(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024038693
(43)【公開日】2024-03-21
(54)【発明の名称】データの解析結果を表示するユーザ端末、ユーザ端末用のプログラム、およびユーザ端末と通信するサーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 16/904 20190101AFI20240313BHJP
【FI】
G06F16/904
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142917
(22)【出願日】2022-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 穂高
(72)【発明者】
【氏名】外海 駿輔
(72)【発明者】
【氏名】中西 由衣
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 啓介
(72)【発明者】
【氏名】藤間 淳
(72)【発明者】
【氏名】前田 龍太
(72)【発明者】
【氏名】板倉 宏樹
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175FB04
5B175JA02
(57)【要約】
【課題】データの解析結果を図表で表示するシステムにおいて、ある条件設定に基づいて表示されている図表について、当該条件設定の一部のみを変更した図表を簡易に追加できるインターフェースを提供する。
【解決手段】ユーザ端末は、ユーザによる複数種類の解析条件に関する設定操作に応じて、複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する。そして、取得した第1の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイにビューV1として表示させ、ユーザがビューV1を対象とするコピー操作を行ったとき、第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイにビューV2として第1のビューと共に表示させ、更に、ユーザが第2の設定値セットの一部を変更する操作があったとき、変更後の第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解析対象データ(12b)を取得して解析を行うサーバ(1)から解析結果を受信するユーザ端末であって、
ユーザに画像を表示するディスプレイ(23)と
前記ユーザの操作を受け付ける操作デバイス(24)と、
制御回路(25)と、を備え、
前記制御回路は、
前記ユーザが前記操作デバイスに対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)と、
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320、S420、S520)と、を有し、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、ユーザ端末。
【請求項2】
前記設定値取得部は、前記第1の設定値セットの一部として、前記複数種類の解析条件のうち1種類の解析条件について同時に複数個の設定値を受け付け可能であり、
前記ビュー表示部は、前記第1の設定値セットに応じた解析結果として、前記複数個の設定値にそれぞれ対応した複数個の図表を前記第1のビューに含める、請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項3】
前記第1のビューは、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含み、
前記設定値取得部は、前記能動学習で選ばれる新たな学習対象の候補を表形式で表す候補設定部(67)を前記ディスプレイに表示させると共に、前記表形式の表示中の個々のセルに対して前記ユーザが値を設定することを可能とし、更に、当該設定値取得部の機能とは別の機能によって作成された表を、前記表形式の表示に一括で反映させることを可能とする、請求項1または2に記載のユーザ端末。
【請求項4】
前記第1のビューは、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含み、
前記第1の設定値セットは、前記ガウス過程回帰に用いられる説明変数について前記ガウス過程回帰に使用する新たな学習対象の候補となる値の探索範囲を示す値を含み、
前記設定値取得部は、前記ユーザが前記ガウス過程回帰に用いられる説明変数を指定すると、前記説明変数の前記探索範囲を示す値を、前記ガウス過程回帰で既に用いられている学習データにおける前記説明変数の値に基づいて設定する、請求項1または2に記載のユーザ端末。
【請求項5】
前記第1のビューは、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含み、
前記第1の設定値セットに対しては、前記ガウス過程回帰に用いられる複数の説明変数が設定可能であり、
前記設定値取得部は、前記能動学習で選ばれる新たな学習対象の候補を表形式で表す候補設定部(67)を前記ディスプレイに表示させると共に、前記表形式において、複数の行または複数の列である複数の一次元セル並びにそれぞれ前記複数の説明変数を対応させ、前記ユーザの操作により前記複数個の説明変数の数が変化すると、前記複数の一次元セル並びの数を同様に変化させる、請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項6】
前記第1のビューは、回帰、分類、統計的因果探索、ガウス過程回帰、能動学習、統計量一覧、散布図、ヒストグラム、ペアプロット、およびヒートマップのうち1つ以上の図表を含み、前記1つ以上の図表の内部の表示形態は、前記ユーザの操作によってインタラクティブに変更可能である、請求項1または2に記載のユーザ端末。
【請求項7】
前記第1のビューは、前記操作デバイスに対する前記ユーザの操作に応じて前記ディスプレイの1ピクセル単位で移動可能となっている、請求項1または2に記載のユーザ端末。
【請求項8】
前記ビュー表示部は、Webブラウザとして機能し、前記Webブラウザの表示範囲内に前記第1のビューを表示する、請求項1または2に記載のユーザ端末。
【請求項9】
前記第1の設定値セットに対応する前記解析結果は、材料開発支援における材料の解析の結果である、請求項1または2に記載のユーザ端末。
【請求項10】
解析対象データ(12b)を取得して解析を行うサーバ(1)から解析結果を受信するユーザ端末に用いるプログラムであって、
ユーザが操作デバイス(24)に対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)、および
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイ(23)に第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320,S420、S520)として、前記ユーザ端末を機能させ、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、プログラム。
【請求項11】
ユーザ端末(1)と通信するサーバであって、
前記ユーザ端末と通信するための通信インターフェース回路(11)と、
解析対象データ(12b)を記憶する記憶媒体(12)と、
前記解析対象データに対して解析を行い、解析結果を前記通信インターフェース回路を用いて前記ユーザ端末に送信する制御回路(13)と、を備え、
前記記憶媒体(12)は、前記ユーザ端末で実行されるためのプログラム(12a)を記憶しており、
前記制御回路は、前記通信インターフェース回路を用いて前記プログラムを前記ユーザ端末に送信し、
前記プログラムは、前記ユーザ端末を、
ユーザが操作デバイス(24)に対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)、および
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイ(23)に第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320,S420、S520)として機能させ、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの解析結果を表示するユーザ端末、ユーザ端末用のプログラム、およびユーザ端末と通信するサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、データの解析結果を図表(例えば、グラフ、表)で表示するシステムが記載されている。このシステムは、表示される図表のレイアウトは、あらかじめシステムで定められおり、ユーザの操作で変更することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、データの解析結果を図表で表示するシステムにおいて、ユーザが図表のレイアウトを変更可能とすることを検討した。そしてその際、ある条件設定に基づいて表示されている図表について、当該条件設定の一部のみを変更した図表を追加したい場合があることを着想した。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、データの解析結果を図表で表示するシステムにおいて、ある条件設定に基づいて表示されている図表について、当該条件設定の一部のみを変更した図表を簡易に追加できるインターフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
解析対象データ(12b)を取得して解析を行うサーバ(1)から解析結果を受信するユーザ端末であって、
ユーザに画像を表示するディスプレイ(23)と
前記ユーザの操作を受け付ける操作デバイス(24)と、
制御回路(25)と、を備え、
前記制御回路は、
前記ユーザが前記操作デバイスに対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)と、
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320、S420、S520)と、を有し、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、ユーザ端末。
【0007】
また、請求項10に記載の発明は、解析対象データ(12b)を取得して解析を行うサーバ(1)から解析結果を受信するユーザ端末に用いるプログラムであって、
ユーザが操作デバイス(24)に対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)、および
