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  • 特開-レバミピドの結晶多形 図1
  • 特開-レバミピドの結晶多形 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003682
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】レバミピドの結晶多形
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/14 20060101AFI20240105BHJP
   A61K 31/4704 20060101ALI20240105BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240105BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240105BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20240105BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240105BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240105BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20240105BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240105BHJP
   A61P 27/04 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
C07D215/14 CSP
A61K31/4704
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/28
A61K47/38
A61K9/14
A61K9/10
A61P1/04
A61P27/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102995
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】718000495
【氏名又は名称】東洋ビジュアルソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100124936
【弁理士】
【氏名又は名称】秦 恵子
(72)【発明者】
【氏名】唐木田 直人
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕一
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 悠生
(72)【発明者】
【氏名】花輪 剛久
(72)【発明者】
【氏名】小澤 知尋
(72)【発明者】
【氏名】溝淵 千里
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076AA29
4C076CC16
4C076DD46
4C076DD67
4C076DD70
4C076EE16
4C076EE32
4C076FF70
4C076GG03
4C086AA01
4C086BC28
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA23
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA03
4C086ZA66
4C086ZA68
(57)【要約】
【課題】本発明は医薬用化合物であるレバミピドの新しい結晶多形を提供する。
【解決手段】本発明は医薬用化合物であるレバミピドの結晶多形を提供する。この結晶多形は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定において、回折角(2θ)=5~35°の範囲内で、少なくとも5.6±0.3°、9.8±0.3°、16.9±0.3°、19.0±0.3°、22.6±0.3°、26.3±0.3°、27.0±0.3°にピークを示す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬用化合物であるレバミピドの結晶多形であって、
CuKα線を用いた粉末X線回折測定において、回折角(2θ)=5~35°の範囲内で、少なくとも5.6±0.3°、9.8±0.3°、16.9±0.3°、19.0±0.3°、22.6±0.3°、26.3±0.3°、27.0±0.3°にピークを示す、
結晶多形。
【請求項2】
各ピークの強度が回折角(2θ)=22.6°であるピークの強度の50%以上である、
請求項1に記載の結晶多形。
【請求項3】
回折角(2θ)=22.6°であるピークは回折角(2θ)の前記範囲内で最も強度の高いピークである、
請求項2に記載の結晶多形。
【請求項4】
請求項1に記載の結晶多形を有するレバミピドからなる、
レバミピド微粒子。
【請求項5】
