(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033205
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】充電器制御システム、充電器制御方法、充電器制御プログラム、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136652
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠井 卓也
(72)【発明者】
【氏名】岩田 恭彰
(72)【発明者】
【氏名】中村 暢之
(72)【発明者】
【氏名】丹保 省吾
(72)【発明者】
【氏名】野村 裕宗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】複数の充電器に、複数台の電気自動車に対する充電を効果的に行わせる。
【解決手段】系統電力を用いて、複数の充電器4に、駐車中の複数のEV5に対しバッテリー充電を行わせる充電器制御システムにおいて、各EV5の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段11と、施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段12と、充電器4において必要な充電電力量を算出する充電電力量算出手段13と、施設電力量、充電電力量及び駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段15と、充電計画に基づいて、各充電器4に、対応するEV5のバッテリー充電を行わせる充電制御手段16と、を備え、充電計画生成手段15は、系統電力の単価が上がるピーク値から施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、駐車予定時間に応じた充電電力量で、各EV5のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせる充電器制御システムにおいて、
各電気自動車の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段と、
施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段と、
前記充電器に出力させる充電電力量を算出する充電電力量算出手段と、
前記駐車予定時間、前記施設電力量、及び、前記充電電力量に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段と、
前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電制御手段と、を備え、
前記充電計画生成手段は、
前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成する
ことを特徴とする充電器制御システム。
【請求項2】
前記充電計画は、
前記駐車予定時間が長いほど単位時間当たりの充電電力量を少なくする計画を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の充電器制御システム。
【請求項3】
前記電気自動車のバッテリー充電率を入力する充電率入力手段を備え、
前記充電計画は、
前記バッテリー充電率が少ない電気自動車を優先して前記バッテリー充電を行う計画を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の充電器制御システム。
【請求項4】
前記充電計画は、
前記充電電力量が前記余力を超過しない時間帯は、各電気自動車を対象に前記バッテリー充電を行わせ、
前記充電電力量が前記余力を超過する時間帯は、前記バッテリー充電率が特定率未満の電気自動車を対象に、前記バッテリー充電を行わせる計画を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の充電器制御システム。
【請求項5】
系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせる充電器制御方法において、
各電気自動車の駐車予定時間を入力する第1ステップと、
施設において必要な施設電力量を算出する第2ステップと、
前記充電器において必要な充電電力量を算出する第3ステップと、
前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する第4ステップと、
前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる第5ステップと、を有し、
前記第4ステップは、
前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成する
ことを特徴とする充電器制御方法。
【請求項6】
系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせるコンピュータを、
各電気自動車の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段、
施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段、
前記充電器において必要な充電電力量を算出する充電電力量算出手段、
前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段、
前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電制御手段、として機能させ、
前記充電計画生成手段は、
前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成する
ことを特徴とする充電器制御プログラム。
【請求項7】
系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせるサーバにおいて、
各電気自動車の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段と、
施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段と、
前記充電器において必要な充電電力量を算出する充電電力量算出手段と、
前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段と、
前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電制御手段と、を備え、
前記充電計画生成手段は、
前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成する
ことを特徴とするサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電気自動車に対し充電を行う複数の充電器の制御に関する充電器制御システム、充電器制御方法、充電器制御プログラム、及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等の施設の駐車場に充電器を設置し、電気自動車を充電可能なサービスが知られている。
施設における消費電力量(施設電力量)は、天気、気温、湿度等により大きく変化し、時間帯によっては電気自動車を充電することによってピーク値(規定値)を超過して電気料金の増加につながる可能性がある。
