(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036927
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】封筒処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 37/00 20060101AFI20240311BHJP
B65H 37/06 20060101ALI20240311BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20240311BHJP
B65B 5/04 20060101ALI20240311BHJP
B65B 57/10 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B65H37/00
B65H37/06
B65B57/00 F
B65B5/04
B65B57/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141491
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 真悟
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道貴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸宜
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 勇介
(72)【発明者】
【氏名】松田 昂大
(72)【発明者】
【氏名】篠田 淳
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢裕
(72)【発明者】
【氏名】森永 拓哉
【テーマコード(参考)】
3E003
3F108
【Fターム(参考)】
3E003AA05
3E003AB10
3E003BA06
3E003BA07
3E003BC01
3E003BD01
3E003CA06
3E003CB02
3E003DA01
3F108GA08
3F108GB03
(57)【要約】
【課題】封筒と封入物との幅方向における相対的な位置ずれを調整でき、封入処理の生産性を向上できる封入装置を提供する。
【解決手段】封筒を封入位置に搬送し、特定情報が形成された封入物を封入する封入装置であって、封入物を封筒に挿入する封入位置に搬送し、封入後の当該封筒を排出する封筒搬送手段と、搬送中の封筒の構造を画像として取得し、少なくとも、封筒の構造に含まれる透明部分の位置を示す情報としての透明部分情報を取得する封筒情報取得手段と、封入位置に至った封筒を、封入物が挿入可能な状態で保持する封筒保持手段と、特定情報の形成位置と透明部分の位置の相対位置に基づいて、封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する制御手段と、を備える封入装置による。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒を封入位置に搬送し、特定情報が形成された封入物を封入する封入装置であって、
前記封入物を封筒に挿入する封入位置に搬送し、封入後の当該封筒を排出する封筒搬送手段と、
搬送中の前記封筒の構造を画像として取得し、少なくとも、前記封筒の構造に含まれる透明部分の位置を示す情報としての透明部分情報を取得する封筒情報取得手段と、
前記封入位置に至った前記封筒を、前記封入物が挿入可能な状態で保持する封筒保持手段と、
前記特定情報の形成位置と前記透明部分の位置の相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する制御手段と、
を備えることを特徴とする封入装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記特定情報の形成位置が前記透明部分の位置に合うように、前記封入位置における前記封筒の幅方向の位置を調整する、
請求項1に記載の封入装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するために、前記封入位置に至る前に実行される折り処理に係る制御情報としての位置調整情報を出力する、
請求項1に記載の封入装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記封筒が戦記封入位置に搬送されるときに取得される第一画像と、前記封入物が挿入された前記封筒を封入位置から排出位置へと搬送するときに取得される第二画像と、を比較して、当該封入物が正常に挿入されているか否かを判定する、
請求項1に記載の封入装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記画像に基づいて前記封筒の搬送姿勢を判定し、
当該搬送姿勢に基づいて、前記封筒の幅方向における位置の調整、又は、前記位置調整情報の出力のいずれかを行う、
請求項1に記載の封入装置。
【請求項6】
ユーザによる操作に基づいて、前記特定情報の形成位置に対する前記透明部分の位置を指定する位置指定手段を備え、
前記制御手段は、前記位置指定手段において指定された位置と相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する、
請求項1に記載の封入装置。
【請求項7】
シート状の前記封入物に対し折り処理を施す折り処理手段をさらに備え、
前記折り処理手段は、前記位置調整情報に基づいて前記封入物の折り位置を調整する、
請求項1に記載の封入装置。
【請求項8】
封筒に封入物を封入する挿入する封入部と
前記封入物が挿入された前記封筒を封緘する封緘部と、
を備え、
前記封入部は、請求項1に記載の封入装置である、
ことを特徴とする封入封緘装置。
【請求項9】
シート状の媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像が形成された前記媒体を封入物として封筒に挿入する請求項1に記載の封入装置、又は、請求項8に記載の封入封緘装置と、
を備えることを特徴とする封入封緘システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封入装置、封入封緘装置及び封入封緘システムに関する。
【背景技術】
【0002】
封筒に封入物を封入する封入装置が知られている。また、封筒に封入物を封入し封緘も行う封入封緘装置が知られている。そして、封入物としてのシート状の媒体に画像を形成する画像形成装置と、封入装置や封入封緘装置を連携させた封入封緘システムも知られている。また、画像が形成された媒体に所定の折り処理を施した封入物を封入し封緘する封入封緘システムも知られている。
【0003】
封入物の送信先(宛先)を示す情報を形成して封筒に封入するとき、宛先などの特定情報を、封筒に形成されている窓状部分から視認可能にするために、封入物に対して適正な位置での折りを施す技術が開示されている(特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術によれば、窓状部分と特定情報との相対位置を、封筒の搬送方向において調整できるが、封筒の幅方向における調整はできない。すなわち、従来技術には、封入物に形成された特定情報と封筒との幅方向における位置ズレの調整において課題がある。
【0005】
本発明は、封筒と封入物との幅方向における相対的な位置ずれを調整でき、封入処理の生産性を向上できる封入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一態様は、封筒を封入位置に搬送し、特定情報が形成された封入物を封入する封入装置であって、前記封入物を封筒に挿入する封入位置に搬送し、封入後の当該封筒を排出する封筒搬送手段と、搬送中の前記封筒の構造を画像として取得し、少なくとも、前記封筒の構造に含まれる透明部分の位置を示す情報としての透明部分情報を取得する封筒情報取得手段と、前記封入位置に至った前記封筒を、前記封入物が挿入可能な状態で保持する封筒保持手段と、前記特定情報の形成位置と前記透明部分の位置の相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、封筒と封入物との幅方向における相対的な位置ずれを調整でき、封入処理の生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る封入封緘システムの実施形態を示す正面外観図。
【
図2】上記実施形態に係る制御構成の例を示すブロック図。
【
図3】本発明に係る封入封緘装置の実施形態の内部構成図。
【
図4】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図5】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図6】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図7】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図8】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図9】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図10】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図11】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図12】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図13】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図14】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図15】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図16】上記封入封緘装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図17】上記実施形態に係る封入支援部の構成例を示す図。
【
図18】上記実施形態に適用可能な封筒の概要を示す図。
【
図19】上記実施形態に係る封入処理における位置調整処理の概要を示す図。
【
図20】上記実施形態に係る位置調整処理に横シフト処理の概要を示す図。
【
図21】上記実施形態に係る位置調整処理に横シフト処理の概要を示す図。
【
図22】上記実施形態に係る位置調整処理に横シフト処理の概要を示す図。
【
図23】上記実施形態に係る封入封緘処理の流れを示すフローチャート。
【
図24】上記実施形態に係る位置調整設定インターフェースを例示する図。
【
図25】上記実施形態に適用可能な折り処理部の例を示す内部構成図。
【
図26】上記実施形態に適用可能な折り処理部の別例を示す内部構成図。
【
図27】上記実施形態に適用可能な折り処理部の別例を示す内部構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[封入封緘装置及び封入封緘システムの実施形態]
まず、本発明に係る封入封緘装置及び封入封緘システムの実施形態について説明する。
図1は、封入封緘装置及び封入封緘システムの一例としてのプリンタシステム1の内部構成を概略的に示す正面図である。プリンタシステム1は、画像形成装置200と、シート処理装置としての折り処理装置300と、折り処理装置300と連携して本発明に係る封入システムの実施形態を構成する封入封緘処理装置100と、後処理装置400と、を有している。
【0010】
なお、プリンタシステム1は、画像形成装置200、折り処理装置300、封入封緘処理装置100、後処理装置400、をインライン接続して連携可能に構成されたものであり、本発明に係る画像形成装置の一実施形態に相当する。また、折り処理装置300と封入封緘処理装置100をインライン接続して連携可能に構成したものは、本発明に係る封入システムの一実施形態に相当する。
【0011】
画像形成装置200は、所定の画像形成方式を用いて、シート状の媒体に画像を形成し排出する装置の一例である。以下、シート状の媒体を、単に「シートS」と表記する。シートSに形成される画像には、当該シートSに形成される宛先などが含まれる。シートSに形成される宛先は、ある意味で「画像」に相当する。本明細書においては、宛先を含む情報を「特定情報」とする。
【0012】
また、後述する折り処理装置300において、所定の折り処理が施されたシートSを「折りシートSf」とする。すなわち、本実施形態の説明に係る「封入物」には、画像形成装置200から下流に排出されて折り処理を行わずに封入封緘処理装置100に搬入されたシートSと、折り処理が施されてから封入封緘処理装置100に搬入された折りシートSfのいずれも含まれる。
【0013】
画像形成装置200から排出されたシートSに対する折り処理の実施又は不実施の指示は、画像形成装置200が備える制御部(後述するプリンタ制御部260)に対する制御指示に含まれる。この制御指示は、例えば、プリンタシステム1の利用者が入力する情報に基づいて当該プリンタ制御部260から送出される。または、折り処理装置300が備える折り制御部320に対し、プリンタシステム1の利用者が入力した情報に基づく指示による。なお、シートS又は折りシートSfには、画像形成処理が施されている場合と画像形成処理は施されていない場合のいずれもありえるが、本実施形態において、画像形成処理の有無は問わないものとする。
【0014】
シートSに折り目を形成する位置や数は、折り処理装置300に供給される位置調整情報に基づくものとなる。位置調整情報は、折り処理装置300の下流に配置される封入封緘処理装置100から供給される場合、上流側に配置される画像形成装置200から供給される場合がある。
