(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039208
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】発光装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240314BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20240314BHJP
H01L 33/56 20100101ALI20240314BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20240314BHJP
C08L 83/12 20060101ALI20240314BHJP
C08G 59/40 20060101ALI20240314BHJP
G02B 6/00 20060101ALN20240314BHJP
F21Y 115/00 20160101ALN20240314BHJP
【FI】
F21S2/00 439
F21S2/00 431
F21V8/00 100
H01L33/56
C08L63/00 A
C08L83/12
C08G59/40
G02B6/00 331
F21Y115:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143586
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145104
【弁理士】
【氏名又は名称】膝舘 祥治
(72)【発明者】
【氏名】八木 兵庫
【テーマコード(参考)】
2H038
3K244
4J002
4J036
5F142
【Fターム(参考)】
2H038AA55
2H038BA06
3K244AA04
3K244BA08
3K244BA28
3K244BA31
3K244BA48
3K244CA02
3K244CA03
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3K244EB01
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3K244JA03
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3K244KA07
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3K244LA01
4J002CD021
4J002CD20X
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4J036AA05
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4J036JA15
5F142AA81
5F142BA32
5F142CB23
5F142CC02
5F142CG05
5F142CG13
5F142CG14
5F142DA14
(57)【要約】
【課題】光源部の良好な保護性を有する発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、基材と、前記基材上に配置される光源部と、光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、光源部を被覆して光源部と前記導光部材との間に配置される樹脂硬化物と、を備える。発光装置を構成する樹脂硬化物は、脂環式エポキシ樹脂の硬化物と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材上に配置される光源部と、前記光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、前記光源部を被覆して前記光源部と前記導光部材との間に配置される樹脂硬化物と、を備え、
前記樹脂硬化物は、脂環式エポキシ樹脂の硬化物と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む発光装置。
【請求項2】
前記樹脂硬化物は、前記脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対する前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの含有量の質量比が0.001以上99以下である請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記樹脂硬化物は、シリコーン変性エポキシ樹脂の硬化物を更に含む請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記樹脂硬化物は、前記脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対する前記シリコーン変性エポキシ樹脂の硬化物の含有量の質量比が0.001以上10以下である請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
基材と、前記基材上に配置される光源部と、前記光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、を備える発光装置中間体準備することと、
前記発光装置中間体上の前記光源部を被覆して前記光源部と前記導光部材との間に樹脂組成物を付与することと、
付与した樹脂組成物を硬化することと、を含み、
前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂と、カチオン硬化剤と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、前記脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対する前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの含有量の質量比が0.001以上99以下である請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記カチオン硬化剤は、芳香族フッ素系酸発生剤を含む請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂の含有量に対するカチオン硬化剤の含有量の質量比が0.001以上5以下である請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、シリコーン変性エポキシ樹脂を更に含む請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、前記脂環式エポキシ樹脂の含有量に対する前記シリコーン変性エポキシ樹脂の含有量の質量比が0.001以上10以下である請求項9に記載の発光装置の製造方法。
【請求項11】
