(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034776
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】画像形成装置、及び、画像形成方法
(51)【国際特許分類】
B41J 11/20 20060101AFI20240306BHJP
B41J 11/02 20060101ALI20240306BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B41J11/20
B41J11/02
B41J2/01 305
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139248
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】大谷 正治
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
【Fターム(参考)】
2C056EA01
2C056EA20
2C056EB07
2C056EB12
2C056EB13
2C056EB37
2C056EB45
2C056EC07
2C056EC12
2C056EC26
2C056EC33
2C056EC67
2C056FA03
2C056FA04
2C056FA07
2C056FA10
2C056FB03
2C056FB09
2C056FB10
2C056HA27
2C058AB08
2C058AC07
2C058AE01
2C058AF31
2C058DA09
2C058DE13
2C058DE23
(57)【要約】
【課題】画像形成における準備時間を短くする。
【解決手段】画像形成装置が、記録ヘッドを用いて、搬送方向に搬送する布地の記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、前記記録媒体の種類に応じて、種類を切替可能であり、かつ、前記搬送方向に移動する台座部と、前記画像形成部による画像形成が行われる前に、前記台座部に固定された前記記録媒体と前記記録ヘッドの衝突を検出する検出部と、前記検出部による前記搬送方向の検出範囲を設定する設定部とを備える。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドを用いて、搬送方向に搬送する布地の記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記記録媒体の種類に応じて、種類を切替可能であり、かつ、前記搬送方向に移動する台座部と、
前記画像形成部による画像形成が行われる前に、前記台座部に固定された前記記録媒体と前記記録ヘッドの衝突を検出する検出部と、
前記検出部による前記搬送方向の検出範囲を設定する設定部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記設定部は、
前記検出範囲を前記台座部の種類に応じて設定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検出部による検出結果に基づき、前記画像形成部による画像形成を実行するか否かを判断する判断部を更に備える
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判断部による判断結果を出力する
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検出部による検出結果に基づき、前記衝突を避けるように、前記記録媒体と前記記録ヘッドの距離を調整する調整部を更に備える
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記録媒体を搬送する搬送部
を更に備え、
前記搬送部は、
前記台座部に前記記録媒体を搭載して、前記記録媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記画像形成部は、
インクジェット方式で画像形成を行い、
前記検出部は、
前記検出範囲において前記衝突を検出する
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
記録ヘッドを用いて、搬送方向に搬送する布地の記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記記録媒体の種類に応じて、種類を切替可能であり、かつ、前記搬送方向に移動する台座部とを備える画像形成装置が行う画像形成方法であって、
前記画像形成部による画像形成が行われる前に、前記台座部に固定された前記記録媒体と前記記録ヘッドの衝突を検出する検出手順と、
前記検出手順で前記搬送方向の検出範囲を設定する設定手順と
を含む画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び、画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
布地製品、又は、衣類等を記録媒体とする画像形成装置として、いわゆるガーメントプリント(garment print)の技術が知られている。そして、ガーメントプリントでは、記録媒体を台座にセットした後、台座の高さを調整する必要があり、センサによって台座の高さ検出を行うことで、台座の高さを最適な高さに調整する技術が知られている。
【0003】