【0015】
封入封緘処理装置100は、シートSが搬入される方向(搬送方向)の上流側に配置される装置(画像形成装置200又は折り処理装置300)から排出された封入物としてのシートSや折りシートSfを封筒Eに封入する封入処理を行なう。そして、封入物が挿入された封筒Eを封緘する封緘処理も行なう。なお、シートSや折りシートSfを下流側に配置される装置に対して直接排出して、シートSや折りシートSfの封入処理などを行わない処理もある。
【0016】
封入封緘処理装置100は、折りシートSfを、封筒Eに対して適切な向きで封入する処理を施すこともできる。ここで「適切な向き」とは、封入物としての折りシートSfに形成された宛先などの情報を封入後に封筒Eの外側からも視認できるように、封筒Eに予め形成されている透明窓ewに対応する向きをいう。折りシートSfに施される折り処理の種類(折り種)は複数あり、折り種によって宛先などの情報が搬送方向に対する向きが異なる状態になる。
【0017】
そこで、封入封緘処理装置100では、折り種に応じて、折りシートSfの搬送時に搬送方向に対する直交方向への向き反転の要否を判定する。そして、反転が必要な場合は、封入位置の上流側の搬送経路を利用して折りシートSfを反転させてから封入位置へと搬送する搬送機構を備える。折りシートSfに対する反転制御及び搬送制御の詳細は後述する。なお、封入封緘処理装置100は、折り処理が施されていない封入物としてのシートSも、同様に封入することができる。
【0018】
また、封入封緘処理装置100は、折り種によって変化する特定情報の位置に基づいて、封筒Eを封入位置で保持するときの相対的な位置を調整し、封筒Eに封入物が挿入されたときに、外部から特定情報を視認できる状態にする。
【0019】
後処理装置400は、上流側の装置で排出されたシートSや折りシートSfに対して、ステイプル処理など、制御部を介して指示された後処理を施す装置である。
【0020】
本実施形態では、封入封緘処理装置100において封入処理が行われる位置(封入位置)に封筒E及び封入物(シートS、折りシートSf)を搬送し、封筒Eに封入物を進入させる。そして、封入物が中に含まれている封筒Eを封緘処理が行われる位置(封緘位置)に搬送して封緘して排出する。
【0021】
[本実施形態で参照する座標軸]
ここで、本実施形態の説明に用いる方向を明確にするための「座標軸」について説明する。
図1にて示すように、プリンタシステム1の載置面と平行する軸であって、プリンタシステム1を構成する各装置の並び方向に沿う軸をY軸とする。そして、Y軸を示す矢印の方向を「+Y方向」とし、逆方向を「-Y方向」とする。画像形成装置200において画像が形成されたシートSは、+Y方向に搬出され、その後、+Y方向の下流側に配置される各装置へと搬送される。
【0022】
また、同じくプリンタシステム1の載置面と平行する軸であって、プリンタシステム1の奥行き方向に沿う軸をX軸とする。そして、X軸を示す矢印の方向を「+X方向」とし、逆方向を「-X方向」とする。X方向は、封入物の搬送方向に対し直交する方向に相当する。そして、X方向は、シートS、折りシートSfや封筒Eの幅方向に相当する。
【0023】
また、X軸とY軸に直交する軸であって、プリンタシステム1の高さ方向に沿う軸をZ軸とする。そして、Z軸を示す矢印の方向を「+Z方向」とし、逆方向を「-Z方向」とする。
【0024】
以下の説明において用いる図面にも、上記と同様の座標軸を付記しているときは、その説明に用いられる方向の定義は、上記と同様のものとする。
【0025】
画像形成装置200において画像が形成されたシートSは、+Y方向に排出され、その後、下流側に配置される各装置へと搬送される。したがって、+Y方向が搬送方向とほぼ同義である。しかし、封入封緘処理装置100においては、シートSの搬入方向が+Y方向であるが、シートS及び折りシートSfの封入封緘動作における搬送方向はZ方向である。
【0026】
すなわち、プリンタシステム1において、封筒Eを封入位置へと搬送するときの主な搬送方向と、封入物を封入位置へと搬送するときの主な搬送方向は異なる方向である。具体的には、封筒Eの搬送方向は「Z方向」であり、封入物の搬送方向は「Y方向」である。また、封入位置へ封筒Eを搬送するときの主な搬送方向は「+Z方向」であるが、封筒Eを封入位置から排出位置まで搬送するときの主な搬送方向は「-Z方向」である。
【0027】
[プリンタシステム1の機能ブロック]
次に、プリンタシステム1の全体の機能ブロックについて、
図2を用いて説明する。以下の説明において、封入位置へと搬送される封入物は、画像形成装置200において画像が形成され、折り処理装置300において所定の折り処理が行なわれた折りシートSfを前提にする。
図2では折りシートSfの移動経路(搬送経路)を破線で表示し、各機能ブロック間で信号の送受に用いられる通信路は実線で表示している。なお、シートSの移動経路(搬送経路)も破線で表示されている。
【0028】
画像形成装置200は、例えば、既知の電子写真プロセスによりシートSに画像を形成する装置である。画像形成装置200は、表示部210と、操作部220と、給シート部230と、作像部240と、定着部250と、プリンタ制御部260と、を備える。
【0029】
表示部210は、ユーザに各種機能の状態や操作内容を知らせるための表示をする。操作部220は、ユーザが処理動作モードや処理部数の設定、及び封入封緘処理装置100において封入する際に反転を必要とする設定等の設定操作を行うための操作インターフェースに相当する。給シート部230は、シートSをストックして一枚毎に分離して給送するシート給送機構を備える。作像部240は、感光体に潜像を形成しシートSへと画像を転写させる。定着部250は、シートSに転写された画像を定着させる。プリンタ制御部260は、上記の各ブロック機能ブロックの動作を制御する。
【0030】
本実施形態に係る折り処理装置300は、シート折り部310と、折り制御部320と、を有する。シート折り部310は、後述する複数の異なる折り処理を実行可能な構成を備える。折り制御部320は、シート折り部310において、ユーザが指定した折り処理、折り回数を実行するように制御する。また、折り制御部320は、後述するように、封入物の搬送間隔を調整するために、増し折り処理の制御や、増し折り処理回数の制御も行う。なお、折り制御部320は、シート折り部310において実行する折り処理において、ユーザが指定した位置に折り目が形成されるように、折り目調整制御処理も実行する。
【0031】
[シート折り部310における異なる折り動作の例]
こここで、異なる折り方を実現する折り処理手段としてのシート折り部310の実施形態を
図25、
図26及び
図27を用いて説明する。
図25に示すシート折り部310を、以下の説明において「Aタイプ」と表記する。また、
図26及び
図27に示すシート折り部310を、同様に「Bタイプ」と表記する。なお、以下の説明ではシートSの一方の面に画像形成処理が行なわれているものとする。
【0032】
また、
図25、
図26及び
図27においてシート折り部310の構成に付した符号は共通する機能や動作、及び効果をもたらす構成であっても、異なる符号を付している場合がある。AタイプとBタイプのそれぞれの範囲においては一貫して付与されているが、その他の図面の符号とは異なるものである。
【0033】
[Aタイプ]
図25に例示するように、画像形成装置200からシート折り部310に搬入されてきたシートSは、搬送方向における下面側が画像形成面Psに相当する。
【0034】
まず、
図25(a)に示すように、画像形成装置200から搬送ローラ対311に向けてシートSが搬送されてくる。
【0035】
搬送ローラ対311によって下流側に搬送されたシートSは、
図25(b)に示すように、第一折りローラ312、第一折り搬送ローラ313,第二折りローラ314により所定位置まで搬送される。
【0036】
その後、
図25(c)に示すように、第一折り搬送ローラ313と第二折りローラ314が逆転し、シートSに第一の折り目が形成される。
【0037】
第一の折り目が形成されたシートSは、
図25(d)に示すように、第一折りローラ312と第二折りローラ314及び第二折り搬送ローラ316によってシートSが搬入の経路とは別の経路に搬送されて所定の位置で停止する。
【0038】
その後、
図25(e)に示すように、第二折り搬送ローラ316が逆転し、第三折りローラ315も回転して、下流方向へと搬送される。この動作によって、第二の折り目が形成されて、外三つ折りの折りシートSfが完成する。この場合、折りシートSfの画像形成面Psは、搬送方向下側の面に位置することになる。
【0039】
[Bタイプ]
次に、Bタイプのシート折り部310の場合について説明する。
図26(a)~(f)は、シート折り部310の重ね処理部によるシートSの重ね合わせ動作について説明する図である。
図26(a)に示すように、一枚目の先行シートP1を折り処理搬送経路W2に搬送する。折り処理搬送経路W2に搬送されてきた一枚目の先行シートP1は、先端がレジストローラ対15に突き当たりスキュー補正される。なお、このスキュー補正は、行なわなくてもよい。
【0040】
次に、レジストローラ対15と、第一押圧ローラ17aと第一折りローラ17bとからなる第一搬送部材たる第一搬送ローラ対117aとにより、一枚目の先行シートP1を正搬送(所定方向の搬送)する。次に、一枚目の先行シートP1後端が折り処理搬送経路W2とスイッチバック搬送路W3との分岐部を抜けたら、シートの搬送を停止する。次に、第二分岐爪14を図中時計回りに回転させ、シートをスイッチバック搬送路W3へガイドする姿勢に切り替える。
【0041】
次に、
図26(b)に示すように、レジストローラ対15、第一搬送ローラ対117a、および、スイッチバック搬送ローラ対13を逆回転させる。これにより、一枚目の先行シートP1が逆搬送(所定方向とは逆方向に搬送)され、一枚目の先行シートP1がスイッチバック搬送路W3へ搬送される。一枚目の先行シートP1の正搬送(所定方向の搬送)時の先端が、スイッチバック搬送路W3に搬送されたら、スイッチバック搬送ローラ対13のシート搬送を停止する。
【0042】
停止後、
図26(c)に示すように、スイッチバック搬送ローラ対13により一枚目の先行シートP1を正搬送(所定方向に搬送)し、一枚目のシートの先端をレジストローラ対15に突き当ててスキュー補正した状態で待機させる。
【0043】
このように、先行の先行シートP1をスイッチバック搬送路W3へ搬送し、折り処理搬送経路W2から退避させることで、先行の先行シートP1が後続シートの搬送を邪魔することがなく、良好に後続シートP2を搬送することができる。
【0044】
次に、二枚目の後続シートP2の先端をレジストローラ対15に突き当てる。
図26(d)に示すように、後続シートP2の先端をレジストローラ対15に突き当てた後も搬送ローラ対12による後続シートP2のシート搬送を続け、後続シートを撓ませ、スキュー補正を行う。
【0045】
後続シートが所定の撓み量となる所定時間経過したら、
図26(e)に示すようにレジストローラ対15、スイッチバック搬送ローラ対13、および、第一搬送ローラ対117aを回転させて、レジストローラ対15により一枚目の先行シートP1と二枚目の後続シートP2とを重ね合わせて搬送する(
図26(f))。
【0046】
ユーザが設定した重ね合わせ枚数に達しているときは、折り処理部Bによる重ね折り処理へ移行する。一方、ユーザが設定した重ね合わせ枚数に満たないときは、重ね合わせシートの後端が分岐爪を抜けたタイミングで逆搬送(所定方向とは逆方向に搬送)してスイッチバック搬送路W3へ退避させる。重ね合わせる枚数に応じて以上の動作を繰り返すことで用紙重ねを行うことができる。
【0047】
本実施形態においては、上述したように、後続シートP2のスキュー補正において、搬送ローラ対12の回転を停止せず、後続シートP2の撓み量が所定量となったら、レジストローラ対15の回転を開始することで、生産性を落とさずに、先行シートと後続シートとの重ね合わせを行なうことができる。
【0048】
また、ユーザが設定した重ね合わせ枚数に満たない枚数の重ね合わせ処理は、レジストローラ対15によるスキュー補正を行わない重ね合わせ処理とし、ユーザが設定した重ね合わせ枚数に達する際の重ね合わせ処理は、スキュー補正を行なう重ね合わせ処理としてもよい。なお、スキュー補正を行なう重ね合わせ処理とは、先行のシート(シート束)の先端をレジストローラ対に突き当ててスキュー補正した状態で待機し、後続のシートをレジストローラ対に突き当ててスキュー補正した後に重ね合わせてシートを搬送する処理である。一方、スキュー補正を行なわない重ね合わせ処理とは、先行のシート(シート束)の先端をスイッチバック搬送路W3に退避した状態で待機させる。そして、後続シートP2がレジストローラ対15に到達するタイミングでスイッチバック搬送路W3に退避した先行シート(シート束)もレジストローラ対15に到達するように、スイッチバック搬送ローラ対13の搬送を開始し、シートを重ねわせ、レジストローラ対15により搬送する処理である。
【0049】
図27(a)~(d)は、Bタイプのシート折り部310が備える折り処理部により、シートSに対してZ折り処理をする際の一般的な動作を説明するための説明図である。レジストローラ対15により搬送されてきた重ね合わせ処理されたシート束Ptの先端は、第一折りローラ17bと第一押圧ローラ17aとからなる第一搬送ローラ対117aに進入する。次に、シート束Ptが予め決められた搬送量Δ1搬送されたら、折り機構17を駆動する駆動モータを逆回転させる。このときの突出量は、シート束Ptのシート搬送方向長さや折り処理の内容(折り方等)によって適宜決定されるものである。
【0050】
折り機構17を駆動する駆動モータを逆回転させることで、第一搬送ローラ対117aに挟まれたシート束Ptが逆搬送(所定方向とは逆方向に搬送)される。これにより、レジストローラ対15と第一搬送ローラ対117aとの間のシート束部分に撓みが形成される(
