(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037947
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】スパッタリングターゲット及び、スパッタリングターゲットの製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20240312BHJP
C22C 38/00 20060101ALI20240312BHJP
C22C 19/07 20060101ALI20240312BHJP
B22F 1/00 20220101ALI20240312BHJP
B22F 3/10 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C23C14/34 A
C22C38/00 304
C22C19/07 G
B22F1/00 S
B22F3/10 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213307
(22)【出願日】2023-12-18
(62)【分割の表示】P 2021506197の分割
【原出願日】2020-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2019053797
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】曽川 慎治
(72)【発明者】
【氏名】荒川 篤俊
(57)【要約】
【課題】パーティクルを有効に低減することができるスパッタリングターゲット及び、スパッタリングターゲットの製造方法を提供する。
【解決手段】スパッタリングターゲットであって、Bを10at%~20at%で含有し、残部にFeを含み、SEM画像観察によるFe-B相の平均面積が20μm2以下であるスパッタリングターゲットである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパッタリングターゲットであって、Bを10at%~20at%で含有し、残部にFeを含み、SEM画像観察によるFe-B相の平均面積が20μm2以下であるスパッタリングターゲット。
【請求項2】
Fe-B相の前記平均面積が15μm2以下である請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項3】
Fe-B相の前記平均面積が10μm2以下である請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項4】
スパッタリング装置を用いて600Wの出力で60kWhまで使用した場合の、当該使用後スパッタリング面の表面粗さRaが、2.0μm以下である請求項1~3のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項5】
密度比が99%よりも大きい請求項1~4のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項6】
純度が3N以上である請求項1~5のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項7】
さらにCoを含有し、Coの含有量が5at%~80at%である請求項1~6のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項8】
スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
Bを10at%~20at%で含むとともにFeを含む原料粉末を、加圧しながら800℃以上かつ900℃未満の温度で、1時間~3時間にわたって保持する焼結工程を含み、
焼結工程で、前記温度に到達するまでの昇温速度を5℃/分以上とし、前記温度に到達した後の降温速度を1℃/分以上とする、スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項9】
焼結工程で、前記温度を850℃以上かつ900℃未満とする、請求項8に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項10】
前記原料粉末がさらに、Coを5at%~80at%で含む請求項8又は9に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書は、スパッタリングターゲット及び、スパッタリングターゲットの製造方法に関する技術を開示するものである。
【背景技術】
【0002】
電源の供給なしで記憶を保持する不揮発性メモリのなかには、磁気トンネル接合の磁化状態により記憶を行う磁気抵抗メモリ(MRAM)がある。
【0003】
磁気抵抗メモリでは、その構成要素とするトンネル磁気抵抗素子の垂直磁化膜に、ホウ素を添加した材料が用いられることがある。かかる垂直磁化膜は、ホウ素と、鉄及びコバルトのうちの少なくとも一種とを含有するスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により形成することができる。
【0004】
このような磁気抵抗メモリ又はその他の用途に使用され、ホウ素を含有するスパッタリングターゲットとしては、たとえば、特許文献1~4に記載されたものがある。
