IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日亜化学工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040212
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】発光装置および発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02208 20210101AFI20240315BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20240315BHJP
【FI】
H01S5/02208
H01L33/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008521
(22)【出願日】2024-01-24
(62)【分割の表示】P 2021154421の分割
【原出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三浦 創一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲瀬▼ 翔太
(57)【要約】
【課題】はんだボール発生などの製造不良を抑制する。
【解決手段】本開示の発光装置は、半導体発光素子およびパッケージを備える。パッケージは、基材と、基材に接合される蓋とを有する。基材は、半導体発光素子を直接または間接的に支持する第1上面領域と、第1上面領域の法線方向から見た平面視において、第1上面領域を囲む第2上面領域と、を有する。パッケージは、基材の第2上面領域上に位置する内側金属層、内側金属層の外縁に沿って並行する外側金属層、および、第2上面領域上における内側金属層と外側金属層との間に位置するスリット部を有する。平面視において、内側金属層の内縁は、蓋の外縁よりも内側に位置し、平面視において、外側金属層の外縁の少なくとも一部は、蓋の外縁よりも外側に位置する。蓋は、内側金属層上に設けられた接合部材によって基材に接合されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を封止するパッケージと、
を備え、
前記パッケージは、基材と、前記基材に接合される蓋とを有しており、
前記基材は、
前記半導体発光素子を直接または間接的に支持する第1上面領域と、
前記第1上面領域の法線方向から見た平面視において、前記第1上面領域を囲む第2上面領域と、
を有し、
前記パッケージは、前記基材の前記第2上面領域上に位置する内側金属層、前記内側金属層の外縁に沿って並行する外側金属層、および、前記第2上面領域上における前記内側金属層と前記外側金属層との間に位置するスリット部を有しており、
前記平面視において、前記内側金属層の内縁は、前記蓋の外縁よりも内側に位置し、
前記平面視において、前記外側金属層の外縁の少なくとも一部は、前記蓋の外縁よりも外側に位置し、
前記蓋は、前記内側金属層上に設けられた接合部材によって前記基材に接合されている、発光装置(但し、前記基材が、前記外側金属層の外側において、前記第2上面領域を囲み前記第2上面領域よりも上方へと延びる内側面を有し、前記接合部材が、前記内側面と接している発光装置を除く)。
【請求項2】
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を封止するパッケージと、
を備え、
前記パッケージは、基材と、前記基材に接合される蓋とを有しており、
前記基材は、
前記半導体発光素子を直接または間接的に支持する第1上面領域と、
前記第1上面領域の法線方向から見た平面視において、前記第1上面領域を囲む、平面上の領域である第2上面領域と、
前記平面と交わり、前記平面よりも下方に延びる側面と、
を有し、
前記パッケージは、前記基材の前記第2上面領域上に位置する内側金属層、前記内側金属層の外縁に沿って並行する外側金属層、および、前記第2上面領域上における前記内側金属層と前記外側金属層との間に位置するスリット部を有しており、
前記平面視において、前記内側金属層の内縁は、前記蓋の外縁よりも内側に位置し、
前記平面視において、前記外側金属層の外縁の少なくとも一部は、前記蓋の外縁よりも外側に位置し、
前記蓋は、前記内側金属層上に設けられた接合部材によって前記基材に接合されている、発光装置。
【請求項3】
前記スリット部の幅は30μm以上500μm以下である、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記内側金属層と前記外側金属層とは、1または複数の枝部によって連結されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記接合部材ははんだである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記蓋は、
前記基材の前記第1および第2上面領域に対向する下面領域を有し、
前記下面領域のうちの前記内側金属層に対向する部分に第1蓋側金属層をさらに有し、
