(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024035958
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】放送所保守作業支援システム、AR表示装置、演奏所及び放送所
(51)【国際特許分類】
H04N 21/235 20110101AFI20240308BHJP
H04H 20/12 20080101ALI20240308BHJP
H04H 60/04 20080101ALI20240308BHJP
H04N 21/2381 20110101ALI20240308BHJP
【FI】
H04N21/235
H04H20/12
H04H60/04
H04N21/2381
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140615
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 廉
(72)【発明者】
【氏名】楠 知也
(72)【発明者】
【氏名】白井 規之
(72)【発明者】
【氏名】中畑 健
(72)【発明者】
【氏名】東井 宣宏
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164GA01
5C164MA06S
5C164MB01S
5C164SB07P
5C164SB24P
5C164TA04S
(57)【要約】
【課題】既存の地上デジタル放送設備を活用できる放送所保守作業支援システムを提供する。
【解決手段】演奏所10が、監視情報をISDB-T方式のAC領域に多重するAC領域多重装置13と、監視情報が多重された放送信号を放送所20に送信するSTL装置14とを備え、放送所20が、監視情報が多重された放送信号を演奏所10から受信するSTL装置21と、送信アンテナ30を介して、放送信号を放送する放送機22と、を備え、AR表示装置40が、AC領域の監視情報を用いて、放送所20の保守作業支援情報をAR表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏所から送信された監視情報を用いて、AR表示装置で放送所の保守作業を支援する放送所保守作業支援システムであって、
前記演奏所は、
映像及び音声が含まれる放送信号に対し、前記放送所の監視情報をISDB-T方式のAC領域に多重するAC領域多重装置と、
専用無線回線を介して、前記監視情報が多重された放送信号を前記放送所に送信する送信装置と、を備え、
前記放送所は、
前記専用無線回線を介して、前記監視情報が多重された放送信号を前記演奏所から受信する受信装置と、
前記受信装置が受信した放送信号をISDB-T方式で変調し、送信アンテナを介して、変調した前記放送信号を放送する放送機と、を備え、
前記AR表示装置は、
前記放送機が放送した放送信号を復調し、前記AC領域に多重されている監視情報を用いて、前記放送所の保守作業支援情報をAR表示することを特徴とする放送所保守作業支援システム。
【請求項2】
演奏所から送信された監視情報を用いて、AR表示装置で放送所の保守作業を支援する放送所保守作業支援システムであって、
前記演奏所は、
映像及び音声が含まれる放送信号に対し、前記放送所の監視情報をISDB-T方式のAC領域に多重するAC領域多重装置と、
専用無線回線を介して、前記監視情報が多重された放送信号を前記放送所に送信する送信装置と、を備え、
前記放送所は、
前記専用無線回線を介して、前記監視情報が多重された放送信号を前記演奏所から受信する受信装置と、
前記受信装置が受信した放送信号をISDB-T方式で変調し、送信アンテナを介して、変調した前記放送信号を放送する放送機と、
受信アンテナを介して、前記放送機が放送した放送信号を受信及び復調し、通信回線を介して、前記AC領域に多重されている監視情報を前記AR表示装置に出力するAC復調装置と、を備え、
前記AR表示装置は、
前記通信回線を介して、前記AC復調装置から前記監視情報を受信し、受信した前記監視情報を用いて、前記放送所の保守作業支援情報をAR表示することを特徴とする放送所保守作業支援システム。
【請求項3】
前記監視情報は、前記放送所の識別情報と、前記放送所毎に予め設定した各監視対象の使用中又は未使用を表す監視対象情報とが含まれ、
前記AR表示装置は、前記監視対象情報を参照し、前記保守作業支援情報のAR表示として、使用中の前記監視対象を仮想的にマスキングすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放送所保守作業支援システム。
【請求項4】
演奏所から送信された監視情報を用いて、AR表示装置で放送所の保守作業を支援する放送所保守作業支援システムのAR表示装置であって、
放送機が放送した放送信号を復調し、ISDB-T方式のAC領域に多重されている監視情報を用いて、前記放送所の保守作業支援情報をAR表示することを特徴とするAR表示装置。
【請求項5】
演奏所から送信された監視情報を用いて、AR表示装置で放送所の保守作業を支援する放送所保守作業支援システムのAR表示装置であって、
