(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033723
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】撮像制御装置、プログラム及び撮像制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/611 20230101AFI20240306BHJP
【FI】
H04N5/232 190
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137488
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】渕川 康裕
(72)【発明者】
【氏名】篠田 兼崇
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 静二
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA11
5C122EA07
5C122FH09
5C122FH14
5C122FH22
5C122GA24
5C122HA87
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】撮像装置で撮像して見守る必要がない者のプライバシーを保護すること。
【解決手段】撮像制御装置は、撮像装置による撮像が許可されていない非対象者を識別する識別部と、前記非対象者が前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、前記撮像装置を有効にするか、無効にするか、を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置による撮像が許可されていない非対象者を識別する識別部と、
前記非対象者が前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記撮像装置を有効にするか無効にするかを制御する制御部と、
を備える撮像制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記非対象者が所定の範囲に存在するか否かを判定することにより、前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する、
請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項3】
前記識別部は、前記撮像装置による撮像が許可されている撮像対象者を識別し、
前記判定部は、前記所定の範囲に前記撮像対象者が存在するか否かを判定する、
請求項2に記載の撮像制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記所定の範囲内に、前記撮像対象者と前記非対象者とのいずれもが存在する場合に、前記撮像装置を無効にする、
請求項3に記載の撮像制御装置。
【請求項5】
前記所定の範囲は、前記撮像装置の撮像範囲を含み、
前記制御部は、前記所定の範囲内に、前記撮像対象者と前記非対象者とのいずれもが存在し、かつ、前記撮像装置の撮像範囲内に、前記撮像対象者が存在し、前記非対象者が存在しない場合に、前記撮像装置を有効にする、
請求項3又は請求項4に記載の撮像制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記撮像装置の撮像範囲内に前記非対象者が存在する場合、前記撮像装置を無効にする、
請求項5に記載の撮像制御装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記撮像対象者及び前記撮像装置の少なくとも一方と、前記非対象者との相対的な位置関係に更に基づいて、前記非対象者が前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する、
請求項3から請求項6のいずれか一つに記載の撮像制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記所定の範囲内に、前記撮像対象者と前記非対象者とのいずれにも識別できない者が存在する場合に、前記撮像装置を有効にする、
請求項3から請求項7のいずれか一つに記載の撮像制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記所定の範囲内に、前記撮像対象者が存在し、前記非対象者が存在しない場合に、前記撮像装置を有効にする、
請求項3から請求項8のいずれか一つに記載の撮像制御装置。
【請求項10】
前記撮像装置を無効にすることには、前記撮像装置により撮像しないこと、前記撮像装置により撮像された画像を出力しないこと、前記撮像装置により撮像された画像が記録されないよう制御すること及び前記撮像装置により撮像された画像に映っている前記非対象者に所定の画像処理を施すことの少なくとも一つが含まれ、前記撮像装置を有効にすることには、前記撮像装置により撮像すること、前記撮像装置により撮像された画像を出力すること及び前記撮像装置により撮像された画像が記録されるよう制御することの少なくとも一つが含まれる、
請求項3から請求項9のいずれか一つに記載の撮像制御装置。
【請求項11】
前記撮像装置は、前記判定部を有し、
前記判定部は、前記撮像装置により撮像された画像に基づいて、前記非対象者が前記所定の範囲に存在するか否かを判定する、
請求項2から請求項10のいずれか一つに記載の撮像制御装置。
【請求項12】
前記識別部は、前記撮像装置と異なるハードウェアであり、前記ハードウェアにより検出された前記非対象者の位置を示すデータに基づいて前記非対象者が前記所定の範囲に存在するか否かを判定する、
請求項2から請求項10のいずれか一つに記載の撮像制御装置。
【請求項13】
コンピュータに、
撮像装置による撮像が許可されていない非対象者を識別することと、
前記非対象者が前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定することと、
前記判定の結果に基づいて、前記撮像装置を有効にするか無効にするかを制御することと、
