(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034932
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】形状測定装置及び形状測定方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20240306BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H01L21/78 P
G01B11/24 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139512
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】清水 翼
【テーマコード(参考)】
2F065
5F063
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA12
2F065AA22
2F065AA25
2F065AA52
2F065BB22
2F065CC19
2F065DD03
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2F065GG24
2F065HH04
2F065JJ01
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2F065QQ03
2F065QQ17
2F065QQ21
2F065QQ28
2F065QQ42
2F065QQ45
2F065UU05
5F063AA02
5F063AA48
5F063CB05
5F063DE12
5F063DE23
5F063DE33
(57)【要約】
【課題】 ウェーハに形成された溝の形状を低コストで正確に測定することが可能な形状測定装置及び形状測定方法を提供する。
【解決手段】 形状測定装置は、ウェーハ(W)の2次元像を、ウェーハ(W)に形成された溝(G)の進行方向に沿って1次元化した1次元データを取得する1次元データ取得部(102、18、22、22A、60)と、溝(G)の深さ方向の位置ごとに取得した1次元データに基づいて、溝(G)の断面形状を生成する断面形状生成部(106)とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの2次元像を、前記ウェーハに形成された溝の進行方向に沿って1次元化した1次元データを取得する1次元データ取得部と、
前記溝の深さ方向の位置ごとに取得した前記1次元データに基づいて、前記溝の断面形状を生成する断面形状生成部と、
を備える形状測定装置。
【請求項2】
前記1次元データ取得部は、前記ウェーハを撮影した2次元の画像を、前記溝の進行方向に沿って圧縮して前記1次元データを生成する、請求項1に記載の形状測定装置。
【請求項3】
前記1次元データ取得部は、前記ウェーハを撮影した2次元の画像から、前記溝の進行方向の位置ごとに前記溝の両縁部を検出し、前記溝の進行方向の位置ごとに検出した前記溝の前記両縁部の代表値を含む前記1次元データを生成する、請求項1又は2に記載の形状測定装置。
【請求項4】
前記1次元データ取得部は、前記ウェーハを撮影した2次元の画像の画素値を、前記溝の進行方向に沿って積算又は平均化して前記1次元データを生成する、請求項1又は2に記載の形状測定装置。
【請求項5】
前記1次元データ取得部は、前記溝の進行方向に沿う前記画素値の積算値又は平均値から、前記溝の両縁部を求める、請求項4に記載の形状測定装置。
【請求項6】
前記1次元データ取得部は、前記ウェーハの2次元像を、前記溝の進行方向に沿って光学的に圧縮する1次元化光学系を含み、前記光学的に圧縮した画像から前記1次元データを取得する、請求項1又は2に記載の形状測定装置。
【請求項7】
前記断面形状生成部は、前記1次元データから前記溝の両縁部を取得し、前記深さ方向の位置ごとの前記溝の両縁部に基づいて、前記溝の断面形状を生成する、請求項1又は2に記載の形状測定装置。
【請求項8】
ウェーハの2次元像を、前記ウェーハに形成された溝の進行方向に沿って1次元化した1次元データを取得するステップと、
前記溝の深さ方向の位置ごとに取得した前記1次元データに基づいて、前記溝の断面形状を生成するステップと、
を備える形状測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は形状測定装置及び形状測定方法に係り、ウェーハに形成された溝の形状を測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置又は電子部品のデバイスパターンが形成されたウェーハを個々のチップに分割するダイシング装置は、スピンドルによって高速に回転されるブレードと、ウェーハを吸着保持するテーブルと、テーブルとブレードとの相対的位置を変化させるXYZθ駆動部とを備えている。このダイシング装置では、各駆動部によりブレードとウェーハとを相対的に移動させながら、ブレードによってウェーハを切り込むことによりダイシング加工(切削加工)を行う。
