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特開2024-35160感光性樹脂組成物、並びにこれを用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035160
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】感光性樹脂組成物、並びにこれを用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルター
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20240306BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20240306BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20240306BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20240306BHJP
   C09B 67/22 20060101ALI20240306BHJP
   C09D 17/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G03F7/004 505
G02B5/20 101
G02B5/22
C09B67/20 F
C09B67/22 F
C09D17/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138665
(22)【出願日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0109343
(32)【優先日】2022-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム,イジュ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ベク ソング
(72)【発明者】
【氏名】キム,グァンソプ
(72)【発明者】
【氏名】キム,サビナ
(72)【発明者】
【氏名】キム,イクジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ミョンホ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジョンホ
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
4J037
【Fターム(参考)】
2H148BE09
2H148BE13
2H148BE16
2H148BE18
2H148BF16
2H148BF25
2H148BG11
2H148BH02
2H148CA04
2H148CA14
2H148CA17
2H225AC36
2H225AC45
2H225AD06
2H225AN39P
2H225AN94P
2H225AN98P
2H225BA16P
2H225BA32P
2H225CA17
2H225CB06
2H225CC01
2H225CC13
4J037CB23
4J037CB26
4J037CC16
4J037CC23
4J037DD05
4J037DD19
4J037DD23
4J037DD24
4J037FF08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光学的な乱れを解消する感光性樹脂組成物を提供する。また、これを用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルターを提供する。
【解決手段】(A)着色剤、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)バインダー樹脂、及び(E)溶媒を含む感光性樹脂組成物。着色剤は第1顔料及び第2顔料を含み、第1顔料及び第2顔料のD50粒径比は1.5:1乃至1.01:1である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)着色剤、
(B)光重合性化合物、
(C)光重合開始剤、
(D)バインダー樹脂、及び
(E)溶媒を含み、
前記着色剤は、第1顔料及び第2顔料を含み、
前記第1顔料及び前記第2顔料のD50粒径比は1.01:1乃至1.5:1である、感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記第1顔料及び前記第2顔料のD50粒径比は1.1:1乃至1.3:1である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記第1顔料は青色顔料であり、前記第2顔料は紫色顔料である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記第1顔料は、下記化学式1に示される銅フタロシアニン系青色顔料であり、
[化学式1]
【化1】

前記化学式1において、
乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換または非置換されたC1乃至C20アルキル基であり、
a乃至dはそれぞれ独立して、1乃至4の整数である、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記第1顔料は、下記化学式1-1に示される銅フタロシアニン系青色顔料である、請求項3に記載の感光性樹脂組成物
[化学式1-1]
【化2】
【請求項6】
前記第2顔料は、下記化学式2に示されるカルバゾールジオキサジン系紫色顔料、下記化学式3に示されるペリレン系紫色顔料、またはこれらの混合物であり、
[化学式2]
【化3】

前記化学式2において、
及びRはそれぞれ独立して、水素原子、または置換または非置換されたC1乃至C20アルキル基であり、
及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換または非置換されたC1乃至C20アルキル基であり、
及びXはそれぞれ独立して、ハロゲン原子であり、
e及びfはそれぞれ独立して、1乃至6の整数であり、
[化学式3]
【化4】

前記化学式3において、
及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、または置換または非置換されたC1乃至C20アルキル基であり、
11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換または非置換されたC1乃至C20アルキル基であり、
g及びhはそれぞれ独立して、1乃至4の整数である、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記第2顔料は、下記化学式2-1に示されるカルバゾールジオキサジン系紫色顔料、下記化学式3-1に示されるペリレン系紫色顔料、またはこれらの混合物である請求項6に記載の感光性樹脂組成物
