(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040123
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】マンドレル及びスペーサを形成するための方法、関連する構造及びシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240315BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
C23C16/455
H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023144426
(22)【出願日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】63/375,264
(32)【優先日】2022-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエーレ・ピウミ
(72)【発明者】
【氏名】イヴォ・ライマーカー
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA14
4K030BA46
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA03
4K030FA01
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4K030KA41
4K030LA15
5F004AA02
5F004BA04
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5F004EA28
(57)【要約】
【課題】構造をパターニングする、及び形成する方法、並びに関連する構造及びシステムを提供する。
【解決手段】構造をパターニングする、及び形成する方法、並びに関連する構造及びシステムが開示されている。本方法は、基材上にマンドレルを形成することを含む。マンドレルを形成することは、構造を薄くするために複数のエッチングサイクルを実施することを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンドレルを形成する方法であって、前記方法が、
-反応チャンバに基材を提供することであって、前記基材が、材料層を備え、
-前記基材が、遠位部分と、近位部分と、2つの実質的に平行な側壁とを備える構造を更に備える、提供することと、
-複数のエッチングサイクルを実施することであって、前記複数のエッチングサイクルからのいくつかのエッチングサイクルが、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実施することを含み、
-前記変換パルスが、前記基材を変換反応物に曝露し、それによって前記側壁上に、変換された表面層を形成することを含み、
-前記揮発化パルスが、前記基材を揮発化反応物に曝露し、それによって、前記変換された表面層を揮発化させることを含み、
それによって、前記構造を薄くして、マンドレルを形成することを含む、実施することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記エッチングサイクルが、前記構造の所定の厚さが前記側壁から除去されるまで繰り返され、前記所定の厚さが少なくとも1nm~最大10nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
-前記遠位部分が遠位層を備え、前記遠位層が前記材料層の上に重なり、
-前記構造の前記近位部分が近位層を備え、
-前記構造がコア層を更に備え、前記コア層が前記遠位層と前記近位層との間に位置付けられ、前記コア層の2つの端部が前記側壁を形成する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記遠位層及び前記近位層が第1の組成物を有し、前記コア層が第2の組成物を有し、前記第1の組成物及び前記第2の組成物が異なっている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記遠位層及び前記近位層が実質的に酸化ケイ素から成り、前記コア層が実質的に非結晶性ケイ素から成る、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記変換反応物が酸素反応物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記酸素反応物が、O2、O3、H2O、及びH2O2、N2O、NO、NO2、及び酸素含有プラズマから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記揮発化反応物がフッ素種を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記フッ素種が、プラズマを使用して生成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記フッ素種が、フッ素ラジカル、フッ素イオン、F2、HF、及びNF3から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記遠位部分と前記近位部分との間の距離が、前記2つの実質的に平行な側壁の間の距離よりも大きい、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
方法であって、
-システムを提供することであって、前記システムが第1の反応チャンバ及び第2のチャンバを備える、提供することと、
-請求項1又は2に記載の方法によって、前記第1の反応チャンバにおいて基材上にマンドレルを形成することと、
-前記基材を真空において保持しながら、又は前記基材を不活性ガス中に保持しながら、前記基材を前記第2の反応チャンバに提供することと、
-前記第2の反応チャンバにおいて前記基材上にエッチング可能層を形成することと、を含む、方法。
【請求項13】
スペーサを形成する方法であって、前記方法が、
-システムを提供することであって、前記システムが第1の反応チャンバ、第2のチャンバ、及び第3の反応チャンバを備える、提供することと、
-請求項1又は2に記載の方法によって、前記第1の反応チャンバにおいて基材上にマンドレルを形成することと、
-前記基材を真空において保持しながら、又は前記基材を不活性ガス中に保持しながら、前記基材を前記第2の反応チャンバに提供することと、
-前記第2の反応チャンバにおいて前記基材上にエッチング可能層を形成することと、
-前記基材を真空において保持しながら、又は前記基材を不活性ガス中に保持しながら、前記第3の反応チャンバに前記基材を提供することと、
-方向性エッチングによって前記エッチング可能層をエッチングすることと、
-前記エッチング可能層及び前記材料層に相対して前記マンドレルを選択的にエッチングすることと、を含み、
それによって、前記スペーサを形成する、方法。
【請求項14】
基材にパターニングする方法であって、前記方法が、
-パターニング可能層を備える基材を提供することと、
-前記パターニング可能層上に構造層を形成することと、
-前記構造層上に感光層を形成することと、
-前記感光層をマスクを通して電磁放射に曝露させ、それによって前記パターニング可能層の曝露領域及び前記パターニング可能層の未曝露領域を形成することと、
-前記曝露領域及び前記未曝露領域のうちの1つを選択的に除去することと、
-前記暴露領域及び前記未暴露領域のうちの1つに前記パターニング可能層をエッチングし、それによって前記基材上に複数の構造を形成することと、
-前記基材から前記感光層を除去することと、
-請求項1又は2に記載の方法によって前記基材上に複数のスペーサを形成することと、
-前記複数のスペーサに相対して前記パターニング可能層を選択的にエッチングすることと、を含み、
それによって、パターニングされた層が前記基材上に形成される、方法。
【請求項15】
基材にパターニングする方法であって、前記方法が、
-パターニング可能層を備える基材を提供することと、
-前記パターニング可能層上に感光層を形成することと、
-前記感光層をマスクを通して電磁放射に曝露させ、それによって前記パターニング可能層の曝露領域及び前記パターニング可能層の未曝露領域を形成することと、
-前記パターニング可能層の前記暴露領域及び前記未暴露領域の一方の上に複数の構造を形成することと、