具体的には、多数の記録媒体に対して高速に画像形成を行う場合において、画像形成装置は、搬送部からの浮き上がり量を示す用紙高さを検出する。そして、画像形成装置は、検出された記録媒体の用紙高さに応じて、記録媒体の搬送、ノズルからのインク液滴の吐出、又は、インクジェットヘッドの搬送部からの相対距離を制御する。このような制御により、搬送されて来る記録媒体とインクジェットヘッドとの衝突を回避し、かつ、記録媒体の搬送が急停止するのを防ぐ。このようにして、スループットの低下を抑制し、かつ、インクジェットヘッドと記録媒体の接触防止を図る技術が知られている(例えば、特許文献1等である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、記録媒体の種類が変更されたときに生ずる課題には対応していない。具体的には、記録媒体の種類が変更されたときには、記録媒体の種類に応じて台座も変更する必要がある。台座が変更された場合、台座の高さ調整のためのセンサの検出範囲も、台座の種類に応じて調整すべきであるが、従来の技術は、台座の変更を想定していないので、検出範囲が固定されている。そのため、高さ調整のためには不要な部分も検出範囲に含まれている場合が多く、記録媒体の種類が変更されたときの台座の高さ調整処理時間が長くなる。ゆえに、従来の技術は、画像形成における準備時間が長いという課題がある。
【0005】
本発明は、画像形成における準備時間を短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、画像形成装置は、
記録ヘッドを用いて、搬送方向に搬送する布地の記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記記録媒体の種類に応じて、種類を切替可能であり、かつ、前記搬送方向に移動する台座部と、
前記画像形成部による画像形成が行われる前に、前記台座部に固定された前記記録媒体と前記記録ヘッドの衝突を検出する検出部と、
前記検出部による前記搬送方向の検出範囲を設定する設定部と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成における準備時間を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】衝突を検出する構成の例を示す図(正面図)である。
【
図2】衝突を検出する構成の例を示す図(側面図)である。
【
図3】画像形成が行われる前に行う検出の例を示す図である。
【
図4】衝突を検出する構成の例を示す図(上面図)である。
【
図7】電源をONにした際の画像形成装置の動作例を示す図である。
【
図8】画像形成を開始する際の画像形成装置の動作例を示す図である。
【
図9】衝突が検出されなかった場合の画像形成装置の動作例を示す図である。
【
図10】記録媒体、及び、プラテンの第1例を示す図である。
【
図11】記録媒体、及び、プラテンの第2例を示す図である。
【
図12】記録媒体、及び、プラテンの第3例を示す図である。
【
図13】記録媒体、及び、プラテンの第4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。
【0010】
(画像形成装置の全体構成例)
図1は、衝突を検出する構成の例を示す図(正面図)である。図は、主走査方向に対し、垂直となる方向から見た(いわゆる正面図である。)画像形成装置20の構成図である。以下、記録媒体108は、「Y」軸方向に搬送されるとする。したがって、Y軸方向が「搬送方向」となる。そして、記録媒体108に対して垂直となる方向を「Z」軸方向とする。Z軸方向は、いわゆる上下方向、高さ方向、及び、重力方向となる。さらに、「X」軸方向が、Y軸方向に対して直交する方向となる。
画像形成装置20は、Light Emitting Diode(発光ダイオード、以下「LED21」という。)、及び、受光素子22によって衝突を検出する。
【0011】
LED21、及び、受光素子22は、Z軸上、同じ位置に設置される。
【0012】
キャリッジ100は、記録ヘッドを備える。
【0013】
記録媒体108は、プラテン23と一緒に搬送される。
【0014】
プラテン23は、Z軸方向における位置が調整可能な機構である。したがって、プラテン23がZ軸方向に移動すると、プラテン23上にある記録媒体108も、Z軸方向に移動する。また、プラテン23は、記録媒体108を固定して、搬送方向に移動する。
【0015】
記録媒体108がZ軸方向に移動して、LED21が発する光を遮ると、受光素子22は、LED21が発する光を受光できなくなる。このように、受光素子22が光を受光できなると、プラテン23がZ軸方向における位置を調整する。
【0016】
以下、記録媒体108と記録ヘッドの距離を「ギャップ200」という。なお、ギャップ200は、Z軸方向における記録媒体108と、キャリッジ100が備える記録ヘッドとの高低差である。
【0017】
図2は、衝突を検出する構成の例を示す図(側面図)である。
【0018】
図2に示すように、記録媒体108は、上流側が下流側よりも高い形状である。
【0019】
図2(a)に示すように、プラテン23が低い位置になるように調整されると、記録ヘッドと記録媒体108とは、衝突しない。このように、記録媒体108の上流側、すなわち、記録媒体108における凸部の位置が検出された検出結果でプラテン23の位置が調整されると、衝突が回避できる。
【0020】
一方で、
図2(b)のように、記録媒体108の下流側、すなわち、記録媒体108における凹部の位置が検出された検出結果でプラテン23の位置が調整されると、衝突する可能性がある。
【0021】
そこで、画像形成が行われる前に、画像形成装置20は、以下のように、記録媒体108と、記録ヘッドの衝突があるか否かを判断する。
【0022】
図3は、画像形成が行われる前に行う検出の例を示す図である。以下、
図3(a)に示す状態から
図3(b)に示す状態に遷移する例で説明する。
【0023】
図3(a)に示す状態に対し、
図3(b)に示す状態では、プラテン23は、
図3(a)に示す状態より、下流側に移動している。移動により、記録媒体108が、LED21が発する光を遮断する。すなわち、記録ヘッドは、記録媒体108に衝突するZ軸上の位置である。このように、記録媒体108を搬送方向へ移動させると、画像形成が行われる前に、記録媒体108と記録ヘッドが衝突するかを検出できる。
