(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037098
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】センサインターフェース回路
(51)【国際特許分類】
H03L 7/06 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
H03L7/06 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141762
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】石原 昇
【テーマコード(参考)】
5J106
【Fターム(参考)】
5J106BB05
5J106CC19
5J106CC32
5J106DD17
5J106DD46
5J106EE03
5J106GG01
5J106HH01
5J106JJ03
5J106KK05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度を向上する。
【解決手段】センサインターフェース回路において、周波数同期回路10は、電圧を生成する電圧源14、参照周波数を第1のインピーダンスに変換する第1の周波数インピーダンス変換回路18、生成される電圧と第1のインピーダンスとを用いて電流を生成する電流源15、入力ノード16aで受ける電圧と入力ノード16bで受ける電圧との差分に応じて制御電圧を生成する電圧差検出回路16、電圧差検出回路16の出力ノード16cに接続され、制御電圧に応じて発振信号を生成する電圧制御発振回路11及び発振信号に応じた信号の周波数を第2のインピーダンスに変換する第2の周波数インピーダンス変換回路13を備える。第1の周波数インピーダンス変換回路18、電流源15及び第2の周波数インピーダンス変換回路13は、電源電位Vddと基準電位の間に直列に接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサに接続可能である周波数同期回路を備え、
前記周波数同期回路は、
電圧を生成する電圧源と、
参照周波数を第1のインピーダンスに変換する第1の周波数インピーダンス変換回路と、
前記電圧源と前記第1の周波数インピーダンス変換回路とに接続され、前記生成される電圧と前記第1のインピーダンスとを用いて電流を生成する電流源と、
前記電圧源に接続された第1の入力ノードと前記電流源に接続された第2の入力ノードと出力ノードとを有し、前記第1の入力ノードで受ける電圧と前記第2の入力ノードで受ける第2の電圧との少なくとも一方が前記センサの信号レベルに対応し、前記第1の入力ノードで受ける電圧と前記第2の入力ノードで受ける電圧との差分に応じて制御電圧を生成する電圧差検出回路と、
前記電圧差検出回路の出力ノードに接続され、前記制御電圧に応じて発振信号を生成する電圧制御発振回路と、
前記電圧制御発振回路と前記電圧差検出回路の第2の入力ノードとの間に接続され、前記発振信号に応じた信号の周波数を第2のインピーダンスに変換する第2の周波数インピーダンス変換回路と、
を備え、
前記第1の周波数インピーダンス変換回路、前記電流源及び前記第2の周波数インピーダンス変換回路は、電源電位及び基準電位の間に直列に接続される
センサインターフェース回路。
【請求項2】
前記電圧源は、前記第1の周波数インピーダンス変換回路、前記電流源及び前記第2の周波数インピーダンス変換回路の直列接続に対して、前記電源電位及び前記基準電位の間に並列に接続される
請求項1に記載のセンサインターフェース回路。
【請求項3】
前記電圧源は、前記電流源を介して、前記第1の周波数インピーダンス変換回路と前記第2の周波数インピーダンス変換回路とに逆極性で接続される
請求項2に記載のセンサインターフェース回路。
【請求項4】
前記第1の周波数インピーダンス変換回路は、前記センサに接続され、前記センサの信号レベルに応じて前記参照周波数を前記第1のインピーダンスに変換し、
前記電圧差検出回路は、前記第2の入力ノードで受ける電圧が前記センサの信号レベルと前記信号の周波数とに対応する
請求項1に記載のセンサインターフェース回路。
【請求項5】
前記電圧源は、前記センサに接続され、前記センサの信号レベルに応じて電圧を生成し、
前記電圧差検出回路は、前記第1の入力ノードで受ける電圧が前記センサの信号レベルと前記参照周波数とに対応する
請求項1に記載のセンサインターフェース回路。
【請求項6】
前記電圧源は、第1の抵抗素子及び第2の抵抗素子が前記電源電位及び前記基準電位の間に直列に接続され、
前記第1の抵抗素子の一端は、前記電流源に接続され、
前記第2の抵抗素子の一端は、前記電圧差検出回路に接続される
請求項4に記載のセンサインターフェース回路。
【請求項7】
前記電圧源は、前記センサ及び第2の抵抗素子が前記電源電位及び前記基準電位の間に直列に接続され、
前記センサの一端は、前記電流源に接続され、
前記第2の抵抗素子の一端は、前記電圧差検出回路に接続される
請求項5に記載のセンサインターフェース回路。
【請求項8】
kを2以上の整数とするとき、前記参照周波数をk分周する分周回路をさらに備え、
前記電圧源は、前記第1の抵抗素子、第3の抵抗素子及び前記第2の抵抗素子が前記電源電位及び前記基準電位の間に直列に接続され、
前記第2の抵抗素子の抵抗値と前記第3の抵抗素子の抵抗値との比は、1/k:(k-1)/kである
請求項6に記載のセンサインターフェース回路。
【請求項9】
kを2以上の整数とするとき、前記参照周波数をk分周する分周回路をさらに備え、
前記電圧源は、前記センサ、第3の抵抗素子及び前記第2の抵抗素子が前記電源電位及び前記基準電位の間に直列に接続され、
前記第2の抵抗素子の抵抗値と前記第3の抵抗素子の抵抗値との比は、1/k:(k-1)/kである
請求項7に記載のセンサインターフェース回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態は、センサインターフェース回路に関する。
【背景技術】
【0002】
発振回路を有するセンサインターフェース回路は、センサの信号レベルに応じて発振回路を発振させ、センサの信号レベルに応じた周波数を有する発振信号を生成して出力する。センサインターフェース回路は、センサの信号レベルを高精度に周波数に変換することが要求される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】宮内 楓, 田口 泰地, 石川 洋介, 伊藤 浩之, 道正 志郎, 益 一哉, 石原 昇, 「RFバックスキャッタリングによる低電力ワイヤレスセンサ端末モジュールの試作評価結果」, 2018年 電子情報通信学会総合大会, 日本, 2018年3月20日-23日, B-18-17, p.361
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、センサインターフェース回路は、センサの信号レベルに応じた第1の電流をカレントミラー回路により所望のミラー比で第2の電流にコピーし、第2の電流を用いてセンサの信号レベルに応じた周波数の発振信号を生成するように構成されることがある。この場合、製造プロセスばらつき等の影響でカレントミラー回路のミラー比が所望のミラー比からばらつくと、センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度を向上できるセンサインターフェース回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかるセンサインターフェース回路は、センサに接続可能である周波数同期回路を備え、前記周波数同期回路は、電圧を生成する電圧源と、参照周波数を第1のインピーダンスに変換する第1の周波数インピーダンス変換回路と、前記電圧源と前記第1の周波数インピーダンス変換回路とに接続され、前記生成される電圧と前記第1のインピーダンスとを用いて電流を生成する電流源と、前記電圧源に接続された第1の入力ノードと前記電流源に接続された第2の入力ノードと出力ノードとを有し、前記第1の入力ノードで受ける電圧と前記第2の入力ノードで受ける第2の電圧との少なくとも一方が前記センサの信号レベルに対応し、前記第1の入力ノードで受ける電圧と前記第2の入力ノードで受ける電圧との差分に応じて制御電圧を生成する電圧差検出回路と、前記電圧差検出回路の出力ノードに接続され、前記制御電圧に応じて発振信号を生成する電圧制御発振回路と、前記電圧制御発振回路と前記電圧差検出回路の第2の入力ノードとの間に接続され、前記発振信号に応じた信号の周波数を第2のインピーダンスに変換する第2の周波数インピーダンス変換回路とを備え、前記第1の周波数インピーダンス変換回路、前記電流源及び前記第2の周波数インピーダンス変換回路は、電源電位及び基準電位の間に直列に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るセンサインターフェース回路が適用されるシステムの構成を示すブロック図。
【
図2】実施形態に係るセンサインターフェース回路の概略構成を示す回路図。
【
図3】実施形態に係るセンサインターフェース回路の詳細構成を示す回路図。
【
図4】実施形態における周波数インピーダンス変換回路の動作を示す図。
【
図5】実施形態の第1の変形例に係るセンサインターフェース回路の概略構成を示す回路図。
【
図6】実施形態の第1の変形例に係るセンサインターフェース回路の詳細構成を示す回路図。
【
図7】実施形態の第1の変形例に係るセンサインターフェース回路の動作を示す図。
【
図8】実施形態の第2の変形例に係るセンサインターフェース回路の概略構成を示す回路図。
【
図9】実施形態の第2の変形例に係るセンサインターフェース回路の詳細構成を示す回路図。
【
図10】実施形態の第3の変形例に係るセンサインターフェース回路の詳細構成を示す回路図。