前記付与した樹脂組成物を硬化することにおいて、150℃以下で熱処理することを含む請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光源として半導体発光素子を備える発光装置では、半導体発光素子を保護する封止部材が用いられる。封止部材を形成する光半導体素子封止用エポキシ樹脂としてポリエーテル変性シリコーンオイルを内部離型剤として含有するエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様は、光源部の良好な保護性を有する発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様は、基材と、基材上に配置される光源部と、光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、光源部を被覆して光源部と導光部材との間に配置される樹脂硬化物と、を備える発光装置である。樹脂硬化物は、脂環式エポキシ樹脂の硬化物と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む。
【0006】
第2態様は、基材と、基材上に配置される光源部と、光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、を備える発光装置中間体を準備することと、発光装置中間体上の光源部を被覆して光源部と導光部材との間に樹脂組成物を付与することと、付与した樹脂組成物を硬化することと、を含む発光装置の製造方法である。樹脂組成物を付与することにおいて、樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂と、カチオン硬化剤と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、光源部の良好な保護性を有する発光装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1のII-II線における模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに本明細書に記載される数値範囲の上限及び下限は、数値範囲として例示された数値をそれぞれ任意に選択して組み合わせることが可能である。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、発光装置及びその製造方法を例示するものであって、本発明は、以下に示す発光装置及びその製造方法に限定されない。
【0010】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。
【0011】
発光装置
発光装置は、基材と、基材上に配置される光源部と、光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、光源部を被覆して光源部と導光部材との間に配置される樹脂硬化物と、を備える。光源部を被覆する樹脂硬化物は、脂環式エポキシ樹脂の硬化物と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む。光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材は、光源部の側面の全部を囲むように配置されていてもよく、基材上に投影される光源部の平面図が矩形状の場合、1又は2以上の側面に配置されていてもよい。
【0012】
光源部を被覆する樹脂硬化物が、脂環式エポキシ樹脂と特定の屈折率を有するポリエーテル変性シリコーンオイルを含む樹脂組成物から形成されることで、発光装置の基材に付与された未硬化の樹脂組成物が、その硬化時に基板から漏れ出てしまうことが抑制される。これにより樹脂硬化物による光源部の良好な保護性が達成できる。またポリエーテル変性シリコーンオイルが特定の屈折率を有していることで、良好な透光性を有する樹脂硬化物が形成される。ここで「良好な保護性」とは、硬化速度が適度に速いこと、樹脂ひけが少ないこと、透明性が高いこと、硬化後の樹脂漏れが少ないこと、などが少なくとも1つ解消していることをいう。
【0013】
実施形態の発光装置100及び複数の発光装置100から構成される面状光源300の一例を
図1および
図2を参照して説明する。
図1は、複数の発光装置から構成される面状光源300の一例を示す模式平面図である。
図2は、
図1のII-II線における模式断面図である。面状光源300の発光面に対して平行であり、且つ互いに直交する2方向を第1方向と、第2方向とする。第1方向及び第2方向と直交する方向を、第3方向とする。
図1において、第1方向とはX方向であり、第2方向とはY方向であり、第3方向とはZ方向である。本明細書において、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)と平行な平面をXY平面と称することがある。また、XY平面において第1方向(X方向)から0°以上360°より小さい角度で傾く方向を横方向と称し、第3方向(Z方向)を上下方向と称することがある。なお、発光装置の実施形態は、
図1および
図2に示された構成に限定されず、それ以外の構成を採ることもできる。
【0014】
面状光源300は、発光装置100と、支持部材200と、を備える。発光装置100は、支持部材200上に配置される。発光装置100は、発光素子を含む光源部10と、樹脂硬化物である透光性部材20と、光調整部材30と、導光部材40と、を備える。透光性部材20は、第1透光部21と、第2透光部22と、を有する。第1透光部21は、光源部10の側面と接する。第2透光部22は、光源部10の上側に位置する。第2透光部22は、第1透光部21の上側に位置する。光調整部材30は、光源部10の上側に配置される。光調整部材30は、第1透光部21の上側に配置される。光調整部材30は、第2透光部22の上側に配置される。光調整部材30は、貫通孔30Aを有する。光調整部材30の貫通孔30Aは、平面視において光源部10から離れて位置する。透光性部材20は、凹部20Aを有する。透光性部材20の凹部20Aは、貫通孔30Aと繋がる。透光性部材20の凹部20Aの少なくとも一部は、光調整部材30の下面よりも下側に位置する。
【0015】
光調整部材30が光源部10の上側に位置することにより、光源部10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。これにより、発光装置100の輝度むらが低減される。
【0016】
光源部
図1に示すように、面状光源300は、第1光源10A、第2光源10B、第3光源10C及び第4光源10Dを含む複数の光源部10を備えている。尚、面状光源300が備える光源部10の数は、1個のみでもよいし、複数個であってもよい。
【0017】
光源部10は、発光素子を含む。発光素子は半導体積層体を含む半導体発光素子であってよい。光源部10は発光素子を1つだけ含んでいてもよく、複数の発光素子を含んでいてもよい。光源部10が含む複数の発光素子の発光ピーク波長は、同じでも異なっていてもよい。
【0018】
