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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034048
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】電子機器および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20240306BHJP
   H02H 3/20 20060101ALI20240306BHJP
   G01R 31/52 20200101ALI20240306BHJP
   G01R 31/54 20200101ALI20240306BHJP
【FI】
G01R19/00 B
H02H3/20 D
G01R31/52
G01R31/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138041
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】長澤 昂平
(72)【発明者】
【氏名】江藤 航也
【テーマコード(参考)】
2G014
2G035
5G004
【Fターム(参考)】
2G014AA02
2G014AA03
2G014AB52
2G035AB01
2G035AC01
2G035AC16
2G035AD02
2G035AD04
2G035AD11
2G035AD65
5G004AA04
5G004CA01
(57)【要約】
【課題】分圧回路に含まれる複数の抵抗のいずれかに故障が発生した場合にも、分圧電圧のレベルを検出する電圧レベル検出部に過電圧が印加されることを抑止する。
【解決手段】電子機器は、第1ノードと第2ノードとの間に直列に接続された複数の第1抵抗と、前記第2ノードと接地線との間に並列に接続された複数の第2抵抗と、を有する分圧回路と、前記第2ノードに接続され、前記第2ノードに生成される分圧電圧の電圧レベルを検出する電圧レベル検出部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノードと第2ノードとの間に直列に接続された複数の第1抵抗と、
前記第2ノードと接地線との間に並列に接続された複数の第2抵抗と、を有する分圧回路と、
前記第2ノードに接続され、前記第2ノードに生成される分圧電圧の電圧レベルを検出する電圧レベル検出部と、を有する
電子機器。
【請求項2】
前記第1ノードは、ハイレベル電圧またはロウレベル電圧に設定され、
前記電圧レベル検出部は、前記ハイレベル電圧より低い第1電源電圧を受けて動作し、前記分圧電圧の電圧レベルに応じたデジタル値を出力し、
前記デジタル値は、少なくとも1つしきい値に応じて少なくとも1つのハイレベルまたはロウレベルのいずれかに判定され、
前記複数の第1抵抗および前記複数の第2抵抗のそれぞれの抵抗値は、前記複数の第1抵抗および前記複数の第2抵抗の全てが正常な場合と、前記複数の第1抵抗および前記複数の第2抵抗のいずれかが故障の場合とにおいて、前記第1ノードが前記ハイレベル電圧のときの前記分圧電圧が、前記ロウレベルか否かを判定する前記しきい値に対応する電圧と前記電圧レベル検出部の定格入力電圧との間に入るように設定される
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
第2電源電圧が供給される電源線に第1接続部品を介して接続され、前記第1ノードに第2接続部品を介して接続される負荷を有する電装品と、
前記負荷を駆動するときに前記第1ノードを前記第2電源電圧より低い電圧に設定する駆動トランジスタと、
前記電圧レベル検出部が判定した前記電圧レベルと前記駆動トランジスタの駆動状態とに応じて、前記第1接続部品、前記第2接続部品、前記駆動トランジスタ、前記複数の第1抵抗または前記複数の第2抵抗のいずれかの異常を判定する異常判定部と、を有し、
前記駆動トランジスタが前記負荷を駆動しないとき、前記第1ノードは、前記負荷からの電流に応じて前記ハイレベル電圧に設定される
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電圧レベル検出部および前記異常判定部を含む集積回路を有し、
前記異常判定部は、前記駆動トランジスタのベース電圧を受けて前記駆動トランジスタの駆動状態を判断する
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記集積回路は、前記第2ノードに生成される前記分圧電圧が入力されるアナログポートを有し、
前記電圧レベル検出部は、前記アナログポートに入力される前記分圧電圧を前記デジタル値に変換して前記異常判定部に出力するアナログデジタル変換器である
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記電圧レベル検出部は、前記第2ノードに生成される前記分圧電圧を受け、受けた前記分圧電圧に応じたデジタル値を前記異常判定部に出力する汎用入出力ポートである
請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電子機器が搭載される装置で発生したエラーを示すエラー情報が記録されるエラー情報記録部を有し、
前記異常判定部は、さらに、判定した異常と前記エラー情報記録部に記録されたエラー情報とに基づいて、前記電子機器が搭載される装置の異常の原因の解析および異常の発生予測の一方または両方を行う