[化学式2-1]
【化5】

[化学式3-1]
【化6】
【請求項8】
前記第1顔料及び前記第2顔料の重量比は、10:90乃至90:10である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記第1顔料及び前記第2顔料を含む全体顔料は、前記感光性樹脂組成物総量中、30重量%乃至40重量%で含まれる、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記バインダー樹脂は、アクリル系バインダー樹脂、エポキシ系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
前記感光性樹脂組成物は、前記感光性樹脂組成物総量に対して、
前記(A)着色剤を30重量%乃至70重量%、
前記(B)光重合性化合物を1重量%乃至20重量%、
前記(C)光重合開始剤を0.1重量%乃至5重量%、
前記(D)バインダー樹脂を1重量%乃至20重量%、及び
前記(E)溶媒
を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項12】
前記感光性樹脂組成物は、マロン酸、3-アミノ-1、2-プロパンジオ-ル、ビニル基または(メタ)アクリルオキシ基を含むカップリング剤、レベリング剤、フッ素系界面活性剤、及びラジカル重合開始剤から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜。
【請求項14】
請求項13の感光性樹脂膜を含むカラーフィルター。
【請求項15】
請求項14のカラーフィルターを含むCMOSイメージセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、並びにこれを用いて製造された感光性樹脂膜及びカラーフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話等の普及から、イメージセンサー等の固体撮像素子の需要が大きく伸張しており、高感度化・小型化の要求が高まっている。これらのディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルターが使用されている。
【0003】
このようなカラーフィルターは、通常、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3原色の着色パターンを備えており、透過光を3原色に分解する役割を担っている。カラーフィルターに使用されている着色剤には、光学濃度の斑のような光学的な乱れのないこと、色再現性上、望ましい光吸収特性を有すること、製造及び使用される環境条件下における耐熱性、耐光性等が良好なこと、モル吸光係数が大きくて薄膜化が可能なこと等が共通的に要求される。
【0004】
カラーフィルターを作製する方法の一つとして、顔料分散法が挙げられる。顔料を用いてフォトリソグラフィ法やインクジェット法により作製されたカラーフィルターは、顔料を用いているため、光や熱に対して安定である。しかしながら、顔料は微粒子であるので、これを用いて製造されたカラーフィルターには光学的な乱れが度々生ずる。それらを解決するために顔料微細化が進められているが、微細な顔料は分散安定性が低いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施形態は、感光性樹脂組成物による光学的な乱れを解消することを課題とする。他の一実施形態は、感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜を提供することを課題とする。また、他の一実施形態は、感光性樹脂膜を用いて製造されたカラーフィルターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態においては、(A)着色剤、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)バインダー樹脂、及び(E)溶媒を含む感光性樹脂組成物が提供され、着色剤は、第1顔料及び第2顔料を含み、第1顔料及び第2顔料のD50粒径比は1.01:1乃至1.5:1である。
【0007】
第1顔料及び第2顔料のD50粒径比は、1.1:1乃至1.3:1でもよい。第1顔料は青色顔料であり、第2顔料は紫色顔料でもよい。
【0008】
第1顔料は、下記化学式1に示される銅フタロシアニン系青色顔料でもよい。
[化学式1]
【化1】
【0009】
化学式1において、R乃至Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、a乃至dはそれぞれ独立して、1乃至4の整数である。
【0010】
第1顔料は、下記化学式1-1に示される銅フタロシアニン系青色顔料でもよい。
[化学式1-1]
【化2】
【0011】
第2顔料は、下記化学式2に示されるカルバゾールジオキサジン系紫色顔料、下記化学式3に示されるペリレン系紫色顔料、またはこれらの混合物でもよい。
[化学式2]
【化3】
【0012】
化学式2において、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、X及びXはそれぞれ独立して、ハロゲン原子であり、e及びfはそれぞれ独立して、1乃至6の整数である。
[化学式3]
【化4】
【0013】
化学式3において、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、R11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、g及びhはそれぞれ独立して、1乃至4の整数である。
【0014】
第2顔料は、下記化学式2-1に示されるカルバゾールジオキサジン系紫色顔料、下記化学式3-1に示されるペリレン系紫色顔料、またはこれらの混合物でもよい。
[化学式2-1]
【化5】

[化学式3-1]
【化6】
【0015】
第1顔料及び第2顔料の重量比は、10:90乃至90:10でもよい。第1顔料及び第2顔料を含む全体顔料は、感光性樹脂組成物総量中30重量%乃至40重量%で含まれることができる。
【0016】
バインダー樹脂は、アクリル系バインダー樹脂、エポキシ系バインダー樹脂、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0017】
感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物総量に対して、(A)着色剤を30重量%乃至70重量%、(B)光重合性化合物を1重量%乃至20重量%、(C)光重合開始剤を0.1重量%乃至5重量%、(D)バインダー樹脂を1重量%乃至20重量%及び(E)溶媒を残部量含むことができる。
【0018】