そこで、例えば、特許文献1には、施設電力量が、電力単価が上がるピーク値に到達する場合に当該ピーク値を回避するための充電方法の選択肢を決定・提示する充電システムについて開示されている。
具体的には、単位時間当たりの充電量を多くして電気自動車のバッテリーを急速に充電する選択肢と、単位時間当たりの充電量を少なくし調整しながら充電を行う選択肢と、電力ピークが発生している間待機した後、急速充電を行う選択肢と、系列の他店舗へ誘導する選択肢と、を利用者に提示し、利用者に選択させる仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の技術は、利用者が、どの選択肢を選択すれば良いかを判断しなければならないため煩わしい。
また、特許文献1には、「また、当該施設において電力ピークの発生を回避するために、電気自動車への単位時間当たりの充電量を抑制するなどのデマンド制御を利用者の関知しないところで行ってしまうと、利便性を著しく損ねると共に、利用者に不快感を与えてしまう可能性が高い。」との記載がある(段落[0007]等参照)。
しかしながら、例えば、駐車時間に応じて充電量を調整し、駐車終了時に充電が完了するように制御するなど、駐車時間を活用した充電制御を行うことで、むしろ利用者にとって利便性の高いシステムを構築できる。
【0005】
本発明は、以上のような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、電気自動車の駐車時間を利用して、ピーク値を超えない電力で複数の充電器を制御する充電器制御システム、充電器制御方法、充電器制御プログラム、及びサーバの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明の一態様に係る充電器制御システムは、系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせる充電器制御システムにおいて、各電気自動車の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段と、施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段と、前記充電器に出力させる充電電力量を算出する充電電力量算出手段と、前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段と、前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電制御手段と、を備え、前記充電計画生成手段は、前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成するようにしている。
【0007】
また、本発明の他の一態様に係る充電器制御方法は、系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせる充電器制御方法において、各電気自動車の駐車予定時間を入力する第1ステップと、施設において必要な施設電力量を算出する第2ステップと、前記充電器において必要な充電電力量を算出する第3ステップと、前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する第4ステップと、前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる第5ステップと、を有し、前記第4ステップは、前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成するようにしてある。
【0008】
また、本発明の他の一態様に係る充電器制御プログラムは、系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせるコンピュータを、各電気自動車の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段、施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段、前記充電器において必要な充電電力量を算出する充電電力量算出手段、前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段、前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電制御手段、として機能させ、前記充電計画生成手段は、前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成するようにしてある。
【0009】
また、本発明の他の一態様に係るサーバは、系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせるサーバにおいて、各電気自動車の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段と、施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段と、前記充電器において必要な充電電力量を算出する充電電力量算出手段と、前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段と、前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電制御手段と、を備え、前記充電計画生成手段は、前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成するようにしてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の充電器に、複数の電気自動車に対するバッテリー充電を効果的に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る充電器制御システムの概略図である。
【
図2】駐車場の各駐車スペースに設けられた各充電器の接続態様を示す図である。
【
図5】電気自動車のハードウェア概略構成図である。
【
図6】充電器制御システム及びサーバの機能構成図である。
【
図15】(a)は将来の施設電力量を予測可能な施設電力量予測モデルの生成方法を示す図であり、(b)は生成された施設電力量予測モデルに将来の日付、時間帯、天気、気温、湿度及び曜日を入力することで施設電力量(予測)を出力させることを示す図である。
【
図16】施設電力量(予測)の一例を示す図表である。
【
図18】生成された充電計画の一例を示す図表ある。
【
図20】3社のオフサイトPPA及び1カ所でオンサイトPPAを実施した場合の課金方法を示す図である。
【
図21】充電器制御方法及び充電器制御プログラムに係る処理手順を示すシーケンス図である。
【
図22】ユーザ端末における画面遷移を示す図である。
【
図23】(a)は将来の再エネ電力量を予測可能な再エネ電力量予測モデルの生成方法を示す図であり、(b)は生成された再エネ電力量予測モデルに将来の日付、時間帯、天気を入力することで再エネ電力量(予測)を出力させることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の充電器制御システム、充電器制御方法、充電器制御プログラム、及びサーバの好ましい実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る充電器制御システムの概略図である。
同図において、破線内は、本実施形態の充電器制御システムの主たる構成を示している。
同図に示すように、本実施形態の充電器制御システムは、充電器4と、ユーザ車両である電気自動車(EV5)と、外部装置6と、ユーザ端末2と、サーバ1とを備えている。