前記パッケージは、前記接合部材から形成された接合層によって、前記第1蓋側金属層と前記内側金属層とが接合されることで、前記半導体発光素子を気密に封止する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記蓋は、
前記平面視において、前記下面領域において前記第1蓋側金属層の内縁よりも内側に位置し、前記第1蓋側金属層の前記内縁に沿って並行する第2蓋側金属層を有し、
前記第1蓋側金属層と前記第2蓋側金属層との間に蓋側スリット部をさらに有し、
前記第2蓋側金属層は、前記平面視において、前記内側金属層の内縁よりも内側に位置する内側部分を含む、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1蓋側金属層は、前記平面視において、前記内側金属層の内縁よりも内側に位置する内側部分を含む、請求項6に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1蓋側金属層の幅は、前記内側金属層の幅よりも大きい、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置および発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電子部品および配線回路などを封止するパッケージを開示している。特許文献2は、赤外線検知素子を気密封止するパッケージを開示している。特許文献1および2のそれぞれに開示されているパッケージは、電子部品を支持する基材、および蓋を備える。基材に設けられた金属層と、蓋に設けられた金属層とがはんだによって接合されることで、電子部品はパッケージに封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-54856号公報
【特許文献2】特開2014-67895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1または特許文献2に開示されるパッケージを採用した場合、基材と蓋とを接合する接合部材の一部がパッケージの外部に流れ出すことにより、はんだボール発生などの製造不良が生じる可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題を解決することが可能なパッケージを備える発光装置、および当該発光装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の発光装置は、例示的な実施形態において、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を封止するパッケージと、を備え、前記パッケージは、基材と、前記基材に接合される蓋とを有しており、前記基材は、前記半導体発光素子を直接または間接的に支持する第1上面領域と、前記第1上面領域の法線方向から見た平面視において、前記第1上面領域を囲む第2上面領域と、を有し、前記パッケージは、前記基材の前記第2上面領域上に位置する内側金属層、前記内側金属層の外縁に沿って並行する外側金属層、および、前記第2上面領域上における前記内側金属層と前記外側金属層との間に位置するスリット部を有しており、前記平面視において、前記内側金属層の内縁は、前記蓋の外縁よりも内側に位置し、前記平面視において、前記外側金属層の外縁の少なくとも一部は、前記蓋の前記外縁よりも外側に位置し、前記蓋は、前記内側金属層上に設けられた接合部材によって前記基材に接合されている。
【0007】
本開示の発光装置の製造方法は、例示的な実施形態において、平面視において、第1上面領域と前記第1上面領域を囲む第2上面領域とを有し、前記第2上面領域上に位置する内側金属層、前記内側金属層の外縁に沿って並行する外側金属層、および、前記第2上面領域上における前記内側金属層と前記外側金属層との間に位置するスリット部を備える基材と、蓋と、を準備する工程と、前記基材の前記第1上面領域上に半導体発光素子を配置する工程と、前記内側金属層に接合部材を付する工程と、前記接合部材を介して前記蓋と前記基材とを接合する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態によれば、接合部材が流れ出すことを抑制し、はんだボール発生などの製造不良を抑制することが可能なパッケージを備える発光装置、および当該発光装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係る発光装置の分解斜視図である。
図2図2は、本開示の第1実施形態に係る発光装置の平面図である。
図3図3は、図2に示されるIII-III線に沿った発光装置の断面図である。
図4図4は、蓋を除いた状態の、本開示の第1実施形態に係る発光装置の平面図である。
図5図5は、蓋の底面図である。
図6図6は、基材と蓋との接合部分の拡大図である。
図7A図7Aは、流れ抑制構造がない場合にはんだボールが発生し得ることを説明するための模式図である。
図7B図7Bは、流れ抑制構造がない場合にはんだボールが発生し得ることを説明するための模式図である。
図7C図7Cは、流れ抑制構造がない場合にはんだボールが発生し得ることを説明するための模式図である。
図7D図7Dは、流れ抑制構造がない場合にはんだボールが発生し得ることを説明するための模式図である。
