む。n側層10は、例えばn型半導体層である。n側層10は、n型不純物として、例えばSiを含む。p側層15は、例えばp型半導体層である。p側層15は、p型不純物として、例えばMgを含む。
【0012】
n側層10は、上面視において、第1領域a1と第2領域a2とを有する。図2に示すように、第1領域a1に位置するn側層10は、第1面11aと第2面11bとを有する。第1面11aは、n側層10において、支持基板100が配置された側の面とは反対側の面である。第2面11bは、n側層10において、支持基板100が配置された側の面であり、第1面11aの反対側の面である。第2面11bは、活性層14及びp側層15から露出した面である。
【0013】
以下では、特に断らない限り、第2面11bから第1面11aに向かう方向を「上」というものとする。したがって、第1面11aから第2面11bに向かう方向は「下」である。「上」や「下」という場合であっても、重力の方向における上下には限定されない。また、発光素子1等を上から見る場合を上面視といい、発光素子1等を上又は下から見ることを平面視というものとする。
【0014】
上面視で、第1領域a1と第2領域a2とは、互いに隣り合って配置されている。第1領域a1は、上面視で、p側層15及び活性層14が配置されない領域である。第2領域a2は、上面視で、p側層15及び活性層14が配置された領域である。第2領域a2では、活性層14はp側層15上に配置され、n側層10は活性層14上に配置されている。より詳細には、上面視において、第2領域a2の外周は、活性層14の外周と一致して配置される。第1領域a1では、n側層10は、活性層14及びp側層15を介さずに支持基板100上に配置されている。第2領域a2では、n側層10は、活性層14及びp側層15を介して支持基板100上に配置されている。なお、第1領域a1及び第2領域a2を包含する半導体積層体20の領域を発光素子領域aLEDと呼ぶ。
【0015】
図1に示すように、平面視において、複数の第1領域a1は島状に配置され、複数の第1領域a1のそれぞれの周囲は第2領域a2に囲まれている。複数の第1領域a1を囲んでいる第2領域a2の周囲は、さらに第1領域a1に囲まれている。第2領域a2で囲まれた島状の第1領域a1を、島状の第1領域a1と呼び、第2領域a2を囲む第1領域a1を外周の第1領域a1と呼ぶことがある。平面視において、第2領域a2の面積は、複数の島状の第1領域a1及び外周の第1領域a1の合計面積よりも大きい。
【0016】
第2領域a2に位置するn側層10は、第3面12aと第4面12bとを有する。第3面12aは、n側層10において、支持基板100が配置された側の面とは反対側の面である。第4面12bは、n側層10において、支持基板100が配置された側の面であり、第3面12aの反対側の面である。第4面12bは、活性層14に接している。
【0017】
島状の第1領域a1の厚さ及び外周の第1領域a1の厚さは、第2領域a2の厚さよりもそれぞれ厚い。したがって、第1面11a及び第3面12aの間には段差がある。なお、第1領域a1の厚さ、第2領域a2の厚さとは、それぞれの領域における最大厚さのことを意味する。また、厚さとは半導体積層体20を構成する各半導体層が積層される積層方向における厚さである。
【0018】
第1面11a及び第3面12aは、活性層14から出射された光が主に取り出される取出面として機能する。なお、n側層10の表面のうち第1面11a及び第3面12a以外の表面からも活性層14から出射された光は取り出される。
【0019】
第2面11bは、p側層15及び活性層14から露出している。第2面11bは、第1導電部材40と電気的に接続される接続面として機能する。第1導電部材40は、後述するように、第2面11bで接続されたn側層10と第1パッド電極71とを電気的に接続する。
【0020】
第1領域a1の第1面11aは、複数の第1凸部10aを含む。第2領域a2の第3面12aは、複数の第2凸部10bを含む。第1面11aの第1凸部10aの高さ、及び第3面12aの第2凸部10bの高さは、第1面11aと第3面12aとの間の距離よりも小さい。
【0021】
複数の第1凸部10aを有する第1領域a1の算術平均粗さは、複数の第2凸部10bを有する第2領域a2の算術平均粗さよりも大きい。複数の第1凸部10aを有する第1領域a1の算術平均粗さは、例えば、1μm以上3μm以下である。複数の第2凸部10bを有する第2領域a2の算術平均粗さは、例えば、0.1μm以上1μm以下である。
