(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037955
(43)【公開日】2024-03-19
(54)【発明の名称】遠隔プラズマ膜堆積におけるウエハレベル均一性制御
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240312BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240312BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240312BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
C23C16/44 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023213550
(22)【出願日】2023-12-19
(62)【分割の表示】P 2022185486の分割
【原出願日】2018-03-02
(31)【優先権主張番号】15/449,333
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ホーン
(72)【発明者】
【氏名】フアタン・チュウ
(72)【発明者】
【氏名】レイチェル・バッツァー
(72)【発明者】
【氏名】グアンビ・ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ゼ・グイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遠隔プラズマ膜堆積におけるウエハレベル均一性を制御するアセンブリを提供する。
【解決手段】ウエハ290上に膜を堆積させるために処理チャンバ内で使用される台座アセンブリは、中心軸から外縁221まで広がる台座上面を有する台座140’を含む。台座上面220は、ウエハを支持する複数のウエハサポート206を含む。台座段差230が、段差内径から台座の外縁に向けて広がる段差表面232を含む。フォーカスリング200が、段差表面上に載り、フォーカスリングの外径からメサ内径まで広がるメサ212を含む。棚240が、メサ内径においてメサ表面から下向きに下がり、メサ内径と、フォーカスリングの内径との間に広がる。棚は、処理温度においてウエハのウエハ底面の少なくとも一部分を支持する。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ上に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で使用するためのアセンブリであって、
台座であって、前記台座の中心軸から外縁まで広がる台座上面を有し、前記台座上面は、前記台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを有する、台座と、
前記台座の台座段差であって、段差内径と、前記段差内径から前記台座の前記外縁に向かって広がる段差表面とを有する台座段差と、
前記段差表面上に載るように構成されたフォーカスリングであって、前記フォーカスリングの外径からメサ内径まで広がるメサを有し、前記メサ内径においてメサ表面から下向きに下がる棚を有し、前記棚は、前記メサ内径と、前記フォーカスリングの内径との間に広がる、フォーカスリングと、
を備え、
前記棚は、処理時に前記ウエハのウエハ底面の少なくとも一部分を支持するように構成される、アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリであって、
リング底面からの棚高さは、前記台座段差の段差高さよりも小さい、アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のアセンブリであって、
リング底面からの棚高さは、前記台座段差の段差高さにおおよそ等しい、アセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載のアセンブリであって、
リング底面からの棚高さは、前記台座段差の段差高さよりも大きい、アセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のアセンブリであって、
リング底面から前記メサ表面までの前記フォーカスリングの高さと、前記リング底面からの棚高さとの間の差は、0.033インチ(0.08382センチメートル)以下である、アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記フォーカスリングの前記内径と、前記段差内径との間の差は、0.078インチ(0.19812センチメートル)未満である、アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記ウエハ支持レベルは、0.005インチ(0.0127センチメートル)から0.015インチ(0.0381センチメートル)の範囲である、アセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載のアセンブリであって、更に、
前記台座内に構成された複数の台座シャフトを通る複数のリフトピンを含むリフトピンアセンブリを備えるアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記台座の前記段差内径から前記外縁までの前記台座の外側リング、及び前記フォーカスリングは、ともに、基本的にイットリア、ALN、ALOx、ALON、SiC、及びガラスからなる群から選択された材料を含む、アセンブリ。
【請求項10】
ウエハ上に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で使用するためのアセンブリであって、
台座であって、前記台座の中心軸から外縁まで広がる台座上面を有し、前記台座上面は、前記台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを有する、台座と、
前記台座の台座段差であって、段差内径と、前記段差内径から前記台座の前記外縁に向かって広がる段差表面とを有し、前記台座上面から下方に伸びる段差高さを有する台座段差と、
前記段差表面上に載るように構成されたフォーカスリングであって、前記フォーカスリングの外径からメサ内径まで広がるメサを有し、前記メサ内径においてメサ表面から下向きに下がる棚を有し、前記棚は、前記メサ内径と、前記フォーカスリングの内径との間に広がる、フォーカスリングと、
を備え、
リング底面からの棚高さは、0.143インチ(0.36322センチメートル)から0.188インチ(0.47752センチメートル)の範囲である、アセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のアセンブリであって、
前記棚高さは、おおよそ0.155インチ(0.3937センチメートル)である、アセンブリ。
【請求項12】
請求項10に記載のアセンブリであって、
リング底面から前記メサ表面までの前記フォーカスリングの高さと、前記リング底面からの棚高さとの間の差は、0.033インチ(0.08382センチメートル)以下である、アセンブリ。
【請求項13】
請求項10に記載のアセンブリであって、
前記フォーカスリングの前記内径と、前記段差内径との間の差は、0.078インチ(0.19812センチメートル)未満である、アセンブリ。
【請求項14】
請求項10に記載のアセンブリであって、
前記ウエハ支持レベルは、0.005インチ(0.0127センチメートル)から0.015インチ(0.0381センチメートル)の範囲である、アセンブリ。
【請求項15】
請求項10に記載のアセンブリであって、更に、
前記台座内に構成された複数の台座シャフトを通る複数のリフトピンを含むリフトピンアセンブリを備えるアセンブリ。
【請求項16】
請求項10に記載のアセンブリであって、
前記台座の前記段差内径から前記外縁までの前記台座の外側リング、及び前記フォーカスリングは、ともに、基本的にイットリア、ALN、ALOx、ALON、SiC、及びガラスからなる群から選択された材料を含む、アセンブリ。
【請求項17】
ウエハ上に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で使用するためのアセンブリであって、
台座であって、前記台座の中心軸から外縁まで広がる台座上面を有し、前記台座上面は、前記台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを有する、台座と、
前記台座上面の前記外縁上に構成され、前記台座上に載っている前記ウエハの、側方への動きを阻むように構成された隆起環状へりであって、前記台座上面よりも上方に隆起したメサ表面を有し、前記隆起環状へり及び前記台座上面は、前記ウエハを受けるように構成されたポケットを形成する、隆起環状へりと、
前記隆起環状へりの内径から前記台座上面上の前記ポケットの外径まで広がる傾斜表面であって、前記台座上面に対して90度未満の角度で傾いている傾斜表面と、
を備えるアセンブリ。
【請求項18】
請求項17に記載のアセンブリであって、
前記傾斜表面は、前記台座上面に対して垂直に近い、アセンブリ。
【請求項19】
請求項17に記載のアセンブリであって、
前記ウエハ支持レベルは、0.005インチ(0.0127センチメートル)から0.015インチ(0.0381センチメートル)の範囲である、アセンブリ。
【請求項20】
請求項17に記載のアセンブリであって、
前記隆起環状へりの前記内径は、11.968インチ(30.39872センチメートル)未満である、アセンブリ。
【請求項21】
請求項17に記載のアセンブリであって、更に、
前記台座内に構成された複数の台座シャフトを通る複数のリフトピンを含むリフトピンアセンブリを備えるアセンブリ。
【請求項22】
請求項17に記載のアセンブリであって、
前記隆起環状へりを形成している前記台座の外側リングは、基本的にイットリア、ALN、ALOx、ALON、SiC、及びガラスからなる群から選択された材料を含む、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体基板処理の方法及び機器ツールに関し、特に、堆積の均一性を制御するための、一連の設計された台座構成幾何学形状に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ強化式化学気相成長(PECVD)技術及びプラズマ原子層堆積(ALD)技術では、膜均一性の向上が重要である。PECVD及びALDを実施するチャンバシステムは、不均一な膜堆積の一因となるハードウェア特徴と関係がある。例えば、ハードウェア特徴は、チャンバの非対称性及び台座の非対称性に関係付けることができる。更に、多くのプロセスが、様々な原因から方位角方向の不均一性に見舞われる。詳しくは、PECVD及びALDを実施するマルチステーション型モジュールは、大きい開放型のリアクタを特色としており、これは、方位角方向の不均一性及びエッジドロップ作用の一因となる恐れがある。また、単一ステーション型モジュールでも、組み立て公差及びコンポーネント製作公差を原因とするなどの、不均一なチャンバの物理的幾何学形状ゆえの、不均一性が存在する。顧客が更にウエハエッジにダイを近づけようとするにつれて、この方位角方向の不均一性が全体の不均一性に及ぼす数値的寄与が増す。損傷を及び/又は不均一な堆積プロフィールを最小限に抑えようとする最大限の努力にもかかわらず、旧来のPECVD方式及びプラズマALD方式には、依然として改善が必要である。
【0003】