トレハロース、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート80、デオキシコール酸及びヒドロキシプロピルセルロースのいずれかが添加されている、
請求項4に記載のレバミピド微粒子。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のレバミピド微粒子からなる、
医薬組成物。
【請求項7】
請求項4又は5に記載のレバミピド微粒子が水中に分散している、
懸濁液。
【請求項8】
請求項4又は5に記載のレバミピド微粒子を製造する方法であって、
(a)レバミピドの原体と無機塩の粒子とが有機液体中に分散しているスラリーを混練することでレバミピドの原体からレバミピド微粒子を新たに生成し、ここで無機塩及び有機液体はレバミピドよりも水溶性が高く、
(b)水で洗い流すことで前記スラリーからレバミピド微粒子を精製する、
方法。
【請求項9】
有機液体は
(i)分子量が100~350である有機化合物からなり、
(ii)ヒドロキシル基及び/又はエステル結合からなる官能基を合計で2以上有し、
(iii)60℃における粘度が2~150mPa・sである、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(a)レバミピドの原体と無機塩の粒子とが有機液体中に分散しているスラリーを混練することでレバミピドの原体からレバミピド微粒子を新たに生成し、ここで無機塩及び有機液体はレバミピドよりも水溶性が高く、
(b)水で洗い流すことで前記スラリーからレバミピド微粒子を精製する、
ことで得られるレバミピド微粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬組成物の薬効成分であるレバミピドの新しい結晶多形に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は有機化合物の粒子を湿式粉砕することを開示している。ここで有機化合物は難水溶性であるとともに医療に用いられる。湿式粉砕は塩の粒子とともにポリオールに浸した有機化合物のペーストを混練することで行われる。湿式粉砕の前後で有機化合物の結晶多形は維持される。
【0003】
特許文献2は生物薬剤学分類システム(BCS)クラスIIに属する活性医薬成分(API)の非晶質固溶体(amorphous solid solution)を得ること開示している。その中でAPIを水溶性のポリマーと混練する(段落[0023])。BCSのクラスIIに属しているAPIは例えばレバミピドである(段落0057)。ポリマーの例はポリ(ビニルピロリドン)及びヒドロキシプロピルセルロースである(段落[0059])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5317960号公報
【特許文献2】特表2018-507180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は医薬用化合物であるレバミピドの新しい結晶多形を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] 医薬用化合物であるレバミピドの結晶多形であって、CuKα線を用いた粉末X線回折測定において、回折角(2θ)=5~35°の範囲内で、少なくとも5.6±0.3°、9.8±0.3°、16.9±0.3°、19.0±0.3°、22.6±0.3°、26.3±0.3°、27.0±0.3°にピークを示す、結晶多形。
[2] 各ピークの強度が回折角(2θ)=22.6°であるピークの強度の50%以上である、上記結晶多形。
[3] 回折角(2θ)=22.6°であるピークは回折角(2θ)の前記範囲内で最も強度の高いピークである、上記結晶多形。
[4] 上記結晶多形を有するレバミピドからなる、レバミピド微粒子。
[5] トレハロース、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート80、デオキシコール酸及びヒドロキシプロピルセルロースのいずれかが添加されている、上記レバミピド微粒子。
[6] 上記レバミピド微粒子からなる、医薬組成物。
[7] 上記レバミピド微粒子が水中に分散している、懸濁液。
[8] 上記レバミピド微粒子を製造する方法であって、(a)レバミピドの原体と無機塩の粒子とが有機液体中に分散しているスラリーを混練することでレバミピドの原体からレバミピド微粒子を新たに生成し、ここで無機塩及び有機液体はレバミピドよりも水溶性が高く、(b)水で洗い流すことで前記スラリーからレバミピド微粒子を精製する、方法。
[9] 有機液体は(i)分子量が100~350である有機化合物からなり、(ii)ヒドロキシル基及び/又はエステル結合からなる官能基を合計で2以上有し、(iii)60℃における粘度が2~150mPa・sである、上記方法。
[10](a)レバミピドの原体と無機塩の粒子とが有機液体中に分散しているスラリーを混練することでレバミピドの原体からレバミピド微粒子を新たに生成し、ここで無機塩及び有機液体はレバミピドよりも水溶性が高く、(b)水で洗い流すことで前記スラリーからレバミピド微粒子を精製する、ことで得られるレバミピド微粒子。
【発明の効果】
【0007】
