(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038674
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】発光装置、発光モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240313BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20240313BHJP
F21V 7/05 20060101ALI20240313BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240313BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240313BHJP
H01S 5/023 20210101ALI20240313BHJP
H01S 5/02255 20210101ALI20240313BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20240313BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240313BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240313BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240313BHJP
【FI】
F21S2/00 311
F21V7/00 510
F21V7/05
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21V29/503
F21S2/00 340
H01S5/023
H01S5/02255
H05K1/18 J
F21Y115:30
F21Y115:10 700
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142877
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】北島 忠征
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼鶴 一真
【テーマコード(参考)】
3K013
5E336
5F173
【Fターム(参考)】
3K013AA06
3K013AA07
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA07
5E336AA04
5E336BB02
5E336BB18
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5E336CC57
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5F173MA10
5F173MB02
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5F173ME14
5F173ME22
5F173ME47
5F173ME55
5F173MF03
5F173MF28
(57)【要約】
【課題】発光装置を小型化する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る発光装置は、絶縁性を有する材料を含有する基部と、前記基部の上面に設けられる上側金属部と、前記上側金属部を介して前記基部の上面に配置され、出射端面から光を側方に出射する発光素子と、前記基部の上面において前記上側金属部を介さずに前記発光素子の前記側方に配置され、前記光を上方に反射する反射面を備えた反射部材と、を有し、前記上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、前記出射端面に垂直な第1方向において、前記出射端面から前記反射面の前記出射端面に最も近い第1点までの距離は、前記基部の上面に垂直な第2方向における前記上側金属部の厚さ以下である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有する材料を含有する基部と、
前記基部の上面に設けられる上側金属部と、
前記上側金属部を介して前記基部の上面に配置され、出射端面から光を側方に出射する発光素子と、
前記基部の上面において前記上側金属部を介さずに前記発光素子の前記側方に配置され、前記光を上方に反射する反射面を備えた反射部材と、を有し、
前記上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、
前記出射端面に垂直な第1方向において、前記出射端面から前記反射面の前記出射端面に最も近い第1点までの距離は、前記基部の上面に垂直な第2方向における前記上側金属部の厚さ以下である、発光装置。
【請求項2】
前記出射端面から前記反射面の第1点までの前記第1方向における距離は、250μm以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記上側金属部の前記反射部材側の側面と前記出射端面との前記第1方向の距離は、前記側面が前記出射端面よりも前記反射部材側に配置されるときには0μm以上30μm以下であり、前記出射端面が前記側面よりも前記反射部材側に配置されるときには0μm以上50μm以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1方向において、前記出射端面は、前記上側金属部の前記側面よりも前記反射部材側に突出する、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記反射面の一部は、前記上側金属部の上面よりも下方に位置し、前記出射端面から前記光の光軸よりも下方に向かって出射した光は、前記反射面の中点よりも上方において前記反射面には照射されない、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記基部の下面には、1又は複数の下側金属部が設けられ、
前記下側金属部の厚さは、前記上側金属部の厚さに対して0.8倍以上1.2倍以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第2方向における、前記上側金属部と前記下側金属部の厚さの合計は、前記基部の厚さより大きい、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記反射部材の直下に設けられ、前記第2方向において、その厚さが前記上側金属部の厚さの1/3よりも薄い金属膜をさらに有し、
上面視で、前記金属膜は、前記上側金属部と離隔して設けられ、
前記金属膜の上面には、前記発光素子に電気的に接続するワイヤが接合される、請求項6又は7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記金属膜は、その少なくとも一部が、前記上側金属部の前記反射部材側の側面より前記第1方向の負方向側に位置する、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記金属膜に接続し、前記基部を貫通する貫通孔に設けられる第1ビア配線と、
前記上側金属部に接続し、前記基部を貫通する貫通孔に設けられる第2ビア配線と、をさらに有し、
前記第1ビア配線と前記金属膜との第1接続箇所は、上面視で前記反射部材と重なり、
前記第2ビア配線と前記上側金属部との第2接続箇所は、上面視で前記発光素子と重ならない、請求項8に記載の発光装置。
【請求項11】
前記複数の下側金属部は、前記第1ビア配線に接続する第1下側金属部、及び前記第2ビア配線に接続する第2下側金属部を有し、
下面視で、前記第2下側金属部は前記第1方向に延伸し、
前記第1下側金属部と前記第2下側金属部は、前記第1方向に垂直、かつ前記第2方向に垂直な第3方向において互いに離隔する、請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記複数の下側金属部は、第3下側金属部をさらに有し、
前記第3下側金属部は、前記第1下側金属部と前記第1方向において離隔し、前記第2下側金属部と前記第3方向において離隔し、
前記第1方向において、前記第2下側金属部は、前記第1下側金属部及び前記第3下側金属部よりも長い請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1下側金属部の少なくとも一部は、下面視で、前記反射部材と重なり、
前記第2下側金属部は、下面視で、前記反射部材と重ならず、
前記第3下側金属部の少なくとも一部は、下面視で、前記発光素子と重なる、請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記基部の上面に配置される第2発光素子と、
前記第2発光素子の第2出射端面から側方に出射された光を上方に反射する第2反射部材と、
前記上側金属部と離隔し、前記第2発光素子が配置される第2上側金属部と、をさらに備え、
前記第2上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、
前記第1方向において、前記第2出射端面から前記第2反射部材の反射面の前記第2出射端面に最も近い点までの距離は、前記第2方向における前記第2上側金属部の厚さ以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項15】
複数の請求項11に記載の発光装置と、
前記第3方向に並ぶ複数の配線パターンが設けられた配線基板と、を備え、
複数の前記発光装置が前記第3方向に並べて配置された、発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、放熱基板と、導電層と、光反射層と、半導体レーザチップと、がこの順に配置され、半導体レーザチップの光出射方向に反射鏡が設けられた半導体レーザ装置が開示されている。この半導体レーザ装置は、半導体レーザチップよりも光反射層を反射鏡側に突出させ、半導体レーザチップから出射される光の一部を光反射層で反射させて反射鏡に導く構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の半導体レーザ装置は、光反射層を突出させるため、その分半導体レーザチップと反射鏡との間隔が開き、装置の大型化を招き得る。一方で、発光装置を小型にしたいというニーズが有る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る発光装置は、絶縁性を有する材料を含有する基部と、前記基部の上面に設けられる上側金属部と、前記上側金属部を介して前記基部の上面に配置され、出射端面から光を側方に出射する発光素子と、前記基部の上面において前記上側金属部を介さずに前記発光素子の前記側方に配置され、前記光を上方に反射する反射面を備えた反射部材と、を有し、前記上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、前記出射端面に垂直な第1方向において、前記出射端面から前記反射面の前記出射端面に最も近い第1点までの距離は、前記基部の上面に垂直な第2方向における前記上側金属部の厚さ以下である。
【0006】