感光性樹脂組成物は、マロン酸、3-アミノ-1,2-プロパンジオ-ル、ビニル基または(メタ)アクリルオキシ基を含むカップリング剤、レベリング剤、フッ素系界面活性剤、及びラジカル重合開始剤から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含むことができる。
【0019】
他の一実施形態においては、前記感光性樹脂組成物を用いて製造された赤色感光性樹脂膜を提供する。また、他の一実施形態においては、前記感光性樹脂膜を含む赤色カラーフィルターを提供する。また、他の一実施形態においては、前記カラーフィルターを含むCMOSイメージセンサーを提供する。その他の本発明の側面の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれる。
【発明の効果】
【0020】
一実施形態は、少なくとも2種の顔料が共分散した感光性樹脂組成物において、その共分散した顔料の粒子の大きさの割合を調節することにより、カラーフィルターの光散乱、色斑等を抑制し、光学的な乱れを解消することができる。従って、一実施形態の感光性樹脂組成物を用いて製造されたカラーフィルターは、イメージセンサーの画像品質を一定の水準で実現することに寄与できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。但し、以下の説明は例示的に示されるものであり、これにより本発明は制限されず、本発明は特許請求の範囲によって定義される。
【0022】
本明細書で特別な言及がない限り、「置換」とは、化合物中の少なくとも一つの水素原子がハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、C1乃至C20アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバミル基、チオール基、エステル基、エーテル基、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸基若しくはその塩、リン酸若しくはその塩、C1乃至C20アルキル基、C2乃至C20アルケニル基、C2乃至C20アルキニル基、C6乃至C30アリール基、C3乃至C20シクロアルキル基、C3乃至C20シクロアルケニル基、C3乃至C20シクロアルキニル基、C2乃至C20ヘテロシクロアルキル基、C2乃至C20ヘテロシクロアルケニル基、C2乃至C20ヘテロシクロアルキニル基、またはこれらの組み合わせの置換基に置換することを意味する。
【0023】
本明細書において、特別な言及がない限り、「ヘテロシクロアルキル基」、「ヘテロシクロアルケニル基」、「ヘテロシクロアルキニル基」及び「ヘテロシクロアルキレン基」とは、それぞれシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル及びシクロアルキレンの環化合物内に少なくとも一つのN、O、SまたはPのヘテロ原子が存在する基を意味する。
【0024】
本明細書において、特別な言及がない限り、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を含む。
本明細書内の化学式において、別途の定義がない限り、化学結合が描かれるべき位置に化学結合が描かれていない場合は、当該位置に水素原子が結合されていることを意味する。
【0025】
本明細書において、別途の定義がない限り、「*」は、同一または異なる原子または化学式と連結する部分を意味する。
【0026】
本明細書における「粒子の大きさ」または「粒径」は、粒子の大きさ分布基準での粒子の大きさとして定義される。具体的には、粒子の大きさまたは粒径「Dn」とは、様々な粒子の大きさで分布されている粒子を体積比で「n%」まで粒子を累積させた際の粒子の大きさを意味する。例えば、D50は、体積比で50%まで粒子を累積させた際の粒子の大きさを意味する。
【0027】
粒子の大きさまたは粒径「Dn」は、当業者に広く公知された方法で測定することができ、例えば、粒度分析器で測定することができ、または透過電子顕微鏡写真若しくは走査電子顕微鏡写真で測定することもできる。他の方法としては、動的光散乱法を用いて得られた結果に対してデータ分析を実施して測定することもできる。
【0028】
(感光性樹脂組成物)
一実施形態は、(A)着色剤、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)バインダー樹脂、及び(E)溶媒を含む感光性樹脂組成物を提供し、着色剤は、第1顔料及び第2顔料を含み、第1顔料及び第2顔料のD50粒径比は1.5:1乃至1.01:1である。
【0029】
先に指摘した通り、顔料分散法を用いてカラーフィルターを作製する際、光や熱に対して安定であるという利点があることに反して、光学的な乱れが発生することがある。特に1種の顔料だけを用いると、感光性樹脂組成物内で顔料粒子が凝集して粗大化し、最終的に作製されたカラーフィルターで光散乱、色斑等の光学的な乱れが生じ、その結果、視覚的に粗い感じを与えることがある。一実施形態では、上記問題を解決するため、少なくとも2種の顔料が共分散した感光性樹脂組成物を用い、共分散した顔料の粒子の大きさの割合を調節する。以下、一実施例の感光性樹脂組成物を更に詳しく説明する。
【0030】
(A)着色剤
まず、前記着色剤を説明する。
(1)上記の通り、着色剤は、少なくとも2種の顔料を含む。具体的には、着色剤は、第1顔料及び第2顔料を含む。このように少なくとも2種の顔料を用いると、感光性樹脂組成物内で互いに異なる顔料粒子が凝集を阻害し、粗大化が抑制される。それにより、カラーフィルターの光散乱、色斑等の光学的な乱れを解消する効果を得ることができ、同時にバインダー樹脂、光重合性化合物等の透明材料の含有量を増大して組成物の生産性を向上することが可能である。
【0031】
(2)さらに、第1顔料及び第2顔料は、粒子の大きさの比が特定範囲を満たす。具体的には、第1顔料及び第2顔料は、D50粒径比(第1顔料:第2顔料)が1.01:1乃至1.5:1を満たす。D50粒径比(第1顔料:第2顔料)が1.01:1未満となって第1顔料のD50粒径より第2顔料のD50粒径が一部大きい場合、第2顔料粒子が分散できないことがある。また、第1顔料のD50粒径より第2顔料のD50粒径が過度に大きくなると分散性が低下することがあり、D50粒径比(第1顔料:第2顔料)を1.5:1以下に制限する必要がある。このような関係を考慮して、1.01:1乃至1.5:1、1.05:1乃至1.4:1、または1.1:1乃至1.3:1の範囲内で前記D50粒径比(第1顔料:第2顔料)を調節することができる。
【0032】
(3)総合的には、一実施形態の感光性樹脂組成物は、少なくとも2種の顔料が共分散した感光性樹脂組成物であり、その共分散した顔料の粒子の大きさの割合を調節することにより、カラーフィルターの光散乱、色斑等を抑制し、光学的な乱れを解消することができる。
【0033】
以下、着色剤をより具体的に説明する。
【0034】
顔料の粒子の大きさ分布