-請求項1又は2に記載の方法によって、前記基材上に複数のマンドレルを形成することと、
-前記複数のマンドレルに相対して前記パターニング可能層を選択的にエッチングすることと、を含み、
それによって、パターニングされた層が前記基材上に形成される、方法。
【請求項16】
原子層エッチングチャンバと、エッチング可能層堆積チャンバと、ウエハハンドリングロボットとを備える半導体処理装置であって、
-前記原子層エッチングチャンバが、変換反応物弁を備える変換反応物ガスラインによって変換反応物源と流体接続しており、
-前記原子層エッチングチャンバが、揮発化反応物弁を備える揮発化反応物ガスラインによって揮発化反応物源と流体接続しており、
-前記原子層エッチングチャンバが、複数のエッチングサイクルを実施するように構成されており、前記複数のエッチングサイクルからのいくつかのエッチングサイクルが、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含み、
-前記エッチング可能層堆積チャンバが、堆積前駆体弁を備える堆積前駆体ガスラインによって堆積前駆体源と流体接続しており、
-前記エッチング可能層堆積チャンバが、堆積反応物弁を備える堆積反応物ガスラインによって堆積反応物源と流体接続しており、
-前記ウエハハンドリングロボットが、
-前記原子層エッチングチャンバに基材を提供し、
-真空を壊すことなく、又は前記基材を不活性ガス中に保持しながら、前記原子層エッチングチャンバから前記エッチング可能層堆積チャンバに前記基材を輸送するように構成されている、半導体処理装置。
【請求項17】
原子層エッチングチャンバと、エッチング可能層堆積チャンバと、反応性イオンエッチングチャンバと、ウエハハンドリングロボットとを備える半導体処理装置であって、
-前記原子層エッチングチャンバが、変換反応物弁を備える変換反応物ガスラインによって変換反応物源と流体接続しており、
-前記原子層エッチングチャンバが、揮発化反応物弁を備える揮発化反応物ガスラインによって揮発化反応物源と流体接続しており、
-前記原子層エッチングチャンバが、複数のエッチングサイクルを実施するように構成されており、前記複数のエッチングサイクルからのいくつかのエッチングサイクルが、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含み、
-前記エッチング可能層堆積チャンバが、堆積前駆体弁を備える堆積前駆体ガスラインによって堆積前駆体源と流体接続しており、
-前記エッチング可能層堆積チャンバが、堆積反応物弁を備える堆積反応物ガスラインによって堆積反応物源と流体接続しており、
-前記反応性イオンエッチングチャンバが、反応性イオンエッチングを実施するように構成されており、
-前記反応性イオンエッチングチャンバが、反応性イオンエッチングガス弁を備える反応性イオンエッチングガスラインによって、反応性イオンエッチングガス源と流体接続しており、
-前記ウエハハンドリングロボットが、
-前記原子層エッチングチャンバに基材を提供し、
-真空を壊すことなく、又は前記基材を不活性ガス中に保持しながら、前記原子層エッチングチャンバから前記エッチング可能層堆積チャンバに前記基材を輸送し、かつ
-真空を壊すことなく、又は前記基材を不活性ガス中に保持しながら、前記エッチング可能層堆積チャンバから前記反応性イオンエッチングチャンバに前記基材を輸送するように構成されている、半導体処理装置。
【請求項18】
コントローラを更に備え、前記コントローラが、前記システムに請求項1又は2に記載の方法を実施させるように構成されている、請求項16又は17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、リソグラフィーの分野、特に、極端紫外線リソグラフィーの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの絶えず続くスケーリング、及びそれに伴う、それらの構成構造の臨界寸法(CD)の縮小により、従来の極端紫外線(EUV)リソグラフィースキャナーは、解像度の限界に達し、特定のタイプの孤立した構造パターン(具体的には、ビアのコンタクトとホール)を20nm未満の目標臨界寸法で印刷できない。したがって、EUVリソグラフィー露光後の実際の臨界寸法は約20nmであり、目標臨界寸法(CD)よりも大きい。集積回路のスケーリングが継続するので、EUVリソグラフィー曝露後の臨界寸法を下回る特徴サイズを有する製造構造を可能にする改善された方法及びシステムに対するニーズがある。
【0003】
本開示の方法及び構造は、上述の課題の少なくともいくつかに対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の様々な実施形態は、パターニングステップの分解能を光学分解能限界未満に増加させるための方法、システム、及び構造に関する。
【0005】
特に、マンドレルを形成する方法が本明細書に記載されており、本方法は、反応チャンバに基材を提供することを含む。基材は、材料層を備える。基材は、構造を更に備える。構造は、遠位部分と、近位部分と、2つの実質的に平行な側壁とを備える。本方法は、構造を薄くしてマンドレルを形成するために、複数のエッチングサイクルを実施することを更に含む。複数のエッチングサイクルからのいくつかのエッチングサイクルは、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含む。変換パルスは、基材を変換反応物に曝露することを含む。このように、変換された表面層は、側壁上に形成される。揮発化パルスは、基材を揮発化反応物に曝露することを含む。したがって、変換された表面層は、揮発化される。
【0006】
いくつかの実施形態では、エッチングサイクルは、構造の所定の厚さが側壁から除去されるまで繰り返される。所定の厚さは、少なくとも1nmから最大10nmまでである。
【0007】
いくつかの実施形態では、遠位部分は、材料層の上に重なる遠位層を備える。構造の近位部分は、近位層を備える。構造は、コア層を更に備える。コア層は、遠位層と近位層との間に位置付けられる。コア層の2つの端部が側壁を形成する。
【0008】
いくつかの実施形態では、遠位層及び近位層は第1の組成物を有し、コア層は第2の組成物を有し、第1の組成物と第2の組成物は異なる。
【0009】
いくつかの実施形態では、遠位層及び近位層は実質的に酸化ケイ素からなり、コア層は実質的に非晶質シリコンからなる。
【0010】
いくつかの実施形態では、変換反応物は酸素反応物を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、酸素反応物は、O2、O3、H2O、及びH2O2、N2O、NO、NO2、及び酸素含有プラズマから選択される。
【0012】
いくつかの実施形態では、揮発化反応物はフッ素種を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、フッ素種は、プラズマを使用して生成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、フッ素種は、フッ素ラジカル、フッ素イオン、F2、HF、及びNF3から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態では、遠位部分と近位部分との間の距離は、2つの実質的に平行な側壁間の距離よりも大きい。
【0016】
更に本明細書に記載されているのは、システムを提供することを含む方法である。システムは、第1の反応チャンバ及び第2のチャンバを備える。本方法は、本明細書に記載される方法によって、第1の反応チャンバにおいて基材上にマンドレルを形成することを更に含む。本方法は、基材を真空又は不活性ガス中に保持しながら、第2の反応チャンバに基材を提供することを更に含む。本方法は、第2の反応チャンバにおいて基材上にエッチング可能層を形成することを更に含む。
【0017】
更に本明細書に記載されているのは、スペーサを形成するための方法である。本方法は、システムを提供することを含む。システムは、第1の反応チャンバ、第2のチャンバ、及び第3の反応チャンバを備える。本方法は、本明細書に記載される方法によって、第1の反応チャンバにおいて基材上にマンドレルを形成することを更に含む。本方法は、基材を真空又は不活性ガス中に保持しながら、第2の反応チャンバに基材を提供することを更に含む。本方法は、第2の反応チャンバにおいて基材上にエッチング可能層を形成することを更に含む。本方法は、基材を真空又は不活性ガス中に保持しながら、第3の反応チャンバに基材を提供することを更に含む。本方法は、方向性エッチングによってエッチング可能層をエッチングすることを更に含む。本方法は、エッチング可能層及び材料層に相対して、マンドレルを選択的にエッチングすることを更に含む。このように、スペーサが形成される。