を実現させるプログラム。
【請求項14】
撮像装置による撮像が許可されていない非対象者を識別し、
前記非対象者が前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定し、
前記判定の結果に基づいて、前記撮像装置を有効にするか無効にするかを制御する、
撮像制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像制御装置、プログラム及び撮像制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔操作することが可能なカメラで住宅内に居る人を撮影して見守る技術が従来から知られている。このような技術を開示している文献として、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様は、撮像装置による撮像が許可されていない非対象者を識別する識別部と、前記非対象者が前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、前記撮像装置を有効にするか無効にするかを制御する制御部と、を備える撮像制御装置である。
【0005】
本発明の一態様は、コンピュータに、撮像装置による撮像が許可されていない非対象者を識別することと、前記非対象者が前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定することと、前記判定の結果に基づいて、前記撮像装置を有効にするか無効にするかを制御することと、を実現させるプログラムである。
【0006】
本発明の一態様は、撮像装置による撮像が許可されていない非対象者を識別し、前記非対象者が前記撮像装置により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定し、前記判定の結果に基づいて、前記撮像装置を有効にするか無効にするかを制御する、撮像制御方法である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施形態に係る撮像制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る撮像制御装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る撮像制御装置により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上述した特許文献1に開示されている技術は、カメラで撮像して見守る必要がある者とカメラで撮像して見守る必要がない者との両方が同時に存在する場合に、見守る必要がない者をカメラにより撮影してしまい、当該者のプライバシーを十分に保護し得ないことがある。
【0009】
そこで、本発明に係る実施形態は、撮像装置で撮像して見守る必要がない者のプライバシーを保護することができる撮像制御装置、プログラム及び撮像制御方法を提供する。
【0010】
図1から
図3を参照しながら実施形態に係る撮像制御装置、プログラム及び撮像制御方法について説明する。
【0011】
まず、
図1を参照しながら撮像制御装置が使用される住宅の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る住宅の一例を示す図である。
図1に示した住宅1は、少なくとも部屋R1及び部屋R2を備えており、カメラ10及び撮像制御装置20が設置されている。
【0012】
部屋R1は、カメラ10で撮像して見守る必要がある撮像対象者Tが普段過ごす部屋である。撮像対象者Tは、例えば、高齢者、要介護者、障害者であり、
図1に示した携帯端末31を携帯している。また、携帯端末31は、例えば、スマートフォン、タブレット等であり、GPS(Global Positioning System)受信機310を備える。部屋R2は、カメラ10で撮像して見守る必要が無い非対象者Nが普段過ごす部屋である。非対象者Nは、例えば、撮像対象者と住宅1に同居している者であり、
図1に示した携帯端末32を携帯している。また、携帯端末32は、例えば、スマートフォン、タブレット等であり、GPS受信機320を備える。
【0013】
撮像対象者Tは、例えば、顔写真を示すデータのように撮像対象者Tを特定できるデータと、各個人により使用されているスマートフォン等の携帯端末を特定する電話番号等の情報を示すデータと、カメラ10により見守る必要があることを示すデータとを対応付けてデータベース上に登録されている。同様に、非対象者Nは、顔写真を示すデータのように非対象者Nを特定できるデータと、各個人により使用されているスマートフォン等の携帯端末を特定する電話番号等の情報を示すデータと、カメラ10により見守る必要が無いことを示すデータとを対応付けてデータベース上に登録されている。
【0014】
カメラ10は、撮像装置の一例であり、部屋R1の少なくとも一部を撮像可能な態様で部屋R1に設置されているカメラである。撮像制御装置20は、例えば、カメラ10により撮像された映像、GPS受信機310を使用して特定された撮像対象者Tの位置を示すデータ及びGPS受信機320を使用して特定された非対象者Nの位置を示すデータに基づいてカメラ10を制御する。なお、撮像対象者Tの位置を示すデータ及び非対象者Nの位置を示すデータの少なくとも一方は、GPS受信機310及びGPS受信機320以外のセンサを使用して取得されてもよい。
【0015】
次に、
図2を参照しながら実施形態に係る撮像制御装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、実施形態に係る撮像制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。撮像制御装置20は、住宅1の内部及び周辺の少なくとも一方を携帯端末32等を使用して監視する監視システム2に含まれている。撮像制御装置20は、例えば、コンピュータであり、
図2に示すように、プロセッサ21と、主記憶装置22と、通信インターフェース23と、補助記憶装置24と、入出力装置25と、バス26とを備える。
【0016】
プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、プログラムを読み出して実行し、撮像制御装置20が有する各機能及びこれらの機能を実現させる上で必要な機能を実現させる。
【0017】
主記憶装置22は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プロセッサ21により読み出されて実行されるプログラムを予め記憶している。
【0018】
通信インターフェース23は、ネットワークを介して他の機器と通信を実行するためのインターフェース回路である。また、ネットワークは、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット、イントラネットである。
【0019】
補助記憶装置24は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ROM(Read Only Memory)である。
【0020】
入出力装置25は、例えば、入出力ポート(Input/Output Port)である。入出力装置25は、例えば、カメラ10が接続されている。また、入出力装置25は、入力装置、出力装置が接続されていてもよい。入力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ、マウス、キーボードであり、撮像制御装置20の操作、撮像制御装置20へのデータの入力に使用される。出力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ、スピーカであり、撮像制御装置20がユーザに情報を提示するために使用される。
【0021】
バス26は、プロセッサ21、主記憶装置22、通信インターフェース23、補助記憶装置24及び入出力装置25を互いにデータの送受信が可能なように接続している。
【0022】
次に、
図3を参照しながら撮像制御装置のソフトウェア構成について説明する。
図3は、実施形態に係る撮像制御装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、撮像制御装置20は、識別部201と、判定部202と、制御部203とを備える。識別部201、判定部202及び制御部203は、いずれもプロセッサ21が主記憶装置22に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0023】
識別部201は、カメラ10による撮像が許可されていない非対象者Nを識別する。また、識別部201は、カメラ10による撮像が許可されている撮像対象者Tを識別してもよい。
【0024】
例えば、識別部201は、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像に映っている人物の顔に顔認証を施し、上述したデータベースに登録されている顔写真と照合する。これにより、識別部201は、当該人物が撮像対象者T、非対象者N又はこれらのいずれにも該当しない第三者であることを識別する。
【0025】
判定部202は、非対象者Nがカメラ10により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する。例えば、判定部202は、非対象者Nが所定の範囲に存在するか否かを判定することにより、カメラ10により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する。例えば、判定部202は、所定の範囲に非対象者Nが存在するか否かを判定することにより、カメラ10の撮像範囲に非対象者Nが存在するか否かを判定する。或いは、判定部202は、撮像対象者T及びカメラ10の少なくとも一方と、非対象者Nとの相対的な位置関係に更に基づいて、非対象者Nがカメラ10により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する。
【0026】
また、所定の範囲は、撮像範囲を含んでいる。このような場合としては、例えば、撮像範囲が
図1に示した部屋R1であり、所定の範囲が少なくとも
図1に示した部屋R1及び部屋R2を含む場合が挙げられる。
【0027】
例えば、判定部202は、非対象者Nにより使用されている携帯端末32に搭載されているGPS受信機320を使用して算出された携帯端末32の位置を示すデータを取得する。そして、判定部202は、携帯端末32の位置が所定の範囲に含まれている場合、非対象者Nが所定の範囲に存在すると判定する。一方、判定部202は、携帯端末32の位置が所定の範囲に含まれていない場合、非対象者Nが所定の範囲に存在しないと判定する。また、判定部202は、携帯端末32の位置がカメラ10の撮像範囲に含まれている場合、非対象者Nがカメラ10の撮像範囲に存在すると判定する。一方、判定部202は、携帯端末32の位置がカメラ10の撮像範囲に含まれていない場合、非対象者Nがカメラ10の撮像範囲に存在しないと判定する。
【0028】
また、判定部202は、カメラ10の撮像範囲と、所定の範囲との少なくとも一方に、撮像対象者Tが存在するか否かを判定してもよい。例えば、判定部202は、所定の範囲に撮像対象者Tが存在するか否かを判定してもよいし、カメラ10の撮像範囲に撮像対象者Tが存在するか否かを判定してもよい。
【0029】
例えば、判定部202は、撮像対象者Tにより使用されている携帯端末31に搭載されているGPS受信機310を使用して算出された携帯端末31の位置を示すデータを取得する。そして、判定部202は、携帯端末31の位置が所定の範囲に含まれている場合、撮像対象者Tが所定の範囲に存在すると判定する。一方、判定部202は、携帯端末31の位置が所定の範囲に含まれていない場合、撮像対象者Tが所定の範囲に存在しないと判定する。また、判定部202は、携帯端末31の位置がカメラ10の撮像範囲に含まれている場合、撮像対象者Tがカメラ10の撮像範囲に存在すると判定する。一方、判定部202は、携帯端末31の位置がカメラ10の撮像範囲に含まれていない場合、撮像対象者Tがカメラ10の撮像範囲に存在しないと判定する。
【0030】