第1顔料及び第2顔料を含む全体顔料は、粒子の大きさ分布上、微分及び粗分の含有量が少ないこともある。ここで、D90/D10粒径比は、粒子の大きさ分布の幅を示すことができる。D90/D10粒径比が大きいほど粒子の大きさ分布の幅が広く、微分及び粗分の含有量が多く、D90/D10の値が小さいほど粒子の大きさ分布の幅が狭く、微分及び粗分の含有量が少ないことを意味することができる。具体的には、第1顔料及び第2顔料を含む全体顔料は、D90/D10粒径比が1.5乃至2.0でもよい。一方、第1顔料及び第2顔料を含む全体顔料は、D50粒径が20nm乃至40nmでもよい。
【0035】
顔料及びこれを含む着色剤の色
着色剤は、赤色、青色及び緑色中のいずれの色でもよく、例えば、青色でもよい。このため、第1顔料として青色顔料が用いられ、第2顔料には紫色顔料を用いることができる。具体的には、第1顔料は、下記化学式1に示される銅フタロシアニン系青色顔料でもよい。
[化学式1]
【化7】
【0036】
化学式1において、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、a乃至dはそれぞれ独立して、1乃至4の整数である。
【0037】
第1顔料は、下記化学式1-1に示される銅フタロシアニン系青色顔料であってもよい。
[化学式1-1]
【化8】
【0038】
化学式1-1に示される銅フタロシアニン系青色顔料は、その結晶性により、カラーインデックス(Color Index)C.I.青色顔料15:6、C.I.青色顔料15、C.I.青色顔料15:1、C.I.青色顔料15:2、C.I.青色顔料15:3、C.I.青色顔料15:4、C.I.青色顔料15:5、C.I.青色顔料15:6、C.I.青色顔料16等で具現されることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、銅フタロシアニン系青色顔料必ずしもこれに限定されるものではない。
【0039】
第2顔料は、下記化学式2に示されるカルバゾールジオキサジン系紫色顔料、下記化学式3に示されるペリレン系紫色顔料、またはこれらの混合物でもよい。
[化学式2]
【化9】

化学式2において、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換された若しくは非置換されたC1乃至C20アルキル基であり、X及びXはそれぞれ独立して、ハロゲン原子であり、e及びfはそれぞれ独立して、1乃至6の整数である。
[化学式3]
【化10】

化学式3において、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、R11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、または置換された若しくは非置換のC1乃至C20アルキル基であり、g及びhはそれぞれ独立して、1乃至4の整数である。
【0040】
具体的には、第2顔料は、下記化学式2-1に示されるカルバゾールジオキサジン系紫色顔料、下記化学式3-1に示されるペリレン系紫色顔料、またはこれらの混合物でもよい。
[化学式2-1]
【化11】

[化学式3-1]
【化12】
【0041】
化学式2-1に示されるカルバゾールジオキサジン系紫色顔料は、カラーインデックス(Color Index)C.I.紫色顔料23(V23)であってもよい。また、化学式3-1に示されるペリレン系紫色顔料は、C.I.紫色顔料29(V29)であってもよい。
【0042】
その他にも、ジオキサジンバイオレット、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、インダントレンブリリアントバイオレット等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、第2顔料は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0043】
着色剤が青色ではない場合、青色顔料及び紫色顔料以外にも、赤色顔料、緑色顔料、黄色顔料、黒色顔料等を用いることができる。
【0044】
赤色顔料としては、カラーインデックス(Color Index)C.I.赤色顔料254、C.I.赤色顔料255、C.I.赤色顔料264、C.I.赤色顔料270、C.I.赤色顔料272、C.I.赤色顔料177、C.I.赤色顔料89等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、赤色顔料は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0045】
緑色顔料としては、カラーインデックス(Color Index)C.I.緑色顔料7、C.I.緑色顔料36、C.I.緑色顔料58、C.I.緑色顔料59等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、緑色顔料は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0046】
黄色顔料としては、カラーインデックス(Color Index)C.I.黄色顔料185、C.I.黄色顔料139等のようなイソインドリノン系顔料、C.I.黄色顔料138等のようなキノフタロン系顔料、C.I.黄色顔料150等のようなニッケルコンプレックス顔料等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、黄色顔料は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0047】
黒色顔料としては、カラーインデックス(Color Index)のアニリンブラック、パリレンブラック、チタニウムブラック、カーボンブラック等を用いることができ、これらを単独、または2種以上混合して用いられるが、黒色顔料必ずしもこれに限定されるものではない。
【0048】
顔料の配合比
第1顔料及び第2顔料の重量比は、必ずしも前記D50粒径比(第1顔料:第2顔料)と比例するものではない。具体的には、第1顔料及び第2顔料の重量比は、10:90乃至90:10でもよい。但し、第1顔料が青色顔料であり、第2顔料が紫色顔料の場合、これらを組み合わせて青色を具現するため、第1顔料及び第2顔料の重量比は、60:40乃至50:50でもよい。
【0049】
顔料の含有量
第1顔料及び第2顔料を含む全体顔料は、感光性樹脂組成物総量中において30重量%乃至70重量%、具体的には、35重量%乃至60重量%、例えば、45重量%乃至55重量%含まれることができる。
【0050】
顔料分散液
上記の通り、第1顔料及び第2顔料は、分散液の形態で感光性樹脂組成物に含まれることができる。
【0051】
顔料分散液は、第1顔料及び第2顔料以外、溶媒、分散剤、分散樹脂等からなることができる。
【0052】
溶媒としては、エチレングリコールアセテート、エチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ポリエチレングリコール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテル等を用いることができ、これらの中でプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを用いることが好ましい。