図8A図8Aは、流れ抑制構造がある場合にはんだボールの発生が抑制されることを説明するための模式図である。
図8B図8Bは、流れ抑制構造がある場合にはんだボールの発生が抑制されることを説明するための模式図である。
図8C図8Cは、流れ抑制構造がある場合にはんだボールの発生が抑制されることを説明するための模式図である。
図8D図8Dは、流れ抑制構造がある場合にはんだボールの発生が抑制されることを説明するための模式図である。
図9図9は、第2蓋側金属層をさらに有する蓋の底面図である。
図10図10は、流れ抑制構造の変形例による基材と蓋との接合部分の拡大図である。
図11図11は、リッジ部をさらに有する蓋の底面図である。
図12図12は、流れ抑制構造の他の変形例による基材と蓋との接合部分の拡大図である。
図13図13は、蓋を除いた状態の、複数の半導体発光素子が配置された本開示の第1実施形態に係る発光装置の平面図である。
図14図14は、本開示の第2実施形態に係る発光装置の分解斜視図である。
図15図15は、蓋を除いた状態の、本開示の第2実施形態に係る発光装置の平面図である。
図16図16は、XZ平面に平行な本開示の第2実施形態に係る発光装置の断面図である。
図17図17は、基材と蓋との接合部分の拡大図である。
図18図18は、内側金属層の内縁の内側に位置する他の内側金属層をさらに有する基材の平面図である。
図19図19は、蓋を除いた状態の、複数の半導体発光素子が配置された本開示の第2実施形態に係る発光装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序等は、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。また、以下に説明する様々な態様は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0011】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光装置における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0012】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。
【0013】
本明細書または特許請求の範囲において、三角形、四角形などの多角形は、数学的に厳密な意味の多角形に限定されず、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含む。また、多角形の隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に多角形と呼ぶ。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、“多角形”に含まれる。
【0014】
従来、接合部材の量が余剰であると、接合部材の一部がパッケージから外部に流れ出し、はんだボール発生などの製造不良が生じていた。一方で、接合部材の量が少ないと、はんだボールの発生は抑制され得るものの、接合不良が生じやすくなり、結果として、パッケージの気密性を確保することが困難になることがあった。本開示の実施形態に係る発光装置によれば、基材に内側金属層、外側金属層を形成し、さらに、内側金属層と外側金属層との間にスリット部を形成することによって、上記の課題を解決することが可能となる。
【0015】
図面を参照しながら、本開示の実施形態に係る発光装置の構成例を説明する。図面には、参考のために、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸が示されている。
【0016】
<第1実施形態>
まず、図1から図6を参照する。図1は、第1実施形態に係る発光装置100の分解斜視図である。図2は、基材10の支持面15aの法線方向から見る平面視における、発光装置100の平面図である。図3は、図2に示されるIII-III線に沿った発光装置100の断面図である。図4は、基材10の支持面15aの法線方向から見る平面視における、蓋20を除いた状態の発光装置100の平面図である。図5は、下面領域20aの側から見たときの蓋20の底面図である。図6は、基材10と蓋20との接合部分の拡大図である。図6に拡大して示す部分は、図2におけるVI-VI線に沿った発光装置100の断面に相当する。
【0017】
本開示の第1実施形態に係る発光装置100は、半導体発光素子40と、半導体発光素子40を封止するパッケージPとを備える。図1に例示される発光装置100は、半導体発光素子40を支持するサブマウント30、半導体発光素子40から出射される光を上方に反射する反射面を有する光学部材50をさらに備える。ただし、後述するように、発光装置100は複数の半導体発光素子40を備え得る。製品仕様または要求仕様に応じて、発光装置100は、ツェナーダイオードに代表される保護素子および/またはサーミスタなどの、内部温度を測定するための温度センサを備え得る。さらに、発光装置100は、半導体発光素子40から出射される光の強度をモニタするための、フォトダイオードなどの受光素子を備えていてもよい。
【0018】