【0003】
また、ウェーハには、シリコン等の基板の表面に低誘電率絶縁体被膜(Low-k膜)と回路を形成する機能膜とを積層した積層体により複数のデバイスを形成しているものもある。Low-k膜は機械的強度が低く剥離しやすい性質を有するため、レーザアブレーション加工により、分割予定ラインに沿って溝を形成し、この溝にブレードを入れてダイシングを行う方法もある。
【0004】
上記のようなダイシング加工を行う際には、切削ラインの品質及び溝の位置精度を確認するため、加工領域の測定(カーフチェック)が行われる。
【0005】
特許文献1には、ウェーハに形成された溝の3次元の画像情報を生成する技術が開示されている。特許文献1では、
図16に示すように、Z方向(上下方向)に微小な距離δずつ段階的にカメラを移動しながらウェーハWの2次元の画像(P
0,P
1,P
2,…)を撮像する。各画像の取得時のZ座標(Z
0,Z
1,Z
2,…)に従って、複数枚の画像(P
0,P
1,P
2,…)を立体的に組み立てることにより、ウェーハWに形成された溝Gの3次元の画像情報を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、2次元の画像を立体的に組み立てて3次元の画像情報を生成する場合には必要なデータ量が膨大となるため、データの蓄積のために大容量のストレージが必要となる。また、膨大な量の2次元の画像のデータの処理を行うためには、処理能力に優れた処理系が必要となる。したがって、データの蓄積と処理のためのコストが増大してしまう。
【0008】
また、溝Gの3次元の画像情報を得るためには、撮像時に溝の壁面(斜面)にカメラを合焦させる。しかしながら、溝Gの斜面が急峻な場合には、データの欠損が多く、溝Gの3次元の正確な形状を生成することが困難であった。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ウェーハに形成された溝の形状を低コストで正確に測定することが可能な形状測定装置及び形状測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る形状測定装置は、ウェーハの2次元像を、ウェーハに形成された溝の進行方向に沿って1次元化した1次元データを取得する1次元データ取得部と、溝の深さ方向の位置ごとに取得した1次元データに基づいて、溝の断面形状を生成する断面形状生成部とを備える。
【0011】
本発明の第2の態様に係る形状測定装置は、第1の態様において、1次元データ取得部は、ウェーハを撮影した2次元の画像を、溝の進行方向に沿って圧縮して1次元データを生成する。
【0012】
本発明の第3の態様に係る形状測定装置は、第1又は第2の態様において、1次元データ取得部は、ウェーハを撮影した2次元の画像から、溝の進行方向の位置ごとに溝の両縁部を検出し、溝の進行方向の位置ごとに検出した溝の両縁部の代表値を含む1次元データを生成する。
【0013】
本発明の第4の態様に係る形状測定装置は、第1又は第2の態様において、1次元データ取得部は、ウェーハを撮影した2次元の画像の画素値を、溝の進行方向に沿って積算又は平均化して1次元データを生成する。
【0014】
本発明の第5の態様に係る形状測定装置は、第4の態様において、1次元データ取得部は、溝の進行方向に沿う画素値の積算値又は平均値から、溝の両縁部を求める。
【0015】
本発明の第6の態様に係る形状測定装置は、第1又は第2の態様において、1次元データ取得部は、ウェーハの2次元像を、溝の進行方向に沿って光学的に圧縮する1次元化光学系を含み、光学的に圧縮した画像から1次元データを取得する。
【0016】
本発明の第7の態様に係る形状測定装置は、第1から第6の態様のいずれかにおいて、断面形状生成部は、1次元データから溝の両縁部を取得し、深さ方向の位置ごとの溝の両縁部に基づいて、溝の断面形状を生成する。
【0017】
本発明の第8の態様に係る形状測定方法は、ウェーハの2次元像を、ウェーハに形成された溝の進行方向に沿って1次元化した1次元データを取得するステップと、溝の深さ方向の位置ごとに取得した1次元データに基づいて、溝の断面形状を生成するステップとを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ウェーハの像を1次元化した1次元データを用いることにより、ウェーハに形成された溝の断面形状を生成する際のデータの蓄積と処理のためのコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る形状測定装置を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、干渉レンズを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、カメラの画素の配列方向と溝の進行方向のアライメントの前の状態を示す平面図である。