【
図11】実施形態の第4の変形例に係るセンサインターフェース回路の詳細構成を示す回路図。
【
図12】実施形態の第5の変形例に係るセンサインターフェース回路の詳細構成を示す回路図。
【
図13】比較例に係るセンサインターフェース回路の詳細構成を示す回路図。
【
図14】他の比較例に係るセンサインターフェース回路の詳細構成を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、センサインターフェース回路の実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作を行うものとして、重複する説明は適宜省略する。
【0010】
(実施形態)
実施形態に係るセンサインターフェース回路は、センサの信号レベルを周波数に変換する回路である。センサインターフェース回路で変換された周波数は、後段でセンサの信号レベルに対応するデジタル値に変換されて利用される。センサインターフェース回路には、センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度を向上するための工夫が施される。
【0011】
例えば、センサインターフェース回路1は、
図1に示すようなシステムに適用される。
図1は、センサインターフェース回路1を含むシステム100の構成を示すブロック図である。システム100は、センサ2、センサインターフェース回路1及びコントローラ3を有する。
【0012】
センサインターフェース回路1は、センサ2及びコントローラ3の間に接続される。センサ2は、所定の物理量を検出し、その信号をセンサインターフェース回路1へ供給する。センサインターフェース回路1は、発振回路を有する。センサインターフェース回路1は、参照周波数FREFを有する周期信号FREFを用いながら、センサ2の信号レベルに応じて発振回路で発振動作を行う。これにより、センサインターフェース回路1は、センサ2の信号レベルに応じた周波数FOUTを有する発振信号FOUTを生成する。センサインターフェース回路1は、発振信号FOUTに応じたデジタル値CNTOUTを生成してコントローラ3へ出力する。デジタル値CNTOUTが複数ビットを有する場合、センサインターフェース回路1n及びコントローラ3n間は、複数ビット幅のバスで接続される。コントローラ3は、デジタル値CNTOUTを用いて所定の処理を行う。
【0013】
コントローラ3は、クロック生成回路4及び処理回路7を有する。クロック生成回路4は、システムクロックCLKを生成して処理回路7へ供給する。処理回路7は、システムクロックCLK及びデジタル値CNTOUTを用いて所定の処理を行う。例えば、処理回路7は、デジタル値CNTOUTを所定の物理量の値(センサ素子換算値)に換算する。処理回路7は、センサ素子換算値を用いて所定の統計処理を行ってもよい。
【0014】
図1の構成において、高精度なデジタル値CNT
OUTを得るためには、センサインターフェース回路1においてセンサ2の信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度の向上が望まれる。センサインターフェース回路1において、変換精度を向上するために、発振回路を周波数同期回路で実現することが考えられる。周波数同期回路は、周波数比較回路、電圧制御発振回路(VCO)などで構成される周波数負帰還回路であってもよい。電圧制御発振回路の発振周波数と参照周波数との周波数差を検出し、周波数差がゼロに近づくように電圧制御発振回路を電圧制御する。この周波数同期回路を周波数ドメインに代えて電圧ドメインで周波数同期ループのフィードバック動作を行うよう構成することで周波数同期回路を高精度化できる。
【0015】
例えば、周波数同期回路10を含むセンサインターフェース回路1は、
図2に示すように構成され得る。
図2は、センサインターフェース回路1の概略構成を示す回路図である。センサインターフェース回路1は、センサ2及びコントローラ3の間に接続される。
【0016】
センサ2は、例えば容量性のセンサであり、その信号レベルに応じて、等価的に、容量値が変化する可変容量素子CSENSを含む。可変容量素子CSENSは、一端がセンサインターフェース回路1の端子1aに接続され、他端が電源電位Vddに接続される。
【0017】
センサインターフェース回路1は、周波数同期回路10、発振回路21、分周回路22、論理ゲート23、カウンタ24を有する。
【0018】
周波数同期回路10は、入力ノード10aが端子1aを介してセンサ2の一端に電気的に接続され、入力ノード10bが発振回路21及び分周回路22に電気的にそれぞれ接続され、出力ノード10cが論理ゲート23の一方の入力に接続される。
【0019】
周波数同期回路10は、センサ2の信号レベル(例えば、可変容量素子CSENSの容量値)に応じて発振動作を行う。このとき、周波数同期回路10は、電圧ドメインで周波数同期ループのフィードバック動作を行い、高精度の発振信号FOUTが出力ノード10cから出力される。
【0020】
図3は、センサインターフェース回路1の詳細構成を示す図である。周波数同期回路10は、参照電圧V
REF1を生成する。発振回路21は、周期信号F
REFを生成する。周期信号F
REFは、参照周波数F
REFで周期的にレベルが変化する信号である。周波数同期回路10は、センサ2の信号レベル(例えば、可変容量素子C
SENSの容量値)に応じて、参照周波数F
REFをインピーダンスZ
SENS1に変換する。参照周波数F
REFが略一定に維持される場合、インピーダンスZ
SENS1の変化は、センサ2の信号レベル(例えば、可変容量素子C
SENSの容量値)の変化に対応する。周波数同期回路10は、インピーダンスZ
SENS1に応じた電流I
SENS1を生成する。それとともに、周波数同期回路10は、発振動作を行って生成した発振信号の周波数F
OUTをインピーダンスZ
2に変換する。周波数同期回路10は、変換されたインピーダンスZ
2を、センサ2の信号レベルに応じた電流I
SENS1=I
SENS2を用いてさらに電圧V
SENS2に変換する。変換された電圧V
SENS2は、センサ2の信号レベルに応じた電圧である。周波数同期回路10は、周波数同期ループのフィードバック動作を、センサ2の信号レベルに応じた電圧V
SENS2と参照電圧V
REF1との差分がゼロに近づくように行う。
【0021】
周波数同期回路10では、電圧ドメインでの周波数同期機能を高精度に実現するために、発振信号の周波数FOUTをインピーダンスZ2に変換する周波数インピーダンス変換回路13(第2の周波数インピーダンス変換回路)と、参照周波数FREFをインピーダンスZSENS1に変換する周波数インピーダンス変換回路18(第1の周波数インピーダンス変換回路)とが、電流源15を介して接続される。周波数インピーダンス変換回路13及び周波数インピーダンス変換回路18は、それぞれ、互いに対応するスイッチトキャパシタ回路で構成される。これにより、周波数同期回路10は、センサの信号レベルに応じた発振信号の周波数が、センサの特性とセンサインターフェース回路1内の素子の特性との相対比に依存して変化するように構成される。
【0022】
例えば、周波数同期回路10は、
図2に示すように、電圧制御発振回路11、周波数インピーダンス変換回路13、周波数インピーダンス変換回路18、電圧源14、電流源15、電圧差検出回路16を有する。電圧差検出回路16、電圧制御発振回路11、周波数インピーダンス変換回路13は、ループ状に接続される。このループ状の接続が周波数同期ループを構成する。また、周波数同期回路10は、センサ2が周波数インピーダンス変換回路18経由で電流源15に接続され、センサ2の信号レベルに応じて電流源15が流す電流I
SENS1が変化する。周波数同期回路10は、電流変化型の周波数同期回路と呼ぶことができる。
【0023】
周波数同期回路10において、周波数インピーダンス変換回路18、電流源15、周波数インピーダンス変換回路13は、電源電位Vdd及びグランド電位の間に直列に接続される。この構成では、周波数インピーダンス変換回路18及び周波数インピーダンス変換回路13がカスコード接続されているとみなすことができる。この構成により、周波数インピーダンス変換回路18に流れる電流の経路と周波数インピーダンス変換回路13に流れる電流の経路とを共通化できる。
【0024】
すなわち、共通化された電流経路に設けられる共通の素子(例えば、トランジスタ)により、参照周波数FREFに応じた電流とセンサ2の信号に応じた電流とを生成できる。これにより、周波数インピーダンス変換回路18に流れる電流をカレントミラー回路でコピーして周波数インピーダンス変換回路13に流す構成に比べて、製造プロセスばらつき等の影響を低減でき、センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度を向上できる。
【0025】
また、周波数インピーダンス変換のための電流経路の数を2本から1本に低減できる。これにより、
図13に示すような周波数インピーダンス変換回路918に流れる電流I
1をカレントミラー回路CMでコピーして電流I
2として周波数インピーダンス変換回路913に流す構成に比べて、
図2に示す周波数同期回路10の消費電力を低減できる。
【0026】
図2に示す電圧源14は、電源電位Vdd及びグランド電位の間に接続される。電圧源14は、周波数インピーダンス変換回路18、電流源15及び周波数インピーダンス変換回路13の直列接続に対して、電源電位Vdd及びグランド電位の間に並列に接続される。電圧源14は、電源ノード14cが電源電位Vddに接続され、基準ノード14dがグランド電位に接続される。電圧源14は、出力ノード14aが電流源15の制御ノード15cに接続され、出力ノード14bが電圧差検出回路16の入力ノード16aに接続される。電圧源14は、参照電圧V
REF1を生成する。
【0027】
電圧源14は、抵抗分圧回路で構成されてもよい。例えば、電圧源14は、