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイ(23)に第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320,S420、S520)として、前記ユーザ端末を機能させ、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、プログラムである。
【0008】
また、請求項11に記載の発明は、
ユーザ端末(1)と通信するサーバであって、
前記ユーザ端末と通信するための通信インターフェース回路(11)と、
解析対象のデータ(12b)を記憶する記憶媒体(12)と、
前記データに対して解析を行い、解析結果を前記通信インターフェース回路を用いて前記ユーザ端末に送信する制御回路(13)と、を備え、
前記記憶媒体(12)は、前記ユーザ端末で実行されるためのプログラム(12a)を記憶しており、
前記制御回路は、前記インターフェース回路を用いて前記プログラムを前記ユーザ端末に送信し、
前記プログラムは、前記ユーザ端末を、
ユーザが操作デバイス(24)に対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)、および
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイ(23)に第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320,S420、S520)として機能させ、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、サーバ。
【0009】
このようになっていることで、ある条件設定に基づいて表示されている図表について、当該条件設定の一部のみを変更した図表を追加するために、コピー操作と第2の設定値セットの一部を変更する操作を行うことになる。したがって、第2の設定値セットの全部を設定する場合に比べて、操作が簡易となる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】サーバとユーザ端末の機能構成を示す図である。
【
図8】ビュー未表示状態にある解析結果表示画面の一例を示す図である。
【
図9】解析結果未表示状態にある解析結果表示画面の一例を示す図である。
【
図11】ビュー表示中に実行される処理のフローチャートである。
【
図12】解析条件設定画面の表示中に実行されるフローチャートである。
【
図13】解析結果表示済状態にある解析結果表示画面の一例を示す図である。
【
図14】ビュー表示中に実行されてビューをコピーする処理のフローチャートである。
【
図15】コピーで図表が追加された状態のビューを示す図である。
【
図16】コピーで追加された図表の表示内容が変更された状態を示す図である。
【
図17】2種類の解析条件の各々に2個の設定値が設定された場合に表示される図表を示す図である。
【
図18】ビュー表示中に実行されてビューを移動する処理のフローチャートである。
【
図19】ビュー表示中に実行されて図表をインタラクティブに操作する処理のフローチャートである。
【
図20】ランダムモードが選択された場合のガウス過程回帰用の解析条件設定画面を示す図である。
【
図21】ランダムモードが選択された場合のガウス過程回帰用の解析条件設定画面の表示中に実行される処理のフローチャートである。
【
図22】ユーザ定義モードが選択された場合のガウス過程回帰用の解析条件設定画面を示す図である。
【
図23】ユーザ定義モードが選択された場合のガウス過程回帰用の解析条件設定画面の表示中に実行される処理のフローチャートである。
【
図24】ガウス過程回帰の解析結果を示す図表である。
【
図26】統計的因果探索の結果を示すネットワーク図である。
【
図31】回帰の結果を2次元グラフと棒グラフで示す図である。
【
図32】複数のビューが1つのキャンバス内に配置された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一実施形態について説明する。本実施形態に係る材料解析システムは、
図1に示すように、サーバ1、ユーザ端末2を有している。これらサーバ1、ユーザ端末2は、通信ネットワーク4を介して互いに通信可能となっている。通信ネットワーク4は、インターネット等の広域ネットワークを含んでいてもよい。また、通信ネットワーク4は、有線のネットワークを含んでいてもよいし、無線のネットワークを含んでいてもよい。
【0013】
複数のユーザ端末2の各々は、ユーザの操作に従って、通信ネットワーク4を介してサーバ1と通信する。各ユーザ端末2は、その通信において、あるときには材料開発支援のための材料に関する実験データをサーバ1に送信し、またあるときには、既にサーバ1に登録されている材料に関する実験データに基づく解析結果をサーバ1から取得してユーザに表示する。実験データが示す実験の種類としては、例えば、X線分光測定、X線回折測定、赤外線分光測定、X線撮像、赤外線撮像、顕微鏡撮像等があるが、これらに限定されない。実験データは、解析対象データに対応する。
【0014】
サーバ1は、複数のユーザ端末2から送信された実験データを受信し、受信したこれら実験データを用いた解析を行う材料解析サーバである。解析としては、機械学習(例えばディープラーニング)等が用いられる。そしてサーバ1は、複数のユーザ端末2のいずれかから通信ネットワーク4を介して送信されたリクエスト等に応じて、解析結果を当該ユーザ端末2に送信する。当該ユーザ端末2は、受信した解析結果を上述の通りユーザ端末3の操作者にディスプレイで表示する。
【0015】
サーバ1は、
図2に示すように、通信インターフェース回路11、記憶媒体12、制御回路13を有する。通信インターフェース回路11は、通信ネットワーク4を介してユーザ端末2と通信するためのインターフェース回路である。
【0016】
記憶媒体12は、SSD、HDD等の不揮発性の記憶媒体である。記憶媒体12には、制御回路13で実行されるプログラムが記録されている。また、記憶媒体12には、制御回路13によってデータの読み込み、書き込みが可能となっている。記憶媒体12は、非遷移的実体的記憶媒体である。
【0017】
制御回路13は、演算回路、RAM等の揮発性記憶媒体等を有する回路である。演算回路は、記憶媒体12に記録された各種プログラムを実行することで種々の処理を実現し、その際に揮発性記憶媒体を作業領域として使用する。揮発性記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。
【0018】
図3に示すように、各ユーザ端末2は、通信インターフェース回路21、記憶媒体22、ディスプレイ23、操作デバイス24、および制御回路25を有している。通信インターフェース回路21は、通信ネットワーク4を介してサーバ1と通信するためのインターフェース回路である。
【0019】
記憶媒体22は、SSD、HDD等の不揮発性の記憶媒体である。記憶媒体22には、制御回路25で実行されるプログラムが記録されている。また、記憶媒体22には、制御回路25によってデータの読み込み、書き込みが可能となっている。記憶媒体22は、非遷移的実体的記憶媒体である。
【0020】
ディスプレイ23は、液晶ディスプレイ等の、ユーザに画像を表示するデバイスである。ディスプレイ23は、制御回路25の制御に従って、画像を表示する。操作デバイス24は、キーボード、マウス、タッチパネル等の、ユーザの操作を受け付けて、受け付けた操作の内容に応じた信号を制御回路25に出力するデバイスである。
【0021】
制御回路25は、演算回路、RAM等の揮発性記憶媒体等を有する回路である。演算回路は、記憶媒体22等に記録された各種プログラムを実行することで種々の処理を実現し、その際に揮発性記憶媒体を作業領域として使用する。揮発性記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。
【0022】
図4に示すように、サーバ1の制御回路13は、Webサービス部13aおよびバックエンド部13bとして機能する。具体的には、制御回路13は、記憶媒体12に記録された不図示のWebサービスプログラムおよびバックエンドプログラムを実行することで、それぞれ、Webサービス部13aおよびバックエンド部13bとして機能する。ただし、他の例として、制御回路13は、Webサービス部13a用の専用回路およびバックエンド部13b用の専用回路を有していてもよい。その場合、これら専用回路は、回路構成がプログラム不可能なハードウェア回路であってもよいし、回路構成がプログラム可能なプログラマブルロジック回路であってもよい。
【0023】
また、ユーザ端末2の制御回路25は、クライアント部25a等として機能する。具体的には、制御回路25は、記憶媒体22に記録された不図示のクライアントプログラムを実行することで、クライアント部25aとして機能する。ただし、他の例として、制御回路25は、クライアント部25a用の専用回路を有していてもよい。その場合、この専用回路は、回路構成がプログラム不可能なハードウェア回路であってもよいし、回路構成がプログラム可能なプログラマブルロジック回路であってもよい。
【0024】
ユーザ端末2のクライアント部25aは、Webブラウザとして機能し、ディスプレイ23の表示画面全体のうち、Webブラウザの表示範囲内(すなわち、Webブラウザのウインドウの枠内)に、以下説明するキャンバス、ビュー等の表示を行う。具体的には、クライアント部25aは、操作デバイス24に対するユーザの操作に応じて、HTTPプロトコルに従い、サーバ1にリクエストを送信する。そして、そのリクエストに応じたレスポンス(例えばHTMLソースコード等)を受信し、受信したレスポンスに応じた表示(例えばHTMLソースコード等に従った表示)をディスプレイ23に行わせる。
【0025】
Webサービス部13aは、Webサーバとして機能する。Webサービス部13aは、ユーザ端末2のクライアント部25aからリクエストを受信すると、受信したリクエストに応じたレスポンスを取得する。レスポンスの取得は、あらかじめ記憶媒体12に記録されているものを読みだす場合も、リクエストに含まれる情報に基づいて作成する場合も、それらの複合的な場合も、ある。そしてWebサービス部13aは、取得したレスポンスを当該クライアント部25aに送信する。
【0026】
このようにしてWebサービス部13aからクライアント部25aに送信されるレスポンスには、上述のHTMLソースコード等のプログラムが含まれる。HTMLソースコード以外にレスポンスに含まれるプログラムとしては、Javascript(登録商標)コードがある。そのようなHTMLソースコード、Javascriptコード等のプログラムとしては、あらかじめサーバ1の記憶媒体12に記録されているUIプログラム12aがある。
【0027】
