IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特開-インクジェット記録方法 図1
  • 特開-インクジェット記録方法 図2
  • 特開-インクジェット記録方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039623
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】インクジェット記録方法
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/00 20060101AFI20240314BHJP
   D06P 5/30 20060101ALI20240314BHJP
   C09D 11/32 20140101ALI20240314BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240314BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
B41M5/00 132
B41M5/00 114
B41M5/00 120
D06P5/30
C09D11/32
B41J2/01 123
B41J2/21
B41J2/01 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140770
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2022143948
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023111609
(32)【優先日】2023-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100116713
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 正己
(72)【発明者】
【氏名】黒沼 慎
(72)【発明者】
【氏名】小橋 紀之
(72)【発明者】
【氏名】平出 智大
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4H157
4J039
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EA13
2C056EC72
2C056EE10
2C056EE17
2C056EE18
2C056FA10
2C056FB03
2C056FC02
2C056HA42
2C056HA47
2C056KC02
2C056KC14
2H186AB03
2H186AB12
2H186AB27
2H186AB54
2H186AB57
2H186BA08
2H186DA17
2H186FA07
2H186FB11
2H186FB15
2H186FB16
2H186FB17
2H186FB18
2H186FB22
2H186FB25
2H186FB29
2H186FB30
2H186FB48
2H186FB56
2H186FB58
4H157BA15
4H157DA01
4H157GA06
4J039AD10
4J039AE04
4J039BE25
4J039EA10
4J039EA18
4J039EA36
4J039GA24
(57)【要約】
【課題】布帛に対し、白隠蔽性・耐擦過性が高く画像部のべたつきが少ない記録物を形成することが出来るインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】下記工程1~4を含むインクジェット記録方法。
工程1:布帛に前処理液を付与する工程
工程2:工程1で得られた前処理液の付与領域の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第1の白色インクを付与して画像を形成する工程
工程3:工程2で形成された画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第2の白色インクを付与する工程
工程4:工程3で得られた画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式によりカラーインクを付与する工程
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程1~4を含むインクジェット記録方法。
工程1:布帛に前処理液を付与する工程
工程2:工程1で得られた前処理液の付与領域の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第1の白色インクを付与して画像を形成する工程
工程3:工程2で形成された画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第2の白色インクを付与する工程
工程4:工程3で得られた画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式によりカラーインクを付与する工程
【請求項2】
前記前処理液の付与量が5mg/cm以上40mg/cm以下であり、前記前処理液の単位面積当たりの付与量の前記第1の白色インクの付与量に対する比率(前処理液/第1の白色インク)が1.0以上7.5未満である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項3】
前記前処理液のpHが6.5未満である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項4】
前記工程2における第1の白色インクの単位面積当たりの付与量に対する前記工程3における第2の白色インクの単位面積当たりの付与量の比率(第2の白色インク/第1の白色インク)が0.5以上1.0以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
【請求項5】
前記第1の白色インクが、カルボジイミド基又はオキサゾリン基を有するポリマーを1質量%以上6質量%以下含有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【請求項6】