図3に示すように抵抗分圧で参照電圧V
REF1を生成する。電圧源14は、複数の抵抗素子R
1,R
2を有する。電圧源14において、抵抗素子R
1と抵抗素子R
2とは、ハーフブリッジ接続されている。抵抗素子R
2は、一端がグランド電位に接続され、他端が抵抗素子R
1に接続される。抵抗素子R
1は、一端が抵抗素子R
2に接続され、他端が電源電位Vddに接続される。抵抗素子R
1の抵抗値をR
1とし、抵抗素子R
2の抵抗値をR
2とすると、電圧源14は、次の数式1に示す参照電圧V
REF1を生成し得る。
V
REF1={R
2/(R
1+R
2)}×V
dd・・・数式1
【0028】
なお、抵抗素子R
1及び抵抗素子R
2を含む回路に対して、電流源15を介して、周波数インピーダンス回路13と周波数インピーダンス回路18の接続とが逆極性で接続される。これにより、抵抗素子R
1及び抵抗素子R
2を含む回路は、等価的にフルブリッジ回路として機能し得る。抵抗素子R
1及び抵抗素子R
2を含む回路は、例えば、
図14に示すようなセンサインターフェース回路1001における周波数インピーダンス回路13に対する第1のハーフブリッジ回路HB1と周波数インピーダンス回路18に対する第2のハーフブリッジ回路HB2とが逆極性で重ね合わされる。第2のハーフブリッジ回路HB2は、第1のハーフブリッジ回路HB1と逆極性のブリッジ回路であるが、逆極性で重ね合わせることで、同極性の回路(すなわち、
図3に示す電圧源14の回路)として共通化できる。抵抗素子R
1及び抵抗素子R
2を含む回路は、ハーフブリッジ型の構成であるが、等価的にフルブリッジ回路として機能し、その利得を通常のハーフブリッジ型の約2倍にすることができる。
【0029】
図2に示す発振回路21は、周波数インピーダンス変換回路18及び分周回路22に電気的に接続される。発振回路21は、出力ノード21aが周波数インピーダンス変換回路18の入力ノード18bと分周回路22の入力ノード22aとにそれぞれ接続される。発振回路21は、固定レベルのバイアス電圧(例えば、電源電圧Vdd)が供給され、バイアス電圧に応じて発振動作を行い、周期信号F
REFを生成する。周期信号F
REFは、参照周波数F
REFを有する。発振回路21は、周期信号F
REFを周波数インピーダンス変換回路18及び分周回路22にそれぞれ供給する。
【0030】
図2に示す周波数インピーダンス変換回路18は、端子1aと入力ノード10bとの間に電気的に接続され、センサ2と発振回路21との間に電気的に接続される。周波数インピーダンス変換回路18は、入力ノード18aがセンサ2に接続され、入力ノード18bが発振回路21の出力ノード21aに接続され、出力ノード18cが電流源15の入力ノード15dに接続される。周波数インピーダンス変換回路18は、発振回路21から周期信号F
REFを受け、周期信号F
REFの参照周波数F
REFをインピーダンスZ
1に変換する。
【0031】
例えば、周波数インピーダンス変換回路18は、
図3に示すように、スイッチトキャパシタ回路で構成され得る。スイッチトキャパシタ回路とは、スイッチと容量素子とを組み合わせることで抵抗器のように電流又は電圧を制限する回路である。周波数インピーダンス変換回路18は、周期信号F
REFに応じて容量素子を充放電させることで、センサ2の検出値と参照周波数F
REFとに応じたインピーダンスZ
SENS1を発生させることができる。
【0032】
周波数インピーダンス変換回路18は、容量素子182、スイッチ183、スイッチ184、及びインバータ185を有する。センサ2の可変容量素子CSENSは、一端が電源電位Vddに接続され、他端がスイッチ183及びスイッチ184の間のノード186に接続される。容量素子182は、一端が電源電位Vddに接続され、他端が電流源15の入力ノード15dに接続される。スイッチ183は、一端が電流源15の入力ノード15dに接続され、他端がノード186に接続され、制御端が発振回路21に接続される。スイッチ184は、一端がノード186に接続され、他端が電源電位Vddに接続され、制御端がインバータ185に接続される。インバータ185は、入力ノードが発振回路21に接続され、出力ノードがスイッチ184に接続される。
【0033】
周波数インピーダンス変換回路18では、スイッチ183及びスイッチ184が、周期信号FREFのレベルに応じて相補的にオン・オフする。これにより、可変容量素子CSENSが充放電される。周期信号FREFがHレベルである場合、スイッチ183がオフ状態に維持されるとともにスイッチ184がオン状態に維持され、可変容量素子CSENSの電荷(電子)が電源電位Vddに排出され、可変容量素子CSENSが放電される。周期信号FREFがLレベルである場合、スイッチ183がオン状態に維持されるとともにスイッチ184がオフ状態に維持され、電流ISENS1に応じた電荷(電子)が可変容量素子CSENSに蓄積され、可変容量素子CSENSが充電される。このとき、容量素子182は、周期信号FREFのレベルに関わらず、電流ISENS1に応じた電荷を蓄積した状態を維持している。
【0034】
すなわち、周波数インピーダンス変換回路18は、参照周波数FREFを有する周期信号FREFによって可変容量素子CSENSに対して周期的に充電と放電とを繰り返すことで等価的に参照周波数FREF及び可変容量素子CSENSに対応するインピーダンスZSENS1を発生できる。このとき、周波数インピーダンス変換回路18の出力ノード18cの電圧は、可変容量素子CSENSの充電時において、時定数的に変化するが、電荷の蓄積を維持する容量素子182によって平均化されながら安定点に収束する。この安定点における出力ノード18cの電圧は、電流源15により参照電圧VREF1に等しくなるように制御される。このため、安定点に収束する時における電流源15の入力ノード15dに発生される電流ISENS1は、周波数インピーダンス変換回路18で発生するインピーダンスZSENS1を用いて、次の数式2のように表せる。
ISENS1=VREF1/ZSENS1・・・数式2
【0035】
すなわち、容量素子182の容量値をCAVE1、可変容量素子CSENSの容量値をCSENSとすると、安定点に収束する時における電流源15の入力ノード15dに発生される電流ISENS2は、次の数式3のようになる。
ISENS2=VREF1・FREF・CSENS・・・数式3
【0036】
数式2,3に示されるように、安定点に収束する状態において、参照周波数FREFが周波数インピーダンス変換回路18でインピーダンスZSENS1=1/(FREF・CSENS)に変換される。等価的には、インピーダンスZSENS1=1/(FREF・CSENS)の一端が電流源15の入力ノード15dに接続され、その他端が電源電位に接続された状態になる。このため、電流源15の入力ノード15dでは、印加される電圧VREF1に応じて、数式3で示す電流ISENS2が発生される。電流ISENS2は、インピーダンスZSENS1を含み、センサ2の検出値に対応している。また、電流ISENS2は、周期信号FREFの参照周波数FREFに対応している。
【0037】
図2に示す電圧源14は、参照電圧V
REF1を電流源15及び電圧差検出回路16へそれぞれ供給する。
【0038】
図2に示す電流源15は、電圧源14、電圧差検出回路16、周波数インピーダンス変換回路18、周波数インピーダンス変換回路13に電気的に接続される。電流源15は、制御ノード15cが電圧源14に接続され、入力ノード15dが周波数インピーダンス変換回路18に接続され、出力ノード15bが電圧差検出回路16の入力ノード16bと周波数インピーダンス変換回路13とに接続されている。電流源15は、センサ2の検出値に応じた電流I
SENSを発生させて電圧差検出回路16の入力ノード16bに流す。
【0039】
例えば、電流源15は、
図3に示すように構成され得る。電流源15は、トランジスタ151及び差動増幅回路152を有する。トランジスタ151は、周波数インピーダンス変換回路18の出力ノード18cと電圧差検出回路16の入力ノード16bとの間に電気的に接続される。トランジスタ151は、例えばNMOSトランジスタであり、ソースが電圧差検出回路16の入力ノード16bに接続され、ドレインが周波数インピーダンス変換回路18の出力ノード18cに接続され、ゲートが差動増幅回路152の出力ノード152cに接続される。差動増幅回路152は、入力ノード152a、入力ノード152b及び出力ノード152cを有する。入力ノード152aは、差動増幅回路152の非反転入力ノードであり、周波数インピーダンス変換回路18の出力ノード18cに電気的に接続される。入力ノード152bは、差動増幅回路152の反転入力ノードであり、電圧源14の中間ノード14cに電気的に接続され、参照電圧V
REF1を受ける。出力ノード152cは、トランジスタ151のゲートに接続される。
【0040】
トランジスタ151及び差動増幅回路152は、フィードバックループを構成する。差動増幅回路152→トランジスタ151→ノード15d→差動増幅回路152のフィードバックループを用いて、差動増幅回路152は、ノード15dの電位が参照電圧VREF1に等しくなるようにトランジスタ151のゲート電圧を制御する。これにより、周波数インピーダンス変換回路18のインピーダンスZSENS1に流れる電流ISENS1は、上記の数式2,3のようになる。
【0041】
電流源15から電圧差検出回路16の入力ノード16bに流れる電流ISENS2は、電流ISENS1に等しく、次の数式4のようになる。
ISENS2=ISENS1=VREF1/ZSENS1=VREF1・FREF・CSENS・・・数式4
【0042】
数式4に示されるように、電流源15の電流ISENS2は、センサ2の容量値CSENSに応じたインピーダンスZSENS1に依存し、センサ2の容量値CSENSの変化に応じて変化する。参照電圧VREF1及び参照周波数FREFが略一定であれば、電流ISENS2の変化は、センサ2の容量値CSENSの変化を示す。