光源部10は、発光素子に加えて、発光素子の上面及び側面を被覆する光源透光性部材を有していてよい。光源透光性部材は、発光素子が発する光に対する透光性を有する。光源透光性部材は、透光性樹脂を含み、発光材料を更に含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、発光材料は、蛍光体、量子ドット等を含んでいてよい。蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn、ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体が挙げられる。量子ドットとしては、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3、ここで、FAはホルムアミジニウムを、MAはメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、カルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を挙げることができる。光源透光性部材が含む発光材料は、1種類であってもよく、複数種類の組み合わせであってもよい。なお、発光材料の組成を表す式中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、これらの複数の元素のうち少なくとも1種の元素を組成中に含有することを意味する。また、蛍光体の組成を表す式中、コロン(:)の前は母体結晶を表し、コロン(:)の後は賦活元素を表す。
【0019】
平面視における光源部10の形状は、例えば、円形、三角形、四角形、六角形、八角形等の形状とすることができる。平面視における光源部10の形状が四角形の場合には、光源部10の一対の外縁が第1方向(X方向)と平行でもよく、第1方向(X方向)に対して傾斜していてもよい。本実施形態では、光源部10の一対の外縁が第1方向(X方向)に対して45°傾斜している。
【0020】
透光性部材
透光性部材20は、脂環式エポキシ樹脂の硬化物とポリエーテル変性シリコーンオイルとを含む樹脂硬化物から形成され、光源部10が発する光に対する透光性を有する部材である。透光性部材20は、第1透光部21と第2透光部22とを有してよい。
図2では、第1透光部21と第2透光部22は別体であるが、同じ材料で一体に形成されていてもよい。光源部10のピーク波長の光に対する第1透光部21及び第2透光部22のそれぞれの透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0021】
図2に示すように、第1透光部21は、光源部10の側面と接する。このようにすることで、光源部10からの光が第1透光部21に入射しやすくなる。また、第1透光部21は後述する導光部材40と接していることが好ましい。このようにすることで、光源部10からの光が導光部材40に入射しやすくなる。第1透光部21は、光源部10の上面の全てを覆っていてもよい。第1透光部21が光源部10の上面の全てを覆うことによって、光源部10の直上領域における輝度の調整が容易になる。また光源部10に対する良好な保護性を示すことができる。
【0022】
第2透光部22は、光源部10の上側に位置する。第2透光部22は、第1透光部21の上側に位置する。第2透光部22は、光源部10の上面及び/又は第1透光部21の上面と接していることが好ましい。このようにすることで、第3方向(Z方向)において発光装置100を小型化しやすくなる。
【0023】
本実施形態において、透光性部材を構成する樹脂硬化物は、脂環式エポキシ樹脂の硬化物とポリエーテル変性シリコーンオイルとを含む。樹脂硬化物を形成する脂環式エポキシ樹脂は、環状脂肪族基のエタンジイル基がエポキシ基に置換されてなるエポキシ樹脂であってよく、例えばシクロヘキセン、シクロペンテン等の環状オレフィンを有する化合物を酸化して形成されるエポキシ樹脂であってよい。脂環式エポキシ樹脂の1分子中の脂環式エポキシ基の数は1つであっても2つ以上であってもよい。脂環式エポキシ樹脂1分子中の脂環式エポキシ基の数は、例えば、6つ以下であってよい。
【0024】
脂環式エポキシ樹脂として具体的には、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、テトラヒドロインデンジエポキシド、ビニルシクロペンタジエンジオキシド、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、3,4-エポキシシクロヘキシルメタノール、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、リモネンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド、トリシクロペンタジエンジエポキシド、1,2:5,6-ジエポキシヘキサヒドロインダン、5,12-ジオキサヘキサシクロ[7.6.1.02,8.04,6.010,15.011,13]ヘキサデカン、エポキシ[エポキシ-オキサスピロC8-15アルキル]-シクロC5-12アルカン(例えば、3,4-エポキシ-1-[8,9-エポキシ-2,4-ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3-イル]-シクロヘキサン等)、エポキシC5-12シクロアルキルC1-3アルキル-エポキシC5-12シクロアルカンカルボキシレート(例えば、4,5-エポキシシクロオクチルメチル-4’,5’-エポキシシクロオクタンカルボキシレート等)、ビス(C1-3アルキル-エポキシC5-12シクロアルキルC1-3アルキル)ジカルボキシレート(例えば、ビス(2-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等)などが挙げられる。脂環式エポキシ樹脂は、これらからなる群か選択される少なくとも1種を含んでいてよく、好ましくは3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、およびテトラヒドロインデンジエポキシドからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。なお、上記例示中において、C8-15との記載は、炭素数が8から15のであることを意味し、構造の異なる複数の化合物を包含していることを示している。C1-3等の記載についても同様である。脂環式エポキシ樹脂は1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0025】
脂環式エポキシ樹脂を2種以上組み合わせて用いる場合、ある特定の脂環式エポキシ樹脂の含有量の脂環式エポキシ樹脂の総含有量に対する比率が、例えば5以上50未満であってよく、好ましくは10以上、又は15以上であってよく、また好ましくは40以下、30以下、又は25以下であってよい。
【0026】
脂環式エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば50以上であってよく、好ましくは60以上、又は70以上であってよい。また、例えば500以下であってよく、好ましくは400以下、又は300以下であってよい。ここで、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量として定義され、JIS K7236に準じて算出される。