本発明は医薬用化合物であるレバミピドの新しい結晶多形を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】粉末X線回折測定。
図2】レバミピド微粒子の製造工程。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<レバミピド分子>
【0010】
本実施形態に係るレバミピドは下記式に表される構造を有する。式中、*は不斉中心を示す。
【0011】
【化1】
【0012】
本実施形態に係るレバミピドの光学異性体は(R)-(+)体でもよく、(S)-(-)体でもよく、これらの混合物でもよく、ラセミ体でもよい。
【0013】
<結晶多形>
【0014】
図1は本実施形態に係るレバミピドの粉末X線回折測定結果を表すグラフの一例である。測定ではX線としてCuKα線を用いている。実線で示すように、本実施形態に係るレバミピドの結晶多形、いわゆる結晶型は5~35°の範囲内で、少なくとも(1)番の5.6付近、(3)番の9.8°付近、(7)番の16.9°付近、(9)番の19.0°付近、(10)番の22.6°付近、(11)番の26.3°付近、(12)番の27.0°付近にピークを示す。
【0015】
図1において、測定値のバラつきを考慮した場合、ピークは5.6±0.3°、9.8±0.3°、16.9±0.3°、19.0±0.3°、22.6±0.3°、26.3±0.3°及び27.0±0.3°に見られることが期待される。
【0016】
図1のグラフ中で実線が示すように、各ピークの強度は、(10)番の回折角(2θ)=22.6°であるピークの強度の50%以上である。この時、各ピークの強度は、回折角(2θ)=22.6°であるピークの強度よりも大きくともよい。一態様において回折角(2θ)=22.6°であるピークは回折角(2θ)の前記範囲内で最も強度の高いピークである。
【0017】
図1のグラフ中で破線が示すように、レバミピドの原体は回折角(2θ)=5~35°の範囲内で、(2)番の8.2°付近、(3)番の9.8°と(4)番の12.4との間、(4)番の12.4付近、(6)番の14.9°付近、(8)番の17.6°と(9)番の19.0°との間、(9)番の19.0°付近にピークを示す。また(9)番の19.0°と(11)番の22.6°の間、(10)番の22.6°と(11)番の26.3°の間、(12)番の27°と(13)番の30.5°との間にピークが見られる。
【0018】
<レバミピド微粒子>
【0019】
本実施形態の一態様は、上記結晶多形を有するレバミピドの粒子である。以下、この粒子をレバミピド微粒子という場合がある。一態様において粒子にはレバミピドの他に、トレハロース、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート80、デオキシコール酸及びヒドロキシプロピルセルロースのいずれかが添加されている。他の態様において上記添加剤に替えて又は上記添加剤に加えて樹脂、界面活性剤及びその他の有機化合物の少なくともいずれかが添加されている。一態様において粒子はレバミピドのみからなる。
【0020】
図2はレバミピドの原体11からレバミピド微粒子16を製造する工程を示す。本実施形態の一態様においてレバミピド微粒子16は(a)及び(b)のステップを含む湿式粉砕にて、具体的にはソルトミリング法にて生成される。
【0021】
図2の上段に示すようなスラリー15を用意する。スラリー15中では粒子状の原体11と粒子状の無機塩12と添加剤14が有機液体13中に分散している。添加剤14の使用は任意であり、他の態様においてはスラリー15に含まれない。上記結晶多形を得る観点から有機液体13は以下の特性を有するものが好ましい。
【0022】
(i)分子量が90~350、好ましくは100~320である有機化合物からなる。
(ii)有機化合物はヒドロキシル基及び/又はエステル結合からなる官能基を合計で2個以上、好ましくは2~4個有する。特に断らない限りエステル結合はカルボン酸エステルの特性基を表す。
(iii)60℃における粘度が2~150mPa・sである。
【0023】
図2に示す有機液体13を構成する有機化合物の例は2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(16.6mPa・s)、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール(67.2mPa・s)、モノアセチン(13.7mPa・s)、ジアセチン(8.2mPa・s)、トリアセチン(4.1mPa・s)、トリプロピオニン(2.7mPa・s)、トリブチリン(3.3mPa・s)、2-メチルペンタン-2,4-ジオール(5.8mPa・s)、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(43.7mPa・s)、1,5-ペンタンジオール(20.9mPa・s)、1,6-ヘキサンジオール(25.2mPa・s)、1,2,6-ヘキサントリオール(137.6mPa・s)、クエン酸トリエチル(35.2mPa・s)、及びクエン酸アセチルトリエチル(53.7mPa・s)である。これらの有機化合物は原体11を効果的に細かくする。他の有機化合物を有機液体としてさらに用いてもよい。