【0018】
更に本明細書に記載されているのは、基材をパターニングする別の方法である。本方法は、パターニング可能層を含む基材を提供することを含む。本方法は、パターニング可能層上に構造層を形成することを更に含む。本方法は、構造層上に感光層を形成することを更に含む。本方法は、感光層をマスクを介して電磁放射に暴露して、パターニング可能層の暴露領域及びパターニング可能層の未暴露領域を形成することを更に含む。本方法は、暴露領域及び未暴露領域のうちの1つを選択的に除去することを更に含む。本方法は、暴露領域及び未暴露領域のうちの1つにパターニング可能層をエッチングして、基材上に複数の構造を形成することを更に含む。本方法は、感光層を基材から除去することを更に含む。本方法は、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって、基材上に複数のスペーサを形成することを更に含む。本方法は、複数のスペーサに相対してパターニング可能層を選択的にエッチングすることを更に含む。したがって、パターニングされた層が基材上に形成される。
【0019】
更に本明細書に記載されているのは、基材をパターニングする別の方法である。本方法は、基材を提供することを含む。基材は、パターニング可能層を備える。本方法は、パターニング可能層上に感光層を形成することを更に含む。本方法は、感光層を、マスクを介して電磁放射に暴露することを更に含む。それによって、パターニング可能層の暴露領域及びパターニング可能な未暴露領域が形成される。本方法は、パターニング可能な暴露領域及び未暴露領域の1つ上に複数の構造を形成することを更に含む。本方法は、本明細書に記載の方法によって、基材上に複数のマンドレルを形成することを更に含む。本方法は、複数のマンドレルに相対してパターニング可能層を選択的にエッチングすることを更に含む。したがって、パターニングされた層が基材上に形成される。
【0020】
原子層エッチングチャンバ、エッチング可能層堆積チャンバ、及びウエハハンドリングロボットを含む半導体処理装置が本明細書に更に記載される。原子層エッチングチャンバは、変換反応物弁を含む変換反応物ガスラインによって、変換反応物源と流体接続している。原子層エッチングチャンバは、揮発化反応物弁を備える、揮発化反応物ガスラインによって、揮発化反応物源と流体接続している。原子層エッチングチャンバは、複数のエッチングサイクルを実施するように構成される。複数のエッチングサイクルからのいくつかのエッチングサイクルは、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含む。エッチング可能層堆積チャンバは、堆積前駆体弁を備える堆積前駆体ガスラインによって、堆積前駆体源と流体接続している。エッチング可能層堆積チャンバは、堆積反応物弁を備える堆積反応物ガスラインによって、堆積反応物源と流体接続している。ウエハハンドリングロボットは、原子層エッチングチャンバに基材を提供し、かつ原子層エッチングチャンバから真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、エッチング可能層堆積チャンバに基材を輸送するように構成される。
【0021】
原子層エッチングチャンバ、エッチング可能層堆積チャンバ、反応性イオンエッチングチャンバ、及びウエハハンドリングロボットを含む半導体処理装置が本明細書に更に記載される。原子層エッチングチャンバは、変換反応物弁を備える変換反応物ガスラインによって、変換反応物源と流体接続している。原子層エッチングチャンバは、揮発化反応物弁を備える、揮発化反応物ガスラインによって、揮発化反応物源と流体接続している。原子層エッチングチャンバは、複数のエッチングサイクルを実施するように構成される。複数のエッチングサイクルからのいくつかのエッチングサイクルは、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含む。エッチング可能層堆積チャンバは、堆積前駆体弁を備える堆積前駆体ガスラインによって、堆積前駆体源と流体接続している。エッチング可能層堆積チャンバは、堆積反応物弁を備える堆積反応物ガスラインによって、堆積反応物源と流体接続している。反応性イオンエッチングチャンバは、反応性イオンエッチングを実施するように構成される。反応性イオンエッチングチャンバは、反応性イオンエッチングガス弁を備える反応性イオンエッチングガスラインによって反応性イオンエッチングガス源と流体接続する。ウエハハンドリングロボットは、原子層エッチングチャンバに基材を提供し、真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、原子層エッチングチャンバからエッチング可能層堆積チャンバに基材を輸送し、また基材を真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、エッチング可能層堆積チャンバから反応性イオンエッチングチャンバに輸送するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、システムは、コントローラを更に備える。コントローラは、システムに本明細書に記載される方法を実施させるように、構成される。
【0023】
これらの実施形態及び他の実施形態は、添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本発明は開示されたいずれかの特定の実施形態に必ずしも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の例示的な実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図に関連して考慮される場合、「発明を実施するための形態」及び「特許請求の範囲」を参照することによって得ることができる。
【0025】
【
図1】本明細書に記載の方法の実施形態のフローチャートを示す。
【
図2】本明細書に記載の方法の実施形態のフローチャートを示す。
【
図3】本明細書に記載のシステム(300)の実施形態を示す。
【
図4】本明細書に開示されるようなシステム(400)の別の実施形態を示す。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態では使用可能な、プラズマ増強原子層堆積(PEALD)装置の図を概略的に示す。
【
図6】本開示の別の例示的な実施形態によるシステム(600)を例示する。
【
図7】本明細書に開示の方法の実施形態によって形成されることができる構造を示す。
【
図8】本明細書に開示されるプロセスステップのシーケンスを、基材上に小さな特徴サイズでパターニングされた特徴を形成するためにどのように用いることができるかを示す。
【
図9】基材(910)上に形成される、本明細書に記載の構造(920)の実施形態を示す。
【0026】
当然のことながら、図内の要素は単純化及び明瞭化のために例示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に提供される本発明の例示的な実施形態の記述は、単に例示的なものであり、また例示のみを目的として意図しており、以下の記述は本明細書で開示される本発明の範囲を限定することを意図していない。更に、述べられた特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加的な特徴を有する他の実施形態、又は述べられた特徴の異なる組み合わせを組み込む他の実施形態を除外することを意図していない。
【0028】
本明細書で使用される場合、基材という用語は、1つ以上の層を含み、かつ/又は1つ以上の層をその上に堆積させることができる、任意の下地材料を指す場合がある。基材は、シリコン(例えば単結晶シリコン)などのバルク材料、ゲルマニウムなどの他の第IV族材料、又はGaAsなどの複合半導体材料を含むことができ、バルク材料の上に重なる又はバルク材料の下にある1つ以上の層を含むことができる。例えば、基材は、バルク材料の上に重なるいくつかの層のパターニングスタックを含むことができる。パターニングスタックは用途に応じて変えることができ、ハードマスク、例えば、金属ハードマスク、酸化物ハードマスク、窒化物ハードマスク、炭化物ハードマスク、又はアモルファスカーボンハードマスクを含むことができる。更に、基材は追加的又は代替的に、基材の層の少なくとも一部分の中又はその上に形成される様々な特徴部(凹部、線、及びこれに類するものなど)を含むことができる。