遠隔プラズマプロセスは、ウエハ上に炭化物膜(例えばストライカ炭化物)を堆積させるために使用される。プラズマは、ウエハ表面から比較的遠くに配される。次いで、ラジカルがチャンバへ運ばれ、ガスと反応する。これらのガスは、ひとたび分布されると、固有な炭化物膜をウエハ上に堆積させる。現行の技術は、遠隔プラズマプロセスのための密容量結合プラズマシャワーヘッドとして、PECVD用途に合わせて設計された標準的な台座を使用する。
【0004】
しかしながら、標準的な台座構成は、遠隔プラズマ処理では、望ましいフロープロフィール及び/又は材料条件をウエハのエッジの近くに提供しない。現行の構成がウエハの近くでPECVDハードウェアを使用すると、エッジ堆積プロフィールが低い結果となる。更に、主にウエハエッジにおいて、時間の経過とともに均一性が低下し、そこは、フロープロフィール及び局所的条件に最も敏感な場所であり、常に安定したエッジ条件を維持する必要性が生じる。具体的には、PECVD技術は、シャワーヘッドと台座との間における直接的/その場(in-situ)容量結合プラズマ処理を含む理想的条件を前提に設計されており、これは、遠隔プラズマプロセスに適用されるときに、不均一性をもたらす。例えば、ウエハリング及び台座ポケットの設計は、シャワーヘッドと台座との間に直接的/その場容量結合プラズマ処理を伴うPECVD製品についての理想的条件に基づいていた。選ばれた特徴及び材料は、局所的なプラズマの要件を反映する。これらの現行の特徴は、堆積の強化、有害な放電の抑制、粒子形成の低減などの、ウエハエッジにおけるその場プラズマの作用を制御する意図で特別に設計された。これらの懸念は、遠隔プラズマ処理とは無関係である(例えば、ストライカ炭化物の形成は、局所的なプラズマの微調整を必要としない)が、PECVDによって生じる幾何学形状及び材料は、遠隔プラズマ処理のウエハパフォーマンス(例えば均一性)に悪影響を及ぼすだろう。簡単に言うと、(例えば、共形炭化物膜を堆積させるための)遠隔プラズマCVDプロセスのために標準的なPECVD台座構成を使用する基本リアクタを含む、これらの標準的なPECVD技術の使用は、特に、より外側のウエハエッジの近くに、2.5%から10%の範囲の顕著な不均一性をもたらす。例として、ストライカ炭化物の形成が起きなくなる。
【0005】
本開示が想起されるのは、このような状況においてである。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、共形炭化物膜(例えばストライカ炭化物)を堆積させるために遠隔プラズマCVD(RPCVD)を使用することに関する。ウエハ均一性制御ノブが開示され、該ノブは、不均一な膜堆積を低減し、時間の経過にともなう(均一性及びその他の膜特性を含む)膜パフォーマンスの低下を抑えることによって、共形炭化物膜のパフォーマンスを最適にする。これらの不均一性は、限定はされないが、主としてエッジドロップ作用に起因し、この作用下では、ウエハエッジの近くにおけるラジカルの枯渇、膜の蓄積、表面条件のズレ、及びフロープロフィールが原因で、近くの幾何学形状、材料、及び材料条件が、ウエハ上における膜のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性が最も高くなる。詳しくは、実施形態では、ウエハレベルノブは、ウエハの近くにおける対ウエハの幾何学形状、材料の組成、及び表面条件を局所的に調節することによって特徴付けられる。これらの要素の制御は、ウエハ上における膜の均一な成長を促すために、有害な膜の成長を排除することを可能にし、(例えば、特にウエハのエッジの上における)ガス及びラジカルの一貫したフローを維持する。
【0007】
一実施形態では、ウエハ上に膜を堆積させるために処理チャンバ内で使用されるアセンブリが説明される。アセンブリは、中心軸から外縁まで広がる台座上面を有する台座を含む。台座上面は、台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを含む。アセンブリは、台座の台座段差を含む。台座段差は、段差内径によって画定され、該段差内径から台座の外縁に向けて広がる段差表面を含む。アセンブリは、段差表面上に載るように構成されたフォーカスリングを含む。フォーカスリングは、フォーカスリングの外径からメサ内径まで広がるメサを含む。フォーカスリングは、メサ内径においてメサ表面から下向きに下がる棚を含む。棚は、メサ内径と、フォーカスリングの内径との間に広がり、処理温度においてウエハのウエハ底面の少なくとも一部分を支持するように構成される。
【0008】
別の一実施形態では、ウエハ上に膜を堆積させるために処理チャンバ内で使用するための別のアセンブリが開示される。アセンブリは、中心軸から外縁まで広がる台座上面を有する台座を含む。台座上面は、台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを含む。アセンブリは、台座の台座段差を含む。台座段差は、段差内径によって画定され、該段差内径から台座の外縁に向けて広がる段差表面を含む。台座段差は、段差上面から下方に伸びる段差高さによって画定される。アセンブリは、段差表面上に載るように構成されたフォーカスリングを含む。フォーカスリングは、フォーカスリングの外径からメサ内径まで広がるメサを含む。フォーカスリングは、メサ内径においてメサ表面から下向きに下がる棚を含み、該棚は、メサ内径と、フォーカスリングの内径との間に広がる。リング底面に相対的な棚高さは、0.143インチ(0.36322センチメートル)から0.188インチ(0.47752センチメートル)の範囲である。
【0009】
尚も別の一実施形態では、ウエハ上に膜を堆積させるために処理チャンバ内で使用するためのアセンブリが開示される。アセンブリは、中心軸から広がる台座上面を有する台座を含む。台座上面は、台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを含む。アセンブリは、台座上面の外縁上に構成された隆起環状へりを含み、該へりは、台座上に載っているウエハの、側方への動きを阻むように構成される。隆起環状へりは、台座上面よりも上方に隆起したメサ表面を含む。隆起環状へり及び台座上面は、ウエハを受けるように構成されたポケットを形成する。隆起環状へり上に傾斜表面が画定され、該傾斜表面は、隆起環状へりの内径から台座上面上のポケットの外径まで広がる。詳しくは、傾斜表面は、台座上面に対して90度以下の角度で傾いており、したがって、傾斜表面は、一実施形態では90度の真っ直ぐな壁であってよい、又は(例えば90度未満の)傾斜移行部として画定されてよい。
【0010】
開示内容の原理を例として示した添付の図面との関連でなされる以下の詳細な説明から、開示内容のその他の態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
開示内容は、添付の図面との関連でなされる以下の説明を参照することによって、最もよく理解されるだろう。
【0012】
【
図1A】本開示の一実施形態にしたがった、プラズマ生成器システムの簡易断面図である。
【0013】
【
図1B】本開示の一実施形態にしたがった、プラズマ生成器システムの断面図であり、前駆体をチャンバ内へ注入するように構成された複数のノズルを有するシャワーヘッドを示している。
【0014】
【
図2A】本開示の一実施形態にしたがった、台座を含む台座アセンブリの断面図であり、ここでは、台座及びフォーカスリングの縁が、膜堆積の均一性及び経時的なパフォーマンスの安定性の向上を促す幾何学形状を有している。
【0015】
【
図2B】本開示の一実施形態にしたがった、
図2Aの台座アセンブリの台座及びフォーカスリングの縁の拡大図である。
【0016】
【
図2C】本開示の一実施形態にしたがった、
図2Aの台座アセンブリの台座及びフォーカスリングの縁の拡大図であり、フォーカスリング内に構成された延長部を含む。
【0017】
【
図2D】本開示の一実施形態にしたがった、
図2Aの台座アセンブリの台座及びフォーカスリングの縁の拡大図であり、膜堆積の均一性及び経時的なパフォーマンスの安定性の向上を促す幾何学形状についての寸法案を示しており、また、フォーカスリングの棚と、台座の上面との相対的な配置も示している。
【0018】
【
図2D-1】本開示の一実施形態にしたがった、
図2Dに示された台座の、ある温度における基本寸法を示した図である。
【0019】
【
図2E】本開示の一実施形態にしたがった、
図2Aの台座アセンブリの台座及びフォーカスリングの縁の拡大図であり、膜堆積の均一性及び経時的なパフォーマンスの安定性の向上を促す幾何学形状についての寸法案を示しており、フォーカスリングの棚は、台座の上面とおおよそ同じレベルである。
【0020】
【
図2F】本開示の一実施形態にしたがった、
図2Aの台座アセンブリの台座及びフォーカスリングの縁の拡大図であり、膜堆積の均一性及び経時的なパフォーマンスの安定性の向上を促す幾何学形状についての寸法案を示しており、フォーカスリングの棚は、台座の上面よりも上方のレベルである。
【0021】
【
図3A】本開示の一実施形態にしたがった、リフトパッド・台座構成を含む基板処理システムの斜視図であり、ここでは、リフトパッドは、ウエハよりも小さい。
【0022】
【
図3B】本開示の一実施形態にしたがった、リフトパッド・台座構成を含む
図3Aの基板処理システムの断面図であり、ここでは、リフトパッドはウエハよりも小さい。
【0023】
【
図3C】本開示の一実施形態にしたがった、リフトパッド・台座構成上のMCAのパターンの図である。
【0024】
【
図4A】本開示の一実施形態にしたがった、
図3A~3Bのリフトパッド・台座構成の台座の外側領域の図であり、台座の隆起環状へりの傾斜表面を含む。
【0025】
【
図4B】本開示の一実施形態にしたがった、
図3A~3Bのリフトパッド・台座構成の台座の縁の拡大図であり、台座の隆起環状へりの傾斜表面についての角度範囲を示している。
【0026】
【
図4C】本開示の一実施形態にしたがった、台座の隆起環状へりの傾斜表面と、ウエハとの間の境界の図である。
【
図4D】本開示の一実施形態にしたがった、台座の隆起環状へりの傾斜表面と、ウエハとの間の境界の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の詳細な説明は、例示を目的として多くの具体的詳細を含むが、当業者ならば、誰であれ、以下の詳細に対する多くの変形及び置換が本開示の範囲内であることがわかる。したがって、後述される本開示の態様は、本説明に続く特許請求の範囲の普遍性を損なうことなく及び本説明に続く特許請求の範囲に制限を加えることなく示される。
【0028】
総じて、本開示の各種の実施形態は、均一性を更に制御して1%未満に向上させるために、及び経時的に安定した堆積パターンを提供するために、ウエハエッジの近くに一連の専用に設計された幾何学形状、表面条件、及び材料組成を含む新しいウエハ均一性制御ノブを実現する、遠隔プラズマ処理に使用するための台座アセンブリを説明する。(幾何学形状、ガスフロー、及び温度を使用してウエハエッジの近くにおける台座の表面を制御することを含めるように)設計案を実現する重大な利点として、新規の膜の大幅なパフォーマンス向上、及び遠隔プラズマ膜堆積におけるパフォーマンス安定性の強化が挙げられる。これらの向上は、定期メインテナンスの実施前に、より長く台座アセンブリを使用することを可能にする。更に、これらの向上は、定期メインテナンスの周期ごとに台座アセンブリ全体を交換する必要を無くす。
【0029】
各種の実施形態に関する上記の一般的な理解を踏まえ、次に、各種の図面を参照にして実施形態の詳細な例が説明される。
【0030】
図1Aは、本発明の代表的な一実施形態にしたがった、プラズマ生成器システム100の簡略断面図である。
図1Aは、特定のコンポーネントを含むプラズマ生成器システム100の一実施形態を示しているが、追加のコンポーネント、又は