【0022】
第1凸部10a及び第2凸部10bは、例えば錐体形状を有する。第1凸部10a及び第2凸部10bは、図2の断面視において三角形で表されている。第1凸部10a及び第2凸部10bの高さは、それぞれの三角形の高さで表される。
【0023】
第1凸部10a及び第2凸部10bの形状は、例えば、円錐、楕円錐、多角錐等であり、円錐台、楕円錐台、多角錐台等であってもよい。
【0024】
発光素子1は、さらに、第1導電部材40と、第2導電部材50と、第3導電部材60と、反射電極30と、第1パッド電極71と、第2パッド電極72と、第1絶縁膜81~第4絶縁膜84とを有する。
【0025】
活性層14が配置された面とは反対側のp側層15の面に、反射電極30が配置されている。反射電極30は、p側層15に接し、p側層15と電気的に接続されている。反射電極30は、活性層14が発する光に対して高い反射性を有することが好ましい。反射電極30は、例えばAg、Alを含む金属層である。ここで、反射電極30が、活性層14が発する光に対して高い反射率を有するとは、反射電極30が活性層14からの光のピーク波長に対して、70%以上の反射率、好ましくは80%以上の反射率を有していることを意味する。
【0026】
活性層14が配置された面とは反対側のp側層15の面の一部は、反射電極30が配置されておらず、第1絶縁膜81で覆われている。また、第1絶縁膜81は、反射電極30の一部も覆っている。第1絶縁膜81は、例えば、シリコン窒化膜又はシリコン酸化膜である。
【0027】
第1絶縁膜81を第2絶縁膜82が覆っている。第2絶縁膜82は、n側層10の第2面11b、活性層14の側面、及びp側層15の側面も覆っている。第2絶縁膜82は、例えば、シリコン窒化膜又はシリコン酸化膜である。
【0028】
第2絶縁膜82の表面に、第2導電部材50が配置されている。第2導電部材50は、例えば、Al、Ti、Rh、Ru及びCuの少なくともいずれかを含む金属層である。第2導電部材50は、p側導通部50aを有する。
【0029】
反射電極30は、第1絶縁膜81及び第2絶縁膜82から露出された表面を有し、その表面に第2導電部材50のp側導通部50aが接している。第2導電部材50は、p側導通部50a及び反射電極30を介して、第2領域a1のn側層10に積層されたp側層15と電気的に接続されている。
【0030】
第2導電部材50を第3絶縁膜83が覆っている。第3絶縁膜83は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0031】
第3絶縁膜83の表面に、第1導電部材40が配置されている。第1導電部材40は、例えば、Al及びCuの少なくともいずれかを含む金属層である。第1導電部材40は、n側導通部40aを有する。
【0032】
第1領域a1の第2面11bの一部は、第2絶縁膜82に覆われている。第2面11bの形状は、平面視において、例えば円や楕円である。第2面11bの外周に第2絶縁膜82が配置されている。第2面11bの中心を含む部分は、第2絶縁膜82から露出されている。第2絶縁膜82から露出された第2面11bは、第1導電部材40のn側導通部40aと接している。第1導電部材40は、n側導通部40aを介して、n側層10と電気的に接続されている。
【0033】
第1導電部材40と第2導電部材50との間には第3絶縁膜83が配置されている。第1導電部材40と第2導電部材50とは、第3絶縁膜83によって電気的に絶縁されている。
【0034】
図1に示すように、支持基板100の形状は、平面視において四角形である。支持基板100の対角位置に、第1パッド電極71と第2パッド電極72とがそれぞれ配置されている。
【0035】
図2に示すように、第1導電部材40は、第1パッド電極71の下方に位置するパッド接続部40bを有する。パッド接続部40b上に第3導電部材60が配置されている。第3導電部材60は、例えば、第2導電部材50と同じ金属材料を用いることができる。第3導電部材60は、第2導電部材50から離隔して配置されている。第3導電部材60上に、第1パッド電極71が配置されている。第1パッド電極71は、第3導電部材60を介して第1導電部材40と電気的に接続されている。
【0036】
第2導電部材50は、第2パッド電極72の下方に位置するパッド接続部50bを有する。パッド接続部50b上に第2パッド電極72が配置され、第2パッド電極72は第2導電部材50と電気的に接続されている。