【0005】
特許文献1及び2には、「Bの含有量が26at%以上、40at%以下であり、残余がCo又はFeから選択した一種以上の元素の焼結体からなる磁性材スパッタリングターゲットであって、ターゲットにBの高濃度相とBの低濃度相があり、該Bの高濃度相に描ける最大内接円の直径が15μm以上であるのが1個以下であることを特徴とする磁性材スパッタリングターゲット」が記載されている。また特許文献1及び2には、「Bの含有量が26at%以上、40at%以下であり、残余がCo又はFeから選択した一種以上の元素の磁性材ターゲット原料粉末を、ガスアトマイズ法で作製し、このガスアトマイズ原料粉末を焼結してターゲットとし、該ターゲットをBの高濃度相とBの低濃度相が存在する組織とし、該Bの高濃度相に描ける最大内接円の直径が15μm以上であるBの高濃度相を1個以下とすることを特徴とする磁性材スパッタリングターゲットの製造方法」が記載されている。
【0006】
特許文献3及び4には、「at.%で、Bを10~50%含有し、残部がCoとFeの少なくとも1種、不可避的不純物からなるスパッタリングターゲット材において、(CoFe)2 B(200)のX線回折強度[I〔(CoFe)2 B〕]と(CoFe)3 B(121)のX線回折強度[I〔(CoFe)3 B〕]との強度比[I〔(CoFe)3 B〕/I〔(CoFe)2 B〕]が1.50以下であるCoFeB系合金スパッタリングターゲット材」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6037415号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0237552号明細書
【特許文献3】特開2017-57477号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2018/0245211号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したようなホウ素を含有するスパッタリングターゲットで、特に、ホウ素を所定の量で含有するとともに、さらに鉄を含有するものでは、スパッタリング時にパーティクルが多く発生し、このことが製品歩留まりの低下を招くという問題があった。
【0009】
この明細書では、パーティクルを有効に低減することができるスパッタリングターゲット及び、スパッタリングターゲットの製造方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この明細書で開示するスパッタリングターゲットは、Bを10at%~20at%で含有し、残部にFeを含み、SEM画像観察によるFe-B相の平均面積が20μm2以下であるものである。
【0011】
この明細書で開示するスパッタリングターゲットの製造方法は、Bを10at%~20at%で含むとともにFeを含む原料粉末を、加圧しながら800℃以上かつ900℃未満の温度で、1時間~3時間にわたって保持する焼結工程を含むものである。
【発明の効果】
【0012】
上述したスパッタリングターゲットによれば、スパッタリング時のパーティクルを有効に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】比較例1のスパッタリングターゲットのSEM画像である。
【
図2】実施例1のスパッタリングターゲットのSEM画像である。
【
図3】
図2のSEM画像に対して画像解析を行って得られた画像である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、この明細書で開示する実施の形態について詳細に説明する。
一の実施形態のスパッタリングターゲットは、Bを10at%~20at%で含有し、残部にFeを含むものであって、SEM画像観察によるFe-B相の平均面積が20μm2以下である。このスパッタリングターゲットは、たとえば、後述するように、所定の原料粉末を、加圧しながら800℃以上かつ900℃未満の温度で、1時間~3時間にわたって保持する焼結工程後に、当該原料粉末の焼結体として得られる。
【0015】
(組成)
スパッタリングターゲットは、少なくともB(ホウ素)及びFe(鉄)を含有するものとする。
Bの含有量は、10at%~20at%とし、好ましくは14at%~20at%、より好ましくは16at%~20at%である。Bの含有量が少なすぎる場合は、当該スパッタリングターゲットで形成した膜が、所期した特性を発揮し得ないと考えられる。一方、Bの含有量が多すぎる場合は、粉末の焼結性が悪化し、焼結条件の最適化のみではどうにもならないレベルでパーティクルが発生してしまう。
【0016】
Feの含有量は、たとえば5at%~80at%、典型的には20at%~65at%である。
【0017】
スパッタリングターゲットはさらに、Coを含有することがある。この場合、Coの含有量は、5at%~80at%とすることが好ましく、さらに20at%~65at%とすることがより一層好ましい。
【0018】