請求項3に記載の電子機器。
【請求項8】
前記異常判定部が判定した異常を前記電子機器の外部に向けて通知するエラー通知部を有する
請求項3に記載の電子機器。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の電子機器と、
画像を形成する画像形成部と、を有する
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動モータのモータドライバ素子の電源ライン上に設けられるヒューズの両端に接続された分圧回路により得られる電圧の組み合わせに応じて、モータエラーの発生時の原因を判断する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
電源線に直列に接続された温度検知スイッチと温度ヒューズとのグランド側にそれぞれ接続された分圧回路により得られる電圧の組み合わせに応じて、温度検知スイッチと温度ヒューズのいずれが断線したかを判断する手法が知られている。例えば、分圧回路は、電源側とマイコンのアナログポートとの間に配置される抵抗と、マイコンのアナログポートとグランド側との間に並列に配置される一対の抵抗とを有する(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献2の分圧回路において、電源側とマイコンのアナログポートとの間に配置される抵抗にショート故障が発生した場合、アナログポートに過電圧が印加されるおそれがある。
【0005】
上記の課題に鑑み、本発明は、分圧回路に含まれる複数の抵抗のいずれかに故障が発生した場合にも、分圧電圧のレベルを検出する電圧レベル検出部に過電圧が印加されることを抑止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の電子機器は、第1ノードと第2ノードとの間に直列に接続された複数の第1抵抗と、前記第2ノードと接地線との間に並列に接続された複数の第2抵抗と、を有する分圧回路と、前記第2ノードに接続され、前記第2ノードに生成される分圧電圧の電圧レベルを検出する電圧レベル検出部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
分圧回路に含まれる複数の抵抗のいずれかに故障が発生した場合にも、分圧電圧のレベルを検出する電圧レベル検出部に過電圧が印加されることを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の一例を示すブロック図である。
図2図1の電子機器の動作の例を示す説明図である。
図3図1の分圧回路の故障時のADCへの入力電圧の例を示す説明図である。
図4図1の異常検出装置により電子機器の故障を検出する例を示す説明図である。
図5】本発明の別の実施形態に係る電子機器の一例を示すブロック図である。
図6図5の異常検出装置により電子機器の故障を検出する例を示す説明図である。
図7】本発明のさらなる別の実施形態に係る電子機器の一例を示すブロック図である。
図8】他の電子機器の一例を示すブロック図である。
図9図8の異常検出装置により電子機器の故障を検出する例を示す説明図である。
図10図1図5または図7に示す電子機器が搭載される画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。以下では、電圧が伝達される電圧線には、電圧名と同じ符号を使用し、信号が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の一例を示すブロック図である。図1に示す電子機器100は、例えば、デジタル複合機等の画像形成装置、スキャナ、プリンタまたはファクシミリ等の単一の機能を有する画像形成装置、または、プロジェクターまたは電子黒板等の事務機器に搭載され、これら装置の一部として機能する。
【0011】
電子機器100は、駆動トランジスタT1を含む駆動制御部18と、負荷21を含む電装品20と、異常検出装置50とを有する。異常検出装置50は、分圧回路30と、ADC(Analog-to-Digital Converter)41および異常判定部42を含むLSI(Large-Scale Integration)40とを有する。LSI40は、電源電圧VCC1を受けて動作する。電源電圧VCC1は、第1電源電圧の一例である。
【0012】
駆動制御部18の駆動トランジスタT1は、ベースが制御信号線CNTLに接続され、コレクタが電圧の検出ノードVN1に接続され、エミッタが接地線GNDに接続されている。検出ノードVN1は、ダイオードD1のアノードに接続され、ダイオードD1のカソードは、電装品20の駆動電圧である電源電圧VCCが供給される電源線VCCに接続される。検出ノードVN1は、第1ノードの一例であり、電源電圧VCCは、第2電源電圧の一例である。
【0013】
駆動トランジスタT1は、制御信号CNTL(ベース電圧)がハイレベルのときにオンし、検出ノードVN1を接地線GNDに電気的に接続する。これにより、検出ノードVN1は、ロウレベル電圧に設定される。駆動トランジスタT1は、制御信号CNTLがロウレベルのときにオフし、検出ノードVN1と接地線GNDとの電気的な接続を解除する。
【0014】
