IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社荏原製作所の特許一覧

<>
  • 特開-ガス溶解液供給装置 図1
  • 特開-ガス溶解液供給装置 図2
  • 特開-ガス溶解液供給装置 図3
  • 特開-ガス溶解液供給装置 図4
  • 特開-ガス溶解液供給装置 図5
  • 特開-ガス溶解液供給装置 図6
  • 特開-ガス溶解液供給装置 図7
  • 特開-ガス溶解液供給装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035532
(43)【公開日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ガス溶解液供給装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 21/00 20220101AFI20240307BHJP
   B01F 23/231 20220101ALI20240307BHJP
   B01D 19/00 20060101ALI20240307BHJP
   C01B 13/10 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B01F21/00
B01F23/231
B01D19/00 101
B01D19/00 B
C01B13/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140048
(22)【出願日】2022-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】小澤 卓
(72)【発明者】
【氏名】荒木 裕二
(72)【発明者】
【氏名】中川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 敏史
(72)【発明者】
【氏名】木村 梨沙
(72)【発明者】
【氏名】加藤 竜汰
【テーマコード(参考)】
4D011
4G035
4G042
【Fターム(参考)】
4D011AA01
4D011AA16
4D011AD01
4D011AD03
4G035AA01
4G035AB04
4G042CE01
(57)【要約】
【課題】 ユースポイントに提供されるガス溶解液が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することのできるガス溶解液供給装置を提供する。
【解決手段】 ガス溶解液供給装置1は、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解部4と、生成された第1ガス溶解液が溜められ、第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する第1気液分離器10と、第1気液分離器10で生成された第2ガス溶解液を減圧する減圧器17と、減圧された第2ガス溶解液が溜められ、第2ガス溶解液から気液分離された第3ガス溶解液を生成する第2気液分離器12を備える。第3ガス溶解液がユースポイントに供給される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解部と、
生成された前記第1ガス溶解液が溜められ、前記第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する第1気液分離器と、
前記第1気液分離器で生成された第2ガス溶解液を減圧する減圧器と、
減圧された前記第2ガス溶解液が溜められ、前記第2ガス溶解液から気液分離された第3ガス溶解液を生成する第2気液分離器と、
を備え、
前記第3ガス溶解液がユースポイントに供給される、ことを特徴とするガス溶解液供給装置。
【請求項2】
前記ガス溶解部に供給される前記原料液体を昇圧する第1昇圧器を備える、請求項1に記載のガス溶解液供給装置。
【請求項3】
前記ユースポイントに供給される前記第3ガス溶解液を昇圧する第2昇圧器を備える、請求項1に記載のガス溶解液供給装置。
【請求項4】
原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解部と、
生成された前記第1ガス溶解液を減圧する減圧器と、
減圧された前記第1ガス溶解液が溜められ、前記第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する気液分離器と、
を備え、
前記第2ガス溶解液がユースポイントに供給される、ことを特徴とするガス溶解液供給装置。
【請求項5】
前記ガス溶解部に供給される前記原料液体を昇圧する第1昇圧器を備える、請求項4に記載のガス溶解液供給装置。
【請求項6】
前記ユースポイントに供給される前記第2ガス溶解液を昇圧する第2昇圧器を備える、請求項4に記載のガス溶解液供給装置。
【請求項7】
前記原料ガスは、第1原料ガスと第2原料ガスとが混合されたものであり、
前記第1原料ガスの分圧より前記第2原料ガスの分圧のほうが高く、かつ、前記第1原料ガスの溶解度より前記第2原料ガスの溶解度のほうが高い、請求項1~請求項6のいずれかに記載のガス溶解液供給装置。
【請求項8】
ガス溶解液供給装置を用いて実行される方法であって、