図27(a))。そして、この撓み部分(折り返し部分)が第一折りローラ17bと第二折りローラ17cとからなる第一折りローラ対117bのニップに進入することで、その折り返し部分に第一折り部が形成される。第一折りローラ17bのニップを通過した第一折り部は、第二搬送部材としての第二搬送ローラ対18に向けて搬送される。
【0051】
そして、シート束Ptの第一折り部は、第二搬送ローラ対18のニップに進入し、シート束Ptが予め決められた搬送量Δ2搬送されたら、第二搬送ローラ対18を逆回転させ、第二搬送ローラ対18に挟まれたシートを逆搬送(所定方向とは逆方向に搬送)する。このときの搬送量Δ2も、シート束Ptのシート搬送方向長さや折り処理の内容(折り方等)によって適宜決定されるものである。
【0052】
第二搬送ローラ対18に挟まれたシート束Ptが逆搬送(所定方向とは逆方向に搬送)されることで、第一折りローラ対117bと第二搬送ローラ対18との間のシート部分に撓みが形成される。
【0053】
そして、
図27(b)に示すように、この撓み部分(折り返し部分)が第二折りローラ17cと第二押圧ローラ17dとからなる第二折り部材たる第二折りローラ対117cのニップに進入することで、その折り返し部分に第二折り部が形成される。
【0054】
第二折りローラ対117cのニップを通過した2つの折り部が形成されたシート束Ptは、
図27(c)に示すように、中間搬送ローラ対19により増し折りローラ20に向けて搬送される。
【0055】
図27(d)に示すように、第二折り部が増し折りローラ20と対向位置に到達したら、シート束Ptの搬送を停止する。次に、増し折りローラ20を回転させ、第二折り部の折り目を強化した後、シート束Ptの搬送を再開し、第一折り部が増し折りローラ20と対向したら、シート束Ptの搬送を停止する。そして、増し折りローラ20により第一折り部の折り目を強化したら、シート束Ptの搬送を再開し、搬送ローラ対21,22によりシート束Ptを搬送し、後処理装置へ排出する。
【0056】
なお、上記では、重ね合わせ処理されたシート束Ptを折る場合について説明したが、シート一枚を折る場合の折り処理動作も同様である。また、上記では、Z折りについて説明したが、上記搬送量Δ1及び上記搬送量Δ2を適宜変更することで、Z折り処理と同様の動作によりシートに対して内三つ折り、外三つ折りを行なうことができる。二つ折り処理については、第三分岐爪16を図中時計回りに回転し、シートを第一折りローラ対117bへガイドする姿勢にし、レジストローラ対15から搬送されてきたシートを第一折りローラ対117bへ搬送する。そして、上記第二折り部を形成する動作と同様の動作で、シートの搬送方向中央の折り部を形成することで、二つ折りを行うことができる。
【0057】
すなわち、本実施形態に係る折り処理装置300は、複数の異なる折り処理において、折り目を形成する位置を調整可能とする折り位置調整手段を備える。
【0058】
図2に戻る。封入封緘処理装置100は、封入物搬送部110、封入処理部120、封緘処理部130及び封入封緘制御部150を有する。
【0059】
封入物搬送部110は、シート折り部310から搬入された折りシートSfの画像形成面の向きに応じて、封入位置へと折りシートSfを搬送するシート搬送処理を実行する。ここで「シート搬送処理」とは、折り制御部320から通信ライン105を通じて封入封緘制御部150に伝えられた各種調整値(折り方の種類、印字面の位置などを含み、ユーザが指示する印刷ジョブの実行に用いられるデータ)に応じた搬送処理である。言い換えると、封入物搬送部110では、折りシートSfを搬送方向下流へ搬送する搬送処理、折りシートSfの搬送方向端部を入れ換える反転処理などを行う。搬送処理及び反転処理によって折りシートSfは、封入処理部120もしくは後処理装置400へと搬送される。
【0060】
封入装置であって封入部としての封入処理部120は、封入物搬送部110から搬送されてきた折りシートSfを封入可能な位置に封筒Eを移動させて、その封筒Eを封入位置で待機させ、待機している封筒Eに封入物を封入させる機構を備える。また、封入処理部120は、封入位置に至る前に、封筒Eの開口が開放された状態になるようにフラップefを開ける機構を備える。また、封入位置に至る前に、封筒Eの長さ(封入物が封入される方向における寸法)や、フラップefの長さを算出する機構も備える。これら機構により、封入位置で保持されて開口が開放されている状態の封筒Eに対して折りシートSfの封入処理が実行される。また、封入位置に保持された封筒Eが備える構造の一種であって内容物(封入物)が封筒Eの外部から視認できるようにするための透明窓ewに対し、封入物に形成されている特定情報の相対的な位置が合致するように、封筒Eの位置調整処理も行う。すなわち、封入処理部120では、様々な種類及び大きさの封筒Eに対する封入処理を適切に行うことができる。
【0061】
封緘処理部130は、折りシートSfが封入された封筒Eのフラップefを閉じてから、封緘した封筒Eを封筒排出トレイ134へ排出する処理を行う。
【0062】
封入封緘制御部150は、封入物搬送部110、封入処理部120及び封緘処理部130を構成する複数の搬送ローラ対の動作や、封筒Eの搬送経路を切り替える切替爪の動作を制御する。なお、封入封緘制御部150のうちの封入処理を制御する構成については、封入装置としての封入処理部120に含まれるような構成でもよい。
【0063】
封入封緘制御部150は、折りシートSfの反転制御や封入制御を含む搬送制御を行う制御手段である。当該制御部としての封入封緘制御部150は、プリンタ制御部260及び折り制御部320から、各種調整値に含まれるデータであって、折りシートSfに関する情報としての「封入対象情報」を受け取る。そして、受け取った封入対象情報に含まれる各情報で示されている内容に基づいて搬送制御を行う。
【0064】
なお、「封入対象情報」とは、封入物であるシートSや、折りシートSfに係る情報である。より詳細には、封筒Eへの封入されるときのシートSや折りシートSfの先頭となる端部(搬送方向側の先端)を、所望する側の端部となるように制御するための情報を含む。また、封入対象情報には、折りシートSfに対して施された折り処理の種類や、増し折りの有無を示す「折種情報」が含まれる。また、上流側装置の一つである画像形成装置200からの動作指示情報として、後述する反転搬送処理の要否を規定する「反転要否情報」が含まれる。また、例えば、折りシートSfに対し画像が形成されている画像形成面を示す印字面情報が含まれる。また、例えば、折り処理を行ったシート折り部310の種類を示す「処理装置情報」が含まれる。
【0065】
後処理装置400は、後処理部410と、後処理制御部420と、を有する。後処理部410は、上流側から搬送されてきたシートSに対し、後処理制御部420の制御により、所定の後処理を実行する。後処理制御部420は、プリンタ制御部260、折り制御部320、及び封入封緘制御部150から通信ライン403を通じて伝えられた動作モードにより、後処理制御部420における後処理動作を制御する。
【0066】
プリンタ制御部260、折り制御部320、封入封緘制御部150及び後処理制御部420は、相互に連結されていて、各通信ライン(207、105、403)を介して制御に必要な情報のやり取りが行なわれるように構成されている。したがって、各制御部(260、320、150、420)の連携により、シートS及び折りシートSfに対してユーザが行うことを要求する処理モードに関する情報や、シートサイズが相互に共有される。これによって、各機構が所定のタイミングと所定の工程によって所定の処理を実行可能とする制御情報がプリンタシステム1全体において共有される。
【0067】
本実施形態において中心的な制御動作を行う封入封緘制御部150は、演算処理部としてのCPU(Central Processing Unit)、記憶部としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。そして、各搬送ローラへの制御信号を出力し、各搬送ローラからの信号を入力とするインターフェース、及び、各センサの出力信号を受け取るインターフェースなども備える。これらハードウェア資源を用いて制御処理を実行可能な制御プログラムによって、封入封緘処理装置100の動作は制御される。封入封緘制御部150の機能ブロックの詳細については、後述する。
【0068】
また、プリンタ制御部260、折り制御部320及び後処理制御部420も、封入封緘制御部150と同様に、CPU、ROM、RAM等によって構成されるハードウェア資源を用いて、それぞれの機能を実現する制御プログラムによって、ハードウェア機構の動作を制御する。
【0069】
なお、
図1及び
図2においてプリンタシステム1の構成例として、封入封緘処理装置100の下流に後処理装置400が接続された例を示した。代表的な後処理装置400としてはステイプル処理を行うフィニッシャや、スタッカ、製本機などがある。また、プリンタシステム1のシステム構成としては封入封緘処理装置100が最下流となる構成でもよい。
【0070】
[封入封緘処理装置100における処理動作]
次に、封入封緘処理装置100が有する封入物搬送部110と、封入処理部120と、封緘処理部130と、を構成する搬送ローラや、搬送物の搬送路及び搬送方向を切り替えるための機構について、
図3を用いて説明する。
【0071】
[封入物搬送部110の構成]
図3に示すように封入物搬送部110は、搬入路1100、第一搬送路1101、第二搬送路1102、スイッチバック搬送路1103、第四搬送路としての封入物搬送路1104、シート搬出路1109として区別される複数の搬送経路を有する。
【0072】
封入物搬送部110は、搬送物を封入位置へ搬送する処理や、搬送物の向きを封筒Eへの封入時に適切な向きにする処理を実行する。そして、折り処理装置300から搬入された折りシートSf等に対して、後述する封入処理を行なわないときは、入口ローラ101によって搬入された折りシートSf等を搬入路1100から第一搬送路1101へと通過させる。そして、シート搬出路1109を介して下流側の装置へと排出される。
【0073】
また、折り処理装置300から搬入された折りシートSf等に対して、後述する封入処理を行なうときは、折りシートSf等は、第一搬送路1101から分岐して、封筒Eを保持する封入ローラ121へと続く第四搬送路としての封入物搬送路1104へ搬送させる。封入物搬送路1104は後述するとおり、封筒搬送路1105へと連続するように構成されている。
【0074】
[封入処理部120の構成]
図3に示すように封入処理部120には、封入物搬送部110から封入物であるシートS又は折りシートSfを受け入れて封筒Eへの封入を行うための封入物搬送路1104に連結する封筒搬送路1105が設けられている。
【0075】
封筒搬送路1105には、封筒の構造を画像として取得する封筒センサ185が配置されている。封筒センサ185は、後述するフラップ開機構180が設けられている位置に設置されていて、封筒搬送路1105を介して搬送されている途中の封筒Eが備える透明窓ewの部分の位置を示す透明部分情報を取得するための画像センサである。
【0076】
また、封筒搬送路1105には、封筒Eに封入物としての折りシートSfを挿入する位置(封入位置)に、搬送手段としての、封筒Eを搬送するための第一縦搬送ローラ122と第二縦搬送ローラ123が配置されている。封入位置に搬送された封筒Eは、封筒搬送路1105上の封入位置において保持される。封入位置は、封入ローラ121と第一縦搬送ローラ122の間の位置に相当する。そして、封入位置には、封筒搬送路1105の側方に、封入支援部160が配置されている。
【0077】
封入手段としての封入支援部160は、封入位置において封入物を封筒Eに挿入しやすい状態を形成するために、搬送されてくる封入物にとっては障害物になりうる封筒Eのフラップefを、封筒搬送路1105から退避させて保持をする機能を有する。封入支援部160によって、フラップefが封筒搬送路1105から退避することで、封入物が封筒Eに向かって搬送される搬送経路上においてフラップefが封入物の挿入を邪魔することを防止できる。これによって、封入位置において封入物の封入が円滑になるように支援することができる。
【0078】
また、封入支援部160は、フラップefを退避位置にて維持したまま封筒Eの間口を拡張し、封入物の封入が円滑に行われるように、封入動作の支援になる動作を行う。そして、封入支援部160は、フラップefを封筒搬送路1105から離れた退避位置において保持した状態で、封筒Eを幅方向に移動(シフト)させる機能を有する。封入支援部160において封筒Eを幅方向にシフトさせることで、封筒Eが有する透明部分に、封入物に形成されている宛名情報などに相当する特定情報の位置を合わせることができる。
【0079】
封入支援部160は、後述するとおり、フラップ検知センサ186と搬送センサ187を有する。封入支援部160の詳細は後述する。
【0080】
封筒搬送路1105は、封入物が封入された封筒Eに対して封緘処理を行うための封緘搬送路1106へ連結している。封筒搬送路1105は、封入物搬送路1104と封緘搬送路1106と連結して封筒搬送経路を構成する。
【0081】
そして、封筒搬送路1105から封緘搬送路1106への続く連結位置には、フラップ開ローラ124が配置されている。フラップ開ローラ124には、フラップefを開くためのフラップ開部材としての、フラップ開爪181が回動可能な状態で設けられている。封筒Eが封筒セットトレイ127から搬出されて、封筒搬入路1107を通過して通って封筒搬送路1105へと合流するときに、フラップ開爪181が封筒Eに対して作用することでフラップefを開く処理(フラップ開処理)が行なわれる。
【0082】
フラップ開機構180は、封筒搬入路1107と封筒搬送路1105との合流位置の近傍に配置されている。
【0083】
封筒搬送路1105に封筒搬入路1107が合流する合流点には、封筒Eの搬送方向を切り替えるための封筒スイッチバック切替爪21が配置されている。この封筒スイッチバック切替爪21も、フラップ開機構180に含まれる。