通信回線を介して、前記放送所のAC復調装置から前記監視情報を受信し、受信した前記監視情報を用いて、前記放送所の保守作業支援情報をAR表示することを特徴とするAR表示装置。
【請求項6】
演奏所から送信された監視情報を用いて、AR表示装置で放送所の保守作業を支援する放送所保守作業支援システムの演奏所であって、
映像及び音声が含まれる放送信号に対し、前記放送所の監視情報をISDB-T方式のAC領域に多重するAC領域多重装置と、
専用無線回線を介して、前記監視情報が多重された放送信号を前記放送所に送信する送信装置と、を備えることを特徴とする演奏所。
【請求項7】
演奏所から送信された監視情報を用いて、AR表示装置で放送所の保守作業を支援する放送所保守作業支援システムの放送所であって、
専用無線回線を介して、前記監視情報が多重された放送信号を前記演奏所から受信する受信装置と、
前記受信装置が受信した放送信号をISDB-T方式で変調し、送信アンテナを介して、変調した前記放送信号を放送する放送機と、を備えることを特徴とする放送所。
【請求項8】
演奏所から送信された監視情報を用いて、AR表示装置で放送所の保守作業を支援する放送所保守作業支援システムの放送所であって、
専用無線回線を介して、前記監視情報が多重された放送信号を前記演奏所から受信する受信装置と、
前記受信装置が受信した放送信号をISDB-T方式で変調し、送信アンテナを介して、変調した前記放送信号を放送する放送機と、
受信アンテナを介して、前記放送機が放送した放送信号を受信及び復調し、通信回線を介して、ISDB-T方式のAC領域に多重されている監視情報を前記AR表示装置に出力するAC復調装置と、を備えることを特徴とする放送所。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送所保守作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、拡張現実(AR:Augmented Reality)に関するシステムの開発と技術応用が行われている。例えば、特許文献1,2には、AR表示装置を用いて、工場等での設備の保守作業を支援する保守作業支援システムが提案されている。
【0003】
また、日本の地上デジタル放送方式として、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial Television Broadcasting)方式が採用されている(非特許文献1)。このISDB-T方式では、映像音声を伝送するキャリア以外に、緊急地震情報などのデータを伝送することが可能な付加情報チャンネル(AC:Auxiliary Channel)キャリアがある。特許文献3には、ACキャリアを活用して、各放送所間の遅延時間を測定する従来技術が提案されている。ACキャリアは、DBPSK(Differential Binary Phase Shift Keying)変調であり、映像音声伝送用の64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調のキャリアと比較して、低C/Nの受信環境でも復調可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-170249号公報
【特許文献2】特開2018-181232号公報
【特許文献3】特開2006-14140号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式 標準規格」 ARIB STD-B31
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の保守作業支援システムでは、IP回線を用いて、監視対象の監視情報を、その監視情報が保存されているサーバからAR表示装置に伝送すると共に、同建物内などの近距離において、監視情報をLAN(Local Area Network)などのIP回線で伝送している。
【0007】
この構成を放送所の保守作業に適用した場合、以下で述べるような課題がある。VPN(Virtual Private Network)などの専用IP回線を演奏所から放送所まで新設する場合、回線設置費用や運用コストが高額となる。また、既存のIP回線を使用する場合、放送設備の監視情報がインターネットなどの公衆IP回線を伝送することになり、セキュリティ上のリスクがある。低コストで高セキュリティな保守作業支援システムを実現するには、既存の地上デジタル放送設備を活用することが重要と考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、既存の地上デジタル放送設備を活用できる放送所保守作業支援システム、AR表示装置、演奏所及び放送所を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係る放送所保守作業支援システムは、演奏所から送信された監視情報を用いて、AR表示装置で放送所の保守作業を支援する構成とした。
【0010】
かかる構成によれば、演奏所は、映像及び音声が含まれる放送信号に対し、放送所の監視情報をISDB-T方式のAC領域に多重するAC領域多重装置と、専用無線回線を介して、監視情報が多重された放送信号を放送所に送信する送信装置と、を備える。