【0029】
この開示では、ガスは、室温及び大気圧におけるガス、気化した固体、及び/又は気化した液体である材料を含んでもよく、また状況に依存して単一のガス又はガスの混合物で構成されてもよい。プロセスガス以外のガス、すなわちガス分配アセンブリ(シャワーヘッド、他のガス分配装置、又はこれに類するものなど)を通過することなく導入されるガスが、例えば反応空間を密封するために使用されてもよく、また希ガスなどのシールガスを含んでもよい。
【0030】
材料の堆積の状況においてなどの、一部の事例では、前駆体という用語は、別の化合物、そして特に膜マトリックス又は膜の主骨格を構成する化合物を生成する化学反応に関与する化合物)を指すことができ、一方で反応物という用語は、一部の事例では前駆体以外の、前駆体と反応する、前駆体を活性化する、前駆体を修飾する、又は前駆体の反応を触媒する化合物、を指すことができ、反応物は元素を膜に提供し、かつ膜の一部となってもよい。一部の場合において、前駆体という用語と反応物という用語は、交換可能に使用することができる。前駆体はガス状であってもよい。前駆体は、蒸発固体又は昇華固体とすることができる。
【0031】
周期的堆積プロセス(cyclic deposition process)又は周期的堆積プロセス(cyclical deposition process)という用語は、基材上に層を堆積するために前駆体(及び/又は反応物)を反応チャンバの中へと逐次的に導入することを指してもよく、また原子層堆積(ALD)、周期的化学蒸着(周期的CVD)、並びにALD構成要素及び周期的CVD構成要素を含むハイブリッド周期的堆積プロセスなどの処理技法を含む。他の場合では、プロセス技術は、プラズマプロセス、例えば、プラズマ増強CVD(PECVD)又はプラズマ増強ALD(PEALD)を含むことができ、これは、低温での作業を可能にするため、いくつかの実施形態では好ましい可能性がある。
【0032】
原子層堆積という用語は、堆積サイクル、典型的には複数の連続的な堆積サイクルがプロセスチャンバ内で行われる、蒸着プロセスを指す場合がある。本明細書で使用される場合、「原子層堆積」という用語はまた、化学蒸着原子層堆積、原子層エピタキシー(ALE)、分子線エピタキシー(MBE)、ガス供給源MBE、又は有機金属MBE、並びに前駆体/反応性ガス、及びパージ(例えば不活性キャリア)ガスの交互パルスを用いて実施される場合の化学ビームエピタキシーなどの関連する用語によって示されるプロセスを含むことを意味する。
【0033】
一般的に、ALDプロセスに対しては、各サイクル中に、前駆体は、反応チャンバへと導入され、そして堆積表面(例えば、以前のALDサイクルから以前に堆積された材料又は他の材料を含むことができる、基材表面)に化学吸着され、追加の前駆体と容易に反応しない材料の単分子層又は準単分子層を形成する(すなわち、自己限定的な反応)。その後、一部の事例では、化学吸着した前駆体を堆積表面上で所望の材料へと変換するのに使用するために、反応物は引き続いて、プロセスチャンバの中へと導入されてもよい。反応物は、前駆体との更なる反応の能力を有することができる。あらゆる過剰な前駆体をプロセスチャンバから除去するために、かつ/又はあらゆる過剰な反応物及び/又は反応副生成物を反応チャンバから除去するために、1つ以上のサイクル中に(例えば各サイクルの各工程中に)、パージする工程を利用することができる。
【0034】
原子層エッチングという用語は、エッチングサイクル、通常は複数の連続するエッチングサイクルがプロセスチャンバ内で行われる蒸気エッチングプロセスを指す場合がある。エッチングサイクルは、2つ以上のエッチングパルスを含むことができる。原子層エッチングプロセスでは、これらのエッチングパルスのうちの少なくとも1つは、自己限定的であり得る。原子層エッチングプロセスは、1つ以上のエッチングパルスの後にパージを含むことができる。
【0035】
原子層エッチングは、周期的エッチングの実施形態である。周期的エッチングは、プロセスチャンバ内で実施されるエッチングサイクル、典型的には複数の連続的なエッチングサイクルを含む。周期的エッチングは、1つ以上の自己限定エッチングパルスを必ずしも含むわけではない。周期的エッチングプロセスは、1つ以上のエッチングパルスの後にパージを含むことができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、パージ又はパージするという用語は、ガス流が停止される手順、又は前駆体流が断続的に停止される一方で、キャリアガスの継続的な提供を伴う手順を指す場合がある。例えば、パージは、前駆体パルスと反応物パルスとの間に提供されてもよく、このために、前駆体と反応物との間の気相の相互作用を回避する、又は少なくとも低減する。当然のことながら、パージは時間的に、又は空間的に、又は両方で達成することができる。例えば、時間的なパージの事例では、パージ工程は、例えば、前駆体を反応器チャンバに提供し、パージガスを反応器チャンバに提供し、そして反応物を反応器チャンバに提供し、層が堆積される基材は移動しないという、時系列で使用することができる。空間的パージの事例では、パージ工程は、前駆体が供給される第1の場所から、パージガスカーテンを通して、反応物が供給される第2の場所に基材を移動させるという形態を取ることができる。
【0037】
本開示では、変数のうちの任意の2つの数はその変数の実行可能な範囲を構成することができ、また示された任意の範囲は、端点を含んでもよく、又は除外してもよい。更に、いくつかの実施形態では、示される変数の任意の値は、正確な値又はおよその値を指す場合があり、等価物を含んでもよく、平均値、中央値、代表値、大多数などを指す場合がある。更に、この開示では、「含む」「によって構成される」、及び「有する」という用語は、いくつかの実施形態では、「典型的に又は広く含む」、「含む」、「から本質的になる」、又は「からなる」を独立して指すことができる。更に、この用語は、「からなる」、又は「から本質的になる」を含むことができる。本開示の態様によれば、用語のいかなる定義された意味も、その用語の通常の意味及び慣習上の意味を必ずしも除外しない。
【0038】
集積回路製造では、ますます小さな寸法で構造をパターニングすることがますます難しくなる。本開示は、極端紫外線(EUV)パターニングシステムなどの特定のパターニングシステムの光学解像度よりも小さい臨界寸法を有する特徴を形成するための特定のアプローチに関する。マンドレルを形成する本開示の方法は、対応するプロセスフローで用いられる特定のパターニングシステムの解像度よりも低い臨界寸法を有する材料層の特徴を形成するのに特に好適であり得る。
【0039】
本明細書に記載されるのは、マンドレルを形成する方法である。本方法は、基材を反応チャンバに提供することを含む。基材は、材料層を備える。適切な材料層には、金属、誘電体、及び半導体層が含まれる。材料層は、例えば、少なくとも0.3nmから最大で50nm、例えば少なくとも1.0nmから最大で10nmの厚さを有し得る。材料層のパターニングは、集積回路製造における重要なアクティビティである。基材は、構造を更に備える。構造は、遠位部分と、近位部分と、2つの実質的に平行な側壁とを備える。
【0040】
本方法は、複数のエッチングサイクルを実施することを更に含む。個々のエッチングサイクルは、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含む。
【0041】
個々の変換パルスは、基材を変換反応物に曝露することを含む。このように、変換された表面層は、側壁上に形成される。変換パルス及び揮発化パルスは、重複しないか、又は実質的に重複しない、すなわち、それらは順次実施されることが理解されねばならない。いくつかの実施形態では、変換パルス及び揮発化パルスはパージによって分離される。パージは、反応チャンバに希ガスを提供すること、それによって、反応生成物及び任意の過剰な反応物を基材からパージすることを含むことができる。
【0042】