電装品20の負荷21の電源端子は、コネクタCN1を介して電源線VCCに接続される。電装品20の負荷21の接地端子は、コネクタCN2を介してノードNV1に接続される。コネクタCN1、CN2は、ハーネスHNを介して電装品20に接続される。コネクタCN1、CN2は、第1接続部品の一例であり、ハーネスHNは、第2接続部品の一例である。
【0015】
例えば、負荷21は、ソレノイド、モータまたはファン等であり、図示しない誘導性負荷を有する。電装品20は、誘導性負荷に流れる電流に応じて動作する。駆動トランジスタT1がロウレベルの制御信号CNTLを受けてオフしたとき、検出ノードVN1は、誘導性負荷に流れる電流によりハイレベル電圧(ほぼ電源電圧VCC)に設定される。
【0016】
分圧回路30は、検出ノードVN1と分圧ノードDV1との間に直列に接続された抵抗R4、R1と、分圧ノードDV1と接地線GNDとの間に並列に接続された抵抗R2、R3とを有する。抵抗R4、R1の各々は、第1抵抗の一例であり、抵抗R2、R3の各々は、第2抵抗の一例である。分圧ノードDV1は、第1ノードの一例である。
【0017】
分圧回路30は、検出ノードVN1に生成される電圧を抵抗R4、R1、R2、R3により分圧した分圧電圧DV1を分圧ノードDV1に生成する。なお、検出ノードVN1と分圧ノードDV1との間に直列に接続される抵抗の数または分圧ノードDV1と接地線GNDとの間に並列に接続される抵抗の数は、2個に限定されず、3個以上でもよい。
【0018】
分圧ノードDV1は、LSI40のアナログポートAPに接続される。アナログポートAPは、ADC41の入力に接続される。ADC41は、アナログポートAPで受ける分圧電圧DV1をデジタル値DDV1に変換し、変換したデジタル値DDV1を異常判定部42に出力する。
【0019】
デジタル値DDV1は、ADC41に入力される分圧電圧DV1の値に対応するデジタル値であり、検出ノードVN1の電圧レベルを間接的に示す。特に限定されないが、デジタル値DDV1は、8ビットまたは10ビット等である。ADC41は、分圧ノードDV1に生成される分圧電圧DV1の電圧レベルを検出する電圧レベル検出部の一例である。
【0020】
異常判定部42は、しきい値VT1、VT2に応じてADC41からのデジタル値DDV1の論理レベル(第1ハイレベル、第2ハイレベルまたはロウレベル)を判定する。
【0021】
例えば、異常判定部42は、デジタル値DDV1がしきい値VT1以下の場合、ロウレベルを判定する。異常判定部42は、デジタル値DDV1がしきい値VT1より大きく、しきい値VT2以下の場合、第1ハイレベルを判定する。異常判定部42は、デジタル値DDV1がしきい値VT2より大きい場合、第2ハイレベルを判定する。
【0022】
特に限定されないが、しきい値VT1は、2.1Vの分圧電圧DV1を示すデジタル値であり、しきい値VT2は、4.0Vの分圧電圧DV1を示すデジタル値である。しきい値VT1は、ロウレベルか否かを判定するしきい値の一例である。以下では、説明の簡単化のため、しきい値VT1、VT2を電圧値(2.1V、4.0V)として説明する場合がある。
【0023】
また、異常判定部42は、駆動トランジスタT1のベース電圧である制御信号CNTLを受けて駆動トランジスタT1の駆動状態(オンまたはオフ)を判定する。そして、異常判定部42は、しきい値VT1、VT2に応じて判定したデジタル値DDV1の論理レベルと、駆動トランジスタT1の駆動状態とに応じて、各種の単一故障を検出することで、電子機器100の異常の有無を判定する。例えば、異常判定部42は、電装品20、駆動トランジスタT1または分圧回路30の抵抗R4、R1、R2、R3のいずれかに発生した単一故障を検出する。
【0024】
特に限定されないが、例えば、LSI40は、マイクロコンピュータでもよく、FPGA(Field-Programmable Gate Array)でもよい。LSI40がマイクロコンピュータの場合、異常判定部42は、マイクロコンピュータが実行する異常判定プログラムにより実現されてもよい。なお、制御信号CNTLは、LSI40により生成されてもよい。
【0025】
抵抗R4、R1による直列合成抵抗の抵抗値Rsは、式(1)により示され、抵抗R2,R3による並列合成抵抗の抵抗値Rpは、式(2)により示される。以下では、抵抗R1、R2、R3、R4の抵抗値は、それぞれR1、R2、R3、R4とする。
Rs=R1+R4 …(1)
Rp=(R2×R3)/(R2+R3) …(2)
【0026】
そして、抵抗値Rs、Rpは、以下の条件1および条件2を満足するように設定される。(条件1)正常時のアナログポートAPの入力電圧がしきい値VT1より高い。
(条件2)異常時のアナログポートAP(ADC41)の定格入力電圧より低い。
【0027】
正常時とは、駆動トランジスタT1、コネクタCN1、CN2、ハーネスHNおよび抵抗値R1、R2、R3、R4のいずれにも故障が発生していない状態である。異常時とは、駆動トランジスタT1、コネクタCN1、CN2、ハーネスHNまたは抵抗値R1、R2、R3、R4のいずれかに単一故障が発生している状態である。
【0028】
図2は、図1の電子機器100の動作の例を示す説明図である。図2(A)は、抵抗R1に単一のショート故障が発生したときの動作を示し、図2(B)は、抵抗R2に単一のオープン故障が発生したときの動作を示す。図2(A)、図2(B)とも、制御信号CNTLがロウレベルに設定され(駆動トランジスタT1がオフ状態)、電装品20の制御がオフされている。この場合、分圧回路30のハイサイド側である検出ノードVN1は、電装品20を介してほぼ電源電圧VCCに設定される。