【0027】
樹脂硬化物が含むポリエーテル変性シリコーンオイルは、例えば非反応性シリコーンオイルの側鎖の一部がポリエーテル基に置換された化合物であってよい。非反応性シリコーンオイルは、例えばジアルキルポリシロキサンであってよく、好ましくはジメチルポリシロキサンであってよい。ポリエーテル変性シリコーンオイルが有するポリエーテル基は、炭素数が2から4、好ましくは2から3のアルキレンオキシ基を構成単位として含んでいてよい。またポリエーテル基の末端は水素原子であっても、炭素数1から6のアルキル基であってもよい。ポリエーテル変性シリコーンイルは1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0028】
ポリエーテル変性シリコーンオイルの屈折率は、例えば1.43以上1.5以下であってよく、好ましくは1.435以上、又は1.44以上であってよく、また好ましくは1.48以下、又は1.46以下であってよい。屈折率が前記範囲内であると、より光の透過性が向上する傾向がある。ポリエーテル変性シリコーンオイルの屈折率は、25℃においてナトリウムランプ光源を用いて測定される。
【0029】
ポリエーテル変性シリコーンオイルは、入手可能なものから適宜選択して用いることができる。入手可能なポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、例えばX-22-4515(製品名:信越シリコーン株式会社製;屈折率1.445)、KF-6011(製品名:信越シリコーン株式会社製;屈折率1.448)等が挙げられる。
【0030】
樹脂硬化物における、脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対するポリエーテル変性シリコーンオイルの含有量の質量比は、例えば0.001以上99以下、又は0.001以上10以下であってよく、好ましくは0.01以上、0.1以上、0.5以上、又は1以上であってよく、また好ましくは8以下、5以下、又は3以下であってよい。
【0031】
樹脂硬化物は、脂環式エポキシ樹脂の硬化物に加えてシリコーン変性エポキシ樹脂の硬化物を更に含んでいてもよい。シリコーン変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂をポリオルガノシリコーンまたはオルガノシリコーンオリゴマーで変性した化合物であればよい。シリコーン変性エポキシ樹脂は、例えばシリコーン変性脂環式エポキシ樹脂、シリコーンオリゴマー変性脂環式エポキシ樹脂等であってよい。シリコーン変性エポキシ樹脂は1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0032】
シリコーン変性エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば50以上であってよく、好ましくは60以上、又は70以上であってよい。また、例えば500以下であってよく、好ましくは400以下、又は300以下であってよい。
【0033】
シリコーン変性エポキシ樹脂の屈折率は、例えば1.43以上1.5以下であってよく、好ましくは1.435以上、又は1.44以上であってよく、また好ましくは1.495以下、又は1.49以下であってよい。屈折率が前記範囲内であると、より光の透過性が向上する傾向がある。
【0034】
シリコーン変性エポキシ樹脂は、入手可能なものから適宜選択して用いることができる。入手可能なシリコーン変性エポキシ樹脂としては、例えばX-40-2678(製品名:信越シリコーン株式会社製)、KR470(製品名:信越シリコーン株式会社製)等が挙げられる。
【0035】
樹脂硬化物がシリコーン変性エポキシ樹脂の硬化物を含む場合、脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対するシリコーン変性エポキシ樹脂の硬化物の含有量の質量比は、例えば0.001以上10以下であってよく、好ましくは0.01以上、0.05以上、又は0.1以上であってよく、また好ましくは9以下、1.5以下、1以下、0.8以下、又は0.5以下であってよい。
【0036】
樹脂硬化物は、無機粒子、有機粒子等の粒子状材料を更に含んでいてもよい。粒子状材料は、例えば光拡散材であってよい。無機粒子の材料としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等を挙げることができる。有機粒子の材料としては、例えば、シリコーンレジン、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体等を挙げることができる。粒子状材料のメディアン径は、例えば5nm以上50μm以下であってよく、好ましくは15nm以上30μm以下であってよい。また、樹脂硬化物における粒子状材料の含有量は、エポキシ樹脂の総含有量に対する粒子状材料の含有量の質量比として、例えば0.002以上0.02以下であってよい。樹脂硬化物は、粒子状材料を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0037】
光調整部材
光調整部材30は、光源部10が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源部10から出射した光の一部は光調整部材30により反射し、他の一部は光調整部材30を透過する。光調整部材30は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。
【0038】
導光部材
図2に示すように、発光装置100は導光部材40を備えている。導光部材40は、光源部10が発する光に対する透光性を有する部材である。光源部10のピーク波長に対する導光部材40の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
図2に示すように、導光部材40は、発光装置100の発光面となる第1面401と、第1面401の反対側に位置する第2面402と、を有する。導光部材40は、第1面401から第2面402まで貫通する収容部403を有する。導光部材40の収容部403に光源部10が配置される。本実施形態における収容部403は、平面視において円形状である。収容部403は、平面視において楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状であってもよい。
【0039】
発光装置100が備える導光部材40の数は、1つでもよく、複数でもよい。本実施形態では、発光装置100は、第1導光部40A、第2導光部40B、第3導光部40C及び第4導光部40Dを含む複数の導光部材40を備えている。
【0040】
導光部材40は区画溝41によって区画されている。区画溝41で区画された1つの領域を発光領域300Aとする。本実施形態では、区画溝41によって区画された第1導光部40A、第2導光部40B、第3導光部40C及び第4導光部40Dが、それぞれ異なる発光領域300Aである。1つの発光領域300Aは、ローカルディミングの駆動単位とすることができる。