【0043】
図2に示す電圧制御発振回路11は、電圧差検出回路16及び出力ノード10cの間に電気的に接続される。電圧制御発振回路11は、入力ノード11aが電圧差検出回路16の出力ノード16cに電気的に接続され、出力ノード11bが出力ノード10cに電気的に接続される。電圧制御発振回路11は、電圧差検出回路16から受けた制御電圧V
CTRLに応じて発振動作を行い、制御電圧V
CTRLに応じた周波数F
OUTを有する発振信号F
OUTを生成する。
【0044】
例えば、電圧制御発振回路11は、
図3に示すように弛張型の発振回路で構成され得る。電圧制御発振回路11は、インバータチェーン111、可変抵抗素子112、及び容量素子113を有する。インバータチェーン111は、リング状に接続された複数段のインバータInv1~Inv3とリング外で出力側に設けられたインバータInv4とを含む。各インバータInvは、例えばNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとをインバータ接続することで構成される。リング状に接続されたインバータInvの段数は、奇数段であり、例えば3段である。初段のインバータInv1の出力ノードは、次段のインバータInv2の入力ノードに電気的に接続されている。最終段のインバータInv3の出力ノードは、インバータInv4の入力ノードと初段のインバータInv1の入力ノードとにそれぞれ電気的に接続されている。インバータInv4の出力ノードは、電圧制御発振回路11の出力ノード11bに接続されている。可変抵抗素子112は、インバータチェーン111における複数段のインバータInv1~Inv3に直列に電気的に接続される。可変抵抗素子112はインバータInv2の出力ノードとインバータInv3の入力ノードとの間に電気的に接続される。容量素子113は、インバータチェーン111におけるインバータInv及び可変抵抗素子112と並列に接続される。
図3では、容量素子113が2段目のインバータInv2及び可変抵抗素子112の直列接続に対して並列に接続された構成が例示されている。
【0045】
図2に示す電圧制御発振回路11は、周波数F
OUTを有する発振信号F
OUTを、論理ゲート23に出力するとともに、周波数インピーダンス変換回路13へフィードバックする。
【0046】
周波数インピーダンス変換回路13は、
図3に示すように容量素子131、容量素子132、スイッチ133、スイッチ134、及びインバータ135を有する。容量素子131は、一端がグランド電位に接続され、他端がスイッチ133及びスイッチ134の間のノード136に接続される。容量素子132は、一端がグランド電位に接続され、他端が電圧差検出回路16の入力ノード16bに接続される。スイッチ133は、一端が電圧差検出回路16の入力ノード16bに接続され、他端がノード136に接続され、制御端が電圧制御発振回路11に接続される。スイッチ134は、一端がノード136に接続され、他端がグランド電位に接続され、制御端がインバータ135に接続される。インバータ135は、入力ノードが電圧制御発振回路11に接続され、出力ノードがスイッチ134に接続される。
【0047】
周波数インピーダンス変換回路13では、スイッチ133及びスイッチ134が、発振信号FOUTのレベルに応じて相補的にオン・オフする。これにより、容量素子131が充放電される。発振信号FOUTがHレベルである場合、スイッチ133がオフ状態に維持されるとともにスイッチ134がオン状態に維持され、容量素子131の電荷(正孔)がグランド電位に排出され、容量素子131が放電される。発振信号FOUTがLレベルである場合、スイッチ133がオン状態に維持されるとともにスイッチ134がオフ状態に維持され、電流ISENS2に応じた電荷(正孔)が容量素子131に蓄積され、容量素子131が充電される。このとき、容量素子132は、発振信号FOUTのレベルに関わらず、電流ISENS2に応じた電荷を蓄積した状態を維持している。
【0048】
すなわち、周波数インピーダンス変換回路13は、周波数FOUTを有する発振信号FOUTによって容量素子131に対して周期的に充電と放電とを繰り返すことで等価的に周波数FOUTに対応するインピーダンスZ2を発生できる。周波数インピーダンス変換回路13の出力電圧は、電圧差検出回路16の入力ノード16bの電圧VSENS2として現れる。電圧VSENS2は、容量素子131の充電時において、時定数的に変化するが、電流ISENS2に応じた電荷の蓄積を維持する容量素子132によって平均化されながら安定点に収束する。安定点に収束する時における電圧差検出回路16の入力ノード16bの電圧VSENS2は、周波数インピーダンス変換回路13で発生するインピーダンスZ2を用いて、次の数式5のように表せる。
VSENS2=ISENS2/Z2・・・数式5
【0049】
例えば、
図4に示すように、電流I
SENS2=I
1のとき、安定点に収束する時における電圧V
SENS2=V
1になる。電流I
SENS2=I
2のとき、安定点に収束する時における電圧V
SENS2=V
2になる。電流I
SENS2=I
10のとき、安定点に収束する時における電圧V
SENS2=V
10になる。
図4は、周波数インピーダンス変換回路13の動作を示す図であり、縦軸が電圧の大きさを示し、横軸が時間を示す。周波数インピーダンス変換回路13では、流れ込む電流I
SENS2が増えると、安定点に収束する時における電圧V
SENS2がそれにほぼ比例して上昇することが分かる。すなわち、容量素子132の容量値をC
AVE2、容量素子131の容量値をC
SC2とすると、安定点に収束する時における電圧差検出回路16の入力ノード16bの電圧V
SENS2は、次の数式6のようになる。
V
SENS2=I
SENS2/(F
OUT・C
SC2)・・・数式6
【0050】
数式5,6に示されるように、安定点に収束する状態において、発振信号の周波数FOUTが周波数インピーダンス変換回路13でインピーダンスZ2=1/(FOUT・CSC2)に変換される。等価的には、インピーダンスZ2=1/(FOUT・CSC2)の一端が電圧差検出回路16の入力ノード16bに接続され、その他端がグランド電位に接続された状態になる。このため、電圧差検出回路16の入力ノード16bでは、電流源15からの電流ISENS2が等価インピーダンスZ2=1/(FOUT・CSC2)に流れ込むことで、等価インピーダンスZ2=1/(FOUT・CSC2)により電流ISENS2が電圧VSENS2に変換される。電圧VSENS2は、電流ISENS2を含み、センサ2の検出値に対応している。また、電圧VSENS2は、周波数FOUTを含み、電圧制御発振回路11の発振周波数FSENSに対応している。
【0051】
図2に示す電圧差検出回路16の入力端子には、電圧源14、電流源15、周波数インピーダンス変換回路13が接続され、電圧制御発振回路11は出力端子に電気的に接続される。電圧差検出回路16は、入力ノード16aが電圧源14に接続され、入力ノード16bが電流源15及び周波数インピーダンス変換回路13に接続され、出力ノード16cが電圧制御発振回路11に接続される。電圧差検出回路16は、入力ノード16aで参照電圧V
REF1を受け、入力ノード16bで電流源15及び周波数インピーダンス変換回路13により電圧V
SENS2が生成される。電圧差検出回路16は、参照電圧V
REF1及び電圧V
SENS2の差分に応じて、差分が小さくなるように制御するための制御電圧V
CTRLを生成する。
【0052】
例えば、電圧差検出回路16は、
図3に示すように、差動増幅回路161を有する。差動増幅回路161は、非反転入力端子(+)が電圧源14に接続され、反転入力端子(-)が電流源15及び周波数インピーダンス変換回路13に接続され、出力端子が電圧制御発振回路11に接続される。差動増幅回路161は、参照電圧V
REF1及び電圧V
SENS2の差分に応じた制御電圧V
CTRLを生成して電圧制御発振回路11へ供給する。
【0053】
周波数同期回路10において、電圧差検出回路16→電圧制御発振回路11→周波数インピーダンス変換回路13→電圧差検出回路16の周波数同期ループを用いて、電圧差検出回路16は、電圧VSENS2が参照電圧VREF1に等しくなるように、制御電圧VCTRLをフィードバック制御する。すなわち、フィードバック制御が正常に機能した場合、次の数式7が成り立つ。
VREF1=VSENS2・・・数式7
【0054】
数式7に数式6を代入すると、次の数式8が得られる。
VREF1=ISENS2/(FOUT・CSC2)・・・数式8
【0055】
数式8に数式4をさらに代入すると、次の数式9が得られる。
VREF1=VREF1・FREF・CSENS/(FOUT・CSC2)・・・数式9
【0056】
数式9を周波数FOUTについて解くと、次の数式10が得られる。
FOUT=FREF・(CSENS/CSC2)・・・数式10
【0057】
数式10に示されるように、発振信号FOUTの周波数FOUTは、センサ2の容量値CSENSとセンサインターフェース回路1内の容量素子131の容量値CSC2との比に応じて得られる。
【0058】
センサインターフェース回路1では、
図2に示すように、デジタル値CNToutを高精度に生成するために、参照周波数F
REFの周期信号を生成する発振回路21と、周波数F
OUTの発振信号を生成する周波数同期回路10とが、論理ゲート23を介してカウンタ24に接続される。これにより、形式的には、センサインターフェース回路1は、デジタル値CNToutが、周波数F
OUTと参照周波数F
REFとの相対比に応じて変化するように構成される。実質的には、センサインターフェース回路1は、デジタル値CNToutが、参照周波数F
REFに依存せずに変化するように構成される。
【0059】