原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解ステップと、
生成された前記第1ガス溶解液が溜められ、前記第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する第1気液分離ステップと、
前記第1気液分離ステップで生成された第2ガス溶解液を減圧する減圧ステップと、
減圧された前記第2ガス溶解液が溜められ、前記第2ガス溶解液から気液分離された第3ガス溶解液を生成する第2気液分離ステップと、
前記第2気液分離ステップで生成された前記第3ガス溶解液をユースポイントに供給する供給ステップと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
ガス溶解液供給装置を用いて実行される方法であって、
原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解ステップと、
生成された前記第1ガス溶解液を減圧する減圧ステップと、
減圧された前記第1ガス溶解液が溜められ、前記第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する気液分離ステップと、
前記気液分離ステップで生成された前記第2ガス溶解液をユースポイントに供給する供給ステップと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス溶解液を供給するガス溶解液供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイス工場や液晶などの電子部品製造工場における製品の洗浄は、製造プロセスの複雑化、回路パターンの微細化に伴なってますます高度化している。例えば、機能水に高純度ガスまたは高純度ガスと薬品を溶解した特殊な液体を使用して、シリコンウエハに付着した微粒子、金属、有機物などを除去している。
【0003】
機能水としては、例えばオゾン水が用いられ、オゾン水は、オゾン水製造装置を用いて、原料液体である純水に原料ガスであるオゾンガス(オゾンと酸素の混合ガス)を溶解させることによって製造される(例えば、特許文献1参照)。超純水に溶解させたオゾンは、低い濃度(数ppm)でも酸化力が非常に強いため、有機物や金属の除去を行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6826437号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のとおり、オゾンガスは、オゾンと酸素が混合されたガスであり、どのような生成方法を用いても最高オゾンガス濃度は20vol%程度であり、残りの80vol%は酸素である。そのため、オゾンガスを純水に溶解させたオゾン水では、オゾンより酸素のほうがより過飽和に溶解している。オゾン水の圧力が低下した場合には、過飽和に溶解したガスが気泡として発生する。例えば、オゾン水が供給されるユースポイント(洗浄装置)でウエハを洗浄する際、オゾン水がウエハ上に吐出されるときに、オゾン水の圧力が大気圧以下まで低下し、過飽和に溶解したガスの気泡が発生するという懸念がある。特に、オゾン水が高濃度である場合には、過飽和に溶解したガスの気泡が発生しやすい。そのため、ユースポイントでの使用時に気泡の発生を抑制する技術の開発が求められていた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、ユースポイントに提供されるガス溶解液が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することのできるガス溶解液供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のガス溶解液供給装置は、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解部と、生成された前記第1ガス溶解液が溜められ、前記第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する第1気液分離器と、前記第1気液分離器で生成された第2ガス溶解液を減圧する減圧器と、減圧された前記第2ガス溶解液が溜められ、前記第2ガス溶解液から気液分離された第3ガス溶解液を生成する第2気液分離器と、を備え、前記第3ガス溶解液がユースポイントに供給される。
【0008】
この構成によれば、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液が生成されると、生成された第1ガス溶解液が第1気液分離器に溜められて、第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液が生成される。そして、第2ガス溶解液が減圧器で減圧され、減圧された第2ガス溶解液が第2気液分離器に溜められて、第2ガス溶解液から気液分離された第3ガス溶解液が生成され、ユースポイントに供給される。このように、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントに供給されるガス溶解液(第3ガス溶解液)が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0009】