本開示の他の実施形態に係る発光モジュールは、本開示の一実施形態に係る複数の発光装置と、第3方向に並ぶ複数の配線パターンが設けられた配線基板と、を備え、前記複数の発光装置が前記第3方向に並べて配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、発光装置を小型化できる。また、発光モジュールを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。
【
図2】
図1に示す発光装置から蓋部を取り除いた状態の斜視図である。
【
図3】
図1に示す発光装置から蓋部を取り除いた状態の上面図である。
【
図4】
図1のIV-IV断面線における発光装置の断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る発光装置を例示する下面図である。
【
図6】基部に設けられる金属膜及びビア配線について説明する上面図である。
【
図7】
図4に示す発光装置について、発光素子及び反射部材とその近傍を拡大した拡大断面図(その1)である。
【
図8】
図4に示す発光装置について、発光素子及び反射部材とその近傍を拡大した拡大断面図(その2)である。
【
図9】
図4に示す発光装置について、発光素子及び反射部材とその近傍を拡大した拡大断面図(その3)である。
【
図10】第2実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。
【
図11】
図10に示す発光装置から蓋部を取り除いた状態の斜視図である。
【
図12】
図10に示す発光装置から蓋部を取り除いた状態の上面図である。
【
図13】
図10のXIII-XIII断面線における発光装置の断面図である。
【
図14】第2実施形態に係る発光装置を例示する下面図である。
【
図15】
図13に示す発光装置について、第2発光素子及び第2反射部材とその近傍を拡大した拡大断面図である。
【
図16】第3実施形態に係る発光モジュールを例示する上面図である。
【
図17】
図16に示す発光モジュールの各発光装置から蓋部を取り除いた状態の上面図である。
【
図18】
図16に示す発光モジュールを構成する配線基板を例示する上面図である。
【
図19】第3実施形態の変形例に係る発光モジュールを例示する上面図である。
【
図20】
図19に示す発光モジュールの各発光装置から蓋部を取り除いた状態の上面図である。
【
図21】
図19に示す発光モジュールを構成する配線基板を例示する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる。しかし、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が過度に制限されるものではない。例えば、「上面」と記載した場合に、常に上を向くように発明が用いられなければならないわけではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
【0010】
また、本開示において、三角形や四角形等の多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本開示で記載される"多角形"の解釈に含まれるものとする。
【0011】
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸等、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、"辺"の解釈には加工された部分も含まれる。なお、部分的な加工のない"多角形"や"辺"を、加工された形状と区別する場合は"厳密な"を付して、例えば、"厳密な四角形"等と記載するものとする。
【0012】
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置等を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施形態において説明する内容は、他の実施形態や変形例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。さらに、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略した模式図を用いたり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。
【0013】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る発光装置は、基部と、上側金属部と、発光素子と、反射部材と、を有する。
図1から
図9を参照して、第1実施形態に係る発光装置200の構造例を説明する。
【0014】
図1は、第1実施形態に係る発光装置200を例示する斜視図である。
図2は、
図1に示す発光装置200から蓋部212を取り除いた状態の斜視図である。
図3は、
図1に示す発光装置200から蓋部212を取り除いた状態の上面図である。
図4は、
図1のIV-IV断面線における発光装置200の断面図である。
図5は、第1実施形態に係る発光装置200を例示する下面図である。
図6は、基部211に設けられる金属膜及びビア配線について説明する上面図である。
図7は、
図4に示す発光装置200について、発光素子220及び反射部材240とその近傍を拡大した拡大断面図(その1)である。
図8は、
図4に示す発光装置200について、発光素子220及び反射部材240とその近傍を拡大した拡大断面図(その2)である。
図9は、
図4に示す発光装置200について、発光素子220及び反射部材240とその近傍を拡大した拡大断面図(その3)である。
【0015】
本実施形態に係る発光装置200は、基部211、発光素子220、上側金属部231、下側金属部232、及び反射部材240を備える。図示される例では、発光装置200は、さらに蓋部212、保護素子250、及び配線270を備える。なお、発光装置200は、これらの構成要素の全てを備えなくてもよい。
【0016】
発光装置200の各構成要素について説明する。なお、発光装置200に関して、上側金属部231及び下側金属部232については、基部211と合わせて説明する。
【0017】
図1から
図9には、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸と平行な方向を、それぞれ第1方向X、第2方向Y、第3方向Zとしている。第1方向X及び第2方向Yは基部211の上面211aに平行であり、第3方向Zは基部211の上面211aに垂直である。
【0018】
(基部211、上側金属部231、下側金属部232)
基部211は、上面211a、及び下面211bを有している。上面211aと下面211bとは、平行であってもよいし、平行でなくてもよい。また、基部211は、上面211a及び下面211bと接続する1又は複数の側面を有している。1または複数の側面は、上面211aの外縁と下面211bの外縁とを接続する。基部211は、例えば、直方体又は立方体である。この場合、基部211の上面211a及び下面211bは何れも矩形であり、基部211は4つの矩形の側面を有する。なお、特に正方形を除外するような言及がされていない限り、矩形には正方形も含まれてよいものとする。基部211は、直方体又は立方体でなくてもよい。例えば、基部211は、上面視で任意の形状を有する板状であってもよい。なお、基部211は、板状には限定されず、上面視で円形、楕円形、多角形等の任意の形状であってもよい。
【0019】
基部211は、例えば、絶縁性を有する材料を含有する。基部211は、例えば、セラミックスを主材料として形成することができる。例えば、セラミックスとして、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いることができる。なお、基部211を形成する主材料を、導電性を有する材料としてもよい。例えば、アルミニウム、金、銀、銅、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト、若しくはそれらの合金等の金属や、ダイヤモンド、銅ダイヤモンド等の複合材料が挙げられる。
【0020】
基部211の上面211aには、上側金属部231が設けられている。上側金属部231を形成する材料は、例えば、銅である。上側金属部231を形成する他の材料として、例えば銅-タングステン等が挙げられる。上側金属部231の厚さT1は、150μm以上250μm以下である。
【0021】
上側金属部231は、上面視で、矩形である上面211aの長辺方向において対向する短辺の一辺側に寄って設けられる。より具体的には、上面211aの2つの短辺のうち、第1方向Xの負方向側の短辺に寄って設けられる。図示する例で、上側金属部231は、上面視で凸形状を有する。より詳細には、上側金属部231は、上面視で上面211aの長辺方向(第1方向)において上面211aの中心側に突出する凸部を有する。また、説明の便宜上、上面視で突出する凸部に対して第1方向Xの負方向側にへこんでいる部分を凹部と呼ぶ。図示する例では、突出する凸部の側面231cが、凹部の側面231dに対して上面211aのより中心側に位置する。なお、上側金属部231は、上面視で矩形であってもよい。
【0022】
ここで、凸部及び凹部についてさらに説明する。上側金属部231は、側面231c及び側面231dに接続する側面231eを有する。上側金属部231の凸部は、上面視で側面231eを通り、側面231eと平行な直線よりも側面231c側に位置する部分全体である。上側金属部231の凹部は上面視で側面231eを通り、側面231eと平行な直線よりも側面231d側に位置する部分全体である。
【0023】
上面211aの長辺方向(第1方向X)において、凸部の長さに対する凹部の長さは、0.2倍以上0.7倍以下である。凹部の長さを凸部の長さの0.7倍以下とすることで、凸部の上面において凹部に近い位置に配置される部材と、後述する金属膜261との距離を近づけることができる。また、凹部の長さを凸部の長さの0.2倍以上とすることにより、上側金属部231の上面211aや下面の面積を大きくすることができ、放熱性を高めることができる。また、上面211aの短辺方向(第2方向Y)におけて、凸部の長さに対する凹部の長さは0.3倍以上0.7倍以下である。凹部の長さを凸部の長さの0.3倍以上とすることで、後述する金属膜261の凸部を設ける領域を確保することができる。また、凹部の長さを凸部の長さの0.7倍以下とすることで、凸部の大きさを大きくすることができ、放熱性を高めることができる。
【0024】
基部211の下面211bには、1又は複数の下側金属部232が設けられてもよい。基部211の下面211bに下側金属部232を設ける場合、下側金属部232の厚さT2は、上側金属部231の厚さT1に対して0.8倍以上1.2倍以下であることが好ましい。これにより、基部211の上面211a側と下面211b側の応力の偏りを抑制することができ、基部211に反りが生じることを抑制できる。下側金属部232の厚みは、例えば120μm以上300μm以下である。
【0025】
図示の例では、1又は複数の下側金属部232は、第1下側金属部232A、第2下側金属部232B、及び第3下側金属部232Cを有する。