B、Fe及びCoの合計含有量である純度は、3N(99.9質量%)以上であることが好適である。なお、Coを含まない場合、Coの含有量は0(ゼロ)質量%とする。純度が3N未満であると、不純物がパーティクル発生の原因となる可能性があるからである。当該純度は、3N5(99.95質量%)以上であることがより一層好ましい。この純度は、GDMS分析により求めることができる。
【0019】
なお、スパッタリングターゲットは、上述した元素の他、Si及び/又はNi等の不純物を、合計100質量ppm以下で含むことがある。この程度の量で含まれる不純物は許容され得る。
【0020】
(Fe-B相)
上述したような組成のスパッタリングターゲットには、Fe-B相が存在する。スパッタリングターゲット中のFe-B相は、スパッタリングに使用されるスパッタリング面に直交する断面についてSEM(走査電子顕微鏡)画像により観察して、その平均面積が20μm2以下である。
これにより、スパッタリング面を所定のスパッタリングに供した後の、後述の使用後スパッタリング面の表面粗さが改善される。その結果として、スパッタリングによる使用時のパーティクルの発生を有効に低減することができる。
【0021】
この観点から、スパッタリングターゲット中のFe-B相の平均面積は、15μm2以下であることが好ましく、さらに10μm2以下であることがより一層好ましい。なお、当該平均面積は、たとえば2μm2以上、典型的には5μm2以上になることがある。
【0022】
Fe-B相の上記の平均面積は、スパッタリング面に直交する断面のSEM画像の視野内におけるFe-B相の総面積及びFe-B相の個数を、画像解析により算出し、当該総面積を個数で除して求める。SEM画像では通常、二つ以上の相が存在する場合に、B等の比較的軽い元素は黒く映る一方で、比較的重い元素は白く映るといったような、二つ以上の相のコントラストが生じる(たとえば
図1及び2参照)。SEM画像で黒く映ったFe-B相のうち、隣り合うFe-B相で互いにつながっているものは、そのような一続きのFe-B相の全体を一個のFe-B相としてカウントする。また、SEM画像の外縁部分に存在するFe-B相が、その一部しか当該SEM画像の視野に入っていない場合は、その視野に入っている部分の面積だけを考慮し、その部分を一個のFe-B相とみなしてカウントする。
図3は、
図2のSEM画像に対して画像解析を行い、SEM画像で黒く映ったFe-B相を特定した結果である。このようにSEM画像を画像解析することにより、Fe-B相の総面積及び個数を算出することが可能である。Fe-B相の平均面積を算出するに当っては、上記の断面における一枚のSEM画像について解析を行なえばよい。
【0023】
(使用後スパッタリング面の表面粗さ)
上記のスパッタリングターゲットでは、それを用いて所定のスパッタリングを行った後に表れる使用後スパッタリング面の表面粗さRaが小さいことが望ましい。具体的には、スパッタリングターゲットをスパッタリング装置にセットし、600Wの出力で60kWhまで使用した場合における、当該スパッタリングターゲットの使用後スパッタリング面の表面粗さRaは、2.0μm以下であることが好適である。なお、このスパッタリング装置としては、キャノンアネルバ社製の型番C-7100GTを用いることができる。
【0024】
これにより、スパッタレートの異なるFe-B相と他の相との粒界が顕著なものではなくなり、アーキング等の発生を抑制することができ、パーティクルをより一層低減することができる。言い換えれば、使用後スパッタリング面の表面粗さRaが2.0μmを超えるスパッタリングターゲットでは、アーキング等によるパーティクル発生のおそれがある。
【0025】
使用後スパッタリング面の表面粗さRaは、より好ましくは1.5μm以下である。一方、使用後スパッタリング面の表面粗さRaは、たとえば0.4μm以上になることがある。
【0026】
(密度比)
スパッタリングターゲットの密度比は、99%よりも大きいことが好ましい。これは、密度比が99%よりも大きいことにより、パーティクル発生の原因となるターゲットの内部欠陥を減らすことができるからである。この点で密度比は、99.9%以上であることがより一層好ましい。スパッタリングターゲットの密度比は、アルキメデス法により測定する。
【0027】
スパッタリングターゲットの密度比は、計算により算出される理論密度と、アルキメデス法で測定した実測密度から、式:密度比=(アルキメデス法で測定した実測密度)÷(理論密度)×100(%)の式にて算出する。ここで、理論密度は、スパッタリングターゲットの構成成分が互いに拡散ないし反応せずに混在していると仮定したときの密度であり、式:理論密度=Σ(構成成分の分子量×構成成分のモル比)/Σ(構成成分の分子量×構成成分のモル比/構成成分の文献値密度)により算出する。但し、実際にはFeCoBの各元素が反応して存在していることから、対象とするスパッタリングターゲットの真の値は上記の理論密度よりも高くなることがある。したがって、上記の理論密度を用いて算出された当該密度比は、100%を超えることもあり得る。
【0028】
(製造方法)
以上に述べたスパッタリングターゲットは、たとえば、次のようにして製造することができる。
【0029】
はじめに、Bを10at%~30at%で含むとともにFeを含む原料粉末を準備する原料準備工程を行う。原料粉末は、先に述べたような所定のスパッタリングターゲットの組成が得られるように、各元素の含有量を調整したものとする。したがって、原料粉末はさらに、必要に応じて、Coを含有するものとする。原料粉末がCoを含有する場合、そのCoの含有量は5at%~80at%とすることができる。