また、放送所は、専用無線回線を介して、監視情報が多重された放送信号を演奏所から受信する受信装置と、受信装置が受信した放送信号をISDB-T方式で変調し、送信アンテナを介して、変調した放送信号を放送する放送機と、を備える。
また、AR表示装置は、放送機が放送した放送信号を復調し、AC領域に多重されている監視情報を用いて、前記放送所の保守作業支援情報をAR表示する。
【0011】
なお、放送所は、受信アンテナを介して、放送機が放送した放送信号を受信及び復調し、通信回線を介して、AC領域に多重されている監視情報をAR表示装置に出力するAC復調装置を備えてもよい。この場合、AR表示装置は、通信回線を介して、AC復調装置から監視情報を受信し、受信した監視情報を用いて、放送所の保守作業支援情報をAR表示することになる。
【0012】
このように、放送所保守作業支援システムでは、演奏所のAC領域多重装置や放送所のAC復調装置以外、既存の地上デジタル放送設備を活用できるので、回線設置費用や運用コストを抑制できる。さらに、放送所保守作業支援システムでは、演奏所から放送所まで間、監視情報が公衆IP回線を伝送しないので、セキュリティ上のリスクも抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、既存の地上デジタル放送設備を活用することで、低コストで高セキュリティな放送所保守作業支援システムを実現するための伝送方式を採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る放送所保守作業支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態において、放送所の冗長構成を説明する説明図である。
【
図3】第1実施形態において、監視情報のデータ構造の一例を説明する説明図である。
【
図4】第1実施形態において、放送所IDの一例を説明する説明図である。
【
図5】第1実施形態において、監視対象ON,OFF情報の一例を説明する説明図である。
【
図6】第1実施形態において、AR仮想養生を説明する説明図である。
【
図7】第1実施形態において、AR装置情報表示を説明する説明図である。
【
図8】第1実施形態において、AR操作サポートを説明する説明図である。
【
図9】
図1の放送所保守作業支援システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図10】第2実施形態に係る放送所保守作業支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図11】
図10の放送所保守作業支援システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図12】変形例1に係る放送所保守作業支援システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に説明する各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、同一の手段には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0016】
(第1実施形態)
[放送所保守作業支援システムの概要]
図1を参照し、第1実施形態に係る放送所保守作業支援システム1の概要を説明する。
図1に示すように、放送所保守作業支援システム1は、演奏所10から送信された監視情報を用いて、AR表示装置40で放送所20の保守作業を支援するものであり、地上デジタル放送設備2と、AR表示装置40とを備える。
【0017】
<地上デジタル放送設備>
地上デジタル放送設備2は、地上デジタル放送で用いる一般的な放送設備であり、例えば、演奏所10と、放送所20と、送信アンテナ30とを備える。
演奏所10は、映像及び音声が含まれる放送信号を放送所20に送出する一般的な演奏所である。また、演奏所10は、放送所20の保守作業を支援するため、後記する監視情報を放送信号に多重する。
放送所20は、演奏所10からの放送信号を地上デジタル放送波で放送する一般的な放送所である。
図1では、1つの放送所20を図示したが、放送所20は複数であってもよい。
送信アンテナ30は、地上デジタル放送波を放送するための一般的なアンテナ(例えば、UHFアンテナ)である。
【0018】
ここで、演奏所10及び放送所20は、放送局が所有する専用無線回線を介して接続されている。この専用無線回線としては、STL(Studio to Transmitter Link)50やTSL(Transmitter to Studio Link)51があげられる。
【0019】
<AR表示装置>
AR表示装置40は、放送信号に多重されている監視情報を用いて、放送所20の保守作業をAR表示により支援するものである。例えば、AR表示装置40としては、放送所20の保守作業を行う作業者が頭部に装着するARグラスがあげられる。そして、AR表示装置40は、監視情報を用いて、AR仮想養生、AR装置情報表示、AR操作サポートなどの保守作業支援を行う。なお、これら保守作業支援の詳細は、後記する。