【0024】
図2において有機液体13の粘度が150mPa・s以下であることで、レバミピドと無機塩12とのスラリー15の粘度の上昇が抑制される。このため無機塩12の運動が促進されるので原体11は微粒子化する。無機塩12による原体11の摩砕は後述する。有機液体13の粘度はJISZ8803の規定に従い円錐平板型回転粘度計を用いて測定できる。粘度計の例は東機産業社製粘度計:TVE-20Lである。
【0025】
図2において100質量部の原体11に対し、好ましくは5~1000質量部、より好ましくは5~500質量部、さらに好ましくは40~160質量部の有機液体13を用いる。有機液体13は10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140及び150質量部のいずれかでもよい。2種類以上の有機化合物を同時に使用してもよい。原体11の質量部の一部を添加剤に置き換えてもよい。
【0026】
図2に示す粒子状の無機塩12の例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸水素二カリウムである。塩化ナトリウムが好ましい。他の無機塩をさらに用いてもよい。
【0027】
図2において粒子状の無機塩12は100質量部の原体11に対し、好ましくは50~2000質量部、より好ましくは300~1500質量部用いる。無機塩12は400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300及び1400質量部のいずれかでもよい。2種類以上の無機塩を同時に用いてもよい。原体11の質量部の一部を添加剤に置き換えてもよい。
【0028】
図2に係る一態様において添加剤14は、樹脂、界面活性剤及びその他の有機化合物である。添加剤の作用の例は混練時に原体11の微細化を促進すること、生成したレバミピド微粒子16の乾燥や凝集を抑制することである。添加剤14としても用いられる有機化合物の例は医薬品添加剤事典2016(薬事日報社)、医薬品添加剤規格2018(薬事日報社)及び食品添加剤事典新訂第二版(食品化学新聞社)に挙げられる添加剤である。2種類以上の添加剤を同時に用いてもよい。
【0029】
樹脂及びその他の有機化合物の例は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキソビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アラビアゴム、でんぷん、トレハロース、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ショ糖エステル、パラフィン例えば流動パラフィン、カルナウバロウ,硬化油例えば硬化ヒマシ油、非水素添加ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール及びポリエチレングリコールである。
【0030】
界面活性剤及びその他の有機化合物の例は、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンサンモノラウレート、ポリソルベート、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、モノオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラムノリピッド、ソホロリピッド、トレハロースリピッド、フィットグリコリピッド、リポタイコイン酸、コリノミコール酸、オープンリング酸、アガリチン酸、セバシン酸、エマルザン、ケルザン、プルラン、カードラン、デキストラン、シクロデキストリン、アラビアゴム、トラガントゴム、キトサン、オルニチンリピッド、セリリピン、サーファクチン、グラミシジンS、レシチン、デオキシコール酸、コール酸、リトコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、グリチルリチン、エスジン、キラヤサポニンである。
【0031】
図2に示すステップ(a)にてスラリー15を混練する。混練は例えば機械で行う。混練により中段に示すようにレバミピドの原体11が微細化される。微細化した原体11からレバミピド微粒子16が新たに生成する。機械の例は、ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、アトライター、横型サンドミル、縦型サンドミル、フレットミル、フーバーマーラー、円盤ブレード混練分散機である。混練の条件を変更することで所望のレバミピド微粒子16の粒度分布を得る。混練の条件にはスラリー15の温度及び機械の回転数が含まれる。
【0032】
図2に示すレバミピド微粒子16の平均一次粒子径は、原体11の平均一次粒子径よりも小さい。すなわちレバミピドの粒子状の原体11は粒子状の無機塩12との衝突によって摩砕(mill)される。摩砕はレバミピドの粒子状の原体11同士が衝突することで起きてもよい。摩砕により粒子状の原体11の角が削られてもよい。
【0033】