【
図4】
図4は、カメラの画素の配列方向と溝の進行方向のアライメントの後の状態を示す平面図である。
【
図5】
図5は、カメラの画素の配列方向と溝の進行方向のアライメント方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、画像の1次元化方法を説明するための図である。
【
図8】
図8は、変形例1に係る画像の1次元化方法を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る形状測定方法を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、画像の1次元化工程を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、変形例2に係る画像の1次元化工程を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、変形例3に係る形状測定装置を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、変形例3に係る1次元化光学系を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、変形例3に係る1次元化光学系を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、変形例3に係る形状測定方法を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、溝の3次元形状を生成する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に従って実施形態に係る形状測定装置及び形状測定方法について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る形状測定装置を示すブロック図である。以下の説明では、XYZ3次元直交座標系を用いる。
【0022】
本実施形態に係る形状測定装置10は、テーブルTに吸着保持されたウェーハWの画像を撮影し、ウェーハWに形成された溝Gの形状を測定する装置である。形状測定装置10は、例えば、白色干渉顕微鏡(例えば、株式会社東京精密製の「Opt-scope」(登録商標))である。
【0023】
テーブルTは、XY平面に平行な保持面を有する。テーブルTは、真空源(真空発生器。例えば、エジェクタ、ポンプ等)により、この保持面にウェーハWを吸着保持する。ウェーハWは、表面に粘着剤の粘着層が形成されたダイシングテープを介してフレーム(図示せず)に貼着され、テーブルTに吸着保持される。なお、ダイシングテープが貼着されたフレームは、テーブルTに配設されたフレーム保持手段に保持される。なお、フレームを用いない搬送形態であってもよい。
【0024】
テーブルTは、θテーブルに取り付けられており、θテーブルは、モータ等を含む回転駆動部50により、Z方向に沿う回転軸の周り(以下、θ方向という。)に回転可能となっている。さらに、θテーブルは、Xテーブルに載置されている。Xテーブルは、例えば、モータ及びボールねじ等を含むX駆動部52によりX方向に移動可能となっている。
【0025】
形状測定装置10は、Zテーブルに取り付けられている。Zテーブルは、モータ及びボールねじ等を含むZ駆動部56によりZ方向に移動可能である。さらに、Zテーブルは、Yテーブルに取り付けられている。Yテーブルは、モータ及びボールねじ等を含むY駆動部54によりY方向に移動可能である。
【0026】
なお、本実施形態は、X駆動部52、Y駆動部54及びZ駆動部56としてモータ及びボールねじ等を含む構成を採用したが、これに限定されない。X駆動部52、Y駆動部54及びZ駆動部56としては、例えば、ラックアンドピニオン機構等の往復直線運動のための機構を用いることが可能である。
【0027】
また、本実施形態は、形状測定装置10をYZ方向に移動させ、テーブルTをXθ方向に移動させるようにしたが、これに限定されない。例えば、テーブルTをYZ方向に移動可能としてもよく、形状測定装置10とテーブルTとをXYZθ方向に相対的に移動可能な構成であればよい。
【0028】
また、形状測定装置10がダイシング装置(ブレードダイサ又はレーザダイサ)に設けられる場合には、回転駆動部50、X駆動部52、Y駆動部54及びZ駆動部56は、ダイシング装置の駆動部と兼用であってもよい。
【0029】
図1に示すように、形状測定装置10は、光源部12、顕微鏡14、干渉レンズ16及びカメラ18を含んでいる。
【0030】