【0041】
図2に示すように、導光部材40は、第1導光孔部42Aを有していていることが好ましい。第1導光孔部42Aは、導光部材40の第1面401側に開口する貫通孔又は凹部のことである。平面視において、第1導光孔部42Aは、収容部403と区画溝41との間に位置する。平面視において、第1導光孔部42Aは、光調整部材30と重ならない。本実施形態において、第1導光孔部42Aは第1面401側にのみ開口する凹部である。尚、第1導光孔部42Aは導光部材40の第1面401から第2面402まで貫通していてもよく、導光部材40の第2面402側のみ開口する凹部であってもよい。導光部材40が第1導光孔部42Aを含むことにより、導光部材40の表面積を大きくすることができる。これにより輝度ムラを低減したり、基材の反りを低減したりすることができる。
【0042】
導光部材40の材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、又は、ガラスなどを用いることができる。
【0043】
導光部材40の厚みは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。本明細書において、各部材の厚みとは第3方向(Z方向)上に位置する各部材の上面から各部材の下面までの最大値とする。導光部材40は、第3方向に単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材40が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着剤を配置してもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよい。
【0044】
支持部材200は、発光装置100が配置される部材である。支持部材200は、光源部10及び導光部材40を支持する。導光部材40は、第2面402を支持部材200の上面に対向させて、支持部材200上に配置される。
【0045】
支持部材200は、配線基板50を有する。配線基板50は、絶縁基材51と、絶縁基材51の少なくとも一方の面に配置された少なくとも1層の配線層52とを有する。絶縁基材51は、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。面状光源の薄型化のため、絶縁基材51はフレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材51は、第3方向(Z方向)において単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材51は、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材51の材料として、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。配線層52は、金属膜であり、例えば銅膜である。
【0046】
支持部材200は、配線基板50上に配置された第1接着層61と、第1接着層61上に配置された反射部材70と、反射部材70上に配置された第2接着層62と、をさらに有する。
【0047】
支持部材200は、導電部材80をさらに有する。導電部材80は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子とを含む。導電部材80の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いることができる。金属粒子として、例えば、銅又は銀の粒子を用いることができる。
【0048】
導電部材80は、接続部81と配線部82とを有する。接続部81は、第2接着層62、反射部材70、第1接着層61、及び絶縁基材51を第3方向(Z方向)において貫通している。配線部82は、配線基板50における配線層52が配置された面に配置され、接続部81と接続している。接続部81と配線部82は、同じ材料で一体に形成することができる。配線部82の一部は、配線層52と接続している。
【0049】
支持部材200は、絶縁層90をさらに有する。絶縁層90は、配線基板50の下面に配置され、配線層52を覆っている。絶縁層90の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂を用いることができる。
【0050】
発光装置の製造方法
発光装置の製造方法は、基材と、基材上に配置される光源部と、光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、を備える発光装置中間体を準備する第1工程と、発光装置中間体上の光源部を被覆して光源部と導光部材との間に樹脂組成物を付与する第2工程と、付与した樹脂組成物を硬化する第3工程と、を含む。第2工程における樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂と、カチオン硬化剤と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む。
【0051】
特定の構成を有する樹脂組成物を用いて光源部を被覆することで、光源部と導光部材との間に付与された未硬化の樹脂組成物が硬化時に導光部材の上面側に漏れ出てしまうことを低減できる。これにより樹脂硬化物による光源部の良好な保護性が達成できる。またポリエーテル変性シリコーンオイルが特定の屈折率を有していることで、良好な透明性を有する樹脂硬化物を形成することができる。また樹脂組成物がカチオン硬化剤を含むことで、硬化速度が速く、生産性も良い樹脂硬化物を形成することができる。さらに光源部を被覆する樹脂硬化物が不足して、光源部の一部が露出することを抑制できる。
【0052】
第1工程では、基材と、基材上に配置される光源部と、光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、を備える発光装置中間体を準備する。基材、光源部および導光部材の一例については既述の通りである。発光装置中間体は、所望の構成を有するものを製造して準備してもよいし、購入等により準備してもよい。
【0053】
第2工程では、発光装置中間体上の光源部を被覆して光源部と導光部材との間に樹脂組成物を付与する。第2工程で付与される樹脂組成物は、光源部の上面と側面を被覆し、光源部と導光部材との空隙に充填される。
【0054】
樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂とカチオン硬化剤と屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルとを含む。樹脂組成物は脂環式エポキシ樹脂の硬化剤としてカチオン硬化剤を含む。カチオン硬化剤を用いることで脂環式エポキシ樹脂の硬化速度が向上して生産性が向上する。また揮発成分が少ないことから、硬化時に樹脂組成物量が目減りして光源部の上面が露出する等の不具合が発生することを効果的に抑制することができる。