【0020】
[放送所保守作業支援システムの構成]
<演奏所>
以下、放送所保守作業支援システム1の構成を具体的に説明する。
図1に示すように、演奏所10は、運行装置11と、監視制御装置12と、AC領域多重装置13と、STL装置(送信装置)14と、TSL装置15とを備える。なお、AC領域多重装置13以外の各手段は、一般的なものであり、以下に限定されないことは言うまでもない。
【0021】
運行装置11は、予め設定された番組表の時刻に基づいて、映像及び音声で構成される番組の放送信号を放送TS(Transport Stream)形式でAC領域多重装置13に送出するものである。
【0022】
監視制御装置12は、後記する放送所20の監視対象を監視及び制御するものである。本実施形態では、監視制御装置12は、放送所20の監視情報をAC領域多重装置13に出力する。ここで、演奏所10の監視制御装置12と、放送所20の監視制御装置23とで対となるように構成されている。また、監視制御装置12は、放送所20の監視対象を遠隔操作可能である。例えば、監視制御装置12は、運用系及び予備系の切替、電源ON/OFFを遠隔操作できる。
【0023】
なお、放送所20の監視対象とは、放送所20に配置されており、監視制御装置12による監視及び制御する対象となる装置のことである。例えば、放送所20の監視対象としては、放送所20のSTL装置21や放送機22があげられる。
また、放送所20の監視情報については、詳細を後記する。
【0024】
AC領域多重装置13は、映像及び音声が含まれる放送信号に対し、放送所20の監視情報をISDB-T方式のAC領域に多重するものである。本実施形態では、AC領域多重装置13は、運行装置11から入力された放送信号のAC領域に、監視制御装置12から入力された監視情報を多重する。そして、監視制御装置12は、監視情報が多重された放送信号をSTL装置14に出力する。
【0025】
STL装置14は、専用無線回線(STL50)を介して、監視情報が多重された放送信号を放送所20に送信するものである。ここで、STL装置14は、運用系と予備系の冗長構成となっている。また、演奏所10のSTL装置14と、放送所20のSTL装置21とで対となるように構成されている。
【0026】
TSL装置15は、専用無線回線(TSL51)を介して、送り返し監視情報を放送所20から受信するものである。そして、TSL装置15は、送り返し監視情報を監視制御装置12に出力する。例えば、送り返し監視情報は、放送所20が無人の場合、監視制御装置12で放送所20を遠隔監視及び制御するために利用されている。ここで、演奏所10のTSL装置15と、放送所20のTSL装置24とで対となるように構成されている。なお、TSL装置15は、STL装置14と同様、運用系と予備系の冗長構成としてもよい(不図示)。
【0027】
<放送所>
図1に示すように、放送所20は、STL装置(受信装置)21と、放送機22と、監視制御装置23と、TSL装置24とを備える。なお、放送所20は、一般的なものであり、以下に限定されないことは言うまでもない。
【0028】
STL装置21は、専用無線回線(STL50)を介して、監視情報が多重された放送信号を演奏所10から受信するものである。そして、STL装置21は、受信した放送信号を放送機22に出力する。
【0029】
放送機22は、STL装置21が受信した放送信号をISDB-T方式で変調し、送信アンテナ30を介して、変調した放送信号を放送するものである。つまり、放送機22は、監視情報が多重された放送信号を、一般的な放送受信機(不図示)に加え、AR表示装置40にも放送する。また、放送機22は、放送信号に多重されている監視情報を分離し、分離した監視情報を監視制御装置23に出力する。
【0030】
監視制御装置23は、STL装置21、放送機22などの監視対象を監視及び制御するものである。
また、監視制御装置23は、放送所20の各監視対象(
図1の例では、STL装置21
1,21
2及び放送機22
1,22
2)から、使用中を表す「1」又は未使用を表す「0」などの状態が入力される。そして、監視制御装置23は、各監視対象の状態を表す監視情報を生成し、専用無線回線(TSL51)を介して、生成した監視情報を監視制御装置12に送信する。
【0031】
TSL装置24は、専用無線回線(TSL51)を介して、監視制御装置23からの監視情報を演奏所10に送信するものである。なお、TSL装置24は、STL装置21と同様、運用系と予備系の冗長構成としてもよい(不図示)。
【0032】
前記したように、放送所20は、STL装置21及び放送機22が冗長構成となっている。
図2に示すように、放送所20は、STL装置21
1,21
2を2台備え、放送機22
1,22
2を2台備える。そして、2台のSTL装置21
1,21
2のうちの一方が運用系として稼働し、他方が予備系として待機する。また、2台の放送機22
1,22
2のうちの一方が運用系として稼働し、他方が予備系として待機する。例えば、STL装置21
1及び放送機22
1が運用系となり、STL装置21
2及び放送機22
2が予備系となる。
【0033】
<AR表示装置>