図2に示す分周回路22は、発振回路21及び論理ゲート23の間に電気的に接続される。分周回路22は、入力ノード22aが発振回路21の出力ノード21aに接続され、出力ノード22bが論理ゲート23の入力ノード23bに接続される。分周回路22は、その分周比が可変であってもよい。
【0060】
分周回路22は、
図3に示すように、分周比Nを有する。Nは、例えば2以上の任意の整数である。分周比Nは、固定値であってもよいし、可変であってもよい。分周比Nが可変である場合、センサインターフェース回路1は、外部(例えば、コントローラ3)からの制御信号に応じて、分周比を決定し、決定された分周比を示す分周制御信号を分周回路22へ供給する。分周回路22は、分周制御信号に応じて分周比Nの値を変更可能である。
【0061】
例えば、図示しないが、フリップフロップを多段で直列接続し、分周制御信号に応じて入力ノード22aと出力ノード22bとの間に経由させるフリップフロップ数を変更するように回路接続することで、分周比が可変な構成を実現可能である。
【0062】
分周回路22は、発振回路21で生成された周期信号FREFをN分周し、分周信号FREF’を生成する。分周回路22は、分周信号FREF’を論理ゲートへ供給する。分周信号FREF’の周波数FREF’は、周期信号FREFの参照周波数FREFを用いて、次の数式11のように表せる。
FREF’=FREF/N・・・数式11
【0063】
なお、発振回路21は、電圧制御発振回路11と同様の回路で構成してもよい。これにより、
図3に例示するように、回路の対称性を確保でき、素子ばらつきの影響を受け難い回路を構成できる。すなわち、線対称な回路構成を実現でき、集積回路に適したレイアウト構成を実現できる。
【0064】
発振回路21は、
図3に示すような弛張型の発振回路で構成され得る。発振回路21は、インバータチェーン211、可変抵抗素子212、及び容量素子213を有する。インバータチェーン211は、リング状に接続された複数段のインバータInv11~Inv13とリング外で出力側に設けられたインバータInv14とを含む。各インバータInvは、例えばNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとをインバータ接続することで構成される。リング状に接続されたインバータInvの段数は、奇数段であり、例えば3段である。初段のインバータInv11の出力ノードは、次段のインバータInv12の入力ノードに電気的に接続されている。最終段のインバータInv13の出力ノードは、インバータInv14の入力ノードと初段のインバータInv11の入力ノードとにそれぞれ電気的に接続されている。インバータInv14の出力ノードは、発振回路21の出力ノード21aに接続されている。可変抵抗素子212は、インバータチェーン211における複数段のインバータInv11~Inv13に直列に電気的に接続される。可変抵抗素子212はインバータInv12の出力ノードとインバータInv13の入力ノードとの間に電気的に接続される。容量素子213は、インバータチェーン211におけるインバータInv及び抵抗素子212と並列に接続される。
図3では、容量素子213が2段目のインバータInv12及び可変抵抗素子212の直列接続に対して並列に接続された構成が例示されている。
【0065】
可変抵抗素子212は、
図3に例示したように、ドレインをインバータInv12の出力ノードに接続し、ソースをインバータInv13の入力ノードに接続し、ゲートに例えば固定レベルのバイアス(例えば、電源電位Vdd)が印加されるNMOSトランジスタで構成してもよい。
【0066】
図2に示す論理ゲート23は、周波数同期回路10及び発振回路21とカウンタ24との間に電気的に接続される。論理ゲート23は、入力ノード23aが周波数同期回路10に接続され、入力ノード23bが分周回路22を介して発振回路21に接続され、出力ノード23cがカウンタ24の入力ノード24aに接続される。カウンタ24の出力ノード24bは、センサインターフェース回路1の端子1bに接続される。
【0067】
論理ゲート23は、
図3に示すように、ANDゲート231であってもよい。ANDゲート231は、発振信号F
OUTを入力ノード23aで受け、分周信号F
REF’を入力ノード23bで受け、発振信号F
OUT及び分周信号F
REF’の論理積を演算し、演算結果をカウンタ24へ供給する。カウンタ24は、演算結果におけるパルス数をカウントし、カウント値をデジタル値CNToutとして端子1bからコントローラ3へ出力する。
【0068】
センサインターフェース回路1では、参照周波数FREFでアナログ信号(センサ2の信号)から変換された電圧VSENS2と基準電圧VREFとで周波数同期ループを回して生成した発振信号FOUTを、参照周波数FREF又は分周されたFREF’で間引いてカウントすることでデジタル値CNToutを得ることができる。すなわち、センサインターフェース回路1の構成によれば、新規な方式のAD変換回路が実現可能である。
【0069】
すなわち、論理ゲート23は、周波数同期回路10からの発振信号FOUTを分周信号FREF’の周期で間引いて切り出しカウンタ24へ供給する。このため、カウンタ24のカウント値としてのデジタル値CNToutは、形式的には周波数FOUTと参照周波数FREF’との相対比に応じて変化するため、次の数式12のように表せる。
CNTOUT=FOUT/{FREF’/2}・・・数式12
【0070】
数式12に数式11を代入すると、次の数式13が得られる。
CNTOUT=FOUT/{FREF/(2・N)}・・・数式13
【0071】
数式13に数式10でFREFを2FREFに置き換えた式を代入すると、次の数式14が得られる。
CNTOUT={FREF・(CSENS/CSC2)}/{FREF/(2・N)}
=(CSENS/CSC2)・2・N・・・数式14
【0072】
数式14の右辺では、分子・分母にFREFがあるため、FREFが約分されて消える。数式14に示されるように、デジタル値CNToutは、参照周波数FREFに依存せずに、相対比(CSENS/CSC2)に応じて変化する。すなわち、発振信号の周波数の精度が、実質的に周期信号FREFの絶対精度に依存せず、容量値CSENSと容量値CSC2との相対精度に依存する。例えば、製造プロセス、電源電圧、及び/又は温度などの変動要因の影響を受けて容量素子CSENSと容量素子131とがほぼ同じように変動すれば、相対比(CSENS/CSC2)としてはほぼ変動しないことになる。
【0073】
また、数式14に示されるように、分周回路22の分周比Nを増加させることで、センサ2の信号レベルに対するデジタル値CNToutのゲインを増加できる。これにより、センサ2の信号に対するセンサインターフェース回路1の感度を容易に上げることができる。
【0074】
以上のように、本実施形態では、センサインターフェース回路1において、周波数インピーダンス変換回路18及び周波数インピーダンス変換回路13が電源電位Vdd及びグランド電位の間にカスコード接続される。これにより、共通化された電流経路に設けられる共通の素子(例えば、トランジスタ)により、参照周波数FREFに応じた電流とセンサ2の信号に応じた電流とを生成できる。この結果、周波数インピーダンス変換回路18に流れる電流をカレントミラー回路でコピーして周波数インピーダンス変換回路13に流す構成に比べて、製造プロセスばらつき等の影響を低減でき、センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度を向上できる。
【0075】
また、本実施形態では、周波数インピーダンス変換回路918に流れる電流I
1をカレントミラー回路CMでコピーして電流I
2として周波数インピーダンス変換回路913に流す構成(
図13参照)に比べて、周波数インピーダンス変換のための電流経路の数を2本から1本に低減できる。これにより、周波数同期回路10の消費電力を低減できる。
【0076】
(実施形態の第1の変形例)
センサインターフェース回路1iに接続されるセンサは、
図5に示すように、容量性のセンサ2(
図2参照)に代えて、抵抗性のセンサ2iであってもよい。
図5は、実施形態の第1の変形例に係るセンサインターフェース回路1iの概略構成を示す回路図である。
【0077】
センサインターフェース回路1iは、センサ2i及びコントローラ3(
図1参照)の間に接続される。
【0078】
センサ2iは、例えば抵抗性のセンサであり、その信号レベルに応じて、等価的に、抵抗値が変化する可変抵抗素子RSENSを含む。可変抵抗素子RSENSは、一端がセンサインターフェース回路1iの端子1cに接続され、他端がセンサインターフェース回路1iの端子1dに接続される。
【0079】
センサインターフェース回路1iは、周波数同期回路10(
図2参照)に代えて、周波数同期回路10iを有する。周波数同期回路10iは、入力ノード10cが端子1cを介してセンサ2iの一端に電気的に接続され、入力ノード10dが端子1dを介してセンサ2iの他端に電気的に接続される。
【0080】
周波数同期回路10iは、センサ2iの信号レベル(例えば、可変抵抗素子RSENSの抵抗値)に応じて発振動作を行う。このとき、周波数同期回路10iは、電圧ドメインで周波数同期ループのフィードバック動作を行う。
【0081】
図6は、実施形態の第1の変形例に係るセンサインターフェース回路1iの詳細構成を示す回路図である。周波数同期回路10iは、センサ2iの信号レベル(例えば、可変抵抗素子R
SENSの抵抗値)に応じて、電圧V
SENS11及び電圧V
SENS12を生成する。周波数同期回路10iは、周期信号F
REFを受ける。周波数同期回路10iは、参照周波数F
REFをインピーダンスZ
1に変換する。周波数同期回路10iは、インピーダンスZ
1に応じた電流I
REF11を生成する。それとともに、周波数同期回路10iは、発振動作を行って生成した発振信号の発振周波数F
OUTをインピーダンスZ
2に変換する。周波数同期回路10iは、変換されたインピーダンスZ