【0084】
封筒搬送路1105へと封筒Eを供給するための封筒搬入路1107には、分離ローラ125と、封筒搬送ローラ126が配置されている。また、封筒搬入路1107の端部には、封筒セットトレイ127が配置されている。封筒搬送路1105とともに、封筒搬入路1107も封筒搬送経路を構成する。
【0085】
封筒セットトレイ127には、複数の封筒Eが載置されている。封筒セットトレイ127に載置されている封筒Eは、フラップefの反対端となる底部が、分離ローラ125側に向けられている。したがって、封筒セットトレイ127から搬出されるときの封筒Eの搬送方向における先端は、封筒Eの底部となる。したがって、フラップefが設けられている側の端部が後端となる。
【0086】
封筒セットトレイ127に載置されている複数の封筒Eから、分離ローラ125によって、ピックアップされた一つの封筒Eは、分離ローラ125、封筒搬送ローラ126によって封筒搬入路1107を通過し、封筒スイッチバック切替爪21を超える位置まで搬送される。そして、フラップ開ローラ124による搬送も合わせて、封筒Eの搬送方向後端が封筒スイッチバック切替爪21の先端(回動する端部)を超えた位置に至ったとき、封筒スイッチバック切替爪21は、回動して封筒Eをスイッチバック搬送可能な状態に切り替わる。
【0087】
すなわち、封筒スイッチバック切替爪21は、第一位置と第二位置との間で回動するように構成されている。ここで、第一位置は、封筒セットトレイ127から取り出された封筒Eが封筒搬送路1105を通過して封緘搬送路1106にまで一旦搬送させるための位置である。そして、第二位置は、封筒搬送路1105において封入物搬送部110側に封筒Eを搬送するための位置である。
【0088】
封筒スイッチバック切替爪21が、第一位置にあるとき、封筒スイッチバック切替爪21の先端は封筒搬入路1107を跨がない位置にあり、封筒Eが封筒搬送路1105へと移動できる状態を形成する。そして、封筒スイッチバック切替爪21が、第二位置にあるとき、封筒スイッチバック切替爪21の先端は封筒搬入路1107を跨ぐ位置にあり、封筒Eがスイッチバック搬送されて封緘搬送路1106から封筒搬送路1105へと移動できる状態を形成する。封筒スイッチバック切替爪21によって、封筒搬送路1105における封筒Eの搬送方向が切り替わる。
【0089】
第一縦搬送ローラ122及び第二縦搬送ローラ123は、封筒Eを封筒搬送路1105の所定の位置としての封入位置に搬送して保持する。ここでの封入位置は、後述するように、封筒Eの開口の位置(フラップefの位置)が封入ローラ121よりも下方であり、第一縦搬送ローラ122よりも上方に相当する位置である。
【0090】
封入ローラ121は、封入物搬送部110から搬送されてきた折りシートSfを封筒Eへと封入する方向に回転する搬送ローラの一種である。
【0091】
[封緘処理部130の構成]
図3に示すように封緘処理部130には、封緘搬送路1106に第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132が配置されている。そして、第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132の間には、封入物が封入された状態の封筒Eのフラップefを閉じる封緘手段としての封緘部135が配置されている。
【0092】
第三縦搬送ローラ131及び第四縦搬送ローラ132は、封筒Eを封緘搬送路1106の所定の位置に搬送して保持する。
【0093】
また、封緘搬送路1106から分岐する封筒排出路1108の分岐位置には、封筒排出切替爪31が配置されている。封筒排出路1108の端部には、封筒排出ローラ133が配置されている。封筒排出ローラ133は、封筒排出トレイ134に向けて封筒Eを排出するローラである。封筒排出トレイ134は、排出された封筒Eを載置するトレイである。
【0094】
封筒排出切替爪31は、二つの位置の間で回動するように構成されている。一の位置は、封入物搬送路1104においてフラップ開ローラ124側から第三縦搬送ローラ131へと封筒Eを搬送する位置である。また、他の位置は、封入物搬送路1104から封筒排出路1108へ封筒Eを搬送する位置である。封筒排出切替爪31は、これら二つの位置の間で回動し、封筒Eの搬送方向を切り替える部材である。
【0095】
以上説明したとおり、封入封緘処理装置100は、封入物搬送部110から、封入処理部120と封緘処理部130へと折りシートSfを搬送する搬送経路が、縦方向(Z方向)において連結されて配置されている。折りシートSfの搬送経路でもあり封筒Eの搬送経路でもあるこの搬送経路は、封入処理部120の封筒搬送路1105と封緘処理部130の封緘搬送路1106を、縦方向(Z方向)において連結した縦搬送経路に相当する。
【0096】
[封入封緘処理の流れ]
次に、封入封緘処理装置100における封入動作及び封緘動作の一連の流れの例について、
図4から
図16を用いて説明する。以下説明をする封入動作及び封緘動作を合わせて封入封緘処理と表記する。また、封入動作を行うにあたり、封入封緘制御部150が実行する制御処理を封入処理と表記し、同じく封緘動作に対応して封緘処理と表記する。また、封入処理と封緘処理を合わせて封入封緘処理と表記する。以下の各図において、各動作段階の説明に用いられる構成にのみ符号等を付している。
【0097】
まず、
図4に示すように、封筒セットトレイ127に積載されている複数の封筒Eから一つの封筒Eを、分離ローラ125の回転によって分離させて取り出し、封筒搬入路1107へと送り出す。そして、封筒搬入路1107に配置されている封筒搬送ローラ126によって、封筒セットトレイ127から送り出された封筒Eがフラップ開ローラ124へと搬送される。
【0098】
封筒Eが封筒搬入路1107を搬送されてくるとき、封筒スイッチバック切替爪21は、
図4に例示するように、封筒Eが封筒搬入路1107から封筒搬送路1105へと搬送可能な方向に向けられている。また封筒排出切替爪31は、
図4に例示するように、封筒Eが封筒搬送路1105から封緘搬送路1106へと進入可能な方向に向けられている。
【0099】
また、フラップ開ローラ124と第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132は、封筒Eを-Z方向へと搬送させる方向に回転している。これによって、封筒Eは封筒搬入路1107から封筒搬送路1105に至る。
【0100】
続いて、
図5に示すように、封筒Eがフラップ開ローラ124を通過するときに、フラップ開爪181によってフラップefが開いた状態になる。このとき、フラップ開ローラ124と第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132の回転を継続する。また、フラップ開ローラ124を通過した後、封筒Eが封筒センサ185の位置を通過するときに、封筒センサ185の検出信号は、封筒Eの厚みの搬送方向に沿った変化に基づいて経時的に変化する。
【0101】
その後、
図6に示すように、開いたフラップefの端部が封筒センサ185を通過したときに、フラップ開ローラ124と第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132の回転は一旦停止する。フラップ開ローラ124と第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132の一旦停止の後、封筒Eを封筒搬送路1105においてスイッチバック搬送するように移行する。
【0102】
図6の状態に続いて、
図7に示すように、封筒Eのフラップefが開いた状態であり、かつ、フラップefがフラップ開ローラ124を抜けた位置に至った後において、第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132が逆転する。これによって、封筒Eは、封緘搬送路1106と封筒搬送路1105において、+Z方向へと搬送される。
【0103】
この搬送を「スイッチバック搬送」とする。なお、スイッチバック搬送が開始される前、または同時に、封筒スイッチバック切替爪21が
図7で示す方向に回動し、先端が封筒搬送路1105を跨いでいた位置から移動する。これによって、封筒搬送路1105の上方に向けて封筒Eを搬送することができる状態になる。その結果、封筒Eが、スイッチバック搬送にされて封入処理部120の封入位置へと搬送される。
【0104】
続いて、
図8に示すように、フラップ長に応じた封入位置に至るまで、第二縦搬送ローラ123と第一縦搬送ローラ122によって封筒Eが搬送される。フラップefが第一縦搬送ローラ122を抜けた位置であって、フラップ長に応じた封入位置に至れば、第二縦搬送ローラ123と第一縦搬送ローラ122の回転を停止させて、封入待機動作に入る。
【0105】
この封入待機動作に入るための位置に封筒Eを搬送する制御において、分離ローラ125が封筒Eを取り出してからの各搬送ローラの回転量から封筒Eの搬送量を算出し、搬送量と搬送経路長に基づいて、封筒搬送路1105内での封筒Eの位置を判断してもよい。
【0106】
続いて、封入位置に封入物を搬送するときの動作について説明する。なお、封入物を封入位置に搬送する動作は、
図3から
図8を用いて説明した封筒Eの搬送動作と平行して(同時に)実行されてもよい。ここでは、
図9に示すように、封筒Eを封入位置にて封入待機状態にした状態で、封入封緘処理装置100は、上流側装置(折り処理装置300)から折りシートSfを入口ローラ101で受け入れて第一搬送路1101へと搬送することを例にしている。
【0107】
続いて、
図10に示すように、折りシートSfを第一中間搬送ローラ114と第一搬送ローラ111によって下流に搬送する。このとき、第一切替爪11と第三切替爪13は、
図11に示す状態になっているので、折りシートSfは、第一搬送路1101から封入物搬送路1104へと搬送される。
【0108】
その後、
図11に示すように、封入物搬送路1104から封筒搬送路1105へと搬送された折りシートSfは、封入ローラ121によって、さらに-Z方向へと搬送される。その結果、折りシートSfは、第一縦搬送ローラ122などによって、封筒搬送路1105の所定の封入位置で保持されて、封入待機状態になっている封筒Eへと封入される。
【0109】
図9から
図11に例示した状態の制御処理が行われている間に、封入処理部120の封入支援部160では、封筒Eの幅方向の位置を調整するための制御処理が実行される。
【0110】
以上のように、封入物が封筒Eに挿入される封入動作が行われる。そして、これに続いて封緘動作が実行される。
【0111】
図12に示すように、第一縦搬送ローラ122と第二縦搬送ローラ123を回転させて、封筒Eを下方に搬送して、
図13に示すように、封筒Eを第四縦搬送ローラ132まで搬送する。封入後の封筒Eは、フラップefが封筒排出切替爪31を抜ける位置に至るまで搬送される。
【0112】
図12から
図13に至る動作の途中において、封入物が入った封筒Eが封筒センサ185を通過する。このときも、封筒Eの透明窓ewの部分の位置を示す透明部分情報を取得する。そして、透明部分情報によって特定される封筒Eの画像領域に宛名情報などの特定情報があるか否かを判定する。特定情報があれば、封入処理が正常だったと判定することができる。特定情報が無ければ、封入処理が異常だったと判定することができる。封入処理が異常であった場合、封筒Eを封筒排出トレイ134へ搬送し、報知部190を介して、ユーザに異常を通知する。
【0113】
封入処理が正常であったとき、
図13に続いて
図14に示すように、第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132との間で、封緘部135によってフラップefを閉じて、封筒Eを封緘する。
【0114】
その後、
図15に示すように、第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132を逆転して、封緘された封筒Eを第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132によってスイッチバック搬送する。第三縦搬送ローラ131と第四縦搬送ローラ132が逆転する以前に、封筒排出切替爪31を回動させて、
図23に示す状態にする。これによって、封入された封筒Eは、封入物搬送路1104から封筒排出路1108へと搬送される。
【0115】
その結果、
図16に示すように、封緘された封筒Eが封筒排出ローラ133により、封筒排出トレイ134に排出される。以上のように、封入物が入った封筒Eの封緘がなされて封筒排出トレイ134へと至ることで、封入封緘動作が完了する。
【0116】
[封入支援部160の詳細]
次に、封入支援部160の構成に関して
図17を参照しながら説明する。封入支援部160は、封筒Eのフラップefを開いた状態で保持するためのフラップ保持ローラ161、フラップ保持ローラ161にフラップefが正常に保持されたことを検知するフラップ検知センサ186、封入後の封筒Eが正常に排出方向へ搬送されたことを検知するための搬送センサ187を備えている。
【0117】
また、封入支援部160は、押し込み爪162、昇降ベルト164、昇降モータ165を備えている。昇降モータ165を駆動することで昇降ベルト164を回動させると、押し込み爪162がZ方向に移動する。押し込み爪162が封入物の端部を封筒Eに向けて押すことで、封入物(折りシートSf)が封筒Eに挿入される。
【0118】
フラップ保持ローラ161は、フラップefを保持した状態で、X方向への移動が可能な構成を備えている。このフラップ保持ローラ161の移動によって、封筒EのX方向における位置(封筒Eの幅方向の位置)を調整することができる。この位置調整によって、折りシートSfの一部に形成されている宛先などを示す情報(特定情報)の位置と、透明窓ewの位置との相対的な位置関係を調整することができる。この調整により、封筒Eに折りシートsfが入った状態で、外部から特定情報を視認することができるようになる。
