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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035393
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】消臭性柔軟剤
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/463 20060101AFI20240307BHJP
   D06M 13/188 20060101ALI20240307BHJP
   D06M 13/325 20060101ALI20240307BHJP
   D06L 1/12 20060101ALI20240307BHJP
   D06M 13/123 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
D06M13/463
D06M13/188
D06M13/325
D06L1/12
D06M13/123
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139825
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大地
(72)【発明者】
【氏名】新屋 宏和
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭介
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033AB04
4L033AC02
4L033AC10
4L033BA09
4L033BA16
4L033BA45
4L033BA85
(57)【要約】      (修正有)
【課題】加齢臭やミドル脂臭に由来する、衣類や寝具等の繊維製品の臭気を効率よく低減可能な消臭性柔軟剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン又はその塩と、カチオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、消臭性柔軟剤を用いる。

(式中、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、又は炭素数7~15のアリールアルキル基を表す。nは、1~6の整数を表す。複数のRは、同一又は相異なっていてもよい。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン又はその塩と、カチオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、消臭性柔軟剤。
【化1】
(式中、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、又は炭素数7~15のアリールアルキル基を表す。nは、1~6の整数を表す。複数のRは、同一又は相異なっていてもよい。)
【請求項2】
一般式(1)において、Rが、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、及びフェニル基からなる群より選ばれるいずれかである、請求項1に記載の消臭性柔軟剤。
【請求項3】
一般式(1)で表されるカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン又はその塩が、アミノオキシ酢酸又はその塩である、請求項1に記載の消臭性柔軟剤。
臭性柔軟剤。
【請求項4】
カチオン性界面活性剤が、下記一般式(2)で表される第3級アミン化合物、及び下記一般式(3)で表される第4級アンモニウムカチオンからなる群より選ばれる1種以上のカチオン性界面活性剤である、請求項1に記載の消臭性柔軟剤。
【化2】
(式中、Rは、炭素数11~23の飽和若しくは不飽和炭化水素基を示しである。Rは、ヒドロキシ基、オキシ基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、フェニル基のいずれかもしくは複数を含んでいてもよい炭素数1~26の有機基である。mは、0~3の整数である。p及びqは、それぞれ独立して、1~3の整数である。rは、0~5の整数である。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【請求項5】
カチオン性界面活性剤が、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン、及びジステアリルジメチルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれる少なくとも1つのカチオン性界面活性剤である、請求項1に記載の消臭性柔軟剤。
【請求項6】
2-ノネナール、及びジアセチルのいずれか1つ以上を捕捉する、請求項1に記載の消
【請求項7】
衣類と水が入れられている容器に、請求項1に記載の消臭性柔軟剤を投入し、全体的に撹拌混合することを特徴とする、衣類の洗浄方法。
【請求項8】
2-ノネナール又はジアセチルが付着した衣類と水が入れられている容器に、請求項1に記載の消臭性柔軟剤を投入し、全体的に撹拌混合することを特徴とする、衣類の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭性柔軟剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アルデヒド類及びケトン類は、様々な物質に含まれる香気成分であるが、これらの中には不快臭の原因となる物質も多く存在している。
【0003】
近年、高齢化社会に伴い加齢臭が注目されているが、加齢臭の原因物質もまた、皮脂中の高級不飽和脂肪酸が酸化等により分解されて生じる、オクテナールやノネナールなどの脂肪族アルデヒドに由来することが解明されている。特にノネナールは、主に40代以降の世代で男女問わず検出され、年齢を重ねる毎に頻度や量が増加する主要な不快臭原因物質である。
【0004】
また、最近では30~40代の男性から検出される不快な脂っぽい臭気、いわゆるミドル脂臭も関心を集めており、その原因物質はケトンの一種であるジアセチルと特定されている。
【0005】
加齢臭を低減する技術として、発生した不飽和アルデヒドを香料成分でマスキングする方法(例えば特許文献1参照)や、エタノールアミンで捕捉する方法(例えば特許文献2参照)が知られている。また、カロチン、トコフェロール、フラボノイドや植物抽出物といった抗酸化剤による酸化抑制(例えば特許文献3参照)、リポキシゲナーゼ阻害剤による過酸化脂質の生成抑制(例えば特許文献4参照)によって、不飽和アルデヒドの生成を抑えるといった方法や、食用植物油を使用することでノネナールと結合及び無臭化する方法(例えば特許文献5参照)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-286428公報
【特許文献2】特開2001-97838公報
【特許文献3】特開平11-286423公報
【特許文献4】特開平11-286424公報
【特許文献5】特開2011-88844公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
加齢臭やミドル脂臭の原因物質は日常的に人体から放出されるため、衣類や寝具等の繊維製品に蓄積し、それらも臭気の発生源となってしまう。これらの物質は水溶性が低いため水洗で除去しにくく、さらに嗅覚閾値が低く微量でも臭いが感じられるため、加齢臭物質やミドル脂臭物質が蓄積した衣類や寝具等を、家庭用洗濯用洗剤を用いて家庭用洗濯機等で普通に洗浄しただけでは臭いが取れにくいという特徴がある。
【0008】
そのため、加齢臭やミドル脂臭に由来する衣類や寝具等の繊維製品の臭気を効率よく低減する手法の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、下記発明を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
【0011】
[1]
下記一般式(1)で表されるカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン又はその塩と、カチオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、消臭性柔軟剤。
【0012】
【化1】
【0013】
(式中、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、又は炭素数7~15のアリールアルキル基を表す。nは、1~6の整数を表す。複数のRは、同一又は相異なっていてもよい。)
[2]
一般式(1)において、Rが、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、及びフェニル基からなる群より選ばれるいずれかである、[1]に記載の消臭性柔軟剤。
【0014】
[3]
一般式(1)で表されるカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン又はその塩が、アミノオキシ酢酸又はその塩である、[1]に記載の消臭性柔軟剤。
【0015】
[4]