光源部12は、制御部102の制御の下、平行光束の白色光(可干渉性の少ない低コヒーレンス光)を出射する。この光源部12は、例えば、発光ダイオード、半導体レーザ、ハロゲンランプ、及び高輝度放電ランプなどの白色光を出射可能な光源と、この光源から出射された白色光を平行光束に変換するコレクタレンズとを含んでいる。なお、白色光は20nm程度の波長の帯域幅があれば白色干渉顕微鏡の光源として使用できるので、例えば赤、緑、及び青色などの発光ダイオードを光源部12に採用できる。
【0031】
光源部12から出射された白色光は、顕微鏡14の鏡筒内に配置されたハーフミラー20により干渉レンズ16側に反射される。
【0032】
図2は、干渉レンズを示すブロック図である。
図2に示すように、干渉レンズ16は、ビームスプリッタ30、参照面32及び対物レンズ34を含んでいる。
【0033】
なお、
図2では、ミラウ型の干渉光学系の例を示したが、例えば、マイケルソン型又はリニック型等のほかの干渉光学系を干渉レンズ16として採用することも可能である。
【0034】
図2に示すように、ウェーハW側から-Z側(上側)にビームスプリッタ30及び対物レンズ34が順に配置されており、ビームスプリッタ30に対して対向する位置であって、ビームスプリッタ30と対物レンズ34との間の位置に参照面32が配置されている。
【0035】
対物レンズ34は、集光作用を有しており、光源部12から入射した白色光L1を、ビームスプリッタ30を通してウェーハWに集光させる。
【0036】
ビームスプリッタ30は、対物レンズ34から入射する白色光L1の一部を参照光L2bとして分割し、残りの測定光L2aを透過してウェーハWに出射し且つ参照光L2bを参照面32に向けて反射する。ビームスプリッタ30を透過した測定光L1aは、ウェーハWに照射された後、ウェーハWにより反射されてビームスプリッタ30に戻る。
【0037】
参照面32は、例えば、反射ミラーが用いられ、ビームスプリッタ30から入射した参照光L2bをビームスプリッタ30に向けて反射する。この参照面32は、位置調整機構(例えば、ボールねじ機構、アクチュエータ等)によってZ方向の位置を手動で調整可能である。これにより、ビームスプリッタ30と参照面32との間の参照光L2bの光路長(参照光路長)を調整することができる。この参照光路長は、ビームスプリッタ30とウェーハWとの間の測定光L1の光路長(測定光路長)と一致(略一致を含む)するように調整される。
【0038】
ウェーハWから戻る測定光L2aと参照面32から戻る参照光L2bとはビームスプリッタ30で合波されて、合波光L3として対物レンズ34に到達する。
【0039】
合波光L3は、対物レンズ34を透過した後、顕微鏡14によりカメラ18の撮影面22に結像される。具体的には、合波光L3は、対物レンズ34の焦点面上における点を、カメラ18の撮影面上の像点として結像する。
【0040】
カメラ18は、CCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮影素子を備える。カメラ18は、撮影面22に結像された合波光L3を撮影し、この撮影により得られた合波光L3の撮影信号を信号処理して撮影画像を出力する。
【0041】
本実施形態では、形状測定装置10をZ方向に操作しながら、Z方向の位置ZiごとにウェーハWの撮影を行う。これにより、ウェーハWに形成された溝GのZ方向の位置Ziごとの画像Piが得られる。
【0042】
図1に示すように、形状測定装置10の制御装置100は、制御部102及びストレージデバイス108を含んでいる。なお、制御装置100は、専用の装置であってもよいし、例えば、パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0043】
制御部102は、形状測定装置10の各部を制御する。制御部102は、プロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等)、メモリ(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等)を含んでいる。
【0044】
制御部102は、溝方向検出部104及び断面形状生成部106として機能する。溝方向検出部104は、ウェーハWに形成された溝の形成方向(以下、進行方向という。)を検出する。断面形状生成部106は、カメラ18により撮影した溝GのZ方向の位置ごとの画像から得られた1次元データに基づいて溝Gの断面形状を生成する。なお、溝方向検出部104及び断面形状生成部106は、制御部102とは別の論理回路(例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等)により構成されていてもよい。
【0045】