AR表示装置40は、放送機22が放送した放送信号を復調し、AC領域に多重されている監視情報を用いて、放送所20の保守作業支援情報をAR表示する。この保守作業支援情報とは、放送所20の保守作業の支援に関連した情報のことである。例えば、AR表示装置40としては、地上デジタル放送のチューナ機能を有するARグラスに、放送信号の監視情報を分離する機能、及び、放送所20の保守作業を支援する機能を実装したものがあげられる。
【0034】
以上のように、放送所保守作業支援システム1は、公衆IP回線を使用することなく、既存の地上デジタル放送設備を用いて、監視情報をAR表示装置40まで伝送できる。
【0035】
<<監視情報>>
以下、伝送方式がARIB STD-B31(ISDB-T)に準拠するものとして、監視情報を具体的に説明する。
【0036】
まず、監視情報をAC領域(ACチャンネル)に多重する手法について説明する。
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の13セグメント(0~12セグメント)のうち、セグメント11のAC領域は、各放送所間の遅延時間を測定するために使用されている。また、セグメント0のAC領域は、緊急地震速報の伝送用に使用が検討されている。現状、セグメント0,11以外のAC領域は使用されておらず、監視情報の伝送に使用可能である。以下、監視情報をセグメント12のAC領域に多重する例を示す。
【0037】
セグメントには、同期系セグメントと差動系セグメントの2種類がある。また、ACには、AC1とAC2の2種類がある。AC1は、同期系セグメント構成と差動系セグメント構成の両セグメント構成に共通のキャリアである。AC2は、差動系セグメント構成のみのキャリアである。例えば、モード3の場合、同期系セグメントにはAC1が8本存在し、差動系セグメントにはAClが8本存在し、AC2が19本存在する。同期系セグメントであるセグメント12には、ACキャリアが8本存在する。また、1本のACキャリアは、204ビットである。従って、セグメント12のACキャリアを使用する場合、1フレームあたり204×8=1624ビットのデータ伝送が可能である。
【0038】
図3~
図5には、監視情報100のデータ構造の例を図示した。
図3に示すように、監視情報100には、放送所IDと、監視対象ON,OFF情報(監視対象情報)とが含まれている。さらに、監視情報100には、差動復調の基準と、構成識別とが含まれている。
【0039】
差動復調の基準は、1ビット長のデータであり、パリティビットとして扱われる(0ビット目に位置)。例えば、差動復調の基準には、ISDB-T(ARIB STD-B31)の規格に合わせて、「0」又は「1」を設定する。
【0040】
構成識別は、3ビット長のデータである(1-3ビット目に位置)。例えば、構成識別には、ISDB-T(ARIB STD-B31)の規格に合わせて、高信頼性データ送信のときには「000」、遅延時間の少ないデータ送信のときには「111」を設定する。
【0041】
放送所IDは、放送所20の識別情報を表す。監視対象ON,OFF情報は、放送所20毎に予め設定した各監視対象の使用中又は未使用を表す。ここで、監視情報100には、「放送所1」~「放送所5」の合計5個分、8ビット長の放送所IDと32ビット長の監視対象ON,OFF情報が繰り返し設定されている。
【0042】
放送所IDは、各放送所に固有のIDを設定する。
図4には、放送所IDの一例を図示した。
図4の例では、放送所ID「00000001」が「放送所1(瀬戸放送所)」を表し、放送所ID「00000010」が「放送所2(東山放送所)」を表し、放送所ID「00000011」が放送所3「(鍋田放送所)」を表す。放送所IDが8ビットであるため、合計256個の放送所IDを登録できる。
【0043】
図5には、監視対象ON,OFF情報の一例を図示した。
図5の例では、監視対象ON,OFF情報の各ビットに監視対象を割り当てている。そして、監視対象ON,OFF情報の各ビットは、その監視対象が使用中の場合「1」であり、その監視対象が未使用の場合「0」である。
【0044】
例えば、監視対象ON,OFF情報の0ビット目を1台目のSTL装置211に割り当て、1ビット目を2台目のSTL装置212に割り当てている。また、監視対象ON,OFF情報の2ビット目を1台目の放送機221に割り当て、3ビット目を2台目の放送機222に割り当てている。ここで、STL装置211及び放送機221が運用系、かつ、STL装置212及び放送機222が予備系の場合を考える。この場合、監視対象ON,OFF情報の0ビット目が運用系のSTL装置211に対応するので使用中「1」となり、1ビット目が予備系のSTL装置212に対応するので未使用「0」となる。また、監視対象ON,OFF情報の2ビット目が運用系の放送機221に対応するので使用中「1」となり、3ビット目が予備系の放送機222に対応するので未使用「0」となる。監視対象ON,OFF情報が32ビットであるため、1つの放送所20あたり最大で32台の監視対象を登録できる。
【0045】