図1Aに示されたものとは異なる形状のコンポーネントが代わりに用いられてもよいことがわかる。
【0031】
プラズマ生成器システム100は、プラズマを生成するように構成され、該プラズマは、基板290(本書全体を通して「ウエハ」と呼ばれることもある)に材料を堆積させる又は基板290から材料を除去するために使用されてよい。例えば、プラズマ生成器システム100は、遠隔プラズマ処理、プラズマ強化式化学気相成長、プラズマエッチング、プラズマ剥離すなわちプラズマアッシング、スパッタリング、プラズマ噴霧などの、様々なプラズマ処理技術に使用されるシステム又はコンポーネントとの関連のもとで使用されてよい。したがって、基板290は、上記のプロセスのうちの1つ以上を受ける基板であってよい。例えば、基板290は、一実施形態では、比較的純粋なシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、若しくは半導体産業で一般的に使用されるその他の半導体材料で作成されてよい、又はゲルマニウムや炭素などの1つ以上の追加元素と混合されるシリコン基板であってよい。別の一実施形態では、基板290は、従来の半導体製作プロセス中に上に層を堆積された半導体基板であってよい。尚も別の一実施形態では、基板290は、プラズマ処理を受けえるガラス、セラミック、又は金属のシートなどのコンポーネントであってよい。
【0032】
プラズマ生成器システム100は、独立した遠隔装置であってよい、又は処理システムに組み込まれるその場モジュールであってよい。
図1Aに示されたプラズマ生成器システム100は、遠隔装置の一例である。本発明の代表的な一実施形態にしたがうと、プラズマ生成器システム100は、容器104と、コイル108と、エネルギ源110と、ガスフロー分布貯蔵器106と、シャワーヘッド112とを含む。その場モジュールは、
図1Aに示された実施形態と同じには構成されないかもじれないが、同様のコンポーネントを含んでいてよい。
【0033】
容器104は、電場によってイオン化されてプラズマに変換できる処理ガスを受けるように構成され、プラズマは、基板290上に材料を堆積させるための又は基板290から材料を除去するための電子、イオン、及び反応性ラジカルなどの種を含む。代表的な一実施形態では、容器104は、電場を強化できる材料で作成される。例えば、容器104は、石英、アルミニウム/サファイヤ、及びセラミックが挙げられるがこれらに限定はされない誘電体材料で作成されてよい。プラズマを中に収容するために、容器104は、プラズマチャンバ118を画定する側壁116を有する。側壁116は、プラズマを容器104内に収容するのに適した且つコイル108によって生じる電場と干渉しない任意の厚さを有する。
【0034】
側壁116、及びしたがってプラズマチャンバ118は、プラズマが基板290に向けられることを可能にする形状にされる。代表的な一実施形態では、側壁116は、
図1Aに示されるように、その軸長に沿って変化する形状を有する。例えば、側壁116は、プラズマ含有部分124の入口端122から伸びるネック部分120と、プラズマ含有部分124の出口端128から伸びるチューブ部分126とを含んでいてよい。
【0035】
いずれの場合も、プラズマ含有部分124は、プラズマチャンバ118への入口148を含む。好ましい一実施形態にしたがうと、プラズマ含有部分124は、円錐状であってよく、入口端直径(破線117で示される)よりも大きい出口端直径(破線115で示される)を有してよい。代表的な一実施形態では、出口端直径115は、また、ネック部分120の直径113よりも大きい。
【0036】
本発明の、別の代表的な一実施形態にしたがうと、チューブ部分126は、プラズマ含有部分124の出口端直径115に実質的に等しい(例えば±0.5mmである)実質的に均一な直径(破線119で示される)を有する。別の代表的な一実施形態では、チューブ部分126の直径119は、プラズマ含有部分124の出口端直径115よりも大きい。チューブ部分126は、プラズマチャンバ118からの出口138を含み、その直径(破線121で示される)は、少なくとも基板290の直径と同じ大きさであってよい。
【0037】
本発明の代表的な一実施形態にしたがうと、ネック部分120、プラズマ含有部分124、及びチューブ部分126は、互いに大幅に異なる軸長を有する。代表的な一実施形態では、ネック部分120は、後述のように、容器106内のガスフロー分布貯蔵部104を安定化させるのに十分ではあるがプラズマチャンバ118内へのガスフローを遮るほどには長くない軸長を有する。このような場合、ネック部分120の軸長は、プラズマ含有部分124の軸長より小さく、且つチューブ部分126の軸長よりも小さい。
【0038】
プラズマチャンバ118全域に電場を提供するために、コイル108は、容器104の少なくとも一部分を取り巻く。代表的な一実施形態では、コイル108は、銅などの導電性材料で作成された単一部材である。別の代表的な一実施形態にしたがうと、コイル108は、第1の端136と、第2の端137とを有し、これらの端の間には、容器104の周囲に少なくとも2つの巻き141、142が形成される。第1の端136は、エネルギ源110に電気的に結合される。第1の巻き141は、第1の端136から伸びて、容器104の周囲で完全に一回りする。第2の巻き142は、第1の巻き141と一体にされ、容器104の周りを一回りし、第2の端137で終わる。第2の端137は、コンデンサ158及び電気的接地159に電子的に結合される。
【0039】
第2の巻き142に相対的な、第1の巻き141の具体的な配置は、最大プラズマ密度が存在する容器104内のドーナツ状ゾーン、すなわち「プラズマゾーン」176の所望の位置に依存してよい。具体的には、第1の巻き141が、コイル108のその他のどの部分よりも多くのエネルギをエネルギ源110から処理ガス内へ分散させるので、プラズマゾーン176は、プラズマチャンバ118のうちで第1の巻き141に最も近い部分に形成するのが一般的である。その結果、第1の巻き141によって受け取られる電流は、コイル108のその他のどの部分よりも高い電圧を生じる。したがって、もし、プラズマゾーン176の所望の位置が、基板290から特定の軸方向距離に位置するならば、第1の巻き141は、それに応じた、容器104の軸長に沿った位置に設けられる。代表的な一実施形態にしたがうと、少なくとも2つの巻き141、142が含まれる。詳しくは、第1の巻き141は、少なくとも2つの閉ループが形成されそれによってプラズマチャンバ118内に更に安定したプラズマを生成することを保証し、第2の巻き142を含めることによって、プラズマチャンバ118内におけるプラズマの均一性が高まる。その他の実施形態では、更なる巻きが含められてよいが、追加の巻きを含めることによって、プラズマゾーン176内におけるプラズマの生成又は品質が悪影響を受けることも大幅に向上することもないので、これは、必ずしも必要ではない。
【0040】
プラズマゾーン176を形成するために、エネルギ源110は、コイル108の第1の端136に直接、電気的に結合されて、回路を形成する。エネルギ源110は、無線周波数(RF)電圧源、又はコイル108に通電して電場を形成できるその他のエネルギ源であってよい。代表的な一実施形態では、エネルギ源110は、所望の周波数で動作してコイル108に信号を供給できるように選択されたRF生成器152を含む。例えば、RF生成器152は、約0.2MHzから約20.0MHzの周波数範囲内で動作するように選択されてよい。代表的な一実施形態では、RF生成器152は、13.56MHzで動作してよい。代表的な一実施形態では、エネルギ源110は、RF生成器152とコイル108との間に配された整合回路網154を含んでいてよい。整合回路網154は、RF生成器152のインピーダンスをコイル108のインピーダンスに一致させるように構成されたインピーダンス整合回路網であってよい。これとの関連で、整合回路網154は、位相角検出器と制御モータなどコンポーネントの組み合わせで作成されてよく、しかしながら、その他の実施形態では、その他のコンポーネントも含められてよいことがわかる。
【0041】
回路200の、別の代表的な一実施形態では、コンデンサ158は、コイル108を流れる電圧フローを制限するために含められる。これとの関連で、コンデンサ158は、コイル108を流れるピーク・ツー・ピーク電圧フローを閾値電圧に制限するキャパシタンスを有するように選択される。本発明の代表的な一実施形態にしたがうと、閾値電圧は、コイル108及びRF生成器152のインピーダンス値に依存してよい。本発明の別の代表的な一実施形態にしたがうと、コンデンサ158は、RF生成器152のインピーダンスをコイル108のインピーダンスに一致させる整合回路網154のインピーダンス整合機能を強化する能力のために選択される。いずれの場合も、コンデンサ158は、コイル108と電気的接地159との間でコイル108の第2の端137に電気的に結合される。
【0042】
システムの操作性を最大にするために、コイル108は、プラズマゾーン176によって占められるプラズマチャンバ118内の体積を最小限に抑えるとともにプラズマゾーン176内におけるプラズマの密度を最大にする、容器104の周囲における最適な位置に配される。また、各巻き141、142は、プラズマゾーン176がプラズマチャンバ118内で容器104の内表面163に隣接して形成されるように、容器104の表面から実質的に均一な適切な距離で離して配される。このようにすれば、容器内表面163は、処理時に反応性ラジカルをチャンバ出口138に向けて誘導するだろう。例えば、代表的な一実施形態では、コイル108は、容器から10mmから30mmの範囲にあってよい。
【0043】
処理ガスは、プラズマゾーン176へ実質的に均一にガスを分布させるために、プラズマチャンバ118内への注入前に分散されてよい。これとの関連で、代表的な一実施形態では、ガスフロー分布貯蔵部106は、プラズマチャンバ入口148内に配され、容器104内におけるプラズマゾーン176の位置に応じて数々の形状のうちの任意の形状を有する。代表的な一実施形態にしたがうと、ガスフロー分布貯蔵部106は、カップ部材150を含み、処理ガスに曝されたときに腐食に耐えられる非導電性の材料で作成される。適切な材料として、例えば、石英などの誘電体材料が挙げられる。
【0044】
カップ部材150は、円筒状部分156と、丸み部分160とを含んでいてよい。円筒状部分156は、開放端161を有する受け空洞164の一部分を画定してよい。ガス注入開口182が、丸み部分160内に含められ、受け空洞164とプラズマチャンバ118との間で流れを通じさせるように適応される。処理ガスがプラズマチャンバ118内へ注入される方式を制御するために、ガス注入開口182は、処理ガスが所定のガス注入経路に沿って流れるように形成及び配置されてよい。ガス注入経路は、総じて、ガスが受け空洞164内の第1の位置から開口182を経て、プラズマゾーン176に実質的に(例えば、±0.5mmで)隣接する又はプラズマゾーン176の上の第2の位置へ、軸方向に流れることを可能にする。
【0045】
ガスが注入される方式を制御するために、開口182の数、開口182のサイズ、及び貯蔵部106の外表面169に相対的な開口182が形成される方向が、更に選択されてよい。例えば、処理ガスをプラズマチャンバ118内で実質的に均等に分布させるために、30から40の開口182が含められてよい。一具体例では、24の開口182が含められてよい。その他の実施形態では、更に多くの又は少ない開口182が含められてよい。代表的な一実施形態では、開口182は、長手方向軸171を中心に対称的に設けられ、丸み部分160の円周沿いに実質的に等間隔で置かれてリングを形成する。別の代表的な一実施形態では、開口182は、丸み部分160の円周沿いに均等に置かれない。例えば、2つ以上の開口が1組にされて互いの近くに形成され、各組が長手方向軸171に沿って等間隔で置かれてよい。いずれの場合も、開口182は、処理バスがプラズマチャンバ118内へ実質的に均等に注入されえるように間隔を開けられる。