また、本発明のガス溶解液供給装置は、前記ガス溶解部に供給される前記原料液体を昇圧する第1昇圧器を備えてもよい。
【0010】
この構成によれば、ガス溶解部に供給される原料液体の圧力を高くすることができるので、ガス溶解部で高濃度の第1ガス溶解液を生成することができ、その結果、高濃度の第3ガス溶解液を生成することができる。
【0011】
また、本発明のガス溶解液供給装置は、前記ユースポイントに供給される前記第3ガス溶解液を昇圧する第2昇圧器を備えてもよい。
【0012】
この構成によれば、ユースポイントに供給される第3ガス溶解液の圧力を、ユースポイントで必要とされる圧力まで上げることができる。
【0013】
本発明のガス溶解液供給装置は、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解部と、生成された前記第1ガス溶解液を減圧する減圧器と、減圧された前記第1ガス溶解液が溜められ、前記第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する気液分離器と、を備え、前記第2ガス溶解液がユースポイントに供給される。
【0014】
この構成によれば、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液が生成されると、生成された第1ガス溶解液が減圧器で減圧され、減圧された第1ガス溶解液が気液分離器に溜められて、第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液が生成され、ユースポイントに供給される。このように、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントに供給されるガス溶解液(第2ガス溶解液)が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0015】
また、本発明のガス溶解液供給装置は、前記ガス溶解部に供給される前記原料液体を昇圧する第1昇圧器を備えてもよい。
【0016】
この構成によれば、ガス溶解部に供給される原料液体の圧力を高くすることができるので、ガス溶解部で高濃度の第1ガス溶解液を生成することができ、その結果、高濃度の第2ガス溶解液を生成することができる。
【0017】
また、本発明のガス溶解液供給装置は、前記ユースポイントに供給される前記第2ガス溶解液を昇圧する第2昇圧器を備えてもよい。
【0018】
この構成によれば、ユースポイントに供給される第2ガス溶解液の圧力を、ユースポイントで必要とされる圧力まで上げることができる。
【0019】
また、本発明のガス溶解液供給装置では、前記原料ガスは、第1原料ガスと第2原料ガスとが混合されたものであり、前記第1原料ガスの分圧より前記第2原料ガスの分圧のほうが高く、かつ、前記第1原料ガスの溶解度より前記第2原料ガスの溶解度のほうが高くてもよい。
【0020】
この構成によれば、第1原料ガス(例えば、オゾン)の分圧(例えば、全ガス圧P×0.15)より第2原料ガス(例えば、酸素)の分圧(例えば、全ガス圧P×0.85)のほうが高く、かつ、第1原料ガスの溶解度(20度において20mg/L)より第2原料ガスの溶解度(20度において45mg/L)のほうが高いので、第1原料ガスより第2原料ガスのほうが原料液体中に過飽和に溶解しやすい。すなわち、第2原料ガスの気泡が発生しやすい。この場合、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体(第2原料ガス)が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0021】
本発明の方法は、ガス溶解液供給装置を用いて実行される方法であって、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解ステップと、生成された前記第1ガス溶解液が溜められ、前記第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する第1気液分離ステップと、前記第1気液分離ステップで生成された第2ガス溶解液を減圧する減圧ステップと、減圧された前記第2ガス溶解液が溜められ、前記第2ガス溶解液から気液分離された第3ガス溶解液を生成する第2気液分離ステップと、前記第2気液分離ステップで生成された前記第3ガス溶解液をユースポイントに供給する供給ステップと、を含んでいる。
【0022】
この方法によっても、上記の装置と同様に、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液が生成されると、生成された第1ガス溶解液が第1気液分離器に溜められて、第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液が生成される。そして、第2ガス溶解液が減圧器で減圧され、減圧された第2ガス溶解液が第2気液分離器に溜められて、第2ガス溶解液から気液分離された第3ガス溶解液が生成され、ユースポイントに供給される。このように、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントに供給されるガス溶解液(第3ガス溶解液)が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0023】