個々の揮発化パルスは、基材を揮発化反応物に曝露することを含む。したがって、変換された表面層は、揮発化される。したがって、側壁の一部分が除去される。いくつかの実施形態では、近位端の構造の一部も除去される。所定の量のエッチングサイクルを実施することによって、所定の量の側壁を構造から除去して、マンドレルを形成することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、構造は、近位層、コア層、及び遠位層を備え、変換パルスの間、コア層が暴露される構造の側壁は、変換された表面層の中に変換される。
【0044】
複数のエッチングサイクルを実施することによって、構造は徐々に薄くなり、マンドレルが形成される。実際に、エッチングサイクルは、両方の側壁から材料を漸進的に除去することができる。任意選択で、特に構造が側壁及び近位部分の両方で暴露する材料を備える場合、材料を近位部分からも除去することができる。したがって、構造を漸進的に薄くすることができ、マンドレルを形成することができる。
【0045】
有利には、本開示の方法を利用して、小さな臨界寸法及び低い横方向エッジ粗さを有するマンドレルを形成することができる。マンドレルの臨界寸法は、マンドレルが作製される構造を形成するために用いられるリソグラフィー装置の解像度限界よりも特に小さくてもよい。
【0046】
マンドレルは、例えば極端紫外線(EUV)光を使用して、半導体基材のパターニングの環境において有利に使用されることができる。特に、マンドレルは有利に、パターニングされる形体の臨界寸法を低減させることができる。したがって、20nm未満の臨界寸法を有するパターンを効率的に形成することができ、それによって現在のEUV解像度限界を回避する。
【0047】
本明細書に記載の方法は、マンドレルが形成される構造を形成するために、任意の適切なレジストを採用することができる。いくつかの実施形態では、レジストは、極端紫外線(EUVレジスト)に敏感に反応するレジストである。好適には、放射線はマスクを通して基材を放射線で部分的に露光するために使用される。EUVフォトレジスト層は、任意の好適なフォトレジスト、例えば、分子、金属酸化物、又は化学増幅型フォトレジストを含んでもよい。フォトレジストは、化学気相堆積(CVD)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、及びプラズマ増強原子層堆積(PEALD)を含む任意の好適な成膜技術を使用して形成されることができることは言うまでもない。
【0048】
適切な量のエッチングサイクルを選択することにより、適切な量の材料を構造の側壁から除去することができる。したがって、いくつかの実施形態では、エッチングサイクルは、構造の所定の厚さが側壁から除去されるまで繰り返される。所定の厚さは、少なくとも1nmから最大10nmまで、例えば、少なくとも2nmから最大5nmまで、例えば、3.5nmの範囲であり得る。
【0049】
構造は、均質な組成物を有することができ、又は内部構造を有することができる。いくつかの実施形態では、構造の遠位部分は、遠位層を備える。遠位層は、材料層の上に重なる。このような実施形態では、構造の近位部分は、近位層を備えてもよく、構造はコア層を更に備えてもよい。コア層は、遠位層と近位層との間に位置付けられ得る。コア層の2つの端部が側壁を形成する。例えば、コア層は、非晶質シリコンを含むことができ、遠位層及び近位層は、酸化ケイ素を含むことができる。
【0050】
遠位層及びコア層は、コア層の組成物とは異なる組成物を有することができる。したがって、いくつかの実施形態では、遠位層及び近位層は第1の組成物を有し、コア層は第2の組成物を有する。第1の組成物と第2の組成物は異なる。いくつかの実施形態では、遠位層及び近位層は実質的に酸化ケイ素からなり、コア層は実質的に非晶質シリコンからなる。代替的なコア材料としては、炭素、炭化ケイ素、及び窒化ケイ素が挙げられる。
【0051】
好適には、構造は、幅よりも背が高くてもよい。特に、遠位部分と近位部分との間の距離は、2つの実質的に平行な側壁の間の距離より大きくてもよい。高さが相対的に、マンドレルを形成する際に周期的エッチングによってより少ない程度に減少するため、幅よりも高い構造が有用である。
【0052】
好適には、構造を薄くして、周期的エッチングを使用してマンドレルを形成することができる。適切な周期的エッチングには、変換反応物及び揮発化反応物への交互の曝露が含まれる。いくつかの実施形態では、変換反応物は酸素反応物を含む。適切な酸素反応物には、O2、O3、H2O、及びH2O2、N2O、NO、及びNO2が含まれる。一部の事例では、間接プラズマ、直接プラズマ、又は遠隔プラズマなどのプラズマを使用して、酸素ラジカル及び酸素イオンのうちの少なくとも1つなどの酸素反応物を形成することができる。いくつかの実施形態では、揮発化反応物は、フッ素種を含み得る。適切なフッ素種には、フッ素ラジカル、フッ素イオン、F2、HF、及びNF3が含まれる。いくつかの実施形態では、フッ素種は、遠隔SF6プラズマなどのプラズマによって生成される。
【0053】
酸素含有変換反応物とフッ素含有揮発化反応物との組み合わせは、非結晶性シリコンコア、酸化ケイ素近位層、及び酸化ケイ素遠位層を含む構造からのマンドレルなどの非結晶性シリコンを含むマンドレルを形成するために有用であり得る。
【0054】
本明細書に記載の方法は、エッチング可能層を堆積させることを更に含むことができる。このように、更に本明細書に記載されているのは、システムを提供することを含む方法である。システムは、第1の反応チャンバ及び第2の反応チャンバを含む。本方法は、本明細書に記載される方法によって、第1の反応チャンバにおいて基材上にマンドレルを形成することを更に含む。本方法は、基材を第2の反応チャンバに供給することを更に含む。当然のことながら、これは、基材を真空又は不活性ガス中に保持しながら行うことができる。本方法は、第2の反応チャンバにおいて基材上にエッチング可能層を形成することを更に含む。適切な不活性ガスには、窒素(N2)、及びヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)などの希ガスが含まれ得る。いくつかの実施形態では、用語「不活性ガス」は、用語「不活性ガス環境」又は「パージ環境」と相互に互換性がある。
【0055】
有利なことに、マンドレルを形成した後、基材を真空又は不活性ガス中に保持することは、マンドレルのエッチング可能層界面の制御及び特性の向上をもたらす。
【0056】
いくつかの実施形態では、マンドレルは光活性ではない。言い換えれば、及びいくつかの実施形態では、マンドレルは、可視光、紫外線光、又は極度紫外線光などの電磁放射への曝露時に特性のいかなる変化も受けない。
【0057】
エッチング可能層を形成するための例示的な堆積方法は、周期的堆積方法、例えばALD及びパルスCVD法とすることができ、又はそれらを含むことができ、またいくつかの有用な実施形態では、間接、直接、及びリモートプラズマ法を含むことができ、方法は、(例えば、吸収体若しくは下地層等の望ましい元素の望ましい量又は濃度を達成するために)サブサイクルを選択的に繰り返して調整を強化することができるスーパーサイクルプロセスを含んでもよい。本明細書に記載のエッチング可能層は、熱化学気相堆積(CVD)、パルスCVD、熱原子層堆積(ALD)、プラズマ増強CVD(PECVD)、又はプラズマ増強ALD(PEALD)を使用して形成されることができる。これらの方法は全て、不均一性の低い薄い(5nmの厚さ未満)のエッチング可能層を好適に堆積させることができる。いくつかの実施形態では、エッチング可能層は、窒化ケイ素(SiN)及びオキシカルビドケイ素(SiOC)のうちの少なくとも1つを含む。
【0058】
更に本明細書に記載されているのは、スペーサを形成するための方法である。本方法は、システムを提供することを含む。システムは、第1の反応チャンバ、第2の反応チャンバ、及び第3の反応チャンバを備える。本方法は、本明細書に記載される方法によって、第1の反応チャンバにおいて基材上にマンドレルを形成することを更に含む。本方法は、基材を真空又は不活性ガス中に保持しながら、第2の反応チャンバに基材を提供することを更に含む。本方法は、第2の反応チャンバにおいて基材上にエッチング可能層を形成することを更に含む。本方法は、基材を真空又は不活性ガス中に保持しながら、第3の反応チャンバに基材を提供することを更に含む。本方法は、エッチング可能層を方向性エッチングによってエッチングすることと、エッチング可能層及び材料層に対してマンドレルを選択的にエッチングすることと、を更に含む。方向性エッチング又は異方性エッチングは、基材表面に平行な方向と比較して、基材表面に垂直な方向により高いエッチング速度を有するエッチングを指すことが理解されよう。このように、スペーサが形成される。好適には、この方法を使用して薄いスペーサを形成することができる。スペーサの厚さは、エッチング可能層の厚さにほぼ対応する。