図2は、駐車場の各駐車スペースに設けられた各充電器4の接続態様を示す図である。
【0014】
太陽光パネル、充電器4、施設、及び、高圧受電設備は、施設の敷地に設けられており、電力会社から供給される系統電力のほか、オンサイトPPAの態様で太陽光パネルで発電された再エネ電力も利用可能になっている。
なお、「オンサイトPPA」とは、再エネ利用者の敷地内に太陽光発電設備を設置する仕組みのことであり、これに対し、再エネ利用者の敷地外に太陽光発電設備を設置する仕組みのことを「オフサイトPPA」という。
「PPA」は、「Power Purchase Agreement」の略語であり、電力販売契約のことをいう。
高圧受電設備は、電力会社からの系統電力や太陽光パネルからの再エネ電力を高圧から低圧(100V又は200V)に変換する設備であり、この設備によって、施設負荷や充電器4が使用できる電力を供給できるようにしている。
施設は、例えば、空港の待合施設などを例示することができ、施設負荷は、例えば、施設の照明、空調、その他電気機器を例示することができる。
オフサイトPPAにおいて、高圧受電設備及び充電器4は、充電事業者により管理されている。
【0015】
充電器4は、駐車場の各駐車スペースに設けられる。
各充電器4は、駐車スペースに駐車中のEV5と充電ケーブルで接続することで当該EV5のバッテリー充電を行う。
なお、
図2には、駐車スペースA1に駐車しているA車に対し充電器aからバッテリー充電が行われる状態や、駐車スペースA2に駐車しているB車に対し充電器bからバッテリー充電が行われる状態や、駐車スペースA3に駐車しているC車に対し充電器cからバッテリー充電が行われる状態が示されている。
駐車中、つまり、充電中のA車、B車、C車は、それぞれのバッテリー充電率を充電器4に出力し、各充電器4は、バッテリー充電率を含む充電状況情報を通信回線9を介してサーバ1に送信する。
これにより、サーバ1は、各充電器4による充電状況を管理したり、充電状況に応じた各充電器4の出力制御(充電制御)ができる。
【0016】
図3は、サーバ1のハードウェア構成図である。
サーバ1は、主に充電器4の制御を行う情報処理装置である。
サーバ1は、制御部101と、メモリ102と、記憶部103と、通信装置104と、を備えている。
制御部101は、プログラムを実行するプロセッサであり、サーバ1の各部を制御し、サーバ1の機能を実現する処理を行う。制御部101には、例えばCPU(Central Processing Unit)が用いられる。
メモリ102は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であり、制御部101により実行されるプログラムを記憶する。メモリ102には、例えばRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)が用いられる。
記憶部103は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(ストレージ)であり、制御部101により用いられる各種のデータ及びプログラムを記憶する。記憶部103には、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)が用いられる。
通信装置104は、通信回線9に接続され、当該通信回線9を介してユーザ端末2、充電器4、外部装置6などとデータ通信を行う。
例えば、通信装置104は、ユーザ端末2から予約情報を受信し、ユーザ端末2に対し充電器4から受信した充電状況情報を送信する。
また、通信装置104は、充電器4から充電状況情報を受信し、充電器4に対し出力指示情報を送信する。
また、通信装置104は、外部装置6から系統電力の調達価格(予測)や天気情報(実績)を受信する。
【0017】
図4は、充電器4のハードウェア構成図である。
充電器4は、EV5に対して充電を行う充電器本体405を備えるほか、制御部401と、メモリ402と、記憶部403と、記憶部403と、通信装置404と、を備える。
制御部401は、プログラムを実行するプロセッサであり、充電器4の各部を制御し、充電器4の機能を実現する処理を行う。制御部401には、例えばCPU(Central Processing Unit)が用いられる。
メモリ402は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であり、制御部401により実行されるプログラムを記憶する。メモリ402には、例えばRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)が用いられる。
記憶部403は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(ストレージ)であり、制御部401により用いられる各種のデータ及びプログラムを記憶する。記憶部403には、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)が用いられる。
通信装置404は、通信回線9に接続され、当該通信回線9を介してサーバ1などとデータ通信を行う。
例えば、通信装置404は、サーバ1に対し充電状況情報を送信し、サーバ1から出力指示情報を受信する。
【0018】
充電器本体405は、電力会社から供給される系統電力を用いて、EV5のバッテリー充電を行う。
充電器本体405には、充電ケーブルの一端が接続されており、当該充電ケーブルの他端をEV5に接続することでEV5に対しバッテリー充電を行える。
充電器4の種類は、大きく分けて、普通充電器と急速充電器とがあるが、本実施形態の充電器4は、基本出力が6kW程度の普通充電器を想定している。
なお、充電器4は、急速充電器でもよく、基本出力が異なってもよく、充電ケーブル付きではないコンセント型でもよい。
また、充電器本体405は、太陽光パネルで発電される再エネ電力を用いて、EV5のバッテリー充電を行うこともできる。
【0019】
EV5は、ユーザーが利用する電気自動車である。
EV5は、アクセル、ハンドル、ブレーキなどの運転装置やバッテリーを備える(図示省略)ほか、
図5に示すように、制御部501と、メモリ502と、記憶部503と、通信装置504と、バッテリー管理装置505と、を備える。
制御部501は、プログラムを実行するプロセッサであり、EV5の各部を制御し、EV5の機能を実現する処理を行う。制御部501には、例えばCPU(Central Processing Unit)が用いられる。
メモリ502は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であり、制御部501により実行されるプログラムを記憶する。メモリ502には、例えばRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)が用いられる。
記憶部503は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(ストレージ)であり、制御部501により用いられる各種のデータ及びプログラムを記憶する。記憶部503には、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)が用いられる。
通信装置504は、通信回線9に接続され、当該通信回線9を介してサーバ1とデータ通信を行う。
例えば、通信装置504は、充電器4に対し充電ケーブルを介してSOC(バッテリー充電率)を送信する。
なお、充電器4は受信したSOCをサーバ1に送信するところ、通信装置504が直接サーバ1にSOCを無線又は有線により送信することもできる。