図1に例示される発光装置100の形状は略直方体である。ただし、発光装置100の形状はこれに限定されない。発光装置100のX方向におけるサイズは、例えば、1.0mm~15.0mm程度であり、Y方向におけるサイズは1.0mm~15.0mm程度である。Z方向における発光装置100の厚さは1.0mm~6.0mm程度であり得る。
【0019】
(パッケージP、基材10および蓋20)
パッケージPは、基材10と、基材10に接合される蓋20とを有する。基材10は、支持面15aを有する底部10aと、支持面15aによって支持される側壁部10bとを有する。図3に例示される基材10は、底部10aと側壁部10bとが一体的に形成された部材であるが、これに限定されない。底部10aと側壁部10bとが別部材であり、側壁部10bが、底部10aの支持面15aの周縁領域に接合されていてもよい。半導体発光素子40を支持した状態のサブマウント30、および光学部材50は、支持面15aに配置されており、側壁部10bによって囲われている。
【0020】
図3および図4に例示されるように、基材10は、半導体発光素子40を直接または間接的に支持する第1上面領域11aと、平面視において、第1上面領域11aを囲む第2上面領域11bとを有する。本明細書中の「平面視」は、支持面15aまたは第1上面領域11aの法線方向から見た平面視を意味する。図面において、支持面15aまたは第1上面領域11aの法線方向はZ方向に一致する。基材10は、支持面15aと側壁部10bの上面15bとの間に段差を有する。第1上面領域11aは支持面15aに位置し、第2上面領域11bは、支持面15aよりも上方に位置する側壁部10bの上面15bに位置している。言い換えると、発光装置100が備えるパッケージPは、第1上面領域11aと第2上面領域11bとの間に段差を有する。これにより、半導体発光素子40と、蓋20が接合される第2上面領域11bとを離して設けることができるため、蓋20を接合するときの熱などの影響が半導体発光素子40に及ぶことを抑制できる。
【0021】
第1上面領域11aと第2上面領域11bとの間の段差によって、基材10には凹部が形成される。基材10に形成された凹部を蓋20で覆うことによって、パッケージPに封止空間Vが形成される。サブマウント30は、封止空間V内に配置され、半導体発光素子40を支持する。ただし、サブマウント30は必須ではない。サブマウント30がない場合には、半導体発光素子40は第1上面領域11aに直接的に接合され、サブマウント30がある場合には、半導体発光素子40はサブマウント30に支持された状態で第1上面領域11aに間接的に接合される。
【0022】
図1に例示される蓋20は板状の部材である。後述するように、蓋20を基材10に接合することで封止空間Vを封止あるいは気密封止することができる。気密封止することで、封止空間Vに配置された部材が実質的に劣化しなくなる。さらに、後述するように、半導体発光素子40に例えば、青色または緑色の光を発するレーザダイオードを用いる場合、レーザ光による集塵の影響を抑制することができる。
【0023】
基材10は、例えば、セラミック、金属、ガラス、シリコン、樹脂などを主材料として形成することができる。セラミックの例は、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素などを含む。
【0024】
図4に例示される基材10は、内側金属層12a、外側金属層12bおよびスリット部13を有している。内側金属層12aおよび外側金属層12bは、基材10の第2上面領域11b上に位置している。言い換えると、内側金属層12aおよび外側金属層12bは、側壁部10bの上面15bに設けられている。図示される例において、内側金属層12aは、側壁部10bの上面15bの内縁に沿って連続して形成されている。外側金属層12bは内側金属層12aの外縁に沿って並行して形成されている。外側金属層12bは、内側金属層12aを完全に囲むように連続して形成されている必要はなく、部分的に途切れていてもよい。外側金属層12bの幅は、内側金属層12aの外縁に沿って一様でなく、例えば、基材10の外形の4隅のそれぞれに対応する角部分における幅は、他の部分における幅よりも太くてもよい。太くなった部分で、後述するように、接合時に余剰となった接合部材を吸収することができ、接合部材の流れ出しを抑制できる。スリット部13は、第2上面領域11b上における内側金属層12aと外側金属層12bとの間に位置する。
【0025】
図2に例示されるように、平面視において、図4に示される内側金属層12aの内縁および外縁のそれぞれは、蓋20の外縁よりも内側に位置している。このような構成とすることにより、後述するように、接合部材が少量であっても、内側金属層12aに接合部材を濡れ広がさせることができる。また、接合に寄与する内側金属層12aが蓋20の外縁よりも内側に位置しているため、蓋20と内側金属層12aとの接合面積を確保することができる。このため、気密不良を抑制することができる。また、外側金属層12bの外縁の少なくとも一部は、蓋20の外縁よりも外側に位置し得る。このような構成とすることにより、外側金属層12bによって、蓋20とパッケージPとの接合に使われなかった余剰な接合部材を吸収できるため、接合部材の流れ出しを抑制することができる。平面視において、例えば、図2に示されるように外側金属層12bの外縁が、すべて、蓋20の外縁よりも外側に位置していてもよいし、外側金属層12bの外縁の一部が、蓋20の外縁よりも内側に位置し、蓋20に重なっていてもよい。あるいは、外側金属層12bの内縁がすべて、蓋20の外縁よりも外側に位置し、蓋20と外側金属層12bとが重ならないようにしてもよい。