【0046】
エネルギ源110がコイル108を通電するときは、処理ガスをイオン化するためにプラズマチャンバ118の被選択部分に電場が形成され、処理ガスは、電場を通って流れてイオン化ガスを形成しえる。本書で言う「イオン化ガス」として、イオン、電子、中性種、励起種、反応性ラジカル、解離ラジカル、及び処理ガスが電場を通って流れるときに生じえる任意のその他の種が挙げられ、ただし、これらに限定はされない。被加工物290全域にわたるイオン化ガスの分散を制御するために、シャワーヘッド112は、プラズマチャンバ出口138に配置されてよい。代表的な一実施形態では、シャワーヘッド112は、板184を含む。板184は、アルミニウム又はセラミックなど、プラズマに対して比較的不活性である任意の適切な材料で作成されてよい。総じて、板184は、基板290の全域にわたるガスの分散を可能にするサイズにされ、したがって、それに相応して適切な直径を有する。
【0047】
板184は、ガスが通ることを可能にするために、比較的多孔質である。詳しくは、板184は、イオン化ガスを被加工物290の上に実質的に均一に分散させるように適切なサイズ及び間隔にされたスルーホール186を含む。また、スルーホール186は、代表的な一実施形態では、シャワーヘッド112上に実質的に均一なパターンで設けられるが、別の代表的な一実施形態では、スルーホール186は、非均一なパターンで設けられる。
【0048】
本発明の代表的な一実施形態では、シャワーヘッド112は、
図1Aに示されるように、容器104に直接的に結合される。例えば、シャワーヘッド112は、板184から軸方向に伸びてボルト、締め具、接着剤、又はその他の留め付けメカニズムを通じて容器104に結合される側壁188を含んでいてよい。別の一実施形態では、シャワーヘッド112は、容器104と一体であってよい。側壁188は、プラズマゾーン176と基板290との間に更なる距離を提供するために使用されてよく、したがって、それに相応して構成されてよい。
【0049】
図1Bは、本開示の一実施形態にしたがった、遠隔プラズマ堆積プロセス用に構成されたプラズマ生成器システム100Bの簡略断面図である。プラズマ生成器システム100Bは、
図1Aのプラズマ生成器システム100と構成が同様であり、類似のコンポーネントが、類似の参照符号で表されている。例えば、プラズマ生成器システム100Bは、容器104と、コイル108と、エネルギ源110と、ガスフロー分布貯蔵部106と、シャワーヘッド112’とを含む。プラズマ生成器システム100Bは、シャワーヘッド112’を大写しで示している。詳しくは、プラズマ生成器システム100Bのシャワーヘッド112’は、台座140がプラズマチャンバ118内の位置に移動されるときに該チャンバ内で遠隔プラズマ堆積が実施できるように、プラズマチャンバ118内に構成されてよい。プラズマ生成器システム100A及び110Bは、ともに、PECVDプロセス、ALDプロセス、又は遠隔ALDプロセスに使用されてよい。
【0050】
例えば、プラズマ生成器システム100Bは、1枚以上の膜を堆積させてALDプロセスを実施してよく、該プロセスは、原子層化学気相成長(ALCVD)としても知られる。ALDは、非常に共形性が高く、滑らかで、且つ優れた物理的性質を示す非常に薄い膜を形成する。ALDは、加熱された基板の上に順次導入される(パルス式に供給される)揮発性ガス、固体、又は蒸気を使用する。1回のALDサイクルでは、薄い共形膜の形成をもたらす自己制限化学表面反応が交互に起きることで膜が形成され、ここでは、A-P-B-P順序として定義できる4つの動作が実施される。段階Aでは、第1の前駆体がガスとして導入され、該ガスは、基板内へ吸収される(すなわち、吸着される)。段階Aのすぐ後の段階Pでは、リアクタチャンバは、ガス状の前駆体を取り除かれる。段階Bでは、第2の前駆体がガスとして導入され、該ガスは、吸着された前駆体と反応して所望の材料の単分子層を形成する。段階Bのすぐ後の段階Pでは、リアクタチャンバは、再び、ガス状の第2の前駆体を取り除かれる。このA-P-B-P順序を管理することによって、ALDによって生成される膜は、2種類以上の反応性ガスを基板の上へ順次切り替えて流すことを繰り返すことによって一度に単分子層ずつ堆積される。こうして、膜の厚さは、実施されるA-P-B-P順序のサイクル数に応じて管理されてよい。
【0051】
更に、プラズマ生成器システム100Bは、遠隔プラズマ強化式ALD堆積プロセスを実施してよく、ここでは、上述されたA-P-B-P順序において、第2の前駆体は、プラズマ生成を通じて形成されたラジカルを含む。詳しくは、プラズマは、基板290と直接的には接触しない。要するに、基板290は、プラズマ源(例えば、巻き141~142の近くのプラズマ含有部分124)から遠く離して置かれる。チャンバ118に流れ込むプラズマは、ラジカル及びエネルギイオンを生じさせ、これらは、第2の非金属前駆体として機能する。ラジカルは、非常に速く前駆体と反応するので、プラズマ強化式、すなわちプラズマ支援式のALDは、大幅に低い温度における、且つ通常は、より優れた膜特性の、堆積を可能にする。また、プラズマは、基板290から遠く離れているので、基板290に対するエネルギイオン及び電子の衝突が最小限に抑えられ又は排除され、そうして、(例えば前駆体の分解を通じて形成された)副生成物又は吸着前駆体による解離を通じた基板表面の損傷及び汚染が阻止される。
【0052】
シャワーヘッド112’は、第1の前駆体をチャンバ118内へ注入するように構成された複数のノズル191を含む。チャンバ118の境界内に置かれた台座140上に載っているウエハ290上へ、第1の前駆体の層が吸着する。第1の前駆体がチャンバ118からパージされた後、プラズマから形成されたラジカルは、スルーホール195を経て落ちて、ウエハ290上へ移行する。
【0053】
図2Aは、本開示の一実施形態にしたがった、台座140を含む台座アセンブリ280の断面図であり、ここでは、特に遠隔プラズマ処理を実施しているときの、膜堆積の均一性及び複数のプロセスサイクルにわたる堆積パフォーマンスの安定性の向上を促す幾何学形状を、台座及びフォーカスリング200の縁が有している。詳しくは、図に示された台座アセンブリ280は、ウエハエッジを含むウエハ290の上への均一な膜堆積を促すための、一連の専用に設計された幾何学形状を有するものとして示されている。本発明の実施形態は、処理時におけるウエハのエッジの近くにおける台座アセンブリ280の表面条件を、その影響を受けるエリアにおけるフロー/材料による汚染物質の形成を最小限に抑えるために、特定の幾何学形状によって制御する。例えば、台座アセンブリ280の新規の構成は、フォーカスリング200の近くの縁におけるフロー/材料の動きを抑制することによって、フロー/材料とウエハの底部との相互作用を最小限に抑える。こうして、ウエハ290のエッジの近くにおける台座アセンブリ280の表面条件は、フロー/材料の相互作用について最適化され、この最適化は、複数の堆積プロセスサイクルにわたって安定した台座アセンブリ280表面条件を促す。このように、堆積の劣化の低減ゆえに、より長い期間にわたってプラズマチャンバのパフォーマンス特性が維持されるので、プラズマチャンバに対する所要のメインテナンスとメインテナンスとの間の期間が、長くされえる。
【0054】
具体的には、
図2Aは、台座アセンブリ280の外側領域270を拡大される、台座140の断面図を示している。図に示されるように、ウエハ290が、台座140上に載り、台座140の
図2Bで言う外縁221の近くまで広がっている。フォーカスリング200は、外側領域270内に着座し、より具体的には、台座140の外側領域145の近くで台座段差230上に着座する。
図2Cとの関連で更に説明されるように、フォーカスリング200内の延長部203が、処理時におけるフォーカスリング200の動きを阻止する。
【0055】
図2Bは、本開示の一実施形態にしたがった、
図2Aの台座アセンブリ280の台座140’及びフォーカスリング200の外側領域270の、更なる詳細を示している。詳しくは、
図2Bは、遠隔プラズマ処理の実施時における均一な膜堆積を促す台座140’及びフォーカスリング200の幾何学形状を示しており、ここでは、台座140’は、遠隔プラズマ処理の実施時にフォーカスリング200と協調して嵌り合うように構成される。また、最適化された幾何学形状は、遠隔プラズマ処理の実施時に複数のプロセスサイクルにわたって安定した堆積パフォーマンスを提供する。
【0056】
台座アセンブリ280は、台座上面220を有する台座140’を含む。図に示されるように、台座上面220及び台座140’は、台座140’の中心軸311から台座の外縁221まで広がる。
図2A~2Fには示されていないが、ウエハがプラズマチャンバ118内へ導入されるときに及びプラズマチャンバ118から取り除かれるときに、(例えば、固定のリフトピンに相対的に台座140’が上昇するのに伴って)台座140’から突き出してウエハを支持できるように、リフトピンアセンブリが、台座アセンブリ280内に構成されてよい。具体的には、リフトピンアセンブリは、台座140’内に構成された複数の台座シャフト内を通って伸びる複数のリフトピンを含む。
【0057】
また、台座上面220は、台座上面よりも上方のウエハ支持レベル208でウエハ290を支持するように構成された複数のウエハサポート206を含む。ウエハサポート206は、それぞれ、上面220で開いた穴205内に着座する。各ウエハサポート206は、穴205の底部に着座する柔軟性のスペーサ207上に更に載ってよい。柔軟性スペーサ207は、ウエハ290がウエハサポート206上に置かれたときに、(例えばサファイヤで形成された)ウエハサポート206が割れるのを防ぐように、及び/又は高さ調節用に、構成される。一実施形態では、台座140’内におけるウエハサポート206の構成は、遠隔プラズマ処理用に実装されたときに、膜堆積の均一性の向上及び堆積パフォーマンス安定性の向上など台座アセンブリ280のパフォーマンスを最適にするために重要である。穴205内におけるウエハサポート206の配置は、ウエハ支持レベル208の距離(おおよそ5ミルから15ミルの範囲である寸法「D1」)を最短にするように構成される。
【0058】
台座140’は、段差上がり231と段差表面232とによって画定される台座段差230を含む。段差上がり231は、台座140’の段差内径233に位置し、該段差内径233において段差表面232から立ち上がる。また、段差表面232は、段差内径233から台座の外縁221に向かって広がる。
図2Bに示された台座140’の断面では、係合位置213が、該係合位置213で段差表面232が停止するように外縁221に構成される。台座140’の、その他の断面では、段差表面232は、
図2Aに示された台座アセンブリ280の右側のように、台座140’の外縁221までずっと広がっている。
【0059】
台座アセンブリ280は、段差表面232上に載るように構成されたフォーカスリング200を含む。図に示されるように、フォーカスリング200の底面202は、段差表面232上に載る。詳しくは、フォーカスリング200は、内径241と、外径247とを含み、したがって、フォーカスリング200は、内径241と外径247との間の厚さを有する環状リングを形成しえる。また、フォーカスリング200は、外径247からメサ内径211まで広がるメサ212を含む。メサ212は、メサ表面210を含む。
【0060】