本発明の方法は、ガス溶解液供給装置を用いて実行される方法であって、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液を生成するガス溶解ステップと、生成された前記第1ガス溶解液を減圧する減圧ステップと、減圧された前記第1ガス溶解液が溜められ、前記第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液を生成する気液分離ステップと、前記気液分離ステップで生成された前記第2ガス溶解液をユースポイントに供給する供給ステップと、を含んでいる。
【0024】
この方法によっても、上記の装置と同様に、原料液体に原料ガスを溶解させて第1ガス溶解液が生成されると、生成された第1ガス溶解液が減圧器で減圧され、減圧された第1ガス溶解液が気液分離器に溜められて、第1ガス溶解液から気液分離された第2ガス溶解液が生成され、ユースポイントに供給される。このように、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントに供給されるガス溶解液(第2ガス溶解液)が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユースポイントに提供されるガス溶解液が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるガス溶解液供給装置の構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施の形態における第2気液分離器の構成を示す図である。
図3】本発明の第2の実施の形態におけるガス溶解液供給装置の構成を示す図である。
図4】本発明の第3の実施の形態におけるガス溶解液供給装置の構成を示す図である。
図5】本発明のガス溶解液供給装置の変形例1の構成を示す図である。
図6】本発明のガス溶解液供給装置の変形例2の構成を示す図である。
図7】本発明のガス溶解液供給装置の変形例3の構成を示す図である。
図8】第2気液分離器の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態のガス溶解液供給装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、ウエハの洗浄装置にオゾン水を供給するオゾン水供給装置の場合を例示する。
【0028】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のオゾン水供給装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のオゾン水供給装置の構成を示す図である。図1に示すように、オゾン水供給装置1は、オゾン水の原料となるオゾンガスが供給される原料ガス供給ライン2と、オゾン水の原料となる純水(DIW)が供給される原料液体供給ライン3を備えている。
【0029】
オゾンガスは、オゾンと酸素とが混合されたものであり、本実施の形態では、オゾンの分圧(例えば、全ガス圧P×0.15)より酸素の分圧(例えば、全ガス圧P×0.85)のほうが高く、かつ、オゾンの溶解度(20度において20mg/L)より酸素の溶解度(20度において45mg/L)ののほうが高い。
【0030】
図1に示すように、原料ガス供給ライン2と原料液体供給ライン3は、純水にオゾンガスを溶解させてオゾン水(ここでは「第1オゾン水」ともいう)を生成するガス溶解ノズル4に接続されている。ガス溶解ノズル4では、高圧力の純水に高圧力のオゾンガスを溶解させることにより、高濃度のオゾン水を生成することができる。なお、ガス溶解ノズル4は、本発明のガス溶解部に相当する。
【0031】
また、原料液体供給ライン3には、純水の供給をオン・オフするための第1バルブ5と、供給される純水の圧力(国や地域によって異なる。供給される純水の圧力が非常に高い場合がある)を所定の基準以下に減圧する第1減圧弁6と、ガス溶解ノズル4に供給される純水を昇圧する第1ポンプ7と、昇圧後の純水の流量を測定する第1流量計8と、昇圧後の純水の供給をオン・オフするための第2バルブ9が設けられている。なお、第1ポンプ7は、本発明の第1昇圧器に相当する。また、減圧弁は、供給される純水の圧力がもともと基準以下である場合には、不要である。
【0032】
オゾン水供給装置1は、ガス溶解ノズル4で生成された第1オゾン水を第1気液分離タンク10に供給する第1オゾン水供給ライン11を備えている。第1気液分離タンク10には、ガス溶解ノズル4で生成された第1オゾン水が溜められ、第1オゾン水から気液分離されたオゾン水(ここでは「第2オゾン水」ともいう)が生成される。本実施の形態では、ガス溶解ノズル4に供給される純水の圧力が第1ポンプ7によって昇圧されることで、第1気液分離タンク10内の圧力が、高い圧力(例えば0.30MPa)に保たれている。なお、第1気液分離タンク10は、本発明の第1気液分離器に相当する。
【0033】