【0053】
分散剤は、顔料が分散液内で均一に分散することを促進し、分散剤として非イオン性、アニオン性またはカチオン性の分散剤を用いることができる。具体的には、ポリアルキレングリコールまたはそのエステル、ポリオキシアルキレン、多価アルコールエステルアルキレンオキシド付加物、アルコールアルキレンオキシド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボキシ酸エステル、カルボキシ酸塩、アルキルアミドアルキレンオキシド付加物、アルキルアミン等を用いることができ、これらは単独、または2種以上を混合して用いることができる。
【0054】
分散樹脂としては、カルボキシ基を含むアクリル系樹脂を用いることができ、これは顔料分散液の安定性を向上させることができるだけでなく、カラーフィルターの精密なパターニングを可能にする。
【0055】
第1顔料及び第2顔料を含む全体顔料は、顔料分散液中において10重量%乃至20重量%で含まれることができる。
【0056】
(B)光重合性化合物
光重合性化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリル酸の1官能または多官能エステルを用いることができる。光重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を有することにより、パターン形成工程における露光時に速やかに重合するため、耐熱性、耐光性及び耐薬品性に優れたパターンを形成することができる。
【0057】
光重合性化合物の具体的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ノボラックエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0058】
光重合性化合物の市販製品を例に挙げれば、次の通りである。(メタ)アクリル酸の1官能エステルの例としては、東洋合成工業株式会社製のアロニックス(登録商標)M-101、M-111、M-114等、日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標)TC-110S、同TC-120S等、大阪有機化学工業株式会社製のV-158、V-2311等が挙げられる。(メタ)アクリル酸の2官能エステルの例としては、東洋合成工業株式会社製のアロニックス(登録商標)M-210、M-240、M-6200等、日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標)HDDA、HX-220、R-604等、大阪有機化学工業株式会社製のV-260、V-312、V-335HP等が挙げられる。(メタ)アクリル酸の3官能エステルの例としては、東洋合成工業株式会社製のアロニックス(登録商標)M-309、M-400、M-405、M-450、M-710、M-8030、M-8060日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標)TMPTA、DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120等、大阪有機化学工業株式会社製のV-295、V-300、V-360、V-GPT、V-3PA、V-400等が挙げられる。これらの製品を単独使用または2種以上同時に用いることができる。
【0059】
光重合性化合物としては、より優れた現像性を付与するため、酸無水物に処理し、またはエチレンオキシド変性物を用いることができる。
【0060】
光重合性化合物は、感光性樹脂組成物総量に対して、1重量%乃至20重量%、具体的には、1重量%乃至4重量%、例えば、1重量%乃至3重量%で含まれてもよい。光重合性化合物が上記範囲内に含まれる場合、パターン形成工程における露光時の硬化が十分に生じ、アルカリ現像液への現像性が向上し、信頼性に優れたカラーフィルターを与えることができる。
【0061】
(C)光重合開始剤
光重合開始剤としては、感光性樹脂組成物に一般に用いられる開始剤として、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾイン系化合物、トリアジン系化合物、オキシム系化合物またはこれらの組み合わせを用いることができる。
【0062】
アセトフェノン系化合物の例としては、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2,2’-ジブトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-t-ブチルジクロロアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、2,2’-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モポリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モポリノフェニル)-ブタン-1-オン等が挙げられる。
【0063】
ベンゾフェノン系化合物の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-2-メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0064】
チオキサントン系化合物の例としては、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン等が挙げられる。
【0065】
ベンゾイン系化合物の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0066】
トリアジン系化合物の例としては、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3’,4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4’-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ビフェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-s-トリアジン、2-4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-s-トリアジン等が挙げられる。
【0067】
オキシム系化合物の例としては、O-アシルオキシム系化合物、2-(o-ベンゾイルオキシム)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン、1-(o-アセチルオキシム)-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン、O-エトキシカルボニル-α-オキシアミノ-1-フェニルプロパン-1-オン等を用いることができる。