カチオン性界面活性剤が、下記一般式(2)で表される第3級アミン化合物、及び下記一般式(3)で表される第4級アンモニウムカチオンからなる群より選ばれる1種以上のカチオン性界面活性剤である、[1]記載の消臭性柔軟剤。
【0016】
【化2】
【0017】
(式中、Rは、炭素数11~23の飽和若しくは不飽和炭化水素基を示しである。Rは、ヒドロキシ基、オキシ基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、フェニル基のいずれかもしくは複数を含んでいてもよい炭素数1~26の有機基である。mは、0~3の整数である。p及びqは、それぞれ独立して、1~3の整数である。rは、0~5の整数である。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
[5]
カチオン性界面活性剤が、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン、及びジステアリルジメチルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれる少なくとも1つのカチオン性界面活性剤である、[1]記載の消臭性柔軟剤。
【0018】
[6]
2-ノネナール、及びジアセチルのいずれか1つ以上を捕捉する、[1]に記載の消臭性柔軟剤。
【0019】
[7]
衣類と水が入れられている容器に、[1]に記載の消臭性柔軟剤を投入し、全体的に撹拌混合することを特徴とする、衣類の洗浄方法。
【0020】
[8]
2-ノネナール又はジアセチルが付着した衣類と水が入れられている容器に、[1]に記載の消臭性柔軟剤を投入し、全体的に撹拌混合することを特徴とする、衣類の洗浄方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明の消臭性柔軟剤は、アルデヒド類とケトン酸類を速やかに捕捉する。その結果、アルデヒド類とケトン類に由来する臭気を低減し、ヒトの生活環境を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の消臭性柔軟剤は、下記一般式(1)で表されるカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン又はその塩と、カチオン性界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0023】
【化3】
【0024】
(式中、Rは、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、又は炭素数7~15のアリールアルキル基を表す。nは、1~6の整数を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)
前記の炭素数1~18のアルキル基は、直鎖状、分岐状、又は環状のいずれのアルキル基であってもよく、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(セチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、オレイル基、エライジル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、3-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、2-エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、又はシクロデシル基等が挙げられる。
【0025】
前記の炭素数6~14のアリール基としては、特に限定されないが、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ビニルフェニル基、ビフェニリル基、又はフェナントリル基等が挙げられる。
【0026】
前記の炭素数7~15のアリールアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基、トリルメチル基、キシリルメチル基、クメニルメチル基、ビニルフェニルメチル基、ビフェニリルメチル基、又はフェナントリルメチル基等が挙げられる。
【0027】
これらのうち、洗浄効果に優れる点で、Rが、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、及びフェニル基からなる群より選ばれるいずれかであることが好ましく、水素原子、メチル基、又はエチル基であることがより好ましい。
【0028】
nは、1~6の整数を表すが、洗浄効果に優れる点で、1~3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがより好ましい。
【0029】
上記の一般式(1)で表されるカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミンのヒドロキシルアミノ基は、一部又は全てが無機酸又は有機酸との塩となっていてもよい。塩の種類としては、特に限定されないが、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、過塩素酸塩、ケイ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、トシル酸塩等の有機酸塩が挙げられ、安価である点で無機酸塩が好ましく、塩酸塩がさらに好ましい。
【0030】
また、上記の一般式(1)で表されるカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミンのカルボキシ基は、分子内のヒドロキシルアミノ基と分子内塩を形成してもよいし、分子間で塩を形成してもよい。
【0031】
また、当該カルボキシ基の一部又は全てがカルボン酸塩となっていてもよい。カルボン酸塩の種類としては、特に限定されないが、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。当該アンモニウム塩を形成するアミンとしては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、ポリエチレンイミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラエタノール、1,4-ピペラジンジエタノール、1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)ピペラジン、2-ヒドロキシメチルトリエチレンジアミン、ピペラジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジン等が挙げられる。
【0032】
すなわち、本願発明については、アミノオキシ酢酸又はその塩と、カチオン性界面活性剤を含む消臭性柔軟剤であることが好ましく、アミノオキシ酢酸又はその塩と、カチオン性界面活性剤を含む衣類消臭性柔軟剤であることがより好ましい。
【0033】
前記のカチオン性界面活性剤については、下記一般式(2)で表される第3級アミン化合物、及び下記一般式(3)で表される第4級アンモニウムカチオンからなる群より選ばれる1種以上のカチオン性界面活性剤であることが好ましい。
【0034】
【化4】
【0035】
(式中、Rは、炭素数11~23の飽和若しくは不飽和炭化水素基を示しである。Rは、ヒドロキシ基、オキシ基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、フェニル基のいずれかもしくは複数を含んでいてもよい炭素数1~26の有機基である。mは、0~3の整数である。p及びqは、それぞれ独立して、1~3の整数である。rは、0~5の整数である。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
前記の炭素数11~23の飽和若しくは不飽和炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、ウンデシリデン基、ドデシリデン基、トリデシリデン基、テトラデシリデン基、ペンタデシリデン基、ヘキサデシリデン基、ヘプタデシリデン基、オクタデシリデン基、ノナデシリデン基、イコシリデン基、ヘンイコシリデン基、ドコシリデン基、トリコシリデン基、ジエニルウンデシル基、ジエニルドデシル基、ジエニルトリデシル基、ジエニルテトラデシル基、ジエニルペンタデシル基、ジエニルヘキサデシル基、ジエニルヘプタデシル基、ジエニルオクタデシル基、ジエニルノナデシル基、ジエニルイコシル基、ジエニルヘンイコシル基、ジエニルドコシル基、ジエニルトリコシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロノナデシル基、シクロイコシル基、シクロヘンイコシル基、シクロドコシル基、シクロトリコシル基等が挙げられる。
【0036】
としては、特に限定するものではないが、例えば、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、ウンデシリデン基、ドデシリデン基、トリデシリデン基、テトラデシリデン基、ペンタデシリデン基、ヘキサデシリデン基、ヘプタデシリデン基、オクタデシリデン基、ノナデシリデン基、イコシリデン基、ヘンイコシリデン基、ドコシリデン基、トリコシリデン基、ジエニルウンデシル基、ジエニルドデシル基、ジエニルトリデシル基、ジエニルテトラデシル基、ジエニルペンタデシル基、ジエニルヘキサデシル基、ジエニルヘプタデシル基、ジエニルオクタデシル基、ジエニルノナデシル基、ジエニルイコシル基、ジエニルヘンイコシル基、ジエニルドコシル基、ジエニルトリコシル基等が挙げられる。