また、オゾン水供給装置1は、第1気液分離タンク10で生成された第2オゾン水を第2気液分離タンク12に供給する第2オゾン水供給ライン13と、第1気液分離タンク10で気液分離された気体を第2気液分離タンク12に送出する気体送出ライン14を備えている。第2オゾン水供給ライン13には、第2オゾン水の流量を測定する第2流量計15と、第2オゾン水の圧力を測定する第1圧力計16と、第1気液分離タンク10で生成された第2オゾン水を減圧する第2減圧弁17が設けられている。気体送出ライン14には、第2気液分離タンク12に送出する気体の圧力を調整する第1圧力調整弁18が設けられている。なお、第2気液分離タンク12は、本発明の第2気液分離器に相当し、第2減圧弁17は、本発明の減圧器に相当する。
【0034】
第2気液分離タンク12には、第2減圧弁17で減圧された第2オゾン水が溜められ、第2オゾン水から気液分離されたオゾン水(ここでは「第3オゾン水」ともいう)が生成される。本実施の形態では、第2気液分離タンク12に供給される第2オゾン水の圧力が第2減圧弁17によって減圧されることで、第2気液分離タンク12内の圧力が、低い圧力(例えば0.10MPa)に保たれている。なお、第2気液分離タンク12は、本発明の第2気液分離器に相当する。
【0035】
また、オゾン水供給装置1は、第2気液分離タンク12で気液分離された気体を排気するための排気ライン19を備えている。排気ライン19には、オゾンガスを分解して無害化するオゾンガス分解触媒20と、第2気液分離タンク12の圧力を調整する第2圧力調整弁21が設けられている。
【0036】
また、オゾン水供給装置1は、第2気液分離タンク12で生成された第3オゾン水を洗浄装置UP(ユースポイント)に供給する第3オゾン水供給ライン22を備えている。第3オゾン水供給ライン22には、洗浄装置UPに供給される第3オゾン水を昇圧する第2ポンプ23と、洗浄装置UPに供給される第3オゾン水の流量を測定する第3流量計24と、洗浄装置UPに供給される第3オゾン水の圧力を測定する第2圧力計25と、洗浄装置UPに供給される第3オゾン水の供給をオン・オフするための第3バルブ26が設けられている。
【0037】
また、オゾン水供給装置1は、原料液体供給ライン3と第3オゾン水供給ライン22からそれぞれ分岐して、ガス溶解ノズル4に供給される純水と洗浄装置UPに供給される第3オゾン水をドレンから排水するための排水ライン27を備えている。排水ライン27には、原料液体供給ライン3と第3オゾン水供給ライン22に接続される切替えバルブ28と、ドレンから排水する液体のオゾン濃度を測定する濃度計29と、ドレンから排水する液体の流量を測定する第4流量計30が設けられている。この場合、切替えバルブ28を切り替えることによって、ガス溶解ノズル4に供給される純水と洗浄装置UPに供給される第3オゾン水のいずれか一方をドレンから排水することができる。
【0038】
ここで、図2を参照して、第2気液分離タンク12の構成について説明する。但し、第2気液分離タンク12の構成は、これに限られるものではなく、例えば、第1気液分離タンク10と同様の構成であってもよい。
【0039】
図2は、第2気液分離タンク12の構成を示す図である。図2に示すように、第2気液分離タンク12は、第2オゾン水供給ライン13から供給された第2オゾン水が溜められるタンク本体100と、タンク本体100の下部に配置され第2オゾン水供給ライン13から供給される第2オゾン水が流入する流入口101と、タンク本体100の下部に配置され第2気液分離タンク12で生成された第3オゾン水が送出される送出口102を備えている。流入口101には、タンク本体100の上下方向に延びる細長い筒状の導入菅103が接続されており、導入菅103の先端(上端)には、タンク本体100の液面より少し下の位置で横向き(水平方向)に開口する開口104が設けられている。
【0040】
第2オゾン水が第2減圧弁17で減圧されて第2気液分離タンク12に供給されると、第2オゾン水の中に過飽和に溶解していた気体(酸素)が気泡として発生する。このとき、気泡が開口104から横向き(水平方向)に出されるため、気泡がタンク本体100の下部から(液面よりかなり下の位置から)上向きに出される場合に比べて、静かに気泡を発生させることができる。
【0041】
図8は、第2気液分離タンクの他の例の構成を示す図である。図8の第2気液分離タンク120は、タンク本体100の下部に配置される(第2オゾン水供給ライン13から供給される第2オゾン水が流入する)流入口101と、タンク本体100の下部に配置される(第2気液分離タンク12で生成された第3オゾン水が送出される)送出口102と、流入口101と送出口102との間にタンク本体100内を仕切るように液面より少し下の位置まで配置される仕切り板121が設けられている。この場合、流入口101側の仕切られた領域で、第2オゾン水から気泡が発生し液面に向け上昇していくため、送出口102から送出される第3オゾン水に気泡が混ざることを抑制することができる。
【0042】