図5に示すように、下面視で、第1下側金属部232Aの四隅の一角は、矩形である下面211bの四隅の一角、あるいはその近傍に位置する。より具体的には、第1下側金属部232Aは、下面211bにおいて、第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの負方向側に配置されている。下面視で、第2下側金属部232Bは、下面211bの短辺方向に延伸する辺よりも長辺方向に延伸する辺が長い矩形の形状を有する。より具体的には、下面視で第2下側金属部232Bは、第1方向Xに延伸する辺の長さが、第2方向Yに延伸する辺の長さの4.0倍以上である。第2下側金属部232Bは、第1下側金属部232Aよりも第2方向Yの正方向側に配置される。下面視で、第1下側金属部232Aと第2下側金属部232Bは、下面211bの短辺方向(第2方向Y)において互いに離隔している。長辺方向(第1方向X)において、第2下側金属部232Bは、第1下側金属部232Aよりも長い。図示する例では、第1方向Xにおいて、第2下側金属部232Bは、第1下側金属部232Aの長さの3.0倍以上である。また、短辺方向(第2方向Y)において、第2下側金属部232Bは、第1下側金属部232Aよりも短い。
【0026】
下面視で、第3下側金属部232Cは、下面211bの長辺方向(第1方向X)において第1下側金属部232Aと離隔し、短辺方向(第2方向Y)において第2下側金属部232Bと離隔する。より具体的には、第3下側金属部232Cは、第1下側金属部232Aよりも第1方向Xの負方向側、かつ第2下側金属部232Bよりも第2方向Yの負方向側に配置されている。下面視で、長辺方向(第1方向X)において、第3下側金属部232Cは、第2下側金属部232Bよりも短く、第1下側金属部232Aよりも長い。また、短辺方向において、第3下側金属部232Cは、第2下側金属部232Bよりも長い。
【0027】
複数の下側金属部232についてさらに詳細に説明する。下面視で、第1下側金属部232Aを通り第2方向Yと平行な第1仮想線は、第2下側金属部232Bを通過する。下面視で、第3下側金属部232Cを通り第2方向Yと平行な第2仮想線は、第2下側金属部232Bを通過する。第1仮想線は、下面視で第3下側金属部232Cを通過しない。第2仮想線は、下面視で第1下側金属部232Aを通過しない。
【0028】
下面視で、第1下側金属部232Aを通り第1方向Xと平行な第3仮想線は、第3下側金属部232Cを通過する。第3仮想線は、第2下側金属部232Bを通過しない。下面視で、第2下側金属部232Bを通り第1方向Xと平行な第4仮想線は、第2下側金属部232Bを通過しない。第4仮想線は、第3下側金属部232Cを通過しない。
【0029】
基部211の上面211aには、さらに金属膜261が設けられてもよい。上面視で、金属膜261は、上側金属部231と離隔して設けられる。金属膜261は、第3方向Zにおいて、その厚さが上側金属部231の厚さT1の1/3よりも薄いことが好ましい。
【0030】
金属膜261は、上面211aの長辺方向(第1方向X)において、上側金属部231が寄って配置されている短辺とは反対側の短辺に寄って設けられる。より具体的には、金属膜261は、第1方向Xにおいて対向する上面211aの2つの短辺のうち、正方向側に位置する短辺側に寄って設けられる。図示する例で、金属膜261は、上面視で第1方向Xにおいて上側金属部231側(負方向側)に突出する凸形状を有する。説明の便宜上、上面視で突出する凸部に対してへこんでいる金属膜261の部分を凹部とする。
図3に示す例において、金属膜261の凹部と凸部の境界を破線で示す。第1方向Xにおいて、上側金属部231の凸部と金属膜261の凹部が上面視で対向する。上側金属部231の凹部と金属膜261の凸部が上面視で対向する。より具体的には、上側金属部231の側面231cと金属膜261の凹部の辺261cが、上面視で対向する。上側金属部231の側面231dと金属膜261の凸部の辺261dが、上面視で対向する。
【0031】
図5及び
図6に示すように、基部211には、金属膜261に接続し、基部211を貫通する貫通孔233に設けられる第1ビア配線233Vが設けられてもよい。上面視で、第1ビア配線233Vは、金属膜261の凹部に包含される位置において金属膜261と接続する。また、基部211には、上側金属部231に接続し、基部211を貫通する貫通孔234に設けられる第2ビア配線234Vが設けられてもよい。上面視で、第2ビア配線234Vは、上側金属部231の凹部に包含される位置において上側金属部231と接続する。貫通孔233及び貫通孔234は、基部211の上面211aから下面211bに亘って貫通する。また、図示の例では、第1ビア配線233V及び第2ビア配線234Vは、それぞれ2個である。なお、第1ビア配線233V及び第2ビア配線234Vは、それぞれ1個でもよいし、3個以上でもよい。貫通孔233及び234は、上面視で、例えば、円形、楕円形、矩形等である。
【0032】
第1下側金属部232Aは上面視で、金属膜261と部分的に重なる。より詳細には、第1下側金属部232Aは、上面視で金属膜261の凹部と重なる。第1下側金属部232Aは、上面視で金属膜261の凸部とは重ならない。第1下側金属部232Aは、上側金属部231とは重ならない。第2下側金属部232Bは、上面視で上側金属部231と部分的に重なる。より詳細には、第2下側金属部232Bは、上面視で上側金属部231の凹部と重なる。第2下側金属部232Bは、上面視で上側金属部231の凸部とは重ならない。また、第2下側金属部232Bは、上面視で金属膜261と部分的に重なる。より詳細には、第2下側金属部232Bは、上面視で金属膜261の凸部全体と重なる。さらに、凹部の一部とも重なる。第3下側金属部232Cは、上面視で上側金属部231と部分的に重なる。より詳細には、第3下側金属部232Cは、上面視で上側金属部231の凸部と重なる。第3下側金属部232Cは、上面視で上側金属部231の凹部とは重ならない。第3下側金属部232Cは、上面視で金属膜261とは重ならない。
【0033】
第1ビア配線233Vは、第1下側金属部232Aと接続する。金属膜261は、第1ビア配線233Vを介して、第1下側金属部232Aと導通する。第2ビア配線234Vは、第2下側金属部232Bと接続する。上側金属部231は、第2ビア配線234Vを介して、第2下側金属部232Bと導通する。なお、第3下側金属部232Cには、ビア配線は接続されなくてよい。第3下側金属部232Cは、電気的にフローティングされていてもよい。
【0034】
図6に示すように、基部211には、上面視で、金属膜261及び上側金属部231を囲む矩形枠状の金属膜262が設けられてもよい。また、上面視で、金属膜262の上面には、後述する蓋部212と接合するための金属接着剤263が設けられる。金属接着剤263の例としては、AuSnが挙げられる。上面視で、金属膜262は、金属膜261及び上側金属部231と離隔している。なお、
図6では、便宜上、金属接着剤263をドットパターンで示している。
【0035】
金属膜261及び262としては、例えば、Ni/Au(Ni、Auの順で積層した金属膜)やTi/Pt/Au(Ti、Pt、Auの順で積層した金属膜)等が挙げられる。金属膜262の厚さは、金属膜261の厚さと同程度であり得る。
【0036】
(蓋部212)
蓋部212は、枠部213と、上部214とを有している。枠部213は、上面213a、下面213b、1又は複数の内側面、1又は複数の外側面を有している。枠部213は、例えば、上面視で矩形の枠状である。枠部213の1又は複数の内側面は、上面213aと交わり、上面213aから下方に延伸する。枠部213の1又は複数の外側面は、枠部213の上面213a及び下面213bと交わる。
【0037】
上部214は、上面214a、及び下面214bを有している。上部214の形状は、例えば平板形状である。上面214aと下面214bとは、平行であってもよいし、平行でなくてもよい。また、上部214は、上面214a及び下面214bと接続する1又は複数の側面を有している。1または複数の側面は、上面214aの外縁と下面214bの外縁とに接続する。上部214は、例えば、直方体又は立方体である。この場合、上部214の上面214a及び下面214bは何れも矩形であり、上部214は4つの矩形の側面を有する。上部214は、直方体又は立方体でなくてもよい。すなわち、上部214は、上面視で矩形には限定されず、上面視で円形、楕円形、多角形等の任意の形状とすることが可能である。
【0038】
枠部213及び上部214は別々に形成され、枠部213の上面213aと上部214の下面214bとが接合されている。枠部213と上部214との接合には、例えば、金属接着剤を用い得る。金属接着剤としては、例えば、AuSnや金属ペーストが挙げられる。枠部213と上部214との接合に樹脂接着剤を用いてもよい。
【0039】
枠部213は、例えば、シリコンを主材料として形成することができる。なお、枠部213の他の主材料として、例えばサファイア、石英、ガラス、セラミックス等が挙げられる。セラミックスとしては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いることができる。上部214は、例えば、サファイア、石英、炭化ケイ素、ガラス、シリコン等で形成することができる。上部214は、所定波長の光を透過させる光透過領域を有する。上部214の全体が光透過領域であってもよい。なお、枠部213と上部214は、同一の主材料で一体に形成してもよい。
【0040】
(発光素子220)
発光素子220は、例えば、半導体レーザ素子である。発光素子220は、半導体レーザ素子に限らず、例えば、発光ダイオード(LED)や有機発光ダイオード(OLED)などであってもよい。図示する発光装置200では、発光素子220として、半導体レーザ素子が採用されている。
【0041】
発光素子220は、例えば、上面視で長方形の外形を有する。また、長方形の2つの短辺のうちの一辺と交わる側面が、発光素子220から放射される光の出射端面220aとなる。また、発光素子220の上面及び下面は、出射端面220aよりも面積が大きい。発光素子220の上面には、金属膜が設けられてもよい。この金属膜には、例えば他の部材と導通するための配線等が設けられる。なお、発光素子220の上面には、金属膜が設けられていなくてもよい。
【0042】
ここで、発光素子220が半導体レーザ素子である場合について説明する。発光素子220から放射される光(レーザ光)は拡がりを有し、出射端面と平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。ここで、FFPとは、出射端面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布を示す。
【0043】
発光素子220から出射される楕円形状の光に基づき、楕円形状の長径を通る方向をFFPの速軸方向、楕円形状の短径を通る方向をFFPの遅軸方向とする。発光素子220におけるFFPの速軸方向は、発光素子220の活性層を含む複数の半導体層が積層される積層方向と一致し得る。
【0044】
また、発光素子220のFFPの光強度分布に基づいて、ピーク強度値に対する1/e2以上の強度を有する光を、主要部分の光と呼ぶものとする。また、この光強度分布において1/e2の強度に相当する角度を拡がり角と呼ぶものとする。FFPの速軸方向における拡がり角は、FFPの遅軸方向における拡がり角よりも大きい。
【0045】
また、FFPの楕円形状の中心を通る光、言い換えると、FFPの光強度分布においてピーク強度の光を、光軸を進む光、あるいは、光軸を通る光、と呼ぶものとする。また、FFPの楕円形状の中心を進む光の光路を、その光の光軸、と呼ぶものとする。
【0046】