ストレージデバイス108は、カメラ18により撮影した画像及び測定結果等を格納する。ストレージデバイス108は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等を含んでいる。
【0046】
制御装置100には、入出力部110が接続されている。入出力部110は、例えば、操作部及び表示部を含んでいる。操作部は、ユーザからの操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード又はポインティングデバイス等を含んでいる。表示部は、形状測定装置10による測定結果、形状測定装置10の操作のためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイを含んでいる。
【0047】
本実施形態では、カメラ18により撮影したウェーハWの2次元の画像Piを溝Gの進行方向に沿って1次元化して1次元データを取得する。そして、Z方向の位置Ziごとの1次元データを用いて溝Gの断面形状を生成する。
【0048】
本実施形態では、2次元の画像Piの1次元化の前に、カメラ18の画素の配列方向と溝Gの進行方向とのアライメントを行う。
【0049】
図3及び
図4は、それぞれ、カメラ18の画素の配列方向A
Pと溝Gの進行方向A
Gのアライメントの前後の状態を示す平面図である。なお、
図3及び
図4は、ウェーハWの表面(i=0)の画像P
0である。
【0050】
図3及び
図4では、説明の便宜上、カメラ18の画素の配列方向A
PはX方向と平行とする。ここで、カメラ18の撮影面22において画素が互いに直交する2方向に沿って格子状に配置されている場合には、画素の配列方向A
Pは画素が配列されている2方向のいずれかとすることができる。
【0051】
なお、実際には、形状測定装置10により撮影した画像では、溝G
0の壁面のうち、形状測定装置10が合焦するZ方向位置(深さ位置)、すなわち、表面(深さZ
0)における溝G
0の両縁部で輝度が極大となり、合焦する深さ位置からずれるに伴い暗くなる。これに対して、
図3及び
図4では、説明の便宜上、溝G
0の壁面の合焦位置よりも深い領域を帯状の領域として図示している。
【0052】
図3では、カメラ18の画素の配列方向A
P(X方向)に対して溝G(G
0)の進行方向A
Gが傾いている。この場合、溝Gの検出結果をX方向に投影すると、溝Gの幅W
Fが実際よりも狭くなってしまう。
【0053】
そこで、制御部102は、溝方向検出部104により溝Gの進行方向A
Gを検出し、カメラ18の画素の配列方向A
Pに対する溝Gの進行方向A
Gの傾き角θを算出する。そして、制御部102は、回転駆動部50によりテーブルTを傾き角θだけ回転させて、画素の配列方向A
Pと溝Gの進行方向A
Gとを平行にする。これにより、
図4に示すように、溝Gの幅W
Tを正確に検出することが可能になる。
【0054】
具体的には、溝方向検出部104は、画像P0から溝Gの進行方向AGを下記の手順で検出する。すなわち、画像P0における位置Xjごとに、輝度が極大となる溝Gの両縁部の位置Y1j及びY2jを検出し、点Y1j及びY2jの中点Yjを求める。そして、位置Xjごとに求めたYjから近似直線を求め、この近似直線の向きを溝Gの進行方向AGとする。
【0055】
なお、溝Gの進行方向AGの求め方は、上記に限定されず、例えば、ウェーハWのストリートの向きを検出してもよいし、溝Gの進行方向AGを示すアライメントマークを検出することにより求めてもよい。
【0056】
また、上記の例では、カメラ18の撮影面22における画素の配列が格子状配列の場合に、画素の配列方向APと溝Gの進行方向AGとを平行にする例(A)について説明したが、本発明はこれに限定されない、例えば、画素が配列されている2方向に直交する方向、すなわち、対角方向と、溝Gの進行方向AGとが平行になるようにしてもよい(B)。また、格子状配列以外の画素配列の場合には、例えば、単位長さ当たりの画素の個数が、所定値以上となる方向(例えば、最大となる方向)と、溝Gの進行方向AGとが平行になるようにしてもよい(C)。すなわち、上記に列挙した例(A)~(C)のように、カメラ18の撮影面22における画素の配列方向APと溝Gの進行方向AGとを整合させることで、溝Gの進行方向AGに沿う画素の数(密度)を確保することができればよい。
【0057】
図5は、カメラ18の画素の配列方向A
Pと溝Gの進行方向A
Gのアライメント方法を示すフローチャートである。
【0058】
まず、溝方向検出部104により、ウェーハWの画像P0から溝Gの進行方向AGを検出する(ステップS10)。そして、制御部102は、カメラ18の画素の配列方向APに対する溝Gの進行方向AGの傾き角θを検出する(ステップS12)。
【0059】
次に、制御部102は、回転駆動部50によりテーブルTを傾き角θだけ回転させる(ステップS14)。これにより、画素の配列方向APと溝Gの進行方向AGとが平行になる。
【0060】
なお、
図3から