フォーカスリング200は、メサ内径211においてメサ表面210から一段下がるように構成された棚240を含む。棚は、メサ内径211と、フォーカスリングの内径241との間に広がる。後ほど更に詳しく説明されるように、棚240は、処理温度においてウエハ290のウエハ底面291の少なくとも一部分を支持するように構成される。要するに、棚240は、処理時にウエハ290のウエハ底面291の少なくとも一部分を支持するように構成される。ウエハ290は、薄いポテトチップス状の形状をとるように、ウエハ290の外縁が波形を有する形状を形成することがある。しかるがゆえに、エッジ292の、1つ以上の接触地点及び/又は領域が、棚240に接触する。
【0061】
ウエハ290のエッジ292と、ウエハ290の底面291との間の間隔が狭まるので、フロー/材料(例えば前駆体及び/又はラジカル)による、ウエハ290と、リング棚240と、台座段差230とが出会う合流地点の近くの領域の形成及び/又は占有が阻止される。要するに、フォーカスリングは、処理時にウエハ290の底面291に実質的に触れる。このようにして、間隔が狭められ、その結果、説明されたこの間隔内に存在するいつまでも残る前駆体及び/又はラジカルが棚240の近くでフォーカスリング200上に及び/又は段差230の近くで台座140’上に堆積される事態が阻止され、それゆえに、前駆体及び/又はラジカル汚染物質の堆積が制限される。しかるがゆえに、ウエハのエッジ292の近くにおけるウエハ堆積の不均一性を招くウエハ上面291の汚染も低減される。旧来の台座アセンブリでは、フォーカスリング200は、処理時にウエハ290に触れず、しかるがゆえに、ウエハ290と、リング棚240と、台座段差230とが出会う合流地点の近くでフォーカスリング200上に及び台座の外側領域145上に前駆体及びラジカルの堆積が発生し、これは、フォーカスリング及び台座140’の汚染を招き、その結果、複数の堆積サイクルにわたるパフォーマンス安定性の低下及び膜堆積の不均一性がもたらされる。
【0062】
図2Cは、本開示の一実施形態にしたがった、
図2Aの台座アセンブリ280の台座140’の外側領域270の拡大図であり、処理時にフォーカスリング200の動きを防ぐように構成された1つ以上の延長部203を含む。詳しくは、フォーカスリング200は、フォーカスリング200を台座140に固定するように構成された複数の延長部203を含む。延長部203は、処理時にフォーカスリング200がずれるのを防ぐように構成される。延長部203は、
図2Bに示されるように係合位置213に着座するように構成される。
【0063】
また、フォーカスリング支持構成245も示されている。要するに、台座140’は、台座140’の段差230の上方でフォーカスリングを均等に支持するために適切に分布された1つ以上のフォーカスリング支持構成245を含む。フォーカスリング支持構成245は、例えば、台座上面220の上方でメサ表面210を所望の高さ204に実現するように調整されてよい。また、フォーカスリング支持構成245は、フォーカスリング200の底面202と台座140’の段差表面232との間に所望の隔たりを実現するように調整されてもよい。
【0064】
図2Dは、本開示の一実施形態にしたがった、
図2Aの台座アセンブリ280の外側領域270の拡大図であり、膜堆積の均一性及び経時的なパフォーマンスの安定性の向上を促す幾何学形状についての基本寸法を示している。また、
図2Dは、フォーカスリング200の棚240と、台座140’の上面220との相対的な配置を示している。
【0065】
一実施形態では、アルミニウム又はセラミック(酸化アルミニウム)である標準的な台座バルク材料の幾何学的形状特徴が、(例えば、台座アセンブリ280の外側領域270の近くで)ウエハエッジ292に相対的にフロープロフィール及び蓄積ゾーンを画定するように設計される。詳しくは、これらの幾何学形状は、排除できないがその性質上ラジカルの枯渇に影響を及ぼす近くの材料(例えば、前駆体、ラジカル、汚染物質など)の影響を相殺する及び最小限に抑えるように選択される。幾何学形状の変更は、ポケット内へ入り込むウエハ高さ、メサ高さ、壁の傾斜角度、ウエハエッジまでの壁の距離、並びにメサ(内及び外)径を調節することを含む。また、別の一実施形態では、ウエハエッジ292における安定したフロープロフィール、枯渇と蓄積、及び/又は表面条件の維持を更に助けるために、側方及び/又は裏側のガスパージと組み合わせてウエハエッジの密封及び(例えば台座140’又はフォーカスリング200との)接触が実現される。例えば、実施形態では、図に示された各寸法が、図に示された寸法よりも小さく提案される。
【0066】
詳しくは、
図2Dは、台座140’の基本寸法を示している。例えば、台座140’の外縁221は、おおよそ13.81インチ(35.0774センチメートル)の直径を有するものとして示され、これは、ウエハ290の直径よりも大きい。また、フォーカスリング200を支持するように構成された台座棚230は、内径233(おおよそ11.375インチ(28.8925センチメートル)である寸法「D3」)を有するものとして定められる。棚230は、内径233から外縁221まで広がる。また、台座140’の段差230の高さ222(おおよそ0.155インチ(0.3937センチメートル)である寸法「D10」)も、示されている。
【0067】
図2Dは、台座140’内に配置された代表的なMCA206も示している。一実施形態では、台座140’内にパターン形成された1つ以上のMCA206の配置は、特に処理時にウエハエッジ292がウエハ290の中心よりも下がるように、ウエハ290の反りを導入するように設計される。ウエハ290の中心は、中心軸311におおよそ位置してよい。反りは、室温でも発生することがある。例えば、ウエハ290は、ウエハの中心がウエハエッジ292の少なくとも一部分よりも高い僅かにドーム状の形状をとってよい。MCA206の配置は、反りを導入するために、ウエハの中心に更に近くてもよい。反対の配置構成では、MCAは、MCAの上面よりも高いところでウエハエッジとフォーカスリング段差とが接触してボール形状を形成する必要に応じて、適切なサイズにできる。
【0068】
また、フォーカスリング200のための基準寸法が示されている。例えば、フォーカスリング200は、内径241(おおよそ11.53インチ(29.2862センチメートル)である寸法「D4」)と、外径247(おおよそ13.91インチ(35.3314センチメートル)である寸法「D2」)とを有する。フォーカスリング200は、メサ212を含み、これは、メサ内径211(おおよそ11.87インチ(30.1498センチメートル)である寸法「D3」)によって定められる。棚240は、フォーカスリング200内の、メサ212の内径211とフォーカスリング200の内径241(おおよそ11.53インチ(29.2862センチメートル))との間に画定される。
【0069】
一実施形態では、フォーカスリング200の棚240と、台座140’の上面220との相対的な配置が、ウエハエッジ292の、台座140’及び/又はフォーカスリング200との接触を促すなど密封を促すために調節される。例えば、リング底面202からの棚底部248の距離が、棚底部が台座140’の上面220よりも下方のレベル、台座140’の上面220と同じレベル、又は台座140’の上面220よりも上方のレベルに配置できるように調節される。例えば、棚240の底面248の、フォーカスリング200の底面202からの距離242(おおよそ0.148インチ(0.37592センチメートル)から0.188インチ(0.47752センチメートル)の範囲である寸法「D5」)が、示されている。別の一実施形態では、同じ効果を実現するために、上がり246の高さが調節されてよい。
図2Dに示されるように、距離242は、台座段差230の上がり231の高さよりも小さく、したがって、棚底部248は、台座140’の上面220よりも下に着座する。例えば、上がり246の高さが示されており(0.033インチ(0.08382センチメートル)を超える寸法「D6」)、或いは、別の言い方をすると、フォーカスリング200の(リング底面202からメサ表面210までの)高さ204と、リング底面202から棚底部248までの距離との間の差である。棚240の調節は、棚底面248が上面220よりも下方に着座するときに、棚底部248と台座140’の上面220との間の距離243(0インチから0.012インチ(0.03048センチメートル)の範囲である寸法「D7」)に反映される。
【0070】
図2D-1は、一実施形態における、ある温度(例えば摂氏400度)における
図2Dに示された台座140’の基準寸法を示している。例えば、台座140’の外縁221直径(おおよそ13.873インチ(35.23742センチメートル)である寸法「D8」)が示されており、これは、ウエハ290の直径よりも大きい直径を有する。また、フォーカスリング200を支持するように構成された台座棚230は、内径233(おおよそ11.427インチ(29.02458センチメートル)である寸法「D9」)を有するものとして画定される。棚230は、内径233から外縁221まで広がる。また、台座140’の段差230の高さ222も、示されている(おおよそ0.156インチ(0.39624センチメートル)である寸法「D10」)。その他の寸法も、示されている(例えば、おおよそ13.91インチ(35.3314センチメートル)である「D2’」、0.033インチ(0.08382センチメートル)よりもおおよそ大きい「D6a」、おおよそ0.012インチ(0.03048センチメートル)である「D7’」、おおよそ0.156インチ(0.39624センチメートル)である「D10’」、おおよそ0.062インチ(0.15748センチメートル)である「D12’」、おおよそ11.89インチ(30.2006センチメートル)である「D3’」、及びおおよそ11.55インチ(29.337センチメートル)である「D4’」)。
【0071】
その他の実施形態では、棚240の底面248は、台座140’の上面220に、又は台座140’の上面220よりも上方に配置されてよい。例えば、
図2Eは、
図2Aに示された台座アセンブリ280の外側領域270を示しており、ここでは、上がりの高さ246’(おおよそ0.033インチ(0.08382センチメートル)である寸法「D6b」)は、底面248がおおよそ台座140’の上面220のレベルにあるように画定される。要するに、距離242は、台座段差230の上がり231の高さとおおよそ等しい。また、
図2Fは、
図2Aに示された台座アセンブリ280の外側領域270を示しており、ここでは、上がりの高さ246”(おおよそ0.0インチから0.033インチ(約0.08382センチメートル)の範囲である寸法「D6c」)は、底面248が台座140’の上面220よりも高く配置されるように画定される。要するに、距離242は、台座段差230の上がり231の高さよりも大きい。
【0072】
メサ表面210と、台座140’の上面220との間の隔たり244(0.033インチ(0.08382センチメートル)である寸法「D11」)が、示されている。実施形態では、台座140’及び/又はフォーカスリング200との接触を促すなどウエハエッジ292の密封を促すために、フォーカスリング200の高さ204が(例えば、D11未満に)下げられる。
【0073】
一実施形態では、台座140’及び/又はフォーカスリング200との接触を促すなどウエハエッジ292の密封を促すために、フォーカスリング200と台座上がり231との間の間隔239が調節される。詳しくは、間隔239(おおよそ0.078インチ(0.19812センチメートル)である寸法「D12」)は、フォーカスリング200の内径241と、台座段差230の内径233との間の距離として定められる。
【0074】