【0024】
上記の検出は、画像形成が行われる前に行う動作でもよいし、又は、他の動作と連動して行ってもよい。記録媒体108と記録ヘッドの衝突が検出されると、画像形成装置20は、以降の動作を中止する。このようにして、画像形成装置20は、記録媒体108と記録ヘッドの衝突を防ぐ。
【0025】
図4は、衝突を検出する構成の例を示す図(上面図)である。
【0026】
画像形成装置20は、搬送ベルト101、タイミングベルト102、スライドレール104、主走査モータ105、駆動プーリー106、従動プーリー107、搬送ローラ109、副走査モータ111、搬送駆動プーリー112、タイミングベルト114、エンコーダホイール115、エンコーダセンサ116、エンコーダセンサ117、及び、記録ヘッド118を備える。
【0027】
スライドレール104は、板金と一体の構成である。そして、スライドレール104は、キャリッジ100を保持する。また、キャリッジ100は、スライドレール104上を移動する。
【0028】
タイミングベルト102は、駆動プーリー106と従動プーリー107の間にかけ渡すように設置される。そして、タイミングベルト102は、キャリッジ100と連結する構成である。そのため、主走査モータ105が回転し、駆動プーリー106を駆動させると、タイミングベルト102の移動により、キャリッジ100は、X軸方向(主走査方向)に移動する。
【0029】
キャリッジ100は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド118を備える。なお、色の数、又は、色を配列する順は、上記以外であってもよい。
【0030】
記録ヘッド118は、複数のインク吐出口(ノズル)が形成されたノズル面を記録媒体108に向ける姿勢である。また、ノズル面は、Y軸方向(副走査方向)に、ノズル列を有する。
【0031】
記録ヘッド118は、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、又は、静電力を用いる静電アクチュエータ等を用いる方式で液体を吐出する。
【0032】
キャリッジ100には、エンコーダスケール103が貫通する。エンコーダスケール103には、スリットが形成される。一方で、キャリッジ100が備えるエンコーダセンサ117によって、キャリッジ100は、X軸上の位置を検出する。
【0033】
画像形成装置20は、プラテン23を搬送ベルト101で搬送する。プラテン23に記録媒体108が乗るため、プラテン23の移動により、記録媒体108は、プラテン23と一緒に移動する。
【0034】
画像形成装置20は、副走査モータ111を回転させて搬送ローラ109を駆動させる。搬送ローラ109が駆動すると、搬送ベルト101は、Y軸方向(副走査方向)に移動する。
【0035】
副走査モータ111には、搬送駆動プーリー112が連結する。そして、搬送ローラ109、及び、搬送ローラプーリ113の間には、タイミングベルト114がかけ渡される。そのため、副走査モータ111を回転させると、搬送ローラ109、搬送ローラプーリ113、及び、タイミングベルト114が連動する。さらに、搬送ベルト101は、搬送ローラ109にかけ渡されているため、副走査モータ111の回転によって、Y軸方向(副走査方向)に移動する。
【0036】
搬送ローラ109の回転軸には、エンコーダホイール115が接続する。また、エンコーダホイール115には、スリットが形成される。そして、エンコーダセンサ116がスリットを検出する。このようなエンコーダホイール115、及び、エンコーダセンサ116により、搬送ベルト101のY軸方向(副走査方向)における位置を検出する。
【0037】
搬送ベルト101は、無端ベルトである。そして、搬送ベルト101は、搬送ローラ109とテンションローラ110の間に掛け渡される。そのため、搬送ベルト101は、Y軸方向(副走査方向)に周回する。また、搬送ベルト101は、周回の際に帯電ローラによって帯電される。
【0038】
なお、搬送ベルト101は、1層構造でもよいし、2層以上の複層構造でもよい。1層構造の場合には、搬送ベルト101は、記録媒体108、及び、帯電ローラに接触するので、層全体が絶縁材料で形成される。一方で、複層構造の場合には、搬送ベルト101は、記録媒体108、及び、帯電ローラに接触する側が絶縁層で形成され、かつ、搬送ベルト101は、記録媒体108、及び、帯電ローラに接触しない側が導電層で形成されるのが好ましい。
【0039】
図5は、操作パネルの一例を示す図である。例えば、画像形成装置20は、
図5に示す操作パネル50を備える。
【0040】
ディスプレイ1は、自機の状態、又は、エラーメッセージ等を表示する出力装置である。
【0041】
インクカラー2は、インクの色、及び、各インクの残量を表示する出力装置である。
【0042】
メニューキー3は、ユーザによる設定操作を入力する入力装置である。
【0043】
オンラインキー4は、画像形成装置20と通信する外部装置のオンライン、及び、オフラインを切り替える操作を入力する入力装置である。
【0044】
強制排紙全色クリーニングキー5は、プラテン23の取り出し、又は、ヘッドクリーニング操作を入力する入力装置である。
【0045】
ジョブリセットキー6は、印刷中又は受信中のデータを取り消す操作を入力する入力装置である。
【0046】
アラームランプ7は、エラー発生時に点灯する出力装置である。
【0047】
上下キー8は、ディスプレイ1上のスクロール、又は、プラテン23を昇降させる操作入力する入力装置である。
【0048】
OKキー9は、設定、設定値、又は、階層移動を確定させる操作を入力する入力装置である。
【0049】
戻るキー10は、設定を有効にせずに、上位階層に戻る、又は、メニューから通常の表示に戻す操作を入力する入力装置である。
【0050】
電源キー11は、画像形成装置20の電源オフ、及び、オンを切り替える操作を入力する入力装置である。
【0051】