2を、センサ2iの信号レベルに応じた電流I
SENS12=I
REF11を用いてさらに電圧V
SENS12に変換する。変換された電圧V
SENS12は、センサ2iの信号レベルに応じた電圧である。周波数同期回路10iは、周波数同期ループのフィードバック動作を、センサ2iの信号レベルに応じた電圧V
SENS12とセンサ2iの信号レベルに応じた電圧V
SENS11との差分がゼロに近づくように行う。これにより、電圧ドメインで周波数同期機能を高精度に実現できる。
【0082】
周波数同期回路10iは、
図5に示すように、電圧源14及び周波数インピーダンス変換回路18(
図2参照)に代えて、電圧源14i及び周波数インピーダンス変換回路18iを有する。周波数同期回路10iは、センサ2iが電圧源14iに接続されるとともに電圧源14iを介して電流源15に接続され、センサ2iの信号レベルに応じて電流源15が流す電流I
SENS12が変化するとともに電圧源14iが発生する電圧V
SENS11が変化する。周波数同期回路10iは、電流電圧変化型の周波数同期回路と呼ぶことができる。
【0083】
電圧源14iは、端子1cと端子1dと電流源15及び電圧差検出回路16との間に電気的に接続され、センサ2iと電流源15と電圧差検出回路16との間に電気的に接続される。電圧源14iは、入力ノード14eがセンサ2iの一端に接続され、入力ノード14fがセンサ2iの他端に接続され、出力ノード14aが電流源15に接続され、出力ノード14bが電圧差検出回路16に接続される。電圧源14iは、センサ2iの信号レベルに応じた電圧を生成する。
【0084】
例えば、電圧源14iは、
図6に示すようにそれぞれ抵抗分圧で電圧V
SENS11を生成する。電圧源14iは、電圧源14(
図3参照)に対して、抵抗素子R
1が可変抵抗素子R
SENSに置き換えられている。可変抵抗素子R
SENSは、センサ2iの構成として、電圧源14iに外部接続されている。
【0085】
可変抵抗素子RSENSの一端が入力ノード14e,14cを介して電源電位Vddに接続され、可変抵抗素子RSENSの他端が入力ノード14f及び抵抗素子R2を介してグランド電位に接続される。可変抵抗素子RSENS及び抵抗素子R2の中間ノードは、電圧差検出回路16の入力ノード16aに電気的に接続される。中間ノードでは、次の数式15に示す電圧VSENS11が生成され、電圧差検出回路16の入力ノード16aへ供給される。
VSENS11={R2/(RSENS+R2)}×Vdd・・・数式15
【0086】
なお、可変抵抗素子R
SENS及び抵抗素子R
2を含む回路に対して、電流源15を介して、周波数インピーダンス回路13と周波数インピーダンス回路18iの接続とが逆極性で接続される。これにより、可変抵抗素子R
SENS及び抵抗素子R
2を含む回路は、等価的にフルブリッジ回路として機能し得る。可変抵抗素子R
SENS及び抵抗素子R
2を含む回路は、例えば、
図14に示すようなセンサインターフェース回路1001における周波数インピーダンス回路13に対する第1のハーフブリッジ回路HB1と周波数インピーダンス回路18iに対する第2のハーフブリッジ回路HB2とが逆極性で重ね合わされる。第2のハーフブリッジ回路HB2は、第1のハーフブリッジ回路HB1と逆極性のブリッジ回路であるが、逆極性で重ね合わせることで、同極性の回路(すなわち、
図3に示す電圧源14の回路)として共通化できる。可変抵抗素子R
SENS及び抵抗素子R
2を含む回路は、ハーフブリッジ型の構成であるが、等価的にフルブリッジ回路として機能し、その利得を通常のハーフブリッジ型の約2倍にすることができる。
【0087】
例えば、比較例として、可変抵抗素子R
SENS及び抵抗素子R
2を含む回路に対して、電流源15を介して、周波数インピーダンス回路13と周波数インピーダンス回路18iの接続とが同極性で接続された構成を考える。可変抵抗素子R
SENS及び抵抗素子R
2の直列接続1本による比較例のハーフブリッジの構成では、
図7に白三角のプロットで示すように、環境(例えば、温度)の変化に応じてセンサ(例えば、温度センサ)の信号に対応するセンサインターフェース回路1iの出力CNT
OUTが比較的なだらかな傾きで変化する。可変抵抗素子R
SENS及び抵抗素子R
2の直列接続とその逆極性の抵抗素子R
2及び可変抵抗素子R
SENSの直列接続とによる比較例のフルブリッジの構成では、
図7に白丸のプロットで示すように、環境の変化に応じてセンサの信号に対応するセンサインターフェース回路1iの出力CNT
OUTが比較的急峻な傾きで変化する。比較例のフルブリッジの構成は、比較例のハーフブリッジの構成に対して、その利得が約2倍であり、環境に応じた変化の傾きも約2倍になる。すなわち、比較例のフルブリッジの構成は、比較例のハーフブリッジの構成に対して、その感度特性がより良好である。
【0088】
一方、実施形態の第1の変形例のハーフブリッジの構成では、
図7に実線で示すように、環境(例えば、温度)の変化に応じてセンサ(例えば、温度センサ)の信号に対応するセンサインターフェース回路1iの出力CNT
OUTが比較的急峻な傾きで変化する。
図7に示すように、実線で示す特性は、白丸のプロットで示す特性にほぼ重なる。すなわち、センサインターフェース回路1iでは、センサ2i及び電圧源14iに対して、電流源15を介して、周波数インピーダンス回路13と周波数インピーダンス回路18iの接続とが逆極性で接続される。この構成により、通常のフルブリッジ構成と同様な感度特性をハーフブリッジ構成で得ることができる。
【0089】
周波数インピーダンス変換回路18iは、センサ2(
図3参照)に接続されない。周波数インピーダンス変換回路18iは、
図6に示すように、スイッチトキャパシタ回路で構成され得る点は実施形態と同様である。周波数インピーダンス変換回路18iは、周波数インピーダンス変換回路18(
図3参照)に対して可変容量素子C
SENSを容量素子181に置き換えることで得られる。
【0090】
すなわち、周波数インピーダンス変換回路18iは、参照周波数FREFを有する周期信号FREFによって容量素子181に対して周期的に充電と放電とを繰り返すことで等価的に参照周波数FREFに対応するインピーダンスZ1を発生できる。このとき、周波数インピーダンス変換回路18iの出力ノード18cの電圧は、容量素子181の充電時において、時定数的に変化するが、電荷の蓄積を維持する容量素子182によって平均化されながら安定点に収束する。この安定点における出力ノード18cの電圧は、電流源15により参照電圧VSENS11に等しくなるように制御される。このため、安定点に収束する時における電流源15の入力ノード15dに発生される電流IREF11は、周波数インピーダンス変換回路18iで発生するインピーダンスZ1を用いて、次の数式16のように表せる。
IREF11=VSENS11/Z1・・・数式16
【0091】
すなわち、容量素子182の容量値をCAVE1、容量素子181の容量値をCSC1とすると、安定点に収束する時における電流源15の入力ノード15dに発生される電流ISENS12は、電流IREF11に等しく、次の数式17のようになる。
ISENS12=IREF11=VSENS11・FREF・CSC1・・・数式17
【0092】
数式16,17に示されるように、安定点に収束する状態において、参照周波数FREFが周波数インピーダンス変換回路18iでインピーダンスZ1=1/(FREF・CSC1)に変換される。
【0093】
一方、周波数インピーダンス変換回路13は、周波数FOUTを有する発振信号FOUTによって容量素子131に対して周期的に充電と放電とを繰り返すことで等価的に周波数FOUTに対応するインピーダンスZ2を発生できる。安定点に収束する時における電圧差検出回路16の入力ノード16bの電圧VSENS12は、次の数式18のように表せる。
VSENS12=ISENS12/(FOUT・CSC2)・・・数式18
【0094】
周波数同期回路10iにおいて、電圧差検出回路16→電圧制御発振回路11→周波数インピーダンス変換回路13→電圧差検出回路16の周波数同期ループを用いて、電圧差検出回路16は、電圧VSENS12が電圧VSENS11に等しくなるように、制御電圧VCTRLをフィードバック制御する。すなわち、フィードバック制御が正常に機能した場合、次の数式19が成り立つ。
VSENS11=VSENS12・・・数式19
【0095】
数式19に数式18を代入すると、次の数式20が得られる。
VSENS11=ISENS12/(FOUT・CSC2)・・・数式20
【0096】
数式20に数式15,16,17をさらに代入すると、次の数式21が得られる。
{R2/(RSENS+R2)}×Vdd={RSENS/(RSENS+R2)}×Vdd・FREF・CSC1/(FOUT・CSC2)・・・数式21
【0097】
数式21を周波数FOUTについて解くと、次の数式22が得られる。
FOUT=FREF・(CSC1/CSC2)・(RSENS/R2)・・・数式22
【0098】
数式22に示されるように、発振信号FOUTの周波数FOUTは、センサインターフェース回路1i内の容量素子181の容量値CSC1と容量素子131の容量値CSC2との比と、センサ2iの抵抗値RSENSとセンサインターフェース回路1i内の抵抗素子R2の抵抗値R2との比とに応じて得られる。
【0099】
分周回路22は、発振回路21で生成された周期信号FREFをN分周し、分周信号FREF’を生成する。分周回路22は、分周信号FREF’を論理ゲートへ供給する。分周信号FREF’の周波数FREF’は、周期信号FREFの参照周波数FREFを用いて、次の数式23のように表せる。
FREF’=FREF/N・・・数式23
【0100】
論理ゲート23は、周波数同期回路10iからの発振信号FOUTを分周信号FREF’の周期で間引いて切り出しカウンタ24へ供給する。このため、カウンタ24のカウント値としてのデジタル値CNToutは、形式的には周波数FOUTと参照周波数FREF’との相対比に応じて変化するため、次の数式24のように表せる。