発光素子220として、出射される光が可視光である発光素子を用いることができる。可視光を出射する発光素子としては、例えば青色光、緑色光、及び赤色光を出射する発光素子が挙げられる。ここで、青色光、緑色光、及び赤色光を出射する発光素子とは、出射される光の発光ピーク波長がそれぞれ、405nm~494nm、495nm~570nm、及び605nm~750nmの範囲にある発光素子を指すものとする。青色光又は緑色光を出射する発光素子220としては、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、又はAlGaNを用いることができる。また、赤色光を出射する発光素子220として、InAlGaP系やGaInP系、GaAs系やAlGaAs系の半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。
【0047】
なお、発光素子220から出射される光の発光ピークは、これに限らなくてよい。例えば、発光素子220から出射される光は、前述した色以外の可視光であってもよく、可視光以外に、紫外光、赤外光等を出射する発光素子を用いても良い。
【0048】
(反射部材240)
反射部材240は、下面と、入射する光を反射する反射面240aと、反射面240a及び下面と交わる複数の側面とを備える。図示される発光装置200では、下面、反射面240a、及び複数の側面は、それぞれ平面である。
【0049】
複数の側面には、反射面240aを挟んで対向する2つの側面が含まれる。また、複数の側面には、反射面240aを挟んで対向する2つの側面と交わる1つの側面が含まれる。反射面240aを挟んで対向する2つの側面は、同じ面積であってもよい。
【0050】
図示される発光装置200では、反射面240aは矩形である。反射面240aは、下面に対して傾斜している。下面に対する反射面240aの傾斜角は、例えば、45度である。なお、傾斜角の具体的な角度について述べる場合、製造精度を考慮して、製造品についてはその具体的な角度から±5度の差を含むものとする。
【0051】
なお、下面、及び反射面240aは、それぞれ曲面であってもよいし、平面と曲面とが混在してもよい。また、反射面240aは、入射する光を所望の方向に反射できれば、矩形でなくてもよい。
【0052】
反射部材240は、その外形を形成する主材料に、ガラスや金属などを使用できる。主材料は熱に強い材料がよく、例えば、石英やBK7(硼珪酸ガラス)等のガラス、アルミニウム等の金属、又はSiを用いることができる。また、反射面240aは、例えば、Ag、Al等の金属やTa2O5/SiO2、TiO2/SiO2、Nb2O5/SiO2等の誘電体多層膜を用いて形成することができる。
【0053】
(保護素子250)
保護素子250は、半導体レーザ素子等の特定の素子を保護するための構成要素である。例えば保護素子250は、半導体レーザ素子等の特定の素子に過剰な電流が流れて破壊されることを防ぐための構成要素である。保護素子250としては、例えば、Siで形成されたツェナーダイオードを使用できる。また例えば、保護素子250は、特定の素子が温度環境によって故障しないように温度を測定するための構成要素であってもよい。このような温度測定素子としては、サーミスタを使用できる。温度測定素子は、発光素子220の出射端面の近くに配置するのがよい。
【0054】
(配線270)
配線270は、両端を接合部とする線状の形状を有する導電体から構成される。言い換えると、配線270は、線状部分の両端に、他の構成要素と接合する接合部を有する。配線270は、2つの構成要素間の電気的な接続に用いられる。配線270としては、例えば、金属のワイヤを用いることができる。金属としては、例えば、金、アルミニウム、銀、銅、タングステンなどが挙げられる。
【0055】
(発光装置200)
次に、発光装置200について説明する。
【0056】
発光素子220は、基部211の上面211aに配置される。より具体的には、発光素子220は、上側金属部231を介して基部211の上面211aに配置される。発光素子220は、上側金属部231の上面231aに接合される。例えば、基部211の上面211aから、発光素子220の下面までの長さを、300μm以下とすることができる。また、例えば、発光素子220は下面に金属膜を有し、上側金属部231の上面231aに設けられた金属膜に接合される。そして、これらの金属膜同士が、例えば金属接着剤を介して接合される。この接合に用いる金属接着剤としては、例えばAuSnが挙げられる。発光素子220の下面に設けられる金属膜、及び上側金属部231の上面231aに設けられる金属膜の厚さは、金属膜261の厚さと同程度であり得る。
【0057】
図示される例では、基部211の上面211aの垂直方向から見る上面視で、発光素子220は、枠部213によって側方を囲まれる。これ以降、発光装置についての説明については、「上面視」は、特に言及がない限り、基部211の上面211aの垂直方向における「上面視」を指す。発光素子220は、出射端面220aから光を側方に出射する。図示する例では、出射端面220aから側方に出射された光の光軸は、第1方向Xと平行である。発光素子220から出射される光は、例えば青色光である。なお、発光素子220から出射される光は、青色光に限定されない。また、図示される例において、発光素子220は、半導体レーザ素子である。
【0058】
発光素子220は、出射端面220aが、上側金属部231の1つの側面231cと同一方向を向くように配置される。発光素子220の出射端面220aは、第1方向Xに垂直である。また、発光素子220の出射端面220aは、例えば、枠部213の1つの内側面又は1つの外側面と平行/垂直であり得る。
【0059】
発光素子220は上面視で、上側金属部231の上面211aにおいて、凸部の上面に配置される。より詳細には、発光素子220は、凸部の上面において凹部の反対側(第2方向Yの負方向側)に寄って配置される。また、上面視で、上側金属部231の凹部の側面231dと重なり、側面231dに平行な仮想面と、発光素子220とは重なる。発光素子220は、上面視で金属膜261とは重ならない。発光素子220は、金属膜261の凸部の辺261dの延長仮想線と、上面視で重なる。
【0060】
反射部材240は、基部211の上面211aにおいて上側金属部231を介さずに配置される。より具体的には、反射部材240は直下に設けられた金属膜261に配置される。反射部材240の下面は、上側金属部231の上面231aよりも下方に位置する。反射部材240は下面に金属膜を有し、この金属膜と金属膜261とが、例えば金属接着剤を介して接合される。この接合に用いる金属接着剤としては、例えばAuSnが挙げられる。反射部材240の下面に設けられる金属膜の厚さは、金属膜261の厚さと同程度であり得る。
【0061】
反射部材240は、基部211の上面211aにおいて発光素子220の側方に配置されている。反射部材240は、反射面240aを備えている。反射部材240の反射面240aは、発光素子220の出射端面220aの方向を向く。反射面240aは、発光素子220の出射端面220aから出射された光を上方に反射する。
【0062】
反射部材240は、金属膜261の凹部に配置される。反射部材240は、上面視で金属膜261の凸部とは重ならない。反射部材240の最も上側金属部231に近い端点は、金属膜261の凸部の上側金属部231に最も近い端点よりも、第1方向Xの正方向側に位置する。反射部材240は、上面視で上側金属部231には重ならない。
【0063】
図5に示すように、第1下側金属部232Aの少なくとも一部は、下面視で、反射部材240と重なる。一方、第2下側金属部232Bは、下面視で、反射部材240と重ならない。このようにすることで、下面視で、第1下側金属部232Aと、光軸方向に延伸する第2下側金属部232Bを、光軸と垂直な方向に所定間隔で隣接する位置に配置することができる。図示する例では、光軸方向は第1方向Xと一致し、光軸に垂直な方向は第2方向Yと一致する。
【0064】
第1下側金属部232Aと第2下側金属部232Bをこのような位置関係とすることで、後述の
図18や
図21に示すように、複数の発光装置200を出射された光の進行方向(光軸方向)と垂直な方向に並べて配線基板上に配置する際に、複数の発光装置200が互いに直列に接続されるようなパターンを配線基板上に容易に形成することができる。
【0065】
図6に示すように、第1ビア配線233Vと金属膜261との第1接続箇所は、上面視で反射部材240と重なる。なお、第1接続箇所は、第1ビア配線233Vの金属膜261側の端面である。
【0066】
図5に示すように、第3下側金属部232Cの少なくとも一部は、下面視で、発光素子220と重なることが好ましい。これにより、第3下側金属部232Cを放熱部材として機能させ、発光素子220からの熱を効率的に放熱することができる。すなわち、第3下側金属部232Cを発光素子220の直下に配置することで、発光素子220の発する熱は基部211を経由して第3下側金属部232Cに伝達され、第3下側金属部232Cから放熱することができる。第3下側金属部232Cの全部が、下面視で、発光素子220と重なることがより好ましい。これにより、発光素子220からの熱の放熱をさらに向上することができる。また、第2下側金属部232Bが、上面視で上側金属部231の凹部と重なっているため、第2下側金属部232Bも発光素子から放熱性の向上に寄与する。
【0067】
上側金属部231の凸部の第2方向Yに対向する二辺において、第2方向Yの負方向側の辺から発光素子220までの距離は、第2方向Yの正方向側の辺から発光素子220までの距離よりも小さい。このように、第2方向Yの負方向側の辺に寄って発光素子220を配置することにより、第2方向Yにおいて発光装置200を小型化できる。また、第3下側金属部232Cの第2方向Yに対向する二辺のうち、第2方向Yの負方向側の辺から発光素子220までの距離は、第2方向Yの正方向側の辺から発光素子220までの距離よりも大きい。このように、第3下側金属部232Cを配置することにより、第2方向Yにおいて発光装置を小型化できる。
【0068】
また、第3方向Zにおける、上側金属部231と下側金属部232の厚さの合計(T1+T2)は、基部211の厚さT3より大きいことが好ましい。厚さT1を厚くすることにより、発光素子220を十分に嵩上げすることができる。さらに、厚さT2を厚さT1と同程度に厚くすることにより、上側金属部231と下側金属部232の応力のバランスをとることができる。一方、基部211の厚さT3を、金属部厚さの合計(T1+T2)よりも薄くすることにより、発光素子220からの熱の放熱経路において、より熱伝導性が高い金属部の割合を多くすることができる。そのため、発光素子220の発する熱を効率よく放熱することができる。
【0069】
図6に示すように、第2ビア配線234Vと上側金属部231との第2接続箇所は、上面視で発光素子220と重ならない。なお、第2接続箇所は、第2ビア配線234Vの上側金属部231側の端面である。上面視で、発光素子220の直下に第2接続箇所が重ならないように第2ビア配線を設けることで、発光素子220の直下に位置する上側金属部231の凸部が配置される部分の基部211の上面211aの平坦性を確保しやすくなる。また、第2接続箇所が反射部材240側に設けられるので、下面視で、第3下側金属部232Cと発光素子220との重なる面積が大きくなるように第3下側金属部232Cを配置される。これらによって、発光素子220からの熱を効率よく放熱することが容易となる。
【0070】
また、発光装置200において、発光素子220が配置される上側金属部231の厚さT1は、150μm以上250μm以下である。一方、反射部材240が配置される金属膜261の厚さは、厚さT1の1/3以下の厚さであり、例えば50μm以下であり得る。第3方向Zにおける、上側金属部231の上面231aから金属膜261の上面までの長さは、例えば130μm以上250μm以下である。