データインランプ12は、外部装置からのデータ受信を知らせる出力装置である。
【0052】
例えば、上下キー8を操作して、プラテン23がユーザにより手動で操作できてもよい。
【0053】
図6は、制御装置の構成例を説明する図である。制御装置30は、ホストInterface(以下「ホストI/F31」という。)、Central Processing Unit(以下「CPU32」という。)、Read Only Memory(以下「ROM33」という。)、Random Access Memory(以下「RAM34」という。)、Non Volatile Random Acess Memory(以下「NVRAM35」という。)、及び、Application Specific Integrated Circuit(以下「ASIC36」という。)を備える。
【0054】
ホストI/F31は、外部装置のプリンタドライバ51等とデータを送受信する入出力装置の例である。ほかにも、ホストI/F31は、外部装置から画像データ等のデータをケーブル、又は、ネットワークを介して入力する。
【0055】
CPU32は、画像形成装置20の全体を制御、及び、各処理を実現する演算を行う制御装置、及び、演算装置の例である。
【0056】
ROM33は、CPU32が用いるデータ、及び、プログラムを記憶する記憶装置の例である。
【0057】
RAM34は、画像データ等を一時的に記憶する記憶装置の例である。
【0058】
NVRAM35は、電源がOFFとなってもデータを記憶し続ける不揮発性の記憶装置の例である。
【0059】
ASIC36は、信号処理、及び、全体を制御する制御装置、及び、演算装置の例である。
【0060】
さらに、制御装置30は、Input/Output装置(以下「I/O37」という。)、印刷制御装置38、主走査モータ駆動装置39、ギャップ調整装置40、及び、副走査モータ駆動装置41を備える。
【0061】
I/O37は、リニアエンコーダ53、LEDセンサ56、及び、ホイールエンコーダ54等のセンサによる検出結果を入力する。
【0062】
印刷制御装置38は、記録ヘッド118を駆動させる駆動波形を生成して、記録ヘッド118を駆動させるデータをヘッドドライバ52に出力する。そして、ヘッドドライバ52の制御に基づき、記録ヘッド118がインクを吐出する。
【0063】
ヘッドドライバ52には、画像データ(ドットパターンデータという場合もある。)が入力される。画像データは、シリアル形式であり、記録ヘッド118の1行分に相当する形式である。
【0064】
印刷制御装置38は、駆動パルスをDigital/Analog(D/A)変換するD/A変換器、及び、増幅器を備える。
【0065】
主走査モータ駆動装置39は、主走査モータ105を駆動させる。
【0066】
ギャップ調整装置40は、プラテン昇降モータ55を制御する。まず、プラテン23の高さを検出するため、LED21と受光素子22は、プラテン23と水平に設置される。さらに、LED21と受光素子22は、記録ヘッド118と同じ高さである。
【0067】
プラテン昇降モータ55は、プラテン23をZ軸方向に移動させる。そして、LED21と受光素子22により、Z軸方向におけるプラテン23の位置(記録媒体108がプラテン23に載っている場合は、記録媒体108の位置である。)が検出される。そして、検出結果に基づき、プラテン昇降モータ55は、Z軸方向におけるプラテン23の位置を調整する。以下、LED21と受光素子22をまとめて「LEDセンサ56」とする。
【0068】
なお、LEDセンサ56は、複数あってもよい。
また、プラテン昇降モータ55によるZ軸方向のステップ量(移動パルス数)は、制御装置30がプラテン昇降モータ55の回転方向、及び、駆動周波数に基づき決定する。
【0069】
副走査モータ駆動装置41は、副走査モータ111を駆動させる。そして、副走査モータ111が駆動すると、搬送ベルト101が移動する。
【0070】
制御装置30には、操作パネル50によるユーザの操作結果が入力される。
【0071】
CPU32は、ホストI/F31が受信する印刷データを読み出して解析する。次に、ASIC36は、画像処理、及び、データの並び替え処理等を行って、印刷制御装置38に転送する。続いて、印刷制御装置38は、ヘッドドライバ52に駆動波形を出力する。
【0072】
なお、ドットパターンデータの生成は、例えば、ROMにフォントデータを格納して実現する構成でもよい。
【0073】
ヘッドドライバ52は、例えば、シリアルデータを入力するシフトレジスタ、シフトレジスタのレジスト値をラッチ信号でラッチするラッチ回路、ラッチ回路の出力値をレベル変化させるレベル変換回路(レベルシフタ)、及び、アナログスイッチアレイを備える。
【0074】
アナログスイッチアレイのON/OFFを制御すると、駆動波形に含まれる駆動パルスが記録ヘッド118に印加される。
【0075】
(画像形成装置の動作例)
図7は、電源をONにした際の画像形成装置の動作例を示す図である。電源をONにすると、画像形成装置20は、
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)の順に動作する。
【0076】
図7(a)に示すように、電源がONになる前、すなわち、OFFの状態では、プラテン23は、Y軸方向(搬送方向)上の下流に位置する。
【0077】
以下、図において、キャリッジ100は、記録ヘッド118が走査する範囲(以下「走査範囲」という。)を示す。
【0078】
次に、電源をONにする操作が行われると、プラテン23は、
図7(a)に示すように、LEDセンサ56で検知される高さ(Z軸方向の位置である。)まで移動する。
【0079】
図7(b)は、
図7(a)に示すようにプラテン23が移動した後、プラテン23が下降した状態を示す。
【0080】
図7(c)は、
図7(b)の後、搬送ベルト101を移動させて、記録媒体108をセットする位置へプラテン23を移動させた状態を示す。ユーザは、