【0037】
これらのうち、Rについては、消臭効果に優れる点で、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、トリデシリデン基、テトラデシリデン基、ペンタデシリデン基、ヘキサデシリデン基、ヘプタデシリデン基、オクタデシリデン基、ノナデシリデン基、ジエニルトリデシル基、ジエニルテトラデシル基、ジエニルペンタデシル基、ジエニルヘキサデシル基、ジエニルヘプタデシル基、ジエニルオクタデシル基、ジエニルノナデシル基が好ましく、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、テトラデシリデン基、ペンタデシリデン基、ヘキサデシリデン基、ヘプタデシリデン基、オクタデシリデン基、ジエニルテトラデシル基、ジエニルペンタデシル基、ジエニルヘキサデシル基、ジエニルヘプタデシル基、ジエニルオクタデシル基がより好ましく、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ペンタデシリデン基、ヘキサデシリデン基、ヘプタデシリデン基、ジエニルペンタデシル基、ジエニルヘキサデシル基、ジエニルヘプタデシル基がより好ましい。
【0038】
前記のRとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシメチルオキシメチル基、ヒドロキシメチルオキシエチル基、ヒドロキシメチルオキシプロピル基、ヒドロキシエチルオキシメチル基、ヒドロキシエチルオキシエチル基、ヒドロキシエチルオキシプロピル基、ヒドロキシプロピルオキシメチル基、ヒドロキシプロピルオキシエチル基、ヒドロキシプロピルオキシプロピル基、ヒドロキシブチルオキシメチル基、ヒドロキシブチルオキシエチル基、ヒドロキシブチルオキシプロピル基、ヒドロキシペンチルオキシメチル基、ヒドロキシペンチルオキシエチル基、ヒドロキシペンチルオキシプロピル基、ヒドロキシヘキシルオキシメチル基、ヒドロキシヘキシルオキシエチル基、ヒドロキシヘキシルオキシプロピル基、ヒドロキシヘプチルオキシメチル基、ヒドロキシヘプチルオキシエチル基、ヒドロキシヘプチルオキシプロピル基、ヒドロキシオクチルオキシメチル基、ヒドロキシオクチルオキシエチル基、ヒドロキシオクチルオキシプロピル基、ヒドロキシノニルオキシメチル基、ヒドロキシノニルオキシエチル基、ヒドロキシノニルオキシプロピル基、ヒドロキシデシルオキシメチル基、ヒドロキシデシルオキシエチル基、ヒドロキシデシルオキシプロピル基、ヒドロキシウンデシルオキシメチル基、ヒドロキシウンデシルオキシエチル基、ヒドロキシウンデシルオキシプロピル基、ヒドロキシドデシルオキシメチル基、ヒドロキシドデシルオキシエチル基、ヒドロキシドデシルオキシプロピル基、ヒドロキシトリデシルオキシメチル基、ヒドロキシトリデシルオキシエチル基、ヒドロキシトリデシルオキシプロピル基、ヒドロキシテトラデシルオキシメチル基、ヒドロキシテトラデシルオキシエチル基、ヒドロキシテトラデシルオキシプロピル基、ヒドロキシペンタデシルオキシメチル基、ヒドロキシペンタデシルオキシエチル基、ヒドロキシペンタデシルオキシプロピル基、デシルカルボニルオキシエチル基、ウンデシルカルボニルオキシエチル基、ドデシルカルボニルオキシエチル基、トリデシルカルボニルオキシエチル基、テトラデシルカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、オクタデシルカルボニルオキシエチル基、ノナデシルカルボニルオキシエチル基、イコシルカルボニルオキシエチル基、ヘンイコシルカルボニルオキシエチル基、ドコシルカルボニルオキシエチル基、ヘプチルカルボニルオキシエチル基、オクチルカルボニルオキシエチル基、ノニルカルボニルオキシエチル基、デシルカルボニルオキシエチル基、ウンデシルカルボニルオキシエチル基、ドデシルカルボニルオキシエチル基、トリデシルカルボニルオキシエチル基、テトラデシルカルボニルオキシエチル基、ペンタデシルカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、オクタデシルカルボニルオキシエチル基、ノナデシルカルボニルオキシエチル基、イコシルカルボニルオキシエチル基、ヘンイコシルカルボニルオキシエチル基、デシリデンカルボニルオキシエチル基、ウンデシリデンカルボニルオキシエチル基、ドデシリデンカルボニルオキシエチル基、トリデシリデンカルボニルオキシエチル基、テトラデシリデンカルボニルオキシエチル基、ペンタデシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシリデンカルボニルオキシエチル基、オクタデシリデンカルボニルオキシエチル基、ノナデシリデンカルボニルオキシエチル基、イコシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘンイコシリデンカルボニルオキシエチル基、ジエニルデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルウンデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルドデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルトリデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルテトラデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルペンタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルオクタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルノナデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルイコシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘンイコシルカルボニルオキシエチル基、デシルカルボニルオキシイソプロピル基、ウンデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ドデシルカルボニルオキシイソプロピル基、トリデシルカルボニルオキシイソプロピル基、テトラデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ヘキサデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ヘプタデシルカルボニルオキシイソプロピル基、オクタデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ノナデシルカルボニルオキシイソプロピル基、イコシルカルボニルオキシイソプロピル基、ヘンイコシルカルボニルオキシイソプロピル基、ドコシルカルボニルオキシイソプロピル基、ヘプチルカルボニルオキシイソプロピル基、オクチルカルボニルオキシイソプロピル基、ノニルカルボニルオキシイソプロピル基、デシルカルボニルオキシイソプロピル基、ウンデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ドデシルカルボニルオキシイソプロピル基、トリデシルカルボニルオキシイソプロピル基、テトラデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ペンタデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ヘキサデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ヘプタデシルカルボニルオキシイソプロピル基、オクタデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ノナデシルカルボニルオキシイソプロピル基、イコシルカルボニルオキシイソプロピル基、ヘンイコシルカルボニルオキシイソプロピル基、デシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、ウンデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、ドデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、トリデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、テトラデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、ペンタデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、ヘキサデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、ヘプタデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、オクタデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、ノナデシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、イコシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、ヘンイコシリデンカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルウンデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルドデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルトリデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルテトラデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルペンタデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルヘキサデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルヘプタデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルオクタデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルノナデシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルイコシルカルボニルオキシイソプロピル基、ジエニルヘンイコシルカルボニルオキシイソプロピル基、デシルアミドエチル基、ウンデシルアミドエチル基、ドデシルアミドエチル基、トリデシルアミドエチル基、テトラデシルアミドエチル基、ペンタデシルアミドエチル基、ヘキサデシルアミドエチル基、ヘプタデシルアミドエチル基、オクタデシルアミドエチル基、ノナデシルアミドエチル基、イコシルアミドエチル基、ヘンイコシルアミドエチル基、デシルアミドプロピル基、ウンデシルアミドプロピル基、ドデシルアミドプロピル基、トリデシルアミドプロピル基、テトラデシルアミドプロピル基、ペンタデシルアミドプロピル基、ヘキサデシルアミドプロピル基、ヘプタデシルアミドプロピル基、オクタデシルアミドプロピル基、ノナデシルアミドプロピル基、イコシルアミドプロピル基、ヘンイコシルアミドプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシイソプロピル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0039】
これらのうち、Rについては、消臭効果に優れる点で、メチル基、エチル基、プロピル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、トリデシルカルボニルオキシエチル基、テトラデシルカルボニルオキシエチル基、ペンタデシルカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、オクタデシルカルボニルオキシエチル基、ノナデシルカルボニルオキシエチル基、トリデシリデンカルボニルオキシエチル基、テトラデシリデンカルボニルオキシエチル基、ペンタデシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシリデンカルボニルオキシエチル基、オクタデシリデンカルボニルオキシエチル基、ノナデシリデンカルボニルオキシエチル基、ジエニルトリデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルテトラデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルペンタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルオクタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルノナデシルカルボニルオキシエチル基、トリデシルアミドエチル基、テトラデシルアミドエチル基、ペンタデシルアミドエチル基、ヘキサデシルアミドエチル基、ヘプタデシルアミドエチル基、オクタデシルアミドエチル基、ノナデシルアミドエチル基、イコシルアミドエチル基、ヘンイコシルアミドエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が好ましく、メチル基、エチル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、テトラデシルカルボニルオキシエチル基、ペンタデシルカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、オクタデシルカルボニルオキシエチル基、テトラデシリデンカルボニルオキシエチル基、ペンタデシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシリデンカルボニルオキシエチル基、オクタデシリデンカルボニルオキシエチル基、ジエニルテトラデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルペンタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルオクタデシルカルボニルオキシエチル基、ペンタデシルアミドエチル基、ヘキサデシルアミドエチル基、ヘプタデシルアミドエチル基、オクタデシルアミドエチル基、ノナデシルアミドエチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基がより好ましく、メチル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ペンタデシルカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、ペンタデシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘキサデシリデンカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシリデンカルボニルオキシエチル基、ジエニルペンタデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘキサデシルカルボニルオキシエチル基、ジエニルヘプタデシルカルボニルオキシエチル基、ヘプタデシルアミドエチル基、ヒドロキシエチル基がより好ましい。
【0040】
前記の一般式(2)で表される第3級アミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンと脂肪酸組成物又は脂肪酸メチルエステル組成物との縮合反応で得られる化合物等が挙げられる。前記脂肪酸組成物又は脂肪酸メチルエステル組成物のもととなる脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、エライジン酸等が挙げられ、これらから選ばれる2種以上の混合物を用いることが好ましい。
【0041】
前記の一般式(2)で表される第3級アミン化合物としては、より具体的には、下記一般式(a-1-i)、(a-1-ii)、若しくは(a-1-iii)で表される第3級アミン化合物、
【0042】
【化5】
【0043】
〔式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキレン基を示す。Rは、それぞれ独立に、炭素数13以上21以下の飽和炭化水素基及び炭素数13以上21以下の不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の炭化水素基である。〕、
又は下記一般式(a-2)で表される第3級アミン化合物
【0044】
【化6】
【0045】
[式中、R~R11はそれぞれ独立に、炭素数10~26の炭化水素基、-CHCH(Y)OCOR12(Yは水素原子又はCHである。)、炭素数1~4のアルキル基、-CHCH(Y)OH(Yは水素原子又はCHである)であり、R~R11のうちの少なくとも1つは、-CHCH(Y)OCOR12であり、R12は炭素数7~21の炭化水素基でありR13は炭素数1以上3以下のアルキル基である。]
などが、好ましい例として挙げられる。
【0046】
前記一般式(2)で表される第3級アミン化合物の好ましい例としては、ジメチルココアルキルアミン、ビス(水素化牛脂)メチルアミン、ベンジルココ(アルキル)メチルアミン、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]メチルアミン、ステアラミドプロピルメチル-β-ヒドロキシエチルアミン、又はジステアリルメチルアミンなどが挙げられる。
【0047】
前記一般式(3)で表される4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンと脂肪酸組成物又は脂肪酸メチルエステル組成物との縮合反応でアルカノールアミンエステルを製造し、続いてアルキル化剤により4級化反応を行うことで得られる化合物等が挙げられる。前記脂肪酸組成物又は脂肪酸メチルエステル組成物のもととなる脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、エライジン酸等が挙げられ、これらから選ばれる2種以上の混合物を用いることが好ましい。
【0048】