【0026】
XまたはY方向において、外側金属層12bの幅は、例えば30μm以上1000μm以下である。内側金属層12aの幅は、外側金属層12bの幅よりも大きく、例えば外側金属層12bの幅の2~4倍程度である。内側金属層12aおよび外側金属層12bのそれぞれの厚さは、例えば1μm以上100μm以下である。スリット部13の幅は、例えば30μm以上とすることができる。スリット部13の幅は、例えば、30μm以上500μm以下であり、好ましくは30μm以上300μm以下であり、より好ましくは30μm以上150μm以下である。スリット部13の幅を30μm以上とすることにより、後述するように、接合部材が少量であっても、スリット部13によって、接合部材が濡れ広がる面積を小さく抑えることができるために、気密不良となることを抑制できる。また接合部材が余剰であっても、スリット部13によって、外側金属層12bに濡れ広がる接合部材の量を低減することで、外側金属層12bでの余剰な接合部材の吸収を容易とし、パッケージの外側への接合部材の流れ出しを抑制できる。
【0027】
内側金属層12aと外側金属層12bとは、1または複数の枝部14によって連結され得る。枝部14はスリット部13を横切るように設けられる。図4に示される例では、内側金属層12aと外側金属層12bとは、2個の枝部14によって連結されている。ただし、枝部14は2個に限定されず、1個または3個以上であってもよい。また、枝部14が設けられる位置は図示される例に限定されず任意である。枝部14は、発光装置の製造時に、基材10に部材を配置するときのアライメントマークとして利用することができる。枝部14の幅(図4に示されるX方向におけるサイズ)は、例えば30μm以上200μm以下であり得る。特に、後述する電解めっきによって金属層のパターンを形成する場合に、枝部14を介して内側金属層12aから、外側金属層12bが形成されることとなる第2上面領域11bの部分に電流を流すことが可能となるために、枝部14は有用である。
【0028】
図5および図6に例示されるように、蓋20は、基材10の第1上面領域11aおよび第2上面領域11bに対向する下面領域20aを有する。蓋20は、下面領域20aのうちの内側金属層12aに対向する部分に第1蓋側金属層21aを有し得る。図示される例における第1蓋側金属層21aは、平面視において、内側金属層12aの内縁よりも内側に位置する内側部分21a-1を含む。XまたはY方向において、第1蓋側金属層21aの幅は内側金属層12aの幅よりも大きい。第1蓋側金属層21aと内側金属層12aとの接合部分における基材10と蓋20との間隔は、例えば5μm以上300μm以下である。
【0029】
本実施形態における蓋20は、半導体発光素子40から出射された光を透過させる透光性領域を有する。蓋20は、例えばサファイアから形成することができる。サファイアは透光性を有しており、また、強度も比較的高い材料である。蓋20は、サファイア以外に、ガラス、プラスチック、石英などの透光性材料から形成され得る。なお、蓋20のうちの透光性領域の部分が、透光性材料から形成されていればよく、他の部分は、透光性材料から形成されていなくてもよい。
【0030】
内側金属層12a、外側金属層12bおよび第1蓋側金属層21aのそれぞれは、例えばタングステン、モリブデン、ニッケル、金、銀、白金、チタン、銅、アルミニウム、ルテニウムなどの金属材料から形成され得る。それぞれの金属層は、接合部材に対し高い濡れ性を有することが好ましい。
【0031】
蓋20は、内側金属層12a上に設けられた接合部材によって基材10に接合される。具体的に説明すると、接合部材から形成された接合層70によって、第1蓋側金属層21aと内側金属層12aとが接合されることで、パッケージPは半導体発光素子40を気密に封止する。接合部材の例は、金錫、はんだ合金またはろう材などの金属材料を含み得る。以降の説明において、基材10の第2上面領域11b上の外側金属層12bおよびスリット部13の部分を「流れ抑制構造」と呼ぶ場合がある。また、説明の便宜上、接合部材に接合層70と同じ参照符号を付す場合がある。
【0032】
図7Aから図7Dは、流れ抑制構造がない場合に、接合部材70の流れ出しが発生し得ることを説明するための模式図である。図7Aから図7Dでは一例として、はんだボールが発生し得ることを説明する。内側金属層12aは、接合部材70を付する金属層として機能する。基材10に蓋20を接合するときに、内側金属層12aの外側に外側金属層12bがない場合を考える。この場合、内側金属層12aに付された接合部材70は、第1蓋側金属層21aに接する面積が大きくなるにつれて、内側金属層12aからはみ出し、平面視において蓋20の外縁よりも外側に流れて広がり易くなる。基材10と蓋20との間隔が小さいと、狭空間にある接合部材70は、毛細管現象によって、蓋20の外縁よりも外側に広がり易くなる。図7Cに示されるように、蓋20の外縁よりも外側に流れ出た接合部材70の一部は、濡れにくい基材10の第2上面領域11b上にはんだボール71を形成する。結果として、図7Dに示されるように、蓋20の外縁に沿って1または複数のはんだボール71が発生しやすくなる。はんだボール71は、濡れにくい基材10の第2上面領域11b上に形成されるため、脱落しやすい。このため、発光装置をモジュールなどに組み込んだときに、電気的短絡などが生じるおそれがある。