【0071】
図7に示すように、第1方向Xにおいて、出射端面220aから反射面240aの出射端面220aに最も近い第1点P1までの距離L1は、第3方向Zにおける上側金属部231の厚さT1以下である。距離L1は、例えば、250μm以下である。
【0072】
このように、発光装置200において、出射端面220aから第1点P1までの距離L1を上側金属部231の厚さT1以下とすることにより、発光素子220と反射部材240を第1方向Xにおいて近付けることができる。
【0073】
これにより、基部211の上面211aに対して発光素子220の下面が反射部材240の下面よりも高い位置となる。そのため、発光素子220からの拡がりを有する光のうち光軸OAよりも下方に向かう光をより多く反射部材240の反射面240aに入射させることができる。特に、第3方向Zにおいて、金属膜261の厚さが上側金属部231の厚さの1/3よりも薄いことにより、発光素子220の下面と反射部材240の下面との間に十分な高低差が生じる。発光素子220からの拡がりを有する光のうち光軸OAよりも下方に向かう光の主要部分を反射部材240の反射面240aに入射させることができる。また、発光素子220の下面を反射部材240の下面よりも高い位置とするために、発光素子220と基部211の上面211aとの間にサブマウント等の嵩上げ用の部材を設けなくてもよいため、部材点数の削減や製造コストの低減に寄与できる。また、第1方向Xにおける発光素子220と反射部材240との距離を短くすることができるので、第1方向Xにおける発光装置200の小型化を奏することができる。
【0074】
なお、上側金属部231の厚さを150μm以上とすることにより、基部211の上面211aに対して発光素子220の下面を十分に高くすることができる。一方、上側金属部231の厚さを250μm以下とすることにより、基部211の上面211aに対して発光素子220の高さを抑制でき、発光装置200を第3方向Zにおいて小型化することができる。
【0075】
図7に示すように、反射面240aの一部は、上側金属部231の上面231aよりも下方に位置する。出射端面220aから出射された光の主要部分のうち、光軸OAよりも下方に向かって出射した光は、反射面240aの第3方向Zにおける中点P2よりも下方において反射面240aに照射される。光軸OAよりも下方に向かって出射した光は、中点P2よりも上方において反射面240aには照射されない。つまり、光軸OAよりも下方に向かって出射した光は、基部211の上面211aに達する前に反射面240aに照射されるため、基部211の上面211aに反射されて中点P2よりも上方において反射面240aに照射されない。
【0076】
光軸OAよりも下方に向かって出射した光の主要部分が反射面240aに照射されるときの、照射領域において最も下方に位置する点と、出射端面220a上の出射点とを結ぶ距離は、上側金属部231の厚さT1の0.7倍以上1.3倍以下である。
【0077】
図8に示すように、第1方向Xにおいて、出射端面220aは、上側金属部231の側面231cよりも反射部材240側に突出するように配置できる。これにより、出射端面220aから出射された光が上側金属部231の上面に照射されることを抑制できる。このように、出射端面220aが側面231cよりも反射部材240側に配置されるときには、上側金属部231の側面231cと出射端面220aとの第1方向Xの距離L2は、例えば、0μm以上50μm以下である。
【0078】
図9に示すように、第1方向Xにおいて、上側金属部231の反射部材240側の側面231cが出射端面220aよりも反射部材240側に配置することもできる。このように配置することにより、上面視で、発光素子220全体を上側金属部231の上面に配置できるので、発光素子220からの熱を効率よく放熱することができる。こ側面231cが出射端面220aよりも反射部材240側に配置されるときには、上側金属部231の側面231cと出射端面220aとの第1方向Xの距離L3は、例えば、0μm以上30μm以下である。
【0079】
なお、
図3に示すように、金属膜261は、反射部材240の直下から反射部材240の周辺部に延在している。そして、反射部材240が配置される金属膜261の上面には、発光素子220と電気的に接続する1又は複数の配線270が接合される。また、金属膜261の上面には、保護素子250と電気的に接続する配線270が接合される。つまり、発光装置200において、複数の配線270により、発光素子220及び保護素子250が、それぞれ基部211の金属膜261と電気的に接続される。
【0080】
保護素子250は、上側金属部231の凸部に配置される。凸部の上面において、保護素子250は、発光素子220よりも凹部側(第2方向Yの正方向側)に配置される。上面視で、保護素子250は、発光素子220よりも、第2ビア配線234Vと上側金属部231との第2接続箇所に近い位置に配置される。これにより、発光素子220を保護する機能を向上することができる。
【0081】
上面視で、金属膜261は、その少なくとも一部が、上側金属部231の反射部材240側の側面231cより発光素子220側(第1方向Xの負方向側)に位置してもよい。より詳細には、金属膜261の凸部の一部は、上側金属部231の側面231cよりも発光素子220側に位置する。これにより、金属膜261と発光素子220とを接続する配線270、及び金属膜261と保護素子250とを接続する配線270の長さを短くすることができる。
【0082】
図3に示す例では、発光素子220に複数の配線270が接合される。これらの複数の配線270には、一端が、発光素子220の上面に接合され、他端が、金属膜261の凸部のうち辺261cよりも反射部材240側(第1方向Xの正方向側)において接合される第1配線が含まれる。また、これらの複数の配線270には、一端が、発光素子220の上面に接合され、他端が、金属膜261の凸部のうち辺261cよりも発光素子220側(第1方向Xの負方向側)に接合される第2配線が含まれる。
【0083】
第1配線の両端を結ぶ直線と、発光素子から出射される光の光軸に平行な直線とが成す角度は30度以上70度以下である。この角度を30度以上とすることで、第1配線が、発光素子220から出射し、反射部材240の反射面240aに照射される光と干渉することを抑制することができる。この角度を70度以下とすることで、第1配線及び第2配線を含む複数の配線270を接合する金属膜261の凸部の領域の大型化を抑制することができる。
【0084】
図3に示す例では、保護素子250に配線270が接合される。一端が保護素子250に接合される配線270は、他端が金属膜261の凸部のうち辺261cよりも発光素子220側において接合される。この配線270は、第1配線よりも発光素子220側において金属膜261の凸部に接合される。また、この配線270は、第2配線よりも発光素子220側において金属膜261の凸部に接合される。
【0085】
発光素子220と外部電源との電気的な接続には、例えば、基部211の下面211bに設けられた第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bを利用することができる。
【0086】
蓋部212の下面213bは、基部211の上面211aの外縁に接合されている。例えば、枠部213の下面213bに設けられた金属膜と、基部211の上面211aに設けられた金属膜262とが金属接着剤263を介して接合し固定される。蓋部212が基部211に接合されることで、基部211、枠部213、及び上部214に囲まれた封止空間が形成される。この封止空間は、気密封止された状態で形成されてもよい。この封止空間が気密封止されることで、発光素子220の出射端面220aに有機物等が集塵することを抑制できる。
【0087】
蓋部212の上部214は、反射部材240の上方に反射された光を透過させて外部に出射させる光透過領域を有する。つまり、反射部材240の上方に反射された光は、上部214の光透過領域を透過して、上面214aから発光装置200の外部に出射される。上部214の全体が光透過領域であってもよい。上部214の光透過領域は、反射部材240の上方に反射された光の70%以上を透過させる。
【0088】
発光装置200の第1方向Xにおける長さは、例えば2500μm以上4000μm以下である。第2方向Yにおける長さは、例えば1800μm以上2500μm以下である。第3方向Zにおける長さは、例えば1800μm以上2100μm以下である。このように、本明細書に開示の発光装置200は、小型化に適した発光装置である。また、発光装置200は、金属部や基部とは別にさらに放熱用の部材、例えばサブマウントを個別に配置することなく設計が可能である。これにより、発光装置200全体の部材点数を少なくすることができる。結果として、発光装置200の製造の際の生産性を向上できる。
【0089】
<第2実施形態>
次に、
図10から
図15を参照して、第2実施形態に係る発光装置300を説明する。第2実施形態に係る発光装置300は、複数の発光素子320、及び複数の反射部材340を備え、さらに基部211Aが複数の上側金属部331を有する点で、少なくとも第1実施形態に係る発光装置200と相違する。
【0090】
図10は、第2実施形態に係る発光装置300を例示する斜視図である。
図11は、
図10に示す発光装置300から蓋部212を取り除いた状態の斜視図である。
図12は、
図10に示す発光装置300から蓋部212を取り除いた状態の上面図である。
図13は、
図10のXIII-XIII断面線における発光装置300の断面図である。
図14は、第2実施形態に係る発光装置300を例示する下面図である。
図15は、
図13に示す発光装置300について、第2発光素子320B及び第2反射部材340Bとその近傍を拡大した拡大断面図である。
【0091】
まず、各部材について説明する。なお、第1実施形態と重複する内容は、適宜省略する。
【0092】
(複数の発光素子320)
複数の発光素子320は、例えば、第1実施形態に係る発光素子220と同様に、半導体レーザ素子である。複数の発光素子320は、第1発光素子320A、第2発光素子320Bを備える。第1発光素子320A及び第2発光素子320Bは、共に同じ色の光を出射するものであってよいし、それぞれ異なる色の光を出射するものであってもよい。なお、複数の発光素子は、半導体レーザ素子に限らず、例えば、発光ダイオード(LED)や有機発光ダイオード(OLED)などであってもよい。なお、複数の発光素子320は、2つに限定されず、第1発光素子320A及び第2発光素子320Bの他に、さらに発光素子を備えるものであってもよい。
【0093】
(複数の反射部材340)
複数の反射部材340は、それぞれ、下面と、入射する光を反射する反射面と、反射面及び下面と交わる複数の側面とを備える。図示される発光装置300では、下面、反射面、及び複数の側面は、それぞれ平面である。複数の反射部材340の外形や材料は、反射部材240と同じであり得る。図示する例で、複数の反射部材340は、第1反射部材340A、第2反射部材340Bを有する。
【0094】
(第1上側金属部331A、第2上側金属部331B)
第1上側金属部331A、及び第2上側金属部331Bは、基部211Aの上面211aに互いに離隔して設けられている。第1上側金属部331Aの厚さT4は、150μm以上250μm以下であり得る。第2上側金属部331Bの厚さは、第1上側金属部331Aの厚さと同じであり得る。第1上側金属部331A及び第2上側金属部331Bの材料は、例えば第1実施形態の上側金属部231の材料と同じであり得る。