また第4級アンモニウムカチオンは酸と塩を形成していてもよく当該酸塩形成の陰イオンとしては、塩化物イオン等のハロゲン化物イオン、炭素数1~3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数12~18の脂肪酸イオン、又は炭素数1~3のアルキル基が1~3個置換していても良いベンゼンスルホン酸イオンから選ばれる陰イオンが好ましく、炭素数1~3のアルキル硫酸エステルイオンがより好ましく、メチル硫酸エステルイオン、又はエチル硫酸エステルイオンがさらに好ましい。
【0049】
前記一般式(3)で表される4級アンモニウムカチオンとしては、より具体的には、下記一般式(2-1-i)、(2-1-ii)、若しくは(2-1-iii)で表される第4級アンモニウム化合物、
【0050】
【化7】
【0051】
〔式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキレン基を示す。Rは、それぞれ独立に、炭素数13以上21以下の飽和炭化水素基及び炭素数13以上21以下の不飽和炭化水素基から選ばれる1種以上の炭化水素基である。Rは、それぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。X-は、陰イオン基を示す。〕
又は下記一般式(2-2)で表される第4級アンモニウム化合物
【0052】
【化8】
【0053】
[式中、R~R11はそれぞれ独立に、炭素数10~26の炭化水素基、-CHCH(Y)OCOR12(Yは水素原子又はCHである。)、炭素数1~4のアルキル基、-CHCH(Y)OH(Yは水素原子又はCHである)であり、R~R11のうちの少なくとも1つは、-CHCH(Y)OCOR12であり、R12は炭素数7~21の炭化水素基でありR13は炭素数1以上3以下のアルキル基である。]
などが、好ましい例として挙げられる。
【0054】
前記一般式(3)で表される4級アンモニウムカチオンの好ましい例としては、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド{以下、(2-3)と表す}、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド{以下、(2-4)と表す}、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド{以下、(2-5)と表す}、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド{以下、(2-6)と表す}、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン{以下、(2-7)と表す}、又はジステアリルジメチルアンモニウムクロリド{以下、(2-8)と表す}などが挙げられる。
【0055】
本発明の消臭性柔軟剤は、アルデヒド類とケトン類を効率よく捕捉して、消臭する。
【0056】
前記アルデヒド類は、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、又は2-ノネナール等が挙げられる。
【0057】
また、前記ケトン類は、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、又はジアセチル等が挙げられる。
【0058】
すなわち、本発明の消臭性柔軟剤は、上記のアルデヒド類及び/又はケトン類を捕捉することによって、消臭効果を奏する。
【0059】
本発明の消臭性柔軟剤は、目的、用途に応じて任意の形態で使用することができる。例えば、本発明の消臭性柔軟剤をそのまま衣類の洗浄洗剤として投入して使用することもできるし、本発明の消臭性柔軟剤に任意の溶媒等を添加して、液状消臭性柔軟剤として使用することもできるし、本発明の消臭性柔軟剤に任意の液体洗剤、固形洗剤、又は柔軟剤等を添加して消臭性柔軟剤として使用することもできるし、本発明の消臭性柔軟剤を、任意の液体洗剤、固形洗剤、又は柔軟剤等と混ぜ合わせることなく、任意の液体洗剤、固形洗剤、又は柔軟剤等を用いた洗浄処理を行った後、又は洗浄処理を行う前に、消臭性柔軟剤として使用することもできる。
【0060】
前記の液状消臭性柔軟剤を調製する際に前記のカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン類を溶解する溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール等が挙げられる。これらのうち、安価であり且つ人体に対して無害である水が特に好ましい。すなわち、前記の液状消臭性柔軟剤については、前記のカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン類の水溶液であることが好ましい。
【0061】
本発明の消臭性柔軟剤は、単独で用いてもよいし、上記のとおり、目的に応じて既存の洗浄剤又は柔軟剤や、その有効成分と組み合わせて使用してもよい。
【0062】
既存の洗浄剤又は柔軟剤としては、特に限定されないが、例えば、粉末合成洗剤、液体合成洗剤、粉末洗濯用洗剤、液体洗濯用洗剤、柔軟仕上げ剤が挙げられる。
【0063】
既存の洗浄剤又は柔軟剤の有効成分としては、特に限定されないが、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、エステル型ジアルキルアンモニウム塩、アミド型アルキルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0064】
本発明の消臭性柔軟剤は、繊維製品用消臭性柔軟剤、又は衣類消臭性柔軟剤として好適である。前記の繊維用品としては、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックス等)、ポリアミド系繊維(ナイロン等)、ポリエステル系繊維(ポリエステル等)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリル等)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロン等)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル等)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデン等)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタン等)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラール等)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエート等)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレン等)、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイト繊維、岩石繊維(ロックファイバー)、鉱滓繊維(スラッグファイバー)、金属繊維(金糸、銀糸、スチール繊維等)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(綿、木綿、カポック等)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻等)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻等)、ヤシ繊維、イグサ、藁、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、ラクダ毛、アルパカ毛、ビキューナ、アンゴラ等)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート等)等が挙げられる。
【0065】
本発明の消臭性柔軟剤で洗浄する繊維製品としては、特に限定するものではないが、一般的な衣類が例として挙げられ、さらに加齢臭物質やミドル脂臭物質の蓄積が想定されるものとして、特に限定するものではないが、例えば、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、ズボン、スカート、トレーニングウェア、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の衣類や、布団、布団カバー、シーツ、枕、枕カバー、毛布、タオルケット等の寝具が挙げられる。
【0066】
本発明の消臭性柔軟剤を用いて繊維製品等を洗浄する場合、前記の消臭性柔軟剤を含む洗浄液(例えば、前記の液状消臭性柔軟剤)を準備し、当該洗浄液を用いて前記の繊維製品等を洗浄する方法が挙げられ、その具体例としては、例えば以下が挙げられる。
【0067】
手洗い、機械の使用によらず汚れの度合いに応じて前記洗浄液に衣類や寝具等の被洗浄物を浸漬あるいは含漬させる。漬け置きしてもよく、揉む、叩く、撹拌するなど物理的に臭気物質の除去を促進してもよい。
【0068】
前記の洗浄の温度は目的に応じて任意に設定可能だが、5~40℃の範囲が好ましい。
【0069】
前記の洗浄液中のカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン類の濃度としては、処理すべき繊維製品等の種類、状態により好適に選択すればよく、特に限定されないが、洗浄液全体に対して、0.00001重量%以上用いることが好ましい。なお、アルデヒド又はケトンを効率よく捕捉できる点で、0.001~10重量%の範囲が好ましく、0.01~1重量%の範囲がより好ましい。