バッテリー管理装置505は、EV5に搭載されているバッテリーを管理する装置であり、例えば、SOC(バッテリー充電率)を管理している。
電気自動車は、電動バイク、電動自転車、電動ドローンなど他のバッテリー駆動の移動手段を適用することもできる。
【0020】
外部装置6は、サーバ1と通信回線9を介して接続されているWebサーバなどの外部の情報処理装置であり、例えば、系統電力の調達価格を予測する電力予測価格公開サーバ(スポット市場での電力取引価格を予測するサーバ)や、過去の日毎及び時間帯毎の天気や気温・湿度を示す情報(実績)を公開する天気情報公開サーバを例示することができる。
外部装置6は、サーバ1に対し、系統電力の調達価格(予測)や天気情報(実績)を送信する。
【0021】
図6は、充電器制御システム及びサーバ1の機能構成図である。
同図に示すように、充電器制御システム及びサーバ1は、データベース(DB110)と、駐車予定時間入力手段11と、施設電力量算出手段12と、充電電力量算出手段13と、充電率入力手段14と、充電計画生成手段15と、充電制御手段16と、を備えている。
【0022】
DB110は、記憶部103に記憶されている各データベースである。
DB110は、具体的には、
図7に示すように、ユーザDB111、車両DB112、予約DB113、天気DB114、施設電力量DB115、電力単価DB116、及び、充電実績DB117により構成される。
【0023】
ユーザDB111は、駐車場及び充電器4を利用するユーザーの登録情報であり、
図8に示すように、ユーザーの識別情報であるユーザID、ユーザーの氏名、ユーザーが保有する車両(メーカー名及び車両名)を特定可能なユーザ車両などの登録データから構成される。
ユーザDB111は、例えば、ユーザによるユーザ端末2の操作により各登録データが入力され、その後、各登録データがサーバ1に向けて送信され、サーバ1において、受信した各登録データを記憶部103に記憶することで構成される。
【0024】
車両DB112は、各EV5の電池容量を示すデータベースであり、
図9に示すように、各車両のメーカー名、車両名、電池容量などの車両情報によって構成される。
車両DB112は、予め記憶部103に記憶されている。
予約DB113は、駐車場や充電器4の予約に関する情報であり、
図10に示すように、ユーザID、氏名、車両名、駐車開始時である開始日時、駐車終了時である終了日時、充電器4の識別情報である充電器情報、予約番号などの予約データから構成される。
予約DB113は、例えば、ユーザによるユーザ端末2の操作により各予約データが入力され、その後、各予約データがサーバ1に向けて送信され、サーバ1において、受信した各予約データを記憶することで構成される。
【0025】
天気DB114は、
図11に示すように、過去の日毎及び時間帯毎の天気や気温・湿度を示す情報(実績)により構成される。
天気DB114は、外部装置6から天気情報がサーバ1に送信され、サーバ1において受信した天気情報を記憶部103に記憶することで構成される。
なお、天気DB114は、サーバ1に記憶せず、外部装置6に記憶しているものを参照するようにしてもよい。
また、天気DB114に、気温・湿度を含めなくてもよい。
【0026】
施設電力量DB115は、
図12に示すように、過去に施設において消費された電力量の実績値を、日付、時間帯、及び、曜日と共に記憶したものである。
【0027】
電力単価DB116は、
図13に示すように、系統電力や再エネ電力の時間単価情報(調達価格の予測値)によって構成される。
電力単価DB116は、外部装置6から系統電力の調達価格等がサーバ1に送信され、サーバ1において受信した系統電力の調達価格(時間単価情報)を記憶部103に記憶することで構成される。
再エネ電力の設定価格は、PPA事業者との間で取り決めた時間単価情報が予め電力単価DB116に記憶されて構成される。
図13に示すように、時間単価には、固定のものと、時間帯によって変動するものとがある。
図13は、再エネ電力の時間単価が固定で、系統電力の時間単価が変動の例を示しているが、再エネ電力の時間単価が変動であってもよく、系統電力の時間単価が固定であってもよい。
【0028】
充電実績DB117は、
図14に示すように、実際に充電した結果を示す情報であり、充電器情報、充電量、課金額(系統電力分、再エネ電力分及びこれらの合計)と共に記憶部103に記憶して構成される。
なお、
図14では、実際に駐車した時間(開始日時及び終了日時)を示しているが、実際に充電した時間を示すこともできる。
【0029】
(充電計画について)
充電計画の生成方法について説明する。
「充電計画」は、充電計画生成手段15が、駐車予定時間、施設電力量、及び、充電電力量に基づいて生成する。
「駐車予定時間」は、各EV5の駐車予定時間であり、駐車予定時間入力手段11が入力する。
具体的には、特定の駐車場に駐車するEV5の駐車予定時間を入力する。
駐車予定時間の入力は、具体的には、ユーザーがユーザ端末2を用いて駐車や充電を予約することにより行われる。
より具体的には、予約に伴い、ユーザ端末2から予約情報(
図10)がサーバ1に送信され、サーバ1が、予約情報を受信することで入力する。
入力された予約情報は、予約DB113として記憶される。
【0030】
例えば、
図10に示す予約情報は、山本太郎が、A車を2020年5月1日の10:00~15:00の駐車を予約しており、山田花子が、B車を2020年5月1日の10:00~17:00の駐車を予約しており、鈴木一郎が、C車を2020年5月1日の10:00~20:00を予約していることを示している。
また、この予約情報は、山本太郎のA車は、予約時間内で(つまり駐車中に)充電器aを用いて充電されることが予約され、山田花子のB車は、予約時間内で充電器bを用いて充電されることが予約され、鈴木一郎のC車は、予約時間内で充電器cを用いて充電されることが予約されていることを示している(
図10参照)。
図17のJ~Lは、A車、B車、C車の駐車予定時間を薄墨で示している。
【0031】
「施設電力量」は、施設において必要な電力量であり、施設電力量算出手段12が算出する。
施設電力量は、具体的には、過去の実績値に基づいて、駐車予定日における時間帯毎の予測値を用いる。
図15(a)は、将来(未知)の施設電力量を予測可能な施設電力量予測モデルを生成する方法を示す図である。
例えば、天気DB114(
図11)及び施設電力量DB115(
図12)に格納された情報から、過去に施設において消費した電力量(実績)と、その日付、時間帯、天気、気温、湿度を抽出し、これらの相関関係を機械学習(例えばディープラーニング)することで、将来、施設において必要であろう電力量(予測)を出力可能な施設電力量予測モデルを生成することができる。
施設電力量は、時間帯、天気、気温、湿度によって相違することから、相互において相関関係が推認される。
【0032】
図15(b)に示すように、施設電力量予測モデルは、将来の日付、時間帯、天気、気温・湿度、曜日を入力すると、その日付の施設電力量(予測)を時間帯毎に出力させることができる。
なお、「天気・気温・湿度」は、将来の日付における時間帯毎の天気・気温・湿度(予測)である。
この「天気・気温・湿度(予測)」は、過去の日付、時間帯、天気、気温、湿度における相関関係を学習することで得られた学習済みモデルに対し、将来の日付、時間帯を入力することで出力されるその日付の時間帯毎の天気や気温や湿度の予測値を入力すればよい。季節を学習データに含ませることもできる。
このため、本実施形態では、予約日(駐車予定日である2020年5月1日)、時間帯、曜日、及び、天気・気温・湿度(予測)を施設電力量予測モデルに入力すれば、当該施設電力量予測モデルに、駐車予約日の施設電力量(予測)を時間帯毎に出力させることができる。