【0095】
図示する発光装置300の第1上側金属部331A及び第2上側金属部331Bは、上面視で矩形である。基部211Aの上面211aの長辺方向(第1方向X)において、第1上側金属部331Aは、第2上側金属部331Bよりも長い。上面211aの短辺方向(第2方向Y)において、第1上側金属部331Aは、第2上側金属部331Bよりも短い。図示する例において、第1上側金属部331Aは、第2上側金属部331Bよりも第2方向Yの負方向側に位置する。また、基部211Aを貫通する貫通孔333に設けられた第3ビア配線333Vが、第1上側金属部331Aと第3接続箇所において接続する。
【0096】
(下側金属部332)
基部211Aの下面211bには、1又は複数の下側金属部332が設けられてもよい。基部211Aの下面211bに下側金属部332を設ける場合、下側金属部332の厚さT5は、第1上側金属部331A(又は第2上側金属部331B)の厚さT4に対して0.8倍以上1.2倍以下であることが好ましい。これにより、第1実施形態に係る下側金属部232の場合と同様の効果を奏する。また、第3方向Zにおける、第1上側金属部331A(又は第2上側金属部331B)と1又は複数の下側金属部332のいずれかの金属膜厚さの合計T4+T5は、基部211Aの厚さT3より大きいことが好ましい。
【0097】
図示の例では、基部211Aの下面211bに、第1下側金属部332A、第2下側金属部332B、及び第3下側金属部332Cを有する複数の下側金属部332が設けられている。
図14に示すように、下面視で、第1下側金属部332A及び第2下側金属部332Bは、共に下面211bの2つ短辺の1辺に寄って配置される。また、第1下側金属部332A及び第2下側金属部332Bは、短辺方向(第2方向Y)において対向するように配置される。図示する例では、第1下側金属部332Aは、第1方向Xの負方向側で、かつ第2方向Yの負方向側に配置されている。第2下側金属部332Bは、第1方向Xの負方向側で、かつ第1下側金属部332Aよりも第2方向Yの正方向側に配置されている。第1方向X、及び第2方向Yにおいて、第1下側金属部332A及び第2下側金属部332Bは、同じ大きさであってよい。
【0098】
下面視で、第3下側金属部332Cは、第1下側金属部332A及び第2下側金属部332Bと、長辺方向(第1方向X)において対向するように配置される。より具体的には、第1方向Xの正方向側に配置され、第1方向Xにおいて、第1下側金属部332A及び第2下側金属部332Bと対向するように配置される。また、下面視で、第3下側金属部332Cは、第1下側金属部332A及び第2下側金属部332Bと第1方向Xにおいて離隔している。下面211bの長辺方向(第1方向X)及び短辺方向(第2方向Y)において、第3下側金属部332Cは、第1下側金属部332A、第2下側金属部332Bのそれぞれよりも長い。また、下面視で、第3下側金属部332Cの面積は、第1下側金属部332A及び第2下側金属部332Bの合計の面積よりも大きい。なお、放熱性の向上のため、第3下側金属部332Cの面積は、基部211Aの下面211bの面積の1/2よりも大きいことが望ましい。
【0099】
上面視(あるいは下面視)で、第1上側金属部331Aは、第1下側金属部332Aと少なくとも一部が重なる。さらに、第1上側金属部331Aは、上面視で第3下側金属部332Cと少なくとも一部が重なる。第1上側金属部331Aは、上面視で第2下側金属部332Bとは重ならない。第2上側金属部331Bは、上面視で第2下側金属部332Bと少なくとも一部が重なる。第2上側金属部331Bは、上面視で第3下側金属部332Cと少なくとも一部が重なる。第2上側金属部331Bは、上面視で第1下側金属部332Aとは重ならない。
【0100】
(金属膜361)
基部211Aの上面211aには、金属膜361が設けられる。上面視で、金属膜361の厚さは、第1実施形態の金属膜261と同一の厚さとしてもよい。また、金属膜361の上面に、金属接着剤363が設けられる。金属接着剤363として、例えばAuSnを用いることができる。上面視で、金属膜361は、第1上側金属部331A及び第2上側金属部331Bの周囲を囲むように設けられる。金属膜361は、上面視で第1上側金属部331A及び第2上側金属部331Bと重ならない。
【0101】
基部211Aを貫通する貫通孔334に設けられる第4ビア配線334Vは、第4接続箇所において金属膜361と接続する。第4接続箇所は、上面視で第1上側金属部331Aに重ならない。第4接続箇所は、上面視で第2上側金属部331Bに重ならない。
【0102】
第1上側金属部331Aと接続する第3ビア配線333Vは、第1下側金属部332Aと接続する。第3接続箇所は、下面視で第1下側金属部332Aと重なる。また、金属膜361と接続する第4ビア配線334Vは、第2下側金属部332Bと接続する。第4接続箇所は、下面視で第2下側金属部332Bと重なる。なお、第3下側金属部332Cには、ビア配線は接続されなくてよい。第3接続箇所は、下面視で第3下側金属部332Cと重ならない。第4接続箇所は、下面視で第3下側金属部332Cと重ならない。なお、第3下側金属部332Cは、電気的にフローティングされていてもよい。
【0103】
(発光装置300)
次に、発光装置300について説明する。
【0104】
第1発光素子320A及び第2発光素子320Bは、それぞれ第1上側金属部331A、及び第2上側金属部331Bを介して基部211Aの上面211aに配置される。例えば、第1発光素子320Aは下面に金属膜を有し、第1上側金属部331Aは上面331aに金属膜を有する。また、第2発光素子320Bは下面に金属膜を有し、第2上側金属部331Bは上面331bに金属膜を有する。そして、これらの金属膜同士が、例えば金属接着剤を介して接合される。この接合に用いる金属接着剤としては、例えばAuSnが挙げられる。
【0105】
第1発光素子320A及び第2発光素子320Bは、それぞれ第1出射端面320a及び第2出射端面320bから光を側方に出射する。第1出射端面320a及び第2出射端面320bは、互いに同じ方向を向く。図示する例において、第1発光素子320Aから出射される光と第2発光素子320Bから出射される光の光軸は、互いに平行であり得る。また、第1出射端面320aと第2出射端面320bは、互いに平行であり得る。なお、ここでの「平行」とは、±5°の誤差を許容するものとする。第1発光素子320Aから出射される光の光軸方向(第1方向X)において、第1出射端面320aと第2出射端面320bとの距離は、例えば50μm以下であり得る。また、第1出射端面320a及び第2出射端面320bは、例えば、枠部213の1つの内側面又は1つの外側面と平行/垂直であり得る。
【0106】
第2発光素子320Bの第2出射端面320bと交わる側面の一方は、第1発光素子320Aの第1出射端面320aと交わる側面の一方と対向する。第2発光素子320Bの第2出射端面320bと交わる2つの側面、及び第1発光素子320Aの第1出射端面320aと交わる2つの側面は、例えば、上面視で、第1方向Xと平行である。
【0107】
第1方向Xにおいて、第1発光素子320Aの長さ及び第2発光素子320Bの長さは、第2上側金属部331Bの長さよりも短い。また、第1方向Xにおいて、第1発光素子320Aと第2発光素子320Bの長さの差は、50μm以下である。第1方向Xにおいて、第1上側金属部331Aの第1反射部材340A側の側面と、第2上側金属部331Bの第2反射部材340B側の側面との間の距離は、100μm以下である。また、第1方向Xにおいて、第1上側金属部331Aの第1反射部材340Aと反対側の側面と、第2上側金属部331Bの第2反射部材340Bと反対側の側面との距離は200μm以上である。
【0108】
複数の上側金属部331を囲む金属膜361において、複数の反射部材340と反対側に位置する部分の金属膜361は、第2上側金属部331B側に突出する凸部が設けられる。金属膜361の凸部は、第2方向Yにおいて第2上側金属部331B側に設けられる。金属膜361の凸部の直下に、前述の第4ビア配線334Vが設けられる。
【0109】
第1反射部材340A及び第2反射部材340Bは、基部211Aの上面211aに設けられた金属膜361に配置される。例えば、第1反射部材340A及び第2反射部材340Bは下面側に金属膜を有し、この金属膜と金属膜361とが、例えば金属接着剤を介して接合される。この接合に用いる金属接着剤としては、例えばAuSnが挙げられる。
【0110】
第1反射部材340Aは、第1発光素子320Aの側方に配置される。さらに詳細には、第1反射部材340Aは、反射面340aが第1発光素子320Aの第1出射端面320aに向くように配置される。第2反射部材340Bは、第2発光素子320Bの側方に配置される。さらに詳細には、第2反射部材340Bは、反射面340bが第2発光素子320Bの第2出射端面320bに向くように配置される。反射面340bは、第1反射部材340Aの反射面340aと同じ方向を向く。第1反射部材340A及び第2反射部材340Bは、長手方向を第1方向Xに向けて互いに離隔して配置されている。反射面340bは、第2発光素子320Bの第2出射端面320bから出射された光を上方に反射する。
【0111】
第2上側金属部331Bは、第2反射部材340Bを向く側面331dを有する。側面331dは、第2出射端面320bと同じ方向を向く。第2上側金属部331Bは、第1上側金属部331Aと、光軸方向に垂直な方向(第2方向Y)において互いに離隔している。側面331dは、第1上側金属部331Aの側面331cと平行であり得る。第1方向Xにおいて、側面331cと側面331dとの間の距離は50μm以下であり得る。
【0112】
図12に示すように、発光素子220の上面にその一端が接合する配線270の他端が、第2上側金属部331Bの上面331bに接合される。例えば複数の配線270が第2上側金属部331Bに接合され、図示する例では、3つの配線270が接合される。また、第1反射部材340A及び第2反射部材340Bが配置される金属膜361の上面には、第2発光素子320Bの上面にその一端が接合される配線270が接合される。例えば複数の配線270が金属膜361の上面に接合され、図示する例では、3つの配線270が接合される。さらに、金属膜361の上面には、保護素子250に電気的に接続する配線270が接合される。このように、保護素子250と電気的に接続する配線270が、第2上側金属部331Bではなく、金属膜361に接合される。このように接合することにより、電気的に直列に接続している2つの発光素子320に対し、保護素子250が並列に接続するため、順方向バイアス、逆方向バイアスのいずれの印加電流においても、2つの発光素子320を保護することができる。
【0113】
図14に示すように、第3下側金属部332Cの少なくとも一部は、下面視で、第1発光素子320A及び第2発光素子320Bと重なる。第3下側金属部332Cは、下面視で、第1発光素子320A及び第2発光素子320B全体と重なることが好ましい。このように第1発光素子320A及び第2発光素子320Bからの熱を第3下側金属部332Cでまとめて放熱することができる。また、第1下側金属部332A及び第2下側金属部332Bは、下面視で、第1発光素子320A及び第2発光素子320Bと重ならない。
【0114】
図15に示すように、第1方向Xにおいて、第2出射端面320bから、反射面340bの第2出射端面320bに最も近い点P3までの距離L4は、第3方向Zにおける第2上側金属部331Bの厚さT4以下である。距離L4は、例えば、第1実施形態における距離L1と同じである。このようにすることで、発光装置200の場合と同様に、第2発光素子320Bから出射された光の主要部分が基部211Aの上面211aに照射されることを抑制することができる。また、発光装置300を第1方向Xにおいて小型化することができる。