図7(c)の状態で、記録媒体108をセットする。
【0081】
図8は、画像形成を開始する際の画像形成装置の動作例を示す図である。例えば、ユーザが画像形成を開始する指示の操作を行うと、画像形成装置20は、
図8(a)、
図8(b)、
図8(c)、
図8(d)、
図8(e)、
図8(f)の順に動作する。
【0082】
図8(a)は、画像形成の初期状態を示す。ユーザがプラテン23上に記録媒体をセットすると、画像形成装置20は、画像形成を開始する。
【0083】
図8(b)は、副走査モータ111を制御して、プラテン23をLEDセンサ56の真下に移動させた状態を示す。
【0084】
図8(c)は、プラテン23がLEDセンサ56で検知される位置まで移動した状態を示す。
【0085】
図8(d)は、
図8(c)に示す位置、すなわち、記録媒体108がLEDセンサ56で検知された位置から、所定距離分、プラテン23を下降させた状態を示す。
【0086】
図8(e)は、副走査モータ111を制御して、
図8(d)に示す状態から、プラテン23をY軸方向(搬送方向)上の下流に移動させた状態を示す。
【0087】
図8(f)は、副走査モータ111を制御して、
図8(e)に示す状態から画像形成を行う位置へプラテン23を移動させ、かつ、LEDセンサ56で衝突を検出する状態を示す。そして、衝突が検出されないと、画像形成装置20は、画像形成を行う。一方で、衝突が検出されると、画像形成装置20は、画像形成を中止する。
【0088】
図9は、衝突が検出されなかった場合の画像形成装置の動作例を示す図である。
図8(f)において、衝突が検出されないと、画像形成装置20は、
図9(a)、
図9(b)、
図9(c)、
図9(d)の順に動作する。なお、
図8(f)において、衝突が検出されると、画像形成装置20は、画像形成を中止するため、
図9に示す動作を行わない。
【0089】
【0090】
図9(b)は、プラテン23をY軸方向(搬送方向)上の下流に移動させつつ、記録ヘッド118がインクを吐出して、記録媒体108に対して画像形成を行う状態を示す。
図9(a)に示す初期位置から所定距離を移動すると、画像形成が完了する。
【0091】
図9(c)は、画像形成が完了した後、プラテン23をZ軸方向において下降させた状態を示す。
【0092】
図9(d)は、プラテン23をZ軸方向において下降させた後、副走査モータ111を制御して、プラテン23を記録媒体108のセットを行った位置に移動させた状態を示す。
【0093】
図8(b)における「プラテン23をLEDセンサ56の真下に移動」の後、
図8(c)乃至
図8(f)に示す動作によって、プラテン23のZ軸方向における位置が決定する。この決定において、プラテン23のZ軸方向における位置を調整しないと、記録媒体108の位置、又は、姿勢等が変化しない限り、衝突が検出される。
【0094】
そこで、画像形成装置20は、記録媒体108と記録ヘッド118の距離を調整する。
【0095】
(調整例)
以下に4種類の記録媒体108、及び、プラテン23を用いる場合を例に説明する。
【0096】
図10は、記録媒体、及び、プラテンの第1例を示す図である。例えば、
図10(a)に示す形状のプラテン(以下「第1プラテン231」という。)を用いる場合がある。第1プラテン231は、
図10(b)に示す靴301を記録媒体とする場合に用いる。
【0097】
図11は、記録媒体、及び、プラテンの第2例を示す図である。例えば、
図11(a)に示す形状のプラテン(以下「第2プラテン232」という。)を用いる場合がある。第2プラテン232は、
図11(b)に示す靴302を記録媒体とする場合に用いる。第1例における靴301は「正面」の向きであるのに対し、第2例における靴302は「側面」の向きである。
【0098】
図12は、記録媒体、及び、プラテンの第3例を示す図である。例えば、
図12(a)に示す形状のプラテン(以下「第3プラテン233」という。)を用いる場合がある。第3プラテン233は、
図12(b)に示すマスク303を記録媒体とする場合に用いる。
【0099】
図13は、記録媒体、及び、プラテンの第4例を示す図である。例えば、
図13(a)に示す形状のプラテン(以下「第4プラテン234」という。)を用いる場合がある。第4プラテン234は、
図13(b)に示す帽子304を記録媒体とする場合に用いる。
【0100】
なお、プラテン、及び、記録媒体の種類は、上記の種類に限られない。例えば、記録媒体は、Tシャツ等の衣類でもよい。
【0101】
このように、様々な記録媒体の種類に対し、記録媒体の形状に応じたプラテン23を用いると、記録媒体を画像形成装置20にセットできる。
【0102】
(検出範囲の設定例)
上記の4種類の記録媒体、及び、プラテンに対して、衝突を検出する範囲(以下「検出範囲」という。)は、以下のように設定される。
【0103】
図14は、第1検出範囲の設定例を示す図である。以下、LEDセンサ56による検出を行う位置を「センサ位置401」という。したがって、画像形成装置20は、センサ位置401を中心とする検出範囲の衝突を検出する。一方で、検出範囲以外が検出をしない範囲(以下「無効範囲403」という。)となる。
【0104】
図10に示す第1プラテン231、及び、靴301の場合、第1検出範囲402が設定される。
【0105】
図15は、第2検出範囲の設定例を示す図である。
図11に示す第2プラテン232、及び、靴302の場合、第2検出範囲404が設定される。
【0106】
図16は、第3検出範囲の設定例を示す図である。
図12に示す第3プラテン233、及び、マスク303の場合、第3検出範囲405が設定される。
【0107】
図17は、第4検出範囲の設定例を示す図である。
図13に示す第4プラテン234、及び、帽子304の場合、第4検出範囲406が設定される。
【0108】
図14乃至