このUIプログラム12aは、Webサービス部13aによってレスポンスの一部としてクライアント部25aに送信される。そして、クライアント部25aは、WebブラウザおよびJavascriptインタープリタとして機能することで、受信したUIプログラム12aを実行する。すなわち、制御回路25は、UIプログラム12aを実行することで、クライアント部25aの一部を実現する。なお、HTMLはデータ記述言語であるが、そのソースコードは、クライアント部25aによる表示内容を規定するので、本明細書では、プログラムとしてカテゴライズする。また、UIプログラム12aには、CSS等の情報が含まれていてもよい。
【0028】
クライアント部25aは、UIプログラム12aを実行することで、後述するように、操作デバイス24に対するユーザの操作に応じて、通信インターフェース回路21を介してサーバ1のバックエンド部13bと通信し、ディスプレイ23に各種表示を行わせる。
【0029】
バックエンド部13bは、通信インターフェース回路11を介してクライアント部25aと通信することで、クライアント部25aから受信したリクエストに基づいて、解析等の各種処理を行う。例えば、記憶媒体12に記録された実験データ12bを用いて各種解析を行い、その解析結果をクライアント部25aに送信する。バックエンド部13bとクライアント部25aの間の通信には、例えば、周知のWebSocketの技術を用いてもよいし、他の技術を用いてもよい。
【0030】
以下、このような構成の材料解析システムの作動について説明する。まず、ユーザ端末2からサーバ1へ実験データ12bが登録される作動について説明し、次に、実験データ12bの解析結果がユーザ端末2に表示される作動について説明する。
【0031】
[実験データの登録]
まず、1つのユーザ端末2において、ユーザが操作デバイス24を操作して、所定の操作を行うと、その操作に基づいてクライアント部25aが、Webサービス部13aにリクエストを送信する。するとWebサービス部13aは、所定のデータ管理用のHTMLソースおよびJavascriptコードを含むレスポンスをクライアント部25aに送信する。HTMLソースもJavascriptコードも、制御回路25によって実行されるプログラムである。
【0032】
このレスポンスを受信したクライアント部25aは、受信したレスポンス中のHTMLソースおよびJavascriptコードの記述に従い、
図5に例示するようなデータ管理画面を、ディスプレイ23に表示させる。このデータ管理画面は、データ管理ボタンD1、解析ボタンD2、実験データリストD11、文字入力欄D12、フィルタ適用ボタンD13、データ登録ボタンD14を有している。データ管理ボタンD1、解析ボタンD2、フィルタ適用ボタンD13、データ登録ボタンD14は、ユーザが操作デバイス24を用いて選択可能なボタン画像である。
【0033】
データ管理ボタンD1が選択された場合は、クライアント部25aは、このデータ管理画面を要求するリクエストを、Webサービス部13aに送信する。具体的には、データ管理画面のURLを含むリクエストを、Webサービス部13aに送信する。
【0034】
解析ボタンD2が選択された場合は、クライアント部25aは、後述する解析画面を要求するリクエストを、Webサービス部13aに送信する。具体的には、解析画面のURLを含むリクエストを、Webサービス部13aに送信する。
【0035】
実験データリストD11は、サーバ1の記憶媒体12に記録されている複数個の実験データ12bをリスト形式で表す表である。複数個の実験データ12bの情報は、Webサービス部13aから受信したレスポンスに含まれている。
図5中の実験データリストD11における最初の行以外の各行が、1つの実験データ12bに対応する。
図5の例では、各実験につき、データの名称、このユーザが所有しているか否か、所有者、アクセス権限、変更日時、説明の情報が表示される。
【0036】
文字入力欄D12は、フィルタとして使用する文字列を入力可能な欄である。ユーザが操作デバイス24を用いて文字列(例えば「アルミ」)を入力し、更にフィルタ適用ボタンD13を選択すると、クライアント部25aは、当該文字列を名称に含む実験データ12bのみを実験データリストD11に表示する。
【0037】
データ登録ボタンD14が選択されると、クライアント部25aは、データ登録画面を要求するリクエストを、Webサービス部13aに送信する。具体的には、データ登録画面のURLを含むリクエストを、Webサービス部13aに送信する。
【0038】
するとWebサービス部13aは、データ登録画面を表示するためのHTMLソースを含むレスポンスをクライアント部25aに送信する。このレスポンスを受信したクライアント部25aは、受信したレスポンス中のHTMLソースの記述に従い、
図6に例示するようなデータ登録画面を、ディスプレイ23に表示させる。
【0039】
このデータ管理画面は、データ管理ボタンD1、解析ボタンD2、登録する実験データの名称が入力可能な名称入力欄D151、および、当該実験データの説明が入力可能な説明入力欄D152を含んでいる。またデータ管理画面は、当該実験データのファイルを記憶媒体22から選択可能なファイル選択欄D153、当該実験データのアクセス権限を設定可能なドロップダウンリストD154を含む。またデータ管理画面は、当該実験データの所有者、所有グループを選択的に設定も削除も可能な所有者選択欄D155、所有グループ選択欄D156、および、この管理画面で入力した設定を確定するためのセーブボタンD157を含む。
【0040】
ユーザは、操作デバイス24を用いて、登録したい実験データの付属情報を、これら名称入力欄D151、説明入力欄D152、ドロップダウンリストD154、所有者選択欄D155、所有グループ選択欄D156に、入力する。そしてユーザは、操作デバイス24を用いて、ファイル選択欄D153に対して、当該実験データを選択する操作を行う。そしてユーザは、操作デバイス24を用いて、セーブボタンD157を選択する。するとクライアント部25aは、入力された実験データの情報および当該実験データのファイルを含むリクエストを、Webサービス部13aに送信する。
【0041】
このリクエストを受信したWebサービス部13aは、受信した実験データ12bのファイルおよび付属情報を、記憶媒体12に記録する。このような作動の繰り返しにより、サーバ1の記憶媒体12には、複数の実験データ12bおよびそれらの付属情報が、登録される。
【0042】
[実験データの回帰による解析結果の表示]
次に、実験データの回帰による解析結果の表示について説明する。サーバ1の記憶媒体12に1つまたは複数の実験データ12bが保存されているときに、複数のユーザ端末2のうちいずれかに対して、ユーザが解析のための所定の操作を行ったとする。解析のための所定の操作としては、例えば、操作デバイス24を用いて上述の解析ボタンD2を選択する操作がある。
【0043】
するとWebサービス部13aは、所定のデータ解析開始用のHTMLソースおよびJavascriptコードを含むレスポンスをクライアント部25aに送信する。このレスポンスを受信したクライアント部25aは、受信したレスポンス中のHTMLソースおよびJavascriptコードの記述に従い、
図7に例示するようなデータ解析開始画面を、ディスプレイ23に表示させる。このデータ管理画面は、データ管理ボタンD1、解析ボタンD2、解析結果リストD21、文字入力欄D22、フィルタ適用ボタンD23、新規解析ボタンD24を有している。データ管理ボタンD1、解析ボタンD2、フィルタ適用ボタンD23、新規解析ボタンD24は、ユーザが操作デバイス24を用いて選択可能なボタン画像である。
【0044】
解析結果リストD21は、既に行われている解析結果をリスト形式で表す表である。解析結果は、サーバ1の記憶媒体12に記録されている。
図7中の解析結果リストD21における最初の行以外の各行が、1つの解析結果に対応する。
図7の例では、各実験につき、解析の名称、このユーザが所有しているか否か、所有者、アクセス権限、変更日時、説明の情報が表示される。
【0045】
これらリスト中の各解析結果は、操作デバイス24を用いたユーザの操作によって選択可能である。選択された場合、クライアント部25aは、選択された解析結果を指定するリクエストをWebサービス部13aに送信する。Webサービス部13aはこのリクエストを受信すると、受信したリクエストで指定されている解析結果のデータと、当該データを表示するためのHTMLソースコードおよびJavascriptコードと、を含むレスポンスを、クライアント部25aに送信する。このレスポンスを受けたクライアント部25aは、当該レスポンスの内容に従って、解析結果をディスプレイ23に表示する。
【0046】
文字入力欄D22は、フィルタとして使用する文字列を入力可能な欄である。ユーザが操作デバイス24を用いて文字列を入力し、更にフィルタ適用ボタンD23を選択すると、クライアント部25aは、当該文字列を名称に含む解析結果のみを解析結果リストD21に表示する。
【0047】
新規解析ボタンD24が選択されると、クライアント部25aは、解析結果表示画面を要求するリクエストを、Webサービス部13aに送信する。具体的には、解析結果表示画面のURLを含むリクエストを、Webサービス部13aに送信する。
【0048】
するとWebサービス部13aは、解析結果表示画面を表示するためのHTMLソースおよびJavascriptコードを記憶媒体12から読み出す。このHTMLソースおよびJavascriptコードは、
図4に示すUIプログラム12aである。そしてWebサービス部13aは、このUIプログラム12aを含むレスポンスをクライアント部25aに送信する。
【0049】
このレスポンスを受信したクライアント部25aは、受信したレスポンス中のUIプログラム12aの記述に従い、
図8に例示するような解析結果表示画面を、ディスプレイ23に表示させる。この解析結果示画面は、データ管理ボタンD1、解析ボタンD2、データ選択アイテムD25、ビュー追加ボタンD26、およびキャンバスD30を有している。
【0050】
キャンバスD30は、後述するビューを表示する領域である。キャンバスD30は、ディスプレイ23中の所定の領域を占めている。例えば、クライアント部25aがディスプレイ23中の1つのウインドウを表示領域としている場合は、当該ウインドウ内の所定の領域をキャンバスD30が占めている。なお、キャンバスD30は、その領域が確保されると共に境界を示す枠が視認可能に表示されてもよいし、あるいは、領域が確保されるだけで確保された領域が視認可能に表示されなくてもよい。
【0051】
データ選択アイテムD25は、ドロップダウンリストである。ユーザが操作デバイス24を操作してデータ選択アイテムD25を指定すると、クライアント部25aは、サーバ1の記憶媒体12に記録されている実験データ12bの選択可能なリストをディスプレイ23に表示する。サーバ1の記憶媒体12に記録されている実験データ12bのリストとしては、受信したUIプログラム12a中に含まれているものを用いる。
【0052】