【0119】
なお、封筒Eの幅方向における位置調整は、封入物が封入されてくるまでの間に実行することができるので、位置調整のために封入処理を待機させることなく、生産性を向上できる。
【0120】
[封筒Eと透明窓ewの詳細]
ここで、封筒Eが備える構造の一部であって、透明部分に相当する透明窓ewの例について説明する。封筒センサ185が搬送中の封筒Eを撮影して得られる封筒画像が
図18に挙げた例とする。
図18に例示するように、封筒Eの形状は共通するものの、透明窓ewの形状や寸法は様々である。
【0121】
透明窓ewの位置、形状、寸法は、封筒画像を解析することによって得られる。例えば、封筒画像において、透明窓ewの部分を特定し、特定された透明窓ew部分の輪郭を形成する画素の数から透明窓ewの寸法を算出することができる。
【0122】
また、
図18(d)に例示するように、封筒Eの平面画像(封筒画像)には、封筒の輪郭、透明窓ewの輪郭の他、封筒Eに付されている文字や図形も含まれる。これら透明窓ewに相当する画像以外の画像と、透明窓ewの画像との区別は、囲まれた領域内に他の画像(文字や図形)が含まれていない部分を透明窓ewとして判定すればよい。
【0123】
そして、封筒センサ185を介して得られる封筒情報から透明窓ewの位置を判定し、封入物としての折りシートsfに付されている特定情報との相対的な位置関係を判定することができる。その判定結果を用いて、封筒Eの横方向(幅方向)の位置調整を行うことができる。
【0124】
[透明窓ewと特定情報の相対位置に関する説明]
次に、封筒Eに挿入されたときの特定情報(宛名)の位置と、透明窓ewの位置との相対的な位置関係に関し、封入物の搬送方向における調整について
図19を用いて説明する。
図9(a)は、
図18(a)と同様の図であって、この封筒Eをフラップ保持ローラ161で保持しながら、フラップ保持ローラ161を封筒Eの幅方向にシフトさせることで、
図19(b)のように、封入物(折りシートSf)と透明窓ewの相対的な位置関係を調整することができる。なお、特定情報(宛名)の位置は、上流装置(プリンタ制御部207)から通知される。プリンタ制御部207は、特定情報に関する位置情報を、画像形成処理の対象データ(文書ファイル)や、スキャン機能を介して取得する。
【0125】
また、
図19(c)に示すように、封筒Eに挿入されたときの折りシートsfに付されている特定情報の位置を透明窓ewに合わせるには、折り処理装置300において実行される折り処理において、折り目の位置を
図19(d)に例示するように調整すればよい。
【0126】
例えば、シートSを形成するためのデータから、または、シートSをスキャンして、特定情報の位置を取得し、封入封緘制御部150に通知する。そして、封入封緘制御部150では、封筒Eを搬送中に撮影して得られる通知される透明窓ewの位置を示す透明部分情報と特定情報に基づいて、搬送方向の特定情報の位置を調整するための位置調整情報を生成する。そして、封入封緘制御部150は、生成した位置調整情報を折り処理装置300に対して出力する。
【0127】
折り処理装置300では、透明窓ewの位置に特定情報が合致するように、第一折り位置を調整して折り、その後、三つ折りの中腹及び、下段が封筒長を超えないように第二折り位置を調整すればよい。
【0128】
[シフト動作の例]
次に、
図19(a)及び
図19(b)で例示したような、封筒Eに挿入されたときの封入物の位置と、透明窓ewの位置との相対的な位置関係を調整するためのシフト動作の例について説明する。
図21は、宛名幅と宛名窓幅が均等になるように調整した例である。
【0129】
封筒センサ185によって取得された封筒画像を解析して特定された窓位置において、封筒の幅方向における端部の位置を特定する。例えば、一方を「x21」とし他方を「x22」とする。
【0130】
また、上流装置で実行された画像形成処理により形成された特定情報の形成位置における幅方向の端部の位置を「x11」、「x12」とする。
【0131】
この場合、特定情報の幅方向の端部と、窓位置の幅方向の端部との相対的な位置ずれの量(ズレ量)は、それぞれの端部において「X21-X11」、「X12-X22」で算出可能となる。この演算処理は封入封緘制御部150において実行し、演算結果から派生する情報を折り制御部320,プリンタ制御部260に通知する。
【0132】
上記の例の場合、両端部におけるズレ量が均等になるように、封筒Eの幅方向の位置を調整するには、フラップ保持ローラ161を封筒Eの幅方向において移動させればよく、その移動量は、「(x21-x11-x12+x22)/2」で算出できる。
【0133】
図21は、宛名幅が宛名窓幅に収まらない場合宛、名窓に収まるようにシフトした例。である。
図20と同様に、窓位置の座標を「x21」「x22」とし、また、特定情報の幅方向の端部の座標を「x11」「x22」とする。
図20と同様に、それぞれの端部において「x21-x11」、「x12-x22」を計算したとき、その結果が負数になる場合もある。
【0134】
この場合、透明窓ewに特定情報が収まらず、特定情報の一部を視認できない状態になる。そこで、上記演算結果が負数になった場合、ずれ量以上の距離に相当する封筒Eのシフトを行う。れこによって、特定情報(宛名)が透明窓ewに収まるように調整できる。
【0135】
図22は、封入物(折りシートSf)に形成された特定情報(宛名)の位置を使用せずに、標準的な封筒Eの透明窓ewに特定情報が収まるように位置を調整する例である。特定情報(宛名)の位置情報が、上流装置(プリンタ制御部207)から取得できないとき、特定情報(宛名)の位置は標準的な封筒Eが備える透明窓ewの位置に合うように形成されていると仮定して、予め規定されている「標準的な封筒Eの透明窓ewの位置に合わせて特定情報(宛名)が印刷された」ものとして処理をする。
【0136】
この場合、特定情報の幅方向の端部の座標を「x31」「x32」とする。そうすると、標準的な宛名窓と宛名窓のずれは「x21-x31」、「x32-x22」で算出できる。そして、フラップ保持ローラ161で封筒Eをずれ量が均等になる可動量は「(x21-x31-x32+x22)/2」で算出できる。この算出値に基づいて封筒Eを幅方向にシフトさせれば、幅方向のずれ量が均等になるように調整できる。
【0137】
また、封筒センサ185によって封筒Eの幅寸法(封筒幅)を検出できるので、折りシートSfが挿入できるシフト量が判別可能である。調整に必要なシフト量が、折りシートSfが挿入できるシフト量を超えていた場合はエラーとすることも可能である。
【0138】
[封入異常の判定について]
図12及び
図13に示したように、封筒Eに封入物(折りシートSf)が封入されてから封筒排出トレイ134へと搬送されるときに、再び、封筒センサ185を通過する。封筒セットトレイ127から封入位置に搬送されるときに、封筒センサ185において取得される封筒画像を第一画像とし、封入位置から封筒排出トレイ134へ封入処理後の封筒Eを搬送するときに、封筒センサ185において取得される封筒画像を第二画像とする。
【0139】
ここで、封入封緘制御部150において、第一画像と第二画像の差分を判定することで、透明窓ewに特定情報の有無を判定することができる。特定情報が無いときは、封入漏れであるから、封入処理の異常を検知することができる。
【0140】
[封入の状態判定]
封入支援部160が備えるフラップ検知センサ186は、封筒Eが封入位置に搬送されてきたときに、フラップ保持ローラ161によってフラップefが保持されていることを、遮蔽物の有無によって判定するセンサである。すなわち、フラップ検知センサ186は、フラップefが所定の位置にあることを検知するセンサである。ここで、所定の位置とは、封入時に封筒Eの開口への封入物の挿入(侵入)の障害にならない位置をいう。
【0141】
封筒Eに対して封入物(折りシートSf)が押込み爪163によって挿入された後、封筒Eが排出方向に向けて搬送される。このとき、封筒Eが正常の排出方向に搬送されればフラップefはフラップ保持ローラ161を外れて移動し、フラップ検知センサ186に対する障害物が無くなる。この場合は、搬送及び封入が正常であると判定できる。一方、押込み爪163による封入物の封入が失敗し残留していると、封筒Eが搬送されても、フラップ検知センサ186に対する遮蔽物(封入物)は存在したままの状態になる。この場合、封入異常であると判定できる。
【0142】
搬送センサ187は搬送物(封筒E)の有無を検知するセンサである。封入物(折りシートSf)が押込み爪163によって封筒Eの内部に封入され、封筒Eが排出方向へと搬送される。この搬送が正常であれば、搬送センサ187の遮蔽物がなくなり、搬送センサ187の状態が遷移するので、搬送が正常であると判定できる。
【0143】
一方、押込み爪163によって封入物(折りシートSf)の封入が失敗していて重なっており、封筒E又は折りシートSfのどちらかだけが搬送されたとき、搬送センサ187の遮蔽物(封筒E又は折りシートSf)は存在したままの状態になる。この場合、搬送センサ187の状態は遷移しないので、搬送が異常であると判定できる。
【0144】
[処理フロー]
次に、本発明に係る封入制御処理の実施形態について、
図23のフローチャートを参照しながら説明する。以下において説明する処理は、プリンタシステム1において実施される制御処理に関するものである。なお、以下に説明する各処理は、複数の処理が並行しても競合しない場合、適宜、並列で実行されてもよいものを含む。
【0145】
画像形成装置200のプリンタ制御部207が、封入ジョブの開始を封入封緘制御部150に通知することで、封入封緘処理装置100に於ける封入処理が開始される。まず、封筒Eを封入位置に搬送する処理を実行する(S2301)。
【0146】
封筒Eを封入位置に搬送する途中において封筒センサ185を通過するので、封筒センサ185が封筒Eの画像(封筒画像としての第一画像)を取得し、封入封緘制御部150に通知する。封入封緘制御部150は、封筒センサ185から通知された封筒画像を解析して、透明窓ewの位置に関連する封筒情報を取得する(S2302)。
【0147】
続いて、次に、取得した封筒情報に基づいて、
図19(c)及び(d)を用いて説明したように、特定情報(宛名)と透明窓ewの位置情報に基づいて、折りシートSfの搬送方向の位置調整の要否を判定する(S2303)。搬送方向の位置調整が必要と判定されたとき(S2303:YES)、封入封緘制御部150は、折り位置を調整するための位置調整情報を生成し、折り制御部320に対して通知する。これによって縦方向の補正である折り位置修正処理が実行される(S2304)。
【0148】
搬送方向の位置調整が不要と判定されたとき(S2303:NO)、又は、折り位置修正処理が実行された後において、
図19(a)及び(b)を用いて説明したように、特定情報(宛名)と透明窓ewの位置情報に基づいて、折りシートSfの幅方向の位置調整の要否を判定する(S2305)。
【0149】
幅方向の位置調整が必要と判定されたとき(S2305:YES)、封入封緘制御部150はフラップ保持ローラ161を横方向に移動させて封筒Eの位置をシフトさせる(S2306)。なお、封筒Eの横方向の位置調整を実行するときには、封筒Eが封入位置への搬送が完了しているものとし、搬送が未完了のときは、処理を待機する。
【0150】
幅方向の位置調整が不要と判定されたとき(S2305:NO)、又は、折り位置修正処理が実行された後において、封入支援部160を用いて封入動作を実行する(S2307)。
【0151】
続いて、封筒Eに封入物を封入した後に、封筒Eを封筒排出トレイ134へ搬送する(S2308)。
【0152】
封筒Eを封筒排出トレイ134に搬送する途中において封筒センサ185を通過するので、封筒センサ185が封筒Eの画像(封筒画像としての第二画像)を封入封緘制御部150に通知する。封入封緘制御部150は、封筒センサ185から通知された第二画像を解析して、第一画像との差分を算出して、透明窓ewの位置において特定情報の有無を検知する(S2309)。
【0153】
続いて、透明窓ewの部分において、特定画像が検知されないとき(S2310:NO)、封入ミスが生じていると判定して、報知部190を介して、ユーザに報知する(S2311)。
【0154】
透明窓ewの部分において、特定画像が検知されたとき(S2310:YES)、封入処理は正常に行われたと判定し、封緘処理を行って、封筒Eを封筒排出トレイ134へと排出する(S2312)。
【0155】
続いて、封入ジョブに含まれる折りシートSfへの封入処理が全て完了したか否かを判定する(S2313)。封入処理が全て完了していないときは(S2313:NO)、処理を、S2301に戻す。完了していれば(S2313:YES)、封入ジョブを終了する。
【0156】
なお、複数の封入処理を実行する封入ジョブの場合、封筒情報(第一画像)を個々の封筒Eごとに取得すれば、様々な種類の封筒Eに対する封入を行うことができる。
【0157】
[ユーザが任意に設定する特定位置の実施形態]
次に、操作部220に封筒Eの画像を表示し、特定情報との相対的な位置調整をユーザが任意に行う実施形態について説明する。
【0158】
図24は、画像形成装置200の操作部220に表示した封筒画像と封入物の画像の例である。なお、封筒Eは一度、封筒センサ185で読み取り、画像形成装置200に撮影した封筒画像を通信し、封入画像を取得した画像形成装置200が操作部220に封筒画像を表示する。また、特定情報は、画像形成処理に用いられる文書データなどを解析することで生成され、操作部220に表示されるものとする。
【0159】
操作部220に表示されている「縦」と「横」の操作ボタンに対する「+」と「-」の操作することで、封筒画像と特定情報の画像の縦及び横の相対的な位置関係が変化するので、ユーザは相対的な位置を、操作部220の表示に基づいて視認しながら行うことができる。
【0160】
ユーザが好適な状態となった段階で操作を止めると、その後の封入動作における封筒の位置制御に反映される。
【0161】