AC領域が204ビットであるため、1個のAC領域に5個分の放送所20の監視情報を格納できる。また、1OFDMフレームでは、40個分の放送所20の監視情報を格納できる。各OFDMフレームで同一の監視情報を繰り返し送信するので、この監視信号を受信したAR表示装置40では、常に放送所20の監視情報を利用できる。また、監視情報を放送信号の未使用セグメントに多重しているため、この放送信号を受信した既存の放送受信機で不具合を発生させることがない。
【0046】
なお、
図3~
図5の監視情報のデータ構造は一例であり、これに限定されないことは言うまでもない。つまり、各事業者の運用形態に応じて、監視情報のデータ構造は任意に変更できる。
【0047】
<<保守作業支援機能>>
以下、保守作業支援機能の一例について説明する。
前記したように、この保守作業支援機能としては、AR仮想養生、AR装置情報表示、及び、AR操作サポートがあげられるので、順に説明する。
【0048】
AR仮想養生は、作業者が装着しているAR表示装置40で、使用中の監視対象を仮想的にマスキング(養生)する機能のことである。この場合、仮想的なマスキングが保守作業支援情報に相当する。つまり、AR表示装置40は、監視対象情報を参照し、保守作業支援情報のAR表示として、使用中の監視対象を仮想的にマスキングする。具体的には、AR表示装置40は、作業者が保守作業を行っている放送所20の監視対象ON,OFF情報を参照し、使用中「1」となっている監視対象について、QRコード(登録商標)などのマーカを基準として、仮想的に養生する。
図6に示すように、AR表示装置40は、運用系のSTL装置21
1と放送機22
1の操作盤を赤色半透明でAR表示する一方、予備系のSTL装置21
2と放送機22
2の操作盤をそのまま表示する。これにより、放送所保守作業支援システム1では、作業者が使用集の監視対象を誤って操作してしまう事態を抑制できる。
【0049】
AR装置情報表示は、作業者が装着しているAR表示装置40で、監視対象の説明書類を確認できる機能のことである。具体的には、AR表示装置40は、AR仮想養生の結果に基づいて、監視対象の説明書類をAR表示する。
図7に示すように、AR表示装置40は、作業者がAR表示装置40の操作インターフェース(不図示)でSTL装置21
1を指定した場合、そのSTL装置21
1の操作盤の隣に、説明書類200(例えば、説明書、完成図面)をAR表示する。これにより、放送所保守作業支援システム1では、作業者が紙面の説明書類を探す手間を軽減できる。なお、このAR装置情報表示では、監視情報を参照しない。
【0050】
AR操作サポートは、作業者が装着しているAR表示装置40で、監視対象の操作手順を確認できる機能のことである。このとき、運用系を操作すると放送に影響を与える可能性があるので、予備系のみを保守及び点検する場合がある。そこで、操作手順を提示すべき監視対象を特定するため、監視情報を用いる。つまり、AR表示装置40は、監視対象情報を参照し、未使用の監視対象のみの操作手順を表示する。この場合、監視対象の操作手順が保守作業支援情報に相当する。
図8に示すように、AR表示装置40は、作業者が保守作業を行っている放送所20の監視対象ON,OFF情報を参照し、未使用「0」となっている監視対象のみ、保守作業のための操作手順や確認手順をAR表示する。例えば、AR表示装置40は、作業者がAR表示装置40の操作インターフェースで放送機22
2を指定した場合、放送機22
2が予備系なので、保守作業のための操作手順や確認手順をAR表示する。
図8の例では、AR表示装置40は、放送機22
2の操作盤の上側に「QPSK変調器の○○をチェック」という確認手順300をAR表示する。これにより、放送所保守作業支援システム1では、作業者が効率的に保守作業を行うことができる。
【0051】
なお、
図6~
図8で説明した保守作業支援機能は一例であり、これに限定されないことは言うまでもない。
【0052】
[放送所保守作業支援システムの動作]
図9を参照し、放送所保守作業支援システム1の動作について説明する。
図9に示すように、ステップS1において、演奏所10の運行装置11は、予め設定された番組表の時刻に基づいて、放送信号を放送TS形式でAC領域多重装置13に送出する。
ステップS2において、監視制御装置12は、放送所20の監視情報をAC領域多重装置13に出力する。
ステップS3において、AC領域多重装置13は、映像及び音声が含まれる放送信号に対し、監視情報をISDB-T方式のAC領域に多重する。
【0053】
ステップS4において、STL装置14は、専用無線回線を介して、監視情報が多重された放送信号を放送所20に送信する。すると、放送所20のSTL装置21は、専用無線回線を介して、監視情報が多重された放送信号を演奏所10から受信する。
【0054】
ステップS5において、放送機22は、ステップS4で受信した放送信号をISDB-T方式で変調する。
ステップS6において、放送機22は、送信アンテナ30を介して、ステップS5で変調した放送信号を放送する。
【0055】
ステップS7において、AR表示装置40は、放送機22が放送した放送信号を復調する。
ステップS8において、AR表示装置40は、ステップS7で復調した放送信号のAC領域に多重されている監視情報を取得する。
ステップS9において、AR表示装置40は、ステップS9で取得した監視情報を用いて、放送所20Bの保守作業支援情報をAR表示する。
