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特開2024-34851フラットケーブルの接続構造および接続方法
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  • 特開-フラットケーブルの接続構造および接続方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034851
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】フラットケーブルの接続構造および接続方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/62 20110101AFI20240306BHJP
   H02G 15/08 20060101ALI20240306BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20240306BHJP
   H01R 9/03 20060101ALI20240306BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20240306BHJP
   H01R 4/02 20060101ALN20240306BHJP
【FI】
H01R12/62
H02G15/08
H02G1/14
H01R9/03 A
H01R43/02 B
H01R4/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139373
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】澤田 由香
(72)【発明者】
【氏名】吉田 浩信
(72)【発明者】
【氏名】中村 優斗
(72)【発明者】
【氏名】児島 直之
【テーマコード(参考)】
5E051
5E077
5E085
5E223
5G355
5G375
【Fターム(参考)】
5E051LA04
5E051LB03
5E077BB05
5E077BB18
5E077BB38
5E077DD03
5E077JJ20
5E085BB05
5E085BB06
5E085CC03
5E085DD04
5E085HH11
5E085JJ03
5E223AA21
5E223AB60
5E223AB65
5E223BA04
5E223BB04
5E223CB15
5E223CC15
5E223DB09
5G355AA08
5G355BA11
5G375AA03
5G375AA11
5G375CA02
5G375DB16
(57)【要約】
【課題】高速伝送線路における通信性能の向上を図ることのできるフラットケーブルの接続構造および接続方法を提供する。
【解決手段】間隔をおいて配置された複数の導体11を絶縁材料で被覆したフラットケーブル10の導体11a,11bをバスバー21に接続するフラットケーブル10の接続構造1であって、導体11a,11bは、バスバー21に接続される部分である接続部13を有し、接続部13は、導体11a,11bの端部に配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をおいて配置された複数の導体を絶縁材料で被覆したフラットケーブルの前記導体を接続対象に接続するフラットケーブルの接続構造であって、
前記導体は、前記接続対象に接続される部分である接続部を有し、
前記接続部は、前記導体の端部に配置されている
フラットケーブルの接続構造。
【請求項2】
前記接続部は、厚さ方向の大きさの平均値が、前記導体の他の部分の厚さ方向の大きさに対して0.7倍以上0.85倍以下の範囲内である
請求項1に記載のフラットケーブルの接続構造。
【請求項3】
前記接続部は、厚さ方向の大きさが、前記導体の端部に向かって徐々に小さくなる
請求項1に記載のフラットケーブルの接続構造。
【請求項4】
間隔を置いて配置された複数の導体を絶縁材料で被覆したフラットケーブルの前記導体を接続対象に接続するフラットケーブルの接続方法であって、
前記フラットケーブルの端部から間隔をおいた部分の前記絶縁材料を除去することによって前記導体を露出させる導体露出工程と、
前記導体露出工程において露出した前記導体を前記接続対象に接続することによって接続部を形成する接続部形成工程と、
前記導体における前記接続部よりも端部側を切断する導体切断工程と、を含む
フラットケーブルの接続方法。
【請求項5】
前記接続部形成工程は、前記接続対象に載置した前記導体に押圧力を付与した状態で前記接続部を形成し、前記接続部の厚さ方向の大きさの平均値が、前記導体の他の部分の厚さ方向の大きさに対して0.7倍以上0.85倍以下の範囲内となる
請求項4に記載のフラットケーブルの接続方法。
【請求項6】
前記接続部形成工程は、前記接続対象に載置した前記導体に押圧力を付与した状態で前記接続部を形成し、前記接続部の厚さ方向の大きさが、前記導体の端部に向かって徐々に小さくなる
請求項4に記載のフラットケーブルの接続方法。
【請求項7】
前記導体切断工程は、前記接続部形成工程において前記接続部を形成する際に付与される押圧力によって、前記導体を切断する
請求項5または6に記載のフラットケーブルの接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信信号を伝送可能なフラットケーブルの接続構造および接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のフラットケーブルとしては、幅方向に間隔をおいて配置され、電力や電気信号を伝送するための複数の導体を絶縁材料で被覆したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のフラットケーブルは、バスバーを有するコネクタを介して他の機器に接続されている。このため、従来のフラットケーブルは、端部から間隔をおいた部分の絶縁体を除去することによって導体を露出させ、露出させた導体をバスバーに接続している。