【0029】
図2(A)において、抵抗R1に単一のショート故障が発生した場合、分圧回路30は、抵抗R4、R2、R3により検出ノードVN1から接地線GNDに電流I1を流すことで、分圧電圧DV1を生成することができる。同様に、抵抗R4に単一のショート故障が発生した場合にも、分圧回路30は、抵抗R1、R2、R3により分圧電圧DV1を生成することができる。このため、アナログポートAPおよびADC41の入力に過電圧が入力されることを抑止することができる。
【0030】
図2(B)において、抵抗R2に単一のオープン故障が発生した場合、分圧回路30は、抵抗R4、R1、R3により検出ノードVN1から接地線GNDに電流I1を流すことで、分圧電圧DV1を生成することができる。同様に、抵抗R3に単一のオープン故障が発生した場合にも、分圧回路30は、抵抗R4、R1、R2により分圧電圧DV1を生成することができる。このため、アナログポートAPに過電圧が入力されることを抑止することができる。
【0031】
なお、抵抗R4、R1の一方に単一のオープン故障が発生した場合、分圧電圧DV1は、ほぼ0Vになる。抵抗R2、R3の一方に単一のショート故障が発生した場合、分圧電圧DV1は、ほぼ0Vになる。このため、アナログポートAPには電圧は印加されない。
【0032】
以下では、一例として、電源電圧VCCが24V、しきい値VT1が2.1V、アナログポートAPの定格入力電圧が6Vであるとする。このとき、上記の条件1および条件2を満足させるために、例えば、抵抗R4、R1、R2、R3の抵抗値は、それぞれ51kΩ、51kΩ、24kΩ、24kΩに設定されるとする。
【0033】
分圧回路30が生成する分圧電圧DV1は、式(3)により示される。
DV1=(Rp/(Rs+Rp))×VCC …(3)
【0034】
制御信号CNTLがロウレベルのときの正常時の分圧電圧DV1は、式(3)にRs=102kΩ、Rp=12kΩを代入して、しきい値VT1(=2.1V)より高い約2.5Vになる。制御信号CNTLがロウレベルのときの抵抗R1または抵抗R4の単一ショート故障時の分圧電圧DV1は、式(3)にRs=51kΩ、Rp=12kΩを代入して、アナログポートAPの入力定格値(=6V)より低い約4.6Vになる。制御信号CNTLがロウレベルのときの抵抗R2またはR3の単一オープン故障時の分圧電圧DV1は、式(3)にRs=102kΩ、Rp=24kΩを代入して、アナログポートAPの入力定格値(=6V)より低い約4.6Vになる。
【0035】
図3は、図1の分圧回路30の故障時のADC41への入力電圧の例を示す説明図である。図3においても、図2と同様に制御信号CNTLがロウレベルに設定され、電装品20の制御がオフされ、分圧回路30のハイサイド側である検出ノードVN1は、ほぼ電源電圧VCCに設定される。
【0036】
ADC41への入力電圧である分圧電圧DV1は、上述した式(3)により求められる。また、抵抗R1、R4のいずれかの単一オープン故障時または抵抗R2、R3のいずれかの単一ショート故障時、分圧電圧DV1は、ほぼ0Vに固定される。このため、抵抗R1、R2、R3、R4のいずれかに単一故障が発生した場合にLSI40に過電圧が入力されることを抑止することができる。
【0037】
また、分圧回路30で抵抗R1、R4のいずれかの単一ショート故障または抵抗R2、R3のいずれかの単一オープン故障が発生した場合、ADC41は、分圧電圧DV1(=4.6V)を受けることができる。このときの分圧電圧DV1(=4.6V)は、コネクタCN1、CN2、ハーネスHN、駆動トランジスタT1等の電装品20に関連する部品に単一故障がある場合に変化する。このため、抵抗R1、R4のいずれかの単一ショート故障または抵抗R2、R3のいずれかの単一オープン故障が発生した場合にも、電装品20に関連する部品のいずれかの故障を検出することができる。
【0038】
図4は、図1の異常検出装置50により電子機器100の故障を検出する例を示す説明図である。単一故障が発生していない正常時に制御信号CNTLがハイレベルの場合、分圧電圧DV1は、ほぼ0Vに設定され、デジタル値DDV1は、ロウレベルに設定される。単一故障が発生していない正常時に制御信号CNTLがロウレベルの場合、分圧電圧DV1は、ほぼ2.5Vに設定され、デジタル値DDV1は、第1ハイレベルに設定される。
【0039】
異常判定部42は、制御信号CNTLがハイレベルとロウレベルのときのデジタル値DDV1の論理レベルの組み合わせが正常時と異なる場合、単一故障を検出する。例えば、コネクタCN1またはコネクタCN2の抜け、または、ハーネスHNの断線または地絡による単一故障が発生した場合で、制御信号CNTLがロウレベルの場合、デジタル値DDV1は、正常時と異なるロウレベルに設定される。これにより、異常検出装置50は、コネクタCN1、CN2またはハーネスHNのいずれかの単一故障を検出することができる。
【0040】
駆動トランジスタT1の単一オープン故障が発生した場合で、制御信号CNTLがハイレベルの場合、デジタル値DDV1は、正常時と異なる第1ハイレベルに設定される。これにより、異常検出装置50は、駆動トランジスタT1の単一オープン故障を検出することができる。駆動トランジスタT1の単一ショート故障が発生した場合で、制御信号CNTLがロウレベルの場合、デジタル値DDV1は、正常時と異なるロウレベル電圧に設定される。これにより、異常検出装置50は、駆動トランジスタT1の単一ショート故障を検出することができる。