図17が示すように、検出範囲は、プラテン、及び、記録媒体の種類に応じて設定されるのが望ましい。例えば、プラテンに、事前にICチップを設定する。このICチップに基づき、プラテンの種類が識別される。なお、プラテンの種類は、スイッチ等のセンサで識別されてもよい。したがって、画像形成装置20は、識別したプラテンの種類に応じて検出範囲を設定する。
【0109】
プラテンの種類と、検出範囲の対応付けは、事前にデータで入力される。例えば、プラテンの種類と、検出範囲とを対応付けするテーブルデータが事前に入力される。したがって、画像形成装置20は、プラテンの種類を識別すると、テーブルデータを参照し、検出範囲を設定する。
【0110】
検出範囲は、衝突の可能性が高い範囲を中心に設定される。例えば、
図14乃至
図17に示すセンサ位置401は、各記録媒体の各部のうち、Z軸方向に高くなる箇所に設定される。衝突は、記録媒体が最も高くなる箇所で起きやすい。したがって、検出範囲は、記録媒体が最も高くなる箇所を狙って設定されるのが望ましい。このような箇所に検出範囲を設定すると、衝突を防ぎ、かつ、検出範囲を絞るため検出処理を速くできる。
【0111】
(全体処理例)
図18は、全体処理例を示す図である。
【0112】
ステップS1801では、画像形成装置20は、画像形成を開始する要求を受け付ける。例えば、要求は、印刷用のアプリケーションから発し、画像形成装置20が受け付ける。
【0113】
ステップS1802では、画像形成装置20は、プラテンの種類を取得する。例えば、画像形成装置20は、ICチップ等のデータを取得し、識別してプラテンの種類を取得する。
【0114】
ステップS1803では、画像形成装置20は、プラテンの種類、及び、記録媒体の種類に基づき、検出範囲を設定する。
【0115】
ステップS1804では、画像形成装置20は、記録媒体と記録ヘッドが衝突するか否かを検出する。
【0116】
ステップS1805では、画像形成装置20は、衝突があるか否かを判断する。そして、衝突すると判断すると(ステップS1805でYES)、画像形成装置20は、ステップS1807に進む。一方で、衝突しないと判断すると(ステップS1805でNO)、画像形成装置20は、ステップS1806に進む。
【0117】
ステップS1806では、画像形成装置20は、画像形成を行う。
【0118】
ステップS1807では、画像形成装置20は、画像形成を中止する。
【0119】
ステップS1808では、画像形成装置20は、画像形成が完了した後、プラテンを排出する。
【0120】
ステップS1806により、画像形成が完了すると、画像形成装置20は、画像形成が成功した旨をユーザに通知する。一方で、ステップS1807により、画像形成を中止した場合には、画像形成装置20は、画像形成をキャンセルした旨をユーザに通知する。
【0121】
なお、ユーザは、画像形成がキャンセルされたのを把握して、プラテン23の高さを調整してもよい。
【0122】
(調整をする例)
図18において、衝突すると判断する場合(ステップS1805でYES)、画像形成装置20は、プラテンと記録媒体の距離を調整するのが望ましい。具体的には、画像形成装置20は、衝突を回避できる高さまで、プラテンをZ軸方向において下げるようにする。調整において、一回にどの程度プラテンを下げるかは事前に設定する。そして、画像形成装置20は、調整後、衝突があるか否かを判断する(ステップS1805を再度実行する)。
【0123】
再度の判断により、衝突しないと判断すると(ステップS1805でNO)、画像形成装置20は、ステップS1806に進む。一方で、再度衝突すると判断すると(ステップS1805でYES)、画像形成装置20は、プラテンと記録媒体の距離を再度調整する。
【0124】
このように、検出結果に基づいて衝突が回避できるように調整されると、ユーザは、設定の手間を少なくできる。
【0125】
(機能構成例)
図19は、機能構成例を示す図である。画像形成装置20は、画像形成部2001、台座部2002、設定部2003、及び、検出部2004を備える。さらに、画像形成装置20は、判断部2005、搬送部2006、表示制御部2007、操作受付部2008を備えるのが望ましい。
【0126】
画像形成部2001は、記録ヘッド118を用いて、記録媒体108に対して画像形成を行う画像形成手順を行う。例えば、画像形成部2001は、キャリッジ100等で実現する。
【0127】
台座部2002は、記録媒体108の種類に応じて異なる種類となる。例えば、台座部2002は、プラテン23等で実現する。
【0128】
設定部2003は、検出範囲2010を設定する設定手順を行う。例えば、設定部2003は、CPU32等で実現する。
【0129】
検出部2004は、画像形成が行われる前に、記録媒体108と記録ヘッド118の衝突を検出する検出手順を行う。例えば、検出部2004は、LEDセンサ56等で実現する。具体的には、検出部2004は、LED21が発する光を受光素子22が受光できなくなると、記録媒体108と記録ヘッド118が衝突する検出結果を出力する。
【0130】
判断部2005は、検出部2004による検出結果に基づき、画像形成部2001による画像形成を実行するか否かを判断する判断手順を行う。例えば、判断部2005は、CPU32等で実現する。
【0131】
搬送部2006は、記録媒体108を搬送する搬送手順を行う。例えば、搬送部2006は、制御装置30等で実現する。
【0132】
表示制御部2007は、ディスプレイ1等の出力装置に各種の情報を出力する。例えば、表示制御部2007は、プラテン23の昇降量、ギャップ値、及び、各種のメッセージ等を出力する。
【0133】
操作受付部2008は、操作パネル50に対するユーザの操作を受け付ける。
【0134】
調整部2009は、検出結果に基づき、記録媒体108と記録ヘッド118の衝突を避けるように、距離2011を調整する調整手順を行う。
【0135】
具体的には、調整部2009は、プラテン昇降モータ55を回転駆動し、プラテン23を上下に移動させる。このように、プラテン23の高さを変更、又は、プラテン23を移動させて、調整部2009は、距離2011を調整する。