ユーザが操作デバイス24を用いてこれらリストのうち1つの実験データ12bを選択すると、クライアント部25aは当該実験データ12bの名称をデータ選択アイテムD25の位置に表示させる。
【0053】
図8の例では、選択された実験データ12bは、アルミニウム合金の配合と力学特性に関する実験データである。すなわち、選択された実験データ12bは、複数の実験結果を有し、各実験結果は、アルミニウム合金を生成物として、その生成物を構成する複数種類の材料の含有量と、生成物の力学特性(例えば引張強度)のデータを、変数として含んでいる。
【0054】
ビュー追加ボタンD26は、ユーザが操作デバイス24を用いて選択可能なボタン画像である。ビューとは、実験結果を1つまたは複数の図表等により文字のみでなく絵的に表す表示単位をいう。1つのビューは、単一のグラフから成る場合も、単一の表から成る場合も、複数のグラフから成る場合も、複数の表から成る場合も、1つまたは複数のグラフと1つまたは複数の表から成る場合も、ある。なお、図表とは、「図または表」を意味する。
【0055】
ビュー追加ボタンD26が選択されると、クライアント部25aは、不図示のビュー種別選択画面をディスプレイ23に表示する。このビュー種別選択画面は、複数あるビューの種類を選択可能にリスト表示する画面である。例えば、回帰、分類、統計的因果探索、ガウス過程回帰、データの統計一覧表、散布図、ヒストグラム、ペアプロット、ヒートマップの各々は、ビューの一種類に該当する。
【0056】
ユーザが操作デバイス24を用いてビューの種類のリストのうち1つを選択すると、クライアント部25aは、
図9に例示するようなビューV1をキャンバスD30内に表示する。ビューV1は第1のビューに対応する。
【0057】
ビューV1は、解析結果としての図表(例えばグラフ、表)を表示するメイン表示部V11、当該ビューV1を消去するための消去ボタンV12、および解析条件設定画面を呼び出すための設定ボタンV13等を含む。
図9に例示するビューV1は、ビューの種別として回帰が選択されたときに表示されるビューである。
【0058】
ユーザが操作デバイス24を用いて消去ボタンV12を選択すると、クライアント部25aはビューV1を消去する。ユーザが操作デバイス24を用いて設定ボタンV13を選択すると、クライアント部25aは
図10に示す解析条件設定画面をディスプレイ23に表示する。
【0059】
この際、クライアント部25aが実行する処理は、UIプログラム12aが規定する処理のうち、
図11に示すようなものである。すなわち、クライアント部25aは、ビューを表示中に、まずステップS110で設定ボタンV13が選択されたか否かを、選択されたと判定するまで繰り返し判定し、選択されたと判定した場合、ステップS120に進む。更にクライアント部25aは、ステップS120で、表示しているビューに応じた解析条件設定画面を選択する。ビューの種類が異なると解析条件設定画面も異なる。UIプログラム12aには、ビューの種類と解析条件設定画面の種類の対応関係についての情報が含まれており、ステップS120では、その情報が解析条件設定画面の選択に用いられる。クライアント部25aは更にステップS130で、選択した解析条件設定画面をディスプレイ23に表示させる。
【0060】
図10に示すように、回帰用の解析条件設定画面は、回帰のために用いる複数種類の解析条件の設定操作を受け付けるため画面である。具体的には、解析条件設定画面は、複数種類の設定部41~50および決定ボタン51を含んでいる。設定部41~50は解析条件に対する設定値の設定操作を受け付けるためのフォームであり、決定ボタン51はそれら設定値を1つの設定値セットとして保存するためのフォームである。
【0061】
具体的には、標準化設定部41は、回帰において実験データ12bの変数の標準化を実施するか否かを設定するためのフォームである。また、前処理設定部42は、実験データに対する前処理の種類(例えば、データ欠損の解消等)を選択するためのフォームである。また、バリデーション設定部43は、クロスバリデーション等のバリデーションの種類を選択するためのフォームである。バリデーションの種類が異なると、実験データ12bに含まれる複数の実験結果のうち、どれを解析時に学習データセットとして用いられる実験結果として、どれを精度評価に用いられる実験結果とするかの形態が、異なる。
【0062】
また、アルゴリズム設定部44は、回帰のアルゴリズム(例えば、線形回帰、Ridge回帰、Lasso回帰)を選択するためのフォームである。また、ハイパーパラメータ設定部45は、回帰におけるハイパーパラメータ(例えば、ニューラルネットの中間層の数)を選択するためのフォームである。また、メトリック設定部46は、精度評価指数を選択するためのフォームである。また、目的変数設定部47は、選択された実験データから目的変数を選択するためのフォームである。
【0063】
また、説明変数一括設定部48は、選択された実験データ12b中の変数のうち目的変数設定部47で設定された目的変数以外のすべての変数を説明変数とするか否かを選択するためのフォームである。また、説明変数個別設定部49は、選択された実験データ12bから説明変数を個別に選択するためのフォームである。また、記述子設定部50は、説明変数一括設定部48または説明変数個別設定部49で選択された説明変数の変更の形態(例えば説明変数xのLog(x)への変更)を選択するためのフォームである。
【0064】
これら設定部41~50のうち、アルゴリズム設定部44、ハイパーパラメータ設定部45、説明変数個別設定部49、記述子設定部50は、マルチセレクトドロップダウン形式のフォームである。マルチセレクトドロップダウン形式のフォームは、1つの種類の解析条件について、設定値を同時に複数個選択可能とするフォームである。
【0065】
解析条件設定画面の表示中にクライアント部25aが実行する処理は、UIプログラム12aのうち、
図12に示すようなものである。すなわち、クライアント部25aは、解析条件設定画面を表示中に、まずステップS210で設定部41~50のいずれかに対して設定操作されたか否かを判定し、設定操作されていなければステップS220に進む。そしてステップS220で、決定ボタン51が選択されたか否かを判定し、選択されていなければステップS210に戻る。すなわち、設定部41~50のいずれも設定操作されず、決定ボタン51も選択されない場合は、ステップS210、S220のループが繰り返される。
【0066】
このループにおいて、ユーザが操作デバイス24を用いて設定部41~50のいずれかに対して設定操作を行うと、クライアント部25aは、ステップS210からステップS230に進む。そしてステップS230では、当該設定操作の内容に従って、対象の設定部に対応する解析条件の設定値を設定する。例えば、
図10に示すように、アルゴリズム設定部44に対して、Linear、Ridgeという2つが設定される設定操作が行われると、クライアント部25aは、アルゴリズムという解析条件の設定値を、線形回帰、Ridge回帰とする。ステップS230に続いては、ステップS220に進む。
【0067】
したがって、決定ボタン51が選択されるまでは、設定部41~50に対して設定操作がある度に、ステップS210、S230、S220のループが実行される。これにより、必要に応じてユーザが設定部41~50の各々に対して設定操作をすることで、当該設定部に対応する解析条件の設定値が設定されている。このようにして設定された設定部41~50の解析条件の設定値の全体が、1つの設定値セットに相当する。
【0068】
ステップS210、S230、S220のループ中またはステップS210、S220のループ中にユーザが決定ボタン51を操作すると、クライアント部25aは、ステップS220からステップS240に進み、現在の設定値セットを反映した解析をサーバ1に要求する。具体的には、選択された実験データ12bを指定する情報(例えば名称)と、実行する解析の種類と、現在の設定値セットと、を含むクエリを、バックエンド部13bに送信する。
【0069】
このクエリを受信したバックエンド部13bは、当該クエリに含まれる解析の種類と、当該クエリで指定される実験データ12bに対して、当該クエリに含まれる設定値セットで定められた解析条件で、実行する。そして、この解析の実行結果(すなわち、解析結果)のデータを含むアンサーを、クライアント部25aに送信する。例えば、解析として、回帰分析が行われた場合は、説明変数と目的変数の対応関係の予測を示す回帰モデル、各実験における説明変数と目的変数の値を示すデータ点等の情報が、解析結果に含まれる。
【0070】
このアンサーを受信したクライアント部25aは、ステップS240からステップS250に進む。そしてステップS250で、当該アンサー中の解析結果のデータを用いて図表の画像を生成し、
図13に示すように、生成した図表の画像をビューV1中のメイン表示部V11としてディスプレイ23に表示させる。具体的には、横軸を目的変数の実際の値とし縦軸を回帰分析で得られた目的変数の予測値とするグラフにおいて、実験データ12b中の各実験に対応する点がプロットされている。
【0071】
制御回路25のRAMにおいては、このように表示されたビューV1に、当該ビューV1に用いられた実験データ12bを指定する情報、解析の種類、設定値セットが関連付けられている。
【0072】
また、ビューV1の表示中には、クライアント部25aは、UIプログラム12aが規定する処理のうち、
図14に示す処理も行う。すなわち、ステップS310で、ユーザが操作デバイス24を用いてビューV1を対象として所定のコピー操作を行ったか否かの判定を、行ったと判定するまで繰り返す。ビューV1を対象とする所定のコピー操作としては、例えば、マウス等のポインティングデバイスでビューV1をクリックしてキーボードで周知のCtrl-C操作とCtrl-V操作を行う操作であってもよいし、他の操作であってもよい。コピー操作は、操作デバイス24に対するキー押下操作やマウスクリック操作の総数が、5回以下であってもよい。
【0073】
ビューV1を対象として所定のコピー操作があったと判定した場合、クライアント部25aは、ステップS320に進む。ステップS320では、対象とされたビューV1と同じメイン表示部V11を有するビューV2を、
図15に示すように、ディスプレイ23のキャンバスD30内に表示させる。ビューV2は第2のビューに対応する。このビューV2に関連付けられる実験データの指定、解析の種類、設定値セットは、ビューV1と同じである。すなわち、ビューV1に関連付けられた設定値セットを第1の設定値セットとし、ビューV2に関連付けられた設定値セットを第2の設定セットとすると、第1の設定値セットと第2設定値セットとは、値が同じである。
【0074】
また、このビューV2は、それぞれメイン表示部V11、消去ボタンV12、設定ボタンV13と同様の機能を有するメイン表示部V21、消去ボタンV22、設定ボタンV23を含んでいる。
【0075】