別の一実施形態では、台座140’及び/又はフォーカスリング200との接触を促すなどウエハエッジ292の密封を促すために、メサ内径211が調節される。図には、内径211(おおよそ11.87インチ(30.1498センチメートル)である寸法「D3」)が示されているが、該内径は、処理時における上がり246とウエハ290のエッジ292との間の間隔を狭めるために、小さくされてよい。
【0075】
尚も別の一実施形態では、台座140’及び/又はフォーカスリング200との接触を促すなどウエハエッジ292の密封を促すために、台座アセンブリ280の外側領域270における台座140’及び/又はフォーカスリング200のコンポーネントに処置が施される。該処置は、ウエハエッジ292の近くにおける枯渇及び蓄積も低減しつつ、複数の堆積サイクルにわたって安定したフロープロフィール及び表面条件を促す。一実施形態では、この外側領域270内で、O3不動態化が実施される。その他の実施形態では、この外側領域270内に、ALDコーティングが重ねられる。例えば、コーティングとして、イットリア、ALN、ALOx、ALON、SiC、及びガラスが挙げられる。
【0076】
尚も別の一実施形態では、台座140’の領域145が、代替材料を含む。例えば、領域145は、イットリア、ALN、ALOx、ALON、SiC、及びガラスなどの材料を含んでいてよい。領域145は、最適化された幾何学形状と、時間の経過にともなう均一性の低下の一因となると推測されるラジカル再結合及び膜成長を伝えにくい代替材料(ALN、ALOx、ALON、SiC、ガラス)とを伴う台座リングを形成してよい。理論上は、ウエハ上への堆積が起きるにつれて、隣接するエリアにも同様な膜成長が見られる。取り除かれるウエハとは異なり、(例えば、外側領域270内の台座140’及びフォーカスリング200などの)その他の表面上の膜は、次いで、アイドル中に、洗浄プロセス及びその他のガスを施される。これらの代替材料は、膜が成長する、変化する、及びラジカルと再結合する速度を調節する又はそれらに影響を及ぼすことによって、再結合の作用及び膜の成長を低減する。
【0077】
尚も別の一実施形態では、フォーカスリング200は、消耗材料(例えば、石英やアルミニウム)を含んでいてよい。フォーカスリング200は、ウエハエッジの近くにおける局所的な膜成長を軽減するために、定期メインテナンス周期で交換されてよい。フォーカスリング200の材料が交換可能であると、PM周期で新鮮な材料が導入されることによって、膜堆積の影響及び傾向と、洗浄処理段階による効果とが切り離し可能になる。また、切り離しは、ウエハ290(例えば石英)又は台座140’(アルミニウム)のいずれかの組成及び温度に近い材料のフォーカスリング200を有することによっても実現される。
【0078】
図3Aは、本開示の一実施形態にしたがった、遠隔プラズマ処理を実施するように構成された基板処理システムのリフトパッド・台座構成300の斜視図であり、リフトパッド390は、その上に配されるウエハ290よりも小さい。アルミニウム又はセラミック(酸化アルミニウム)である標準的な台座バルク材料の幾何学的形状特徴が、(例えば、台座140”の環状へり320の近くで)ウエハエッジ292に相対的にフロープロフィール及び蓄積ゾーンを画定するように設計される。詳しくは、これらの幾何学形状は、排除できないがその性質上ラジカルの枯渇に影響を及ぼす近くの材料(例えば、前駆体、ラジカル、汚染物質など)の影響を相殺する及び最小限に抑えるように選択される。幾何学形状の変更は、ポケット内へ入り込むウエハ高さ、環状へり320のメサ高さ、壁の傾斜角度、ウエハエッジまでの壁の距離、並びにメサ(内及び外)径を調節することを含む。また、別の一実施形態では、ウエハエッジ292における安定したフロープロフィール、枯渇と蓄積、及び/又は表面条件の維持を更に助けるために、側方及び/又は裏側のガスパージと組み合わせてウエハエッジの密封及び(例えば台座140”との)接触が実現される。
【0079】
台座・リフトパッドアクチュエータ305が、中央シャフト310’の動きを制御する。台座140”は、中央シャフト310’に結合されるので、中央シャフト310’の動きは、台座140”に伝わる。また、台座・リフトパッドアクチュエータ305は、パッドシャフト330の動きも制御する。リフトパッド390は、パッドシャフト330に結合されるので、パッドシャフト330の動きは、リフトパッド390に伝わる。
【0080】
リフトパッド・台座構成300の台座140”は、台座140”の中心軸311から広がる台座上面325を含む。上面325上には、複数のウエハサポート206(例えばMCA)が配される。例えば、
図3Cは、一実施形態における、台座140”上のMCA206のパターンの例示である。また、台座上面325の外側領域上に、隆起へり320が設けられ、該隆起へり320は、台座140”上に置かれたウエハ290の、側方への動きを阻むように構成される。
【0081】
図3Bは、本開示の一実施形態にしたがった、
図3Aのリフトパッド・台座構成300の断面図であり、リフトパッド390は、その上に配されるウエハ390よりも小さい。例示目的に過ぎないが、台座140”及びリフトパッド630は、ウエハ処理を可能にする位置及び/又はレベルで示されている。
【0082】
台座140”は、台座140”の中心軸311から広がる台座上面325を含む。台座上面325は、上にウエハが置かれたときにそのウエハを支持するように構成される。上面325は、パッドシャフト330とリフトパッド390との間の結合を促すように構成された凹所340などの、台座140”とリフトパッド390との間の境界を提供するための1つ以上の凹所を含んでいてよい。例えば、台座140”は、台座上面325に中心を合わされて中心軸311から凹所直径391まで広がる凹所340を含む。要するに、凹所340は、台座上面325の中央部分の上に位置する。また、上面325は、隆起環状へり320によって画定されたポケット350を形成してよい。台座140”は、上方からみて概ね円形の形状を有するものとして説明されてよいが、台座140”のフットプリントは、キャリアリングサポート、フォーカスリング、及びエンドエフェクタアクセスなどの異なる特徴に対応するために、円とは異なってもよい。
【0083】
図に示されるように、台座140”は、台座140”の動きを制御するように構成されたアクチュエータ305に接続される。詳しくは、中央シャフト310’が、アクチュエータ305と台座140”との間に伸びるようにアクチュエータ305及び台座140”に結合される。中央シャフト310’は、中心軸311に沿って台座140”を動かすように構成される。しかるがゆえに、アクチュエータ305の動きは、中央シャフト310’の動きに置き換わり、ひいては台座140”の動きに置き換わる。
【0084】
一実施形態では、台座上面325は、(例えば
図3Aに示された、)複数のウエハサポート206を上に画定されて含み、これらのウエハサポート206は、台座上面325よりも上方のウエハ支持レベルでウエハ290を支持するように構成される。ウエハサポートは、台座140”と、その上に配された任意のウエハ290との間に、均一で且つ小さい隙間を提供する。
【0085】
また、台座140”は、例示目的に過ぎないが、2つの部分140aと140bとを有するものとして示されている。例えば、台座140”は、複数の加熱要素及び/又は冷却要素359の製造時における形成に対応するために、2つの部分に分けて形成されてよい。前述のように、台座140”は、1つの要素として見なされることがわかる。
【0086】
リフトパッド・台座構成300において、リフトパッド390は、中心軸470’からパッド直径まで広がるパッド上面392を含む。リフトパッド390は、凹所340内に載るように構成され、凹所340は、リフトパッド390を受けるように構成される。詳しくは、リフトパッド上面392は、ウエハ290が(例えばプラズマ処理、処置、及び/又は膜堆積を実施するときの)プロセス位置にあるなど台座140”のウエハサポート206上に着座したときに、ウエハ290よりも下方である。更に、リフトパッド390は、台座140”とともに動くように構成される。
【0087】
図に示されるように、リフトパッド390は、リフトパッド390の動きを制御するように構成されるアクチュエータ305’に接続される。詳しくは、パッドシャフト330が、アクチュエータ305と台座140”との間に伸びるようにアクチュエータ305及び台座140”に結合される。パッドシャフト330は、台座140”に接続される中心軸310’内に構成される。詳しくは、パッドシャフト330は、中心軸311に沿ってリフトパッド390を動かすように構成さえる。しかるがゆえに、アクチュエータ305の動きは、パッドシャフト330の動きに置き換わり、ひいてはリフトパッド390の動きに置き換わる。一実施形態では、アクチュエータ305は、リフトパッド390及び台座140”の両方の動きを制御する。
【0088】
具体的には、パッドシャフト330は、例えば処理時に、リフトパッド回転のためにリフトパッド390を台座140”から離すように構成される。要するに、リフトパッド390は、リフトパッド390を回転させることを目的としたプロセス回転変位でリフトパッド390が台座上面325から離されるように、台座140”時、中心軸311に沿って台座上面325に相対的に上に動くように構成される。しかるがゆえに、リストパッド390の上に配されたウエハ290も、台座140”から離される。パッドシャフト330は、リフトパッド390を下げて台座140”上に載せるようにも構成される。
【0089】
詳しくは、リフトパッド390が台座140”から離されるときに、リフトパッド390は、少なくとも第1の角度方向と第2の角度方向(例えば0度から180度の間)との間で台座上面325に相対的に回転するように構成される、又は処理時に絶えず回転してよい。この回転は、処理時における台座のハードウェア特徴の作用を低減し、また、処理時におけるチャンバハードウェア特徴の作用も低減する。
【0090】
その他の実施形態では、リフトパッド390は、ウエハの配送及び処理の際にウエハを上げる又は下げるためのリフトピン機能を提供する。具体的には、リフトパッド390は、エンドエフェクタアームの進入を許容する十分な大きさの変位で台座上面325から離されるように、最も底まで下がった位置にあるときに中央の台座上面325に相対的に上へ動くように構成される。
【0091】
図3Bに示されるように、リフトパッド・台座構成300の台座140”は、(例えば、台座140”の外縁221’の近くで)台座上面720の外側領域上に設けられた隆起へり320を含み、該隆起ヘリ320は、台座140”上に置かれたウエハ290の、側方への動きを阻むように構成される。要するに、へり320は、ウエハの動きを阻むのに十分な高さの、台座上面325の上方の段差である。
【0092】
リフトパッド・台座構成300は、1本以上のリフトピン308を含むリフトピンアセンブリを含む。例示を目的として、台座140”及びリフトパッド390は、本開示の一実施形態にしたがった、ウエハ配送を目的としたリフトピン308の伸張を可能にするレベルで示されている。詳しくは、リフトピン308は、(キャリアリングを伴う又は伴わない)ウエハ290を運んでいるエンドエフェクタアーム(不図示)が、ウエハをリフトピン308へ送るための又はウエハをリフトピン308から受け取るための位置をとることができる方式で、台座140”内に設けられた対応する台座シャフト318内を通ってリフトパッド390から伸長する。対応する台座シャフト318は、対応するリフトピン308と位置合わせされており、リフトピン308との関係で台座140”が動くのに伴ってその対応するリフトピン308を受けるように構成される。ウエハ配送時にウエハ290を持ち上げて置く又は取り除くために、1本以上のリフトピンシャフト及び対応するリフトピンが、リフトピンアセンブリ内に構成されてよいことがわかる。図に示されるように、各リフトピン308は、動きを生じさせるために、対応するリフトピンサポート307に結合される。リフトピンサポート307は、リフトピンアクチュエータ306に結合される。リフトピンサポート307は、任意の形状であってよい(例えば、環状のリングワッシャ、環状の基部から伸びるアームなど)。詳しくは、リフトピンアセンブリの動作時に、リフトピン308は、リフトピンサポート307に取り付けられ、ウエハの配送時及び処理時にウエハ290を台座上面325よりも上方に持ち上げるために及び/又はウエハ290を下げて台座上面325上に載せるために、台座140”に相対的にリフトピンシャフト内で動くように配置される。