前記第2の白色インクが、カルボキシ基を有する樹脂を含有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、微細なノズルよりインクを液滴として吐出し、記録部材上に付着させ、文字や画像を形成する記録方法である。布帛を記録部材として用いたインクジェット捺染法が、近年広く用いられてきている。インクジェットプリンターに使用されるインクとしては、顔料インクと染料インクがあるが、顔料インクを使用したインクジェット捺染では染料インクによる捺染の際に必要な着色後の水洗いが不要であり、排水が出ないため記録方法として優れている。
【0003】
布帛に白色インクを付着させる際にインクが裏抜けすることに起因する白色度の低下が見られるという問題点が存在する。
【0004】
特許文献1では吸水率の高い段ボール原紙上に優れた画像品質を実現できる印刷方法が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の印刷方法は、被印刷物が段ボール原紙等に適用した場合には優れた効果を示す。しかしながら、被印刷物がポリエステルを含む布帛である場合には、白色インクが裏抜けしてしまうため、優れた画像品質を得るのが困難であった。
また、被印刷物がポリエステルを含む布帛である場合には、白色インク層の密着性が低いため、耐擦過性が低く布帛からインク層が脱離してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は布帛、特に濃色の布帛に対し、白隠蔽性・耐擦過性が高く画像部のべたつきが少ない記録物(捺染物)を形成することが出来るインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0007】
すなわち、本発明は下記の通りである。
下記工程1~4を含むインクジェット記録方法。
工程1:布帛に前処理液を付与する工程
工程2:工程1で得られた前処理液の付与領域の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第1の白色インクを付与して画像を形成する工程
工程3:工程2で形成された画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第2の白色インクを付与する工程
工程4:工程3で得られた画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式によりカラーインクを付与する工程
【0008】
本発明のインクジェット記録方法によれば、布帛に対し、白隠蔽性・耐擦過性が高く画像部のべたつきが少ない記録物を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のインクジェット記録方法を実施するための記録装置の一例を示す斜視図である。
図2図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクを収容するメインタンクの斜視図である。
図3図3は、本発明のインクジェット記録方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0011】
本発明において、「インクジェット記録」とは、インクジェット方式を利用して被記録媒体の一種である布帛上にインクを記録(印刷)することをいう。「記録物」とは、被記録媒体上にインクが記録されて画像が形成されたものをいう。また、本発明において「WOW方式(WET ONWET方式)」とは、WETな状態(接触するなど、押圧した場合に、液体が転写する状態)で、次のインクを付与する工程(塗布工程)を行う方式を表す。
WOW方式は、塗布工程間において乾燥工程を含まない方式(WETON WET方式)とすることが好ましい。乾燥工程における乾燥としては、例えば、加熱、送風などが挙げられ、自然乾燥は含まない。
また、本願明細書においては「インクジェット記録」を「インクジェット捺染」といい、インクジェット記録による「記録物」を「捺染物」ということがある。
【0012】
本発明のインクジェット記録方法について以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、図3に示すように、次の工程を備えている。
工程1:布帛に前処理液を付与する工程
工程2:工程1で得られた前処理液の付与領域の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第1の白色インクを付与して画像を形成する工程
工程3:工程2で形成された画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第2の白色インクを付与する工程
工程4:工程3で得られた画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式によりカラーインクを付与する工程
【0013】
工程1において布帛に前処理液を付与することによって記録基材である布帛の表面を平滑化し、記録基材への白色インクの密着性を向上させることができる。
工程2では、前処理液の付与領域の上に第1の白色インクを付与し、工程3では、第1の白色インクによって形成された画像の上に第2のインクを付与する。
このように、本発明においては、白色インクの付与工程を2段階で行う。
白色インクによる隠蔽性を向上させるには白色インクの付着量を増やす必要がある。
そして、白隠蔽性を確保するに必要な量の白色インクの付与を1工程で行うと白隠蔽性は向上するが画像のべたつきが残る。
【0014】
本発明は、白色インクの付与を、上記のように2段階に分けて行うことで、1段階で白色インクを付与する場合と比較して、工程3において付与する第2の白色インクの付与量を低減することができ、画像のべたつきを抑制することができる。
第1の白色インクは前処理液によって平滑化された布帛に塗布されるため記録基材とインクとの密着性が向上する。また、第2の白色インクは画像の摩擦堅牢性を向上させるとともに、べたつきを抑制することができる。
第1の白色インクと第2の白色インクは異なる成分を有する白色インクである。
第1の白色インクは、第2の白色インクとの密着性の向上という効果が得られることから、カルボジイミド基又はオキサゾリン基を有するポリマーを含有することが好ましく、カルボジイミド基又はオキサゾリン基を有するポリマーを1質量%以上6質量%以下含有することが更に好ましい。