上記の手順で調整された封筒Eと封入物(折りシートSf)との相対的な位置を示す情報は、操作部220に表示されている「縦」と「横」の操作ボタンに対する「+」と「-」の操作量に基づいて、プリンタ制御部260において調整量が算出され、折り制御部320及び封入封緘制御部150へ通知される。通知された調整量に基づいて、折り位置の調整と、幅方向のシフトが実行される。
【0162】
なお、宛名としての特定情報のほかにも、判別しにくい情報をユーザの任意の位置に配置するような調整も可能となる。
【0163】
以上説明したとおり、本実施形態に係るプリンタシステム1によれば、画像形成がなされて、三つ折りなどの折り処理が施された用紙を受け取り、自動的に封筒に封入封緘処理を行う技術において、宛名と封入物の封筒幅方向のずれを調整できる。この調整は、フラップefを固定しているときに封筒Eのシフト動作で実施できるので、位置調整のために封入処理を停止させる必要がなく、処理の生産性を落とさずに封筒幅方向のずれを補正することができる。
【0164】
[本発明の態様]
本発明の内容は、例えば、以下のとおりである。
<1>
封筒を封入位置に搬送し、特定情報が形成された封入物を封入する封入装置であって、
前記封入物を封筒に挿入する封入位置に搬送し、封入後の当該封筒を排出する封筒搬送手段と、
搬送中の前記封筒の構造を画像として取得し、少なくとも、前記封筒の構造に含まれる透明部分の位置を示す情報としての透明部分情報を取得する封筒情報取得手段と、
前記封入位置に至った前記封筒を、前記封入物が挿入可能な状態で保持する封筒保持手段と、
前記特定情報の形成位置と前記透明部分の位置の相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する制御手段と、
を備えることを特徴とする封入装置である。
<2>前記制御手段は、前記特定情報の形成位置が前記透明部分の位置に合うように、前記封入位置における前記封筒の幅方向の位置を調整する、
請求項1に記載の封入装置である。
<3>前記制御手段は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するために、前記封入位置に至る前に実行される折り処理に係る制御情報としての位置調整情報を出力する、前記<1>又は前記2>に記載の封入装置である。
<4>前記制御手段は、前記封筒が戦記封入位置に搬送されるときに取得される第一画像と、前記封入物が挿入された前記封筒を封入位置から排出位置へと搬送するときに取得される第二画像と、を比較して、当該封入物が正常に挿入されているか否かを判定する、
前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の封入装置である。
<5>前記制御手段は、前記画像に基づいて前記封筒の搬送姿勢を判定し、
当該搬送姿勢に基づいて、前記封筒の幅方向における位置の調整、又は、前記位置調整情報の出力のいずれかを行う、
前記<1>乃至前記<4>のいずれか一項に記載の封入装置である。
<6>ユーザによる操作に基づいて、前記特定情報の形成位置に対する前記透明部分の位置を指定する位置指定手段を備え、
前記制御手段は、前記位置指定手段において指定された位置と相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する、
前記<1>乃至前記<5>のいずれかに記載の封入装置である。
<7>シート状の前記封入物に対し折り処理を施す折り処理手段をさらに備え、
前記折り処理手段は、前記位置調整情報に基づいて前記封入物の折り位置を調整する、
前記<1>乃至前記<6>のいずれかに記載の封入装置である。
<8>封筒に封入物を封入する挿入する封入部と
前記封入物が挿入された前記封筒を封緘する封緘部と、を備え、
前記封入部は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の封入装置である、ことを特徴とする封入封緘装置である。
<9>シート状の媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像が形成された前記媒体を封入物として封筒に挿入する前記<1>乃至前記<7>のいずれかに記載の封入装置、又は、請求項8に記載の封入封緘装置と、
を備えることを特徴とする封入封緘システムである。
【0165】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0166】
1 :プリンタシステム
100 :封入封緘処理装置
120 :封入処理部
121 :封入ローラ
122 :第一縦搬送ローラ
123 :第二縦搬送ローラ
124 :フラップ開ローラ
125 :封筒分離ローラ
126 :封筒搬送ローラ
127 :封筒セットトレイ
128 :分離センサ
129 :フラップ開検出センサ
130 :封緘処理部
150 :封入封緘制御部
160 :封入支援部
161 :フラップガイド板
163 :封入ガイド爪
166 :封入ガイド軸
167 :封入爪固定ガイド板
168 :封入爪対向ガイド板
169 :封入ガイドバネ
170 :駆動カム
180 :フラップ開機構
200 :画像形成装置
260 :プリンタ制御部
300 :折り処理装置
320 :折り制御部
400 :後処理装置
420 :後処理制御部
1100 :搬入路
1109 :シート搬出路
1611 :フラップ保持ローラ
1612 :フラップ検知センサ
1631 :爪先端部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0167】
【手続補正書】
【提出日】2023-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒を封入位置に搬送し、特定情報が形成された封入物を封入する封筒処理装置であって、
前記封入物を封筒に挿入する封入位置に搬送し、封入後の当該封筒を排出する封筒搬送手段と、
搬送中の前記封筒の構造を画像として取得し、少なくとも、前記封筒の構造に含まれる透明部分の位置を示す情報としての透明部分情報を取得する封筒情報取得手段と、
前記封入位置に至った前記封筒を、前記封入物が挿入可能な状態で保持する封筒保持手段と、
前記特定情報の形成位置と前記透明部分の位置の相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する制御手段と、
を備えることを特徴とする封筒処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記特定情報の形成位置が前記透明部分の位置に合うように、前記封入位置における前記封筒の幅方向の位置を調整する、
請求項1に記載の封筒処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するために、前記封入位置に至る前に実行される折り処理に係る制御情報としての位置調整情報を出力する、
請求項1に記載の封筒処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記封筒が前記封入位置に搬送されるときに取得される第一画像と、前記封入物が挿入された前記封筒を封入位置から排出位置へと搬送するときに取得される第二画像と、を比較して、当該封入物が正常に挿入されているか否かを判定する、
請求項1に記載の封筒処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記画像に基づいて前記封筒の搬送姿勢を判定し、
当該搬送姿勢に基づいて、前記封筒の幅方向における位置の調整、又は、前記位置調整情報の出力のいずれかを行う、
請求項1に記載の封筒処理装置。
【請求項6】
前記封筒に封入物を封入する挿入する封入部と、
前記封入物が挿入された前記封筒を封緘する封緘部と、
を備えたことを特徴とする、
請求項1に記載の封筒処理装置。
【請求項7】
ユーザによる操作に基づいて、前記特定情報の形成位置に対する前記透明部分の位置を指定する位置指定手段を備え、前記封入物に画像を形成する画像形成装置と、
請求項1に記載の封筒処理装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記制御手段は、前記位置指定手段において指定された位置と相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
シート状の封入物に対し折り処理を施す折り処理手段を備えた画像形成装置と、
請求項1に記載の封筒処理装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記折り処理手段は、前記位置調整情報に基づいて前記封入物の折り位置を調整する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
シート状の媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像が形成された前記媒体を封入物として封筒に挿入する請求項1に記載の封筒処理装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、封筒処理装置及び画像形成システムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
封筒に封入物を封入する封入装置が知られている。また、封筒に封入物を封入し封緘も行う封筒処理装置が知られている。そして、封入物としてのシート状の媒体に画像を形成する画像形成装置と、封筒処理装置を連携させた画像形成システムも知られている。また、画像が形成された媒体に所定の折り処理を施した封入物を封入し封緘する画像形成システムも知られている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
【
図1】本発明に係る
画像形成システムの実施形態を示す正面外観図。
【
図2】上記実施形態に係る制御構成の例を示すブロック図。
【
図3】本発明に係る
封筒処理装置の実施形態の内部構成図。
【
図4】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図5】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図6】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図7】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図8】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図9】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図10】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図11】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図12】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図13】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図14】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図15】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図16】上記
封筒処理装置の一実施形態に係る封入動作の一工程を例示する図。
【
図17】上記実施形態に係る封入支援部の構成例を示す図。
【
図18】上記実施形態に適用可能な封筒の概要を示す図。
【
図19】上記実施形態に係る封入処理における位置調整処理の概要を示す図。
【
図20】上記実施形態に係る位置調整処理に横シフト処理の概要を示す図。
【
図21】上記実施形態に係る位置調整処理に横シフト処理の概要を示す図。
【
図22】上記実施形態に係る位置調整処理に横シフト処理の概要を示す図。
【
図23】上記実施形態に係る封入封緘処理の流れを示すフローチャート。
【
図24】上記実施形態に係る位置調整設定インターフェースを例示する図。
【
図25】上記実施形態に適用可能な折り処理部の例を示す内部構成図。
【
図26】上記実施形態に適用可能な折り処理部の別例を示す内部構成図。
【
図27】上記実施形態に適用可能な折り処理部の別例を示す内部構成図。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
[
封筒処理装置及び
画像形成システムの実施形態]
まず、本発明に係る
封筒処理装置及び
画像形成システムの実施形態について説明する。
図1は、
封筒処理装置及び
画像形成システム
の内部構成を概略的に示す正面図である。
画像形成システム1は、画像形成装置200と、シート処理装置としての折り処理装置300と、折り処理装置300と連携して
作動する本発明に係る
封筒処理装置100と、後処理装置400と、を有している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
なお、画像形成システム1は、画像形成装置200、折り処理装置300、封筒処理装置100、後処理装置400、をインライン接続して連携可能に構成されたものであり、本発明に係る画像形成装置の一実施形態に相当する。また、折り処理装置300と封筒処理装置100をインライン接続して連携可能に構成したものは、本発明に係る封入システムの一実施形態に相当する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、後述する折り処理装置300において、所定の折り処理が施されたシートSを「折りシートSf」とする。すなわち、本実施形態の説明に係る「封入物」には、画像形成装置200から下流に排出されて折り処理を行わずに封筒処理装置100に搬入されたシートSと、折り処理が施されてから封筒処理装置100に搬入された折りシートSfのいずれも含まれる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