【0093】
図4A~4Dは、本開示の一実施形態にしたがった、
図3A~3Bのリフトパッド・台座構成300の台座140”の外側領域145’を示しており、台座140”の隆起環状へり320の傾斜表面326を含む。図に示されるように、リフトパッド・台座構成300は、台座140”の中心軸311から広がる台座上面325を有する台座140”を含む。図に示されるように、
図4Aは、ウエハ290の動きに対する制限を提供するとともに膜堆積の均一性及び経緯的なパフォーマンスの安定性の向上を促す、台座140”の上面325上に配されたウエハに対する隆起環状へり320の相対的配置を示している。
【0094】
一実施形態では、アルミニウム又はセラミック(酸化アルミニウム)である標準的な台座バルク材料の幾何学的形状特徴が、台座140”上に配されたときのウエハエッジ292に相対的にフロープロフィールと蓄積ゾーンとを画定及び制御するように設計される。詳しくは、これらの幾何学形状は、排除できないがその性質上ラジカルの枯渇に影響を及ぼす近くの材料(例えば、前駆体、ラジカル、汚染物質など)の影響を相殺する及び最小限に抑えるように選択される。幾何学形状の変更は、ポケット内へ入り込むウエハ高さD16、ポケット高さ351、壁の傾斜角度327、ウエハエッジまでの壁の距離326、並びにポケット(内D15及び外221)径を調節することを含む。また、別の一実施形態では、ウエハエッジ292における安定したフロープロフィール、枯渇と蓄積、及び/又は表面条件の維持を更に助けるために、側方及び/又は裏側のガスパージと組み合わせてウエハエッジの密封及び(例えば台座140”との)接触が実現される。
【0095】
台座140”は、外縁221’上に構成された隆起環状へり320を含み、該環状へり320は、ポケット外径352(おおよそ11.968インチ(30.339872センチメートル)である寸法「D15」)と、台座140”の上面325とによって画定されるポケット350を形成する。ポケット350は、ウエハ290を受けるように構成され、高さ351(おおよそ0.35インチ(0.889センチメートル)である寸法「D13」)を有する。隆起環状へり320は、台座140”上に載っているウエハ290の、側方への動きを阻むように構成される。また、環状へり320は、台座上面325よりも上方に隆起したメサ表面322を含む。一実施形態では、高さ351は、台座140”へのウエハエッジ292の密封を促すように調節される。例えば、高さ351は、ウエハ290のレベルがメサ表面322とおおよそ等しくなるように下げられてよい。
【0096】
環状へり320は、傾斜表面326を含み、ここでは、ウエハエッジの密封及び(例えば台座140”との)接触の形成を促すように、傾斜角度が最適化される。詳しくは、
図4Bは、
図4Aのリフトパッド・台座構成300の、台座140”の外側領域145’を例示しており、より詳しくは、ポケット350の外径352におおよそ位置する傾斜表面326を示している。傾斜表面326は、角度327(0度から90度の範囲である寸法D14)によって示されるように、台座140”の上面325に対して傾いている。
【0097】
図4Cに示されるように、環状へり320の傾斜表面326は、隆起環状へり320の内径358から台座上面325上のポケット350の外径352まで広がり、ここでは、傾斜表面は、台座上面325に対して角度327(おおよそ90度以下の寸法D14)で傾いている。外径352(おおよそ11.968インチ(30.39872センチメートル)である寸法「D15」)が、示されている。一実施形態では、外径352は、一実施形態では室温でおおよそ11.841インチ(30.07614センチメートル)である最小寸法D15を有してよい。実施形態では、外径352の寸法は、ウエハエッジ292の密封を促すように調節される。要するに、外径352は、処理時における台座140”に対するウエハエッジ292の密封を促すために、傾斜表面326をウエハ290のエッジ292に近づけるように調節される。更に、内径358も、同様に調節されてよい(おおよそ11.968インチ(30.39872センチメートル)未満である寸法「D17」)。このようにして、排除できない近くの材料(例えば前駆体、ラジカル、汚染物質など)の影響が、ウエハエッジ292の近くで低減される。
【0098】
やはり図に示されるように、代表的なMCA206が、台座140”内に配置される。要するに、台座上面325は、台座上面325よりも上方のウエハ支持レベルでウエハ290を支持するように構成された1つ以上のウエハサポート206を含む。ウエハサポート206は、それぞれ、上面220で開いた穴205内に着座する。各ウエハサポート206は、穴205の底に着座する柔軟性のスペーサ207上に更に載ってよい。柔軟性スペーサ207は、ウエハ290がウエハサポート206上に置かれたときにウエハサポート206(例えばサファイヤで形成される)が割れるのを防ぐように構成される。一実施形態では、穴205内におけるウエハサポート206の配置は、ウエハ支持レベル208の距離(おおよそ5ミリから15ミリの範囲である寸法「D16」)を最短にするように構成される。また、台座140”内にパターン形成された1つ以上のMCA206の配置は、前述のように特に処理時にウエハエッジ292がウエハ290の中心よりも下がるように、ウエハ290の反りを導入するように設計される。MCA206の配置は、反りを導入するために、ウエハの中心に更に近くてもよい。
【0099】
より詳しくは、
図4C~Dは、本開示の一実施形態にしたがった、ウエハ290と隆起環状へり320の傾斜表面326との間の境界の例示である。
図4Cに示されるように、ウエハ290のエッジ292は、湾曲した形状を有する。例えば、形状は、弧状であってよい、又はおおよそ半円形であってよい。処理時には、台座140”に対するウエハ290のエッジ密封を促すために、エッジ292の少なくとも一部分が接触点329において傾斜表面326に接触する。旧来の構成では、エッジ292と台座140”との間で接触が実現されない。
図4Cに示されるように、傾斜表面は、おおよそ60度で傾いており、しかるがゆえに、エッジ292の下部が、傾斜表面326に接触している。傾斜表面326の角度327が大きいほど、接触点329は、エッジ292を形成している半円の中央の近くなどエッジ292のその他の部分にも接触するだろうことがわかる。例えば、
図4Dに示されるように、傾斜表面296は、台座上面325に対して垂直に近く、したがって、ポケット350の外径352は、隆起環状へり320の内径326におおよそ等しい。
【0100】
尚も別の一実施形態では、ウエハエッジ292の近くにおける枯渇及び蓄積も低減しつつ、複数の堆積サイクルにわたって安定したフロープロフィール及び表面条件を促すために、台座140”の外側領域145’が処置を施される。一実施形態では、この外側領域145’上で、O3不動態化が実施される。その他の実施形態では、この外側領域145’内に、ALDコーティングが重ねられる。例えば、コーティングとして、イットリア、ALN、ALOx、ALON、SiC、及びガラスが挙げられる。
【0101】
尚も別の一実施形態では、領域145’は、最適化された幾何学形状と、時間の経過にともなう均一性の低下の一因となると推測されるラジカル再結合及び膜成長を伝えにくい代替材料(ALN、ALOx、ALON、SiC、ガラス)とを伴う台座リングを形成してよい。理論上は、ウエハ上への堆積が起きるにつれて、隣接するエリアにも同様な膜成長が見られる。取り除かれるウエハとは異なり、(例えば、外側領域145’内の台座140”の)その他の表面上の膜は、次いで、アイドル中に、洗浄プロセス及びその他のガスを施される。これらの代替材料は、膜が成長する、変化する、及びラジカルと再結合する速度を調節する又はそれらに影響を及ぼすことによって、再結合の作用及び膜の成長を低減する。
【0102】
均一性を更に制御するために、及び経時的に安定した堆積パターンを提供するために、ウエハエッジの近くに一連の専用に設計された幾何学形状、表面条件、及び材料組成を含む新しいウエハ均一性制御ノブを実現する、遠隔プラズマ処理に使用するための台座アセンブリについて、具体的な実施形態が提供されてきたが、これらは、例として説明されたものであり、限定のためではない。本開示を読んだ当業者ならば、本開示の趣旨及び範囲内に入る更なる実施形態を認識できる。
【0103】
本書で定められる各種の実施形態は、本書で開示される様々な特徴を使用して組み合わされて又は組み立てられて特定の実装形態にされてよいことが理解されるべきである。したがって、提供される例は、可能性がある一部の例に過ぎず、更に多くの実装形態を定めるために様々な要素を組み合わせることによって可能になる様々な実装形態に制限を設けることはない。一部の例では、一部の実装形態は、開示された又は均等な実装形態の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでいてよい。
【0104】
本開示の実施形態は、ハンドヘルド機器、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサをベースにした若しくはプログラマブルな家庭用電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどの、様々なコンピュータシステム構成で実施されてよい。本開示の実施形態は、また、配線をベースにしたネットワーク又はワイヤレスネットワークを通じてリンクされた遠隔処理機器によってタスクが実施される分散コンピューティング環境内でも実施できる。
【0105】
上記の実施形態を念頭に置くと、本開示の実施形態は、コンピュータシステムに格納されたデータを伴う様々なコンピュータ実行動作を利用できることが理解されるべきである。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。本書で説明されて本開示の実施形態の一部を構成する動作は、有用な機械動作である。本発明の実施形態は、また、これらの動作を実施するための機器又は装置にも関する。装置は、所要の目的にあわせて特別に構成されてよい、或いは、装置は、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティベート若しくは構成される汎用コンピュータであることができる。詳しくは、本書の教示内容にしたがって記述されたコンピュータプログラムとともに、様々な汎用マシンが使用できる、或いは、所要の動作を実施するために更に特殊な装置を構築する方が好都合かもしれない。
【0106】
本開示は、コンピュータ読み取り可能媒体上のコンピュータ読み取り可能コードとしても実装できる。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータシステムによって後ほど読み出せるデータを格納することができる任意のデータストレージハードウェアユニットである。コンピュータ読み取り可能媒体の例として、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、並びにその他の光及び非光データストレージ機器が挙げられる。一部の実施形態では、コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能コードが分散方式で格納及び実行されるようにネットワーク結合コンピュータシステムに分散された有形のコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。