【0037】
第1パッド電極71及び第2パッド電極72は、例えば、Ti、Pt、及びAuからなる群から選択される少なくとも1つの金属材料を含む。
【0038】
第1導電部材40は、接合層101を介して、支持基板100に接合されている。接合層101は、例えばSn等のはんだ材料を含む金属層である。支持基板100は、例えばシリコン基板である。
【0039】
半導体積層体20の上面及び側面は、第4絶縁膜84に覆われている。半導体積層体20の上面は、第1領域a1の第1面11a及び第2領域a2の第3面12aを含む。第4絶縁膜84は、例えばシリコン窒化膜又はシリコン酸化膜である。
【0040】
第1領域a1の第1面11aに配置された複数の第1凸部10aを覆う第4絶縁膜84の表面は、複数の凸部を有する。第2領域a2の第3面12aに配置された複数の第2凸部10bを覆う第4絶縁膜84の表面は、複数の凸部を有する。
【0041】
第4絶縁膜84の表面のうち、第4絶縁膜84が複数の第1凸部10aを覆う表面の算術平均粗さは、第4絶縁膜84の表面のうち、第4絶縁膜84が複数の第2凸部10bを覆う表面の算術平均粗さよりも大きい。
【0042】
実施形態に係る発光素子1の効果について説明する。
実施形態に係る発光素子1では、主な光の取出面である第1面11a及び第3面12aがそれぞれ複数の凸部を有しているので、第1面11a及び第3面12aがそれぞれ平坦に近い面である場合に比べて高い光取出効率が実現される。複数の第1凸部10aを有する第1領域a1の算術平均粗さは、複数の第2凸部10bを有する第2領域a2の算術平均粗さよりも大きい。第1領域a1の厚さは、第2領域a2の厚さよりも厚い。これにより、第1領域a1におけるシート抵抗を低減できるとともに、上面視で、活性層14を含まない第1領域a1における光取出効率を向上させることができる。
【0043】
活性層14から出射された光は、n側層10中を伝播して、半導体積層体20の外部に取り出される。n側層10のAl組成比を適切に設定することによって、n側層10における光吸収を低減することができる。例えば、活性層14からピーク波長が410nm以下の比較的波長の短い光が出射される場合、n側層10にAl組成比の高いAlGaNを用いることで、n側層10にGaNを用いるよりもn側層10による光吸収を低減することができる。例えば、n側層10として、Al組成比が3%以上15%以下のAlGaNを用いることができる。
【0044】
活性層14が配置された第2領域a2における光吸収は、活性層14が積層されていない第1領域a1における光吸収よりも、半導体積層体20からの光の取出効率に大きく影響する。そのため、第2領域a2の厚さを第1領域a1の厚さよりも薄くすることによって、第2領域a2における光の吸収を低減し、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0045】
第1領域a1においては、第1導電部材40がn側導通部40aでn側層10に接続されており、n側層10の第1領域a1は、電流が比較的集中しやすい領域である。第1領域a1のn側層10の厚さを、第2領域a2のn側層10の厚さより厚くすることで、第1領域a1のシート抵抗を低減できる。
【0046】
実施形態に係る発光素子1の製造方法について説明する。
図3図12は、本発明の実施形態に係る発光素子の製造方法の一工程を示す模式的な断面図である。
図3図12に示す断面図は、図2と同様に、図1のII-II線に対応する位置での断面図である。
図3及び図4は、図2の上下関係とは反対となっている。なお、後述する図5図12は、図2の上下関係と同じである。
【0047】
図3に示すように、基板1000上に、下地層1100を成長させる。下地層(第2半導体層)1100は、n側層(第1半導体層)1210のAl組成比よりも低いAl組成比を有する。下地層1100は、例えばアンドープのGaN層である。下地層1100の厚さは、例えば、6μm以上8μm以下である。そして下地層1100を介して、半導体積層体1220が形成される。基板1000は、窒化物半導体層を成長させるための基板であり、例えば、サファイア基板である。基板1000上に下地層1100を成長させる前に、例えばAlGaNやAlNからなるバッファ層を形成してもよい。
【0048】