【0004】
フラットケーブルは、複数の導体の一部を、通信信号を伝送するための高速伝送線路(例えば、差動伝送線路)として用いる場合がある。高速伝送線路では、特性インピーダンスが変化する部分があると、通信信号の波形が乱れて通信性能が低下するおそれがある。このため、フラットケーブルは、導体の全長にわたって特性インピーダンスが所定の大きさとなるように調整されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-6774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のフラットケーブルは、導体の端部から間隔をおいた部分がバスバーに接続されているため、導体のバスバーが接続されている部分と端部との間において、通信信号が反射したり、減衰が生じたりするため、通信性能が低下する可能性がある。
【0007】
本発明の目的とするところは、高速伝送線路における通信性能の向上を図ることのできるフラットケーブルの接続構造および接続方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るフラットケーブルの接続構造は、間隔をおいて配置された複数の導体を絶縁材料で被覆したフラットケーブルの前記導体を接続対象に接続するフラットケーブルの接続構造であって、前記導体は、前記接続対象に接続される部分である接続部を有し、前記接続部は、前記導体の端部に配置されている。
【0009】
また、本発明に係るフラットケーブルの接続構造は、前記接続部の厚さ方向の大きさの平均値が、前記導体の他の部分の厚さ方向の大きさに対して0.7倍以上0.85倍以下の範囲内である。
【0010】
また、本発明に係るフラットケーブルの接続構造は、前記接続部の厚さ方向の大きさが、前記導体の端部に向かって徐々に小さくなる。
【0011】
また、本発明に係るフラットケーブルの接続方法は、間隔を置いて配置された複数の導体を絶縁材料で被覆したフラットケーブルの前記導体を接続対象に接続するフラットケーブルの接続方法であって、前記フラットケーブルの端部から間隔をおいた部分の前記絶縁材料を除去することによって前記導体を露出させる導体露出工程と、前記導体露出工程において露出した前記導体を前記接続対象に接続することによって接続部を形成する接続部形成工程と、前記導体における前記接続部よりも端部側を切断する導体切断工程と、を含む。
【0012】
また、本発明に係るフラットケーブルの接続方法は、前記接続部形成工程が、前記接続対象に載置した前記導体に押圧力を付与した状態で前記接続部を形成し、前記接続部の厚さ方向の大きさの平均値が、前記導体の他の部分の厚さ方向の大きさに対して0.7倍以上0.85倍以下の範囲内となる。
【0013】
また、本発明に係るフラットケーブルの接続方法は、前記接続部形成工程が、前記接続対象に載置した前記導体に押圧力を付与した状態で前記接続部を形成し、前記接続部の厚さ方向の大きさが、前記導体の端部に向かって徐々に小さくなる。
【0014】
また、本発明に係るフラットケーブルの接続方法は、前記導体切断工程が、前記接続部形成工程において前記接続部を形成する際に付与される押圧力によって、前記導体を切断する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、導体の端部が接続対象に接続されることになるため、導体と接続対象との間で伝送される通信信号の反射や減衰を抑制することが可能となり、
高速伝送線路における通信性能の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係るフラットケーブルとバスバーとの接続状態を示す要部平面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るフラットケーブルとバスバーとの接続状態を示す要部側面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るフラットケーブルの要部平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る接続部の形成方法を説明する概略図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る超音波ホーンの斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るフラットケーブルのバスバーに対する接続方法を説明する概略図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るフラットケーブルのバスバーに対するその他の接続方法を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
図1乃至図6は、本発明の第1実施形態を示すものである。図1はフラットケーブルとバスバーとの接続状態を示す要部平面図であり、図2はフラットケーブルとバスバーとの接続状態を示す要部側面図であり、図3はフラットケーブルの要部平面図であり、図4は接続部の形成方法を説明する概略図であり、図5は超音波ホーンの斜視図であり、図6はフラットケーブルのバスバーに対する接続方法を説明する概略図である。
【0018】