【0056】
[作用・効果]
以上のように、既存の地上デジタル放送設備2を活用することで、低コストで高セキュリティな放送所保守作業支援システム1を実現するための伝送方式を採用できる。
すなわち、放送所保守作業支援システム1は、保守作業支援で必要な監視情報を、既存の地上デジタル放送設備2で伝送できるので、専用IP回線を新設する場合に比べて低コストである。また、放送所保守作業支援システム1は、免許が必要な専用無線回線(例えば、STL50)で監視情報を伝送できるので、インターネットなどの公衆IP回線を使用する場合に比べて高セキュリティである。さらに、放送所保守作業支援システム1は、放送所20の放送本線設備に変更を加える必要がないので、導入が容易である。
【0057】
(第2実施形態)
[放送所保守作業支援システムの構成]
図10を参照し、第2実施形態に係る放送所保守作業支援システム1Bの構成について、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0058】
図1の放送所保守作業支援システム1では、地上デジタル放送波を用いて、監視情報を放送所20からAR表示装置40に送信している。これに対し、
図10の放送所保守作業支援システム1Bでは、通信回線52を用いて、監視情報を放送所20からAR表示装置40に送信する点が、第1実施形態と異なる。
【0059】
図10に示すように、放送所保守作業支援システム1Bは、演奏所10から送信された監視情報を用いて、AR表示装置40Bで放送所20Bの保守作業を支援するものであり、地上デジタル放送設備2Bと、AR表示装置40Bとを備える。
【0060】
<地上デジタル放送設備>
地上デジタル放送設備2Bは、地上デジタル放送で用いる一般的な放送設備であり、例えば、演奏所10と、放送所20Bと、送信アンテナ30と、受信アンテナ60とを備える。なお、演奏所10及び送信アンテナ30は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0061】
放送所20Bは、演奏所10からの放送信号を地上デジタル放送波で放送する一般的な演奏所である。
図10では、1つの放送所20Bを図示したが、放送所20Bは複数であってもよい。
【0062】
図10に示すように、放送所20Bは、STL装置(受信装置)21と、放送機22と、監視制御装置23と、TSL装置24と、AC復調装置25とを備える。なお、AC復調装置25以外の各手段は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0063】
AC復調装置25は、受信アンテナ60を介して、放送機22が放送した放送信号を受信及び復調し、通信回線52を介して、AC領域に多重されている監視情報をAR表示装置40に出力するものである。つまり、AC復調装置25は、放送信号に多重されている監視情報を分離し、分離した監視情報をAR表示装置40に出力する。
【0064】
受信アンテナ60は、地上デジタル放送波を受信するための一般的なアンテナ(例えば、UHFアンテナ)である。例えば、受信アンテナ60として、各放送所20Bに、エアーモニタリング用のアンテナとして設置されたものを利用できる。本実施形態では、受信アンテナ60は、送信アンテナ30からの放送信号を受信し、受信した放送信号をAC復調装置25に出力する。
【0065】
<AR表示装置>
AR表示装置40Bは、通信回線52を介して、AC復調装置25から監視情報を受信し、受信した監視情報を用いて、放送所20Bの保守作業支援情報をAR表示する。例えば、AR表示装置40Bとしては、一般的なARグラスに、放送所20Bの保守作業支援機能を実装したものがあげられる。つまり、AR表示装置40Bは、第1実施形態とは異なり、地上デジタル放送のチューナ機能を備える必要はない。なお、AR表示装置40Bの保守作業支援機能自体は、第1実施形態と同様のため、これ以上の説明を省略する。
【0066】
<通信回線>
通信回線52は、AC復調装置25とAR表示装置40Bとの間を接続する一般的な通信回線である。例えば、通信回線52としては、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信回線があげられる。
【0067】
[放送所保守作業支援システムの動作]
図11を参照し、放送所保守作業支援システム1Bの動作について、第1実施形態と異なる点を説明する。
ステップS1~S4の処理は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0068】
ステップS10において、放送機22は、ステップS4で受信した放送信号をISDB-T方式で変調する。そして、放送機22は、送信アンテナ30を介して、変調した放送信号を放送する。
【0069】
ステップS11において、AC復調装置25は、受信アンテナ60を介して、放送機22が放送した放送信号を受信及び復調する。
ステップS12において、AC復調装置25は、ステップS11で復調した放送信号のAC領域に多重されている監視情報を取得する。
ステップS13において、AC復調装置25は、通信回線52を介して、ステップS12で取得した監視情報をAR表示装置40Bに出力する。