制御部203は、判定部202の判定結果に基づいて、カメラ10を有効にするか無効にするかを制御する。例えば、制御部203は、判定部202の判定結果に基づいて、カメラ10による撮像を有効にするか無効にするかを制御する。ここで言うカメラ10による撮像を有効にする処理は、撮像対象者Tを見守る目的でカメラ10により少なくとも撮像対象者Tを撮像する処理をいう。一方、ここで言うカメラ10による撮像を無効にする処理は、カメラ10により非対象者Nが撮像されることにより非対象者のプライバシーが害されてしまうことを抑制することが可能な処理をいう。
【0031】
また、カメラ10を無効にする処理として、例えば、カメラ10により非対象者Nが撮像されないように、カメラ10の向き及び視野角の少なくとも一方を変更する処理、カメラ10の電源をオフにする処理が挙げられる。或いは、カメラ10を無効にする処理として、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像をカメラ10以外の機器に出力することを禁止する処理が挙げられる。或いは、カメラ10を無効にする処理として、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像を記録媒体に記録することを禁止する処理が挙げられる。或いは、カメラ10を無効にする処理として、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像に映っている非対象者Nにぼかし等の所定の画像処理すなわち非対象者Nを判別不可とする処理を施す処理が挙げられる。
【0032】
また、カメラ10を有効にする処理として、例えば、カメラ10により撮像対象者Tが撮像されるように、カメラ10の向き及び視野角の少なくとも一方を変更する処理、カメラ10の電源をオンにする処理が挙げられる。或いは、カメラ10を有効にする処理として、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像をカメラ10以外の機器に出力する処理が挙げられる。或いは、カメラ10を有効にする処理として、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像を記録媒体に記録する処理が挙げられる。
【0033】
具体的には、制御部203は、所定の範囲内に、撮像対象者Tと非対象者Nとのいずれもが存在する場合に、カメラ10を無効にする。例えば、制御部203は、
図1に示した部屋R1に撮像対象者Tが存在すると判定され、
図1に示した部屋R1又は部屋R2に非対象者Nが存在すると判定された場合に、カメラ10による撮像を無効にする。制御部203は、
図1に示した部屋R1に撮像対象者Tが存在すると判定され、
図1に示した部屋R2に非対象者Nが存在すると判定された場合に、カメラ10による撮像を有効にしてもよい。このような場合としては、例えば、撮像対象者T及び非対象者Nが既に帰宅している場合が挙げられる。なお、所定の範囲内に非対象者Nが存在する場合、非対象者Nが所定の範囲内に存在することを報知する音声の一例である「~~さんが部屋にいます」を入出力装置25に接続されているスピーカから出力してもよい。
【0034】
或いは、制御部203は、所定の範囲内に、撮像対象者Tと非対象者Nとのいずれもが存在し、かつ、カメラ10の撮像範囲内に、撮像対象者Tが存在し、非対象者Nが存在しない場合に、カメラ10を有効にする。例えば、制御部203は、
図1に示した部屋R1又は部屋R2に撮像対象者T及び非対象者Nが存在すると判定され、部屋R1に撮像対象者Tが存在し、部屋R1に非対象者が存在しないと判定された場合に、カメラ10による撮像を有効にする。また、このような場合としては、例えば、撮像対象者T及び非対象者Nが既に帰宅しているときに、撮像対象者Tが自室として使用している部屋R1に入った場合が挙げられる。
【0035】
或いは、制御部203は、所定の範囲内に、撮像対象者Tが存在し、非対象者Nが存在しない場合に、カメラ10を有効にする。例えば、制御部203は、
図1に示した部屋R1又は部屋R2に撮像対象者Tが存在すると判定され、部屋R1及び部屋R2のいずれにも非対象者Nが存在しないと判定された場合に、カメラ10による撮像を有効にする。
【0036】
或いは、制御部203は、撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係に更に基づいて、カメラ10による撮像を有効にするか無効にするかを制御する。例えば、制御部203は、撮像対象者Tにより使用されているスマートフォン等の携帯端末31に搭載されているGPS受信機を使用して算出された携帯端末31の位置を示すデータを取得する。同様に、制御部203は、非対象者Nにより使用されているスマートフォン等の携帯端末32に搭載されているGPS受信機を使用して算出された携帯端末32の位置を示すデータを取得する。次に、制御部203は、これら二つのデータに基づいて撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係を算出する。
【0037】
そして、制御部203は、当該相対的な位置関係に基づいて、カメラ10による撮像を有効にするか無効にするかを制御する。例えば、制御部203は、撮像対象者Tと非対象者Nとの距離が所定の距離以下である場合に、カメラ10による撮像を無効にする。このような場合としては、例えば、撮像対象者T及び非対象者Nが既に帰宅しているときに、撮像対象者Tが自室として使用している部屋R1に入ったものの、両者の距離が短く、非対象者Nの目が撮像対象者Tに届いている場合が挙げられる。一方、制御部203は、撮像対象者Tと非対象者Nとの距離が所定の距離を超えている場合に、カメラ10による撮像を有効にする。このような場合としては、例えば、撮像対象者T及び非対象者Nが既に帰宅しているときに、撮像対象者Tが自室として使用している部屋R1に入ったものの、両者の距離が長く、非対象者Nの目が撮像対象者Tに届いていない場合が挙げられる。
【0038】
制御部203は、カメラ10の撮像範囲内に非対象者Nが存在する場合、カメラ10を無効にする。例えば、制御部203は、
図1に示した部屋R1に非対象者Nが存在すると判定された場合に、カメラ10による撮像を無効にする。