半導体積層体1220は、n側層1210と、活性層1214と、p側層1215とを含む。半導体積層体1220は、下地層1100上に、n側層1210、活性層1214及びp側層1215がこの順にエピタキシャル成長される。半導体積層体1220に含まれる各半導体層の形成には、例えば、MOCVD(metal organic chemical vapor deposition)法等を用いることができる。
【0049】
n側層1210、活性層1214及びp側層1215は、図1及び図2で前述したn側層10、活性層14及びp側層15にそれぞれ対応する層である。n側層1210、活性層1214及びp側層1215のそれぞれは、後述の工程を行うことにより、n側層10、活性層14及びp側層15になる。したがって、n側層1210、活性層1214及びp側層1215のそれぞれの組成は、n側層10、活性層14及びp側層15の組成とほぼ同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0050】
図4に示すように、図3に示したp側層1215の一部及び活性層1214の一部を除去して、p側層15及び活性層14が形成される。p側層15及び活性層14の形成には、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法が用いられる。p側層15及び活性層14を形成することで、p側層15及び活性層14からn側層10の一部が露出される。
【0051】
図2に示した第2領域a2は、n側層1210において、p側層15及び活性層14が形成された部分に位置する。図2に示した第1領域a1は、n側層1210において、p側層15及び活性層14から露出された部分に位置する。
【0052】
この後、図5に示すように、半導体構造体1200が形成される。半導体構造体1200は、下地層1100、n側層1210、活性層14及びp側層15を含んでいる。半導体構造体1200は、反射電極30、第1絶縁膜81、第2絶縁膜82、第2導電部材50、第3導電部材60、第3絶縁膜83及び第1導電部材40をさらに含んでいる。
【0053】
半導体構造体1200を形成する工程では、n側層1210、活性層14及びp側層15を覆うように、反射電極30、第1絶縁膜81、第2絶縁膜82、第2導電部材50、第3導電部材60、第3絶縁膜83、及び第1導電部材40を形成する。反射電極30、第1絶縁膜81、第2絶縁膜82、第2導電部材50、第3導電部材60、第3絶縁膜83、及び第1導電部材40は、例えば、スパッタリング法、蒸着法等を用いて形成することができる。なお、第2導電部材50と第3導電部材60とは同じ工程で形成することができる。第2導電部材50のp側導通部50aは反射電極30に接し、第1導電部材40のn側導通部40aはn側層10の第2面11bに接する。
【0054】
この後、半導体構造体1200は、接合層101を介して支持基板100に接合される。半導体構造体1200は、基板1000に支持された状態で、支持基板100に接合される。
【0055】
図6に示すように、基板1000が除去される。基板1000の除去には、例えば、レーザリフトオフ法が用いられる。基板1000を除去することにより、図5に示した下地層1100が露出される。下地層1100の露出された面は、例えば化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、CMP)法、RIE法等により、薄化される。半導体構造体1200aは、薄化された下地層1100aを有する。
【0056】
図7に示すように、薄化された下地層1100aの露出された面に第1凸部形成用マスク(第1マスク)1300が形成される。第1凸部形成用マスク1300は、第2領域a2に重ならない領域に形成される。第2領域a2は、図1及び図2に示した第2領域a2に対応する領域であり、上面視で、活性層14及びp側層15に重なるn側層1210の領域である。
【0057】
第1凸部形成用マスク1300は、複数のレジストマスク1300aを含んでいる。複数のレジストマスク1300aは、例えば、平面視で、行列状に配置される。複数のレジストマスク1300aは、行列状の配置に限らず、不規則な配置であってもよい。複数のレジストマスク1300aのそれぞれの平面視での形状は、後述のエッチング工程により形成される第1凸部の形状に応じて決定される。例えば、円錐形状の第1凸部10aとする場合には、複数のレジストマスク1300aのそれぞれの形状を、円柱形状とする。