【0055】
脂環式エポキシ樹脂およびポリエーテル変性シリコーンオイルの詳細については既述の通りである。樹脂組成物における脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対するポリエーテル変性シリコーンオイルの含有量の質量比は、例えば0.001以上99以下、又は0.001以上10以下であってよく、好ましくは0.01以上、0.1以上、0.5以上、又は1以上であってよく、また好ましくは8以下、5以下、又は3以下であってよい。
【0056】
樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂に加えてシリコーン変性エポキシ樹脂を更に含んでいてもよい。シリコーン変性エポキシ樹脂の詳細については既述の通りである。樹脂組成物がシリコーン変性エポキシ樹脂を更に含む場合、脂環式エポキシ樹脂の含有量に対するシリコーン変性エポキシ樹脂の含有量の質量比は、例えば0.001以上10以下であってよく、好ましくは0.01以上、0.05以上、又は0.1以上であってよく、また好ましくは9以下、1.5以下、1以下、0.8以下、又は0.5以下であってよい。
【0057】
樹脂組成物はカチオン硬化剤を含む。カチオン硬化剤は、熱カチオン硬化剤であっても、光カチオン硬化剤であってもよく、好ましくは熱カチオン硬化剤であってよい。熱カチオン硬化剤は、熱エネルギーによってカチオン活性種(例えば、酸成分)を発生させて、カチオン重合を開始させ得る化合物である。熱カチオン硬化剤は、カチオンとアニオンから構成される塩化合物であってよい。熱カチオン硬化剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩系化合物、ホスホニウム塩系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、アルミニウム錯体系化合物、芳香族ヨードニウム塩系化合物、芳香族ジアゾニウム塩系化合物、ピリニジウム系化合物等が挙げられる。光カチオン硬化剤は、紫外線光エネルギーによって、カチオン活性種(例えば酸成分)を発生させて、カチオン重合を開始させ得る化合物である。光カチオン硬化剤は、カチオンとアニオンから構成させる塩化合物であってよい。光カチオン硬化剤としては、例えば、アンチモン塩系化合物、ホスホニウム塩系化合物、芳香族スルホ二ウム塩系化合物、芳香族ヨード二ウム塩系化合物、アンモニウム塩系化合物等が挙げられる。
【0058】
熱カチオン硬化剤におけるカチオン成分としては例えば、(2-エトキシ-1-メチル-2-オキソエチル)メチル-2-ナフタレニルスルホニウム、4-(メトキシカルボニルオキシ)フェニルベンジルメチルスルホニウム、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニル(o-メチルベンジル)メチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニル(α-ナフチルメチル)メチルスルホニウム、4-ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウム、ジフェニル-4-(フェニルチオ)フェニルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、ビス[4-(ジ(4-(2-ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド等の芳香族スルホニウム;エチルトリフェニルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム等のホスホニウム;N,N-ジメチル-N-ベンジルアニリニウム、N,N-ジエチル-N-ベンジルアニリニウム、N,N-ジメチル-N-ベンジルピリジニウム、N,N-ジエチル-N-ベンジルピリジニウム、N,N-ジメチル-N-(4-メトキシベンジル)ピリジニウム、N,N-ジエチル-N-(4-メトキシベンジル)ピリジニウム、N,N-ジエチル-N-(4-メトキシベンジル)トルイジニウム、N,N-ジメチル-N-(4-メトキシベンジル)トルイジニウム等の4級アンモニウム;ジフェニルヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、4-メチルフェニル-4-(1-メチルエチル)フェニルヨードニウム等の芳香族ヨードニウム;フェニルジアゾニウム等の芳香族ジアゾニウム;1-ベンジル-2-シアノピリジニウム、1-(ナフチルメチル)-2-シアノピリジニウム等のピリジニウム;などを挙げることができる。
【0059】
熱カチオン硬化剤におけるアニオン成分としては、例えばヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等が挙げられる。なかでもカチオン硬化剤は、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、およびアニオン成分としてテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等を含む塩化合物を含む芳香族フッ素系酸発生剤を含んでいてよい。
【0060】
芳香族フッ素系酸発生剤の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、(2-エトキシ-1-メチル-2-オキソエチル)メチル-2-ナフタレニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-(メトキシカルボニルオキシ)フェニルベンジルメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-ヒドロキシフェニル(o-メチルベンジル)メチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-ヒドロキシフェニル(α-ナフチルメチル)メチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル-4-(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4-(ジ(4-(2-ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、エチルトリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラブチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-N-ベンジルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチル-N-ベンジルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-N-ベンジルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチル-N-(4-メトキシベンジル)トルイジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-メチルフェニル-4-(1-メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。カチオン硬化剤は、これらの芳香族フッ素系酸発生剤からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