【0039】
なお、撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係に基づいてカメラ10による撮像を無効にする場合、非対象者Nが撮像対象者Tの近くに存在することを報知する音声の一例である「~~さんが帰宅しました」、「~~さんが部屋に入ってきます」等を入出力装置25に接続されているスピーカから出力してもよい。
【0040】
或いは、制御部203は、所定の範囲内に、撮像対象者Tと非対象者Nとのいずれにも識別できない者が存在する場合に、カメラ10を有効にする。例えば、制御部203は、
図1に示した部屋R1又は部屋R2に撮像対象者T及び非対象者Nのいずれにも該当しない第三者が存在すると判定された場合に、カメラ10による撮像を有効にする。この場合、判定部202は、カメラ10と異なるセンサにより検知された結果を示すデータに基づいて、部屋R1又は部屋R2に第三者が存在するか否かを判定する。当該センサは、例えば、人感センサ、カメラ10と異なるカメラである。
【0041】
或いは、制御部203は、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に非対象者Nが存在するときに、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に撮像対象者T及び非対象者Nのいずれにも該当しない第三者が入ってきた場合、カメラ10による撮像を無効にし続けてもよい。この処理は、非対象者Nのプライバシーを保護することを優先させた処理である。或いは、制御部203は、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に撮像対象者T及び非対象者Nのいずれにも該当しない第三者が存在するときに、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に非対象者Nが入ってきた場合、カメラ10による撮像を有効にし続けてもよい。また、これら二つの処理は、いずれの処理が優先的に実行されるかが撮像対象者T、非対象者N等のユーザにより携帯端末31、携帯端末32等を使用して設定されてもよい。或いは、これら二つの処理は、いずれの処理が優先的に実行されるかが監視システム2又は撮像制御装置20により自動的に選択されてもよい。この処理は、住宅1の防犯を優先させた処理である。
【0042】
或いは、制御部203は、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に非対象者Nが存在するときに、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に撮像対象者T及び非対象者Nのいずれにも該当しない第三者が存在しない場合、カメラ10による撮像を無効にし続けてもよい。
この処理は、非対象者Nのプライバシーを保護することを優先させた処理である。或いは、制御部203は、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に撮像対象者T及び非対象者Nのいずれにも該当しない第三者が存在しないときに、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に非対象者Nが入ってきた場合、カメラ10による撮像を有効にし続けてもよい。また、これら二つの処理は、いずれの処理が優先的に実行されるかが撮像対象者T、非対象者N等のユーザにより携帯端末31、携帯端末32等を使用して設定されてもよい。或いは、これら二つの処理は、いずれの処理が優先的に実行されるかが監視システム2又は撮像制御装置20により自動的に選択されてもよい。この処理は、住宅1の防犯を優先させた処理である。なお、制御部203は、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に撮像対象者T及び非対象者Nが存在しない場合、カメラ10による撮像をにし続けてもよい。或いは、制御部203は、所定の範囲又はカメラ10の撮像範囲に撮像対象者T、非対象者N及び第三者のいずれも存在しない場合、住宅1の防犯のために、カメラ10による撮像を有効にし続けてもよい。
【0043】
例えば、制御部203は、所定の範囲の外に撮像対象者Tが存在し、カメラ10の撮像範囲に非対象者Nが存在するという条件が満たされている場合、次に述べる観点からカメラ10を制御する。このような場合としては、例えば、GPS受信機310を使用して算出された携帯端末31の位置が所定の範囲の外にあり、GPS受信機320を使用して算出された携帯端末32の位置が撮像範囲にある場合が挙げられる。
【0044】
撮像対象者Tが撮像範囲に存在している状態からこのような条件が満たされる状態に移行した際にカメラ10の電源がオフとなっている場合、制御部203は、非対象者Nのプライバシーを保護することを優先させるためにカメラ10の電源をオフにしたままとしてもよいし、住宅1の防犯を優先させるためにカメラ10の電源をオンにしてもよい。また、撮像対象者Tが所定の範囲の外に移動した後に、撮像対象者T及び非対象者Nと異なる第三者が所定の範囲に侵入した場合、制御部203は、住宅1の防犯のためにカメラ10の電源をオンにしてもよい。さらに、このような経緯でカメラ10の電源をオンにした後に、非対象者Nが所定の範囲に存在することが検出された場合、制御部203は、カメラ10の電源をオフにしてもよい。
【0045】
撮像対象者Tが撮像範囲に存在している状態からこのような条件が満たされる状態に移行した際にカメラ10の電源がオンとなっている場合、制御部203は、非対象者Nのプライバシーを保護することを優先させるためにカメラ10の電源をオフにしてもよいし、住宅1の防犯を優先させるためにカメラ10の電源をオンにしたままとしてもよい。また、撮像対象者Tが所定の範囲の外に移動した後にカメラ10の電源をオンにしたままとしており、非対象者Nが所定の範囲に存在している場合、制御部203は、カメラ10をオフにしてもよい。さらに、このような経緯でカメラ10の電源をオフにした後に、撮像対象者T及び非対象者Nと異なる第三者が所定の範囲に侵入した場合、制御部203は、カメラ10の電源をオンにしてもよい。