そして、ユーザが操作デバイス24を用いて設定ボタンV23を選択すると、クライアント部25aは、
図11と同様の処理を行うことで、
図10と同様の解析条件設定画面をディスプレイ23に表示する。このときは、解析条件設定画面においては、第2設定値セットの値が反映されている。
【0076】
そして、クライアント部25aは、そのようにしてビューV2に関する解析条件設定画面が表示された状態で、
図12と同様の処理を行う。この際、ユーザが操作デバイス24を用いて設定部41~50のうち所望の設定部に対して設定値を変更するための設定操作を行ったとする。するとクライアント部25aは、ステップS210からステップS230に進み、当該設定操作の内容に従って、対象の設定部に対応する解析条件の設定値を設定する。
【0077】
例えば、ハイパーパラメータ設定部45に対して、DefaultからMiddleに変更する設定操作をユーザがしたとすると、クライアント部25aは、ハイパーパラメータの設定値を、DefaultからMiddleに変更する。すなわち、回帰において用いられるニューラルネットワークの中間層の数を増やす。これにより、第2設定値セットの値が変化する。なお、解析条件の設定値の変更は、ハイパーパラメータ設定部45以外の設定部に対して行われてもよい。また、解析条件の設定値の変更は、1つのみならず複数の設定部に対して行われてもよい。
【0078】
対象の設定部に対応する解析条件の設定値が設定された後、ユーザが決定ボタン51を選択すると、クライアント部25aは、ステップS220からステップS240に進む。そして上述の通り、ステップS240で現在の設定値セットを反映した解析をサーバ1のバックエンド部13bに要求する。そして、ステップS250でバックエンド部13bから解析結果を取得して、
図16に例示するように、当該解析結果に基づいてビューV2のメイン表示部V21の表示内容を更新する。
【0079】
ビューV1で表示される解析結果の図表と、ビューV2で表示される解析結果の図表は、ハイパーパラメータ(例えば、中間層の数)が異なるので、解析結果が異なっており、したがって、表示内容も異なっている。
【0080】
ビューV1、V2は同時にディスプレイ23に共に表示されるので、ユーザは、これらビューV1、V2の両方を一覧できる。したがって、ユーザは、解析結果の違いを容易に見比べることができる。例えば、ビューV1で採用されたハイパーパラメータとビューV2で採用されたハイパーパラメータのどちらが優れているかを目視で判断することができる。このように、同じ実験データ12bに対して異なる解析を行った結果をユーザが一覧することがきるので、より優れた解析を見つけ出すことが容易である。すなわち、類似した複数の解析条件による解析が効率化される。
【0081】
なお、
図13、
図16は、設定値セットの各々に対して単一の値が設定された場合のビューV1、V2の表示例が示されている。しかし、設定値セットのいずれかに複数の設定値が設定された場合は、複数の設定値にそれぞれ対応する複数の図表が1つのビュー内に表示されてもよい。
【0082】
例えば、
図17に、ビューV1について、2種類の解析条件の各々に2個の設定値が設定された例を示す。この例では、
図10の解析条件設定画面においてアルゴリズム設定部44に対してRidgeとElasticNetが設定され、ハイパーパラメータ設定部45に対してDefaultとMiddleが設定されている。そして、他の設定部に対してそれぞれ単一の値が設定されている。
【0083】
バックエンド部13bは、この設定値セットを受信することで、4つの解析結果のデータを算出してクライアント部25aに送信する。そしてクライアント部25aは、受信した4つの解析結果のデータを1つのビューV1内に表示するよう、ディスプレイ23を制御する。
【0084】
その結果、
図17に示すように、これら2個のアルゴリズム設定部44の設定値と2個のハイパーパラメータ設定部45の設定値の組み合わせである2×2=4つの解析結果のグラフV11a、V11b、V11c、V11dが、メイン表示部V11に表示される。より具体的には、グラフV11a~V11dが、表示部V11においてマトリクス状に表示される。
【0085】
このとき、クライアント部25aは、これら4つの解析結果のうち、最も精度評価指数の値が高い(すなわち、精度が高い)解析結果を、他の3つの解析結果とは異なる形態でディスプレイ23に強調表示させてもよい。他の3つの解析結果とは異なる形態で強調表示する手法としては、例えば異なる色で表す手法であってもよいし、異なる大きさで表す手法であってもよいし、異なる濃さで表す手法であってもよい。あるいは、
図17に示すように、他の図表と区別するマーカーMPを付与する手法であってもよい。このようにすることで、アルゴリズムとハイパーパラメータのどの組み合わせが最適なのかが、一目瞭然にわかる。
【0086】
なお、
図17に示すように、クライアント部25aは、ビューV1に保存ボタンV14、式表示ボタンV15、ダウンロードボタンV16を表示させてもよい。これらは、ユーザが操作デバイス24を用いて選択可能である。
【0087】
保存ボタンV14が選択されると、クライアント部25aは、当該ビューV1を保存することを要求するクエリをバックエンド部13bに送信する。そしてバックエンド部13bは、当該クエリに従って、ビューV1に関して既に受信しているデータ(すなわち、実験データ12bの指定、解析の種類、設定値セット)と、ビューV1に関する解析結果とを、記憶媒体12に記録する。このように記録された解析結果が、既に説明した
図7の画面における解析結果リストD21中に表示される。
【0088】
式表示ボタンV15が選択されると、クライアント部25aは、バックエンド部13bから送信された解析結果に含まれる回帰モデルの回帰式をディスプレイ23に表示する。ダウンロードボタンV16が選択されると、クライアント部25aは、バックエンド部13bから送信された解析結果に含まれる回帰係数を、記憶媒体22に記録する。
【0089】
また、ビューV1の表示中には、クライアント部25aは、UIプログラム12aが規定する処理のうち、
図18に示す処理も行う。すなわち、ステップS410で、ユーザが操作デバイス24を用いてビューV1を対象として所定の移動操作を行ったか否かの判定を、行ったと判定するまで繰り返す。
【0090】
ビューV1を対象とする所定の移動操作としては、例えば、マウス等のポインティングデバイスでビューV1をクリックしたままキャンバスD30内の目的の位置まで移動してクリックを解除する操作、すなわちドラッグ&ドロップ操作であってもよい。あるいは、ビューV1を対象とする所定の移動操作は、他の操作であってもよい。この移動操作により、ビューV1は、キャンバスD30内の任意の位置に、ディスプレイ23の1ピクセル単位の細かさで、移動可能である。なお、このような移動操作によって移動させることができるのは、ビューV1に限らず、キャンバスD30内の他のビューも同様である。
【0091】
また、ビューV1の表示中には、クライアント部25aは、UIプログラム12aが規定する処理のうち一部の処理によって、ユーザによる操作デバイス24を用いた所定の操作に従って、ビューV1の表示サイズの変更も行うことができる。これは、ビューV1以外のビューについても、同様である。
【0092】
また、ビューV1内における図表の表示形態は、ユーザの操作デバイス24を用いた操作によって、解析結果の内容が変化しなくても、変更可能である。具体的には、ビューV1の表示中には、クライアント部25aは、UIプログラム12aが規定する処理のうち、
図19に示す処理も行う。
【0093】
この図の処理においてクライアント部25aは、ステップS510で、ユーザが操作デバイス24を用いてビューV1中の所定の図表(例えば、2次元グラフ)に対して所定の表示形態変更操作を行ったか否かの判定を、行ったと判定するまで繰り返す。
【0094】
ビューV1を対象とする所定の表示形態変更操作としては、例えば、マウス等のポインティングデバイスで
図5のマークW1を選択した後、対象の図表をドラッグ操作することがある。この操作があると、クライアント部25aは、ステップS520で、図表内部において、表示範囲(例えばX軸の値の範囲、Y軸の値の範囲)の平行移動を行う。
【0095】
また、ビューV1を対象とする所定の表示形態変更操作としては、例えば、マウス等のポインティングデバイスで
図5のマークW2を選択した後、対象の図表の一部を矩形選択する操作がある。この操作があると、クライアント部25aは、ステップS520で、図表内部において、矩形選択された座標の範囲を、図表の表示範囲全体に拡大する。
【0096】
また、ビューV1を対象とする所定の表示形態変更操作としては、例えば、マウス等のポインティングデバイスで
図5のマークW3を選択して、対象の図表の一部の範囲を選択する操作がある。この操作があると、クライアント部25aは、ステップS520で、当該範囲内のデータ点を強調表示(例えば、ハイライト表示)する。ここで、データ点とは、解析結果に含まれて図表中に点で表されるデータをいう。また例えば、マウス等のポインティングデバイスで
図5のマークW4を選択する操作があると、クライアント部25aは、ステップS520で、対象の図表の画像を記憶媒体22に保存することができる。
【0097】
このように、クライアント部25aによるステップS510、S520の処理により、各図表の内部の表示形態は、ユーザの操作によってインタラクティブに変更可能となる。ステップS510、S520において、クライアント部25aは、サーバ1にクエリを送信しない。すなわち、バックエンド部13bに解析を再度要求して解析結果を再度受信することがない。したがって、解析結果のデータが変化しないまま、各図表の内部の表示形態が、ユーザの操作によってインタラクティブに変更可能となる。そして、サーバ1での再解析を必要とせず、ユーザ端末2側のみで、図表の内部の表示の見栄えを調整できる。
【0098】
[実験データのガウス過程回帰による解析結果の表示]
次に、実験データのガウス過程回帰による解析結果の表示について説明する。この解析は、次に行うことが望ましい実験を探索する能動学習でもある。クライアント部25aがディスプレイ23に
図8、
図13等に例示した解析結果表示画面を表示しているときに、ユーザがビュー追加ボタンD26を選択したとする。するとクライアント部25aは、その操作に基づいて、上述の通り、不図示のビュー種別選択画面をディスプレイ23に表示する。ここで、ユーザがガウス過程回帰を選択する操作を行ったとする。
【0099】
すると、クライアント部25aは、ガウス過程回帰に対応するビューV1をディスプレイ23のキャンバスに表示する。このビューの構成は、上述のビューV1と同様である。このビューに対して、ユーザが操作デバイス24を用いて上述の設定ボタンV13を選択すると、クライアント部25aは
図20に示す解析条件設定画面をディスプレイ23に表示する。
【0100】
この際、クライアント部25aが実行する処理は、UIプログラム12aが規定する処理のうち、