【0061】
樹脂組成物におけるカチオン硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂の総含有量に対するカチオン硬化剤の含有量の質量比として、例えば0.001以上5以下であってよく、好ましくは0.002以上、0.005以上、0.1以上、又は0.25以上であってよく、また好ましくは3以下、2以下、0.1以下、0.05以下、又は0.01以下であってよい。樹脂組成物はカチオン硬化剤を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0062】
樹脂組成物は、カチオン硬化剤に加えて、カチオン硬化剤以外の硬化剤を更に含んでいてもよい。カチオン硬化剤以外の硬化剤としては、例えば酸無水物系硬化剤等が挙げられる。
【0063】
酸無水物系硬化剤として具体的には、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、アルキルスチレン-無水マレイン酸共重合体、クロレンド酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ポリアジピン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、ヘット酸無水物、ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸無水物等が挙げられる。樹脂組成物は酸無水物系硬化剤を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0064】
樹脂組成物が酸無水物系硬化剤を含む場合、樹脂組成物における酸無水物系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂の総含有量に対する酸無水物系硬化剤の含有量の質量比として、例えば0.5以上1.4以下であってよく、好ましくは1.2以下、又は1.1以下であってよい。
【0065】
樹脂組成物は、カチオン硬化剤に加えて硬化促進剤を更に含んでいてもよい。硬化促進剤として具体的には、トリフェニルホスフィン、トリフェニルベンジルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ-n-ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラ-n-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラ-n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート、メチルトリ-n-ブチルホスホニウムジメチルホスフェート、n-ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類とその第四級塩;2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-[2-メチルイミダゾリル-(1)]エチル-s-トリアジン、2-フェニルイミダゾリン、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール等のイミダゾール類;トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、テトラブチルアンモニウムブロミド等の3級アミンとその第四級塩;1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5等の超強塩基性の有機化合物;オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の有機カルボン酸金属塩;ベンゾイルアセトン亜鉛キレート、ジベンゾイルメタン亜鉛キレートおよびアセト酢酸エチル亜鉛キレート等の金属-有機キレート化合物;テトラ-n-ブチルスルホニウム-o,o-ジエチルホスホロジチオネート等が挙げられる。樹脂組成物は、硬化促進剤を1種単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0066】
樹脂組成物は、上記成分に加えて、無機粒子、有機粒子等の粒子状材料を更に含んでいてもよい。粒子状材料の詳細については既述の通りである。
【0067】
樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂とカチオン硬化剤とポリエーテル変性シリコーンオイルと必要に応じて含まれるその他の成分とを混合することで調製することができる。混合方法は通常用いられる混合方法から適宜選択すればよい。
【0068】
第2工程における発光装置中間体への樹脂組成物を付与方法としては、例えばエアーディスペンサ、スクリーン印刷、インクジェット塗布等を挙げることができる。
【0069】
第3工程では、付与した樹脂組成物を硬化して、光源部の上面と側面とを被覆し、光源部と導光部材の空隙に充填される樹脂硬化物である透光性部材を形成する。樹脂組成物の硬化方法は、樹脂組成物が含むカチオン硬化剤に応じて適宜選択すればよい。例えばカチオン硬化剤が熱硬化性の熱カチオン硬化剤である場合、付与した樹脂組成物を熱処理することで樹脂硬化物である透光性部材を形成することができる。熱処理の温度は、熱カチオン硬化剤に応じて選択すればよい。熱処理の温度は、例えば150℃以下であってよく、好ましくは130℃以下、又は100℃以下であってよ。熱処理の温度の下限は、例えば70℃以上であってよい。熱処理時間は、例えば0.2時間以上8時間以下であってよく、好ましくは0.5時間以上、又は4時間以下であってよい。
【0070】
熱処理による樹脂組成物の硬化は、単一の温度で実施してもよく、複数の温度で実施してもよい。例えば、熱カチオン硬化剤が活性を示す温度で1段階目の熱処理をした後に、更に高温で2段階目の熱処理を行ってもよい。
【0071】
本発明は、以下の態様を包含してよい。
[1] 基材と、前記基材上に配置される光源部と、前記光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、前記光源部を被覆して前記光源部と前記導光部材との間に配置される樹脂硬化物と、を備え、前記樹脂硬化物は、脂環式エポキシ樹脂の硬化物と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む発光装置。
【0072】
[2] 前記樹脂硬化物は、前記脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対する前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの含有量の質量比が0.001以上99以下である[1]に記載の発光装置。