【0033】
図8Aから図8Dは、流れ抑制構造がある場合に、接合部材70の流れ出しが抑制されることを説明するための模式図である。図8Aから図8Dでは一例として、はんだボールの発生が抑制されることを説明する。本実施形態における流れ抑制構造によると、スリット部13において金属層は設けられておらず、基材10の第2上面領域11bが露出している。このために、スリット部13の接合部材70に対する濡れ性は、内側金属層12aおよび外側金属層12bの接合部材70に対する濡れ性よりも小さく、濡れづらい。このため、スリット部13は、接合部材70の広がりを抑制するストッパとして機能する。スリット部13によって、封止に必要な量の接合部材70を内側金属層12a上に留めることが可能となる。また、外側金属層12bは、接合部材70が余剰であった場合の吸収層として機能する。接合部材70が余剰である場合には、スリット部13から溢れて蓋20の外縁よりも外側に広がり得る。この場合でも、外側金属層12bまで達した接合部材70の一部は、図8Cまたは図8Dに示されるように外側金属層12bの表面に広がり吸収される。例えば、ろう接(はんだ付けまたはろう付け)で基材10に蓋20を接合するときに、溶融した接合部材が外部に流れ出たとしても、溶融した金属は、外側金属層12bの表面に吸収されるために、はんだボールの発生を抑制できる。
【0034】
さらに、蓋20の側の下面領域20aに設けた第1蓋側金属層21aの内側部分21a-1は、内側部分21a-1の表面上に広がる接合部材70を濡れ広げる機能を発揮する。その結果、接合部材70の一部が第1蓋側金属層21aからはみ出し、基材10の第1上面領域11aに飛散して付着することが抑制され、第1上面領域11aに配置される半導体発光素子40または他の電子部品の信頼性を確保することができる。
【0035】
このように、流れ抑制構造は、接合部材70の流れ出しを適切に抑制し得る。また、接合部材70が少量であっても、スリット部13によって、接合部材70が広がる面積を小さく抑えることができるために、気密不良が生じづらくなる。
【0036】
図9から図12を参照して、本実施形態による流れ抑制構造の変形例を説明する。流れ抑制構造は、蓋に設けられる第2蓋側金属層またはリッジ部をさらに有し得る。
【0037】
図9は、下面領域20aの側から見た、第2蓋側金属層21bをさらに有する蓋20-1の底面図である。図10は、基材10と蓋20-1との接合部分の拡大図である。図10に拡大して示す部分は、図6に示される拡大部分に相当する。
【0038】
この変形例による蓋20-1は、平面視において、第2蓋側金属層21bおよび蓋側スリット部22を有し得る。第2蓋側金属層21bは、下面領域20aにおいて第1蓋側金属層21aの内縁よりも内側に位置し、第1蓋側金属層21aの内縁に沿って並行する。蓋側スリット部22は、第1蓋側金属層21aと第2蓋側金属層21bとの間に位置する。ただし、第2蓋側金属層21bは、図示されるように第1蓋側金属層21aの内縁に沿って連続して形成されている必要はなく、部分的に途切れていてもよい。蓋側スリット部22の幅は、例えば、30μm以上500μm以下である。蓋側スリット部22は、基材10のスリット部13と同様に、接合部材70の広がりを抑制するストッパとして機能する。第2蓋側金属層21bは、基材10の外側金属層12bと同様に、接合部材70を濡れ広げる機能を発揮する。
【0039】
図11は、下面領域20aの側から見た、リッジ部23をさらに有する蓋20-2の底面図である。図12は、基材10と蓋20-2との接合部分の拡大図である。図12に拡大して示す部分は、図6に示される拡大部分に相当する。
【0040】
この変形例による第1蓋側金属層21aは、平面視において、内側金属層12aの内縁よりも内側に位置する内側部分21a-1を含む。蓋20-2は、平面視において、第1蓋側金属層21aの内側部分21a-1に設けられ、かつ、内側金属層12aの内縁に沿って並行するリッジ部23を有し得る。リッジ部23は、内側金属層12aの内縁から、例えば30μm~500μm離れた位置に設けられ得る。リッジ部23は、内側金属層12aの内縁に沿って連続して形成されている必要はなく、部分的に途切れていてもよい。リッジ部23は、例えば白金、チタン、クロム、SiOから形成され得る。リッジ部23は、接合部材70の広がりを抑制するストッパとして機能する。
【0041】
これらの変形例によれば、はんだボールの発生を適切に抑制しつつ、パッケージ内部においてはんだが支持面15aに飛散することによる影響を抑制し、半導体発光素子40または他の電子部品の信頼性を確保することができる。
【0042】
(サブマウント30)