このような第1の実施の形態のオゾン水供給装置1によれば、ガス溶解ノズル4で純水にオゾンガスを溶解させて第1オゾン水が生成されると、生成された第1オゾン水が第1気液分離タンク10に溜められて、第1オゾン水から気液分離された第2オゾン水が生成される。そして、第1気液分離タンク10で生成された第2オゾン水が第2減圧弁17で減圧され、減圧された第2オゾン水が第2気液分離タンク12に溜められる。このとき、過飽和に溶解していた気体(オゾン)が気泡として発生して除去される。そして、第2オゾン水から気液分離された第3オゾン水がユースポイントに供給される。このように、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントに供給されるオゾン水(第3オゾン水)が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、第1ポンプ7によって、ガス溶解ノズル4に供給される純水の圧力を高くすることができるので、ガス溶解ノズル4で高濃度の第1オゾン水を生成することができ、その結果、高濃度の第3オゾン水を生成することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、第2ポンプ23によって、ユースポイントに供給される第3オゾン水の圧力を、ユースポイントで必要とされる圧力まで上げることができる。
【0045】
また、本実施の形態では、オゾンの分圧(例えば、全ガス圧P×0.15)より、酸素の分圧(例えば、全ガス圧P×0.85)のほうが高く、かつ、オゾンの溶解度(20度において20mg/L)より酸素の溶解度(20度において45mg/L)のほうが高いので、オゾンより酸素のほうが純水中に過飽和に溶解しやすい。すなわち、酸素の気泡が発生しやすい。この場合、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体(酸素)が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態のオゾン水供給装置について説明する。ここでは、第2の実施の形態のオゾン水供給装置が、第1の実施の形態と相違する点を中心に説明する。ここで特に言及しない限り、本実施の形態の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0047】
図3は、本実施の形態のオゾン水供給装置の構成を示す図である。図3に示すように、本実施の形態のオゾン水供給装置200は、第1の気液分離タンクを備えていない。この場合、第2気液分離タンク12が、本発明の気液分離器に相当する。また、本実施の形態では、原料液体供給ライン3に、供給される純水の流量を測定する第5流量計201が設けられている。
【0048】
また、本実施の形態のオゾン水供給装置200は、ガス溶解ノズル4で生成された第1オゾン水を第2気液分離タンク12に供給する第4オゾン水供給ライン202を備えている。そして、第4オゾン水供給ライン202には、ガス溶解ノズル4で生成された第1オゾン水の圧力を圧力損失によって低下させるガス溶解ノズル203が設けられている。この場合、圧力損失によって圧力を低下させるガス溶解ノズル203が、本発明の減圧器に相当する。
【0049】
このような第2の実施の形態のオゾン水供給装置200によっても、第1の実施の形態と同様の作用効果が奏される。
【0050】
すなわち、ガス溶解ノズル4で純水にオゾンガスを溶解させて第1オゾン水が生成されると、生成された第1オゾン水がガス溶解ノズル203で減圧され、減圧された第1オゾン水が第2気液分離タンク12に溜められる。このとき、過飽和に溶解していた気体(オゾン)が気泡として発生して除去される。そして、第1オゾン水から気液分離されたオゾン水(ここでは「第4オゾン水」ともいう。第1の実施の形態の第3オゾン水に相当する)がユースポイントに供給される。このように、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントに供給されるオゾン水(第4オゾン水)が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、第1ポンプ7によって、ガス溶解ノズル4に供給される純水の圧力を高くすることができるので、ガス溶解ノズル4で高濃度の第1オゾン水を生成することができ、その結果、高濃度の第4オゾン水を生成することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、第2ポンプ23によって、ユースポイントに供給される第4オゾン水の圧力を、ユースポイントで必要とされる圧力まで上げることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、オゾンの分圧(例えば、全ガス圧P×0.15)より酸素の分圧(例えば、全ガス圧P×0.85)のほうが高く、かつ、オゾンの溶解度(20度において20mg/L)より酸素の溶解度(20度において45mg/L)のほうが高いので、オゾンより酸素のほうが純水中に過飽和に溶解しやすい。すなわち、酸素の気泡が発生しやすい。この場合、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体(酸素)が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態のオゾン水供給装置について説明する。ここでは、第3の実施の形態のオゾン水供給装置が、第2の実施の形態と相違する点を中心に説明する。ここで特に言及しない限り、本実施の形態の構成および動作は、第2の実施の形態と同様である。
【0055】