【0073】
[3] 前記樹脂硬化物は、シリコーン変性エポキシ樹脂の硬化物を更に含む[1]又は[2]に記載の発光装置。
【0074】
[4] 前記樹脂硬化物は、前記脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対する前記シリコーン変性エポキシ樹脂の硬化物の含有量の質量比が0.001以上10以下である[3]に記載の発光装置。
【0075】
[5] 基材と、前記基材上に配置される光源部と、前記光源部の側面の少なくとも一部に配置される導光部材と、を備える発光装置中間体準備することと、前記発光装置中間体上の前記光源部を被覆して前記光源部と前記導光部材との間に樹脂組成物を付与することと、付与した樹脂組成物を硬化することと、を含み、前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂と、カチオン硬化剤と、屈折率が1.43以上1.5以下であるポリエーテル変性シリコーンオイルと、を含む発光装置の製造方法。
【0076】
[6] 前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、前記脂環式エポキシ樹脂の硬化物の含有量に対する前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの含有量の質量比が0.001以上99以下である[5]に記載の発光装置の製造方法。
【0077】
[7] 前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記カチオン硬化剤は、芳香族フッ素系酸発生剤を含む[5]又は[6]に記載の発光装置の製造方法。
【0078】
[8] 前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂の含有量に対するカチオン硬化剤の含有量の質量比が0.001以上5以下である[5]から[7]のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
【0079】
[9] 前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、シリコーン変性エポキシ樹脂を更に含む[5]から[8]のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
【0080】
[10] 前記樹脂組成物を付与することにおいて、前記樹脂組成物は、前記脂環式エポキシ樹脂の含有量に対する前記シリコーン変性エポキシ樹脂の含有量の質量比が0.001以上10以下である[9]に記載の発光装置の製造方法。
【0081】
[11] 前記付与した樹脂組成物を硬化することにおいて、150℃以下で熱処理することを含む[5]から[10]のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
【実施例0082】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0083】
以下の材料を準備した。
脂環式エポキシ樹脂
セロキサイト2021P(製品名:ダイセル株式会社製;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)
THI-DE(製品名:ENEOS株式会社製;テトラヒドロインデンジエポキシド)
【0084】
シリコーン変性エポキシ樹脂
X-40-2678(製品名:信越化学工業株式会社製)
KR470(製品名:信越化学工業株式会社製)
【0085】
ポリエーテル変性シリコーンオイル
KF-945(製品名:信越化学工業株式会社製;屈折率1.42、比重1.00、HLB4)
KF-6015(製品名:信越化学工業株式会社製;屈折率1.419、比重1.00、HLB5)
X-22-4515(製品名:信越化学工業株式会社製;屈折率1.445、比重1.03、HLB5)
KF-6011(製品名:信越化学工業株式会社製;屈折率1.45、比重1.07、HLB12)
【0086】
酸無水物系硬化剤
MH-700G(製品名:新日本理化株式会社製)
酸無水物用硬化触媒
PX-4MP(製品名:日本化学工業株式会社製)
酸無水物用硬化助剤
エチレングリコール
【0087】
カチオン硬化剤
CatA(製品名:日本触媒株式会社製;トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン成分を含むカチオン硬化剤)
【0088】
実施例1
脂環式エポキシ樹脂(セロキサイト2021P)の100質量部と、ポリエーテル変性シリコーンオイル(X-22-4515)の2質量部と、カチオン硬化剤(CatA)の0.5質量部と、を自転公転式攪拌機で混合して、実施例1の樹脂組成物を得た。
【0089】
実施例2から6、比較例1から7
表1に示す材料と配合量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの樹脂組成物を得た。
【0090】
評価
評価用基板500として
図3に示すような基材502上に、大きさが直径2.5mmの円筒状の凹部504を有する導光部材506(厚み500μm)と、凹部504内に配置された光源部508と、が配置された基板を準備した。
【0091】
得られた樹脂組成物を準備した評価用基板500の凹部504内にエアーディスペンサを用いて、光源部508の側面及び上面が被覆される量で付与した。80℃で1.5時間熱処理して、樹脂組成物を硬化させて、評価用の発光装置を作製した。
【0092】
得られた評価用発光装置について、光学顕微鏡(15倍)を用いて、樹脂ひけ、硬化後樹脂漏れおよび透明度の状態を観察し、下記評価基準により評価した。結果を表1に示す。
【0093】
また、硬化した樹脂組成物の表面状態を触診で確認し、硬化性を下記評価基準により評価した。結果を表1に示す。
【0094】
評価基準
(1)樹脂ひけ
A:光源部の上面が完全に被覆されていた。
B:光源部の上面が露出していた。
(2)硬化後樹脂漏れ
A:硬化樹脂が導光部材上まで這い上がっていなかった。
B:硬化樹脂が導光部材上まで這い上がっていた。
(3)透明度
A:光源部を識別することができた。
B:光源部を識別することができなかった。
(4)硬化性
A:完全に硬化していて、糸引きはなかった。
B:未硬化部分があり、糸引きがあった。
【0095】
【0096】
酸無水物系硬化剤を用いた比較例1から4では、樹脂ひけが発生し、光源部の上面が露出し、十分な保護性が得られなかった。カチオン硬化剤を用い、ポリエーテル変性シリコーンオイルを用いなかった比較例5では樹脂ひけは抑制できたが、硬化後樹脂漏れが発生した。比較例6および7では、樹脂漏れが抑制できたが、樹脂硬化物が白濁し、十分な透光性が得られなかった。カチオン硬化剤を用い、特定の屈折率を有するポリエーテル変性シリコーンオイルを用いた実施例1から6では、樹脂ひけおよび硬化後樹脂漏れが抑制され、樹脂硬化物の透光性に優れていた。エポキシ樹脂を混合物に代えた実施例3から6でも実施例2と同様の結果が得られた。