CNTOUT=FOUT/{FREF’/2}・・・数式24
【0101】
数式24に数式23を代入すると、次の数式25が得られる。
CNTOUT=FOUT/{FREF/(2・N)}・・・数式25
【0102】
数式25に数式22でFREFを2FREFに置き換えた式を代入すると、次の数式26が得られる。
CNTOUT={FREF・(CSC1/CSC2)・(RSENS/R2)}/{FREF/(2・N)}
=(CSC1/CSC2)・(RSENS/R2)・2・N・・・数式26
【0103】
数式26の右辺では、分子・分母にFREFがあるため、FREFが約分されて消える。数式26に示されるように、デジタル値CNToutは、参照周波数FREFに依存せずに、相対比(CSC1/CSC2)・(RSENS/R2)に応じて変化する。すなわち、発振信号の周波数の精度が、実質的に周期信号FREFの絶対精度に依存せず、容量値CSC1と容量値CSC2との相対精度と、抵抗値RSENSと抵抗値R2との相対精度とに依存する。例えば、製造プロセス、電源電圧、及び/又は温度などの変動要因の影響を受けて容量素子181と容量素子131とがほぼ同じように変動し可変抵抗素子RSENSと抵抗素子R2とがほぼ同じように変動すれば、相対比(CSC1/CSC2)・(RSENS/R2)としてはほぼ変動しないことになる。
【0104】
また、数式26に示されるように、分周回路22の分周比Nを増加させることで、センサ2iの信号レベルに対するデジタル値CNToutのゲインを増加できる。これにより、センサ2iの信号に対するセンサインターフェース回路1iの感度を容易に上げることができる。
【0105】
このようなセンサインターフェース回路1iにおいても、共通化された電流経路に設けられる共通の素子(例えば、トランジスタ)により、参照周波数F
REFに応じた電流とセンサ2iの信号に応じた電流とを生成できる。この結果、周波数インピーダンス変換回路918に流れる電流をカレントミラー回路CMでコピーして周波数インピーダンス変換回路913に流す構成(
図13参照)に比べて、製造プロセスばらつき等の影響を低減でき、センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度を向上できる。
【0106】
また、センサインターフェース回路1iでは、周波数インピーダンス変換回路918に流れる電流をカレントミラー回路CMでコピーして周波数インピーダンス変換回路913に流す構成(
図13参照)に比べて、周波数インピーダンス変換のための電流経路の数を2本から1本に低減できる。これにより、周波数同期回路10iの消費電力を低減できる。
【0107】
また、センサインターフェース回路1iでは、センサ2i及び電圧源14iに対して、電流源15を介して、周波数インピーダンス回路13と周波数インピーダンス回路18iの接続とが逆極性で接続される。この構成により、フルブリッジ構成と同様な感度特性をハーフブリッジ構成で得ることができる。
【0108】
(実施形態の第2の変形例)
センサインターフェース回路1jに接続されるセンサは、
図8に示すように、容量性のセンサ2に加えて、抵抗性のセンサ2iを設けてもよい。
図8は、実施形態の第2の変形例に係るセンサインターフェース回路1jの概略構成を示す回路図である。
【0109】
センサインターフェース回路1jは、センサ2,2i及びコントローラ3(
図1参照)の間に接続される。
【0110】
センサ2は、例えば容量性のセンサであり、その信号レベルに応じて、等価的に、容量値が変化する可変容量素子CSENSを含む。センサ2iは、例えば抵抗性のセンサであり、その信号レベルに応じて、等価的に、抵抗値が変化する可変抵抗素子RSENSを含む。
【0111】
センサインターフェース回路1jは、
図9に示すように、周波数同期回路10(
図2参照)に代えて、周波数同期回路10jを有する。
図9は、センサインターフェース回路1jの詳細構成を示す回路図である。周波数同期回路10jは、電圧源14(
図3参照)に代えて、電圧源14i(
図5参照)を有する。周波数同期回路10jは、センサ2iが電圧源14iに接続されるとともに電圧源14iを介して電流源15に接続され、センサ2iの信号レベルに応じて電流源15が流す電流I
SENS2が変化するとともに電圧源14iが発生する電圧V
SENS11が変化する。周波数同期回路10jは、電流電圧変化型の周波数同期回路と呼ぶことができる。
【0112】
周波数同期回路10jにおいて、電圧差検出回路16→電圧制御発振回路11→周波数インピーダンス変換回路13→電圧差検出回路16の周波数同期ループを用いて、電圧差検出回路16は、電圧VSENS2が電圧VSENS11に等しくなるように、制御電圧VCTRLをフィードバック制御する。すなわち、フィードバック制御が正常に機能した場合、次の数式27が成り立つ。
VSENS11=VSENS2・・・数式27
【0113】
数式27に数式4,7,8,15をさらに代入すると、次の数式28が得られる。
{R2/(RSENS+R2)}×Vdd={RSENS/(RSENS+R2)}×Vdd・FREF・CSENS/(FOUT・CSC2)・・・数式28
【0114】
数式28を周波数FOUTについて解くと、次の数式29が得られる。
FOUT=FREF・(CSENS/CSC2)・(RSENS/R2)・・・数式29
【0115】
数式29に示されるように、発振信号FOUTの周波数FOUTは、センサ2の容量値CSENSとセンサインターフェース回路1j内の容量素子131の容量値CSC2との比と、センサ2iの抵抗値RSENSとセンサインターフェース回路1j内の抵抗素子R2の抵抗値R2との比とに応じて得られる。
【0116】
このようなセンサインターフェース回路1jにおいても、共通化された電流経路に設けられる共通の素子(例えば、トランジスタ)により、参照周波数F
REFに応じた電流とセンサ2,2iの信号に応じた電流とを生成できる。この結果、周波数インピーダンス変換回路918に流れる電流をカレントミラー回路CMでコピーして周波数インピーダンス変換回路913に流す構成(
図13参照)に比べて、製造プロセスばらつき等の影響を低減でき、センサの信号レベルを周波数へ変換する際の変換精度を向上できる。
【0117】
また、センサインターフェース回路1jでは、9周波数インピーダンス変換回路18に流れる電流をカレントミラー回路CMでコピーして周波数インピーダンス変換回路913に流す構成(
図13参照)に比べて、周波数インピーダンス変換のための電流経路の数を2本から1本に低減できる。これにより、周波数同期回路10jの消費電力を低減できる。
【0118】
また、センサインターフェース回路1jでは、センサ2i及び電圧源14iに対して、電流源15を介して、周波数インピーダンス回路13と周波数インピーダンス回路18の接続とが逆極性で接続される。この構成により、フルブリッジ構成と同様な感度特性をハーフブリッジ構成で得ることができる。
【0119】
(実施形態の第3の変形例)
容量性のセンサ2に対応するセンサインターフェース回路1rにおいて、
図10に示すように、動作が安定化するための工夫が施されてもよい。
図10は、実施形態の第3の変形例に係るセンサインターフェース回路1rの詳細構成を示す回路図である。
【0120】
例えば、センサインターフェース回路1(
図3参照)において、電流源15がその入力ノード15dの電圧を参照電圧V
REF1に等しくするように電流I
SENS2を流し、電圧差検出回路16がその入力ノード16bの電圧を参照電圧V
REF1に等しくするように動作する場合、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧が確保しにくくなる可能性がある。トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧が確保しにくくなると、センサインターフェース回路1rの動作が不安定になる可能性がある。
【0121】
それに対して、センサインターフェース回路1rは、周波数同期回路10(
図3参照)に代えて周波数同期回路10rを有し、分周回路25rをさらに有する。周波数同期回路10rは、電圧源14(
図3参照)に代えて電圧源14rを有する。
【0122】
分周回路25rは、発振回路21と周波数インピーダンス変換回路18との間に接続される。参照周波数FREFを有する周期信号FREFをk分周する。kは、2以上の整数である。分周回路25rは、参照周波数FREF’= FREF/kを有する周期信号FREF’を生成して周波数インピーダンス変換回路18へ供給する。これにより、周波数インピーダンス変換回路18の動作点がより高電圧側へ変更され、周波数インピーダンス変換の安定点における出力ノード18cの電圧は、参照電圧VREF1より高電圧側の電圧になる。
【0123】
これに応じて、電圧源14rは、抵抗素子R1と抵抗素子R2との間に抵抗素子R3が直列に挿入される。抵抗素子R3は、電流源15及び電圧差検出回路16の間に相当する位置に挿入される。抵抗素子R3は、一端が差動増幅回路152の入力ノード152bに接続され、他端が差動増幅回路161の入力ノード161dに接続される。このとき、抵抗素子R1、抵抗素子R2、抵抗素子R3の抵抗値は、次の数式30,31を満たすように設定される。
VREF1=R2/(R1+R2+R3)×Vdd・・・数式30
R2:R3=1/k: (k-1)/k・・・数式31
【0124】
電圧源14rにおける各抵抗素子R1~R3の抵抗値が数式30,31で設定されることに応じて、電流源15は、入力ノード15dの電圧がVREF1×{(k-1)/k}/{1/k}=(k-1)VREF1になるように電流ISENS2を流す。一方、電圧差検出回路16は、入力ノード16bの電圧が電圧VREF1に等しくなるように制御電圧VCTRLを電圧制御発振回路11へ出力する。これにより、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を確保でき、センサインターフェース回路1rの動作を安定化できる。