図4は、本実施の形態のオゾン水供給装置の構成を示す図である。図4に示すように、本実施の形態のオゾン水供給装置300では、純水にオゾンガスを溶解させて第1オゾン水を生成するために、ガス溶解ノズル4の代わりに、溶解膜301が用いられる。この場合、溶解膜301が、本発明のガス溶解部に相当する。また、本実施の形態では、原料液体供給ライン3に、供給される純水の圧力を測定する第3圧力計302が設けられている。
【0056】
また、本実施の形態のオゾン水供給装置300は、溶解膜301で生成された第1オゾン水を第2気液分離タンク12に供給する第5オゾン水供給ライン303を備えている。そして、第5オゾン水供給ライン303には、溶解膜301で生成された第1オゾン水を減圧する第3減圧弁304が設けられている。この場合、第3減圧弁304が、本発明の減圧器に相当する。
【0057】
このような第3の実施の形態のオゾン水供給装置300によっても、第2の実施の形態と同様の作用効果が奏される。
【0058】
すなわち、溶解膜301で純水にオゾンガスを溶解させて第1オゾン水が生成されると、生成された第1オゾン水が第3減圧弁304で減圧され、減圧された第1オゾン水が第2気液分離タンク12に溜められる。このとき、過飽和に溶解していた気体(オゾン)が気泡として発生して除去される。そして、第1オゾン水から気液分離されたオゾン水(ここでは「第5オゾン水」ともいう。第1の実施の形態の第3オゾン水に相当する)がユースポイントに供給される。このように、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントに供給されるオゾン水(第5オゾン水)が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、第1ポンプ7によって、溶解膜301に供給される純水の圧力を高くすることができるので、溶解膜301で高濃度の第1オゾン水を生成することができ、その結果、高濃度の第5オゾン水を生成することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、第2ポンプ23によって、ユースポイントに供給される第5オゾン水の圧力を、ユースポイントで必要とされる圧力まで上げることができる。
【0061】
また、本実施の形態では、オゾンの分圧(例えば、全ガス圧P×0.15)より酸素の分圧(例えば、全ガス圧P×0.85)のほうが高く、かつ、オゾンの溶解度(20度において20mg/L)より酸素の溶解度(20度において45mg/L)のほうが高いので、オゾンより酸素のほうが純水中に過飽和に溶解しやすい。すなわち、酸素の気泡が発生しやすい。この場合、減圧後の気液分離により、過飽和に溶解していた気体(酸素)が気泡として発生して除去されるので、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができる。
【0062】
以上では、オゾン水供給装置が、ユースポイントまでオゾン水を供給するだけのワンウェイ式である場合について説明したが、オゾン水供給装置は、ユースポイントまで供給したオゾン水が循環して戻される循環式であってもよい。以下、循環式のオゾン水供給装置の例(変形例)を説明する。
【0063】
(変形例1)
図5は、循環式のオゾン水供給装置の変形例1の構成を示す図である。図5に示すように、この変形例1のオゾン水供給装置400は、ユースポイントの洗浄装置UPからオゾン水供給装置400へ未使用のオゾン水を循環して戻すための第1循環ライン401と、第1循環ライン401に接続される第3気液分離タンク402を備えている。なお、この変形例1では、第1ポンプ7および第2ポンプ23として、空気駆動式のポンプが用いられる。
【0064】
第1循環ライン401には、第3気液分離タンク402へ戻されるオゾン水の供給をオン・オフするための第4バルブ403と、第3気液分離タンク402へ戻されるオゾン水を減圧するための第4減圧弁404が設けられている。
【0065】
第3気液分離タンク402で気液分離されたオゾン水は、第6オゾン水供給ライン405を介して、原料液体供給ライン3に供給される。第6オゾン水供給ライン405には、原料液体供給ライン3に戻されるオゾン水の供給をオン・オフするための第5バルブ406が設けられている。また、原料液体供給ライン3には、第1ポンプ7への純水の供給をオン・オフするための第6バルブ407が設けられている。
【0066】
また、この変形例1では、第2気液分離タンク12からの排気ライン19が第1循環ライン401に接続されており、排気ライン19には、第1循環ライン401に排出する気体の圧力を調整する第3圧力調整弁408が設けられている。
【0067】
さらに、この変形例1のオゾン水供給装置400は、第3気液分離タンク402で気液分離された気体を排気するための第2排気ライン409を備えている。第2排気ライン409には、オゾンガスを分解して無害化する第2オゾンガス分解触媒410と、無害化された気体の圧力を大気圧と同程度の圧力に調整する第4圧力調整弁411が設けられている。
【0068】
(変形例2)
図6は、循環式のオゾン水供給装置の変形例2の構成を示す図である。図6に示すように、この変形例2のオゾン水供給装置500は、ユースポイントの洗浄装置UPからオゾン水供給装置500へ未使用のオゾン水を循環して戻すための第2循環ライン501を備えている。なお、この変形例2では、第1ポンプ7として、遠心ポンプが用いられ、第2ポンプ23として、空気駆動式のポンプが用いられる。