【0068】
O-アシルオキシム系化合物の具体的な例としては、1,2-オクタンジオン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1,2-ジオン2-オキシム-O-ベンゾエ-ト、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1,2-ジオン2-オキシム-O-ベンゾエ-ト、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1-オンオキシム-O-アセテート及び1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1-オンオキシム-O-アセテート等が挙げられる。
【0069】
光重合開始剤としては、上記化合物以外にもカルバゾール系化合物、ジケトン類化合物、スルホニウムボレート系化合物、ジアゾ系化合物、イミダゾール系化合物、ビイミダゾール系化合物、フルオレン系化合物等を用いることができる。光重合開始剤は、光を吸収して励起状態になった後、その励起エネルギーを移動させることにより化学反応を起こす光増感剤と共に用いることもできる。光増感剤の例としては、テトラエチレングリコールビス-3-メルカプトプロピオナート、ペンタエリトリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオナート、ジペンタエリトリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオナート等が挙げられる。光重合開始剤は、感光性樹脂組成物総量に対して0.1重量%乃至5重量%、具体的には、0.3重量%乃至4重量%、例えば、0.5重量%乃至3重量%で含まれることができる。光重合開始剤が上記範囲内で含まれる場合、パターン形成工程における露光時の硬化が十分に生じる。このため、パターンの耐熱性が高く、高い耐光性及び耐薬品性、高い解像度及び密着性、並びに優れた信頼性を有するカラーフィルター得ることができ、また、未反応開始剤による透過率の低下を防ぐことができる。
【0070】
(D)バインダー樹脂
感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂を含むことができ、バインダー樹脂は、アクリル系バインダー樹脂を含むことができる。アクリル系樹脂は、第1エチレン性不飽和モノマー及びそれと共重合が可能な第2エチレン性不飽和モノマーの共重合体として、一つ以上のアクリル系繰り返し単位を含む樹脂である。
【0071】
第1エチレン性不飽和モノマーは、一つ以上のカルボキシ基を含有するエチレン性不飽和モノマーであり、その具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸またはこれらの組み合わせが挙げられる。第1エチレン性不飽和モノマーは、アクリル系バインダー樹脂総量に対して5重量%乃至50重量%、例えば、10重量%乃至40重量%で含まれることができる。
【0072】
第2エチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルメチルエーテル等の芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル化合物、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド化合物等が挙げられ、これらを単独で、または2以上混合して用いることができる。
【0073】
アクリル系樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体等が挙げられるが、アクリル系樹脂はこれらに限定されず、これらを単独または2種以上を配合して用いることができる。
【0074】
バインダー樹脂は、エポキシ系バインダー樹脂を含むことができる。バインダー樹脂は、エポキシ系バインダー樹脂をさらに含むことにより、耐熱性を向上させることができる。エポキシ系バインダー樹脂としては、例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂、テトラメチルビフェニルエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂またはこれらの組み合わせ等が挙げられるが、エポキシ系バインダー樹脂はこれに限定されるものではない。さらに、エポキシ系バインダー樹脂を含むバインダー樹脂は、後述する顔料等の着色剤の分散安定性を確保すると共に、現像過程で望む解像度のピクセルが形成されることを促進する。
【0075】
エポキシ系バインダー樹脂は、バインダー樹脂総量に対して1重量%乃至10重量%、例えば、5重量%乃至10重量%で含まれることができる。エポキシ系バインダー樹脂が上記範囲で含まれる場合、残膜率及び耐薬品性を大きく改善することができる。
【0076】
エポキシ系バインダー樹脂のエポキシ当量(epoxy equivalentweight)は、150g/eq乃至200g/eqでもよい。上記範囲内のエポキシ当量を有するエポキシ系バインダー樹脂がバインダー樹脂内に含まれる場合、形成されたパターンの硬化度の向上及びパターンが形成された構造内での着色剤の固着に有利な効果がある。
【0077】
バインダー樹脂は、後述する溶媒に固形分形態として溶解して感光性樹脂組成物を構成することができる。この場合、固形分形態のバインダー樹脂の割合は、溶媒に溶解したバインダー樹脂溶液総量に対して約10重量%乃至50重量%、例えば、20重量%乃至40重量%でもよい。バインダー樹脂は、感光性樹脂組成物総量に対して1重量%乃至20重量%、具体的には、2重量%乃至15重量%、例えば、3重量%乃至10重量%で含まれることができる。バインダー樹脂が上記範囲内に含まれる場合、カラーフィルター製造時において優れた現像性を示し、架橋性が改善されて優れた表面平滑度を得ることができる。
【0078】
(E)溶媒