【0125】
例えば、k=2の場合、分周回路25rを2分周する回路(例えば、フリップフロップ)で構成でき、抵抗素子R1、抵抗素子R2、抵抗素子R3の抵抗値を互いに均等にして数式30,31を満たすようにすることができる。これにより、簡易な構成で、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を(例えば電圧VREF1程度に)確保でき、センサインターフェース回路1rの動作を安定化できる。
【0126】
このように、センサインターフェース回路1rにおいて、周波数インピーダンス変換回路18の動作点が高電圧側に変更され、それに応じて電圧源14rにおける電流源15及び電圧差検出回路16の間に相当する位置に抵抗素子R3が追加される。これにより、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を確保でき、センサインターフェース回路1rの動作を安定化できる。
【0127】
(実施形態の第4の変形例)
抵抗性のセンサ2iに対応するセンサインターフェース回路1sにおいて、
図11に示すように、動作が安定化するための工夫が施されてもよい。
図11は、実施形態の第4の変形例に係るセンサインターフェース回路1sの詳細構成を示す回路図である。
【0128】
例えば、センサインターフェース回路1i(
図5参照)において、電流源15がその入力ノード15dの電圧を参照電圧V
SENS11に等しくするように電流I
SENS12を流し、電圧差検出回路16がその入力ノード16bの電圧を参照電圧V
SENS11に等しくするように動作する場合、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧が確保しにくくなる可能性がある。トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧が確保しにくくなると、センサインターフェース回路1sの動作が不安定になる可能性がある。
【0129】
それに対して、センサインターフェース回路1sは、周波数同期回路10i(
図5参照)に代えて周波数同期回路10sを有し、分周回路25rをさらに有する。周波数同期回路10sは、電圧源14(
図3参照)に代えて電圧源14sを有する。
【0130】
分周回路25rは、発振回路21と周波数インピーダンス変換回路18iとの間に接続される。参照周波数FREFを有する周期信号FREFをk分周する。kは、2以上の整数である。分周回路25rは、参照周波数FREF’= FREF/kを有する周期信号FREF’を生成して周波数インピーダンス変換回路18iへ供給する。これにより、周波数インピーダンス変換回路18iの動作点がより高電圧側へ変更され、周波数インピーダンス変換の安定点における出力ノード18cの電圧は、参照電圧VREF1より高電圧側の電圧になる。
【0131】
これに応じて、電圧源14sは、抵抗素子RSENSと抵抗素子R2との間に抵抗素子R3が直列に挿入される。抵抗素子R3は、電流源15及び電圧差検出回路16の間に相当する位置に挿入される。抵抗素子R3は、一端が差動増幅回路152の入力ノード151bに接続され、他端が差動増幅回路161の入力ノード161aに接続される。このとき、抵抗素子RSENS、抵抗素子R2、抵抗素子R3の抵抗値は、次の数式32,33を満たすように設定される。
VSENS11=R2/(RSENS+R2+R3)×Vdd・・・数式32
R2:R3=1/k: (k-1)/k・・・数式33
【0132】
センサ2iの可変抵抗素子RSENSと電圧源14sにおける各抵抗素子R2,R3の抵抗値が数式32,33で設定されることに応じて、電流源15は、入力ノード15dの電圧がVSENS11×{(k-1)/k}/{1/k}=(k-1)VSENS11になるように電流ISENS12を流す。一方、電圧差検出回路16は、入力ノード16bの電圧VSEN12が電圧VSEN11に等しくなるように制御電圧VCTRLを電圧制御発振回路11へ出力する。これにより、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を確保でき、センサインターフェース回路1sの動作を安定化できる。
【0133】
例えば、k=2の場合、分周回路25rを2分周する回路(例えば、フリップフロップ)で構成でき、抵抗素子R2、抵抗素子R3の抵抗値を互いに均等にして数式32,33を満たすようにすることができる。これにより、簡易な構成で、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を(例えば電圧VSEN11程度に)確保でき、センサインターフェース回路1sの動作を安定化できる。
【0134】
このように、センサインターフェース回路1sにおいて、周波数インピーダンス変換回路18iの動作点が高電圧側に変更され、それに応じて電圧源14sにおける電流源15及び電圧差検出回路16の間に相当する位置に抵抗素子R3が追加される。これにより、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を確保でき、センサインターフェース回路1sの動作を安定化できる。
【0135】
(実施形態の第5の変形例)
容量性のセンサ2及び抵抗性のセンサ2iに対応するセンサインターフェース回路1tにおいて、
図12に示すように、動作が安定化するための工夫が施されてもよい。
図12は、実施形態の第5の変形例に係るセンサインターフェース回路1tの詳細構成を示す回路図である。
【0136】
例えば、センサインターフェース回路1j(
図9参照)において、電流源15がその入力ノード15dの電圧を参照電圧V
SENS11に等しくするように電流I
SENS1を流し、電圧差検出回路16がその入力ノード16bの電圧V
SENS2を参照電圧V
SENS11に等しくするように動作する場合、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧が確保しにくくなる可能性がある。トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧が確保しにくくなると、センサインターフェース回路1tの動作が不安定になる可能性がある。
【0137】
それに対して、センサインターフェース回路1tは、周波数同期回路10j(
図9参照)に代えて周波数同期回路10tを有し、分周回路25rをさらに有する。周波数同期回路10tは、電圧源14(
図3参照)に代えて電圧源14sを有する。
【0138】
分周回路25rは、発振回路21と周波数インピーダンス変換回路18との間に接続される。参照周波数FREFを有する周期信号FREFをk分周する。kは、2以上の整数である。分周回路25rは、参照周波数FREF’=FREF/kを有する周期信号FREF’を生成して周波数インピーダンス変換回路18へ供給する。これにより、周波数インピーダンス変換回路18の動作点がより高電圧側へ変更され、周波数インピーダンス変換の安定点における出力ノード18cの電圧は、参照電圧VREF1より高電圧側の電圧になる。
【0139】
これに応じて、電圧源14sは、抵抗素子RSENSと抵抗素子R2との間に抵抗素子R3が直列に挿入される。抵抗素子R3は、電流源15及び電圧差検出回路16の間に相当する位置に挿入される。抵抗素子R3は、一端が差動増幅回路152の入力ノード151bに接続され、他端が差動増幅回路161の入力ノード161aに接続される。このとき、抵抗素子RSENS、抵抗素子R2、抵抗素子R3の抵抗値は、上記の数式32,33を満たすように設定される。
【0140】
センサ2iの可変抵抗素子RSENSと電圧源14sにおける各抵抗素子R2,R3の抵抗値が数式32,33で設定されることに応じて、電流源15は、入力ノード15dの電圧がVSENS11×{(k-1)/k}/{1/k}=(k-1)VSENS11になるように電流ISENS2を流す。一方、電圧差検出回路16は、入力ノード16bの電圧VSENS2が電圧VSENS11に等しくなるように制御電圧VCTRLを電圧制御発振回路11へ出力する。これにより、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を確保でき、センサインターフェース回路1tの動作を安定化できる。
【0141】
例えば、k=2の場合、分周回路25rを2分周する回路(例えば、フリップフロップ)で構成でき、抵抗素子R2、抵抗素子R3の抵抗値を互いに均等にして数式32,33を満たすようにすることができる。これにより、簡易な構成で、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を(例えば電圧VSENS2程度に)確保でき、センサインターフェース回路1tの動作を安定化できる。
【0142】
このように、センサインターフェース回路1tにおいて、周波数インピーダンス変換回路18の動作点が高電圧側に変更され、それに応じて電圧源14sにおける電流源15及び電圧差検出回路16の間に相当する位置に抵抗素子R3が追加される。これにより、トランジスタ151のソース・ドレイン間の電圧を確保でき、センサインターフェース回路1tの動作を安定化できる。
【0143】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
1,1i,1j,1r,1s,1t センサインターフェース回路
2,2i センサ
3 コントローラ
10,10i,10j,10r,10s,10t 周波数同期回路
11 電圧制御発振回路
13,18,18i 周波数インピーダンス変換回路
14,14i,14r,14s 電圧源
15 電流源
16 電圧差検出回路
21 発振回路
22,25r 分周回路
23 論理ゲート
24 カウンタ
100 システム