ステップS14において、AR表示装置40Bは、AC復調装置25から受信した監視情報を用いて、放送所20Bの保守作業支援情報をAR表示する。
【0070】
[作用・効果]
以上のように、第1実施形態と同様、既存の地上デジタル放送設備2Bを活用することで、低コストで高セキュリティな放送所保守作業支援システム1Bを実現するための伝送方式を採用できる。
【0071】
ここで、放送所保守作業支援システム1,1Bそれぞれの相違点について整理する。これらの相違点を考慮し、放送所保守作業支援システム1,1Bを導入すればよい。
第1実施形態に係る放送所保守作業支援システム1(
図1)は、放送所20を変更する必要がないので、導入が容易である。一方、第1実施形態に係る放送所保守作業支援システム1では、地上デジタル放送を復調でき、AC領域に多重された監視情報を取得できるAR表示装置40を使用する必要がある。
【0072】
第2実施形態に係る放送所保守作業支援システム1B(
図10)では、IPパケットを受信できる一般的なAR表示装置40Bを使用できる。さらに、第2実施形態に係る放送所保守作業支援システム1Bでは、エアーモニタリング用の受信アンテナ60を使用するので、低電界の場所でも導入可能である。一方、第2実施形態に係る放送所保守作業支援システム1Bは、放送所20BがAC復調装置25を備える必要がある。
【0073】
(変形例1)
以上、実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0074】
図12を参照し、変形例1に係る放送所保守作業支援システム1Cについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
図12に示すように、放送所保守作業支援システム1Cは、放送所として、基幹放送所20と、中継放送所20Cとを備える点が、第1実施形態と異なる。つまり、放送所保守作業支援システム1Cは、地上デジタル放送設備2Cと、AR表示装置40Cとを備える。
【0075】
<地上デジタル放送設備>
地上デジタル放送設備2Cは、演奏所10と、放送所(基幹放送所)20と、放送所(中継放送所)20Cと、送信アンテナ30,30Cと、受信アンテナ60Cとを備える。本変形例では、演奏所10及び中継放送所20Cが、通信回線で接続されていることとする。なお、演奏所10及び送信アンテナ30は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0076】
基幹放送所20は、中継放送所20Cに対し、演奏所10からの放送信号を地上デジタル放送波で放送するものである。なお、基幹放送所20の構成自体は、第1実施形態と同様のため、これ以上の説明を省略する。
【0077】
中継放送所20Cは、基幹放送所20からの放送信号を一般的な放送受信機(不図示)に中継するものである。
図12に示すように、中継放送所20Cは、放送機22Cと、監視制御装置23Cとを備える。
【0078】
放送機22Cは、受信アンテナ60Cを介して、基幹放送所20からの地上デジタル放送波を受信するものである。そして、放送機22Cは、受信した地上デジタル放送波を復号及び符号化し、送信アンテナ30Cを介して、地上デジタル放送波として再度放送する。ここで、放送機22Cは、放送機22と同様、冗長構成となっている。
【0079】
監視制御装置23Cは、中継放送所20Cの監視対象(例えば、放送機22C)の監視情報を生成するものである。そして、監視制御装置23Cは、通信回線を介して、生成した監視情報を演奏所10(監視制御装置12)に送信する。
【0080】
なお、前記したように、複数の放送所の監視情報を含めることができる(
図3参照)。従って、監視制御装置12が、基幹放送所20及び中継放送所20Cの監視情報をAC領域に多重することになる。
【0081】
<AR表示装置>
AR表示装置40Cは、放送機22Cが放送した放送信号を復調し、AC領域に多重されている監視情報を用いて、放送所20Cの保守作業支援情報をAR表示する。なお、AR表示装置40Cの構成自体は、第1実施形態と同様のため、これ以上の説明を省略する。また、
図12では、図面を見やすくするため、AR表示装置40(
図1)の図示を省略したが、放送所保守作業支援システム1Cは、AR表示装置40を備えてもよい。
【0082】
(その他変形例)
前記した各実施形態では、AR表示装置がARグラスであることとして説明したが、これに限定されない。AR表示装置は、AR表示可能な携帯端末であればよく、例えば、スマートフォン、タブレットなどであってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,1B,1C 放送所保守作業支援システム
2,2B,2C 地上デジタル放送設備
10 演奏所
11 運行装置
12 監視制御装置
13 AC領域多重装置
14 STL装置(送信装置)
15 TSL装置
20,20B,20C 放送所
21 STL装置(受信装置)
22,22C 放送機
23,23C 監視制御装置
24 TSL装置
25 AC復調装置
30,30C 送信アンテナ
40,40B AR表示装置
50 STL
51 TSL
52 通信回線
60,60C 受信アンテナ