【0046】
また、例えば、制御部203は、所定の範囲の外に撮像対象者T及び非対象者Nが存在するという条件が満たされている場合、次に述べる観点からカメラ10を制御する。このような場合としては、例えば、GPS受信機310を使用して算出された携帯端末31の位置が所定の範囲の外にあり、GPS受信機320を使用して算出された携帯端末32の位置が所定の範囲の外にある場合が挙げられる。
【0047】
所定の範囲の外に撮像対象者T及び非対象者Nが存在しており、カメラ10の電源がオフになっている状態で撮像対象者T及び非対象者Nと異なる第三者が所定の範囲に侵入した場合、防犯の目的で、制御部203は、カメラ10の電源をオンにしてもよい。また、このような経緯でカメラ10の電源をオンにした後に、非対象者Nが所定の範囲に進入したことが検出された場合、制御部203は、カメラ10の電源をオフにしてもよい。さらに、このような経緯でカメラ10の電源をオフにした後に、撮像対象者Tが所定の範囲に進入したことが検出された場合、制御部203は、カメラ10の電源をオンにしてもよいし、カメラ10の電源をオフのままにしてもよい。或いは、このような経緯でカメラ10の電源をオフにした後に、撮像対象者Tが所定の範囲に進入したことが検出された場合、制御部203は、非対象者Nがカメラ10の撮像範囲に進入した場合にカメラ10の電源をオフにし、非対象者Nがカメラ10の撮像範囲に存在しない場合にカメラ10の電源をオンにしてもよい。また、制御部203は、所定の範囲の外に撮像対象者T及び非対象者Nが存在するという条件が満たされた場合に、当該条件が満たされる前にカメラ10の電源がオンの場合には電源をオンの状態に維持してもよいし、当該条件が満たされる前にカメラ10の電源がオフの場合には電源をオンにしてもよい。
【0048】
次に、
図4を参照しながら実施形態に係る撮像制御装置が実行する処理の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る撮像制御装置により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS10において、識別部201は、カメラ10による撮像が許可されている撮像対象者Tと、カメラ10による撮像が許可されていない非対象者Nとを識別する。
【0050】
ステップS20において、判定部202は、カメラ10の撮像範囲を含む所定の範囲内に、撮像対象者Tが存在するか否か及び非対象者Nが存在するか否かをそれぞれ判定する。
【0051】
ステップS30において、制御部203は、判定結果に基づいて、カメラ10による撮像を有効にするか無効にするかを制御する。
【0052】
以上、実施形態に係る撮像制御装置、プログラム及び撮像制御方法について説明した。
【0053】
撮像制御装置20は、識別部201と、判定部202と、制御部203とを備える。識別部201は、カメラ10による撮像が許可されていない非対象者Nを識別する。判定部202は、非対象者Nがカメラ10により撮像される状況及び撮像される可能性がある状況の少なくとも一方の状況にあるか否かを判定する。制御部203は、判定部202の判定結果に基づいて、カメラ10を有効にするか無効にするかを制御する。
【0054】
これにより、撮像制御装置20は、カメラ10で撮像して見守る必要がない非対象者Nのプライバシーを保護することができる。
【0055】
また、制御部203は、所定の範囲内に、撮像対象者Tと非対象者Nとのいずれもが存在する場合に、カメラ10を無効にする。これにより、撮像制御装置20は、撮像対象者Tが非対象者Nの目の届く範囲に存在し、カメラ10で撮像して見守られる必要が無い場合に、非対象者Nのプライバシーを保護することができる。
【0056】
また、制御部203は、所定の範囲内に、撮像対象者Tと非対象者Nとのいずれもが存在し、かつ、カメラ10の撮像範囲内に、撮像対象者Tが存在し、非対象者Nが存在しない場合に、カメラ10を有効にする。これにより、撮像制御装置20は、撮像対象者Tが非対象者Nの近くに存在しているものの、非対象者Nの目が届かない場合に、撮像対象者Tをカメラ10で撮像して安全を確認することができる。
【0057】
また、制御部203は、カメラ10の撮像範囲内に非対象者Nが存在する場合、カメラ10を無効にする。これにより、撮像制御装置20は、カメラ10で撮像して見守る必要がない非対象者Nのプライバシーを何らかの理由で保護する必要がある場合に、非対象者Nのプライバシーを保護することができる。
【0058】
また、制御部203は、所定の範囲内に、撮像対象者Tと非対象者Nとのいずれにも識別できない者が存在する場合に、カメラ10を有効にする。これにより、撮像制御装置20は、撮像対象者T及び非対象者Nのいずれにも該当しない第三者が存在する場合に、カメラ10で撮像して防犯に役立てることができる。
【0059】
また、制御部203は、所定の範囲内に、撮像対象者Tが存在し、非対象者Nが存在しない場合に、カメラ10を有効にする。これにより、撮像制御装置20は、撮像対象者Tをカメラ10で撮像して安全を確認することができる。
【0060】
また、制御部203は、カメラ10により撮像しないこと、カメラ10により撮像された画像を出力しないこと、画像が記録されないよう制御すること及び画像に映っている非対象者Nに所定の画像処理を施すことの少なくとも一つにより、カメラ10を無効にする。これにより、撮像制御装置20は、非対象者Nのプライバシーを保護することができる。
【0061】
また、制御部203は、カメラ10により撮像すること、カメラ10により撮像された画像を出力すること及び画像が記録されるよう制御することの少なくとも一つにより、カメラ10を有効にする。これにより、撮像制御装置20は、撮像対象者Tをカメラ10で撮像して安全を確認したり、撮像対象者T及び非対象者Nのいずれにも該当しない第三者のカメラ10で撮像して防犯に役立てることができる。
【0062】