【0033】
なお、上述のように、過去の天気等の実績から将来の天気等を出力する工程を設けず、過去の各情報の実績に基づいて、将来の施設電力量(予測)を出力させるモデルを生成することもできる。
つまり、このようにすると、予測モデルを1つで済ますことができる。
また、機械学習やディープラーニングによらず、過去の施設電力量の実績の傾向を分析して、将来の施設電力量(予測)を導出することもできる。
図16及び
図17のAは、施設電力量算出手段12により算出された駐車予約日(2020年5月1日)の時間帯毎の施設電力量(予測)である。
【0034】
「充電電力量」は、充電器4において必要な電力(予測)であり、充電電力量算出手段13が算出する。
ただし、充電器4は、系統電力を調達して出力させると、施設負荷と重なってピーク値(規定値)を超過して消費することが懸念される。
つまり、系統電力は、消費電力量がピーク値を超過すると料金(電力単価)が上がるため、何らの措置を講ずることなく負荷(充電器4)を増やすと、無駄に高い電気料金で電力を調達せざるを得ないことになる。
そこで、本実施形態の充電器制御システムでは、充電計画生成手段15が、系統電力の単価に係るピーク値(規定値)から施設電力量を差し引いた余力以下で(つまり余力の電力量の範囲で)、かつ、駐車予定時間に応じた充電電力量で、各EV5のバッテリー充電を行わせる時系列の充電計画を生成する。
【0035】
図17のAは、施設電力量を時系列(時間帯毎)に示しており、
図17のBは、ピーク値を示している。
図17のCは、余力の電力量である。
同図に示すように、余力は、ピーク値から施設電力量を差し引いた電力量である。つまり、余力は、「ピーク値-施設電力量」により算出することができる。
図17のCの例では、10:00~14:00及び16:00~21:00までの各時間帯では余力が10kWhで、14:00~15:00と15:00~16:00の時間帯は余力が40kWhであることが示されている。
【0036】
図17のDは、充電電力量(予測)を時系列に示している。
各充電器a~cは、いずれも基本出力が6kWhのものを想定している。
このため、例えば、充電器a~cのうち3機がすべてフル出力すると、18kWh(=6kWh×3機)の充電電力量が消費され、2機がフル出力すると、12kWh(=6kWh×2機)の充電電力量が消費される。
この場合、いずれも充電電力量が余力(10kWh)を超えることになるが、本実施形態では、このような場合、一部のEV5の充電を制限したり、出力を抑えることで、充電電力量を余力以下に収める充電計画を生成する。
【0037】
「一部のEV5の充電を制限」とは、具体的には、バッテリー充電率が特定率:70%以上のEV5については基本的には充電を行わず、バッテリー充電率が特定率:70%未満のEV5について優先して充電を行うものである。
なお、特定率は70%に限らず、操作により任意の特定率を設定したり変更することができる。
また、「以上」及び「未満」は、「超過」及び「以下」に変更してもよい。
つまり、充電計画には、バッテリー充電率が少ないEV5を優先してバッテリー充電を行う要素を含めている。
【0038】
バッテリー充電率は、EV5を駐車スペースに駐車した後、充電ケーブルでEV5と充電器4とを接続することで、EV5側から現時点におけるSOC(State of charge)が充電器4側に出力され、これを充電器4がサーバ1に送信することでサーバ1の充電率入力手段14が入力することができる。
つまり、バッテリー充電率は、充電の直前(充電開始時)にサーバ1が取得する。
図17のM~Oに示すように、本例において、A車の充電開始時のバッテリー充電率は90%で、B車の充電開始時のバッテリー充電率は10%で、C車の充電開始時のバッテリー充電率は50%であるものとする。
車両DB112を参照すると、A車の電池容量は62kWhで、B車の電池容量は40kWhで、C車の電池容量は62kWhであることから、
図17のP~Rに示すように、A車の充電開始時の未充電量は6.2kWhで、B車の充電開始時の未充電量は36kWhで、C車の充電開始時の未充電量は31kWhであることを特定できる。
【0039】
より具体的には、充電電力量が余力を超過しない時間帯は、各EV5を対象に無制限にバッテリー充電を行わせ、充電電力量が余力を超過する時間帯は、バッテリー充電率が特定率未満のEV5を対象に、バッテリー充電を行わせる充電計画を生成する。
さらに、このように対象数を減らしても充電電力量が余力を超過する場合には「出力を抑える」ように充電計画を生成する。
例えば、本例において、A車は、駐車開始時のバッテリー充電率が90%であり、B車は、駐車開始時のバッテリー充電率が10%であり、C車は、駐車開始時のバッテリー充電率が50%であるため、10:00(充電開始時)~11:00における充電対象は、バッテリー充電率が70%未満のB車とC車が選択される。
【0040】
ただし、B車とC車に対し充電器bと充電器cとでフル出力で充電を行うと12kWh(=6kWh×2機)となり余力(10kWh)を超過するため、充電器4の出力を抑える。
具体的には、充電器b及び充電器cの出力を、B車とC車の駐車時間に応じて分割する。
例えば、B車の駐車予定時間は7時間であり、C車の駐車時間は10時間であるため、B車に対しては、10kW(余力)×10/17時間≒6kWhの出力を行わせ、C車に対しては、10kWh(余力)×7/17時間≒4kWhの出力を行わせる、という充電計画を生成する。
これにより、11:00直前には、A車のバッテリー充電率は90%のままだが、B車のバッテリー充電率は10%→25%になり、C車のバッテリー充電率は50%→56%になる。
【0041】
また、11:00直前には、A車の未充電量は6.2kWhだが、B車の未充電量は36kWh→30kWhになり、C車の未充電量は31kWh→27kWhになる。
同様の処理を、各時間帯の開始時に行う。
これにより、例えば、13:00~14:00の時間帯では、直前の時間帯における充電でC車のバッテリー充電率が70%に到達する。
つまり、B車だけがバッテリー充電率が70%未満になる。
このため、充電器bには、B車に対してフル出力(6kWh)で充電を行わせる充電計画を生成する
【0042】
ここで、A車及びC車は、バッテリー充電率が70%以上であり充電の対象外とも思われるが、余力が4kWh残っている。
このため、残余力を分割する。例えば、残余力を均等分割する。
つまり、充電器aはA車に対し出力2kWhにて充電を行い、充電器cはC車に対し出力2kWhにて充電を行う充電計画を生成する。
なお、残余力4kWhを均等分割でなく、例えば、残り駐車時間に応じて出力を割り振る(残り駐車時間が長いほど出力を少なくするなど)ようにしてもよい。
14:00~15:00の時間帯では、余力が40kWh(=120kWh-80kWh)に増えるので、充電器a~cの充電電力量18kWh(=6kWh×3機)を余力以下に収めることができる。
このため、14:00~15:00の時間帯の充電電力量は18kWhとなる(
図17のD参照)。
この時間帯の充電により、A車は、バッテリー充電率が100%に到達し、未充電量がゼロになることで、充電が完了する(満充電)。
【0043】
15:00~16:00の余力も40kWhであり、充電器bと充電器cによる充電電力量は12kwhとなる(
図17のD参照)。
このため、15:00~16:00の時間帯は、充電器bはB車に対し出力6kWhにて充電を行い、充電器cはC車に対し出力6kWhにて充電を行う、という充電計画を生成する。
この時間帯の充電により、B車は、バッテリー充電率が100%に到達し、未充電量がゼロになることで、充電が完了する(満充電)。
16:00~17:00の余力は10kWhであり、充電器cによる充電電力量は6kWhとなる(