図11に示したようなものである。すなわち、クライアント部25aは、ステップS120で、表示しているビューに応じた解析条件設定画面として、ガウス過程回帰用の解析条件設定画面を選択し、更にステップS130で、選択した解析条件設定画面をディスプレイ23に表示させる。
【0101】
図20に示すように、ガウス過程回帰用の解析条件設定画面は、ガウス過程回帰のために用いる複数種類の解析条件の設定操作を受け付けるため画面である。具体的には、解析条件設定画面は、複数の設定部61~67および決定ボタン68を含んでいる。設定部61~67は解析条件に対する設定値の設定操作を受け付けるためのフォームであり、決定ボタン68はそれら設定値を1つの設定値セットとして保存するためのフォームである。これら設定部61~67のうち、説明変数設定部65、記述子設定部66は、マルチセレクトドロップダウン形式のフォームである。
【0102】
具体的には、獲得関数設定部61は、ガウス過程回帰における獲得関数の種類を設定するためのフォームである。また、前処理設定部62は、実験データに対する前処理の種類(例えば、データ欠損の解消等)を選択するためのフォームである。また、方向設定部63は、最適化の方向、すなわち、目的変数を最大化させる方向に最適化するのか最小化させる方向に最適化するのかを設定するためのフォームである。
【0103】
また、目的変数設定部64は、選択された実験データから目的変数を選択するためのフォームである。また、また、説明変数設定部65は、選択された実験データから説明変数を個別に選択するためのフォームである。また、記述子設定部66は、説明変数設定部65で選択された説明変数の変更の形態(例えば説明変数xのLog(x)への変更)を選択するためのフォームである。
【0104】
また、候補設定部67は、ガウス過程回帰を用いた能動学習により推奨する実験を特定する際に、その推奨実験の候補となる実験のパラメータを設定するためのフォームである。推奨実験が別途実施されてその実験結果が実験データ12bとしてサーバ1の記憶媒体12に追加登録されると、その実験データ12bは、ガウス過程回帰に基づく能動学習における新たな学習対象として用いられる。その結果、ガウス過程回帰で得られた解析結果の精度が効率的に向上する。
【0105】
具体的には、候補設定部67は、複数のラジオボタン67a、67bと、表入力欄67cとを含む。ラジオボタン67a、67bのうちどちらか1つがユーザの操作デバイス24を用いた操作によって排他的に選択可能である。クライアント部25aは、ラジオボタン67aが選択されると、ランダムモードに入り、
図20に示すようなガウス過程回帰用の解析条件設定画面を表示すると共に、
図21に示すような処理を実行する。また、クライアント部25aは、ラジオボタン67bが選択されると、ユーザ定義モードに入り、
図22に示すようなガウス過程回帰用の解析条件設定画面を表示すると共に、
図23に示すような処理を実行する。
【0106】
図20の画面中のフォームと
図22の画面中のフォームとでは、設定部61~66、決定ボタン68は同じ機能を有するが、候補設定部67の機能が一部異なる。具体的には、候補設定部67においては、ラジオボタン67a、67bの機能は同じであるが、表入力欄67cの機能が異なっている。また、
図21の処理と
図23の処理は、いずれも、UIプログラム12aの一部によって規定される。
【0107】
ランダムモードでは、クライアント部25aは、まずステップS610で、候補設定部67以外の設定部に対する変更操作を受け付ける。すなわち、そのような変更操作があれば、その変更を設定値セットに反映させてステップS615に進み、そのような変更操作がなければ、設定値セットを変更せずにステップS615に進む。
【0108】
ステップS615では、クライアント部25aは、説明変数設定部65で設定されている1つまたは複数の説明変数の各々について、現在の解析対象の実験データ12bにおける最大値と最小値を特定し、それぞれを探索範囲の上限値および下限値とする。探索範囲の上限値および下限値は、探索範囲を示す値に相当する。
【0109】
そしてクライアント部25aは、上限値と下限値に基づいて、探索間隔を決定する。例えば上限値と下限値の差を所定値(例えば、10、100)で除算した値を探索間隔とする。そして更に、
図20に示すように、各説明変数の上限値、下限値、探索間隔を表形式で表入力欄67cに表示する。例えば、説明変数ごとに行を表示し、各行において対象の説明変数の名称、上限、下限、探索間隔の順に列増加方向に値が並ぶ。このように、このガウス過程回帰で既に用いられている実験データ12bを用いて推奨実験の探索範囲を決めることができるので、推奨実験の探索を内挿的に効率的に行うことができる。
【0110】
また例えば、あるタイミングにおいてユーザが説明変数の数を増加または減少させる設定操作を行い、それに合わせてステップS610でクライアント部25aが説明変数を増加または減少させたとする。すると、クライアント部25aは、ステップS615で、説明変数の増減に合わせて、表の行数を増減させる。具体的には、説明変数のうち1つが削除されれば、削除された説明変数に対応する行を削除する。そして、新たな説明変数が追加されれば、追加された説明変数に対応する行を追加すると共に、それの上限値、下限値、探索間隔を算出して表示する。なお、この例では、複数の行が、複数の一次元セル並びに対応する。
【0111】
ステップS615に続いては、ステップS620で、表入力欄67cに表示された表のうち特定の1つのセルをユーザが操作デバイス24を用いて選択したか否かを判定する。そして、選択されたと判定したらステップS625に進み、選択されなかったと判定したらステップS630に進む。
【0112】
ステップS625では、選択されたセルの値(例えば、上限値、下限値、探索間隔)に対する変更の入力を受け付けて、受け付けた変更を設定値セットに反映すると共に、当該セルの表示内容を変更する。このように、各セルの値は、手動でユーザの所望の値に変更することができる。
【0113】
続いてステップS630では、ユーザが操作デバイス24を用いてコピー&ペースト操作を行うことで表形式のデータが表入力欄67cに入力されたか否かを判定する。そして、入力されたと判定した場合、ステップS635に進み、入力されていないと判定した場合、ステップS640に進む。
【0114】
例えば、ユーザ端末2の制御回路25で、クライアント部25aとは別の機能によって作成された別プログラム(例えば表計算ソフトウェア)が実行されているとする。その場合、制御回路25によるその別プログラムの処理において作成された表形式のデータが、ユーザのコピー&ペースト操作で表入力欄67cに入力されると、ステップS630の判定結果がYESとなる。別プログラムの処理において作成された表形式のデータは、一次元または二次元のマトリクス状に隣り合う2つ以上のセルを含んでいる。
【0115】
ステップS635では、入力された表形式のデータを、表入力欄67cに反映させる。これにより、表入力欄67cの複数のセルが、入力された表形式の通りに変更されることで、設定値セットが変更され、表入力欄67cの表示内容も変更される。このように、表入力欄67cの複数のセルが、コピー&ペースト操作によって一括で変更されるので、ユーザの設定操作の手間が低減される。ステップS635の後、処理はステップS640に進む。
【0116】
ステップS640では、決定ボタン68が選択されたか否かを判定し、選択されていなければステップS610に戻り、選択されていればステップS240に進む。ステップS240以降については後述する。
【0117】
また、ユーザ定義モードでは、クライアント部25aは、まずステップS710で、
図21のステップS610と同様に、候補設定部67以外の設定部に対する変更操作を受け付ける。
【0118】
続くステップS715では、クライアント部25aは、説明変数設定部65で設定されている1つまたは複数の説明変数に応じた数の列を有する表を表入力欄67cに表示する。具体的には、推奨実験の候補毎に行を表示し、各行において説明変数毎にセルを表示してそれらセルを列増加方向に並べる。
【0119】
したがって、例えば、あるタイミングにおいてユーザが説明変数の数を増加または減少させる設定操作を行い、それに合わせてステップS710でクライアント部25aが説明変数を増加または減少させたとする。すると、クライアント部25aは、ステップS715で、説明変数の増減に合わせて、表の列数を増減させる。具体的には、説明変数のうち1つが削除されれば、削除された説明変数に対応する列を削除し、新たな説明変数が追加されれば、追加された説明変数に対応する列を追加する。なお、この例では、複数の列が、複数の一次元セル並びに対応する。
【0120】
ステップS715に続いては、ステップS720で、表入力欄67cに表示された表のうち特定の1つのセルをユーザが操作デバイス24を用いて選択したか否かを判定する。そして、選択されたと判定したらステップS725に進み、選択されなかったと判定したらステップS730に進む。
【0121】
ステップS725では、選択されたセルの値(すなわち、説明変数の値)に対する変更の入力を受け付けて、受け付けた変更を設定値セットに反映すると共に、当該セルの表示内容を変更する。
【0122】
続いてステップS730では、
図21のステップS630と同様に、ユーザが操作デバイス24を用いてコピー&ペースト操作を行うことで表形式のデータが表入力欄67cに入力されたか否かを判定する。そして、入力されたと判定した場合、ステップS735に進み、入力されていないと判定した場合、ステップS740に進む。
【0123】
ステップS735では、入力された表形式のデータを、表入力欄67cに反映させる。これにより、表入力欄67cの複数のセルが、入力された表形式の通りに変更されることで、設定値セットが変更され、表入力欄67cの表示内容も変更される。このように、表入力欄67cの複数のセルが、コピー&ペースト操作によって一括で変更されるので、ユーザの設定操作の手間が低減される。ステップS735の後、処理はステップS740に進む。
【0124】
ステップS740では、決定ボタン68が選択されたか否かを判定し、選択されていなければステップS710に戻り、選択されていればステップS240に進む。
【0125】
ランダムモード、ユーザ定義モードにおいて、上述の通り、ユーザが操作デバイス24を用いて決定ボタン68を選択すると、クライアント部25aは、
図21、
図23のステップS240に進む。このステップS240の処理内容は、
図12のステップS240の処理内容と同様である。
【0126】
すなわち、ランダムモード、ユーザ定義モードにおけるステップS240では、現在の設定値セットを反映した解析を要求する。具体的には、選択された実験データ12bを指定する情報(例えば名称)と、実行する解析の種類(すなわち、ガウス過程回帰)と、設定部61~67で設定された現在の設定値セットと、を含むクエリを、バックエンド部13bに送信する。