【0041】
抵抗R1、R4の単一オープン故障または抵抗R2、R3の単一ショート故障が発生した場合で、制御信号CNTLがロウレベルの場合、デジタル値DDV1は、正常時と異なるロウレベル電圧に設定される。これにより、異常検出装置50は、抵抗R1、R4のいずれかの単一オープン故障または抵抗R2、R3のいずれかの単一ショート故障を検出することができる。
【0042】
抵抗R1、R4の単一ショート故障または抵抗R2、R3の単一オープン故障が発生した場合で、制御信号CNTLがロウレベルの場合、デジタル値DDV1は、正常時と異なる第2ハイレベル電圧に設定される。これにより、異常検出装置50は、抵抗R1、R4のいずれかの単一ショート故障または抵抗R2、R3のいずれかの単一オープン故障を検出することができる。
【0043】
以上、この実施形態では、分圧回路30は、検出ノードVN1と分圧ノードDV1との間に直列に接続された抵抗R4、R1と、分圧ノードDV1と接地線VSSとの間に並列に接続された抵抗R2、R3とを有する。これにより、分圧回路30は、抵抗R4、R1、R2、R3のいずれかに単一故障が発生した場合にも分圧機能を維持することができる。したがって、アナログポートAPおよびADC41の入力に、検出ノードVN1のハイレベル電圧(例えば、電源電圧VCC)が印加されることを抑止することができる。
【0044】
抵抗R1、R2、R3、R4の抵抗値は、抵抗R1、R2、R3、R4のいずれかに単一故障が発生したときに、アナログポートAPおよびADC41の定格入力電圧より低い電圧が供給される値に設定される。これにより、ADC41に過電圧が印加されることを抑止することができ、LSI40の破壊を抑止することができる。
【0045】
異常判定部42は、定格入力電圧より低い分圧電圧DV1を受けるADC41が出力するデジタル値DDV1と、制御信号CNTLの論理レベルとを受けて単一故障の判定を行う。これにより、図4に示すように、制御信号CNTLがハイレベルとロウレベルのときのデジタル値DDV1の論理レベルの組み合わせが正常時と異なる場合、電装品20に関連する部品の単一故障または抵抗R1-R4のいずれかの単一故障を検出することができる。
【0046】
図5は、本発明の別の実施形態に係る電子機器の一例を示すブロック図である。図1と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図5に示す電子機器100Aは、図1の電子機器100と同様に、例えば、各種の画像形成装置、または、プロジェクターまたは電子黒板等の事務機器に搭載され、これら装置の一部として機能する。
【0047】
電子機器100Aは、異常検出装置50の代わりに異常検出装置50Aを有することを除き、図1の電子機器100と同様の構成を有する。異常検出装置50AはLSI40の代わりにLSI40Aを有することを除き、図1の異常検出装置50と同様の構成を有する。LSI40Aは、アナログポートAPおよび異常判定部42の代わりに汎用入出力ポートGPIOおよび異常判定部42Aを有し、ADC41を持たないことを除き、図1のLSI40と同様の構成を有する。
【0048】
汎用入出力ポートGPIOは、分圧回路30が生成する分圧電圧DV1を受け、分圧電圧DV1に応じて2値のデジタル値DDV1を異常判定部42に出力する。すなわち、LSI40Aは、ADC41を使用することなく、汎用入出力ポートGPIOを使用して、検出ノードVN1の電圧に対応する電圧レベルをデジタル値DDV1として生成する。汎用入出力ポートGPIOは、検出ノードVN1の電圧に対応する電圧レベルを検出する電圧レベル検出部の一例である。
【0049】
異常判定部42Aは、単一故障の判定に使用するデジタル値DDV1が2値であることと、1つの閾値VTを使用することを除き、図1に示した異常判定部42と同様の機能を有する。異常判定部42Aの動作については、図6で説明される。この実施形態では、例えば、図1のADC41およびアナログポートAPを持たないLSI40Aを電子機器100Aに搭載できるため、LSI40より安価なLSI40Aを使用することができ、電子機器100Aのコストを抑えることができる。
【0050】
図6は、図5の異常検出装置により電子機器の故障を検出する例を示す説明図である。図4と同様の要素については、詳細な説明は省略する。この実施形態では、各単一故障において異常判定部42に入力されるデジタル値DDV1の論理レベルは、ロウレベルまたはハイレベル(2値)である。なお、汎用入出力ポートGPIOに供給される分圧電圧DV1の電圧レベルは、図4と同じである。
【0051】
この実施形態では、異常判定部42Aは、デジタル値DDV1をしきい値VTと比較することで、デジタル値DDV1のロウレベルまたはハイレベルを判定する。そして、異常判定部42Aは、制御信号CNTLがハイレベルとロウレベルのときのデジタル値DDV1の論理レベルの組み合わせが正常時と異なる場合、単一故障を検出することができる。
【0052】
なお、抵抗R1、R4のいずれかの単一ショート故障は、制御信号CNTLがハイレベルとロウレベルのときのデジタル値DDV1の論理レベルの組み合わせが正常と同じであるため、異常判定部42Aは、故障を検出できない。また、抵抗R2、R3のいずれかの単一オープン故障は、制御信号CNTLがハイレベルとロウレベルのときのデジタル値DDV1の論理レベルの組み合わせが正常と同じであるため、異常判定部42Aは、故障を検出できない。しかしながら、異常判定部42Aは、コネクタCN1またはコネクタCN2の抜けによる単一故障、ハーネスHNの断線または地絡による単一故障、または、駆動トランジスタT1の単一故障を検出することができる。