図5に示す例では、カメラ18に対してテーブルTを回転させたが、カメラ18の撮影面22を回転させてもよいし、両方を回転可能としてもよい。すなわち、カメラ18の撮影面22とテーブルT(ウェーハW)とを相対的に回転させることができればよい。
【0061】
また、本実施形態では、カメラ18とテーブルTの相対回転によりアライメントを行ったが、相対回転によるアライメント工程を省略することができる。例えば、溝方向検出部104により検出した溝Gの進行方向AGを1次元化の方向に設定して、ソフトウェア上でアライメントを行う場合には、相対回転によるアライメント工程を省略することができる。
【0062】
図6は、Z方向の位置Z
iにおいて撮影した画像P
iの1次元化方法を説明するための図である。
図6では、溝G
iの進行方向がX方向と平行であり、溝G
iの深さ方向がZ方向である。また、i=0をウェーハWの表面とし、i=1,2,…の順に深くなる(+Z側になる)とする。
【0063】
なお、
図6では、
図3及び
図4と同様に、説明の便宜上、溝G
iの壁面の合焦位置よりも深い領域を帯状の領域として図示している。
【0064】
本実施形態では、制御部102は、Z方向の位置Z
iごとの溝Gの画像P
iをカメラ18から取得する。そして、
図6に示すように、制御部102は、画像P
iのX方向の位置X
jごとに輝度が最大の位置のY座標Y(+)
i,j及びY(-)
i,jを求める(j=0,1,…,m)。
【0065】
次に、制御部102は、下記の式(1)及び(2)により、Y(+)i,j及びY(-)i,jの平均値(相加平均)Y(+)i及びY(-)iを算出する。そして、この平均値Y(+)i及びY(-)iを、深さZiにおける溝Giの両縁部の位置として、Z方向の位置Ziごとの平均値Y(+)i及びY(-)iを含む1次元データが生成される。ここで、制御部102は、1次元データ取得部として機能する。
【0066】
【0067】
なお、本実施形態は、深さZiにおける溝Giの両縁部の位置を相加平均により求めたが、これに限定されない。例えば、相乗平均又は調和平均等のほかの平均値算出方法を用いてもよいし、平均値以外の代表値、例えば、中央値(メディアン)等を用いてもよい。
【0068】
また、例えば、
図6の溝G
iの両壁面の近傍の領域G(+)
i及びG(-)
iから離れた位置に輝度が高い画素(ノイズ)が存在する場合も考えられる。このため、代表値Y(+)
i及びY(-)
iを求める際に、このようなノイズの影響を除去してもよい。具体的には、領域G(+)
i及びG(-)
iからそれぞれ求めたY座標Y(+)
i,j及びY(-)
i,jの代表値(例えば、中央値)から所定値以上離れている画素、又は画像P
iのY方向サイズに対して所定割合以上外れている画素については、代表値の算出から予め除去してもよい。なお、ノイズ除去方法は上記に限定されない。
【0069】
図7は、溝Gの断面形状を示す図である。
図7に示すように、断面形状生成部106は、Z方向位置Z
iごとに算出した溝G
iの壁面のY方向位置Y(+)
i及びY(-)
iを用いて、溝Gの断面形状GRを生成する。溝Gの断面形状GRは、Z方向位置Z
iに対応するY方向位置Y(+)
i及びY(-)
iを用いて、最小二乗近似又は多項式近似等の近似により求めることができる。
【0070】
なお、溝Gの断面形状GRを近似により生成する際には、断面形状GRの曲線が、各点Y(+)i及びY(-)iを通ること、又は各点Y(+)i及びY(-)iから所定値以上離れないことを拘束条件としてもよい。
【0071】
上記のように、本実施形態では、
図6に示すように、Z方向の位置Z
iごとの代表値Y(+)
i及びY(-)
iを含む1次元データから溝Gの断面形状G
Rを生成することができる。これにより、溝Gの断面形状G
Rの生成に用いるデータを小さくすることができるので、データの蓄積のためのストレージ容量を少なくすることができ、処理能力の高い処理系を要しない。
【0072】
また、本実施形態によれば、溝Giの進行方向に沿って画像Piを1次元化するので、溝Giの壁面が急峻な場合であっても、溝Giの進行方向のどこかで合焦する可能性が高くなるので、データの欠損が少なくなり、溝Gの3次元の正確な形状を生成することができる。
【0073】
ここで、2次元の画像Piを1次元化する方法は、溝Giの進行方向(X方向)に沿う代表値を求める方法(例えば、平均化)に限定されない。すなわち、2次元の画像Piを溝Giの進行方向(X方向)に沿って圧縮することができる方法であれば、どのような方法であってもよい。例えば、変形例1に示すように、2次元の画像Piの画素値(輝度値)をX方向に積算してもよい。
【0074】
図8は、変形例1に係る画像P
iの1次元化方法を説明するための図である。
図8では、
図6と同様に、溝G
iの壁面の合焦位置よりも深い領域を帯状の黒色領域として図示している。
【0075】