【0070】
すなわち、前記の消臭性柔軟剤については、前記のカルボキシ基含有O-置換モノヒドロキシルアミン類の濃度が、0.00001重量%以上用いることが好ましく、0.001~10重量%の範囲が好ましく、0.01~1重量%の範囲がより好ましい。
【0071】
なお、本発明の消臭性柔軟剤については、2-2-ノネナールやジアセチルの捕捉・消臭効果が優れ、一般的な洗浄選択での利便性に優れるという点で、アミノオキシ酢酸又はその塩と、前記のカチオン性界面活性剤を含む繊維製品洗濯用のpH10以下の洗剤及び仕上げ柔軟剤であることがより好ましい。
【実施例0072】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
〔試験布作成〕
<2-ノネナール試験布>
2-ノネナール 0.05重量部とエタノール 50重量部を混合して2-ノネナール 0.1重量%溶液を調製した。当該2-ノネナール 0.1重量%溶液 100mgを、ポリエステル生地(10cm×10cm)にマイクロピペットにて添着した後、室温1時間放置して乾燥させ、2-ノネナール試験布を作製した。
<ジアセチル試験布>
ジアセチル 0.05重量部とエタノール 50重量部を混合してジアセチル 0.1重量%溶液を調製した。当該ジアセチル 0.1重量%溶液 50mgを、ポリエステル生地(5cm×5cm)にマイクロピペットにて添着した後、室温1時間放置して乾燥させ、ジアセチル試験布を作製した。
〔洗濯試験方法〕
上記の2-ノネナール試験布、又はジアセチル試験布を小型洗濯機(SY-135、ソウイジャパン株式会社製)に投入し、イオン交換水 5000g、及び下記の実施例又は比較例に示した柔軟剤 2gを添加し、洗濯モードで10分間撹拌した。続いて、脱水を5分間行ったのち、室温1時間放置して乾燥させ、以下に示す試験布の評価を行った。
〔臭気物質の除去率測定〕
<2-ノネナールの除去率測定>
上記の2-ノネナール試験布を小型洗濯機(SY-135、ソウイジャパン株式会社製)に投入し、イオン交換水5000gを添加し、洗濯モードで10分間撹拌した。続いて、脱水を5分間行ったのち、室温1時間放置して乾燥させた。
【0073】
前記の乾燥させた2-ノネナール試験布を5Lテドラーバッグ(登録商標)に封入し、窒素を3L入れたのち、60℃の加熱乾燥機に30分間静置した。SIBATA MINIPUMP MP-Σ30N IIを用い、0.5L/minの流速でプレセップ(登録商標)-C DNPH(Short)にテドラーバッグ中のガス全量を通気させた。再度、窒素3Lを充填し、60℃30分静置し、前記で使用したプレセップ-C DNPH(Short)にテドラーバッグ中のガス全量を通気させた。同様にして、合計6回、抽出ガス 18Lをプレセップ-C DNPH(Short)に通気させた。アセトニトリル 8gを用い前記のプレセップ-C DNPH(Short)中の成分(2-ノネナールとDNPHとの反応生成物)を抽出した。抽出した成分をSHIMADZU Prominenece-i LC-2030 Plus LIQUID CHROMATOGRAPHを用いて測定し、プレセップ-C DNPH(Short)に捕捉された2-ノネナールを定量した。得られた定量値を基準値とした。
【0074】
上記の2-ノネナール試験布を、上記の洗濯試験方法を実施して乾燥させた試験布に変えて同様の測定を行い、プレセップ-C DNPH(Short)に捕捉された2-ノネナールを定量した。得られた定量値を測定値とした。
【0075】
上記の基準値と測定値に基いて、実施例・比較例における2-ノネナール除去率(%)を算出した。計算式は下記の通り。
【0076】
2-ノネナール除去率(%)=(基準値-測定値)÷基準値×100
<ジアセチルの除去率測定>
上記のジアセチル試験布を小型洗濯機(SY-135、ソウイジャパン株式会社製)に投入し、イオン交換水5000gを添加し、洗濯モードで10分間撹拌した。続いて、脱水を5分間行ったのち、室温1時間放置して乾燥させた。
【0077】
前記の乾燥させたジアセチル試験布を5Lテドラーバッグ(登録商標)に封入し、窒素を3L入れたのち、60℃の加熱乾燥機に30分間静置した。SIBATA MINIPUMP MP-Σ30N IIを用い、0.5L/minの流速でプレセップ(登録商標)-C DNPH(Short)にテドラーバッグ中のガス全量を通気させた。再度、窒素3Lを充填し、60℃30分静置し、前記で使用したプレセップ-C DNPH(Short)にテドラーバッグ中のガス全量を通気させた。同様にして、合計6回、抽出ガス 18Lをプレセップ-C DNPH(Short)に通気させた。アセトニトリル 8gを用い前記のプレセップ-C DNPH(Short)中の成分(ジアセチルとDNPHとの反応生成物)を抽出した。抽出した成分をSHIMADZU Prominenece-i LC-2030 Plus LIQUID CHROMATOGRAPHを用いて測定し、プレセップ-C DNPH(Short)に捕捉されたジアセチルを定量した。得られた定量値を基準値とした。
【0078】
上記のジアセチル試験布を、上記の洗濯試験方法を実施して乾燥させた試験布に変えて同様の測定を行い、プレセップ-C DNPH(Short)に捕捉されたジアセチルを定量した。得られた定量値を測定値とした。
【0079】
上記の基準値と測定値に基いて、実施例・比較例におけるジアセチル除去率(%)を算出した。計算式は下記の通り。
【0080】
ジアセチル除去率(%)=(基準値-測定値)÷基準値×100
〔繊維製品に付着した臭気物質の消臭性評価〕
上記の洗濯試験方法を実施して乾燥させた2-ノネナール試験布の臭いを、下記評価基準に従い、官能一対比較にて評価した。評価は専門パネラー5名で行った。専門パネラー5名の平均点に基づき、下記判断基準に従って柔軟性を評価した。
<評価基準>
0点:異臭が全くしない。
1点:異臭がやっと感知できる程度に感じられる。
2点:異臭が弱く感じられる。
3点:異臭がやや強く感じられる。
4点:異臭が強く感じられる。
5点:異臭が強烈に感じられる。
<判断基準>
◎:2.5点未満
○:2.5点~4点未満
△:4点~4.5点未満
×:4.5点以上
〔柔軟性評価〕
上記の洗濯試験方法を実施して乾燥させた2-ノネナール試験布に付与された柔軟性を、下記評価基準に従い、官能一対比較にて評価した。後述する比較例1のイオン交換水のみで洗濯処理して乾燥させた2-ノネナール試験布を対照品として、対照品との柔軟性の差を評価した。評価は専門パネラー5名で行った。専門パネラー5名の平均点に基づき、下記判断基準に従って柔軟性を評価した。結果を表1~3の「柔軟性」欄に示す。
<評価基準>
5点:対照品と比べて非常に柔らかい
4点:対照品と比べてかなり柔らかい
3点:対照品と比べてやや柔らかい
2点:対照品と同等
1点:対照品より柔らかくない
<判断基準>
◎:4.5点以上
○:4点~4.5点未満
△:2.5点~4点未満
×:2.5点未満
〔カチオン性界面活性剤(2-1)の合成〕
特開2019-131943公報の合成例1に従ってカチオン性界面活性剤(2-1)合成した。
【0081】
パルミチン酸 45質量%、ステアリン酸 25質量%、炭素数18で不飽和基を1つ有する脂肪酸 27質量%、炭素数18で不飽和基を2つ有する脂肪酸 3質量%の組成の脂肪酸混合物と、トリエタノールアミンとを、反応モル比1.65/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で、脱水縮合反応させて、N,N-ジアルカノイルオキシエチル-N-ヒドロキシエチルアミンを主成分とする縮合物を得た。
【0082】
次に、この縮合物のアミン価を測定し、該縮合物に対してジメチル硫酸を0.96当量用い、4級化を行ない、N,N-ジアルカノイルオキシエチル-N-ヒドロキシエチル-N-メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とし、エタノールを10質量%含有する第4級アンモニウム塩混合物からなるカチオン性界面活性剤(2-1)を得た。
〔カチオン性界面活性剤(2-2)の合成〕
特開2019-163559公報の合成例1に従ってカチオン性界面活性剤(A1)合成した。
【0083】
ステアリン酸メチル 30質量%とオレイン酸メチル 40質量%とパルミチン酸メチル 30質量%とを含む脂肪酸低級アルキルエステルの混合物 1100g(3.80モル)、トリエタノールアミン 350g(2.35モル)、酸化マグネシウム 0.25g、及び、25%水酸化ナトリウム水溶液 2.89g(エステル交換触媒;モル比(ナトリウム化合物/マグネシウム化合物)=2.94/1、前記脂肪酸低級アルキルエステル及びトリエタノールアミンの総質量に対する触媒使用量:0.07質量%)を、攪拌器、分縮器、冷却器、温度計、及び、窒素導入管を備えた2Lの4つ口フラスコに仕込んだ。窒素置換を行った後、窒素を0.52L/minの流量で流しておいた。1.5℃/minの速度で190℃まで昇温して、6時間反応させた。未反応メチルエステルが1質量%以下であることを確認し、反応を停止した。得られた生成物から触媒由来である脂肪酸塩をろ過除去し、中間体のアルカノールアミンエステルを得た。
【0084】