【0015】
第2の白色インクは、第1の白色インクに含まれる架橋剤との反応性が良いことから、カルボキシ基を有する樹脂としてウレタン樹脂を含有することが好ましく、ウレタン樹脂を10質量%以上14質量%以下含有することが好ましい。
更に、風合いを良好にするという効果が得られることから、第2の白色インクのインク乾燥膜のガラス転移温度が30℃以下であることが好ましい。
【0016】
<ガラス転移温度>
作製した第2の白インク膜のガラス転移温度は、DSCシステムQ-2000(TAインスツルメント社製)を用いて測定した。 具体的には、インクを70℃のオーブンで12時間以上、150℃で3時間加熱乾燥させ、インク膜を作成した。インク膜5mgをアルミニウム製の試料容器に入れて装置にセットし、窒素気流下にて以下の測定条件(1)~(4)にて測定を行った。 2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、中点法にてガラス転移温度を求めた。
(1)-70℃まで冷却後5分保持
(2)10℃/分で120℃まで昇温
(3)-70℃まで冷却後5分保持
(4)10℃/分で120℃まで昇温
【0017】
本発明において使用するインクは、水、有機溶剤、架橋剤、サイズ剤、凝集剤を含む。
以下では、本発明において使用するインクの成分について説明する。
【0018】
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
【0019】
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
【0020】
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、被記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
【0021】
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0022】
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%~60質量%がより好ましい。
【0023】
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、白色用としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムがあげられる。黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
【0024】
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクトブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
【0025】
インク中色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
【0026】
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0027】
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
【0028】
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0030】
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
【0031】
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
第2の白色インクが、カルボキシ基を有する樹脂を含有することが好ましい。カルボキシ基を有する樹脂としては、第1の白色インクに含まれる架橋剤との反応性が良いことから、好適にウレタン樹脂を用いることができる。
【0032】
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
【0033】
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0034】
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
【化1】
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
【0035】
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
【化2】
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
一般式(F-2)
2n+1-CHCH(OH)CH-O-(CHCHO)-Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1でmは1~6の整数、又はCHCH(OH)CH-C2m+1でmは4~6の整数、又はC2p+1でpは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
【0036】
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
【0037】
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
【0038】
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
【0039】
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0040】
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
【0041】
<架橋剤>
前記架橋剤としては、分子内にカルボジイミド基もしくはオキサゾリン基を有する化合物が好ましく、分子内にアクリル部位を有するコポリマーがより好ましい。