変形例1では、2次元の画像Piの画素値(輝度値)をX方向に積算する。2次元の画像Piにおいて、位置(Xj,Yk)における画素値(輝度値)をBj,kとすると、画素値のBj,kのX方向に沿う積算値Bkは、下記の式(3)により表される。
【0076】
Bk=B0,k+B1,k+…+Bj,k+…+Bm,k (3)
【0077】
Y方向の位置Y
kごとに積算値B
kを算出してプロットすることにより、
図8に示す輝度値の積算値のグラフが得られる。
【0078】
変形例1では、制御部102は、溝Giの両壁面の近傍の領域G(+)i及びG(-)iにおいて、この積算値Bkが極大となるY方向位置Yk(Y(+)i及びY(-)i)を、深さZiにおける溝Giの両縁部の位置として求める。
【0079】
変形例1では、Y方向の位置Y
kごとに積算値B
kを1次元データとしてもよいし、
図6に示す例と同様に、深さZ
iにおいて積算値B
kが極大となるY方向位置Y(+)
i及びY(-)
iを1次元データとしてもよい。
【0080】
変形例1においても、
図7に示した例と同様に、深さZ
iにおいて、積算値B
kから溝G
iの両縁部Y(+)
i及びY(-)
iを求めることにより溝Gの断面形状G
Rを生成することができる。
【0081】
なお、変形例1では、画像Piの全領域について積算値Bkを求める必要はなく、深さZiにおける溝Giの両縁部の位置を求めるのに必要最小限の領域のみについて積算値Bkを求めるようにしてもよい。例えば、溝Giの両壁面の近傍の領域G(+)i及びG(-)iのみについて積算値Bkを求めるようにしてもよい。
【0082】
また、変形例1では、画素値の積算値を求めたが、X方向に沿う画素値の平均値(例えば、相加平均)を求めて、この平均値が極大となる位置を求めてもよい。
【0083】
図9は、本発明の一実施形態に係る形状測定方法を示すフローチャートであり、
図10は、画像P
iの1次元化工程(
図9のステップS100)を示すフローチャートである。
【0084】
まず、断面形状生成部106は、Z方向の位置Ziごとに撮影された2次元の画像Piから、深さZiにおける溝Giの両縁部のY方向の位置Y(+)i及びY(-)iを含む1次元データを取得する(ステップS100)。
【0085】
ステップS100では、
図10に示すように、まず、カメラ18をZ方向に走査して、Z方向の位置Z
i(i=0,1,…)ごとに、ウェーハWの溝Gを含む範囲の画像P
iを撮影する(ステップS110)。そして、断面形状生成部106は、カメラ18から読み出した2次元の画像P
iを1次元化する(ステップS112)。
【0086】
ステップS112では、断面形状生成部106は、例えば、
図6に示すように、X方向の位置X
jごとに輝度が最大の位置のY座標Y(+)
i,j及びY(-)
i,jを求めて、Y(+)
i,j及びY(-)
i,jの代表値(例えば、相加平均)を算出する。または、
図8に示すように、断面形状生成部106は、画像P
iの画素値(輝度値)をX方向に積算し、この積算値が極大となるY方向位置Y(+)
i及びY(-)
iを、深さZ
iにおける溝G
iの両縁部の位置として求める。これにより、深さZ
iにおける溝G
iの両縁部のY方向の位置Y(+)
i及びY(-)
iを含む1次元データが生成される。
【0087】
次に、断面形状生成部106は、Z方向位置Ziごとに算出した溝Giの両縁部のY方向位置Y(+)i及びY(-)iを用いて、最小二乗近似又は多項式近似等の近似により、溝Gの断面形状GRを生成する(ステップS200)。
【0088】
なお、本実施形態は、制御装置100の断面形状生成部106において、カメラ18から取得した2次元の画像Piを1元化するものであるが、これに限定されない。例えば、カメラ18において画像Piの1元化を行ってもよい。
【0089】
カメラ18において画像P
iの1元化を行う場合、例えば、変形例2に示すように、断面形状生成部106をカメラ18に設けて、撮影の都度1次元化を行ってもよい。また、変形例1のように画素値のX方向に沿う積算値を求める場合には、撮像素子で画素値を転送する際に積算を行ってもよい。なお、変形例2では、形状測定方法の全体の流れは
図9と同様であるため、1次元化工程(
図9のステップS100)のみについて説明する。
【0090】
図11は、変形例2に係る画像の1次元化工程(
図9のステップS100)を示すフローチャートである。
【0091】
図11に示すように、まず、カメラ18をZ方向に走査して、Z方向の位置Z
i(i=0)において画像P
i(i=0)を撮影する(ステップS120~S122)。そして、カメラ18において、画像P
i(i=0)を1次元化する(ステップS124)。ステップS124における1次元化の方法は、ステップS112と同様である。
【0092】
次に、Z方向に走査して、Z方向の位置Zi(i=1)において画像Pi(i=1)を撮影し(ステップS126のNo、S128及びS122)、カメラ18において、画像Pi(i=1)を1次元化する(ステップS124)。