サブマウント30は、直方体の形状を有し得る。ただし、サブマウント30の形状は直方体に限らなくてよい。サブマウント30は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、または炭化ケイ素から形成することができる。
【0043】
(半導体発光素子40)
半導体発光素子40の例はレーザダイオードである。半導体発光素子40には、例えば、青色の光を出射するレーザダイオード、緑色の光を出射するレーザダイオード、または、赤色の光を出射するレーザダイオードなどを採用することができる。また、可視光以外の光、例えば近赤外線または紫外線を出射するレーザダイオードを採用してもよい。
【0044】
本明細書において、青色の光は、発光ピーク波長が420nm~494nmの範囲内にある光である。緑色の光は、発光ピーク波長が495nm~570nmの範囲内にある光である。赤色の光は、発光ピーク波長が605nm~750nmの範囲内にある光である。
【0045】
青色の光を発する半導体発光素子、または、緑色の光を発する半導体発光素子として、例えば、窒化物半導体を含むレーザダイオードが挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、およびAlGaNを用いることができる。赤色の光を発する半導体発光素子として、InAlGaP系やGaInP系、GaAs系やAlGaAs系の半導体を含むもの等が挙げられる。
【0046】
(光学部材50)
光学部材50の例は角柱の形状を有する。角柱は多角形を底面とする柱体である。柱体の底面の例は、三角形、四角形または五角形である。なお、光学部材50の形状は角柱に限定されない。光学部材50は、例えば、ガラス、プラスチック、石英などの透光性材料や、金属、シリコンなどから形成され得る。図3に例示される光学部材50は、三角柱の部材であり、反射面51および下面52を有する。下面52は、基材10の支持面15aに接合する接合面である。
【0047】
光学部材50は、半導体発光素子40から支持面15aに平行な方向に出射された光を、蓋20の透光性領域に向けて反射する反射面51を有する。反射面51は、下面52に対して傾斜する傾斜面である。反射面51は、下面52に対して、例えば25°以上65°以下の傾斜角度で傾斜している。図示される発光装置100の例では、反射面51は、下面52に対して、45°の傾斜角度で傾斜している。反射面51は、入射光の一部を透過させ残りを反射する部分反射面であってもよい。反射面51は、例えば、入射光を反射する光反射制御膜を透光性材料の上に設けることによって形成され得る。光反射制御膜は、例えば、Ag、Alなどの金属膜から形成され得る。または、光反射制御膜は、Ta/SiO、TiO/SiO、Nb/SiOなどから形成された誘電体多層膜であり得る。
【0048】
半導体発光素子40から基材10の支持面15aに平行な方向(図中のX方向)に出射された光が、光学部材50の反射面51で上方(図中のZ方向)に反射される。発光装置100は、反射面51で反射された光を蓋20の透光性領域からパッケージPの外部に出射する。
【0049】
本実施形態における発光装置100は、複数の半導体発光素子40を備え得る。図13は、蓋を除いた状態の、複数の半導体発光素子40が配置された発光装置100の平面図である。図13には、3個の半導体発光素子40が例示されている。半導体発光素子40の数はこれに限定されず、2個または4個以上であってもよい。3個の半導体発光素子40は、例えば、青色、緑色および赤色から選択される互いにピーク波長が異なる光を出射し得る。図13において光学部材50は、3個の半導体発光素子40から出射される光をそれぞれ反射する3個の反射面51を有し得る。3個の光学部材を用いて反射面51を3個としてもよいし、1個の光学部材を用いて反射領域を分けることで反射面51を3個としてもよい。このような発光装置は、例えば表示装置の光源として利用することができる。
【0050】
(発光装置100の製造方法の例)
本実施形態における発光装置100の製造方法は、基材と、蓋とを準備する工程(A)と、基材の第1上面領域上に半導体発光素子を配置する工程(B)と、内側金属層に接合部材を付する工程(C)と、接合部材を介して蓋と基材とを接合する工程(D)とを含み得る。
【0051】
工程(A)において、平面視において、第1上面領域11aと、第1上面領域11aを囲む第2上面領域11bとを有する基材10を準備する。次に、基材10の第2上面領域11bに、内側金属層12aと、内側金属層12aの外縁に沿って並行する外側金属層12bとを、例えば、電解めっきまたは蒸着によって形成する。このとき、第2上面領域11bにおける金属膜を形成しない部分を例えばレジスト材料でマスクすることによって、内側金属層12aと外側金属層12bとの間にスリット部13を形成する。
【0052】
基材10に蓋20を接合するときに、蓋20の下面領域20aのうちの内側金属層12aに対向する部分に、例えば、電解めっきまたは蒸着によって第1蓋側金属層21aを形成する。
【0053】
工程(B)において、基材10の第1上面領域11a上に、半導体発光素子40を接合したサブマウント30、および光学部材50を配置する。
【0054】
工程(C)において、基材10の内側金属層12aに接合部材70(例えば、はんだ)を付する。接合部材70は、第1蓋側金属層21aに付してもよい。