図2に示すレバミピド微粒子16の平均一次粒子径は1~1000nm、好ましくは5~300nm、より好ましくは150~300nmである。平均一次粒子径は、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280及び290nmのいずれかでもよい。300nm以下の平均一次粒子径を有するレバミピド微粒子16は水への溶解性が高い。
【0034】
本明細書において平均一次粒子径は一次粒子の平均粒子径である。平均粒子径は、ストークス径、光散乱相当径、拡散相当径、体積球相当径、表面積球相当径、面積円相当径、周長円相当径及びその他の測定法により求められた相当径の平均である。平均粒子径は好ましくは表面積球相当径又は光散乱相当径であり、より好ましくは表面積球相当径である。表面積球相当径はBET法、電子顕微鏡による粒子形状の観察による方法、及びその他の方法で測定される。光散乱相当径は、レーザー回折散乱光法又は動的光散乱法により測定される。
【0035】
図2に示す混練のステップ(a)においてレバミピドの結晶多形の変換が生じる。その原因の一つとしては混練中の結晶の再成長が考えらえる。レバミピドの原体11から有機液体13中に溶け出したレバミピド分子が再結晶化する際に本実施形態に係る結晶多形を生じる可能性がある。結晶多形の変換の科学的な原理は完全には解明されていない。本明細書の記述は、結晶多形の変換の科学的な原理から本発明を限定するものではない。
【0036】
図2に示す原体11は本実施形態に係る新規なレバミピドの結晶多形を予めいくらか有していてもよく、まったく有していなくともよい。また生成されたレバミピド微粒子16中では原体それ自体が元から有していた結晶多形が残存していてもよい。本実施形態の一態様に係る新規な結晶多形を有するレバミピド微粒子16は、他の結晶多形を有するレバミピドよりも化学的に安定した状態で保存できる。
【0037】
図2に示すステップ(b)において、水で洗い流すことでスラリー15からレバミピド微粒子16を精製する。ステップ(a)に先立ってスラリー15を調製する際、無機塩12及び有機液体13はレバミピドよりも水溶性が高いものを選択する。これによりステップ(b)においてレバミピド微粒子16と、無機塩12及び有機液体13とを水による洗浄で効率的に分離できる。洗浄の際に添加剤14が洗い流されてもよく、レバミピド微粒子16の表面に残留してもよい。
【0038】
図2に示すステップ(b)において、撹拌翼、ディソルバー、ホモジナイザー及びその他の機械を用いて、スラリー15を均一に水と混合する。混合物を濾過することで無機塩12及び有機液体13が溶解している水と、レバミピド微粒子16を含む残渣とを分離する。濾過方法の例は減圧濾過法、加圧濾過法、限外濾過膜法である。残渣を水で洗うことで、レバミピド微粒子16からさらに無機塩12及び有機液体13を洗い流す。洗浄に用いる水には酢酸、メタノール、エタノールを添加してもよい。洗浄に用いる水は所定の緩衝範囲を有する緩衝液でもよい。
【0039】
図2に示すステップ(b)の洗浄後、レバミピド微粒子16を乾燥させて水を除去する。乾燥方法の例は減圧乾燥法、凍結乾燥法、噴霧乾燥法及び凍結噴霧乾燥法である。凍結乾燥法、噴霧乾燥法及び凍結噴霧乾燥法が好ましい。乾燥は日本薬局方に係る標準温度20°C未満で行い、好ましくは日本薬局方に係る冷所1~15℃で行う。適切な乾燥方法を用いることでレバミピドの化学的に安定に保ち、さらに粒子の二次凝集を防止する。レバミピド微粒子16の乾燥を行わずに、含水状態のレバミピド微粒子16から後述の水性分散体を調製してもよい。
【0040】
図2において洗浄後のレバミピド微粒子16中の有機液体13の残留量の上限は原体11の100質量部当たり好ましくは0.3質量部、より好ましくは0.25質量部である。また有機液体13を全て除去しなくともよい。有機液体13が残留することにより、レバミピド微粒子16同士の凝集が抑制される。残留量の下限は原体11の100質量部当たり好ましくは0.003質量部、より好ましくは0.03質量部である。原体11の質量部の一部を添加剤に置き換えてもよい。
【0041】
図2に示す有機液体13を構成する有機化合物はヒドロキシル基を有さず、エステル結合を2以上有することが好ましい。有機液体13のヒドロキシル基はレバミピド微粒子16との間に水素結合を形成する。この水素結合はレバミピド微粒子16と他のレバミピド微粒子16との結合に関わる場合がある。したがって有機液体13のヒドロキシル基は凝集を促進しやすい。上記記載の有機液体13を構成する有機化合物は、上記の中でも特にジアセチン、トリアセチン、トリプロピオニン、トリブチリン、クエン酸トリエチル及びクエン酸アセチルトリエチルが好ましい。
【0042】
<レバミピド微粒子の他の態様>
【0043】
本実施形態の他の態様は、上記製造工程に沿って製造されるレバミピド微粒子である。係るレバミピド微粒子は上記の新規な結晶多形を有していることが好ましい。
【0044】
<医薬組成物>
【0045】
本実施形態の一態様は、上記レバミピド微粒子からなる医薬組成物である。医薬組成物の一態様は、胃粘膜保護のためのものである。その一態様において胃粘膜保護は胃潰瘍の予防又は治療の一環として行われる。医薬組成物の他の態様は、ドライアイの予防又は治療のための点眼液である。医薬組成物の他の態様は、口腔粘膜の炎症の予防又は治療のためのものである。
【0046】
<水性分散体>
【0047】