【0127】
このクエリを受信したバックエンド部13bは、当該クエリに含まれる種類の解析を、当該クエリで指定される実験データ12bに対して、当該クエリに含まれる設定値セットで定められた解析条件で、実行する。
【0128】
具体的には、ガウス過程回帰を用いて回帰モデルを算出すると共に、説明変数の種々の値で獲得関数の値を算出し、設定部67で設定された推奨実験の候補のうち、最も獲得関数の値が大きい候補を、推奨実験として特定する。そして、この解析の実行結果(すなわち、解析結果)のデータを含むアンサーを、クライアント部25aに送信する。
【0129】
なお、ランダムモードのクエリを受信した場合、バックエンド部13bは、表入力欄67cに示された複数の説明変数の各々について、表入力欄67cに示された下限値から上限値まで、探索間隔だけ値をずらしながら、繰り返し獲得関数の値を算出する。
【0130】
また、ユーザ定義モードのクエリを受信した場合、バックエンド部13bは、表入力欄67cに示された複数の説明変数の各々について、表入力欄67cに示された複数の候補のそれぞれについて、繰り返し獲得関数の値を算出する。
【0131】
このアンサーを受信したクライアント部25aは、ステップS240からステップS250に進む。このステップS240の処理内容は、
図12のステップS240の処理内容と同様である。
【0132】
すなわち、ランダムモード、ユーザ定義モードにおけるステップS250で、クライアント部25aは、当該アンサー中の解析結果のデータを用いて図表の画像を生成する。そして、
図24に示すように、生成した図表の画像をビュー中のメイン表示部としてディスプレイ23に表示させる。
図24の例では、表示される図表は、獲得関数の値が算出された候補のうち上位の複数を、獲得関数の値が高い順に行増加方向に並べた表である。各行には、対象の候補における変数(例えば、生成物を構成する材料の含有量)等が表示されている。
【0133】
表示されたビューに対するインタラクティブな操作、設定値セットの変更等のための作動については、回帰で表示されたビューV1、V2と同様である。
【0134】
また、バックエンド部13bは、回帰、ガウス過程回帰以外の解析も行うことができる。そして、クライアント部25aは、それらバックエンド部13bで実行できる解析の個々についても、上述の通りユーザによる操作デバイス24を用いた設定操作により、設定値セットを設定できる。そして、クライアント部25aは、回帰、ガウス過程回帰と同様に、これら設定値セットに従った解析結果をバックエンド部13bから受信し、受信した解析結果を示す図表をキャンバスD30内のビューに表示可能である。
【0135】
そのようにしてビュー内に表示される図表としては、
図25に示すようなニューラルネット等の機械学習における分類の結果を表すグラフがある。このグラフでは、クラスという、0、1、2のいずれかに分類されるべき目的変数について、その実測値および予測値を点で示す図である。
【0136】
また、
図26に示すような、統計的因果探索の結果を示すネットワーク図がある。このネットワーク図については、ユーザが操作デバイス24を用いてプルダウンメニューを操作することで、ネットワーク図のレイアウトを複数のプリセットのレイアウトから選択することができる。
【0137】
また、上述のようにしてビュー内に表示される図表としては、
図27に示すような散布
図72と表73の組み合わせがある。これらは同じビュー内に表示されている。散布
図72では、実験データ12bの解析結果として、複数のデータ点の各々が2次元グラフ中の1つのドットで表される。表73は、上記複数のデータ点に1対1で対応する複数の行から成る。各行が、対応するデータ点におけるパラメータの値を示している。散布
図72中のドットと表73中の行との対応関係は、バックエンド部13bから受信した解析結果のデータに含まれている。
【0138】
図27のビューが表示されているとき、ユーザが操作デバイス24を用いて散布
図72中のいずれかの或るドットを選択すると、クライアント部25aは、
図19の処理において、ステップS510からステップS520に進む。そして、ステップS520で、そのドットに対応する表73中の行を強調表示する。また逆に、ユーザが操作デバイス24を用いて表73中の或る行を選択すると、クライアント部25aは、
図19の処理において、ステップS510からステップS520に進む。そして、ステップS520で、その行に対応する散布
図72中のドットを強調表示する。このように、同じビュー中の複数の図表において、データ点の強調表示が連動することで、解析結果の確認を容易に行うことができる。
【0139】
また、上述のようにしてビュー内に表示される図表としては、
図28に示すような統計量一覧表がある。この表は、バックエンド部13bで実験データ12bが解析された結果得られた統計量を表す一覧表である。
図28の例では、ある材料を構成する成分毎に、含有量の平均値、標準偏差、最小値、50パーセンタイル値、最大値等の統計量が表されている。
【0140】
また、上述のようにしてビュー内に表示される図表としては、
図29に示すようなペアプロットがある。
図29では、2つの変数(例えば、材料を構成する2つの成分の含有量)についてのペアプロットが例示されているが、3つ以上の変数についてのペアプロットが表示されてもよい。なお、ペアプロットは、散布図とヒストグラムがマトリックス状に配置されたものであるが、ビュー内に表示される図表としては、ヒストグラム単体であってもよい。
【0141】
また、上述のようにしてビュー内に表示される図表としては、
図30に示すようなヒートマップがある。
図30では、変数間の相関係数が、マトリクス状に、数字と濃度で、表されている。なお、相関係数は、濃度に代えて色で表されていてもよい。
【0142】
また、
図31に示すように、回帰の結果を示す1つのビューに、目的変数の予測値と実際の値の2次元グラフに加え、各変数の重要度(例えば、回帰係数、特徴量重要度)を示す棒グラフを含めてもよい。また、これらのようなグラフは、
図32に示すように、複数のビューとして、1つのキャンバスD30内に複数配置されてもよい。
【0143】
そして、
図25~
図32に表示された図表においても、クライアント部25aは、
図19のステップS510、S520の処理により、各図表の内部の表示形態を、ユーザの操作によってインタラクティブに変更可能とする。
【0144】
以上説明した通り、クライアント部25aは、複数種類の解析条件に関する設定操作が行われたことに基づいて、設定操作に応じて当該複数種類の解析条件に対応する第1の設定値セットを取得する。そしてクライアント部25aは、取得した第1の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイ23にビューV1として表示させる。
【0145】
またクライアント部25aは、ビューV1を対象とするコピー操作が行われたことに基づいて、第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイ23にビューV2としてビューV1と共に表示させる。そして更に、第2の設定値セットの一部を変更する操作を行われたことに基づいて、変更後の第2の設定値セットに応じた解析結果をビューV2に反映させる。
【0146】
このようになっていることで、ある条件設定に基づいて表示されている図表について、当該条件設定の一部のみを変更した図表を追加するために、コピー操作と第2の設定値セットの一部を変更する操作を行うことになる。したがって、第2の設定値セットの全部を設定する場合に比べて、操作が簡易となる。これは、コピー操作のために操作デバイス24に対して必要なユーザの操作量が、第2の設定値セットの全体を設定するために必要なユーザの操作量に比べて、十分少ない(例えば1/2以下)からである。
【0147】
(1)またクライアント部25aは、第1の設定値セットの一部として、複数種類の解析条件のうち1種類の解析条件について同時に複数個の設定値を、例えばマルチセレクトドロップダウン形式で、受け付け可能である。そしてクライアント部25aは、第1の設定値セットに応じた解析結果として、同種の解析条件に対する複数個の設定値にそれぞれ対応した複数個の図表を、ビューV1に含める。
【0148】
このように、1つの設定値セット内において、同種の解析条件に対する複数個の設定値を設定するだけで、それらにそれぞれ対応する複数個の図表を表示することができる。したがって、複数個の設定値セットを作成する場合に比べて、複数個の図表を表示するための手間が省ける。また、一部の設定値が異なる複数の図表を表示することで、ユーザによる解析結果の評価が容易になる。
【0149】
(2)また、ビューV1は、
図24に示すように、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含む。また、クライアント部25aは、前記能動学習で選ばれる新たな学習対象の候補を表形式で表す候補設定部67をディスプレイ23に表示させると共に、当該表形式の表示中の個々のセルに対してユーザが値を設定することを可能とする。更にクライアント部25aは、当該設定値取得部の機能とは別の機能によって作成された表を、当該表形式の表示に一括で反映させることを可能とする。
【0150】
このようにすることで、クライアント部25aにおける学習対象の候補の設定について、クライアント部25aとは別の表作成の機能を、シームレスに利用することができる。また逆に、制御回路25は、候補設定部67の表入力欄67cの表示内容を、コピー&ペースト処理により、上述の別プログラムの処理に対して、表として入力してもよい。
【0151】
(3)また、ビューV1は、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含む。そして、第1の設定値セットは、ガウス過程回帰に用いられる説明変数について、ガウス過程回帰に使用する新たな学習対象の候補となる値の探索範囲を示す値を含む。そして、クライアント部25aは、ユーザが説明変数を指定すると、その説明変数の探索範囲を示す値を、このガウス過程回帰で既に用いられている学習データにおける説明変数の値に基づいて設定する。
【0152】
このように、このガウス過程回帰で既に用いられている学習データを用いて新たな学習対象の探索範囲を決めることができるので、新たな学習対象の探索を効率的に行うことができる。
【0153】
(4)また、ビューV1は、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含む。また、第1の設定値セットに対しては、ガウス過程回帰に用いられる複数の説明変数が設定可能である。また、クライアント部25aは、能動学習で選ばれる新たな学習対象の候補を表形式で表す候補設定部67をディスプレイ23に表示させると共に、その表形式において、行または列である複数の一次元セル並びにそれぞれ複数の説明変数を1対1に対応させる。