【0115】
第1実施形態に係る発光素子220の場合と同様に、第2実施形態に係る複数の発光素子320のそれぞれは、第1方向Xにおいて、出射端面が、各上側金属部の反射部材側の側面よりも反射部材340側に突出してもよい。あるいは、第1方向Xにおいて、各上側金属部の反射部材側の側面が出射端面よりも反射部材側に配置されてもよい。
【0116】
第1発光素子320Aから出射される光のうち、主要部分の光は、側方に進行し、第1反射部材340Aの反射面340aに入射する。反射面340aに入射した光は、第1反射部材340Aの上方に反射され、上部214の光透過領域を透過して発光装置300の外部に出射される。同様に、第2発光素子320Bから出射される光のうち、主要部分の光は、側方に進行し、第2反射部材340Bの反射面340bに入射する。反射面340bに入射した光は、第2反射部材340Bの上方に反射され、上部214の光透過領域を透過して発光装置300の外部に出射される。
【0117】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る発光モジュールは、第1実施形態で示した複数の発光装置と、第2方向Yに並ぶ複数の配線パターンが設けられた配線基板とを備えている。複数の発光装置は、第2方向Yに並べて配置されている。
図16から
図18を参照して、第3実施形態に係る発光モジュール400の構造例を説明する。
【0118】
図16は、第3実施形態に係る発光モジュール400を例示する上面図である。
図17は、
図16に示す発光モジュール400の各発光装置から蓋部を取り除いた状態の上面図である。
図18は、
図16に示す発光モジュール400を構成する配線基板410を例示する上面図である。
【0119】
図16及び
図17に示すように、本実施形態に係る発光モジュール400は、配線基板410と、発光装置200A~200Eとを備える。発光装置200A~200Eは、便宜上別符号としているが、第1実施形態に係る発光装置200と同一仕様の発光装置である。配線基板410上において、発光装置200A~200Eは第2方向Yに並べて配置されている。なお、配線基板410上に配置される発光装置の個数は5個には限定されない。
【0120】
図18に示すように、配線基板410の上面には、第2方向Yに並ぶ配線パターン420A~420Eが設けられている。配線パターン420A~420Eは、発光装置200A~200Eのそれぞれの下側金属部232に接続される3つのパッドを備える。配線パターン420A~420Eのそれぞれにおいて、下側金属部232の第1下側金属部232Aと接続されるパッドを高密度のドットパターンで、第2下側金属部232Bと接続されるパッドを低密度のドットパターンで、第3下側金属部232Cと接続されるパッドをドットパターンなしで示している。配線パターン420A~420Eのうち第2方向Yに隣接して配置される配線パターンにおいて、第1下側金属部232Aと接続されるパッドと第2下側金属部232Bと接続されるパッドとは、配線430を介して電気的に接続されている。
【0121】
配線パターン420Aを構成するパッド421Aは、発光装置200Aの下側金属部232の第1下側金属部232Aと接続されるパッドである。パッド421Aは、配線441を介して外部電極451と電気的に接続されている。また、配線パターン420Eを構成するパッド421Eは、発光装置200Eの下側金属部232の第2下側金属部232Bと接続されるパッドである。パッド421Eは、配線442を介して外部電極452と電気的に接続されている。
【0122】
このように、発光装置200A~200Eは、外部電極451と外部電極452との間に直列に接続されている。外部電極451と外部電極452との間に電圧を印加することにより、発光装置200A~200Eを同時に発光させることができる。
【0123】
発光装置200A~200Eでは、第1下側金属部232Aと第2下側金属部232Bを第2方向Yに所定間隔で隣接する位置に配置している。そのため、発光装置200A~200Eが互いに直列に接続されるようなパターンを配線基板410上に小面積で形成することができる。その結果、発光モジュール400を小型化することができる。なお、ここまで配線基板410に発光装置200を配置する形態を説明したが、同様に第2実施形態に係る発光装置300を配置することができる。
【0124】
<第3実施形態の変形例>
第3実施形態の変形例に係る発光モジュールは、第1実施形態で示した複数の発光装置と、第2方向Yに並ぶ複数の配線パターンが設けられた配線基板とを備えている。複数の発光装置は、第2方向Yに並べて配置されている。
図19から
図21を参照して、第3実施形態の変形例に係る発光モジュール400Aの構造例を説明する。
【0125】
図19は、第3実施形態の変形例に係る発光モジュール400Aを例示する上面図である。
図20は、
図19に示す発光モジュール400Aの各発光装置から蓋部を取り除いた状態の上面図である。
図21は、
図19に示す発光モジュール400Aを構成する配線基板410Aを例示する上面図である。
【0126】
図19及び
図20に示すように、本実施形態に係る発光モジュール400Aは、配線基板410Aと、発光装置200A~200Jとを備える。発光装置200A~200Jは、便宜上別符号としているが、第1実施形態に係る発光装置200と同一仕様の発光装置である。配線基板410A上において、発光装置200A~200Eは第2方向Yに並べて配置されている。また、発光装置200F~200Jは第2方向Yに並べて配置されている。発光装置200Aと200J、発光装置200Bと200I、発光装置200Cと200H、発光装置200Dと200G、発光装置200Eと200Fは、それぞれ第1方向Xに並べて配置されている。なお、配線基板410A上に配置される発光装置の個数は10個には限定されない。また、発光装置は、第1方向Xに3個以上に並べて配置されてもよい。
【0127】
図21に示すように、配線基板410Aの上面には、第2方向Yに並ぶ配線パターン420A~420Eが設けられている。また、配線基板410Aの上面には、第2方向Yに並ぶ配線パターン420F~420Jが設けられている。配線パターン420Aと420J、配線パターン420Bと420I、配線パターン420Cと420H、配線パターン420Dと420G、配線パターン420Eと420Fは、それぞれ第1方向Xに並べて配置されている。
【0128】
配線パターン420A~420Jは、発光装置200A~200Jのそれぞれの下側金属部232に接続される3つのパッドを備える。配線パターン420A~420Jのそれぞれにおいて、下側金属部232の第1下側金属部232Aと接続されるパッドを高密度のドットパターンで、第2下側金属部232Bと接続されるパッドを低密度のドットパターンで、第3下側金属部232Cと接続されるパッドをドットパターンなしで示している。
【0129】
配線パターン420A~420Eのうち第2方向Yに隣接して配置される配線パターンにおいて、第1下側金属部232Aと接続されるパッドと第2下側金属部232Bと接続されるパッドとは、配線430を介して電気的に接続されている。また、配線パターン420F~420Jのうち第2方向Yに隣接して配置される配線パターンにおいて、第1下側金属部232Aと接続されるパッドと第2下側金属部232Bと接続されるパッドとは、配線430を介して電気的に接続されている。また、配線パターン420Eにおける第2下側金属部232Bと接続されるパッドと、配線パターン420Fにおける第1下側金属部232Aと接続されるパッドとは、配線430を介して電気的に接続されている。
【0130】
配線パターン420Aを構成するパッド421Aは、発光装置200Aの下側金属部232の第1下側金属部232Aと接続されるパッドである。パッド421Aは、配線441を介して外部電極451と電気的に接続されている。また、配線パターン420Jを構成するパッド421Jは、発光装置200Jの下側金属部232の第2下側金属部232Bと接続されるパッドである。パッド421Jは、配線442を介して外部電極452と電気的に接続されている。
【0131】
このように、発光装置200A~200Jは、外部電極451と外部電極452との間に直列に接続されている。外部電極451と外部電極452との間に電圧を印加することにより、発光装置200A~200Jを同時に発光させることができる。
【0132】
発光装置200A~200Eでは、第1下側金属部232Aと第2下側金属部232Bを第2方向Yに所定間隔で隣接する位置に配置している。そのため、発光装置200A~200Eが互いに直列に接続されるようなパターンを配線基板410上に小面積で形成することができる。また、発光装置200F~200Jでは、第1下側金属部232Aと第2下側金属部232Bを第2方向Yに所定間隔で隣接する位置に配置している。そのため、発光装置200F~200Jが互いに直列に接続されるようなパターンを配線基板410上に小面積で形成することができる。
【0133】
また、第2下側金属部232Bと第1下側金属部232Aとが互いに向き合うように発光装置200Eと発光装置200Fを第1方向Xに並べて配置することで、発光装置200Eの第2下側金属部232Bと発光装置200Fの第1下側金属部232Aを配線基板410上の短い配線430で容易に接続することができる。その結果、発光装置200A~200Jを容易に直列接続することができ、発光モジュール400Aを小型化することができる。なお、発光モジュール400Aにおいても、発光装置200にかわって発光装置300を配置することができる。
【0134】
発光装置200及び300並びに発光モジュール400及び400Aは、例えば、車載ヘッドライトに利用できる。また、発光装置200及び300並びに発光モジュール400及び400Aは、これに限らず、照明、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、その他ディスプレイのバックライト等の光源に利用できる。
【0135】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、前述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、前述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0136】
以上の実施形態に加えて、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
絶縁性を有する材料を含有する基部と、
前記基部の上面に設けられる上側金属部と、
前記上側金属部を介して前記基部の上面に配置され、出射端面から光を側方に出射する発光素子と、
前記基部の上面において前記上側金属部を介さずに前記発光素子の前記側方に配置され、前記光を上方に反射する反射面を備えた反射部材と、を有し、
前記上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、
前記出射端面に垂直な第1方向において、前記出射端面から前記反射面の前記出射端面に最も近い第1点までの距離は、前記基部の上面に垂直な第2方向における前記上側金属部の厚さ以下である、発光装置。
(付記2)
前記出射端面から前記反射面の第1点までの前記第1方向における距離は、250μm以下である、付記1に記載の発光装置。