なお、上述した実施形態では、撮像対象者が撮像対象者Tの一名のみである場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。すなわち、撮像対象者は、二名以上であってもよい。また、二名以上の撮像対象者が上述した部屋R1で普段過ごす場合、撮像制御装置20は、一台のカメラ10と、一台のカメラ10の撮像範囲とについて、上述した処理を実行する。また、二名以上の撮像対象者が二つ以上の部屋に分かれて過ごす場合、カメラ10は、これらの部屋各々に設置されており、固有の撮像範囲を有する。そして、この場合、撮像制御装置20は、カメラ10と、カメラ10の撮像範囲との組各々について、上述した処理を実行する。
【0063】
また、上述した実施形態では、所定の範囲が部屋R1と部屋R2とを合わせた範囲である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。上述した所定の範囲は、例えば、撮像対象者Tが存在する部屋、カメラ10による撮像範囲、住宅1の屋内全体、又は、住宅1の敷地内であってもよい。所定の範囲外には、撮像対象者Tが存在する部屋の外、カメラ10による撮像範囲外、住宅1の外、又は、住宅1の敷地の外が含まれてよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、撮像範囲が部屋R1である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。上述した撮像範囲は、例えば、部屋R1に加えて他の領域を含んでいてもよい。
【0065】
また、上述した実施形態では、非対象者が非対象者Nの一名のみである場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。すなわち、非対象者は、二名以上であってもよい。
【0066】
また、上述した実施形態では、部屋R1にカメラ10のみが設置されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。すなわち、部屋R1に二台以上のカメラを設置し、これらのカメラの少なくとも一つが撮像制御装置20による上述した制御の対象となってもよい。
【0067】
また、上述した実施形態では、撮像装置がカメラ10である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。撮像装置は、例えば、赤外線センサ、深度センサであってもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、撮像制御装置20が住宅1に設置されているコンピュータにより実現されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。撮像制御装置20は、例えば、スマートフォンにより実現されてもよいし、ネットワーク上に設置されているサーバにより実現されてもよい。また、撮像制御装置20は、例えば、インターネット上、イントラネット等のネットワーク上に設置されていてもよい。この場合、
図2に示した機能は、クラウド上で実行されてもよい。
【0069】
また、撮像制御装置20は、カメラ10と一体となっていてもよい。通信インターフェース23は、撮像制御装置20がカメラ10と一体となっている場合、カメラ10に含まれていてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、識別部201がカメラ10により撮像された動画像又は静止画像に映っている人物が撮像対象者T、非対象者N又はこれらのいずれにも該当しない第三者であることを顔認証を使用して識別する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0071】
例えば、識別部201は、カメラ10と異なるカメラ、人感センサ等により撮像された動画像又は静止画像に映っている人物の体型を認識し、事前にデータベース上に登録されている各人物の体型と照合する。これにより、識別部201は、当該人物が撮像対象者T、非対象者N又はこれらのいずれにも該当しない第三者であることを識別してもよい。
【0072】
或いは、識別部201は、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像に映っている人物の姿勢及び動作の少なくとも一方を認識することにより、当該人物が撮像対象者T、非対象者N又はこれらのいずれにも該当しない第三者であることを識別してもよい。例えば、識別部201は、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像に映っている人物の腰が曲がっていることを認識した場合、当該人物が撮像対象者Tであることを識別してもよい。また、例えば、識別部201は、カメラ10により撮像された動画像又は静止画像に映っている人物が歩行する速度が所定の速度よりも遅い場合、当該人物が撮像対象者Tであることを識別してもよい。
【0073】
また、上述した実施形態では、判定部202が携帯端末31に搭載されているGPS受信機310を使用して算出された携帯端末31の位置を示すデータ及び携帯端末32に搭載されているGPS受信機320を使用して算出された携帯端末32の位置を示すデータを取得する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0074】
例えば、判定部202は、カメラ10と異なるセンサにより検知された結果を示すデータを取得し、当該データを使用して非対象者Nが所定の範囲に存在するか否かを判定してもよい。また、例えば、判定部202は、当該データを使用して非対象者Nが撮像範囲に存在するか否かを判定してもよい。また、例えば、判定部202は、カメラ10と異なるセンサにより検知された結果を示すデータを取得し、当該データを使用して撮像対象者Tが所定の範囲に存在するか否かを判定してもよい。また、例えば、判定部202は、当該データを使用して撮像対象者Tが撮像範囲に存在するか否かを判定してもよい。なお、カメラ10と異なるセンサとしては、例えば、赤外線カメラ、カメラ10よりも解像度が低いカメラ、LIDAR(Light Detection and Ranging)が挙げられる。
【0075】