【0058】
第1凸部形成用マスク1300に含まれる複数のレジストマスク1300aの厚さは、第2凸部10bの高さよりも厚いことが好ましい。第1凸部形成用マスク1300に含まれる複数のレジストマスク1300aの厚さを第2凸部10bの高さよりも厚くすることによって、十分な高さの第1凸部10aを形成することが容易になり、複数の第1凸部10aが形成された第1領域a1の算術平均粗さを複数の第2凸部10bが形成された第2領域a2の算術平均粗さよりも大きくすることが可能になる。
【0059】
図8に示すように、図7に示した複数のレジストマスク1300aを介して、図7に示した下地層1100a及びn側層1210をエッチングし、複数の第1凸部10aを有するn側層1210aを形成する。下地層1100a及びn側層1210のエッチングには、ドライエッチング法が用いられ、例えばRIE法が用いられる。
【0060】
複数の第1凸部10aを形成する工程では、複数のレジストマスク1300aを除去しながら、レジストマスク1300aから露出している下地層1100a及び下地層1100a下のn側層1210を除去する。下地層1100aは、複数のレジストマスク1300aとともに除去される。複数のレジストマスク1300aを除去しながらドライエッチングすることによって、第1凸部10aの形状をp側層15からn側層1210に向かう方向において径が小さくなる錐体形とすることができる。レジストマスク1300aの平面視での形状を円とした場合には、第1凸部10aの形状は、円錐形となる。
【0061】
基板1000を除去した後、下地層1100と、n側層1210とを、例えば化学機械研磨法により薄化する場合、各層のAl組成比の違いによるエッチングレートの違いから、加工されたn側層1210の表面の平坦性が悪化するおそれがある。このようなn側層1210の表面の平坦性の悪化を低減するために、化学機械研磨法により下地層1100aの一部を除去し、下地層1100aを残した後、RIE法により下地層1100a及びn側層1210を除去することが好ましい。これにより、化学機械研磨法による平坦性の悪化を低減し、加工されたn側層1210の表面の平坦性を維持することができる。本実施形態では、RIE法により下地層1100a及びn側層1210を除去する際に複数のレジストマスク1300aを用いて第1凸部10aを形成している。そのため、加工されたn側層1210の表面の平坦性を維持しつつ、第1凸部10aを形成することができる。
【0062】
前述の処理により、複数の第1凸部10aは、第1領域a1及び第3領域a3に形成される。
【0063】
図9に示すように、素子分離用マスク1400を形成する。素子分離用マスク1400は、第1領域a1上、第2領域a2上、及び第3領域a3上に形成される。素子分離用マスク1400が形成される第1領域a1は、島状の第1領域a1及び外周の第1領域a1である。第3領域a3のうち、外周の第1領域a1とする部分以外の領域上には、素子分離用マスク1400を形成しない。
【0064】
図10に示すように、エッチングにより、図9に示した第3領域a3のn側層1210aの一部が除去されて、n側層1210bが形成される。第3領域a3のn側層1210aの一部を除去したことにより、第2絶縁膜82がn側層1210aから露出される。第1領域a1及び第2領域a2を含むn側層1210bを有する発光素子領域aLEDは、それぞれ分離されて、平面視で、支持基板100上に行列状に配置される。n側層1210aのエッチングには、ドライエッチング法又はウェットエッチング法が用いられる。
【0065】
図11に示すように、第2凸部形成用マスク(第2マスク)1500を形成する。第2凸部形成用マスク1500は、第2領域a2以外のn側層1210b上に形成される。より具体的には、第2凸部形成用マスク1500は、島状の第1領域a1上及び外周の第1領域a1上に形成される。第2凸部形成用マスク1500は、外周の第1領域a1の外周の第2絶縁膜82上にも形成される。
【0066】
図12に示すように、図11に示した第2凸部形成用マスク1500から露出された第2領域a2がエッチングされて、第2領域a2に複数の第2凸部10bが形成される。第2凸部10bの形成には、例えばウェットエッチング法が用いられる。例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等の溶媒によって、第2領域a2には、複数の第2凸部10bが形成される。ドライエッチング法で第1領域a1に複数の第1凸部10aを形成し、ウェットエッチング法で第2領域a2に複数の第2凸部10bを形成することにより、複数の第1凸部10aが形成された第1領域a1の算術平均粗さを、複数の第2凸部10bが形成された第2領域a2の算術平均粗さよりも大きくしやすい。