画像形成装置200から排出されたシートSに対する折り処理の実施又は不実施の指示は、画像形成装置200が備える制御部(後述するプリンタ制御部260)に対する制御指示に含まれる。この制御指示は、例えば、画像形成システム1の利用者が入力する情報に基づいて当該プリンタ制御部260から送出される。または、折り処理装置300が備える折り制御部320に対し、画像形成システム1の利用者が入力した情報に基づく指示による。なお、シートS又は折りシートSfには、画像形成処理が施されている場合と画像形成処理は施されていない場合のいずれもありえるが、本実施形態において、画像形成処理の有無は問わないものとする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
シートSに折り目を形成する位置や数は、折り処理装置300に供給される位置調整情報に基づくものとなる。位置調整情報は、折り処理装置300の下流に配置される封筒処理装置100から供給される場合、上流側に配置される画像形成装置200から供給される場合がある。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
封筒処理装置100は、シートSが搬入される方向(搬送方向)の上流側に配置される装置(画像形成装置200又は折り処理装置300)から排出された封入物としてのシートSや折りシートSfを封筒Eに封入する封入処理を行なう。そして、封入物が挿入された封筒Eを封緘する封緘処理も行なう。なお、シートSや折りシートSfを下流側に配置される装置に対して直接排出して、シートSや折りシートSfの封入処理などを行わない処理もある。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
封筒処理装置100は、折りシートSfを、封筒Eに対して適切な向きで封入する処理を施すこともできる。ここで「適切な向き」とは、封入物としての折りシートSfに形成された宛先などの情報を封入後に封筒Eの外側からも視認できるように、封筒Eに予め形成されている透明窓ewに対応する向きをいう。折りシートSfに施される折り処理の種類(折り種)は複数あり、折り種によって宛先などの情報が搬送方向に対する向きが異なる状態になる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
そこで、封筒処理装置100では、折り種に応じて、折りシートSfの搬送時に搬送方向に対する直交方向への向き反転の要否を判定する。そして、反転が必要な場合は、封入位置の上流側の搬送経路を利用して折りシートSfを反転させてから封入位置へと搬送する搬送機構を備える。折りシートSfに対する反転制御及び搬送制御の詳細は後述する。なお、封筒処理装置100は、折り処理が施されていない封入物としてのシートSも、同様に封入することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、封筒処理装置100は、折り種によって変化する特定情報の位置に基づいて、封筒Eを封入位置で保持するときの相対的な位置を調整し、封筒Eに封入物が挿入されたときに、外部から特定情報を視認できる状態にする。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本実施形態では、封筒処理装置100において封入処理が行われる位置(封入位置)に封筒E及び封入物(シートS、折りシートSf)を搬送し、封筒Eに封入物を進入させる。そして、封入物が中に含まれている封筒Eを封緘処理が行われる位置(封緘位置)に搬送して封緘して排出する。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
[本実施形態で参照する座標軸]
ここで、本実施形態の説明に用いる方向を明確にするための「座標軸」について説明する。
図1にて示すように、
画像形成システム1の載置面と平行する軸であって、
画像形成システム1を構成する各装置の並び方向に沿う軸をY軸とする。そして、Y軸を示す矢印の方向を「+Y方向」とし、逆方向を「-Y方向」とする。画像形成装置200において画像が形成されたシートSは、+Y方向に搬出され、その後、+Y方向の下流側に配置される各装置へと搬送される。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、同じく画像形成システム1の載置面と平行する軸であって、画像形成システム1の奥行き方向に沿う軸をX軸とする。そして、X軸を示す矢印の方向を「+X方向」とし、逆方向を「-X方向」とする。X方向は、封入物の搬送方向に対し直交する方向に相当する。そして、X方向は、シートS、折りシートSfや封筒Eの幅方向に相当する。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
また、X軸とY軸に直交する軸であって、画像形成システム1の高さ方向に沿う軸をZ軸とする。そして、Z軸を示す矢印の方向を「+Z方向」とし、逆方向を「-Z方向」とする。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
画像形成装置200において画像が形成されたシートSは、+Y方向に排出され、その後、下流側に配置される各装置へと搬送される。したがって、+Y方向が搬送方向とほぼ同義である。しかし、封筒処理装置100においては、シートSの搬入方向が+Y方向であるが、シートS及び折りシートSfの封入封緘動作における搬送方向はZ方向である。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
すなわち、画像形成システム1において、封筒Eを封入位置へと搬送するときの主な搬送方向と、封入物を封入位置へと搬送するときの主な搬送方向は異なる方向である。具体的には、封筒Eの搬送方向は「Z方向」であり、封入物の搬送方向は「Y方向」である。また、封入位置へ封筒Eを搬送するときの主な搬送方向は「+Z方向」であるが、封筒Eを封入位置から排出位置まで搬送するときの主な搬送方向は「-Z方向」である。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
[
画像形成システム1の機能ブロック]
次に、
画像形成システム1の全体の機能ブロックについて、
図2を用いて説明する。以下の説明において、封入位置へと搬送される封入物は、画像形成装置200において画像が形成され、折り処理装置300において所定の折り処理が行なわれた折りシートSfを前提にする。
図2では折りシートSfの移動経路(搬送経路)を破線で表示し、各機能ブロック間で信号の送受に用いられる通信路は実線で表示している。なお、シートSの移動経路(搬送経路)も破線で表示されている。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
表示部210は、ユーザに各種機能の状態や操作内容を知らせるための表示をする。操作部220は、ユーザが処理動作モードや処理部数の設定、及び封筒処理装置100において封入する際に反転を必要とする設定等の設定操作を行うための操作インターフェースに相当する。給シート部230は、シートSをストックして一枚毎に分離して給送するシート給送機構を備える。作像部240は、感光体に潜像を形成しシートSへと画像を転写させる。定着部250は、シートSに転写された画像を定着させる。プリンタ制御部260は、上記の各ブロック機能ブロックの動作を制御する。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図2に戻る。
封筒処理装置100は、封入物搬送部110、封入処理部120、封緘処理部130及び
封筒処理制御部150を有する。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
封入物搬送部110は、シート折り部310から搬入された折りシートSfの画像形成面の向きに応じて、封入位置へと折りシートSfを搬送するシート搬送処理を実行する。ここで「シート搬送処理」とは、折り制御部320から通信ライン105を通じて封筒処理制御部150に伝えられた各種調整値(折り方の種類、印字面の位置などを含み、ユーザが指示する印刷ジョブの実行に用いられるデータ)に応じた搬送処理である。言い換えると、封入物搬送部110では、折りシートSfを搬送方向下流へ搬送する搬送処理、折りシートSfの搬送方向端部を入れ換える反転処理などを行う。搬送処理及び反転処理によって折りシートSfは、封入処理部120もしくは後処理装置400へと搬送される。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
封筒処理制御部150は、封入物搬送部110、封入処理部120及び封緘処理部130を構成する複数の搬送ローラ対の動作や、封筒Eの搬送経路を切り替える切替爪の動作を制御する。なお、封筒処理制御部150のうちの封入処理を制御する構成については、封入装置としての封入処理部120に含まれるような構成でもよい。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
封筒処理制御部150は、折りシートSfの反転制御や封入制御を含む搬送制御を行う制御手段である。当該制御部としての封筒処理制御部150は、プリンタ制御部260及び折り制御部320から、各種調整値に含まれるデータであって、折りシートSfに関する情報としての「封入対象情報」を受け取る。そして、受け取った封入対象情報に含まれる各情報で示されている内容に基づいて搬送制御を行う。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
後処理装置400は、後処理部410と、後処理制御部420と、を有する。後処理部410は、上流側から搬送されてきたシートSに対し、後処理制御部420の制御により、所定の後処理を実行する。後処理制御部420は、プリンタ制御部260、折り制御部320、及び封筒処理制御部150から通信ライン403を通じて伝えられた動作モードにより、後処理制御部420における後処理動作を制御する。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
プリンタ制御部260、折り制御部320、封筒処理制御部150及び後処理制御部420は、相互に連結されていて、各通信ライン(207、105、403)を介して制御に必要な情報のやり取りが行なわれるように構成されている。したがって、各制御部(260、320、150、420)の連携により、シートS及び折りシートSfに対してユーザが行うことを要求する処理モードに関する情報や、シートサイズが相互に共有される。これによって、各機構が所定のタイミングと所定の工程によって所定の処理を実行可能とする制御情報が画像形成システム1全体において共有される。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
本実施形態において中心的な制御動作を行う封筒処理制御部150は、演算処理部としてのCPU(Central Processing Unit)、記憶部としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。そして、各搬送ローラへの制御信号を出力し、各搬送ローラからの信号を入力とするインターフェース、及び、各センサの出力信号を受け取るインターフェースなども備える。これらハードウェア資源を用いて制御処理を実行可能な制御プログラムによって、封筒処理装置100の動作は制御される。封筒処理制御部150の機能ブロックの詳細については、後述する。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
また、プリンタ制御部260、折り制御部320及び後処理制御部420も、封筒処理制御部150と同様に、CPU、ROM、RAM等によって構成されるハードウェア資源を用いて、それぞれの機能を実現する制御プログラムによって、ハードウェア機構の動作を制御する。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
なお、
図1及び
図2において
画像形成システム1の構成例として、
封筒処理装置100の下流に後処理装置400が接続された例を示した。代表的な後処理装置400としてはステイプル処理を行うフィニッシャや、スタッカ、製本機などがある。また、
画像形成システム1のシステム構成としては
封筒処理装置100が最下流となる構成でもよい。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
[
封筒処理装置100における処理動作]
次に、
封筒処理装置100が有する封入物搬送部110と、封入処理部120と、封緘処理部130と、を構成する搬送ローラや、搬送物の搬送路及び搬送方向を切り替えるための機構について、
図3を用いて説明する。
【手続補正33】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
以上説明したとおり、封筒処理装置100は、封入物搬送部110から、封入処理部120と封緘処理部130へと折りシートSfを搬送する搬送経路が、縦方向(Z方向)において連結されて配置されている。折りシートSfの搬送経路でもあり封筒Eの搬送経路でもあるこの搬送経路は、封入処理部120の封筒搬送路1105と封緘処理部130の封緘搬送路1106を、縦方向(Z方向)において連結した縦搬送経路に相当する。
【手続補正34】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
[封入封緘処理の流れ]
次に、
封筒処理装置100における封入動作及び封緘動作の一連の流れの例について、
図4から
図16を用いて説明する。以下説明をする封入動作及び封緘動作を合わせて封入封緘処理と表記する。また、封入動作を行うにあたり、