本実施形態の一態様は、上記レバミピド微粒子が水中に分散してなる分散系、いわゆる水性分散体である。水性分散体からなる医薬組成物の例は、経口投与液、注射剤、点眼剤、軟膏剤、経皮吸収剤である。水性分散体の一態様はレバミピド微粒子の水懸濁液である。水懸濁液からなる医薬組成物の例は点眼剤である。本実施形態の一態様において水懸濁液中では他の結晶多形を有するレバミピドの粒子よりも沈降が遅い。
【0048】
水懸濁液はレバミピド微粒子1質量部に対して水10~1000質量部を混合することで作製することが好ましい。水は50、90、95、97、97.5、98、98.5、99、99.5、100、105、100及び200質量部のいずれかでもよい。混合は例えばホモジナイザー、ホモミキサー、超音波分散機及びビーズミル分散機で行う。ホモジナイザーの方式は例えば超音波式、攪拌式及び高圧式である。超音波分散機として超音波洗浄機を代用してもよい。
【0049】
分散助剤をさらに分散系に添加する。分散助剤の例は、混練の前に添加する添加剤14(図2)として選択可能な樹脂、界面活性剤及びその他の有機化合物である。
【0050】
上述の通り洗浄直後のレバミピド微粒子は洗浄用の水を含んだ状態である。この含水状態のレバミピド微粒子を分散媒の水と混合することで水性分散体を調製してもよい。この方法はレバミピド微粒子を乾燥させて洗浄用の水を除去する時に粒子同士が凝集することを回避すするのに有効である。
【0051】
一態様において水性分散体をさらに、噴霧乾燥、凍結乾燥又は凍結噴霧乾燥により粉体化する。粉体は水に対する再分散性に優れるので用時調製型の注射剤及び点眼剤、経口剤として好適に用いられる。
【0052】
水性分散体中のレバミピド微粒子の二次粒子のメジアン径D50は、調製の当初において400~1000nm好ましくは430~920nmである。また調製から7日間25℃でインキュベートした時に400~1000nm好ましくは450~920nmである。二次粒子のメジアン径D50は動的光散乱法(FFTパワースペクトル法)で測定されてもよい。
【0053】
水性分散体中の分散媒は、分散質であるレバミピド微粒子から溶け出したレバミピド分子を含有するレバミピドの飽和水溶液である。溶質としてのレバミピドの水に対する溶解度はレバミピド微粒子に含まれる新規な結晶多形の割合によって変化する。水に対する溶解度は50μg/mL以上、好ましくは200μg/mL以上である。
【0054】
レバミピド微粒子の水に対する溶解度は例えばレバミピド1g相当のレバミピド微粒子を溶かすに要する水の量で表してもよい(第18改正日本薬局方、通則30)。レバミピドの溶解度は1mL未満(極めて溶けやすい、1mL以上10mL未満(溶けやすい)、10mL以上30mL未満(やや溶けやすい)、30mL以上100mL未満(やや溶けにくい)、100mL以上1,000mL未満(溶けにくい)、又は100mL以上10,000mL未満(極めて溶けにくい)、又は10,000mL以上(ほとんど溶けない)である。溶解度は例えばレバミピド微粒子を水中に入れ,20±5℃で5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき,30分以内に溶ける度合をいう(第18改正日本薬局方、通則30)。
【0055】
<他の剤形>
【0056】
本実施形態の一態様は、上記レバミピド微粒子が油性の分散媒中に分散してなる分散系である。この分散系からなる医薬組成物の例は軟膏剤、カプセル剤、経皮吸収剤である。分散媒の例は流動パラフィン、ワセリン、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール及び植物油である。他の油を分散媒として用いてもよい。2種類以上の油からなる分散媒を用いてもよい。分散に用いる機械の例は、ホモジナイザー、ホモミキサー、超音波分散機、二本ロールミル、三本ロールミル、円盤ブレード混練分散機である。
【実施例0057】
(概要) 例No.101~122及び201では、レバミピドの原体をソルトミリングすることでレバミピド微粒子からなる組成物を調製した。例No.123~128及び202~203では、組成物を水に懸濁することで水性分散体を調製した。組成物及び水性分散体の調製の条件は後述する。レバミピド微粒子の物性の測定方法を以下に表す。
【0058】
(平均一次粒子径の測定) レバミピド微粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM-1200EX」)を用い、10万倍での観察試料中の全レバミピド微粒子の一次粒子径を計測してその平均値を用いた。なお、粒子形状が球状でない場合は、長径と短径を計測し、(長径+短径)/2により求められる値を粒子径とした。
【0059】
(残留水溶性有機液体の測定) 得られた組成物中に残留する有機液体は、ガスクロマトグラフィーにより定量した。組成物中のレバミピド微粒子100質量部に対する水溶性有機液体の残留量を算出した。
【0060】
ガスクロマトグラフィーの条件を以下に示す。
・分離機器:島津製作所社製GC2010
・カラム:DM-5MS(30mx0.25mmx0.25μmFilm、AgilentTechnologies)
・キャリアガス:He
・圧力:120.0kPa
・全流量:50.0ml/min