【0154】
またクライアント部25aは、ユーザの操作により複数個の説明変数の数が変化すると、複数の一次元セル並びの数を同様に変化させる。このように、説明変数の数の変化に一次元セル並びの数(すなわち、行数または列数)が連動して変化するので、ユーザの手間が省ける。
【0155】
(5)また、ビューV1は、回帰、分類、統計的因果探索、ガウス過程回帰、能動学習、統計量一覧、散布図、ヒストグラム、ペアプロット、およびヒートマップのうち1つ以上の図表を含む。そして、当該1つ以上の図表の内部の表示形態は、ユーザの操作によって、サーバ1にクエリを送信して再度解析させることなく、インタラクティブに変更可能である。このようになっていることで、ユーザ端末2側だけで、図表の内部の表示の見栄えを調整することができる。
【0156】
(6)また、クライアント部25aは、操作デバイス24に対するユーザの操作に応じてディスプレイ23の1ピクセル単位でビューV1の位置を移動することができる。このようになっていることで、高い自由度でビューV1の位置を調整することができる。
【0157】
(7)また、クライアント部25aは、Webブラウザとして機能し、Webブラウザの表示範囲内にビューV1を表示する。多くのOSにおいてWebブラウザが利用可能なので、このようにすることで、ユーザの利便性が高まる。
【0158】
(8)また、各設定値セットに対応する解析結果は、材料開発支援における材料の解析の結果である。材料開発支援の分野においては、解析条件の設定値が互いに少し異なる複数の設定値セットについて、解析結果を見比べることが、開発のスタイルとして適している。
【0159】
なお、上記(1)~(8)におけるビューV1の特徴は、ビューV2および他のビューにも同様に有している。また、上記実施形態において、ユーザ端末2の制御回路25が、ステップS230、S610~S635、S710~S735を実行することで、設定値取得部として機能する。また、制御回路25が、ステップS250、S320、S420、S520を実行することで、ビュー表示部として機能する。
【0160】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、後述する変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
【0161】
また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0162】
(変形例1)
上記実施形態では、クライアント部25aはWebクライアントとして機能しているが、クライアント部25aはWebクライアントでなくてもよい。その場合、Webサービス部13aは、Webサーバでなくてもよい。
【0163】
(変形例2)
上記実施形態では、サーバ1が解析して解析結果をユーザ端末に送信するのは、材料開発支援のための材料に関する実験データ12bである。したがって、クライアント部25aが表示する図表も、材料開発支援のための材料に関する解析結果である。しかし、サーバ1が解析し、クライアント部25aが解析結果を表示するのは、材料開発支援のための実験結果に限られず、どのような解析対象データであってもよい。
【0164】
(変形例3)
上記実施形態では、サーバ1は、1台のコンピュータで構成されている。しかし、サーバ1は、互いに通信を行う多数のコンピュータで構成されていてもよい。その場合、サーバ1を構成する制御回路13は、複数のコンピュータに分散して配置されていてもよい。通信インターフェース回路11、記憶媒体12についても同様である。
【0165】
(変形例4)
上記実施形態では、クライアント部25aは、Webサービス部13aを介さずバックエンド部13bと通信している。しかし、クライアント部25aは、Webサービス部13aを介してバックエンド部13bと通信してもよい。例えば、Webサービス部13aがWeb3層構造におけるWebサーバとして機能し、バックエンド部13bはWeb3層構造におけるアプリケーションサーバとして機能してもよい。
【0166】
(発明の特徴)
[請求項1]
解析対象データ(12b)を取得して解析を行うサーバ(1)から解析結果を受信するユーザ端末であって、
ユーザに画像を表示するディスプレイ(23)と
前記ユーザの操作を受け付ける操作デバイス(24)と、
制御回路(25)と、を備え、
前記制御回路は、
前記ユーザが前記操作デバイスに対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)と、
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320、S420、S520)と、を有し、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、ユーザ端末。
【0167】
[請求項2]
前記設定値取得部は、前記第1の設定値セットの一部として、前記複数種類の解析条件のうち1種類の解析条件について同時に複数個の設定値を受け付け可能であり、
前記ビュー表示部は、前記第1の設定値セットに応じた解析結果として、前記複数個の設定値にそれぞれ対応した複数個の図表を前記第1のビューに含める、請求項1に記載のユーザ端末。
【0168】
[請求項3]
前記第1のビューは、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含み、
前記設定値取得部は、前記能動学習で選ばれる新たな学習対象の候補を表形式で表す候補設定部(67)を前記ディスプレイに表示させると共に、前記表形式の表示中の個々のセルに対して前記ユーザが値を設定することを可能とし、更に、当該設定値取得部の機能とは別の機能によって作成された表を、前記表形式の表示に一括で反映させることを可能とする、請求項1または2に記載のユーザ端末。
【0169】
[請求項4]
前記第1のビューは、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含み、
前記第1の設定値セットは、前記ガウス過程回帰に用いられる説明変数について前記ガウス過程回帰に使用する新たな学習対象の候補となる値の探索範囲を示す値を含み、
前記設定値取得部は、前記ユーザが前記ガウス過程回帰に用いられる説明変数を指定すると、前記説明変数の前記探索範囲を示す値を、前記ガウス過程回帰で既に用いられている学習データにおける前記説明変数の値に基づいて設定する、請求項1または2に記載のユーザ端末。
【0170】
[請求項5]
前記第1のビューは、ガウス過程回帰に基づく能動学習によって選ばれた新たな学習対象を表示する図表を含み、
前記第1の設定値セットに対しては、前記ガウス過程回帰に用いられる複数の説明変数が設定可能であり、
前記設定値取得部は、前記能動学習で選ばれる新たな学習対象の候補を表形式で表す候補設定部(67)を前記ディスプレイに表示させると共に、前記表形式において、複数の行または複数の列である複数の一次元セル並びにそれぞれ複数の説明変数を対応させ、前記ユーザの操作により前記複数個の説明変数の数が変化すると、前記複数の一次元セル並びの数を同様に変化させる、請求項2に記載のユーザ端末。
【0171】
[請求項6]
前記第1のビューは、回帰、分類、統計的因果探索、ガウス過程回帰、能動学習、統計量一覧、散布図、ヒストグラム、ペアプロット、およびヒートマップのうち1つ以上の図表を含み、前記1つ以上の図表の内部の表示形態は、ユーザの操作によってインタラクティブに変更可能である、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のユーザ端末。
【0172】
[請求項7]
前記第1のビューは、前記操作デバイスに対するユーザの操作に応じて前記ディスプレイの1ピクセル単位で移動可能となっている、請求項1ないし6のいずれか1つに記載のユーザ端末。
【0173】
[請求項8]
前記ビュー表示部は、Webブラウザとして機能し、前記Webブラウザの表示範囲内に前記第1のビューを表示する、請求項1ないし7のいずれか1つに記載のユーザ端末。
【0174】
[請求項9]
前記第1の設定値セットに対応する前記解析結果は、材料開発支援における材料の解析の結果である、請求項1ないし8のいずれか1つに記載のユーザ端末。
【0175】
[請求項10]
解析対象データ(12b)を取得して解析を行うサーバ(1)から解析結果を受信するユーザ端末に用いるプログラムであって、
ユーザが操作デバイス(24)に対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)、および
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイ(23)に第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320,S420、S520)として、前記ユーザ端末を機能させ、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、プログラム。
【0176】
[請求項11]
ユーザ端末(1)と通信するサーバであって、
前記ユーザ端末と通信するための通信インターフェース回路(11)と、
解析対象データ(12b)を記憶する記憶媒体(12)と、
前記データに対して解析を行い、解析結果を前記通信インターフェース回路を用いて前記ユーザ端末に送信する制御回路(13)と、を備え、
前記記憶媒体(12)は、前記ユーザ端末で実行されるためのプログラム(12a)を記憶しており、
前記制御回路は、前記インターフェース回路を用いて前記プログラムを前記ユーザ端末に送信し、
前記プログラムは、前記ユーザ端末を、
ユーザが操作デバイス(24)に対して複数種類の解析条件に関する設定操作を行ったことに基づいて、前記設定操作に応じて前記複数種類の解析条件を定める第1の設定値セットを取得する設定値取得部(S230、S610~S635、S710~S735)、および
前記設定値取得部が取得した前記第1の設定値セットに応じた解析結果を、ディスプレイ(23)に第1のビュー(V1)として表示させるビュー表示部(S250、S320,S420、S520)として機能させ、
前記ビュー表示部は、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第1のビューを対象とするコピー操作を行ったことに基づいて、前記第1の設定値セットと値が同じ第2の設定値セットに応じた解析結果を、前記ディスプレイに第2のビュー(V2)として前記第1のビューと共に表示させ、更に、前記ユーザが前記操作デバイスに対して前記第2の設定値セットの一部を変更する操作を行ったことに基づいて、変更後の前記第2の設定値セットに応じた解析結果を前記第2のビューに反映させる、サーバ。
【符号の説明】
【0177】
1 サーバ
2 ユーザ端末
25 制御回路
12a UIプログラム
12b 実験データ
13a Webサービス部
13b バックエンド部