得られたアルカノールアミンエステル 300g(0.531モル)を、温度計、滴下ロート及び冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、窒素置換した。その後、60℃に加熱し、ジメチル硫酸65.6g(0.520モル)を1時間かけて滴下した。反応熱による急激な温度上昇が無いように少しずつ温度を調節し、ジメチル硫酸滴下終了時点で、90℃に到達させた。そのまま90℃に保ち1.5時間攪拌した。反応終了後、エタノールを滴下しながら冷却しエタノールが15%となる溶液を調製し、カチオン性界面活性剤(2-2)を得た。
【0085】
カチオン性界面活性剤(2-2)は、下記一般式(A1-4)、(A1-5)及び(A1-6)で表される化合物(各式中、Rは炭素数15~17のアルキル基又はアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
【0086】
【化9】
【0087】
実施例1
アミノオキシ酢酸(富士フィルム和光純薬株式会社製の(アミノオキシ)酢酸ヘミ塩酸塩を塩基で脱塩酸したものを用いた。下記表1においては、配合成分1と示した。以下、表2及び3についても同様とした。) 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合して、アミノオキシ酢酸 0.03重量%、及びカチオン性界面活性剤(2-1) 10重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0088】
実施例2
実施例1において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部の代わりに、カチオン性界面活性剤(2-2) 0.20重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、消臭性柔軟剤を調整し、洗濯試験評価を行った。
【0089】
実施例3
実施例1において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部の代わりに、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド(2-3) 0.20重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、消臭性柔軟剤を調整し、洗濯試験評価を行った。
【0090】
実施例4
実施例1において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部の代わりに、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(2-4) 0.20重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、消臭性柔軟剤を調整し、洗濯試験評価を行った。
【0091】
実施例5
実施例1において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部の代わりに、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(2-5) 0.20重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、消臭性柔軟剤を調整し、洗濯試験評価を行った。
【0092】
実施例6
実施例1において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部の代わりに、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド(2-6) 0.20重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、消臭性柔軟剤を調整し、洗濯試験評価を行った。
【0093】
実施例7
実施例1において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部の代わりに、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン(2-7) 0.20重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、消臭性柔軟剤を調整し、洗濯試験評価を行った。
【0094】
実施例8
実施例1において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部の代わりに、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(2-8) 0.20重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って、消臭性柔軟剤を調整し、洗濯試験評価を行った。
【0095】
比較例1
上記の2-ノネナール試験布、又はジアセチル試験布を小型洗濯機(SY-135)に投入し、イオン交換水5000gを添加し、洗濯モードで10分間撹拌した。続いて、脱水を5分間行ったのち、試験布の評価を行った。
【0096】
比較例2
アミノオキシ酢酸 0.0006重量部とイオン交換水2.0重量部を混合して、アミノオキシ酢酸 0.03重量%を含む比較例2組成物を調整した。
【0097】
上記の2-ノネナール試験布、又はジアセチル試験布を小型洗濯機(SY-135)に投入し、イオン交換水5000g、及び前記の比較例2組成物 2gを添加し、洗濯モードで10分間撹拌した。続いて、脱水を5分間行ったのち、試験布の評価を行った。
【0098】
比較例3
上記の2-ノネナール試験布、又はジアセチル試験布を小型洗濯機(SY-135)に投入し、イオン交換水5000g、上記のカチオン性界面活性剤(2-1) 0.20g、及びイオン交換水 1.80gを添加し、洗濯モードで10分間撹拌した。続いて、脱水を5分間行ったのち、試験布の評価を行った。
【0099】
比較例4
比較例3において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20gの代わりに、カチオン性界面活性剤(2-2) 0.20gを用いた以外は比較例3と同様の操作を行って、洗濯試験評価を行った。
【0100】
比較例5
比較例3において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20gの代わりに、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド(2-3) 0.20gを用いた以外は比較例3と同様の操作を行って、洗濯試験評価を行った。
【0101】
比較例6
比較例3において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20gの代わりに、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(2-4) 0.20gを用いた以外は比較例3と同様の操作を行って、洗濯試験評価を行った。
【0102】
比較例7
比較例3において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20gの代わりに、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(2-5) 0.20gを用いた以外は比較例3と同様の操作を行って、洗濯試験評価を行った。
【0103】
比較例8
比較例3において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20gの代わりに、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド(2-6) 0.20gを用いた以外は比較例3と同様の操作を行って、洗濯試験評価を行った。
【0104】
比較例9
比較例3において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20gの代わりに、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン(2-7) 0.20gを用いた以外は比較例3と同様の操作を行って、洗濯試験評価を行った。
【0105】
比較例10
比較例3において、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20gの代わりに、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(2-8) 0.20gを用いた以外は比較例3と同様の操作を行って、洗濯試験評価を行った。
【0106】
【表1】
【0107】
実施例9~16
[洗濯試験方法]における10分間撹拌を30分間撹拌に変更した以外は、実施例1~8と同様の操作を行って、洗濯試験評価を行った。
【0108】
【表2】
【0109】
実施例17
実施例1において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.02重量部と、イオン交換水 1.98重量部を混合して、アミノオキシ酢酸 0.03重量%、及びカチオン性界面活性剤(2-1) 1重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0110】
実施例18