図17のD参照)。
このため、16:00~17:00の時間帯は、充電器cはC車に対し出力6kWhにて充電を行う、という充電計画を生成する。
この時間帯の充電により、C車は、バッテリー充電率が100%に到達し、未充電量がゼロになることで、充電が完了する(満充電)。
上述した充電計画に沿って各充電器4に充電を行わせることで、A車、B車、及び、C車は、駐車中に満充電が完了する。
【0044】
図18は、充電器a~cによる出力計画(充電計画)の一例である。
つまり、上述した充電計画をまとめた充電計画情報である。
サーバ1は、同図に示す充電計画情報を出力指示情報に含めて各充電器4に送信する。
各充電器4は、出力指示情報を受信すると、制御部401が充電器本体405に充電計画に基づく出力で充電を行わせる。
すなわち、充電制御手段16は、充電計画生成手段15により生成された充電計画に基づいて、各充電器4に、対応するEV5のバッテリー充電を行わせる。
【0045】
具体的には、充電器aには、A車に対し、13:00~14:00の時間帯は2kWhの出力で充電を行わせ、14:00~15:00の時間帯は6kWhの出力で充電を行わせる。
充電器bには、B車に対し、10:00~16:00の各時間帯はそれぞれ6kWhの出力で充電を行わせる。
充電器cには、C車に対し、10:00~13:00の各時間帯はそれぞれ4kWhの出力で充電を行わせ、13:00~14:00の時間帯は2kWhの出力で充電を行わせ、14:00~17:00の各時間帯はそれぞれ6kWhの出力で充電を行わせる。
これにより、A車、B車、C車について、いずれも駐車中に満充電させることができる。
【0046】
(電気料金について)
施設の管理者は、再エネ電力の消費分の料金はPPA事業者に支払う必要があり、系統電力の消費分の料金は電力会社に支払う必要がある。
他方、ユーザは、少なくとも、EV5の充電ために消費された電力量に対応する料金を施設側に支払う必要がある。
【0047】
(施設負担分)
まず、施設が負担する電気料金(調達価格)について
図19(a)を参照しながら説明する。
図19(a)のEは、駐車日(2020年5月1日)における時間帯毎の必要電力量(実績)を示す図表であり、
図19(a)のFは、同日における時間帯毎の再エネ発電量(実績)を示す図表であり、
図19(a)のGは、同日における時間帯毎の系統電力調達量(実績)を示す図表である。
図19(1)のEに示す必要電力量は、施設電力量(
図17のA)と充電電力量(
図17のD)の合計値であり、施設全体の需要電力(実績)を示す。
なお、
図17のA及びDは、予測値を示したものであるが、便宜上、実績も同値として説明を行う。
図19(1)のFに示す再エネ発電量は、太陽光パネルにより発電された電力量である。
図19(1)のGに示す系統電力調達量は、必要電力量のうち、再エネ電力ではカバーできなかった電力量であり、系統電力を調達することでカバーした電力量である。
このため、系統電力調達量は、「必要電力量-再エネ発電量」により算出される。
ここで、駐車日は、系統電力調達量が1056kWhで、系統電力の調達価格(時間単価)が28円/kWh(固定)なので、系統電力分の電気料金は、29568円(=1056kWh×28円/kWh)となる。
他方、駐車日は、再エネ発電量が170kWhで、再エネ電力の設定価格の設定価格(時間単価)が27円/kWh(固定)なので、再エネ電力分の電気料金は、4590円(=170kWh×27円/kWh)となる。
従って、施設が負担する駐車日の電気料金は、合計で34158円(=29568円+4590円)となる。
なお、系統電力の調達価格(時間単価)は、便宜上、「固定」としている。
【0048】
(ユーザー負担分)
他方、ユーザーに課される電気料金について
図19(b)~(c)を参照しながら説明する。
第1に、系統電力ベースで電気料金を算出した場合について、
図19(b)を参照しながら説明する。
この場合、A車の充電において消費した充電電力量は8kWhであり(
図19のS参照)、系統電力の調達価格が28円/kWhなので、A車のユーザー山本太郎に課される電気料金は、224円(=8kWh×28円/kWh)となる。
B車の充電において消費した充電電力量は36kWhであり(
図19のT参照)、系統電力の調達価格が28円/kWhなので、B車のユーザー山田花子に課される電気料金は、1008円(=36kWh×28円/kWh)となる。
C車の充電において消費した充電電力量は32kWhであり(
図19のU参照)、系統電力の調達価格が28円/kWhなので、C車のユーザー鈴木一郎に課される電気料金は、896円(=32kWh×28円/kWh)となる。
【0049】
第2に、再エネ電力と系統電力の組み合わせベースで電気料金を算出した場合について、
図19(c)を参照しながら説明する。
この場合、A車の充電において消費した充電電力量に対応する電気料金は223円となる。
具体的には、A車の充電は、13:00~14:00において2kWh消費され、14:00~15:00において6kWh消費されている。
ここで、
図19(a)を参照すると、13:00~14:00における再エネ電力の消費割合は10/120であり、系統電力の消費割合は110/120であることが算出される。
【0050】
他方、14:00~15:00における再エネ電力の消費割合は10/98であり、系統電力の消費割合は88/98であることが算出される。
このため、駐車日において、A車のユーザー山本太郎に課される電気料金は、系統電力分が202円(=2kWh×28円/kWh×110/120+6kWh×28円/kWh×88/98)となり、再エネ電力分が21円(=2kWh×27円/kWh×10/120+6kWh×27円/kWh×10/98)となり、合計223円となる。
【0051】
駐車日のB車の充電において消費した充電電力量に対応する電気料金は1004円となる。
駐車日のC車の充電において消費した充電電力量に対応する電気料金は892円となる。
B車及びC車の内訳についての詳細な説明は省略する。
【0052】
3社とオフサイトPPA契約を行い、1カ所でオンサイトPPAを実施する場合の電気料金の算出方法について、
図20を参照しながら説明する。
同図に示すように、オフサイトPPAの調達先としてa~cがあり、オンサイトPPAの調達先としてdがあり、系統電力の調達先としてeがあるものとする。
また、同図に示すように、調達先a~dについては、それぞれ発電量が変動し、料金(単価)もそれぞれ異なる。
この場合、必要電力量のうち、再エネ電力分は、調達先a~dを単価が安い順に選択される。
【0053】
例えば、15:00~16:00において、再エネ電力の必要電力量は20kWhであり、系統電力の必要電力量は80kWhである。
このため、再エネ電力の電力量20kWhは、最安単価(25円/kWh)の調達先cから全発電量9kWhを調達し、次に安い単価(27円/kWh)の調達先dから全発電量8kWhを調達し、残り分3kWhをその次に安い単価(30円/kWh)の調達先aから調達することになる。
そうすると、再エネ電力の電気料金は、25円/kWh×9kWh+27円lWh×8kWh+30円/kWh×3kWh=531円となる。
他方、系統電力の電気料金は、28円/kWh×80kWh=2240円となる。
したがって、この場合、施設が負担する駐車日の電気料金は、2771円(=531円+2240円)となる。
なお、ユーザ分の電気料金の詳細な説明は省略するが、この場合、再エネ電力の電気料金は、選択された調達先の消費割合に応じた単価を適用して算出すればよい。
【0054】
(充電器制御方法)
充電器制御方法について
図21を参照しながら説明する。
図21は、本発明の充電器制御方法及び充電器制御プログラムに係る処理手順を示すシーケンス図である。