【0136】
画像形成装置20は、記録媒体108の種類に応じた専用のプラテン23(例えば、
図10乃至
図13に示す種類である。)を接続する。また、プラテン23の種類は、プラテン23に事前にICチップにより設定する識別情報、又は、プラテン23の種類の違いによる物理的なスイッチによるセンシング結果により識別される。
【0137】
記録媒体108の種類が定まると、台座部2002が定まる。そして、検出範囲は、台座部2002の種類ごとに最適な範囲が異なる。したがって、検出範囲は、台座部2002の種類等に応じて最適な検出範囲が設定されるのが望ましい。このように、最適な検出範囲が設定されると、衝突が起きるおそれがある範囲の検出処理を省略して、画像形成装置20は、画像形成における準備時間を短くできる。
【0138】
また、検出範囲2010を台座部2002の種類に応じて設定すると、記録媒体108の種類に最適な検出範囲が設定できる。この結果、検出範囲2010、及び、無効範囲403が記録媒体108の種類に応じて最適に設定されるため、画像形成を行う準備時間を短くできる。
【0139】
判断部2005を備えると、検出結果に基づき、画像形成装置20は、画像形成を行う、又は、画像形成のキャンセルを決定できる。このような構成であると、画像形成装置20は、画像形成を行う準備時間、又は、画像形成をキャンセルするまでの時間を短くできる。
【0140】
表示制御部2007を備えると、ユーザは、判断部による判断結果を把握できる。このような構成であると、ユーザは、画像形成を行う、又は、画像形成のキャンセルの決定を速く知ることができる。
【0141】
(台座について)
プラテン(platen)23は、インクジェット方式の画像形成において、記録媒体となる物体を支える支持部材である。また、プラテン23は、記録媒体108の種類ごとに、形状、及び、材質が異なってもよい。そして、プラテン23は、記録媒体108の種類ごとに、記録媒体108の種類に最適なプラテン23の種類が事前に定まっている。したがって、複数のプラテン23の種類が事前に用意され、対象となる記録媒体108の種類が定まると、プラテン23は、最適な種類が選択される。
【0142】
(記録媒体について)
記録媒体108は、用紙(「普通紙」等ともいう。)用紙以外のコート紙、ラベル紙等の他、オーバヘッドプロジェクタシート、フィルム、又は、可撓性を持つ薄板等でもよい。すなわち、記録媒体108の素材は、インク滴が付着可能、一時的に付着可能、付着して固着、又は、付着して浸透する材質等であればよい。具体的には、記録媒体108は、用紙、フィルム、若しくは、布等の被記録媒体、電子基板、圧電素子(「圧電部材」等ともいう。)等の電子部品、粉体層(「粉末層」等ともいう。)、臓器モデル、又は、検査用セル等である。このように、記録媒体108の材質は、液体が付着可能であって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又は、これらの組み合わせ等であればよい。
【0143】
[その他の実施形態]
画像形成方法は、例えば、プログラムに基づいて実現されてもよい。具体的には、プログラムに基づいて演算装置、記憶装置、及び、制御装置等の装置が、協働して動作して画像形成方法を実行する。なお、プログラムは、コンピュータが読取可能な記憶媒体に記憶されて頒布、又は、電気通信回線を通じて頒布されてもよい。
【0144】
各装置は、複数の装置で構成してもよい。したがって、各処理は、分散、冗長、又は、並列に実行されてもよい。
【0145】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
【0146】
<1>記録ヘッドを用いて、搬送方向に搬送する布地の記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記記録媒体の種類に応じて、種類を切替可能であり、かつ、前記搬送方向に移動する台座部と、
前記画像形成部による画像形成が行われる前に、前記台座部に固定された前記記録媒体と前記記録ヘッドの衝突を検出する検出部と、
前記検出部による前記搬送方向の検出範囲を設定する設定部と
を備える画像形成装置である。
【0147】
<2>前記設定部は、
前記検出範囲を前記台座の種類に応じて設定する
上記<1>に記載の画像形成装置である。
【0148】
<3>前記検出部による検出結果に基づき、前記画像形成部による画像形成を実行するか否かを判断する判断部を更に備える
上記<1>又は<2>に記載の画像形成装置である。
【0149】
<4>前記判断部による判断結果を出力する
上記<3>に記載の画像形成装置である。
【0150】
<5>前前記検出部による検出結果に基づき、前記衝突を避けるように、前記記録媒体と前記記録ヘッドの距離を調整する調整部を更に備える
上記<1>乃至<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0151】
<6>前記記録媒体を搬送する搬送部
を更に備え、
前記搬送部は、
前記台座部に前記記録媒体を搭載して、前記記録媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記画像形成部は、
インクジェット方式で画像形成を行い、
前記検出部は、
前記検出範囲において前記衝突を検出する
上記<1>乃至<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0152】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、上記に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現で可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0153】
20 :画像形成装置
21 :LED