【0067】
その後、発光素子領域aLEDのn側層10上に、図1及び図2に示した第4絶縁膜84を形成し、さらに、第1パッド電極71及び第2パッド電極72を形成する。そして、上面に複数の発光素子領域aLEDが形成された支持基板100を個片化することで、図1及び図2に示した発光素子1を製造することができる。
【0068】
なお、図7に関連して説明した第1凸部形成用マスク1300を形成する工程では、露出された下地層1100aのうち、第2領域a2に重なる領域にも複数のレジストマスク1300aを形成し、発光素子領域aLEDに分離するようにしてもよい。この場合、第2領域a2に第2凸部10bを形成する工程は、第2領域a2に第1凸部10aが形成された状態で行われる。
【0069】
実施形態に係る発光素子1の製造方法の効果について説明する。
実施形態に係る発光素子1の製造方法では、第1領域a1及び第2領域a2のそれぞれに別工程で凸部を形成している。これにより、第1領域a1に形成される複数の第1凸部10aの形状及び第2領域a2に形成される複数の第2凸部10bの形状を所望の形状とすることができ、光取出効率の高い発光素子1を製造することができる。
【0070】
実施形態に係る発光素子1の製造方法では、第1凸部形成用マスク1300により、複数の第1凸部10aを形成し、素子分離用マスク1400により、発光素子領域aLEDに分離した後に、第2領域a2に複数の第2凸部10bを形成する。
【0071】
第1領域a1に複数の第1凸部10aを形成する工程では、複数の第1凸部10aのそれぞれの形状に応じた複数のレジストマスク1300aをn側層上に形成する必要がある。このようなレジストマスク1300aを、段差のある面上に形成することが困難である。実施形態に係る発光素子1の製造方法では、第1凸部形成用マスク1300を形成する工程は、複数の発光素子領域aLEDをそれぞれ分離する前に行うので、複数のレジストマスク1300aを、段差の少ない面上に形成することができる。
【0072】
発光素子1の構成に関連して説明したように、n側層10における光の吸収を低減するため第2領域a2に位置するn側層10の厚さは薄くすることが好ましい。また、第1導電部材40と電気的に接続される第1領域a1では、シート抵抗を低くし順方向電圧Vfを低減させるために、n側層10の厚さを厚くすることが好ましい。
【0073】
発光素子領域に分離する工程の後、第1領域a1の第1面11a及び第2領域a2の第3面12aを同時にエッチング溶媒によりエッチングすると、活性層14のない第1領域a1では、エッチング溶媒がn側層10を介して、第2絶縁膜82まで到達するおそれがある。これにより、第2絶縁膜82が部分的にエッチングされることで、絶縁不良や耐湿性の劣化等の不具合が生じ、歩留りを低下させるおそれがある。
【0074】
実施形態に係る発光素子1の製造方法では、第1領域a1の第1面11aに第1凸部10aを形成した後に、複数の発光素子領域aLEDに分離し、発光素子領域aLEDの第2領域a2の第3面12aに第2凸部10bを形成する。第2領域a2に第2凸部10bを形成する工程において、第1領域a1をマスクで覆った状態で行うことで、第1領域a1においてエッチング溶媒がn側層10を介して第2絶縁膜82に到達することを低減することができる。したがって、第1領域a1のn側層10下に位置する第2絶縁膜82が部分的にエッチングされることが低減でき、発光素子1の製造の歩留りを向上させることが可能になる。
【0075】
実施形態に係る発光素子1の製造方法では、ドライエッチング法を用いて、第1領域a1の第1面11aに第1凸部10aを形成する。そのため、十分な高さとアスペクト比を有する第1凸部10aを形成することが可能である。したがって、複数の第1凸部10aが形成された第1領域a1の算術平均粗さを十分に大きくすることができ、電流集中の低減と光の取出効率の向上の両立を図ることができる。
【0076】
以上説明した実施形態によれば、光取出効率を向上した発光素子の製造方法を実現することができる。