【0055】
工程(D)において、例えばろう接によって、接合部材70を介して蓋20と基材10とを接合する。以上の工程を経て、発光装置100が得られる。
【0056】
<第2実施形態>
図14から図19を参照して、本開示の第2実施形態に係る発光装置を説明する。第2実施形態に係る発光装置は、半導体発光素子から出射される光がパッケージの側方に出射する点で、第1実施形態に係る発光装置と異なる。以下、第1実施形態に係る発光装置との相違点を主に説明する。
【0057】
図14は、第2実施形態に係る発光装置101の分解斜視図である。図15は、平面視における、蓋20-3を除いた状態の発光装置101の平面図である。図16は、XZ平面に平行な発光装置101の断面図である。図17は、基材10-1と蓋20-3との接合部分の拡大図である。
【0058】
本実施形態に係る発光装置101は、基材10-1、蓋20-3、サブマウント30およびサブマウント30に支持される半導体発光素子40を備える。基材10-1は、第1上面領域11aおよび第1上面領域11aよりも外側に位置する第2上面領域11bを含む支持面15aを有する。蓋20-3は、支持面15aによって支持される側壁部20-3aと、側壁部20-3a上に位置する上面部20-3bと、を有する。図示される蓋20-3は、側壁部20-3aと上面部20-3bとが一体的に形成された部材であるが、これに限定されない。側壁部20-3aと上面部20-3bとは別部材であり、上面部20-3bは、側壁部20-3aの上面に接合されていてもよい。側壁部20-3aは、半導体発光素子40から出射された光を透過させる透光性領域を有する。蓋20-3のうちの少なくとも透光性領域の部分は、サファイア、ガラス、プラスチック、石英などの透光性材料から形成され得る。他の部分は、透光性材料から形成されていなくてもよい。
【0059】
発光装置101は、半導体発光素子40から支持面15aに平行な方向に出射された光を、側壁部20-3aの透光性領域からパッケージPの外部に側方に出射する。
【0060】
基材10-1は、内側金属層12a、外側金属層12bおよびスリット部13を第2上面領域11bに有している。側壁部20-3aは、基材10-1の支持面15aに接合される接合面に下面領域20aを有する。本実施形態における流れ抑制構造は、第1実施形態における流れ抑制構造と実質的に同じ構造および機能を有しており、詳細な説明は省略する。本実施形態に係る発光装置101によれば、第1実施形態と同様に、はんだボールの発生を適切に抑制することが可能となる。
【0061】
図18は、内側金属層12aの内縁の内側に位置する他の内側金属層12cをさらに有する基材10-2の平面図である。
【0062】
基材10-2は、平面視において、支持面15aにおいて内側金属層12aの内縁よりも内側に位置し、内側金属層12aの内縁に沿って並行する他の内側金属層12cを有し得る。内側金属層12aと他の内側金属層12cとの間に他のスリット部13-1が位置していてもよい。他のスリット部13-1は、スリット部13と同様に、接合部材70の広がりを抑制するストッパとして機能する。他の内側金属層12cは、外側金属層12bと同様に、接合部材70が余剰であった場合の吸収層として機能する。この流れ抑制構造によれば、接合部材70が支持面15aの第1上面領域11aの側に広がることを適切に抑制することが可能となる。
【0063】
図19は、蓋を除いた状態の、複数の半導体発光素子40が配置された発光装置101の平面図である。本実施形態における発光装置101も、第1実施形態と同様に、複数の半導体発光素子40を備え得る。図示される3個の半導体発光素子40は、例えば、青色、緑色および赤色から選択される互いにピーク波長が異なる光を出射し得る。このような発光装置は、例えば表示装置の光源として利用することができる。
【0064】
本開示の実施形態による流れ抑制構造は、半導体発光素子に限定されず、受光素子などの他の電子部品を封止するパッケージにも適用され得る。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示の発光装置は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクタ、ディスプレイ、または照明器具に利用され得る。
【符号の説明】
【0066】
10、10-1、10-2 :基材
10a :底部
10b :側壁部
11a :第1上面領域
11b :第2上面領域
12a :内側金属層
12b :外側金属層
12c :内側金属層
13、13-1 :スリット部
14 :枝部
15a :支持面
15b :上面
20、20-1、20-2、20-3 :蓋
20-3a :側壁部
20-3b :上面部
20a :下面領域
21a :第1蓋側金属層
21a-1 :内側部分
21b :第2蓋側金属層
22 :蓋側スリット部
23 :リッジ部
30 :サブマウント
40 :半導体発光素子
50 :光学部材
51 :反射面
52 :下面
70 :接合層(接合部材)
71 :はんだボール
100、101 :発光装置
P :パッケージ
V :封止空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19