【0093】
ステップS122~S128を繰り返して、Z方向の走査が終了すると(ステップS126のYes)、1次元化工程(ステップS100)を終了する。
【0094】
なお、本実施形態は、カメラ18が2次元アレイ状の撮影面22を備えることを前提としたものであるが、これに限定されない。例えば、撮像素子が1次元に配置されたラインセンサをX方向に走査することにより、
図6又は
図8と同様の溝Gの画像を得るようにしてもよい。
【0095】
また、上記の実施形態は、溝Gの2次元の画像Piを撮影した後に2次元の画像Piの1次元化を行うものであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、変形例3に示すように、溝Gを撮影するときに撮影面22に到達する前の溝Gの像(2次元像)を溝Gの進行方向に沿って光学的に圧縮することにより、1次元のデータを取得するようにしてもよい。なお、上記の実施形態及び変形例1~2における溝Gの2次元の画像Piと、変形例3における撮影面22に到達する前で、かつ光学的に圧縮する前の溝Gの像は、本発明に係る2次元像の一例である。
【0096】
図12は、変形例3に係る形状測定装置を示すブロック図である。以下の説明において、上記の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
図12に示すように、変形例3に係る形状測定装置10Aは、顕微鏡14Aの鏡筒内に1次元化光学系60が設けられている。1次元化光学系60は、例えば、略半円筒形状を有するシリンドリカルレンズである。
【0098】
図13は、変形例3に係る1次元化光学系を示す斜視図である。
【0099】
図13に示すように、シリンドリカルレンズ60は、円筒の中心軸CがY方向に対して平行になるように配置されている。また、シリンドリカルレンズ60は、+Z側に凸になるように配置されている。
【0100】
シリンドリカルレンズ60は、カメラ18の撮影面22において、ウェーハW側からの反射光L3がY方向に伸びる直線状になるように、反射光L3を成形する。これにより、カメラ18により、Z方向の位置Ziごとに、溝Gに対して垂直な直線状(1次元)の画像P1iが得られる。
【0101】
断面形状生成部106は、1次元の画像P1iから、輝度値が極大になる位置(画素)2箇所を、Y(+)i及びY(-)iを、深さZiにおける溝Giの両縁部の位置として求める。
【0102】
これにより、
図7に示した例と同様に、深さZ
iにおける溝G
iの両縁部の位置Y(+)
i及びY(-)
iから溝Gの断面形状G
Rを生成することができる。
【0103】
変形例3では、制御部102、カメラ18、撮影面22及び1次元化光学系60が1次元データ取得部として機能する。
【0104】
なお、変形例3では、1次元の画像P1iを1次元データとして扱ってもよいし、上記の実施形態と同様に、深さZiにおける溝Giの両縁部のY方向の位置Y(+)i及びY(-)iを含むデータを1次元データとして扱ってもよい。
【0105】
また、変形例3では、1次元化光学系60の例として、シリンドリカルレンズを用いたが、1次元化光学系60はこれに限定されない。例えば、レンズ、プリズム又は円筒面状のミラー、もしくはこれらの組み合わせにより、1次元の画像P1iを形成可能としてもよい。
【0106】
また、
図13では、撮影面22は平面形状(アレイ状)であるが、
図14に示すように、画素がY方向に沿って1次元に配置された撮影面22A(例えば、ラインセンサ)を用いることも可能である。
【0107】
図15は、変形例3に係る形状測定方法を示すフローチャートである。
図15に示すように、変形例3では、1次元化光学系60を用いて、Z方向の位置Z
iごとに、1次元の画像P1
iを取得する(ステップS100A)。そして、断面形状生成部106は、1次元の画像P1
iから、輝度値が極大になる位置(画素)2箇所を、Y(+)
i及びY(-)
iを、深さZ
iにおける溝G
iの両縁部の位置として求め、深さZ
iにおける溝G
iの両縁部の位置Y(+)
i及びY(-)
iから溝Gの断面形状G
Rを生成する。
【0108】
上記のように、変形例3によれば、1次元化光学系60を用いることにより、1次元化のための信号処理を省略することができる。
【符号の説明】
【0109】
10、10A…形状測定装置、12…光源部、14、14A…顕微鏡、16…干渉レンズ、18…カメラ、20…ハーフミラー、22、22A…撮影面、30…ビームスプリッタ、32…参照面、34…対物レンズ、50…回転駆動部、52…X駆動部、54…Y駆動部、56…Z駆動部、60…1次元化光学系(シリンドリカルレンズ)、100…制御装置、102…制御部、104…溝方向検出部、106…断面形状生成部、108…ストレージデバイス、110…入出力部