【0069】
この変形例2では、第2循環ライン501が第2気液分離タンク12に接続されている。そして、第2循環ライン501には、第2気液分離タンク12へ戻されるオゾン水の供給をオン・オフするための第7バルブ502と、第2気液分離タンク12へ戻されるオゾン水を減圧するための第5減圧弁503が設けられている。
【0070】
(変形例3)
図7は、循環式のオゾン水供給装置の変形例3の構成を示す図である。図7に示すように、この変形例3のオゾン水供給装置600は、ユースポイントの洗浄装置UPからオゾン水供給装置600へ未使用のオゾン水を循環して戻すための第3循環ライン601を備えている。なお、この変形例3では、第2ポンプ23として、空気駆動式のポンプが用いられる。
【0071】
この変形例3では、第3循環ライン601が第2気液分離タンク12に接続されている。そして、第3循環ライン601には、第2気液分離タンク12へ戻されるオゾン水の供給をオン・オフするための第8バルブ602と、第2気液分離タンク12へ戻されるオゾン水を減圧するための第6減圧弁603が設けられている。
【0072】
また、この変形例3では、2つの溶解膜(第2溶解膜604と第3溶解膜605)が用いられる。第2溶解膜604には、原料ガス供給ライン2と原料液体供給ライン3が接続される。原料液体供給ライン3には、第2溶解膜604に供給される純水の圧力を測定する第4圧力計606と、第2溶解膜604への純水の供給をオン・オフするための第9バルブ607が設けられている。
【0073】
変形例3のオゾン水供給装置600は、第2溶解膜604で生成された第1オゾン水を第2気液分離タンク12に供給する第7オゾン水供給ライン608を備えている。そして、第5オゾン水供給ライン303には、第2溶解膜604で生成された第1オゾン水を減圧する第7減圧弁609が設けられている。
【0074】
また、変形例3のオゾン水供給装置600は、第2溶解膜604から排出された気体を排気するための第3排気ライン610を備えている。第3排気ライン610には、第2溶解膜604から排出された気体を分解して無害化する第3オゾンガス分解触媒611と、第2溶解膜604の水圧よりも低い圧力にオゾンガスの圧力を調整する第5圧力調整弁612が設けられている。
【0075】
また、変形例3のオゾン水供給装置600は、第2気液分離タンク12で生成されたオゾン水を第3溶解膜605に供給する第8オゾン水供給ライン613を備えている。第8オゾン水供給ライン613には、第3溶解膜605に供給されるオゾン水の圧力を測定する第5圧力計614と、第3溶解膜605へのオゾン水の供給をオン・オフするための第10バルブ615が設けられている。
【0076】
第3溶解膜605には、原料ガス(オゾンガス)を供給する第2原料ガス供給ライン616が接続されており、第3溶解膜605で生成されたオゾン水は、ユースポイントの洗浄装置UPに供給される。また、変形例3のオゾン水供給装置600は、第3溶解膜605から排出された気体を第3循環ライン601に排出するための第4排気ライン617を備えている。第4排気ライン617には、第3循環ライン601に排出する気体の圧力を調整する第6圧力調整弁618が設けられている。
【0077】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0078】
例えば、以上の説明では、純水にオゾンガスを溶解させることによってオゾン水を生成する例について説明したが、原料液体に原料ガスを溶解させることによってガス溶解液を生成できるものであれば、オゾン水に限られず、その他のガス溶解液についても同様に実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上のように、本発明にかかるガス溶解液供給装置は、ユースポイントに提供されるガス溶解液が高濃度であったとしても、ユースポイントでの使用時に気泡が発生するのを抑制することができるという効果を有し、ウエハの洗浄装置にオゾン水を供給するオゾン水供給装置等として用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0080】
1 オゾン水供給装置(ガス溶解液供給装置)
2 原料ガス供給ライン
3 原料液体供給ライン
4 ガス溶解ノズル(ガス溶解部)
5 第1バルブ
6 第1減圧弁
7 第1ポンプ(第1昇圧器)
8 第1流量計
9 第2バルブ
10 第1気液分離タンク(第1気液分離器)
11 第1オゾン水供給ライン
12 第2気液分離タンク(第2気液分離器)
13 第2オゾン水供給ライン
14 気体送出ライン
15 第2流量計
16 第1圧力計
17 第2減圧弁(減圧器)
18 第1圧力調整弁
19 排気ライン
20 オゾンガス分解触媒
21 第2圧力調整弁
22 第3オゾン水供給ライン
23 第2ポンプ(第2昇圧器)
24 第3流量計
25 第2圧力計
26 第3バルブ
27 排水ライン
28 切替えバルブ
29 濃度計
30 第4流量計
UP 洗浄装置(ユースポイント)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8