第1の白色インクは、第2の白色インクに含有される樹脂と反応することで堅牢性の向上という効果が得られることから、カルボジイミド基又はオキサゾリン基を有するポリマーを含有することが好ましく、カルボジイミド基又はオキサゾリン基を有するポリマーを1質量%以上6質量%以下含有することが好ましい。カルボジイミド基又はオキサゾリン基を有するポリマーとして、カルボジイミド基又はオキサゾリン基を有するポリマーを有する架橋剤を用いることができる。
【0042】
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、被記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
【0043】
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
【0044】
前記凝集剤としては、多価金属塩もしくはカチオンポリマーを示し、架橋剤の反応性を高めるという点において、水溶液のpHが酸性となるものが好ましい。前処理液のpHが6.5未満であることが好ましい。
【0045】
第1の白色インクを布帛の表面に留めておくという観点から、前処理液の付与量が5mg/cm以上40mg/cm以下であることが好ましい。
前処理液の単位面積当たりの付与量の前記第1の白色インクの付与量に対する比率(前処理液/第1の白色インク)は第1の白色インクを布帛の表面に留めておくために、1.0以上が好ましく、画像のべたつきを防ぐ観点から7.5未満が好ましい。
第2の白色インクの単位面積当たりの付与量の前記第1の白色インクの付与量に対する比率(第2の白色インク/第1の白色インク)は、第1の白色インク上で発色し白隠蔽性を向上させる観点から0.5以上が好ましく、布帛との密着性を担保し摩擦堅牢性を向上させる点で1.0以下が好ましい。
【0046】
<後処理液>
必要に応じて後処理液を付与しても良い。
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、被記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
【0047】
<記録物>
本発明のインク記録物は、被記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
【0048】
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、被記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。被記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、被記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、被記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの被記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を被記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から被記録媒体へインクを吐出可能となる。
【0049】
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
【0050】
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、その他の記録方法を広く併用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
【0051】
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、被記録媒体等の記録基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
【0052】
本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
【0053】
記録部材、被記録媒体、記録メディア、被印刷物、記録基材等は、いずれも同義語とする。
【実施例0054】
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
また、以下の記載においては特に明記しない限り、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
【0055】
<ポリマー溶液Aの調製>
機械式撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。
65℃で1時間撹拌した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間撹拌した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%の[ポリマー溶液A]を800g得た。
【0056】
<ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製>
前記ポリマー溶液Aを28gと、カーボンブラック(デグサ社製、FW100)を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に撹拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に撹拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.50μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料15%含有、固形分20%の[ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液]を得た。
得られた[ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液]におけるポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA-EX150)で測定したところ、累積50%体積粒子径D50は104nmであった。
【0057】
<カラーインクの作製>