また、判定部202は、携帯端末31に搭載されているGPS受信機310ではなく、カメラ10等のカメラにより撮像された画像に基づいて、カメラ10の撮像範囲と、所定の範囲との少なくとも一方に、撮像対象者Tが存在するか否かを判定してもよい。また、判定部202は、携帯端末32に搭載されているGPS受信機320ではなく、カメラ10等のカメラにより撮像された画像に基づいて、カメラ10の撮像範囲と、所定の範囲との少なくとも一方に、撮像対象者Tが存在するか否かを判定してもよい。
【0076】
また、上述した実施形態では、制御部203が撮像対象者Tにより使用されている携帯端末31に搭載されているGPS受信機310を使用して携帯端末31の位置を示すデータを算出し、これにより撮像対象者Tの位置を特定した。また、上述した実施形態では、制御部203が非対象者Nにより使用されている携帯端末32に搭載されているGPS受信機320を使用して携帯端末32の位置を示すデータを算出し、これにより非対象者Nの位置を特定した。そして、制御部203が特定した位置情報に基づいて、撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係を算出する場合を例に挙げて説明した。しかし、撮像制御装置20は、これに限定されない。
【0077】
例えば、制御部203は、住宅1に取り付けられている人感センサを使用して撮像対象者T又は非対象者Nの位置を示すデータを取得し、取得した位置データに基づいて撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係を算出してもよい。
【0078】
或いは、制御部203は、非対象者Nにより使用されている携帯端末32により無線LANへの接続に使用される電波の強度に基づいて携帯端末32の位置を示すデータを算出し、これにより非対象者Nの位置を特定する。また、制御部203は、撮像対象者Tにより使用されている携帯端末31により無線LANへの接続に使用される電波の強度に基づいて携帯端末31の位置を示すデータを算出し、これにより撮像対象者Tの位置を特定する。そして、制御部203は、非対象者Nの位置及び撮像対象者Tの位置に基づいて、撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係を算出してもよい。
【0079】
或いは、制御部203は、非対象者Nにより使用されている携帯端末32により近距離無線通信に使用されるビーコンにより出力される電波の強度に基づいて携帯端末32の位置を示すデータを算出し、これにより非対象者Nの位置を特定する。また、制御部203は、撮像対象者Tにより使用されている携帯端末31により近距離無線通信に使用されるビーコンにより出力される電波の強度に基づいて携帯端末31の位置を示すデータを算出し、これにより非対象者Nの位置を特定する。そして、制御部203は、非対象者Nの位置及び撮像対象者Tの位置に基づいて、撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係を算出してもよい。
【0080】
或いは、制御部203は、撮像対象者Tにより携帯されている住宅1又は部屋R1に入るために必要なIDカード又はRFID(Radio Frequency Identifier)等を利用した電波タグに基づいて撮像対象者Tの位置を示すデータを算出し、これにより撮像対象者Tおよび非対象者Nの位置を特定し、特定した位置データに基づいて撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係の算出に使用してもよい。
【0081】
同様に、制御部203は、非対象者Nにより携帯されている住宅1又は部屋R1に入るために必要なIDカード又はRFID等を利用した電波タグに基づいて非対象者Nの位置を示すデータを算出し、これにより撮像対象者Tおよび非対象者Nの位置を特定し、特定した位置データに基づいて撮像対象者Tと非対象者Nとの相対的な位置関係の算出に使用してもよい。
【0082】
また、制御部203は、撮像対象者T及び非対象者Nが上述した所定の範囲から出ている場合、カメラ10を制御して防犯に活用してもよい。或いは、制御部203は、撮像対象者Tが上述した所定の範囲から出ており、非対象者Nが所定の範囲にいる場合、カメラ10を制御して防犯に活用してもよい。これらの場合、制御部203は、カメラ10を他の防犯用センサと連携させてもよい。
【0083】
また、制御部203は、撮像対象者Tが所定の範囲におり、非対象者Nが所定の範囲から出ている場合、カメラ10による撮像を有効にしてもよい。或いは、制御部203は、撮像対象者T及び非対象者Nが所定の範囲にいる場合、両者の距離に応じてカメラ10による撮像を有効にしたり、無効にしたりしてもよい。
【0084】
図3に示した撮像制御装置20が備える機能の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等の回路部(circuitry)を含むハードウェアにより実現されてもよい。或いは、
図3に示した撮像制御装置20が備える機能の少なくとも一部は、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。
【0085】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は、この実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の組み合わせ、変形、置換及び設計変更の少なくとも一つが加えられることがある。
【0086】
また、上述した本発明の実施形態により解決される課題は、一例として示した課題である。したがって、本発明の実施形態は、上述した課題以外にも上述した実施形態の記載から当業者が認識し得る他の課題も解決し得る。
【0087】
また、上述した本発明の実施形態の効果は、一例として示した効果である。したがって、本発明の実施形態は、上述した効果以外にも上述した実施形態の記載から当業者が認識し得る他の効果も奏し得る。
【符号の説明】
【0088】
1…住宅、10…カメラ、2…監視システム、20…撮像制御装置、21…プロセッサ、22…主記憶装置、23…通信インターフェース、24…補助記憶装置、25…入出力装置、201…識別部、202…判定部、203…制御部、R1,R2…部屋、T…撮像対象者、N…非対象者