溶媒としては、着色剤、光重合性化合物、光重合開始剤及びバインダー樹脂との親和性を有し、反応しない物質を用いることができる。溶媒の例としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジクロロエチルエーテル、n-ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチルセロソルブアセテート等のセロソルブアセテート類、メチルエチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のカルビトール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル等の飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル等のオキシ酢酸アルキルエステル類、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等のアルコキシ酢酸アルキルエステル類、3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチル等の3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル等の3-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類、2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピル等の2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸メチル等の2-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチル等の2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エステル類、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル等の2-アルコキシ-2-メチルプロピオン酸アルキル類のモノオキシモノカルボン酸アルキルエステル類、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル等のエステル類、ピルビン酸エチル等のケトン酸エステル類等があり、また、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニラード、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセチルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶媒が挙げられる。
【0079】
これらの中で、好ましくは、親和性及び反応性を考慮し、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチル等のエステル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のカルビトール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、シクロヘキサノン等のケトン類が用いられる。
【0080】
溶媒は、感光性樹脂組成物総量に対して残部量、例えば、30重量%乃至60重量%、例えば、40重量%乃至50重量%で含まれることができる。溶媒が上記範囲内に含まれる場合、感光性樹脂組成物は塗布性に優れ、平坦性に優れた塗膜を得ることができる。
【0081】
(F)その他の添加剤
感光性樹脂組成物は、塗布時の染みや斑点を防止し、レベリング性能を改善するため、また、未現象に起因する残渣の生成を防止するため、マロン酸、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、ビニル基または(メタ)アクリルオキシ基を含むカップリング剤、レベリング剤、界面活性剤、及びラジカル重合開始剤から選択される少なくとも一つの添加剤を更に含むことができる。添加剤は、望む物性により容易に調節することができる。
【0082】
カップリング剤はシラン系カップリング剤でもよく、シラン系カップリング剤の例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γイソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、βエポキシシクロヘキシル、エチルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらを単独または2種以上混合して用いることができる。シラン系カップリング剤は、具体的には、感光性樹脂組成物100重量部に対して0.01重量部乃至1重量部で用いることができる。
【0083】
また、カラーフィルター用感光性樹脂組成物は、必要に応じて界面活性剤、例えば、フッ素系界面活性剤をさらに含むことができる。フッ素系界面活性剤の例としては、DIC社製のF-556、F-482、F-484、F-478等があるが、フッ素系界面活性剤はこれらに限定されるものではない。界面活性剤は、感光性樹脂組成物総量に対して0.01重量%乃至5重量%で含まれることが望ましく、0.01重量%乃至2重量%で含まれることがより望ましい。上記範囲を外れる場合、現像後に異物が発生することがあり、望ましくない。
【0084】
また、感光性樹脂組成物には、感光性樹脂組成物の物性を阻害しない範囲内で酸化防止剤、安定剤等の他の添加剤を一定量で添加することもできる。
【0085】
感光性樹脂組成物は、CMOSイメージセンサーのカラーフィルター用感光性樹脂組成物、具体的には、CMOSイメージセンサーの緑色カラーフィルター用感光性樹脂組成物に適用することができる。
【0086】
(感光性樹脂膜、カラーフィルター及びCMOSイメージセンサー)
他の一実施形態においては、感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜が提供される。また、他の一実施形態においては、上記感光性樹脂組成物を用いて製造されたカラーフィルターが提供される。また、他の一実施形態においては、上記カラーフィルターを含むCMOSイメージセンサーが提供される。
【0087】
カラーフィルターの製造方法は次の通りである。ガラス基板上にスピン塗布、ローラ-塗布、スプレー塗布等の適当な方法を用いて、例えば、適切な厚さで上述した感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂組成物層を形成する。次に、感光性樹脂組成物層が形成された基板にカラーフィルターに必要なパターンを形成するように光を照射する。照射に用いられる光源としては、UV、電子線またはX線を用いることができ、例えば、190nm乃至450nm、具体的には、200nm乃至400nm領域のUVを照射することができる。光を照射する工程において、フォトレジストマスクを更に用いることもできる。このように光照射する工程を行った後、光源が照射された感光性樹脂組成物層を現像液で処理する。その際、感光性樹脂組成物層の非露光部が溶解することにより、カラーフィルターに必要なパターンが形成される。このような工程を必要な色の数に従って繰り返すことにより、望むパターンを有するカラーフィルターを作製することができる。また、この工程において、現像により作製された画像パターンを再加熱したり、活性線照射等により硬化させたりすると、耐クラック性、耐溶剤性等を向上させることができる。
【0088】
以下、実施例を挙げて本発明に対して更に詳しく説明するが、下記の実施例は本発明の望ましい実施例であり、本発明が下記の実施例に限定されるものではない。
【0089】
(顔料混合物の製造)