同図に示すように、まず、予約を行う(S101)。
すなわち、ユーザーがEV5を充電器4付きの駐車場に駐車する予約(充電する予約)を行う。
具体的には、
図22(a)のトップページに示すように、ユーザ端末2において、ユーザーが、「今すぐ利用」か「予約して利用」かのうちいずれかのボタンを選択する。
【0055】
「予約して利用」ボタンを選択すると、ユーザ端末2の操作画面が
図22(b)に示す「充電器等選択画面」に遷移する。
なお、
図22に示す画面は、ユーザ端末2内にインストールしたアプリ又はサーバ1が公開しているWebページの機能としてユーザ端末2の表示部に表示される。
「予約して利用」ボタンが選択されると、
図22(b)に示す「充電器等選択画面」に操作画面が遷移し、「今すぐ利用」ボタンが選択されると、
図22(c)に示す「車種選択画面」に操作画面が遷移する。
なお、車種選択画面(
図22(c))は、充電器4などに貼付された二次元コードをユーザ端末2で読み取ることで、当該二次元コードに埋め込まれたURLにアクセスしてWeb表示させることができる。
【0056】
充電器等選択画面(
図22(b))では、利用可能な充電器4や充電器4が設置されている駐車場の位置を指定可能な情報(例えば地図情報)が表示される。
ユーザーは、充電器等選択画面を見ながら、利用したい充電器4や駐車場を選択する操作を行う。
充電器等選択画面において、充電器4や駐車場の選択操作が行われると、車種選択画面(
図22(c)に遷移する。
【0057】
車種選択画面(
図22(c))では、ユーザーが、例えば、自身が所有するEV5の車種を選択する。
例えば、車種選択画面に表示されている「車種の選択」ボタンを選択すると、メーカー名や車種を選択可能な画面が表示されるので、山本太郎の場合、その中からA車の車種を選択する。
車種選択画面において、車種の選択操作が行われると、日時選択画面(
図22(d)に遷移する。
【0058】
日時選択画面(
図22(d))では、ユーザーが、EV5の駐車予定時間を選択する。
例えば、日時選択画面に表示されている「日時の選択」ボタンを選択すると、駐車開始予定日時や駐車終了予定日時を選択可能な画面が表示されるので、山本太郎の場合、駐車開始予定日時:2020年5月1日10:00を選択し、駐車終了予定日時:2020年5月1日15:00を選択する。
【0059】
日時選択画面において、日時の選択操作が行われると、予約が完了し、予約情報がサーバ1に送信される(S102)。
予約情報には、ユーザーのID(ユーザID)、車種、駐車開始予定時刻、駐車終了予定時刻が含まれる。
サーバ1は、ユーザ端末2から予約情報を受信すると、予約情報を予約DB113(
図10)に格納する。
これにより、サーバ1(駐車予定時間入力手段11)は、駐車予定時間を入力する(S103)。
【0060】
次に、サーバ1は、EV5から出力されたバッテリー充電率を入力する(S104)。
具体的には、ユーザーは、予約日に駐車場までEV5で移動し、駐車開始予定時刻の前までに所定の駐車スペースにEV5を駐車し、所定の充電器4とEV5とを充電ケーブルで接続することで、EV5から出力されたSOC(バッテリー充電率)を充電器4を介してサーバ1が入力する。
例えば、山本太郎は、2020年5月1日の9:00~10:00の間に、A車を駐車スペースA1に駐車し、充電器aとA車とを接続する。
これにより、サーバ1は、A車の充電開始時のバッテリー充電率(90%)を充電器4を介して入力することができる。
【0061】
続いて、施設電力量の算出を行う(S106)。
具体的には、施設電力量算出手段12が、施設において必要な施設電力量(予測)を算出する。
より具体的には、過去の実績に基づき、駐車予定日に施設において需要(消費)が予測される電力量を機械学習等を用いて算出する。
【0062】
続いて、充電電力量の算出を行う(S105)。
具体的には、充電電力量算出手段13が、充電器4に出力させる充電電力量を算出する。
より具体的には、駐車予定時間、余力、バッテリー充電率などに基づいて、充電電力量の予測値を算出する。
【0063】
続いて、充電計画の生成を行う(S107)。
具体的には、充電計画生成手段15が、駐車予定時間、施設電力量、及び、充電電力量に基づいて充電計画を生成する。
より具体的には、前述したように、余力の範囲内で、駐車予定時間が長いほど充電出力を抑えた充電計画や、バッテリー充電率の低いEV5を優先して充電を行う充電計画を生成する(
図17、
図18参照)。
【0064】
次に、充電器4の制御を行う(S108)。
具体的には、サーバ1が充電器4に対し、充電計画情報を含む出力指示情報を送信する。
【0065】
充電器4は、充電を実行する(S109)。
具体的には、充電器4は、出力指示情報を受信すると、当該出力指示情報に含まれる充電計画に基づいて、各充電器4に、対応するEV5のバッテリー充電を行わせる。
これにより、例えば、充電器aは、13:00~14:00は2kWhの出力でA車に対しバッテリー充電を行い、14:00~15:00は6kWhの出力でA車に対しバッテリー充電を行う(
図18)。
【0066】
充電器4は、充電中は、充電状況情報をユーザ端末2に送信する(S110)。
充電状況情報としては、例えば、バッテリー充電率を例示することができる。
【0067】
ユーザ端末2は、充電状況を表示する(S111)。
例えば、ユーザ端末2においてバッテリー充電率を表示することができる。
また、
図22(e)に示すように、バッテリー充電が完了したときには、実績確認画面を表示することができる。
同図に示すように、実績確認画面には、充電実績(利用実績)として、例えば、充電日や課金情報を含めることができる。
課金情報は、再エネ電力分、系統電力分、合計額をそれぞれ分けて表示することもできる。
【0068】
このように、本発明の充電器制御方法においては、系統電力を用いて、複数の充電器4に、駐車中の複数のEV5(電気自動車)に対しバッテリー充電を行わせる充電器制御方法において、各EV5(電気自動車)の駐車予定時間を入力する第1ステップと、施設において必要な施設電力量を算出する第2ステップと、前記充電器4において必要な充電電力量を算出する第3ステップと、前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する第4ステップと、前記充電計画に基づいて、各充電器4に、対応するEV5(電気自動車)のバッテリー充電を行わせる第5ステップと、を有し、前記第4ステップは、前記系統電力の単価に係るピーク値(規定値)から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各EV5(電気自動車)のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成するようにしている。
【0069】
また、本発明の充電器制御プログラムにおいては、系統電力を用いて、複数の充電器4に、駐車中の複数のEV5(電気自動車)に対しバッテリー充電を行わせるコンピュータを、各EV5(電気自動車)の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段11、施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段12、前記充電器4において必要な充電電力量を算出する充電電力量算出手段13、前記施設電力量、前記充電電力量及び前記駐車予定時間に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段15、前記充電計画に基づいて、各充電器4に、対応するEV5(電気自動車)のバッテリー充電を行わせる充電制御手段16、として機能させ、前記充電計画生成手段15は、前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各EV5(電気自動車)のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成するようにしている。