撹拌機を備えた容器に、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールを2.00部、グリセリンを27.50部、3-メチル-1,3-ブタンジオールを5.00部及び2,5,8,11-テトラメチルデカン-5,8-ジオールを0.50部、シルフェイスSGA503A 0.40部を入れ、30分間混合撹拌した。
次いで、防腐防黴剤(アビシア社製、Proxel GXL)0.05部、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール0.20部、前記[ブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液]を固形分換算で4.00部、ポリウレタンディスパ―ジョン タケラックW-6110を固形分換算で8.00部及び全体が100部となる量の高純水を加え、60分間混合撹拌した。
次いで、得られた混合物を、平均孔径1.5μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、[カラーインク1](ブラックインク)を得た。
【0058】
<ポリマー分散ホワイト顔料分散液の作製>
DISPERBYK-2081(BYKジャパン社製)コポリマー溶液を55.6gと、酸化チタン(TITONE R-25、堺化学工業株式会社製)を517g、β-メトキシ-N,N-ジメチル-プロピオンアミドを50g、及びイオン交換水377.4gを十分に撹拌した後、ビーズミル(ダイノーミル)投入し、累積50%体積粒子径D50が300nm以下になるまで分散を行った。更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、ホワイト顔料50%含有のポリマー分散ホワイト顔料分散液を得た。
得られたポリマー分散ホワイト顔料分散液における顔料粒子について、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA-EX150)で測定したところ、累積50%体積粒子径D50は283nmであった。
【0059】
(白色インク調製用の材料)
第1の白色インク及び第2の白色インクの調製に使用した材料について以下で説明する。
【0060】
[樹脂]カルボキシ基を有する樹脂に該当する樹脂
・ウレタン樹脂A : タケラックW-6110(三井化学株式会社製)
・アクリル樹脂B : モビニール6750(ジャパンコーティングレジン株式会社製)
・ウレタン樹脂C : スーパーフレックス460(第一工業製薬株式会社製、ガラス転移温度:-21℃)
・ウレタン樹脂D : スーパーフレックス300(第一工業製薬株式会社製、ガラス転移温度:-42℃)
【0061】
[有機溶媒]
・グリセリン
・プロピレングリコール
【0062】
[架橋剤]オキサゾリン基を有するポリマー
・架橋剤A : K-2010E,固形分量40%,株式会社日本触媒製
・架橋剤B : WS-500,固形分量39%,株式会社日本触媒製
【0063】
[pH調整剤]
・2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール
[消泡剤]
・2,5,8,11-テトラメチルデカン-5,8-ジオール
[界面活性剤]
・シルフェイスSAG503A(日信化学工業株式会社製)
[防腐防黴剤]
・Proxel GXL(アビシア社製)
【0064】
<第1の白色インクの調製>
(白色インク1-1の調製)
撹拌機を備えた容器に、グリセリン 20.00部、シルフェイスSAG503A 0.40部を入れ、30分間混合撹拌した。
次いで、防腐防黴剤(アビシア社製、Proxel GXL)0.05部、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール 0.20部、前記ポリマー分散ホワイト顔料分散液を固形分換算で7.00部、ウレタン樹脂Aを固形分換算で10.00部、架橋剤Aを4.00部及び全体が100部となる量の高純水を加え、60分間混合撹拌した。
次いで、得られた混合物を、平均孔径1.5μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インクを得た。
【0065】
(白色インク1-2~白色インク1-3の調製)
白色インク1-1の調製において、インクの成分を下記表1に示す処方に変更したことを除いては白色インク1-1と同様にして白色インク1-2~白色インク1-3を調製した。
白色インク1-1~白色インク1-3のpHは8.0以上10.0以下の範囲内であった。
【0066】
【表1】
【0067】
<第2の白色インクの作製>
(白色インク2-1の調製)
撹拌機を備えた容器に、グリセリン 20.00部、シルフェイスSAG503A 0.40部を入れ、30分間混合撹拌した。
次いで、防腐防黴剤(アビシア社製、Proxel GXL)0.05部、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール0.20部、前記ポリマー分散ホワイト顔料分散液を固形分換算で7.00部、ウレタン樹脂Cを固形分換算で10.00部及び全体が100部となる量の高純水を加え、60分間混合撹拌した。
次いで、得られた混合物を、平均孔径1.5μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インクを得た。
【0068】
(白色インク2-2~白色インク2-4の調製)
白色インク2-1の調製において、インクの成分を下記表2に示す処方に変更したことを除いては白色インク2-1と同様にして白色インク2-2~白色インク2-4を調製した。
【0069】
【表2】
【0070】
(前処理液調製用の材料)
前処理液の調製に使用した材料について以下で説明する。
【0071】
[多価金属塩]
・硝酸カルシウム四水和物(富士フィルム和光純薬社製)
・塩化カルシウム(富士フィルム和光純薬社製)
・炭酸ナトリウム(富士フィルム和光純薬社製)
【0072】
[有機溶媒]
・プロピレングリコール
[消泡剤]
・2,5,8,11-テトラメチルデカン-5,8-ジオール
[界面活性剤]
・シルフェイスSAG503A
[防腐防黴剤]
・Proxel GXL(アビシア社製)
【0073】
<前処理液の作製>