(付記3)
前記上側金属部の前記反射部材側の側面と前記出射端面との前記第1方向の距離は、前記側面が前記出射端面よりも前記反射部材側に配置されるときには0μm以上30μm以下であり、前記出射端面が前記側面よりも前記反射部材側に配置されるときには0μm以上50μm以下である、付記1又は2に記載の発光装置。
(付記4)
前記第1方向において、前記出射端面は、前記上側金属部の前記側面よりも前記反射部材側に突出する、付記3に記載の発光装置。
(付記5)
前記反射面の一部は、前記上側金属部の上面よりも下方に位置し、前記出射端面から前記光の光軸よりも下方に向かって出射した光は、前記反射面の中点よりも上方において前記反射面には照射されない、付記1から4のいずれか1に記載の発光装置。
(付記6)
前記基部の下面には、1又は複数の下側金属部が設けられ、
前記下側金属部の厚さは、前記上側金属部の厚さに対して0.8倍以上1.2倍以下である、付記1から5のいずれか1に記載の発光装置。
に記載の発光装置。
(付記7)
前記第2方向における、前記上側金属部と前記下側金属部の厚さの合計は、前記基部の厚さより大きい、付記6に記載の発光装置。
(付記8)
前記反射部材の直下に設けられ、前記第2方向において、その厚さが前記上側金属部の厚さの1/3よりも薄い金属膜をさらに有し、
上面視で、前記金属膜は、前記上側金属部と離隔して設けられ、
前記金属膜の上面には、前記発光素子に電気的に接続するワイヤが接合される、付記6又は7に記載の発光装置。
(付記9)
前記金属膜は、その少なくとも一部が、前記上側金属部の前記反射部材側の側面より前記第1方向の負方向側に位置する、付記8に記載の発光装置。
(付記10)
前記金属膜に接続し、前記基部を貫通する貫通孔に設けられる第1ビア配線と、
前記上側金属部に接続し、前記基部を貫通する貫通孔に設けられる第2ビア配線と、をさらに有し、
前記第1ビア配線と前記金属膜との第1接続箇所は、上面視で前記反射部材と重なり、
前記第2ビア配線と前記上側金属部との第2接続箇所は、上面視で前記発光素子と重ならない、付記8に記載の発光装置。
(付記11)
前記複数の下側金属部は、前記第1ビア配線に接続する第1下側金属部、及び前記第2ビア配線に接続する第2下側金属部を有し、
下面視で、前記第2下側金属部は前記第1方向に延伸し、
前記第1下側金属部と前記第2下側金属部は、前記第1方向に垂直、かつ前記第2方向に垂直な第3方向において互いに離隔する、付記10に記載の発光装置。
(付記12)
前記複数の下側金属部は、第3下側金属部をさらに有し、
前記第3下側金属部は、前記第1下側金属部と前記第1方向において離隔し、前記第2下側金属部と前記第3方向において離隔し、
前記第1方向において、前記第2下側金属部は、前記第1下側金属部及び前記第3下側金属部よりも長い付記11に記載の発光装置。
(付記13)
前記第1下側金属部の少なくとも一部は、下面視で、前記反射部材と重なり、
前記第2下側金属部は、下面視で、前記反射部材と重ならず、
前記第3下側金属部の少なくとも一部は、下面視で、前記発光素子と重なる、付記12に記載の発光装置。
(付記14)
前記基部の上面に配置される第2発光素子と、
前記第2発光素子の第2出射端面から側方に出射された光を上方に反射する第2反射部材と、
前記上側金属部と離隔し、前記第2発光素子が配置される第2上側金属部と、をさらに備え、
前記第2上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、
前記第1方向において、前記第2出射端面から前記第2反射部材の反射面の前記第2出射端面に最も近い点までの距離は、前記第2方向における前記第2上側金属部の厚さ以下である、付記1から13のいずれか1に記載の発光装置。
(付記15)
複数の付記11に記載の発光装置と、
前記第3方向に並ぶ複数の配線パターンが設けられた配線基板と、を備え、
複数の前記発光装置が前記第3方向に並べて配置された、発光モジュール。
【符号の説明】
【0137】
200,200A~200J,300 発光装置
211,211A 基部
211a 上面
211b 下面
212 蓋部
213 枠部
213a 上面
213b 下面
214 上部
214a 上面
214b 下面
220 発光素子
220a 出射端面
231 上側金属部
231a 上面
231c 側面
232 下側金属部
232A 第1下側金属部
232B 第2下側金属部
232C 第3下側金属部
233,234 貫通孔
233V 第1ビア配線
234V 第2ビア配線
240 反射部材
240a 反射面
250 保護素子
261,262 金属膜
263 金属接着剤
270 配線
320A 第1発光素子
320a 第1出射端面
320B 第2発光素子
320b 第2出射端面
331A 第1上側金属部
331a 上面
331c 側面
331B 第2上側金属部
331b 上面
331d 側面
333,334 貫通孔
333V 第3ビア配線
334V 第4ビア配線
340A 第1反射部材
340a 反射面
340B 第2反射部材
340b 反射面
361 金属膜
363 金属接着剤
400,400A 発光モジュール
410,410A 配線基板
420A~420J 配線パターン
421A,421E,421J パッド
430,441,442 配線
451,452 外部電極
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有する材料を含有する基部と、
前記基部の上面に設けられる上側金属部と、
前記上側金属部を介して前記基部の上面に配置され、出射端面から光を側方に出射する発光素子と、
前記基部の上面において前記上側金属部を介さずに前記発光素子の前記側方に配置され、前記光を上方に反射する反射面を備えた反射部材と、を有し、
前記上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、
前記出射端面から、前記出射端面に垂直な第1方向において、前記反射面の前記出射端面に最も近い第1点までの、前記第1方向の距離は、前記基部の上面に垂直な第2方向における前記上側金属部の厚さ以下であり、
前記基部の下面には、1又は複数の下側金属部が設けられ、
前記第2方向における、前記上側金属部と前記下側金属部の厚さの合計は、前記基部の厚さより大きい、発光装置。
【請求項2】
前記上側金属部の前記反射部材側の側面と前記出射端面との前記第1方向の距離は、前記側面が前記出射端面よりも前記反射部材側に配置されるときには0μm以上30μm以下であり、前記出射端面が前記側面よりも前記反射部材側に配置されるときには0μm以上50μm以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1方向において、前記出射端面は、前記上側金属部の前記側面よりも前記反射部材側に突出する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記反射面の一部は、前記上側金属部の上面よりも下方に位置し、前記出射端面から前記光の光軸よりも下方に向かって出射した光は、前記反射面の中点よりも上方において前記反射面には照射されない、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記下側金属部の厚さは、前記上側金属部の厚さに対して0.8倍以上1.2倍以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記反射部材の直下に設けられ、前記第2方向において、その厚さが前記上側金属部の厚さの1/3よりも薄い金属膜をさらに有し、
上面視で、前記金属膜は、前記上側金属部と離隔して設けられ、
前記金属膜の上面には、前記発光素子に電気的に接続するワイヤが接合される、請求項1又は5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記金属膜は、その少なくとも一部が、前記上側金属部の前記反射部材側の側面より前記第1方向の負方向側に位置する、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記金属膜に接続し、前記基部を貫通する貫通孔に設けられる第1ビア配線と、
前記上側金属部に接続し、前記基部を貫通する貫通孔に設けられる第2ビア配線と、をさらに有し、
前記第1ビア配線と前記金属膜との第1接続箇所は、上面視で前記反射部材と重なり、
前記第2ビア配線と前記上側金属部との第2接続箇所は、上面視で前記発光素子と重ならない、請求項6に記載の発光装置。
【請求項9】
前記複数の下側金属部は、前記第1ビア配線に接続する第1下側金属部、及び前記第2ビア配線に接続する第2下側金属部を有し、
下面視で、前記第2下側金属部は前記第1方向に延伸し、
前記第1下側金属部と前記第2下側金属部は、前記第1方向に垂直、かつ前記第2方向に垂直な第3方向において互いに離隔する、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記複数の下側金属部は、第3下側金属部をさらに有し、
前記第3下側金属部は、前記第1下側金属部と前記第1方向において離隔し、前記第2下側金属部と前記第3方向において離隔し、
前記第1方向において、前記第2下側金属部は、前記第1下側金属部及び前記第3下側金属部よりも長い請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1下側金属部の少なくとも一部は、下面視で、前記反射部材と重なり、
前記第2下側金属部は、下面視で、前記反射部材と重ならず、
前記第3下側金属部の少なくとも一部は、下面視で、前記発光素子と重なる、請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記基部の上面に配置される第2発光素子と、
前記第2発光素子の第2出射端面から側方に出射された光を上方に反射する第2反射部材と、
前記上側金属部と離隔し、前記第2発光素子が配置される第2上側金属部と、をさらに備え、
前記第2上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、
前記第1方向において、前記第2出射端面から前記第2反射部材の反射面の前記第2出射端面に最も近い点までの距離は、前記第2方向における前記第2上側金属部の厚さ以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
複数の請求項9に記載の発光装置と、
前記第3方向に並ぶ複数の配線パターンが設けられた配線基板と、を備え、
複数の前記発光装置が前記第3方向に並べて配置された、発光モジュール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本開示の一実施形態に係る発光装置は、絶縁性を有する材料を含有する基部と、前記基部の上面に設けられる上側金属部と、前記上側金属部を介して前記基部の上面に配置され、出射端面から光を側方に出射する発光素子と、前記基部の上面において前記上側金属部を介さずに前記発光素子の前記側方に配置され、前記光を上方に反射する反射面を備えた反射部材と、を有し、前記上側金属部の厚さは、150μm以上250μm以下であり、前記出射端面から、前記出射端面に垂直な第1方向において、前記反射面の前記出射端面に最も近い第1点までの、前記第1方向の距離は、前記基部の上面に垂直な第2方向における前記上側金属部の厚さ以下であり、前記基部の下面には、1又は複数の下側金属部が設けられ、前記第2方向における、前記上側金属部と前記下側金属部の厚さの合計は、前記基部の厚さより大きい。