【0053】
以上、この実施形態においても図1から図4に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、異常判定部42Aは、分圧回路30が生成する分圧電圧DV1と制御信号CNTLの論理レベルとにより、電装品20に関連する部品のいずれかの単一故障を検出することができる。また、異常判定部42Aは、抵抗R1、R4の単一オープン故障または抵抗R2、R3の単一ショート故障を検出することができる。
【0054】
さらに、この実施形態では、図1のADC41およびアナログポートAPを持たないLSI40Aを電子機器100Aに搭載できるため、LSI40より安価なLSI40Aを使用して電子機器100Aのコストを抑えることができる。
【0055】
図7は、本発明のさらなる別の実施形態に係る電子機器の一例を示すブロック図である。図1と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図5に示す電子機器100Bは、図1の電子機器100と同様に、例えば、例えば、各種の画像形成装置、または、プロジェクターまたは電子黒板等の事務機器に搭載され、これら装置の一部として機能する。
【0056】
電子機器100Bは、異常検出装置50の代わりに異常検出装置50Bを有し、さらにエラー通知部70Bを有することを除き、図1の電子機器100と同様の構成を有する。異常検出装置50Bは、LSI40の代わりにLSI40Bを有し、さらにエラー情報記録部60Bを有することを除き、図1の異常検出装置50と同様の構成を有する。
【0057】
エラー情報記録部60Bは、電子機器100Bが搭載される画像形成装置等の装置で発生した各種のエラーを示すエラー情報が記録される。例えば、電子機器100Bが、プリンタ等の画像形成装置に搭載される場合、エラー情報は、用紙のジャムまたは駆動モータのエラーなどを含む。
【0058】
LSI40Bは、異常判定部42により検出された単一故障と、エラー情報記録部60Bに記録されたエラー情報とに基づいて、電子機器100Bが搭載される画像形成装置等の装置の異常の原因の解析および異常の発生予測の一方または両方を行う。
【0059】
また、LSI40Bは、異常判定部42が判定した異常(すなわち、単一故障)を示すエラー情報をエラー通知部70Bに出力する。例えば、エラー通知部70Bは、電子機器100Bの操作部に搭載される液晶モニタ等の表示部であり、表示部にエラー情報を表示することで、外部にエラーの発生を通知する。あるいは、エラー通知部70Bは、例えば、電子機器100Bが搭載される装置のサービス拠点にエラー情報を送信する通信装置である。すなわち、エラー通知部70Bは、異常判定部42が判定した異常を電子機器100Bの外部に向けて通知する。
【0060】
以上、この実施形態においても図1から図4に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、異常判定部42は、分圧回路30が生成する分圧電圧DV1と制御信号CNTLの論理レベルとにより、電装品20に関連する部品のいずれかの単一故障を検出することができる。また、異常判定部42は、抵抗R1、R2、R3、R4の単一オープン故障または単一ショート故障を検出することができる。
【0061】
さらに、この実施形態では、LSI40Bは、異常判定部42により検出された単一故障と、エラー情報記録部60Bに記録されたエラー情報とに基づいて、異常の原因の解析および異常の発生予測の一方または両方を行うことができる。また、LSI40Bは、異常判定部42が判定した異常をエラー通知部70Bに出力することで、エラー情報の表示装置への表示およびエラー情報の外部への送信の一方または両方を行うことができる。
【0062】
図8は、他の電子機器の一例を示すブロック図である。図1と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図8に示す電子機器100Cは、異常検出装置50の代わりに異常検出装置50Cを有することを除き、図1の電子機器100と同様の構成を有する。異常検出装置50Cは、分圧回路30の代わりに分圧回路30Cを有することを除き、図1の異常検出装置50と同様の構成を有する。
【0063】
分圧回路30Cは、検出ノードVN1と分圧ノードDV1との間に接続された抵抗R5と、分圧ノードDV1と接地線GNDとの間に接続された抵抗R6とを有する。特に限定されないが、例えば、抵抗R5の抵抗値は、102kΩであり、抵抗R6の抵抗値は、12kΩである。
【0064】
図9は、図8の異常検出装置50Cにより電子機器100Cの故障を検出する例を示す説明図である。図4と同様の要素については、詳細な説明は省略する。
【0065】
図9では、図4と同様に、異常判定部42は、コネクタCN1またはコネクタCN2の抜けによる単一故障、ハーネスHNの断線または地絡による単一故障、または、駆動トランジスタT1の単一故障を検出することができる。また、異常判定部42は、抵抗R5の単一オープン故障と、抵抗R6の単一ショート故障を検出することができる。
【0066】