本発明の接続構造1を備えたフラットケーブル10は、例えば、車両本体側のステアリングコラムと、ステアリングホイール側のステアリングシャフトと、の連結部分に設けられる所謂ステアリングロールコネクタの構成部品として用いられるものである。フラットケーブル10は、車両本体側に設けられた機器と、ステアリングホイール側に設けられた機器と、の間で、電力を伝送するための導電回路の一部を構成するとともに、電気信号を伝送するための通信回路の一部を構成している。通信回路は、例えば、100Mbps以上の高速通信を行うものである。
【0019】
フラットケーブル10は、図1および図3に示すように、幅方向に間隔をおいて配置された複数の導体11を、絶縁材料12で被覆ことによって一体の帯状に形成されている。フラットケーブル10は、厚さ方向の大きさが、例えば125μmである。また、複数の導体11は、例えば、0.4mm以上1mm以下の間隔をおいて配置されている。
【0020】
複数の導体11は、それぞれ、例えば、銅または銅合金等からなり、厚さ方向の大きさが、例えば35μmに形成されている。また、フラットケーブル10の幅方向に配置された複数の導体11のうち、幅方向中央部側には、通信回路を構成する幅方向一対の通信用導体11aが配置され、一対の通信用導体11aの幅方向両外側には、一対のグランド用導体11bが配置されている。一対の通信用導体11aおよび一対のグランド用導体11bは、それぞれ、幅方向の大きさが100μmに形成されている。
【0021】
フラットケーブル10は、コネクタ20を介して導電回路および通信回路に接続される。フラットケーブル10は、図1に示すように、複数の導体11のそれぞれが、コネクタ20を構成する接続対象としてのバスバー21に接続されている。バスバー21は、例えば、黄銅等の導電性を有する部材である。
【0022】
本実施形態において、接続構造1は、一対の通信用導体11aおよび一対のグランド用導体11bのそれぞれとバスバー21との接続に適用される。以降、接続構造1が適用される一対の通信用導体11aおよび一対のグランド用導体11bを、単に導体11a,11bと記載する。
【0023】
接続構造1は、図1および図2に示すように、フラットケーブル10の導体11a,11bにおける、バスバー21に接続される部分である接続部13を有している。接続部13は、図2に示すように、導体11a,11bの端部に配置されている。
【0024】
接続部13は、導体11a,11bを超音波金属接合によってバスバー21に接合することによって形成され、厚さ方向の大きさT1の平均値が、導体11a,11bの他の部分の厚さ方向の大きさT2に対して0.7倍以上0.85倍以下の範囲内の大きさに形成されている。
【0025】
ここで、接続部13を含む導体11a,11bおよびバスバー21に付与する引張力に対する最大の強度である引張強度の目標値は、1.3~1.6Nである。また、接続部13を含む導体11a,11bおよびバスバー21の一方に対して他方を引き剥がす力に対する最大の強度である剥離応力の目標値は、1.1~1.2Nである。厚さ方向の大きさT1の平均値が、導体11a,11bの他の部分の厚さ方向の大きさT2に対して0.7倍未満となる場合には、超音波金属接合時に付与される押圧力によって生じる導体11a,11bのダメージが大きく、引張強度や剥離強度が目標値に対して未達となる。また、厚さ方向の大きさT1の平均値が、導体11a,11bの他の部分の厚さ方向の大きさT2に対して0.85倍以上となる場合には、超音波金属接合による接合力が不足するため、剥離強度が目標値に対して未達となる。
【0026】
以上のように構成されたフラットケーブル10の接続構造1において、超音波金属接合では、図4に示すように、導体11a,11bおよびバスバー21に対して超音波振動を付与する超音波ホーン30が用いられる。
【0027】
超音波ホーン30は、導体11a,11bに当接する矩形状に形成された当接面31と、当接面31の一の辺に沿って延在すると共に当接面31から突出する凸部32と、を有している。当接面31は、幅方向の大きさが導体11a,11bの幅方向の大きさよりもやや大きく形成されている。また、凸部32は、当接面31が導体11a,11bに当接した状態で、当接面31における導体11a,11bの端部側に配置されている。
【0028】
超音波ホーン30の当接面31は、図5(a)に示すように、平滑面であってもよいし、図5(b)に示すように、矩形の互いに交差する対角線のそれぞれに沿って延びる突条を有していてもよいし、図5(c)に示すように、互いに交差する複数の突条を有していてもよい。
【0029】
超音波接合では、まず、図6(a)に示すように、導体11a,11bをバスバー21の上面に載置する。次に、図6(b)に示すように、超音波ホーン30の当接面31を導体11a,11bに当接させるとともに、超音波ホーン30によって導体11a,11bに押圧力を付与した状態とし、導体11a,11bに超音波振動を付与し、接続部13を形成する。接続部13を形成する際には、超音波ホーン30の当接面31から突出する凸部32によって、導体11a,11bの幅方向にわたって接触して切り込みが入れられ、図6(c)に示すように、導体11a,11bにおける接続部13よりも端部側が切断される。
【0030】
以下、上述のフラットケーブル10の接続構造1を形成する方法について説明する。
【0031】
まず、導体露出工程として、フラットケーブル10の端部から間隔をおいた部分の絶縁材料12を幅方向にわたって除去し、図3に示すように、導体11a,11bを部分的に露出させる。
【0032】
次に、接続部形成工程として、フラットケーブル10の導体11a,11bが露出している部分を、超音波接合によってバスバー21に接続することによって接続部13を形成する。
【0033】
最後に、導体切断工程として、導体11a,11bにおける接続部13よりも端部側を切断する。
【0034】