【0059】
本明細書に記載のスペーサを形成する方法は、フォトレジストによって基材をパターニングするために好適に用いることができる。本明細書には、基材をパターニングする別の方法が更に記載されている。本方法は、基材を提供することを含む。基材は、パターニング可能層を備える。パターニング可能層は、ハードマスク、シンチレーター層、又は非晶質炭素層、SiOC層、及びSiOCN層などの他の補助層を含み得る。このような層は、スピンコーティングなどの湿式処理技術を使用して、又は化学蒸着、原子層蒸着、及びプラズマ増強バージョンなどの気相技術を使用して適用することができる。本方法は、パターニング可能層上に構造層を形成することを更に含む。当然のことながら、構造層は、マンドレルを作製できる前駆体層を指すことができる。本方法は、構造層上にレジストなどの感光層を形成することを更に含む。本方法は、感光層を、マスクを介して電磁放射に暴露することを更に含む。このように、パターニング可能層の暴露領域及びパターニング可能層の暴露していない領域が形成される。ポジティブレジスト又はネガティブレジストのどちらが使用されるかに応じて、本方法は、未暴露領域及び暴露領域のうちの1つを選択的に除去することを更に含む。本方法は、暴露領域及び未暴露領域のうちの1つに、パターニング可能層をエッチングすることを更に含む。したがって、複数の構造が基材上に形成される。次いで、未暴露領域又は暴露領域からの残りの感光層が、基材から除去される。本方法は、本明細書に記載の方法によって、基材上に複数のスペーサを形成することを更に含む。当然のことながら、複数のスペーサは同時に形成され得る。本方法は、複数のスペーサに相対してパターニング可能層を選択的にエッチングすることを更に含む。このように、パターニングされた層が基材上に形成され得る。
【0060】
本明細書に記載されるスペーサを形成する方法は、感光層及び光誘導性選択的成長によって基材をパターニングするために好適に使用することができる。本明細書には、基材をパターニングする別の方法が更に記載されている。本方法は、基材を提供することを含む。基材は、パターニング可能層を備える。本方法は、パターニング可能層上に感光層を形成することを更に含む。本方法は、感光層をパターニングすることを更に含む。パターニングは、感光層を電磁放射に曝露して、パターニング可能層の曝露領域及びパターニング可能層の未曝露領域を形成することを好適に含んでもよい。任意選択で、暴露領域及び未暴露領域のうちの1つを基材から除去することができる。本方法は、次いで、パターニング可能層の暴露領域及び未暴露領域の1つ上に複数の構造を形成することを含む。そして、本方法は、本明細書に記載の方法によって、基材上に複数のマンドレルを形成することを含む。そして、本方法は、複数のマンドレルに相対してパターニング可能層を選択的にエッチングすることを含む。したがって、パターニングされた層が基材上に形成される。
【0061】
本明細書に記載される方法は、任意の適切なシステムで実施することができる。例示的なシステムは、2つの反応チャンバを備え、それらの間に、真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、基材を輸送することができる。このように、原子層エッチングチャンバ、エッチング可能層堆積チャンバ、及びウエハハンドリングロボットを含む半導体処理装置が更に本明細書に記述される。原子層エッチングチャンバは、変換反応物ガスラインによって、変換反応物源と流体接続している。変換反応物ガスラインは、変換反応物弁を含む。原子層エッチングチャンバは、揮発化反応物ガスラインによって、揮発化反応物源と更に流体接続している。揮発化反応物ガスラインは、揮発化反応物弁を含む。原子層エッチングチャンバは、複数のエッチングサイクルを実施するように更に構成される。複数のエッチングサイクルからのいくつかのエッチングサイクルは、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含む。エッチング可能層堆積チャンバは、堆積前駆体ガスラインによって堆積前駆体源と流体接続している。堆積前駆体ガスラインは、堆積前駆体弁を含む。エッチング可能層堆積チャンバは、堆積反応物弁を備える堆積反応物ガスラインによって、堆積反応物源と流体接続している。ウエハハンドリングロボットは、原子層エッチングチャンバに基材を提供するように構成される。ウエハハンドリングロボットは、真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、原子層エッチングチャンバからエッチング可能層堆積チャンバに基材を輸送するように更に構成される。こうしたシステムは、弁及びロボットなどのシステムの様々な構成要素を操作することができ、かつ本明細書に記載される方法をシステムに実施させるように構成され得るコントローラを更に備えることができることが理解されるべきである。当然のことながら、「真空を破壊することなく」という語句は、基材が、例えば、少なくとも0.1Torr~最大100Torrの圧力、又は少なくとも1Torr~最大10Torrの圧力で、大気圧下に維持される間に、基材が1つの場所から他方に輸送されることを示す。
【0062】
本明細書に記載の方法を実施することができるシステムの別の実施形態は、3つの反応チャンバを含み、それらの間に、基材を、真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら輸送することができる。このように、原子層エッチングチャンバ、エッチング可能層堆積チャンバ、反応性イオンエッチングチャンバ、及びウエハハンドリングロボットを含む半導体処理装置が本明細書に記述される。原子層エッチングチャンバは、変換反応物ガスラインによって、変換反応物源と流体接続している。変換反応物ガスラインは、変換反応物弁を含む。原子層エッチングチャンバは、揮発化反応物ガスラインによって、揮発化反応物源と流体接続している。揮発化反応物ガスラインは、揮発化反応物弁を含む。原子層エッチングチャンバは、複数のエッチングサイクルを実施するように更に構成される。個々のエッチングサイクルは、その後、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含む。エッチング可能層堆積チャンバは、堆積前駆体ガスラインによって堆積源と流体接続している。堆積前駆体ガスラインは、堆積前駆体弁を含む。エッチング可能層堆積チャンバは、堆積反応物ガスラインによって堆積反応物源と更に流体接続している。堆積反応物ガスラインは、堆積反応物弁を備える。反応性イオンエッチングチャンバは、反応性イオンエッチングを実施するように構成される。反応性イオンエッチングチャンバは、反応性イオンエッチングガスラインによって反応性イオンエッチングガス源と更に流体接続している。反応性イオンエッチングガスラインは、反応性イオンエッチングガス弁を含む。ウエハハンドリングロボットは、特にウエハなどの基材をシステムにおいて輸送するように構成される。このように、ウエハハンドリングロボットは、原子層エッチングチャンバに基材を提供するように構成される。ウエハハンドリングロボットは、真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、原子層エッチングチャンバからエッチング可能層堆積チャンバに基材を輸送するように更に構成される。ウエハハンドリングロボットは、真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、エッチング可能層堆積チャンバから反応イオンエッチングチャンバに基材を輸送するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、システムに本明細書に記載される方法を実施させるように構成されるコントローラを備える。
【0063】