実施例1において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-1) 0.40重量部と、イオン交換水 1.60重量部を混合してカチオン性界面活性剤(2-1) 20重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0111】
実施例19
実施例2において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-2) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-2) 0.02重量部と、イオン交換水 1.98重量部を混合してカチオン性界面活性剤(2-2) 1重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0112】
実施例20
実施例2において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-2) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、カチオン性界面活性剤(2-2) 0.40重量部と、イオン交換水 1.60重量部を混合してカチオン性界面活性剤(2-2) 20重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0113】
実施例21
実施例3において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド(2-3) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド(2-3) 0.02重量部と、イオン交換水 1.98重量部を混合してトリメチルココアルキルアンモニウムクロリド(2-3) 1重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0114】
実施例22
実施例3において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド(2-3) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、トリメチルココアルキルアンモニウムクロリド(2-3) 0.40重量部と、イオン交換水 1.60重量部を混合してトリメチルココアルキルアンモニウムクロリド(2-3) 20重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0115】
実施例23
実施例4において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(2-4) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(2-4) 0.02重量部と、イオン交換水 1.98重量部を混合してビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(2-4) 1重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0116】
実施例24
実施例4において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(2-4) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(2-4) 0.40重量部と、イオン交換水 1.60重量部を混合してビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(2-4) 20重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0117】
実施例25
実施例5において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(2-5) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(2-5) 0.02重量部と、イオン交換水 1.98重量部を混合してベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(2-5) 1重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0118】
実施例26
実施例5において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(2-5) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(2-5) 0.40重量部と、イオン交換水 1.60重量部を混合してベンジルココ(アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(2-5) 20重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0119】
実施例27
実施例6において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド(2-6) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド(2-6) 0.02重量部と、イオン交換水 1.98重量部を混合してビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド(2-6) 1重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0120】
実施例28
実施例6において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド(2-6) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド(2-6) 0.40重量部と、イオン交換水 1.60重量部を混合してビス[2-(ステアロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウム=クロリド(2-6) 20重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0121】
実施例29
実施例7において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン(2-7) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン(2-7) 0.02重量部と、イオン交換水 1.98重量部を混合してステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン(2-7) 1重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0122】
実施例30
実施例7において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン(2-7) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン(2-7) 0.40重量部と、イオン交換水 1.60重量部を混合してステアラミドプロピルジメチル-β-ヒドロキシエチルアンモニウムエン(2-7) 20重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0123】
実施例31
実施例8において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(2-8) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(2-8) 0.02重量部と、イオン交換水 1.98重量部を混合してジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(2-8) 1重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0124】
実施例32
実施例8において、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(2-8) 0.20重量部と、イオン交換水 1.80重量部を混合する代わりに、アミノオキシ酢酸 0.0006重量部と、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(2-8) 0.40重量部と、イオン交換水 1.60重量部を混合してジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(2-8) 20重量%を含む消臭性柔軟剤を調整した。当該消臭性柔軟剤を用いて、上記の[洗濯試験方法]に従って洗濯試験評価を行った。
【0125】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明の消臭性柔軟剤は、一般的な洗濯・洗浄操作によって消臭・除去困難なアルデヒド類とケトン酸類を速やかに捕捉して消臭・除去することができる。その結果、アルデヒド類とケトン類に由来する臭気を低減し、ヒトの生活環境を改善することができる。