・カラム流量:1.77ml/min
・線速度:49.0cm/sec
・パージ流量:3.0ml/min
・カラム温度:80℃で4分保持した後、16分で昇温し、320℃で5分保持注入モード:Split-lessMode注入量:1μL
【0061】
質量分析計の条件を以下に示す。
・測定機器:島津製作所社製GC2010
・インターフェイス温度:250℃
・イオン源温度:200℃
・測定モード:ScanMode
・測定範囲:m/z=30-500
・測定時間:5~20min
・イベント時間:0.5sec
【0062】
(水性分散体中のレバミピド微粒子の二次粒子径) 水性分散体中のレバミピド微粒子の二次粒子のメジアン径D50を測定した。測定は調製の当初及び調製から7日間、相対湿度60%RH、25℃でインキュベートした時に行った。日機装の粒度分布測定装置MicrotracUPAを使用した。
【0063】
(組成物の溶解度) 組成物の溶解度を測定するため、水性分散体をHITACHIの遠心機CS150FNXにて86,000rpmで遠心分離した。上澄み液を直径17mm、ポアサイズ0.2μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)メンブレンTITAN3(商標)で濾過した。濾液を、HPLCにて分析した。HPLC装置はWatersのACQUITY UPLC H-Class(商標)を用いた。
【0064】
(組成物の沈降性) 水性分散体中の組成物の沈降性を液中分散安定性評価装置タービスキャン(商標)にて評価した。沈殿がほぼなければ3、多少生じる場合は2、大量に生じる場合は1として表3に示した。
【0065】
(CuKα線を用いた粉末X線回折測定)
【0066】
粉末X線回折測定は、日本工業規格JIS K0131(X線回折分析通則)に準じて、回折角(2θ)が、3°から35°の範囲で測定した。図1にX線回折図(X線回折パターン)を例示する。
【0067】
測定条件は下記の通りとした。
・X線回折装置 : (株)リガク社製RINT2100
・サンプリング幅 : 0.02°
・スキャンスピード : 2.0
・発散スリット : 1°
・発散縦制限スリット : 10mm
・散乱スリット : 2°
・受光スリット : 0.3mm
・管球 : Cu
・管電圧 : 30kV
・管電流 : 30mA
【0068】
以下の各例においてレバミピドの原体に対してソルトミリングを行った。
【0069】
{例No.101}
レバミピド原体100質量部、塩化ナトリウム1500質量部及び2-エチル-1,3-ヘキサンジオール160質量部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)内で、60℃で15時間混練した。次に、この混練物を10リットルの水に投入するとともに1時間攪拌することでスラリー状とした。スラリー状となった混練物に対する濾過及び水洗を繰り返すことで塩化ナトリウム及び2-エチル-1,3-ヘキサンジオールからレバミピド微粒子を分離する。その後、レバミピド微粒子に対する凍結乾燥を行いことで、98質量部の組成物M-1を得た。得られたレバミピ微粒子の平均一次粒子径は、240nmであった。残留溶剤量は、レバミピド微粒子100質量部に対して0.050質量部であった。
【0070】
{例No.102~122、201}
レバミピドの分量、有機液体の種類種及びその分量、塩化ナトリウムの分量、添加剤の種類及びその分量並びに温度及び時間からなる混練条件を表1に記載のものとした。その他の条件は例No.101と共通する条件にて、組成物M-2~23を得た。
【0071】
【表1】
【0072】
「組成物」の列の符号M-1~M-23で、生成されたレバミピド微粒子を識別する。「添加剤」の列のTreはトレハロースを、PVPはポリビニルピロリドンをPS80はポリソルベート80(Tween80、商標)をDCAはデオキシコール酸を、HPCはヒドロキシプロピルセルロースをそれぞれ表す。「残留液体」の列は得られた組成物中に残留する有機液体を示す。例No.201は比較例である。
【0073】
例No.101~201の内、例No.105、118及び201を選んで、それらの3点の組成物に対してCuKα線を用いた粉末X線回折測定を行った。結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
各例の(10)番の回折角(2θ)=22.6°の強度を100%として、各値を換算した。原体の粉末X線回折測定の結果は図1に記載の破線に示す。例No.105の粉末X線回折測定の結果は図1に記載の実線に示す。各例において5.6°付近、9.8°付近、16.9°付近、19.0°付近、22.6°付近、26.3°付近及び27.0°付近にピークが見られた。
【0076】
<水性分散体の調製と評価>
続いて、生成した組成物を用いて水性分散体を調製した。動的光散乱法(FFT(高速フーリエ変換)パワースペクトル法)を測定原理とする粒度分布測定装置(MicrotracUPA日機装株式会社製)を用いて、得られた水性分散体中の分散質の粒子径(D50:50%メジアン径)を測定した。
【0077】
<評価項目:水性分散体の安定性>