図1は、本明細書に記載の通りの方法の例示的な一実施形態を示す。特に、反応チャンバに基材を提供するステップ(111)で始まるマンドレルを形成する方法の実施形態が示されている。基材は、材料層を備える。当然のことながら、材料層は、パターニングされる基材上の層を指してもよく、すなわち、所定のパターンでその層の一部を除去することが望ましい。パターニング層は、集積回路を作製するのに有用であり得る。基材は、構造を更に備える。構造は、遠位部分と、近位部分と、2つの実質的に平行な側壁とを備える。次いで、反応チャンバにおける複数のエッチングサイクル(116)に基材を供する。エッチングサイクル(116)は、両方の側壁から材料を漸進的に除去することができる。したがって、構造を漸進的に薄くすることができ、マンドレルを形成することができる。いくつかの実施形態では、材料は、構造の近位表面からも除去される。複数のエッチングサイクル(116)からのいくつかのエッチングサイクルは、その後、変換パルス(112)及び揮発化パルス(114)を発生することを含む。任意選択で、変換パルス(112)及び揮発化パルス(114)のうちの少なくとも1つに続いてパージ(113、115)が行われる。変換パルス(112)は、基材を変換反応物に曝露することを含む。このように、側壁上の変換された表面層である。揮発化パルス(114)は、基材を揮発化反応物に曝露することを含む。揮発化パルス(114)は、基材を揮発化反応物に曝露することを含む。基材を揮発化反応物に曝露すると、変換された表面層の揮発化が生じる。エッチングサイクル(116)の各々では、側壁の一部分が除去される。所定の量のエッチングサイクルを実施することによって、所定の量の側壁を構造から除去して、マンドレルを形成することができる。マンドレルが形成されると、
図1に記載の方法は終了(117)する。
【0064】
更なる実施例では、
図2による方法が参照される。本方法は、基材を第1の反応チャンバに提供するステップ(211)を含む。第1の反応チャンバは、第2の反応チャンバを更に備えるシステムにおいて備えられる。そして、本方法は、本明細書に記載の方法によって、基材上にマンドレルを形成するステップ(212)を含む。次に、本方法は、同じシステムに備えられる第2の反応チャンバに基材を提供するステップ(213)を含む。この提供するステップ(213)は、基材を真空に維持しながら、又は基材を不活性ガスに維持しながら実施される。次に、本方法は、第2の反応チャンバにおいて基材上にエッチング可能層を形成するステップ(214)を含み、その後、
図2の方法は終了する(215)。このように、エッチング可能層は、有利なことに、介在する真空切断なしに、又は半導体処理シーケンスの品質を向上させることができる不活性ガス中に基材を保持しながら、マンドレル上に堆積することができる。
【0065】
図3は、本明細書に記載のシステム(300)の実施形態を示す。システム(300)は、
図2による方法を実施するために有利に使用することができる。特に、システム(300)は、原子層エッチングチャンバ(310)、エッチング可能層堆積チャンバ(320)、及びウエハハンドリングロボット(330)を備える。原子層エッチングチャンバ(310)は、変換反応物弁(313)を備える変換反応物ガスライン(312)によって、変換反応物源(311)と流体接続している。いくつかの実施形態では、変換反応物源は、酸素含有ガス、イオン、又はラジカルを含む変換反応物を備える。原子層エッチングチャンバ(310)はまた、揮発化反応弁(318)を備える、揮発化反応物ガスライン(317)によって、揮発化反応物源(316)と流体接続している。いくつかの実施形態では、揮発化反応物源は、フッ素含有ガス、イオン、又はラジカルを含む揮発化反応物を含む。好適には、原子層エッチングチャンバ(310)は、複数のエッチングサイクルを実施するように構成され得る。個々のエッチングサイクルは、変換パルス及び揮発化パルスを実行することを含む。変換パルスは、基材を変換反応物に曝露することを含む。揮発化パルスは、基材を揮発化反応物に曝露することを含む。
【0066】
エッチング可能層堆積チャンバ(320)は、堆積前駆体弁を備える堆積前駆体ガスライン(322)によって、堆積前駆体源(321)と流体接続している。堆積前駆体源(321)は、TiCl4などのハロゲン化チタンなどのチタン前駆体などの金属前駆体を含み得る。エッチング可能層堆積チャンバ(320)は、堆積反応物弁(328)を備える堆積反応物ガスライン(327)によって、堆積反応物源(326)と流体接続している。堆積反応物源(326)は、O2などの酸素反応物を含み得る。
【0067】
ウエハハンドリングロボット(330)は、原子層エッチングチャンバ(310)に基材を提供するように構築され、配置される。ウエハハンドリングロボット(330)は、更に、真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、原子層エッチングチャンバ(310)からエッチング可能層堆積チャンバ(320)に基材を輸送するように構築され、配置される。
【0068】
図4は、本明細書に開示されるようなシステム(400)の別の実施形態を示す。システム(400)は、
図3の実施形態によるシステム(300)に類似しており、原子層エッチングチャンバ(310)、エッチング可能層堆積チャンバ(320)、及び同様に構成されるウエハハンドリングロボット(330)も備える。明確にするために、
図4では、源、ガスライン、及び弁は存在しながら省略されていることに留意されたい。更に、
図4の実施形態によるシステム(400)は、反応性イオンエッチングチャンバ(440)を更に備える。反応性イオンエッチングチャンバは、反応性イオンエッチングを実施するように構成される。反応性イオンエッチングチャンバは、異方性エッチングによってエッチング可能層をエッチングして、
図8のパネルdに概略的に示すようなスペーサを形成するために、好適に構築及び配置され得る。反応性イオンエッチングチャンバ(440)は、反応性イオンエッチングガスラインによって反応性イオンエッチングガス源と流体接続する。反応性イオンエッチングガスラインは、反応性イオンエッチングガス弁を含む。ウエハハンドリングロボット(330)は、
図3の実施形態のそれと同様に構成されている。加えて、
図4の実施形態に従うウエハハンドリングロボット(330)は、真空を破壊することなく、又は基材を不活性ガス中に保持しながら、エッチング可能層堆積チャンバから反応性イオンエッチングチャンバに基材を輸送するように構成される。
【0069】
図5は、本発明のいくつかの実施形態では使用可能な、プラズマ増強原子層堆積(PEALD)装置の図を概略的に示す。この図において、反応チャンバ(3)の内部11(反応ゾーン)に一対の導電性平板電極(2、4)を互いに平行に対向させて設け、電源(25)から(例えば、13.56MHz及び/又は27MHzの)RF電力を一方の側に印加し、他方の側(12)を電気的に接地することにより、プラズマが電極間で励起される。温度調整器を、下部ステージ(2)、すなわち下部電極に設けてもよい。基材(1)がその上に配置され、その温度は所定の温度で一定に維持される。上部電極(4)はシャワープレートとしても機能し、反応物ガス及び/又は希釈ガスがあればそれら、並びに前駆体ガスは、それぞれ第1のガスライン(21)及び第2のガスライン(22)を通り、そしてシャワープレート(4)を通って反応チャンバ(3)内に導入される。更に、反応チャンバ(3)内には、排気ライン(17)を有する円形ダクト(13)が設けられており、これを通って反応チャンバ(3)の内部(11)内のガスが排気される。更に、搬送チャンバ(5)は、反応チャンバ(3)の下方に配置され、かつ搬送チャンバ(5)には、搬送チャンバ(5)の内部(16)を経由して反応チャンバ(3)の内部(11)の中へシールガスを導入するためにガスシールライン(24)が設けられ、反応ゾーンと搬送ゾーンとを分離するための分離プレート(14)が設けられている。ウエハを搬送チャンバ(5)に搬入出するためのゲート弁は、この図から省略してあることに留意されたい。搬送チャンバには排気ライン(6)も設けられている。
【0070】
図6は、本開示の別の例示的な実施形態によるシステム(600)を例示する。システム(600)を使用して、本明細書に記載の方法を行い、及び/又は本明細書に記載の構造を形成することができる。
【0071】
図示した例では、システム(600)は、1つ以上の反応チャンバ(602)、前駆体ガス源(604)、反応物ガス源(605)、及び必要に応じて追加のガス源(606、608)を備える。当然のことながら、システム(600)は、必要に応じて更に多くのガス源(図示せず)を備えることができる。システムは、排気部(610)及びコントローラ(612)を更に備える。
【0072】