【0077】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0078】
実施形態は、以下の態様を含む。
【0079】
(付記1)
n側層と、p側層と、前記n側層と前記p側層との間に配置された活性層と、を有する半導体構造体であって、前記n側層は、上面視で、前記p側層及び前記活性層が配置されていない第1領域と、前記前記p側層及び前記活性層が配置された第2領域と、を有する前記半導体構造体を準備する工程と、
上面視で、前記n側層の前記第1領域上に、前記n側層を露出させる複数の第1マスクを形成する工程と、
前記複数の第1マスクを用いたドライエッチングにより、前記複数の第1マスクを除去しながら前記複数の第1マスクから露出する前記n側層を除去し、前記第1領域に複数の第1凸部を形成する工程と、
前記複数の第1凸部を形成する工程の後、前記半導体構造体を、前記第1領域及び前記第2領域を含む前記n側層と、前記活性層と、前記p側層と、をそれぞれ有する複数の発光素子領域に分離する工程と、
前記複数の発光素子領域に分離する工程の後、上面視で、前記複数の発光素子領域それぞれにおける前記第1領域上に前記n側層の前記第2領域を露出させる第2マスクを形成する工程と、
前記第2マスクを形成する工程の後、前記第2マスクを用いたエッチングにより、前記第2領域に複数の第2凸部を形成する工程と、
を備えた発光素子の製造方法。
【0080】
(付記2)
前記複数の第1マスクを形成する工程において、前記第2領域に複数の第2凸部を形成する工程で形成される前記複数の第2凸部の高さよりも厚い前記複数の第1マスクを形成し、
前記複数の第1凸部が形成された前記第1領域の算術平均粗さを、前記複数の第2凸部が形成された第2領域の算術平均粗さよりも大きくする付記1記載の発光素子の製造方法。
【0081】
(付記3)
前記半導体構造体は、前記複数の第1凸部が形成される、前記第1領域の第1面の反対側の第2面で電気的に接続された第1導電部材をさらに有し、
前記複数の第2凸部を形成する工程の後において、前記第1領域における前記n側層の厚さは、前記第2領域における前記n側層の厚さよりも厚い付記1又は2に記載の発光素子の製造方法。
【0082】
(付記4)
前記半導体構造体は、前記活性層側から順に、Alを含む第1半導体層と、前記第1半導体層よりもAl組成比が低い第2半導体層とを含む前記n側層を有し、
前記複数の第1凸部を形成する工程において前記第2半導体層から前記第1半導体層を露出させる付記1~3のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
【0083】
(付記5)
前記活性層からの光のピーク波長は、410nm以下である付記1~4のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
【0084】
(付記6)
前記第1マスクを形成する工程において、上面視で、前記第1領域の前記n側層において前記複数の第1凸部を形成する位置とそれぞれ重なる位置に前記第1マスクを形成する付記1~5のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
【0085】
(付記7)
前記第1凸部が形成された前記第1領域の算術平均粗さは、1μm以上3μm以下であり、
前記第2凸部が形成された前記第2領域の算術平均粗さは、0.1μm以上1μm以下である付記1~6のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
【符号の説明】
【0086】
1…発光素子、10、1210、1210a、1210b…n側層、10a…第1凸部、10b…第2凸部、11a…第1面、11b…第2面、12a…第3面、12b…第4面、14、1214…活性層、15、1215…p側層、20、1220…半導体積層体、30…反射電極、40…第1導電部材、50…第2導電部材、71…第1パッド電極、72…第2パッド電極、81…第1絶縁膜、82…第2絶縁膜、83…第3絶縁膜、84…第4絶縁膜、100…支持基板、101…接合層、1000…基板、1100、1100a…下地層、1200…半導体構造体、1300…第1凸部形成用マスク、1300a…レジストマスク、1400…素子分離用マスク、1500…第2凸部形成用マスク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12