【0107】
方法の動作は、特定の順番で提示されているが、様々な実施形態では、これらの動作は、間でその他のハウスキーピング動作が実施されること、又は僅かに異なる時点で生じるように調整されること、又はオーバーレイ動作の処理が所望の形で実施されさえすれば、処理に関係付けられた様々な時間間隔での処理動作の発生を可能にするシステム内で動作が分散されてよいことが、理解されるべきである。
【0108】
以上の実施形態は、理解を明瞭にする目的で幾らか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正が実施できることが明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的であって、限定的ではないと見なされ、本開示の実施形態は、本書で与えられる詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で変更されえる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバ内で使用するための台座アセンブリであって、
台座であって、
台座上面であって、前記台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを有する台座上面と、
水平配向の段差表面と、前記水平配向の段差表面を前記台座上面に接続する垂直配向の段差表面とを有する台座段差であって、前記台座の外縁に向かって広がる台座段差と、を備える台座と、
前記台座の前記台座段差によって支持されたフォーカスリングであって、
メサ上面と、
水平配向の棚表面と、前記水平配向の棚表面を前記メサ上面に接続する垂直配向の棚表面とを有する棚であって、前記台座の中心軸に向かって広がり、前記ウエハのウエハ底面の少なくとも一部分を支持するように構成された棚と、を備えるフォーカスリングと、
を備える台座アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の台座アセンブリであって、
前記垂直配向の棚表面の棚高さは、前記垂直配向の段差表面の段差高さよりも低い、台座アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の台座アセンブリであって、更に、
前記台座の外側領域によって前記台座段差から前記台座の前記外縁まで形成された台座リングであって、前記台座リング及び前記フォーカスリングは、ともに、イットリア、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、炭化ケイ素、及びガラスからなる群から選択された材料を含む、台座アセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の台座アセンブリであって、
前記フォーカスリングは、更に、前記フォーカスリングを前記台座に固定するように構成された複数の延長部を備える、台座アセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載の台座アセンブリであって、
前記垂直配向の段差表面は、前記台座の内径において前記台座上面から下向きに広がり、前記垂直配向の棚表面は、前記フォーカスリングの内径において前記メサ上面から下向きに広がる、台座アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の台座アセンブリであって、更に、
前記台座内に配置された複数の台座シャフトを通る複数のリフトピンを含むリフトピンアセンブリを備える、台座アセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
以上の実施形態は、理解を明瞭にする目的で幾らか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正が実施できることが明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的であって、限定的ではないと見なされ、本開示の実施形態は、本書で与えられる詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で変更されえる。本開示は以下の適用例を含む。
[適用例1]
ウエハ上に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で使用するためのアセンブリであって、
台座であって、前記台座の中心軸から外縁まで広がる台座上面を有し、前記台座上面は、前記台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを有する、台座と、
前記台座の台座段差であって、段差内径と、前記段差内径から前記台座の前記外縁に向かって広がる段差表面とを有する台座段差と、
前記段差表面上に載るように構成されたフォーカスリングであって、前記フォーカスリングの外径からメサ内径まで広がるメサを有し、前記メサ内径においてメサ表面から下向きに下がる棚を有し、前記棚は、前記メサ内径と、前記フォーカスリングの内径との間に広がる、フォーカスリングと、
を備え、
前記棚は、処理時に前記ウエハのウエハ底面の少なくとも一部分を支持するように構成される、アセンブリ。
[適用例2]
適用例1に記載のアセンブリであって、
リング底面からの棚高さは、前記台座段差の段差高さよりも小さい、アセンブリ。
[適用例3]
適用例1に記載のアセンブリであって、
リング底面からの棚高さは、前記台座段差の段差高さにおおよそ等しい、アセンブリ。
[適用例4]
適用例1に記載のアセンブリであって、
リング底面からの棚高さは、前記台座段差の段差高さよりも大きい、アセンブリ。
[適用例5]
適用例1に記載のアセンブリであって、
リング底面から前記メサ表面までの前記フォーカスリングの高さと、前記リング底面からの棚高さとの間の差は、0.033インチ(0.08382センチメートル)以下である、アセンブリ。
[適用例6]
適用例1に記載のアセンブリであって、
前記フォーカスリングの前記内径と、前記段差内径との間の差は、0.078インチ(0.19812センチメートル)未満である、アセンブリ。
[適用例7]
適用例1に記載のアセンブリであって、
前記ウエハ支持レベルは、0.005インチ(0.0127センチメートル)から0.015インチ(0.0381センチメートル)の範囲である、アセンブリ。
[適用例8]
適用例1に記載のアセンブリであって、更に、
前記台座内に構成された複数の台座シャフトを通る複数のリフトピンを含むリフトピンアセンブリを備えるアセンブリ。
[適用例9]
適用例1に記載のアセンブリであって、
前記台座の前記段差内径から前記外縁までの前記台座の外側リング、及び前記フォーカスリングは、ともに、基本的にイットリア、ALN、ALO
x
、ALON、SiC、及びガラスからなる群から選択された材料を含む、アセンブリ。
[適用例10]
ウエハ上に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で使用するためのアセンブリであって、
台座であって、前記台座の中心軸から外縁まで広がる台座上面を有し、前記台座上面は、前記台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを有する、台座と、
前記台座の台座段差であって、段差内径と、前記段差内径から前記台座の前記外縁に向かって広がる段差表面とを有し、前記台座上面から下方に伸びる段差高さを有する台座段差と、
前記段差表面上に載るように構成されたフォーカスリングであって、前記フォーカスリングの外径からメサ内径まで広がるメサを有し、前記メサ内径においてメサ表面から下向きに下がる棚を有し、前記棚は、前記メサ内径と、前記フォーカスリングの内径との間に広がる、フォーカスリングと、
を備え、
リング底面からの棚高さは、0.143インチ(0.36322センチメートル)から0.188インチ(0.47752センチメートル)の範囲である、アセンブリ。
[適用例11]
適用例10に記載のアセンブリであって、
前記棚高さは、おおよそ0.155インチ(0.3937センチメートル)である、アセンブリ。
[適用例12]
適用例10に記載のアセンブリであって、
リング底面から前記メサ表面までの前記フォーカスリングの高さと、前記リング底面からの棚高さとの間の差は、0.033インチ(0.08382センチメートル)以下である、アセンブリ。
[適用例13]
適用例10に記載のアセンブリであって、
前記フォーカスリングの前記内径と、前記段差内径との間の差は、0.078インチ(0.19812センチメートル)未満である、アセンブリ。
[適用例14]
適用例10に記載のアセンブリであって、
前記ウエハ支持レベルは、0.005インチ(0.0127センチメートル)から0.015インチ(0.0381センチメートル)の範囲である、アセンブリ。
[適用例15]
適用例10に記載のアセンブリであって、更に、
前記台座内に構成された複数の台座シャフトを通る複数のリフトピンを含むリフトピンアセンブリを備えるアセンブリ。
[適用例16]
適用例10に記載のアセンブリであって、
前記台座の前記段差内径から前記外縁までの前記台座の外側リング、及び前記フォーカスリングは、ともに、基本的にイットリア、ALN、ALO
x
、ALON、SiC、及びガラスからなる群から選択された材料を含む、アセンブリ。
[適用例17]
ウエハ上に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で使用するためのアセンブリであって、
台座であって、前記台座の中心軸から外縁まで広がる台座上面を有し、前記台座上面は、前記台座上面よりも上方のウエハ支持レベルでウエハを支持するように構成された複数のウエハサポートを有する、台座と、
前記台座上面の前記外縁上に構成され、前記台座上に載っている前記ウエハの、側方への動きを阻むように構成された隆起環状へりであって、前記台座上面よりも上方に隆起したメサ表面を有し、前記隆起環状へり及び前記台座上面は、前記ウエハを受けるように構成されたポケットを形成する、隆起環状へりと、
前記隆起環状へりの内径から前記台座上面上の前記ポケットの外径まで広がる傾斜表面であって、前記台座上面に対して90度未満の角度で傾いている傾斜表面と、
を備えるアセンブリ。
[適用例18]
適用例17に記載のアセンブリであって、
前記傾斜表面は、前記台座上面に対して垂直に近い、アセンブリ。
[適用例19]
適用例17に記載のアセンブリであって、
前記ウエハ支持レベルは、0.005インチ(0.0127センチメートル)から0.015インチ(0.0381センチメートル)の範囲である、アセンブリ。
[適用例20]
適用例17に記載のアセンブリであって、
前記隆起環状へりの前記内径は、11.968インチ(30.39872センチメートル)未満である、アセンブリ。
[適用例21]
適用例17に記載のアセンブリであって、更に、
前記台座内に構成された複数の台座シャフトを通る複数のリフトピンを含むリフトピンアセンブリを備えるアセンブリ。
[適用例22]
適用例17に記載のアセンブリであって、
前記隆起環状へりを形成している前記台座の外側リングは、基本的にイットリア、ALN、ALO
x
、ALON、SiC、及びガラスからなる群から選択された材料を含む、アセンブリ。
【外国語明細書】