一方、抵抗R5の単一ショート故障が発生した場合、定格入力電圧を超える検出ノードVN1の電圧(例えば、24V)がアナログポートAPに入力され、LSI40は破壊されるおそれがある。また、抵抗R6の単一オープン故障が発生した場合にも、定格入力電圧を超える検出ノードVN1の電圧(例えば、24V)がアナログポートAPに入力され、LSI40は破壊されるおそれがある。
【0067】
図10は、図1図5または図7に示す電子機器100、100A、100Bが搭載される画像形成装置の一例を示す全体構成図である。図10に示す画像形成装置1は、例えば、複写機能、プリント機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能等を有するデジタル複合機(MFP:Multi-Function Printer)である。
【0068】
画像形成装置1は、画像形成装置1の操作部のアプリケーション切り替えキー等により、複写機能、プリント機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能をそれぞれ実現する動作モードを相互に切り替えることが可能である。画像形成装置1は、複写機能の選択時には複写モードとなり、プリント機能の選択時にはプリントモードとなり、スキャナ機能の選択時にはスキャナモードとなり、ファクシミリ機能の選択時にはファクシミリモードとなる。
【0069】
また、画像形成装置1は、内部回路の状態に応じて、内部状態が通常モードまたは省エネモード(省電力モード)等に切り替わる。例えば、通常モードは、動作中モード(動作している状態)および待機モード(待機している状態)を有する。
【0070】
例えば、動作中モードは、画像またはテキストデータ等を紙媒体等に印刷する複写モードまたはプリントモードを含む。プリントモードは、ファクシミリモードにおいて受信データを紙媒体等に印刷する動作を含む。また、動作中モードは、原稿等をスキャンするスキャナモードまたはファクシミリモードにおける送受信動作を含む。内部回路の状態は、画像形成装置1のユーザによる操作部の操作または画像形成装置1内での制御により切り替わる。
【0071】
例えば、画像形成装置1は、自動原稿送り装置2(ADF:Auto Document Feeder)、画像読み取り装置3、書き込みユニット4、プリンタユニット5、操作部12、制御装置13および電源装置14を有する。プリンタユニット5は、感光体ドラム6、現像装置7、搬送ベルト8および定着装置9と、給紙トレイ11が収納される収納空間とを有する。
【0072】
図1図5図7に示す異常検出装置50、50A、50Bおよび駆動制御部18は、例えば、制御装置13内に設けられる。図1図5図7に示す電装品20は、例えば、プリンタユニット5内に設けられる図示しない各種モータまたはファンのいずれかである。
【0073】
電源装置14は、電源ケーブル15を介して商用電源16に接続され、商用電源16から供給される交流電圧を使用して、例えば、交流電圧および直流電圧を生成して負荷に電力として供給する機能を有する。例えば、電力が供給される負荷として、自動原稿送り装置2、画像読み取り装置3、書き込みユニット4、プリンタユニット5および操作部12等がある。
【0074】
プリンタユニット5は、画像情報に基づいて紙媒体等に転写するトナー像を作成する。プリンタユニット5は、画像を形成する画像形成部の一例である。以下、画像形成装置1での画像の形成の流れの一例として、動作モードが複写モードに設定されている場合について簡単に説明する。
【0075】
複写モードでは、複写の対象である原稿束(複数枚の原稿)が自動原稿送り装置2にセットされ、あるいは、複写の対象である原稿が画像読み取り装置3上にセットされる。操作部12に表示されるスタートボタンが押されると、自動原稿送り装置2は、原稿を1枚ずつ画像読み取り装置3に給送する。画像読み取り装置3は、自動原稿送り装置2から順に送られる原稿の各々または画像読み取り装置3にセットされた原稿の画像情報を読み取る。画像読み取り装置3により読み取られた画像情報は、例えば、制御装置13に搭載される画像処理部により処理される。
【0076】
書き込みユニット4は、画像処理部により処理された画像情報を光情報に変換する。感光体ドラム6は、感光体ドラム6に対向する位置に配置される帯電器により一様に帯電された後、書き込みユニット4により変換された光情報を含むレーザ光により露光される。露光により、感光体ドラム6上には静電潜像が形成される。現像装置7は、感光体ドラム6上の静電潜像を現像し、感光体ドラム6上にトナー像を形成する。搬送ベルト8は、トナー像を紙媒体等に転写する。定着装置9は、トナー像を紙媒体等に定着させる。そして、原稿の画像が複写された転写紙は、排出部から排出される。
【0077】
操作部12は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、操作部12の表示部に各種の情報を表示する。例えば、操作部12に表示される情報は、入力を受け付けた操作を示す情報、画像形成装置1の動作状況を示す情報、または、画像形成装置1の設定状態を示す情報などである。さらに、例えば、図7のエラー通知部70Bが、表示部にエラー情報を表示する機能を有する場合、エラー通知部70Bは、操作部12に搭載されてもよい。
【0078】