このように、本実施形態のフラットケーブルの接続構造によれば、間隔をおいて配置された複数の導体11を絶縁材料で被覆したフラットケーブル10の導体11a,11bをバスバー21に接続するフラットケーブル10の接続構造1であって、導体11a,11bは、バスバー21に接続される部分である接続部13を有し、接続部13は、導体11a,11bの端部に配置されている。
【0035】
また、本実施形態のフラットケーブルの接続方法によれば、間隔を置いて配置された複数の導体11を絶縁材料で被覆したフラットケーブル10の導体11a,11bをバスバー21に接続するフラットケーブル10の接続方法であって、フラットケーブル10の端部から間隔をおいた部分の絶縁材料12を除去することによって導体11a,11bを露出させる導体露出工程と、導体露出工程において露出した導体11a,11bをバスバー21に接続することによって接続部13を形成する接続部形成工程と、フラットケーブル10における接続部13よりも端部側を切断する導体切断工程と、を含む。
【0036】
これにより、導体11a,11bの端部がバスバー21に接続されることになるため、導体11a,11bとバスバー21との間で伝送される通信信号の反射や減衰を抑制することが可能となり、通信性能の向上を図ることが可能となる。
【0037】
また、接続部13は、厚さ方向の大きさT1の平均値が、導体11a,11bの他の部分の厚さ方向の大きさT2に対して0.7倍以上0.85倍以下の範囲内である、ことが好ましい。
【0038】
また、接続部形成工程は、バスバー21に載置した導体11a,11bに押圧力を付与した状態で接続部13を形成し、接続部13の厚さ方向の大きさT1の平均値が、導体11a,11bの他の部分の厚さ方向の大きさT2に対して0.7倍以上0.85倍以下の範囲内となる、ことが好ましい。
【0039】
これにより、導体11a,11bを破断させることなく、導体11a,11bとバスバー21とを確実に接続することが可能となる。
【0040】
また、導体切断工程は、接続部形成工程において接続部13を形成する際に付与される押圧力によって、導体11a,11bを切断する、ことが好ましい。
【0041】
これにより、接続部13の形成および導体11a,11bの切断を同時に行うことが可能となるので、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0042】
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態を示すものであり、フラットケーブルのバスバーに対するその他の接続方法を説明する概略図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0043】
本実施形態のフラットケーブル10の接続構造1は、厚さ方向の大きさが導体11a,11bの端部に向かって徐々に小さくなる接続部13aを有している。
【0044】
接続部13aは、図7に示すように、導体11a,11bの延在する方向に向かって徐々に下方に張り出す傾斜面となる当接面31aを有する超音波ホーン30aによって形成される。本実施形態の超音波ホーン30aは、凸部32が形成されていない。
【0045】
本実施形態の超音波接合では、まず、図7(a)に示すように、導体11a,11bをバスバー21の上面に載置する。次に、図7(b)に示すように、超音波ホーン30aの当接面31aを導体11a,11bに当接させるとともに、超音波ホーン30aによって導体11a,11bに押圧力を付与した状態とし、導体11a,11bに超音波振動を付与し、接続部13を形成する。接続部13を形成する際には、超音波ホーン30の当接面31aの端部によって、導体11a,11bの幅方向にわたって接触して切り込みが入れられ、図7(c)に示すように、導体11a,11bにおける接続部13よりも端部側が切断される。
【0046】
このように、本実施形態のフラットケーブルの接続構造および接続方法によれば、前記実施形態と同様に、導体11a,11bの端部がバスバー21に接続されることになるため、導体11a,11bとバスバー21との間で伝送される通信信号の反射や減衰を抑制することが可能となり、通信性能の向上を図ることが可能となる。
【0047】
また、接続部13aは、厚さ方向の大きさが、前記導体の端部に向かって徐々に小さくなる、ことが好ましい。
【0048】
また、接続部形成工程は、バスバー21に載置した導体11a,11bに押圧力を付与した状態で接続部13を形成し、接続部13の厚さ方向の大きさが、導体11a,11bの端部に向かって徐々に小さくなる、ことが好ましい。
【0049】
これにより、導体11a,11bを破断させることなく、導体11a,11bとバスバー21とを確実に接合することが可能となる。
【0050】
尚、前記実施形態では、超音波ホーン30,30aによって導体11a,11bの接続部13,13aよりも端部側を切断するようにしたものを示したが、これに限られるものではなく、導体11a,11bに切り込みのみをいれて、別工程において、導体11a,11bの接続部13,13aよりも端部側を切り離すようにしてもよい。
【0051】
また、前記実施形態では、ステアリングロールコネクタの構成部品としてのフラットケーブルに本発明の接続構造を適用したものを示したが、通信回路の一部分を構成する導体を有するフラットケーブルであれば、ステアリングロールコネクタに限られるものではない。
【符号の説明】
【0052】
1 接続構造
10 フラットケーブル
11 導体
11a 通信用導体
11b グランド用導体
12 絶縁材料
13 接続部
21 バスバー
30,30a 超音波ホーン
31,31a 当接面
32 凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7