【0070】
以上説明したように、本発明は、系統電力を用いて、複数の充電器4に、駐車中の複数のEV5(電気自動車)に対しバッテリー充電を行わせる充電器制御システムにおいて、各EV5(電気自動車)の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段11と、施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段12と、前記充電器4に出力させる充電電力量を算出する充電電力量算出手段13と、前記駐車予定時間、前記施設電力量、及び、前記充電電力量に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段15と、前記充電計画に基づいて、各充電器4に、対応するEV5(電気自動車)のバッテリー充電を行わせる充電制御手段16と、を備え、前記充電計画生成手段15は、前記系統電力の単価に係るピーク値(規定値)から前記施設電力量を差し引いた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各EV5(電気自動車)のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成するようにしている。
【0071】
これにより、利用者に負荷を強いることなく、EV5の駐車時間を利用して、ピーク値を超えない範囲で複数の充電器4を制御することができる。
つまり、複数の充電器4に、複数のEV5に対するバッテリー充電を効果的に行わせることができる。
【0072】
これに対し、従来は、特許文献1に記載されている技術のように、施設電力量がピーク値に到達することを回避するための充電方法の選択肢を決定・提示する充電システムなどが提案されているが、利用者に判断を強いるため煩わしく利便性の観点から問題があった。
本発明によれば、駐車時間を利用してピーク値以下で充電を行うため、利用者に判断を強いることなく、かつ、電力の調達や充電の提供を安価に行うことができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
充電器制御システムの構成は、上述の実施形態に限らず、一装置の構成の一部又は全部を他の装置が備えることもできる。
例えば、「駐車予定時間」は、充電可能時間でもあるため、駐車予定時間入力手段11に代えて、充電可能時間入力手段を備える構成であってもよい。
また、サーバ1が備える構成の一部を充電器4やユーザ端末2やEV5が備えてもよい。
【0074】
また、充電器制御方法及び充電器制御プログラムにおける処理手順は、上記手順に限らず、一部の手順が変更されていてもよい。
例えば、駐車予定時間の入力、バッテリー充電率の入力、施設電力量の算出、充電電力量の算出は、少なくとも充電計画の生成の前工程で実施されればよい。
ただし、充電電力量は施設電力量の余力に応じて変動するので、充電電力量の算出は施設電力量の算出の後工程で実施する必要がある。
また、バッテリー充電率は、充電ケーブル及び充電器4を介してサーバ1が入力するだけでなく、例えば、スマートフォンなどのユーザ端末2により充電器4の二次元コードを読み取ることを契機にEV5から、若しくは、当該ユーザ端末2から、無線及び/又は有線でサーバ1に送信するようにしてもよい。
この場合、ユーザ端末2は予約情報にバッテリー充電率を含めて送信することで、サーバ1は、予約情報の入力工程と同じ工程でバッテリー充電率を受信(入力)することができる。
【0075】
また、上述の実施形態では、系統電力の余力の範囲内で充電する制御について説明したが、余力に再エネ電力を加味することもできる。
例えば、
図17のCの例では、10:00~11:00において余力が10kWhだが、仮に、この時間帯の再エネ電力量が10kWであれば、余力が20kWhになる。
このため、上述の例では、同時間帯において充電器bと充電器cに出力を行わせたが、再エネ電力を活用することで充電器a~cに出力を行わせることができる。
すなわち、以下の構成を備えることもできる。
【0076】
「再エネ電力及び系統電力を用いて、複数の充電器に、駐車中の複数の電気自動車に対しバッテリー充電を行わせる充電器制御システムにおいて、
各電気自動車の駐車予定時間を入力する駐車予定時間入力手段と、
施設において必要な施設電力量を算出する施設電力量算出手段と、
再エネ電力量を算出する再エネ電力量算出手段と、
前記充電器に出力させる充電電力量を算出する充電電力量算出手段と、
前記駐車予定時間、前記施設電力量、前記再エネ電力量、及び、前記充電電力量に基づいて充電計画を生成する充電計画生成手段と、
前記充電計画に基づいて、各充電器に、対応する電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電制御手段と、を備え、
前記充電計画生成手段は、
前記系統電力の単価に係る規定値から前記施設電力量を差し引き、前記再エネ電力量を加えた余力以下で、かつ、前記駐車予定時間に応じた充電電力量で、各電気自動車のバッテリー充電を行わせる充電計画を生成する
ことを特徴とする充電器制御システム。」
【0077】
この場合、再エネ電力量算出手段は、駐車予定日に太陽光パネルで発電される発電量を予測値を再エネ発電量として算出することになる。
具体的には、
図23(a)に示すように、過去に太陽光パネルにおいて発電した電力量(実績)と、その日付、時間帯、天気を抽出の相関関係を機械学習(例えばディープラーニング)することで、将来、その太陽光パネルにおいて発電するであろう電力量(予測)を出力可能な再エネ電力量予測モデルを生成する。なお、季節や緯度・経度を学習対象に含めても良い。
そして、
図23(b)に示すように、その施設電力量予測モデルに、将来の日付(駐車予定日)、時間帯、天気を入力すると、その日付の再エネ電力量(予測)を時間帯毎に出力させればよい。
【0078】
サーバ1は、バッテリー充電率を充電器4を介さず、例えば、ユーザ端末2から送信されたバッテリー充電率を受信して入力することもできる。
この場合、ユーザ端末2は、例えば予約時にEV5と通信を行いバッテリー充電率を取得し、当該取得したバッテリー充電率を予約情報に含めてサーバ1に送信すればよい。
さらに、このときユーザーは、取得したバッテリー充電率を参照して、予約日の充電開始時に予測されるバッテリー充電率をユーザ端末2から入力するようにして、当該入力されたバッテリー充電率を計画情報に含めて送信するようにもできる。
このようにすることで、予約時に充電電力量を算出できるので、充電計画も予約時に生成することができる。
【符号の説明】
【0079】
1:サーバ、101:制御部、102:メモリ、103:記憶部、104:通信装置、11:駐車予定時間入力手段、12:施設電力量算出手段、13:充電電力量算出手段、14:充電率入力手段、15:充電計画生成手段、16:充電制御手段、110:データベース(DB)、111:ユーザDB、112:車両DB、113:予約DB、114:天気DB、115:施設電力量DB、116:電力単価DB、117:充電実績DB、2:ユーザ端末、4:充電器、401:制御部、402:メモリ、403:記憶部、404:通信装置、405:充電器本体、5:電気自動車(EV)、501:制御部、502:メモリ、503:記憶部、504:通信装置、505:バッテリー管理装置、6:外部装置、9:通信回線