ガラスビーカーに下記の表3に示す多価金属塩を表3に記載の量を秤量し、高純水30.00部に投入し5分間攪拌する。次いで、プロピレングリコール20.00部、2,5,8,11-テトラメチルデカン-5,8-ジオール 0.50部、シルフェイスSAG503A 0.40部、Proxel GXL 0.05部を添加し、15分間攪拌する。その後、高純水を添加して合計100部とし、10分間混合撹拌した。この攪拌液を、ナイロンメッシュの#200メッシュを用いてろ過し、実施例及び比較例で用いる前処理液1~4を得た。
【0074】
【表3】
【0075】
[実施例1]
前処理液1、白色インク1-1、白色インク2-1及びカラーインク1を用い、表4に示す付与量で、図3に示すインクジェット記録方法によって画像を形成し、画像を評価した。
画像形成方法及び画像の評価方法は後述する。
【0076】
[実施例2~10、比較例1~6]
表4に示した前処理液、第1の白色インク、第2の白色インク、カラーインクを用い、それらの付与量を表4に示した付与量とした以外は、実施例1と同様にして画像を形成し、画像を評価した。
【0077】
[画像形成方法]
23℃±0.5℃、50%±5%RHに調整された環境条件下、インクジェット印刷装置[Direct to Garment Printer RICOH Ri 2000、株式会社リコー製]を用い、記録メディアに表4に示した付着量のインクが付着するように設定した。
先ず、布帛(Glimmer 00300-ACT Black(トムス株式会社製))に表3に記載された前処理液、表1に記載された第1の白色インク、表2に記載された第2の白色インク、カラーインクの順でRi2000により、表4に記載された付着量を塗布した。第1の白色インクの塗布方式がWOW方式の場合には前処理液塗布工程の後に乾燥工程は含んでおらず、WOD(WET ON DRY)方式の場合には前処理液塗布後、130℃ヒートプレス機(THE MAXX PRESS(STAHLS社製))で90秒間乾燥工程を実施した。画像形成後の濃色ポリエステルTシャツは、130℃オーブンで3分間乾燥した。
【0078】
得られた各画像について、以下のようにして、ハンター白色度(白隠蔽性)、乾摩擦堅牢性、及びべたつきを評価した。結果を表5に示した。
【0079】
<ハンター白色度>
得られた各画像を分光測色計(X-rite exact、X-rite社製)を用いて、白色ベタ部の画像濃度を測定し、下記式(1)でハンター白色度(W)を算出した。
W=100-[(100-L)+(a+b)]1/2 (1)
(但し、式中L、a、bは、それぞれL値(明度)、a値(赤色度)、b値(黄色度)を表す。)
また、画像濃度を測定する場合は、評価サンプルを、黒色の紙(色上質紙 中厚口黒(北越コーポレーション株式会社製)を5枚重ねた上に置いて測定した。
また、ハンター白色度は以下の評価基準で評価した。
なお、C以上が実使用可能なレベルである。
【0080】
[評価基準]
A:ハンター白色度 85以上
B:ハンター白色度 80以上 85未満
C:ハンター白色度 75以上 80未満
D:ハンター白色度 70以上 75未満
E:ハンター白色度 70未満
【0081】
<乾摩擦堅牢性>
染色物摩擦堅牢度試験機AR-2(インテック社製)を用いて、上記で得られ各印刷物の耐擦試験を行った。方法は、画像面に金巾を乗せ、荷重200gをかけて擦り、各画像の擦過を実施した画像部を目視により評価した。なお、C以上が実使用可能なレベルである。
【0082】
[評価基準]
A:良好
B:僅かに脱離あり
C:脱離やや目立つ
D:脱離目立つ
E:はく離目立つ
【0083】
<べたつき>
画像部を素手でさわり、以下の評価基準で官能評価を実施した。B以上が実使用可能なレベルである。
[評価基準]
A:良好
B:手側に僅かに液体の転写あり
C:手側に液体の転写あり
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
本発明の実施の態様は例えば次の通りである。
(1)下記工程1~4を含むインクジェット記録方法。
工程1:布帛に前処理液を付与する工程
工程2:工程1で得られた前処理液の付与領域の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第1の白色インクを付与して画像を形成する工程
工程3:工程2で形成された画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式により第2の白色インクを付与する工程
工程4:工程3で得られた画像の上に、インクジェット方式で、かつ、WOW方式によりカラーインクを付与する工程
(2)前記前処理液の付与量が5mg/cm以上40mg/cm以下であり、前記前処理液の単位面積当たりの付与量の前記第1の白色インクの付与量に対する比率(前処理液/第1の白色インク)が1.0以上7.5未満である、上記(1)に記載のインクジェット記録方法。
(3)前記前処理液のpHが6.5未満である、上記(1)又は(2)に記載のインクジェット記録方法。
(4)前記工程2における第1の白色インクの単位面積当たりの付与量に対する前記工程3における第2の白色インクの単位面積当たりの付与量の比率(第2の白色インク/第1の白色インク)が0.5以上1.0以下である上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
(5)前記第1の白色インクが、カルボジイミド基又はオキサゾリン基を有するポリマーを1質量%以上6質量%以下含有する、上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法
(6)前記、第2の白色インクが、カルボキシ基を有する樹脂を含有する、上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(7)前記第1の白色インクのpHが8.0以上10.0以下である、上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(8)前記第2の白色インクがウレタン樹脂を10質量%以上14質量%以下含有している、上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(9)前記第2の白色インクのインク乾燥膜のガラス転移温度が30℃以下である上記(8)に記載のインクジェット記録方法。
【符号の説明】
【0087】
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2022-049649号公報
図1
図2
図3