反応チャンバ(602)は、任意の好適な反応チャンバ、例えばALD又はCVD反応チャンバを含むことができる。
【0073】
ガス源(604~608)のいずれか1つは、容器と、本明細書に記載の1つ以上の前駆体、反応物、又は他のガスとを含むことができる。ガス源(604~608)は、必要に応じて、前駆体を1つ以上のキャリアガス(例えば、希ガス)と混合するための混合ユニット備えることができる。パージガス源(図示せず)は、例えば、本明細書に記載の1つ以上の希ガスを含むことができる。4つのガス源(604~608)で示されているが、システム(600)は任意の好適な数のガス源を含むことができる。ガス源(604~608)は、1つ以上の反応チャンバ(602)にライン(614~618)を介して連結することができ、それらはフローコントローラ、バルブ、ヒータ等を備えることができる。
【0074】
排気部(610)は、1つ以上の真空ポンプを含むことができる。
【0075】
コントローラ(612)は、システム(600)に含まれるバルブ、マニホールド、ヒータ、ポンプ、及び他の構成要素を選択的に動作させるための電子回路並びにソフトウェアを含む。このような回路及び構成要素は、前駆体、反応物、及びパージガスを、それぞれの源(604~608)から、導入するように動作する。コントローラ(612)は、ガスパルスシーケンスのタイミング、基材及び/又は反応チャンバの温度、反応チャンバ内の圧力、並びに様々な他の動作を制御して、システム(600)の適切な動作を提供することができる。
【0076】
コントローラ(612)は、反応チャンバ(602)内外への前駆体、反応物、及びパージガスの流れを制御するために、バルブを電気的に又は空気圧で制御するための制御ソフトウェアを含むことができる。コントローラ(612)は、特定のタスクを行うソフトウェア又はハードウェアコンポーネント、例えばFPGA又はASICなどの、モジュールを含むことができる。モジュールは、有利なことに、制御システムのアドレス指定可能な記憶媒体上に常駐するように構成され、かつ1つ以上のプロセスを実施するように構成することができる。
【0077】
異なる数及び種類の前駆体源及び反応物源を備え、かつ1つ以上のパージガス源を備える、システム(600)の他の構成が可能である。更に、反応チャンバ(602)内へ選択的にガスを供給するという目的を達成するために使用され得るバルブ、導管、前駆体源、及びパージガス源の多くの配置があることが理解されるであろう。更に、システムの概略図として、説明を簡単にするために多くの構成要素が省略されていて、このような構成要素は、例えば、様々なバルブ、マニホールド、精製器、ヒータ、容器、通気孔、及び/又はバイパスを備えてもよい。
【0078】
反応器システム(600)の作動中に、半導体ウエハなどの基材(図示せず)が、例えば基材処理システムから反応チャンバ(602)へ搬送される。基材が反応チャンバ(602)に搬送されると、ガス源(604~608)からの1つ以上のガス、例えば前駆体、反応物、キャリアガス、及び/又はパージガスが、反応チャンバ(602)内に導入される。
【0079】
場合によっては、一部のガス、例えば、O2、N2、H2、He、及びArは、非常に一般的であり、かつ製造全体にわたって使用されることが理解されるであろう。このため、これらは必ずしも装置内部の容器内に保持されなくてもよく、その代わりに、本明細書に記載のシステムへのガスラインを介して中央保持ユニット(図示せず、加圧容器であってもよい)から供給されてもよい。
【0080】
図7は、パネルa)及びパネルb)の2つのパネルを示す。
図7のパネルa)及びb)は、本明細書に開示の方法の実施形態によって形成されることができる構造を示す。パネルa)の構造は、ハードマスク(710)が形成される基材(700)を備える。好適な基材としては、1つ以上のパターニングされた又はパターニングされていない層及び構造が形成されたシリコンウエハが挙げられる。ハードマスク(710)は、例えば、金属、金属合金、半導体、いくつかの半導体の合金、アモルファスカーボン、窒素及び炭素含有材料、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物、又は別の好適な材料を含むことができる。好適には、及びいくつかの実施形態では、ハードマスクは、少なくとも1.0nmから最大で10.0nmまでの厚さを有することができる。下地層(720)はハードマスク(710)上に位置付けされる。下地層(720)は、例えば、酸素、及び炭素に加えて、金属、例えばSn、Sb、又はInを含むことができる。したがって、下地層(720)は、金属オキシカーバイドを含むことができる。追加的に又は代替的に、下地層(720)は、シリコンオキシカーバイドを含むことができる。下地層は、10nm未満又は約5nm未満(例えば、2~3nm以上)の厚さを有することができる。下地層(720)の上にあるのは、本明細書に記載のマンドレル(730)である。マンドレル(730)は、側壁(733)を備える。マンドレル(730)の上にあるのは、エッチング可能層(740)である。
【0081】
図7のパネルb)の構造は、前述のように、構造が、基材(700)、ハードマスク(710)、下地層(720)、及びパターニングされたレジスト(730)も備えるという意味で、
図7のパネルa)の構造と類似している。違いは、
図7のパネルb)の構造の形成中に、エッチング可能層(740)が異方性エッチングされて複数のスペーサ(345)を形成したという点にある。エッチング可能層(740)は、マンドレルの側壁でより厚くなるため、ウエハに垂直な方向で見ると、異方性エッチングは、前述のスペーサ(745)の形成をもたらす。任意選択で、マンドレル(730)を、スペーサ(745)に相対して選択的にエッチングすることができる。したがって、パターニングされた構造の臨界寸法を有利に縮小することができる。
【0082】
図8は、本明細書に開示されるプロセスステップのシーケンスを、基材上に小さな特徴サイズでパターニングされた特徴を形成するためにどのように用いることができるかを示す。特に
図8のパネルa)は、構造(810)が形成される基材(820)を示す。パネルb)では、構造(810)を薄くして、マンドレル(830)を形成している。パネルc)では、エッチング可能層(840)がマンドレル(830)上に形成されている。パネルd)では、エッチング可能層(840)が異方性エッチングに供されてスペーサ(845)を形成している。パネルe)では、マンドレルがエッチングされ、自立スペーサ(845)を形成している。スペーサの臨界寸法、及びスペーサ間の臨界寸法は、構造(810)のサイズよりも小さくてもよく、これは、初期の構造(810)の解像度と比較して、解像度向上に等しい。
【0083】
図9は、基材(910)上に形成される、本明細書に記載の構造(920)の実施形態を示す。構造は、コア(921)、近位層(922)、及び遠位層(923)を備える。コアは、非結晶性シリコンを備える。近位層(922)及び遠位層(923)は、酸化ケイ素を備える。構造(920)は、側壁(925)を更に備える。こうした構造(920)は、酸素を含む変換反応物及びフッ素を含む揮発化反応物への交互曝露を含む原子層エッチングを使用して薄くすることができる。
【0084】
用語「近位」は、基材から延在する層、構造部分、又は同種のものを示し得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、用語「近位」は、用語「上」「最上」又は「より高い」などによって相互に交換可能であり得る。用語「遠位」は、近位層及びコア層のうちの1つ以上など、別の層を直接的又は間接的に下る、構造部分、又は類似のものを示し得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、用語「遠位」は、用語「底部」、「最下部」、又は「下部」などによって相互に交換可能であり得る。
【0085】
これらの実施形態は単に本発明の実施形態の実施例にすぎないため、上述の本開示の例示的な実施形態は、本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内であることが意図される。実際、記述された要素の代替的な有用な組み合わせなど、本明細書に示されかつ記述された実施形態に加えて、本開示の様々な修正は、記述から当業者に明らかになる場合がある。こうした修正及び実施形態も、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【外国語明細書】