封筒処理制御部150が実行する制御処理を封入処理と表記し、同じく封緘動作に対応して封緘処理と表記する。また、封入処理と封緘処理を合わせて封入封緘処理と表記する。以下の各図において、各動作段階の説明に用いられる構成にのみ符号等を付している。
【手続補正35】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
続いて、封入位置に封入物を搬送するときの動作について説明する。なお、封入物を封入位置に搬送する動作は、
図3から
図8を用いて説明した封筒Eの搬送動作と平行して(同時に)実行されてもよい。ここでは、
図9に示すように、封筒Eを封入位置にて封入待機状態にした状態で、
封筒処理装置100は、上流側装置(折り処理装置300)から折りシートSfを入口ローラ101で受け入れて第一搬送路1101へと搬送することを例にしている。
【手続補正36】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
また、封入支援部160は、押し込み爪163、昇降ベルト164、昇降モータ165を備えている。昇降モータ165を駆動することで昇降ベルト164を回動させると、押し込み爪163がZ方向に移動する。押し込み爪163が封入物の端部を封筒Eに向けて押すことで、封入物(折りシートSf)が封筒Eに挿入される。
【手続補正37】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0126】
例えば、シートSを形成するためのデータから、または、シートSをスキャンして、特定情報の位置を取得し、封筒処理制御部150に通知する。そして、封筒処理制御部150では、封筒Eを搬送中に撮影して得られる通知される透明窓ewの位置を示す透明部分情報と特定情報に基づいて、搬送方向の特定情報の位置を調整するための位置調整情報を生成する。そして、封筒処理制御部150は、生成した位置調整情報を折り処理装置300に対して出力する。
【手続補正38】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
[シフト動作の例]
次に、
図19(a)及び
図19(b)で例示したような、封筒Eに挿入されたときの封入物の位置と、透明窓ewの位置との相対的な位置関係を調整するためのシフト動作の例について説明する。図
20は、宛名幅と宛名窓幅が均等になるように調整した例である。
【手続補正39】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0131】
この場合、特定情報の幅方向の端部と、窓位置の幅方向の端部との相対的な位置ずれの量(ズレ量)は、それぞれの端部において「X21-X11」、「X12-X22」で算出可能となる。この演算処理は封筒処理制御部150において実行し、演算結果から派生する情報を折り制御部320,プリンタ制御部260に通知する。
【手続補正40】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
図21は、宛名幅が宛名窓幅に収まらない場合宛、名窓に収まるようにシフトした例。である。
図20と同様に、窓位置の座標を「x21」「x22」とし、また、特定情報の幅方向の端部の座標を「x11」「x
12」とする。
図20と同様に、それぞれの端部において「x21-x11」、「x12-x22」を計算したとき、その結果が負数になる場合もある。
【手続補正41】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
ここで、封筒処理制御部150において、第一画像と第二画像の差分を判定することで、透明窓ewに特定情報の有無を判定することができる。特定情報が無いときは、封入漏れであるから、封入処理の異常を検知することができる。
【手続補正42】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0144】
[処理フロー]
次に、本発明に係る封入制御処理の実施形態について、
図23のフローチャートを参照しながら説明する。以下において説明する処理は、
画像形成システム1において実施される制御処理に関するものである。なお、以下に説明する各処理は、複数の処理が並行しても競合しない場合、適宜、並列で実行されてもよいものを含む。
【手続補正43】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
画像形成装置200のプリンタ制御部207が、封入ジョブの開始を封筒処理制御部150に通知することで、封筒処理装置100に於ける封入処理が開始される。まず、封筒Eを封入位置に搬送する処理を実行する(S2301)。
【手続補正44】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0146
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0146】
封筒Eを封入位置に搬送する途中において封筒センサ185を通過するので、封筒センサ185が封筒Eの画像(封筒画像としての第一画像)を取得し、封筒処理制御部150に通知する。封筒処理制御部150は、封筒センサ185から通知された封筒画像を解析して、透明窓ewの位置に関連する封筒情報を取得する(S2302)。
【手続補正45】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0147】
続いて、次に、取得した封筒情報に基づいて、
図19(c)及び(d)を用いて説明したように、特定情報(宛名)と透明窓ewの位置情報に基づいて、折りシートSfの搬送方向の位置調整の要否を判定する(S2303)。搬送方向の位置調整が必要と判定されたとき(S2303:YES)、
封筒処理制御部150は、折り位置を調整するための位置調整情報を生成し、折り制御部320に対して通知する。これによって縦方向の補正である折り位置修正処理が実行される(S2304)。
【手続補正46】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0149
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0149】
幅方向の位置調整が必要と判定されたとき(S2305:YES)、封筒処理制御部150はフラップ保持ローラ161を横方向に移動させて封筒Eの位置をシフトさせる(S2306)。なお、封筒Eの横方向の位置調整を実行するときには、封筒Eが封入位置への搬送が完了しているものとし、搬送が未完了のときは、処理を待機する。
【手続補正47】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0152】
封筒Eを封筒排出トレイ134に搬送する途中において封筒センサ185を通過するので、封筒センサ185が封筒Eの画像(封筒画像としての第二画像)を封筒処理制御部150に通知する。封筒処理制御部150は、封筒センサ185から通知された第二画像を解析して、第一画像との差分を算出して、透明窓ewの位置において特定情報の有無を検知する(S2309)。
【手続補正48】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0161
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0161】
上記の手順で調整された封筒Eと封入物(折りシートSf)との相対的な位置を示す情報は、操作部220に表示されている「縦」と「横」の操作ボタンに対する「+」と「-」の操作量に基づいて、プリンタ制御部260において調整量が算出され、折り制御部320及び封筒処理制御部150へ通知される。通知された調整量に基づいて、折り位置の調整と、幅方向のシフトが実行される。
【手続補正49】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0163
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0163】
以上説明したとおり、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、画像形成がなされて、三つ折りなどの折り処理が施された用紙を受け取り、自動的に封筒に封入封緘処理を行う技術において、宛名と封入物の封筒幅方向のずれを調整できる。この調整は、フラップefを固定しているときに封筒Eのシフト動作で実施できるので、位置調整のために封入処理を停止させる必要がなく、処理の生産性を落とさずに封筒幅方向のずれを補正することができる。
【手続補正50】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0164
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0164】
[本発明の態様]
本発明の内容は、例えば、以下のとおりである。
<1>
封筒を封入位置に搬送し、特定情報が形成された封入物を封入する封筒処理装置であって、
前記封入物を封筒に挿入する封入位置に搬送し、封入後の当該封筒を排出する封筒搬送手段と、
搬送中の前記封筒の構造を画像として取得し、少なくとも、前記封筒の構造に含まれる透明部分の位置を示す情報としての透明部分情報を取得する封筒情報取得手段と、
前記封入位置に至った前記封筒を、前記封入物が挿入可能な状態で保持する封筒保持手段と、
前記特定情報の形成位置と前記透明部分の位置の相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する制御手段と、
を備えることを特徴とする封筒処理装置である。
<2>前記制御手段は、前記特定情報の形成位置が前記透明部分の位置に合うように、前記封入位置における前記封筒の幅方向の位置を調整する、
請求項1に記載の封筒処理装置である。
<3>前記制御手段は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するために、前記封入位置に至る前に実行される折り処理に係る制御情報としての位置調整情報を出力する、前記<1>又は前記2>に記載の封筒処理装置である。
<4>前記制御手段は、前記封筒が前記封入位置に搬送されるときに取得される第一画像と、前記封入物が挿入された前記封筒を封入位置から排出位置へと搬送するときに取得される第二画像と、を比較して、当該封入物が正常に挿入されているか否かを判定する、
前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の封筒処理装置である。
<5>前記制御手段は、前記画像に基づいて前記封筒の搬送姿勢を判定し、
当該搬送姿勢に基づいて、前記封筒の幅方向における位置の調整、又は、前記位置調整情報の出力のいずれかを行う、
前記<1>乃至前記<4>のいずれか一項に記載の封筒処理装置である。
<6>前記封筒に封入物を封入する挿入する封入部と、
前記封入物が挿入された前記封筒を封緘する封緘部と、
を備えたことを特徴とする、
前記<1>乃至前記<5>のいずれかに記載の封筒処理装置である。
<7> ユーザによる操作に基づいて、前記特定情報の形成位置に対する前記透明部分の位置を指定する位置指定手段を備え、前記封入物に画像を形成する画像形成装置と、
前記<1>乃至前記<6>のいずれかに記載の封筒処理装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記制御手段は、前記位置指定手段において指定された位置と相対位置に基づいて、前記封入位置における当該封筒の幅方向の位置を調整し、又は、前記特定情報の形成位置の搬送方向における位置を調整するための位置調整情報を出力する、
ことを特徴とする画像形成システムである。
<8>シート状の封入物に対し折り処理を施す折り処理手段を備えた画像形成装置と、
前記<1>乃至前記<6>のいずれかに記載の封筒処理装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記折り処理手段は、前記位置調整情報に基づいて前記封入物の折り位置を調整する、
ことを特徴とする画像形成システムである。
<9>シート状の媒体に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像が形成された前記媒体を封入物として封筒に挿入する前記<1>乃至前記<6>のいずれかに記載の封筒処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成システムである。
【手続補正51】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0166
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0166】
1 :画像形成システム
100 :封筒処理装置
120 :封入処理部
121 :封入ローラ
122 :第一縦搬送ローラ
123 :第二縦搬送ローラ
124 :フラップ開ローラ
125 :封筒分離ローラ
126 :封筒搬送ローラ
127 :封筒セットトレイ
128 :分離センサ
129 :フラップ開検出センサ
130 :封緘処理部
150 :封入処理制御部
160 :封入支援部
161 :フラップガイド板
163 :封入ガイド爪
166 :封入ガイド軸
167 :封入爪固定ガイド板
168 :封入爪対向ガイド板
169 :封入ガイドバネ
170 :駆動カム
180 :フラップ開機構
200 :画像形成装置
260 :プリンタ制御部
300 :折り処理装置
320 :折り制御部
400 :後処理装置
420 :後処理制御部
1100 :搬入路
1109 :シート搬出路
1611 :フラップ保持ローラ
1612 :フラップ検知センサ
1631 :爪先端部
【手続補正52】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】