製造例の1乃至12
下記化学式1-1に示されるC.I.青色顔料15:6(B15:6)及び下記化学式1-2に示されるC.I.紫色顔料23(V23)を用い、(B15:6):(V23)のD50粒径比を表1に従って変化せて顔料混合物を製造した。
[化学式1-1]
【化13】

[化学式2-1]
【化14】
【0090】
ここで、D50粒径は、粒子をレーザ-回折粒度測定装置(Microtrac S3500)に導入し、粒子がレ-ザビ-ムを通過する際の粒子の大きさに応じた回折パターン差を測定して算出したものである。
【0091】
【表1】
【0092】
(感光性樹脂組成物の製造)
実施例1乃至8及び比較例1乃至4
表2及び表3に示す組成で各成分を混合して感光性樹脂組成物を製造した。具体的には、溶媒に光重合開始剤を溶解した後、常温で30分間攪拌し、さらに光重合性化合物を添加して常温で60分間攪拌した。次いで、得られた反応物に着色剤(顔料)及びバインダー樹脂を加えて常温で30分間攪拌した。さらに、添加剤を加え、常温で30分間攪拌した。次いで、この生成物を2回ろ過して不純物を除去することにより、感光性樹脂組成物を製造した。
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
上記表2及び3において用いた各成分は次の通りである。
(A)着色剤
(A-1)製造例1の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1:1.5)
(A-2)製造例2の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1:1)
(A-3)製造例3の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.01:1)
(A-4)製造例4の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.05:1)
(A-5)製造例5の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.1:1)
(A-6)製造例6の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.2:1)
(A-7)製造例7の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.25:1)
(A-8)製造例8の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.3:1)
(A-9)製造例9の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.4:1)
(A-10)製造例10の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.5:1)
(A-11)製造例11の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=1.6:1)
(A-12)製造例12の顔料混合物((B15:6):(V23)D50粒径比=2:1)
(B)光重合性化合物
(B-1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、製造会社:日本火薬)
(C)光重合開始剤
(C-1)オキシム系開始剤(製品名:SPI-03、製造会社:三養社)
(D)バインダー樹脂
(D-1)アクリル系バインダー樹脂(製品名:RY-92、製造会社:昭和電工、分子量:6,000g/mol、酸価:35KOHmg/g、二重結合当量:350g/mol)
(E)溶媒
(E-1)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、製造会社:Sigma-Aldrich)
(F)添加剤
(F-1)フッ素系界面活性剤(製品名:F-554、製造会社:DIC)
【0096】
(評価1:感光性樹脂組成物の分散安定性評価)
実施例1乃至8及び比較例1乃至4の感光性樹脂組成物に対して、下記数式1に従って分散安定性を評価した。具体的には、分散安定性が低下するほど色値が変化するので、常温放置1ヶ月経過前後の透過率差を分光光度計を用いて求めた。
[数式1]組成物分散安定性=(a)-(b)
数式1において、(a)は感光性樹脂組成物の製造直後の分光光度計を用いて求めた透過率(%T)であり、(b)は感光性樹脂組成物の常温放置1ヶ月経過後の分光光度計を用いて求めた透過率(%T)である。その評価結果を表4に記載する。
【0097】
【表4】
【0098】
(評価2:カラーフィルターの光学的特性評価)
実施例1乃至8及び比較例1乃至4の感光性樹脂組成物を8インチガラス基板上にスピンコーター(Mikasa社製、Opticoat MS-A150)を用いてコーティングした後、ホットプレートを用いて100℃で180秒間ソフトベーキング(soft-baking)を行い、i-ラインステッパー(Nikon社製、NSR-2005i10C)で1000msecの間の光を照射して露光した。露光した感光性樹脂組成物を室温で0.19%TMAH水溶液でスプレー&パドル方式で現像した後、ホットプレートで200℃で5分間ハードベ-キング(Hard-baking)を行った。それにより、ガラス基板上に580nm厚さの感光性樹脂膜が形成されたカラーフィルターの試験片を得た。得られた各カラーフィルターの試験片に対して、顕微鏡(モデル名:MSS1F、製造会社:Olympus)を使用して500倍率でイメージを5枚ずつ取得した。
【0099】
イメージを陰影処理した後、ピクセル当りの面積比を抽出して計算し、中心から±1%面積を比較した。±1%面積が高く、カラーフィルター表面のピクセル当りの面積が大きいほど中心から近いということである。言い換えれば、カラーフィルター表面のピクセル当りの面積を換算して中心からの±1%値が高いほど、カラーフィルター表面における色斑等の光学的な乱れ程度が類似しており、撮影されたイメージ上の差が少ないことを意味する。
【0100】
【表5】
【0101】
表4及び5によると、顔料混合物内(B15:6):(V23)D50粒径比が1.01:1乃至1.5:1を満たす際、感光性樹脂組成物内の顔料混合物の分散性が安定化し、最終的に得られたカラーフィルター表面のピクセル当りの面積が著しく大きくなることが分かる。特に、顔料混合物内(B15:6):(V23)D50粒径比が1.1:1乃至1.3:1を満たす際、上記のような効果はより明らかになる。ここでは顔料混合物としてB15:6及びV23の混合物を例に挙げたが、D50粒径比が1.01:1乃至1.5:1を満たすいずれの顔料組み合わせにおいても上記のような効果が現れることが確認された。
【0102】
以上、本発明の望ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で様々に変形して実施することが可能であり、また、このような変形例も本発明の範囲に属することは当然である。