制御装置13は、内蔵するCPU等のコントローラに制御プログラムを実行させることで、プリンタユニット5の制御、通信の制御および操作部12への入力の制御等、画像形成装置1の全体の動作を制御する。例えば、図7のエラー通知部70Bが、画像形成装置1のサービス拠点にエラー情報を送信する通信装置の機能を有する場合、エラー通知部70Bは、制御装置13に搭載されてもよい。制御装置13は、画像処理プログラムまたはデータ処理プログラムを実行することで画像処理またはデータ処理を実施し、紙媒体等に転写する画像を形成する。
【0079】
例えば、操作部12の制御基板は、電源装置14からの直流電圧を受けて常時動作する。このため、操作部12は、通常モード中だけでなく、省エネモード中にも各種の入力を受け付けることができる。制御装置13は、例えば、通常モード中に直流電圧を受けて動作し、省エネモード中に動作を停止する。
【0080】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
第1ノードと第2ノードとの間に直列に接続された複数の第1抵抗と、
前記第2ノードと接地線との間に並列に接続された複数の第2抵抗と、を有する分圧回路と、
前記第2ノードに接続され、前記第2ノードに生成される分圧電圧の電圧レベルを検出する電圧レベル検出部と、を有する
電子機器。
<2>
前記第1ノードは、ハイレベル電圧またはロウレベル電圧に設定され、
前記電圧レベル検出部は、前記ハイレベル電圧より低い第1電源電圧を受けて動作し、前記分圧電圧の電圧レベルに応じたデジタル値を出力し、
前記デジタル値は、少なくとも1つしきい値に応じて少なくとも1つのハイレベルまたはロウレベルのいずれかに判定され、
前記複数の第1抵抗および前記複数の第2抵抗のそれぞれの抵抗値は、前記複数の第1抵抗および前記複数の第2抵抗の全てが正常な場合と、前記複数の第1抵抗および前記複数の第2抵抗のいずれかが故障の場合とにおいて、前記第1ノードが前記ハイレベル電圧のときの前記分圧電圧が、前記ロウレベルか否かを判定する前記しきい値に対応する電圧と前記電圧レベル検出部の定格入力電圧との間に入るように設定される
<1>に記載の電子機器。
<3>
第2電源電圧が供給される電源線に第1接続部品を介して接続され、前記第1ノードに第2接続部品を介して接続される負荷を有する電装品と、
前記負荷を駆動するときに前記第1ノードを前記第2電源電圧より低い電圧に設定する駆動トランジスタと、
前記電圧レベル検出部が判定した前記電圧レベルと前記駆動トランジスタの駆動状態とに応じて、前記第1接続部品、前記第2接続部品、前記駆動トランジスタ、前記複数の第1抵抗または前記複数の第2抵抗のいずれかの異常を判定する異常判定部と、を有し、
前記駆動トランジスタが前記負荷を駆動しないとき、前記第1ノードは、前記負荷からの電流に応じて前記ハイレベル電圧に設定される
<2>に記載の電子機器。
<4>
前記電圧レベル検出部および前記異常判定部を含む集積回路を有し、
前記異常判定部は、前記駆動トランジスタのベース電圧を受けて前記駆動トランジスタの駆動状態を判断する
<4>に記載の電子機器。
<5>
前記集積回路は、前記第2ノードに生成される前記分圧電圧が入力されるアナログポートを有し、
前記電圧レベル検出部は、前記アナログポートに入力される前記分圧電圧を前記デジタル値に変換して前記異常判定部に出力するアナログデジタル変換器である
<4>に記載の電子機器。
<6>
前記電圧レベル検出部は、前記第2ノードに生成される前記分圧電圧を受け、受けた前記分圧電圧に応じたデジタル値を前記異常判定部に出力する汎用入出力ポートである
<4>に記載の電子機器。
<7>
前記電子機器が搭載される装置で発生したエラーを示すエラー情報が記録されるエラー情報記録部を有し、
前記異常判定部は、さらに、判定した異常と前記エラー情報記録部に記録されたエラー情報とに基づいて、前記電子機器が搭載される装置の異常の原因の解析および異常の発生予測の一方または両方を行う
<3>ないし<6>のいずれか1項に記載の電子機器。
<8>
前記異常判定部が判定した異常を前記電子機器の外部に向けて通知するエラー通知部を有する
<3>ないし<7>のいずれか1項に記載の電子機器。
<9>
<1>ないし<8>のいずれか1項に記載の電子機器と、
画像を形成する画像形成部と、を有する
画像形成装置。
【0081】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 画像形成装置
2 自動原稿送り装置
3 画像読み取り装置
4 書き込みユニット
5 プリンタユニット
6 感光体ドラム
7 現像装置
8 搬送ベルト
9 定着装置
11 給紙トレイ
12 操作部
13 制御装置
14 電源装置
15 電源ケーブル
16 商用電源
18 駆動制御部
20 電装品
21 負荷
30、30C 分圧回路
40、40A、40B LSI
42、42A 異常判定部
50、50A、50B、50C 異常検出装置
60B エラー情報記録部
70B エラー通知部
100、100A、100B、100C 電子機器
AP アナログポート
CN1、CN2 コネクタ
CNTL 制御信号
DDV1 デジタル値
DV1 分圧ノード
GPIO 汎用入出力ポート
HN ハーネス
R1、R2、R3、R4、R5、R6 抵抗
T1 駆動トランジスタ
VCC、VCC1 電源電圧
VN1 検出ノード
VT、VT1、VT2 しきい値
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2001-150773号公報
【特許文献2】特開2014-106219号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10