【0030】
原料粉末を作製する場合、ガスアトマイズ法を用いることが、原料粉末の酸素含有量の低減の観点から好ましい。ガスアトマイズ法では、たとえば、不活性ガス雰囲気の下、B、Fe、Co等を溶解させた溶湯に、高圧のガスを吹き付けて粉末状にする。
また、たとえばガスアトマイズ粉末を篩別する等して、原料粉末の平均粒径D50を、50μm~300μmにすることが好適である。これにより、後の焼結工程での原料粉末の焼結が容易になるとともに、高い密度のスパッタリングターゲットを得ることが可能になる。
【0031】
次いで、上記の原料粉末を、所定の温度下で、所定の時間にわたって加圧して保持する焼結工程を行うことができる。これにより、所定の焼結体が得られる。
なおこの焼結には、真空ホットプレス法その他のホットプレス法、プラズマ放電焼結法または、熱間静水圧焼結法等を用いることができる。
【0032】
ここでは、加圧時の温度を800℃以上かつ900℃未満とし、当該温度を1時間~3時間にわたって保持することが重要である。このように加圧時の温度を比較的低くし、かつ保持時間をある程度短くすることにより、粒成長が抑制されて、スパッタリングターゲットの先述の平均面積を小さくすることができる。またこれにより、組織が細かくなるので、先述した使用後スパッタリング面の表面粗さRaも小さくなる。
【0033】
より詳細には、この温度を800℃未満とすれば、密度が十分に上がらない。この一方で、当該温度を900℃以上にすると、平均面積及び表面粗さRaの増大を招き、その結果として、スパッタリング時にパーティクルが増大する。
保持時間を1時間未満とした場合は、密度が十分に上がらない。また保持時間を3時間より長くした場合は、時間に伴う粒成長により、平均面積及び表面粗さRaが増大する。
【0034】
このような観点より、加圧時の温度は、800℃以上かつ900℃未満とし、さらに850℃以上かつ900℃未満とすることが好ましい。また、保持時間は、1時間~3時間、より好ましくは1時間~2時間とする。
【0035】
また、上記の温度に到達するまでの昇温速度は5℃/分以上とすることが好ましく、さらに5℃/分~10℃/分とすることがより一層好ましい。また、上記の温度に到達した後の降温では、降温速度を1℃/分以上とすることが好ましい。昇温速度及び降温速度を速くすることにより、加熱時間がより短くなって、粒成長の更なる抑制ならびに、それによる平均面積及び表面粗さRaの大幅な低下を達成できるからである。所定の降温速度を実現するため、空冷等の強制冷却を採用してもよい。
【0036】
焼結工程では、加圧力及び雰囲気等は諸条件に応じて適宜決定することができるが、たとえば、加圧力は15MPa~30MPa、雰囲気は真空雰囲気等とすることができる。
【0037】
その後、一般には上記の焼結体を、旋盤もしくは平面研削等で円板等の所定の形状に機械加工するとともに、その表面を研磨する。それにより、スパッタリングターゲットを製造することができる。
【実施例0038】
次に、上述したようなスパッタリングターゲットを試作し、その性能を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
【0039】
ガスアトマイズ法により作製され、表1に示す組成でB、Co及びFeを含むように調整した原料粉末を準備した。この原料粉末を、表1に示す温度、保持温度及び昇温速度の条件にて、真空雰囲気下で加圧し、焼結体を得た。加圧力は29.42MPaとした。これにより得られた焼結体に対し、所定の機械加工、研磨を施し、スパッタリングターゲットを作製した。
【0040】
表1に示すように異なる焼結時の条件の下で作製した各スパッタリングターゲットについて、先に述べた方法により、Fe-B相の平均面積、使用後スパッタリング面の表面粗さ、密度比をそれぞれ測定した。その結果も表1に示す。また比較例1及び実施例1の各スパッタリングターゲットにおける、スパッタリング面に直交する断面のSEM画像を、
図1、2にそれぞれ示す。
【0041】
また、各スパッタリングターゲットを用いて、キャノンアネルバ社製のC-7100GTにより、パワー600W、Ar流量30sccm、狙い膜厚20nmの条件でスパッタリングを行った。その結果、表1に示すパーティクル数となった。
【0042】
【0043】
表1から解かるように、焼結時に800℃以上かつ900℃未満の温度で、1時間~3時間にわたって保持した実施例1~8では、平均面積が小さくなった。そして、これにより、実施例1~8は、スパッタリング時のパーティクル数が少ないという結果が得られた。
【0044】
比較例1は、焼結時の温度が高かったことにより、平均面積が大きくなり、パーティクル数が増加した。これに対し、比較例2は、焼結時の温度が低かったことにより、ポアが多くなって平均面積が測定できなかった。この比較例2は、パーティクル数が多かった。
比較例3は、焼結時の温度保持時間が長かったことに起因して、平均面積が大きくなって、パーティクル数が多かった。なお、比較例4、5は、B含有量が多く、ポアにより平均面積が測定不可となり、パーティクル数が増大した。
【0045】
したがって、実施例1~8では、スパッタリング時のパーティクルを有効に低減できたといえる。