22 :受光素子
23 :プラテン
56 :LEDセンサ
108 :記録媒体
118 :記録ヘッド
200 :ギャップ
231 :第1プラテン
232 :第2プラテン
233 :第3プラテン
234 :第4プラテン
301 :靴
302 :靴
303 :マスク
304 :帽子
401 :センサ位置
402 :第1検出範囲
403 :無効範囲
404 :第2検出範囲
405 :第3検出範囲
406 :第4検出範囲
2001 :画像形成部
2002 :台座部
2003 :設定部
2004 :検出部
2005 :判断部
2006 :搬送部
2007 :表示制御部
2008 :操作受付部
2009 :調整部
2010 :検出範囲
2011 :距離
【先行技術文献】
【特許文献】
【0154】
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドを用いて、搬送方向に搬送する記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記記録媒体の種類に応じて、種類を切替可能であり、かつ、前記搬送方向に移動する台座部と、
前記画像形成部による画像形成が行われる前に、前記台座部に固定された前記記録媒体と前記記録ヘッドの衝突を検出する検出部と、
前記検出部による前記搬送方向の検出範囲を設定する設定部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記設定部は、
前記検出範囲を前記台座部の種類に応じて設定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検出部による検出結果に基づき、前記画像形成部による画像形成を実行するか否かを判断する判断部を更に備える
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判断部による判断結果を出力する
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検出部による検出結果に基づき、前記衝突を避けるように、前記記録媒体と前記記録ヘッドの距離を調整する調整部を更に備える
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記録媒体を搬送する搬送部を更に備え、
前記搬送部は、
前記台座部に前記記録媒体を搭載して、前記記録媒体を前記搬送方向に搬送し、
前記画像形成部は、
インクジェット方式で画像形成を行い、
前記検出部は、
前記検出範囲において前記衝突を検出する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
記録ヘッドを用いて、搬送方向に搬送する記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記記録媒体の種類に応じて、種類を切替可能であり、かつ、前記搬送方向に移動する台座部とを備える画像形成装置が行う画像形成方法であって、
前記画像形成部による画像形成が行われる前に、前記台座部に固定された前記記録媒体と前記記録ヘッドの衝突を検出する検出手順と、
前記検出手順で前記搬送方向の検出範囲を設定する設定手順と
を含む画像形成方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
副走査モータ111には、搬送駆動プーリー112が連結する。一方、搬送ローラ109には搬送ローラプーリ113が連結する。そして、搬送駆動プーリー112、及び、搬送ローラプーリ113の間には、タイミングベルト114がかけ渡される。そのため、副走査モータ111を回転させると、搬送駆動プーリー112、搬送ローラプーリ113、タイミングベルト114、及び、搬送ローラ109が連動する。さらに、搬送ベルト101は、搬送ローラ109にかけ渡されているため、副走査モータ111の回転によって、Y軸方向(副走査方向)に移動する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
(調整をする例)
図18において、衝突すると判断する場合(ステップS1805でYES)、画像形成装置20は、
記録ヘッドと記録媒体の距離を調整するのが望ましい。具体的には、画像形成装置20は、衝突を回避できる高さまで、プラテンをZ軸方向において下げるようにする。調整において、一回にどの程度プラテンを下げるかは事前に設定する。そして、画像形成装置20は、調整後、衝突があるか否かを判断する(ステップS1805を再度実行する)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
再度の判断により、衝突しないと判断すると(ステップS1805でNO)、画像形成装置20は、ステップS1806に進む。一方で、再度衝突すると判断すると(ステップS1805でYES)、画像形成装置20は、記録ヘッドと記録媒体の距離を再度調整する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
(機能構成例)
図19は、機能構成例を示す図である。画像形成装置20は、画像形成部2001、台座部2002、設定部2003、及び、検出部2004を備える。さらに、画像形成装置20は、判断部2005、搬送部2006、表示制御部2007、操作受付部2008
、及び、調整部2009を備えるのが望ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0137】
記録媒体108の種類が定まると、台座部2002が定まる。そして、検出範囲は、台座部2002の種類ごとに最適な範囲が異なる。したがって、検出範囲は、台座部2002の種類等に応じて最適な検出範囲が設定されるのが望ましい。このように、最適な検出範囲が設定されると、衝突が起きるおそれがない範囲の検出処理を省略して、画像形成装置20は、画像形成における準備時間を短くできる。