作製した水性分散体を、温度:25℃・相対湿度:60%RHの環境で7日保管した。保管期間の前後において粒子径(D50:50%メジアン径)を測定することで評価項目:、水性分散体の安定性評価を行った。
【0078】
<評価項目:水性分散体の溶解度>
作製した水性分散体の各成分を、遠心分離機(CS150FNX、HIMAC社製)を用いて86,000rpmで遠心分離した。遠心加速度は396,000Gであった。上澄み液をさらにポアサイズ0.2μmのPTFEフィルターで濾過することで固形分を回収した。並行して回収した水性分散体の濾液を超高速液体クロマトグラフィー(UPLC、Waters社製)を用いて分析した。表3においてレバミピドの溶解度が50μg/mL未満である場合は“1”とした。レバミピドの溶解度が50μg/mL以上200μg/mL未満である場合は“2”とした。レバミピドの溶解度が200μg/mL以上である場合は“3”とした。
【0079】
<評価項目:水性分散体の沈降評価>
作製した水性分散体を、サンプル瓶中に入れるとともに温度:25℃・相対湿度:60%RHの環境で7日保管した後で、サンプル瓶の底の部分に溜まった沈殿の様子を目視で観察した。沈殿が顕著であった場合は“1”、やや沈殿が見られた場合は“2”、沈殿が目視で確認されなかった場合は“3”とした。
【0080】
{例No.123}
組成物M-5を1質量部、ヒドロキシプロピルセルロースを0.5質量部、精製水を98.5質量部秤量するとともにこれらを混合した。シャープマニファクチャリングシステム社製超音波装置UT-105を用いて、混合物に対して超音波照射を2時間かけて行った。以上により水性分散体S-1を得た。
【0081】
{例No.124}
組成物M-5を1質量部、ヒドロキシプロピルセルロースを0.5質量部、精製水を98.5質量部秤量するとともにこれらを混合した。エムテクニック社製攪拌式ホモジナイザー「クレアミックス CLM-0.8S」を用いて、混合物に対して均質化処理を2時間かけて行った。以上により水性分散体S-2を得た。
【0082】
{例No.125}
組成物M-5を1質量部、ヒドロキシプロピルセルロースを0.5質量部、精製水を98.5質量部秤量するとともにこれらを混合した。スギノマシン社製高圧式ホモジナイザー「スターバーストミニ」)を用いて、混合物に対して100MPaの圧力による均質化処理を10回行った。以上により水性分散体S-3を得た。
【0083】
{例No.126}
組成物M-5を1質量部、ヒドロキシプロピルセルロースを0.5質量部、精製水を98.5質量部秤量するとともにこれらを混合した。直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、混合物に対してアイガージャパン社製粉砕機「アイガーミル ミニモデルM-250 MKII」)で3時間均質化処理した。以上により水性分散体S-4を得た。混合物を孔径5.0μmのフィルターにて濾過することで、水性分散体S-4をジルコニアビーズから分離した。
【0084】
{例No.127}
組成物M-6を1質量部、ヒドロキシプロピルセルロースを0.5質量部、精製水を98.5質量部秤量するとともにこれらを混合した。直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、混合物に対してアイガージャパン社製粉砕機「アイガーミル ミニモデルM-250 MKII」)で3時間均質化処理した。以上により水性分散体S-5を得た。その後、混合物を孔径5.0μmのフィルターにて濾過することで、水性分散体S-5をジルコニアビーズから分離した。
【0085】
{例No.128}
組成物M-18を1質量部、ヒドロキシプロピルセルロースを0.5質量部、精製水を98.5質量部秤量するとともにこれらを混合した。直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、混合物に対してアイガージャパン社製粉砕機「アイガーミル ミニモデルM-250 MKII」)で3時間均質化処理した。以上により水性分散体S-6を得た。その後、孔径5.0μmのフィルターにて濾過することで、水性分散体S-6をジルコニアビーズから分離した。
【0086】
{例No.202}
組成物M-23を1質量部、ヒドロキシプロピルセルロースを0.5質量部、精製水を98.5質量部秤量するとともにこれらを混合した。直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、混合物に対してアイガージャパン社製粉砕機「アイガーミル ミニモデルM-250 MKII」)で3時間均質化処理した。以上により水性分散体S-7を得た。その後、孔径5.0μmのフィルターにて濾過することで、水性分散体S-7をジルコニアビーズから分離した。
【0087】
{例No.203}
組成物M-23を1重量部、ヒドロキシプロピルセルロースを0.5重量部、精製水を98.5重量部秤量するとともにこれらを混合した。シャープマニファクチャリングシステム社製超音波装置UT-105を用いて、混合物に対して超音波照射を2時間かけて行った。以上により水性分散体S-8を得た。
【0088】
【表3】
【符号の説明】
【0089】
11 原体、 12 無機塩、 13 有機液体、 14 添加剤、 15 スラリー、 16 レバミピド微粒子
図1
図2